JP3506039B2 - 免震支承装置 - Google Patents

免震支承装置

Info

Publication number
JP3506039B2
JP3506039B2 JP10706499A JP10706499A JP3506039B2 JP 3506039 B2 JP3506039 B2 JP 3506039B2 JP 10706499 A JP10706499 A JP 10706499A JP 10706499 A JP10706499 A JP 10706499A JP 3506039 B2 JP3506039 B2 JP 3506039B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support means
roller
upper support
lower support
seismic isolation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP10706499A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000297839A (ja
Inventor
芳和 荒井
一顕 志気
紘治 樋口
将 大塚
勇司 舟山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oiles Corp
Okumura Corp
Original Assignee
Oiles Corp
Okumura Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oiles Corp, Okumura Corp filed Critical Oiles Corp
Priority to JP10706499A priority Critical patent/JP3506039B2/ja
Publication of JP2000297839A publication Critical patent/JP2000297839A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3506039B2 publication Critical patent/JP3506039B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Bridges Or Land Bridges (AREA)
  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下部構造体に対す
る上部構造体の相対的な水平方向の移動を許容するよう
にして、上部構造体を免震支承する免震支承装置に関す
る。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】例えば美術館、博物
館、寺院等の建物内には、仏像、彫刻、陶磁器等の貴重
な美術品又は骨董品が展示台上に載置され又は展示ケー
ス内に収容されて展示されているが、展示台又は展示ケ
ースが直接に建物の床上に載置されていると、地震の発
生により転倒して美術品が破壊、損傷される虞がある。
【0003】このため特公昭62−32300号公報に
記載された免震支承装置を、展示ケースと建物の床との
間に介在させて、地震の振動を展示ケースに伝達させな
いで、地震の振動エネルギを適宜に吸収して、美術品の
破壊、損傷を回避する免震台に用いることが提案されて
いる。
【0004】上記公報に記載の免震支承装置は、下耐圧
板と、この下耐圧板上に配された中間耐圧板と、この中
間耐圧板上に配される上耐圧板と、中間耐圧板を、水平
面内の一の方向に移動可能とするように下耐圧板上で支
持して、下耐圧板と中間耐圧板との間に介在されたロー
ラと、上耐圧板を、水平面内の他の一の方向に移動可能
とするように中間耐圧板上で支持して、中間耐圧板と上
耐圧板との間に介在された他のローラとを具備してなる
ものである。
【0005】ところで、この種の免震支承装置では、下
耐圧板上にローラを介して中間耐圧板が、中間耐圧板上
に同じくローラを介して上耐圧板が夫々載置されている
だけであるために、中間耐圧板が下耐圧板から、上耐圧
