JP3507077B2 - 結腸直腸新生物の早期発見用のスクリーニングテスト - Google Patents

結腸直腸新生物の早期発見用のスクリーニングテスト

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は結腸直腸癌の簡便なスクリーニングテスト
(screening test)に関する。具体的は、結腸指頭診断
法によって得られた直腸粘膜中で結腸直腸癌マーカーを
検出する方法を記載するものである。特に、このマーカ
ーは支持体上に担持させた粘膜中でシッフ試薬を用いて
検出される。
発明の背景 結腸直腸癌は男性及び女性の癌死亡率のうちで二番目
に頻度の多い死亡因であり、北アメリカにおける悪性腫
瘍関連死全体のほぼ三分の一の原因となっている。究極
的にはカナダ人及びアメリカ人の約6%が腸下部(lowe
r bowel)の悪性腫瘍になるであろうということ及びそ
のうちの50%を越える人が診断から5年以内に死亡する
であろうということが推定されている。いったん癌が腸
壁全体に広がると治癒率を顕著に向上させる見込みが実
際にはないので、多くの権威者が結腸直腸癌は予防策に
よる以外は抑制できないと信じている(1)。
第一の予防策、すなわち種々の生物学的危険率因子
(risk factor)を部分的に変化させることによって腫
瘍の発育を部分的に変えることは、前記疾病の病因がほ
とんど理解されていないことから、まだ実行可能ではな
い。また、第二の予防策、すなわち無症候性で治療可能
な段階(state)で発見することは可能であり、利用し
得る有効なスクリーニングテストであろう。実際、腸下
部の新生物(neoplasm)は、スクリーニングテストの開
発に適した候補(candidate)となる特徴を有してい
る。これは、i)それが癌関連死の共通の原因であり、
またii)いったん真性癌の段階に至ると症状がもたらさ
れ、死亡率が50%を越えるが、その最も早い無症候性の
段階での腸の新生物の切除が有意な危険なしに非外科的
内視鏡ポリープ切除法によって行うことができるからで
ある。さらにまた、腺腫性ポリープ(adenomatous poly
p)が癌の段階に至るまでに少なくとも4〜6年を要す
るので、これらの新生物を治療可能な段階で発見する十
分な機会がある。最近の臨床研究により、その理論的考
察によって予測されているように、結腸直腸癌スクリー
ニングによる死亡率の低下が報告されている。現在まで
の問題は、ポリープは内視鏡検査法による以外は確実に
発見できないということにある。
すなわち、結腸直腸癌は、スクリーニングプログラム
に適していると考えられる病気の次の3つの基準のそれ
ぞれを満たしている。第一に、結腸直腸癌は比較的よく
起こる病気(common condition)であり、深刻な成り行
き(consequence)を伴う。第二に、初期の段階で発見
した場合には治療処置を講じることができる、すなわち
結腸スコープ(colonoscope)又は外科的な腸分節切除
術によって係蹄ポリープ切除法を利用できることであ
る。第三は、有症率(prevalence)がスクリーニングプ
ログラムの費用を正当化するのに十分に高いことである
(2)。
スクリーニングの原理 医療スクリーニングプログラムの目的は、病気を治療
処置を可能にするのに十分に早い段階で発見することに
よって罹病率及び死亡率を低下させることにある。医療
スクリーニングプログラムの目的は、病気を診断するこ
とを必ずしも意図するものではなく、無症候性で、明ら
かに病気でない人がどの診断調査を受けるべきであるか
を決定することを意図するものである。さらなる評価を
保証する(warrant)人と、さらなる評価を保証しない
人とを識別するスクリーニングテストの能力は、疫学的
用語で表現される。“感受性(すなわち感度)”という
用語は、陽性検査結果(positive test)をもつ病気に
かかった人の割合、すなわち病気を持つ真の陽性数(po
sitives)/被検者の全体数の割合として定義される。
“特異性”は、陰性検査結果をもつ病気にかかっていな
い被検者の割合、すなわち病気のない真の陰性数(nega
tives)/被検者の全体数の割合として定義される。
“陽性予測値”という用語は、病気による陽性検査結果
の割合、すなわち真の陽性数/被験者の全体数の割合と
して定義される。ほとんどの場合、感受性と特異性はそ
れぞれ他方に対して交換される(traded against each
another)にちがいない。直感的には、病気を持つ人を
できる限り多く発見することを目的として、感度を最適
化するように致命症用のスクリーニングテストを設計す
るのが賢明であるように思われる。しかしながら、感度
