JP2002529739A - 結腸直腸癌の早期発見のためのスクリーニングテスト - Google Patents

結腸直腸癌の早期発見のためのスクリーニングテスト

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Abstract

(57)【要約】 患者の直腸から結腸直腸の粘液試料を得ること、および炭素原子を12〜20個含有する長鎖脂肪族アルデヒド、特にCH(CH14CHOとCH(CH16CHO、およびそのプラスマローゲン結合前駆物質からなる群から選択されたマーカーの存在を検出することを含む、結腸または直腸の腫瘍形成または癌の検出方法。好ましくはこの方法は、試料をシッフ試薬で処理すること、および処理により試料中に約550〜590nmで生じる呈色に基づいて結腸または直腸の腫瘍形成または癌を見つけることを含む。この方法は、二糖マーカーβ−D−Gal(1〜3)−D−GalNAc(α1−Thr/Ser)と、D−ガラクトースおよび/または2−アセトアミド−2−デオキシ−D−ガラクトースを含有するサッカリドマーカーとを検出するための酵素を加えるステップを必要としない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、それによりマーカーを直腸粘液中で検出する結腸直腸癌の簡単なス
クリーニングテストに関する。より詳細にはこのマーカーをシッフ試薬を用いて
支持体上に付着した粘液中で検出する。
【0002】 (発明の背景) 結腸直腸癌は男女の癌死亡率の二番目に多い原因であり、北米における全ての
悪性腫瘍に関連する死亡の約三分の一を引き起こす。結局6%もの多くのカナダ
人およびアメリカ人が腸の下部の悪性腫瘍にかかり、彼等の50%超が診断の5
年以内に死ぬことになると見積もられている。結腸直腸癌はいったん癌が腸壁を
越えて広がると治癒率を顕著に向上させる現実的な展望がないために、多くの権
威は予防策によってのみ制御できる(1)と考えている。
【0003】 一次予防、すなわち生物学的危険因子を変えることにより腫瘍の進展を防ぐこ
とは、この病の病因がこのようにほとんど分かっていないためにまだ容易ではな
い。別法では、二次予防策、すなわち無症候性の治療可能な状態で見つけること
は、もし効果的な予検法が利用できるならば可能であろう。事実、腸下部の腫瘍
は、それらを予検法の開発の好適な候補にする特性を有している。これは、(i
)それらが癌に関連した死亡の共通の原因であり、(ii)ところがいったん真
性の癌の段階に達し、症状を示すと死亡率は50%を超すためである。初期の無
症候性の段階における腸の腫瘍の切除は、いかなる著しい危険もなく非外科的な
内視鏡によるポリープ切除術により行なうことができる。その上、腺腫ポリープ
が癌の段階に達するまでに少なくとも4ないし6年を要し、したがって治療可能
な段階でこれら腫瘍を見つけるのに十分な機会がある。最近の臨床調査は、これ
ら理論的考察により予想されるように結腸直腸癌の予検の結果として死亡率の減
少を記録している。今までポリープは内視鏡によってのみ確実に検出できるとい
う問題があった。
【0004】 こうして結腸直腸の癌は、予検制度に適していると考えられる次の3つの病の
基準のそれぞれを満たしている。第一に、それが重大な結果を伴う比較的普通の
状態である。第二に、初期段階で検出された場合に冶効のある治療法、すなわち
結腸内視鏡による係蹄ポリープ切除術または外科的な局所的腸の切除が利用でき
る。第三に、予検制度の費用を正当化するように普及率が十分に高い(2)。
【0005】 スクリーニングの原理: 医学的スクリーニングプログラムの目標は、冶効のある治療を可能にするのに
十分な初期段階において病を見つけることにより罹病率および死亡率を低減させ
ることである。それは、病を診断するようには必ずしも設計されておらず、無症
候性の明らかに病に罹っていないどの個体が診断的介入を受けるかを決めるよう
に設計されている。更なる評価を保証する個体を保証しない個体から区別するス
クリーニングテストの能力は、疫学的用語で表される。用語「感度(センシティ
ビティー)」とは、陽性の検査結果を有する病に罹った個体の割合、すなわち病
をもつ人全体に対する真の陽性者の割合として定義される。「特定性(特異性)
」は、陰性の検査結果を有する病に罹っていない被験者の割合、すなわち病のな
い人に対する真の陰性者の割合である。用語「陽性予測値」とは、病による陽性
の検査結果の割合、すなわち全陽性者に対する真の陽性者の割合である。ほとん
ど常に感度と特定性は互換性があることになる。直感的には、病をもつできるだ
け多くの個体を見つけるために感度を最適化するように不治の病の予検法を設計
することが賢明なように思える。しかしながら感度を最適化することはそれと共
に、容認できない高コスト、低コンプライアンス、および診断設備の「洪水」を
引き起こすほどまでに特定性を低減させる危険をもたらすことを強調しておく。
その上、スクリーニングテストの値の特に有用な表現である陽性予測値は、特定
性およびスクリーニングされた集団中の病の例数に大きく左右される。
【0006】 スクリーニングテストの有効性はランダム化され制御された実証実験によって
のみ正しく評価することができることが強調されてきた。癌の場合、腫瘍が症状
の進んだ後に診断されたときと比べて、悪性腫瘍が陽性のスクリーニングの検査
結果により検出されたとき寿命が延びたことを実証するにはそれは十分ではない
。それよりむしろ、スクリーニングされた個体群が、このようなスクリーニング
プログラムに登録されない類似の個体群よりも悪性腫瘍の死亡率が低いことが示
されなければならない。特に誤った仮定は、スクリーニングテストの予測値が、
その検査が通常対象とする初期の最少の病人を含む健康な集団におけるものと、
