JP3509991B2 - 多層体 - Google Patents

多層体

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JP3509991B2
JP3509991B2 JP09541795A JP9541795A JP3509991B2 JP 3509991 B2 JP3509991 B2 JP 3509991B2 JP 09541795 A JP09541795 A JP 09541795A JP 9541795 A JP9541795 A JP 9541795A JP 3509991 B2 JP3509991 B2 JP 3509991B2
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清 村田
洋二 中野
泰司 太田
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平成ポリマー株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば種々の商品を
収容した複数の箱を束ねるのに使用する結束用テープに
適用され得る多層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】流通過程においては、種々の商品はダン
ボール箱などの箱の中に収容され、さらに、その箱が数
個づつ纏められて取り扱われることがある。そのような
際に、箱を束ねるべく、またはパレット輸送や、新聞、
葉書等の紙物の集積輸送時の荷崩れ防止に、結束用テー
プが使用される。結束用テープには、ポリプロピレンを
押出、延伸してテープ状とし、またはさらにエンボス加
工を施した所謂PPバンドが多く用いられている。この
従来のPPバンドは、被結束物に強固に縛り付けられる
ことで被結束物を結束するもので、結束装置などが開発
されて機械化が進んでいる上に、破断強度が強いことか
ら、被結束物を緊密に結束することができ、また、結束
物に巻付けられたPPバンドを把持することによって容
易に結束物を持つことができるので、搬出、搬入などの
作業上、便利である。また、このPPバンドの他にも、
単なる紐を巻回し、縛ることによる紐掛け、単なる低密
度ポリエチレンフィルムからなるテープ、またはポリア
ミドやポリエステル等からなるラミネートフィルムから
なるテープを巻回し、縛る手段、さらには、熱収縮性フ
ィルムで被結束物全体を覆い、収縮させて包装する手段
等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のPPバンドであると、引裂強度が非常に高いために
開梱時にはPPバンドを切断するのに、ナイフ等の用具
が必要であり、開梱が面倒で開梱容易性が悪い。また、
PPバンドとしての物性を高めるために腰が強いことか
ら、開梱後の不要となったPPバンドは、かえって嵩ば
り、特に大量の不要なPPバンドが生じた際には、廃棄
するにしても広い保管場所を設ける必要が生じるなど不
便であった。さらに、被結束物の表面には、内容物の照
会などの為の文字やバーコードなどの記号等が印刷され
ていることが多々あるが、上記従来のPPバンドは不透
明であり、これら文字や記号等がPPバンドの下に隠れ
てしまうことがあり、不都合であった。
【0004】また、運搬作業の際には作業者はPPバン
ドを把持するが、PPバンドは堅く、長時間もしくは数
回にわたってPPバンドを把持する作業を行うと次第に
手が痛くなり、作業効率の低下を招いてしまうものであ
る。また、PPバンドと被結束物の間に多少の緩みがあ
る方がPPバンドを把持し易くなるものの、この緩みが
大き過ぎると荷崩れ等の危険性が生じ、またPPバンド
を把持して作業を施した後に、PPバンドが元の位置に
戻らないとやはり荷崩れ等のおそれがある。また、荷崩
れ等を防ぐ為に結束力を高めるためには、PPバンドに
高い引張力を付しながら被結束物に縛り付けなければな
らず、また巻き付け位置等に精度が要求されることなど
から、結束ミスが生じ易い。さらに、PPバンドを被結
束物に強固に巻き付けるために、PPバンドを引張りな
がら巻き付けると、被結束物がダンボール箱のような紙
製などである場合に、PPバンドが被結束物に食込み、
被結束物、ときには箱内の収容物が損壊してしまうこと
があり、PPバンドにかける張力の微調整が必要で、結
