JP3507010B2 - 射出成形用金型と加飾成形品の製造方法 - Google Patents

射出成形用金型と加飾成形品の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 この発明は、コンソールパ
ネル、アームレスト、コイントレー、ドアートリム、セ
ンターピラー、メーターパネル、ダッシュボード、スイ
ッチベース、操作ボタン、インパネオーナメント、各種
ベゼル等の自動車の内装・外装部品、AV機器のフロント
パネルや操作ボタン、あるいは洗濯機、炊飯器、浄水器
等の家電製品のパネルや操作ボタン等の加飾成形品の製
造方法に適用可能な射出成形用金型と加飾成形品の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の加飾成形品の製造方法は、金型A
と、溶融樹脂射出口と吸引孔とが形成されたキャビティ
形成凹部を有する金型Bとからなり、フィルムを導入し
てキャビティ形成凹部の内面にフィルムを密着させて用
いる射出成形用金型を用いるものであって、まず、金型
Bのキャビティ形成凹部を覆うようにフィルムを導入し
た後、パーティング面でフィルムをクランプし、加熱し
て軟化させた後キャビティ形成凹部の吸引孔からフィル
ムを吸引して、キャビティ形成凹部の内面に密着させ冷
却した後、型閉めし、溶融樹脂の注入によってフィルム
を破り、フィルムと金型Aとの間に溶融樹脂を充満さ
せ、成形品とフィルムとを一体化させ、型開きをして加
飾成形品を取り出す。加飾成形品に一体化したフィルム
の周囲の余分な部分を切り取って完成品とする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の製
造方法では、金型Bには溶融樹脂射出口が存在し外気が
出入り自由なので、吸引孔から空気を吸引しても、溶融
樹脂射出口から空気がリークしてフィルムと金型Bとの
間の気密性が保てないため、金型Bのキャビティ形成凹
部にフィルムを隙間なく密着させにくかった。そこで、
(1)溶融樹脂射出口をホットスプルーとする方法によ
り、溶融樹脂射出口内に常時樹脂を滞留させることによ
り、吸引孔から空気を吸引しても、溶融樹脂射出口から
空気がリークしないようにして気密性が保てるようにし
ていた。(2)吸引孔から空気を吸引する際に成形機の
樹脂注入ノズルで金型の溶融樹脂射出口を塞ぐ方法によ
り、溶融樹脂射出口から空気がリークしないようにして
気密性が保てるようにしていた。
【0004】しかし、(1)では、ホットスプルーの構
造が複雑で部品点数が多くなるので、金型製作費が高額
となる。また、キャビティ形成凹部のうちホットスプル
ーに近い箇所が高温となる。このため、キャビティ形成
凹部の内面に密着したフィルムが部分的に不必要に加熱
されることとなり、フィルムに部分的に皺が発生した
り、フィルムの印刷インキ層が熱で溶けて流れ出したり
していた。また、(2)では、樹脂注入ノズルと溶融樹
脂射出口との位置合わせが正確にできないと、溶融樹脂
射出口から空気がリークしてしまうので、気密性の保持
に確実性がなかった。また、フィルムと金型Bとの間の
空間が気密状態でフィルムをキャビティ形成凹部に密着
させることになるため、フィルムと金型Bとの間の間の
空気の逃げ道がなく、溶融樹脂射出口付近のフィルムが
キャビティ形成凹部に隙間なく密着しにくい。このた
め、溶融樹脂の注入によってフィルムを破るときにフィ
ルムがキャビティ形成凹部からはがれやすくなり、うま
くフィルムを破れなくなっていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の射出成形用金
型は、金型Aと、キャビティ形成凹部と溶融樹脂射出口
と吸引孔とが形成された金型Bとからなり、フィルムを
導入してキャビティ形成凹部の内面にフィルムを密着さ
せて用いる射出成形用金型において、溶融樹脂射出口と
吸引孔との間の金型表面にシール部を有することを特徴
とする構成とした。
【0006】この発明の射出成形用金型では、シール部
が凸部からなる構成であってもよい。
【0007】この発明の射出成形用金型では、シール部
の凸部の先端が鋭角であってもよい。
【0008】この発明の射出成形用金型では、シール部
の凸部の先端が平坦であってもよい。
【0009】この発明の射出成形用金型では、シール部
が凹部からなる構成であってもよい。
【0010】この発明の射出成形用金型では、シール部
の凹部の底部が鋭角であってもよい。
【0011】この発明の射出成形用金型では、シール部
