JP3506970B2 - ハロゲン系化合物を使用せずに難燃化されたトナーカートリッジ容器 - Google Patents

ハロゲン系化合物を使用せずに難燃化されたトナーカートリッジ容器

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JP3506970B2 JP27446099A JP27446099A JP3506970B2 JP 3506970 B2 JP3506970 B2 JP 3506970B2 JP 27446099 A JP27446099 A JP 27446099A JP 27446099 A JP27446099 A JP 27446099A JP 3506970 B2 JP3506970 B2 JP 3506970B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明はトナーカートリッジ容器
に関し、詳しくは最薄肉部が2.2mm以下で、リサイ
クル(再利用)特性に優れたトナーカートリッジ容器に
関する。産業上の利用分野としては、製品寿命が短くリ
サイクルの必要性が高く、かつ自己消炎性を要求される
トナーカートリッジ容器、具体的にはトナーを使用して
印刷を行うプリンター、FAX、複写機等に用いられる
トナーを収納するトナーカートリッジ容器等に有効な利
用が期待される。トナーカートリッジ容器とはトナーを
収納し、かつ/またはトナーを転写する機能を持つ容器
を指す。 【0002】さらには、近年の環境対応の観点から、従
来の樹脂の難燃化技術の主力であるハロゲン系難燃剤を
使わずに自己消火性を発現させたリサイクル(再利用)
特性に優れたトナーカートリッジ容器への利用が期待さ
れる。 【0003】 【従来の技術とその課題】近年、高分子材料は、優れた
成形加工性、機械特性、電気特性を生かして種々の広汎
な用途に使用されている。なかでもゴム変性スチレン系
樹脂は、耐衝撃性及び成形性に優れることから、自動車
部品、電気用品機器、事務機器その他各種の成形品とし
て非常に多くの分野において使用されている。特に、プ
リンター、FAX、複写機の内部部品のひとつとして使
用されるトナーカートリッジ容器には、軽量化、易成形
性等の理由により高分子材料が使用されている。なかで
も、ゴム変性スチレン系樹脂は、優れた成形性、寸法安
定性さらには比較的安価であることにより、好んで使用
されることが多い。これら複写機等の事務機器に使用さ
れるゴム変性スチレン系樹脂は、各種規制に対応し火災
に対する安全性を高めるために、難燃性を付与すること
が必須の要件となっており、トナーカートリッジ容器に
用いる樹脂組成物についても同様である。 【0004】このトナーカートリッジ容器は、主に経済
性の理由と軽量化のために薄肉で設計を行う傾向にあ
り、良流動の樹脂が求められる。一般にゴム変性スチレ
ン系樹脂の流動性を向上させるためには、低融点成分、
特に流動パラフィン等が用いられるが、耐熱を低下させ
るという欠点があるためかかる用途には不適切である。
更に、トナーカートリッジ容器は、製品寿命が短いこと
もあり、昨今の環境負荷低減要請、資源の有効利用、廃
棄物低減の観点から粉砕および成形加工工程を経て再利
用されるようになってきており、再生時の物性、難燃性
保持が重要になっている。 【0005】また、トナーカートリッジ容器は、一般に
射出成形法が採用されているが、中でも射出成形法の後
処理工程の簡素化の為、スプルー、ランナーレス成形を
目的にホットランナー成形されることが多くなってきて
おり、それに伴い樹脂組成物の熱安定性が必要になって
きている。一方、トナーカートリッジ容器の基体となる
ゴム変性スチレン系樹脂に滴下性を有する自己消炎性を
付与するには、ヘキサブロモシクロドデカン等の脂肪族
系有機ハロゲン系化合物の添加が一般的である。しかし
これら有機ハロゲン系化合物は一般的に熱安定性に乏し
いため、ホットランナー成形時に熱分解してトナーカー
トリッジ容器の外観を低下させたり、さらにはその分解
ガスは金型の腐蝕、人体への有害、そのリサイクル(再
利用)工程において再生物の物性等の低下という問題が
あった。 【0006】このような容器として特開平9−1092
78号公報にある特定のハロゲン系難燃剤を用いること
が提唱されているが、かかる高融点難燃剤を主に用いた
樹脂組成物では流動性が低下するため2.2mm以下で
