JP3509227B2 - コンピュータカラーマッチング方法 - Google Patents

コンピュータカラーマッチング方法

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JP3509227B2 JP26622794A JP26622794A JP3509227B2 JP 3509227 B2 JP3509227 B2 JP 3509227B2 JP 26622794 A JP26622794 A JP 26622794A JP 26622794 A JP26622794 A JP 26622794A JP 3509227 B2 JP3509227 B2 JP 3509227B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コンピュータカラー
マッチングによって着色剤の調合割合の予測または混合
物の色予測を行なう方法に関する。
【0002】
【従来の技術】顔料や染料などの着色剤を被着色物に混
合した混合物の色を予測するために、いわゆるコンピュ
ータカラーマッチングが利用されている。コンピュータ
カラーマッチングでは、被着色物と着色剤の吸収係数K
i (λ)と散乱係数Si (λ)とを用い、ダンカン(Du
ncan)の式(数式1)と、クベルカ−ムンク(Kubelka-
Munk)の混色理論による式(数式2)に基づいて、任意
の混合物の分光反射率R(λ)を求めることができる。
【0003】
【数1】
【0004】
【数2】
【0005】ここで、KM ,SM は混合物の吸収係数と
散乱係数、Ki ,Si はi番目の成分の吸収係数と散乱
係数、Ci はi番目の成分の調合率である。但し、この
明細書の数式においては、波長λに依存していることを
示す「(λ)」は省略されている。混合物の成分は、被
着色物と着色剤である。
【0006】混合物の分光反射率R(λ)が解れば、そ
の混合物の三刺激値X,Y,Zが計算できるので、混合
物の色を算出することができる。
【0007】コンピュータカラーマッチングを行なう場
合には、被着色物と種々の着色剤の吸収係数Ki (λ)
と散乱係数Si (λ)を予め求めておく必要がある。と
ころが、吸収係数Ki (λ)と散乱係数Si (λ)を求
めるのは必ずしも容易ではない場合が多い。
【0008】被着色物と種々の着色剤の吸収係数Ki
(λ)と散乱係数Si (λ)を求める方法としては、絶
対法と相対法がある。絶対法は、各物質の吸収係数Ki
(λ)と散乱係数Si (λ)の絶対値を求める方法であ
る。一方、相対法は、基準となる顔料(通常は白色顔
料)の散乱係数SW を1と仮定して、各物質の吸収係数
Ki (λ)と散乱係数Si (λ)の相対値を求める方法
である。数式2に示すように、混合物の分光反射率R
(λ)は混合物の吸収係数KM と散乱係数SM の比で与
えられる。従って、各物質の吸収係数Ki (λ)と散乱
係数Si (λ)の絶対値が不明でも、各物質の吸収係数
Ki (λ)と散乱係数Si (λ)の相対値が解れば、数
式1および2から正しい分光反射率R(λ)を求めるこ
とができる。絶対法に用いるサンプルの作成はかなり困
難であり、煩雑な作業を要するので、相対法が用いられ
るのが普通である。
【0009】従来の相対法によって各物質の吸収係数K
i (λ)と散乱係数Si (λ)とを求める際には、以下
のようにして、基準となる白色顔料の吸収係数KW
(λ)と散乱係数SW を決定する。まず、被着色物に白
色顔料のみを混合した混合物を作成して、その分光反射
率R(λ)を測定する。従来の相対法では、被着色物を
無色透明とみなして、被着色物の吸収係数と散乱係数は
ともに0であると仮定している。従って、被着色物と白
色顔料のみを混合した混合物に関しては、上記の数式1
で与えられる吸収係数KM (λ)と散乱係数SM (λ)
は、白色顔料の散乱係数SW と吸収係数KW (λ)にそ
れぞれ等しい。また、上記の数式2においてSM =SW
=1と仮定すると、分光反射率R(λ)の測定値から白
色顔料の吸収係数KW (λ)を求めることができる。
【0010】上述のように、従来の相対法では、被着色
物を無色透明とみなして、その吸収係数と散乱係数を0
と仮定していた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、現実には被
着色物が無色透明でない場合が多い。白色顔料の調合率
が多い場合には、被着色物が無色透明であるとみなすこ
とによる誤差は小さいが、白色顔料の調合率が少ない場
合にはその誤差が無視できない程度に大きくなる。この
ような誤差を回避するためには、上記数式1において、
無色透明でない被着色物の吸収係数や散乱係数を考慮に
いれる必要がある。しかし、被着色物の吸収係数や散乱
係数を求めるには、被着色物単体の薄板を作成するなど
の煩雑な作業を要する。特に、陶器の釉のように、単体
で薄板を作成することが困難な被着色の場合には、無色
透明でない被着色物の吸収係数と散乱係数を求めること
