JP3510267B2 - 分析および治療用薬剤 - Google Patents

分析および治療用薬剤

Info

Publication number
JP3510267B2
JP3510267B2 JP53627496A JP53627496A JP3510267B2 JP 3510267 B2 JP3510267 B2 JP 3510267B2 JP 53627496 A JP53627496 A JP 53627496A JP 53627496 A JP53627496 A JP 53627496A JP 3510267 B2 JP3510267 B2 JP 3510267B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
damaged
binding
avidin
dna
nucleobase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP53627496A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11507435A (ja
Inventor
シャン マイラ トーマス
Original Assignee
ユニヴァーシティ オブ レイセスター
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ユニヴァーシティ オブ レイセスター filed Critical ユニヴァーシティ オブ レイセスター
Publication of JPH11507435A publication Critical patent/JPH11507435A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3510267B2 publication Critical patent/JP3510267B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6804Nucleic acid analysis using immunogens
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、8−オキソグアニン、8−オキソデオキシ
グアノシン、8−オキソアデニンおよび8−オキソデオ
キシアデノシンを検出する方法に用いられる薬剤に関
し、特に、損傷を受けた(damaged)核酸の検出、該核
酸の診断および該核酸の検出法に用いられる薬剤に関す
る。
核酸塩基の損傷、特にDNAの酸化的な塩基損傷は、ト
キシン(毒素)、癌発生および神経変性障害などの多く
の原因により起こり得る。このような損傷を検出するこ
とは、医学的な診断、病理研究および職業上の健康管理
など医学上の多くの観点から重要である。
核酸塩基の損傷を検出するための現在の技術は、酸素
遊離ラジカルによって引き起こされるDNA塩基損傷を感
受するマーカーである8−オキソグアニンを検出するこ
とによる[Kasai,H.およびNishimura,S.,In:H.Sies,ed.
「酸化的ストレス:酸化剤および抗酸化剤(Oxidative
Stress:Oxidants and Antioxidants)London:Academic
Press,1991:99−116;Ames,B.N.,1989,Free Rad.Res.Com
mun.,:121−128]が、8−オキソグアニンは形成する
少なくとも20種類の生成物の唯一のものにすぎない。
DNAに対する酸化的損傷に対するマーカーとして8−
オキソグアニンを使用することにより、HPLC(高圧液体
クロマトグラフィー)を用いて電気化学的に、DNA分解
物中のデオキシヌクレオシド(8−オキソデオキシグア
ノシン)として分析される(Floyd,R.A.他、1986,Free
Rad.Commun.,:163−172)。別の方法として、ガスク
ロマトグラフィー/マススペクトロメトリー(GC−MS)
法を用いて、8−オキソグアニンを遊離塩基として定量
することも行われている(Dizdaroglu,M.1994,Methods
Enzymol.,234:3−16)が、この手法は高価で且つ技術的
な要求が厳しい。これらの2つの手法が比較された(Ha
lliwell,B.およびDizdaroglu,M.,1992,Free Rad.Res.Co
mmun,16:75−87)が、得られた結果は一致していない。
一般的に、GC−MS法によって測定される8−オキソグア
ニンのレベルは高くなり、新鮮な分離細胞においては、
GC−MSによる値は2から11倍高くなっていることが報告
されている。
DNA中の8−オキソグアニンを測定するにはその他の
多くの手段が提示されている。32Pを用いるポストラベ
ル法は文献により確立されている(Lu,L.J.W.他、Chem.
Phamaceut.Bull.39:1880−1882 Povey.A.C.他、In:DNA
アダクトを検出するポストラベル法(Postlabelling Me
thods for Detection of DNA Adducts)。Lyon,105−11
4)。この方法は、非常に高感度の検出法を提供する可
能性があるが、非常に時間がかかり面倒である。毛細管
電気泳動法による8−オキソデオキシグアノシンの測定
(Guarnieri,C.他、1994,J.Chromatogr.B.656:209−21
3)および8−オキソグアニンの測定(Poon,K.W.他、19
95,Bicohem.Soc.Trans.23:443s)も提示されている。現
在までのところ、この方法は、UV吸収測定が本質的に感
度を欠いているために感度不足である。
本発明に従えば、8−オキソグアニン、8−オキソデ
オキシグアノシン、8−オキソアデニンおよび8−オキ
ソデオキシアデノシンを検出する方法に使用される薬剤
であって、ビオチンと特異的に結合し、且つ、8−オキ
ソグアニン、8−オキソデオキシグアノシン、8−オキ
ソアデニンおよび8−オキソデオキシアデノシン(それ
ぞれ8−ヒドロキシグアニン、8−ヒドロキシデオキシ
グアノシン、8−ヒドロキシアデニンおよび8−ヒドロ
キシデオキシアデノシンとして知られているその最も一
般的な互変異性体)の少なくとも1つに特異的に結合す
る分子から成ることを特徴とする薬剤が提供される。
プリン塩基グアニンは、ビオチン分子と構造的な相関
性を殆ど有しない。しかしながら、損傷を受けたDNAに
対するアビジンの詳細な結合特性は未だ不明であるが、
本発明が見出したところによれば、酸化的DNA損傷の損
傷生成物である8−オキソグアニンのケト型はビオチン
にきわめて構造上類似しており、そして、この酸化され
た塩基生成物に対してアビジン、ストレプトアビジンお
よび抗ビオチン抗体の有意の結合親和性を有するようで
ある。
構造的な特徴を考慮すると、8−オキソアデニンおよ
び8−オキソデオキシアデノシンンはイミダジリドン基
を有しているのでアビジンはこれらの化合物と結合する
ことを強く示唆している。
「特異的に結合する」とは、薬剤が特定の(単一また
は複数の)エピトープに対して特異的親和性を有するこ
とを意味する。アビジンは少なくともビオチン、8−オ
キソグアニンおよび8−オキソデオキシグアニンに特異
的に結合するので、これらの分子は同一または実質的に
同じエピトープを有する。この特異性は、ミモトープ
(mimotope)にも特異的なポリペプチドのエピトープに
特異的な抗体(Geysen,H.M.他、1987,Journal of Immno
logical Methods,102:259−274)に(構造)類似性であ
る。但し、該ミモトープの配列が該ポリペプチドの配列
と相違していることはあり得る。
本発明の薬剤は、ビオチンに対してアビジンまたはス
トレプトアビジンと実質的に同じ結合特異性を有し得る
ものである。さらに本発明の薬剤は、8−オキソグアニ
ン、8−オキソデオキシグアノシン、8−オキソアデニ
ンおよび8−オキソデオキシアデノシンの少なくとも1
つに対して、アビジンまたはストレプトアビジンと実質
的に同じ結合特異性を有し得るものである。
「同じ結合特異性」とは、薬剤(例えば、フラグメン
ト、アナログ、抗体または抗原結合性フラグメント)
が、アビジンまたはストレプトアビジンと実質的に同じ
(単一または複数の)エピトープに対して特異的である
ことを意味する。
本発明の薬剤は、アビジンおよびストレプトアビジン
から成る群の一つから選ぶことができる。
本発明の薬剤は、アビジンまたはストレプトアビジン
のフラグメントまたはアナログから構成されてもよい。
アビジンおよびストレプトアビジンの特性を調べ変性し
て該分子の所望のフラグメント、例えば、該分子のうち
ビオチン結合性部分のみから成るフラグメントを容易に
得ることができる。アナログ(アビジンまたはストレプ
トアビジン分子自身のアナログまたは該分子のフラグメ
ントのアナログ)を調製することもできる。例えば、ビ
オチン分子または損傷を受けたDNAに対する結合特異性