の凹部の底部が平坦であってもよい。
【0012】この発明の加飾成形品の製造方法は、金型
Aと、キャビティ形成凹部と溶融樹脂射出口と吸引孔と
が形成された金型Bとからなり、フィルムを導入してキ
ャビティ形成凹部の内面にフィルムを密着させて用いる
射出成形用金型を用いるものであって、まず、金型Bの
キャビティ形成凹部を覆うようにフィルムを導入した
後、パーティング面でフィルムをクランプし、加熱して
軟化させた後、フィルムを吸引して、シール部にフィル
ムを密着させるとともにキャビティ形成凹部の内面にフ
ィルムを密着させ、フィルムを冷却した後、型閉めし、
溶融樹脂の注入によってフィルムを破り、フィルムと金
型Aとの間に溶融樹脂を充満させ、成形品とフィルムと
を一体化させ、型開きをして加飾成形品を取り出すよう
に構成した。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながらこの発
明の射出成形用金型と加飾成形品の製造方法を説明す
る。
【0014】まず、この発明の射出成形用金型を説明す
る。射出成形用金型としては、金型Aと金型Bとからな
るものがあり、金型Aと金型Bとの間にフィルム6を導
入して金型Bのキャビティ形成凹部4の内面にフィルム
6を密着させ、型閉め完了後にキャビティ9に溶融樹脂
7を注入し、溶融樹脂7の熱や圧力と注入後の冷却によ
りフィルム6と成形品8とを一体化させるものである。
【0015】金型Aは、金型Bと合体して溶融樹脂7が
注入される空間であるキャビティ9を形成するものであ
る。金型Bは、キャビティ形成凹部4と溶融樹脂射出口
2と吸引孔3とからなり、溶融樹脂射出口2と吸引孔3
との間の金型表面にシール部10を有する。
【0016】キャビティ形成凹部4は、金型Aと金型B
とが型閉めされたときにキャビティ9を構成する、溶融
樹脂7が充填可能な空間である。
【0017】溶融樹脂射出口2は、樹脂注入ノズルから
キャビティ形成凹部4に溶融樹脂7を導く通路である。
溶融樹脂射出口2は、キャビティ形成凹部4に直接形成
されていてもよいし(図1〜図6参照)、金型Aと金型
Bとが型閉めされることによってパーティング面13上
に形成される溶融樹脂7の通路(ランナー11)に連結
するものでもよい(図8、図12参照)。ランナー11
は製品部ゲート12に通じる。
【0018】吸引孔3は、フィルム6をキャビティ形成
凹部4の内面に隙間なく密着させるために、金型Bとフ
ィルム6との間の空間の空気を排気するための孔であ
る。吸引孔3は、キャビティ形成凹部4の内面に形成し
てもよい(図1〜図6、図8〜図11参照)。吸引孔3
は、パーティング面13に形成してもよい(図12参
照)。 吸引孔3の形成位置としては、キャビティ形成
凹部4の彫の深いところや、急角度のコーナー部に形成
するとよい。または、後述するシール部10の近傍に形
成してもよい。フィルム6をシール部10に密着させる
ことが確実にでき、同時にキャビティ形成凹部4にフィ
ルム6を密着させることもできるからである。
【0019】シール部10は、フィルム6と金型Bとの
間の空間の空気を吸引孔3から吸引して金型Bのキャビ
ティ形成凹部4にフィルム6を隙間なく密着させるとき
に、溶融樹脂射出口2から空気がリークして気密性が保
てなくなるのを防止するものである。シール部10は、
溶融樹脂射出口2を完全に取り囲むように形成されてい
てもよいし、溶融樹脂射出口2の周囲の一部、例えば、
吸引孔3と溶融樹脂射出口2とを結ぶ直線上にのみ形成
したり、金型Aと金型Bとのパーティング面13上にラ
ンナー11が形成されるタイプの金型においてはランナ
ー11以外にシール部10を形成するようにしたりする
とよい(図12参照)。取り囲み方としては、円形状や
四角形状、三角形状などがある。
【0020】シール部10は、フィルム食い込み部14
を有するのが好ましい(図9〜図11)。フィルム6に
確実に食い込んでシール効果の確実性を高めることがで
きるからである。また、溶融樹脂7の注入によりフィル
ム6が押されて金型Bから容易に剥がれるのを食い止め
ることもできるからである。フィルム食い込み部14と
しては、凸部15の先端部(図10、11参照)、凹部
16の落ち込み間際の角(図9参照)等がある。
【0021】シール部10は、凸部15からなるものが
ある。凸部15の先端は鋭角であってもよいし(図10
参照)、平坦であってもよい(図11参照)。凸部15
の先端が平坦である場合の一例としては、幅0.3〜1
0mm(0.3〜2mmが最適である。)、高さ0.3〜
