JP3512617B2 - 電子部品 - Google Patents

電子部品

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子収納用
パッケージや多層配線基板等に用いられる電子部品に関
し、詳細には良好な接続信頼性を有する被覆構造のメタ
ライズ金属層を備えた電子部品に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、半導体素子収納用パッケージや多
層配線基板等の電子部品においては、酸化アルミニウム
質焼結体等の電気絶縁材料から成る絶縁基体の表面に半
導体素子やチップコンデンサ等の電子素子の電極を半田
付けするためのタングステン・モリブデン・マンガン等
の高融点金属から成るメタライズ金属層が被着されてお
り、このメタライズ金属層の表面にはメタライズ金属層
が酸化腐食するのを防止するとともにメタライズ金属層
と半田との濡れ性を向上させるためにニッケルや金を主
成分とするめっき金属層が被着されている。 【0003】このようなメタライズ金属層の表面に被着
されるめっき金属層としては、例えば特開昭61−104085
号公報に記載されているように、メタライズ金属層の表
面に、ニッケル−ホウ素合金を主成分とする第一金属層
と、ニッケル−リン合金を主成分とする第二金属層と、
金を主成分とする表面金属層とを順次被着させたものが
知られている。 【0004】なお、このようにメタライズ金属層に金を
主成分とする表面金属層が被着された電子部品において
は、金を主成分とする表面金属層の厚みが0.5 μmを超
える厚いものとなると、半導体素子やチップコンデンサ
等の電子素子の電極を金を主成分とする表面金属層が被
着されたメタライズ金属層に半田付けする際に、表面金
属層に含まれる金が溶融した半田中に多量に拡散すると
ともにこの拡散した金と半田に含まれる錫との間で脆弱
な金属間化合物が多量に形成され、このため半田付け部
の強度が小さいものとなってしまい、この半田付け部に
熱応力や外力が印加されるとその熱応力や外力により半
田付け部に剥がれや破断が発生し易いものとなることか
ら、一般に金を主成分とする表面金属層の厚みを0.1 〜
0.5 μm程度の薄いものとすることが好ましい。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金を主
成分とする表面金属層の厚みを0.1 〜0.5 μm程度の薄
いものとすると、金を主成分とする表面金属層にピンホ
ール等の欠陥が発生し易くなり、表面金属層にピンホー
ル等の欠陥が発生すると、空気中の水分が表面金属層の
欠陥を通して下地のニッケル−リンを主成分とする第二
金属層に達し、水分の存在によって酸化し易いニッケル
−リン合金から成る第二金属層を酸化腐食させてしま
い、これによりメタライズ金属層と半田との濡れ性が大
きく低下してしまうという問題点があった。 【0006】また、特開昭59−92598 号公報に記載され
ているように、メタライズ部の表面にニッケル基合金ま
たはニッケルの熱処理されためっき層から成る第1被膜
層とニッケル−ホウ素合金めっき層からなる第2被膜層
とを順次被着させたものも提案されている。 【0007】この場合、金めっき層を必要としないとし
ているが、第2被膜層に含有されるホウ素が半田との濡
れ性を阻害するので、表面金属層としての金めっき層が
ある場合と比較すると、やはり半田濡れ性が劣る。 【0008】そこで、前記ニッケル−ホウ素合金めっき
層からなる第2被膜層の表面に金を主成分とする表面金
属層を被着させることも考えられるが、この場合には、
ニッケル−ホウ素合金はホウ素と金との密着性が劣るた
め第2被膜層上に金を主成分とする表面金属層が強固に
被着されず、金を主成分とする表面金属層に膨れや剥が
れが発生してしまうという問題点があった。 【0009】本発明は上記事情に鑑みて案出されたもの
であり、その目的は、半田濡れ性に優れるとともに欠陥
の発生やそれに伴う腐食の発生がない、良好な接続信頼
性を有する被覆構造のメタライズ金属層を備えた電子部
品を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明の電子部品は、絶
