JPH09505405A - 結腸直腸新生物の早期発見用のスクリーニングテスト - Google Patents

結腸直腸新生物の早期発見用のスクリーニングテスト

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Abstract

(57)【要約】 結腸又は直腸の新生物又は癌の存在を検出する方法であって、患者の直腸から結腸直腸粘膜の試料を得;該試料をシッフ試薬で処理し;次いで該処理によって前記試料中に生じた色に基づいて結腸又は直腸の新生物又は癌を検出することからなる、結腸又は直腸の新生物又は癌の存在を検出する方法。該方法は迅速で、簡便、費用が安く、しかも偽陽性結果及び偽陰性結果を高い割合で与えない結腸直腸癌スクリーニングテストを提供する。スクリーニングテスト用のキットが提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 結腸直腸新生物の早期発見用のスクリーニングテスト 発明の分野 本発明は結腸直腸癌の簡便なスクリーニングテスト(screening test)に関する 。具体的は、結腸指頭診断法によって得られた直腸粘膜中で結腸直腸癌マーカー を検出する方法を記載するものである。特に、このマーカーは支持体上に担持さ せた粘膜中でシッフ試薬を用いて検出される。 発明の背景 結腸直腸癌は男性及び女性の癌死亡率のうちで二番目に頻度の多い死亡因であ り、北アメリカにおける悪性腫瘍関連死全体のほぼ三分の一の原因となっている 。究極的にはカナダ人及びアメリカ人の約6%が腸下部(lower bowel)の悪性腫 瘍になるであろうということ及びそのうちの50%を越える人が診断から5年以内 に死亡するであろうということが推定されている。いったん癌が腸壁全体に広が ると治癒率を顕著に向上させる見込みが実際にはないので、多くの権威者が結腸 直腸癌は予防策による以外は抑制できないと信じている(1)。 第一の予防策、すなわち種々の生物学的危険率因子(risk factor)を部分的に 変化させることによって腫瘍の発育を部分的に変えることは、前記疾病の病因が ほとんど理解されていないことから、まだ実行可能ではない。また、第二の予防 策、すなわち無症候性で治療可能な段階(state)で発見することは可能であり、 利用し得る有効なスクリーニングテストであろう。実際、腸下部の新生物(neopl asm)は、スクリーニングテストの開発に適した候補(ca-ndidate)となる特徴を有 している。これは、i)それが癌関連死の共通の原因であり、またii)いったん真 性癌の段階に至ると症状がもたらされ、死亡率が50%を越えるが、その最も早い 無症候性の段階での腸の新生物の切除が有意な危険なしに非外科的内視鏡ポリー プ切除法によって行うことができるからである。さらにまた、腺腫性ポリープ(a denomatous polyp)が癌の段階に 至るまでに少なくとも4〜6年を要するので、これらの新生物を治療可能な段階 で発見する十分な機会がある。最近の臨床研究により、その理論的考察によって 予測されているように、結腸直腸癌スクリーニングによる死亡率の低下が報告さ れている。現在までの問題は、ポリープは内視鏡検査法による以外は確実に発見 できないということにある。 すなわち、結腸直腸癌は、スクリーニングプログラムに適していると考えられ る病気の次の3つの基準のそれぞれを満たしている。第一に、結腸直腸癌は比較 的よく起こる病気(common condition)であり、深刻な成り行き(co-nsequence)を 伴う。第二に、初期の段階で発見した場合には治療処置を講じることができる、 すなわち結腸スコープ(colonoscope)又は外科的な腸分節切除術によって係蹄ポ リープ切除法を利用できることである。第三は、有症率(prevalence)がスクリー ニングプログラムの費用を正当化するのに十分に高いことである(2)。 スクリーニングの原理 医療スクリーニングプログラムの目的は、病気を治療処置を可能にするのに十 分に早い段階で発見することによって罹病率及び死亡率を低下させることにある 。医療スクリーニングプログラムの目的は、病気を診断することを必ずしも意図 するものではなく、無症候性で、明らかに病気でない人がどの診断調査を受ける べきであるかを決定することを意図するものである。さらなる評価を保証する(w arrant)人と、さらなる評価を保証しない人とを識別するスクリーニングテスト の能力は、疫学的用語で表現される。“感受性(すなわち感度)”という用語は、 陽性検査結果(positive test)をもつ病気にかかった人の割合、すなわち病気を 持つ真の陽性数(positives)/被検者の全体数の割合として定義される。“特異 性”は、陰性検査結果をもつ病気にかかっていない被検者の割合、すなわち病気 のない真の陰性数(negatives)/被検者の全体数の割合として定義される。