JP3508812B2 - 超臨界水を用いた石炭の連続転換装置 - Google Patents

超臨界水を用いた石炭の連続転換装置

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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超臨界状態にするこ
とにより石炭を油その他に転換する装置に関する。更に
詳しくは超臨界状態におけるセルロースを主成分とする
バイオマス(以下、セルロース系バイオマスという)又
は超臨界状態におけるギ酸の分解反応により発生した活
性水素を石炭に添加することにより石炭を連続的に軽質
化し、燃料用油又は有用な化合物或いは混合物に転換す
る装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、石炭に水素を添加して液化する方
法としては、Ni,Co,Fe等の触媒の存在下で分子
状水素ガスを石炭に添加して軽質化し、石炭を液化する
方法が知られている。また別の方法として、水素供与性
溶剤の利用により石炭に水素を添加し、石炭を軽質化し
液化する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの技術において
必要となる水素は、重量換算で石炭重量の約5〜約8%
に及んでいる。またこれらの技術では高価な水素ガスや
石炭のガス化等により製造した水素を用いることが前提
とされている。そのため石炭の液化コストに占める水素
ガスのコストや水素製造のためのコストが増大し、その
結果石炭転換プロセスとしてこれらに代わるコストの安
い転換プロセスが望まれている。またこれらのプロセス
は水の混入は好ましくないので、水分除去のための乾燥
前処理工程が必要であり、この前処理工程のコストも無
視できないことが指摘されている。
【0004】更に従来の石炭の転換方法では、反応に約
1時間程度要するため、所定日数において転換量を増や
す場合には、反応器を多数設けるか、或いは大型化しな
ければならなかった。この点を解決するために、反応時
間を短くする試みがなされているが、反応時間を短縮し
た場合には、超臨界水による生成油の抽出移送が遅れ、
反応器内に生成油、特に重質油が滞留する問題が懸念さ
れる。
【0005】本発明の目的は、安価な水を溶媒として用
い、かつセルロース系バイオマス又はギ酸の分解反応に
より発生する活性水素を用いて石炭を軽質化し液化する
超臨界水を用いた石炭の連続転換装置を提供することに
ある。本発明の別の目的は、従来法の乾燥前処理工程を
不要としプロセスを簡素化し、かつ従来法と比べて反応
時間が極めて短く転換効率が高く、製造コストを低減し
得る超臨界水を用いた石炭の連続転換装置を提供するこ
とにある。本発明の更に別の目的は、反応器での重質油
の滞留を無くして、連続運転を支障なく行うことができ
る超臨界水を用いた石炭の連続転換装置を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】 請求項に係る発明は、
に示すように、微粉化した石炭と水をスラリー濃度
が5〜60重量%になるように混合した石炭のスラリー
を貯えるスラリータンク10と、このタンク10から供
給されたスラリーを加圧及び加熱して温度374〜80
0℃で密度0.05〜0.9g/cm 3 超臨界状態に
する加圧加熱手段33,34と、この加圧加熱手段3
3,34から供給された超臨界状態にしたスラリーを反
応させスラリー中の石炭を液化して油を生成する反応器
35と、この反応器35で生成した油が供給されこの油
を超臨界水により抽出する抽出器16と、この抽出器1
6で抽出した油を含む超臨界水を段階的に減圧及び冷却
して上記油を分留する分留装置20とを備えた超臨界水
を用いた石炭の連続転換装置であって、スラリーは更に
解砕若しくは粉砕したセルロース系バイオマス又はギ酸
を含み、セルロース系バイオマスは石炭に対して5〜2
0重量%混合され、ギ酸は石炭を炭素として石炭に対し
て3〜35モル%混合され、抽出器16が反応器35の
3〜10倍の容積を有し、超臨界水が前記抽出器16の
下部に供給され、抽出器16の上部から抽出器16で抽
出した油を含む超臨界水を分留装置20に排出するよう