ないしは結合親和性が変化したようなアナログを調製し
てもよい。
「アビジンまたはストレプトアビジンのフラグメント
またはアナログ」とは、アビジンまたはストレプトアビ
ジン分子のフラグメントまたはアナログであって、ビオ
チンに対して、および、8−オキソグアニン、8−オキ
ソデオキシグアノシン、8−オキソアデニンおよび8−
オキソデオキシアデノシンの少なくとも1つに対して特
異的に結合するものを意味する。
本発明者は、驚くべきことに、アビジン、ストレプト
マイシンおよび抗ビオチン抗体が、8−オキソグアニ
ン、8−オキソデオキシグアノシン、8−オキソアデニ
ンおよび8−オキソデオキシアデノシンの検出、したが
って、損傷を受けた核酸、特に損傷を受けたDNAの検出
に使用し得ることを見出した。
アビジンは、卵白中にある天然に存在する因子であ
り、ビオチンビタミンに対して顕著な親和性(Ka=1015
M-1)を有し(Bayer,E.A.およびIchek,M.,1990,Methods
in Enzymol.,184:49−67)、そして、ストレプトマイ
セス・アビジニイ(Streptomyces avidinii)由来の細
菌性アナログであるストレプトアビジンも実質的に同じ
結合親和性と特異性を有する。
ビオチン分子(Green,N.M.,1972,Adv.Protein Chem.,
29:85−131)は疎水性が大きく、そして、ウレイド基お
よびイミダジリドン環から成る。その分子全体がアビジ
ン結合部位と相互作用して、アビジンは2面対称を有す
る安定な四量体を形成し、4ケのビオチン結合部位を含
むように配置されて2つのクラスターとなると考えられ
ている。ビオチン分子の小フラグメントから成るアナロ
グである広範囲の化合物がアビジンと結合し得るが、10
mMのレベルでは類似の化合物が有意に結合しないこと
(Green,1972,上述の文献)から、ビオチンに対するア
ビジンの結合性には比較的高い特異性が存するものと考
えられる。
アビジンは、主として検出や増幅における二次的手段
として研究および実用技術の両方において汎用されてい
る。イムノアッセイにおいてはビオチンを検出するのに
多用され、この場合には、一次抗体は直接ビオチンが結
合されるか、またはビオチン化二次抗体を介して結合さ
れる。また、塩基のような標的分子をビオチン化により
化学的に修飾して可視化する場合にも使用されている。
アビジンは、ビオチン以外の生体分子を直接検出する
のに現在のところ使用されてはいない。
本発明の試薬は、別の手段として、抗体またはその抗
原結合性フラグメントから構成することもできる。
本発明における抗体とは、全抗体またはその抗原結合
性フラグメントであり、一般的にはいずれの免疫グロブ
リンクラスに属するものであってもよい。すなわち、例
えば、IgM、IgGまたはIgA抗体である。抗体またはその
フラグメントは、動物性のものであってもよく、例えば
哺乳動物由来のものであり、例えば、マウス、ラットま
たはヒト由来のものである。本発明における抗体は天然
の抗体またはそのフラグメントであってもよいが、所望
に応じて、組換え抗体、すなわち、組換えDNA技術を用
いて製造された抗体または抗体フラグメントであっても
よい。
使用し得る特別の抗体または抗体フラグメントとして
は、(1)抗原結合性部位の少なくとも一部が別異の抗
体由来であるようなもの、例えば、1つの抗体の超可変
または相補性決定領域が第2の別の抗体の可変フレーム
ワーク領域内に融合(グラフト)されているような抗体
(例えば、ヨーロッパ特許明細書第239400号に記載され
ているようなもの);(2)非Fv配列が他の別異の抗体
由来の非Fv配列によって置換されているような組換え抗
体またはフラグメント(例えば、ヨーロッパ特許明細書
第171469、173494および194276号に記載されているよう
なもの);または(3)実質的に自然の免疫グロブリン
の構造を保有する組換え抗体またはフラグメントである
が、ヒンジ部が該自然免疫グロブリンに見出されるのと
は異なる数のシステイン残基を有し、且つ、該組換え抗
体またはフラグメントの表面ポケットの1つまたはそれ
以上のシステイン残基が該自然免疫グロブリンに存在す
る他のアミノ酸残基に置換されているもの(例えば、PC
T出願PCT/GB88/00730およびPCT/GB88/00729に記載され
ているようなもの)が含まれる。
本発明における抗体またはその抗原結合性フラグメン
トは、ポリクローナル抗体由来のものでもよく、また
は、モノクローナル抗体由来のものでもよい。該抗体ま
たはフラグメントは多数のエピトープに特異的なもので
もよく、または、1つのエピトープに特異的なものでも
よい。
抗原結合性の抗体フラグメントとしては、例えば、F
(ab′)、Fab′もしくはFabフラグメントのような、
全抗体をタンパク質分解することによって得られるフラ
グメント、またはFvフラグメントのような組換えDNA技
術によって得られるフラグメント(例えば、PCT出願PCT
/GB88/00747に記載されているようなもの)が挙げられ
る。
本発明に従う抗体は、周知の免疫学的手法を用い、ア
ビジンまたはストレプトアビジンが特異的であるような
(単数または複数の)エピトープ(またはそのミモトー
プ)を抗原として使用して、ビオチンに対してアビジン
またはストレプトアビジンと実質的に同じ結合特異性を
有するような抗体またはその抗原結合性フラグメントを
生成することにより調製することができる。すなわち、
例えば、エピトープまたはアジュバンに結合したエピト
ープまたはエピトープを有するペプチドを適当な宿主に
注入して、血清を集め、適当な精製および/または濃縮
を行う(例えば、アフィニティ媒体として固定化ストレ
ス蛋白を用いるアフィニティクロマトグラフィによる)
ことにより所望のポリクローナル抗体を得ることができ
る。別の方法として、例えば、Kohler他による方法(19
76,Eur.J.Immunol.,:511)を用いて細菌タンパク質を
注入した宿主から脾臓細胞またはリンパ球を回収して不
死化させ、得られる細胞を分離するとモノクローナル抗
体を産生する単一の遺伝的細胞系を得ることができる。
抗体フラグメントは、慣用的手法、例えばペプシンまた
はパパインを用いる酵素分解により製造することができ
る。本発明に従う組換え抗体を製造することが所望され
る場合には、例えば、ヨーロッパ特許明細書第171469、
173494、194276および239400号に記載されているような
方法を用いて製造することができる。
本発明に従う抗体は、慣用的手法を用いて検出性ラベ
ルで標識化されてもよく、本発明はそのような標識化抗
体または抗体複合体(コンジュゲート)を包含するもの
である。
本発明における抗体の例として、シグマ(Sigma)社
から供給されているモノクローナル抗体BN−34(F402
4)がある。
実験によれば本発明の薬剤は損傷の受けた核酸塩基に
特異的に結合することができることが示されている(後
述の「実験」の項参照)。
本発明の薬剤は損傷を受けた核酸塩基に結合し得る。
本発明の薬剤は酸化的塩基損傷核酸に結合し得る。
本発明の薬剤は損傷を受けたDNA塩基に結合し得る。
本発明の薬剤は損傷を受けたRNA塩基に結合し得る。
核酸塩基は、遊離の塩基の形態を成しているか、また
は、他の分子、例えば、糖−リン酸骨格に結合されてDN
AまたはRNAを形成しているものである。
酸化的に塩基が損傷を受けた核酸は、例えば、8−オ
キソグアニン、8−オキソデオキシグアノシン、8−オ
キソアデニンまたは8−オキソデオキシアデノシンであ
る。
本発明の薬剤は、一本鎖の核酸分子の損傷塩基に結合
し得る。本発明の薬剤は、二本鎖の核酸分子の損傷塩基
に結合し得る。
本発明の薬剤は損傷を受けた核のDNA塩基に結合し得
る。本発明の薬剤は損傷を受けたミトコンドリアDNAに
結合し得る。ミトコンドリアDNAは限られた修復能しか
有しないことが示されており、核のDNAよりもかなり酸
化的損傷を受け易い(Richter,C.他、1988,Proc.Natl.A
cad.Sci.USA,85:6465−6467)。
本発明の薬剤は、損傷を受けた核酸塩基、特にDNAま
たはRNAを検出するための診断法に用いられることがで
きる。そのような方法は標準的な試験法から構成され、
標的に対する薬剤の結合が検出され分析されることによ
り、損傷を受けた核酸塩基の存否が判定される。例え
ば、薬剤(例えばアビジン)を固体の支持体(担体)に
結合させ、次に被験者由来のサンプルと接触させて、該
サンプルからの損傷核酸塩基を効果的に精製する。適当
な時間経過後、サンプルを取り除き、支持体に結合した
薬剤を調べて損傷核酸塩基の存在を知る。
このような試験法は、以下のような工程を含み得るも
のである: a)DNAまたはRNA含有サンプルと薬剤を反応させる工
程; b)該サンプルと該薬剤との間の結合反応を検出する工
程;および c)サンプルと薬剤の結合反応の検出結果を、損傷DNA
の存在および量と相関させる工程。
さらに、本発明の薬剤は、混合物(例えば、反応混合
