JP3510533B2 - エンドレスベルトの製造方法およびその成形金型構造 - Google Patents

エンドレスベルトの製造方法およびその成形金型構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、芯線が埋設
されたベルト主体の内周面に歯付部を備え、ベルト幅と
周長との比が小さいエンドレスベルトの製造方法及びそ
の成形に好適な金型構造に関するものである。
【0002】
【従来技術】エンドレスベルトは、動力伝達用や搬送用
として使用されており、その中には、ベルト周長の寸法
精度を確保するために芯線を埋設し、かつ内周面の幅方
向の一部に歯付部を備えたタイミングベルトも知られて
いる。
【0003】このような内周面の一部に歯付部を有する
芯線入りのタイミングベルトの製造方法としては、加硫
金型のうち内型外周面に芯線と未加硫ゴムとを巻き付け
て加圧加硫により成形する加硫成形法や、内型に芯線を
巻き付けた後、内型と外型との間に液状ゴムなどの注型
材料を注入硬化させて成形する注型成形法などが知られ
ている。
【0004】いずれの成形方法においても、周長寸法精
度を確保する芯線の埋設位置との関係から、歯付部を成
形する歯付成形部が内型外周面に設定されており、かつ
内型からの成形品の脱型を可能とするため、歯付成形部
は、内型の型軸方向全長にわたって設定されており、脱
型したエンドレスベルトは、一旦裏返しして、歯付部を
残してその他の部分を研磨除去して平ベルト部分を形成
した後、再度、成形品を反転させて完成品としていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近は製品
寸法が多様化してきており、ベルト幅寸法が大きいにも
拘らず、周長長さが短い製品の供給も要求されてきてい
る。このような要望に応えるべく、ベルト幅と周長との
比が小さい芯線入りの歯付きベルトを従来の製造方法に
より製造しようとした場合、芯線の存在により周長方向
の伸びが規制されているため、成形後に裏返して歯付部
を研磨することができないという事態が生じてきた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に着目し、内周面の一部に歯付部を有するエンドレスベ
ルトの成形金型構造、特に、注型成形金型の構造につい
て鋭意検討した結果、内型の一部に歯付成形型を備え、
この歯付成形型の型軸方向の少なくとも一端側を境界と
して内型を分割構造とすれば、歯付部の型軸方向の立ち
上り部のいずれか一方の面が分割時に開放状態となるた
め、ベルトの取り外しが容易になり、従来のごとく、成
形後に裏返して歯付部を研磨する必要がなくなることを
見出した。
【0007】内型の分割構造は、歯付部が内周面全体又
は一部に形成する場合のいずれにおいても適用可能であ
るが、部分的に形成する場合に特に有効である。また、
歯付部を部分的に形成する場合においても、その位置及
び数は問わず適用可能であるが、バキュームベルトとし
て使用する場合などのように、後加工によりベルト貫通
孔を形成するタイプでは、バキューム効果及び伝動効率
を考慮してベルト幅方向の中央位置に歯付部が形成され
ているのが一般的である。従って、これに対応して、歯
付成形型が内型の型軸方向の中央領域に配置された形態
が例示できる。
【0008】注型金型構造は、一般的に、キャビティの
上部側面に、下方に形成された注入口と略点対称位置で
脱気孔を形成し、この脱気孔を開閉する制御弁を設け、
注型材料の加圧注入時に、脱気孔を開放してキャビティ
内の空気を注型材料と共に系外に排出するようにして、
注型材料の空気の抱き込みを防止するようにしている。
【0009】しかしながら、上記金型構造においては、
注入口が円筒状キャビティの下方の1箇所にあり、ま
た、脱気孔もキャビティ上部の1箇所に形成されている
だけなので、キャビティ内の注型材料の上昇速度は、キ
ャビティの周面において注入口側の速度が大きくなり、
不均一な状態で上昇することになる。そのため、注型材
料が空気を抱き込みやすくなり、キャビティ全体に注型
材料が充填され注型材料が融合したときに、いわゆるフ
ローマークが形成されやすくなる。
【0010】このフローマークは、注型材料がキャビテ
ィの円周方向で均一に上昇しないことに基づくものであ
るため、本発明者らは、この問題をも解決するために、
第一に、注入口と連通するキャビティの入り口部にリン
グ状溝を形成し、第二に、脱気孔を兼ねる注型材料のオ
ーバーフロー孔に連通するキャビティ出口部分にリング
状溝を形成することで、注型材料の上昇をキャビティの
周面において均一に行い得るようにした。
