JP3511080B2 - 野菜移植機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は例えばキャベツなど
の野菜苗を圃場に連続的に植付ける野菜移植機に関す
る。

【０００２】

【発明が解決しようとする課題】従来、野菜苗を入れた
苗トレイを苗載台に搭載し、苗載台を左右往復動させ乍
ら植付爪によって圃場面に野菜苗を自動的に植付ける場
合、苗載台に野菜苗を補給する作業、または給油など苗
載台部の保守を行う作業などにおいて、苗載台の左右往
復動を阻止する障害物を挾み込むことにより、障害物に
苗載台が圧着され、苗載台を損傷させる等の不具合があ
る。

【０００３】

【課題を解決するための手段】然るに、本発明は、野菜
苗を入れた苗トレイを苗載台に搭載し、苗載台を左右往
復動させ乍ら植付爪によって圃場面に野菜苗を自動的に
植付ける野菜移植機において、エンジン停止スイッチを
作動させる紐体を前記苗載台両側に設けたもので、苗載
台側面に障害物が入り込むことにより、障害物が紐体に
当接して引張ることによってエンジン停止スイッチが作
動し、エンジンを停止させるから、障害物に苗載台が当
接して損傷する等の不具合を容易になくし得ると共に、
従来の苗載台構造を殆んど変更することなく紐体を容易
に取付け得るものである。

【０００４】また、野菜苗を入れた苗トレイを苗載台に
搭載し、苗載台を左右往復動させ乍ら植付爪によって圃
場面に野菜苗を自動的に植付ける野菜移植機において、
エンジン停止スイッチを作動させる棒体を前記苗載台両
側に設けたもので、苗載台側面に障害物が入り込むこと
により、障害物が棒体に当接することによってエンジン
停止スイッチが作動し、エンジンを停止させるから、障
害物に苗載台が当接して損傷する等の不具合を容易にな
くし得ると共に、従来の苗載台構造を殆んど変更するこ
となく棒体を容易に取付け得るものである。

【０００５】また、野菜苗を入れた苗トレイを苗載台に
搭載し、苗載台を左右往復動させ乍ら植付爪によって圃
場面に野菜苗を自動的に植付ける野菜移植機において、
前記苗載台に接近する作業者を検出して動力継断クラッ
チを自動的に切り動作させるセンサ及びクラッチ制御部
材を設けたもので、作業者が苗載台に異常接近しても、
苗載台が作業者に当接する前に苗載台が自動的に停止す
るから、苗載台側面部に作業者の手が挾まれる等の不具
合をなくし得るものである。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて詳述する。図１は苗載台部の平面説明図、図２は
全体の側面図、図３は同平面図、図４は同平面説明図で
あり、図中（１）はエンジン（２）を搭載する前フレー
ム、（３）は前記フレーム（１）後端に連設するミッシ
ョンケース、（４）は前記ミッションケース（３）に左
右伝動ケース（５）を介して昇降可能に支持する左右の
走行駆動輪である後輪、（６）は前記前フレーム（１）
の前端側にアクスルフレーム（７）を介して昇降可能に
支持する左右の前輪、（８）は前記ミッションケース
（３）の後方にシャーシフレーム（９）を介し装設する
苗供給装置、（１０）は左右の後輪（４）間で前記ミッ
ションケース（３）に植付伝動ケース（１１）を介して
装設する苗植付装置、（１２）は畝面（Ａ）を鎮圧する
鎮圧ローラ、（１３）は前記苗植付装置（１０）を昇降
可能に支持するゲージ輪兼用の覆土輪であり、前記苗供
給装置（８）における左右往復移動する苗載台（１４）
上の苗トレイ（１５）より１株分のポット苗を取出爪
（１６）で取出すと共に、この取出されたポット苗を前
記苗植付装置（１０）のマルチカッタ（１７）と連動し
て上下動するホッパ形植付爪（１８）に放出供給し、前
記シャーシフレーム（９）後端に連設させる操向ハンド
ル（１９）操作により機体を走行させ乍ら、畝面（Ａ）
に一定間隔毎にポット苗を連続的に植付けるように構成
している。

