JP3508719B2 - 空中線制御装置及び制御方法 - Google Patents

空中線制御装置及び制御方法

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JP3508719B2
JP3508719B2 JP2000379139A JP2000379139A JP3508719B2 JP 3508719 B2 JP3508719 B2 JP 3508719B2 JP 2000379139 A JP2000379139 A JP 2000379139A JP 2000379139 A JP2000379139 A JP 2000379139A JP 3508719 B2 JP3508719 B2 JP 3508719B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体に搭載する
通信装置に用いるパラボラアンテナの制御装置に関し、
特に、ヘリコプター等の飛行体に搭載して使用する通信
装置に用いるパラボラアンテナの指向方向、及び指向特
性を制御する、空中線制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から用いられている移動体通信の中
でも、特に通信を途切れることなく維持、継続すること
が求められるものに、移動体によるテレビジョンの生中
継放送がある。具体的には、一般に「中継車」と称され
る専用の自動車にテレビジョンカメラと無線装置を搭載
し、マラソン競技などを取材、撮影して生中継として放
送するもの、または「中継ヘリ」と称される専用のヘリ
コプターにテレビジョンカメラと無線装置を搭載し、中
継車などと連携するなどして上空からの映像を中継放送
するものがある。これら中継放送を行う場合、中継車や
中継ヘリは、事前の無線通信回線設計(以下、回線設計
と記す)に従い、所定の無線中継局、或いは直接テレビ
ジョン放送局(以下、放送局と記す)に備えられた受信
装置へ取材映像、音声を送信する。無線中継局で受信し
た場合は、無線中継局から中継回線経由で放送局に取材
映像、音声が伝送され、放送局で番組として制作され、
一般視聴者向けの放送や、系列の他局への配信に供され
る。このようなイベントの中継においては、中継車、中
継ヘリとも事前の回線設計により適切な中継ルートが確
保されるので、遠距離通信が必要となるケースは稀であ
る。
【0003】ところで、これらのうち中継ヘリについて
は、上記のように事前に催行が予定されているイベント
の中継だけでなく、突発的な事象、例えば火山の噴火や
震災の発生、或いは大規模な道路交通事故や航空機の墜
落事故など、利用できる無線中継局から遠隔地で突発し
た事象に対し、緊急に現場へ急行し、臨時ニュース番組
の生中継の素材となる映像、音声を取材し、中継する要
求がある。このような事象の取材においては事前に中継
の準備をすることは不可能であるので、放送局では急遽
利用可能な無線中継施設を調達することとなる。しか
し、短時間で他事業者の無線中継施設を調達できない場
合には、離陸時に放送局の無線装置と中継ヘリとの間で
直接無線通信回線を確保し、放送局の無線装置で中継ヘ
リを追尾しつつ中継ヘリを現場へ急行させることとな
る。そして放送局の無線装置で中継ヘリからの映像、音
声信号を受信し、現場の状況を中継放送するが、このよ
うな運用における放送局と中継ヘリの距離は、現場の位
置によっては、100[km]を超える場合もある。
【0004】図8は、このような従来の中継ヘリによる
中継伝送の一例を示している。図8において、中継ヘリ
1”は、放送局の無線装置2と通信する無指向性アンテ
ナ13を備えている。放送局の無線装置2は一般にパラ
ボラアンテナを有し、中継ヘリ1”を追尾する。中継ヘ
リ1”は無線装置の他、テレビジョンカメラ、マイクロ
ホンなどを搭載しており、現場の映像、音声を取材し、
放送局の無線装置2へ送信する。
【0005】ここで、中継ヘリ1”の有するアンテナ1
3は無指向性であるため、基地局の無線装置2との距離
が遠くなると、受信電界強度が低下する。この問題を解
決するために近年では、中継ヘリ1”に耐風用レドーム
を設け、レドーム内にパラボラアンテナを設置して中継
ヘリ1”と無線装置2との位置関係を計算し、パラボラ
アンテナの方向を無線装置2に向けるよう制御する方式
が適用されるようになってきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の技術を適用した中継ヘリ1”においてもなお、次のよ
うな運用上の問題があった。これらの問題には中継ヘリ
1”と無線装置2の距離によるものと、中継ヘリの飛行
運動によるものとがある。
【0007】第1の、距離による問題は次の通りであ
る。すなわち、パラボラアンテナを採用したことによ
り、遠隔地からの中継運用における受信電界強度は改善
されたものの、逆に近距離での中継運用において受信電
界強度が高すぎる場合が生じる。このような場合、距離
に応じて中継ヘリ1”の無線装置側で送信電力を減衰さ
せるよう調整することが必要となる。このことは、中継
ヘリ1”のスタッフにとって、取材時に注意を払う事項
の増加となり、負担を増大させ、取材の作業効率を低下
させる。その理由は、取材においてスタッフが集中すべ
きは現場の状況把握であるのに対し、送信電力の調整作
業は装置の運用管理であるため、全く別の作業を強いら
れることにある。
【0008】第2の、中継ヘリの飛行運動による問題は
次の通りである。すなわち、取材現場へ到着した中継ヘ
リ1”は、現場の様子を様々な角度から取材するため、
現場周辺をつぶさに周回飛行することが多い。この周回
飛行に対して中継ヘリ1”のパラボラアンテナをつねに
無線装置2へ指向させるため、パラボラアンテナの方向
制御装置は中継ヘリ1”の飛行運動に合わせてパラボラ
アンテナを駆動することが必要となる。しかしながら、
現在中継ヘリ1”に搭載されるパラボラアンテナの駆動
装置の駆動能力は、機体の水平方向(以下、AZ方向と