を最適化することは、許容し得ないほど高い費用と、少
ない承諾(poor compliance)と、診断設備の“氾濫(f
looding)”とを招くような程度まで特異性を低下させ
る危険を生じることが強調されている。さらにまた、ス
クリーニングテストの数値の特に有用な表示(expressi
on)である陽性予測値(positive predictive value)
は、特異性と、スクリーニングした個体群中の病気の有
症率とに臨界的に依存している。
スクリーニングテストの有効性は、無作為対照試験
(randomized controlled trials)による以外は適切に
評価できないことが強調されている。癌の場合には、悪
性腫瘍を陽性スクリーニングテストによって発見した場
合には、症状が現れた後に腫瘍を診断した場合と比べ
て、寿命が長くなることを例証することは十分ではな
い。その代わりに、スクリーニングテストによって選別
された人は、かかるスクリーニングプログラムに登録さ
れていない同様の人よりも悪性腫瘍による死亡率が低
い。先の種々のスクリーニングプログラムの結果の解釈
(すなわち判断)における誤り(すなわちエラー)の重
大な原因としては、誘導時間の偏り(lead time bia
s)、長さの偏り及び患者選択の偏りが挙げられる。特
に誤った仮説は、スクリーニングテストの予測値が、病
気が進行している入院患者(該患者の場合はスクリーニ
ングテストは通常は最初に行われる)における予測値
が、病気が初期で最小限である健常な個体群(上記テス
トは通常、該個体群を標準に定める)における予測値と
同じであるということである。
現在普及しているスクリーニング方法 内視鏡検査法、例えばS状結腸鏡検査法又は結腸全長
の結腸内視鏡検査法は、スクリーニング法というよりは
むしろ診断法である。一般的に普及している唯一の現行
の結腸直腸癌のスクリーニング方法は大便中の潜血を検
査する方法である(3)。現在の方法、例えばHemOccul
t II法は、大便の試料をグアヤク含浸紙の上に塗抹する
ことを必要とする。グアヤク含浸紙は、発色剤を含有す
る過酸化水素で処理した後に、血液すなわちヘモグロビ
ンが存在する場合には青色を示す。この方法を用いてほ
ぼ20年間の経験を積んだ後に、専門施設であっても治療
可能な新生物に対する感度が50%よりも低いことや、陽
性予測値が臨床個体群においてよくみてもほぼ40%であ
ることが明らかになっている。米国ミネソタ州ミネソタ
の大規模(n=97,205)大学からの最新情報によれば、
予期される試験(prospective trial)は、HemOccult法
を50〜80歳の無症候の被験者に用いた場合には、結腸直
腸癌について陽性予測値がわずか2.2%であり、病気に
かかっている人が全体で0.2%であることを示している
(4)。さらにまた、種々の因子、例えば投薬、多数の
食事成分、試料処理の遅れ、糞便の水分の変動性及び検
定材料の保存は、一般に結果を混乱させる。HemOccult
法の値を評価する3種類の無作為調査のうちの一つの調
査の分析は、選別した個体群及び試験した対照個体群に
おいて相当の死亡率を示唆している(5)。潜血を検出
するより新しい方法、例えばポルフィリン分析[HemoQu
ant]か又はヒトヘモグロビンに特異的な抗体のいずれ
かに基づく方法は、その結果を向上させ得る。しかしな
がら、克服すべきであると思われる3つの限定された問
題が残っている。これらの問題は、結腸直腸の悪性腫瘍
が断続的にしか血液を流さないこと、上部胃腸管の出血
が結果を(誤って)陽性にし得ること、及び腸下部の多
数の病巣が結腸直腸新生物とは別に普通に出血すること
である。かかる病巣としては痔核、憩室(diverticula
e)、潰瘍及び血管拡張が挙げられる。選択されなかっ
た個体群のコンプライアンスすなわち承諾(complianc
e)は30%よりも低いと推定されている。その理由は少
なくとも部分的には、前記方法は患者自身が自分の大便
をスライド又は細長い棒状物(ストリップ)に塗抹する
ことを必要とし、仕事を持つ大部分の人々(a task mos
t people)が嫌うばかりではなく技術的に難しいことを
知っているからである。これにも拘わらず、HemOccult
法は継続して広く使用されている。その理由は、アメリ
カ癌協会(American Cancer Society)が50歳以上の人
全員に毎年、潜血検査を受けることを推奨し、不完全な
検査であっても多数の生命が救われるであろうと論じて
いるからである。HemOccult法の数値に対する全ての論
議には、現在の形態であっても潜血のスクリーニングは
結腸直腸癌による死亡率の低下をもたらすという理由か
ら、腸の悪性腫瘍のスクリーニング技術の改良が病気に