“陽 性予測値”という用語は、病気による陽性検査結果の割合、すなわち真の陽性数 /被験者の全体数の割合として定義される。ほとんどの場合、感受性と特異性は それぞれ他方に対 して交換される(traded against each another)にちがいない。直感的には、病 気を持つ人をできる限り多く発見することを目的として、感度を最適化するよう に致命症用のスクリーニングテストを設計するのが賢明であるように思われる。 しかしながら、感度を最適化することは、許容し得ないほど高い費用と、少ない 承諾(poor compliance)と、診断設備の“氾濫(flooding)”とを招くような程度 まで特異性を低下させる危険を生じることが強調されている。さらにまた、スク リーニングテストの数値の特に有用な表示(expres-sion)である陽性予測値(posi tive predictive value)は、特異性と、スクリーニングした個体群中の病気の有 症率とに臨界的に依存している。 スクリーニングテストの有効性は、無作為対照試験(randomized contro-lled trials)による以外は適切に評価できないことが強調されている。癌の場合には 、悪性腫瘍を陽性スクリーニングテストによって発見した場合には、症状が現れ た後に腫瘍を診断した場合と比べて、寿命が長くなることを例証することは十分 ではない。その代わりに、スクリーニングテストによって選別された人は、かか るスクリーニングプログラムに登録されていない同様の人よりも悪性腫瘍による 死亡率が低い。先の種々のスクリーニングプログラムの結果の解釈(すなわち判 断)における誤り(すなわちエラー)の重大な原因としては、誘導時間の偏り(lead time bias)、長さの偏り及び患者選択の偏りが挙げられる。特に誤った仮説は 、スクリーニングテストの予測値が、病気が進行している入院患者(該患者の場 合はスクリーニングテストは通常は最初に行われる)における予測値が、病気が 初期で最小限である健常な個体群(上記テストは通常、該個体群を標準に定める) における予測値と同じであるということである。 現在普及しているスクリーニング方法 内視鏡検査法、例えばS状結腸鏡検査法又は結腸全長の結腸内視鏡検査法は、 スクリーニング法というよりはむしろ診断法である。一般的に普及している唯一 の現行の結腸直腸癌のスクリーニング方法は大便中の潜血を検査する方法である (3)。現在の方法、例えばHemOccultII法は、大便の試料をグア ヤク含浸紙の上に塗抹することを必要とする。グアヤク含浸紙は、発色剤を含有 する過酸化水素で処理した後に、血液すなわちヘモグロビンが存在する場合には 青色を示す。この方法を用いてほぼ20年間の経験を積んだ後に、専門施設であっ ても治療可能な新生物に対する感度が50%よりも低いことや、陽性予測値が臨床 個体群においてよくみてもほぼ40%であることが明らかになっている。米国ミネ ソタ州ミネソタの大規模(n=97,205)大学からの最新情報によれば、予期される試 験(prospective trial)は、HemOccult法を50〜80歳の無症候の被験者に用いた場 合には、結腸直腸癌について陽性予測値がわずか2.2%であり、病気にかかって いる人が全体で0.2%であることを示している(4)。さらにまた、種々の因子、例 えば投薬、多数の食事成分、試料処理の遅れ、糞便の水分の変動性及び検定材料 の保存は、一般に結果を混乱させる。HemOccult法の値を評価する3種類の無作 為調査のうちの一つの調査の分析は、選別した個体群及び試験した対照個体群に おいて相当の死亡率を示唆している(5)。潜血を検出するより新しい方法、例え ばポルフィリン分析[HemoQuant]か又はヒトヘモグロビンに特異的な抗体のいず れかに基づく方法は、その結果を向上させ得る。しかしながら、克服すべきであ ると思われる3つの限定された問題が残っている。これらの問題は、結腸直腸の 悪性腫瘍が断続的にしか血液を流さないこと、上部胃腸管の出血が結果を(誤っ て)陽性にし得ること、及び腸下部の多数の病巣が結腸直腸新生物とは別に普通 に出血することである。かかる病巣としては痔核、憩室(diverticulae)、潰瘍及 び血管拡張が挙げられる。選択されなかった個体群のコンプライアンスすなわち 承諾(compliance)は30%よりも低いと推定されている。その理由は少なくとも部 分的には、前記方法は患者自身が自分の大便をスライド又は細長い棒状物(スト リップ)に塗抹することを必要とし、仕事を持つ大部分の人々(a task most peop le)が嫌うばかりではなく技術的に難しいことを知っているからである。これに も拘わらず、HemOccult法は継続して広く使用されている。その理由は、アメリ カ癌協会(American Cancer Society)が50歳以上の人全員に毎年、潜血検査を受 けることを推奨し、不完全な検査であっても多数の生命が救われるであろうと論 じているからである。