【０００７】また、（２０）は主クラッチレバー、（２
１）は植付クラッチレバー、（２２）は主変速レバー、
（２３）は株間変速レバー、（２４）は植付深さ調節レ
バー、（２５）は左右サイドクラッチレバー、（２６）
は機体下方に後輪（４）及び前輪（６）を出入させて機
体高さを調節する昇降シリンダ、（２７）は前記昇降シ
リンダ（２６）を作動させる昇降レバーであり、前記各
レバー（２０）〜（２５）（２７）をハンドル（１９）
周辺に配置させ、ハンドル（１９）後方または側方を作
業者が追従移動してハンドル（１９）操作を行うと共
に、前記エンジン（２）などの上側を覆うボンネット
（２８）の後部両側に苗台フレーム（２９）を介して予
備苗台（３０）…を装設させ、野菜苗を入れた苗トレイ
（１５）を予備苗台（３０）に搭載し、植付け作業途中
で予備苗台（３０）の苗トレイ（１５）を苗載台（１
４）に補給する作業を作業者が行うように構成してい
る。

【０００８】また、前記シャーシフレーム（９）前端を
ミッションケース（３）に架台フレーム（３１）を介し
て固定させると共に、前記シャーシフレーム（９）の後
部外側に左右サイドフレーム（３２）（３２）を固定さ
せ、苗載台（１４）を左右往復動させる横送り軸（３
３）と、苗載台（１４）上の苗トレイ（１５）を苗取出
し方向に移動させる縦送り軸（３４）を、苗台駆動ケー
ス（３５）及び軸受フレーム（３６）を介して左右サイ
ドフレーム（３２）（３２）間に横架させるもので、横
送り軸（３３）の横送りネジの回転によって苗載台（１
４）を左右方向に摺動させる一方、苗載台（１４）に縦
送クラッチ軸（３７）を介して縦送り輪（３８）を設
け、苗載台（１４）が左右移動端に到達したとき、縦送
り軸（３４）の縦送カム（３９）によってクラッチ軸
（３７）を介して縦送り輪（３８）を駆動し、苗トレイ
（１５）を１ピッチだけ縦送り動作させ、前記取出爪
（１６）に対して苗載台（１４）上の苗トレイ（１５）
を縦横方向に移動させ、苗トレイ（１５）上に縦横方向
に配置させた野菜苗を１株ずつ取出爪（１６）の苗取出
位置に移動させるように構成している。

【０００９】さらに、図１、図５に示す如く、リコイル
スタータ（４０）及び点火装置（４１）を前記エンジン
（２）に設け、またオフ操作でエンジン（２）を作動さ
せかつオン操作で点火装置（４１）をアース短絡させて
エンジン（２）を停止させるキースイッチ（４２）を設
けると共に、前記キースイッチ（４２）に並列に接続さ
せる常閉接点形のエンジン停止スイッチ（４３）（４
３）と、該スイッチ（４３）（４３）をオン作動させる
紐体であるワイヤ（４４）（４４）を、前記苗載台（１
４）の両側に設けるもので、苗載台（１４）前部外側に
固定アーム（４５）を介してワイヤ（４４）前端を固定
させ、苗載台（１４）後部外側に支点軸（４６）を介し
て前後方向に揺動自在に揺動アーム（４７）を取付け、
揺動アーム（４７）に前記ワイヤ（４４）後端を固定さ
せると共に、前記ワイヤ（４４）を緊張させてかつ揺動
アーム（４７）をエンジン停止スイッチ（４３）に当接
させてオフ維持するバネ（４８）を設けている。