板が中間耐圧板から夫々容易に浮き上がり、このように
浮き上がると所望の免震機能を達成できないばかりか、
美術品展示作業中、運搬中等において転倒等の事故の虞
もあり、これの対策を必要とする。
【0006】この対策として、下耐圧板に一端を固定
し、他端を中間耐圧板に移動自在に係合させ、また、中
間耐圧板に一端を固定し、他端を上耐圧板に移動自在に
係合させた浮き上がり防止部材の採用も考えられるが、
このような浮き上がり防止部材では、下耐圧板に対する
中間耐圧板の可動範囲及び中間耐圧板に対する上耐圧板
の可動範囲の夫々が限定され、夫々において大きな可動
範囲を得ることができなくなる。
【0007】尚、上記のような問題は、美術品等の展示
台又は展示ケースに限って生じるものではなく、事業用
のビル、集合住宅、戸建住宅等を上記のような免震支承
装置によって免震支持して、これの浮き上がりを防止す
る際にも生じ得るのである。
【0008】本発明は、前記諸点に鑑みてなされたもの
であって、その目的とするところは、作業中、運搬中等
における安全性や作業性を高めることができる上に、免
震支持中における浮き上がりを防止でき、しかも、可動
範囲を大きくできる免震支承装置を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の態様の免
震支承装置は、上支持手段と、この上支持手段の下に配
された下支持手段と、上支持手段と下支持手段との間に
介在されて、上支持手段に対して下支持手段を水平方向
に相対的に可動にするローラ手段と、上支持手段に対す
る下支持手段の相対的な浮き上がりを防止する浮き上が
り防止手段とを有した免震支承機構を具備しており、こ
こにおいて、浮き上がり防止手段は、一方では、上支持
手段の外面に水平方向に可動に係合するように、他方で
は、下支持手段の外面に水平方向に可動に係合するよう
になって、上支持手段と下支持手段とを橋絡している。
【0010】第一の態様の免震支承装置によれば、一方
では、上支持手段の外面に係合するように、他方では、
下支持手段の外面に係合するようになって、上支持手段
と下支持手段とを橋絡している浮き上がり防止手段が設
けられているために、上支持手段に対する下支持手段の
相対的な浮き上がりを防止でき、しかも、浮き上がり防
止手段が、上支持手段及び下支持手段の夫々の外面に水
平方向に可動になっているために、上支持手段に対する
下支持手段の水平方向の可動範囲が浮き上がり防止手段
によって制限されることがない。
【0011】本発明の各支持手段は、後述の例のように
長尺の部材を組み合わせて構成されていてもよく、ま
た、これに代えて又はこれと共に矩形状の一枚の平板体
で構成されていてもよく、要は、ローラ手段を介して上
部構造体を免震支承できるようなものであればよい。
【0012】本発明のローラ手段は、通常のローラ、い
わゆる転動体を具備して構成されていても、また、これ
に代えて又はこれと共に二個のローラ部を、それらの回
転中心軸を互いに偏心させて一体にされたローラを具備
して構成されていても、更には、外周面に歯が一体的に
形成された歯付きローラを具備して構成されていてもよ
い。
【0013】本発明の第二の態様の免震支承装置では、
第一の態様の免震支承装置において、浮き上がり防止手
段は、上支持手段の外面に接触するための係合部材と、
下支持手段の外面に接触するための他の係合部材と、両
係合部材を橋絡支持する連結機構とを具備している。
【0014】本発明における係合部材としては、上下支
持手段の外面の夫々に接触するためのものであれば、固
定突起、固定棒、回転自在ローラ等のいずれでもよい。
【0015】本発明の第三の態様の免震支承装置では、
第二の態様の免震支承装置において、浮き上がり防止手
段は、下支持手段に対する上支持手段の意図しない浮き
上がりが生じない際には、両係合部材の夫々と上下支持
手段の夫々の外面との間のうちの少なくとも一方の間に
微小隙間が生じるように、連結機構を介してローラ手段
に支持されている。
【0016】第三の態様の免震支承装置によれば、免震
効果に対する浮き上がり防止手段による干渉をなくし得
るために、所望の免震効果を得ることができる。
【0017】このように本発明においては、浮き上がり
