JP3508170B2 - トリアルコキシ(チエニルアルキル)シラン及びその製造法 - Google Patents

トリアルコキシ(チエニルアルキル)シラン及びその製造法

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JP3508170B2 JP19973193A JP19973193A JP3508170B2 JP 3508170 B2 JP3508170 B2 JP 3508170B2 JP 19973193 A JP19973193 A JP 19973193A JP 19973193 A JP19973193 A JP 19973193A JP 3508170 B2 JP3508170 B2 JP 3508170B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性高分子材料と無
機材料とのカップリング剤として作用するトリアルコキ
シ(チエニルアルキル)シランおよびその製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】重合可能な官能基とトリアルコキシシリ
ル基を有する化合物は、有機ポリマーとガラス等の無機
材料とのカップリング剤として作用し、先端複合材料の
開発において非常に重要な役割を果たしている。例え
ば、ビニルシラン類は、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、及び、ポリスチレン等の汎用樹脂の機械的な強度を
向上させるために用いられる。
【0003】このようなシランカップリング剤の一つと
して、導電性高分子モノマーとトリアルキルシリル基を
結合させた化合物をガラス、シリコンウエハー等の無機
材料表面に恒久的な導電層を形成するためのカップリン
グ剤として用いる研究が行われている。これまでに、白
金電極やn型シリコン電極表面をポリピロール膜で修飾
するためのN−(3−(トリメトキシシリル)プロピ
ル)ピロール(J. Am. Chem. Soc., 104, 2031-2034 (1
982))、ガラス基質上に導電層を形成するためのピロリ
ジル基含有シランカップリング剤(国際公開番号WO 92
/06100 号)等が報告されている。これらの化合物をシ
リコンウエハーやガラス基質上のOH基を利用して共有
結合させた後、ピロールと共重合させることによりポリ
ピロール膜を形成することができる。
【0004】しかし、これらの化合物と共重合させるピ
ロールは、その窒素原子以外の位置に置換基を導入する
ことが困難であるために報告されているポリピロール誘
導体の数が少ない。これまでに報告されているポリピロ
ール誘導体の例として、ピロール環の窒素原子の位置に
アルキル基を導入したポリ(N−アルキルピロール)(S
ynth.Met., 15, 49-58 (1986))やピロール環の3位にア
ルキル基を導入したポリ(3−アルキルピロール)(Ma
kromol.Chem.,Rapid Commun., 10, 103-108 (1989))等
を挙げることが出来るが、これらの化合物は無置換のポ
リピロールに比べて電気電導度が低いことや無置換のポ
リピロール同様に脱ドープ状態の安定性が低いこと等の
問題点を有している。
【0005】一方、窒素原子の代わりに硫黄原子を有す
る複素5員環であるチオフェンは3位に種々の官能基を
導入することが容易であり、そのようなチオフェン誘導
体を重合することにより、脱ドープ状態、ドープ状態共
に安定であるという無置換のポリチオフェンの性質を損
なうことなく有用な性質を付与したポリチオフェン誘導
体が得られることが報告されている。このようなポリチ
オフェン誘導体の例として、有機溶媒に溶解するだけで
はなく、ソルバトクロミズムやサーモクロミズム等の性
質を示すポリ(3−アルキルチオフェン)(Japanese J
ournal of Applied Physics, 27, L716-L718 (1988))や
外来のドーパントを必要としない自己ドープポリマー、