【００１０】上記から明らかなように、野菜苗を入れた
苗トレイ（１５）を苗載台（１４）に搭載し、苗載台
（１４）を左右往復動させ乍ら植付爪（１８）によって
圃場面に野菜苗を自動的に植付ける野菜移植機におい
て、エンジン停止スイッチ（４３）を作動させる紐体で
あるワイヤ（４４）を前記苗載台（１４）両側に設け、
苗載台（１４）側面に作業者の手など障害物が入り込む
ことにより、障害物がワイヤ（４４）に当接して引張る
ことによってエンジン停止スイッチ（４３）がオン作動
し、エンジン（２）を停止させ、苗載台（１４）側面と
サイドフレーム（３２）の間に作業者の手など障害物が
挾まれるのを防ぐように構成している。

【００１１】また、前記苗載台（１４）に異常接近した
作業者の体温を検出する赤外線温度センサ（４９）と、
前記苗載台（１４）に異常接近した作業者または障害物
を検出するランプ（５０）及び光導電センサ（５１）
と、前記ミッションケース（３）にエンジン（２）の駆
動力を伝える電磁クラッチ型の動力継断クラッチ（５
２）を切り動作させるクラッチ制御部材であるクラッチ
ソレノイド（５３）を設け、作業者または障害物が苗載
台（１４）に異常接近したことを前記各センサ（４９）
（５１）によって検出し、ソレノイド（５３）をオンに
してクラッチ（５２）を切り、後輪（４）及び苗載台
（１４）などの駆動を中止させるように構成している。
このように、前記苗載台（１４）に接近する作業者を検
出して動力継断クラッチ（５２）を自動的に切り動作さ
せるセンサ（４９）（５１）及びクラッチソレノイド
（５３）を設け、作業者が苗載台（１４）に異常接近し
ても、苗載台（１４）が作業者に当接する前に苗載台
（１４）が自動的に停止するように構成している。

【００１２】また、前記クラッチ（５２）入を表示させ
る表示体（５４）をリコイルレバー（５５）設置場所に
進退自在に取付けると共に、前記クラッチ（５２）を手
動操作で切り動作させる前記主クラッチレバー（２０）
と前記表示体（５４）を表示切換ワイヤ（５６）により
連結させ、前記レバー（２０）切り操作によってバネ
（５７）に抗して表示体（５４）を退入させる一方、前
記レバー（２０）が入り操作されているとき、バネ（５
７）によって表示体（５４）を進出させてクラッチ（５
２）入を表示させ、また前記レバー（２０）入りによっ
てオンになるスイッチ（５８）によってランプ（５９）
を点灯させ、ランプ（５９）によって表示体（５４）を
発光させてクラッチ（５２）入を表示させ、リコイルレ
バー（５５）を引張ってリコイルスタータ（４０）を作
動させる作業者にクラッチ（２０）入を知らせ、クラッ
チレバー（２０）切り操作後、リコイルレバー（５５）
操作によりエンジン（２）を始動させ、エンジン（２）
始動時に後輪（４）が駆動されて本機が発進する等の不
具合が生じるのを防いでいる。

【００１３】さらに、図６は前記図１の変形例を示すも
ので、苗載台（１４）後部の両外側面にエンジン停止ス
イッチ（４３）（４３）を固定させ、触手形バネ鋼針金
製の棒体（６０）後端を前記スイッチ（４３）に取付
け、平面視で苗載台（１４）側面と略平行に棒体（６
０）前端側を前方に延設させ、苗載台（１４）に接近す
る方向に棒体（６０）が押されて変形したとき、前記ス
イッチ（４３）がオン作動してエンジン（２）及び苗載
台（１４）を停止させるもので、エンジン停止スイッチ
（４３）を作動させる棒体（６０）を前記苗載台（１
４）両側に設け、苗載台（１４）側面に作業者の手など
障害物が入り込むことにより、障害物が棒体（６０）に
当接することによってエンジン停止スイッチ（４３）が
オン作動し、エンジン（２）を停止させ、苗載台（１
４）側面とサイドフレーム（３２）の間に作業者の手な
ど障害物が挾まれるのを防いでいる。