防止手段の各支持手段の外面への係合については、常時
それが行われている、すなわち常に係合されている必要
はなく、若干の浮き上がりが生じた際にのみ、それが行
われるようにしてもよいのである。
【0018】本発明の第四の態様の免震支承装置では、
第一から第三のいずれかの態様の免震支承装置におい
て、浮き上がり防止手段は、上支持手段の外面に水平方
向に転がり接触するためのローラと、下支持手段の外面
に水平方向に転がり接触するための他のローラとを具備
している。
【0019】第四の態様の免震支承装置によれば、浮き
上がり防止手段がローラを介して上下支持手段の夫々の
外面に転がり接触するため、第三の態様の免震支承装置
と同様に、免震効果に対する浮き上がり防止手段による
干渉をなくし得るために、所望の免震効果を得ることが
できる。
【0020】本発明の第五の態様の免震支承装置では、
第一から第四のいずれかの態様の免震支承装置におい
て、ローラ手段は、水平方向に互いに離間された一対の
ローラ機構を具備しており、浮き上がり防止手段は、一
対のローラ機構間のほぼ中間に対応する位置で、上下支
持手段の外面の夫々に水平方向に可動に係合するように
なっている。
【0021】第五の態様の免震支承装置によれば、上下
支持手段の互いの相対的な水平方向の移動においても、
浮き上がり防止手段を最適な位置で上下支持手段の外面
の夫々に可動に係合させることができ、而して、下支持
手段に対する上下支持手段の浮き上がりを、これらが相
対的に水平方向に移動された際にも、確実に防止でき
る。
【0022】本発明の第六の態様の免震支承装置では、
第一から第四のいずれかの態様の免震支承装置におい
て、上支持手段と下支持手段との互いに対面する面のう
ちの少なくとも一方の面には、二組の凹面が水平方向に
関して互いに独立に形成されており、ローラ手段は、水
平方向に互いに離間された一対のローラ機構と、この一
対のローラ機構を互いに同期して水平方向に移動させる
連結機構とを有しており、この連結機構には浮き上がり
防止手段が設けられており、各ローラ機構は、対応の凹
面に転がり接触すると共に、連結機構に回転自在となる
ように取り付けられたローラを具備しており、浮き上が
り防止手段が係合するための外面は、連結機構からの距
離が一定となるように形成されている。
【0023】第六の態様の免震支承装置では、連結機構
により一対のローラ機構が互いに同期して水平方向に移
動されるようになっているために、下支持手段に対して
上支持手段が相対的に傾くような不都合をなくすことが
でき、互いの平行状態を確実に維持でき、また、浮き上
がり防止手段が連結機構に設けられているために、浮き
上がり防止手段が脱落することがなく、ローラ手段の移
動と同期して移動されて、常に最適な位置で浮き上がり
が防止され、更に、浮き上がり防止手段が係合する外面
が連結機構からの距離が一定となるように形成されてい
るので、場所が異なっても浮き上がり量を一定にして浮
き上がり防止手段による浮き上がりを防止できる。
【0024】本発明の第七の態様の免震支承装置では、
第一から第四のいずれかの態様の免震支承装置におい
て、ローラ手段は、水平方向に互いに離間された一対の
ローラ機構と、この一対のローラ機構を互いに同期して
水平方向に移動させる連結機構とを有しており、この連
結機構には浮き上がり防止手段が設けられており、各ロ
ーラ機構は、上支持手段と下支持手段との互いに対面す
る面の一方の面に転がり接触するローラ部と、このロー
ラ部の回転中心軸に対して回転中心軸が偏心して当該ロ
ーラ部に固着されていると共に、上支持手段と下支持手
段との互いに対面する面の他方の面に転がり接触する他
のローラ部とからなるローラを具備しており、浮き上が
り防止手段が係合するための外面は、連結機構からの距
離が一定となるように形成されている。
【0025】第七の態様の免震支承装置は、一方の回転
中心軸に対して他方の回転中心軸が偏心した二つのロー
ラ部を有するローラを具備したローラ機構に係るもので
あって、この第七の態様の免震支承装置においても、第
六の態様の免震支承装置と同様に、下支持手段に対して
上支持手段が相対的に傾くような不都合をなくすことが
でき、互いの平行状態を確実に維持でき、また、浮き上