束作業に手間を要した。
【0005】また、紐を巻回したものであると、PPバ
ンドと同様に、開梱容易性が悪く、不透明で被結束物上
の表示が判読できず、結束力を高めると被結束物が損壊
しやすい上に、結束力を高めることや、自動包装が困難
である。また、低密度ポリエチレンからなるテープであ
ると、強度が小さく、クリープ性も悪いことから、結束
力を高められず、また重量の大きいものには適用できな
い等の不具合がある。また上記ラミネートフィルムから
なるテープであると、低密度ポリエチレンのテープと同
様に、強度や結束力が不足することに加えて、反りなど
か発生し易く取扱いが不便で、包装する際のコストが増
加するものであった。また、収縮フィルムを用いるもの
であると、開梱容易性が悪く、使用後の廃棄物の量が多
く、また自動包装の為の設備コストが高いものであっ
た。
【0006】本発明は前記課題を解決するためになされ
たもので、被結束物を容易に、また損壊させることなく
強固に結束し得ると共に、触感を向上し、開梱が容易
で、また被結束物の表面に付されている表示を隠すこと
なく、安価に被結束物を結束する結束用テープに好適な
多層体を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の多層体
は、密度が0.930g/cm3以下の直鎖状低密度ポリエチ
レン及び又は高圧法ポリエチレンからなる外層と、エチ
レン含有量が10%以下のポリプロピレンと、密度が
0.930g/cm3以下の直鎖状低密度ポリエチレン及び又
は密度が0.930g/cm3以下の低密度ポリエチレンの混
合物からなり、ポリプロピレンの配合比が10〜90%
の内層とを有した2枚の多層半体が、それぞれの内層ど
うしが貼り合わされて、両面ともに外層が配されている
ことを特徴とするものである。
【0008】請求項2記載の多層体は、密度が0.93
0g/cm3以下の直鎖状低密度ポリエチレン及び又は高圧
法ポリエチレンからなる外層と、メルトインデックスが
5.0以下で、密度が0.965g/cm3以下の高密度ポリ
エチレンと、密度が0.930g/cm3以下の直鎖状低密度
ポリエチレン及び又は密度が0.930g/cm3以下の低密
度ポリエチレンの混合物からなり、高密度ポリエチレン
の配合比が10〜90%の内層とを有した2枚の多層半
体が、それぞれの内層どうしが貼り合わされて、両面と
もに外層が配されていることを特徴とするものである。
【0009】この際、内層どうしの貼り合わせは、多層
半体の成形直後の圧接によりなされることが好ましい。
【0010】
【作用】本発明の多層体は、その形状は特に限られるも
のではなく、帯状のテープとして、また略四辺形状のシ
ートとして用いられ得るが、結束用テープとして用いる
場合には、目的に応じた幅のテープとして使用される。
本発明の多層体は、2枚の多層半体が貼り合わされて構
成される。請求項1記載の多層体での多層半体は、少な
くとも2層からなる多層構造のもので、外層と内層を有
する。外層は、密度が0.930g/cm3以下の直鎖状低密
度ポリエチレン、または高圧法ポリエチレン、またはそ
れらの混合物からなる。この外層は、高い強度を有しつ
つも、低温でのヒートシールを可能とするものである。
密度は0.930g/cm3以下とすることが良く、この値よ
りも大きいと、内層との融点差が小さくなり、ヒートシ
ール時に内層も熱劣化を起こし、シール部の強度低下を
きたすおそれがある。また透明性が低下する傾向もあ
る。
【0011】内層は、(1)エチレン含有量が10%以
下のポリプロピレンと、密度が0.930g/cm3以下の直
鎖状低密度ポリエチレンの混合物か、(2)エチレン含
有量が10%以下のポリプロピレンと、密度が0.93
0g/cm3以下の低密度ポリエチレンの混合物か、(3)
エチレン含有量が10%以下のポリプロピレンと、密度
が0.930g/cm3以下の直鎖状低密度ポリエチレンと、
密度が0.930g/cm3以下の低密度ポリエチレンの混合
物で構成されるもので、いずれの場合においても、その
内層を構成する混合物中のポリプロピレンの配合比が1
0〜90%のものである。この内層はクリープ性と強度
を共に高めることができる。
【0012】ポリプロピレンは、エチレン含有量が10
%以下のものが良く、10%よりも多いと、外層との融
点差が小さくなり、シール部の強度が低下してしまう。