縁基体上に、表面にニッケル−ホウ素合金を主成分とす
る熱処理された第一金属層と、ニッケル−ホウ素合金を
主成分とし、熱処理されることによって表面から300オ
ングストロームまでの深さにおけるホウ素の含有量が少
なくなっている第二金属層と、金を主成分とする表面金
属層とを順次被着させたメタライズ金属層を具備するこ
とを特徴とするものである。 【0011】本発明の電子部品によれば、第二金属層は
熱処理されていることから、この熱処理により金との密
着性に劣るホウ素が第二金属層の表面から揮散除去さ
れ、第二金属層と金を主成分とする表面導体層とが強固
に密着するとともに第二金属層と半田との濡れ性も良好
なものとなる。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づき
詳細に説明する。図1は本発明の電子部品の実施の形態
の一例としてのメタライズ金属層の被覆構造を示す断面
図であり、1は酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミ
ニウム質焼結体等の電気絶縁材料から成る絶縁基体、2
はタングステン・モリブデン・モリブデン−マンガン等
の高融点金属から成るメタライズ金属層である。 【0013】絶縁基体1は、従来周知のセラミックグリ
ーンシート積層法やプレス成形法により生セラミック成
形体を形成するとともにこの生セラミック成形体を約16
00℃の高温で焼成することによって製作される。 【0014】メタライズ金属層2は、例えばタングステ
ンやモリブデンから成る場合であれば、タングステンや
モリブデンの粉末に適当な有機バインダや溶剤を添加混
合して得た金属ペーストを絶縁基体1となる生セラミッ
ク体に従来周知のスクリーン印刷法により所定パターン
に印刷しておき、これを絶縁基体1となる生セラミック
体とともに焼成することによって、またモリブデン−マ
ンガンから成る場合であれば、モリブデンおよびマンガ
ンの粉末に適当な有機バインダや溶剤を添加混合して得
た金属ペーストを焼成された絶縁基体1の表面に従来周
知のスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布
し、これを約1500℃の高温で焼成することによって絶縁
基体1の表面に形成される。 【0015】メタライズ金属層2は、その表面が、ニッ
ケル−ホウ素合金を主成分とする熱処理された第一金属
層3と、ニッケル−ホウ素合金を主成分とする熱処理さ
れた第二金属層4とから成る中間金属層で被覆されてお
り、この中間金属層の表面は金を主成分とする表面金属
層5で順次被覆されている。 【0016】第一金属層3は、ホウ素を0.04〜1.0 重量
%程度含有するニッケル−ホウ素合金からなり、第二金
属層4をメタライズ金属層2に強固に被着させるための
下地金属層として作用する。 【0017】第一金属層3は、ニッケルイオンの供給源
として硫酸ニッケルを、還元剤としてジメチルアミンボ
ランを用い、これに錯化剤として酢酸・プロピオン酸・
マロン酸・コハク酸等の有機酸のうちいずれか2〜3種
類のナトリウム塩を、安定剤としてチオ二酢酸・酢酸鉛
を添加してなる無電解めっき液を用い、このめっき液を
建浴後、アンモニア水によりpHを約6.5 に調整し、60
〜65℃に加温してめっきを行なうことによってメタライ
ズ金属層2の表面に被着され、その後、これを乾燥した
アンモニア分解ガス雰囲気中約850 〜870 ℃の温度で約
10〜30分程度加熱されることによって熱処理されてい
る。 【0018】ニッケル−ホウ素合金を主成分とする第一
金属層3は、メタライズ金属層2上にピンホールやボイ
ドを形成することなく均一厚みに形成され、また前記熱
処理によってニッケルがメタライズ金属層2に拡散する
とともに第一金属層3に内在する応力が緩和され、これ
らにより第一金属層3はメタライズ金属層2に強固に密
着する。 【0019】なお、第一金属層3は、これに含有される
ホウ素の含有量が0.04重量%未満であると第一金属層3
にクラックが発生し易いものとなる傾向にあり、1重量
%を超えると熱処理した際に窒化ホウ素が形成され、第