よる結腸直腸癌死亡率に対して劇的な影響を及ぼすこと
が暗に示されている(6)。
実験スクリーニング方法 (i)大便のDNA分析による結腸直腸癌のスクリーニン
グ(7) この方法は結腸内腔に多量に流れた新生物細胞が大便
中に存在することに基づいている。原則として、新生物
に共通している突然変異体(a mutation)は、これらの
新生物細胞に由来するDNAを分析することによって高精
度で検出できる。従って、結腸直腸の腫瘍中に検出可能
な突然変異体が存在することがかかるスクリーニング方
法の開発には不可欠である。あいにく、この方法は新規
又は改変されたオリゴヌクレオチド配列にのみ基づく突
然変異体を認識できるが、その一部分の欠失に基づく変
異体を認識できない。従って、遺伝子における欠失に基
づいた新生物関連の変異、例えば結腸直腸腫瘍に普通に
認められるような染色体上の対立遺伝子の欠失は、前記
方法の限界を越えている。現在、最も普通の突然変異体
は、結腸直腸癌腫及び腺腫の約40%の中に存在するK−
ras癌遺伝子である。従って、K−ras癌遺伝子のスクリ
ーニングは、多くても新形成すなわち組織異常増殖の約
40%を検出できるだけである。この方法は、現時点では
技術的に極めて複雑であり且つ費用を要する。
(ii)ムチン中の癌に関連した二糖、D−Galp(β1−
3)−D−GalpNAc(α1,Ser/Thr)、T−(Thomsen−F
riedenreich)抗原の存在のスクリーニング、その理由
は、T−抗原は健康な結腸中の細胞によって発現されな
いが、癌によって発現されることが広く知られているか
らである(8)。
(a)モノクロナール抗体及びレクチン: 合成T−抗原に対して生じたモノクローナル抗体は癌
細胞を認識し、それに結合することが明らかにされてい
る。同様に、落花生凝集素(PNA)、すなわちレクチン
は前記の二糖に強く結合するが、より低い特異性で悪性
腫瘍を認識する。Amaranthus caudatus由来のレクチン
であるアマランチン(Amaranthin)はT−抗原に対して
PNAよりも良い特異性を持っていることが報告されてい
る。アマランチンもPNAも正常な粘膜の組織学的分節(s
ections)には結合しないが、両者は腫瘍及びある種の
ポリープの杯状細胞並びに遷移性の粘膜中のムチンと結
合する。この結合の可視化は蛍光標識した抗体及びレク
チンを利用する(9)。
(b)ガラクトースオキシダーゼ試験。
また、ガラクトースの6−OHをガラクトースオキシダ
ーゼを用いて酸化し、生成したアルデヒドをシッフ試薬
で可視化した後に、T−抗原を比色分析により検出でき
ることも報告されている−Shamsuddinらに1989年8月15
日付けで発行された米国特許第4857457号明細書参照。
レクチンを使用する試験と比べて、この試験は直腸指頭
診断法によって得られ且つ支持体上に塗抹された粘膜試
料に対して行われる。このシステムは、担癌患者59人の
中でわずか1例の偽陰性結果を伴った一つの研究におい
て、結腸直腸新生物すなわち腺腫性ポリープ及び癌につ
いて74%の感受性と50%の特異性を示した。その時以
来、基本的に同じ試験に関する多数の報告は、35%〜10
0%の範囲の感受性と、15%〜76%の範囲の特異性をも
つと思われる。数人の研究者が、上記の試験はHemOccul
t法よりも感受性が高いが、特異性が劣ることを認め
た。この低い特異性は、ある種の炎症状態、例えば憩室
炎や潰瘍性結腸炎を持つ個体の試験における陽性率(po
sitivity)のせいにされている(10)。
参考文献リスト 本明細書では下記の刊行物を参照し、そのそれぞれは
本明細書において特に参考文献として参照される。
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that recognizes the T−(or cryptic T)antigen〔T
−(又は陰性T)抗原を認識する、Amaranthus caudatu
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の予測研究).Cancer Biotherapy.,,49(1993). XI. Robins JH,Abrams,GD,Pincock JA:The structure
of schiff reagent aldehyde adduct and the mechanis
m of the Schiff reaction as determined by nuclear
magnetic resonance spectroscopy(核磁気共鳴分光分
析によって測定したシッフ試薬アルデヒド付加物の構造
とシッフ反応のメカニズム).Can.J.Chem.,58,339(198