がり防止手段が脱落することがなく、常に最適な位置で
浮き上がりが防止され、更に、場所が異なっても浮き上
がり量を一定にして浮き上がり防止手段による浮き上が
りを防止できる。
【0026】本発明の第八の態様では、上記の第一から
第七のいずれかの態様の免震支承機構の2個を、上支持
手段に対する下支持手段の水平方向の相対的な可動方向
が互いに直交するように上下に積み重ねてなる免震支承
装置が提供される。
【0027】尚、本発明の免震支承装置では、第八の態
様の免震支承装置に更に、第一から第七のいずれかの態
様の免震支承機構を積み重ねて、特定の方向で免震が容
易となるような特性を減じるようにしてもよい。
【0028】本発明の免震支承装置は、地盤等の下部構
造体の水平方向の移動において、両支持手段の間に相対
的な水平方向の移動を生じさせるようになっており、好
ましくは、展示物用の台又は灯台の光源機構の台に用い
られるが、これに必ずしも限定されず、例えば事業用の
ビル、集合住宅、戸建住宅等であってもよく、この場合
には、ビル、集合住宅、戸建住宅等の上部構造体を免震
支持するように用いられる。
【0029】
【発明の実施の形態】次に本発明及びその実施の形態
を、図に示す実施の形態の好ましい一例に基づいて更に
詳細に説明する。なお、本発明はこれら例に何等限定さ
れないのである。
【0030】図1から図7において、本例の免震支承装
置としての免震台1は、下部構造体としての展示室の床
2と美術品又は骨董品等の展示物が収容される上部構造
体としての展示ケース3との間に配されて、床2に対す
る展示ケース3の相対的な水平方向、すなわちX及びY
方向の移動を許容するようにして、展示ケース3を免震
支承する。
【0031】免震台1は、免震機構Aと、免震機構Aの
上に積み重ねられた免震機構Bとを具備している。
【0032】免震機構Aは、上支持手段4と、上支持手
段4の下に配された下支持手段としての基台5と、上支
持手段4と基台5との間に介在されて、上支持手段4に
対して基台5を水平方向の一の方向、本例ではX方向に
相対的に可動にするローラ手段6と、上支持手段4に対
する基台5の相対的な浮き上がりを防止する浮き上がり
防止手段7と、上支持手段4に対する基台5のX方向の
相対的な振動エネルギを吸収するエネルギ吸収装置(ダ
ンパ)11とを具備している。
【0033】免震機構Bは、上支持手段8と、上支持手
段8の下に配された下支持手段13と、上支持手段8と
下支持手段13との間に介在されて、下支持手段13に
対して上支持手段8を水平方向の一の方向に直交する水
平方向の他の一の方向、本例ではY方向に相対的に可動
にする他のローラ手段9と、下支持手段13に対する上
支持手段8の相対的な浮き上がりを防止する他の浮き上
がり防止手段10と、下支持手段13に対する上支持手
段8のY方向の相対的な振動エネルギを吸収するエネル
ギ吸収装置(ダンパ)12とを具備している。
【0034】床2に載置される基台5は、一対の互いに
X方向に平行に配された固定レール部材21及び22
と、固定レール部材21及び22の両端部に固着され
て、一対の互いにY方向に平行に配されたY横部材23
及び24とを具備した方形の固定基枠25からなる。
【0035】固定レール部材21の上面には、X方向に
並んで互いに独立の凹面26及び27が夫々形成されて
おり、凹面26及び27の夫々は、X方向においてコサ
イン曲線で表される曲面をもって形成されており、固定
レール部材21の下外面には、凹面26及び27に対し
て相補的であって、X方向の中央部において中高であ
り、中央部からX方向に離れるに従って徐々に低くなる
コサイン曲線で表される曲面をもつ凸面28を有する凹
所29が形成されている。
【0036】固定レール部材22の上面にも、X方向に
並んで互いに独立の凹面30及び31が夫々形成されて
おり、凹面30及び31の夫々は、凹面26及び27と
同様に、X方向においてコサイン曲線で表される曲面を
もって形成されており、固定レール部材22の下外面に
も、凹面30及び31に対して相補的であって、X方向
の中央部において中高であり、中央部からX方向に離れ
るに従って徐々に低くなるコサイン曲線で表される曲面
をもつ凸面28と同様の凸面32(図示せず)を有する
凹所33(図示せず)が形成されている。
