JP2001289861A - 腫瘍マーカーによる癌の評価方法 - Google Patents

腫瘍マーカーによる癌の評価方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 腫瘍の発生を段階分けすることで、癌の発生
の時間的経過を継続的に追跡し、特定の臓器における早
期癌を発見するだけではなく、いずれの部位にある早期
癌でも発見して高危険群を同定する。 【解決手段】 血液を採取する段階と、採取した血液か
ら、癌の発生における、最初に血中に出現する癌増殖マ
ーカー、次に出現する腫瘍関連マーカー、最後に出現す
る腫瘍特異マーカーの物質の存在と、各出現順序をスク
リーニングする段階と、該腫瘍マーカーのスクリーニン
グにより腫瘍の成長レベルを、数段階の腫瘍成長度ステ
ージに分類する段階と、を含んで成り、癌の成長におけ
る癌胎児性抗原が腫瘍特異マーカーと、癌胎盤性抗原が
腫瘍関連マーカーと、腫瘍血管関連物質が癌増殖マーカ
ーとそれぞれ同一と見なし、これらの腫瘍マーカーを組
合せて解析することにより、見掛け上の健常人に発生す
る癌を発見し、かつその癌の危険度を評価する方法であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、癌の疑いが有る
人の血液や尿を検査して腫瘍マーカーの成分を検出し、
定量して癌を早期に発見・評価する方法に係り、特に種
々の腫瘍マーカーを組合せて解析することにより、見掛
け上の健常人において発生する癌の危険度を的確に発見
・評価することができる腫瘍マーカーによる癌の評価方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】癌は、早期に発見して診断することが、
癌の治療にとって重要とされている。特に、早期に発見
された微小な癌であれば自然治癒力で完治したという事
例もある。そこで、胃癌、肺癌、子宮癌、乳癌等の癌を
早期に発見しようとする方法が、数多く提案され、かつ
実施されている。
【0003】オーソドックスで確実な癌の発見方法とし
ては、「組織学的検査法」がある。この組織学的検査法
は、病巣を切り出して顕微鏡で観察し、癌細胞を発見す
る方法である。この癌の発見方法は、主に癌の切除手術
前に行う方法であり、例えば胃カメラ等の内視鏡(ファ
イバースコープ)による検査のときに、癌の病巣の小片
を採取して行う「生検」(バイオプシー)や、痰や分泌
物等に含まれている癌細胞を調べる「細胞診」がある。
【0004】しかし、癌の切除手術前にこの組織学的検
査法を行うときに、癌細胞を狙って検査材料を採取する
場所を決定するが、その採取する場所を外すと癌細胞を
見逃すという欠点があった。また、この組織学的検査法
における顕微鏡検査には、熟練を要し、癌細胞によって
は正常な細胞と紛らわしい場合もあるので、癌細胞を見
誤るという欠点もあった。
【0005】健康診断や癌の検査におけるX線投影検
査、CTスキャン検査、磁気共鳴画像解析検査(MRI
検査)等の検査方法は、癌の形態学的な方法で癌の病巣
を発見する方法である。「X線投影検査」は、X線単純
写真又はバリウム等の造影剤を服用して撮ったX線写真
から初期の癌の影を読み取り、癌の病巣を発見する検査
方法である。このX線単純写真又は造影剤を用いたX線
写真から癌の影を読み取ることは困難な作業で名人芸を
要するものであった。そこで、X線写真とコンピュータ
による画像の解析を行なうと共に、輪切りにした像を得
ることができる「コンピュータ処理X線断層撮影装置検
査」(CTスキャン検査)が提案されている。
【0006】このCTスキャンは、X線の細いビームを
患者の身体に照射し、透過したX線を電気の強弱信号と
して取り出し、身体の投影画像を1mm以下の小さな画
素ごとの電気信号として記録し、従来のX線撮影に比較
して、濃淡幅や精密度は比べものにならない程良好な装
置である。「CTスキャン検査」は、身体の回りにX線
を回転させながら照射した数百枚単位の投影画像をコン
ピュータで処理し、身体を輪切りにした断面の実像写真
を描き出すことにより、癌の病巣の像を結ばせて、その
病巣の大きさや位置を正確に割り出すことができる検査
方法である。
【0007】更に、「磁気共鳴画像解析検査」(MRI
検査)は、電磁波を利用して高度な画像解析を行なうこ
とにより、癌の病巣の大きさやその位置を正確に割り出
す検査方法である。この磁気共鳴画像解析は、強力な磁
場に人体を置いて電磁波を照射すると、身体の中の水素
原子核の陽子(プロトン)が共鳴を起こし、電磁波を吸
収し、一方、体内の水分や脂肪は多量の水素原子を含む
ので、水分や脂肪の分布像が得られ、臓器や組織、病巣
の鮮明な画像を映し出す解析方法である。この磁気共鳴
画像解析検査は、映し出した鮮明な画像をコンピュータ
で処理し、脳腫瘍や脊髄の癌など、骨に囲まれた内部の
癌の病巣の画像を非常に鮮明に映し出しすことにより、
その病巣の大きさや位置を正確に割り出すことができる
検査方法である。このように、磁気共鳴画像解析は、C
Tスキャン検査と比較して骨の主成分であるカルシウム
やリンをほとんど写さないため、骨に囲まれた内部の癌
を鮮明に映し出すことができる。
【0008】上述したX線投影検査、CTスキャン検
査、磁気共鳴画像解析検査(MRI検査)等の形態学的
な癌の発見方法でも、胃癌、肺癌、子宮癌、乳癌等の発
生頻度が高い癌であって、かつ1g以上に癌細胞が増殖
したものでなければ、一般的には発見できないものであ
った。従って、このような形態学的な癌の発見方法は、
癌を早期に発見する方法ではなかった。例えば、X線投
影検査では、1cmの癌を8%程度しか発見できず、半