記す)に概ね8[度/秒]程度、垂直方向には(以下、
EL方向と記す)に概ね6[度/秒]程度である。現状
ではこの駆動能力を容易に向上することは困難である。
その理由は、現在の駆動性能が、中継ヘリの搭載装置の
重量制限に基づいて算定されアンテナ駆動装置に許容さ
れた重量面の制限と、アンテナ駆動装置に要求される指
向方位の精度要求とを満足する設計において実現できる
最大限の性能だからである。このため、現在の中継ヘリ
1”の中継運用においては、パイロットの負担が大き
く、相当の熟練を必要とする。その理由は、取材運用
中、中継ヘリ1”がこの駆動能力を超える姿勢変化をし
ないよう抑制する方法は、パイロットの操縦技能による
ほかないからである。
【0009】そこで、本発明の第1の目的は、通信距離
の遠近により中継スタッフによる送信電力の減衰調整作
業を必要としない空中線制御装置を提供することであ
る。また、本発明の第2の目的は、大きく機体の姿勢が
変化した場合にも通信を維持可能とすることで操縦面の
制限を緩和し、パイロットの負担を軽減できる空中線制
御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明の第1の空中線制御装置は、飛行体の機体に設
置したパラボラアンテナの指向特性、指向方位を制御す
る空中線制御装置において、前記パラボラアンテナの指
向特性を制御するアンテナ指向特性制御装置と、前記パ
ラボラアンテナの指向方向を制御するアンテナ駆動装置
と、前記機体の備える操縦装置から操縦操作情報、機体
の速度情報を含む操縦情報を取得する操縦装置インター
フェース手段と、前記操縦装置インターフェース手段に
より取得した前記操縦情報に基づいて前記機体の飛行運
動を予測する情報処理手段と、を含み、前記情報処理手
段は機体の飛行運動を予測し、機体の方向変位速度が前
記アンテナ駆動装置の駆動能力を超えると判断した場合
に、前記アンテナ駆動装置を制御すると共に、前記アン
テナ指向特性制御装置をも制御して前記パラボラアンテ
ナの指向特性を広角化することを特徴とする。
【0011】また、本発明の第2の空中線制御装置はさ
らに、前記機体の位置情報を取得する測位手段と、前記
機体の傾きを検知し、姿勢検知情報を取得する姿勢検知
手段と、受信局の位置を示す基地局位置情報を設定する
基地局情報入力手段と、を含み、前記情報処理手段は前
記位置情報、前記姿勢検知情報、及び前記基地局位置情
報に基づいて前記機体に対する前記受信局の方位を算出
し、前記パラボラアンテナを前記受信局へ指向するよう
制御することを特徴とする。
【0012】また、本発明の第3の空中線制御装置はさ
らに、前記機体に無指向性アンテナと、アンテナ切替手
段と、を含み、前記情報処理手段は前記位置情報と前記
基地局位置情報から前記機体と前記基地局との距離を距
離情報として算出し、前記距離情報が所定の距離以内で
あるとき前記無指向性アンテナを選択するよう前記アン
テナ切替手段を制御することを特徴とする。
【0013】さらに、本発明の第4の空中線制御装置
は、飛行体の機体に設置した複数のパラボラアンテナの
指向特性、指向方位を制御する空中線制御装置におい
て、前記複数のパラボラアンテナの指向特性を制御す
る、複数のアンテナ指向特性制御装置と、前記複数のパ
ラボラアンテナの指向方向を制御する、複数のアンテナ
駆動装置と、アンテナ切替手段と、前記機体の位置情報
を取得する測位手段と、前記機体の傾きを検知し、姿勢
検知情報を取得する姿勢検知手段と、受信局の位置を示
す基地局位置情報を設定する基地局情報入力手段と、前
記機体の備える操縦装置から操縦操作情報、機体の速度
情報を含む操縦情報を取得する操縦装置インターフェー
ス手段と、を含み、前記情報処理手段は前記位置情報、
前記姿勢検知情報、及び前記基地局位置情報に基づいて
前記機体に対する前記受信局の方位を算出し、前記機体
における前記複数のパラボラアンテナの設置位置に基づ
いて前記受信局との通信に適したアンテナを選択するよ
う前記アンテナ切替手段を制御するとともに、前記情報
処理手段はさらに機体の飛行運動を予測し、機体の方向
変位速度が前記アンテナ切替手段によって選択されたア
ンテナの駆動装置の駆動能力を超えると判断した場合
に、前記選択されたアンテナの駆動装置を制御すると共
に、前記選択されたアンテナの指向特性制御装置をも制
御して前記パラボラアンテナの指向特性を広角化するこ
とを特徴とする。
【0014】また、本発明の第5の空中線制御装置はさ
らに、前記機体に無指向性アンテナを含み、前記情報処
理手段は前記位置情報と前記基地局位置情報から前記機
体と前記基地局との距離を距離情報として算出し、前記
距離情報が所定の距離以内であるとき前記無指向性アン
テナを選択するよう前記アンテナ切替手段を制御する、
ことを特徴とする。
【0015】本発明の第1の空中線制御装置の制御方法
は、飛行体の機体に設置したパラボラアンテナの指向特
性、指向方位を制御する空中線制御装置の制御方法にお
いて、前記機体の備える操縦装置から操縦操作情報、機
体の速度情報を含む操縦情報を取得する操縦装置情報取
得工程と、前記操縦操作情報及び前記速度情報に基づい
て前記機体の飛行運動を予測する姿勢変位量予測工程
と、前記姿勢変位量予測工程において算定された姿勢変
位量がパラボラアンテナの追尾駆動能力を超えるか否か
を判定する判断工程と、を含み、前記判断工程にてパラ
ボラアンテナの追尾駆動能力を超えると判定された場
合、前記パラボラアンテナの指向方位を制御すると共
に、前記パラボラアンテナの指向特性を広角化するよう
制御することを特徴とする。
【0016】また、本発明の第2の空中線制御装置の制
御方法はさらに、前記機体の位置情報を取得する測位工
程と、前記機体の傾きを検知し、姿勢検知情報を取得す
る姿勢検知工程と、受信局の位置を示す基地局位置情報
を設定する基地局情報入力工程と、前記位置情報、前記
姿勢検知情報、及び前記基地局位置情報に基づいて前記
機体に対する前記受信局の方位を算出する工程と、前記