ポリ[2−(3−チエニル)エタンスルホン酸]及びポ
リ[4−(3−チエニル)ブタンスルホン酸](Synthet
ic Metals, 20, 151-159 (1987))等を挙げることができ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来知
られているシランカップリング剤により無機材料と複合
化できる導電性高分子はポリピロール誘導体に限定され
ており、該誘導体は種類が少ないために性質が限定さ
れ、シリコンやガラス等の無機材料の表面に導電性を付
与する目的以外には利用できないという欠点を有してい
た。従って、本発明の課題は有用な性質を有するチオフ
ェン誘導体と無機材料の複合化が可能なシランカップリ
ング剤を開発せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決すべく鋭意検討した結果、特定のチオフェン誘導体に
トリアルコキシシランを反応させることにより、チオフ
ェン誘導体に容易にトリアルコキシシリル基を導入でき
ることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本
発明は、一般式(I)
【化6】 (式中、R1 、R2 及びR3 は各々独立して水素原子ま
たは炭素数1乃至12のアルキル基または炭素数1乃至
12のアルコキシ基を表す。ただし、R1 とR3のいず
れか一方は必ず水素原子である。R4 、R5 及びR6
各々独立して水素原子または炭素数1乃至6のアルキル
基を表し、R7 、R8 及びR9 は各々独立して炭素数1
乃至6のアルキル基を表す。nは0乃至10の整数であ
る。)または一般式(II)
【化7】 (式中、R1 は水素原子を表し、R2 、R3 は各々独立
して水素原子または炭素数1乃至12のアルキル基また
は炭素数1乃至12のアルコキシ基を表す。R4、R5
及びR6 は各々独立して水素原子または炭素数1乃至6
のアルキル基を表し、R7 、R8 及びR9 は各々独立し
て炭素数1乃至6のアルキル基を表す。nは0乃至10
の整数である。)で示されるトリアルコキシ(チエニル
アルキル)シランを提供するものであり、また一般式(I
II)
【化8】 (式中、R1 、R2 及びR3 は各々独立して水素原子ま
たは炭素数1乃至12のアルキル基または炭素数1乃至
12のアルコキシ基を表す。ただし、R1 とR3のいず
れか一方は必ず水素原子である。R4 、R5 及びR6
各々独立して水素原子または炭素数1乃至6のアルキル
基を表し、nは0乃至10の整数である。)または一般
式(IV)
【化9】 (式中、R1 は水素原子を表し、R2 、R3 は各々独立
して水素原子または炭素数1乃至12のアルキル基また
は炭素数1乃至12のアルコキシ基を表す。R4、R5
及びR6 は各々独立して水素原子または炭素数1乃至6
のアルキル基を表し、nは0乃至10の整数である。)
で示されるチエニルアルケン誘導体と一般式(V)
【化10】 (式中、R7 、R8 及びR9 は各々独立して炭素数1乃
至6のアルキル基を表す。)で示されるトリアルコキシ
シランを反応させることを特徴とする前記トリアルコキ
シ(チエニルアルキル)シランの製造法を提供するもの
である。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
より提供されるトリアルコキシ(チエニルアルキル)シ
ランは、前記一般式(I) または一般式(II)で示される
が、好ましい化合物の例は、R1 、R2及びR3 が各々
独立して水素原子または炭素数1乃至6のアルキル基、
4 、R5 及びR6 が水素原子、R7 、R8 及びR9
各々独立して炭素数1乃至4のアルキル基であり、nが
1乃至4の整数である化合物である。とりわけR7 、R
8及びR9 が同一のアルキル基であるものが特に好まし
い。
【0009】一般式(I) で示される本発明の化合物の特
に好ましい具体例として、トリメトキシ[3−(3−チ
エニル)プロピル]シラン、トリエトキシ[3−(3−