また、エチレンを全く含有しないものであっても良
い。
【0013】内層中には、密度が0.930g/cm3以下の
直鎖状低密度ポリエチレンと密度が0.930g/cm3以下
の低密度ポリエチレンのいずれか又は両方が含有される
が、その直鎖状低密度ポリエチレンと低密度ポリエチレ
ンのいずれにおいても、その密度は0.930g/cm3以下
のものが良く、この値よりも大きいと、透明性が低下し
たり、外層との層間剥離が生じやすくなり、シール強度
が低下するので、好ましくない。
【0014】この内層を構成する混合物中のポリプロピ
レンの配合比は、10〜90%(重量比)のものが良
い。10%未満のものであると、クリープ性、材料強
度、シール強度が低下し、90%を超えると、透明性が
失われ、層間剥離によるシール強度が低下するので、好
ましくない。
【0015】請求項1記載の発明の多層半体において
は、上記外層と内層を少なくとも有する多層構造のもの
であるが、内層が多層半体の全体に対して、その層厚比
で30〜90%を占めるものが好ましい。内層が30%
よりも少ないと、シール強度、クリープ性、材料強度が
低下し、90%より多くとも、シール強度が低下する傾
向があるからである。なお、多層半体を構成する多層構
造は、外層と内層が1層づつあるもの、外層や内層がそ
れぞれ複数あるもの等、また本発明の特性を劣化しない
程度に他の異なる層を有していてもかまわなが、少なく
とも一方の表面に外層が位置し、他方の表面に内層が位
置するようにする。
【0016】さらに、本発明での多層半体は、1.5〜
8倍に一軸延伸されていることが望ましい。2〜5倍で
あると特に好ましい。また、延伸倍率が1.5倍よりも
小さいと、クリープ性が低下すると共に、延伸加工時、
延伸むらが生じ、透明性が損なわれる。また、延伸倍率
が8倍よりも大きいと、延伸切れが生ずると共に、フィ
ルムが硬くなり、シール部に衝撃を受けた場合に応力集
中が生じ、シール切れが生じやすくなる。また、作業時
に、作業者の手が痛みやすくなり、好ましくない。一軸
延伸は、多層体がテープ状のものであれば、その長さ方
向に沿って行うことが望ましい。2軸延伸であると、横
裂けが生じやすくなって強度が低下するので、好ましく
ない。
【0017】また、本発明の多層半体は、その破断強度
が500kg/cm2以上で3000kg/cm2以下が好まし
い。強度が500kg/cm2未満であると、容易く切れて
しまうので使用に不適当で、3000kg/cm2よりも大
きいと、被結束物を損壊する場合があるので、好ましく
ない。800〜2500kg/cm2であればより好まし
く、1300〜1800kg/cm2であるとさらに好まし
い。
【0018】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
の発明において、内層のポリプロピレンをメルトインデ
ックスが5.0以下で、密度が0.965g/cm3以下の高
密度ポリエチレンに代えたものである。この請求項2記
載の多層半体であっても、請求項1記載の多層半体と同
様に、密度が0.930g/cm3以下の直鎖状低密度ポリエ
チレン及び又は高圧法ポリエチレンからなる外層は、高
い強度を有しつつも、低温でのヒートシールを可能とす
る。
【0019】内層は、(1)高密度ポリエチレンと、密
度が0.930g/cm3以下の直鎖状低密度ポリエチレンの
混合物か、(2)高密度ポリエチレンと、密度が0.9
30g/cm3以下の低密度ポリエチレンの混合物か、
(3)高密度ポリエチレンと、密度が0.930g/cm3
下の直鎖状低密度ポリエチレンと、密度が0.930g/c
m3以下の低密度ポリエチレンの混合物で構成されるもの
で、いずれの場合においても、その内層を構成する混合
物中の高密度ポリエチレンの配合比が10〜90%のも
のである。この内層はクリープ性と強度を共に高めるこ
とができる。
【0020】高密度ポリエチレンは、メルトインデック
スが5.0以下のものが良く、5.0よりも大きいと、材
料強度が小さくなり、クリープ性、シール強度が低下し
てしまう。
【0021】また、この高密度ポリエチレンの密度は、
0.965g/cm3以下であることが好ましい。0.965g
/cm3よりも大きいと、透明性が損なわれると共に、延伸
加工時に延伸むらが生じ易くなるからである。尚、その
密度は、0.940g/cm3以上あることが望ましい。0.