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991. 特 許 1.米国特許第4857457号明細書、Shamsuddinら、1989年
8月15日 2.米国特許第4762800号明細書、Rettigら、1988年8月
9日 3.米国特許第4863854号明細書、Mattesら、1989年9月
5日 4.米国特許第4962187号明細書、Pant、1990年10月9日 5.米国特許第5073493号明細書、Yamashina、1991年12月
17日 6.米国特許第5008184号明細書、Linnane、1991年4月16
日 発明の概要 前記の従来技術とは異なり、本発明者らは、結腸直腸
の新生物性疾病を持つ人から採取した粘液がシッフ試薬
によって着色を生じるマーカーを含んでいることを意外
にも知見した。この検定は、従来技術で必要とするよう
な二糖マーカー、β−D−Gal(1→3)−D−GalNAc
を検出することを必要としない。事実、この二糖はシッ
フ試薬と反応しない。
本発明の目的は、大腸及び直腸の癌について症候の無
い人をスクリーニングするための手段(tool)を提供す
ることにある。
本発明の別の目的は、出血性癌が発育する前に大腸及
び直腸の新生物を検出するためのスクリーニングテスト
を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、偽(false)陽性結果及
び偽陰性結果を高い割合で与えない結腸直腸癌のスクリ
ーニングテストを提供することにある。
本発明のさらにまた別の目的は、前記のテストを病
院、医療実験室又は診療所以外で実施できるスクリーニ
ングテスト用キットを提供することにある。
本発明のこれらの目的及び他の目的並びに利点は、全
体として本明細書を読むことによって理解されるであろ
う。
従って、本発明は一つの要旨において、結腸又は直腸
の前癌又は癌の存在を検出する方法であって、患者の直
腸から結腸直腸粘液の試料を得;該試料を二糖マーカ
ー、β−D−Gal(1→3)−D−GalNAc検出用の酵素
を添加する工程を必要とすることなくシッフ試薬で処理
し;次いで該処理によって前記試料中に生じた着色に基
づいて結腸又は直腸の前癌又は癌を検出することからな
る結腸又は直腸の前癌又は癌の存在を検出する方法を提
供するものである。
すなわち、本発明は、結腸又は直腸の新生物又は癌の
存在を検出する方法であって、患者の直腸から結腸直腸
粘液の試料を得;該試料を二糖マーカー、β−D−Gal
(1→3)−D−GalNAc検出用の酵素を添加する工程を
必要とすることなくシッフ試薬で処理し;次いで該処理
によって前記試料中に生じた着色に基づいて結腸又は直
腸の新生物又は癌を検出することから本質的になる、結
腸又は直腸の新生物又は癌の存在を検出する方法であ
る。
上記したところから明らかな通り、本発明の方法は、
前記の粘液試料をシッフ試薬で処理する前に、前記の試
料を二糖マーカー、β−D−Gal(β1→3)−D−Gal
NAc検出用の酵素で処理する必要がない。
前記の呈色は塩基性フクシン単独では発現しないが、
シッフ試薬自体は塩基性フクシンから調製される(1
1)。
腫瘍組織の組織学的分節(sections)に結合するレク
チン又は抗体に比べて、結腸粘液を検査する重要な利点
は、検査すべき材料の入手が容易なことである。結腸の
管孔(luminal)表面はその長さ全体にわたって粘液、
すなわち水分、電解質、有機化学物質及び大分子量の糖
タンパク質(ムチン類)並びに脱落細胞及び細菌からな
る粘弾性ゲル(これは腸に沿って移動し得る)で覆われ
ているので、結腸粘液は、結腸全体からの粘液、試料採
取される位置である直腸中の腸に沿って新生物組織流に
よって分泌された粘液を含んでいることが示唆される。
選別された被検者(subjects)から内科医又は訓練さ
れた看護婦によって取り出された粘液試料は、適当な水
不溶性基体(substrate)又は支持体、例えばパッド又
はディスク上に置かれる(deposited)。適当な支持体
材料は、例えばガラス微細繊維ワットマン(Whatman)G
F/C、重合体繊維例えばBiotrace RP、Metricel DM 45
0、Metricel VM−1、Sepraphore III、Versapore 45
0、又はセルロース繊維例えばワットマン3MMである。前
記支持体は酸化防止剤例えばBHT(ブチル化ヒドロキシ
トルエン)又はBHA(ブチル化ヒドロキシアニソール)
で前処理されていてもよいし又は前処理されていなくて
もよい。
2つの方法を用いるのが好ましい。
方法Aでは、粘液試料を以下に記載の支持体上に置
き、この粘液を担持した支持体を燐酸カリウム緩衝液で