パラボラアンテナを前記受信局へ指向するよう制御する
工程と、を含むことを特徴とする。
【0017】また、本発明の第3の空中線制御装置の制
御方法はさらに、前記機体に無指向性アンテナを有する
とともに、前記アンテナ切替手段は前記無指向性アンテ
ナをも選択可能として、前記位置情報と前記基地局位置
情報から前記機体と前記基地局との距離を距離情報とし
て算出する距離算出工程と、前記距離情報が所定の距離
以内であるとき前記無指向性アンテナを選択するよう前
記アンテナ切替手段を制御する工程と、を含むことを特
徴とする。
【0018】さらに、本発明の第4の空中線制御装置の
制御方法は、飛行体の機体に設置した複数のパラボラア
ンテナの指向特性、指向方位を制御する空中線制御装置
の制御方法において、前記機体の位置情報を取得する測
位工程と、前記機体の傾きを検知し、姿勢検知情報を取
得する姿勢検知工程と、受信局の位置を示す基地局位置
情報を設定する基地局情報入力工程と、前記機体の備え
る操縦装置から操縦操作情報、機体の速度情報を含む操
縦情報を取得する操縦情報取得工程と、前記位置情報、
前記姿勢検知情報、及び前記基地局位置情報に基づいて
前記機体に対する前記受信局の方位を算出する受信局方
位算出工程工程と、前記機体における前記複数のパラボ
ラアンテナの設置位置に基づいて前記受信局との通信に
適したアンテナを選択するよう前記アンテナ切替手段を
制御するアンテナ選択工程と、前記機体の飛行運動を予
測する姿勢変位量予測工程と、前記姿勢変位量予測工程
の予測に基づき、前記機体の方向変位速度が前記アンテ
ナ切替手段によって選択されたアンテナの駆動装置の駆
動能力を超えると判断した場合に、前記選択されたアン
テナの駆動装置を制御すると共に、前記選択されたアン
テナの指向特性制御装置をも制御して前記パラボラアン
テナの指向特性を広角化する工程とを含むことを特徴と
する。
【0019】また、本発明の第5の空中線制御装置の制
御方法はさらに、前記機体に無指向性アンテナを有する
とともに、前記アンテナ切替手段は前記無指向性アンテ
ナをも選択可能として、前記位置情報と前記基地局位置
情報から前記機体と前記基地局との距離を距離情報とし
て算出する距離算出工程と、前記距離情報が所定の距離
以内であるとき前記無指向性アンテナを選択するよう前
記アンテナ切替手段を制御する工程と、を含むことを特
徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて、図面を参照して説明する。
【0021】図1は本発明の実施の形態による空中線制
御装置の構成図である。図1を参照すると、本発明の実
施の形態による空中線制御装置は中継ヘリの機体1に装
備され、第1のアンテナシステム11(第1のアンテナ
駆動装置6と、第1のアンテナ指向特性制御装置7とを
含む)と、第2のアンテナシステム12(第2のアンテ
ナ駆動装置6’と、第2のアンテナ指向特性制御装置
7’とを含む)と、第3のアンテナ13と、GPS測位
手段9と、アンテナ制御装置10とによって構成されて
いる。アンテナ制御装置10は、操縦装置8からもパイ
ロットの操縦操作、機体の飛行速度を含む情報を取得す
る。
【0022】図2は図1に示す本発明の空中線制御装置
を備えた中継ヘリ1と、放送局などに設置された無線装
置2との通信の様子を示す構成図である。図2(a)を
参照すると、中継ヘリ1は所謂ホバリング状態にあり、
アンテナシステム12を用いて、無線装置2と通信して
いる。図2(b)を参照すると、中継ヘリ1’はホバリ
ング状態から前進を開始するために、機体を前方に傾け
た状態で、アンテナシステム12を用いて無線装置2と
通信している。このとき、指向性アンテナであるアンテ
ナシステム11は、中継ヘリ1’自身の機体に遮られて
無線装置2を指向することができない。このように、無
線装置2に対する機体の姿勢と方向に応じて通信に使用
するアンテナを選択できるよう、中継ヘリ1’は、2つ
の指向性アンテナシステムを搭載している。そして、主
に機体の前方に無線装置2がある場合にはアンテナシス
テム12(12’)を使用し、無線装置2の位置が機体
の横方向、或いは後方となる場合にはアンテナシステム
11(11’)を使用して通信する。
【0023】図3は、2つある指向性アンテナのうち、
アンテナシステム11の具体的な構成を示す構成図であ
る。図3を参照すると、本発明の空中線制御装置のアン
テナシステム11は、中継ヘリの機体1に取りつけられ
たレドーム3と、アンテナ駆動装置6と、パラボラアン
テナを構成する反射鏡4と、一次放射器5と、一次放射
器5の位置を変化させるアンテナ指向特性制御装置7と
によって構成されている。アンテナ指向特性制御装置7
は、一次放射器5を反射鏡4の軸に沿って移動させるこ
とができるよう構成されている。これによって、一次放
射器5の位置を反射鏡4の焦点位置からずらすことが可
能である。
【0024】尚、アンテナ指向特性制御装置7はアンテ
ナ駆動装置6と共通のインターフェース手段(図5のア
ンテナ駆動装置6インターフェース手段109)によっ
て、アンテナ制御装置10に接続されている。
【0025】また、アンテナ駆動装置6は、パラボラア
ンテナを構成する反射鏡4と、一次放射器5とを、機体
1のAZ方向、EL方向に駆動する。
【0026】ここで、機体1の前方に取りつけられるア
ンテナシステム12の具体的構成の図示は省略するが、
アンテナシステム12は機体1の最前部に取りつけら
れ、アンテナ駆動装置6’によって駆動されるパラボラ
アンテナは機体前方方向を中心としてAZ、EL方向に
駆動可能に構成されている他は、アンテナシステム11
と同様である。アンテナシステム12の有するパラボラ
アンテナはアンテナ指向特性制御装置7’を有し、指向
特性を制御可能に構成されている。
【0027】図4は、図3のアンテナシステム11にお
いて、アンテナ指向特性制御装置7により一次放射器5
の位置を変化させた場合のアンテナビームと利得特性を
示す説明図である。
【0028】図4(a)を参照すると、一次放射器5が
