JP3509474B2 - バンプ付きワークのボンディング装置およびボンディング方法 - Google Patents

バンプ付きワークのボンディング装置およびボンディング方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バンプ付きワーク
のバンプを基板の電極上に搭載して接続するためのバン
プ付きワークのボンディング装置およびボンディング方
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フリップチップやBGA(Ball G
rid Array)などのバンプ付きワークを基板に
実装する方法として、エポキシ樹脂や異方性導電材など
の熱硬化性ボンドを用いる方法が知られている。この方
法は、バンプ付きワークを基板に搭載し、上方から熱圧
着ツールで押圧することにより、バンプ付きワークと基
板の間に介在する熱硬化性ボンドを熱硬化させ、バンプ
付きワークのバンプを基板の電極に接続するものであ
る。
【0003】図6は、従来のバンプ付きワークのボンデ
ィング装置の部分正面図である。基台1の上面には基板
2が載せられている。基板2の電極3上には半田プリコ
ート部10が形成されている。バンプ付きワーク4は、
バンプ5を基板2の電極3に位置合わせして搭載されて
おり、バンプ付きワーク4を熱圧着ツール6で上方から
押圧することにより半田プリコート部10を溶融させ、
またバンプ付きワーク4と基板2の間に介在する熱硬化
性ボンド9を熱硬化させてバンプ付きワーク4を基板2
上にボンディングしている。7は熱圧着ツール6のホル
ダであって、熱圧着ツール6を加熱させるためのヒータ
8が内蔵されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】熱硬化性ボンド9は、
バンプ付きワーク4を通じて伝達されるヒータ8の伝熱
により加熱されて硬化し、また半田プリコート部10の
半田は同伝熱で加熱されて溶融する。ところが上記従来
方法では、一般に熱硬化性ボンド9の熱硬化温度(一般
に150℃程度)よりも半田の溶融温度(一般には18
3℃程度)の方が高いことから、半田プリコート部10
が溶融してバンプ5が溶融した半田プリコート部10内
に十分に沈み込む前に、熱硬化性ボンド9が先に熱硬化
してしまいやすく、その結果、バンプ5は溶融した半田
プリコート部10に十分に沈み込んで電極3に十分に半
田付けされず、バンプ5と電極3が電気的に接続不良に
なりやすいという問題点があった。
【0005】そこで本発明は、バンプ付きワークのバン
プを基板の電極にしっかり半田付けしてバンプ付きワー
クを基板にボンディングできるバンプ付きワークのボン
ディング装置およびボンディング方法を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1のバンプ付きワ
ークのボンディング装置は、基板を載置する基台と、バ
ンプ付きワークを上方から押圧することによりバンプ付
きワークと基板の間に介在する熱硬化性ボンドをヒータ
からの伝熱により熱硬化させてバンプ付きワークのバン
プを基板の電極に接続させる熱圧着ツールと、基板の電
極に熱を集中させる熱集中手段とを備え、前記熱硬化性
ボンドが熱硬化する前に前記熱集中手段により前記電極
上の半田を溶融させるようにした。
【0007】請求項2のバンプ付きワークのボンディン
グ装置は、前記基台の前記電極の直下に対応する部分を
放熱性の小さい部材で形成し、電極間の直下に対応する
部分を放熱性の大きい部材で形成して前記熱集中手段を
構成した。
【0008】請求項3のバンプ付きワークのボンディン
グ装置は、基板を載置するヒートブロックと、バンプ付
きワークを上方から押圧することによりバンプ付きワー
クと基板の間に介在する熱硬化性ボンドを熱硬化させて
バンプ付きワークのバンプを基板の電極に接続させる熱
圧着ツールとを備え、前記ヒートブロックの上面の前記
電極に対応する位置に突起を突設して前記熱集中手段を
構成した。
【0009】
【発明の実施の形態】上記構成の各発明によれば、熱集
中手段により電極上の半田を溶融させ、バンプを溶融し