5mm(0.3〜2mmが最適である。)のものがあ
る。凸部15の先端が鋭角である場合の一例としては、
幅0.3〜10mm(0.3〜2mmが最適である。)、
高さ0.3〜5mm(0.3〜2mmが最適である。)の
ものがある。凸部15の高さが大きすぎると、フィルム
6が追随できずに破れやすくなるし、損傷しやすくな
る。
【0022】シール部10は、凹部16からなるものが
ある。凹部16の底部は鋭角であってもよいし(図9参
照)、平坦であってもよい(図1〜図6参照)。凹部1
6の底面が平坦である場合の一例としては、幅0.5〜
5mm(1〜2mmが最適である。)、深さ0.3〜5
0mm(0.5〜2mmが最適である。)のものがあ
る。凹部16の底部が鋭角である場合の一例としては、
幅0.3〜5mm(0.5〜2mmが最適である。)、深
さ0.3〜50mm(0.3〜2mmが最適である。)の
ものがある。用いるフィルム6の厚みが大きくなったり
硬度が高くなると、凹部16の幅は広くなる。凹部16
の深さが深すぎると、金型に凹部16を形成すること自
体が困難を伴い金型コストがかかってしまう。
【0023】シール部10の周辺に形成した吸引孔3を
シール用吸引孔21として用いてもよい。吸引孔3は、
フィルム6をキャビティ形成凹部4の内面全部にフィル
ムを隙間なく密着させることを主目的とした吸引孔であ
り、シール用吸引孔21はシール部10にフィルムを密
着させることを主目的とした吸引孔である。シール用吸
引孔21を形成することにより、キャビティ形成凹部4
の他の部分よりも先にシール部10にフィルム6を密着
させることの確実性が高まる(図2参照)。具体的に
は、シール部10が凸部15の場合は、その立上がりの
根元に溝状にシール用吸引孔21を形成するとよい。シ
ール部10が凹部16の場合は、その底部にシール用吸
引孔21を形成するとよい。シール用吸引孔21以外の
吸引孔3とシール用吸引孔21とは、別々の真空ポンプ
源に接続して、吸引を開始するタイミングをずらすこと
ができるようにしてもよい(図1〜図6参照)。キャビ
ティ形成凹部4の他の部分よりもシール部10を確実に
先にフィルム6に密着させるためである。
【0024】以上説明した射出成形用金型を用いた、こ
の発明の加飾成形品の製造方法を説明する。この発明の
加飾成形品の製造方法の各工程の説明に入る前に、この
発明の加飾成形品の製造方法に用いるフィルム6を説明
する。
【0025】フィルム6は、基体シート上に絵柄層、接
着層等が順次積層されたものであり、フィルム6に溶融
樹脂7が接着した後に基体シートを剥離しない、いわゆ
るインサートフィルムと呼ばれるものがある。フィルム
6は、基体シート上に剥離層、絵柄層、接着層等が順次
積層されたものであり、フィルム6に溶融樹脂7が接着
した後に基体シートを剥離する、いわゆる転写フィルム
と呼ばれるものもある。基体シートの材質は、ポリエチ
レンテレフタレートやポリプロピレン、アクリル等があ
る。絵柄層は成形品8の表面に装飾性や機能性を付与す
る層である。絵柄層は、通常の印刷図柄や導電材で形成
された導電パターン等がある。絵柄層は樹脂バインダー
と顔料または染料とにより形成することができる。絵柄
層は樹脂バインダーと隠蔽性のある金属顔料や無機顔料
等を用いてもよい。絵柄層は金属光沢を出すために金属
蒸着層からなるものでもよい。接着層は、フィルム6と
成形品8とを接着させるための層である。接着層は、成
形樹脂の素材に適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を適
宜使用する。たとえば、溶融樹脂7がアクリル樹脂やウ
レタン樹脂の場合は、接着層として塩化ビニル酢酸ビニ
ル共重合樹脂やアクリル系樹脂を用いるとよい。絵柄
層、接着層は各種印刷法で形成する。接着層は樹脂製の
フィルム6を用いてもよい。
【0026】この発明の加飾成形品の製造方法を、図面
を参照しながら説明する。
【0027】まず、金型Bのキャビティ形成凹部4を覆
うようにフィルム6を導入する(図1参照)。導入した
後に、金型Bに対して正確な位置に位置決めする。位置
決めの方法としては、ロボットのハンドにフィルム6を
吸着して金型に導入する方法や、金型に小突起を設け、
フィルム6の小孔に差し込んで嵌める方法、あるいは、
金型に溝を形成し、フィルム6の端部を差し込んで嵌め
る方法がある。または、ロール17に巻取ったフィルム
6の分断端部を金型間引き込み装置18で把持して、後
述するクランプ材19と金型Bとの間に引き込む方法も
ある(図1参照)。