ある最薄肉部の流動末端の充填が困難になり、充填圧力
を通常の成形に比べ過大に与える必要があり、ソリ、バ
リ、寸法精度等の成形上の問題が生じる。この問題を解
決するために、一般にゴム変性スチレン系樹脂の流動性
を向上させる低融点成分、具体的には流動パラフィン等
を用いると、流動性は向上するが、耐熱を低下させると
いう欠点があり、事務機器内部の熱源や駆動系の近くで
使用されかかる用途の薄肉化には不適切であった。 【0007】更に近年、プラスチックの焼却処分等に関
して、ハロゲン系化合物が樹脂中に添加してある場合、
燃焼条件によってはダイオキシン、フラン類が発生する
という報告がなされている。特に欧州においては、その
特殊な地域性のためにハロゲン系樹脂やハロゲン系化合
物の添加を回避する方策が試行されている。中でもトナ
ーカートリッジ製品を含む事務機、家電製品に関するエ
コラベル等において、ハロゲン系難燃剤を用いた難燃
化、自己消火能力保持を認めない場合が増えてきてい
る。 【0008】一般にハロゲン系難燃剤を使用せずに難燃
化あるいは自己消炎性能を付与された射出成形用樹脂と
しては、ポリフェニレンエーテル系樹脂やポリカーボネ
ート系樹脂、更にはこれらの樹脂と他の熱可塑性樹脂と
のアロイがあげられるが、いづれの樹脂も流動性という
点で従来のゴム変性スチレン系樹脂に大きく劣り、特に
薄肉部への成形性能が大きく劣る事が知られている。更
には、これらの樹脂は経済性の点でも問題があり、より
高い経済性を求められるトナーカートリッジ材としては
不適当であった。 【0009】 【課題を解決するための手段】従って、本発明は最薄肉
部が2.2mm以下でリサイクル(再利用)特性および
滴下性を有する自己消炎性に優れたトナーカートリッジ
容器、さらには、ホットランナー成形にて製造できるト
ナーカートリッジ容器を提供することを課題として鋭意
研究を重ねた。その結果、ハロゲン系難燃剤を使用せず
に、ポリフェニレンエーテルとリン酸エステル系化合物
を添加したスチレン系樹脂組成物を用いることで、最薄
肉部が2.2mm以下でリサイクル(再利用)特性に優
れたトナーカートリッジ容器が得られることを見いだ
し、本発明を完成するにいたった。 【0010】 すなわち、本発明は、以下の通りであ
る。下記(A)成分〜(C)を含有し、上記の成分
(A)成分〜(C)成分が下記含量である自己消炎性ス
チレン系難燃樹脂組成物を射出成形してなることを特徴
とするハロゲン系化合物を含まないトナーカートリッジ
容器。 (A)ゴム変性スチレン系樹脂:95〜85重量部 (B)ポリフェニレンエーテル:5〜15重量部である
スチレン系樹脂組成物100重量部に対して (C)一般式(c−1)のリン酸エステル化合物:5〜
10重量部 ここで、一般式(c−1)中、Q1、Q2、Q3、Q4
は、独立に炭素数1から6のアルキル基を表す。m1、
m2、m3、m4は、独立に0から3の整数を表す。n
2は1から3の整数を示す。Zは、一般式(c−4)
(ここで、R8、R9はメチル基を表す。)で表され
る。以下本発明を詳細に説明する。 【0011】本発明で用いるゴム変性スチレン系樹脂
(A)とは、ビニル芳香重合体よりなるマトリックス中
にゴム状重合体が粒子状に分散してなる重合体をいい、
一般的にはゴム状重合体をビニル芳香族単量体(および
不活性溶媒を加えた液)に溶解し、撹拌か塊状重合、塊
状懸濁重合、または溶液重合を行い、ゴム状重合体を析
出し、粒子化することにより得られるが、重合法に限定
されるものではない。上記のビニル芳香族単量体として
は、スチレンのほか、o−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、m−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチ
レン、エチルスチレン、p−ターシャリーブチルスチレ
ン等の核アルキル置換スチレン、α−メチルスチレン、
α−メチル−p−メチルスチレン等のα−アルキル置換
スチレン等を挙げることができるが、代表的な物はスチ
レンである。これらはその2種以上を併用しても良い。 【0012】また、前記ゴム状重合体としては、ポリブ
タジエン、スチレン・ブタジエン共重合体、ポリイソプ
レン、ブタジエン・イソプレン共重合体、天然ゴム、エ
チレン・プロピレン共重合体を挙げることができるが、
一般的には、ポリブタジエン、スチレン・ブタジエン共
重合体が好ましい。本発明の樹脂組成物を構成するゴム