に構成され、反応器35において、次の〜の4つの
反応を併発して複合的に起こさせることにより未反応石
炭を軽質化して液化することを特 徴とする超臨界水を用
いた石炭の連続転換装置である。セルロース系バイオ
マス又はギ酸の分解反応、 石炭の加水分解反応、
炭の熱分解反応、及び 上記のセルロース系バイオマ
ス又はギ酸の分解反応により生じる活性水素と上記及
びの反応で未反応の石炭との反応
【0007】 セルロース系バイオマスを加えて石炭のス
ラリーを調製する場合には、反応器では、先ず超臨界水
中でセルロース系バイオマスの分解が行われる。具体
的にはバイオマス(植物体)の細胞膜の主成分であるセ
ルロース(C6105nが超臨界水中でH2とCO2
に分解し、活性な水素を発生して、石炭の軽質化(水素
添加)反応が迅速に行われる。セルロース系バイオマス
としては、廃木材、廃植物等の通常焼却処分される廃材
や、セルロースの分解生成物であるグルコース、フルク
コース、エリトロース、グリセルアルデヒド、オリゴ糖
等が挙げられる。分解を容易にするため、セルロース系
バイオマスはスラリータンクに入れる前に解砕又は粉砕
される。またセルロース系バイオマスの代わりにギ酸を
加えて石炭のスラリーを調製する場合には、反応器で
は、先ず超臨界水中で ギ酸の分解反応が行われ、ギ酸
(HCOOH)がH2とCO2に分解し、活性な水素を発
生して、石炭の軽質化(水素添加)反応が迅速に行われ
る。
【0008】 セルロース系バイオマス又はギ酸の分解に
よって行われる石炭の軽質化反応としては、 石炭の加
水分解反応、 石炭の熱分解反応及び 水素添加反応が
考えられる。高温水中では、石炭中の水素結合等の非共
有性の結合が解離し、石炭が膨張する。これにより石炭
の分解液化反応がより有効に進行する。 石炭の加水分
解反応では、石炭のベンゼン環をつないでいるヘテロ元
素部分が加水分解され、石炭が低分子化される。 石炭
の熱分解反応では、石炭が単純に熱分解し低分子化す
る。更に 水素添加反応では、上記 の反応中に生成し
たラジカルに上記セルロース系バイオマスやギ酸の分解
反応により発生した活性なHが付加し、これにより熱分
解種が安定する。また熱分解しない安定な分子と水素と
の反応も生じる。ここで加水分解により生成した水酸
基、カルボン酸基にも水素添加反応が起こり得るが、上
記ラジカルへの水素反応の方が優位に起こる。上記、
及び の反応は個別的に行われず、互いに併発し
て複合的に行われ、石炭の軽質化が進行する。バイオマ
ス等の高含酸素化合物やギ酸を混入することにより、フ
ェノール、カルボニル化合物の生成が促進され、付加価
値の高い液化物、即ち油が得られる。本発明の特徴ある
点は、反応器と別に抽出器を設けて、この抽出器で反応
器で生成した油を超臨界水により抽出することにより反
応器で生成した液化物(油)の滞留を防いで抽出効率を
高めることにある。
【0009】 また 抽出器16が反応器35の3〜10倍
の容積を有し、超臨界水がこの抽出器16の下部に供給
され、抽出器16の上部から抽出器16で抽出した油を
含む超臨界水を分留装置20に排出するように構成さ
。抽出器16を反応器35より広い容積にすることに
より、また抽出器16の上部から抽出器16で抽出した
油を含む超臨界水を分留装置20に排出することによ
り、生成油が滞留せずに抽出効率が高まり、かつ熱分解
した石炭の残渣と分離し易くなる。
【0010】 請求項に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、分留装置20が重質油分離器21と中質油
分離器22と軽質油分離器23と気液分離器24を備
え、抽出器16で抽出した油を含む超臨界水が重質油分
離器21、中質油分離器22及び軽質油分離器23の順
に減圧及び冷却されるように構成された石炭の連続転換
装置である。重質油分離器21、中質油分離器22及び
軽質油分離器23を設けることにより、複数種の油がそ
の性状毎に適切に分離回収される。また気液分離器24
では二酸化炭素と水を含む低沸点成分に分離され、二酸
化炭素は大気に放出される。
【0011】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。図1に示すように、スラリータンク
10には出発原料である微粉化した石炭と、溶媒である