【0037】上支持手段4は、固定レール部材21及び
22に夫々上下方向において対面して、互いにX方向に
平行に伸びて配された一対の下側の可動レール部材35
及び36を具備している。
【0038】固定レール部材21の上面に対面する可動
レール部材35の下面には、凹面26及び27の夫々に
対面して、X方向に並んで互いに独立の凹面41及び4
2が夫々形成されており、凹面41及び42の夫々は、
凹面26及び27と同様に、X方向においてコサイン曲
線で表される曲面をもって形成されており、可動レール
部材35の上外面には、凹面41及び42に対して相補
的であって、X方向の中央部において中高であり、中央
部からX方向に離れるに従って徐々に低くなるコサイン
曲線で表される曲面をもつ凸面28と同様の凸面43を
有した凹所44が形成されている。
【0039】固定レール部材22の上面に対面する可動
レール部材36の下面にも、凹面30及び31の夫々に
対面して、X方向に並んで互いに独立の凹面45及び4
6(凹面46は図示せず)が夫々形成されており、凹面
45及び46の夫々は、凹面30及び31と同様に、X
方向においてコサイン曲線で表される曲面をもって形成
されており、可動レール部材36の上外面にも、凹面4
5及び46に対して相補的であって、X方向の中央部に
おいて中高であり、中央部からX方向に離れるに従って
徐々に低くなるコサイン曲線で表される曲面をもつ凸面
28と同様の凸面47を有する凹所48が形成されてい
る。
【0040】ローラ手段6は、X方向に互いに離間され
た一対のローラ機構61及び62と、一対のローラ機構
61及び62を互いに同期してX方向に転がり移動させ
る連結機構63とを有している。
【0041】ローラ機構61は、固定レール部材21側
の鍔付きローラ65と固定レール部材22側の鍔付きロ
ーラ66とを有しており、ローラ65は、固定レール部
材21と可動レール部材35との互いに対面する面に互
いに独立に形成された二組の凹面26及び41と27及
び42とのうちの一方の凹面26及び41に転がり接触
し、ローラ66は、固定レール部材22と可動レール部
材36との互いに対面する面に互いに独立に形成された
二組の凹面30及び45と31及び46とのうちの一方
の凹面30及び45に転がり接触するように配されてい
る。
【0042】ローラ機構62は、固定レール部材21側
の鍔付きローラ67と固定レール部材22側の鍔付きロ
ーラ68とを有しており、ローラ67は、凹面27及び
42に転がり接触し、ローラ68は、凹面31及び46
に転がり接触するように配されている。
【0043】連結機構63は、固定レール部材21側の
ローラ65及び67を互いに連結して、ローラ65及び
67を互いに同期してX方向に転がり移動させる一対の
連結板71及び72と、固定レール部材22側のローラ
66及び68を互いに連結して、ローラ66及び68を
互いに同期してX方向に転がり移動させる一対の連結板
73及び74とを具備している。
【0044】連結板71及び72は、その両端部でロー
ラ65及び67を回転自在に支持しており、連結板73
及び74は、その両端部でローラ66及び68を回転自
在に支持している。
【0045】上支持手段4は、ローラ手段6の各ローラ
が転がり接触する凹面26、27、凹面41、42、凹
面30、31及び凹面45、46により、X方向の振動
において基台5に対して振り子運動するようになってい
る。
【0046】浮き上がり防止手段7は、固定レール部材
21側の浮き上がり防止機構81と固定レール部材22
側の浮き上がり防止機構82とを具備しており、浮き上
がり防止機構81は、可動レール部材35の上外面の凸
面43に接触するための係合部材としてのローラ83
と、固定レール部材21の下外面の凸面28に接触する
ための他の係合部材としてのローラ84と、両ローラ8
3及び84を橋絡支持する連結機構としての一対の連結
部材85及び86とを有している。一対の連結部材85
及び86の夫々は、その両端部でローラ83及び84を
回転自在に支持していると共に、ローラ65及び67間
のX方向のほぼ中間で連結板71及び72の夫々にねじ
87等により固着されており、これにより、ローラ83
及び84の夫々は、ローラ65及び67間のほぼ中間に
