JP3507877B2 - コーティング装置 - Google Patents

コーティング装置

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JP3507877B2
JP3507877B2 JP07349398A JP7349398A JP3507877B2 JP 3507877 B2 JP3507877 B2 JP 3507877B2 JP 07349398 A JP07349398 A JP 07349398A JP 7349398 A JP7349398 A JP 7349398A JP 3507877 B2 JP3507877 B2 JP 3507877B2
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和治 岡崎
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塗液ダムを備えたダ
イヘッドとベースロールとの間にウエブを通して塗工を
行うコーティング装置に関する。ダイヘッドには、塗膜
厚みを規定し、同時に塗膜を平滑化する計量リップが設
けてあり、この計量リップでダム内の塗液をせき止めて
いる。
【0002】
【従来の技術】この種のコーティング装置は、特公平5
−60991号公報および特公平6−223号公報に公
知である。そこでは、ダイヘッドの上部のダム内に塗液
を常時充満させて、ダム内圧を大気圧より高い基準圧に
維持して塗工を行っている。ダイヘッドには、ダム内圧
を検知する圧力計が設けてあり、塗液の消費に伴いダム
内圧が変動するのに対応してポンプの送給圧を増減し、
以てウエブ送給方向の塗膜厚みがばらつくのを防止する
ものとなっている。
【0003】この種のコーティング装置では、基本的に
ベースロールと計量リップとの間の間隙値によってウエ
ブに対する塗膜厚み(塗工量)を規定している。そのた
め、ダム内の塗液を加圧した状態で塗工を行うと、先の
間隙値で規定された量を越える塗液がウエブに塗布され
ることになり、間隙値の設定や補正が難しくなる。多く
の場合、ダム内で消費される塗液の補充は定量ポンプで
行うが、ポンプによる塗液送給量の僅かなばらつきによ
るダム内圧の変動を避けられず、この点でも塗布むらを
生じる余地がある。ウエブ送給速度の変動等の、ポンプ
以外の機器変動による瞬間的な塗工条件の変動も無視で
きない。
【0004】上記のようなダム内の圧力変動による塗布
むらを避けるために、先の従来装置では圧力計でダム内
圧を検出し、この検出信号に基づいてポンプの送給量を
制御しているが、それでも塗布むらを十分に解消できな
い。その最大の原因は、圧力変動が検出されてから、ダ
ム内圧を適正状態へ補正するまでのタイムラグにあり、
タイムラグの分だけ塗布むらを避けられない。塗液が非
圧縮性であるうえ、ダム内の基準圧が比較的低く変動値
自体がごく小さいため、塗液の僅かな圧力変動を圧力計
で適確に検知できないことも、圧力制御を難しくしてい
る。
【0005】先の従来装置を発展改良型として、塗液ダ
ムの圧力制御に加えて、計量リップとベースロールとの
間の隙間を制御するコーティング装置が提案されている
(特開平7−313917号公報)。そこではダイヘッ
ド全体をモータ動力で上下調整して計量リップとベース
ロールとの間の間隙値を補正し、ダム内圧を適正範囲内
に維持する。しかし、この場合には、ダイヘッドの上下
調整によって計量リップとベースロールとの間の間隙値
が変化し、その結果ウエブに対する塗膜厚みが変動する
ので、塗膜厚みのばらつきを解消できない。
【0006】以上のように、ダム内圧を制御して塗工量
を正確に計量することには数々の困難がある。そこで本
出願人は、塗液ダムの液位を制御対象として、塗液の消
費度合に応じてダム内の液位を常に適正範囲に維持でき
るようにしたコーティング装置を先に提案した(特願平
8−320781号)。具体的には、塗液ダム内に液位
を検知するレベルセンサーを設け、ダム内の液位が予め