その検査が通常はじめて試みられる進行した病人を含む病院加療を施された集団
におけるものとが同じであるという仮定である。
【0007】 現在の集団スクリーニング法: S状結腸鏡検査法または全長結腸鏡検査法などの内視鏡法は、S状結腸鏡検査
法が時にスクリーニングに用いられるけれどもスクリーニングの手法よりはむし
ろ診断法である。一般集団における結腸直腸癌のスクリーニングの唯一の現在の
方法は、大便中の潜血を調べることである(3)。現在の手法は、例えば顕色剤
を含有する過酸化水素で処理した後、血液(ヘモグロビン)が存在すれば青色を
呈するグアヤクを含浸させたペーパー上に大便試料を塗布することを含むHem
Occult IIである。この方法によるほとんど20年の経験の後、感度は
専門施設においてさえ治癒可能な腫瘍に対して50%未満であること、また陽性
の予測値はせいぜい臨床集団中の40%のみと見積もられることが明らかになっ
た。大規模(n=97,205)なミネソタ大学(アメリカ合衆国ミネソタ洲)
の前向き検査による最新情報は、単に2.2%の結腸直腸癌が陽性の予測値を示
している(4)。その上、投薬、多くの要素からなる食事成分、試料処理の遅れ
、便水和物に変わりやすいこと、および検定材料の保管などの要因が一般に結果
を混乱させる。HemOccult IIの値を査定する3つのランダム化され
制御された調査のうちの1つの分析は、スクリーニングされた対照集団において
類似の死亡率を示唆している(5)。潜血を検出する新しい方法、例えばポルフ
ィリン分析(HemoQuant)またはヒトヘモグロビンに対する特異な抗体
のいずれかに基づく方法はこれらの結果を改善する。しかしながら制約課題は克
服する見込みがないまま残る。これらには、結腸直腸の悪性腫瘍が間欠的にしか
血液を流さず、上部消化管の出血が結果を偽陽性にする可能性があり、また結腸
直腸の腫瘍から離れた腸下部の多発性病巣がよく出血することがある。このよう
な病巣には、痔、憩室炎、潰瘍、および血管拡張症がある。任意抽出の集団中の
コンプライアンスは、その方法が患者自身でスライドまたはストリップ上に大便
を塗布すること、すなわちほとんどの人にとって不快なだけでなく技術的に難し
く感じる作業を必要とするために少なくとも一部では30%未満と見積もられて
いる。それにもかかわらずHemOccultは、不完全な検査でさえ多くの命
を救うはずであると主張してアメリカ癌協会(American Cancer
Society)が50歳を超える全ての個体に対して潜血検査を長年推奨し
てきたため、広く使用され続けている。HemOccultの値に関する全ての
議論における暗黙の合意は、現在の形態においてさえ潜血に対する予検が結腸直
腸癌による死亡率の減少をもたらすので、腸の悪性腫瘍に対する予検技術の改良
がなされれば結腸直腸癌の死亡率に劇的な影響を与えるであろうということであ
る(6)。
【0008】 実験的スクリーニング法: (i)大便のDNA分析による結腸直腸癌のスクリーニング(7)。これは、結
腸の管腔中に多数流される腫瘍細胞が大便の中に存在することに基づいている。
原則的には腫瘍に共通した変異があれば、これらの細胞のDNAを分析すること
により高精度で検出することができる。現在最も共通した変異は、結腸直腸の癌
腫および腺腫の約40%に存在するK−ras癌遺伝子変異である。したがって
K−ras遺伝子の予検では全腫瘍形成のせいぜい40%のみが検出できる。こ
の方法は現在では複雑で費用がかかる。 (ii)T(Thomsen−Friedenreich)抗原は癌により発現
するが健康な結腸中では発現しないことが広く知られているので、癌に関連した
二糖D−Galp(β1〜3)−D−GalpNAc(α1,Ser/Thr)
であるT抗原の結腸のムチン中の存在をスクリーニングすること(8)。
【0009】 (a)単クローン抗体およびレクチン:合成T抗原に対して高められた単クロ
ーン抗体は癌細胞を認識し、結合することが明らかにされた。同様にレクチンの
一種である落花生アグルチニン(PNA)はこの同じ二糖と強く結合するが、悪
性腫瘍の認識の点では特異性が低い。Amaranthus caudatus
由来のレクチンであるアマランチンは、T抗原に対してPNAよりもすぐれた特
異性を有すると報告されてきた。アマランチンもPNAもどちらも正常の粘膜の
組織学的断面とは結合せず、共に腫瘍およびある特定のポリープの杯状細胞中の
ムチンならびに移行性粘膜中のムチンと結合する。結合の視覚化には蛍光的に標
識化した抗体およびレクチンを利用する(9)。
【0010】 (b)ガラクトースオキシダーゼ検査。T抗原はまた、ガラクトースオキシダ
ーゼを用いてガラクトースのOH−6を酸化し、得られたアルデヒドをシッフ試
薬、すなわちShamsuddin他による1989年8月15日発行の米国特
許第4,857,457号、1994年9月20日発行の米国特許第5,348
,860号、および1992年11月10日発行の米国特許第5,162,20
2号で視覚化した後、比色定量的に検知できることが報告されている。レクチン
を用いる検査とは異なり、この検査は指頭直腸診法により得られ、支持体上に塗
布された粘液試料上で行なわれる。このシステムは、癌に罹った患者59人に対
して唯1人の偽陰性の結果を示した1回の検査において結腸直腸の腫瘍、すなわ
ち腺腫ポリープおよび癌に対して感度74%、特定性50%であることが実証さ
れた。その後、基本的に同じ検査の複数の報告が、35%〜100%の範囲の感
度、15%〜76%の範囲の特定性で登場した。幾人かの研究者は、この検査が
HemOccultよりも高感度だが低特定性であることを発見した。この低特
定性は、憩室炎および潰瘍化した結腸炎などのある特定の炎症状態を有する個体
における検査結果の陽性に原因があった(10)。