一般的には10分間洗浄し、次いで水洗し、過剰の水を除
去し、そして該支持体をシッフ試薬中に短時間例えば1
分間入れ、蒸留水で手短に洗浄し、次いで例えば空気中
で乾燥するか又は2枚の濾紙の間で前記支持体を押すこ
とにより乾燥するか、あるいは両方により乾燥する。濾
紙上に20〜25分間で紫色〜赤紫色が現れる場合を陽性反
応と記録する。
方法Bでは、粘液試料を以下に記載のようにシッフ試
薬を既に含有している支持体上に置く。該支持体は、マ
ーカーが存在する場合には粘液試料をおいた後に短時間
例えば30〜60秒以内に紫色〜赤紫色を発色する。
支持体例えばパッドは、方法Bに関しては、パッド上
に保持されるのに有効で適当な量を提供するのに適した
濃度のシッフ試薬の中に浸すか又は該シッフ試薬で処理
され、マーカーの呈色による適切な検出が行われる。
本発明者らは、粘液塗抹パッドはシッフ試薬で処理し
た後に空気に長時間、通常は少なくとも1時間暴露され
るとシッフ試薬の酸化により均一に着色することを認め
た。真の陽性率がかかるバックグラウンドから容易に識
別されるが、かかるバックグラウンドは前記の酸化防止
剤処理によりさらに小さくすることができる。
粘液試料が何ら着色を生じない場合には、それは粘液
中にマーカーが存在しないことによるものであるか又は
粘液が手袋をはめた指で採取されずそのために粘液が支
持体上に置かれていなかったことによるかいずれかによ
るものである。これらの2つの可能性を識別するために
は、陰性検査用の粘液処理した支持体を0.5%過沃素酸
溶液で5分間処理し、水で洗浄し、シッフ試薬で染色
し、次いで再度洗浄する。マーカーを欠く粘液が存在す
る場合には、紫色〜赤紫色の色が現れる。あるいは、支
持体は無色のままである。しかし、若干のバックグラウ
ンドの色が生じ得る。
本発明の方法の実施中は、呈色について種々の濃淡が
認められる場合がある。かかる変化はマーカーの構造上
の違いを反映し得、しかも恐らくは被検体の臨床状態、
例えば慢性炎症、潰瘍性大腸炎などに関係するであろ
う。
シッフ試薬の化学的性質は、その調製方法に応じて変
化することが知られている。従って、シッフ試薬の多数
の変種が調製され、本発明の方法で使用するために試験
される。シッフ試薬の種々の調製方法の詳細は以下に列
記する。本発明者らは色、感度、特異性及び酸化安定性
の違いが得られることを認めた。合理的な再現可能な結
果を与えながら、以下に列記した種々のシッフ試薬のう
ちの幾つかは、例えば粘液試料に対して過度に感受性で
あるか又は不十分な感受性であるか、あるいは十分なバ
ックグラウンドの色よりも劣る色を与える。最大の感度
で再現可能な結果を得るために、以下に記載の好ましい
シッフ試薬No.1が開発されている。
市販の塩基性フクシン(p−ローズアニリン)は意外
にも純度が低い場合が多く、シッフ試薬は使用前に前記
フクシンから精製することによって調製することが好ま
しいことが認められる。シッフ試薬の調製に必要な二酸
化硫黄は、ガス状でそのまま使用できるし、又は種々の
前駆体例えばNaHSO3、SOCl2、K2S2O5及びNaS2O5からそ
の場で発生させることができる(12)。本発明者らは、
シッフ試薬の調製方法がある程度まで該試薬の反応性、
感度及び安定性を決定することを見出した。
別の要旨によれば、本発明はスクリーニング用キット
であって、結腸直腸粘液を吸収できる水不溶性支持体を
収容する容器例えばパッケージ、カートン、管、箱、ロ
ール、テープ又は他のカプセル様物体と、シッフ試薬と
からなるキットを提供する。
支持体(基体)はシッフ試薬の活性部分を保持するた
めにシッフ試薬の溶液で前処理されていてもよいし、又
は前記容器は別々に包装された支持体とシッフ試薬のそ
れぞれを有していてもよいし。あるいは、シッフ試薬は
支持体上に置かれた塩基性フクシンから使用前に生成さ
せてもよい。
別の要旨によれば、本発明は前記のスクリーニング用
キットであるがシッフ試薬の代わりに、包装された塩基
性フクシンを組み込んであるスクリーニング用キットを
提供するものである。塩基性フクシンは、二酸化硫黄と
塩基性フクシンとを事後に反応させることによりシッフ
試薬を生成する供給源として提供される。
好適な態様の説明 本発明をより良く理解し得るために、好ましい態様を
単なる例として添付の図面を参照して以下に記載する。
添付の図面において、図は本発明の実施に使用する装置
の透視図を表す。
図は一般的にフレーム組立体(frame assemly)10を
表すものであり、該組立体はPlexiglass(登録商標)熱
可塑性プラスチック製の一対の長方形の形をしたプレー
ト12及び14(10cm×10cm×3mm)からなる。上部プレー
ト12は下部プレート14の上に、一対の向かい合っている