HemOccult法 の数値に対する全ての論議には、現在の形態であっても潜血のスクリーニングは 結腸直腸癌による死亡率の低下をもたらすという理由から、腸の悪性腫瘍のスク リーニング技術の改良が病気による結腸直腸癌死亡率に対して劇的な影響を及ぼ すことが暗に示されている(6)。 実験スクリーニング方法 (i)大便のDNA分析による結腸直腸癌のスクリーニング(7) この方法は結腸内腔に多量に流れた新生物細胞が大便中に存在することに基づ いている。原則として、新生物に共通している突然変異体(a mutation)は、これ らの新生物細胞に由来するDNAを分析することによって高精度で検出できる。従 って、結腸直腸の腫瘍中に検出可能な突然変異体が存在することがかかるスクリ ーニング方法の開発には不可欠である。あいにく、この方法は新規又は改変され たオリゴヌクレオチド配列にのみ基づく突然変異体を認識できるが、その一部分 の欠失に基づく変異体を認識できない。従って、遺伝子における欠失に基づいた 新生物関連の変異、例えば結腸直腸腫瘍に普通に認められるような染色体上の対 立遺伝子の欠失は、前記方法の限界を越えている。現在、最も普通の突然変異体 は、結腸直腸癌腫及び腺腫の約40%の中に存在するK-ras癌遺伝子である。従っ て、K-ras癌遺伝子のスクリーニングは、多くても新形成すなわち組織異常増殖 の約40%を検出できるだけである。この方法は、現時点では技術的に極めて複雑 であり且つ費用を要する。 (ii)ムチン中の癌に関連した二糖、D-Galp(β1-3)-D-GalpNAc(α1,Ser/Thr) 、T-(Thomsen-Friedenreich)抗原の存在のスクリーニング、その理由は、T-抗 原は健康な結腸中の細胞によって発現されないが、癌によって発現されることが 広く知られているからである(8)。 (a)モノクロナール抗体及びレクチン: 合成T-抗原に対して生じたモノクロナール抗体は癌細胞を認識し、それに結 合することが明らかにされている。同様に、落花生凝集素(PNA)、すなわちレク チンは前記の二糖に強く結合するが、より低い特異性で悪性腫瘍を認識する。Am aranthus caudatus由来のレクチンであるアマランチン(Amara- nthin)はT-抗原に対してPNAよりも良い特異性を持っていることが報告されてい る。アマランチンもPNAも正常な粘膜の組織学的分節(sections)には結合しない が、両者は腫瘍及びある種のポリープの杯状細胞並びに遷移性の粘膜中のムチン と結合する。この結合の可視化は蛍光標識した抗体及びレクチンを利用する(9) 。 (b)ガラクトースオキシダーゼ試験。 また、ガラクトースの6-OHをガラクトースオキシダーゼを用いて酸化し、生成 したアルデヒドをシッフ試薬で可視化した後に、T-抗原を比色分析により検出 できることも報告されている−Shamsuddinらに1989年8月15日付けで発行された 米国特許第4857457号明細書参照。レクチンを使用する試験と比べて、この試験 は直腸指頭診断法によって得られ且つ支持体上に塗抹された粘膜試料に対して行 われる。このシステムは、担癌患者59人の中でわずか1例の偽陰性結果を伴った 一つの研究において、結腸直腸新生物すなわち腺腫性ポリープ及び癌について74 %の感受性と50%の特異性を示した。その時以来、基本的に同じ試験に関する多 数の報告は、35%〜100%の範囲の感受性と、15%〜76%の範囲の特異性をもつ と思われる。数人の研究者が、上記の試験はHemOccult法よりも感受性が高いが 、特異性が劣ることを認めた。この低い特異性は、ある種の炎症状態、例えば憩 室炎や潰瘍性結腸炎を持つ個体の試験における陽性率(positivity)のせいにされ ている(10)。 参考文献リスト 本明細書では下記の刊行物を参照し、そのそれぞれは本明細書において特に参 考文献として参照される。 特許 1.米国特許第4857457号明細書、Shamsuddinら、1989年8月15日 2.米国特許第4762800号明細書、Rettigら、1988年8月9日 3.米国特許第4863854号明細書、Mattesら、1989年9月5日 4.米国特許第4962187号明細書、Pant、1990年10月9日 5.米国特許第5073493号明細書、Yamashina、1991年12月17日 6.米国特許第5008184号明細書、Linnane、1991年4月16日 発明の概要 前記の従来技術とは異なり、本発明者らは、結腸直腸の新生物性疾病を持つ人 から採取した粘膜がシッフ試薬によって着色を生じるマーカーを含んでいること を意外にも知見した。この検定は、従来技術で必要とするような二糖マーカー、 β-D-Gal(1→3)-D-GalNAcを検出することを必要としない。事実、この二糖はシ ッフ試薬と反応しない。 