物)から8−オキソグアニン、8−オキソデオキシグア
ノシン、8−オキソアデニンまたは8−オキソデオキシ
アデノシンを単に精製するのに用いることもできる。こ
のような精製は、例えば、8−オキソグアニン、8−オ
キソデオキシグアノシン、8−オキソアデニンまたは8
−オキソデオキシアデノシンを製造するのに使用され得
る。
本発明の薬剤は、ヒトまたは動物の身体を治療または
診断する方法において使用され得る。
本発明に従えば、さらに、核酸塩基損傷を検出する方
法であって、 a)核酸塩基を含有するサンプルを、ビオチンに特異的
に結合し且つ8−オキソグアニン、8−オキソデオキシ
グアノシン、8−オキソアデニンおよび8−オキソデオ
キシアデノシンの少なくとも1つに特異的に結合する分
子を含む薬剤と反応させる工程; b)該サンプルと該薬剤との間の結合を検出する工程;
および c)サンプルと薬剤の結合反応の検出結果を、損傷核酸
塩基の存在および量と相関させる工程を含む方法が提供
される。
前記分子は、酸化的塩基損傷核酸に結合し得るもので
ある。該分子は損傷を受けたDNA塩基に結合し得るもの
である。該分子は損傷を受けたRNA塩基に結合し得るも
のである。
前記分子は、一本鎖の核酸分子の損傷核酸塩基に結合
し得る。前記分子は、二本鎖の核酸分子の損傷核酸塩基
に結合し得る。
損傷核酸塩基は、損傷を受けた核のDNA塩基である場
合がある。また、損傷核酸塩基は、損傷を受けたミトコ
ンドリアのDNA塩基である場合もある。
本発明の方法は、ヒトまたは動物の身体を治療または
診断する方法となり得る。
サンプルの試験を行うに際しては、ビオチンにより該
サンプルが汚染されていないようにすることができる。
本発明に従う診断試験は医学的な診断、病理研究およ
び職業上の健康管理などに適用することができ、さら
に、体液やバイオプシー標本のスクリーニングに使用で
きる。また、遺伝子毒性を有する可能性のある化合物に
ついて毒理学的スクリーニングを行うのに適用できる。
図面を参照する以下の説明から本発明がさらに明らか
になるであろう。図面は、損傷DNAを検出する1つの態
様を例示のために示したにすぎない。各図の説明は以下
のとおりである。
図1は、UVA処理した細胞に結合しているアビジンを
示す。室温下に10分間UVAを照射したIMR32細胞の核にア
ビジン−FITCS(フルオレセインイソチオシアネート)
が結合した。細胞は照射直後に固定化し透過性化した。
アビジン−FITCSにより抗体の結合(図示していない)
を可視化した。一次抗体の非存在下に、照射細胞の核物
質にアビジンが結合した(B)。対照には結合が認めら
れなかった(A)。
図2は、ビオチンおよび8−オキソグアニンの最適化
構造を示す。デスクトップ分子モデル(Desktop Molecu
lar Modelling)プログラムを用いて、グアニンの最も
一般的な互変異性体、8−ヒドロキシグアニンおよび8
−オキソデオキシギアノシンの6,8−ジケト互変異性
体、ならびにビオチンの最適化構造を求めたものであ
る。
図3は、毛細管電気泳動法により測定したビオチンお
よび8−オキソグアニンに対するアビジンの結合特性を
示す。アビジン(A)または8−オキソグアニン(B)
(いずれも濃度は100μM)にアビジンを濃度を変化さ
せながら添加し、毛細管電気泳動法により非結合ビオチ
ンまたは8−オキソグアニンの量(パーセント)を測定
し、ビオチンまたは8−オキソグアニンに対するアビジ
ンの結合比を1:4と仮定した理論上の残存量に対してプ
ロットしたものである。
図4は、酸化的変性を受けたDNAに対するアビジンの
特異性を示す。一本鎖DNAおよび二重鎖DNAの双方をメチ
レンブルーで処理して、酸化的変性による塩基損傷を引
き起こした。ELISA(酵素結合イムノソルベント分析)
プレート(A)(n=8)、または4%(w/v)のパラ
ホルムアルデヒドを用いて固定化したMultiScreen(RT
M)ろ過プレート(B)(n=8)に、メチレンブルー
または非変性DNA(100μg/ml)を結合させ、セイヨウワ
サビペルオキシダーゼ(HRP)−複合化(conjugated)
アビジンの結合レベルを分光光度計を用いて測定した。
正常なDNAに関して、*は95%レベルで有意であるも
の、**は99%レベルで有意なものを示す。幾つかの競
争物質について、パラホルムアルデヒドで固定化されメ
チレンブルーで処理された二本鎖DNAへのアビジンの結
合に対する阻害能を調べた(C)。n=8(但し、8−
オキソデオキシグアノシンおよび8−オキソグアニンに
ついてはn=4)。
図5は、8−オキソデオキシグアノシンおよびその非
変性デオキシヌクレオシドアナログに対するアビジンの
結合特性を示す。8−オキソデオキシグアノシンおよび
デオキシグアノシンに対するFITCS−複合化アビジンの
結合性(A)を、固定化細胞の基質に結合したいろいろ
な濃度の塩基への結合レベルによって評価した。結合の
最大値と最小値の違い(パーセント)としてデータを表
している(A)。8−OHdG(8−オキソデオキシグアノ
シン)またはdG(デオキシグアノシン)のいずれかに対
するアビジンの結合性の最大値と最小値との間には統計
学的な差は認められなかった。FITCSが複合した抗ビオ
チンモノクローナル抗体の8−オキソデオキシグアノシ
ンおよびデオキシグアノシンに対する結合性(B)をア
ビジンの結合性と比較して、固定化細胞の基質に結合し
たいろいろな濃度の塩基への結合レベルで示した。アビ
ジン−FITCSに関して観測された結合性の最大値(パー
セント)としてデータを表している。数値はn=8にお
ける平均値±平均値の標準偏差(SEM)である。示して
いるデータは代表的な実験におけるものである。
図6は、過酸化水素で処理したIMR細胞に対するアビ
ジンの結合特性を示す。HBSS(Hanksの緩衝塩溶液)に
溶かした濃度の異なる過酸化水素溶液に1時間接触させ
た後、IMR32神経芽細胞腫培養物に新鮮な完全培地を添
加し24時間培養した後、FITCS−複合化アビジンを用い
てアビジンの結合レベルを評価した(A)。MTT(3−
(4,5)−ジメチル−チアゾール−2−イル−2,5−ジフ
ェニルテトラゾリウムブロミド)分析を用いて、細胞毒
性を評価した。数値はn=8における平均値±平均値の
標準偏差(SEM)である。ANOVA(分散分析)法およびSc
heffe多重レンジ試験法を用いる対照を含む群から95%
の信頼度で有意に差があるものを*で示す。示している
データは代表的な実験におけるものである。
図7は、過酸化水素で処理したIMR32細胞内でアビジ
ンが結合した核の所在位置を示す。過酸化水素(100μ
M)を含むHBSS(A)または含まないHBSS(B)に1時
間IMR32細胞を接触させた直後のアビジン位置を細胞の
顕微鏡写真(×200)に示すものである。アビジンの結
合に対するビオチンの阻害能(C)、8−オキソデオキ
シグアノシンの阻害能(D)およびグアニンの阻害能
(E)(濃度はいずれも100μM)についても調べた。
図8は、UVA照射したIMR32細胞に対するアビジンの結
合特性を示す。分化したIMR細胞にUVAを照射(最大0.2m
J cm-2)し、照射直後または照射から24時間後のアビジ
ン−FITCSの結合性を調べた(A)。照射24時間後につ
いてはアビジンの細胞結合性に対するα−トコフェロー
ルを用いる予備培養の効果について調べた(B)。MTT
分析により、照射24時間後の細胞の生存率を調べた
(C)。数値はn=8における平均値±平均値の標準偏
差(SEM)である。ANOVA(分散分析)法およびScheffe
多重レンジ試験法を用いる対照を含む群から95%の信頼
度で有意に差があるものを*で示す。示しているデータ
は代表的な実験におけるものである。
図9は、運動神経ニューロン症(MND:motor neurone
disease)患者由来の運動皮質切片に対するアビジンの
結合性を示すものである。運動皮質の凍結切片(12μ
M)を固定化し、パラホルムアルデヒド(PBS(リン酸
緩衝塩溶液)中2%w/v)、次に氷冷メタノールを用い
て透過性化した。A:65才男性の対照用;B:69才女性のMND
患者;C:75才女性のMND患者;D:74才女性の対照用。アビ
ジン−FITCSはMNDの皮質切片に直接結合することが認め
られた。
実験(実施例) 材料 IMR32神経芽細胞腫細胞(継代数66)は、ECACC(Euro
pean Collection of Animal Cell Cultures)(在Porto
n Down,Salisbury)から入手した。
アビジン−FITCS複合体は、シグマ(Sigma)社(A205
0)から、抗ビオチン−FITCS複合体ヒツジモノクローナ
ル抗体(クローン番号BN−34)(F4024)として入手し
たものである。
ストレプトイビジン−セイヨウワサビペルオキシダー
ゼ複合体(コンジュゲート)はBiotrin社(在Dubilin,E
ire)から入手した。
UVAランプ(366nm)は、Knight Optical Technologie
s社からOptical Radiometerとして入手したものであ