940g/cm3未満であると、材料強度が小さくなり、ク
リープ性、シール強度が低下するからである。
【0022】本発明の多層体は、上記請求項1又は2記
載の2枚の多層半体が、各々の内層どうしが貼り合わさ
れることで構成される。この際、内層どうしが貼り合わ
されるので、多層体の表面は、両面とも多層半体の外層
が位置するようになる。したがって、請求項1または2
記載の多層体は、少なくとも2種類の層からなり、外層
/内層・内層/外層 の3層構造となる。
【0023】この内層どうしの貼合わせの接着強度は、
150〜300g/15mmが適当である。150g/15mm未満
であると、積極的な剥離作業前に剥離してしまうおそれ
があり、300g/15mmよりも大きいと、剥離作業が困難
になるからである。
【0024】こうした構成の多層体において、その内層
どうしの貼り合わせ方法は特に限定されるものではない
が、2枚の多層半体を成形した直後に、それらを圧接す
ることにより貼り合わせることが望ましい。すなわち、
例えば、多層半体をインフレーション成形し、直に2枚
の多層半体をローラ等で圧接することにより、内層どう
しが貼り合わされる。この方法であると簡便に多層体を
製造することが可能となる。
【0025】本発明の多層体であると、表面に位置する
外層はヒートシール性に優れたもので、多層体どうしを
重ね合わせて外層どうしを接触させ、外部から熱をかけ
ることにより、容易かつ強固に溶着するようになる。し
たがって、本発明の多層体を結束用テープに使用した場
合、ヒートシールにより、容易に被結束物を結束するこ
とが可能となる。さらに、本発明の多層体であると、外
層どうしをヒートシールにより溶着すると、その外層間
の接着強度は、内層間の貼合わせ強度よりよりも大きく
なる。したがって、外層どうしをヒートシールにより接
着した後に、そのヒートシール部分を引き剥がそうとす
ると、先に貼り合わせておいた一方の内層と他方の内層
の間が剥がされて、多層体は引裂かれる。したがって、
本発明の多層体を結束用テープに使用した場合、開梱時
には、引き剥がし作業をしようとすれば、強固に溶着し
たヒートシールにより接着した外層はそのままに、内層
において容易に引き剥がされので、開梱作業が容易であ
る。
【0026】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面を参照して説明
するが、本発明がこれらの実施例に限定されるものでな
いことは勿論のことである。
【0027】図1に示す本実施例の多層体10は、多層
半体12aと多層半体12bからなる。その多層半体1
2a,12bは、それぞれ外層14a,14bと、内層
16a,16bとから構成される。そして、各多層半体
12a,12bの内層16a,16bどうしが貼合わさ
れることにより、一体化し、多層体の表面は両面とも外
層14a,14bが配される。
【0028】多層半体の成形には、インフレーション法
を利用する方法が便利である。例えば、図5に示すよう
に、ホッパー20中の樹脂を押出機22からダイ21内
に射出すると共に、コンプレッサーから送られてきた空
気を空気口30から吹込み、樹脂を膨らませて所定の倍
率に延伸して多層半体を成形した後に、案内板23を通
過させて、ピンチロール25で圧接して多層体を巻き取
る方法が適用される。尚、図5において、空冷式の冷却
機構32が備えられている。本実施例の多層半体は、多
層構造からなるものであるので、たとえば、図6に示す
ようなダイ21を用いることが望ましい。このダイ21
は、外層用樹脂を射出するための第1導入口34と、内
層用樹脂を射出するための第2導入口36と、空気口3
0とを有するもので、外層用の樹脂と内層用の樹脂を共
にインフレーションすることにより、多層構造のフィル
ムであり多層半体を成形することが可能となる。この製
造方法であると、インフレーション成形された多層半体
がピンチロール25で圧接されることにより、多層半体
の内層どうしが、積極的な剥離作業を加えなければ剥が
れない程度に接着し、一体化して図1に示したような多
層体10が形成される。
【0029】本実施例の多層体であると、以下に記すよ
うな使用をすることが可能となる。まず、図2に示すよ
うに、2枚の本実施例の多層体10A,10Bの一部を
重ね合わせる。この際、多層体10Aの外層14bと多
層体10Bの外層14aが接触する。そして、多層体1
0Aの上方から、加熱板40を当てるなどして、この重
ね合わされて部分を加熱する。すると、多層体10Aの
外層14bと多層体10Bの外層14aとが溶着し、強
固に接着部分38が形成され、ヒートシールされる。し
たがって、本実施例の多層体を結束用テープに使用した
ならば、この時点で被結束物は確実に結束される。
【0030】ヒートシールをする際には、そのヒートシ
ールの温度は、105〜145℃が好適である。105
℃未満であると、シール強度が低く、また145℃より
も高いと、ヒートシール部が溶融し、結局、シール強度
が低下するおそれがあるからである。また、ヒートシー
ルする際の圧力は、1.0〜5.0kg/cm2、時間は、0.