本発明の目的は、大腸及び直腸の癌について症候の無い人をスクリーニングす るための手段(tool)を提供することにある。 本発明の別の目的は、出血性癌が発育する前に大腸及び直腸の新生物を検出す るためのスクリーニングテストを提供することにある。 本発明のさらに別の目的は、偽(false)陽性結果及び偽陰性結果を高い割合で 与えない結腸直腸癌のスクリーニングテストを提供することにある。 本発明のさらにまた別の目的は、前記のテストを病院、医療実験室又は診療所 以外で実施できるスクリーニングテスト用キットを提供することにある。 本発明のこれらの目的及び他の目的並びに利点は、全体として本明細書を読む ことによって理解されるであろう。 従って、本発明は一つの要旨において、結腸又は直腸の前癌又は癌の存在を検 出する方法であって、患者の直腸から結腸直腸粘膜の試料を得;該試料をシッフ 試薬で処理し;次いで該処理によって前記試料中に生じた着色に基づいて結腸又 は直腸の前癌又は癌を検出することからなる結腸又は直腸の前癌又は癌の存在を 検出する方法を提供するものである。 すなわち、本発明は、結腸又は直腸の新生物又は癌の存在を検出する方法であ って、患者の直腸から結腸直腸粘膜の試料を得;該試料をシッフ試薬で処理し; 次いで該処理によって前記試料中に生じた着色に基づいて結腸又は直腸の新生物 又は癌を検出することから本質的になる、結腸又は直腸の新生物又は癌の存在を 検出する方法である。 明確にする(clarification)ために、本発明の方法は、前記の粘膜試料をシッ フ試薬で処理する前に、前記の試料を二糖マーカー、β-D-Gal(β1→3)-D-GalNA c検出用の酵素で処理する必要がない。 前記の呈色は塩基性フクシン単独では発現しないが、シッフ試薬自体は塩基性 フクシンから調製される(11)。 腫瘍組織の組織学的分節(sections)に結合するレクチン又は抗体に比べて、結 腸粘膜を検査する重要な利点は、検査すべき材料の入手が容易なことである。結 腸の管孔(luminal)表面はその長さ全体にわたって粘膜、すなわち水分、電解質 、有機化学物質及び大分子量の糖タンパク質(ムチン類)並びに脱 落細胞及び細菌からなる粘弾性ゲル(これは腸に沿って移動し得る)で覆われてい るので、結腸粘膜は、結腸全体からの粘膜、試料採取される位置である直腸中に 腸に沿って新生物組織流によって分泌された粘膜を含んでいることが示唆される 。 選別された被検者(subjects)から内科医又は訓練された看護婦によって取り出 された粘膜試料は、適当な水不溶性基体(substrate)又は支持体、例えばパッド 又はディスク上に置かれる(deposited)。適当な支持体材料は、例えばガラス微 細繊維ワットマン(Whatman)GF/C、重合体繊維例えばBiotrace RP、Metricel DM 450、Metricel VM-1、Sepraphore III、Versapore 450、又はセルロース繊維例 えばワットマン 3MMである。前記支持体は酸化防止剤例えばBHT(ブチル化ヒドロ キシトルエン)又はBHA(ブチル化ヒドロキシアニソール)で前処理されていてもよ いし又は前処理されていなくてもよい。 2つの方法を用いるのが好ましい。 方法Aでは、粘膜試料を以下に記載の支持体上に置き、この粘膜を担持した支 持体を燐酸カリウム緩衝液で一般的には10分間洗浄し、次いで水洗し、過剰の水 を除去し、そして該支持体をシッフ試薬中に短時間例えば1分間入れ、蒸留水で 手短に洗浄し、次いで例えば空気中で乾燥するか又は2枚の濾紙の間で前記支持 体を押すことにより乾燥するか、あるいは両方により乾燥する。濾紙上に20〜25 分間で紫色〜赤紫色が現れる場合を陽性反応と記録する。 方法Bでは、粘膜試料を以下に記載のようにシッフ試薬を既に含有している支 持体上に置く。該支持体は、マーカーが存在する場合には粘膜試料をおいた後に 短時間例えば30〜60秒以内に紫色〜赤紫色を発色する。 支持体例えばパッドは、方法Bに関しては、パッド上に保持されるのに有効で 適当な量を提供するのに適した濃度のシッフ試薬の中に浸すか又は該シッフ試薬 で処理され、マーカーの呈色による適切な検出が行われる。 本発明者らは、粘膜塗抹パッドはシッフ試薬で処理した後に空気に長時間、通 常は少なくとも1時間暴露されるとシッフ試薬の酸化により均一に着色すること を認めた。真の陽性率がかかるバックグラウンドから容易に識別され るが、かかるバックグラウンドは前記の酸化防止剤処理によりさらに小さくする ことができる。 粘膜試料が何ら着色を生じない場合には、それは粘膜中にマーカーが存在しな いことによるものであるか又は粘膜が手袋をはめた指で採取されずそのために粘 膜が支持体上に置かれていなかったことによるかいずれかによるものである。こ れらの2つの可能性を識別するためには、陰性検査用の粘膜処理した支持体を0. 5%過沃素酸溶液で5分間処理し、水で洗浄し、シッフ試薬で染色し、次いで再 度洗浄する。