二金属層4との密着性が悪いものとなる傾向にある。従
って、第一金属層3は、これに含有されるホウ素の含有
量が0.04〜1重量%の範囲であることが好ましい。 【0020】また、第一金属層3は、その厚みが0.5 μ
m未満であると第一金属層3にピンホール等の欠陥が発
生し易くなり、熱処理した際にメタライズ金属層2に含
有されるガラス成分が第一金属層3の表面に侵出して第
二金属層4との密着が悪いものとなる傾向にあり、厚み
が3μmを超えると第一金属層3に大きなめっき応力が
発生し、第一金属層3に剥がれや膨れが発生し易いもの
となる傾向にある。従って、第一金属層3aは、その厚
みを0.5 〜3μmの範囲としておくことが好ましい。 【0021】さらに第一金属層3を熱処理する際の加熱
温度は、850 ℃未満であると第一金属層3とメタライズ
金属層2との密着が弱いものとなる傾向にあり、また87
0 ℃を超えると第一金属層3と第二金属層4との密着が
弱いものとなる傾向にある。 【0022】従って、第一金属層3を熱処理する際の加
熱温度は、850 〜870 ℃の範囲が好ましい。 【0023】さらにまた、第一金属層3を熱処理する際
の加熱時間は、10分未満であると第一金属層3とメタラ
イズ金属層2との密着が弱いものとなる傾向にあり、ま
た30分を超えると、第一金属層3と第二金属層4との密
着が弱いものとなる傾向にある。従って、第一金属層3
を熱処理する際の加熱時間は、10〜30分間であることが
好ましい。 【0024】第二金属層4は、全体としてホウ素を0.04
〜0.2重量%程度含有するニッケル−ホウ素合金からな
り、表面金属層5を中間金属層に強固に被着させるとと
もにメタライズ金属層2に電子素子の電極を半田付けの
際、半田と良好に濡れるための下地金属層として機能す
る。 【0025】第二金属層4は、ニッケルイオンの供給源
として硫酸ニッケルを、還元剤としてジメチルアミンボ
ランを用い、これに錯化剤として酢酸・プロピオン酸・
マロン酸・コハク酸等の有機酸のうちいずれか2〜3種
類のナトリウム塩を、安定剤としてチオ二酢酸・酢酸鉛
を添加してなる無電解めっき液を用い、このめっき液を
建浴後、アンモニア水によりpHを約6.5 に調整し、60
〜65℃に加温してめっきを行なうことによってメタライ
ズ金属層2の表面に被着され、その後、これを乾燥した
アンモニア分解ガス雰囲気中約760 〜770 ℃の温度で約
60〜180 分間程度加熱されることによって熱処理されて
いる。 【0026】第二金属層4は、熱処理されることにより
内在する応力が緩和されるとともに結晶粒径が約0.2 〜
4μm程度に粒成長して緻密化し、さらに第二金属層4
の表面近傍に含有されるホウ素が揮散し、表面から300
オングストロームまでの深さにおけるホウ素の含有量が
0.01重量%以下と少ないものとなっている。 【0027】従ってこの第二金属層4上に金を主成分と
する表面金属層5を被着させても第二金属層4の表面か
ら300 オングストロームまでの深さにおいては金との密
着性に劣るホウ素が0.01重量%以下と少ないことから、
第二金属層4と表面金属層5とが強固に密着し、表面金
属層5に膨れや剥がれが発生することはなく、しかも第
二金属層4と半田との濡れ性が良好なものとなってい
る。 【0028】なお、第二金属層4は、この第二金属層4
全体に含有されるホウ素の含有量が0.04重量%未満では
第二金属層4にクラックが発生し易いものとなる傾向に
あり、0.2重量%を超えると金を主成分とする表面金属
層5との密着が弱いものとなる傾向にある。従って、第
二金属層4は、第二金属層4全体に含有されるホウ素の
含有量が0.04〜0.2重量%の範囲であることが好まし
い。 【0029】また第二金属層4は、その表面から300 オ
ングストロームまでの深さにおけるホウ素の含有量が0.
01重量%を超えると第二金属層4と金を主成分とする表
面金属層5との密着が弱いものとなるとともに第二金属
層4と半田との濡れ性が悪くなる傾向にある。従って、
第二金属層4は、その表面から300 オングストロームま
での深さにおけるホウ素の含有量が0.01重量%以下であ
ることが好ましい。 【0030】さらに第二金属層4は、その結晶粒径が0.