【0011】さらに、第三に、注型材料の加圧注入時に
オーバーフロー孔を制御弁で軽く閉弁する手段を採用す
ることで、注型材料の注入時にオーバーフロー孔を開放
する場合に比べてフローマークが解消できた。これは、
キャビティ内に閉じ込められた空気の圧縮・膨張運動
が、注型材料の自重による水平化を促進する方向に働く
ものと考えられる。この場合の空気圧は、1kg/cm
2(ゲージ圧)程度で良好な結果が得られた。
【0012】制御弁を軽く締める方策として、制御弁を
閉弁方向に付勢するばねを設け、その付勢力を前記空気
圧が得られる程度で、かつ注型材料のオーバーフローを
許容して制御弁を開放する程度に適宜設定するようにし
た。
【0013】注型材料としては、エンドレスベルトの用
途に応じて種々の材料を選択でき、クロロプレンゴム、
ブタジエンゴムなどの液状ゴムや、液状の熱硬化性樹脂
などが例示できる。中でも、エンドレスベルトとして機
械的性質、耐薬品性、耐摩耗性などに優れた特性を有す
るポリウレタンエラストマーが好適に用いられる。
【0014】上記注型金型構造は、芯線の有無を問わ
ず、あらゆるエンドレスベルトに適用可能であるが、周
長方向に伸びが規制されて裏返しが不可能な芯線入りの
エンドレスベルトを成形する金型構造に適用するのが好
適である。
【0015】芯線を埋設する場合、注型成形時に内型の
キャビティ面に芯線を巻き付け、キャビティ内に注型材
料を加圧注入硬化させてベルト主体に埋設すればよい
が、芯線を内型のキャビティ面に密着させると、芯線に
注入材料が完全に巻き込まれず、成形後に芯線が露出す
る可能性がある。そこで、内型のキャビティ面にベルト
幅方向に長い複数条の尖条(いわゆるピップ)をキャビ
ティ面に沿って間隔をおいて平行に形成することによ
り、キャビティ面と芯線との接触を点接触状態とし、尖
条間の溝部に注型材料が回り込むようにすれば、芯線の
露出を防止する上で有利である。この場合、歯付成形部
の歯先表面をピップ形成位置とすれば、成形された歯付
部においては、歯溝にピップ跡が残るのみであるから、
歯付部の性能に影響を与えない。
【0016】上記注型金型構造は、ベルト幅と周長との
比が小さいものに限らず、様々な寸法のエンドレスベル
トの成形に適用できるが、本発明者らは、ベルト成形後
に裏返しが困難なエンドレスベルトのベルト幅と周長寸
法との関係についても検討した結果、ベルト周長がベル
ト幅に対して3.2倍以下の場合、裏返しが困難である
との知見が得られた。従って、上記注型金型構造は、ベ
ルト周長がベルト幅に対して3.2倍以下の芯線入り歯
付きエンドレスベルトの製造に適用するのが最適であ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1はエンドレスベルトの正面
図、図2は同じくその平面図である。図示のごとく、本
実施形態のエンドレスベルト1は、写真用印画紙を吸引
しながら搬送するために、ウレタンエラストマーからな
るベルト主体2に多数のバキューム用貫通孔3が形成さ
れたものであって、ガラス繊維、スチール繊維、あるい
はアラミド繊維などの索条体からなる芯線4がベルト主
体2に埋設され、また、ベルト内周面の中央部に歯付部
5が、その他の平ベルト部6よりも内方側に突出されて
いる。
【0018】エンドレスベルト1は、周長Lがベルト幅
Dに対して3.2倍以下の長さで成形後に反転して裏返
すことが困難な寸法のもので、例えば、ベルト幅160
mmに対して周長が340mmに設定されている。
【0019】図3はこのエンドレスベルトを成形する注
型金型構造の一例を示す断面図である。図3のごとく、
注型金型構造10は、底板11に対して、外型12及び
内型13が着脱自在に装着され、注型材料の加圧注入手
段14が設けられている。
【0020】底板11には、内型13の下側小径部を嵌
合する嵌合穴16が形成され、その周囲に外型12を嵌
合するリング状の周壁17が形成され、さらに、その外
側の2〜3箇所に外型12を固定するための下部クラン
プ機構18が設けられている。
【0021】下部クランプ機構18は、円筒ボス部の上
端にフランジ状のクランプ部を有するクランプ片19
と、ボス部を貫通して底板11に形成されたボルト孔2
0に螺合するクランプボルト21とを備え、外型12の
下部外面に形成されたフランジ22をクランプ片19と
底板11の上面11aとで挟み込むことにより、外型1
2を底板11に固定するようになっている。底板11の
周壁17の内側上面には、外型12と内型13との間に
形成されたキャビティ25の下方位置においてリング状
の溝部26が形成され、この溝部26の一部に注入口2
7が下方へ貫通形成されている。
【0022】外型12は、円筒状のものであって、下部