【0028】次に、パーティング面13でフィルム6を
クランプし、加熱して軟化させる。クランプは、キャビ
ティ形成凹部4を囲む枠状のクランプ材19や、ニの字
状のクランプ材19で行なうとよい。クランプ材19は
分割可能なものでもよい(図示せず)。例えば、分割前
は切れ目のない四角形の枠状のクランプ材19であっ
て、分割後はコの字状の2個のクランプ片となるもので
もよい。加熱は、金型Aと金型Bとの間に入り込むヒー
ターパネルで行なってもよいし、ヒーターがセラミック
板の中に鋳込まれているセラミックヒーターや、パイプ
ヒーター、熱風を吹き出す熱風噴射機のようなもので行
なってもよい。
【0029】次に、フィルム6を吸引して、シール部1
0にフィルム6を密着させる(図2参照)。吸引は、シ
ール部10の周辺に形成されたシール用吸引孔21によ
って行なってもよい。フィルム6をキャビティ形成凹部
4に隙間なく密着させるための吸引孔3によって行うこ
とも可能である。キャビティ形成凹部4の他の部分より
もシール部10がフィルム6に先に密着するようにする
ためである。また、このとき、シール部10のフィルム
食い込み部14にフィルム6を食い込ませてもよい。フ
ィルム6のシール効果の確実性を高めるためである。
【0030】次に、キャビティ形成凹部4の内面にフィ
ルム6を密着させ、フィルム6を冷却する(図3参
照)。フィルム6は、シール部10に密着しているた
め、吸引孔3から吸引しても溶融樹脂射出口2から空気
がリークしてくることはなく、気密性が保てる。よっ
て、フィルム6はキャビティ形成凹部4の内面に隙間な
く密着する。キャビティ形成凹部4の内面にフィルム6
を隙間なく密着させる吸引力は、前記シール用吸引孔2
1とは別の吸引孔3によるものでもよいし、前記シール
用吸引孔21からの吸引のみによるものでもよい。
【0031】次に、型閉めし、溶融樹脂7の注入によっ
てフィルム6を破り、フィルム6と金型Aとの間に溶融
樹脂7を充満させ、成形品8とフィルム6とを一体化さ
せ、型開きをして加飾成形品を取り出す(図4、図5、
図6、図7参照)。フィルム6と金型Bとが隙間なく密
着した後に、溶融樹脂射出口2に樹脂注入ノズル20を
直結する(図4、図5参照)。図8、図12で説明する
と、金型Bの表面のうち金型Aと密着するパーティング
面13に溶融樹脂射出口2が形成されているので、フィ
ルム6を確実に破ることができる。その後、ランナー1
1を通過して製品部ゲート12に達し、キャビティ9に
注入される。溶融樹脂7とフィルム6との一体化は、フ
ィルム6の接着層と溶融樹脂7とが接触したまま、溶融
樹脂7が冷却されて固化し、成形品8にフィルム6が接
着することをいう。フィルム6としていわゆる転写フィ
ルムを用いた場合は、フィルム6と成形品8とを一体化
した後に基体シートを剥離する。溶融樹脂7の材料とし
ては、ポリスチレン系樹脂、ABS系樹脂、ポリカーボ
ネート系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系
樹脂等を使用することができる。フィルム6は金型Bに
対して正確に位置決めされているので、成形品8に対し
ても正確な位置にフィルム6を一体化できる。型開き後
の加飾成形品の取り出しは、金型Bに設けられたイジュ
クタピンによる突き出しにより、成形品8にフィルム6
が接着した加飾成形品を取り出すとよい。
【0032】
【発明の効果】この発明の射出成形用金型は、金型A
と、キャビティ形成凹部と溶融樹脂射出口と吸引孔とが
形成された金型Bとからなり、フィルムを導入してキャ
ビティ形成凹部の内面にフィルムを密着させて用いる射
出成形用金型において、溶融樹脂射出口と吸引孔との間
の金型表面にシール部を有することとした。また、この
発明の加飾成形品の製造方法は、前記射出成形用金型を
用いる加飾成形品の製造方法であって、まず、金型Bの
キャビティ形成凹部を覆うようにフィルムを導入した
後、パーティング面でフィルムをクランプし、加熱して
軟化させた後、フィルムを吸引して、シール部にフィル
ムを密着させるとともにキャビティ形成凹部の内面にフ
ィルムを密着させ冷却した後、型閉めし、溶融樹脂の注
入によってフィルムを破り、フィルムと金型Aとの間に
溶融樹脂を充満させ、成形品とフィルムとを一体化さ
せ、型開きをして加飾成形品を取り出すこととした。こ
のようにすることによって、金型の構造が簡単で部品点
数が少ないので、金型製作費を抑えることができる。ま
た、キャビティ形成凹部が部分的に高温とならないので