【0011】 前述の従来技術とは異なり、二糖マーカーβ−D−Gal(1〜>3)−D−
GalNacと、D−ガラクトースおよび/または2−アセトアミド−2−デオ
キシ−D−ガラクトースを含有するサッカリドマーカーとの検出を必要としない
結腸直腸の粘液検定法が、1995年5月16日発行のKrepinsky他に
対する米国特許第5,416,025号に記載されている。この方法は、結腸直
腸の粘液試料を前述の二糖マーカーを検出するための、また試料の色の変化を検
出するための酵素を添加するステップなしにシッフ試薬で処理する。
【0012】 米国特許第5,416,025号に記載の方法は、癌患者25人の検査から結
腸直腸癌に対して感度92%を実証した。しかしながら特定性については、ピン
ク色の異なる微妙な違いがたびたび得られ、若干が偽陽性者の結果に終わるとい
う点で幾分損なわれる。 米国特許第5,416,025号に開示された予検法は、酵素の前処理のステ
ップを必要としない点で前述の従来技術を凌ぐ著しい改良ならびに偽陽性者およ
び偽陰性者の結果の相対的な数の減少をもたらすが、偽陽性および偽陰性の読み
の可能性をさらに減らす簡単な検定法を提供することが未だ求められている。
【0013】 (参照リスト) 本明細書は下記の刊行物を参照し、その各々は特別に参照により本明細書に組
み込まれる。 刊行物: 1、Lieberman D.A.:Targeted colon can
cer screening:A concept whose time h
as almost come(「標的化された結腸癌の予検:その時が近づい
た一つの構想」).Amer.J.Gastoenterol.1992,87
,1085 2、Eddy D.M.:screening for colorecta
l cancer(「結腸直腸の癌の予検」).Ann.Int.Med.19
90,113,373 3、Rex D.K.,Lehman G.A.,Ulbright T.M
.,Smith J.J.,Pound D.C.,Hawes R.H.,H
elper D.J.,Wiersema M.J.,Langefeld C
.D.,Li W.:Colonic neoplasia in asymp
tomatic persons with negative fecal
occult blood tests:influence of age,
gender,and family history(「便潜血検査で陰性の
無症候の人の結腸の腫瘍形成:年齢、性別、および家族歴の影響」).Amer
.J.Gastroenterol.1993,88,825 4、Mandel J.S.,Bond J.H.,Bradley M.,
Snover D.C.,Church T.R.,Williams S.,
Watt G.,Shuman L.M.,Ederer F.,Gilber
tsen V.:Sensitivity,specificity,and
positive predictivity of the Hemoccu
lt test in screening for colorectal
cancer(「結腸直腸癌の予検におけるHemoccult検査の感度、特
定性、および陽性予測性」).Gastroenterol.1989,97,
597 5、Selby J.V.,Friedman G.D.,Quesenbe
rry Jr.C.P.,Weiss N.S.:Effect of fec
al occult blood testing on mortality from colorectal cancer(「結腸直腸癌による死亡率
に対する便潜血検査の効果」).Ann.Intern.Med.1993,1
18,1 6、Mandel J.S.,Bond J.H.,Church T.R.
,Snover D.C.,Bradley G.M.,Schuman L.
M.,Ederer F.:Reducing Mortality from
colorectal cancer by screening for
fecal occult blood(「便潜血の予検による結腸直腸癌死亡
率の低下」).New Rngl.J.Med.1993,328,1365 7、Editorial:Screening for colorecta
l cancer by stool DNA analysis(「大便のD
NA分析による結腸直腸癌の予検」).Lancet 1992,339,11
41 8、Boland C.R.,Montgomery C.K.,Kim Y
.S.:Alterations in human colonic muc
in occurring with cellular different
iation and malignant transformation(
「細胞分化および悪性腫瘍化により起こるヒトの結腸ムチンの変質」).Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA 1982,79,2051 9、Rinderle S.J.,Goldstein I.J.,Matt
a K.L.,Ratcliffe R.M.:Isolation and
characterization of Amaranthin,a lec
tin present in the seeds of Amaranth
us caudatus,that recognizes the T−(o
r cyptic T)antigen(「T(または潜在性T)抗原を認識す
るAmaranthus caudatusの種子中に存在するレクチンである
アマランチンの単離および特性」).J.Biol.Chem.1989,26
4,16123 10、Sakamoto K.,Muratani M.,Ogawa T.
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st for colorectal neoplasms:a prospe
ctive study of asymptomatic populati
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J.A.:The structure of Schiff reagent
aldehyde adduct and the mechanism o
f the Schiff reaction as determined
by nuclear magnetic resonance spectr
oscopy(「核磁気共鳴分光法により決定されたシッフ試薬のアルデヒドア
ダクト構造とシッフ反応機構」).Can.J.Chem.1980,58,3
39 12、Kasten F.H.:The chemistry of Sch
iff’s reagent(「シッフ試薬の化学」).Int.Revs.C
ytol.1960,10,1 13、Shamsuddin A.:Diagnostic assays
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月15日発行 Rettig他の米国特許第4,762,800号、1988年8月9日発行 Mattes他の米国特許第4,863,854号、1989年9月5日発行 Pantの米国特許第4,962,187号、1990年10月9日発行 Yamashinaの米国特許第5,073,493号、1991年12月1
7日発行 Linnaneの米国特許第5,008,184号、1991年4月16日発
行 Shamsuddinの米国特許第5,162,202号、1992年11月
10日発行 Shamsuddinの米国特許第5,348,860号、1994年9月2
0日発行 Krepinsky他の米国特許第5,416,025号、1995年5月1
6日発行 (発明の概要) 本発明の目的は、大腸および直腸の癌に対して無症候性の人たちのスクリーニ
ングのための道具を提供することである。
【0014】 さらに本発明の目的は、出血性の癌に進展する前に大腸および直腸の腫瘍を見
つけるために改良されたスクリーニング法を提供することである。 さらに本発明の目的は、改良された特異性を提供する結腸直腸癌用のスクリー
ニング法を提供することである。 本発明のこれらおよびその他の目的と利点は、本明細書を全体として読むこと
により理解されるはずである。
【0015】 したがって本発明は一態様において、その結腸もしくは直腸の病における腫瘍
形成、前癌状態、または癌の存在を検出する方法を提供し、その方法は患者の直
腸から結腸直腸の粘液試料を得ること、ならびに炭素原子を10〜20個含有す
る、任意選択でオレフィン基を含有する長鎖脂肪族アルデヒド、特にC16〜C
18を含有する脂肪族アルデヒド、およびそのプラスマローゲン結合前駆物質の
群から選択されたマーカーの存在を検出することを含む。
【0016】 より具体的には本発明は、大腸の腫瘍形成、前癌状態、または癌の存在を検出
する方法を提供し、それは (a)患者の直腸から大腸の粘液試料を得ること、 (b)前記試料を検定してCH3(CH214CHO、CH3(CH216CHO
、およびその前駆物質からなる群から選択されたアルデヒドマーカーを検出する
こと、および (c)粘液中に検出されたアルデヒドの存在に基づき大腸の腫瘍形成、前癌状
態、または癌を検出すること、を含む。
【0017】 マーカーは、好ましくは免疫化学的に、また任意選択で定量的に検出される。
マーカーの前駆物質はプラスマローゲンが結合していると考えられる。 マーカーは、好ましくは式、CH3(CH216CHOのオクタデカナール、一
般名ステアルアルデヒドと、式、CH3(CH214CHOのヘキサデカナール、
一般名パルミトアルデヒドと、式、CH3(CH27CH=CH(CH27CH
Oの9−オクタデセナール、一般名オレアルデヒドとからなる群から選択される
【0018】 本発明の好ましい実施形態において、アルデヒドマーカーの構造を知ることは
、アルデヒド基の特異な性質を利用して、例えばポーラログラフィにより、また
は色、例えばある決まったスペクトル特性、蛍光、質量スペクトル、化学発光、
およびその他の色により検知可能な生物学的反応、ならびにクロマトグラフ特性
など、得られるそれらの適切な特性によって検知可能なアルデヒド基を形成する
化合物と特異的に反応する試薬を用いて、結腸直腸の粘液中の前述のアルデヒド
類の存在を観察することを可能にする。
【0019】 アルデヒドは酸性条件下で酸に敏感なプラスマローゲンから放出され、それら
は放出されると直ぐに試薬と反応すると考えられる。過剰の未反応試薬は、最も
好ましくは例えば水および/または緩衝液で繰返し洗浄することにより除去され
る。多くの一般に知られているアルデヒド検出化合物および組成物を、本発明の
実施に当たって使用することができる。特に、酸性条件下でアルデヒドと結合す
るアミノ基を含有する化合物、すなわち蛍光または色などの容易に検知できる特
性を付与された付加化合物。このようなアミノ基含有化合物の例は、アニリンベ
ースの染料の中に見出される。p−ローザニリンは、塩酸水溶液中で亜硫酸塩ま
たは類似物質と反応して無色のシッフ試薬に転換したのち、この試薬は終わりに
なって高感度を有するアルデヒドと反応して約λmax560〜590nmにおけ
る吸光度により規定される紫色の付加化合物を形成するので特に好適な染料であ
る。結腸直腸の粘液中のアルデヒド検出用のシッフ試薬形態のp−ローザニリン
の利用については下記に、より詳細に記載する。
【0020】 好ましくはこの方法は、前記試料をシッフ試薬で処理すること、および前記処
理により前記試料中にλmax約560〜590nmで生じた呈色に基づいて結腸
または直腸の腫瘍形成または癌を見つけることを含む。 本発明の実施により生じる特定の呈色は、約560nmの分光光度定量により
視覚的に認識または検出することができる。最も好ましくはこの方法は、二糖マ
ーカーβ−D−Gal(1〜3)−D−GalNac(α1−Thr/Ser)
と、D−ガラクトースおよび/または2−アセトアミド−2−デオキシ−D−ガ
ラクトースを含有するサッカリドマーカーとを検出するために酵素処理の追加の
ステップを必要としない。
【0021】 本発明は、結腸直腸の腫瘍性疾患に罹った個体から集めた粘液の成分にシッフ
試薬を作用させることにより得られたより狭い範囲の色が、真の陽性をよりよく
示しかつ偽陽性を却下するように視覚的に認識できるまたは分光測光的に測定で
きるという発見に基づいている。本発明者等は、このような個体から集められた
粘液が、検知可能な量の長鎖脂肪族アルデヒド類CH3(CH214CHOとCH 3 (CH216CHOおよびオレフィンアルデヒドCH3(CH27CH=CH(
CH27CHOそれ自体を含有し、粘液中に存在するプラスマローゲン内に捕縛
され、そしてシッフ試薬の助けによりそこから放出されることを発見した。本発
明者等は、約560〜590nmで光吸収を有する紫の呈色が、前述のアルデヒ
ドを含むシッフ試薬により生ずることを見出した。本発明者等は、腫瘍性疾患の
ない個体の粘液が、腫瘍性疾患に罹った個体の粘液において見られた視覚的に識
別できる色スペクトルをもたらさないことを見出した。さらに本発明者等は結腸
直腸の粘液が、シッフ試薬を元の染料p−ローザニリンに戻す塩基性化合物を含
有し、λmax538nmで光吸収を有する赤みをおびたピンクの呈色を生ずるこ
とを発見した。弱い紫の呈色に対して求められたものからこの望ましくない呈色
をカラーチャートを必要とせずに区別することは往々にして困難であり、その結
果これは偽陽性の増加、したがって検定法の特定性の低下につながる。
【0022】 さらに本発明者等は、結腸直腸の粘液中には複数の低分子量の脂肪族アルデヒ
ドが存在するが、その幾つかがカルボン酸官能基を含有するこれらアルデヒドは
水に可溶のため、好ましくはもし粘液の十分な水洗が行なわれるならば本発明の
検定を妨害しないことを発見した。 したがって上記で言及した従来技術とは異なり、もし水洗と、高分子量アルデ
ヒドの存在したがって前癌状態または癌の存在の適切な指標としての約560〜
590nmにおける紫色の厳密な観測とが維持されるならば、偽陽性の実質的な
減少と、その結果として検査の特定性の実質的な向上が得られる。
【0023】 本発明の実施によって生ずる、前述の長鎖脂肪族アルデヒドの存在による紫の
呈色は、水洗後に粘液中に残る結腸直腸の粘液中に存在する別の物質により引き
起こされるさまざまなピンクおよび赤の微妙な違いから区別することが可能であ
る。各キットに同封されたカラーチャートは、訓練されていない人たちによって
さえ紫色の適正な識別の助けとなり、したがって扱い者が検査結果の高い特定性
を維持することを可能にする。
【0024】 シッフ試薬自体はp−ローザニリンから調製されるが、本発明の実施において
特定の紫の呈色はp−ローザニリン単独では生じないことに注目されたい。 本発明者等は、シッフ試薬−長鎖アルデヒドアダクトに対するλmaxの正確な
位置は溶媒に左右されることを見出した。 本発明者等は、ジクロロメタン中のステアルアルデヒド−シッフ試薬アダクト
が約590±1nmで比較的広い最大吸収を示し、約555±1nmで肩を有す
ることを見出した。エタノール中のこのアダクトは約547nmで吸収を示し、
約578nmで肩を有する。後者の溶液中では色は紫から赤に変わり、本発明者
等はそれがエタノール中のアダクトの不安定性によると考えている。これは水に
不溶である。
【0025】 水中のp−ローザニリンは約538nmで吸収を示すが、ジクロロメタンには
不溶である。 シッフ試薬を伴った、より長い炭素鎖長のアルデヒドはステアルアルデヒドア
ダクトと似た挙動を示す。例えばジクロロメタン中のミリストアルデヒドのアダ
クトは約586nmで吸収を示し、約556nmで肩を有する。
【0026】 水中のホルムアルデヒドアダクトは、約560〜約593nmに延在する広く
平坦な最大吸収を与える。 腫瘍組織の組織学的断面と結合するレクチンまたは抗体と比べて、直腸の粘液
検査の重要な利点は、検査すべき材料にアクセスし易いことである。結腸の管腔
表面は、その長さの全体を通して粘液と、水、電解質、ヌクレオシドおよびヌク
レオチドなどの有機化学物質、アミノ酸、ペプチド、ホスホリピドおよび脂質酸
化生成物を含む脂質、ならびに分子量の大きいグリコタンパク質(ムチン)から
なる粘弾性ゲルと、腸に沿って移動できる閉じ込められた細胞および細菌とで裏
打ちされているので、直腸の粘液は結腸全体からの粘液を含有する、すなわち末
端腫瘍組織により分泌された粘液は、そこで採取が行なわれる直腸の中へ腸に沿
って流れると考えられる。
【0027】 本発明の実施に使用される一般手順は下記の通りである。 指頭の直腸検診の間にシッフ試薬中でいかなる色の変化も誘発させないMUK
Oまたは類似の潤滑剤で滑らかにした手袋をはめた指を用いて、予検される個体
から医師または訓練を受けた看護婦により得られた粘液試料を、パッドまたはデ
ィスクなどの適切な水に不溶の基板または支持体上に付着させる。適切な支持材
料は、例えばガラスの微細繊維、ポリエステル繊維などのある特定のポリマー繊
維、およびセルロースもしくは変性セルロース繊維から調製される。支持体はB
HT(ブチルヒドロキシトルエン)またはBHA(ブチルヒドロキシアニソール
)などの抗酸化剤で前処理してもよく、またしなくてもよい。
【0028】 好ましくは下記の手順を使用する。 粘液試料を下記記載のように支持体上に付着させ、洗浄する前に約90分間そ
の上に保持するか、または冷凍庫から取り出す場合は約90分間解凍させる。こ
れに続いて、粘液を載せた支持体を0.1Mリン酸カリウム緩衝液中で通常約1
0分間洗浄し、水で2分間ずつ2回洗浄し、15分間空気乾燥して余分の水を除
去する。支持体を2分程度の短時間シッフ試薬中に置き、簡単に蒸留水で洗浄し
て空気中で乾燥する。シッフ試薬から取り出した後、紫色が20〜25分以内に
フィルター上に現れる場合、陽性反応と記録される。
【0029】 もし試験片に何も呈色が生じないならば、それは粘膜中に長鎖脂肪族アルデヒ
ドもしくプラスマローゲン前駆物質が存在しないためか、または粘液が手袋をは
めた指により採集されず、したがって支持体上に付着していないためのいずれか
である。これら2つの可能性を区別するために、陰性検査結果の支持体を0.5
%過ヨウ素酸溶液で5分間処理し、水で洗浄し、シッフ試薬で5分間染め、再び
洗浄する。マーカーを欠いた粘液が存在する場合、粘液が付着した場所に紫の呈
色が現れ、そうでない場合は若干の背景の呈色が現れるかも知れないが支持体は
無色のままである。
【0030】 本発明によるプロセスの実施の間、紫とは別の色が、特にピンクおよび赤の色
調に傾いた色が観測される可能性がある。このような色は、無色のシッフ試薬か
ら元のピンクレッド色の染料p−ローザニリンを開放する塩基性の物質が存在す
ることを表している。上記で言及した塩基性物質は普通水溶性であるので、これ
らの変動は通常シッフ試薬で処理する前の試料の洗浄が不完全であったことを示
している。
【0031】 シッフ試薬の性質は、市販のp−ローザニリン配合物中に存在するさまざまな
異性体の組み合わせにより、またシッフ試薬自体の配合方法により変わることが
知られている。しかしながら前述の従来技術、Krepinsky他の米国特許
第5,416,025号とは異なり、マーカーのアルデヒドの特質に関する知識
、およびアルデヒドと適切な手順を用いて調製したシッフ試薬との間のアダクト
の化学特性に関する知識の故にこれらの変動は検査結果に顕著な影響を及ぼさな
い。適切なシッフ試薬を調製するための好ましい手順を下記に記述する。最大の
感度および安定性を有する再現性のある結果を得るためには、試薬を冷凍機中で
4日ないし6週間の間、すなわち使用前+3℃〜+5℃で成熟させることが望ま
しい。
【0032】 さらに別の態様において本発明は、結腸直腸の粘液を吸収することができ、か
つ水および水溶液により、またシッフ試薬により濡らすことができる水に不溶の
基体を包含する、例えば包装、ボール箱、筒、箱、巻物、テープ、またはその他
のカプセル様の物などの容器を含む予検用キットを提供する。 基体は通常、両面テープを用いてしっかりシールされた2枚の長方形の硬いプ
ラスティック製プレートの間に置かれ、例えば直径1.0〜1.3cm位の適切
な円形の開口部を通して露出している。シールされ組み立てられるプレートの寸
法は、顕微鏡スライドと同時開発するための標準装置の利用を可能にする顕微鏡
スライドのもであってもよい。
【0033】 実施に当たっては医師または看護婦が、例えばプレート中の支持体表面に粘液
試料を塗布する。プレートを実験室に移し、そこで下記に述べる実施において使
用する装置により決まる規模、例えば10枚のプレートをバッチで処理する。結
果を読み取った後、プレートは廃棄される。 大腸および直腸の腫瘍形成の早期発見のためのスクリーニング法としての手順
を下記に述べる。
【0034】 上述のように、また医師の事務所で取扱いに便利なように直腸の検診の間に得
られた粘液試料はプレート中に固定された支持体上に塗布される。直腸検診用の
MUKOなどの適切な潤滑剤は、シッフ試薬と反応しないものの中から選択され
る。処理には下記の方法が適していることが分かった。塗布した粘液試料を載せ
た個々のプレートを、10枚のプレートを運ぶホルダー中に置く。ホルダーを、
0.1Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)を含む槽に入れ、静かに機械的に
震動させながら10分間浸漬する。震動が止まったらホルダーを槽から引き上げ
、続いてホルダーを蒸留水を含む槽に浸漬し、さらに2分間静かに震動させる。
水洗をもう一度繰返し、次いでホルダーを槽上に引き上げ、10分間余分な水を
槽中に滴下させて戻した。これに続けてプレートを載せたホルダーを、下記のシ
ッフ試薬を含む別の槽に浸漬し、2分間静かに震動させ、次いで取り出し、各ホ
ルダーを蒸留水を含む槽に2分間浸漬することにより水で3回洗浄した。次いで
プレートを載せたホルダーを空気乾燥し、紫色が20〜25分以内に支持体上に
現れたら記録する。この時間はシッフ試薬から取り出した時点から数える。色を
カラーチャートと照合し、紫とは別の色は陰性とみなす。
【0035】 粘液と共に支持体上に付着した大便は発色前の保管中に、付着した粘液中の空
気の存在により好ましくない変換を起こす可能性があり、それは偽陽性の検査結
果の読取を招く可能性がある。このハプニングによる変換を防ぐために、粘液の
付着前に粘液の付いていない支持体を、例えば95%エタノールに溶かしたBH
T、またはBHAなどの0.1%抗酸化剤溶液で前処理してもよい。
【0036】 検査結果が支持体の発色がないという理由で陰性である場合、粘液がプレート
中に付着したかどうかを立証することが役に立つ。この目的を達成するために、
次いで試料を過ヨウ素酸−シッフ試薬で処理して粘液がプレート上に付着してい
たかどうかを判定する。もし粘液が存在するならば紫色が現れる。往々にして塗
り付けられる物質は粘液が存在する場合わずかに黄色を呈し、無色の付着物は通
常単に無色の潤滑剤が付着したに過ぎないことを示す。
【0037】 少量の粘液しか支持体上に存在しない場合、検査結果は弱い陽性が予想され、
したがってそれは豊富な粘液試料の強い陽性と同じ信憑性をもつことに注意しな
ければならない。 (実施例) 得られた結果は、現在、ある個体が前兆的な悪性腫瘍を有するか、または腫瘍
形成の危険度が増しつつある状態にある可能性があることを示している。例えば
炎症を起こした腸の部分は発癌前の状態に転換しており、これは恐らく検査によ
り検出される。
【0038】 腫瘍に対して検査が高感度であることは、腫瘍が直腸の出血、解明されていな
い鉄欠乏性貧血、または腫瘍と一次関係にある症状を有するために結腸鏡検査を
受ける患者の数を減らすことができる。 実施例1:シッフ試薬の調製 蒸留水(220ml)を沸騰させ、熱源から離し、p−ローザニリン(0.4
g)を加えた。混合物をよく撹拌し、再び5分間沸騰させ、50℃まで冷却し、
溶液を折りたたんだ濾紙を通して濾過した。撹拌しながら1N塩酸(34ml)
を濾液に加え、室温まで冷却するに任せた。亜硫酸水素ナトリウム(2.34g
)を加え、よく撹拌し室温で暗所に4日間保管した。わずかに麦わら色の溶液が
得られ、それに木炭(NORIT、300mg)を加え、混合物を1.5分間激
しく撹拌した。これに続いて、溶液を二重濾紙を通して濾過して薄黒いガラスび
んに入れ、3〜5℃で冷蔵保管した。
【0039】 実施例2:結腸直腸癌および推定上の前癌状態をもつ患者 検査の感度は、まれに癌を見逃した時からずっと一貫してきわめて高かった。
しかしながら臨床的な対照集団中で測定された特定性は、検査の時点では臨床的
に検出される腫瘍をもたないが将来癌発生の素因になる可能性がかなりある幾つ
かの別の特記されない不快を有する患者においては不正確である。以前、健康な
若いボランティア(患者ではない)中の偽陽性率は10.6%を超えないことが
示された。大腸の炎症状態は癌の危険度を増すと考えられる。事実、炎症を起こ
した腸の部分は発癌前の状態に転換する可能性があり、これは恐らく検査により
検出される。表1は、ウェルスリ病院(Wellesley Hospital
)の内視検査の一団の、その幾人かは結腸直腸癌および推定上の前癌状態をもつ
と診断された患者グループから得た粘液について行なった検査結果を示す。 表1 この表は、ウェルスリ病院(Wellesley Hospital,Toro
nto,Ontario,Canada)において粘液検査を受けることに彼等
自身合意した内視検査の一団から得た結果を示す。
【0040】
【表1】
【0041】 *CI:陽性の割合または陰性の割合の信頼区間 +直径1cm未満 ++直径1cm超 +++粘液採集の数週間前に切除 表1を、よりよく理解するために下記の注記を提供する。 (a)「腫瘍形成なし」を除くカテゴリーの陽性/陰性は、一部の個体において
はこれらの状態が癌の前兆であり、一部ではそうでないという周知の観察結果を
反映している。「腫瘍形成なし」のカテゴリーの陽性については釈明しない。し
かしながら一部の陽性者は依然として前癌状態を意味している可能性があり、し
たがって13人全ての陽性者が偽陽性のカテゴリーを意味してはいない(下記参
照)。 (b)腫瘍形成なしにはまた、癌の家族歴(5、1+、4−)、過敏性腸管症候
群(2、1+、1−)、痔疾(3,1+、2−)、および血管分離発生(ang
eodisplasia)(1、1−)が含まれる。腺腫ポリープには、多発性
憩室症を伴う腺腫(1、1−)が含まれる。小さなポリープには、多発性憩室症
を伴うポリープ(2、2+)が含まれる。 (c)以前に切除した癌における検査の陽性/陰性は、癌除去の完璧さを反映し
ている。 (d)炎症状態は、結腸直腸の癌の危険因子と考えられる。検査結果における陽
性は、炎症が癌の初期段階までどのくらい進行しているかを表している可能性が
ある。 (e)10人未満の被検者グループの割合およびCIは計算しない。 (f)この検査結果を、「陽性」から陰性まで「陽性」を表す色をもっとはっき
り区別することにより8つの症例を分類しなおした。8つの症例は下記のカテゴ
リーに分類された。すなわち「腫瘍形成なし」3、「癌の家族歴」1、「以前に
癌を切除」1、および「小さなポリープ」3。
【0042】 実施例3:結腸直腸癌により結腸切除した検体における粘液反応 アルデヒドマーカーの化学的識別用の十分な量の結腸直腸の粘液を得るために
、粘液を結腸直腸癌に罹った患者から切除した結腸の部分から採集した。同時に
シッフ試薬を用いてマーカーの存在を証明した。本明細書に示した結果はこの検
査の高い感度を裏付ける。
【0043】 表2は、トロント(カナダ、オンタリオ洲)の数病院の手術活動の場面で得ら
れた結腸切除試料に関する結果を示す。この試料は下記のようにして得られた。 手術後15〜20分の結腸切除試料を水で洗浄して血液を除去した。下側の粘
膜を傷つけずに小さなへらで表面から静かに掻き落とすことにより粘液を採集し
た。掻き落とした粘液をプラスティック製の小びんに入れて冷凍した。シッフ試
薬で検定するために小びんを冷凍器から取り出し、室温に60分間置いて解凍し
、へらの先端の少量の粘液を支持体に塗布し、検定した。
【0044】
【表2】
【0045】 *この粘液試料の元の色は深緑色であり、したがってシッフ試薬と反応後、色を
判定することは困難であったこと留意されたい。 実施例4:マーカーの単離および特性 実施例3で述べたヒトの結腸切除試料から得られた粘液をプール(66g)し
、24時間凍結乾燥して半固体の残分(6.0g)を得た。この残分を幾種類か
の溶媒で連続的に抽出し、クロロホルム−メタノール(2:1)および酢酸エチ
ルによる抽出物をシッフ試薬と陽性反応させた。すなわち、これらの抽出物を合
わせ、シリカゲルのカラム上でクロマトグラフィにかけた。クロロホルム−メタ
ノール(7:2.5)により一画分がもたらされ、これを乾燥するまで蒸発させ
た後シッフ試薬と陽性反応させて残分(36.6mg)を得た。数回のクロマト
グラフによる分離後、高陽性反応材料(4.2mg)が得られ、さらにNMR分
光法により分析を行なった。NMR試験は、この画分がコリン(−N(CH33 に対するδ3.240ppmのシグナルを参照)とエタノールアミンの両者を含
有するホスホリピドの混合物からなることを示した。化合物の約40%において
グリセロ−ルの1および2位のヒドロキシル基が共に脂肪酸でエステル化されて
いた。残りの60%はグリセロールの2位のみがエステル化され、一方1位では
α、β不飽和エーテルと結合し、これはビニルのプロトンO−C=CH−に当
てはめられるδ5.90ppmのダブレットを介して同定された。α、β不飽和
エーテルは、高分子量のアルデヒド、主にステアルアルデヒドおよびパルミトア
ルデヒドの誘導体である。3:2というホスホリピド(=プラスマローゲン)を
含有するビニルエーテルと完全にエステル化されたホスホリピドとの比の推定は
、その積分値がδ5.90のビニルのシグナルとよい相関関係のあるδ5.58
ppmのプラスマローゲン中と、δ5.218ppmのジエステルホスホリピド
中とのグリセロール部分のCH−2に対するシグナル強度の比較に基づいてなさ
れた。アルデヒドは、質量分析法およびガス−液体クロマトグラフィを用いてア
ルデヒドのO−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル)オキシムの標
準試料と比較することにより同定した。2つのアルデヒドは、分子イオンの代わ
りにM−20イオン、すなわちパルミトアルデヒドに対してm/z415.1、
およびステアルアルデヒドに対してm/z443.2を示した。
【0046】 アルデヒドのO−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル)オキシム
は、ホスホリピド混合物(1mgを水100μlに溶かしたもの)に加えたO−
(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル)ヒドロキシルアミン(酢酸ナ
トリウム緩衝液、pH5に溶かした0.05M溶液250μl)を、1分間ボル
テックス混合を行ない、30分間反応させて調製した。次いで1N HCl(1
0μl)を加え、反応混合物をヘキサン(1ml)で3回抽出した。一緒にした
ヘキサン抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、窒素気流下で乾燥するまで蒸発させ
、残分をヘキサン(50μl)に再度溶解した。この溶液(1μlの注入液)を
アルデヒドのガス−液体クロマトグラフィと質量分析による同定に用いた。
【0047】 この開示は本発明の若干の好ましい実施形態について記述、例示したが、本発
明はこれらの特定の実施形態に限定されないことを理解されたい。むしろ本発明
は、記述、例示された特殊な実施形態および特徴と、機能的または機械的に等価
な全ての実施形態を含んでいる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 2G045 AA26 CB26 DA60 FA26 FA29 FB03 GC10 GC12 2G054 AA02 AB04 AB05 CA21 CE01 EA06 GA03 GB01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患者の直腸から結腸直腸の粘液の試料を得て、炭素原子を1
    2〜20個含有する長鎖脂肪族アルデヒドおよびそのプラスマローゲン結合前駆
    物質からなる群から選択されたマーカーの存在を検出することを含む、結腸また
    は直腸の腫瘍形成、前癌状態、または癌の検出方法。
  2. 【請求項2】 前記脂肪族アルデヒドがCH3(CH214CHOおよびCH 3 (CH216CHOから選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 (a)患者の直腸から大腸の粘液の試料を得ること、 (b)前記試料をアッセイして、CH3(CH214CHO、CH3(CH216
    HO、およびそのプラスマローゲン結合前駆物質からなる群から選択されたアル
    デヒドマーカーを検出すること、および (c)粘液中に検出されたアルデヒドの存在に基づき大腸の腫瘍形成、前癌、ま
    たは癌を指摘すること、 を含む大腸の腫瘍形成、前癌、または癌の存在の検出方法。
  4. 【請求項4】 マーカーを免疫化学的に検出する、請求項1〜3のいずれか
    一項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 マーカーを定量的に検出する、請求項1〜4のいずれか一項
    に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記試料をシッフ試薬で処理すること、および前記処理によ
    り前記試料中の約550〜590nmに生じる呈色に基づき結腸または直腸の腫
    瘍形成、前癌状態、または癌を見つけることを含む、請求項1〜5のいずれか一
    項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 患者の直腸から結腸直腸の粘液の試料を得ること、前記試料
    をシッフ試薬で処理すること、および前記処理により前記試料中の約550〜5
    90nmに生じる呈色に基づき結腸または直腸の腫瘍形成、前癌状態、または癌
    を検出することを含む、結腸または直腸の腫瘍形成、前癌、または癌の検出方法
  8. 【請求項8】 前記呈色を視覚的にカラーチャートの一組の標準色の色と比
    較する、請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記呈色を約550〜590nmの分光光度吸収により測定
    する、請求項7に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記試料を、二糖マーカーβ−D−Gal(1〜3)−D
    −GalNAc(α1−Thr/Ser)及びD−ガラクトースおよび/または
    2−アセトアミドー2−デオキシ−D−ガラクトースを含有するサッカリドマー
    カーの検出用の酵素を加えるステップなしに前記シッフ試薬で処理する、請求項
    7〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 さらに、前記粘液を水に不溶の基体上に吸収させること、
    および前記吸収された粘液を水溶液で洗浄して前記基体から短鎖長の脂肪族アル
    デヒドを選択的に除去することを含む、請求項7〜10のいずれか一項に記載の
    方法。
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