は困難であった。
【0012】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、無色透明でない
被着色物の吸収係数や散乱係数を考慮してコンピュータ
カラーマッチングを行なうことのできる方法を提供する
ことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段および作用】上述の課題を
解決するため、この発明の請求項1に記載したコンピュ
ータカラーマッチング方法は、無色透明でない被着色物
に白色着色剤を混合した第1の混合物の散乱係数SW’
を、前記白色着色剤の調合率CW に依存した関数f(C
W )として準備する工程と、前記散乱係数SW ’を基準
として、前記第1の混合物の吸収係数KW ’を前記調合
率CW に依存する形式で求める工程と、前記散乱係数S
W ’を基準として、白色でない有色着色剤の吸収係数K
P と散乱係数SP とを前記有色着色剤の調合率CP に依
存する形式で求める工程と、所望の色を有する混合物を
調整するための着色剤の調合割合、または、所定の調合
割合で生成される混合物の色を、前記吸収係数KW ’,
KP および前記散乱係数SW ’,SP を用いたコンピュ
ータカラーマッチングによって求める工程と、を備え
る。
【0014】上記方法では、無色透明でない被着色物に
白色着色剤を混合した第1の混合物の散乱係数SW ’を
関数f(CW )で表現し、この散乱係数SW ’を基準と
して用いるので、散乱係数SW ’に無色透明でない被着
色物の影響を含めることができる。
【0015】請求項2に記載した方法では、前記第1の
混合物の散乱係数SW ’を準備する工程は、 (a)前記被着色物に前記白色着色剤を混合して、前記
白色着色剤の調合率CWが異なる複数個の第1の混合物
を作成するとともに、前記複数個の第1の混合物の分光
反射率をそれぞれ測定する工程と、 (b)前記被着色物に前記有色着色物を混合した第2の
混合物を作成するとともに、前記第2の混合物の分光反
射率を測定する工程と、 (c)前記被着色物に前記白色着色剤と前記有色着色剤
とを混合して、前記白色着色剤と前記有色着色剤の合計
調合率が一定で前記有色着色剤の調合率CP が異なる複
数個の第3の混合物を作成するとともに、前記複数個の
第3の混合物の分光反射率をそれぞれ測定する工程と、 (d)前記被着色物に前記白色着色剤と前記有色着色剤
とを混合して、前記第3の混合物とは調合割合が異なる
第4の混合物を作成するとともに、前記第4の混合物の
分光反射率を測定する工程と、 (e)前記複数個の第1の混合物の散乱係数SW ’を前
記白色着色剤の調合率CW の関数f(CW )によって表
わすとともに、前記関数f(CW )に含まれる係数の値
を仮決定する工程と、 (f)前記複数個の第1の混合物の分光反射率の測定値
と前記関数f(CW )とを用いて、前記調合率CW に依
存した形式で前記第1の混合物の吸収係数KW ’を求め
る工程と、 (g)前記第2の混合物の分光反射率と、前記複数個の
第3の混合物の分光反射率と、前記関数f(CW )と、
前記吸収係数KW ’とを用いて、前記調合率CPに依存
した形式で前記有色着色剤の吸収係数KP と散乱係数S
P とをそれぞれ求める工程と、 (h)前記吸収係数KW ’,KP および前記散乱係数S
W ’,SP を用いて、前記第4の混合物に関するコンピ
ュータカラーマッチングを行なうとともに、前記コンピ
ュータカラーマッチングで得られた予測調合率と前記第
4の混合物の実調合率との差が許容量以下となるように
前記関数f(CW )に含まれる係数を修正する工程と、 (i)前記工程(f)ないし(h)を繰り返すことによ
って前記関数f(CW )に含まれる係数を決定する工程
と、 を備える。
【0016】こうして関数f(CW )の係数を決定する
ようにすれば、コンピュータカラーマッチングによる予
測精度が高くなるように関数f(CW )の係数を求める
ことができる。
【0017】請求項3に記載した方法では、前記関数f
(CW )が定数a1 と前記被着色物単独の散乱係数SB
とを含む次の式で与えられる。 f(CW )=(CW +a1 SB )/(CW +a1 )
【0018】上記の関数f(CW )の形式は、白色着色
剤単独の散乱係数を1と仮定した場合に理論的に得られ
るものなので、散乱係数SW ’を表わす関数として適切
なものである。また、1つの係数SB を含むだけの簡単
な形式を有しているので、係数SB を決定するのが容易
である。
【0019】
【実施例】図1は、実施例における処理の全体手順を示
すフローチャートである。なお、この実施例で対象とす
る混合物は、陶磁器の素地の表面を覆うための釉(ゆ
う)である。すなわち、顔料を入れないベース釉(基礎
釉)が被着色物であり、このベース釉に顔料を添加した
釉がコンピュータカラーマッチングの対象となる混合物
である。
【0020】ステップS1では、被着色物(ベース釉)
と白色顔料の混合物の吸収係数KW’と散乱係数SW ’