マーカーを欠く粘膜が存在する場合には、紫色〜赤紫色の色が現れ る。あるいは、支持体は無色のままである。しかし、若干のバックグラウンドの 色が生じ得る。 本発明の方法の実施中は、呈色について種々の濃淡が認められる場合がある。 かかる変化はマーカーの構造上の違いを反映し得、しかも恐らくは被検体の臨床 状態、例えば慢性炎症、潰瘍性大腸炎などに関係するであろう。 シッフ試薬の化学的性質は、その調製方法に応じて変化することが知られてい る。従って、シッフ試薬の多数の変種が調製され、本発明の方法で使用するため に試験される。シッフ試薬の種々の調製方法の詳細は以下に列記する。本発明者 らは色、感度、特異性及び酸化安定性の違いが得られることを認めた。合理的な 再現可能な結果を与えながら、以下に列記した種々のシッフ試薬のうちの幾つか は、例えば粘膜試料に対して過度に感受性であるか又は不十分な感受性であるか 、あるいは十分なバックグラウンドの色よりも劣る色を与える。最大の感度で再 現可能な結果を得るために、以下に記載の好ましいシッフ試薬No.1が開発され ている。 市販の塩基性フクシン(p-ローズアニリン)は意外にも純度が低い場合が多く、 シッフ試薬は使用前に前記フクシンから精製することによって調製することが好 ましいことが認められる。シッフ試薬の調製に必要な二酸化硫黄は、ガス状でそ のまま使用できるし、又は種々の前駆体例えばNaHSO3、SOCl2、K2S2O5及びNaS2O5 からその場で発生させることができる(12)。本発明者らは、シッフ試薬の調製 方法がある程度まで該試薬の反応性、感度及び安定性を決定することを見出した 。 別の要旨によれば、本発明はスクリーニング用キットであって、結腸直腸粘膜 を吸収できる水不溶性支持体を収容する容器例えばパッケージ、カートン、管、 箱、ロール、テープ又は他のカプセル様物体と、シッフ試薬とからなるキットを 提供する。 支持体(基体)はシッフ試薬の活性部分を保持するためにシッフ試薬の溶液で 前処理されていてもよいし、又は前記容器は別々に包装された支持体とシッフ試 薬のそれぞれを有していてもよいし。あるいは、シッフ試薬は支持体上に置かれ た塩基性フクシンから使用前に生成させてもよい。 別の要旨によれば、本発明は前記のスクリーニング用キットであるがシッフ試 薬の代わりに、包装された塩基性フクシンを組み込んであるスクリーニング用キ ットを提供するものである。塩基性フクシンは、二酸化硫黄と塩基性フクシンと を事後に反応させることによりシッフ試薬を生成する供給源として提供される。 好適な態様の説明 本発明をより良く理解し得るために、好ましい態様を単なる例として添付の図 面を参照して以下に記載する。添付の図面において、図は本発明の実施に使用す る装置の透視図を表す。 図は一般的にフレーム組立体(frame assemly)10を表すものであり、該組立体 はPlexiglass(登録商標)熱可塑性プラスチック製の一対の長方形の形をしたプレ ート12及び14(10cm×10cm×3mm)からなる。上部プレート12は下部プレート14の 上に、一対の向かい合っているクリップ16によって一緒に緊密に接合した状態で 操作可能に重ねられる。 プレート12は一対の円形の窓18(直径2cm)を有している。窓18のすぐ下のプレ ート12と14の間には、窓を通して利用できるように、Seprapore III重合体フィ ルム製の一対のディスク状支持体20(直径2.5cm)が保持されている。 操作において、例えば内科医又は看護婦は、窓18を通して2つのパッド20それ ぞれの表面に粘膜試料を塗抹する。クリップ16を取り外し、そしてディスク20を 、方法Aに関連して又は方法Bに従ってフレーム状組立体10中に直 接に読まれる事後の結果のいずれかに記載のようにして、以下に記載の様にして 処理する、次いでディスク20を取り出し、廃棄する。プレート12及び14は一般的 に洗浄され、再使用される。 2つの一般的方法を、結腸直腸新生物の早期発見用のスクリーニングテストと して以下に説明する。 方法A: 直腸指頭診断中に得られた粘膜試料を塗抹してあるディスクの形状のSeprapho re III支持体を、2枚の正方形のPlexiglass(登録商標)プレートにより形成され たフレーム中で圧締めする。これは内科医の診療室で取り扱うのに都合のよいも のであり得る。直腸指頭診断に適した潤滑剤例えばグリセリンが、シッフ試薬と 反応しない潤滑剤の中から選択される。処理については、バックグラウンドの色 を最小限にすることから下記の方法が適していることが認められた。 塗抹された粘膜試料を有する支持体を、0.1M 燐酸カリウム緩衝液(pH6.5〜6.7 )中に10分間入れ、取り出し、次いで蒸留水で手短に洗浄する。過剰の水分は、 前記支持体をセルロース製濾紙上に、粘膜塗抹標本を有する側を上部にしながら 置くことによって除去する。