チエニル)プロピル]シラン、トリプロピルオキシ[3
−(3−チエニル)プロピル]シラン、トリブトキシ
[3−(3−チエニル)プロピル]シラン、トリエトキ
シ[3−(2−メチル−3−チエニル)プロピル]シラ
ン、トリエトキシ[3−(4−メチル−3−チエニル)
プロピル]シラン、トリエトキシ[3−(5−メチル−
3−チエニル)プロピル]シラン、トリエトキシ[3−
(4−エチル−3−チエニル)プロピル]シラン、トリ
エトキシ[3−(4−ブチル−3−チエニル)プロピ
ル]シラン、トリエトキシ[3−(4−ヘキシル−3−
チエニル)プロピル]シラン、トリメトキシ[4−(3
−チエニル)エチル]シラン、トリエトキシ[4−(3
−チエニル)エチル]シラン、トリメトキシ[4−(3
−チエニル)ブチル]シラン、トリエトキシ[4−(3
−チエニル)ブチル]シラン、トリメトキシ[5−(3
−チエニル)ペンチル]シラン、トリエトキシ[5−
(3−チエニル)ペンチル]シラン、トリメトキシ[6
−(3−チエニル)ヘキシル]シラン、トリエトキシ
[6−(3−チエニル)ヘキシル]シラン等を挙げるこ
とができる。
【0010】一般式(II)で示される本発明の化合物の特
に好ましい具体例として、トリメトキシ[3−(2−チ
エニル)プロピル]シラン、トリエトキシ[3−(2−
チエニル)プロピル]シラン、トリプロピルオキシ[3
−(2−チエニル)プロピル]シラン、トリブトキシ
[3−(2−チエニル)プロピル]シラン、トリエトキ
シ[3−(3−メチル−2−チエニル)プロピル]シラ
ン、トリエトキシ[3−(4−メチル−2−チエニル)
プロピル]シラン、トリエトキシ[3−(3−エチル−
2−チエニル)プロピル]シラン、トリエトキシ[3−
(3−ブチル−2−チエニル)プロピル]シラン、トリ
エトキシ[3−(3−ヘキシル−2−チエニル)プロピ
ル]シラン、トリメトキシ[4−(2−チエニル)エチ
ル]シラン、トリエトキシ[4−(2−チエニル)エチ
ル]シラン、トリメトキシ[4−(2−チエニル)ブチ
ル]シラン、トリエトキシ[4−(2−チエニル)ブチ
ル]シラン、トリメトキシ[5−(2−チエニル)ペン
チル]シラン、トリエトキシ[5−(2−チエニル)ペ
ンチル]シラン、トリメトキシ[6−(2−チエニル)
ヘキシル]シラン、トリエトキシ[6−(2−チエニ
ル)ヘキシル]シラン等を挙げることができる。
【0011】一般式(I) で示される本発明の化合物の原
料である、一般式(III) で示されるチエニルアルケン誘
導体の具体例としては、3−(3−チエニル)−1−プ
ロペン、3−(2−メチル−3−チエニル)−1−プロ
ペン、3−(4−メチル−3−チエニル)−1−プロペ
ン、3−(5−メチル−3−チエニル)−1−プロペ
ン、3−(4−エチル−3−チエニル)−1−プロペ
ン、3−(4−ブチル−3−チエニル)−1−プロペ
ン、3−(4−ヘキシル−3−チエニル)−1−プロペ
ン、4−(3−チエニル)−1−ブテン、5−(3−チ
エニル)−1−ペンテン、6−(3−チエニル)−1−
ヘキセン等を挙げることができる。
【0012】一般式(II)で示される本発明の化合物の原
料である、一般式(IV)で示されるチエニルアルケン誘導
体の具体例としては、3−(2−チエニル)−1−プロ
ペン、3−(3−メチル−2−チエニル)−1−プロペ
ン、3−(4−メチル−2−チエニル)−1−プロペ
ン、3−(3−エチル−2−チエニル)−1−プロペ
ン、3−(3−ブチル−2−チエニル)−1−プロペ
ン、3−(3−ヘキシル−2−チエニル)−1−プロペ
ン、4−(2−チエニル)−1−ブテン、5−(2−チ
エニル)−1−ペンテン、6−(2−チエニル)−1−
ヘキセン等を挙げることができる。
【0013】これらのチエニルアルケン誘導体は、例え
ば、3−ブロモチオフェン誘導体または2−ブロモチオ
フェン誘導体にn−ブチルリチウムを反応させた後、対
応するω−ブロモ−1−アルケンを反応させることによ
り製造できる。
【0014】前記のチエニルアルケン誘導体群の中から
選ばれる少なくとも1種に、窒素またはアルゴン等の不