クリップ16によって一緒に緊密に接合した状態で操作可
能に重ねられる。
プレート12は一対の円形の窓18(直径2cm)を有して
いる。窓18のすぐ下のプレート12と14の間には、窓を通
して利用できるように、Seprapore III重合体フィルム
製の一対のディスク状支持体20(直径2.5cm)が保持さ
れている。
操作において、例えば内科医又は看護婦は、窓18を通
して2つのパッド20それぞれの表面に粘液試料を塗抹す
る。クリップ16を取り外し、そしてディスク20を、方法
Aに関連して又は方法Bに従ってフレーム状組立体10中
に直接に読まれる事後の結果のいずれかに記載のように
して、以下に記載の様にして処理する、次いでディスク
20を取り出し、廃棄する。プレート12及び14は一般的に
洗浄され、再使用される。
2つの一般的方法を、結腸直腸新生物の早期発見用の
スクリーニングテストとして以下に説明する。
方法A: 直腸指頭診断中に得られた粘液試料を塗抹してあるデ
ィスクの形状のSepraphore III支持体を、2枚の正方形
のPlexiglass(登録商標)プレートにより形成されたフ
レーム中で圧締めする。これは内科医の診療室で取り扱
うのに都合のよいものであり得る。直腸指頭診断に適し
た潤滑剤例えばグリセリンが、シッフ試薬と反応しない
潤滑剤の中から選択される。処理については、バックグ
ラウンドの色を最小限にすることから下記の方法が適し
ていることが認められた。
塗抹された粘液試料を有する支持体を、0.1M燐酸カリ
ウム緩衝液(pH6.5〜6.7)中に10分間入れ、取り出し、
次いで蒸留水で手短に洗浄する。過剰の水分は、前記支
持体をセルロース製濾紙上に、粘液塗抹標本を有する側
を上部にしながら置くことによって除去する。次いで、
支持体を以下に記載のシッフ試薬No.1中に1分間入れ、
取り出し、蒸留水で手短に洗浄し、2枚のセルロース濾
紙の間で押しつけ、次いで風乾する。濾紙上に20〜25分
以内に紫色〜赤紫色が現れる場合を陽性反応と記録す
る。前記の緩衝液洗浄を省くと、感度が維持される場合
でも低下した試験特異性をもたらす。
支持体上に粘液と一緒に置かれた大便は、色の発現前
の貯蔵中に、沈着した粘液中で所望しない転換(transf
ormation)を生じて、陰性検査の読みを招く。この転換
が生じるのを防止するためには、粘液が存在しない支持
体の前処理を使用前に、酸化防止剤例えば95%エタノー
ル中のBHT又はBHAの0.1溶液を用いて行う。
2種類の粘液試料はそれぞれの被検者から得るのが好
ましく、一方の試料は検査に使用され、他方の試料は確
認用に使用される。通常は異なる量の粘液が支持体上に
置かれると認められることが認められるべきである。次
いで、試料はシッフ試薬で処理され、結果が記録され、
試料はさらに過沃素酸−シッフ試薬で処理されて沈着し
た粘液の量が決定される。この方法は、ごく少量の粘液
が支持体上に存在する場合には、弱陽性の粘液−シッフ
検査結果が期待されるべきであることを示している。従
って、これは多量の粘液試料の強陽性結果と同じ有効性
を有する。
方法B:適当な支持体は下記のようにして調製する。
セルロース製パッド又はディスク(Whatman 3MM)を9
5%エタノール中のBHTの0.1%溶液に浸し、次いで乾燥
する。次いで、それをシッフ試薬No.1に浸し、次いで乾
燥する。この前処理した支持体を−20℃で保存するか又
は密封して空気との接触を防ぐことができる。別法とし
て、追加の保護のために、支持体の上にシッフ試薬を乗
せた後に支持体を再度用BHT溶液に浸し次いで乾燥して
もよい。
指頭サンプリングした後に手袋をはめた指上に得られ
た粘液の試料はこの支持体に塗抹される。試料を支持体
上においた後に最大で約1分以内に色が発現する場合に
は、この試料はマーカーに対して陽性である。この後で
色が発現した場合には陽性とは言わない。
燐酸緩衝液を用いた処理が方法Bでは省かれているの
で、方法Bの特異性は方法Aの特異性よりも低い(80〜
90%から60〜70%まで)。感度は100%に近いままであ
るので、陰性結果は病気のない個体を表す。陽性結果は
方法Aによって再検査して検査の特異性を上げることが
できる。
本発明で使用する多数のシッフ試薬は以下のようにし
て調製する。
1.塩基性フクシン(0.2g)を、熱水(100ml)に溶解し
5分間沸騰させ、濾過し、次いで室温まで冷却する。亜
硫酸水素ナトリウム(1.17g)と1N塩酸(17ml)とを連
続的に上記濾液に加え、得られた溶液を暗所で室温で4
日間放置する。脱色性木炭(0.15g)を加え、よく撹拌
し次いで濾過して除く。得られた無色又は僅かに黄色の
溶液は、適当な長期間安定である。得られた試薬は冷蔵