次いで、支持体を以下に記載のシッフ試薬No.1中 に1分間入れ、取り出し、蒸留水で手短に洗浄し、2枚のセルロース濾紙の間で 押しつけ、次いで風乾する。濾紙上に20〜25分以内に紫色〜赤紫色が現れる場合 を陽性反応と記録する。前記の緩衝液洗浄を省くと、感度が維持される場合でも 低下した試験特異性をもたらす。 支持体上に粘膜と一緒に置かれた大便は、色の発現前の貯蔵中に、沈着した粘 膜中で所望しない転換(transformation)を生じて、陰性検査の読みを招く。この 転換が生じるのを防止するためには、粘膜が存在しない支持体の前処理を使用前 に、酸化防止剤例えば95%エタノール中のBHT又はBHAの0.1溶液を用いて行う。 2種類の粘膜試料はそれぞれの被検者から得るのが好ましく、一方の試料は検 査に使用され、他方の試料は確認用に使用される。通常は異なる量の粘膜が支持 体上に置かれると認められることが認められるべきである。次いで、 試料はシッフ試薬で処理され、結果が記録され、試料はさらに過沃素酸−シッフ 試薬で処理されて沈着した粘膜の量が決定される。この方法は、ごく少量の粘膜 が支持体上に存在する場合には、弱陽性の粘膜−シッフ検査結果が期待されるべ きであることを示している。従って、これは多量の粘膜試料の強陽性結果と同じ 有効性を有する。 方法B:適当な支持体は下記のようにして調製する。 セルロース製パッド又はディスク(Whatman 3MM)を95%エタノール中のBHTの0. 1%溶液に浸し、次いで乾燥する。次いで、それをシッフ試薬No.1に浸し、次い で乾燥する。この前処理した支持体を−20℃で保存するか又は密封して空気との 接触を防ぐことができる。別法として、追加の保護のために、支持体の上にシッ フ試薬を乗せた後に支持体を再度用BHT溶液に浸し次いで乾燥してもよい。 指頭サンプリングした後に手袋をはめた指上に得られた粘膜の試料はこの支持 体に塗抹される。試料を支持体上においた後に最大で約1分以内に色が発現する 場合には、この試料はマーカーに対して陽性である。この後で色が発現した場合 には陽性とは言わない。 燐酸緩衝液を用いた処理が方法Bでは省かれているので、方法Bの特異性は方 法Aの特異性よりも低い(80〜90%から60〜70%まで)。感度は100%に近いまま であるので、陰性結果は病気のない個体を表す。陽性結果は方法Aによって再検 査して検査の特異性を上げることができる。 本発明で使用する多数のシッフ試薬は以下のようにして調製する。 1.塩基性フクシン(0.2g)を、熱水(100ml)に溶解し5分間沸騰させ、濾過し 、次いで室温まで冷却する。亜硫酸水素ナトリウム(1.17g)と1N 塩酸(17ml)と を連続的に上記濾液に加え、得られた溶液を暗所で室温で4日間放置する。脱色 性木炭(0.15g)を加え、よく撹拌し次いで濾過して除く。得られた無色又は僅か に黄色の溶液は、適当な長期間安定である。得られた試薬は冷蔵庫に+4℃で保 存する。 2.塩基性フクシン(1.0g)を熱水(200ml)に溶解し、5分間沸騰させ、濾過し 、次いで室温まで冷却する。次いで、メタ亜硫酸水素ナトリウム(1.0g) とIN 塩酸(20ml)とを連続的に上記濾液に加え、得られた溶液を暗所で室温で4 日間放置する。木炭(0.3g)を加え、十分に撹拌し、次いで濾過して除去する。 3.塩基性フクシン(1.0g)を熱水(200ml)に溶解し、5分間沸騰させ、濾過し 、次いで室温まで冷却する。次いで、メタ亜硫酸カリウム(1.0g)と1N 塩酸(20m l)とを連続的に前記濾液に加え、得られた溶液を暗所で室温で4日間放置する。 木炭(0.3g)を加え、十分に撹拌し、次いで濾過して除去する。 4.塩基性フクシン(1.0g)を熱水(200ml)に溶解し、5分間沸騰させ、濾過し 、次いで室温まで冷却する。次いで、メタ亜硫酸水素カリウム(1.0g)と1N 塩酸( 25ml)とを連続的に上記濾液に加え、得られた溶液を暗所で室温で一晩放置する 。得られた溶液にまだ色が残る場合には、6N 塩酸を2滴加え、暗所で48時間に 保存する。次いで、木炭を加え、十分に撹拌し、濾過して除去する。 5.塩基性フクシン(0.2g)を熱水(100ml)に溶解し、5分間沸騰させ、濾過し 、次いで室温まで冷却する。得られた濾液に塩化チオニル(7〜8ml)を加えた後、 溶液を暗所で24時間放置する。木炭を加えて上記溶液を脱色し、十分に撹拌し、 次いで濾過して除去する。 6.塩基性フクシン(1.0g)を0.25Mの塩酸(100ml)に溶解し、次いで亜硫酸水素 ナトリウム(10.0g)を加える。溶液はpH=3を有する。 7.塩基性フクシン(0.12g)を熱水(200ml)に溶解し、5分間沸騰させ、濾過し 、次いで室温まで冷却する。次いで、氷酢酸(11.40ml)と亜硫酸水素ナトリウム( 1.0g)とを連続的に上記濾液に加える。得られた溶液は僅かにピンク色をしてい る。 8.市販のシッフ試薬(Fischer)pH=1を水酸化ナトリウム水溶液(0.2N)を加え ることによりpH=3に調整する。 