JP3506199B2 - 熱電変換装置 - Google Patents
熱電変換装置Info
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Description
電、あるいは直流電力の供給による冷却または加熱とし
て作用する熱電変換装置に関するものである。
にp型およびn型熱電半導体20を電極21を介して交
互かつ連続的に接続したものを、熱電素子基板となるセ
ラミック板等の絶縁体22で挟み込んで構成されてお
り、これを伝熱板23および伝熱板24に接触させるこ
とで、伝熱板23と伝熱板24の温度差によるゼーベッ
ク効果による発電を行い、その発電電力をリード線2
5,26から取り出している。またはリード線25,2
6からの熱電半導体20への給電によるペルチェ効果に
よる伝熱板23の冷却と伝熱板24の加熱、または伝熱
板23の加熱と伝熱板24の冷却に用いられている。
板として現在一般的に使用されているセラミックには、
電気絶縁性と熱伝導性の双方を兼ね備えているといった
長所がある反面、脆弱で加工性が悪いという短所も持っ
ている。このため、熱電素子基板は平板状にしか加工で
きず、充分な熱接触面積を用いることができないという
課題を持っている。
変えて電気絶縁用の酸化膜を設けた、シリコンまたはア
ルミニウムを熱電素子基板に使用し、これに直線状また
は曲線状の断面を持つ溝を設けることにより、放熱面積
の拡大を図る方法が、特開平8−37324号公報に開
示されている。
熱流量が増大するといった点では確かに効果があり、数
十℃程度の温度差で熱電変換装置を運転する場合には良
いが、実際の熱発電システムのように100℃を超える
温度差で運転する場合、熱電素子基板の内側、即ち熱電
半導体側の面と放熱面との温度差により、金属特有の熱
膨張差が発生し、セラミック板使用時には発生しなかっ
た熱電素子基板の反り、歪みが発生する。
よる熱膨張の消滅により元に復元するが、運転・停止の
都度、反り・復元を繰り返すこととなるため、熱電半導
体および熱電素子基板が疲労し、その寿命を短くすると
いった問題が新たに発生する。特に熱電半導体は、一般
的に劈開性を持ち、通常の金属と比べ機械的強度が弱い
という特徴を持つことから、熱電変換装置を高温度差で
断続的に運転するような場合には、不適当な方法であ
る。
ミニウムの絶縁電圧は、その膜厚さにもよるが概ね数V
程度であり、極めて小規模な発電には良いが、熱電変換
装置を直列に数百個接続して使用するような規模の大き
な熱発電システムの場合だと、絶縁用酸化膜の絶縁破壊
を生じるため、実用には問題がある。
ので、実用的な熱発電システムに供することを可能とす
るため、高温度差による断続的な運転に対しても、熱電
半導体および熱電素子基板を疲労させることなく、熱電
半導体と伝熱板との高い電気絶縁性、および熱膨張から
の装置保護を同時に可能とし、併せて熱流量の増大によ
る熱・電気変換効率を向上させる熱電変換装置を提供す
ることを目的とする。
に本発明は、熱電素子を二枚の伝熱板で挟み込んだ構造
の熱電変換装置において、前記熱電素子が、複数のp型
およびn型熱電半導体と、前記熱電半導体を交互かつ連
続に接続する電極と、前記熱電半導体および電極を挟む
二枚の絶縁体と、片側は平板な面を有しかつ平板でない
面にV字型もしくはU字型の断面形状の溝が形成されて
いる前記二枚の絶縁体を挟む金属基板とで構成される熱
電素子であって、前記電極と前記絶縁体が、複数のp型
およびn型熱電半導体を交互かつ連続に接続する電極を
その上に備えた薄板状もしくはフィルム状の絶縁・伝熱
性シートで構成され、前記絶縁・伝熱性シートが前記金
属基板の平面な面に密着している熱電素子であり、前記
伝熱板が金属板でありかつ前記熱電素子との接触面が前
記V字型もしくはU字型の断面形状の溝と同様の溝を有
し、前記熱電素子と前記伝熱板とが嵌合し、これをボル
トにより固定することを特徴とするものである。
変換装置において、伝熱板の内部に伝熱用の管状穴を備
えることを特徴とするものである。
の形態例を詳細に説明する。 [実施形態例1]本発明の第一実施形態例を図1を参照
して説明する。4cm四方の金属板13に厚さ1mmを
残して、頂角角度20度、深さ2.8mmのV字型断面
の溝を39本掘った。この金属板13との嵌合が可能と
なるよう、金属伝熱板14にも同様なV字型断面の溝を
掘った。この金属板13とビスマス・テルル系のp型お
よびn型熱電半導体10の間に、厚さ31μmの電極付
き絶縁・熱伝導性シート12を挟み込み、さらに金属板
13と金属伝熱板14との間に、嵌合面の熱抵抗削減の
ため、介在物として厚さ10μmの純銅箔を挟み込んだ
後、両者を嵌合させて、四隅をボルト16で固定した。
なお、電極付き絶縁・熱伝導性シート12は、ポリエス
テルフィルム上にポリイミドフィルムを接着し、さらに