5〜3秒が適当である。
【0031】その後、開梱時等には、このヒートシール
部分を引き剥がそうと積極的に外力を加える。すると、
ヒートシールされた外層14bと外層14a間の接着強
度よりも多層体10Bの内層16aと内層16b間の接
着強度の方が小さいので、図3に示されるように、内層
16a,16b間で剥離し始め、図4に示すように、分
割する。このように、本実施例の多層体は、ヒートシー
ルを行うと、容易に高い強度で接着するものの、剥離時
には、そのような高い強度の接着強度を打破ることなく
引き剥がすことが可能となる。したがって、本実施例の
多層体を結束用テープに適用したならば、開梱作業がき
わめて容易となる。
【0032】〔試験例〕以下に示す本発明の多層体から
なるテープと比較例の各テープ〜を作製し、表
1に示す試験ならびに評価を行った。 密度が0.912g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレンか
らなる外層と、エチレン含有量が7.5%のポリプロピ
レンと、密度が0.912g/cm3の直鎖状低密度ポリエチ
レンと密度が0.921g/cm3の低密度ポリエチレンの混
合物からなり、ポリプロピレンの配合比が30%の内層
とを有し、内層の厚さが全体の厚さの50%で、5.0
倍に一軸延伸されてなる多層半体を貼り合わせた厚さが
50μm、幅が50mmのテープ。 密度が0.912g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレンか
らなる外層と、メルトインデックスが0.8で、密度が
0.948g/cm3の高密度ポリエチレンと、密度が0.9
12g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレンと密度が0.92
1g/cm3の低密度ポリエチレンの混合物からなり、高密
度ポリエチレンの配合比が60%の内層とを有し、内層
の厚さが全体の厚さの50%で、5.0倍に一軸延伸さ
れてなる多層半体を貼り合わせた厚さが50μm、幅が
50mmのテープ。
【0033】メルトインデックスが1.0で、密度が
0.905g/cm3、厚さが500μm、幅が15mmのPP
テープ。 メルトインデックスが0.8、密度が0.948g/cm3
の高密度ポリエチレンを4.0倍に一軸延伸して厚さを
50μm、幅を50mmとした紐。 メルトインデックスが0.6、密度が0.921g/cm3
の低密度ポリエチレンをインフレーション成形してなる
厚さが50μm、幅が50mmのテープ。 メルトインデックスが4.0、密度が0.921g/cm3
の低密度ポリエチレンを厚さ25μmの二軸延伸ポリプ
ロピレンフィルムの両面に各々厚さ12.5μmをラミネ
ートしてなる厚さが50μm、幅が50mmのテープ。 メルトインデックスが0.6、密度が0.921g/cm3
の低密度ポリエチレンをインフレーション成形してなる
厚さが50μmの熱収縮性フィルムで被結束物全体を覆
い、収縮させた場合。
【0034】表1に示す評価項目のうち、被結束物の変
形とは、上記各テープを用いて同程度に結束力を発現す
るように被結束物であるダンボール箱を結束し、そのテ
ープ等を把持して持ち上げた後に、ダンボール箱の潰れ
具合を評価したものである。表1中、「無」はダンボー
ル箱の潰れが認められなかったもの、「有」はダンボー
ル箱が潰れてしまったものを示す。使用したダンボール
箱は、30cm×40cm×50cm(高さ)、重さが12kg
のものを用いた。破断強度(kg/cm2)及び破断伸度
(%)は、JIS Z1702に準じて測定したものであ
る。ヤング率(kg/cm2)は、JIS K7127に準じて
測定したものである。結束伸び(mm)とは、図7に示す
ように、上記箱24を各テープ28で結束してバー26
で持ち上げた際の伸びLを測定したものである。尚、バ
ー26の幅Tは5cmとした。
【0035】また、復元性とは、結束伸びの試験を行っ
た後に、テープが箱の外周に緊密に結束するかどうかを
観測したもので、戻ったものを「○」、戻らなかったも
のを「×」で示した。剪断シール強度(kg/15mm)
は、JIS Z1707に準じて測定したものである。透明
性(ヘイズ %)は、JIS K7105に準じて測定した
ものである。開梱容易性は、剥離シール強度(kg/15
mm)を測定したもので、JIS Z1707に準じたもので
ある。廃棄処理とは、結束に使用し、これを開梱した後
に、テープ等の処分について評価したもので、表1中、
処分の問題が生じにくいものを「○」、嵩ばる等、問題
があるものを「×」で示した。自動包装とは、結束の機
械化が容易に可能であるかどうかを評価したもので、表
1中、機械化が可能なものを「○」、困難なものを
「×」で示した。コストとは、テープ等を結束に使用し
た場合の費用を見積ったもので、表1中、要する費用が
