JP3510119B2 - パンツ型の使い捨ておむつ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、パンツ型の使い
捨ておむつに関する。

【０００２】

【従来の技術】実開平５−５１３２７号公報に開示のパ
ンツ型使い捨ておむつは、胴周り開口縁部を周り方向に
沿って切り裂くことができる。使用後のおむつは、切り
裂いて得られる環状の開口縁部を使って丸め、排泄物で
汚れた部位が露出することがないようにして捨てること
ができる。このようにしておむつの一部分を転用して汚
れたおむつを丸めるならば、おむつを丸めるためにコス
トのかかる格別の部材を必要としないという利点が生ま
れる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記公知のおむつで
は、開口縁部を切り裂いたときに、重なり合っていた表
面シートと裏面シートとの間で口が開き、表裏面シート
の間にあって吸収体を形成していた粉砕パルプや高吸収
性ポリマー粉末がその口から漏れ易いという難点があ
る。

【０００４】この発明が課題とするのは、おむつの一部
分を転用して汚れたおむつを丸めることができる前記公
知の類のおむつにおいて、前記難点を解消することにあ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、この発明が前提とするのは、透液性表面シートと、
不透液性裏面シートと、これら両シート間に介在する吸
収体とからなり、着用者の腹側に位置する前胴周り域
と、背側に位置する後胴周り域と、これら両域間に位置
する股下域とを有し、前記前後胴周り域の側縁部分が重
なり合って互いに接合し、胴周り開口と一対の脚周り開
口とを形成しているパンツ型の使い捨ておむつである。

【０００６】かかる前提において、この発明が特徴とす
るところは、重なり合う内外面シートと前記内外面シー
ト間に介在する互いに平行な複数条の弾性部材とからな
る前記おむつとは別体の弾性帯状部材が、前記前後胴周
り域いずれかの外側において、その胴周り域の幅方向へ
伸長状態で延在し、前記幅方向における前記帯状部材の
両縁部それぞれが、前記側縁部の互いに接合している部
位の近傍に接合していること、にある。

【０００７】この発明の好ましい実施態様において、前
記胴周り開口の縁部には胴周り弾性部材が伸長状態で取
り付けられており、前記弾性帯状部材が前記おむつの上
下方向において前記胴周り弾性部材よりも下方に位置し
ている。

【０００８】

【発明の実施の形態】添付の図面を参照して、この発明
に係るパンツ型の使い捨ておむつの詳細を説明すると、
以下のとおりである。

【０００９】図１に部分破断斜視図で示されたパンツ型
の使い捨ておむつ１は、透液性表面シート２と、不透液
性裏面シート３と、これら両シート２，３間に介在する
吸収体４とからなり、着用者の腹側に位置する前胴周り
域６と、背側に位置する後胴周り域７と、これら両域
６，７の間に位置する股下域８とを有する。前後胴周り
域６，７は、側縁部１１，１２どうしが重なり合い、上
下方向へ間欠的に並ぶ部位９において互いに接合して胴
周り開口１３と一対の脚周り開口１４とを形成してい
る。表裏面シート２，３は、吸収体４の周縁から延出し
て重なり合い、互いに接合している。胴周り開口１３と
脚周り開口１４の縁部では、胴周り弾性部材１６と脚周
り弾性部材１７とが表裏面シート２，３間において周り
方向へ延び、これらシート２，３の少なくとも一方の内
面に伸長状態で接合している。前胴周り域６の外側では
弾性的に伸縮する帯状部材２１が胴周り弾性部材１６よ
りも下方において周り方向へ延び、両縁部２５のそれぞ
れが前胴周り域６の側縁部１１に接合部位９および／ま
たはその近傍で接合している。

【００１０】帯状部材２１は、重なり合う内外面シート
２２，２３と、これらシート２２，２３間に介在する互
いに平行な複数条の弾性部材２４とからなり、弾性部材
２４がこれらシート２２，２３の少なくとも一方の内面
に伸長状態で接合している。図１のおむつ１は、各弾性
部材１６，１７，２４が収縮した状態にあり、胴周り開
口１３と脚周り開口１４の縁部、および帯状部材２１に
多数のギヤザーが生じている。