設定された上限液位あるいは下限液位に達したときのレ
ベルセンサーからの検知信号に基づいて塗液ポンプの運
転状態を制御し、塗液送給量を増減することにより、塗
液ダム内の液位を適正化している。このとき、ダム内部
の上限液位の上方には気相部が残るようになっているの
で、無圧状態で塗工を行える。その結果、塗液ポンプの
送給量のばらつきや、塗液ダム内の圧力変動等の影響を
全く受けることなく、計量リップとベースロールとの間
の間隙値で規定された通りの一定の厚みの塗膜を形成で
きる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記の
コーティング装置の販売に際して、繰り返し実証試験を
行った。その結果、定常運転状態においては、企図した
通り一定厚みのむらのない塗膜を形成できることが確認
できた。しかし、ウエブ送給速度を増加させて定常運転
状態へと増速する場合や、定常状態から減速してウエブ
送給を停止させるような場合、つまり塗液消費量が急増
ないしは急減するような場合に、ダム内部の液位が下限
液位や上限液位を越えて変動し、塗膜がかすれたり、膜
厚が異常に増加する等の塗工不良を生じることを知っ
た。こうした塗工不良を生じると、廃棄する以外にな
く、大量のウエブが無駄になる。
【0008】本発明の目的は、塗液ダムの液位を制御対
象にして、ダム内の塗液供給状態を制御することによ
り、タイムラグや塗液ポンプの送給量のばらつき等に影
響されることなく、所定量の塗液を常に正確に塗布で
き、従ってウエブの送給方向に均一な厚みの塗膜を形成
できるコーティング装置を提供することにある。本発明
の他の目的は、ダム内への塗液供給量を構造の簡単な制
御手段で塗液消費量に対応して精確に制御できるように
し、塗液供給のための液位制御手段が簡単な分だけ、コ
ーティング装置をより低コストで提供することにある。
本発明の更に他の目的は、塗液消費量が急激に増加しあ
るいは減少するような場合にも、ダム内の液位を適正範
囲内に維持し続けることができ、これにより塗工不良を
最小限化してコーティングされたウエブの歩留りを向上
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ウエブWを送
給案内するベースロール1と、ベースロール1の下部周
面に近接配置したダイヘッド2と、ダイヘッド2に液位
を送給する塗液ポンプ4とを備えており、ダイヘッド2
の上部のウエブ出口側に、塗液をせき止めて塗液ダムD
を形成する計量リップ10が設けてあるコーティング装
置を対象とする。コーティング装置は、塗液ダムD内の
液位を、ダム上部に気相部が残る上限液位Hと、ウエブ
Wの塗液ダムD内における移送軌跡の最下部位より上方
の下限液位Lとの間に保持する液位制御手段を備えてい
る。液位制御手段は塗液ダムD内の液位を検知するレベ
ルセンサー21と、塗液ポンプ4とダイヘッド2との間
の塗液送給路22に配置した流量センサー23と、レベ
ルセンサー21および流量センサー23の出力信号を受
けて塗液ポンプ4の運転状態を制御する制御装置24と
を含んでいる。
【0010】レベルセンサー21には静電容量型の液位
センサーを用いる。流量センサー23は瞬間流量信号を
出力する流量計からなる。計量リップ10の閾(しき
い)部20は、ウエブWのベースロール1の周面におけ
る移送軌跡の最下位部と上下に対向する状態で配置し、
下限液位LをウエブWの移送軌跡の最下位部より僅かに
上位に設定する。更に、上限液位Hと下限液位Lとを個
別に検知する2個のレベルセンサー21を液位ダムD内
に配置する。
【0011】
【作用】運転状態において、ベースロール1で送給案内
されたウエブWは、塗液ダムDを通過する間にダム内に
溜められた塗液と接触する。ウエブWに付着した塗液
は、計量リップ10を通過する間に閾部20で余分な塗
液が掻き落とされて計量され、同時に平滑化される。こ
のとき、塗液ダムDにはダム上部に気相部が存在する状
態で塗液が溜めてある。そのため、ウエブWに塗布され