る。
セントリコン(Centricon)ミクロ濃縮装置はアミコ
ン(Amicon)社(在Stonehouse(英国))製である。
DNA塩基:8−オキソデオキシグアノシンは、Udenfrien
dシステム(KasaiおよびNishimura,1984,Mutation Rese
arch,12:2137−2145)に従って実験室で合成し、エレク
トロスプレー質量スペクトル法によりその純度の確認し
た。
分子モデル デスクトップ(Desktop)分子モデル(Oxford Univer
sity Press,1994)プログラムを利用して、酸化された
塩基とビオチンの3次元モデルを作製した。該プログラ
ムにより構造の最小化を行った。
毛細管電気泳動法による結合分析 8−オキソグアニン(シグマ社製)およびビオチン
(シグマ社製)の両方に対するアビジンの結合性を毛細
管電気泳動法を用いて検討した(Poon他、1995、前述の
文献)。ベックマン(Bechman)社製P/ACE2200(英国Hi
gh Wycombe在)を用い付属のSystem GOld(RTM)ソフト
ウェアで制御しながら電気泳動を実施した。分析は全
て、全長57cmで内径75μmの未処理溶融シリカ毛細管を
用いて行った。ビオチンおよび8−オキソグアニンの分
析は自由帯域毛細管電気泳動法によって行った。8−オ
キソグアニン溶液(最終濃度100μM)またはビオチン
溶液(最終濃度100μM)にアビジンを添加して、84%
から0%の間の理論上の結合比が得られるようにした。
得られた溶液をCentriconミクロ濃縮装置に通し(ビオ
チン溶液および8−オキソグアニン溶液のそれぞれに対
して、C Con30およびC Con10をそれぞれ適用)、濃縮物
を4℃において2000rpmで20分間遠心分離に供した。次
いで、氷の上に配置した後、CEにより分析した。電気泳
動液として、0.45μmのフィルターに通した10mMのテト
ラホウ酸ナトリウム(pH9.3)を用いた。正圧(0.5ps
i)でサンプルに25℃において5秒間負荷をかけた。操
作時間は30kVの電圧下に10分間とし、リンス時間は0.17
分(約10.2秒)とした。200nmにおける吸光度により検
出を行い、既知の標準物質と比較した。ピーク高さから
各化合物の濃度を推定した。
酸化されたDNAの調製 メチレンブルーでDNAを処理することにより、残留す
るデオキシグアノシンが酸化されて8−オキソデオキシ
グアノシンとなる。氷の上に配置され上向きにしたペト
リ皿ふた内の0.5cmの水により白色光源(光源とDNAの距
離は3cm)から遮蔽されたペトリ皿に入れたメチレンブ
ルー(最終濃度20μg/ml、0.1Mのtris中、pH8.5)の存
在下にDNA(0.5mg/mlの水溶液)をインキュベートし
た。3時間照射を行い、その間に固形状の塩化ナトリウ
ムを添加して最終濃度が1Mとなるようにし、エタノール
でDNAを沈殿させた。DNAを取り出し脱イオン水に溶解さ
せた。該DNAを再沈殿させ、2回洗浄して残存するメチ
レンブルーを除去した。
酵素を結合させたアビジンの結合性分析 アビジン−セイヨウワサビペルオキシダーゼ(アビジ
ン−HRP)(シグマ社製)のメチレンブルー処理DNAに対
する結合性を未処理DNAに対する結合性と比較した。DNA
をメチレンブルーで処理すると、8−オキソデオキシグ
アノシンのような酸化された塩基生成物が得られた。DN
Aに対するアビジンの結合特異性を明確にするため競争
実験を実施した。損傷DNAおよび未損傷DNAはELISAプレ
ートに結合する。当初の実験においては、PBS(50μl/
ウェル)中50μg/mlの濃度で、未損傷およびメチレンブ
ルー処理した二本鎖および一本鎖DNAをELISAプレート
(Nunc製、ImmunoプレートMaxisorp(RTM))に結合さ
せた。しかしながら、各種の処理後に残存するDNAの量
を定量するのは困難であるので、本実験においてはMill
ipore Multiscreen(RTM)ろ過プレートを用いた。かく
して、96ウェルを備えるMultiscreen−HVプレートのウ
ェル(100μl/ウェル)に、未損傷およびメチレンブル
ーで処理した二本鎖および一本鎖のDNA(水中100mg/m
l)を添加した。これらのプレートのウェルの基板は、
0.45mMで疎水性のタンパク質結合性が低いDurapore(RT
M)膜である。これらの実験においては、4%(w/v)の
パラホルムアルデヒドのPBS(pH7.4)溶液(100μl/ウ
ェル)を用いて室温下で5分間DNAを固定化した。固定
化後、真空マニホルドを用い水相をろ過除去した。1.0
%(w/v)ゼラチンのPBS溶液中で5分間DNAをインキュ
ベートすることにより非特異的結合部位をブロックし
た。次いで真空ろ過によりブロック溶液を取り除き、PB
Sで3回ウェルを洗浄した。アビジン−HRPをウェルに添
加し(PBS中500倍稀釈、50μl/ウェル)、37℃において
加湿器内で1時間インキュベートした。PBSで3回洗浄
した後、50μl/ウェルのo−フェニレンジアミン(0.05
Mのリン酸−クエン酸中0.5mg/ml、pH5.0;H2O2を置換す
るため0.03%(w/v)の過ホウ素ナトリウムを含有)を
基質として、結合したペルオキシダーゼ標識化アビジン
の検出を行った。室温下に20分間、2MのH2SO4(25μl/
ウェル)を用いて反応を停止させ、492nmにおける生成
物の分光測を行った。
競争実験として、アビジン−HRPを稀釈して(1:500)
競争物質と考えられる物質の溶液を作製し、DNA調製液
に直接添加した。競争物質は使用直前に直接添加した。
競争物質は使用直前にPBS中で調製し、pHを7.4に修正し
た。
細胞培養 IMR32(継代数66)細胞系は、ECACC(英国Porton Dow
n,Salisbury在)から入手した。該細胞の維持は95%空
気、5%CO2から成る加湿雰囲気化に37℃において行っ
た。10%(v/v)のHIFCS(熱不活化ウシ胎児血清)およ
び1%(v/v)の非必須アミノ酸(NEAA)を含むα−最
少必須培地内でIMR細胞系を恒常的に維持した。いずれ
の場合でも抗生物質は用いなかった。
ストック培養物は対数増殖期に準集密的に維持した。
15回以内で培養物を継代させた後、凍結ストックに復帰
させた。少量の新鮮培地内で振動させることによりIMR
細胞を分離してハーベストおよび継代接種に供した。
ゲージ19のニードルにより軽く粉砕することにより新
鮮培地に細胞を再懸濁した。ストックを維持するため
に、約2×106細胞/75cm2フラスコの割合で細胞を再び
接種した。
全ての実験の前に培養物は化学的に分化させた。蛍光
定量法およびMTT(3−(4,5)−ジメチル−チアゾール
−2−イル−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミ
ド)代謝測定によりDNA損傷を定量するために、96−ウ
ェルのプレートで細胞を培養した。5′−ブロモデオキ
シウリジン(1×10-5M)を含む200μlの培地(5%
(v/v)のHIFCSおよび1%(v/v)の非必須アミノ酸を
含むα−MEM)を有するウェル当たり2×105ヶの細胞の
割合で96−ウェルのプレートにIMR32細胞を接種し、時
間を変えて分化を行わせた(Thomas,S.M.およびAnderto
n,B.H.,1991,Toxic,In Vitro,5:173−180)。蛍光によ
る細胞化学分析のためには、5′−ブロモデオキシウリ
ジン(1×10-5M)を含む300μlの培地(5%(v/v)
のHIFCSおよび1%(v/v)の非必須アミノ酸を含むα−
MEM)を有するウェル当たり2×105ヶの細胞の割合で、
8−チャンバーのプラスチック製LabTek(RTM)スライ
ドに細胞を接種した。
8−オキソデオキシグアニンの蛍光結合分析(FBA) IMR32の培養物を前述したように96−ウェルプレート
で増殖させ分化させた。未処理の培養物を前述のように
固定化し透過性化して基質とした。この基質に8−オキ
ソデオキシグアノシンが結合してFAAsが行われ得るよう
になる。種々の濃度の正常塩基または酸化塩基をこれら
のプレート状で1時間培養した(100μl/ウェル)。
次いで該ELISAプレートをPBSで3回洗浄した後、アビ
ジン−複合化FITCS(PBS中で200倍稀釈、1時間)また
はFITCS−複合化抗ビオチンモノクローナル抗体(PBS中
で80倍稀釈、1時間)を用いて結合した塩基を可視化し
た。励起波長485nmおよび発光波長535nmとし、蛍光プレ
ートリーダー(英国Denly,Billingshurst)を用いて結
合のレベルを定量した。
過酸化水素処理 分化処理後、培地を注意深く吸引し、各ウェル(200
μl)に予め加温したHanks緩衝液(HBSS)を添加し
た。この際、該緩衝液は、各種濃度の新たに調製した過
酸化水素を含むものと含まないものを用いた。過酸化水
素を用いて1時間培養物をインキュベートした後、HBSS
を新鮮な培地(5%(v/v)のHIFCSおよび1%(v/v)