その上に電極および回路をパターニングした銅箔を接着
して構成している。これを電気的に直列に32個接続し
た。最後に金属伝熱板14の加熱側に170度の水蒸気
を送り、他方の金属伝熱板14には25℃の冷却水を送
って試験を行った。
・熱伝導性シート12および金属板13よりなる熱電素
子基板11および金属伝熱板14に、反り・歪みの発生
はなく、熱電半導体10にもひびや劈開などは認められ
なかった。また、絶縁・熱伝導性シート12には傷、破
れなどは見られず、1MΩ以上の良好な絶縁特性を示し
た。さらに、純銅箔にも嵌合による傷、破れ等は見られ
なかった。一方、実験開始から十分時間をおいて定常状
態に達した後の、冷却水の流量とその温度上昇分を測定
することにより、熱電変換装置を通過する熱流量を調べ
たところ、従来技術による、同寸法の熱電変換装置の場
合の約2.4倍に増加した。この結果から明らかなよう
に、従来の技術に比べて、反り、歪みからの熱電変換装
置の保護と高い電気絶縁性、および熱流量の増大を同時
に実現させるという改善がなされた。なお、電極付き絶
縁・熱伝導性シート12はシリコンゴム製のフィルム上
に電極および回路をパターニングした銅箔を接着したも
のでの置き換えによっても構成可能である。 [実施形態例2]本発明の第二実施形態例を図5を参照
して説明する。4cm四方の金属板53に厚さ1mmを
残して、深さ3mmの正弦曲線状のU字型断面の溝を1
5本掘った。この金属板53との嵌合が可能となるよ
う、金属伝熱板54にも同様な正弦曲線状のU字型断面
の溝を掘った。以下、実施形態例1と同様にして試験を
行った。すなわち、この金属板53とビスマス・テルル
系のp型およびn型熱電半導体50の間に、厚さ31μ
mの電極付き絶縁・熱伝導性シート52を挟み込み、さ
らに金属板53と金属伝熱板54との間に、嵌合面の熱
抵抗削減のため、介在物として厚さ10μmの純銅箔を
挟み込んだ後、両者を嵌合させて、四隅をボルト56で
固定した。なお、電極付き絶縁・熱伝導性シート52
は、ポリエステルフィルム上にポリイミドフィルムを接
着し、さらにその上に電極および回路をパターニングし
た銅箔を接着して構成している。これを電気的に直列に
32個接続した。最後に金属伝熱板54の加熱側に17
0度の水蒸気を送り、他方の金属伝熱板54には25℃
の冷却水を送って試験を行った。
・熱伝導性シート52および金属板53よりなる熱電素
子基板51と金属伝熱板54に、反り、歪みの発生はな
く、熱電半導体50にもひびや劈開などは認められなか
った。また、絶縁・熱伝導性シート52には傷、破れな
どは見られず、1MΩ以上の良好な絶縁特性を示した。
さらに、純銅箔にも嵌合による傷、破れ等は見られなか
った。一方、実験開始から十分時間をおいて定常状態に
達した後の、冷却水の流量とその温度上昇分を測定する
ことにより、熱電変換装置を通過する熱流量を調べたと
ころ、従来技術による同寸法の熱電変換装置の場合の約
2.8倍に増加した。この結果から明らかなように、従
来の技術に比べて、反り、歪みからの熱電変換装置の保
護と高い電気絶縁性、および熱流量の増大を同時に実現
させるという改善がなされた。なお、電極付き絶縁・熱
伝導性シート52は、シリコンゴム製のフィルム上に電
極および回路をパターニングした銅箔を接着したもので
の置き換えによっても構成可能である。
いて、金属板13,53と接触する部分にのみ、金属板
13,53に施された熱接触面積の拡大のためのV字型
またはU字型の溝と同様な溝を施して同基板と嵌合さ
せ、四隅をボルト16,56で固定する。
熱電変換装置加熱用の熱源流体または熱電変換装置冷却
用の冷媒を流せるように、伝熱用の管状穴15,55を
設ける。
たは吸熱板である金属板13,53との絶縁材に、電極
がパターニングされた薄板状またはフィルム状の絶縁・
熱伝導性シート12,52を使用する。
熱接触面積を確保しつつ、高い電気絶縁性と高い熱伝導
性、および反り、歪みからの熱電変換装置の保護を実現
させることを特徴としている。従来の技術とは、金属伝
熱板14,54の形状および構造と、金属伝熱板14,
54と熱電素子基板11,51との熱接触方法、および
熱電半導体10,50と金属板13,53との電気絶縁
方法が異なる。
14,54とを嵌合して、ボルト16,56で固定する
ことにより、熱電素子基板11,51を力学的に固定す
る状態となることから、熱膨張による反り、歪みによる
熱電半導体10,50への影響を防止できる。このと
き、溝の断面形状を矩形にすると、図3に示すように矩
形の溝となるように加工された金属伝熱板34にその溝
に嵌合するように加工された金属板33を嵌合しようと
しても、僅かな寸法誤差でも嵌合できなくなる問題が発
生する。図3中、30はp型およびn型熱電半導体、3
1は絶縁・熱伝導性シート、35は嵌合の不整合部であ