とを求める。ここで、従来の相対法と異なるのは、被着
色物を無色透明と仮定していない点、および、被着色物
や白色顔料単独の吸収係数や散乱係数を求めずに、その
混合物の吸収係数KW ’と散乱係数SW ’を求める点に
ある。なお、散乱係数SW ’は、白色顔料の調合率CW
に依存した関数f(CW )として求める。また、吸収係
数KW ’も、白色顔料の調合率CW に依存した形式で求
める。
【0021】なお、ステップS1において、白色顔料以
外の顔料(以下、「有色顔料」と呼ぶ)の吸収係数KP
と散乱係数SP も決定される(ステップS2)。なお、
有色顔料の吸収係数KP と散乱係数SP は、その調合率
CP に依存した形式で求められる。
【0022】ステップS3では、ステップS1,S2で
求めた吸収係数と散乱係数に基づいて、上述した数式1
および数式2を用いてコンピュータカラーマッチングを
実行し、混合物の色予測や調合割合の予測を行なう。
【0023】ここで、ステップS1の詳細手順を説明す
る前に、ベース釉と白色顔料の混合物の散乱係数SW ’
を表現するための関数f(CW )について考察する。ベ
ース釉と白色顔料の混合物については、数式1を次の数
式3のように書き換えることができる。
【0024】
【数3】
【0025】ここで、KW ’,SW ’は混合物の吸収係
数と散乱係数、KW ,SW は白色顔料単独の吸収係数と
散乱係数、KB ,SB はベース釉単独の吸収係数と散乱
係数、CW は白色顔料の調合率、CB はベース釉の調合
率である。なお、調合率Cw,CB は正確には体積率で
表現されるべきであるが、重量率で表現してもその誤差
は通常無視できる程度である。
【0026】数式3を変形すると、混合物の散乱係数S
W ’は次の数式4で与えられる。
【0027】
【数4】
【0028】この発明では相対法を用いるので、白色顔
料の調合率CW によらず散乱係数SW =1と仮定する。
また、通常はベース釉の調合率CB を一定とし、白色顔
料の調合率CW を変化させて混合物を作成するので、C
B =100(一定)と仮定する。この時、白色顔料の調
合率CW は、いわゆる外添加調合率(ベース釉の重量を
100%とした時の顔料の重量%)となる。これらの仮
定をおくと、上記数式4は次の数式5のように書き換え
られる。
【0029】
【数5】
【0030】ベース釉は無色透明に近いが、完全な無色
透明ではない。すなわち、数式5において、ベース釉の
散乱係数SB は0でない正の小さな値である。従って、
ベース釉と白色顔料の混合物の散乱係数SW ’は、図2
(A)に示すようなグラフとなる。このグラフは、白色
顔料の調合率CW が大きくなるとSW ’=1に漸近する
双曲線である。
【0031】ところで、図2(A)に示すような散乱係
数SW ’を実測することは容易ではない。そこで、この
実施例では、白色顔料の調合率CW に対する散乱係数S
W ’のグラフの形状を、図2(B)に示すように高濃度
側の第1の直線L1と低濃度側の第2の直線で近似でき
るものと仮定した。直線L1,L2を表わす関数SW’
=f1 (CW ),SW ’=f2 (CW )は、それぞれ次
の数式6および7で表わすことができる。
【0032】
【数6】
【0033】
【数7】
【0034】数式6,7における係数a,b,d,eを
決定すれば、(ベース釉+白色顔料)の混合物に対する
散乱係数SW ’が求まる。そして、散乱係数SW ’が求
まれば、分光反射率R(λ)の測定値を用いて上記数式
2から吸収係数KW ’を求めることができる。
【0035】図3は、図1のステップS1の詳細手順を
示すフローチャートである。ステップS11では、ベー
ス釉と白色顔料のみを混合した混合物(第1の混合物)
を作成した。図4は、実施例において準備した13個の
サンプルW12〜W0の調合率を示している。図4から
解るように、13個のサンプルW12〜W0は、白色顔
料の調合率CW を12%〜0%の範囲で1%ずつ変化さ
せて作成したものである。なお、実施例におけるサンプ
ルは、通常の陶磁器の素地に、調合した釉をかけて焼成
することによって作成した。また、後述する他のサンプ
ルも同じ条件で作成した。
【0036】ステップS12では、各サンプルW12〜
W0について、分光光度計で分光反射率R’(λ)を測
定した。ステップS13では、分光反射率の測定値R’
(λ)に基づいて、数式6に含まれる係数a,bを以下
のように実験的に決定した。
【0037】白色顔料の調合率CW が比較的大きなサン
プルでは、釉の隠ぺい力が大きいので、SW ’=1と仮
定することができる。具体的には、白色顔料の調合率C
W が最も大きなサンプルW12に対する散乱係数SW ’
を1に等しいと仮定した。この仮定を用いると、白色顔
料の調合率CW がi%のサンプルWiの散乱係数SWi’
は、次の数式8で与えられる。
【0038】
【数8】
【0039】数式8において、(K/S)W12 は白色顔
料の調合率が12%のサンプルW12の吸収係数と散乱
