JP3510906B2 - 水産動物に寄生する寄生虫および水生菌の防除方法及び防除剤 - Google Patents

水産動物に寄生する寄生虫および水生菌の防除方法及び防除剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水産動物を養殖する場
合などに発生する寄生虫および水生菌に対する防除方法
および防除剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】我が国の漁業生産量が1千万トンを割り
込む中で、養殖水産動物の占める割合は毎年増加し、我
が国の第一次産業には、もはやなくてはならない存在と
なっている。しかし、その反面、多魚種の増産や外国か
らの輸入種苗、又、養殖水域の富栄養化等により、病気
も多様化しつつ、ウィルスや細菌の感染症はもとより、
その誘因ともなる寄生虫による被害も甚大なものとなっ
ている。その対策として従来、ホルマリン、硫酸銅、過
マンガン酸カリ、過酸化水素、メチレンブルー、有機リ
ン剤等による薬液浴のみが実施されている。
【0003】さらに、水産動物の水生菌に因る病気も多
く、例えば、キンギョ、コイ、アユマス類、ウナギ、
ギンザケ、クルマエビなど、淡水魚、海水魚を問わず発
生する。
【0004】たとえば、淡水魚の水かびのサプロレグニ
ア(Saprolegnia)属による病気は、魚の皮
膚を侵蝕するのみならず、口周辺にもその菌糸を伸ば
し、摂餌不能にしてついには斃死せしめたり、又、胃内
にも侵入して、胃の組織を破壊してしまうのである。こ
れは水温18℃以下に大発生が見られる難病である。
【0005】現在、マラカイトグリーン修酸塩の薬浴の
みが、その唯一の対策法になっているが、マラカイトグ
リーン修酸塩に対する耐性化が見られはじめている。
又、薬事法上の規制対策になっていることは、周知の通
りである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらの薬剤は毒性が
強く、魚などへの直接的影響も多く、予後不良状態にな
ることも、しばしば見受けられる。又、そればかりでは
なく、食品衛生上や環境汚染、更には周辺の貝類など他
の養殖物に対して悪影響を及ぼすのである。寄生物の種
類によっては、耐性化が見られ、効力がもはやなくなっ
ているものや減じているものもある。又、あり種の寄生
物、例えばトラフグに寄生するヘテロボツリウムのよう
に元来、有効な防除手段が見つかっていないものもあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、既知の多く
の低毒性の化学薬品や、天然物、及びその成分につい
て、スクリーニング的にいろいろな寄生物に対する交叉
的な浸漬法及び、経口投与法等の試験を重ねた結果、ケ
イ皮アルデヒド(シンナムアルデヒド)が寄生虫や水生
菌の防除に有効であることを発見した。本発明はこの知
見に基づくものでケイ皮アルデヒドを用いる水産動物寄
生の寄生虫や水生菌の防除方法および防除剤に関する。
【0008】ケイ皮アルデヒドは現在はほとんど工業的
に合成されたもので、香料として用いられており、毒性
は、マウス背部皮下注射においてLD50(24時間
後)7.15mg/10gで、毒性は極めて低い。
【0009】また、ケイ皮アルデヒドとしてケイ皮油を
用いてもよい。ケイ皮油はクスノキ属(Cinamom
um)の植物、たとえば、シンナモム・ゼイラニクム
(C.zeylanicum)、シンナモム・カッシア
(C.cassia)、シンナモム・ロウレイリイ
(C.loureirii)などから、植物の種類に従
い、幹皮、枝および葉、根皮などを採取し、水蒸気蒸留
して得られる精油で、ケイ皮アルデヒドを70〜90%
含有する。
【0010】ケイ皮アルデヒドはそのまままたは適当な
稀釈剤で稀釈して寄生虫、または水生菌が寄生した水産
動物、またはその寄生が発生したもしくは発生のおそれ
のある水産動物群に投与される。
【0011】投与は動物をケイ皮アルデヒドの溶液中に