た半田中に十分に沈み込ませた後で熱硬化性ボンドを熱
硬化させるので、バンプを電極に十分に半田付けし、バ
ンプ付きワークを基板にしっかりボンディングすること
ができる。
【0010】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1のバンプ付きワークのボンディング装置の斜視
図、図2,図3は同部分正面図である。
【0011】まず、図1を参照してバンプ付きワークの
ボンディング装置の全体構造を説明する。図1におい
て、11は基台であり、その上面に基板2が載置されて
いる。基板2の上面の電極3上には熱硬化性ボンド9が
予め塗布されている。20はトレイであり、バンプ付き
ワーク4が多数個収納されている。6は熱圧着ツールで
あって、ホルダ7に保持されている。熱圧着ツール6は
移動テーブル(図示せず)に駆動されて水平移動や上下
動作を行う。熱圧着ツール6はトレイ20に収納された
バンプ付きワーク4をピックアップし、基板2上に移送
搭載する。なおバンプ付きワークのボンディング装置と
して、他の移送ツールによりトレイに収納されたバンプ
付きワークを基板上に移送搭載し、熱圧着ツールは上下
動作のみを行ってバンプ付きワークを基板に熱圧着する
方式のものもあり、本発明はこのような方式のものにも
適用できる。
【0012】次に、図2を参照して基台11の構造を説
明する。基台11は、電極3の直下に対応する部分は例
えばセラミックなどの放熱性の小さい(すなわち熱伝導
性の悪い)素材で形成されたブロック形の部材11aか
ら成っており、また電極3間の直下に対応する部分は、
例えば鋼材などの放熱性の大きい(すなわち熱伝導性の
よい)素材で形成された部材11bから成っている。部
材11bには冷却手段としての通気孔12が穿孔されて
おり、またその下面には放熱用のフィン13が垂設され
ている。なお通気孔12には、ファンなどにより空気を
積極的に通すことが望ましい。電極3上にはバンプを半
田付けするための半田として半田プリコート部10が形
成されている。
【0013】このバンプ付きワークのボンディング装置
は上記のような構成より成り、次に動作を説明する。図
1において、熱圧着ツール6はトレイ20に備えられた
バンプ付きワーク4をピックアップし、基板2の熱硬化
性ボンド9上に搭載する。図2はこのときの状態を示し
ている。図2において、バンプ付きワーク4はヒータ8
からの伝熱により加熱されており、その熱は徐々に熱硬
化性ボンド9と半田プリコート部10に伝達される。な
お図2において、波線矢印Hは伝熱を示している。
【0014】図2において、ヒータ8の熱は基台11に
も伝達され、基台11も加熱される。ここで、電極3直
下の部材11aは放熱性の小さい素材から成るので、部
材11aに伝達された熱は部材11aの内部にこもり、
電極3上の半田プリコート部10を集中的に加熱する。
すなわち、部材11aはヒータ8からの伝熱を電極3に
集中させる熱集中手段になっている。
【0015】一方、電極3間の部材11bは放熱性の大
きい素材から成るので、これに伝達された熱は外部へ積
極的に放熱される。また通気孔12を通過する空気(波
線矢印参照)の冷却作用やフィン13の放熱作用と相ま
って、部材11bの温度上昇は抑制される。
【0016】以上のことから、部材11a上の電極3上
の半田プリコート部10は積極的に加熱されるのに対
し、部材11bの温度上昇は抑制される。その結果、図
3に示すように電極3上の半田プリコート部10がまず
溶融してバンプ5は溶融した半田プリコート部10内に
十分に沈み込む。そしてその後、熱硬化性ボンド9は熱
硬化温度まで加熱されて硬化する。次いでヒータ8によ
る加熱は中止され、溶融した半田プリコート部10の半
田は硬化してバンプ5は電極3上に半田付けされる。以
上により一連の作業は終了する。
【0017】(実施の形態2)図4は、本発明の実施の
形態2のバンプ付きワークのボンディング装置の部分正
面図、図5は同基板とヒートブロックの斜視図である。
基台であるヒートブロック11Aの上面には熱集中手段
としての突起11cが突設されている。突起11cは基