庫に+4℃で保存する。
2.塩基性フクシン(1.0g)を熱水(200ml)に溶解し、
5分間沸騰させ、濾過し、次いで室温まで冷却する。次
いで、メタ亜硫酸水素ナトリウム(1.0g)と1N塩酸(20
ml)とを連続的に上記濾液に加え、得られた溶液を暗所
で室温で4日間放置する。木炭(0.3g)を加え、十分に
撹拌し、次いで濾過して除去する。
3.塩基性フクシン(1.0g)を熱水(200ml)に溶解し、
5分間沸騰させ、濾過し、次いで室温まで冷却する。次
いで、メタ亜硫酸カリウム(1.0g)と1N塩酸(20ml)と
を連続的に前記濾液に加え、得られた溶液を暗所で室温
で4日間放置する。木炭(0.3g)を加え、十分に撹拌
し、次いで濾過して除去する。
4.塩基性フクシン(1.0g)を熱水(200ml)に溶解し、
5分間沸騰させ、濾過し、次いで室温まで冷却する。次
いで、メタ亜硫酸水素カリウム(1.0g)と1N塩酸(25m
l)とを連続的に上記濾液に加え、得られた溶液を暗所
で室温で一晩放置する。得られた溶液にまだ色が残る場
合には、6N塩酸を2滴加え、暗所で48時間に保存する。
次いで、木炭を加え、十分に撹拌し、濾過して除去す
る。
5.塩基性フクシン(0.2g)を熱水(100ml)に溶解し、
5分間沸騰させ、濾過し、次いで室温まで冷却する。得
られた濾液に塩化チオニル(7〜8ml)を加えた後、溶
液を暗所で24時間放置する。木炭を加えて上記溶液を脱
色し、十分に撹拌し、次いで濾過して除去する。
6.塩基性フクシン(1.0g)を0.25Mの塩酸(100ml)に溶
解し、次いで亜硫酸水素ナトリウム(10.0g)を加え
る。溶液はpH=3を有する。
7.塩基性フクシン(0.12g)を熱水(200ml)に溶解し、
5分間沸騰させ、濾過し、次いで室温まで冷却する。次
いで、氷酢酸(11.40ml)と亜硫酸水素ナトリウム(1.0
g)とを連続的に上記濾液に加える。得られた溶液を僅
かにピンク色をしている。
8.市販のシッフ試薬(Fischer)pH=1を水酸化ナトリ
ウム水溶液(0.2N)を加えることによりpH=3に調整す
る。
9.塩基性フクシン(1.0g)を熱水(200ml)に溶解し、
5分間沸騰させ、濾過し、次いで室温まで冷却する。次
いで、亜硫酸水素ナトリウム(1.0g)と1Nの塩酸(25m
l)とを連続的に上記濾液に加え、得られた溶液を暗所
で室温で48時間放置する。木炭(0.3g)を加え、十分に
撹拌し、次いで濾過して除去する。
10.塩基性フクシン(1.0g)を熱水(200ml)に溶解し、
5分間沸騰させ、濾過し、次いで室温まで冷却する。次
いで、亜硫酸水素ナトリウム(2.0g)と1Nの塩酸(25m
l)とを連続的に上記濾液に加え、得られた溶液を暗所
で室温で48時間放置する。木炭(0.3g)を加え、十分に
撹拌し、次いで濾過して除去する。
11.市販のシッフ試薬(Sigma)pH=1.5(100ml)に氷酢
酸(4.5ml)を加える。
実施例 実施例1 方法Aを部分的に改変した方法を用いて調査した群の
全てにおいて、臨床的に診断された癌は高い感度、すな
わち最低でも92%の感度で検出された。ある一つの研究
においては、25人の癌患者のうち23人が粘液−シッフ試
験で陽性の結果を示した。30人の大きい腺腫性ポリープ
患者のうち24人が陽性を示した。76人の小さいポリープ
患者のうち43人が陽性を示した。
この群の結果により、結腸炎症状態例えば潰瘍性大腸
炎、憩室炎、クローン病(Crohn's disease)、急性及
び慢性炎症が陽性結果を与える場合が多いことが示され
た(表)。少なくともこれらの状態のうちの幾つかが結
腸直腸癌の危険率因子として認識されていることから、
これらの結果はこの試験が感染しやすい個体又は新生物
発現の早期段階のいずれかを認識することを示してい
る。後者の論拠はさらにポリープにも該当する。
実施例2 研究は内視鏡検査装置を訪れる患者と、非悪性腫瘍疾
患のために内科医(胃腸病学者)に診療室を訪れる患者
とを比較することを意図したものであった。両者の訪問
は特定されない症状によるものであった。後者の群は45
人の患者からなり、前者の群は39人の患者からなってい
た。2つの試料標本をそれぞれの患者から調製した。方
法Aを部分的に改変した方法を使用した。前記の2つの
群の間の2つの主な違いは以下の通りである:すなわち
(a)内視鏡検査法の1群は、予め結腸洗浄を受けて結
腸の便を除去され、粘液採集(及び内視鏡検査)の前に
24時間液体食事療法を行い、一方、(b)別の群は洗浄
を受けずしかも食事制限はなかった。
得られた結果は、27%の陽性率(95%信頼区間:15.4
〜42.6)、すなわち内科医の診療室の患者の中で12/45
であり、また33%の陽性率(95%信頼区間:19.3〜48.