年後の再検査では癌が進行して末期癌になって手遅れな
ったという事例も数多くあった。
【0009】そこで、癌を早期に発見する方法として
は、「腫瘍マーカーによる癌の発見方法」が提案されて
いる。腫瘍は、体内の細胞の一部が突然、異常分裂して
増殖し、次第に大きくなって「しこり」になったもので
あり、良性と悪性の2種類があり、この悪性腫瘍が癌で
ある。この腫瘍が体内にできると、健康なときにはほと
んど見られない特殊な物質が、その腫瘍によって大量に
作られ、血液中に出現する。この物質を「腫瘍マーカ
ー」といい、この腫瘍マーカーは、癌の発生臓器と強い
関連性を持つ特徴があるため、血液中にこの物質が基準
値以上に出てきたときには、癌があることを推測するこ
とができる。
【0010】例えば、腫瘍マーカーには、肝臓癌におけ
る「アルファ−フェトタンパク質」、胃癌や大腸癌にお
ける「癌胎児性抗原」等の癌細胞や胎児にのみ作られる
タンパク質、「糖鎖抗原19−9」と反応する膵臓癌等
の腫瘍特異的抗原、子宮の絨毛癌における「ゴナドトロ
ン」、副甲状腺癌における「カルチトニン」等のホルモ
ン、更に骨癌や肝臓癌における「アルカリファスファタ
ーゼ」等の種々のものがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したX線
投影検査、バリウムを服用しての胃透視等の胃癌の検査
方法では、公共機関及び民間機関における癌の検査で
は、1979年〜1988年においては、わずか0.1
50%の発見率(被検者26,733,815人に対し
て、40,200人の発見)しか得られなかった。ま
た、子宮癌の検査方法でも、わずか0.092%の発見
率(被検者27,834,585人に対して、25,6
20人の発見)しか得られないというのが実情であっ
た。
【0012】このように、従来の形態学的な検査方法を
用いた全国的な集団における、これらの胃癌、肺癌、子
宮癌、乳癌等の癌の発見率は低いものであった。これ
は、検査方法が稚拙だったり、間違った標的のサンプル
に適用されたものではなく、癌の視覚的特徴、病巣の大
きさや部位に依存した検査をする形態学的な検査方法の
限界を意味していた。
【0013】一方、癌細胞は、増殖を続ける異常な細胞
の集団で、母体に宿った胎児のように「間質」という胎
盤様の組織に包まれ、「腫瘍血管」という特殊な血管を
のばして正常な血管から栄養を取ったり老廃物を流し込
む。この癌細胞が排泄する老廃物(腫瘍マーカー)が、
癌の目印となる血液中の微量物質である。しかし、この
腫瘍マーカーは、その癌がある程度の大きさに成長しな
いと検出しづらいものであった。従って、従来における
腫瘍マーカーによる癌の発見・評価方法では、有病正診
率(sensitivity)及び無病正診率(spe
cificity)がそれぞれ低いものであった。この
有病正診率とは癌患者を癌であると正しく評価した割合
をいい、無病正診率とは健常人を癌でないと正しく評価
した人の割合をいう。従って、従来の腫瘍マーカーによ
る癌の発見方法は、主として癌を診断していく上での一
種の補助的な検査、或いは癌を治療していく上での経過
観察の検査として行われるものであった。
【0014】本発明の発明者は、増殖中の新生物は、癌
細胞の塊と癌を支持する間質と腫瘍血管から構成され、
それぞれ癌胎児性抗原、癌胎盤性抗原、腫瘍血管関連物
質を産生し、これらの3つの物質が、癌の早期発見にお
いて重要であることに着目した。更に、これらの癌胎児
性抗原、癌胎盤性抗原及び腫瘍血管関連物質は、各々の
腫瘍特異マーカー、腫瘍関連マーカー及び癌増殖マーカ
ーと同一と見なすことができるので、これらは癌の腫瘍
マーカーの癌の評価方法において、重要な役割を果たす
であろうと考え、腫瘍マーカーのコンビネーション・ア
ッセイ、即ち、数種類の腫瘍マーカーを組合せて解析す
ることによる新しい早期癌の評価方法を発明した。
【0015】本発明は、かかる問題点を解決するために
創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、腫
瘍マーカー反応のカットオフ値に基づいて、危険度を判
定して腫瘍ステージを分類し、腫瘍の発生を段階分けす
ることで、癌の発生の時間的経過を継続的に追跡し、特
定の臓器における早期癌を発見するだけではなく、いず
れの部位にある早期癌でも発見して高危険群を同定し、
癌の予防をすることができる腫瘍マーカーによる癌の評
価方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、腫瘍マ
ーカーによる癌の評価方法であって、血液又は尿を採取
する段階と、採取した血液又は尿から癌の発生におけ
る、最初に血中に出現する癌増殖マーカー、次に出現す
る腫瘍関連マーカー、最後に出現する腫瘍特異マーカー
の物質の存在と、各出現順序をスクリーニングする段階
と、前記各腫瘍マーカーのスクリーニングにより腫瘍の
成長レベルを、数段階の腫瘍成長度ステージに分類する
段階と、から成り、癌の成長における癌胎児性抗原が前
記腫瘍特異マーカーと、癌胎盤性抗原が前記腫瘍関連マ
ーカーと、腫瘍血管関連物質が前記癌増殖マーカーとそ
れぞれ同一と見なし、これらの腫瘍マーカーを組合せて
解析することにより、見掛け上の健常人に発生する癌を
発見し、かつ、その癌の危険度を評価すること、を特徴
とする腫瘍マーカーによる癌の評価方法が提供される。
【0017】前記腫瘍成長度ステージの分類は、各ステ
ージ毎に定めた癌増殖マーカー、腫瘍関連マーカー及び
腫瘍特異マーカーの成長度に応じて設定したカットオフ
値により行う。このカットオフ値は、経年でみた個人の