外側に前記フランジ22が形成され、その下方外周部
に、外型12と周壁17の内面との間をシールするOリ
ング29が取り付けられている。外型12の下部内周面
にはリング状の凹部30が形成され、底板11のリング
状溝部26と協働して注型材料を円周方向に回り込みや
すくしている。外型12の上部には、注入口27と略点
対称位置において、外側に拡径したテーパ状の脱気孔を
兼ねるオーバーフロー孔32が貫通され、これに対応し
て外型12の内周面には空気及び注型材料を円周方向に
回り込みやすくするためのリング状の凹部33が形成さ
れている。
【0023】図4は制御弁の拡大図であって、(a)は
開弁状態を、(b)は閉弁状態を夫々示す。図4のごと
く、オーバーフロー孔32の外側には、この孔を開閉す
る制御弁34が設けられている。制御弁34は、外周面
に螺子が刻設された棒状部材35の先端に楔形の弁体3
6が型軸と直交する半径方向に移動自在に設けられ、棒
状部材35が外型12の外周部に設けられたブラケット
37に半径方向へ移動自在に螺合されたものである。
【0024】弁体36の後端には棒状部材35の内部を
移動可能な案内杆38が固定され、棒状部材35の前端
の凹部35aに内装されたコイルスプリング39は、凹
部底面と弁体36の後端との間に介在され、弁体36を
閉弁方向(半径方向内側)に付勢するようになってい
る。案内杆38の後端にはストッパ40が固定されてい
る。また、棒状部材35の後端には、ストッパ兼用の摘
み部42が固定されている。
【0025】図3のごとく、外型12の上部には、内型
13を固定するための上部クランプ機構45が設けられ
ている。この上部クランプ機構45は、内方が内型13
の上方位置まで延設されたクランプ片46と、このクラ
ンプ片46の貫通孔47を通して外型12の外周部に固
定されたブラケット48のボルト孔49に螺合するクラ
ンプボルト50とを備えている。
【0026】図3のごとく、内型13は、中心軸53に
対して、下方から上方に向かって、平ベルト部6を成形
する円筒状の第2の分割型54と、歯付部5を成形する
円筒状の歯付成形型55と、平ベルト部6を成形する円
筒状の第1の分割型56と、これらを中心軸53に固定
する円筒状の固定用ナット57とが順次嵌合された構造
となっている。
【0027】歯付成形型55は、その周囲に歯付部5の
歯形を形成する凹凸状の歯形が形成されたもので、その
外周径が第1及び第2の分割型56,54よりも小径に
形成されている。歯付成形型55の軸方向の両端面は、
中心軸側に向かうにしたがって先細形状となるテーパ面
55a、55bが形成され、これらテーパ面と第1分割
型56及び第2分割型54の端部テーパ面54a、56
aとが密接されている。そして、歯付成形型55は、そ
の円周方向の複数箇所において、底面側から歯付成形型
55を貫通して第1の分割型56に至る取付ボルト60
によって、第1の分割型56と結合されている。
【0028】第2の分割型54は、第1の分割型56及
び歯付成形型55を型軸方向に貫通して第2の分割型5
4に至る取付ボルト62によって第1の分割型56及び
歯付成形型55と結合されている。第2の分割型54と
歯付成形型55とは、その周囲に設けられた位置決めピ
ン65により位置決めされている。
【0029】固定用ナット57は、中心軸53の上部に
刻設された雄ねじ部に螺合されるもので、第1の分割型
56と歯付成形型55とは、中心軸53の軸方向の中間
位置にある段差部63と固定用ナット57とで締め付け
られて中心軸53に固定されている。
【0030】第1の分割型56の上部外周には外型12
との間をシールするOリング66が設けられ、第2の分
割型54においては、その下側小径部54aの外周に底
板11の嵌合穴16との間をシールするOリング67が
取り付けられている。
【0031】図5はキャビティの横断面図であって、同
図(a)は歯付部を、(b)は平ベルト部を夫々示す。
図のごとく、第1の分割型56、第2の分割型54及び
歯付成形型55の外周面には、型軸方向に長い複数条の
尖条70が、円周方向に沿って間隔をおいて平行に形成
され、内型の外周面と芯線4とを点接触状態で接触させ
るようにし、尖条70間の溝部71に注型材料73を回
り込むようにしている。歯付成形型55においても、歯
付部5の歯溝を形成する溝成形部74の頂部に尖条70
が形成されている。
【0032】図3のごとく、加圧注入手段14は、上方
開放の注型材料収容容器75と、この収容容器75に下
部が嵌合し上部が底板11に固定されたピストン76
と、収容容器75を押し上げるシリンダ77とから構成
され、ピストン76に、収容容器75内の注型材料73
を注入口27に供給する供給孔78が貫通形成されてい