係数の比であり、(K/S)Wiは白色顔料の調合率がi
%のサンプルWiの吸収係数と散乱係数の比である。ま
た、数式8では、吸収係数の変化は散乱係数の変化に比
べて小さく、KW12 =KWiであると仮定している。
【0040】数式8の右辺の(K/S)W12 ,(K/
S)WiはサンプルWiの分光反射率の測定値R’(λ)
から、上述した数式2に従って求めることができる。但
し、混合物である釉の厚みは小さいので、分光光度計で
測定される分光反射率R’(λ)を、次の数式9(サン
ダーソン(Saunderson)の式)に従って理想状態(混合
物の厚みが無限大の状態)の分光反射率R(λ)に変換
する。
【0041】
【数9】
【0042】ここで、係数k1 ,k2 は、被着色物(ベ
ース釉)の光学的性質に依存する値である。係数k1 ,
k2 としては、被着色物の屈折率nから次の数式10に
従って決定することができる。
【0043】
【数10】
【0044】なお、実施例において用いたベース釉は、
屈折率nが約1.4である。こうして理想状態の分光反
射率R(λ)が求まると、上述の数式2から(K/S)
Wiが得られる。
【0045】数式9に従って分光反射率の測定値R’
(λ)から理想状態の分光反射率R(λ)を求める演算
は、後述する他の工程においてサンプルの分光反射率か
ら(K/S)を求める際にも同様に実施される。
【0046】各サンプルWiについて得られた(K/
S)Wiの値を上記数式8に代入することによって、各調
合率CW において混合物の散乱係数SW ’の値を求める
ことができ、係数a,bを決定することができる。係数
a,bを含む数式6は、白色顔料の調合率CW が比較的
高い範囲にのみ適用される。従って、係数a,bの決定
においても、調合率CW が比較的高い範囲の(例えば1
0%〜12%の)数個のサンプルの(K/S)Wiのみを
用いる。
【0047】図5は、Cw =10%〜12%のサンプル
の分光反射率R(λ)を示す概念図である。このよう
に、ベース釉に高濃度の白色顔料を混合したものは、可
視光線の波長λの全範囲(約400nm〜約700n
m)においてほとんど一定の反射率を示す。そこで、こ
の分光反射率R(λ)の値から数式2と数式8を用いて
散乱係数SWi’を求めることができる。なお、この散乱
係数SWi’は、可視光線の全波長範囲において同一の値
を有する。実施例では、a=0.0005,b=0.9
4が得られたので、数式6が次の数式11に書き換えら
れた。
【0048】
【数11】
【0049】なお、数式11は、CW =10%付近にお
いてSW ’=1に極めて近い値を与えるので、数式11
の代わりにSW ’=1を用いてもよい。
【0050】図3のステップS14では、低濃度側の数
式7の係数d,eの値を決定する。白色顔料の調合率C
W が比較的小さい場合には下地の影響が大きくなるの
で、分光反射率R(λ)の測定値が真の釉の層のみの情
報ではなくなる。従って、分光反射率R(λ)の測定値
に基づいて係数d,eを決定するのは容易ではない。そ
こで、係数d,eの値は、図6に示すような手順に従っ
て決定する。
【0051】ステップS21では、顔料物性値決定用サ
ンプルを作成する。図7は、顔料決定用サンプルの調合
率を示す説明図である。顔料物性値決定用サンプルは、
ベース釉と白色顔料と他の有色顔料を混合して作成した
ものである。実施例では、白色顔料と有色顔料の合計の
調合率(Pigment Volume Concentration,PVC)を1
2%一定とし、有色顔料の調合率CP を1%〜12%の
範囲で1%ずつ変えた12個のサンプルM1〜M12を
作成した。なお、有色顔料としては、陶磁器の彩色に良
く用いられる青色、赤色、黄色、等を選択し、各顔料に
ついて図7に示すような12個のサンプルM1〜M12
をそれぞれ作成した。
【0052】なお、サンプルM12は白色顔料を含まな
い混合物であり、本願発明の第2の混合物に相当する。
また、サンプルM1〜M11は本願発明の第3の混合物
に相当する。
【0053】ステップS22では、検証用サンプルを作
成する。図8は、実施例で用いた検証用サンプルの調合
率を示す説明図である。4つの検証用サンプルD1〜D
4は、4色の顔料をベース釉に混合したものである。な
お、ベース釉の調合率CB は省略しているが、いずれの
サンプルもCB =100%である。
【0054】検証用サンプルD1〜D4は、本願発明に
おける第4の混合物に相当する。
【0055】ステップS23では、係数d,eに仮の値
を割り当てる。図2(A),(B)を比較すれば解るよ
うに、係数eの値は、ベース釉の散乱係数SB の値に相
当しており、かなり小さな値であることが解っている。
例えば、e=0と仮定することも可能である。また、図
2(B)に示す第1と第2の直線L1,L2の交点は、
横軸の調合率CW が数%のところに位置するので、係数
dも概略の値を仮決めすることが可能である。
【0056】係数d,eを仮決めすると、調合率CW に
依存する散乱係数SWi’が調合率CW の全範囲において