対応する位置で、凸面47及び28に水平方向に可動に
係合するようになっている。
【0047】浮き上がり防止機構82も浮き上がり防止
機構81と同様に、可動レール部材36の上外面の凸面
47に接触するための係合部材としてのローラ91と、
固定レール部材22の下外面の凸面32に接触するため
の他の係合部材としてのローラ92と、両ローラ91及
び92を橋絡支持する連結機構としての一対の連結部材
93及び94とを有している。一対の連結部材93及び
94の夫々は、その両端部でローラ91及び92を回転
自在に支持していると共に、ローラ66及び68間のX
方向のほぼ中間で連結板73及び74の夫々にねじ等に
より固着されており、これにより、ローラ91及び92
の夫々は、ローラ66及び68間のほぼ中間に対応する
位置で、凸面47及び32に水平方向に可動に係合する
ようになっている。
【0048】本例では、連結部材85及び86の夫々が
連結板71及び72の夫々に、連結部材93及び94の
夫々が連結板73及び74の夫々に夫々固着されて、連
結機構63に浮き上がり防止手段7が設けられており、
連結板71及び72に連結部材85及び86を介してロ
ーラ83及び84が、そして、連結板73及び74に連
結部材93及び94を介してローラ91及び92が夫々
回転自在となるように取り付けられている。
【0049】浮き上がり防止手段7のローラ83及び8
4が係合するための夫々の外面は、凸面43及び28の
夫々により連結機構63の連結板71及び72からの上
下方向の距離が一定となるようになっており、同じく、
浮き上がり防止手段7のローラ91及び92が係合する
ための夫々の外面は、凸面47及び32の夫々により連
結機構62の連結板73及び74からの上下方向の距離
が一定となるようになっている。
【0050】ローラ83及び84の夫々と凸面43及び
28の夫々との間並びにローラ91及び92の夫々と凸
面47及び32の夫々との間には、常時は、1mm程度
の隙間が生じるようにして、夫々のローラが夫々の凸面
に接触しないようにし、夫々のローラが夫々の凸面に接
触することにより可動レール部材35及び36の夫々の
固定レール部材21及び22の夫々に対する相対的なX
方向の移動が妨げられないようにし、可動レール部材3
5及び36の夫々が固定レール部材21及び22から浮
き上がった際に、夫々のローラが夫々の凸面に接触する
ようにするとよい。
【0051】このように本例の浮き上がり防止手段7
は、一方では、上支持手段4の外面にX方向に可動に且
つ係合するように、他方では、基台5の外面にX方向に
可動に且つ係合するようになって、上支持手段4と基台
5とを橋絡している。
【0052】エネルギ吸収装置11は、可動レール部材
35及び36又は後述の可動レール部材37及び38に
(図示の例では可動レール部材37及び38に)各端部
が固定されて支持された支持板161の下面に固定され
た容器162と、容器162内に充填された粘性体16
3と、粘性体163内に埋設されて、容器162内に回
転自在に配された抵抗円板164と、上支持手段4に対
する基台5のX方向の相対的な移動を抵抗円板164に
回転として伝達する伝達機構165とを具備しており、
伝達機構165は、Y横部材23及び24を橋絡して両
端で当該Y横部材23及び24に固定されたラックバー
166と、ラックバー166のラック歯167に噛合う
ピニオン168と、容器162に回転自在に支持されて
おり、抵抗円板164及びピニオン168が固着された
回転軸169と、ラック歯167とピニオン168との
噛合いを確保するように、支柱171を介して容器16
2に回転自在に支持されて、ラックバー166に回転自
在に接触するガイドローラ172とを具備している。
【0053】エネルギ吸収装置11は、基台5に対して
上支持手段4がX方向に移動されると、伝達機構165
を介して抵抗板164を回転させて、抵抗板164の回
転により粘性体163を剪断し、この剪断において抵抗
板164に発生する粘性剪断抵抗により上支持手段4の
基台5に対する相対的なX方向の振動エネルギを吸収す
るようになっている。
【0054】下支持手段13は、一対の可動レール部材
35及び36の夫々の上面に固定され、互いにY方向に
平行に伸びて可動レール部材35及び36に対して井桁