正常値に応じて設定したものである。また、この腫瘍成
長度ステージの分類に、2以上の異常レベルのステージ
を含むステージに分類する。
【0018】更に、前記腫瘍マーカーのスクリーニング
による腫瘍の成長レベルは、微小癌もない理想的な状態
をステージIとし、前癌状態をステージIIとし、前癌
状態をステージIIIとし、臨床癌状態をステージIV
とし、1g以上の癌が存在すると推定される状態をステ
ージVと、する5段階の腫瘍成長度ステージに分類する
ことが望ましい。
【0019】また、前記腫瘍マーカーのスクリーニング
による腫瘍の成長レベルは、微小癌もない理想的な状態
をステージIとし、狭義の微小癌の存在が推定され、前
記癌増殖マーカーでも異常が認められない状態をステー
ジIIとし、前記癌増殖マーカーと前記腫瘍関連マーカ
ーに多少の異常が見られる状態を腫瘍ステージIIIと
し、前臨床癌状態であり、前記癌増殖マーカーと前記腫
瘍関連マーカーの値にかなりの異常が見られる状態を腫
瘍ステージIVとし、1g以上の癌の存在が推定され、
前記癌増殖マーカーばかりでなく、前記腫瘍関連マーカ
ーにも顕著な異常が見られ、前記腫瘍特異マーカーにも
異常が見られる状態を腫瘍ステージVと、する5段階の
腫瘍成長度ステージに分類することができる。
【0020】本発明の腫瘍マーカーによる癌の評価方法
において、癌の発生の時間的経過を継続的に追跡するこ
とにより、早期癌でも発見すると共にその高危険群を同
定することができる。
【0021】上記発明の方法では、癌の発見において、
癌胎児性抗原(腫瘍特異マーカー)ばかりでなく、癌胎
盤性抗原(腫瘍関連マーカー)及び腫瘍血管に関連した
物質(癌増殖マーカー)も癌を発見するための腫瘍マー
カーの評価対象項目とした。これは癌は新生物であり、
これを支える周囲の間質及び癌血管と共に成長するの
で、従来の癌胎児性抗原の腫瘍マーカー(腫瘍特異マー
カー)を中心にした検査だけでは不充分だからである。
従って、本発明の癌の評価方法においては、この腫瘍特
異マーカーばかりでなく、腫瘍関連マーカーと癌増殖マ
ーカーも検出し、かつ定量する。よって、腫瘍マーカー
の出現の順序に関しては、癌増殖マーカーと腫瘍関連マ
ーカーが、微小癌の成長の早期(腫瘍ステージIII)
に出現し、続いて腫瘍特異マーカーが現れる(腫瘍ステ
ージIV) 。これらの腫瘍マーカーを組合せて解析する
ことにより、見掛け上の健常人に発生する癌を発見し、
かつその癌の危険度を評価することができる。
【0022】前記癌増殖マーカーは、アルカリフォスフ
ァターゼアイソザイム(ALP)、リボヌクレアーゼ
(RNase)である。前記腫瘍関連マーカーは、フェ
リチン(FT)、免疫抑制酸性タンパク(IAP)、シ
アル酸である。更に、前記腫瘍特異マーカーは、癌胎児
性抗原(CEA)、糖鎖抗原19−9(CA19−
9)、耐熱性アルカリフォスファターゼ(HSAP)、
組織ポリペプチド抗原(TPA)である。
【0023】単に癌をスクリーニングする立場からすれ
ば、癌が存在する臓器を特定することは、必ずしも必要
ではなかった。しかし、本発明では臓器特異的でない腫
瘍マーカーもまた、癌の存在の有無を決定する上で重要
であると考え、異なった3つタイプの腫瘍マーカー、即
ち、腫瘍特異マーカーの他に腫瘍関連マーカーと癌増殖
マーカーの3タイプを用いた。
【0024】本発明における3種類の腫瘍マーカーによ
る癌の評価方法では、特定の臓器における早期癌を発見
するだけではなく、いずれの部位にある早期癌でも発見
して高危険群を同定することができる。そこで、本発明
の癌の評価方法により癌患者と非癌患者の血清を用いた
検査結果では、有病正診率は80%から90%という高
いものである。また、無病正診率も84%から85%と
高く、かつ正診率も83%から88%と高いものであっ
た。
【0025】このように本発明の癌の評価方法では、実
際の腫瘍に対応する発生段階を腫瘍マーカー反応のカッ
トオフ値に基づいて腫瘍ステージを分類し、かつ危険度
判定のために用いた。そこで、この評価方法は、前臨床
癌と臨床癌の自然史に基づくステージ分類モデルを導入
したことによって、微小癌から臨床癌に至るまで同一の
方法で癌を評価することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を図面を参照して説明する。本発明の腫瘍マーカーに
よる癌の評価方法は、血液を採取する段階と、採取した
血液から各腫瘍マーカーを検出し、かつ定量する段階
と、を含んだ癌の評価方法である。なお、この血液の採
取に代えて尿を採取し、採取した尿から各腫瘍マーカー
を検出し、かつ定量することも可能である。
【0027】次に、腫瘍マーカーのスクリーニングによ
る腫瘍の成長レベルを、数段階の腫瘍成長度ステージに
分類することにより、見掛け上の健常人に発生する癌を
発見し、かつその癌の危険度を評価する。例えば、この
腫瘍の成長レベルの分類は、2以上の異常レベルのステ
ージを含むものであり、微小癌もない理想的な状態をス
テージIとし、前癌状態をステージII、IIIとし、
前臨床癌状態をステージIVとし、及び1g以上の癌が
存在すると推定される状態をステージVと、する5段階
に設定した。
【0028】更に、癌の発生における、最初に血中に出
現する癌増殖マーカー、次に出現する腫瘍関連マーカ
ー、最後に出現する腫瘍特異マーカーの物質の存在と、
各出現順序をスクリーニングする。そこで、癌の成長に
おける癌胎児性抗原が腫瘍特異マーカーと、癌胎盤性抗
原が腫瘍関連マーカーと、腫瘍血管関連物質が癌増殖マ
ーカーとそれぞれ同一と見なし、これらの腫瘍マーカー
を組合せて解析する。これにより、腫瘍マーカーの出現