決定される。散乱係数SWi’が決まると、次の数式12
に従って調合率CW に依存する吸収係数KWi’も得られ
る。
【0057】
【数12】
【0058】なお、散乱係数SWi’の値は波長λに依存
しないが、吸収係数KWi’の値は波長λに依存する。こ
の理由は、この発明の相対法においては散乱係数SWi’
を波長λに依存しない基準値として用い、他の物性値の
相対値を求めるからである。分光反射率R(λ)の値は
もちろん波長λに依存するので、数式2に従って得られ
る(K/S)Wiの値も波長λに依存する。従って、数式
12に従って得られる吸収係数KWi’も波長λに依存す
る。換言すれば、吸収係数KWi’は白色顔料の調合率C
W と波長とに依存する形式で求められる。
【0059】ステップS25では、顔料物性値決定用サ
ンプルを用いて、各有色顔料の吸収係数KP (λ)と散
乱係数SP (λ)とを求める。なお、ステップS25
は、図1におけるステップS2に相当する。KP (λ)
とSP (λ)は、次のような手順で算出される。
【0060】まず、顔料物性値決定用サンプルについて
は、上述の数式1から次の数式13が得られる。
【0061】
【数13】
【0062】ところで、上記の数式3は、次の数式14
のように書き換えられるので、数式14を数式13に代
入すると、数式15が得られる。
【0063】
【数14】
【0064】
【数15】
【0065】数式15を変形すると、次の数式16が得
られる。
【0066】
【数16】
【0067】ここで、(K/S)P は有色顔料単独での
吸収係数と散乱係数の比であり、(K/S)M は顔料物
性値決定用サンプルの吸収係数と散乱係数の比、(K/
S)W'は(ベース釉+白色顔料)のサンプルの吸収係数
と散乱係数の比である。また、CW ’はベース釉と白色
顔料の調合率の合計値、SW ’は(ベース釉+白色顔
料)の混合物の散乱係数であり、数式6および7で与え
られる値である。数式16の右辺の各項は、以下のよう
に求めることができる。
【0068】(K/S)P の値は、白色顔料を含まない
顔料物性値決定用サンプル(図7のサンプルM12)の
分光反射率R(λ)から上記数式2によって求めること
ができる。但し、厳密に言えば、数式16における(K
/S)P の値はベース釉の影響を含まない有色顔料単独
に対する値である。一方、上述のようにして実測で得ら
れる(K/S)P は(ベース釉+有色顔料)のサンプル
に対する値なので、ベース釉の影響が含まれている。し
かし、図7のサンプルM12の顔料の調合率は12%と
高い値なので、(K/S)P に対するベース釉の寄与は
極めて小さい。従って、数式16における(K/S)P
の値としては、サンプルM12の分光反射率R(λ)か
ら数式2によって求めた値を用いても、その誤差は無視
できる程度である。
【0069】(K/S)M の値は、白色顔料と有色顔料
の両方を含む顔料物性値決定用サンプル(図7のサンプ
ルM1〜M11)の分光反射率R(λ)から数式2に従
って算出できる。従って、(K/S)M は有色顔料の調
合率CP に依存した形式で求められる。
【0070】(K/S)W'の値は、図4に示す(ベース
釉+白色顔料)のサンプルの分光反射率R(λ)から数
式2に従って算出された値を用いることができる。
【0071】以上のようにして数式16の右辺の各項の
値を求めることができるので、顔料物性値決定用サンプ
ルM1〜M11のそれぞれについて、散乱係数SP
(λ)を求めることができる。なお、散乱係数SP
(λ)は、有色顔料の調合率CP に依存する形式で求め
られる。
【0072】こうして得られた散乱係数SP (λ)と、
分光反射率R(λ)の測定値から数式2で算出された
(K/S)P の値とに基づいて、次の数式17に従って
吸収係数KP (λ)も求められる。
【0073】
【数17】
【0074】なお、吸収係数KP (λ)は、散乱係数S
P (λ)と同様に、有色顔料の調合率CP に依存する形
式で求められる。
【0075】図9は、吸収係数KP (λ)の調合率CP
に対する依存性の一例を示すグラフである。散乱係数S
P (λ)もこれと同様な依存性を示す。なお、図9で
は、代表的な波長λについてのグラフのみを示している
が、実際には可視光線の全波長範囲(約400nm〜約
700nm)で10nm毎に吸収係数KP (λ)が求め
られる。
【0076】以上のようにして、(ベース釉+白色顔
料)の混合物の吸収係数KW ’(λ)および散乱係数S
W ’と、他の有色顔料の吸収係数KP (λ)および散乱
係数SP (λ)が求まると、図6のステップS26にお
いて、検証用サンプル(図8)に対してコンピュータカ
ラーマッチングによるシミュレーションを行なう。
【0077】ここで、コンピュータカラーマッチングに
よる色予測と調合割合の予測について簡単に説明する。
数式2を変形すると、混合物の分光反射率R(λ)は、
次の数式18で与えられる。
【0078】
【数18】
【0079】混合物の吸収係数と散乱係数の比(K/