の非必須アミノ酸を含むα−MEM)と交換し、標準的な
培養条件下に24時間回復させた後、MTT分析により細胞
死を評価し、蛍光分析によりアビジンの結合性を評価し
た。
UVA露光 分化細胞をUVA照射に供した。この照射は、脂質相抗
酸化剤α−トコフェロールによる予備培養を行ったもの
と行わないものについて行った。各実験においてラジオ
メーターによりUVA照射レベルをモニターした。照射24
時間前に現存の培地に、抗酸化剤を最終濃度が200μM
となるように添加した(原料は使用直前にメタノール中
で調製した)。対照用の培養物は等量のビヒクル(エタ
ノール)が添加されたものである。照射前に培地を取り
除き細胞をHBSSで洗浄した。室温下に上方から細胞に照
射を行った。対照にも照射した。細胞の固定化は前述し
たように行った。
MTT分析 ミトコンドリアのコハク酸デヒドロゲナーゼによるMT
Tの還元(Mosmann.T.,1983,Immunol.Methods 65(1−
2):55−63)は標準的な比色法による細胞毒性分析法
である。各測定時点の1時間前に20μlのMTT(PBS中5m
g/ml)を各ウェルに添加し細胞培養物を37℃で1時間イ
ンキュベートした。培地を注意深く吸引し、各ウェルに
100μlのイソプロパノールを添加して生存細胞内に沈
着したホルマザン生成物を溶解させた。プレートを5分
間攪拌した後走査式マルチウェル分光光度計で550nmに
おける吸光度を読みとり、該ホルマザン生成物が完全に
溶解していることを確認した。
アビジン結合性の蛍光測定 PBSで細胞を洗浄した後、2%(w/v)のパラホルムア
ルデヒド(pH7.4のリン酸緩衝塩溶液(PBS)中)を15分
間添加することにより細胞を予め固定化した。加温した
PBS中で細胞を洗浄した。培養物を固定化し氷冷したメ
タノールで15分間透過性化し、PBS中で再水和した後、1
0%(w/v)の正常ヤギ血清(NGS)を含有するPBSを用い
てブロッキングした。0.2%(w/v)NGSを含有するPBSを
用いてブロッキング液を洗い去った。アビジン−複合化
フルオレセインイソチオシアネート(FITCS)(PBS中20
0倍稀釈、1時間)、またはFITCS−複合化抗ビオチンモ
ノクローナル抗体(PBS中80倍稀釈、1時間)を用いてD
NA損傷を可視化することにより、蛍光顕微鏡観測または
蛍光プレートリーダー(英国Denley,Billingshurst)に
よる定量分析に供した。
アビジン結合性の阻害 変性DNAおよびビオチンについて、過酸化水素処理し
た細胞に対するアビジンの結合性の阻害能を調べた。ビ
オチン、グアニンおよび8−オキソデオキシグアノシン
の100μM溶液をPBS(pH7.4)を用いて使用直前に調製
した。このように競争物質と考えられるものにアビジン
−FITCS(シグマ社製)を添加し(1:100)、暗中で室温
下に1時間予備的にインキュベートした。対照として競
争物質を含まないPBSも同時に処理した。得られた溶液
をミクロ遠心機で5分間(室温)10,000gで遠心分離
し、上清を結合性実験に用いた。該溶液を用いて固定化
細胞を暗中で室温下に1時間インキュベートした。スラ
イドをPBS中で3回洗浄した後、Vectorshield(RTM)
(英国PeterboroughのVector Laboratories製)(グリ
セロール系の抗漂白マウントである)を用いてスライド
にカバースリップを取り付けた。
病理学的検討用組織片 発光している凍結組織片を室温下に15分かけて解凍し
た後、氷上で0.5%のグルタルアルデヒドを含む4%(w
/v)のパラホルムアルデヒド(リン酸緩衝塩溶液(PB
S)、pH7.4)を添加することにより固定化し、PBSおよ
び食塩で洗浄した。得られたサンプルをアルコールで脱
水した後、0.3%の過酸化水素を含むメタノール中で15
分間インキュベートすることにより内生ペルオキシダー
ゼをブロックした。サンプルを再水和し、PBS中で洗っ
た。アビジン−複合化フルオロセインイソチアネート
(FITCS)(PBS中200倍稀釈)を1時間接触させること
によりアビジンの結合を可視化した。組織片を充分に洗
った後、Vectorshield(RTM)(英国PeterboroughのVec
tor Laboratories製)(グリセロール系の抗漂白マウン
トである)を用いて組織片にカバースリップを取り付け
た後、顕微鏡観察を行った。
統計学的解析 データの解析にはStatgraphics V.5.0プログラム(米
国マサチューセッツ州STSC Inc.製)を用いた。解析の
前に確率プロットによりデータの正規分布または非母数
分布を調べた。分散分析法(ANOVA)および95%信頼度
におけるScheffe多重レンジテスト法を用いて正規分布
データへの影響を調べた。2つのサンプルの比較には95
%信頼度におけるスチューデント式テストを採用した。
結果 当初に見出されたことは、驚くべきことに、UVAで処
理された細胞において抗体が全く存在しない場合にアビ
ジン−複合体がDNAに結合したということである。UVA処
理された核にアビジン−FITCSが結合することが見出さ
れたが(図1のB)、対照の照射細胞の核には結合は認
められなかった。
酸化的に変性されたDNA塩基と天然のリガンドである
ビオチンの構造的類似性を検討した結果、非変性塩基グ
アニンとビオチンの間には殆ど類似性は存しないが、8
−オキソグアニンおよび8−オキソグアノシンの両者の
6,8−ジケト互変異性体の最適化構造(Aida,M.およびNi
shimura,S.,1987,Mutation Research,192:83−89)はビ
オチンと構造的類似性を有する(図2)。8−オキソグ
アニンの6,8−ジケト互変異性体および8−オキソデオ
キシグアノシンの6,8−ジケト互変異性体はいずれも、
ビオチンと共通するイミダジリドン基を有している。但
し、デオキシリボース基は、8−オキソデオキシグアノ
シンのイミダジリドンのN3に結合している。ビオチンの
2つの環は融合してシス体となっており、また、吉草酸
側鎖はイミダジリドン環に関してシスである(Green,N.
M.,1972,Adv,Protein Chem.,29:85−131)。8−オキソ
グアニンおよび8−オキソデオキシグアノシンのいずれ
も類似のアルキル基を有してはいないが、8−オキソデ
オキシグアノシンの糖基は2つの環構造に対して類似の
位置関係にあり、また、リボース分子内の2つの酸素基
は吉草酸のカルボキシル基の2つの酸素に対して類似の
位置関係にある(図2)。
アビジンに対するビオチンの結合度を示すために毛細
管電気泳動法を用いて、各種の濃度のアビジンでインキ
ュベーションした後のビオチンの消失を観測した(図
3)。結合比としてアビジン1ヶに対して4ヶのビオチ
ン分子が結合すると仮定した場合、非結合ビオチンの回
収は予測される理論値に非常に近いものであった。同様
の手法を適用して、8−オキソグアニンに対するアビジ
ンの結合能を検討した。アビジンで予備的にインキュベ
ートすると、8−オキソグアニンの検出レベルは、ビオ
チンで見られたように見かけ上1:4の比率で減少した
(図3)。
メチレンブルーでDNAを処理すると酸化的塩基損傷が
得られ、特に8−オキソデオキシグアノシンが生成す
る。ELISA式の分析を適用して、メチレンブルーで損傷
を受けたDNAに対するアビジンの親和性を検討した。メ
チレンブルー処理した一本鎖DNAおよび二本鎖DNAの両方
に対するアビジンの結合レベルは、正常なDNAに対して
見られるよりも大きいものであった(図4のA)。正常
な一本鎖DNAおよびメチレンブルー処理された一本鎖DNA
の両方に対する結合のレベルは、二本鎖DNAに対するも
のよりもかなり大きいものであった。パラホルムアルデ
ヒド(4%(w/v))を用いてDNAを固定化すると二本鎖
DNAに対するアビジンの結合レベルは増大し、その結
果、正常な一本鎖DNAおよび二本鎖DNAに対する結合レベ
ルには有意な差が存在しなくなった(図4のB)。メチ
レンブルー処理されたDNAに対するアビジンの結合性を
正常DNAに対する結合性と比較するときわめて有意な差
が認められた。メチレンブルー処理されたDNAに対する
アビジンの結合レベルは正常DNAに対するものよりもか
なり大きいものであったが、非処理DNAに対しても結合
は存在する。しかしながら、市販のDNAは多くの処理を
受けており、また、ここで用いたような実験の範囲内に
おいてもDNAは酸化的損傷から保護されていない。市販
のウシ胸腺中の8−オキソグアニンのレベルをHPLCで測
定した(示さず)ところ、そのレベルは0.4nmol/mgDNA
または3.2mol/105molグアニンであった。競争実験によ
れば、8−オキソデオキシグアノシンと共にインキュベ
ートすると、メチレンブルーで処理された二本鎖DNAに
対するアビジンの結合阻害が大きくなった(図4の
C)。グアニンおよびグアノシンにも結合阻害能があっ
たが、アビジンの濃度(約10-8M)に対して阻害剤の濃
度は高い(約1000倍)ものであった。