水と、解砕若しくは粉砕したセルロース系バイオマス又
はギ酸を混合した石炭のスラリー11が貯えられる。1
2はこれらの出発原料の撹拌羽根である。石炭として
は、草炭、褐炭、亜歴青炭、歴青炭等が例示されるが、
石炭であれば、本発明は成立する。この石炭には無煙炭
も含む。特に上記に挙げた石炭が液化効率が良く好まし
い。また埋蔵量が比較的多い上記石炭種を有効利用で
き、自然環境に適合したプロセスとなる。この石炭は予
め数mm以下の、好ましくはポンプの能力に応じて30
0μm以下の粒径に微粉砕される。
【0012】セルロース系バイオマスは石炭に対して5
〜20重量%混合され、ギ酸は石炭をC(炭素)として
石炭に対して3〜35モル%混合される。更に水は石炭
のスラリー濃度が5〜60重量%になるように添加され
る。セルロース系バイオマスの添加量が5重量%未満で
あるか、又はギ酸の添加量が3モル%未満である場合に
は、石炭の軽質化反応が迅速にならず、またそれぞれ2
0重量%又は35モル%を越えると、後述する反応器で
反応が急速に起こり運転制御が困難となる。セルロース
系バイオマスの石炭に対する混合量は10〜15重量%
がより好ましく、またギ酸の石炭に対する混合量は10
〜20モル%がより好ましい。更に石炭のスラリー濃度
が5重量%未満では液化効率に劣り、60重量%を越え
るとスラリーが流動性に欠け取扱いにくくなる。石炭の
スラリー濃度は40〜55重量%がより好ましい。
【0013】 スラリータンク10の排出側にはスラリー
を加熱器34に圧送するポンプ33が設けられる。この
ポンプ33及び加熱器34によりスラリー超臨界状態
なる。加熱器34で加熱されたスラリーは反応器35
に供給され、反応器35内にスラリーが供給されたと同
時に反応が開始する。このスラリーの超臨界状態は温度
374〜800℃で密度0.05〜0.9g/cm3
ある。上記温度範囲及び密度範囲の下限値未満では反応
が遅く転換効率が良くない。また上記温度範囲及び密度
範囲の上限値を越えると反応器に負荷がかかり過ぎこれ
も効率的でない。この温度は400〜600℃がより好
ましく、密度は0.1〜0.6g/cm3がより好まし
い。
【0014】 反応器35の下部の排出側には抽出器16
が設けられる。生成油の滞留を防ぎ、かつ抽出効率を高
めるために、反応器の反応生成物は抽出器16の上部に
供給されるようになっていて、しかもこの抽出器16は
反応器35の3〜10倍の容積を有する。3倍未満では
重質油が滞留しやすく、10倍を越えても抽出効率はあ
まり向上せず広い設置場所を要するため、上記範囲の容
積が好ましい。抽出効率を上げ、生成油を更に軽質化
し、抽出移送をより容易にするために、抽出器16の下
部から直接超臨界水が供給され、抽出器16の上部から
は抽出器で抽出した油を含む超臨界水を次の分留装置2
0に排出するように構成される。また抽出器16の下部
には抽出器から排出される残渣を残渣炭と重質油に分離
する固気分離器17が設けられる。ここで分離された重
質油は生成油をより軽質化し、かつ液化収率を向上させ
るために抽出器16の上部にフィードバックされる。抽
出器16に供給する超臨界水はポンプ18で後述するリ
サイクル水槽19の水を加圧し、更に加熱器14で加熱
することにより得られる。この超臨界水の温度及び圧力
は上記スラリーの超臨界状態の温度及び圧力とほぼ同一
である。この実施の態様ではこの加熱器34はエネルギ
ーを有効利用するために、スラリーを加熱した加熱器と
同一のものが使用される。なお、リサイクル水槽19の
水は図示しないバルブにより前述したスラリータンク1
0にも供給されるようになっている。
【0015】分留装置20は重質油分離器21と中質油
分離器22と軽質油分離器23と気液分離器24を備え
る。これらの分離器21,22,23及び24はそれぞ
れガス冷却機能を兼備し、各前段には背圧弁21a,2
2a,23a及び24aがそれぞれ設けられる。また分
離器21,22,23及び24の下部には重質油受け槽
21b,中質油受け槽22b,軽質油受け槽23b及び
低沸点成分回収槽25がそれぞれ設けられる。重質油受
け槽21bで貯留した重質油の一部は生成油をより軽質
化するために抽出器16の上部にフィードバックされ
る。また低沸点成分回収槽25の下部には前述したリサ