S)M は、数式1に従って算出できるので、混合物の分
光反射率R(λ)も数式18から求めることができる。
この分光反射率R(λ)は理想状態の分光反射率なの
で、分光光度計で測定できる分光反射率R’(λ)を、
数式9(サンダーソンの式)を変形した次の数式19に
従って求める。
【0080】
【数19】
【0081】係数k1 ,k2 は上記数式10で与えられ
る。
【0082】分光反射率R’(λ)が求まると、混合物
の三刺激値X,Y,Zが次の数式20によって求められ
る。
【0083】
【数20】
【0084】ここで、S(λ)は標準光の分光分布、x
(λ),y(λ),z(λ)(数式中ではバー付きであ
る)は等色関数である。
【0085】コンピュータカラーマッチングによって混
合物の色を予測する場合には、上述のように、混合物の
各成分の吸収係数と散乱係数に基づき、数式1,数式1
8〜20に従って、その混合物の三刺激値X,Y,Zを
算出する。三刺激値は混合物の色を表わすので、任意の
混合物の色を予測することができることになる。
【0086】また、所望の色を有する混合物の調合割合
を予測する場合には、混合物の調合割合を仮定して、上
述した手順でその三刺激値を算出し、ニュートン−ラプ
ソン法などの逐次近似法によって所望の色に所定の誤差
内で一致するような調合割合を求める。
【0087】なお、XYZ表色系の代わりにL*a*b*
表色系のような他の表色系を用いてコンピュータカラー
マッチングを行なうことも可能である。
【0088】図6のステップS26におけるシミュレー
ションでは、コンピュータカラーマッチングによって、
図8に示す各検証用サンプルD1〜D4の調合率を予測
する。検証用サンプルの調合率は既知なので、予測した
調合率と実調合率との一致度は簡単に算出できる。例え
ば、調合率の一致度の指標として、次の数式21で与え
られる自乗平均誤差△を使用する。
【0089】
【数21】
【0090】ここでCRiは成分iの実調合率、Ci は予
測された調合率である。ステップS26において、各検
証用サンプルD1〜D4について得られた自乗平均誤差
△が所定の許容値以下でない場合にはステップS23に
戻り、係数d,eの値を修正する。こうして、各検証用
サンプルD1〜D4について得られる自乗平均誤差△が
所定の許容値以下になるまでステップS23〜S26を
繰り返し実行し、この結果、係数d,eを決定すること
ができる(ステップS27)。実施例では、d=0.1
225,e=0となり、数式7が次の数式22書き換え
られた。
【0091】
【数22】
【0092】なお、数式11で与えられる高濃度側の散
乱係数SW ’のグラフ(図2(B)の直線L1)と、数
式22で与えられる低濃度側の散乱係数SW ’のグラフ
(直線L2)との交点における調合率CW は8.0%で
ある。
【0093】以上のように、上記実施例では検証用サン
プルの調合率を精度良く予測できるように数式7におけ
る係数d,eを決定したので、白色顔料の調合率CW が
比較的低い領域においても、(ベース釉+白色顔料)の
混合物の散乱係数SW ’と吸収係数KW ’(λ)とを精
度良く決定することができた。
【0094】なお、図6に示す手順で(ベース釉+白色
顔料)の混合物の散乱係数SW ’と吸収係数KW ’
(λ)とが求められる際には、ステップS25において
他の有色顔料の吸収係数KP (λ)と散乱係数SP
(λ)も同時に求められる。
【0095】こうして各成分の吸収係数と散乱係数が求
まると、図1のステップS3において、コンピュータカ
ラーマッチングによる色予測や調合割合の予測が実行さ
れる。図10は、実施例における調合率の予測結果を示
す説明図である。図10における実施例の予測結果は、
数式11および数式22を用いた場合の結果である。ま
た、比較例の予測結果は、SW ’=1.0(一定)の仮
定(図2(B)において破線で示すグラフ)を用いた場
合の結果である。なお、図10の実施例と比較例では、
L*a*b* 表色系を用いて色差が最小となる調合率を予
測した。
【0096】図10に示されるように、実施例による予
測結果は調合率の自乗平均誤差が比較例に比べてかなり
小さく、より高精度で調合率を予測できたことが解る。
特に、サンプルP2,P3のように白色顔料の調合率が
小さな場合には、比較例の予測精度がかなり悪化してい
るのに対して、実施例の予測精度は良好である。この理
由は、図2(A),(B)に示すように、白色顔料の調
合率CW が小さくなるに従って、実際の散乱係数SW ’
の値が1から離れていくので、SW ’=1(一定)と仮
定した比較例では、各成分の吸収係数と散乱係数の値の
誤差が大きくなるからであると考えられる。
【0097】以上のように、この実施例では、無色透明
でない被着色物であるベース釉の光学的影響を考慮して
各成分の吸収係数と散乱係数とを決定しているので、コ
ンピュータカラーマッチングによって高精度の予測を行
なうことが可能である。また、サンプルとしては図4、
図7、図8に示すような混合物を通常の素地の上に塗布