る。また、嵌合部の接触熱抵抗を低減させるため介在物
を介在させる場合、図4に示すように金属板40の凸部
を介在物41を介して金属伝熱板42の凹部に嵌合させ
ようとしても介在物41を損傷させこの介在物41の損
傷部43が逆に嵌合を困難にするという問題が生ずる。
そのためにこのような恐れのないV字型またはU字型の
断面を持つ溝としている。
穴15,55を設け、これに熱源流体または冷媒を流す
ことにより、金属伝熱板14,54の表面は、内部から
一様に加熱あるいは冷却されるため、表面での温度差が
解消され、この温度差による熱膨張量の差による、金属
伝熱板14,54自身の反りも抑えることができる。
3,53との絶縁材に、電極がパターニングされた薄板
状またはフィルム状の絶縁・熱伝導性シート12,52
を使用することにより、高い電気絶縁性と高い熱伝導性
を確保している他、絶縁・熱伝導性シート12,52自
身が持つ柔軟性により、熱電半導体10,50および金
属板13,53の熱膨張量を吸収することにより、熱電
半導体を熱応力から守ることができる。
化膜を設けたシリコンまたはアルミニウムを用いた技術
では困難であった十分な熱接触面積を確保しつつ、かつ
高い電気絶縁性と高い熱伝導性および反り、歪みからの
熱電変換装置の保護を実現させることが可能となり、本
発明の目的である、熱流量の増大による熱・電気変換効
率の向上、熱電半導体と伝熱板との高い電気絶縁性、お
よび熱膨張からの装置保護を同時に可能とした、熱電変
換装置の提供が可能となる。
・熱伝導性シートの使用と、熱電素子基板と伝熱板との
嵌合と固定、および伝熱板内部に伝熱用管状穴を設ける
ことにより、従来の技術に比べて、十分な熱接触面積を
確保しつつ、かつ1MΩ以上の高い電気絶縁性と、従来
技術の2倍を超える高い熱伝導性、および反り、歪みか
らの熱電変換装置の保護を実現させるという効果が得ら
れる。即ち、本発明の目的である、熱・電気変換効率の
向上、熱電半導体と伝熱板との高い電気絶縁性、および
熱膨張からの装置保護を同時に可能とした。熱電変換装
置の提供を可能とするものである。
である。
る。
に想定される不具合について、嵌合不能となる例を示し
た断面構成説明図である。
に想定される不具合について、熱抵抗削減のために挿入
する介在物を損傷させる例を示した断面構成説明図であ
る。
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 熱電素子を二枚の伝熱板で挟み込んだ構
造の熱電変換装置において、 前記熱電素子が、複数のp型およびn型熱電半導体と、
前記熱電半導体を交互かつ連続に接続する電極と、前記
熱電半導体および電極を挟む二枚の絶縁体と、片側は平
板な面を有しかつ平板でない面にV字型もしくはU字型
の断面形状の溝が形成されている前記二枚の絶縁体を挟
む金属基板とで構成される熱電素子であって、前記電極
と前記絶縁体が、複数のp型およびn型熱電半導体を交
互かつ連続に接続する電極をその上に備えた薄板状もし
くはフィルム状の絶縁・伝熱性シートで構成され、前記
絶縁・伝熱性シートが前記金属基板の平面な面に密着し
ている熱電素子であり、 前記伝熱板が金属板でありかつ前記熱電素子との接触面
が前記V字型もしくはU字型の断面形状の溝と同様の溝
を有し、前記 熱電素子と前記伝熱板とが嵌合し、これをボルトに
より固定することを特徴とする熱電変換装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の熱電変換装置において、
伝熱板の内部に伝熱用の管状穴を備えることを特徴とす
る熱電変換装置。
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JP29870396A JP3506199B2 (ja) | 1996-11-11 | 1996-11-11 | 熱電変換装置 |
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JPH10144968A JPH10144968A (ja) | 1998-05-29 |
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JP29870396A Expired - Fee Related JP3506199B2 (ja) | 1996-11-11 | 1996-11-11 | 熱電変換装置 |
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1996
- 1996-11-11 JP JP29870396A patent/JP3506199B2/ja not_active Expired - Fee Related
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