小さいものを「○」、大きいものを「×」で示した。
【0036】
【表1】
【0037】表1から本発明に相当する、は、全て
の項目において、満足し得る評価を得られ、結束用テー
プとして優れているものであることがわかる。しかしな
がら、PPテープは、被結束物が潰れてしまい、また
不透明で結束用テープとしては不適当であり、しかも嵩
ばって、廃棄処分に手間を要し、紐も被結束物が潰れ
てしまい、ヒートシールで結束することができず、作業
性が低い。また、LDPEテープやラミネートフィル
ムテープは、破断強度が小さいことから、切れ易く、
復元性がないので、結束用テープとしては不適当であ
る。また熱収縮性フィルムによる被覆にあっても強度が
小さく信用性に劣り、しかも多大なコストがかかってし
まう。
【0038】
【発明の効果】本発明の多層体は、クリープ性が良好で
適度な伸縮力を有しつつ、強度も高く、しかも透明な多
層半体からなる多層体であって、この多層体を用いた結
束用テープであると、結束力が十分でありながら、被結
束物がダンボール箱などのようなものであっても被結束
物を変形させにくい。また、強度も高く、重量のあるも
のにも適用できる。さらに、作業を繰り返しても、手が
痛くなりにくい。さらに、透明であるので、被結束物の
表面に商品名やバーコードなどが印刷されてある場合
に、結束用テープの上からそれらの表示を視認すること
ができ、結束用テープが障害にならない。また、嵩ばら
ないので用済みとなったものの処分にかかる不便も低減
できる。
【0039】さらに本発明の多層体であると、ヒートシ
ールにより容易にかつ強固に溶融接着することができ、
しかも機械化による自動化を図ることも容易で、また、
材料コストや設備コストも小さい。さらに、本発明の多
層体であると、ヒートシールしたものを引き剥がす際に
は、強固に溶着接着した部分以外の箇所で容易に剥離す
ることができるので、多大な力や器具等を必要とせず、
引き剥がし作業が容易となる。本発明の多層体は、イン
フレーション法を適用することにより容易に製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の多層体の側面図である。
【図2】本実施例の多層体の使用方法を説明するための
側面図である。
【図3】本実施例の多層体の使用方法を説明するための
側面図である。
【図4】本実施例の多層体の使用方法を説明するための
側面図である。
【図5】本実施例の多層体の製造方法の一例を説明する
ための概略構成図である。
【図6】製造に使用され得るダイの側断面図である。
【図7】結束伸びの試験方法を示す側面図である。
【符号の説明】
10 多層体 12a 多層半体 12b 多層半体 14a 外層 14b 外層 16a 内層 16b 内層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−344523(JP,A) 特開 平6−143515(JP,A) 実開 昭62−19237(JP,U) 実開 昭54−13691(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B65D 61/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密度が0.930g/cm3以下の直鎖状低密
    度ポリエチレン及び又は高圧法ポリエチレンからなる外
    層と、 エチレン含有量が10%以下のポリプロピレンと、密度
    が0.930g/cm3以下の直鎖状低密度ポリエチレン及び
    又は密度が0.930g/cm3以下の低密度ポリエチレンの
    混合物からなり、ポリプロピレンの配合比が10〜90
    %の内層とを有した2枚の多層半体が、 それぞれの内層どうしが貼り合わされて、両面ともに外
    層が配されていることを特徴とする多層体。
  2. 【請求項2】 密度が0.930g/cm3以下の直鎖状低密
    度ポリエチレン及び又は高圧法ポリエチレンからなる外
    層と、 メルトインデックスが5.0以下で、密度が0.965g/
    cm3以下の高密度ポリエチレンと、密度が0.930g/cm
    3以下の直鎖状低密度ポリエチレン及び又は密度が0.9
    30g/cm3以下の低密度ポリエチレンの混合物からな
    り、高密度ポリエチレンの配合比が10〜90%の内層
    とを有した2枚の多層半体が、 それぞれの内層どうしが貼り合わされて、両面ともに外
    層が配されていることを特徴とする多層体。
  3. 【請求項3】 多層半体の成形直後の圧接により、内層
    どうしの貼り合わせがされていることを特徴とする請求
    項1または2記載の多層体。
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