したものを準備すればよいので、サンプルの作成も容易
である。
【0098】なお、この発明は上記実施例に限られるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の
態様において実施することが可能であり、例えば次のよ
うな変形も可能である。
【0099】(1)散乱係数SW ’の値を図2(B)に
示される2本の直線L1,L2を数式6,7で近似する
代わりに、数式5をそのまま用いて散乱係数SW ’を決
定してもよい。この場合には、図6のステップS23に
おいてベース釉の散乱係数SBの値を仮決定し、ステッ
プS23〜S26を繰り返し実行することによって散乱
係数SB の値を求めるようにすればよい。こうすれば、
未知数が散乱係数SB の1つだけなので、ステップS2
3において散乱係数SB を修正するための逐次近似法の
計算の収束が早くなるという利点がある。
【0100】ただし、ステップS23では、逐次近似法
によって係数を求める必要はなく、種々の係数の値を仮
定して、ステップS26におけるシミュレーション結果
が最適となる係数を選択するようにしてもよい。例え
ば、数式5をそのまま用いる場合には、SB の値を約
0.001〜約0.010の範囲で数点設定しておき、
ステップS26において実調合率に最も近い調合率を予
測できるSB の値を決定するようにしてもよい。
【0101】散乱係数SW ’を表現するための関数は数
式5〜7に限られるわけではなく、一般に、散乱係数S
W ’を調合率CW に依存した関数f(CW )で表現する
ようにすればよい。
【0102】なお、上記実施例では、着色剤の調合率を
外添加調合率(被着色物の調合率SB を100%とした
時の着色剤の調合率)で定義したが、調合率を他の規定
の仕方で定義することも可能である。従って、数式5
は、定数a1 を含む次の数式23によって表現すること
ができる。
【0103】
【数23】
【0104】(2)XYZ表色系やL*a*b* 表色系の
値を一致させるコンピュータカラーマッチングは、一般
にメタメリックマッチ法と呼ばれている。一方、混合物
の分光反射率R(λ)の曲線を一致させるアイソメリッ
クマッチ法と呼ばれる方法もある。この発明は、メタメ
リックマッチ法のみでなく、アイソメリックマッチ法に
よるコンピュータカラーマッチングにも適用可能であ
る。
【0105】(3)上記実施例では陶磁器の釉を対象と
するコンピュータカラーマッチングについて説明した
が、本発明はこれに限らず、他の種類の混合物を対象と
するコンピュータカラーマッチングにも適用することが
可能である。但し、陶磁器の素地は、完全な白色や完全
な黒色のものを作成することは困難なので、絶対法によ
って被着色物(ベース釉)単独の物性値を決定すること
は難しい。従って、釉に関するコンピュータカラーマッ
チングに本発明を適用すれば、予測精度を向上させる上
で特に効果が大きい。
【0106】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載し
た発明によれば、無色透明でない被着色物に白色着色剤
を混合した第1の混合物の散乱係数SW ’を関数f(C
W )で表現し、この散乱係数SW ’を基準として用いる
ので、散乱係数SW ’に無色透明でない被着色物の影響
を含めることができる。
【0107】請求項2に記載した発明によれば、コンピ
ュータカラーマッチングによる予測精度が高くなるよう
に関数f(CW )の係数を求めることができる。
【0108】請求項3に記載した発明によれば、係数の
決定が容易で、かつ、理論的にも適切な形式を有する関
数f(CW )を用いて散乱係数SW ’を表わすことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における処理の全体手順を示すフローチ
ャート。
【図2】数式5で与えられる散乱係数SW ’を示すグラ
フ。
【図3】ステップS1の詳細手順を示すフローチャー
ト。
【図4】(ベース釉+白色顔料)の物性値を求めるため
のサンプルの調合率を示す説明図。
【図5】サンプルの分光反射率R(λ)を示す概念図。
【図6】ステップS14の詳細手順を示すフローチャー
ト。
【図7】顔料決定用サンプルの調合率を示す説明図。
【図8】実施例で用いた検証用サンプルの調合率を示す
説明図。
【図9】吸収係数KP (λ)の調合率CP に対する依存
性の一例を示すグラフ。
【図10】実施例における調合率の予測結果を示す説明
図。
【符号の説明】
CB…ベース釉の調合率 CP…有色顔料の調合率 CW…白色顔料の調合率 Ki…成分iの吸収係数 KM…混合物の吸収係数 KP…有色顔料の吸収係数 KW’…(ベース釉+白色顔料)の吸収係数 R…分光反射率 SB…ベース釉の散乱係数 SM…混合物の散乱係数 SP…有色顔料の散乱係数 SW…白色顔料の散乱係数 SW’…(ベース釉+白色顔料)の散乱係数 Si…各成分の散乱係数 λ…波長