【００１１】図２は、おむつ１の後胴周り域７を前方へ
向けたときの部分破断斜視図である。後胴周り域７で
は、胴周り開口１３の近傍に位置する胴周り弾性部材１
６と平行な複数条の補助弾性部材２６が周り方向へ延び
ている。補助弾性部材２６は、裏面シート３の内面に伸
長状態で接合し、後胴周り域７の両側縁部１２間に延在
している。図示されているように、部材２６は、吸収体
４を横切る場合と、吸収体４の端縁２７と胴周り弾性部
材１６との間に位置する場合とがある。胴周り弾性部材
１６は、胴周り開口１３の近傍に位置しているもので、
比較的高い伸長応力を有し、着用したおむつ１のずり下
がりを防いでいる。補助弾性部材２６は、部材１６の下
方において胴周り方向へ延びているもので、比較的低い
伸長応力を有し、着用したおむつ１を胴周りにフィット
させる。

【００１２】このように構成されたおむつ１を着用する
と、補助弾性部材２６とともに、弾性伸縮する帯状部材
２１がおむつ１を胴周りに密着させ、体液の漏れ防止効
果を上げることができる。大便が排泄されて汚れたおむ
つ１は、前後胴周り域６，７を接合部位９において引き
裂いて前後に分離してから脱がせるとよい。

【００１３】図３は、このようにして脱がせたおむつ１
が、帯状部材２１を利用して丸められている状態を示す
図面である。おむつ１は、大便で汚れた表面シート２を
内側に丸められ、広がることがないように帯状部材２１
で止められている。

【００１４】図示例から明らかなように、このおむつ１
では、後胴周り域７に設けられた補助弾性部材２６と同
様に、着用者に対するおむつ１のフィット性を向上させ
る手段である帯状部材２１が、おむつ１を丸めて廃棄す
るときの手段をも兼ねており、廃棄のための格別の手段
を必要としないから、経済的である。またかかる帯状部
材２１は、前後胴周り域６，７の側縁部１１，１２を接
合するとき同時に取り付けることが可能であり、そのよ
うにすれば、帯状部材２１を別工程で取り付けなければ
ならない場合に比べ、おむつ製造工程の短縮化が可能に
なる。

【００１５】この発明において、帯状部材２１は、図示
例のように複数条の細い帯状弾性部材２４で作ることが
できる他に、一条の比較的幅広い帯状弾性部材で作るこ
ともできる。帯状部材２１は、図示例のように前胴周り
域６に設けることに代えて後胴周り域７に設けることが
できる。おむつ１が乳幼児用のものである場合に、帯状
部材２１が後胴周り域にあれば、乳幼児が部材２１をい
じり、これに損傷を与える恐れがなくなる。おむつ１
は、補助弾性部材２６を使用することなく、帯状部材２
１だけで胴周りのフィット性を向上させることができ
る。また、前後胴周り域６，７のいずれかにおいて、帯
状部材２１と補助弾性部材２６とを併用することもでき
る。おむつ１の各部材は、ホットメルト接着剤等の接着
剤で接合したり、熱溶着や超音波溶着によって接合した
りすることができる。

【００１６】

【発明の効果】この発明に係る使い捨ておむつでは、前
後胴周り域いずれかの外側に弾性帯状部材が設けられて
いるから、この部材でおむつの胴周りのフィット性を向
上させるとともに、汚れたおむつを丸めて廃棄すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】前胴周り域を前面にしたときのおむつの部分破
断斜視図。

【図２】後胴周り域を前面にしたときのおむつの部分破
断斜視図。

【図３】丸められたおむつの斜視図。

【符号の説明】

１ おむつ ２ 表面シート ３ 裏面シート ４ 吸収体 ６ 前胴周り域 ７ 後胴周り域 ８ 股下域 １１ 側縁部 １２ 側縁部 ２１ 帯状部材

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 透液性表面シートと、不透液性裏面シー
   トと、これら両シート間に介在する吸収体とからなり、
   着用者の腹側に位置する前胴周り域と、背側に位置する
   後胴周り域と、これら両域間に位置する股下域とを有
   し、前記前後胴周り域の側縁部分が重なり合って互いに
   接合し、胴周り開口と一対の脚周り開口とを形成してい
   るパンツ型の使い捨ておむつであって、重なり合う内外面シートと前記内外面シート間に介在す
   る互いに平行な複数条の弾性部材とからなる前記おむつ
   とは別体の弾性帯状部材が、 前記前後胴周り域いずれか
   の外側において、その胴周り域の幅方向へ伸長状態で延
   在し、前記幅方向における前記帯状部材の両縁部それぞ
   れが、前記側縁部の互いに接合している部位の近傍に接
   合していることを特徴とする前記おむつ。
2. 【請求項２】 前記胴周り開口の縁部には胴周り弾性部
   材が伸長状態で取り付けられており、前記弾性帯状部材
   が前記おむつの上下方向において前記胴周り弾性部材よ
   りも下方に位置している請求項１記載のおむつ。