活性気体雰囲気中、遷移金属錯体系触媒の存在下に一般
式(V) で示されるトリアルコキシシランを反応させるこ
とにより、それぞれ対応するトリアルコキシ(チエニル
アルキル)シランが得られる。
【0015】一般式(V) で示されるトリアルコキシシラ
ンの好ましい具体例としては、トリメトキシシラン、ト
リエトキシシラン、トリプロピルオキシシラン、トリイ
ソプロピルオキシシラン、トリブトキシシラン、トリイ
ソブトキシシラン等を挙げることができる。
【0016】反応に使用するトリアルコキシシランの量
は、通常チエニルアルケン誘導体に対して等モル以上の
量を用いるが、好ましくは1.5 〜5倍モル量を用いる。
この反応の触媒として用いられる遷移金属錯体の例とし
ては、塩化白金酸や塩化ビス(トリフェニルホスフィ
ン)白金等の白金触媒、テトラキス(トリフェニルホス
フィン)パラジウム、塩化ビス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム、酢酸パラジウム、塩化[1,1’−ビ
ス(ジフェニルホスフィン)フェロセン]パラジウム等
のパラジウム触媒、コバルトカルボニルやシクロペンタ
ジエニルコバルトジカルボニル等のコバルト触媒、塩化
トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等のロジウ
ム触媒、二塩化トリス(トリフェニルホスフィン)ルテ
ニウム等のルテニウム触媒、四酸化オスミウム等のオス
ミウム触媒、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッ
ケル、ビス(アセチルアセトナト)ニッケルやジクロロ
[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニ
ッケル等のニッケル触媒等を挙げることができる。これ
らの遷移金属錯体触媒のなかでは、白金触媒が好まし
い。
【0017】反応に使用する遷移金属錯体系触媒の量
は、チエニルアルケン誘導体に対して通常等モル量〜1
×10-4倍モル量、好ましくは1×10-1〜1×10-2
倍モル量を用いる。
【0018】前記反応は、通常有機溶媒中で行われ、有
機溶媒としては、例えばアセトニトリル、プロピオニト
リル、ブチロニトリル等のニトリル類、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、
酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエス
テル類、その他の非水系溶媒等を挙げることが出来る。
これらの中では、アセトニトリル等のニトリル類が好ま
しい。これらの有機溶媒は、あらかじめ窒素またはアル
ゴン等の不活性気体雰囲気下で蒸留したものを用いるこ
とが望ましい。
【0019】反応温度および時間については、用いる溶
媒によって異なり、一概に決められないが、例えば、溶
媒としてアセトニトリルを用いた場合、通常10〜82
℃、好ましくは30〜70℃の温度で、1〜48時間、
好ましくは2〜12時間反応させる。
【0020】反応終了後、溶媒および未反応のトリアル
コキシシランを例えばロータリーエバポレーター等の手
段を用いて留去し、残渣からあるいは必要に応じてエー
テル等を加えて撹拌した混合物から濾過により触媒等の
沈澱物を除き、濾液を減圧蒸留することによりトリアル
コキシ(チエニルアルキル)シランを得る。
【0021】このようにして、チエニルアルケン誘導体
とトリアルコキシシランを反応させることにより、ほと
んど副反応を起こすことなく、トリアルコキシ(チエニ
ルアルキル)シランを高収率かつ高選択率で製造するこ
とができる。
【0022】本発明により得られる前記一般式(I) で表
される化合物は、チエニル基を有するため、種々のチオ
フェン誘導体と共重合することが容易である。そのた
め、エレクトロクロミズムやサーモクロミズムを示すポ
リ(3−アルキルチオフェン)(Japanese Journal of