変性スチレン系樹脂のマトリックス部分の重量平均分子
量は、強度の関係から15×104以上の範囲に調整さ
れるのが通例であり、これを下回ると強度が急激に低下
する。 【0013】上記ゴム変性スチレン系樹脂のゴム状重合
体含量について特に制約はないが、一般的には4〜15
重量%、より好ましくは6〜12重量%である。更に上
記ゴム変性スチレン系樹脂中のゴム粒子の平均粒子径
は、0.5〜6.0ミクロンの範囲に制御される。また、
前記ゴム変性スチレン系樹脂のゲル含量(トルエン不溶
分)は、常法の15〜40重量%に調整されるが、より
好ましくは20〜35重量%である。 【0014】本発明において用いられるゴム変性スチレ
ン系樹脂は、スチレン系単量体あるいはそれ以外1種あ
るいは2種以上の共重合可能な他のビニル単量体との組
合せによる共重合体をさらに組み合わせたものであって
もよい。本発明において(B)成分が滴下を伴う自己消
炎性を付与する難燃剤として用いられる。本発明で用い
るポリフェニレンエーテルとは、一般式(b―1)及び
/又は(b―2)で表される繰り返し単位を有する単独
重合体あるいは共重合体である。 【0015】 【化5】 【0016】 【化6】 【0017】(ここで、R10〜R15は、独立に炭素
1〜4のアルキル基、アリール基、ハロゲン、水素を示
す。) ポリフェニレンエーテルの単独重合体の代表例として
は、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エ
ーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェ
ニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−
フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プ
ロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6
−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、
ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレ
ン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−
1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6
−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル、
ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニ
レン)エーテル等が挙げられる。この中で、ポリ(2,
6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルが特に好
ましい。 【0018】ポリフェニレンエーテル共重合体とは、フ
ェニレンエーテル構造を主単量単位とする共重合体であ
る。その例として、2,6−ジメチルフェノールと2,
3,6−トリメチルフェノールとの共重合体、2,6−
ジメチルフェノールとo−クレゾールの共重合体、2,
6−ジメチルフェノールと2,6−ジフェニルフェノー
ルの共重合体、あるいは、2,6−ジメチルフェノール
と2,3,6−トリメチルフェノール及びo−クレゾー
ルとの共重合体等がある。 【0019】また、本発明のポリフェニレンエーテル中
には、本発明の主旨に反しない限り、従来ポリフェニレ
ンエーテル中に存在させてもよいことが提案されている
他の種々のフェニレンエーテルユニットを部分構造とし
て含んでいても構わない。少量共存させることが提案さ
れているものの例としては、特開平1−297428号
公報及び特開昭63−301222号公報に記載されて
いる、2−(ジアルキルアミノメチル)−6−メチルフ
ェニレンエーテルユニットや、2−(N−アルキル−N
−フェニルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエー
テルユニット等が挙げられる。 【0020】また、ポリフェニレンエーテルの主鎖中に
ジフェノキノン等が少量結合したものも含まれる。本発
明に用いるポリフェニレンエーテルの製造方法は、特に