の順序に関しては、癌増殖マーカーと腫瘍関連マーカー
が、微小癌の成長の早期(腫瘍ステージIII)に出現
し、続いて腫瘍特異マーカーが現れる(腫瘍ステージ
V) 。これらの腫瘍マーカーを組合せて解析すれば、そ
の癌の危険度を的確に評価することができる。
【0029】本発明の癌の評価方法は、癌の自然史のモ
デルに則った評価方法である。即ち、臨床癌に特徴的な
生物学的増殖曲線を引用し、微小癌が理論上存在すると
した。例えば、悪性又は良性疾患の患者の胃や他の臓器
の切片から、病理学的に微小癌が存在することがある。
そこで、本発明では、微小癌及びネオプラジア(前臨床
癌)を、具体的に次のように4つの腫瘍ステージ(ステ
ージI〜IV)に分類し、1g以上の臨床癌が存在する
と推定されるステージVに分類した。
【0030】「腫瘍ステージI」は、何れの各腫瘍マー
カーでも異常がでない。ALPアイソザイムやRNas
eの異常もなく、癌がない理想的な正常な状態を意味す
る。「腫瘍ステージII」は、狭義の微小癌(マイクロ
グラムから数ミリグラム [M1 ] )の存在が推定され、
癌増殖マーカーにおいて、わずかな異常が認められる状
態である。「腫瘍ステージIII」は、前臨床癌に移行
する前のステージ(M1 から数百ミリグラム[M2 ])
の存在が推定され、癌増殖マーカーと腫瘍関連マーカー
に多少の異常が見られる状態である。「腫瘍ステージI
V」は、従来の0(ゼロ)期(G0)、前臨床癌状態で
あり、癌増殖マーカーと腫瘍関連マーカーの値にかなり
の異常が見られ、時折腫瘍特異マーカーの値にわずかな
異常が見られる状態である。「腫瘍ステージV」は、1
g以上の癌の存在が推定される状態であり、臨床癌のス
テージのT1〜T4(臨床癌はTNM分類に従って4つ
のステージに分類され、本発明のモデルではG1〜G4
に相当する)にあり、癌増殖マーカーばかりでなく、腫
瘍関連マーカーにも顕著な異常が見られ、時折腫瘍特異
マーカーにも異常が見られる状態である。
【0031】次に、本発明の腫瘍マーカーによる癌の評
価方法の実施例を示す。 〔対象と方法〕 受診した対象 1984年から1986年の間に、我々は、日本国内の
無作為に選ばれた(5の地域の住人2126人(男性1
091人、女性1035人)を対象にして、本発明の腫
瘍マーカーによる癌の評価方法を用いた癌スクリーニン
グを実施した。地理学的な位置、環境条件、受診者数
は、表1に示す通りである。
【0032】
【表1】
【0033】一般的に、癌のスクリーニングにおける対
象のサンプリングの仕方は、偏りのある研究結果を避け
るために非常に重要である。本発明における受診者の年
齢分布は、表2に示すように、従来の検診における分布
と類似するように実施した。また、各開催地別にみた、
受診者の各腫瘍ステージに占める割合は、受診者総数に
おけるそれらの割合と類似しており、この実施例のサン
プリングは、比較的に偏りがないようにした。各腫瘍ス
テージに応じて発見された癌は、多種多様であった。諸
種の臓器の癌発生率は、日本全体の疫学データによるも
のと類似している。
【0034】
【表2】
【0035】受診者にはあらかじめ、病歴、現在の病
状、妊娠の有無などを記入する問診用紙を郵送した。記
入済みの用紙は検査の当日に提出してもらった。受診者
は、表2の年齢分布に示すように、健康であると推定さ
れる大部分が23歳から80歳の癌の自覚症状の無い人
たちであった。約18mlの血液を、各受診者から採血
した。血清は、血液から遠心分離され、本発明の検査の
時まで、マイナス20°Cに保存した。なお、血液の採
取に代えて、尿を採取し、採取した尿から各腫瘍マーカ
ーを検出し、かつ定量する方法も採用することができ
る。
【0036】〔腫瘍マーカーの総合解析〕本発明の癌の
評価方法は、これらの血清サンプルを用いて腫瘍マーカ
ーの総合評価をした。次のような腫瘍マーカーを同時に
分析した。 「癌胎児性抗原(CEA)」癌胎児性抗原(CEA)
は、腫瘍特異マーカーとして位置づけられるもので、胎
児の消化器組織だけに見られるタンパク質の一種であ
る。この癌胎児性抗原(CEA)はCEA−EIAキッ
トを用いた酵素免疫測定法で測定した。この癌胎児性抗
原(CEA)の数値が徐々に高まっていくと、種々の癌
の経過が悪くなってきたことを意味する。逆に、手術等
の治療後に低値を保っているときは再発もなく、治療が
順調であることの指標になる。そこで、この癌胎児性抗
原(CEA)は、癌の経過観察と治療効果の判定、再発
や転移等の発見には欠かせないものである。
【0037】「耐熱性アルカリフォスファターゼ(HS
AP)」耐熱性アルカリフォスファターゼ(HSAP)
は、腫瘍特異マーカーとして位置づけられるもので、癌
組織及び諸種の癌患者の血清から発見されたものであ
る。このHSAPの測定は、例えば、50μlの血清を
65℃で7分間熱処理した後、37℃で20分間、蛍光
基質(naphthol AS−MX phospha
te) と反応させ、それをアセトンで脱タンパク処理し
て、上清中の蛍光強度を蛍光光度計で測定した。
【0038】「フェリチン(FT)」フェリチン(F
T)は、腫瘍関連マーカーとして位置づけられるもので
ある。このフェリチン(FT)は、ラジオイムノアッセ
イ(放射性物質を用いた免疫測定法)で測定した。本発
明では、フェリチン(FT)と血清鉄の比(FT/F
e)をもう一つの別な腫瘍マーカーとして用いた。
【0039】「免疫抑制酸性タンパク(IAP)」免疫
抑制酸性タンパク(IAP)は、腫瘍関連マーカーとし
て位置づけられ、試験管内で、フィトヘムアグルチニン
(植物性血液凝集素)によって誘導されるリンパ芽球の