た塗膜の厚さは、計量リップ10の閾部20とベースロ
ール1との間の間隙値のみによって決定され、塗液ポン
プ4の送給量のばらつきや、塗液ダムD内の圧力変動等
の影響を全く受けない。従って、ウエブWに塗布された
塗膜の厚みをウエブ送給方向へ均一化できる。
【0012】ウエブWの送給に伴って塗液ダムD内の塗
液が徐々に消費される。基本的には、この消費量に見合
う量の塗液を塗液ポンプ4で補充するが、実際には塗液
送給路22の通路抵抗や塗液の粘度の違い、あるいは塗
液タンク3内の液位(ヘッド)の変化等によって、塗液
ポンプ4の送給量にいくらかのばらつきがあり、補充量
に僅かな過不足が生じるのを避けられない。理論値と実
際値とに僅かな差を生じ、この差が貯積されて液位が変
動するのである。しかし塗液送給路22に設けた流量セ
ンサー23は塗液ポンプ4の実際の送給量をモニタリン
グするので、液位の変動を抑止できる。
【0013】液位が塗液ダムD内におけるウエブWの移
送軌跡の最下部位より低下すると、ウエブWに塗液を付
着させることができない。これを防ぐために、下限液位
LをウエブWの塗液ダムD内における移送軌跡の最下位
部より上方に設定し、レベルセンサー21が下限液位L
を検知するのと同時に、塗液ポンプ4からの塗液供給量
を増加して液位を復帰させる。このとき、下限液位Lと
ウエブWの移送軌跡の最下位部との間の液位差で塗液ポ
ンプ4の応答遅れを吸収する。しかし、殆どの塗液はウ
エブWの送給方向へ引き摺られ、さらに計量リップ10
の閾部20でせき止められて、塗液ダムDの出口側の隅
部にくさび状に溜まる傾向があるので、応答遅れを吸収
するための上下方向の液位差は、無視できる程度にまで
小さくできる。
【0014】塗液ポンプ4の塗液供給量のばらつき等で
塗液ダムD内の液位が徐々に増加するとき、塗液がダム
内に充満するおそれがある。その場合にはダム内に圧力
が生じ、計量リップ10による計量値が変動する。こう
した事態を避けるために上限液位Hを設定してあり、こ
れで液位の異常増加を防ぐ。上限液位Hの側では、塗液
ポンプ4の応答遅れを気相部で吸収できるので、塗液が
塗液ダムD内に充満し加圧されるのを確実に防止でき
る。
【0015】液位の消費量が急増する場合、例えばウエ
ブ速度を10m/min から100m/min へと30秒間
かけて増加するような場合には、ダム内の液位が急激に
低下する。このときの塗液ポンプ4の送給効率は、定常
運転時に比べて低下するうえ、送給量の変動幅も大き
い。そのため、ウエブWの送給速度の増加に比例して理
論値通りに塗液ポンプ4が稼働しても、消費量に見合う
だけの塗液を塗液ダムDへ送給できず、液位の低下度合
はさらに強まる。しかし、塗液送給路22に流量センサ
ー23を設けておけば、必要とする塗液送給量に対して
実際の送給量が不足していることを即座に検知できる。
従って、この検知結果を反映させて、塗液ポンプ4の送
給量を理論値に合致させることにより、塗液ダムD内の
液位を適正範囲に復帰修正できる。
【0016】塗液の消費量が急減する場合には、塗液ポ
ンプ4の応答遅れに伴う過剰な塗液の貯積によって、塗
液ポンプ4の送給効率が徐々に低下するにも拘らず、液
位が増加する傾向にある。しかし、流量センサー23で
検知した実際の液位送給量に基づいて、塗液ポンプ4の
稼働状態を制御することにより、塗液ダムD内の液位を
適正範囲に復帰修正できる。
【0017】
【実施例】図1ないし図3は本発明に係るコーティング
装置の実施例を示す。図2においてコーティング装置
は、ウエブWを送給案内する鋼合金製のベースロール1
と、ベースロール1の下部周面に近接配置したダイヘッ
ド2と、塗液タンク3内の塗液をダイヘッド2へ供給す
る塗液ポンプ4およびモータ5と、塗液の供給状態を制
御する液位制御手段などで構成する。
【0018】塗工対象となるウエブWは、紙、フィル
ム、金属箔等の広幅の軟質ウエブからなり、図外の送給
ローラで矢印の方向へ所定速度で送給される。塗液は例
えば粘着剤、接着剤、感光材などであって、溶剤で所定
の粘度に調整してある。ホットメルト樹脂や水溶性の塗
材等を塗材とすることもある。
【0019】図2および図3において、ダイヘッド2は
それぞれがウエブ幅方向に長い前後一対の前ブロック6
および後ブロック7と、両ブロック6・7の左右側端に
固定した端板8と、前ブロック6の上部に固定したダム
ブロック9、および後ブロック7の上端後部に固定した
計量リップ10などで構成する。前後の両ブロック6・
7の接合面間には、塗液ポンプ4から送給された塗液を
一時的に貯溜するマニホールド12が設けてあり、マニ
ホールド12の上隅に連続して、塗液をダイヘッド2の
上部の塗液ダムDへと送給案内するスリット13が設け
てある。マニホールド12およびスリット13の両側端
の開口は、先の端板8で塞がれる。14は前ブロック6
に形成した給液口であり、塗液はこの給液口14を介し
てマニホールド12へ供給される。
【0020】図2においてダムブロック9は、断面くさ
び状の受台15と、受台15でベースロール1へ向かっ
て上り傾斜状に支持した区画シート16と、受台15に
締結されて区画シート16を受台15に押圧固定する押
え枠17とからなる。受台15の上端面は、十分な余裕
隙間を介してベースロール1の周面に対向している。こ
れに対し区画シート16は、その突端がウエブWの通過
を許すための隙間を介してベースロール1に近接配置し
てあり、これによりウエブ入口側において塗液ダムDを
区画している。
【0021】計量リップ10は塗液ダムDのウエブ出口
側に配置されて、ダム内の塗液をせき止める。そのため
に、図1に示すごとく計量リップ10の上部に、後ブロ
ック7の上端面の後縁からベースロール1の側へ向かっ
て上り傾斜状に突出し、かつウエブWの送給方向へ後傾
する部分円弧面状のリップ面19を設ける。リップ面1
9の最上位部の閾部20でウエブWに付着した余分な塗
液を掻き落として塗膜厚みを規定し、同時に塗膜を平滑
化する。閾部20は、ベースロール1の周面におけるウ
エブWの移送軌跡の最下位部と上下に対向する状態で配
置し、閾部20とベースロール1との間の間隙値は、ウ
エブWの厚み寸法と塗膜の厚み寸法との合計値に一致さ
せる。
【0022】ダムブロック9と計量リップ10とによっ
て、塗液ダムDの前後を区画する。塗液ダムDの左右は
端板8によって区画する。マニホールド12およびスリ
ット13を介して、塗液ダムD内へ送給される塗液の液
位を所定の状態に維持するために、液位制御手段を設け
てある。
【0023】図2において液位制御手段は、塗液ダムD
内に配置した静電容量型の1個のレベルセンサー21
と、塗液ポンプ4とダイヘッド2との間の塗液送給路2
2に配置した流量センサー23と、レベルセンサー21
および流量センサー23の出力信号を受けて塗液ポンプ
4のモータ5の運転状態を制御する制御装置24とから
なる。レベルセンサー21は、ダム内の上限液位Hと下
限液位Lのそれぞれを検知するために、検知プローブの
先端を塗液ダムDの上下中途部に浸漬する。図1におい
て下限液位Lは、ウエブWの塗液ダムD内における移送
軌跡の最下位部、つまり計量リップ10の閾部20と上
下に対向するウエブWの周面位置を基準にして、これよ
り僅かに上方に設定する。上限液位Hは、下限液位Lよ
り上方にあって、ダム上部に気相部が残る高さ位置に設
定する。具体的には、下限液位Lより数mm高い位置を上
限液位Hとした。
【0024】流量センサー23は、瞬間流量信号を出力
できる微少流量計からなり、塗液送給路22を通過する
塗液の量を高精度に計測できる。この種の流量計として
は、例えば日東精工社製のフローエース(商品名)を適
用できる。
【0025】制御装置24は、コンピュータに代表され
る演算機からなり、各レベルセンサー21からの出力信
号と、流量センサー23からの出力信号、およびウエブ
Wの送給速度信号を受けて、モータ5を介して塗液ポン
プ4の稼働状態を制御し、塗液ダムD内の液位を上限液
位Hと下限液位Lとの間の適正液位範囲内に維持する。
詳しくは、ダム内の液位が下限液位Lにまで低下する
と、そのことをレベルセンサー21で検知し、レベルセ
ンサー21からの出力信号に基づいてモータ5の駆動回
転数を微増して塗液ポンプ4の送給量を増やし、逆にダ
ム内の液位が上限液位Hにまで上昇すると、モータ5の
駆動回転数を微減して塗液ポンプ4の送給量を減らす。
このとき、流量センサー23は、塗液ポンプ4から送給
される実際の塗液量を計測するので、塗液ダムD内に到
達する塗液量を正確に把握できる。従って、応答遅れや
塗液ポンプ4の送給量の僅かな変動による液位の変動を
抑止できるうえ、塗液の消費量が急激に変化する場合に
も、この変化に対応して塗液送給量が増減させて、ダム
内の液位を適正範囲内に保持することができる。
【0026】以上のように、塗液ダムD内の液位を適正
液位範囲に維持した状態で塗工を行うと、ウエブに付着
する塗膜の厚みを計量リップ10の閾部20で常に一定
に規定することができるので、ウエブ送給方向の塗膜厚
みを均一化できる。塗液ポンプ4の送給量がばらついた
としても、ダム内の液位が上下に変わるだけなので、ホ
ンプ送給量のばらつきの影響を受けることなく適正に塗
工を行える。液位制御手段の僅かなタイムラグも、同様
にダム内の液位の変化として表われるだけであるので、
その影響を受けることなく適正に塗工を行える。ダム内
の液位と、塗液の実際送給量とを検出対象にして、塗液
ダムD内の塗液の量を制御するので、ダム内の圧力を検
出対象とする場合に比べて、塗液供給量の変化を明確に
検知でき、より精確に塗液供給量を制御できる。液位制
御手段の構造を簡略化して、その分だけ製作費用を減少
できる点でも有利である。
【0027】上記の実施例以外に、レベルセンサー21
は導電率型のセンサーや超音波型のセンサーなど他のレ
ベルセンサーを適用でき、さらに液位の変化をフォトセ
ンサーやイメージセンサーで検知してもよい。計量リッ
プ10の閾部20はベースロール1の周面の最下位部よ
りもウエブWの送給方向上手側に位置していてもよい。
レベルセンサー21は2個以上を塗液ダムD内に配置し
て、上限液位Hと下限液位Lを個別に検知してもよい。
【0028】
【発明の効果】本発明のコーティング装置では、塗液ダ
ムD内に塗液を充満させることなく、その液位を適正な
状態に維持して塗工を行うので、ウエブWに塗布された
塗膜の厚みを計量リップ10で正確に規定できるうえ、
塗液ポンプ4の送給量の僅かな変動や、液位補償時の塗
液ポンプ4のタイムラグなどに影響されることなく塗工
を行える。従って常に適量の塗液をウエブWに対して正
確に塗工し、ウエブ送給方向に均一な厚みの塗膜を形成
できる。さらに、塗液送給路22に流量センサー23を
配置して、塗液ダムDへ到達する塗液量の実際値を検知
し、この検出結果を塗液ポンプ4の運転状態の制御に反
映させるので、塗液の消費量が急増し、あるいは急減す
るような場合にも、ダム内の液位を適正範囲内に維持し
続けることができ、従来装置において避けることができ
なかったウエブWの塗工不良部分の全長を最小限化し
て、その分だけコーティングされたウエブWの歩留りを
向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダイヘッドの塗液ダムの要部を拡大して示す縦
断側面図である。
【図2】コーティング装置を概念的に説明する縦断側面
図である。
【図3】ダイヘッドの縦断正面図である。
【符号の説明】
1 ベースロール 2 ダイヘッド 4 塗液ポンプ 9 ダムブロック 10 計量リップ 20 閾部 21 レベルセンサー 22 塗液送給路 23 流量センサー 24 制御装置 W ウエブ D 塗液ダム H 上限液位 L 下限液位
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05C 3/18 B05C 5/02 B05C 11/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウエブWを送給案内するベースロール1
    と、ベースロール1の下部周面に近接配置されて、上部
    に塗液ダムDを有するダイヘッド2と、ダイヘッド2に
    塗液を送給する塗液ポンプ4とを備えており、 ダイヘッド2の上部のウエブ出口側に、塗液をせき止め
    て塗液ダムDを形成する計量リップ10が設けてあるコ
    ーティング装置であって、ダイヘッド2は、それぞれがウエブ幅方向に長い前後一
    対の前ブロック6および後ブロック7と、両ブロック6
    ・7の左右側端に固定した端板8と、前ブロック6の上
    部に固定したダムブロック9と、後ブロック7の上端後
    部に固定した計量リップ10とからなり、 前ブロック6と後ブロック7との接合面間には、塗液ポ
    ンプ4から送給された塗液を一時的に貯溜するマニホー
    ルド12が設けてあるとともに、マニホールド12の上
    隅に連続して、塗液をダイヘッド2の上部の塗液ダムD
    へと送給案内するスリット13が設けてあり、 ダムブロック9と計量リップ10とによって塗液ダムD
    の前後が区画され、左右の前記端板8によって塗液ダム
    Dの左右が区画されており、 計量リップ10は、塗液ダムDのウエブ出口側にあって
    塗液ダムD内の塗液をせき止めるために、計量リップ1
    0の上部に、ベースロール1の側へ向かって上り傾斜状
    に突出し、かつウエブWの送給方向へ後傾する部分円弧
    面状のリップ面19を設けてあり、 リップ面19の最上位部の閾部20が、ウエブWのベー
    スロール1の周面における移送軌跡の最下位部と上下に
    対向する状態で配置されており、 塗液ダムD内の液位を、ダム上部に気相部が残る上限液
    位Hと、ウエブWの塗液ダムD内における移送軌跡の最
    下位部より僅かに上方に設定された下限液位Lとの間に
    保持する液位制御手段を備えており、 液位制御手段が、塗液ダムD内の液位を検知するレベル
    センサー21と、塗液ポンプ4とダイヘッド2との間の
    塗液送給路22に配置されて、塗液ポンプ4から送給さ
    れる実際の塗液量を計測して瞬間流量信号を出力する流
    量計からなる流量センサー23と、レベルセンサー21
    および流量センサー23の出力信号を受けて、塗液ポン
    プ4の運転状態を制御する制御装置24とを含んでいる
    コーティング装置。
  2. 【請求項2】 ウエブWを送給案内するベースロール1
    と、ベースロール1の下部周面に近接配置したダイヘッ
    ド2と、ダイヘッド2に塗液を送給する塗液ポンプ4と
    を備えており、 ダイヘッド2の上部のウエブ出口側に、塗液をせき止め
    て塗液ダムDを形成する計量リップ10が設けてあるコ
    ーティング装置であって、 塗液ダムD内の液位を、ダム上部に気相部が残る上限液
    位Hと、ウエブWの塗液ダムD内における移送軌跡の最
    下位部より上方の下限液位Lとの間に保持する液位制御
    手段を備えており、 液位制御手段が、塗液ダムD内の液位を検知するレベル
    センサー21と、塗液ポンプ4とダイヘッド2との間の
    塗液送給路22に配置されて、塗液ポンプ4から送給さ
    れる実際の塗液量を計測して瞬間流量信号を出力する流
    量計からなる量センサー23と、レベルセンサー21
    および流量センサー23の出力信号を受けて、塗液ポン
    プ4の運転状態を制御する制御装置24とを含んでいる
    コーティング装置。
  3. 【請求項3】 レベルセンサー21が、静電容量型の液
    位センサーである請求項1又は2記載のコーティング装
    置。
  4. 【請求項4】 上限液位Hと下限液位Lとを個別に検知
    する2個のレベルセンサー21が、液位ダムD内に配置
    してある請求項1又は2又は3記載のコーティング装
    置。
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