【００１４】

【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明
は、野菜苗を入れた苗トレイ（１５）を苗載台（１４）
に搭載し、苗載台（１４）を左右往復動させ乍ら植付爪
（１８）によって圃場面に野菜苗を自動的に植付ける野
菜移植機において、エンジン停止スイッチ（４３）を作
動させる紐体（４４）を前記苗載台（１４）両側に設け
たもので、苗載台（１４）側面に障害物が入り込むこと
により、障害物が紐体（４４）に当接して引張ることに
よってエンジン停止スイッチ（４３）が作動し、エンジ
ン（２）を停止させるから、障害物に苗載台（１４）が
当接して損傷する等の不具合を容易になくすことができ
ると共に、従来の苗載台（１４）構造を殆んど変更する
ことなく紐体（４４）を容易に取付けることができるも
のである。

【００１５】また、野菜苗を入れた苗トレイ（１５）を
苗載台（１４）に搭載し、苗載台（１４）を左右往復動
させ乍ら植付爪（１８）によって圃場面に野菜苗を自動
的に植付ける野菜移植機において、エンジン停止スイッ
チ（４３）を作動させる棒体（６０）を前記苗載台（１
４）両側に設けたもので、苗載台（１４）側面に障害物
が入り込むことにより、障害物が棒体（６０）に当接す
ることによってエンジン停止スイッチ（４３）が作動
し、エンジン（２）を停止させるから、障害物に苗載台
（１４）が当接して損傷する等の不具合を容易になくす
ことができると共に、従来の苗載台構造を殆んど変更す
ることなく棒体（６０）を容易に取付けることができる
ものである。

【００１６】また、野菜苗を入れた苗トレイ（１５）を
苗載台（１４）に搭載し、苗載台（１４）を左右往復動
させ乍ら植付爪（１８）によって圃場面に野菜苗を自動
的に植付ける野菜移植機において、前記苗載台（１４）
に接近する作業者を検出して動力継断クラッチ（５２）
を自動的に切り動作させるセンサ（４９）（５１）及び
クラッチ制御部材（５３）を設けたもので、作業者が苗
載台（１４）に異常接近しても、苗載台（１４）が作業
者に当接する前に苗載台（１４）が自動的に停止するか
ら、苗載台（１４）側面部に作業者の手が挾まれる等の
不具合をなくすことができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】苗載台部の平面説明図。

【図２】全体の側面図。

【図３】同平面図。

【図４】同平面説明図。

【図５】エンジン部の説明図。

【図６】図１の変形例を示す説明図。

【符号の説明】

（１４） 苗載台 （１５） 苗トレイ （１８） 植付爪 （４３） エンジン停止スイッチ （４４） ワイヤ（紐体） （４９） 赤外線温度センサ （５１） 光導電センサ （５２） 動力継断クラッチ （５３） クラッチソレノイド（クラッチ制御部材） （６０） 棒体

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A01C 11/00 - 11/02 303 A01C 11/02 350 - 367

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 野菜苗を入れた苗トレイを苗載台に搭載
   し、苗載台を左右往復動させ乍ら植付爪によって圃場面
   に野菜苗を自動的に植付ける野菜移植機において、エン
   ジン停止スイッチを作動させる紐体を前記苗載台両側に
   設けたことを特徴とする野菜移植機。
2. 【請求項２】 野菜苗を入れた苗トレイを苗載台に搭載
   し、苗載台を左右往復動させ乍ら植付爪によって圃場面
   に野菜苗を自動的に植付ける野菜移植機において、エン
   ジン停止スイッチを作動させる棒体を前記苗載台両側に
   設けたことを特徴とする野菜移植機。
3. 【請求項３】 野菜苗を入れた苗トレイを苗載台に搭載
   し、苗載台を左右往復動させ乍ら植付爪によって圃場面
   に野菜苗を自動的に植付ける野菜移植機において、前記
   苗載台に接近する作業者を検出して動力継断クラッチを
   自動的に切り動作させるセンサ及びクラッチ制御部材を
   設けたことを特徴とする野菜移植機。