置く、たとえば、薬液浴、または経口投与により行われ
る。
【0012】たとえば薬液浴の場合、ケイ皮アルデヒド
は室温で油状であって水には極少量しか溶けないため、
水との混液をそのまま用いると、水に分散した油の粗粒
子が魚などの鰓葉に附着して、呼吸障害を起こさしめ、
寄生性生物に作用させている時間内に横転して予後不良
の結果が見られる。
【0013】そこで、さらに研究を重ねた結果、ケイ皮
アルデヒドをそのまま用いずに、たとえばその1容に対
して約10容の水を加えた混液を加熱処理すると油粒子
が微細に分散、消失して、ケイ皮アルデヒドの液状含有
物を得ることができ、この液を水で一定濃度に稀釈した
溶液は寄生性生物に有効に作用すると共に、動物に対す
る油粒子による薬害を防ぐことができ、薬液浴用剤とし
て十分使用できることを発見した。薬液浴用の溶媒とし
ては水または汽水、海水のような塩類水溶液を動物の種
類に応じて用いることができ、その中のケイ皮アルデヒ
ドの好ましい濃度は500ppmから5,000pp
m、さらに好ましくは1,000−3,000ppmで
ある。
【0014】また、ケイ皮アルデヒドは水に難溶性では
あるが、少しずつ溶けるので、水産動物を養殖する水域
にケイ皮アルデヒドを塗布しまたは含浸した固体材料を
配置し、その材料から溶出するケイ皮アルデヒドの希薄
な溶液を水産動物に接触させても充分有効なのでそのよ
うな方法で投与してもよい。
【0015】経口的にはケイ皮アルデヒドをそのまま投
与してもよいが、稀釈剤、たとえば、イワシ油などの魚
油と適度に混合して配合飼料と混和し、ケイ皮アルデヒ
ド含有物として、投与するのが操作上便宜である。飼料
中に添加するケイ皮アルデヒドの好ましい濃度は、対象
とする水産動物の種類によっても左右されるが、一般に
0.01−0.5%、好ましくは0.1−0.3%であ
る。ケイ皮アルデヒドを添加した飼料を給飼すると、当
初は摂餌が多少減じるが動物が慣れてくると通常の飼料
と何等、変わることがなくなる。また、安全性にも全く
問題はなく、その有効性が認められる。ケイ皮アルデヒ
ドの含有物としてケイ皮またはその抽出物を用いること
もできる。
【0016】本発明の対象となる寄生性生物には、原生
動物から、後生動物に至る寄生虫および水生菌を含み次
の如く例示される。原生動物では、繊毛虫類(Cili
ata)のトリコディナ(Trichodina s
p)、キロドネラ(Chilodonella s
p)、白点虫(Ichthyophithirius
sp 及び Cryptocaryonsp)、スクー
ティカ(Scuticociliatida)。鞭毛虫
類(Flagella)のイクチオボド(Ichthy
obodo sp)など。
【0017】後生動物では、扁形動物(Plathel
minthes)に属する種類の単生類(Monoge
nea)のヘテラキシネ(Heteraxine)、ビ
バギナ(Bivagina)、ヘテロボツリウム(He
terobothrium)、ベネデニア(Bened
enia)、ギロダクチルス(Gyrodactylu
s)、ダクチロギルス(Dactylogyrus)又
は、シュードダクチロギルス(Pseudodacty
logyrus)、ラメロディスカス(Lamello
discus)などの種が、鰓や皮膚に寄生するもの。
そして線形動物(Nemathelmnthes)の種
類では、鉤頭虫類(Acanthocephala)に
属し、腸に寄生するクビナガ鉤頭虫(Longicol
lum)など。水生菌としては、たとえば、サプロレグ
ニア(Saproegnia)、アクリア(Achl
ya)、アファノマイセス(Aphanomyce
s)、フサリウム(Fusarium)などの属に属す
るかびなど。
【0018】本発明における寄生虫の宿主となる水産動
物は淡水産および海水産の動物を含み、殊に全ての年令
層の水産養殖および鑑賞動物たとえば、魚類、甲殻類、
貝類などを含んでいる。その例としては、淡水産では、
ニジマス(Salmo gairdnerii又はOn
corhynchus mykiss)、アユ(Ple