形成とリンパ球混合試験を共に阻害することで性格づけ
られるものである。免疫抑制酸性タンパク(IAP)
は、単放射免疫拡散法により測定した。即ち、5μlず
つの検体を、抗IAP血清を含んだ寒天ゲルのプレート
の各穴に入れ、37℃、48時間、培養した後で、沈降
リングの直径を測定した。
【0040】「リボヌクレアーゼ(RNase) 」血清
リボヌクレアーゼ(RNase) は、癌増殖マーカーと
して位置づけられものである。このリボヌクレアーゼ
(RNase) の異常な上昇は、諸種の癌患者にみられ
る。この上昇は、重度の腎障害があっても見られるが、
クレアチニンの検査により、このおそれを排除するよう
になっている。このリボヌクレアーゼ(RNase) の
活性は、基質としてポリシチジル酸を用いて測定した。
【0041】「シアル酸」シアル酸は、腫瘍関連マーカ
ーとして位置づけられものである。このシアル酸の高い
値は、諸種の癌患者の血清中に見られる。シアル酸は、
酵素測定法に基づき、シアル酸試薬キットを用いて、自
動分析機で測定した。
【0042】「アルカリフォスファターゼ(ALP)ア
イソザイム」アルカリフォスファターゼ(ALP)アイ
ソザイムは、癌増殖マーカーとして位置づけられもので
ある。このアルカリフォスファターゼ(ALP)アイソ
ザイムは、セルロースアセテート膜電気泳動により分離
測定した。ALP活性の正常値範囲内で、癌患者の血清
ALPアイソザイムが、病気の状態にともなって、有意
の変動を示すものである。3つのパラメーター(ALP
1,ALP2/3, APA) は、アルカリフォスファタ
ーゼ(ALP)アイソザイムのデンシトメトリーによる
パターンから計算した。
【0043】「糖鎖抗原(CA19−9)」糖鎖抗原
(CA19−9)は、腫瘍特異マーカーとして位置づけ
られるものである。この糖鎖抗原(CA19−9)は、
免疫放射定量法や時間分解蛍光免疫測定法により測定し
た。この糖鎖抗原(CA19−9)は、膵臓癌、胆嚢・
胆管癌等の血清中に著しく増加することから、消化器系
の癌のスクリーニングに用いられるものである。また、
この糖鎖抗原(CA19−9)は、癌の経過観察と手術
後の再発の有無を調べるときに利用する。
【0044】「組織ポリペプチド抗原(TPA) 」組織
ポリペプチド抗原(TPA) は、腫瘍特異マーカーとし
て位置づけられるものである。この組織ポリペプチド抗
原(TPA) は、消化器系、膵臓癌、肺癌、乳腺癌、前
立腺癌で高値を示し、よく使われる腫瘍マーカーであ
る。この組織ポリペプチド抗原(TPA) は免疫放射定
量法により測定した。また、この組織ポリペプチド抗原
(TPA) は、癌の経過観察を調べるときも利用する。
【0045】上記の腫瘍マーカーと共に、次のような補
助検査も実施する。鉄、アルブミンとグロブリンの比
(A/G比)、グルタミン・オキザ酢酸トランスアミナ
ーセ(GOT)、グルタミン・ピルビ酸トランスアミナ
ーゼ(GPT)、トルブタミド耐性テスト(TTT) 、
ALP総活性とクレアチニンは、自動分析機により測定
した。これらの検査は、肝障害と腎機能障害による偽陽
性の結果を排除するのに用いられた。
【0046】本発明の癌の評価方法では、上記した各腫
瘍マーカーは、3つのグループに分類した。即ち、癌の
発生において、先ず最初に血中に出現する、アルカリフ
ォスファターゼ(ALP)アイソザイム [ALP2 、 A
LP2/3 、APA]及びリボヌクレアーゼ(RNas
e) は、「癌増殖マーカー」と分類した。次に出現す
る、フェリチン(FT)、免疫抑制酸性蛋白(IAP)
及びシアル酸は、「腫瘍関連マーカー」と分類した。最
後に出現する、癌胎児性抗原(CEA)、鎖抗原(CA
19−9)、耐熱性アルカリフォスファターゼ(HSA
P)及び組織ポリペプチド抗原(TPA) は、「腫瘍特
異マーカー」と分類した。
【0047】〔前臨床癌の自然史のモデルによる腫瘍ス
テージ分類〕本発明の癌の評価方法では、腫瘍ステージ
の判定は、表3に示した各腫瘍マーカーのカットオフ値
に従って、前述の12項目の腫瘍マーカー(CEA、 H
SAP、FT、FT/Fe、IAP、RNase、シア
ル酸、3つのALPアイソザイムパラメーター、CA1
9−9、TPA) の総合解析により行う。前臨床癌の腫
瘍ステージを決めるカットオフ値は、1980年〜19
85年に実施例に基づいて受診した臨床癌の患者につい
ての、腫瘍マーカーと腫瘍の大きさとの相関関係の結果
を外挿して決定した。
【0048】
【表3】
【0049】原則として各腫瘍ステージは各、ステージ
毎に定めた各腫瘍マーカーのカットオフ値をもとに、2
つ以上の異常レベルを含むステージをもって判定した。
【0050】〔追跡調査〕腫瘍ステージIV或いは腫瘍
ステージV段階の腫瘍を持つと判定された受診者には、
さらにX線投影検査、CTスキャン検査、内視鏡や生検
などの形態学的検査を、5年〜7年にわたる追跡調査の
期間中に実施した。
【0051】〔各腫瘍ステージの分布〕図1は腫瘍ステ
ージ毎に分類された受診者の分布を示すグラフである。
各腫瘍ステージ別の受診者数は、ステージIが2名
(0.1%) 、ステージIIが250名(11.8%)
、ステージIIIが1251名(58.8%)、ステ
ージIVが528名(24.8%) 、ステージVが95
名(4.5%)であった。各開催地によって、その分布
に僅かな差は見られたが、各地域毎の各ステージの率の
平均値(7か所選んだ地域での平均値±標準偏差は、ス
テージIが0.1±0.4、ステージIIが15.8±
10.3、ステージIIIが57.3±7.2、ステー
ジIVが24.8±8.9、ステージVが2.0±2.