板2の電極3に対応する位置に突設されている。ヒート
ブロック11Aは、金属やセラミックなどにて形成され
ている。ヒートブロック11Aはヒータ8Aを内蔵して
おり、発熱する。ヒートブロック11A以外の構成は、
実施の形態1と同じである。
【0018】したがってヒートブロック11Aの熱は突
起11cを通って基板2の電極3に集中的に伝達され
る。そして電極3上の半田プリコート部10を積極的に
加熱して溶融させた後、熱硬化性ボンド9を熱硬化させ
る。またバンプ5はバンプ付きワーク4と突起11cに
より上下から強く挟まれるので、バンプ5はより確実に
電極3に半田付けされる。
【0019】
【発明の効果】各発明によれば、熱集中手段により基板
の電極上の半田をまず溶融させてバンプ付きチップのバ
ンプを溶融した半田中に十分に沈み込ませた後、熱硬化
性ボンドを硬化させることができるので、バンプ付きワ
ークのバンプを基板の電極にしっかり半田付けし、バン
プと電極の接続不良の発生を解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のバンプ付きワークのボ
ンディング装置の斜視図
【図2】本発明の実施の形態1のバンプ付きワークのボ
ンディング装置の部分正面図
【図3】本発明の実施の形態1のバンプ付きワークのボ
ンディング装置の部分正面図
【図4】本発明の実施の形態2のバンプ付きワークのボ
ンディング装置の部分正面図
【図5】本発明の実施の形態2の基板とヒートブロック
の斜視図
【図6】従来のバンプ付きワークのボンディング装置の
部分正面図
【符号の説明】
2 基板 3 電極 4 バンプ付きワーク 5 バンプ 6 熱圧着ツール 8,8A ヒータ 9 熱硬化性ボンド 10 半田プリコート部 11 基台 11A ヒートブロック 11a 放熱性の小さい部材 11b 放熱性の大きい部材 11c 突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/60 311

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板を載置する基台と、バンプ付きワーク
    を上方から押圧することによりバンプ付きワークと基板
    の間に介在する熱硬化性ボンドをヒータからの伝熱によ
    熱硬化させてバンプ付きワークのバンプを基板の電極
    に接続させる熱圧着ツールと、基板の電極に熱を集中さ
    せる熱集中手段とを備え、前記熱硬化性ボンドが熱硬化
    する前に前記熱集中手段により前記電極上の半田を溶融
    させるようにしたことを特徴とするバンプ付きワークの
    ボンディング装置。
  2. 【請求項2】前記基台の前記電極の直下に対応する部分
    を放熱性の小さい部材で形成し、電極間の直下に対応す
    る部分を放熱性の大きい部材で形成して前記熱集中手段
    を構成したことを特徴とする請求項1記載のバンプ付き
    ワークのボンディング装置。
  3. 【請求項3】前記基台がヒートブロックから成り、この
    ヒートブロックの上面の前記電極に対応する位置に突起
    を突設して前記熱集中手段を構成したことを特徴とする
    請求項1記載のバンプ付きワークのボンディング装置。
  4. 【請求項4】基板の上面の電極上に塗布された熱硬化性
    ボンド上に熱圧着ツールによりバンプ付きワークを塔載
    し、ヒータの熱を熱硬化性ボンドと電極上の半田に伝達
    してその伝熱によりバンプ付きワークのバンプを電極上
    に半田付けするバンプ付きワークのボンディング方法で
    あって、 熱硬化性ボンドが前記伝熱により熱硬化する前に、熱集
    中手段により電極上の半田を溶融させてバンプを半田内
    に沈み込ませ、その後熱硬化性ボンドを熱硬化温度まで
    加熱して硬化させ、次いで溶融した半田を硬化させてバ
    ンプを電極上に半田付けすることを特徴とするバンプ付
    きワークのボンディング方法。
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