JP3522540B2 - パンツ型の使い捨ておむつ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、排泄物を吸収保
持するためのパンツ型の使い捨ておむつに関する。

【０００２】

【従来の技術】実開平３−１６９２３号公報に開示のパ
ンツ型の使い捨ておむつには、伸縮性の表面シートと裏
面シートとが使用され、おむつ全体が胴周り方向に伸縮
性を有する。胴周り開口と脚周り開口の縁部とには、周
り方向へ延びる弾性部材が伸長状態で取り付けられてい
て、ギャザーが形成されている。

【０００３】特開平４−２８９２０１号公報に開示のパ
ンツ型使い捨ておむつには、非伸縮性の表面シートと裏
面シートとが使用され、おむつの前胴周り域では、おお
むね胴周り方向へ延びる弾性部材が表裏面シート間に位
置し、それらシートの内面に伸長状態で接合している。
このおむつもまた、胴周り開口と脚周り開口の縁部に弾
性部材が伸長状態で取り付けられていて、それら縁部に
はギャザーが形成されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記実開平３−１６９
２３号公報のおむつは、伸縮性の前後胴周り域が身体に
一様に当接するが、それら胴周りの開口の周縁部は、ギ
ャザーによる凹凸があって肌に対する当接にむらが生
じ、良好な着用感を妨げたり、ギャザーの痕跡を肌に残
したりすることがある。また、表裏面シートに伸縮性の
素材を使用することは、この素材が高価なものであるだ
けに、おむつの材料コストを少なからず上昇させる。

【０００５】前記特開平４−２８９２０１号公報のおむ
つは、表裏面シートに非伸縮性の素材を使用することに
よって、材料コストの上昇を抑えることが可能である
が、胴周りの開口縁部のみならず、胴周り域にもギャザ
ーが生じるから、ギャザーがもたらす問題をもはや軽視
することができなくなる。

【０００６】この発明が課題とするのは、使い捨ておむ
つにおけるギャザーを極力減らしておむつの着用感を向
上させることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、この発明が前提とするのは、透液性表面シートと、
不透液性裏面シートと、これら両シート間に介在する吸
液性コアとを有し、胴周り開口の周縁部と脚周り開口の
周縁部とがそれら周縁部の周り方向へ弾性的に伸縮する
パンツ型の使い捨ておむつである。

【０００８】かかる前提において、この発明が特徴とす
るところは、前記表裏面シートが、胴周り方向において
実質的に非伸縮性のものであり、前記胴周り開口周縁部
の少なくとも一部分が、前記おむつの上下方向に少なく
とも２０ｍｍの幅を有し、前記胴周り方向への弾性的伸
縮性を有する帯状の弾性部材で構成され、前記弾性部材
が非伸長状態で前記表面シートおよび裏面シートの少な
くとも一方に取り付けられていること、にある。

【０００９】この発明の実施態様の一つにおいて、前記
胴周り開口周縁部の全体が前記帯状の弾性部材で形成さ
れている。

【００１０】実施態様の他の一つにおいて、前記胴周り
開口周縁部の周り方向が、交互に並ぶ前記帯状の弾性部
材と非伸縮性部材とで構成されている。

【００１１】

【発明の実施の形態】添付の図面を参照して、この発明
に係る使い捨ておむつの詳細を説明すると、以下のとお
りである。

【００１２】図１、２は、パンツ型使い捨ておむつ１の
部分破断斜視図と、図１のおむつを胴周り側縁部で前後
に分離し、伸展したときの部分破断平面図である。おむ
つ１は、透液性表面シート２と、不透液性裏面シート３
と、これら両シート間に介在する吸液性コア４とで構成
され、胴周り開口１１と一対の脚周り開口１２とを有す
る。おむつ１は、前胴周り域６と、後胴周り域７と、こ
れら両域６，７間に位置する股下域８とを有し、前後胴
周り域６，７が側縁部どうしで重なり合い、おむつ１の
上下方向へ間欠的に並ぶ部位９において互いに接合して
いる。

【００１３】胴周り開口１１の周縁部は、その全周が、
非伸長状態にある帯状の胴周り弾性部材１６によって形
成されている。脚周り開口１２の周縁部は、重なり合う
表裏面シート２，３によって形成され、周縁部の周り方
向へ延びる脚周り弾性部材１７がこれら両シート２，３
間に位置し、両シート２，３の少なくとも一方の内面に
伸長状態で接合している。弾性部材１７が収縮すると、
開口１２の周縁部にギャザー１０が生じる。図１のおむ
つは、接合部位９で、前後胴周り域６，７を前後に分離
して伸展すると、図２の状態になる。