coglossus altivelis)、ウナギ
(Anguillajaponica)、コイ(Cyp
rimus carpio)、キンギョ、フナ(Car
assius)、キンギョ、ティラビア(Oreoch
romis aureus)、ギンザケ(Oncorh
ynchus kisutch)、ペレヘイ(Odon
thestes bonariensis)などが挙げ
られる。
【0019】また、海水産では、ブリ(Seriola
quinqueradiatae)、マダイ(Pag
rus major)、ヒラメ(Paralichth
ysolivaceus)、トラフグ(Takifug
u rubripes)、シマアジ(Caranx d
elicatissimus)、カンパチ(Serio
la purpurasceus)、マアジ(Trac
hurus japonicus)、ヒラマサ(Ser
iola aureovittats)、ウマズラハギ
(Navodan modestus)、イシダイ(O
plegnathus fasciatus)、イシガ
キダイ(Oplegnathus punctatu
s)、フエフキダイ(Lethrinus)、クロダイ
(Sparus longispuis)、チダイ(E
rynnis japonicus)、スズキ(Lat
elabrax japonicus)、メバル(Se
bastes inermis)、マハタ(Epine
phelus seplemfasciatus)、ク
ルマエビ(Penaeus japonicus)など
が挙げられる。
【0020】
【作用】本発明においては、ケイ皮アルデヒドを液浴ま
たは経口投与等により直接または間接に寄生虫または水
生菌に接触させることにより、それらの寄生性生物の生
命活動に重度の障害を与えて弱らせ、ついには死滅させ
るに至る。
【0021】
【実施例】以下実施例の形で本発明をさらに説明する。
下記、実施例1,2,3の薬液浴試験に於ける当該薬剤
は、次のように調整した。
【0022】ケイ皮アルデヒド1容を水10容に混ぜ
て、加熱沸騰させ精油粒子が肉眼で認められなかった時
点で、室温又は4℃で冷却した液1容を更に、水10容
で稀釈して1%濃度にしたものを基礎薬液溶剤として、
その都度、目的に応じて淡水、又は、海水(塩水)で稀
釈して使用した。
【0023】実施例1 原生動物に対する効力試験 供試寄生虫 トラフグの鰓由来 トリコディナ コイの鰓由来 キロドネラ及び白点虫 ヒラメの皮膚由来 スクーティカ及びイクチオボド
【0024】試験方法 各被寄生魚の新鮮材料の1片をホールグラスの2ケ所に
置き、カバーグラスをする。1つを試験区とし、他方を
対照区とした。試験区にはカバーグラスの側面から細い
注射針をゆっくり挿入して、注射器に入れた各濃度の当
該薬を静かに注入した。対照区には、同様に目的に応じ
て淡水、又は海水(塩水)のみを注入した。そして経時
的に供試寄生虫の動きを、光学顕微鏡下(40〜200
倍率)で観察した。光の影響も考慮して、1分,5分,
10分,20分,30分,1時間の間隔で光源を入れ
て、手際よく観察した。判定方法は、活発な運動が停止
して数分間その持続が確認された時点で判断した。結果
は表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】表1から明らかなように、ケイ皮アルデヒ
ドは500ppmの濃度で10分間、1,000ppm
では5分間の接触で寄生虫に有効であった。
【0027】実施例2 扁形動物(単生類)に対する効
力試験 供試寄生虫 カンパチの鰓由来 ヘテラキシネ マダイの鰓由来 ビバギナ、ラメロディスカス トラフグの鰓由来 ヘテロボツリウム ブリの鰓由来 ベネデニア アユの皮膚由来 ギロダクチルス ウナギの鰓由来 ダクチロギルス、又は、シュードダ
クチロギルス
【0028】試験方法 ,,,の成虫に対しては、寄生部より虫体を海
水の入った小ビーカーに採取して、更に各濃度別の当該
薬剤の入った小試験管に数匹宛浸漬して、その動きを経
時的に観察した。動きを停止した虫体に対しては、海水