Applied Physics, 27, L716-L718 (1988))や外来のドー
パントを必要としない自己ドープポリマー、ポリ[2−
(3−チエニル)エタンスルホン酸]およびポリ[4−
(3−チエニル)ブタンスルホン酸](Synthetic Meta
ls, 20, 151-159 (1987))等の有用な性質を有するポリ
チオフェン誘導体と共重合することが可能である。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、これらの実施例により本発明が限定されるもの
でない。 実施例1 500mlの4ツ口フラスコに温度計、滴下漏斗および
冷却器をつけ、容器内を窒素置換した。これに10.0gの
3−(3−チエニル)−1−プロペン(0.081モル)と
0.73gのヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物(0.0014モ
ル)を入れ、300mlのアセトニトリルを加えて溶解
した。この溶液を撹拌しながら、36.0gのトリエトキシ
シラン(0.22モル)を滴下漏斗を通して添加した。添加
後、反応液の温度を50℃に上げ、4時間反応させた。
反応終了後減圧下で溶媒と未反応のトリエトキシシラン
を留去し、残渣から濾過により不溶物を除き、濾液を減
圧蒸留して12.5gのトリエトキシ[3−(3−チエニ
ル)プロピル]シランを得た。 (bp.115 ℃/3 mmHg 精製収率55%)1 H NMR(CDCl3 ):0.67(2H,m)、1.23
(9H,t)、1.75(2H,m)、2.66(2H,m)、3.81
(6H,q)、6.93(2H,m)、7.22(1H,m)13 C NMR(CDCl3 ):10.2、18.3、24.0、33.
5、58.4、120.4 、125.1 、128.3 、142.7
【0024】実施例2 実施例1において、3−(3−チエニル)−1−プロペ
ンの代わりに3−(2−チエニル)−1−プロペンを用
いた以外は実施例1と同様にして、10.5gのトリエトキ
シ[3−(2−チエニル)プロピル]シランを得た。 (bp.115 ℃/3mmHg 精製収率45%)1 H NMR(CDCl3 ):0.67(2H,m)、1.23
(9H,t)、1.75(2H,m)、2.78(2H,m)、3.80
(6H,q)、6.88(1H,m)、6.98(1H,m)、7.18
(1H,m)13 C NMR(CDCl3 ):10.2、18.3、24.2、32.
5、58.5、122.8 、124.1 、126.6 、145.3
【0025】実施例3 200mlの4ツ口フラスコに温度計、滴下漏斗および
冷却器をつけ、容器内を窒素置換した。これに3.0 gの
6−(3−チエニル)−1−ヘキセン(0.018モル)と
0.30gのヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物(0.00058
モル)を入れ、100mlのアセトニトリルを加えて溶
解した。この溶液を撹拌しながら、11.0gのトリメトキ
シシラン(0.090 モル)を滴下漏斗を通して添加した。
添加後、反応液の温度を70℃に上げ、10時間反応さ
せた。反応終了後減圧下、溶媒と未反応のトリメトキシ
シランを留去した後、残渣に少量のジエチルエーテルを
加えて撹拌し、濾過により不溶物を除いて、1.5 gのト
リメトキシ[6−(3−チエニル)ヘキシル]シランを
得た。 (bp.145-150 ℃/1mmHg 精製収率30%)1 H NMR(CDCl3 ):0.68(2H,m)、1.1-1.7
(8H,m)、2.65(2H,m)、3.50(9H,s)、6.93
(2H,m)、7.22(1H,m)13 C NMR(CDCl3 ):11.8、24.0、29.5、30.
6、32.0、33.5、50.5、119.8 、125.0 、128.3 、143.2
【0026】実施例4 500mlの4ツ口フラスコに温度計、滴下漏斗および
冷却器をつけ、容器内を窒素置換した。これに10.0gの
3−(3−メチル−2−チエニル)−1−プロペン(0.