ビオチンおよびモノクローナル抗体のアビジンに対す
る結合性を調べるために、各種の濃度の8−オキソデオ
キシグアノシンまたはデオキシグアノシンを固定化細胞
質材料の基質に結合させた。アビジン結合は8−オキソ
デオキシグアノシンが10-5Mのときに最大となり、その
後は濃度(結合)はほぼ一定のレベルに維持された(図
5のA)。これとは対照的に、デオキシグアノシンに対
する結合性は濃度の上昇とともに増大し、デオキシグア
ノシンが10-6Mで最大となった(図5のB)。これらの
実験において0%値および100%値は統計学的には異な
らない。抗ビオチンモノクローナル抗体は、アビジンと
同程度の特異性を有しないようであり、8−オキソデオ
キシグアノシンおよびデオキシグアノシンの両方に対す
る結合性の最大値は10-9Mのときであったが、損傷DNAを
未損傷DNAと識別することは可能であった(図5のCお
よびD)。同じ実験でデオキシヌクレオシドの濃度を同
じにした場合、抗体の結合レベルはアビジンの結合レベ
ルよりかなり低いものであった。
IBR培養物(24時間にわたって分化したもの)を過酸
化水素に1時間接触させることにより、過酸化水素濃度
に関してアビジン−FITCSの結合性がかなり有意に増大
する(ANOVAによるp=0.0026)。過酸化水素10nMの場
合(図6のA)、アビジンの結合レベルは、対照を含有
する群よりも統計学的な相違が見られた。対照の培養物
に関して認められた蛍光の固有レベルは、顕微鏡分析で
認められるように、アビジン−FITCSの固有の結合のレ
ベルが低いことに因るものであり、細胞質材料の自己蛍
光に因るものである。結合のレベルは過酸化水素が100n
Mのときに一定状態になった。これに対して、当初の接
触から24時間後の明白な細胞死は、過酸化水素の濃度が
100μM以上になったときにのみ認められた(図6の
B)。アビジン−FITCSの結合は主として培養物の核に
存在し(図7のB)、一方、過酸化水素で処理されない
場合には核への結合は認められなかった(図7のA)。
アビジン−FITCS結合がビオチンにより予備インキュ
ベーションによって妨げられるか否かということを明ら
かにするために阻害性の検討を行い、結合が特異的なも
のであり、ビオチン結合部位が関与していること、さら
に、競争物質として8−オキソデオキシグアノシンも関
与していることを確認した(図7のA〜E)。最初の例
として、過酸化水素と接触させた細胞とのインキュベー
ションの前に、該アビジン複合体を各種の競争物質と予
備的にインキュベートした。予測したように、10μMビ
オチンとの予備的インキュベーションにより過酸化処理
細胞への結合が妨げられた(図7のC)。8−オキソデ
オキシグアノシンも結合を妨げたが(図7のD)、グア
ニンは結合を妨げなかった(全て100μMにおいて)
(図7のE)。これらの事実は、核へのDNAへの結合に
ビオチン結合部位が関与していることを示唆している。
処理細胞に競争物質とアビジン−複合体を同時に添加し
た競争実験も同様の結合阻害パターンを示した。
遊離ラジカル発生系により障害を受けている培養細胞
中におけるDNAに対するアビジン−複合体の結合性は酸
化が介在する現象に依存することを更に明らかにするた
め、抗酸化剤による該結合の妨害能を調べた。分化した
IMR32細胞にUVA照射してDNA損傷を引き起こした。UVA照
射直後に該細胞にアビジンが結合することは明らかであ
り(ANOVAによるp=0.008)、64mJ cm-2およびこれよ
り強い照射を行った細胞に対する結合性は、対照含有群
と統計学的異なっていた。24時間後の照射においては結
合レベルはかなり大きく(ANOVAによるp=0.0005)、
また、16mJ cm-2しか照射しなかった細胞においてはそ
の効果は対照と有意に異なっていた(図8のA)。α−
トコフェロール(200μM)を用いる予備インキュベー
ションは、短時間の照射ではアビジン結合性を減少させ
たが、長時間照射後は結合性を減少させるのに効果的で
はなかった。多重レンジANOVA法によると、α−トコフ
ェロールは検討した照射時間の全範囲にわたってアビジ
ンの結合性を有意に減少させた(p=0.003)。照射後
の培養物の生存率をMTTで評価することにより、アビジ
ンの結合が細胞の即死と関係していないことを明らかに
した(図8のC)。生存率に統計学的に有意な変化はな
かった。MTT代謝の上昇が認められなかったが、これは
α−トコフェロールによる予備インキュベーションで防
止された。
神経変性障害で死亡した患者由来の死後の神経組織片
に対するアビジン−FITCSの結合性を年齢を合わせた対
照と比較した(図9のA〜D)。該対照にもある程度の
結合は認められたが(AおよびD)、結合のレベルはMN
D患者由来のものの方がはるかに高かった。同様の方法
を用いて他の身体組織の検討も容易に行うことができ
る。ヒトの病理組織を用いることにより、この手法がイ
ンビトロ系のみならず、組織にも適用できることが明ら
かである。
考察 以上のようにアビジン、ストレプトアビジン、および
ビオチン特異的抗体は損傷を受けたDNAに特異的に結合
するが、従来の技術はこの点について教示していない
(例えば、Wood,G.S.およびWamke,R.,1981,J.Histoche
m,Cytochem.,29:1196−1204参照)。
純粋に化学的な系における結合性の検討により、非結
合化合物の減少を調べるには最小限の予備的インキュベ
ーションが必要であったことから、アビジンに対する8
−オキソグアニンの結合は極めて速いことが示唆され
た。結合比は、アビジンに対する理論比4:1に匹敵する
ものであり、各アビジン分子に4ヶの結合部位が存在す
ることと一致しており、また、アビジンの結合部位は8
−オキソグアニンの結合に関与していることを示唆して
いる。
遊離ラジカルによって損傷を受けたDNAに対するアビ
ジンの結合性は、複合体(コンジュゲート)にも検出の
終点法にも依存しない。阻害実験は、さらに、DNAに対
するアビジンの結合が特異的であり、そして、ビオチン
はアビジンの結合を阻害することからアビジンのビオチ
ン結合部位に依存することも示唆している。さらに、8
−オキソデオキシグアノシンも結合をブロックし得るも
のであり、したがって、このことは、該化合物もビオチ
ン結合部位に結合することを示唆している。グアニンお
よびグアノシンもアビジンの結合を阻害するが、高濃度
の場合のみである。かくして、これらのデータは、当該
結合がアビジンの結合部位によって仲介されるものであ
ることを強く示唆している。また、8−オキソデオキシ
グアノシンの検出系としてアビジンの感度についても検
討した。該基質に8−オキソデオキシグアノシンが100
%結合すると仮定すると、酸化されたDNAに対するアビ
ジンの理論的(したがって控えめに見積もった)感度
は、104分子の8−オキソデオキシグアノシンを検出し
得ることを示唆している。
アビジンにより認識されるDNAの構造は、α−トコフ
ェロールで予めインキュベートされたUVA照射細胞に対
するアビジンの結合が減少することから、酸化性の遊離
ラジカル機構により生じるものと考えられる。細胞に対
するアビジンの結合性は、UVA照射または過酸化水素を
用いるインキュベーション[これらはいずれも酸化的DN
A損傷(8−オキソデオキシグアノシンの生成を含む)
を起こすための確立された手段である]が介在する障害
作用に依存して上昇する。他の細胞系(他の神経芽腫細
胞腫および3T3繊維芽細胞を含む)を用いて、遊離ラジ
カルが関与した損傷細胞に対するアビジンの結合性につ
いても検討した。
アビジン−複合体は、8−オキソデオキシグアノシ
ン、8−オキソグアニンおよびビオチンに対して類似の
親和性を有するようである。アビジンを用いて、インビ
トロの培養実験由来の固定化細胞材料および固定化病理
学的組織片の両方におけるDNAに対する損傷を明らかに
した。この手法は、広範囲の用途に適用し得る。DNAは
現在広く研究されているが、採用されている方法は高価
で且つ時間のかかるものである。8−オキソデオキシグ
アノシンは、広範な酸化的DNA損傷生成物の1つに過ぎ
ないが(Dizdaroglu,M.,1994.Methods Enzymol.,234:3
−16)、酸化的DNA損傷のバイオマーカーとして許容さ
れることが示唆された。病理学的標本における8−オキ
ソデオキシグアノシンを直接同定することができ、同定
の前に抽出や精製を必須条件としないことは魅力的で満
足できるバイオマーカーとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 33/566 G01N 33/577 B 33/577 A61K 37/02 (56)参考文献 国際公開92/15707(WO,A1) Proc.Natl.Acad Sc i.USA,Vol.89(1992)p. 3375−3379 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/48 - 33/98 C12Q 1/68