イクル水槽19が設けられる。
【0016】 このように構成された石炭の連続転換装置
では、スラリータンク10に微粉化した石炭と、溶媒で
ある水と、解砕若しくは粉砕したセルロース系バイオマ
ス又はギ酸が所定の割合で入れられ、羽根12で撹拌、
混合されて石炭のスラリー11となる。このスラリー1
1はポンプ33により加熱器34に圧送され、ここで
臨界状態維持された後、反応器35に供給される。こ
の反応器35では、超臨界状態に維持されたスラリー
を、前述した、 及び の反応を互いに併発して
複合的に生じさせる。セルロース系バイオマス又はギ酸
の分解反応で発生した活性な水素は未反応の石炭と効率
良く反応し、石炭の軽質化反応を促進する。また超臨界
状態の水は、水素イオンと水酸基イオンへの解離が通常
の水よりも大きくまた高温であるので石炭の加水分解反
応は促進される。この加水分解は石炭のみならず一次分
解物の重質液化油等についても行われる。
【0017】 反応器35で生成した石炭の液化物は重質
油、中・軽質油であり、液化し切れなかったスラリーは
残渣となる。この反応器35では、上述した複数の反応
が相互に関連して行われるため石炭の軽質化が促進され
る。また脱硫、脱窒素の効果を持たせることも可能であ
る。更に超臨界状態の水は誘電率が小さいために石炭を
膨張し、石炭そのもの或いは重質油に対してある程度溶
解力を持ち、またガスとも均一に混合し得る。これらの
ことも軽質化の促進に寄与する。反応器35で生成した
石炭の液化物及び残渣、並びに固気分離器17や重質油
受け槽21bからの重質油は抽出器16に供給される。
反応器35と比べて広い容積を有する抽出器16では、
重質油、中・軽質油を含む石炭の液化物がその下部から
供給される超臨界水により抽出器上部から効率的に抽出
され、下部には熱分解した石炭の残渣が滞留する。この
残渣は固気分離器17で分離され、灰分を主成分とする
残渣炭は別途処分される。
【0018】分留装置20では、抽出器16より圧送さ
れる流体を背圧弁21aで所定圧力に減圧し、重質油分
離器21で所定の温度まで冷却して、重質油を重質油受
け槽21bに貯える。次いで重質油分離器21より圧送
される流体を背圧弁22aで所定圧力に減圧し、中質油
分離器22で所定の温度まで冷却して、中質油を中質油
受け槽22bに貯える。次に中質油分離器22より圧送
される流体を背圧弁23aで所定圧力に減圧し、軽質油
分離器23で所定の温度まで冷却して、軽質油を軽質油
受け槽23bに貯える。更に軽質油分離器23から排出
された流体は背圧弁24aで大気圧に降圧され、気液分
離器24で低沸点成分とガス(CO2)に分離される。
CO2は大気に排出され、低沸点成分は低沸点成分回収
槽25で一旦貯留され、メタン等のような低沸点成分は
回収槽25から取出され、残余の水はリサイクル水槽1
9に貯えられた後、超臨界水用の水及びスラリー調製用
の水として再利用される。
【0019】
【0020】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は次の優れた
効果を有する。 (1) 石炭を連続的に軽質化して液化し、かつ液化物から
連続的に重質油、中質油及び軽質油を分留できる。 (2) 水素添加反応に必要な水素は、セルロース系バイオ
マス又はギ酸の分解反応により発生する活性水素により
まかなわれるので、外部からの高価な水素の供給は必要
ない。 (3) このバイオマス又はギ酸の分解反応により発生する
活性水素を用いると、5分以下で水素添加反応が行わ
れ、従来法と比べ約12分の1の反応時間で済むため、
反応器を多数設けることなく、また大型化することな
く、所定日数における転換量を増やすことができる。 (4) 反応器における反応時間が短くなっても、反応器と
別に設けた抽出器により石炭の液化物を超臨界水で抽出
するために、石炭の液化物、特に重質油が滞留しない。
また抽出器に残留する重質油をフィードバックするた
め、軽質化がより一層進行する。 (5) 超臨界状態では、水、ガス、転換油等が均一相で作
用し易いため、石炭の軽質化を効率よく行える。特に水
そのものが生成物の重合反応を抑止する効果もある。 (6) 石炭を液化する際に超臨界水中での燃焼を利用する
のでプロセス全体の熱効率が極めて高い。 (7) 水分除去の前処理工程が不要となり、また液化油の