072 モル)と0.62gのヘキサクロロ白金(IV)酸六水和
物(0.0012モル)を入れ、300mlのアセトニトリル
を加えて溶解した。この溶液を撹拌しながら、33.0gの
トリエトキシシラン(0.20モル)を滴下漏斗を通して添
加した。添加後、反応液の温度を50℃に上げ、4時間
反応させた。反応終了後減圧下で溶媒と未反応のトリエ
トキシシランを留去し、残渣に少量のジエチルエーテル
を加えて撹拌し、濾過により不溶物を除いた後、濾液を
減圧蒸留して12.0gのトリエトキシ[3−(3−メチル
−2−チエニル)プロピル]シランを得た。 (bp.135-145 ℃/3 mmHg 精製収率55%)1 H NMR(CDCl3 ):0.67(2H,m)、1.23
(9H,t)、1.75(2H,m)、2.20(3H,s)、2.78
(2H,m)、3.80(6H,q)、6.75(1H,d)、6.85
(1H,d)13 C NMR(CDCl3 ):10.2、12.7、18.3、24.
2、32.5、58.5、123.3、129.2 、135.7 、136.6
【0027】実施例5 500mlの4ツ口フラスコに温度計、滴下漏斗および
冷却器をつけ、容器内を窒素置換した。これに10.0gの
3−(3−チエニル)−1−プロペン(0.081モル)と
0.73gのヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物(0.0014モ
ル)を入れ、300mlのアセトニトリルを加えて溶解
した。この溶液を撹拌しながら、45.0gのトリプロピル
オキシシラン(0.22モル)を滴下漏斗を通して添加し
た。添加後、反応液の温度を60℃に上げ、8時間反応
させた。反応終了後減圧下で溶媒と未反応のトリプロピ
ルオキシシランを留去し、残渣に少量のジエチルエーテ
ルを加えて撹拌し、濾過により不溶物を除いた後、濾液
を減圧蒸留して12.5gのトリプロピルオキシ[3−(3
−チエニル)プロピル]シランを得た。 (bp.140-150 ℃/2 mmHg 精製収率45%)1 H NMR(CDCl3 ):0.67(2H,m)、O.92
(9H,t)、1.57(6H,m)、1.75(2H,m)、2.66
(2H,m)、3.75(6H,t)、6.93(2H,m)、7.22
(1H,m)13 C NMR(CDCl3 ):10.2、10.3、24.0、25.
9、33.5、65.2、120.4、125.1 、128.3 、142.7
【0028】実施例6 100mlのビーカーに実施例1で合成したトリエトキ
シ[3−(3−チエニル)プロピル]シラン0.3 g
を入れ、47.5mlのエチルアルコールと2.5ml
の酢酸を加えて溶解した。この溶液にn−型シリコンウ
エハー(30mm×30mm×1mm :予め、フッ化水素酸で5秒
間表面をエッチングし、次いで10M水酸化ナトリウム
水溶液に60秒間浸漬した後、蒸留水およびアセトンで
洗浄したもの)を72時間浸漬し表面を修飾した。この
ようにして作成したn−型シリコンウエハーを陽極とし
て用い、0.01Mの3−ドデシルチオフェンを溶解した0.