【００１４】かかるおむつ１では、表裏面シート２，３
に不織布や織布、プラスチックフィルム等であって、お
むつ１の幅方向において実質的に非伸縮性のシートが使
用される。胴周り弾性部材１６は、おむつ１の上下方向
へ延びる幅が２０〜６０ｍｍであって胴周り方向へ延び
る長さが胴周り周囲長の２５％以上のもの、より好まし
くは、胴周り全周に延びるものが使用される。

【００１５】弾性部材１６は、幅２５ｍｍ、長さ２００
ｍｍのものを１０〜１００％伸長するときの応力が５０
０〜１５００ｇの範囲にあることが好ましい。かかる弾
性部材１６は、胴周り方向へ延びる上下両縁部のうちの
下縁部が表面シート２および／または裏面シート３に対
してホットメルト接着剤１８（図２参照）その他の接合
手段によって非伸長状態で取り付けられている。弾性部
材１６は、その全域が実質的に均一な伸縮性を示し、肌
に対する刺激性の少ない不織布、織布、エラストマーシ
ート等好ましくは通気性で液抵抗のものが使用される。

【００１６】図３は、この発明の実施態様の一例を示す
図１と同様の図面である。このおむつ１では、弾性部材
１６が胴周り開口周縁部に間欠的に配置され、胴周り方
向において隣り合う弾性部材１６どうしの間には、非伸
縮性の表面シート２と裏面シート３とが位置している。
胴周り開口１１の全周に弾性部材１６を必要とするとい
うことでなければ、このように比較的短い弾性部材１６
に非伸縮性のシートをつないで伸縮性の胴周り開口周縁
部を形成することができる。

【００１７】このように構成されたおむつ１の伸縮性の
胴周り開口周縁部には、ギャザーがないから肌触りが滑
らかで、着用感がよい。表裏面シート２，３で形成され
た前後胴周り域６，７は、おむつ１の幅方向への伸縮性
を有していなくても、胴周り弾性部材１６の存在によっ
て胴周り開口１１が弾性的に拡開するから、おむつ１を
着用するときに、開口１１へ着用者の脚を挿入する操作
が楽になる。

【００１８】

【発明の効果】この発明に係るパンツ型の使い捨ておむ
つは、胴周り開口縁部と前後胴周り域とにギャザーがな
いから、着用時の肌触りが滑らかで着用感がよく、着用
後の肌にギャザーの痕跡を残さない。

【図面の簡単な説明】

【図１】パンツ型使い捨ておむつの部分破断斜視図。

【図２】図１のおむつを側縁部で切り開き、伸展したと
きの部分破断平面図。

【図３】実施態様の一例を示す図１と同様の図面。

【符号の説明】

１ おむつ ２ 表面シート ３ 裏面シート ４ コア ６ 前胴周り域 ７ 後胴周り域 ８ 股下域 １１ 胴周り開口 １２ 脚周り開口 １６ 弾性部材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平８−665（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−176053（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−293067（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−195555（ＪＰ，Ａ) 実開 平３−114223（ＪＰ，Ｕ) 実開 平７−43075（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A61F 13/15 - 13/84

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 透液性表面シートと、不透液性裏面シー
   トと、これら両シート間に介在する吸液性コアとを有
   し、胴周り開口の周縁部と脚周り開口の周縁部とがそれ
   ら周縁部の周り方向へ弾性的に伸縮するパンツ型の使い
   捨ておむつであって、 前記表裏面シートが、胴周り方向において実質的に非伸
   縮性のものであり、前記胴周り開口周縁部の少なくとも
   一部分が、前記おむつの上下方向に少なくとも２０ｍｍ
   の幅を有し、前記胴周り方向への弾性的伸縮性を有する
   帯状の弾性部材で構成され、前記弾性部材が非伸長状態
   で前記表面シートおよび裏面シートの少なくとも一方に
   取り付けられていることを特徴とする前記おむつ。
2. 【請求項２】 前記胴周り開口周縁部の全体が、前記帯
   状の弾性部材で形成されている請求項１記載のおむつ。
3. 【請求項３】 前記胴周り開口周縁部が、その周り方向
   において交互に並ぶ前記帯状の弾性部材と非伸縮性部材
   とで構成されている請求項１記載のおむつ。