る。
【0033】次に、上記注型成形用金型を使用したエン
ドレスベルト1の製造方法を説明する。液状注型材料7
3として液状ポリウレタンを収容容器75に収容する一
方、内型13に芯線4を螺旋状に巻き付け、この内型1
3と外型12とを気液密状に嵌合して両者の間にキャビ
ティ25を形成しつつ、これを底板11に嵌合し、下部
クランプ機構18によって底板11に固定する。外型1
2及び内型13を加温しておき、また、外型12の上部
の制御弁34は、閉弁状態としておく。
【0034】この状態で、収容容器75内の注型材料を
所定の圧力で押し上げると、注型材料73が注入口27
からキャビティ25内に注入され、底板11のリング状
溝部26及び外型13のリング状凹部30を通って内型
13の円周方向全域に回り込み、キャビティ内を上昇す
る。このとき、制御弁34が閉弁状態であるため、注型
材料の上昇に連れてキャビティ25内の空気が圧縮・膨
張運動し、注型材料の自重による水平化を促進すること
になる。そのため、注型材料73は、ほぼ水平に近い状
態でキャビティ25内を上昇することになる。
【0035】注型材料73がオーバーフロー孔32に近
づけば、キャビティ内部の空気は、注型材料73と共に
外型12の上部にあるリング状凹部33を通ってオーバ
ーフロー孔32に至り、その空気圧により、制御弁34
をコイルばね39の付勢力に抗して弁体36を開弁方向
に移動させる。さらに、気泡が混じった注型材料73も
その加圧力によりオーバーフロー孔32から排出され
る。排出される注型材料73に気泡が少なくなった時点
で、棒状部材35をねじ込み、オーバーフロー孔32を
閉じる。この状態で、さらに収容容器75を押し上げ
て、キャビティ内を所定の圧力に保ち、注型材料73が
硬化するまで加温する。
【0036】硬化終了後は、収容容器75を降下させて
キャビティ25内を降圧した後、脱型作業に移行する。
脱型作業は、まず、上部クランプ機構45を解除した
後、取付ボルト62を取り外し、第1の分割型56及び
歯付成形型55を中心軸53ごと上方に引き抜く。次
に、下部クランプ機構18を解除し、第2の分割型54
と共に外型12を底板11から取り外した後、第2の分
割型54を下方から抜き出す。最後に外型12の内周面
に付着している成形ベルト1を取り外し、脱型する。
【0037】このように、本実施の形態では、内型13
を分割方式とし、歯付成形型55を第1の分割型56と
共に引き抜き、第2の分割型54と分離できるようにし
たので、ベルト内周面に平ベルト部6よりも内方へ突出
する歯付部5を有していても、脱型が容易に行えること
になり、ベルト幅と周長との比が小さいエンドレスベル
トであっても成形後に反転させることなく成形可能とな
る。
【0038】また、内型13の外周面には、芯線4と点
接触する尖条70が複数条形成されているため、尖条間
の溝部71にも注型材料73が回り込み、成形後に芯線
4が露出するのを防止することができる。
【0039】また、注型金型構造においても、リング状
の溝部26やリング状の凹部30、33の存在により、
注型材料73がキャビティ周面に回り込みやすくなり、
さらに、コイルばね39付きの制御弁34によって、注
型材料の注入時にオーバーフロー孔32を閉弁するよう
にしたから、空気の圧縮・膨張運動により注型材料の自
重による水平化を促進することになり、いわゆるフロー
マークを解消することができる。
【0040】図6は注型材料の注入時にオーバーフロー
孔を開放した状態とした場合(同図(a))と、本実施
の形態のように制御弁34を閉弁した場合(同図
(b))について、注型材料の上昇具合を確認した結果
を図化したものである。同図(a)(b)ともに、約1
00℃に加温した液状ポリウレタンを使用した。(図6
(a)では注型材料の上昇度合いがキャビティ周方向で
極端に異なってフローマークが発生しやすいのに対し、
(b)ではほぼ水平状態で上昇しているので、フローマ
ークが発生し難いことが理解できる。
【0041】なお、本発明は、上記実施の形態に限定さ
れるものではなく、本発明の範囲内で多くの修正・変更
を加えることができることは勿論である。例えば、本実
施の形態では、加圧注入手段を金型の下側に配置した例
を示したが、注型材料を加圧注入できる態様ならば、横
置きなど、その設置場所が限定されるものではない。ま
た、上下のクランプ機構18,45についても、外型1
2と底板11との固定、及び外型12と内型13との固
定が可能なものならば、種々の構造が採用可能である。
【0042】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、分割式の内型を用いた注型成形金型を用いて内