限定されるものではないが、例えば特公平5−1396
6号公報に記載されている方法に従って、ジブチルアミ
ンの存在下に、2,6−キシレノールを酸化カップリン
グ重合して製造することができる。 【0021】さらに、本発明では押出機等にポリフェニ
レンエーテルを供給するときにポリフェニレンエーテル
の官能化剤を共存させても構わない。好適な官能化剤と
しては、アクリル酸アルキル類、無水マレイン酸、フマ
ル酸等が挙げられる。アクリル酸アルキル類の中でも炭
素数10以上のアルキル基を持つものが好適に使用で
き、中でもアクリル酸ステアリルが特に好適である。ポ
リフェニレンエーテルの官能化剤の量は、ポリフェニレ
ンエーテル100重量部に対して5重量部までが好まし
い。より好ましくは、3重量部までである。 【0022】この官能化剤の添加方法は、あらかじめポ
リフェニレンエーテルと官能化剤をブレンドしてから押
出機へ添加する方法、官能化剤だけの独立した供給装置
を用いてポリフェニレンエーテルと同時に押出機へ供給
する方法等があるが添加方法に関しては特に制限はな
い。また、官能化剤を取り扱いやすくするため、あらか
じめポリフェニレンエーテルやスチレン系樹脂とマスタ
ーバッチ状に高濃度でブレンドしたものを用いても構わ
ない。 【0023】本発明に用いる自己消炎性スチレン系難燃
樹脂は、ポリフェニレンエーテルの量が、ゴム変性スチ
レン系樹脂とポリフェニレンエーテルからなるスチレン
系樹脂100重量部中に5〜25重量部であることが特
徴である。より好ましくは5〜20重量部である。最も
好ましくは5〜15重量部である。ポリフェニレンエー
テルの量が25重量部を越えない範囲では、金型内流動
性はポリフェニレンエーテルの量にあまり依存しない
が、25重量部を越えると金型内流動性が急激に悪化す
るため好ましくない。また、5重量部を下回ると耐熱性
と難燃性が低下する。本発明中で用いることのできる
(C)成分のリン酸エステル化合物は、一般式(c−
1)、 【0024】 【化7】 【0025】(ここで、Q1、Q2、Q3、Q4は、独
立に炭素数1から6のアルキル基を表す。m1、m2、
m3、m4は、独立に0から3の整数を表す。n2は0
から3の整数を示す。Zは芳香環を含む基を表す。) で表されるリン酸エステル化合物である。このリン酸エ
ステル化合物の中でも、n2が1から3の整数でかつ、
一般式(c−1)中のZが、一般式(c−2) 【0026】 【化8】【0027】(ここで、R3はメチル基を、n3は0か
ら2の整数を表す。) もしくは、一般式(c−3)、 【0028】 【化9】 【0029】(ここで、R4、R5はメチル基を、R
6、R7は独立にメチル基または水素を表す。n4、n
5は独立に0から2の整数を表す。) のものが好ましく、さらには、Zが一般式(c−4) 【0030】 【化10】 【0031】(ここで、R8、R9はメチル基を表
す。)のものが好ましい。また、(C)リン酸エステル
化合物(c−1)中のn2が0で、Q1、Q2、Q4に
より表される置換基の炭素原子の合計数が12から27
であり、m1、m2、m4が独立に1から3の整数であ
るリン酸エステル化合物も好ましい。このリン酸エステ
ル化合物の具体例としては、トリフェニルフォスフェー
ト、トリスノニルフェニルフォスフェート、レゾルシノ
ールビス(ジフェニルフォスフェート)、レゾルシノー
ルビス[ジ(2,6ジメチルフェニル)フォスフェー
ト]、2,2−ビス{4−[ビス(フェノキシ)ホスホ
リルオキシ]フェニル}プロパン、2,2−ビス{4−
[ビス(メチルフェノキシ)ホスホリルオキシ]フェニ
ル}プロパン等が挙げられる。 【0032】 また、もちろんこれらは、混合物であっ
ても構わない。本発明の自己消炎性スチレン系難燃樹脂
組成物を射出成形してなることを特徴とするハロゲン系
化合物を含まないトナーカートリッジ容器に用い自己消
炎性スチレン系難燃樹脂でのリン酸エステルの好ましい
配合量は、(A)成分と(B)成分の総量を100重量
部に対して5〜10重量部である。5重量部を下まわる
と、難燃性が不足し、10重量部を越えると耐熱性が低
下する。 【0033】また、本発明におけるトナーカートリッジ
容器に用いられる樹脂組成物には、必要に応じて本発明
の目的を損なわない範囲で他の難燃助剤、添加剤、例え
ば、可塑剤、滑剤、安定剤、紫外線吸収剤、充填剤、着
色剤、補強剤等を添加できる。特に、薄肉部成形の為に