Claims (26)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】8−オキソグアニン、8−オキソグアノシ
    ン、8−オキソアデニンおよび8−オキソデオキシグア
    ノシンを検出する方法において、ビオチンに特異的に結
    合する分子を含むことを特徴とする薬剤の使用。
  2. 【請求項2】該分子がビオチンに対してアビジンまたは
    ストレプトアビジンと実質的に同じ結合特異性を有する
    ことを特徴とする請求項1に従う薬剤の使用。
  3. 【請求項3】該分子が、アビジンおよびストレプトアビ
    ジンから成る群の任意の1つから選ばれることを特徴と
    する請求項1に従う薬剤の使用。
  4. 【請求項4】アビジンまたはストレプトアビジンのフラ
    グメントまたはアナログを含むことを特徴とする請求項
    1または2に従う薬剤の使用。
  5. 【請求項5】該分子が抗体またはその抗原結合性フラグ
    メントから成ることを特徴とする請求項1または2に従
    う薬剤の使用。
  6. 【請求項6】モノクローナル抗体から成ることを特徴と
    する請求項5に従う薬剤の使用。
  7. 【請求項7】モノクローナル抗体が、シグマ(Sigma)
    社から供給されるBN−34(F4024)であることを特徴と
    する請求項6に従う薬剤の使用。
  8. 【請求項8】前記分子が、損傷を受けた核酸塩基に結合
    することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに
    従う薬剤の使用。
  9. 【請求項9】前記分子が、酸化的に塩基が損傷を受けた
    核酸に結合することを特徴とする請求項8に従う薬剤の
    使用。
  10. 【請求項10】前記分子が、前記損傷DNA塩基に結合す
    ることを特徴とする請求項8または9のいずれかに従う
    薬剤の使用。
  11. 【請求項11】前記分子が、前記損傷DNA塩基に結合す
    ることを特徴とする請求項8〜請求項10のいずれかに従
    う薬剤の使用。
  12. 【請求項12】前記分子が、一本鎖の核酸分子の損傷核
    酸塩基に結合することを特徴とする請求項8〜請求項11
    のいずれかに従う薬剤の使用。
  13. 【請求項13】前記分子が、二本鎖の核酸分子の損傷核
    酸塩基に結合することを特徴とする請求項8〜請求項12
    のいずれかに従う薬剤の使用。
  14. 【請求項14】請求項8〜請求項13のいずれかに従う損
    傷核酸塩基を検出する方法に使用され、該損傷核酸塩基
    が損傷を受けた核のDNA塩基であることを特徴とする薬
    剤の使用。
  15. 【請求項15】請求項8〜請求項14のいずれかに従う損
    傷核酸塩基を検出する方法に使用され、該損傷核酸塩基
    が損傷を受けたミトコンドリアのDNA塩基であることを
    特徴とする薬剤の使用。
  16. 【請求項16】損傷を受けたDNAまたはRNAを検出する診
    断テスト法に使用されることを特徴とする請求項10〜請
    求項15のいずれかに従う薬剤の使用。
  17. 【請求項17】損傷を受けたDNAまたはRNAを検出する診
    断テスト法に使用される薬剤の使用であって、 a)該薬剤をDNAまたはRNA含有サンプルと反応させる工
    程; b)該サンプルと該薬剤との間の結合反応を検出する工
    程; c)該サンプル−薬剤結合反応の検出結果を、損傷を受
    けたDNAまたはRNAの存在および量と相関させる工程を含
    むことを特徴とする請求項16に従う薬剤の使用。
  18. 【請求項18】8−オキソグアニン、8−オキソデオキ
    シグアノシン、8−オキソアデニンまたは8−オキソデ
    オキシアデノシンを精製する方法に使用されることを特
    徴とする請求項1〜請求項17のいずれかに従う薬剤の使
    用。
  19. 【請求項19】核酸塩基の損傷を検出する方法であっ
    て、 a)核酸塩基を含有するサンプルを、ビオチンに特異的
    に結合し且つ8−オキソグアニン、8−オキソデオキシ
    グアノシン、8−オキソアデニンおよび8−オキソデオ
    キシアデノシンの少なくとも1つに特異的に結合する分
    子を含む薬剤の使用と反応させる工程; b)該サンプルと該薬剤との間の結合反応を検出する工
    程; c)該サンプル−薬剤結合反応の検出結果を、損傷を受
    けた核酸塩基の存在および量と相関させる工程を含むこ
    とを特徴とする方法。
  20. 【請求項20】前記分子が酸化的に損傷を受けた核酸塩
    基と結合することを特徴とする請求項19に従う検出方
    法。
  21. 【請求項21】前記分子が、前記損傷を受けたDNA塩基
    に結合することを特徴とする請求項19または20に従う検
    出方法。
  22. 【請求項22】前記分子が、前記損傷を受けたRNA塩基
    に結合することを特徴とする請求項19〜請求項21のいず
    れかに従う検出方法。
  23. 【請求項23】前記分子が、一本鎖の核酸分子の損傷核
    酸塩基に結合することを特徴とする請求項19〜請求項22
    のいずれかに従う検出方法。
  24. 【請求項24】前記分子が二本鎖の核酸分子の損傷核酸
    塩基に結合することを特徴とする請求項19〜請求項23の
    いずれかに従う検出方法。
  25. 【請求項25】損傷核酸塩基が、損傷を受けた核のDNA
    塩基であることを特徴とする請求項19〜請求項24のいず
    れかに従う検出方法。
  26. 【請求項26】損傷核酸塩基が、損傷を受けたミトコン
    ドリアのDNA塩基であることを特徴とする請求項19〜請
    求項25のいずれかに従う検出方法。
JP53627496A 1995-05-31 1996-02-05 分析および治療用薬剤 Expired - Fee Related JP3510267B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB9510954.2 1995-05-31
GBGB9510954.2A GB9510954D0 (en) 1995-05-31 1995-05-31 Detection of DNA damage
PCT/GB1996/000220 WO1996038588A1 (en) 1995-05-31 1996-02-05 Analytical and therapeutic agents