4)、すなわち内視鏡検査群の患者の中で13/39を示す。
すなわち、この研究は試料中の便の存在及び普通の食物
摂取量が陽性率の割合を決定しないことを示す。その結
果、陽性率は結腸直腸癌以外の状態によるものである。
実施例3 臨床対照個体群で測定された特異性は、試験の時点で
は臨床的に検出された新生物を有していない患者であっ
て幾つかの特定されていない病気(これは将来癌を形成
するかもしれない)を持っている患者では、極めて不正
確である。従って、研究は腸管の疾患又は新生物性の病
気にかかっていると思われない47人の青年ボランテアの
一群における陽性数を調べることを意図するものであ
る。個体群全体は18〜35歳であり、完全の健康であると
思われた。この調査は調査したスクリーニング手段(to
ol)の特異性について評価を与えることが期待された。
それぞれの個体から4種類の試料を採取した。
実施例2及び3に記載の結果は、数人の個体が新生物
の危険が大きくなる状態にあるかもしれないことを示唆
している。健康な若いボランテア(患者ではない)の中
の偽陽性の割合は低い(10.6%)ことが認められた。事
実、炎症を起こした腸の分節は、前癌状態に転化し得、
これはおそらくこの試験によって発見されるであろう。
新生物に対するこの試験の高い感度及び比較的高い特
異性は、結腸内視鏡検査を受けている患者の数を減らし
得る。その理由は、彼らが直腸出血、説明できない鉄欠
乏性貧血又は第1度の腫瘍(a first−degree relative
with a tumor)をもつからである。
表は、粘液検査に同意したカナダ国オンタリオ州トロ
ント市Wellesley病院で内視鏡検査装置で結腸直腸癌を
もつ患者及び前癌状態と想定される患者の一群から得た
粘液のシッフ試薬分析の結果を表すものである。
下記の注釈は、表についてよりよい理解を与えるもの
である:すなわち、 (a)陰性として表に挙げた2人の癌患者はパッド上に
置いた極めて少量の粘液に起因する不明瞭な反応を有し
ていた。彼らはこの試験を反復する前に手術を受けてお
り; (b)ポリープの陽性/陰性は、幾つかのポリープが癌
前駆体であり、これに対し幾つかのポリープが癌前駆体
ではないという周知の観察を表すものであり; (c)レーザー治療は、特にレーザー凝集(coaggulati
on)が広範囲に及ぶ場合には、恐らくは腫瘍による粘液
生成を阻害するであり; (d)既に切除されている癌腫(carcinoma)における
試験の陽性率/陰性率は癌切除が完全であることを表し
得るものであり; (e)炎症状態は結腸癌の危険率因子であると思われ
る。試験における陽性率は炎症がどのくらいで癌発現の
早期段階に進行するかを表し得るものであり; (f)*被検者が10人未満の群の%は算出しておらず;
且つ (g)**CIは陽性信頼区域を表す。
本明細書の開示は本発明のある種の好ましい態様を説
明し且つ例示するが、本発明はこれらの具体的態様に限
定されないことが理解されるべきである。むしろ、本発
明は説明し且つ例示した具体的態様及び特徴の機能的又
は機械的均等である態様全てを包含する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 999999999 カンデル,ガボル ピイ. カナダ国 オンタリオ エム4ジイ 1 ビイ5.トロント.ヒース ストリート イースト 430 (73)特許権者 999999999 ユング,カ,シング カナダ国 オンタリオ エル3ワイ 1 エツクス7.ニユーマーケツト,スリグ レイ ストリート 810 (72)発明者 クレピンスキー,ジイリ,ジエイ カナダ国 オンタリオ エル2ワイ 1 エツクス7.ニユーマーケツト,スリグ レイ ストリート 810 (72)発明者 チヨシエイ,ジヤツク カナダ国 オンタリオ エム3エイ 2 アール5.トロント.ヴアリーウツズ ロード ナンバー 89,43 (72)発明者 カンデル,ガボル ピイ. カナダ国 オンタリオ エム4ジイ 1 ビイ5.トロント.ヒース ストリート イースト 430 (72)発明者 ユング,カ,シング カナダ国 オンタリオ エル3ワイ 1 エツクス7.ニユーマーケツト,スリグ レイ ストリート 810 (56)参考文献 特開 平3−191798(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/50 - 33/98

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結腸又は直腸の新生物又は癌の存在を検出
    する方法であって、患者の直腸から結腸直腸粘液の試料
    を採取し;該試料を二糖マーカー、β−D−Gal(1→
    3)−D−GalNAc検出用の酵素を添加する工程を必要と
    することなくシッフ試薬で処理し;次いで該処理によっ
    て前記試料中に生じた色に基づいて結腸又は直腸の新生
    物又は癌を検出することからなる、結腸又は直腸の新生
    物又は癌の存在を検出する法。
  2. 【請求項2】結腸又は直腸の新生物又は癌の存在を検出
    する方法であって、患者の直腸から結腸直腸粘液の試料
    を採取し;該試料を二糖マーカー、β−D−Gal(1→
    3)−D−GalNAc検出用の酵素を添加する工程を必要と
    することなくシッフ試薬で処理し;次いで該処理によっ
    て前記試料中に生じた色に基づいて結腸又は直腸の新生
    物又は癌を検出することから本質的になる、結腸又は直
    腸の新生物又は癌の存在を検出する方法。
  3. 【請求項3】前記の粘液を水不溶性支持体上に吸収させ
    る、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記の水不溶性支持体は酸化防止剤で前処
    理されている、請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】結腸直腸粘液を吸収できる水不溶性支持体
    を収容する容器と、シッフ試薬とからなる、請求項1又
    は2に記載の結腸又は直腸の新生物又は癌の存在の検出
    用のキット。
  6. 【請求項6】前記支持体は前記のシッフ試薬で前処理さ
    れている、請求項5に記載のキット。
  7. 【請求項7】前記支持体及びシッフ試薬が別々に包装さ
    れている、請求項5に記載のキット。
  8. 【請求項8】結腸直腸粘液を吸収できる水不溶性支持体
    を収容する容器と、事後にシッフ試薬を生成させるため
    の塩基性フクシンとからなる、請求項1又は2に記載の
    結腸又は直腸の新生物又は癌の検出用のキット。
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