離型剤は有効であり、本発明では離型剤の一例として、
ステアリン酸金属塩、特に亜鉛塩を用いて検討を行った
が、本発明はこれに限定されるものではない。 【0034】本発明におけるトナーカートリッジ容器に
用いられる樹脂組成物の製造方法は、これらの各成分を
所定量配合することにより得ることができる。配合方法
は特に制限がなく、ヘンシェルミキサー、タンブラーミ
キサー、スーパーミキサー等で混合し、バンバリーミキ
サー、ニーダー、ロール、単軸押出し機、二軸押出し機
等の方法で混練しペレット化することができる。また、
その後の成形工程においても、射出成形機に特にホット
ランナー成形にて最薄肉部が2.2mm以下であるトナ
ーカートリッジ容器を経済的に容易に成形することがで
きる。 【0035】更に、本発明で得られたトナーカートリッ
ジ容器特に最薄肉部が2.2mm以下であるトナーカト
リッジ容器は、トナーを使用して印刷を行うプリンタ
ー、FAX、複写機等に用いられるトナーを収納するト
ナーカートリッジ容器等にリサイクル(再利用)可能な
容器として有効な利用が期待される。 【0036】 【発明の実施の形態】以下に、実施例および比較例を挙
げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によ
りなんら限定されるものではない。以下の実施例および
比較例において、種々のハロゲン系化合物を使用せずに
難燃化されたゴム変性スチレン系樹脂組成物は下記の方
法を用いて得られた。 (A)ポリブタジエン変性ポリスチレン(エー・アンド
・エム スチレン(株)製、銘柄名A&Mポリスチレン
H8672) (B)特開昭64−33131号公報に記載の方法に従
ってジブチルアミンの存在下に、2,6−キシレノール
を酸化カップリング重合した。得られたポリスチレン換
算の数平均分子量24,500のポリフェニレンエーテ
ル[以下、PPEと略記] 【0037】(C)リン酸エステル化合物として、 ・オキシ塩化リンとフェノール及びビスフェノールAを
反応させて合成した2,2−ビス{4−[ビス(フェノ
キシ)ホスホリルオキシ]フェニル}プロパンが80重
量%含まれるリン酸エステル[以下、P−1と略記] ・市販のレゾルシノール[ビス(ジフェニルフォスフェ
ート)](大八化学工業(株)製、商品名、CR733
S、[以下P−2]) ・トリスノニルフェニルフォスフェートが80重量%含
まれるリン酸エステル[以下、P−3] 本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物は、L/D=4
0の同方向回転二軸混練押出機〔ウェルナー&ファウド
ラー社(ドイツ国)製、商品名、ZSK−25〕を用い
て設定温度320#C〜200#Cにて押し出したストラ
ンドを、水浴中で冷却し、切断して、ペレットとして得
た。 【0038】このペレットを射出成形機〔日本製鋼所
(株)製、商品名、J100EP〕を用いて、シリンダ
ー設定温度200〜240℃、金型設定温度60℃にて
試験片を作成し、それぞれアイゾット衝撃強度、曲げ弾
性率、加熱変形温度、難燃性を測定した。また、上記の
方法で造粒したペレットを下記の(6)、(7)に示す
方法で試験を行うことにより、成形性(ホットランナー
性)、リサイクル性の確認を行った。 (1)アイゾット衝撃強度:ASTM−D256によ
り、23℃でノッチ付き試験片を用いて測定した。 (2)加熱変形温度:ASTM−648により測定し
た。試験片は6.4mm厚でアニールなしのものを用い
た。 (3)曲げ弾性率:ASTM−D790にて測定した。 【0039】(4)流動性:メルトフローレイトはJI
S K7210により測定した。測定条件は、200
℃、5Kg荷重。 (5)難燃性:米国アンダーライターズ・ラボラトリー
・インコーポレーション(Underwriters
Loboratories Inc.,U.S.A)よ
り出版された「UL94安全規格:機器の部品用プラス
チック材料の燃焼試験」に記載されている試験方法に基
づき試験を行い、94V−2(以下「V−2」と略す
る)のランクで評価を行った。V−2にクリアしないも
のはNCと表示した。 (6)成形性:シリンダー設定温度200℃で10ショ
ット射出成形し、その充填の可否を目視で判定した。金
型は、ガス抜きのない箱形状の金型を用いた。成形品形
状は図1、図2および図3に示すように、外郭寸法が5
0mm×120mm×40mmであり、最大肉厚が2.