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−81134(JP,A) 特開 平2−200862(JP,A) 特開 平7−260576(JP,A) 特開 平1−129123(JP,A) Farbe Lack,ドイツ,1982 年 5月,Vol.88 No.5,p. 356−360 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01J 3/46 - 3/51 B44D 3/00 C09D 7/14 D06P 5/00 G06F 17/50 - 15/50 680

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンピュータカラーマッチングによって
    着色剤の調合割合の予測または混合物の色予測を行なう
    方法であって、 無色透明でない被着色物に白色着色剤を混合した第1の
    混合物の散乱係数SW’を、前記白色着色剤の調合率CW
    に依存した関数f(CW )として準備する工程と、 前記散乱係数SW ’を基準として、前記第1の混合物の
    吸収係数KW ’を前記調合率CW に依存する形式で求め
    る工程と、 前記散乱係数SW ’を基準として、白色でない有色着色
    剤の吸収係数KP と散乱係数SP とを前記有色着色剤の
    調合率CP に依存する形式で求める工程と、 所望の色を有する混合物を調整するための着色剤の調合
    割合、または、所定の調合割合で生成される混合物の色
    を、前記吸収係数KW ’,KP および前記散乱係数SW
    ’,SP を用いたコンピュータカラーマッチングによ
    って求める工程と、を備えることを特徴とするコンピュ
    ータカラーマッチング方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法であって、 前記第1の混合物の散乱係数SW ’を準備する工程は、 (a)前記被着色物に前記白色着色剤を混合して、前記
    白色着色剤の調合率CWが異なる複数個の第1の混合物
    を作成するとともに、前記複数個の第1の混合物の分光
    反射率をそれぞれ測定する工程と、 (b)前記被着色物に前記有色着色物を混合した第2の
    混合物を作成するとともに、前記第2の混合物の分光反
    射率を測定する工程と、 (c)前記被着色物に前記白色着色剤と前記有色着色剤
    とを混合して、前記白色着色剤と前記有色着色剤の合計
    調合率が一定で前記有色着色剤の調合率CP が異なる複
    数個の第3の混合物を作成するとともに、前記複数個の
    第3の混合物の分光反射率をそれぞれ測定する工程と、 (d)前記被着色物に前記白色着色剤と前記有色着色剤
    とを混合して、前記第3の混合物とは調合割合が異なる
    第4の混合物を作成するとともに、前記第4の混合物の
    分光反射率を測定する工程と、 (e)前記複数個の第1の混合物の散乱係数SW ’を前
    記白色着色剤の調合率CW の関数f(CW )によって表
    わすとともに、前記関数f(CW )に含まれる係数の値
    を仮決定する工程と、 (f)前記複数個の第1の混合物の分光反射率の測定値
    と前記関数f(CW )とを用いて、前記調合率CW に依
    存した形式で前記第1の混合物の吸収係数KW ’を求め
    る工程と、 (g)前記第2の混合物の分光反射率と、前記複数個の
    第3の混合物の分光反射率と、前記関数f(CW )と、
    前記吸収係数KW ’とを用いて、前記調合率CPに依存
    した形式で前記有色着色剤の吸収係数KP と散乱係数S
    P とをそれぞれ求める工程と、 (h)前記吸収係数KW ’,KP および前記散乱係数S
    W ’,SP を用いて、前記第4の混合物に関するコンピ
    ュータカラーマッチングを行なうとともに、前記コンピ
    ュータカラーマッチングで得られた予測調合率と前記第
    4の混合物の実調合率との差が許容量以下となるように
    前記関数f(CW )に含まれる係数を修正する工程と、 (i)前記工程(f)ないし(h)を繰り返すことによ
    って前記関数f(CW )に含まれる係数を決定する工程
    と、 を備えるコンピュータカラーマッチング方法。
  3. 【請求項3】 前記関数f(CW )が定数a1 と前記被
    着色物単独の散乱係数SB とを含む次の式で与えられ
    る、請求項1または2記載のコンピュータカラーマッチ
    ング方法。 f(CW )=(CW +a1 SB )/(CW +a1 )
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Farbe Lack,ドイツ,1982年 5月,Vol.88 No.5,p.356−360

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