反射鏡4の焦点位置(焦点距離a)にあるときのビーム
を示している。云うまでもなく反射波は軸方向に平行な
ビームとなって示されている。
【0029】図4(b)を参照すると、この場合の利得
曲線が示されている。図4(b)における最大利得をG
aと称し、Gaに対して3[dB]低い利得となる角度
(半値幅)をGa3と称する。
【0030】図4(c)を参照すると、一次放射器5は
反射鏡の焦点よりも反射鏡側に位置(一次放射器5と反
射鏡4との距離b<a)しており、このため反射波は軸
方向に拡散するビームとなって示されている。
【0031】図4(d)を参照すると、この場合の利得
曲線が示されている。この場合の利得曲線は、図4
(b)に比して、次のように異なっている。すなわち、
図4(d)の反射鏡の軸方向における最大利得Gbは、
図4(a)における最大利得Gaよりも小さい(Gb<
Ga)。しかしながら、図4(d)における半値幅Gb
3は、図4(b)の半値幅Ga3よりも広くなっている
(Gb3>Ga3)。このことから、一次放射器5を焦
点位置よりも反射鏡4側へ移動することによって、最大
利得は低下するものの、通信可能範囲が角度方向に広が
ることがわかる。
【0032】図5は、図1に示したアンテナ制御装置1
0の具体的構成を示す図である。図5を参照すると、ア
ンテナ制御装置10は、メモリデバイスなどによるプロ
グラム記録手段101と、プログラム記録手段101に
記録されたプログラムを読み込み、各種インターフェー
ス手段から取得した情報を処理して各種制御を行うマイ
クロプロセッサなどによる情報処理手段102と、中継
ヘリの機体1の水平、垂直方向の傾きから姿勢を検知す
る姿勢検知手段103と、姿勢検知手段からの情報を取
得する姿勢検知手段インターフェース手段104と、操
縦装置8からパイロットの操縦操作及び飛行速度を含む
情報を取得する操縦装置インターフェース105と、操
縦装置接続端子106と、GPS測位手段9から測位情
報を取得するGPS測位装置インターフェース手段10
7と、GPS測位手段接続端子108と、第1のアンテ
ナ駆動装置6を制御するアンテナ駆動装置6インターフ
ェース手段109と、アンテナ駆動装置6接続端子11
0と、第2のアンテナ駆動装置6’を制御するアンテナ
駆動装置6’インターフェース手段111と、アンテナ
駆動装置6’接続端子112と、アンテナ切替器を制御
するアンテナ切替器インターフェース手段113と、ア
ンテナ切替器接続端子114と、通信先となる基地局の
位置情報を入力するための基地局情報入力手段115と
によって構成されている。
【0033】次に、本発明の空中線制御装置の動作につ
いて、図1〜5に加え、図6、及び図7を参照して説明
する。
【0034】図6、及び図7は、アンテナ制御装置10
の情報処理手段102にて実行される制御プログラムの
手順を示す、フローチャートである。図6は、本発明の
空中線制御装置を備えた中継ヘリにおいて、基地局との
通信の開始に当たって基地局を捕捉する場合の基地局捕
捉制御手順を示し、図7は、図6の手順によって基地局
を捕捉した後、基地局との通信を維持、継続するための
基地局捕捉維持制御手順を示している。
【0035】図6のフローチャートを参照すると、本発
明の空中線制御装置を備えた中継ヘリのアンテナ制御装
置10は、基地局との通信の開始にあたり、GPS測位
手段接続端子108に接続されたGPS測位手段9から
の測位情報をGPS測位装置インターフェース手段10
7経由で取得し、機体1の現在位置を把握する(ステッ
プS101)。
【0036】次に姿勢検知手段103の検知した機体1
の傾きに関する情報を姿勢検知手段インターフェース手
段104経由で取得し、機体1の姿勢を把握する(ステ
ップS102)。
【0037】続いて、基地局情報入力手段115に設定
された基地局の位置情報を参照し、ステップS101で
得られた機体1の現在位置情報と、ステップS102で
得られた機体1の姿勢から、基地局の方位、及び距離を
算出する(ステップS103)。
【0038】次に、基地局の方位、及び距離に応じて通
信に使用するアンテナを判定する(ステップS10
9)。すなわち、ステップS103において算出された
基地局の方位が、機体1の概ね前方方向であればアンテ
ナシステム12を、機体1に対して横方向、乃至後方方
向であればアンテナシステム11を選択する。また、ス
テップS103において算出された基地局と機体1との
距離が、所定の距離以内の場合には、無指向性アンテナ
13を選択する。
【0039】続いて、ステップS109で判定したアン
テナを選択するよう、アンテナ切替器を制御する(ステ
ップS110)。
【0040】次に、ステップS103にて算出された基
地局の方位を指向させるようアンテナシステム11を駆
動するため、アンテナ駆動装置6を制御する(ステップ
S111)。
【0041】続いて、同様にステップS103にて算出
された基地局の方位を指向させるようアンテナシステム
12を駆動するため、アンテナ駆動装置6’を制御する
(ステップS112)。
【0042】ここで、上述の通り、アンテナシステム1
1、12はそれぞれ指向できる角度範囲に制限があるた
め、あらゆる方位を指向するよう駆動することは困難で
ある。しかしながら、ある時点では通信に使用すること
が困難なアンテナも、その後の姿勢変化に備えて指向方
位を制御しておくことは運用上有効である。
【0043】例えば、基地局捕捉制御を行う時点では基
地局が機体の後方方向にあり、アンテナシステム12で
は指向困難な状態であったとしても、その後、機体が旋
回して基地局が概ね前方方向となった場合、アンテナシ
ステム12を用いて通信すべき状況となる。このように
機体が旋回して基地局の方位が変化し、ある時点でアン
テナシステム12を使用すべきと判定された場合、その
時点からアンテナ駆動装置6’を制御しても、その時点
でアンテナが任意の方位を指向していた場合、基地局方
位を指向するまでには相当の駆動時間を必要とする。
【0044】一例として機体1の前方左40[度]方向
を指向しているアンテナを前方右40[度]方向へ指向
させる場合、上述の通り、現状のアンテナ駆動装置6’
の駆動能力はAZ方向で8[度/秒]程度であるから、
約10秒の駆動時間を要する。本発明ではアンテナを使
用する判定をしてから所要の方位を指向させるまでの駆
動時間を短縮するため、通信に使用しないアンテナにつ
いても所定の条件に従って指向方位を制御する。この場
合の具体的方位制御については、以下の図7に関する説
明の中で述べる。
【0045】図7のフローチャートを参照すると、本発
明のアンテナ制御装置10は、基地局を捕捉して通信を
開始した後は、以下に説明する手順の制御を繰返し、通
信を維持する。図7において、図6と同等の動作を行う
ステップには図6と同一の符号を付している。
【0046】まず、アンテナ制御装置10は、基地局捕
捉制御の手順と同様、機体1の現在位置を把握(ステッ
プS101)し、機体1の姿勢を把握(ステップS10
2)した後、基地局の方位を算出する(ステップS10
3)。
【0047】次に、操縦装置接続端子106に接続され
た操縦装置8からパイロットの操縦情報及び飛行速度情
報を操縦装置インターフェース105を経由して取得
(ステップS104)し、パイロットの操縦操作によっ
て機体1の姿勢が今後どう変位していくか、その変位の
速度、及び方向を予測する(ステップS105)。
【0048】パイロットの操縦操作による機体の飛行運
動の予測は、機体の重量、運動性能指標など、機体に固
有の情報と、飛行速度などの情報に基づき、所定のプロ
グラムによって算出される。この機体の飛行運動の予測
算出技術は古くからフライトシミュレータなどのソフト
ウェアに広く用いられ、よく知られているところである
ので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0049】続いて、ステップS105における変位予
測の結果に基づき、アンテナ駆動装置が追尾可能かどう
かを判定(ステップS106)し、追尾可能範囲内であ
ればアンテナの指向特性を正規化するようアンテナ指向
特性制御装置7を制御(ステップS107)し、追尾可
能範囲内でない場合は、変位速度に応じてアンテナの指
向特性を広角化するようアンテナ指向特性制御装置7を
制御(ステップS108)する。
【0050】次に、基地局捕捉制御の場合と同様、基地
局の方位、及び距離によって、通信に使用するアンテナ
を判定(ステップS109)し、判定したアンテナを選
択するよう、アンテナ切替器を制御する(ステップS1
10)。
【0051】続いて、ステップS103にて算出された
基地局の方位を指向させるようアンテナシステム11を
駆動するため、アンテナ駆動装置6を制御する(ステッ
プS111)し、同様にアンテナシステム12を駆動す
るため、アンテナ駆動装置6’を制御する(ステップS
112)。このとき、ステップS111では、アンテナ
制御装置10は、アンテナシステム11の現在の指向方
位の情報を、アンテナ駆動装置6インターフェース手段
109を経由して取得し、指向すべき方位角との差を算
出し、この差の量に基づいてアンテナ駆動装置6を制御
する。同様に、ステップS112では、アンテナシステ
ム12の現在の指向方位の情報を、アンテナ駆動装置
6’インターフェース手段111を経由して取得し、指
向すべき方位角との差を算出し、この差の量に基づいて
アンテナ駆動装置6’を制御する。
【0052】本発明のアンテナ制御装置10は、以上の
ステップS101からステップS112までの手順を繰
り返し実行することにより、基地局を捕捉維持し、通信
を継続する。尚、この制御手順の繰返し頻度を早くする
ことによって、所謂リアルタイム制御を提供することが
できる。
【0053】ここで、本発明の特徴とする機能につい
て、より具体的に説明する。
【0054】第1に、図6のステップS110のアンテ
ナ切替え器制御において、基地局との距離に基づき、指
向性アンテナであるアンテナシステム11及び12だけ
でなく、無指向性アンテナ13をも選択するよう構成し
ている点について説明する。
【0055】これは、基地局との距離が近い場合におい
て、パラボラアンテナを用いて通信しようとする場合に
生ずる、次のような問題に鑑みて採用した構成である。
すなわち、1として、基地局が近いためにパラボラアン
テナを用いて送信した場合の受信電界強度が高すぎ、送
信側で送信電力を減衰させる必要を生じ、中継ヘリ乗員
の手を煩わすこと、2として、基地局が近い場合は中継
ヘリが低速で飛行していても基地局方位の変位速度が高
くなるので、アンテナ駆動装置による追尾が困難となる
可能性が高く、パイロットが操縦において非常な注意を
強いられることである。これらのことから、基地局との
距離が所定以内の場合には、積極的に無指向性アンテナ
を選択することによって、近距離における中継ヘリの運
用性を高める効果を奏している。
【0056】第2に、図7のステップS101からステ
ップS105において、本発明のアンテナ制御装置10
は、GPS測位情報、姿勢検知情報、基地局方位情報に
加え、パイロットの操縦操作情報を取得して、その後の
機体の変位を予測し、この予測結果に基づいてステップ
S107以降において、アンテナ駆動装置を制御するよ
う構成している点について説明する。
【0057】ヘリコプターはパイロットの操縦操作に従
って飛行するが、機体はパイロットの操縦操作に相応の
応答時間(遅れ)を伴って反応する。例えば、中継ヘリ
が所定の速度で前方へ水平飛行しているときに、パイロ
ットが右旋回するよう操縦装置を操作した場合、機体は
操作に応じて徐々に右旋回運動を開始する。
【0058】本発明のアンテナ制御装置10は、この右
旋回運動による機体の方位の変位速度が、例えば、AZ
方向に8[度/秒]、EL方向に6[度/秒]程度以下
である場合は、アンテナ駆動装置による追尾は可能と判
断して、アンテナの指向特性は正規化させた状態のま
ま、機体の姿勢変化に応じて各アンテナ駆動装置を制御
し、基地局を捕捉維持する。しかしながら、ステップS
106において、予測される機体の変位速度がアンテナ
駆動装置による追尾可能範囲を超えると判断した場合、
ステップS108にて、まずアンテナ指向特性を広角化
するよう制御し、直ちにアンテナ駆動装置を制御して、
機体の姿勢が変化し始めるよりも先に、予測される指向
方位へ向けてアンテナ駆動装置を制御する。
【0059】すなわち、この場合はパイロットが操縦装
置を操作した直後の、まだ機体の姿勢が変化し始めるよ
りも前から、いわば「先回り」をしてアンテナを駆動
し、指向特性を広角化し、指向方位を制御するのであ
る。これによって、駆動開始時点ではアンテナの指向方
位は基地局から外れていくものの、アンテナの指向特性
を予め広角化させたことによって、アンテナの指向方位
を基地局方位からずらしても通信を維持することができ
る。従って、従来と同等の駆動能力のアンテナ駆動装置
を用いて、従来より急速な機体の姿勢変位に対しても、
通信を維持することができる効果を奏するのである。
【0060】第3に、図6、及び図7のステップS11
0からS112において、選択しなかった指向性アンテ
ナについても方位制御を実施している点について説明す
る。
【0061】本発明のアンテナ制御装置10は、機体の
変位予測に基づき、旋回飛行などによって使用するアン
テナが切替る可能性に応じて、通信に用いていないアン
テナについても方位を制御し、使用するアンテナを必要
に応じて瞬時に切替え可能とするよう構成している。
【0062】例えばいま、機体1の前方から右方向12
0[度]の方位に基地局があり、アンテナシステム11
を用いて通信しているものとする。このとき、ステップ
S105で予測する姿勢変位量がゼロである場合、アン
テナシステム12のアンテナ駆動装置6’に対しては、
機体の前方方向を指向するよう制御する。ここで、説明
のためアンテナシステム12のパラボラアンテナは、機
体前方を中心に、AZ方向左右各60[度]まで指向可
能なものとする。
【0063】その後のステップS105の予測によっ
て、機体が右旋回して行くものと判断された場合には、
アンテナ制御装置10は、アンテナシステム12を右方
向60[度]に指向させるよう制御し、機体1がさらに
旋回して、基地局の方位が前方右60[度]以内の範囲
に入った場合に、瞬時にアンテナシステム12への切替
えが可能となるよう準備する。
【0064】一方、アンテナシステム12のパラボラア
ンテナが機体前方を指向している状態で、ステップS1
05の予測によって、機体が左旋回して行くものと判断
された場合には、アンテナ制御装置10は、アンテナシ
ステム12を左方向60[度]に指向させるよう制御
し、機体1がさらに旋回して、基地局の方位が前方左6
0[度]以内の範囲に入った場合に、瞬時にアンテナシ
ステム12への切替えが可能となるよう準備する。
【0065】アンテナシステム11の制御についても同
様、アンテナシステム12を使用して通信している期間
も、指向可能な範囲でつねに基地局の方位に最も近い方
位を指向するよう制御することによって、アンテナシス
テム12からの瞬時の切替えに対応可能としている。
【0066】ところで、図7のフローチャートでは説明
の簡単のため、ステップS106の判定の結果、姿勢変
位量の予測値がアンテナ追尾可能な範囲であればアンテ
ナ指向特性を正規化するよう制御する(ステップS10
7)ものとして表記したが、この正規化制御については
さらに考慮すべき条件がある。すなわち、パイロットの
操縦による姿勢変位量は常に一定ではないため、図7の
手順による制御を繰返す中で、あるとき(一例として、
パイロットが急な旋回操作をした場合)姿勢変位量の予
測値はアンテナ駆動装置の追尾可能範囲を超え、空中線
制御装置はアンテナの指向特性を広角化(ステップS1
08)してアンテナ駆動装置に起動をかける(ステップ
S111乃至112)。これによりアンテナの指向方位
は基地局方位から直ちに外れていく。続いてパイロット
が旋回などの変位量が小さくなるよう操縦操作した場合
には、アンテナの指向方位は基地局から外れた状態で、
姿勢変位量予測(ステップS105)の結果は追尾可能
範囲に入ってしまうことがある。しかしながらこの場
合、ステップS106の判定は「Y」となるので、ステ
ップS107にてアンテナ指向特性を正規化してしまう
こととなる。云うまでもなくこのときはアンテナは基地
局を指向していないから、単純に指向特性を正規化する
と、通信を維持できなくなってしまう。この説明によっ
て理解されるように、一度アンテナ駆動装置の追尾可能
範囲を超える姿勢変位量予測がなされ、アンテナを広角
化制御して駆動装置を制御した場合においては、一連の
追尾動作の中で広角化制御の度合いを適宜調整すると共
に、追尾動作によってアンテナが正しく基地局方位を指
向したことを条件に、アンテナの指向特性を正規化する
よう構成することが必要である。
【0067】尚、以上の説明では、本発明の空中線制御
装置を中継用ヘリコプターに適用した場合について説明
してきたが、本発明の空中線制御装置は他の飛行体、す
なわち、所謂「防災ヘリ」や自衛隊の擁するヘリコプタ
ーなど、他の用途のヘリコプターの他、軽飛行機や垂直
離着陸機を含む航空機に適用しても同様の効果を奏する
ことは明らかである。
【0068】また、本発明では指向性アンテナを2基
と、無指向性アンテナ1基を有する構成に基づいて説明
したが、ヘリコプター以外の機体への適用において、指
向性アンテナが2基必須とならないことは明らかであ
る。この場合、指向性アンテナは1基とし、無指向性ア
ンテナと切替えて運用する構成としても良い。
【0069】さらに、飛行体に搭載する無線装置の送信
電力がそれほど高くなく、基地局との距離が近い状況に
おいて指向性アンテナを用いて通信しても問題無い場合
においては、無指向性アンテナを持たない構成とするこ
とも可能である。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の空中線制
御装置に拠れば、第1に、通信距離に応じて通信に使用
するアンテナを切替え、近距離の場合においては積極的
に無指向性アンテナを選択するよう構成したので、近距
離の中継運用において、中継スタッフによる送信電力の
減衰調整作業を不要とすることができ、運用性の高い空
中線制御装置を提供できる効果がある。
【0071】第2に、パイロットの操縦操作の情報を取
得して機体の姿勢変位を予測し、予測される変位速度が
アンテナ駆動装置の追尾可能範囲を超えると判断した場
合には、機体の姿勢変化に先立ってアンテナの指向特性
を制御するとともに、予測される変位方向に向けてアン
テナ駆動装置を起動するよう構成したので、機体の変位
速度が追尾可能速度を超える場合においても、ある程度
以内であれば通信を維持することができ、操縦面の制限
を緩和し、パイロットの負担を大幅に軽減可能な空中線
制御装置を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による空中線制御装置の構
成図である。
【図2】本発明の実施の形態による空中線制御装置を備
えた中継ヘリ1と、放送局などに設置された無線装置2
との通信の様子を示す構成図である。
【図3】本発明の実施の形態による空中線制御装置のア
ンテナシステム11の構成を示す構成図である。
【図4】本発明の実施の形態のアンテナ指向特性制御装
置7により一次放射器5の位置を変化させた場合のアン
テナビームと利得特性を示す説明図である。
【図5】本発明のアンテナ制御装置10の構成を示す構
成図である。
【図6】本発明のアンテナ制御装置10の基地局捕捉制
御時の制御手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明のアンテナ制御装置10の基地局捕捉維
持制御における制御手順を示すフローチャートである。
【図8】従来の技術の中継ヘリによる中継伝送の一例を
示す構成図である。
【符号の説明】
1 機体 2 無線装置(基地局) 3 レドーム 4 反射鏡 5 一次放射器 6 アンテナ駆動装置 7 アンテナ指向特性制御装置 8 操縦装置 9 GPS測位手段 10 アンテナ制御装置 11 第1のアンテナシステム 12 第2のアンテナシステム 13 無指向性アンテナ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01Q 19/12 H01Q 19/12 H04B 7/26 H04B 7/26 B (56)参考文献 特開 平2−130707(JP,A) 特開 昭63−296502(JP,A) 特開2000−31730(JP,A) 特開 昭61−73402(JP,A) 特開 平5−3447(JP,A) 実開 昭61−72908(JP,U) 実開 平3−38907(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01Q 3/08 B64D 47/00 H01Q 1/28 H01Q 3/18 H01Q 3/24 H01Q 19/12 H04B 7/26

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】飛行体の機体に設置したパラボラアンテナ
    の指向特性、指向方位を制御する空中線制御装置におい
    て、前記パラボラアンテナの指向特性を制御するアンテ
    ナ指向特性制御装置と、前記パラボラアンテナの指向方
    向を制御するアンテナ駆動装置と、前記機体の備える操
    縦装置から操縦操作情報、機体の速度情報を含む操縦情
    報を取得する操縦装置インターフェース手段と、前記操
    縦装置インターフェース手段により取得した前記操縦情
    報に基づいて前記機体の飛行運動を予測する情報処理手
    段と、を含み、前記情報処理手段は機体の飛行運動を予
    測し、機体の方向変位速度が前記アンテナ駆動装置の駆
    動能力を超えると判断した場合に、前記アンテナ駆動装
    置を制御すると共に、前記アンテナ指向特性制御装置を
    も制御して前記パラボラアンテナの指向特性を広角化す
    る、ことを特徴とする空中線制御装置。
  2. 【請求項2】前記空中線制御装置はさらに、前記機体の
    位置情報を取得する測位手段と、前記機体の傾きを検知
    し、姿勢検知情報を取得する姿勢検知手段と、受信局の
    位置を示す基地局位置情報を設定する基地局情報入力手
    段と、を含み、前記情報処理手段はさらに前記位置情
    報、前記姿勢検知情報、及び前記基地局位置情報に基づ
    いて前記機体に対する前記受信局の方位を算出し、前記
    パラボラアンテナを前記受信局へ指向するよう制御す
    る、ことを特徴とする、請求項1に記載の空中線制御装
    置。
  3. 【請求項3】前記空中線制御装置はさらに、前記機体に
    設置する無指向性アンテナと、アンテナ切替手段と、を
    含み、前記情報処理手段はさらに前記位置情報と前記基
    地局位置情報から前記機体と前記基地局との距離を距離
    情報として算出し、前記距離情報が所定の距離以内であ
    るとき前記無指向性アンテナを選択するよう前記アンテ
    ナ切替手段を制御する、ことを特徴とする、請求項2に
    記載の空中線制御装置。
  4. 【請求項4】飛行体の機体に設置した複数のパラボラア
    ンテナの指向特性、指向方位を制御する空中線制御装置
    において、前記複数のパラボラアンテナの指向特性を制
    御する、複数のアンテナ指向特性制御装置と、前記複数
    のパラボラアンテナの指向方向を制御する、複数のアン
    テナ駆動装置と、アンテナ切替手段と、前記機体の位置
    情報を取得する測位手段と、前記機体の傾きを検知し、
    姿勢検知情報を取得する姿勢検知手段と、受信局の位置
    を示す基地局位置情報を設定する基地局情報入力手段
    と、前記機体の備える操縦装置から操縦操作情報、機体
    の速度情報を含む操縦情報を取得する操縦装置インター