1 Mテトラフルオロほう酸テトラエチルアンモニウム塩
/アセトニトリル溶液中において公知の方法で電解重合
することにより、シリコンウエハー表面を実質的にポリ
(3−ドデシルチオフェン)に近い3−ドデシルチオフ
ェンとトリエトキシ[3−(3−チエニル)プロピル]
シランの共重合体で被覆した。さらに、得られたシリコ
ンウエハーをメタノールに浸漬して表面の該共重合体を
脱ドープした。得られた該共重合体膜の色は25℃では
赤褐色であったが90℃以上に加熱すると黄褐色に変化
し、サーモクロミズムを示した。
【0029】実施例7 100mlのビーカーに実施例4で合成したトリエトキ
シ[3−(3−メチル−2−チエニル)プロピル]シラ
ン0.3 gを入れ、47.5mlのエチルアルコールと
2.5mlの酢酸を加えて溶解した。この溶液にn−型
シリコンウエハー(30mm×30mm×1mm :予め、フッ化水
素酸で5秒間表面をエッチングし、次いで10M水酸化
ナトリウム水溶液に60秒間浸漬した後、蒸留水および
アセトンで洗浄したもの)を72時間浸漬し表面を修飾
した。このようにして作成したn−型シリコンウエハー
を陽極として用い、0.01Mの3−ドデシルチオフェンを
溶解した0.1 Mテトラフルオロほう酸テトラエチルアン
モニウム塩/アセトニトリル溶液中において公知の方法
で電解重合することにより、シリコンウエハー表面を実
質的にポリ(3−ドデシルチオフェン)に近い3−ドデ
シルチオフェンとトリエトキシ[3−(3−メチル−2
−チエニル)プロピル]シランの共重合体で被覆した。
さらに、得られたシリコンウエハーをメタノールに浸漬
して表面の該共重合体を脱ドープした。得られた該共重
合体膜の色は25℃では赤褐色であったが90℃以上に
加熱すると黄褐色に変化し、サーモクロミズムを示し
た。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、チオフェン誘導体と共
重合することが容易なチエニル基を有するシランカップ
リング剤が提供されまた該剤を高収率かつ高選択率で製
造することができる。これにより、チオフェンの側鎖に
は様々な機能を有する官能基を導入することが容易であ
るので、ガラスやシリコン電極等の無機材料表面に導電
層を形成できるのみならず、エレクトロクロミック層や
サーモクロミック層等の多様な機能を有する薄膜の形成
が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−92971(JP,A) J.Am.Chem.Soc., 1982,Vol.104,No.7,P2031 −2034 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 7/18 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1 、R2 及びR3 は各々独立して水素原子ま
    たは炭素数1乃至12のアルキル基または炭素数1乃至
    12のアルコキシ基を表す。ただし、R1 とR3のいず
    れか一方は必ず水素原子である。R4 、R5 及びR6
    各々独立して水素原子または炭素数1乃至6のアルキル
    基を表し、R7 、R8 及びR9 は各々独立して炭素数1
    乃至6のアルキル基を表す。nは0乃至の整数であ
    る。)または一般式(II) 【化2】 (式中、R1 は水素原子を表し、R2 、R3 は各々独立
    して水素原子または炭素数1乃至12のアルキル基また
    は炭素数1乃至12のアルコキシ基を表す。R4、R5
    及びR6 は各々独立して水素原子または炭素数1乃至6
    のアルキル基を表し、R7 、R8 及びR9 は各々独立し
    て炭素数1乃至6のアルキル基を表す。nは0乃至10
    の整数である。)で示されるトリアルコキシ(チエニル
    アルキル)シラン。
  2. 【請求項2】 一般式(III) 【化3】 (式中、R1 、R2 及びR3 は各々独立して水素原子ま
    たは炭素数1乃至12のアルキル基または炭素数1乃至
    12のアルコキシ基を表す。ただし、R1 とR3のいず
    れか一方は必ず水素原子である。R4 、R5 及びR6
    各々独立して水素原子または炭素数1乃至6のアルキル
    基を表し、nは0乃至の整数である。)または一般式
    (IV) 【化4】 (式中、R1 は水素原子を表し、R2 、R3 は各々独立
    して水素原子または炭素数1乃至12のアルキル基また
    は炭素数1乃至12のアルコキシ基を表す。R4、R5
    及びR6 は各々独立して水素原子または炭素数1乃至6
    のアルキル基を表し、nは0乃至10の整数である。)
    で示されるチエニルアルケン誘導体と一般式(V) 【化5】 (式中、R7 、R8 及びR9 は各々独立して炭素数1乃
    至6のアルキル基を表す。)で示されるトリアルコキシ
    シランを反応させることを特徴とする請求項1に記載の
    トリアルコキシ(チエニルアルキル)シランの製造法。
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