0%)は受診者総数2126名のものとほぼ同様の分布
を示した。
【0052】図2は4つの年齢群に分けた2126名の
腫瘍ステージ分布を示すグラフである。図示するよう
に、本発明の実施例では、2126名の受診者の4つの
年齢群に分けて腫瘍ステージ分布を示した。この分布図
は、上記表2に示したように、日本の従来の癌集団にお
ける分布とほぼ同じである。ステージIIIの受診者の
割合は、どの年齢群でもいちばん多く、加齢とともに少
しずつ減少を示した。なお、腫瘍ステージIIの割合は
加齢とともに減少するのに対して、腫瘍ステージIVと
Vは増加した。
【0053】〔各ステージにおける癌発生率〕最終的に
癌であると診断された受診者は、ステージVにおいて2
9.5%(95人に対して28人)、ステージIVが
2.7%(528人に対して14人)、ステージIII
が0.7%(1251人に対して9人) 、ステージII
が0.4%(250人に対して1人) 、ステージIが
0.0%(2人に対して0人)であった。
【0054】癌の部位は、肺が10例、乳房が10例、
胃が7例、大腸が6例、子宮が2例、膀胱が1例、口腔
が2例、食道が1例、脾臓が1例、骨が1例、舌が1
例、前立腺が1例、胆嚢が1例、咽頭が1例、卵巣が1
例、脳が1例、後頸部が1例、甲状腺が1、その他が3
例の合計52例であった。5年〜7年間の観察期間にお
ける腫瘍ステージVからの癌発見率は腫瘍ステージIV
と比較して10倍以上の高率であった。高危険度群(腫
瘍ステージIV、V)からの癌発見率は6.7%(62
3人に対して42人)で、低危険度群(腫瘍ステージ
I、II、III)からの発見率0.67%(1503
人に対して10人) の10倍も高率であった。腫瘍ステ
ージVの受診者からの癌発見率29.5%は、他のステ
ージI〜IVの受診者からの発見率1.18%(203
1人に対して24人)に比べて25倍の高率であった。
最初の検診時から臨床癌が発見されるまでの平均期間
は、以下に示す通りである。ステージVは9.4±1
4.1か月、ステージIVは31.4±18.7か月、
ステージIIIは39.1±19.6か月、ステージI
Iは1例で12か月であった。
【0055】〔腫瘍マーカーと腫瘍ステージ〕図3は各
腫瘍マーカーと各腫瘍ステージとの相関関係を示すグラ
フである。図示例は各グループの受診者における各腫瘍
マーカーの高値を示した者の割合をステージごとに示し
たものである。CEA、HSAP、FT、FT/Fe、
IAP、RNase、シアル酸(SA)、ALP1 アイ
ソザイム、CA19−9及びTPAの高値は、腫瘍ステ
ージと高い相関関係を示した。しかし、各ステージに対
するマーカー特異性は見られなかった。これらの関連性
は、臨床癌における腫瘍マーカーと腫瘍の大きさとの関
連性と同じである。
【0056】〔腫瘍ステージ分類と危険度判定〕表4
は、本発明により癌を評価した後の0.5〜2.0年間
における、各ステージ毎の癌発生率を示している。ステ
ージVからの癌発生率は23.2%(95人に対して2
2人)であった。ステージIVの受診者528名中の3
名(0.57%)が癌と診断され、他のステージからの
癌はゼロであった。5〜7年後におけるステージI、I
I、III、IV、Vからの発見率は、それぞれ0%、
0.4%、0.7%、2.7%、29.5%であった。
5〜7年後の癌発生と0.5〜2年以内の癌発生との比
較により、腫瘍ステージ分類と危険度判定との高い相関
関係が明らかになった。ステージIIからステージVま
での癌の発生率は、低危険度(0.4%)から高危険度
(29.5%)までの危険度判定と密接に相関してい
る。言い換えれば、前臨床癌における腫瘍ステージ分類
は、危険度の判定に等しい(等価) と見做すことができ
る。
【0057】
【表4】
【0058】日本における癌についての生涯罹患率は高
く、人の一生のうちに、4〜5人に1人は癌に罹る。例
えば74歳までの累積率で見れば、日本における癌発生
率は約1/ 4である。しかもこの割合は、最近の10年
にかなり上昇している。これらの知見は、上述したステ
ージIVの受診者が、時間の経過とともにステージVに
移行し、ステージVの受診者から最終的に臨床癌が発生
すると仮定すれば、ステージIVとVの組み合わせによ
り高率に癌を発見、評価する本発明の癌の評価方法が正
確であることを示唆している。
【0059】更に、従来の単純な方法の腫瘍マーカーに
よる検査の癌の評価方法を用いて2000人の推定「健
常人」を対象に、10種の腫瘍マーカーを同時に測定し
て、1年〜6年以上の間、繰り返し追跡調査して検査し
たデータがある。その結果、2000人のうち、1個以
上のマーカーに異常が認められたのは481人(24.
1%)であった。この割合は、本発明の癌の評価方法で
ステージIVとVに対して得られた29、3%(212
6人に対して623人) と一致する。その上、異常を示
すグループにおける癌発見率は、4.6%(481人に
対して22人)で、正常なグループからの発見率0.3
3%(1519人に対して5人) の約14倍高かった。
この正常なグループからの発見率は、本発明の癌の評価
方法の0.67%(1503人に対して10人)より低
い。これらの検査の母集団に対する発見率1.4%(2
000人に対して27人) は1年〜6年間継続して調査
した結果である。従って、本発明の癌の評価方法は、特
定の臓器における早期癌を発見するだけではなく、いず
れの部位にある早期癌でも発見して高危険群を同定する
ことができる。
【0060】更に、上記実施例における、腫瘍ステージ
Vの受診者95人のうち28人は、この検診の後、5〜
7年の期間内に病理学的あるいは形態学的に癌であると
確証されており、従来の評価方法の発見率よりもはるか
に効率的な発見率、という結果になった。例えば、癌の
手術後の患者が、年ごとに腫瘍ステージがIIからII
Iへ、次にIVへと変わり、最終的には腫瘍ステージV
に変った例もある。その上、各ステージごとの癌発生の
結果(表4)と腫瘍マーカー総合診断から臨床癌が現れ
るまでの平均時間は、我々の提唱したモデルと採用した
カットオフ値の有効性を支持している。
【0061】なお、腫瘍ステージIIIは、図2に示す
ように、すべての年齢群において、目立って高いパーセ
ンテージを示している。これは2つの理由が考えられ
る。先ず1つの理由は、なんらかの生物学的及び免疫学
的な活性が、100万個単位の細胞数レベルで微小癌の
成長を止めることがある、ということである。もう1つ
の理由は、本発明の癌の評価方法では、各腫瘍ステージ
によって、ステージ間の可逆性が違うということであ
る。即ち、ステージIIIでは6人のうち5人が低危険
度に移行するのに対し、ステージIVでは2人中1人、
ステージVでは、10人中1人である。ステージIII
における高い可逆性は、すべての年齢群においてこのス
テージの比率が高い理由を説明するものと思われる。
【0062】剖検における潜在癌の病理学報告の研究に
おいては、50代の人の剖検時に約30%の潜在癌の存
在が示されており、70代の人では、50%の潜在癌の
存在が確認されている。仮にステージIVが潜在癌と一
致し、ステージVが臨床癌及び前臨床癌と符合すると考
えれば、ステージIVとステージVの組み合わせは、本
発明においては、50代において36%、70代におい
て43%を占める。これらの割合は、剖検で確認されて
いる潜在癌と前臨床癌の割合と、それぞれ対応する。本
発明の癌の自然史の成長モデルは、図式的なものであ
り、例えば各ステージには長い静止期が含まれることな
ど、本研究で得られた結果をもとに修正する必要があ
る。しかし、このように用いられた本発明の腫瘍マーカ
ーによる癌の評価方法では、癌のスクリーニングと危険
度評価において、非常に効果的である。
【0063】図4は癌の成長過程と腫瘍マーカーによる
5段階評価方法を示す説明図である。図5は癌の成長過
程と腫瘍マーカーによる5段階評価方法における対処方
法を記した説明図である。図4又は図5に示すように、
腫瘍の成長レベルが、微小癌もない理想的な状態のステ
ージIから微小癌の存在が推定される状態のステージI
Iの間、即ち癌細胞が数百個程度から100万個の状態
では、発癌因子、促進因子を取り除けば予防的対策が可
能な時期である。
【0064】次に、前臨床癌に移行する前のステージの
存在が推定される状態を腫瘍ステージIIIから前臨床
癌状態であるステージIVの間、即ち癌細胞が1億個か
ら10億個の状態では、発癌物質、促進因子やストレス
が加われば癌の増殖が進むが、自然治癒能力(免疫能生
体防衛能)をフルに発揮すれば、予防治療が可能な時期
である。
【0065】最後に、1g以上の癌の存在が推定される
状態を腫瘍ステージV、即ち癌細胞が10億個から1兆
個の状態では、X線投影検査や内視鏡の検査で容易に発
見できる時期である。更に、臨床癌の進行段階も初期癌
G1、進行癌G2,G3及び末期癌G4の段階になる。
【0066】また、本発明の癌の評価方法は、前臨床癌
と臨床癌の自然史に基づくステージ分類モデルを導入し
たことによって、癌を微小癌から臨床癌に至るまで同一
の方法で扱うことができるようになった。この癌の評価
方法は、基礎研究と臨床研究とを密接に関係づけながら
癌を研究するシステムを持っているからである。
【0067】
【発明の効果】上述したように、本発明の腫瘍マーカー
による癌の評価方法は、腫瘍特異マーカーばかりでな
く、腫瘍関連マーカーと癌増殖マーカーをも検出かつ定
量し、腫瘍マーカーの出現の順序に関しては、癌増殖マ
ーカーと腫瘍関連マーカーが、微小癌の成長の早期に出
現し、次に腫瘍特異マーカーが現れ、これらの腫瘍マー
カーを組合せて解析することにより、見掛け上の健常人
に発生する癌を発見し、かつその癌の危険度を評価する
ことができる。
【0068】また、腫瘍マーカー反応のカットオフ値に
基づいて、危険度を判定して腫瘍ステージを分類し、腫
瘍の発生を段階分けすることで、癌の発生の時間的経過
を継続的に追跡し、特定の臓器における早期癌を発見す
るだけではなく、いずれの部位にある早期癌でも発見し
て高危険群を同定することができる。
【0069】特に、日本における癌の約半数を占める胃
癌検診や子宮癌検診について、X線投影検査、CTスキ
ャン検査等の形態学的な従来の投影検査を始めとするP
APテスト(細胞診)を用いた従来の検査方法で、癌発
見率が非常に低い数値であった。しかし、本発明の腫瘍
マーカーによる癌の評価方法では、上述したように臨床
癌の発見率が高くなり、従来の形態学的な検査より、少
なくとも数百倍も感度が高かった。このように、本発明
の腫瘍マーカーによる癌の評価方法は、癌検診の効率を
著しく改善し、またほとんどの癌に対して適用すること
ができる、等の優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】腫瘍ステージ毎に分類された受診者の分布を示
すグラフである。
【図2】4つの年齢群に分けた2126名の腫瘍ステー
ジ分布を示すグラフである。
【図3】各腫瘍マーカーと各腫瘍ステージとの相関関係
を示すグラフである。
【図4】癌の成長過程と腫瘍マーカーによる5段階評価
方法を示す説明図である。
【図5】癌の成長過程と腫瘍マーカーによる5段階評価
方法における対処方法を記した説明図である。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 腫瘍マーカーによる癌の評価方法であっ
    て、 血液を採取する段階と、 採取した血液から癌の発生における、最初に血中に出現
    する癌増殖マーカー、次に出現する腫瘍関連マーカー、
    最後に出現する腫瘍特異マーカーの物質の存在と、各出
    現順序をスクリーニングする段階と、 前記各腫瘍マーカーのスクリーニングにより腫瘍の成長
    レベルを、数段階の腫瘍成長度ステージに分類する段階
    と、から成り、 癌の成長における癌胎児性抗原が前記腫瘍特異マーカー
    と、癌胎盤性抗原が前記腫瘍関連マーカーと、腫瘍血管
    関連物質が前記癌増殖マーカーとそれぞれ同一と見な
    し、これらの腫瘍マーカーを組合せて解析することによ
    り、見掛け上の健常人に発生する癌を発見し、かつその
    癌の危険度を評価すること、を特徴とする腫瘍マーカー
    による癌の評価方法。
  2. 【請求項2】 前記腫瘍マーカーによる癌の評価方法に
    おいて、尿を採取し、その採取した尿から前記各腫瘍マ
    ーカーを検出し、かつ定量すること、を特徴とする腫瘍
    マーカーによる請求項1の癌の評価方法。
  3. 【請求項3】 前記腫瘍成長度ステージの分類を、各ス
    テージ毎に定めた癌増殖マーカー、腫瘍関連マーカー及
    び腫瘍特異マーカーの成長度に応じて設定したカットオ
    フ値により行うこと、を特徴とする請求項1又は2の腫
    瘍マーカーによる癌の評価方法。
  4. 【請求項4】 前記カットオフ値を、経年でみた個人の
    正常値に応じて設定したこと、を特徴とする請求項3の
    腫瘍マーカーによる癌の評価方法。
  5. 【請求項5】 前記腫瘍成長度ステージの分類に、2以
    上の異常レベルのステージを含むこと、を特徴とする請
    求項1、2、3又は4の腫瘍マーカーによる癌の評価方
    法。
  6. 【請求項6】 前記腫瘍マーカーのスクリーニングによ
    る腫瘍の成長レベルを、 微小癌もない理想的な状態をステージIとし、 前癌状態をステージIIとし、 前癌状態をステージIIIとし、 前臨床癌状態をステージIVとし、 1g以上の癌が存在すると推定される状態をステージV
    と、する5段階の腫瘍成長度ステージに分類したこと、
    を特徴とする請求項1、2、3、4又は5の腫瘍マーカ
    ーによる癌の評価方法。
  7. 【請求項7】 前記腫瘍マーカーのスクリーニングによ
    る腫瘍の成長レベルを、 微小癌もない理想的な状態をステージIとし、 狭義の微小癌の存在が推定され、前記癌増殖マーカーで
    も異常が認められない状態をステージIIとし、 前臨床癌に移行する前のステージの存在が推定され、前
    記癌増殖マーカーと前記腫瘍関連マーカーに、わずかな
    異常が見られる状態を腫瘍ステージIIIとし、 前臨床癌状態であり、前記癌増殖マーカーと前記腫瘍関
    連マーカーの値にかなりの異常が見られる状態を腫瘍ス
    テージIVとし、 1g以上の癌の存在が推定され、前記癌増殖マーカーば
    かりでなく、前記腫瘍関連マーカーにも顕著な異常が見
    られ、前記腫瘍特異マーカーにも異常が見られる状態を
    腫瘍ステージVと、する5段階の腫瘍成長度ステージに
    分類したこと、を特徴とする請求項1、2、3、4又は
    5の腫瘍マーカーによる癌の評価方法。
  8. 【請求項8】 前記腫瘍マーカーによる癌の評価方法に
    おいて、癌の発生の時間的経過を継続的に追跡すること
    により、早期癌でも発見すると共にその高危険群を同定
    すること、を特徴とする請求項1、2、3、4、5、6
    又は7の腫瘍マーカーによる癌の評価方法。
  9. 【請求項9】 前記癌増殖マーカーが、アルカリフォス
    ファターゼアイソザイム(ALP)であること、を特徴
    とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の腫瘍
    マーカーによる癌の評価方法。
  10. 【請求項10】 前記癌増殖マーカーが、リボヌクレア
    ーゼ(RNase)であること、を特徴とする請求項
    1、2、3、4、5、6、7又は8の腫瘍マーカーによ
    る癌の評価方法。
  11. 【請求項11】 前記腫瘍関連マーカーが、フェリチン
    (FT)であること、を特徴とする請求項1、2、3、
    4、5、6、8、9又は10の腫瘍マーカーによる癌の
    評価方法。
  12. 【請求項12】 前記腫瘍関連マーカーが、免疫抑制酸
    性タンパク(IAP)であること、を特徴とする請求項
    1、2、3、4、5、6、8、9又は10の腫瘍マーカ
    ーによる癌の評価方法。
  13. 【請求項13】 前記腫瘍関連マーカーが、シアル酸で
    あること、を特徴とする請求項1、2、3、4、5、
    6、8、9又は10の腫瘍マーカーによる癌の評価方
    法。
  14. 【請求項14】 前記腫瘍特異マーカーが、癌胎児性抗
    原(CEA)であること、を特徴とする請求項1、2、
    3、4、5、6、8、9、10、11、12又は13の
    腫瘍マーカーによる癌の評価方法。
  15. 【請求項15】 前記腫瘍特異マーカーが、フェリチン
    と血清鉄の比であること、を特徴とする請求項1、2、
    3、4、5、6、8、9、10、11、12又は13の
    腫瘍マーカーによる癌の評価方法。
  16. 【請求項16】 前記腫瘍特異マーカーが、糖鎖抗原1
    9−9(CA19−9)であること、を特徴とする請求
    項1、2、3、4、5、6、8、9、10、11、12
    又は13の腫瘍マーカーによる癌の評価方法。
  17. 【請求項17】 前記腫瘍特異マーカーが、耐熱性アル
    カリフォスファターゼ(HSAP)であること、を特徴
    とする請求項1、2、3、4、5、6、8、9、10、
    11、12又は13の腫瘍マーカーによる癌の評価方
    法。
  18. 【請求項18】 前記腫瘍特異マーカーが、組織ポリペ
    プチド抗原(TPA)であること、を特徴とする請求項
    1、2、3、4、5、6、8、9、10、11、12又
    は13の腫瘍マーカーによる癌の評価方法。
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