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11507435A JPH11507435A (ja) 1999-06-29
JP3510267B2 true JP3510267B2 (ja) 2004-03-22

Family

ID=10775254

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP53627496A Expired - Fee Related JP3510267B2 (ja) 1995-05-31 1996-02-05 分析および治療用薬剤

Country Status (10)

Country Link
US (1) US6309825B1 (ja)
EP (1) EP0828854B1 (ja)
JP (1) JP3510267B2 (ja)
AT (1) ATE193560T1 (ja)
AU (1) AU704928B2 (ja)
CA (1) CA2222513C (ja)
DE (1) DE69608683T2 (ja)
ES (1) ES2149448T3 (ja)
GB (1) GB9510954D0 (ja)
WO (1) WO1996038588A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU7113696A (en) 1995-09-19 1997-04-09 Cytochem, Inc. Detection and quantitation of 8-oh-adenine using monoclonal antibodies
WO2002065889A1 (de) * 2001-02-21 2002-08-29 Rubikon Ag Verfahren zur untersuchung von zell- und gewebeproben
US7482029B2 (en) 2005-04-01 2009-01-27 Bionovo, Inc. Composition for treatment of menopause
US20090042818A1 (en) * 2007-06-22 2009-02-12 Bionovo, Inc. Liquiritigenin and Derivatives as Selective Estrogen Receptor Beta Agonists
AU2008296072A1 (en) 2007-09-07 2009-03-12 Bionovo, Inc. Estrogenic extracts of Astragalus membranaceus Fisch.Bge.Var.mongolicus Bge. of the Leguminosae Family and uses thereof
CA2706330A1 (en) 2007-11-19 2009-06-04 Bionovo, Inc. A process of making purified extract of scutellaria barbata d. don
WO2009067550A1 (en) 2007-11-19 2009-05-28 Bionovo, Inc. Methods of detecting and treatment of cancers using scuttelaria barbata extract
US8580516B2 (en) * 2008-09-05 2013-11-12 University Of Chicago Methods and compositions for direct detection of DNA damage

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1992015707A1 (en) * 1991-02-27 1992-09-17 New York University Immunoassay for antibodies to oxidized dna and uses thereof

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Proc.Natl.Acad Sci.USA,Vol.89(1992)p.3375−3379

Also Published As

Publication number Publication date
CA2222513A1 (en) 1996-12-05
EP0828854A1 (en) 1998-03-18
US6309825B1 (en) 2001-10-30
DE69608683T2 (de) 2001-02-08
WO1996038588A1 (en) 1996-12-05
GB9510954D0 (en) 1995-07-26
AU4627896A (en) 1996-12-18
ES2149448T3 (es) 2000-11-01
DE69608683D1 (de) 2000-07-06
ATE193560T1 (de) 2000-06-15
AU704928B2 (en) 1999-05-06
EP0828854B1 (en) 2000-05-31
CA2222513C (en) 2009-10-13
JPH11507435A (ja) 1999-06-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Webster et al. Molecular and cellular characterization of the membrane attack complex, C5b-9, in Alzheimer’s disease
Nagy et al. Evidence for the co-localization of another connexin with connexin-43 at astrocytic gap junctions in rat brain
US20050069931A1 (en) Non-invasive diagnostic test utilizing histone modification markers
EA002520B1 (ru) Выделенное антитело и его фрагмент, способы и набор для оценки уровня перекисного окисления липидов в биологическом образце и способ диагностики заболеваний, обусловленных перекисным окислением липидов
JPH05508919A (ja) スペクトリン又はその崩壊生成物の分析による細胞壊死検出
JP3510267B2 (ja) 分析および治療用薬剤
DE60219809T2 (de) Verbindungen und Verfahren zur Nachweiss von Karzinomen und deren Vorstufen
Ishida-Yamamoto et al. Mutant loricrin is not crosslinked into the cornified cell envelope but is translocated into the nucleus in loricrin keratoderma
JP2000502070A (ja) ヘリコバクター・ピロリによる感染の治療および診断
JPS63119498A (ja) 新規なモノクロナル抗体、その製造及び使用
WO2004064857A1 (ja) ガレクチン9含有医薬
KR20000010561A (ko) 항원 특이적 면역억제 요법에 사용하기에 적합한 신규 펩티드
KR100884487B1 (ko) 인자 ⅶ-활성화 프로테아제의 돌연변이체 및 특이적 항체를 포함하는 진단학적 조성물
JP2001511253A (ja) ▲ii▼型コラーゲンフラグメントについてのアッセイ
Zhao et al. Detection of the phytotoxin coronatine by ELISA and localization in infected plant tissue
AU766559B2 (en) Diagnostic test
Nakano et al. Elevation of soluble thrombomodulin antigen levels in the serum and urine of streptozotocin-induced diabetes model rats
Naidoo et al. Cellular visualization of tissue prokallikrein in human neutrophils and myelocytes
JP4117563B2 (ja) 皮膚糸状菌の検出方法、検出用試薬および抗原性賦活化方法
US5541066A (en) Assays for cartilage synthesis in osteoarthritis based on detection of type IIA mRNA
US6531277B2 (en) Endometriosis-specific secretory protein
JP2008507475A (ja) 扁平上皮癌を阻害する組成物及び方法
JP2003130880A (ja) 異常型プリオン免疫測定用試薬及びキット並びにそれを用いた異常型プリオンの免疫測定方法
JP4171228B2 (ja) 可溶型rage測定法
US5879899A (en) Methods of assaying DNA-repairing enzymes and their alkylated derivatives

Legal Events

Date Code Title Description
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20031225

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080109

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090109

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090109

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100109

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110109

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees