JP3507206B2 - 多重モード圧電フィルタ - Google Patents

多重モード圧電フィルタ

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JP3507206B2
JP3507206B2 JP19214295A JP19214295A JP3507206B2 JP 3507206 B2 JP3507206 B2 JP 3507206B2 JP 19214295 A JP19214295 A JP 19214295A JP 19214295 A JP19214295 A JP 19214295A JP 3507206 B2 JP3507206 B2 JP 3507206B2
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piezoelectric
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有村  博之
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  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧電基板を用いた多
重モード圧電フィルタに関し、更に詳しくは、多段接続
型の多重モード圧電フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】圧電基板の厚みすべり振動等を利用した
圧電フィルタにおいては、一般に、圧電基板の一面に所
定のギャップを開けて入出力振動電極対(分割電極)を
形成するとともに、その反対側の面にはこれらと対向す
るようにアース電極を形成した構造を採る。また、この
ような圧電フィルタを例えば通信機器等に組み込む場合
には、その実装工程の簡易化等を目的として、例えばセ
ラミックス製の表面実装型の保持器内に挿入するととも
に、圧電基板はその振動を妨げない適宜位置において保
持器に支持した構造が多用されている。
【0003】ところで、この種の圧電フィルタにおいて
は、通常、高い減衰特性を得るためには、複数の圧電フ
ィルタを縦属接続する、いわゆる多段接続とする必要が
あるが、1つの表面実装型保持器内に1つの圧電フィル
タを収容したものでは、このような多段接続を行う場合
には実装面積が大となってしまい、機器の小型化を阻害
する原因となる。
【0004】このような問題を解決すべく、従来、1つ
の圧電基板上に2組の入出力振動電極対およびアース電
極を形成して保持器内に収容した、いわゆる多段接続多
重モード圧電フィルタ素子が提案され、実用化されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような多段接続
多重モード圧電フィルタ素子は、通常、1つの圧電基板
上に2組の電極群を形成するとともに、その一方の組の
出力振動電極と他方の組の入力振動電極とを、別途接続
することによって製品化されるがこの場合、一方の電極
群を励振すると、各電極群間の音響的結合および電磁的
結合に起因して、他方の電極群も共振してしまうため、
個々のフィルタを独立的に調整することが実質的に不可
能であり、製品の最終調整が極めて困難であるという問
題がある。
【0006】 そこで、従来、圧電基板上の2組の電極
群間を仕切る位置に、スリットを穿設することで各電極
間の音響的結合を緩和するとともに、そのスリット内
に、保持器に固着した電磁遮蔽材料を貫通させること
で、電磁的結合を阻止しようとする試み(特開昭59−
23910号)や、同じく圧電基板上の2組の電極群間
を仕切るように、基板の縁辺から切り込んだ遮蔽溝を形
成し、その遮蔽溝の両側に帯状の金属層を設けたもの
(特公昭57−56810号)、あるいは、圧電基板上
の2組の電極群間を仕切る位置に、アース電極に接続さ
れる直線状の電極を形成し、更にその上に銀ペースト等
の減衰材を塗布した構造のもの(特開昭61−1798
26号)が提案されている。
【0007】しかし、これらの提案における対策によっ
ては、各電極群間の音響的および電磁的結合の阻止能は
十分とは言えず、依然として最終調整が困難であるとい
う問題がある。
【0008】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
もので、その主たる目的は、多段接続の多重モード圧電
フィルタにおいて、従来の各提案に比して電極群間の音
響的結合の阻止能が高い圧電フィルタを提供することに
あり、また、本発明の他の目的は、それに加えて電極群
間の電磁的結合の阻止能をも高くした圧電フィルタを提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に対応する第1発明では、圧電基板の一面
に互いに所定のギャップを開けて入出力振動電極対が形
成され、その反対側の面にはこれらと対向するようアー
ス電極が形成された多重モード圧電フィルタにおいて、
1つの保持器内に、それぞれ上記入出力振動電極対およ
びアース電極が形成された2つの圧電基板が収容され、
その各圧電基板の各電極が、それぞれ保持器に独立的に
設けられた個別の接続端子に接続され、かつ、これらの
接続端子は圧電基板のコーナー部分に形成されていると
ともに、一方の入出力振動電極対の入力振動電極が接続
されている接続端子と、他方の入出力振動電極対の出力
振動電極が接続されている接続端子とが、保持器の1つ
の対角線上に位置しており、上記2つの圧電基板のう
ち、一方の圧電基板の出力振動電極が接続された保持器
の接続端子と、他方の圧電基板の入力振動電極が接続さ
れた保持器の接続端子とが、それぞれ保持器内で導電性
接着剤またはワイヤボンディングによって互いに接続さ
れているとともに、これら2つの圧電基板は、それぞれ
の入出力振動電極対間の中心線が、互いにずれた状態で
保持器内に収容されていることによって特徴付けられ
る。
【0010】 この第1発明の構成によると、各圧電基
板は、完全に分離され、かつ、各入出力振動電極は保持
器内で互いに独立的に該当の接続端子に接続され、かつ
各圧電基板のアース電極についても、それぞれ保持器に
独立的に設けられた個別の接続端子に接続されているが
故に、2つの圧電基板にそれぞれ電極群を形成した状態
で保持器内に組み込み、その状態で個別に1対の電極を
励振させ、最終調整(多重モード圧電フィルタの製造工
程において、1つの保持器内に2組の入出力電極対及び
アース電極が形成された状態の多重モード圧電フィルタ
が、製品として必要な所定のフィルタ特性が得られるよ
う、最終的にフィルタ特性を検査し、調する)を行う
場合、つまり、1つの保持器内に2組の入出力電極対及
びアース電極が形成された状態であっても、個々に1対
の電極を励振させて試験を行う特性検査では、2組の電
極間が互いに電磁的、音響的に遮断される構成であるこ
とから、1対の電極を励振したとき、もう1対の電極を
共振してしまうことがない。このように、互いに干渉し
ないことから個々の調整が可能になる。その後、これら
を縦続接続することで多段化する。従って、微妙な精度
を要する最終調整に影響を与えない。また、使用状態に
おいても、2つの圧電基板が完全に分離されているた
め、各圧電基板の間の干渉がより完全に絶たれ、音響的
な結合が生じることがない。さらに、これらの接続端子
は圧電基板のコーナー部分に形成されているとともに、
一方の入出力振動電極対の入力振動電極が接続されてい
る接続端子と、他方の入出力振動電極対の出力振動電極
が接続されている接続端子とが、保持器の1つの対角線
上に位置する構成により、これらの接続端子間の距離は
最も長いものとされる。従って、各接続端子において発
生する電気力線による電磁力は、距離が遠くなるにした
がって及ぼす電磁力が弱くなる性質を考慮すると、本構
成は上記接続端子間の距離を最も長い構成とすることに
より、その電磁力による影響を最大限回避することがで
きるものといえる。その結果、入力振動電極と出力振動
電極との間での電気力線による結合を防止できる。
【0011】また、一方の圧電基板の出力振動電極が接
続された保持器の接続端子と、他方の圧電基板の入力振
動電極が接続された保持器の接続端子とを、導電性接着
剤またはボンディングワイヤによって保持器内で互いに
接続すると、保持器の外部における配線が、従来の1つ
の圧電基板上に2組の電極対を設けてその圧電基板上で
一方の出力振動電極と他方の入力振動電極とを接続した
多段接続多重モード圧電フィルタ素子と全く同等とな
り、実装時において特別の工程または配線を必要としな
い。
【0012】更に、2つの圧電基板を、それぞれの入出
力振動電極対間の中心線Cが互いにずれた状態で保持器
内に収容すると、2つの圧電フィルタ間の電磁的な結合
の遮断効果がより向上する。
【0013】上記の目的を達成するため、請求項2に対
応する第2発明では、圧電基板の一面に互いに所定のギ
ャップを開けて入出力振動電極対が形成され、その反対
側の面にはこれらと対向するようアース電極が形成され
た多重モード圧電フィルタにおいて、1つの保持器内に
上記入出力振動電極対とアース電極が2組形成された1
つの圧電基板が収容され、その2組の入出力振動電極対
の間で、圧電基板がこれと音響インピーダンスの異なる
材料によって保持器に対して接続されているとともに、
その圧電基板の各電極が、それぞれ上記保持器に独立的
に設けられた個別の接続端子に接続されており、一方の
入出力振動電極対の入力振動電極が接続されている接続
端子と、他方の入出力振動電極対の出力振動電極が接続
されている接続端子とが、圧電基板のコーナー部分に形
成され、かつ、圧電基板の1つの対角線上に位置してお
り、上記圧電基板には、2組の入出力振動電極対の形成
面と同一側の面に、これら2組の入出力振動電極対の間
を仕切るように別途アース電極が形成され、そのアース
電極と上記保持器とが、圧電基板と音響インピーダンス
が異なる導電性材料によって相互に接続されているとと
もに、これら2組の入出力振動電極対の間を仕切るアー
ス電極は、それぞれの入出力振動電極対間の中心に向け
て突出するパターンを有し、その各突出パターンの幅
は、各入出力振動電極対に近づくほど狭くなっているこ
とによって特徴付けられる。
【0014】 この第2発明の構成によれば、1つの圧
電基板上に2組の電極群が形成されている点、および、
これらの電極群間に減衰材を設ける点においては、従来
の提案に基づく多段接続多重モード圧電フィルタと同じ
である。しかし、第2発明では、2組の電極群の間に設
けられた減衰材が、これら2組の電極群が設けられた圧
電基板を収容した保持器に対して接続されていることか
ら、減衰材の配置部位においては、減衰材は保持器に対
し密着性が高くなり、いわゆる保持器に対するアンカー
効果によって、より振動が伝播しにくくなる。このよう
に、減衰材による振動減衰効果がより向上することによ
り、両電極群間の音響的結合はより確実に阻止できる。
【0015】さらに、圧電基板の各電極が、個別の接続
端子に接続されており、接続端子と、接続端子とが、圧
電基板のコーナー部分に形成され、かつ、圧電基板の1
つの対角線上に位置しているので、これらの接続端子間
の間隔が長くなる。その結果、入力振動電極と出力振動
電極との間での電気力線による結合を防止できる。ま
た、第1発明同様、最終調整を可能とするとともに、音
響的結合を阻止できる。
【0016】また、第2発明における圧電基板に、2組
の入出力振動電極対の形成面と同一側の面に、これら2
組の入出力振動電極対の間を仕切るように別途アース電
極を形成し、そのアース電極と保持器とを、圧電基板と
音響インピーダンスが異なり、かつ、導電性を有する材
料(導電性減衰材料)によって相互に接続すると、2組
の入出力振動電極対間が電磁的に遮蔽されることにな
り、上記した音響的結合ばかりでなく、電磁的結合につ
いても高い阻止能を達成することができる。
【0017】 さらに、2組の入出力振動電極対の間を
仕切るアース電極を、それぞれの入出力振動電極対間の
中心に向けて突出するパターンとするとともに、その各
突出パターンの幅を、各入出力振動電極対に近づくほど
狭くすると、各電極群の形成部位において生じた他方の
電極群に向かう振動の発生起点から遠ざかるほど質量が
大となり、例えば、図6の好適な実施形態に示すよう
に、アース電極5を、各電極群から他方の電極群に向か
う振動が、その振動の発生起点である入出力振動電極対
から遠ざかるほど質量が大となる形状、すなわち、各突
出パターンの幅を、各入出力振動電極対に近づくほど狭
くなる形状とすることにより、各電極群の形成部位にお
いて生じた他方の電極群に向かう振動が、このアース電
極5によって効率的に吸収される。このアース電極の質
量付加効果によって、各電極群の形成部位において生じ
て他方の電極群に向かう振動が効率的に吸収され、更に
は導電性減衰材および保持器によって減衰し、しかも、
それぞれの組の入力振動電極から出力振動電極に到る方
向の振動の伝播を阻止することがない。
【0018】上記の目的を達成するため、請求項3に対
応する第3発明では、圧電基板の一面に互いに所定のギ
ャップを開けて入出力振動電極対が形成され、その反対
側の面にはこれらと対向するようアース電極が形成され
た多重モード圧電フィルタにおいて、1つの保持器内に
上記入出力振動電極対とアース電極が2組形成された1
つの圧電基板が収容され、その2組の入出力振動電極対
の間で、圧電基板がこれと音響インピーダンスの異なる
材料によって保持器に対して接続されているとともに、
その圧電基板の各電極が、それぞれ上記保持器に独立的
に設けられた個別の接続端子に接続されており、一方の
入出力振動電極対の入力振動電極が接続されている接続
端子と、他方の入出力振動電極対の出力振動電極が接続
されている接続端子とが、圧電基板のコーナー部分に形
成され、かつ、圧電基板の1つの対角線上に位置してお
り、上記圧電基板には、2組の入出力振動電極対の形成
面と同一側の面に、これら2組の入出力振動電極対の間
を仕切るように別途アース電極が形成され、そのアース
電極と上記保持器とが、圧電基板と音響インピーダンス
が異なる導電性材料によって相互に接続されているとと
もに、これら2組の入出力振動電極対は、それぞれの入
出力振動電極対間の中心線が、互いにずれた状態で保持
器内に収容されていることによって特徴付けられる。
【0019】この第3発明において、2組の入出力振動
電極対は、それぞれの入出力振動電極対間の中心線が、
互いにずれた状態で保持器内に収容されている構成が第
2発明と相違しており、この構成により、2つの圧電フ
ィルタ間の電磁的な結合の遮断効果がより向上する。
【0020】また、第3発明において、アース電極は、
それぞれの入出力振動電極対間の中心に向けて突出する
パターンを有し、その各突出パターンの幅は、各入出力
振動電極対に近づくほど狭くなる構成を採用してもよ
い。この構成を採用すると、各電極群から他方の電極群
に向かう振動が、その振動の発生起点である入出力振動
電極対から遠ざかるほど質量が大となるアース電極の質
量付加効果によって効率的に吸収される。更に、アース
電極の突出パターンの幅は各電極対に近づくほど狭くな
っているから、それぞれの組の入力振動電極から出力振
動電極に到る方向の振動の伝播を阻止することがない。
【0021】なお、この第3発明において、第2発明と
共通する構成についての作用は同様であるので、その記
載は省略する。
【0022】上記の目的を達成するため、請求項5に対
応する第4発明では、圧電基板の一面に互いに所定のギ
ャップを開けて入出力振動電極対が形成され、その反対
側の面にはこれらと対向するようアース電極が形成され
た多重モード圧電フィルタにおいて、1つの保持器内に
上記入出力振動電極対とアース電極が2組形成された1
つの圧電基板が収容され、その2組の入出力振動電極対
の間で、圧電基板がこれと音響インピーダンスの異なる
材料によって保持器に対して接続されているとともに、
その圧電基板の各電極が、それぞれ上記保持器に独立的
に設けられた個別の接続端子に接続されており、一方の
入出力振動電極対の入力振動電極が接続されている接続
端子と、他方の入出力振動電極対の出力振動電極が接続
されている接続端子とが、圧電基板のコーナー部分に形
成され、かつ、圧電基板の1つの対角線上に位置してお
り、上記圧電基板には、2組の入出力振動電極対の形成
面と同一側の面に、これら2組の入出力振動電極対の間
を仕切るように別途アース電極が形成され、そのアース
電極と上記保持器とが、圧電基板と音響インピーダンス
が異なる導電性材料によって相互に接続されているとと
もに、これら2組の入出力振動電極対が、上記圧電基板
上に互いに直交した状態で形成されていることによって
特徴付けられる。
【0023】この第4発明では、2組の入出力振動電極
対を、圧電基板に互いに直交した状態で形成するので、
一方の電極群と他方の電極群間で飛び交う電気力線の影
響が少なくなり、電磁的結合の阻止能は更に向上する。
【0024】なお、この第4発明において、第2発明と
共通する構成についての作用は同様であるので、その記
載は省略する。
【0025】上記の目的を達成するため、請求項6に対
応する第5発明では、圧電基板の一面に互いに所定のギ
ャップを開けて入出力振動電極対が形成され、その反対
側の面にはこれらと対向するようアース電極が形成され
た多重モード圧電フィルタにおいて、1つの保持器内
に、上記入出力振動電極対とアース電極が2組形成され
た1つの圧電基板が収容され、その2組の電極群の間を
仕切る位置に、圧電基板を貫通する切り欠き、長孔また
は複数の貫通孔、もしくは、少なくとも各入出力振動電
極対が形成された側の面上に溝が形成され、かつ、その
切り欠き、長孔、複数の貫通孔もしくは溝内に導電性材
料からなる弾性材料が埋め込まれ、かつ、この弾性材料
が上記保持器に形成されたアース接続端子に接続されて
いるとともに、上記圧電基板の各電極が、それぞれ上記
保持器に独立的に設けられた個別の接続端子に接続さ
れ、かつ、一方の入出力振動電極対の入力振動電極が接
続されている接続端子と、他方の入出力振動電極対の出
力振動電極が接続されている接続端子とが、圧電基板の
コーナー部分に形成され、かつ、圧電基板の1つの対角
線上に位置しており、上記2組の入出力振動電極対が、
上記圧電基板上に互いに直交した状態で形成されている
ことによって特徴付けられる。
【0026】この第5発明の構成によると、1つの圧電
基板に2組の電極群が形成され、これらの間が、切り欠
き等で仕切られているのみならず、その切り欠き等の内
部に弾性材料が埋め込まれているため、両電極群間を伝
播する振動の減衰効果がより向上し、従来の提案に基づ
く多段接続多重モード圧電フィルタに比して音響的結合
の阻止能がより向上する。また、弾性材料を導電性材料
とし、その導電性の弾性材料を保持器に形成されたアー
ス接続端子に接続するので、両電極群間の電磁的結合も
同時に遮断される。
【0027】なお、この第5発明において、第2発明お
よび第4発明と共通する構成についての作用は同様であ
るので、その記載は省略する。
【0028】さらに、上記の目的を達成するため、請求
項7に対応する第6発明では、圧電基板の一面に互いに
所定のギャップを開けて入出力振動電極対が形成され、
その反対側の面にはこれらと対向するようアース電極が
形成された多重モード圧電フィルタにおいて、1つの保
持器内に上記入出力振動電極対とアース電極が2組形成
された1つの圧電基板が収容されているとともに、その
圧電基板が矩形の水晶片であり、かつ、その縁辺はx,
z′軸に対して45°の角度で傾斜し、かつ、上記入出
力振動電極対はそれぞれxまたはz′軸方向に沿ったギ
ャップを介して形成され、その各入出力振動電極は、圧
電基板の縁辺部に形成された接続用パッドに対して互い
に同じ長さの引き出し電極パターンによって接続されて
いるとともに、その圧電基板の各電極が、それぞれ上記
保持器に独立的に設けられた個別の接続端子に接続され
ているとともに、一方の入出力振動電極対の入力振動電
極が接続されている接続端子と、他方の入出力振動電極
対の出力振動電極が接続されている接続端子とが、圧電
基板のコーナー部分に形成され、かつ、圧電基板の1つ
の対角線上に位置していることによって特徴付けられ
る。
【0029】この第6発明の構成では、各組の入出力振
動電極対は、必然的にその中心線が互いにずれた状態
で、各電極の引き出し電極の長さを同一とすることが可
能となり、両電極群間の音響的結合および電磁的結合が
抑制されると同時に、各引き出し電極の寄生容量を等し
くすることができ、調整が容易となる。
【0030】なお、この第5発明においても、第2発明
と共通する構成についての作用は同様であるので、その
記載は省略する。
【0031】
【発明の実施形態】以下、図面を参照しつつ本発明の好
適な実施形態について説明する。図3は、第1発明の実
施形態の説明図で、保持器1の下面部分を透視して示す
裏面図である。また、図1はこの実施形態に関連する構
成の説明図で、(A)は保持器1の上面部分(蓋)を取
り除いて示す平面図、(B)はそのb−b断面図、
(C)は保持器1の下面部分(底部)を透視して示す裏
面図である。
【0032】本実施形態は、圧電基板2および3を、そ
れぞれの入出力振動電極対間の中心線Cが互いにずれた
状態で(当然、これに対応して各アース電極についても
その中心が互いにずれた状態で)保持器1内に収容する
構成であり、図1の構成にこの構成が導入されたもので
ある。従って、以下の本実施形態の説明において、図1
および図3を参照する。
【0033】セラミックス製の保持器1は、その周囲に
上方に突出する周壁1aが形成されているとともに、そ
の底面には2つのピット1b,1cが形成されている。
この保持器1の内部に、それぞれピット1b,1cの上
に被さるように、2つの圧電基板2および3が収容され
ている。各圧電基板2,3には、それぞれ、一方の面
(裏面側)に互いに所定のギャップを開けて入力振動電
極21(31)と出力振動電極22(32)の対が形成
されているとともに、他方の面には、これらに対向する
ようにアース電極23(33)が形成されている。各圧
電基板2,3は、それぞれの入出力振動電極対(21、
22)(31、32)間の中心線Cが互いにずれた状態
で(当然、これに対応して各アース電極23、33につ
いてもその中心が互いにずれた状態で)保持器1内に収
容されている。なお、保持器1には、これらの各圧電基
板2,3を収容した状態で、その周壁1aに対して蓋
(図示せず)が被せられ、全体をパッケージするように
なっている。
【0034】各圧電基板2,3は、それぞれ、その寸法
が2×3mm程度であり、それぞれ3箇所のコーナー部
分において導電性接着剤Bによって保持器1に機械的に
固定されている。また、これらの導電性接着剤Bによっ
て、各圧電基板2,3に形成された各電極が、それぞれ
保持器1の内部底面に独立的に形成された各接続端子
(パッド)11〜16に個別に電気的に接続されてい
る。
【0035】すなわち、圧電基板2の裏面側の入力振動
電極21と出力振動電極22は、それぞれ引き出し電極
パターン21aと22aによって基板2の対角線上に位
置する各コーナー部に導かれて、導電性接着剤Bによっ
て保持器1の接続端子11と12に、また、その圧電基
板2の表面側のアース電極23は同じく引き出し電極パ
ターン23aによって基板2の他のコーナー部に導か
れ、同じく導電性接着剤Bによって保持器1の接続端子
13に接続されている。他方の圧電基板3についても、
その裏面側の入力振動電極31と出力振動電極32は、
それぞれ引き出し電極パターン31aと32aによって
基板3の対角線上の各コーナー部に導かれて、導電性接
着剤Bによって保持器1の接続端子14と15に、ま
た、表面側のアース電極33は引き出し電極パターン3
3aによって基板3の他のコーナー部に導かれ、同様に
して導電性接着剤Bによって保持器1の接続端子16に
接続されている。そして、各接続端子11〜16は、そ
れぞれ保持器1の裏面に形成された表面実装用の外部接
続端子(図示せず)に接続されている。
【0036】以上の構成において、一方の圧電基板2の
出力振動端子22が接続されている接続端子12と、他
方の圧電基板3の入力端子31が接続されている接続端
子14とが互いに接続された状態、つまり、多段接続多
重モード圧電フィルタとして使用される。この接続端子
11と14の接続は、保持器1外において行ってもよい
し、保持器1内にこれらの接続端子11と14とを接続
するボンディングワイヤを設けるか、あるいは、例えば
図2に要部拡大裏面図を示すように、2つのピット1a
と1bの間の隔壁1dの上面に沿って設けた導電性接着
剤17によって接続端子11と14を接続する等によっ
て、保持器1内で接続してもよい。ただし、その接続工
程は、いずれの接続方法を採用するにしても、各圧電基
板2,3について、それぞれ個別の最終調整を施した後
に実行される。
【0037】以上の第1発明の実施形態によれば、1つ
の保持器1内に互いに完全分離状態の2つの圧電基板2
と3が収容され、かつ、これらの圧電基板2と3のそれ
ぞれに形成された電極群の全てが、保持器1内に独立的
に形成された接続端子11〜16に個別に接続されてい
るから、それぞれが多重モード圧電フィルタを構成す
る、圧電基板2,3とこれに形成された電極群につい
て、それぞれ個別に調整をした後に縦属接続することが
可能となるとともに、使用状態においても各多重モード
圧電フィルタは実質的に互いに音響的に結合されず、1
つの保持器1内に収容されたコンパクトな表面実装型の
多段接続多重モード圧電フィルタでありながら、調整が
容易で、しかもスプリアスの少ない、保証減衰量の大き
な高品質のものとなる。
【0038】また、各圧電基板2,3は、それぞれの入
出力振動電極対(21、22)(31、32)間の中心
線Cが互いにずれた状態で(当然、これに対応して各ア
ース電極23、33についてもその中心が互いにずれた
状態で)保持器1内に収容されているので、各電極群間
で飛び交う電気力線の影響を少なくすることが可能とな
り、2つの多重モード圧電フィルタ間の電磁的結合をよ
り有効に阻止することが可能となる。
【0039】図2のように各圧電基板2と3の出力〜入
力間を保持器1内で導電性接着剤17等によって互いに
接続すると、保持器1外での外部回路との接続は従来の
通常の多段接続多重モード圧電フィルタと全く同様とな
り、特別な考慮をする必要がない。
【0040】更に、上記した実施形態では、各圧電基板
2,3のアース電極23,33についても、独立的に保
持器1の接続端子13,16に接続したが、これらのア
ース電極23と33については、保持器1の共通の接続
端子に接続してもよい。ただし、上記した例のようにア
ース電極23と33を独立的に個別の接続端子に導いた
場合には、電磁的結合を阻止する点においてより有効で
あることが判明している。
【0041】次に第2および第3発明の実施形態につい
て述べる。図6は第2および第3発明の実施形態の説明
図で、保持器1の下面部分を透視して示す裏面図であ
る。また、図4は第2発明の実施形態に関連する構成の
説明図で、(A)は保持器1の上面部分を取り除いて示
す平面図、(B)はそのb−bで示される面で切断した
要部拡大断面図、(C)は保持器1の下面部分を透視し
て示す裏面図である。図5は同じく第2発明の実施形態
に関連する他の構成の説明図であり、図4(B)に対応
してこれと同じ面で切断した拡大断面図である。
【0042】第2発明の実施形態は、2組の入出力振動
電極対の間を仕切るアース電極は、それぞれの入出力振
動電極対間の中心に向けて突出するパターンを有し、そ
の各突出パターンの幅は、各入出力振動電極対に近づく
ほど狭くなっている構成であり、図4あるいは図5の構
成にこの構成が導入されたものである。一方、第3発明
の実施形態は、2組の入出力振動電極対は、それぞれの
入出力振動電極対間の中心線が、互いにずれた状態で保
持器内に収容されている構成であり、図4あるいは図5
の構成にこの構成が導入されたものである。従って、以
下の第2および第3発明の実施形態の説明において、図
4、図5および図6を参照する。
【0043】この例においては、先の例と同等の保持器
1内に1つの圧電基板20が収容されており、その圧電
基板20に、2組の入出力振動電極対21と22、31
と32、および、これらとそれぞれに対向するアース電
極23、33が形成されている。圧電基板20は、その
4つのコーナー部および互いに対向する2辺の略中央部
において、合計6箇所で導電性接着剤Bによって保持器
1に接続されており、その各接続箇所において保持器1
には、それぞれ接続端子(パッド)11〜16が形成さ
れている。そして、2組の電極群のそれぞれが、引き出
し電極パターンによって個別に各接続端子11〜16に
接続されている。
【0044】この実施形態の特徴は、2組の電極群の間
に、例えば接着剤等の、圧電基板20とは音響インピー
ダンスの異なる材料からなる減衰材4が配置され、この
減衰材4によって、圧電基板20と保持器1とが互いに
機械的に接続されている点である。すなわち、減衰材4
は、保持器1の2つのピット1b,1cの間の隔壁1d
の上面と、圧電基板20の入出力電極対が形成されてい
る裏面との間を繋いでいる。
【0045】この構成によると、圧電基板20内を一方
の電極群から他方の電極群へと伝播する振動が、言わば
保持器1によるアンカー効果によって振動が規制された
減衰材4により、つまり保持器1との接続によって振動
が規制された減衰材4により極めて有効に減衰し、両電
極群間の音響的結合の阻止能を極めて高くすることがで
きる。
【0046】図5に示す例は、圧電基板20の2組の電
極群21,22,23と31,32,33、および保持
器1への取り付け・接続構造については図4の例と同様
であるが、この図5の例の特徴は、圧電基板20の裏面
側に、表面側のアース電極23,33とは別に、2組の
入出力振動電極対の間を仕切るように別途アース電極5
を形成し、そのアース電極5を介して、導電性減衰材6
によって圧電基板20と保持器1とを機械的に接続する
と同時に、その導電性減衰材6により、アース電極5
を、保持器1に形成されたアース接続端子1eに電気的
に接続している点である。導電性減衰材6としては、例
えば導電性接着剤を用いることができる。
【0047】この図5の構成によると、図4の例と同様
に、保持器1によって振動が規制された導電性減衰材6
によって、2組の電極群間を伝播する振動が効果的に減
衰すると同時に、これらの両電極群の間が、アース電位
の導電体で遮蔽された状態となる結果、両電極群間に飛
び交う電気力線が有効に遮蔽され、これらの電極群間の
電磁的結合が阻止される。
【0048】図6は図5の例を更に発展させた第2発明
の実施形態の構成の説明図で、本実施形態の特徴的構成
を示す。この図6の例は、圧電基板20の裏面側に設け
たアース電極5が、導電性減衰材6によって保持器1の
アース接続端子1e(図6において図示せず)に機械的
および電気的に接続されている点において図5の例と同
じであるが、そのアース電極5電極のパターンに特徴が
ある。すなわち、アース電極5は、各組の入出力振動電
極対21と22、および31と32の各中心に向けて突
出するパターンを有し、かつ、その突出パターンは各電
極対に近づくほど、その幅が狭くなっている。
【0049】この図6の構成によると、各電極群から他
方の電極群に向かう振動が、その振動の発生起点である
入出力振動電極対から遠ざかるほど質量が大となるアー
ス電極5の質量付加効果によって効率的に吸収され、更
にそのアース電極5と保持器1とが導電性減衰材6によ
って互いに接続されているため、その吸収された振動は
有効に減衰する。しかも、アース電極5の突出パターン
の幅は各電極対に近づくほど狭くなっているから、それ
ぞれの組の入力振動電極から出力振動電極に到る方向の
振動の伝播を阻止することがない。
【0050】なお、図6では、各組の入出力振動電極対
の中心線が互いにずれている例を示したが、図6に示し
たアース電極パターンの思想は、その各中心線が互いに
ずれていない場合にも全く同様に適用できることは勿論
であり、この場合、アース電極5のパターンは左右対称
に突出したパターンとなる。
【0051】次に、第3発明の実施形態では、第2発明
の実施形態におけるアース電極パターンの思想に換え
て、2組の入出力振動電極対(21、22)(31、3
2)は、それぞれの入出力振動電極対間の中心線が、互
いにずれた状態で保持器1内に収容されている構成を導
入した点が特徴である。この特徴的構成により、第1発
明の実施形態で説明したように、2つの圧電フィルタ間
の電磁的な結合の遮断効果がより向上する。
【0052】第4発明の実施形態では、第2発明の実施
形態におけるアース電極パターンの思想に換えて、2組
の入出力振動電極対を、圧電基板に互いに直交した状態
で形成する構成とするものであり、図13にその圧電基
板20または200を抽出してその裏面図を示すよう
に、圧電基板20または200上に、各入出力振動電極
対21,22と31,32が互いに直交して形成されて
いる。この構成により、各入出力振動電極対間で飛び交
う電気力線の影響が軽減され、各電極群間の電磁的結合
の阻止能が更に向上する。一方の電極群と他方の電極群
間で飛び交う電気力線の影響が少なくなり、電磁的結合
の阻止能は更に向上する。
【0053】第5発明の実施形態では、第4発明の実施
形態における2組の入出力振動電極対の間の構成とし
て、その2組の電極群の間を仕切る位置に、圧電基板を
貫通する切り欠き、長孔または複数の貫通孔、もしく
は、少なくとも各入出力振動電極対が形成された側の面
上に溝を形成し、その切り欠き、長孔、複数の貫通孔も
しくは溝内に導電性材料からなる弾性材料を埋め込み、
かつ、この弾性材料を保持器1に形成されたアース接続
端子に接続する構成としたものである。
【0054】具体的には、図7に示すように、1つの圧
電基板200に2組の電極群、すなわち入出力振動電極
対21,22とこれに対向するアース電極23、およ
び、これとは別の入出力振動電極対31,32とこれに
対向するアース電極33が形成されているとともに、そ
の圧電基板200は6箇所において導電性接着剤Bによ
り保持器1に機械的に接続されていると同時に、その各
導電性接着剤Bによって各電極が保持器1に設けられた
各接続端子11〜16にそれぞれ電気的に接続されてい
る。そして、2組の電極群を仕切る位置に、圧電基板2
00の一辺からそれに対向する辺近傍にまで到り、か
つ、基板200を表裏方向に貫通する切り欠き201が
形成され、しかも、その切り欠き201の内部に、接着
剤あるいは他の樹脂等の弾性材料7が充填されている。
【0055】このような構成によれば、2組の電極群間
を伝播する振動は、切り欠き201並びにその内部の弾
性材料7によって効率的に減衰し、両電極群間の音響的
結合が確実に阻止される。
【0056】さらに、2組の電極群間を仕切る切り欠き
に201に代えて、図8に圧電基板200の要部裏面図
で示すように長孔202とし、あるいは図9に同じく基
板200の要部裏面図で示すように複数の貫通孔203
とし、もしくは、図10(A),(B)にそれぞれ圧電
基板200の要部断面図で示すように、各入出力振動電
極対が形成された側の面上の溝204、およびこれに加
えてその反対側の面上の溝205とし、これらに弾性材
料7を充填しても、図7の例と全く同様の効果を奏する
ことができる。
【0057】この図7〜図10に示す構成では、圧電基
板200は特に表面実装用の保持器1内に収容されてい
る必要がなく、任意の状態で使用することができる。そ
して、この第5発明においては、表面実装用の保持器1
内に収容して用いる場合、上記した切り欠き201や長
孔202等の内部に充填した弾性材料7を、図11に要
部断面図で示すように、圧電基板200の裏面側から突
出させて保持器1にまで至らせ、実質的に圧電基板20
0と保持器1とを弾性材料7によって機械的に接続すれ
ば、第2発明の構成と同様に、弾性材料7の振動が保持
器1との接続によって規制される結果、2組の電極群間
の音響的結合の阻止能は更に向上する。
【0058】更に、この第3発明において、図12に要
部断面図を示すように、切り欠き201や長孔202等
の内部に充填する弾性材料7を、導電性接着剤等の導電
性を有する弾性材料とするとともに、その導電性の弾性
材料7を、保持器1に形成されたアース接続端子1eに
接続すれば、図5に示した第2発明の例と同様に、両電
極群間の音響的結合を阻止すると同時に電磁的結合をも
阻止するとができる。
【0059】ここで、以上説明した第4発明および第5
発明の各実施形態において、図13にその圧電基板20
または200を抽出してその裏面図を示すように、圧電
基板20または200上に、各入出力振動電極対21,
22と31,32を互いに直交させて形成すると、各入
出力振動電極対間で飛び交う電気力線の影響が軽減さ
れ、各電極群間の電磁的結合の阻止能が更に向上する。
【0060】次に、第6発明の実施形態について述べ
る。図14は第6発明の実施形態の説明図で、圧電基板
を形成する水晶片の、入出力振動電極対が形成された側
の面を示す平面図である。
【0061】この例においては、矩形の水晶片2000
を圧電基板として、その1つの水晶片2000に2組の
電極群、すなわ入出力振動電極対21,22とこれに対
向するアース電極23、および、入出力振動電極対3
1,32とこれに対向するアース電極33が形成されて
いる。
【0062】水晶片2000の四辺は、それぞれその結
晶のx軸とz′軸に対して平行ではなく、これら各軸に
対して所定の角度、例えば45°の角度で傾斜してい
る。一方、各組の入出力振動電極対はそれぞれ、一方の
結晶軸、例えばx軸方向に沿ったギャップを介して配置
され、従って電極対全体として水晶片2000の各片に
対して45°の角度で傾斜した状態で形成されている。
また、それに対応してアース電極23および33も水晶
片2000の各辺に対して同じく45°の角度で傾斜し
て形成されている。そして、各電極は、それぞれ引き出
し電極パターン21a〜33aによって、水晶片200
0の縁辺部に形成された各接続用パッドPに引き出さ
れ、この各パッドPの部分で例えば導電性接着剤(図示
せず)によって保持器の接続端子(パッド)11〜16
に接続されるが、このうち、各組の入出力振動電極2
1,22,31,32の引き出し電極パターン21a,
22a,31a,32aは、その長さが全て同じであ
る。
【0063】以上の構成によれば、2組の入出力振動電
極対の中心線が必然的に一致せずにずれた状態となり、
これによって各電極群間の電磁的並びに音響的結合が抑
制されると同時に、各入出力振動電極は互いに等しい長
さを持つ引き出し電極パターンを経て保持器の接続端子
等の外部回路に導かれるから、各組の入出力振動電極対
に生じる寄生容量が互いに等しくなり、フィルタ特性を
互いに揃えることが容易であり、ひいては最終調整が容
易となるという利点がある。
【0064】なお、この図14に例示した第6発明の構
成と、先に述べた第2乃至第5発明の各実施形態の構成
のうちの任意のものとを併用すると、各電極群間の音響
的、電磁的結合の阻止能をより向上させることができ、
しかも各電極群についての寄生容量を互いに等しくする
ことができる。
【0065】また、先に述べた第1発明の実施形態の構
成とこの第6発明の構成を合体させることもできる。す
なわち、1つの保持器内にそれぞれ1組ずつの電極群が
形成された2つの圧電基板を配置するとともに、この各
圧電基板を、結晶軸方向に対して斜めの辺を持つものと
し、かつ、各電極群については結晶軸方向に沿わせた構
造として、図14の例と同様に各引き出し電極の長さを
一致させる。この場合、第1発明の効果に加えて、各圧
電基板の入出力電極対の中心線がずれることによる電磁
的結合の抑制効果、および規制容量の均等化といった第
6発明の効果をほぼそのまま奏することができる。
【0066】
【発明の効果】以上のように、第1発明によれば、各圧
電基板を音響的に完全に分離することができ、また、相
互に縦続接続する前に個別に最終調整を行うことが可能
となる。また、入力振動と出力振動電極との間での電気
力線による結合を防止して減衰量を抑えることが可能と
なる。この結果、容易に所望の特性を持つ高性能の多段
接続多重モード圧電フィルタを得ることができる。
【0067】また、一方の圧電基板の出力振動電極が接
続された保持器の接続端子と、他方の圧電基板の入力振
動電極が接続された保持器の接続端子とを、導電性接着
剤またはボンディングワイヤによって保持器内で互いに
接続すると、保持器の外部における配線が、従来の1つ
の圧電基板上に2組の電極対を設けてその圧電基板上で
一方の出力振動電極と他方の入力振動電極とを接続した
多段接続多重モード圧電フィルタ素子と全く同等とな
り、実装時において特別の工程または配線を必要とせ
ず、製造工程の簡略化を図ることができる。
【0068】更に、2つの圧電基板を、それぞれの入出
力振動電極対間の中心線Cが互いにずれた状態で保持器
内に収容すると、2つの圧電フィルタ間の電磁的な結合
の遮断効果がより向上する。
【0069】また、第2発明の発明によれば、2組の電
極群間を伝播する振動は、保持器に接続されて振動が規
制された減衰材によって効率的に減衰し、両電極群間の
音響的結合が確実に阻止され、かつ、入力振動と出力振
動電極との間での電気力線による結合を防止して減衰量
を抑えられる。また、個別に最終調整を行うことも可能
となる。さらに、その減衰材を導電性のものとするとと
もに、この導電性減衰材によって、圧電基板の入出力振
動電極対の形成側の面に別途形成されたアース電極と保
持器のアース接続端子とを電気的にも接続すると、両電
極群間の電磁的結合をも併せて阻止することができる。
さらに、2組の入出力振動電極対の間を仕切るアース電
極を、それぞれの入出力振動電極対間の中心に向けて突
出するパターンとするとともに、その各突出パターンの
幅を、各入出力振動電極対に近づくほど狭くすると、各
電極群の形成部位において生じて他方の電極群に向かう
振動が、その振動の発生起点から遠ざかるほど質量が大
となるアース電極の質量付加効果によって効率的に吸収
され、更には導電性減衰材および保持器によって減衰
し、しかも、それぞれの組の入力振動電極から出力振動
電極に到る方向の振動の伝播を阻止することがない。
【0070】また、第3発明によれば、2組の電極群間
を伝播する振動は、保持器に接続されて振動が規制され
た減衰材によって効率的に減衰し、両電極群間の音響的
結合が確実に阻止され、かつ、入力振動と出力振動電極
との間での電気力線による結合を防止して減衰量を抑え
られる。また、個別に最終調整を行うことも可能とな
る。さらに、その減衰材を導電性のものとするととも
に、この導電性減衰材によって、圧電基板の入出力振動
電極対の形成側の面に別途形成されたアース電極と保持
器のアース接続端子とを電気的にも接続すると、両電極
群間の電磁的結合をも併せて阻止することができる。以
上の効果は第2発明と共通するが、さらに、2組の入出
力振動電極対は、それぞれの入出力振動電極対間の中心
線が、互いにずれた状態で保持器内に収容されている構
成により、2つの圧電フィルタ間の電磁的な結合の遮断
効果がより向上する。
【0071】また、第3発明において、第2発明同様、
アース電極は、それぞれの入出力振動電極対間の中心に
向けて突出するパターンを有し、その各突出パターンの
幅は、各入出力振動電極対に近づくほど狭くなる構成を
採用した場合、同様に各電極群の形成部位において生じ
て他方の電極群に向かう振動が、アース電極の質量付加
効果によって効率的に吸収される。更に、アース電極の
突出パターンの幅は各電極対に近づくほど狭くなってい
るから、それぞれの組の入力振動電極から出力振動電極
に到る方向の振動の伝播を阻止することがない。
【0072】さらに、第4発明によれば、2組の電極群
間を伝播する振動は、保持器に接続されて振動が規制さ
れた減衰材によって効率的に減衰し、両電極群間の音響
的結合が確実に阻止され、かつ、入力振動と出力振動電
極との間での電気力線による結合を防止して減衰量を抑
えられる。また、個別に最終調整を行うことも可能とな
る。さらに、その減衰材を導電性のものとするととも
に、この導電性減衰材によって、圧電基板の入出力振動
電極対の形成側の面に別途形成されたアース電極と保持
器のアース接続端子とを電気的にも接続すると、両電極
群間の電磁的結合をも併せて阻止することができる。以
上の効果は第2発明と共通するが、さらに、第4発明で
は、2組の入出力振動電極対を、圧電基板に互いに直交
した状態で形成するので、一方の電極群と他方の電極群
間で飛び交う電気力線の影響が少なくなり、電磁的結合
の阻止能は更に向上する。
【0073】上記の目的を達成するため、第5発明で
は、第2発明同様、接続端子間の間隔が長いので、入力
振動電極と出力振動電極との間での電気力線による結合
を防止できる。また、第1発明同様、最終調整を可能と
するとともに、音響的結合を阻止できる。第4発明同
様、2組の入出力振動電極対を、圧電基板に互いに直交
した状態で形成するので、一方の電極群と他方の電極群
間で飛び交う電気力線の影響が少なくなり、電磁的結合
の阻止能は更に向上する。さらに、1つの圧電基板に2
組の電極群が形成され、これらの間が、切り欠き等で仕
切られているのみならず、その切り欠き等の内部に弾性
材料が埋め込まれているため、両電極群間を伝播する振
動の減衰効果がより向上し、従来の提案に基づく多段接
続多重モード圧電フィルタに比して音響的結合の阻止能
がより向上する。また、弾性材料を導電性材料とし、そ
の導電性の弾性材料を保持器に形成されたアース接続端
子に接続するので、両電極群間の電磁的結合も同時に遮
断される。
【0074】そして、第6発明では、第2発明同様、接
続端子間の間隔が長いので、入力振動電極と出力振動電
極との間での電気力線による結合を防止できる。さら
に、1つの保持器内に上記入出力振動電極対とアース電
極が2組形成された1つの圧電基板が収容されていると
ともに、その圧電基板が矩形の水晶片であり、かつ、そ
の縁辺はx,z′軸に対して45°の角度で傾斜し、か
つ、上記入出力振動電極対はそれぞれxまたはz′軸方
向に沿ったギャップを介して形成され、その各入出力振
動電極は、圧電基板の縁辺部に形成された接続用パッド
に対して互いに同じ長さの引き出し電極パターンによっ
て接続されている構成としたので、各組の入出力振動電
極対は、必然的にその中心線が互いにずれた状態で、各
電極の引き出し電極の長さを同一とすることが可能とな
り、両電極群間の音響的結合および電磁的結合が抑制さ
れると同時に、各引き出し電極の寄生容量を等しくする
ことができ、調整が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明の実施形態に関連する構成の説明図
で、(A)は保持器1の上面部分(蓋)を取り除いて示
す平面図、(B)はそのb−b断面図、(C)は保持器
1の下面部分(底部)を透視して示す裏面図
【図2】第1発明の実施形態に関連する構成において、
一方の出力振動電極22と他方の入力振動電極31とを
保持器1内で接続する場合の構成例の説明図で、保持器
1の下面部分を透視して示す要部拡大裏面図
【図3】第1発明の実施形態の説明図で、保持器1の下
面部分を透視して示す裏面図
【図4】第2発明の実施形態に関連する構成の説明図
で、(A)は保持器1の上面部分を取り除いて示す平面
図、(B)はそのb−bで示される面で切断した要部拡
大断面図、(C)は保持器1の下面部分を透視して示す
裏面図
【図5】第2発明の実施形態に関連する他の構成の説明
図であり、図4(B)に対応してこれと同じ面で切断し
た拡大断面図
【図6】第2および第3発明の実施形態の説明図で、保
持器1の下面部分を透視して示す裏面図
【図7】第5発明の実施形態の説明図で、(A)は保持
器1の上面部分を取り除いて示す平面図、(B)はその
b−bで示される面で切断した要部拡大断面図、(C)
は保持器1の下面部分を透視して示す裏面図
【図8】第5発明の実施形態の説明図
【図9】第5発明の実施形態の説明図
【図10】第5発明の実施形態の説明図
【図11】第5発明の実施形態を示す要部断面図
【図12】第5発明の実施形態を示す要部断面図
【図13】第4および第5発明に適用される入出力振動
電極対のパターンの例を示す圧電基板20まはた200
の裏面図
【図14】第6発明の実施形態の説明図で、水晶片20
00の入出力振動電極対の形成側の面の平面図
【符号の説明】
1保持器 1b,1cピット 1dピット間の隔壁 1eアース接続用端子 11〜16接続端子(パッド) 17導電性接着剤 2,3,20,200圧電基板 21,31入力振動電極 22,32出力振動電極 23,33アース電極 21a,22a,23a,31a,32a,33a引き
出し電極パターン 4減衰材 5アース電極 6導電性減衰材 7弾性材料 201切り欠き 202長孔 203貫通孔 204,205溝 2000水晶片 B導電性接着剤 P接続用パッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−45868(JP,A) 特開 平5−259804(JP,A) 特開 平6−6175(JP,A) 特開 昭59−23910(JP,A) 特開 昭50−94850(JP,A) 特開 昭54−133046(JP,A) 実開 昭52−149673(JP,U) 実開 昭52−20137(JP,U) 実開 昭51−96344(JP,U) 実開 昭54−833334(JP,U) 特公 昭62−16573(JP,B2) 特公 昭62−14121(JP,B2) 実公 昭48−35463(JP,Y1)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電基板の一面に互いに所定のギャップを
    開けて入出力振動電極対が形成され、その反対側の面に
    はこれらと対向するようアース電極が形成された多重モ
    ード圧電フィルタにおいて、1つの保持器内に、それぞ
    れ上記入出力振動電極対およびアース電極が形成された
    2つの圧電基板が収容され、その各圧電基板の各電極
    が、それぞれ保持器に独立的に設けられた個別の接続端
    子に接続され、かつ、これらの接続端子は圧電基板のコ
    ーナー部分に形成されているとともに、一方の入出力振
    動電極対の入力振動電極が接続されている接続端子と、
    他方の入出力振動電極対の出力振動電極が接続されてい
    る接続端子とが、保持器の1つの対角線上に位置してお
    り、上記2つの圧電基板のうち、一方の圧電基板の出力
    振動電極が接続された保持器の接続端子と、他方の圧電
    基板の入力振動電極が接続された保持器の接続端子と
    が、それぞれ保持器内で導電性接着剤またはワイヤボン
    ディングによって互いに接続されているとともに、これ
    ら2つの圧電基板は、それぞれの入出力振動電極対間の
    中心線が、互いにずれた状態で保持器内に収容されてい
    ることを特徴とする多重モード圧電フィルタ。
  2. 【請求項2】 圧電基板の一面に互いに所定のギャップ
    を開けて入出力振動電極対が形成され、その反対側の面
    にはこれらと対向するようアース電極が形成された多重
    モード圧電フィルタにおいて、1つの保持器内に上記入
    出力振動電極対とアース電極が2組形成された1つの圧
    電基板が収容され、その2組の入出力振動電極対の間
    で、圧電基板がこれと音響インピーダンスの異なる材料
    によって保持器に対して接続されているとともに、その
    圧電基板の各電極が、それぞれ上記保持器に独立的に設
    けられた個別の接続端子に接続されており、一方の入出
    力振動電極対の入力振動電極が接続されている接続端子
    と、他方の入出力振動電極対の出力振動電極が接続され
    ている接続端子とが、圧電基板のコーナー部分に形成さ
    れ、かつ、圧電基板の1つの対角線上に位置しており、
    上記圧電基板には、2組の入出力振動電極対の形成面と
    同一側の面に、これら2組の入出力振動電極対の間を仕
    切るように別途アース電極が形成され、そのアース電極
    と上記保持器とが 、圧電基板と音響インピーダンスが異
    なる導電性材料によって相互に接続されているととも
    に、これら2組の入出力振動電極対の間を仕切るアース
    電極は、それぞれの入出力振動電極対間の中心に向けて
    突出するパターンを有し、その各突出パターンの幅は、
    各入出力振動電極対に近づくほど狭くなっていることを
    特徴とする多重モード圧電フィルタ。
  3. 【請求項3】 圧電基板の一面に互いに所定のギャップ
    を開けて入出力振動電極対が形成され、その反対側の面
    にはこれらと対向するようアース電極が形成された多重
    モード圧電フィルタにおいて、1つの保持器内に上記入
    出力振動電極対とアース電極が2組形成された1つの圧
    電基板が収容され、その2組の入出力振動電極対の間
    で、圧電基板がこれと音響インピーダンスの異なる材料
    によって保持器に対して接続されているとともに、その
    圧電基板の各電極が、それぞれ上記保持器に独立的に設
    けられた個別の接続端子に接続されており、一方の入出
    力振動電極対の入力振動電極が接続されている接続端子
    と、他方の入出力振動電極対の出力振動電極が接続され
    ている接続端子とが、圧電基板のコーナー部分に形成さ
    れ、かつ、圧電基板の1つの対角線上に位置しており、
    上記圧電基板には、2組の入出力振動電極対の形成面と
    同一側の面に、これら2組の入出力振動電極対の間を仕
    切るように別途アース電極が形成され、そのアース電極
    と上記保持器とが、圧電基板と音響インピーダンスが異
    なる導電性材料によって相互に接続されているととも
    に、これら2組の入出力振動電極対は、それぞれの入出
    力振動電極対間の中心線が、互いにずれた状態で保持器
    内に収容されていることを特徴とする多重モード圧電フ
    ィルタ。
  4. 【請求項4】上記アース電極は、それぞれの入出力振動
    電極対間の中心に向けて突出するパターンを有し、その
    各突出パターンの幅は、各入出力振動電極対に近づくほ
    ど狭くなっていることを特徴とする請求項3に記載の多
    重モード圧電フィルタ。
  5. 【請求項5】 圧電基板の一面に互いに所定のギャップ
    を開けて入出力振動電極対が形成され、その反対側の面
    にはこれらと対向するようアース電極が形成された多重
    モード圧電フィルタにおいて、1つの保持器内に上記入
    出力振動電極対とアース電極が2組形成された1つの圧
    電基板が収容され、その2組の入出力振動 電極対の間
    で、圧電基板がこれと音響インピーダンスの異なる材料
    によって保持器に対して接続されているとともに、その
    圧電基板の各電極が、それぞれ上記保持器に独立的に設
    けられた個別の接続端子に接続されており、一方の入出
    力振動電極対の入力振動電極が接続されている接続端子
    と、他方の入出力振動電極対の出力振動電極が接続され
    ている接続端子とが、圧電基板のコーナー部分に形成さ
    れ、かつ、圧電基板の1つの対角線上に位置しており、
    上記圧電基板には、2組の入出力振動電極対の形成面と
    同一側の面に、これら2組の入出力振動電極対の間を仕
    切るように別途アース電極が形成され、そのアース電極
    と上記保持器とが、圧電基板と音響インピーダンスが異
    なる導電性材料によって相互に接続されているととも
    に、これら2組の入出力振動電極対が、上記圧電基板上
    に互いに直交した状態で形成されていることを特徴とす
    る多重モード圧電フィルタ。
  6. 【請求項6】 圧電基板の一面に互いに所定のギャップ
    を開けて入出力振動電極対が形成され、その反対側の面
    にはこれらと対向するようアース電極が形成された多重
    モード圧電フィルタにおいて、1つの保持器内に、上記
    入出力振動電極対とアース電極が2組形成された1つの
    圧電基板が収容され、その2組の電極群の間を仕切る位
    置に、圧電基板を貫通する切り欠き、長孔または複数の
    貫通孔、もしくは、少なくとも各入出力振動電極対が形
    成された側の面上に溝が形成され、かつ、その切り欠
    き、長孔、複数の貫通孔もしくは溝内に導電性材料から
    なる弾性材料が埋め込まれ、かつ、この弾性材料が上記
    保持器に形成されたアース接続端子に接続されていると
    ともに、上記圧電基板の各電極が、それぞれ上記保持器
    に独立的に設けられた個別の接続端子に接続され、か
    つ、一方の入出力振動電極対の入力振動電極が接続され
    ている接続端子と、他方の入出力振動電極対の出力振動
    電極が接続されている接続端子とが、圧電基板のコーナ
    ー部分に形成され、かつ、圧電基板の1つの対角線上に
    位置しており、上記2組の入出力振動電極対が、上記圧
    電基板上に互いに直交した状態で形成されていることを
    特徴とする多重モード圧電フィルタ。
  7. 【請求項7】 圧電基板の一面に互いに所定のギャップ
    を開けて入出力振動電極対が形成され、その反対側の面
    にはこれらと対向するようアース電極が形成された多重
    モード圧電フィルタにおいて、1つの保持器内に上記入
    出力振動電極対と アース電極が2組形成された1つの圧
    電基板が収容されているとともに、その圧電基板が矩形
    の水晶片であり、かつ、その縁辺はx,z′軸に対して
    45°の角度で傾斜し、かつ、上記入出力振動電極対は
    それぞれxまたはz′軸方向に沿ったギャップを介して
    形成され、その各入出力振動電極は、圧電基板の縁辺部
    に形成された接続用パッドに対して互いに同じ長さの引
    き出し電極パターンによって接続されているとともに、
    その圧電基板の各電極が、それぞれ上記保持器に独立的
    に設けられた個別の接続端子に接続されているととも
    に、一方の入出力振動電極対の入力振動電極が接続され
    ている接続端子と、他方の入出力振動電極対の出力振動
    電極が接続されている接続端子とが、圧電基板のコーナ
    ー部分に形成され、かつ、圧電基板の1つの対角線上に
    位置していることを特徴とする多重モード圧電フィル
    タ。
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