9.塩基性フクシン(1.0g)を熱水(200ml)に溶解し、5分間沸騰させ、濾過し 、次いで室温まで冷却する。次いで、亜硫酸水素ナトリウム(1.0g)と1Nの塩酸(2 5ml)とを連続的に上記濾液に加え、得られた溶液を暗所で室温で48時間放置する 。木炭(0.3g)を加え、十分に撹拌し、次いで濾過して除去する。 10.塩基性フクシン(1.0g)を熱水(200ml)に溶解し、5分間沸騰させ、濾過し 、次いで室温まで冷却する。次いで、亜硫酸水素ナトリウム(2.0g)と1Nの塩酸(2 5ml)とを連続的に上記濾液に加え、得られた溶液を暗所で室温で48時間放置する 。木炭(0.3g)を加え、十分に撹拌し、次いで濾過して除去する。 11.市販のシッフ試薬(Sigma)pH=1.5(100ml)に氷酢酸(4.5ml)を加える。 実施例 実施例1 方法Aを部分的に改変した方法を用いて調査した群の全てにおいて、臨床的に 診断された癌は高い感度、すなわち最低でも92%の感度で検出された。ある一つ の研究においては、25人の癌患者のうち23人が粘膜−シッフ試験で陽性の結果を 示した。30人の大きい腺腫性ポリープ患者のうち24人が陽性を示した。76人の小 さいポリープ患者のうち43人が陽性を示した。 この群の結果により、結腸炎症状態例えば潰瘍性大腸炎、憩室炎、クローン病 (Crohn's disease)、急性及び慢性炎症が陽性結果を与える場合が多いことが示 された(表)。少なくともこれらの状態のうちの幾つかが結腸直腸癌の危険率因子 として認識されていることから、これらの結果はこの試験が感染しやすい個体又 は新生物発現の早期段階のいずれかを認識することを示している。後者の論拠は さらにポリープにも該当する。 実施例2 研究は内視鏡検査装置を訪れる患者と、非悪性腫瘍疾患のために内科医(胃腸 病学者)の診療室を訪れる患者とを比較することを意図したものであった。両者 の訪問は特定されない症状によるものであった。後者の群は45人の患者からなり 、前者の群は39人の患者からなっていた。2つの試料標本をそれぞれの患者から 調製した。方法Aを部分的に改変した方法を使用した。前記の2つの群の間の2 つの主な違いは以下の通りである:すなわち(a)内視鏡検査法の1群は、予め結 腸洗浄を受けて結腸の便を除去され、粘膜採集(及び内視鏡検査)の前に24時間液 体食事療法を行い、一方、(b)別の群は洗 浄を受けずしかも食事制限はなかった。 得られた結果は、27%の陽性率(95%信頼区間:15.4〜42.6)、すなわち内科医 の診療室の患者の中で12/45であり、また33%の陽性率(95%信頼区間:19.3〜48 .4)、すなわち内視鏡検査群の患者の中で13/39を示す。すなわち、この研究は試 料中の便の存在及び普通の食物摂取量が陽性率の割合を決定しないことを示す。 その結果、陽性率は結腸直腸癌以外の状態によるものである。 実施例3 臨床対照個体群で測定された特異性は、試験の時点では臨床的に検出された新 生物を有していない患者であって幾つかの特定されていない病気(これは将来癌 を形成するかもしれない)を持っている患者では、極めて不正確である。従って 、研究は腸管の疾患又は新生物性の病気にかかっていると思われない47人の青年 ボランテアの一群における陽性数を調べることを意図するものである。個体群全 体は18〜35歳であり、完全に健康であると思われた。この調査は調査したスクリ ーニング手段(tool)の特異性について評価を与えることが期待された。それぞれ の個体から4種類の試料を採取した。 実施例2及び3に記載の結果は、数人の個体が新生物の危険が大きくなる状態 にあるかもしれないことを示唆している。健康な若いボランテア(患者ではない) の中の偽陽性の割合は低い(10.6%)ことが認められた。事実、炎症を起こした腸 の分節は、前癌状態に転化し得、これはおそらくこの試験によって発見されるで あろう。 新生物に対するこの試験の高い感度及び比較的高い特異性は、結腸内視鏡検査 を受けている患者の数を減らし得る。その理由は、彼らが直腸出血、説明できな い鉄欠乏性貧血又は第1度の腫瘍(a first-degree relative with a tumor)をも つからである。 表は、粘膜検査に同意したカナダ国オンタリオ州トロント市Wellesley病院で 内視鏡検査装置で結腸直腸癌をもつ患者及び前癌状態と想定される患者の一群か ら得た粘膜のシッフ試薬分析の結果を表すものである。 下記の注釈は、表についてよりよい理解を与えるものである:すなわち、 (a)陰性として表に挙げた2人の癌患者はパッド上に置いた極めて少量の粘膜 に起因する不明瞭な反応を有していた。