不必要に加熱される部分がフィルムに発生することもな
い。よって、フィルムに部分的に皺が発生したり、フィ
ルムの印刷インキ層が熱で溶けて流れ出したりすること
はない。また、溶融樹脂射出口からの空気のリークを防
止するために、樹脂注入ノズルと溶融樹脂射出口との位
置合わせを正確にする必要がなくなる。また、フィルム
と金型Bとの間の空間を気密状態とせずにフィルムをキ
ャビティ形成凹部に密着させることができるため、フィ
ルムと金型Bとの間の空気の逃げ道を確保でき、溶融樹
脂射出口付近のフィルムがキャビティ形成凹部に隙間な
く密着しやすくなる。このため、溶融樹脂の注入によっ
てフィルムを破るときにフィルムがキャビティ形成凹部
から剥がれやすくなることもなく、うまくフィルムを破
ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の射出成形用金型の一実施例と加飾
成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図2】 この発明の射出成形用金型の一実施例と加飾
成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図3】 この発明の射出成形用金型の一実施例と加飾
成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図4】 この発明の射出成形用金型の一実施例と加飾
成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図5】 この発明の射出成形用金型の一実施例と加飾
成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図6】 この発明の射出成形用金型の一実施例と加飾
成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図7】 この発明の加飾成形品の製造方法によって得
られた加飾成形品の一例を示す断面図である。
【図8】 この発明の射出成形用金型の一実施例と加飾
成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図9】 この発明の射出成形用金型の一実施例と加飾
成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図10】 この発明の射出成形用金型の一実施例と加
飾成形品の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図11】 この発明の加飾成形品の製造方法によって
得られた加飾成形品の一例を示す断面図である。
【図12】 この発明の射出成形用金型の一実施例とを
示す平面図である。
【符号の説明】
A 金型 B 金型 2 溶融樹脂射出口 3 吸引孔 4 キャビティ形成凹部 6 フィルム 7 溶融樹脂 8 成形品 9 キャビティ 10 シール部 11 ランナー 12 製品部ゲート 13 パーティング面 14 フィルム食い込み部 15 凸部 16 凹部 17 ロール 18 金型間引き込み装置 19 クランプ材 20 樹脂注入ノズル 21 シール用吸引孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 輝真 京都府京都市中京区壬生花井町3番地 日本写真印刷株式会社内 (56)参考文献 特開2000−102954(JP,A) 国際公開97/027987(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/26 B29C 45/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金型Aと、キャビティ形成凹部表面に溶融
    樹脂射出口と吸引孔とが形成された金型Bとからなり、
    フィルムを導入してキャビティ形成凹部の表面にフィル
    ムを密着させて用いる射出成形用金型において、溶融樹
    脂射出口と吸引孔との間のキャビティ形成凹部表面に、
    凹部からなるシール部を有し、該凹部の先端にシール用
    吸引孔を有することを特徴とする射出成形用金型。
  2. 【請求項2】 凹部の底部が鋭角である請求項1に記載
    の射出成形用金型。
  3. 【請求項3】 凹部の底部が平坦である請求項1に記載
    の射出成形用金型。
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