に戻してその蘇生状況もチェックして判定した。,
,の幼虫及び,に対しては微小なため、実施例
1と同様に顕微鏡下での方法を実施して判定した。結果
を表2−1および2−2に示す。
【0029】
【表2−1】
【0030】
【表2−2】
【0031】上記の表から明らかなように、ケイ皮アル
デヒドは成虫に対しては500ppmで60分間、1,
000ppmで30分間、1,500ppmで20分
間、幼虫その他に対しては500ppmで30分間、
1,000ppmで10分間、1,500ppmで5分
間の接触で有効であった。
【0032】実施例3 水槽実験(毒性試験、及び効力
試験) 供試魚 トラフグ 100g〜150g 各5尾
合計10尾 供試寄生虫 ヘテロボツリウム、オカモトイ 水 槽 100L容量の水槽2基 水 温 25℃
【0033】試験方法 採取した供試魚と同群の魚の内3尾を解剖して供試寄生
虫の寄生をあらかじめ確認した上で実験を開始した。実
施例2では、薬剤濃度が、1,000ppm以上が所要
接触時間から見て実用的な有効値であったので、本実験
では、A−1,000ppm、B−2,000ppmの
各濃度で、経時的に魚の状態、及び寄生性生物に対する
効力を試験した。浸漬時間は5分,10分,20分,3
0分,60分として、その都度、A,B群から魚を1尾
宛採取して、解剖後虫体の状態(虫体を取り出して、海
水入りビーカー内で白化状態や、その動きなどをチェッ
クした)を観察して効力を判定した。結果を表3に示
す。
【0034】
【表3】
【0035】表3から明らかなように、ケイ皮アルデヒ
ドは1,000ppm30分間、2,000ppm5分
間の接触で寄生虫に有効であり、かつ2,000ppm
60分間の接触でも魚に対して毒性を示さなかった。
【0036】実施例4 経口投与による効力試験(野外
試験) 試験期間 8月1日〜8月15日 試験場所 和歌山県K養殖場 供試魚 マダイ2年魚(平均1,000g)合
計500尾 対照寄生虫 ロンギコラム、パグロソミ 試験小割 5m×5m×8mのナイロン製漁網 試験区1,対照区1の合計2基 飼 料 マダイ用ドライペレット(丸紅(株)
製配合飼料)
【0037】供試薬剤の調整 ケイ皮アルデヒドはほぼ瞬間的に固形飼料に吸着してし
まうため増量剤が必要である。従って、ケイ皮油1容に
イワシ油4容を混和したものを使用した。
【0038】試験方法 あらかじめ、供試魚群から5尾を無作為に採取した解剖
し、腸管内の鉤頭虫の寄生を確認した上で、実験を開始
した。又試験区には250尾、対照区に250尾を供し
た。 試験区 配合飼料にケイ皮アルデヒド0.1%を、よく混和して
7日間投与した。投与量は飽食とした。
【0039】対照区 配合飼料にイワシ油のみを同様に混和して、7日間投与
した。投与量も同様とした。供試薬の投与を終了してか
ら7日後に、各区から魚を5尾宛無作為に採取して、解
剖し、腸管内の鉤頭虫の寄生有無を観察して判定した。
【0040】結 果 対照区では5尾全ての腸管に鉤頭虫の寄生が認められた
のに対して、試験区では全ての魚の腸管で鉤頭虫が観察
されなかった。従って、供試薬の防除効果が確認され
た。尚、供試薬を投与して2日間は摂餌が減ったが、そ
の後は通常に回復した。又、投与期間及び其後において
も、供試薬の毒性は認められなかった。
【0041】実施例5 水生菌に対する効力試験
【0042】供試菌 アユの皮膚から分離した
Saprolegnia sp.2菌株 供試薬の調整 ケイ皮アルデヒド1容を水10容に混
ぜて、加熱沸騰させ、室温で冷却して得た上清液を基礎
薬液として使用した。
【0043】試験方法 サブロー寒天培地平板に15℃48時間培養した供試菌
株A,Bの周縁部を1辺1〜2mmの正方形に、滅菌し
たメスで切り出し、表面にだけ菌糸が付着した寒天ディ
スクを作製する。これを所定の濃度の供試薬剤を含有す
るサブロー寒天培地平板に乗せた後、15℃48時間培
養し、寒天ディスクからの菌糸の伸長の有無によりMI
Cを判定した。