2 μm未満であると第二金属層4と第一金属層3との密
着が弱いものとなる傾向にあり、4μmを超えると第二
金属層4と金を主成分とする表面金属層5との密着が弱
いものとなる傾向にある。従って、第二金属層4は、そ
の結晶粒径を0.2 〜4μmの範囲としておくことが好ま
しい。 【0031】さらにまた第二金属層4は、その厚みが2
μm未満であるとメタライズ金属層2に含有されるガラ
スやタングステンが第二金属層4中に拡散して第二金属
層4と金を主成分とする表面金属層5との密着が弱いも
のとなる傾向にあり、6μmを超えると第二金属層4に
大きなめっき応力が発生し、第二金属層4に剥がれや膨
れが発生し易いものとなる傾向にある。従って、第二金
属層4は、その厚みを2〜6μmの範囲としておくこと
が好ましい。 【0032】さらにまた第二金属層4を熱処理する際の
加熱温度は、760 ℃未満であると第二金属層4と第一金
属層3との密着が弱いものとなる傾向にあり、また770
℃を超えると第二金属層4と金を主成分とする表面に金
属層5との密着が弱いものとなる傾向にある。従って、
第二金属層4を熱処理する際の加熱温度は760 〜770℃
の範囲が好ましい。 【0033】さらにまた、第二金属層4を熱処理する際
の加熱時間は、60分未満であると第二金属層4と第一金
属層3との密着が弱いものとなる傾向にあり、180 分を
超えると第二金属層4と金を主成分とする表面金属層5
との密着が弱いものとなる傾向にある。従って、第二金
属層4を加熱する際の加熱時間は60〜180 分間であるこ
とが好ましい。 【0034】第二金属層4の上に被着される金を主成分
とする表面金属層5は、第二金属層4と半田との濡れ性
を向上させるとともに第二金属層4が酸化腐食するのを
防止する作用をなし、金の供給源としてシアン化金カリ
ウムを用い、これに錯化剤としてエチレンジアミン4酢
酸2水素を添加してなる無電解めっき液を用い、このめ
っき浴を建浴後(pH12〜13)、これを60〜65℃の温度
に加温してめっきを行なうことによって第二金属層4の
表面に形成される。 【0035】 【実施例】酸化アルミニウム質焼結体から成る絶縁基体
上に直径120 μmのメタライズ金属層を約250 μmピッ
チで683 個形成した試験基板を各々用意し、この試験基
板のメタライズ金属層に硫酸ニッケルとジメチルアミン
ボラン還元剤を含む無電解めっき液BEL−801 (上村
工業製)を用い、ホウ素含有量が約0.1 重量%のニッケ
ル−ホウ素合金を主成分とする第一金属層を表1に示す
厚みに被着し、その後、この試験基板を乾燥したアンモ
ニア分解ガス雰囲気中、850 〜870 ℃の温度で30分間加
熱して熱処理をした。 【0036】次に、第一金属層の表面に硫酸ニッケルと
ジメチルアミンボラン還元剤を含む無電解めっき液BE
L−960 (上村工業製)を用い、ホウ素の含有量が0.1
重量%のニッケルーホウ素合金を主成分とする第二金属
層を被着し、その後、この試験基板を乾燥したアンモニ
ア分解ガス雰囲気中765 〜770 ℃の温度で120 分間加熱
して熱処理をした。このとき、第二金属層の表面から30
0 オングストロームまでの深さにおけるホウ素の含有量
は0.005 重量%程度となり、第二金属層の結晶粒径は2
μm程度であった。 【0037】次に、この第二金属層の表面に無電解金め
っき液ゴールドエイト(上村工業社製)を用いて0.3 μ
mの厚みに被着させた後、この試験基板を乾燥したアン
モニア分解ガス雰囲気中300 〜335 ℃の温度で7分間加
熱して熱処理した。 【0038】次に、シリコン製基板の下面に直径が120
μmの電極が、前記試験基板に形成されたメタライズ金
属層と対応する配置に形成されているとともにこれらの
電極に高さ100 μmの略球状の錫−鉛半田から成る半田
バンプが形成されたテストチップを準備した。 【0039】そして試験基板上にRタイプのフラックス
を10μmの厚みに塗布するとともにテストチップを半田
バンプとメタライズ金属層とが重なるようにして載置
し、これを窒素雰囲気中350 ℃の温度で3分間リフロー
し、テストチップの電極と試験基板のメタライズ金属層
とを半田バンプを介して半田付けした。 【0040】その後、テストチップを試験基板から垂直
に引き剥がし、基板に残った半田の状態から半田濡れの
良否を判定した。判定の方法は、半田が試験基板のメタ
ライズ金属層上に残っており、かつ半田が伸びた状態で
破断しているものを半田の濡れ性良とし、半田が試験基
板のメタライズ金属層上に残っていないもの、あるいは
残ってはいるがメタライズ金属層との界面近傍で剥がれ
るようにして破断しているものは半田濡れ性不良とし
て、各試験基板における半田濡れ性が不良のメタライズ
金属層数を数えた。その結果を表1に示す。 【0041】 【表1】【0042】なお、表1において、*を付した試料番号