    フェース手段と、前記位置情報、前記姿勢検知情報、及
    び前記基地局位置情報に基づいて前記機体に対する前記
    受信局の方位を算出し、前記機体における前記複数のパ
    ラボラアンテナの設置位置に基づいて前記受信局との通
    信に適したアンテナを選択するよう前記アンテナ切替手
    段を制御し、前記複数のパラボラアンテナを前記基地局
    へ指向するよう前記アンテナ駆動装置を制御する情報処
    理手段と、を含み、前記情報処理手段はさらに機体の飛
    行運動を予測し、機体の方向変位速度が前記アンテナ切
    替手段によって選択されたアンテナの駆動装置の駆動能
    力を超えると判断した場合に、前記選択されたアンテナ
    の駆動装置を制御すると共に、前記選択されたアンテナ
    の指向特性制御装置をも制御して前記パラボラアンテナ
    の指向特性を広角化する、ことを特徴とする空中線制御
    装置。
  5. 【請求項5】前記空中線制御装置はさらに、前記機体に
    設置する無指向性アンテナと、を含み、前記アンテナ切
    替手段は前記複数のパラボラアンテナに加え前記無指向
    性アンテナをも選択可能に構成して、前記情報処理手段
    はさらに前記位置情報と前記基地局位置情報から前記機
    体と前記基地局との距離を距離情報として算出し、前記
    距離情報が所定の距離以内であるとき前記無指向性アン
    テナを選択するよう前記アンテナ切替手段を制御する、
    ことを特徴とする、請求項4に記載の空中線制御装置。
  6. 【請求項6】飛行体の機体に設置したパラボラアンテナ
    の指向特性、指向方位を制御する空中線制御装置の制御
    方法において、前記機体の備える操縦装置から操縦操作
    情報、機体の速度情報を含む操縦情報を取得する操縦情
    報取得工程と、前記操縦情報に基づいて前記機体の飛行
    運動を予測する姿勢変位量予測工程と、前記姿勢変位量
    予測工程において算出された姿勢変位量がパラボラアン
    テナの追尾駆動能力を超えるか否かを判定する判定工程
    と、を含み、前記判定工程にてパラボラアンテナの追尾
    駆動能力を超えると判定された場合、前記パラボラアン
    テナの指向方位を制御すると共に、前記パラボラアンテ
    ナの指向特性を広角化するよう制御する、ことを特徴と
    する空中線制御装置の制御方法。
  7. 【請求項7】前記空中線制御装置の制御方法はさらに、
    前記機体の位置情報を取得する測位工程と、前記機体の
    傾きを検知し、姿勢検知情報を取得する姿勢検知工程
    と、受信局の位置を示す基地局位置情報を設定する基地
    局情報入力工程と、前記位置情報、前記姿勢検知情報、
    及び前記基地局位置情報に基づいて前記機体に対する前
    記受信局の方位を算出する基地局方位算出工程と、前記
    パラボラアンテナを前記受信局へ指向するよう制御する
    方位制御工程と、を含むことを特徴とする、請求項6に
    記載の空中線制御装置の制御方法。
  8. 【請求項8】前記機体に無指向性アンテナを有するとと
    もに、前記アンテナ切替手段は前記無指向性アンテナを
    も選択可能として、前記空中線制御装置の制御方法はさ
    らに、前記位置情報と前記基地局位置情報から前記機体
    と前記基地局との距離を距離情報として算出する距離算
    出工程と、前記距離情報が所定の距離以内であるとき前
    記無指向性アンテナを選択するよう前記アンテナ切替手
    段を制御するアンテナ選択工程と、を含むことを特徴と
    する、請求項7に記載の空中線制御装置の制御方法。
  9. 【請求項9】飛行体の機体に設置した複数のパラボラア
    ンテナの指向特性、指向方位を制御する空中線制御装置
    の制御方法において、前記機体の位置情報を取得する測
    位工程と、前記機体の傾きを検知し、姿勢検知情報を取
    得する姿勢検知工程と、受信局の位置を示す基地局位置
    情報を設定する基地局情報入力工程と、前記機体の備え
    る操縦装置から操縦操作情報、機体の速度情報を含む操
    縦情報を取得する操縦情報取得工程と、前記位置情報、
    前記姿勢検知情報、及び前記基地局位置情報に基づいて
    前記機体に対する前記受信局の方位を算出する受信局方
    位算出工程と、前記機体における前記複数のパラボラア
    ンテナの設置位置に基づいて前記受信局との通信に適し
    たアンテナを選択するよう前記アンテナ切替手段を制御
    するアンテナ選択工程と、前記操縦情報に基づいて前記
    機体の飛行運動を予測する姿勢変位量予測工程と、前記
    姿勢変位量予測工程の予測に基づき、前記機体の方向変
    位速度が前記アンテナ切替手段によって選択されたアン
    テナの駆動装置の駆動能力を超えると判断した場合に、
    少なくとも前記選択されたアンテナの駆動装置を制御す
    ると共に、少なくとも前記選択されたアンテナの指向特
    性制御装置をも制御して前記パラボラアンテナの指向特
    性を広角化する工程と、を含むことを特徴とする空中線
    制御装置の制御方法。
  10. 【請求項10】前記機体に無指向性アンテナを有すると
    ともに、前記アンテナ切替手段は前記無指向性アンテナ
    をも選択可能として、前記空中線制御装置の制御方法は
    さらに、前記位置情報と前記基地局位置情報から前記機
    体と前記基地局との距離を距離情報として算出する距離
    算出工程と、前記距離情報が所定の距離以内であるとき
    前記無指向性アンテナを選択するよう前記アンテナ切替
    手段を制御するアンテナ選択工程と、を含むことを特徴
    とする、請求項9に記載の空中線制御装置の制御方法。
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