0mm、最薄肉部の肉厚が1.0mmである。 【0040】充填の確認部位は図1のA点であり、ここ
を目視で確認し、完全に充填している場合を○、ショー
トショットになっている場合を×と判定した。ゲートは
ホットランナーの2点であるため、同時にホットランナ
ー成形性として成形品の外観を目視で観察し、銀条不良
(シルバーストリーク)を評価した。銀条不良がある場
合も判定を×とした。成形機は住友重工SG−100ト
ンを使用し、成形条件は、金型温度:60℃、射出速
度:50mm、70mm、100mm/Sで評価を行っ
た。(7)リサイクル性 成形→粉砕→成形の工程を6回繰り返し、リサイクル性
の確認を行った。リサイクルを行わないバージン材と6
回リサイクル試験を行ったリサイクル品との諸物性比較
を行った。 【0041】 【実施例1】表1に示す割合で本発明のゴム変性スチレ
ン系樹脂組成物を得、その結果を示す。 【0042】 【参考例1】実施例1同様に、結果を表1に示す。また
リサイクル性の評価結果を表2に示す。 【0043】 【参考例2】参考例1同様に、結果を表1、2に示す。 【0044】 【実施例2、参考例3、4、比較例1〜5】実施例1と
同様に、結果を表1、2に示す。 【0045】 【表1】【0046】 【表2】【0047】 【発明の効果】叙上の如く、本発明のトナーカートリッ
ジ容器は、実用に耐えうる諸物性特性(衝撃性、耐熱
性)を備え、かつ滴下性を有することにより自己消炎性
に優れると共に、優れたリサイクル(再利用)特性、ホ
ットランナー成形にも耐えうる優れた熱安定性も兼ね備
えており、更に薄肉部を有する製品の成形にも十分対応
できるため、その産業上の利用価値は極めて大きい。更
に、近年の環境対応の観点から、従来の樹脂の難燃化技
術の主力であるハロゲン系難燃剤を使わずに自己消炎性
を発現させている点に関しても、今後の技術的利用価値
は極めて大きい。 【0048】従って、本発明のトナーカートリッジ容器
は、ハロゲン系難燃剤を使わずに自己消炎性を要求され
るトナーカートリッジ容器、具体的にはトナーを使用し
て印刷を行う、プリンター、FAX、複写機等に用いら
れるトナーカートリッジ容器等に有効な利用が期待され
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】成形性を評価した成形品の形状、充填の確認部
位(A点)およびホットランナーゲート(B点)の位置
を模式的に示す成形品の平面図 【図2】成形性を評価した成形品のテーパー付き薄肉
部、充填の確認部位(A点)およびホットランナーゲー
ト(B点)の位置を模式的に示す中央仕切板に対しB点
の逆側で60mm面に直角に切断した断面図 【図3】成形性を評価した成形品のテーパー付き薄肉部
及び充填の確認部位(A点)の位置を模式的に示すA点
で120mm直角に切断した断面図 【符号の説明】 A:充填の確認部位 B:ホットランナーゲート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−98118(JP,A) 特開 平5−35094(JP,A) 特開 平6−80885(JP,A) 特開 平8−311278(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/08

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 下記(A)成分〜(C)成分を含有し、
    上記(A)成分〜(C)成分が下記含量である自己消炎
    性スチレン系難燃樹脂組成物を射出成形してなることを
    特徴とするハロゲン系化合物を含まないトナーカートリ
    ッジ容器。 (A)ゴム変性スチレン系樹脂:95〜85重量部 (B)ポリフェニレンエーテル:5〜15重量部である
    スチレン系樹脂組成物100重量部に対して (C)一般式(c−1)のリン酸エステル化合物:5〜
    10重量部 【化1】 (ここで、Q1、Q2、Q3、Q4は、独立に炭素数1
    から6のアルキル基を表す。m1、m2、m3、m4
    は、独立に0から3の整数を表す。n2は1から3の整
    数を示す。Zは、一般式(c−4) 【化4】 (ここで、R8、R9はメチル基を表す。)で表され
    る。)
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