10および11は本発明と比較するための比較例である。試
料番号10は、メタライズ金属層の表面にBEL−801 を
用いてニッケル−ホウ素合金を主成分とする第一金属層
を被着させた後、これを還元雰囲気中850 〜870 ℃の温
度で30分間加熱して熱処理をし、次にこの第一金属層の
表面にニッケル化合物と次亜燐酸ナトリウムを含む無電
解めっき液S−780 (上村工業社製)を用いてリンを6
〜8重量%含有するニッケル−リン合金を主成分とする
第二金属層を被着させた後、これを乾燥したアンモニア
分解ガス雰囲気中765 〜770 ℃の温度で約120 分間熱処
理し、次にゴールドエイトを用いて金を主成分とする表
面金属層を0.3 μmの厚みに被着させ、これを乾燥した
アンモニア分解ガス雰囲気中300 〜335 ℃の温度で7分
間加熱して熱処理したものである。また試料番号11は、
メタライズ金属層の表面にBEL−801 を用いてホウ素
を0.1 重量%含有するニッケル−ホウ素合金を主成分と
する第一金属層を被着させた後、これを還元雰囲気中85
0 〜870 ℃の温度で30分間加熱して熱処理をし、さらに
その上にBEL−960 を用いてニッケル−ホウ素を主成
分とする第二金属層を被着させ、これに熱処理を加えず
にゴールドエイトを用いて金を主成分とする表面金属層
を0.3 μmの厚みに被着させ、これを乾燥したアンモニ
ア分解ガス雰囲気中300 〜335 ℃の温度で7分間加熱し
て熱処理したものである。 【0043】表1から明らかなように、第二金属層がニ
ッケル−リン合金からなる試料番号10の試験基板の場合
は半田濡れ性不良のメタライズパッドが218 個も発生
し、また、第二金属層に熱処理を加えない試料番号11の
試験基板の場合は半田濡れ性不良のメタライズパッドが
170 個も発生した。 【0044】これに対し、本発明の試験基板の場合は、
半田濡れ性不良のメタライズパッドの発生数はいずれも
5個以下と極めて少なく、半導体素子の電極とメタライ
ズパッドとが極めて良好に半田付けされていることが分
かる。 【0045】 【発明の効果】本発明の電子部品によれば、絶縁基体上
に、表面にニッケル−ホウ素合金を主成分とする熱処理
された第一金属層と、ニッケル−ホウ素合金を主成分と
し、熱処理されることによって表面から300オングス
トロームまでの深さにおけるホウ素の含有量が少なくな
っている第二金属層と、金を主成分とする表面金属層と
を順次被着させたメタライズ金属層を具備し、第一金属
層は熱処理されていることからニッケルがメタライズ金
属層に拡散するとともに第一金属層に内在する応力が緩
和され、メタライズ金属層に強固に密着するとともに、
第二金属層は熱処理されていることから金との密着性に
劣るホウ素が第二金属層の表面から揮散除去され、第二
金属層と金を主成分とする表面導体層とが強固に密着す
るとともに第二金属層と半田との濡れ性も良好なものと
なる。 【0046】以上により本発明によれば、半田濡れ性に
優れるとともに欠陥の発生やそれに伴う腐食の発生がな
い、良好な接続信頼性を有する被覆構造のメタライズ金
属層を備えた電子部品を提供することができた。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の電子部品の実施の形態の一例としての
メタライズ金属層の被覆構造を示す断面図である。 【符号の説明】 1・・・・・絶縁基体 2・・・・・メタライズ金属層 3・・・・・第一金属層 4・・・・・第二金属層 5・・・・・表面金属層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−121592(JP,A) 特開 平8−306816(JP,A) 特開 平8−325744(JP,A) 特開 平9−223716(JP,A) 特開 平9−260532(JP,A) 特開 平9−275166(JP,A) 特開 昭59−92598(JP,A) 特開 昭60−197894(JP,A) 特開 昭61−104085(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 23/12 H05K 3/34 C23C 18/00 - 20/08

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 絶縁基体上に、表面にニッケル−ホウ素
    合金を主成分とする熱処理された第一金属層と、ニッケ
    ル−ホウ素合金を主成分とし、熱処理されることによっ
    て表面から300オングストロームまでの深さにおける
    ホウ素の含有量が少なくなっている第二金属層と、金を
    主成分とする表面金属層とを順次被着させたメタライズ
    金属層を具備することを特徴とする電子部品。
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