周面の一部に歯付部を有する芯線入りエンドレスベルト
を成形したので、裏返しが困難とされるベルト周長がベ
ルト幅に対して3.2倍以下のエンドレスベルトであっ
ても容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態であるエンドレスベルトの
正面図
【図2】同じくその平面図
【図3】エンドレスベルトの注型成形用の金型構造を示
す断面図
【図4】制御弁の拡大図であって、(a)は開弁状態
を、(b)は閉弁状態を夫々示す。
【図5】キャビティの拡大横断面図であって、(a)は
歯付部を、(b)は平ベルト部を夫々示す。
【図6】(a)は注型材料の注入時にオーバーフロー孔
を開弁した場合、(b)はかつ注入時に閉弁した場合に
ついて、夫々注型材料の上昇具合を実験確認した結果を
図化したものである。
【符号の説明】
1 エンドレスベルト 2 ベルト主体 3 貫通孔 4 芯線 5 歯付部 6 平ベルト部 10 注型金型 12 外型 13 内型 14 加圧注入手段 27 注入口 32 オーバーフロー孔 34 制御弁 53 中心軸 54 第2の分割型 55 歯付成形型 56 第1の分割型 73 注型材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16G 1/28 F16G 1/28 E Z // B29K 75:00 B29K 75:00 105:08 105:08 B29L 29:00 B29L 29:00 (56)参考文献 特開 平10−296753(JP,A) 実開 平6−73508(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 33/00 - 33/76 B29C 39/00 - 39/44 B29D 29/00 - 29/10 F16G 1/28

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベルト主体の内周面でベルト幅方向の一部
    に歯付部を備えた芯線入りエンドレスベルトの成形金型
    構造であって、内型の一部に歯付成形型を備え、該歯付
    成形型の型軸方向の少なくとも一端側を境界として、前
    記内型が分割構造とされたエンドレスベルトの成形金型
    構造。
  2. 【請求項2】前記歯付成形型が前記内型の型軸方向で中
    央領域に配置された請求項1記載のエンドレスベルトの
    成形金型構造。
  3. 【請求項3】前記内型と外型との間のキャビティの下部
    に流動状態の注型材料を加圧注入するための注入口が配
    設され、前記キャビティの上部に形成されたオーバーフ
    ロー孔に、注型材料の注入時にオーバーフロー孔を閉弁
    方向に付勢するばね付き制御弁が設けられた請求項1又
    は2記載のエンドレスベルトの成形金型構造。
  4. 【請求項4】ベルト主体の内周面でベルト幅方向の一部
    に歯付部を備えたエンドレスベルトの製造方法であっ
    て、歯付成形型と分割型とが型軸方向に配列されてなる
    内型と、その外周側の外型との間のキャビティ内にベル
    ト主体および歯付部を構成する注型材料を注入硬化した
    後、前記歯付成形型の型軸方向の少なくとも一端側を境
    界として内型を分離するよう型軸方向で外方向に引き抜
    き、次いで、外型の内周面に付着している成形ベルトを
    取り外して歯付きエンドレスベルトを得ることを特徴と
    する歯付きエンドレスベルトの製造方法。
  5. 【請求項5】前記内型のキャビティ面に芯線を巻き付
    け、前記キャビティ内に注型材料を注入硬化し、ベルト
    主体に芯線を埋設することを特徴とする請求項4に記載
    の芯線入り歯付きエンドレスベルトの製造方法
  6. 【請求項6】前記ベルト主体の周長がベルト幅に対して
    3.2倍以下に設定されたベルトを前記キャビティ内で
    成形することを特徴とする請求項4又は5に記載の歯付
    きエンドレスベルトの製造方法。
  7. 【請求項7】前記注型材料がウレタンエラストマーであ
    ることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のエ
    ンドレスベルトの製造方法。
JP20700899A 1999-07-22 1999-07-22 エンドレスベルトの製造方法およびその成形金型構造 Expired - Fee Related JP3510533B2 (ja)

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