【0044】結 果 各菌株に対するMICは、 A. 500 μg/ml B. 500 μg/ml で、A,Bともに同様の抑制効果が認められた。
【0045】実施例6 アユの胃内真菌に対する経口投与による効果試験(水槽
実験)
【0046】試験期間 3月3日〜3月25日 供試菌株 和歌山県A養魚池で発生した胃真菌症
罹病アユの胃内から採取した保存菌株。 供試魚 平均10gの湖産アユ 60尾 試験水槽 容量 100lの循環式水槽 2基 容量 80lの循環式水槽 1基 水温設定 15℃ 飼 料 アユ用3Cクランブル(日配(株)
製) 供試薬の調整 ケイ皮アルデヒド1容に対し、フィー
ドオイル(タラ油)4容を混和したものを使用した。
【0047】試験方法 予備試験 本試験を開始する前に予備水槽(容量80l)に10尾
のあゆを入れ、供試菌株での再現性を確認するため、ゾ
ンデで菌を経口的に胃内に1回植えつけ、10日間観察
した。10日後、供試魚10尾を解剖して胃壁をサブロ
ー寒天培地に乗せて、15℃48時間培養して菌の発生
の有無を確認した。その結果、10尾全てに菌の発生が
認められた。
【0048】準備期間 予備試験の間、本試験に供する試験区25尾、対照区2
5尾の供試アユの異常などを観察すると共に、餌付けを
スムーズに行えるように環境に慣れさせるための準備期
間とした。
【0049】本試験 A.試験区 あらかじめ供試菌株を予備試験に準じた方法で植えつけ
ておき、48時間後に調整した供試薬を配合飼料にケイ
皮アルデヒドとして0.1%になるようによく混和し
て、7日間投与した。投与量は飽食とした。
【0050】B.対照区 試験区と同様に供試菌株を植えつけておき、48時間後
に配合飼料にフィードオイルのみを同量によく混和し
て、同様に7日間投与した。A.B共に投与終了後、2
4時間放置したのち、水槽から採取して全尾について胃
壁の1片をサブロー寒天培地に乗せ、15℃48時間培
養して菌の発生の有無を観察して判定した。
【0051】結 果 試験区では、全尾に菌の発生が認められなかった。一
方、対照区では、全尾にその発生が観察された。従っ
て、ケイ皮アルデヒドは本菌に対して、極めて有効であ
ることが確認された。試験中一過性に摂餌不良はあった
が、その他は全く異常は認められず、毒性の点でも全く
問題はなかった。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、安価で入手容易なケイ
皮アルデヒドもしくはその含有物を用いて安全にしかも
確実に養殖水産動物を寄生虫や水生菌から守り、より生
産性を向上出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01N 35/02 A01N 25/04 A01N 65/00 CAOLD(STN) CAPLUS(STN) REGISTRY(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 寄生虫または水生菌の寄生した水産動物
    に、ケイ皮アルデヒド0.01−0.5%を添加した飼
    料を投与することを特徴とする水産動物に寄生する寄生
    虫または水生菌の防除方法。
  2. 【請求項2】 ケイ皮アルデヒドの飼料に対する添加濃
    度が0.1−0.3%である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 寄生虫または水生菌の寄生した水産動物
    を、濃度500−5,000ppmのケイ皮アルデヒド
    を含有する水性液と接触させることを特徴とする水産動
    物に寄生する寄生虫または水性菌の防除方法。
  4. 【請求項4】 水性液が1,000−3,000ppm
    のケイ皮アルデヒドを含有する請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 水性液の溶媒が水、汽水または海水であ
    る請求項3または4記載の方法。
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