彼らはこの試験を反復する前に手術を受 けており; (b)ポリープの陽性/陰性は、幾つかのポリープが癌前駆体であり、これに対 し幾つかのポリープが癌前駆体ではないという周知の観察を表すものであり; (c)レーザー治療は、特にレーザー凝集(coaggulation)が広範囲に及ぶ場合に は、恐らくは腫瘍による粘膜生成を阻害するであり; (d)既に切除されている癌腫(carcinoma)における試験の陽性率/陰性率は癌切 除が完全であることを表し得るものであり; (e)炎症状態は結腸癌の危険率因子であると思われる。試験における陽性率は 炎症がどのくらいで癌発現の早期段階に進行するかを表し得るものであり: (f)*被検者が10人未満の群の%は算出しておらず;且つ (g)**CIは陽性信頼区域を表す。 本明細書の開示は本発明のある種の好ましい態様を説明し且つ例示するが、本 発明はこれらの具体的態様に限定されないことが理解されるべきである。むしろ 、本発明は説明し且つ例示した具体的態様及び特徴の機能的又は機械的均等であ る態様全てを包含する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE ,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK, LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,N L,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SI,SK,TJ,TT,UA,US,UZ,VN (71)出願人 ユング,カ,シング カナダ国 オンタリオ エル3ワイ 1エ ツクス7.ニユーマーケツト,スリグレイ ストリート 810 (72)発明者 クレピンスキー,ジイリ,ジエイ カナダ国 オンタリオ エル2ワイ 1エ ツクス7.ニユーマーケツト,スリグレイ ストリート 810 (72)発明者 チヨシエイ,ジヤツク カナダ国 オンタリオ エム3エイ 2ア ール5.トロント.ヴアリーウツズ ロー ド ナンバー 89,43 (72)発明者 カンデル,ガボル ピイ. カナダ国 オンタリオ エム4ジイ 1ビ イ5.トロント.ヒース ストリート イ ースト 430 (72)発明者 ユング,カ,シング カナダ国 オンタリオ エル3ワイ 1エ ツクス7.ニユーマーケツト,スリグレイ ストリート 810

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.結腸又は直腸の新生物又は癌の存在を検出する方法であって、患者の直腸 から結腸直腸粘膜の試料を採取し;該試料をシッフ試薬で処理し;次いで該処理 によって前記試料中に生じた色に基づいて結腸又は直腸の新生物又は癌を検出す ることからなる、結腸又は直腸の新生物又は癌の存在を検出する方法。 2.結腸又は直腸の新生物又は癌の存在を検出する方法であって、患者の直腸 から結腸直腸粘膜の試料を採取し;該試料をシッフ試薬で処理し;次いで該処理 によって前記試料中に生じた色に基づいて結腸又は直腸の新生物又は癌を検出す ることから本質的になる、結腸又は直腸の新生物又は癌の存在を検出する方法。 3.結腸又は直腸の新生物又は癌の存在を検出する方法であって、患者の直腸 から結腸直腸粘膜の試料を採取し;該試料を二糖マーカー、β-D-Gal(β1→3)-D -GalNAc検出用の酵素を添加する工程を必要とすることなくシッフ試薬で処理し ;次いで該処理によって前記試料中に生じた色に基づいて結腸又は直腸の新生物 又は癌を検出することからなる、結腸又は直腸の新生物又は癌の存在を検出する 法。 4.結腸又は直腸の新生物又は癌の存在を検出する方法であって、患者の直腸 から結腸直腸粘膜の試料を採取し;該試料を二糖マーカー、β-D-Gal(β1→3)-D -GalNAc検出用の酵素を添加する工程を必要とすることなくシッフ試薬で処理し ;次いで該処理によって前記試料中に生じた色に基づいて結腸又は直腸の新生物 又は癌を検出することから本質的になる、結腸又は直腸の新生物又は癌の存在を 検出する方法。 5.前記の粘膜を水不溶性支持体上に吸収させるものである請求項1、2、3 又は4のいずれかに1項に記載の方法。 6.前記の水不溶性支持体が酸化防止剤で前処理されているものである請求項 5記載の方法。 7.結腸直腸粘膜を吸収できる水不溶性支持体を収容する容器と、シッフ 試薬とからなるものである、請求項1、2、3又は4のいずれかに1項に記載の 結腸又は直腸の新生物又は癌の存在の検出用のキット。 8.前記支持体が前記のシッフ試薬で前処理されているものである請求項7記 載のキット。 9.前記支持体及びシッフ試薬が別々に包装されているものである請求項7記 載の方法。 10.結腸直腸粘膜を吸収できる水不溶性支持体を収容する容器と、事後にシッ フ試薬を生成させるための塩基性フクシンとからなるものである、請求項1、2 、3又は4のいずれかに1項に記載の結腸又は直腸の新生物又は癌の検出用のキ ット。
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