分留も減圧操作のみで可能であるため液化油の蒸留分離
工程等が簡素化する。従って、従来の転換プロセスに比
べてプロセスが簡素化する。 (8) 熱分解温度が低く、また硫黄分は水中に捕集され、
NOxの発生もないので従来法に見られる大型な脱硫、
脱窒素工程を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の超臨界水を用いた石炭の
転換装置の構成図。
【符号の説明】
10 スラリータンク 11 スラリー 8 ポンプ 16 抽出器 17 固気分離器 19 リサイクル水槽 20 分留装置 21 重質油分離器 22 中質油分離器 23 軽質油分離器 24 気液分離器 25 低沸点成分回収槽 33 ポンプ 34 加熱器 35 反応器
フロントページの続き (72)発明者 長谷川 伸一 東京都文京区小石川1丁目3番25号 三 菱マテリアル株式会社 システム事業セ ンター内 (72)発明者 西村 建二 茨城県那珂郡那珂町大字向山字六人頭 1002番地の14 三菱マテリアル株式会社 那珂エネルギー研究所内 (72)発明者 傅 建順 茨城県那珂郡那珂町大字向山字六人頭 1002番地の14 三菱マテリアル株式会社 那珂エネルギー研究所内 (56)参考文献 特開 昭51−2702(JP,A) 特開 昭59−105079(JP,A) 特開 平2−102295(JP,A) 特開 昭58−185683(JP,A) 特開 昭50−92904(JP,A) 特表 昭56−501205(JP,A) 欧州特許出願公開26011(EP,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10G 1/00 - 1/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微粉化した石炭と水をスラリー濃度が5
    〜60重量%になるように混合した石炭のスラリーを貯
    えるスラリータンク(10)と、 前記タンク(10)から供給されたスラリーを加圧及び加熱
    して温度374〜800℃で密度0.05〜0.9g/
    cm 3 超臨界状態にする加圧加熱手段(33,34)と、 前記加圧加熱手段(33,34)から供給された超臨界状態に
    したスラリーを反応させ前記スラリー中の石炭を液化し
    て油を生成する反応器(35)と、 前記反応器(35)で生成した油が供給され前記油を超臨界
    水により抽出する抽出器(16)と、 前記抽出器(16)で抽出した油を含む超臨界水を段階的に
    減圧及び冷却して前記油を分留する分留装置(20)とを備
    えた超臨界水を用いた石炭の連続転換装置であって、 前記スラリーは更に解砕若しくは粉砕したセルロース系
    バイオマス又はギ酸を含み、 前記セルロース系バイオマスは石炭に対して5〜20重
    量%混合され、前記ギ酸は石炭を炭素として石炭に対し
    て3〜35モル%混合され、 前記抽出器(16)が反応器(35)の3〜10倍の容積を有
    し、超臨界水が前記抽出器(16)の下部に供給され、前記
    抽出器(16)の上部から前記抽出器(16)で抽出した油を含
    む超臨界水を分留装置(20)に排出するように構成され、 前記反応器(35)において、次の〜の4つの反応を併
    発して複合的に起こさせることにより前記未反応石炭を
    軽質化して液化することを特徴とする超臨界水を用いた
    石炭の連続転換装置。 セルロース系バイオマス又はギ
    酸の分解反応、 石炭の加水分解反応、 石炭の熱分解反応、及び 前記のセルロース系バイ
    オマス又はギ酸の分解反応により生じる活性水素と前記
    及びの反応で未反応の石炭との反応
  2. 【請求項2】 分留装置(20)が重質油分離器(21)と中質
    油分離器(22)と軽質油分離器(23)と気液分離器(24)を備
    え、 抽出器(20)で抽出した油を含む超臨界水が前記重質油分
    離器(21)、中質油分離器(22)及び軽質油分離器(23)の順
    に減圧及び冷却されるように構成された請求項1記載の
    石炭の連続転換装置。
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