状に配された一対の可動レール部材37及び38を具備
している。
【0055】可動レール部材37の上面には、Y方向に
並んで互いに独立の凹面51及び52が夫々形成されて
おり、凹面51及び52の夫々は、Y方向においてコサ
イン曲線で表される曲面をもって形成されており、可動
レール部材37の下外面には、Y方向の中央部において
中高であり、中央部からY方向に離れるに従って徐々に
低くなるコサイン曲線で表される曲面をもつ凸面53を
有する凹所54が形成されている。
【0056】可動レール部材38の上面にも、凹面51
及び52と同様のY方向に並んで互いに独立の凹面55
及び56が夫々形成されており、凹面55及び56の夫
々は、Y方向においてコサイン曲線で表される曲面をも
って形成されており、可動レール部材38の下外面に
も、Y方向の中央部において中高であり、中央部からY
方向に離れるに従って徐々に低くなるコサイン曲線で表
される曲面をもつ凸面53と同様の凸面57を有する凹
所58が形成されている。
【0057】展示ケース3が載置される上支持手段8
は、一対の可動レール部材37及び38に上下方向にお
いて対面して、互いにY方向に平行に伸びて配された一
対の可動レール部材101及び102と、可動レール部
材101及び102の両端部に固着されて、一対の互い
にX方向に平行に伸びて配されたX横部材103及び1
04とを具備した方形の上可動枠105からなる。
【0058】可動レール部材37の上面に対面する可動
レール部材101の下面には、凹面51及び52と同様
のY方向に並んで互いに独立の凹面111及び112が
夫々形成されており、凹面111及び112の夫々は、
Y方向においてコサイン曲線で表される曲面をもって形
成されており、可動レール部材101の上外面には、Y
方向の中央部において中高であり、中央部からY方向に
離れるに従って徐々に低くなるコサイン曲線で表される
曲面をもつ凸面113を有する凹所114が形成されて
いる。
【0059】可動レール部材38の上面に対面する可動
レール部材102の下面にも、凹面111及び112と
同様のY方向に並んで互いに独立の凹面115及び11
6が夫々形成されており、凹面115及び116の夫々
は、Y方向においてコサイン曲線で表される曲面をもっ
て形成されており、可動レール部材101の上外面に
も、凸面113と同様のY方向の中央部において中高で
あり、中央部からY方向に離れるに従って徐々に低くな
るコサイン曲線で表される曲面をもつ凸面117を有す
る凹所118が形成されている。
【0060】ローラ手段9は、Y方向に互いに離間され
た一対のローラ機構121及び122と、一対のローラ
機構121及び122を互いに同期してY方向に転がり
移動させる連結機構123とを有している。
【0061】ローラ機構121は、可動レール部材10
1側の鍔付きローラ125と可動レール部材102側の
鍔付きローラ126とを有しており、ローラ125は、
可動レール部材37と可動レール部材101との互いに
対面する面に互いに独立に形成された二組の凹面52及
び112と51及び111とのうちの一方の凹面52及
び112に転がり接触し、ローラ126は、可動レール
部材38と可動レール部材102との互いに対面する面
に互いに独立に形成された二組の凹面55及び116と
56及び115とのうちの一方の凹面55及び116に
転がり接触するように配されている。
【0062】ローラ機構122は、可動レール部材10
1側の鍔付きローラ127と可動レール部材102側の
鍔付きローラ128とを有しており、ローラ127は、
凹面51及び111に転がり接触し、ローラ128は、
凹面56及び115に転がり接触するように配されてい
る。
【0063】連結機構123は、可動レール部材101
側のローラ125及び127を互いに連結して、ローラ
125及び127を互いに同期してY方向に転がり移動
させる一対の連結板131及び132と、可動レール部
材102側のローラ126及び128を互いに連結し
て、ローラ126及び128を互いに同期してY方向に
転がり移動させる一対の連結板133及び134とを具
備している。
【0064】連結板131及び132は、その両端部で
ローラ125及び127を回転自在に支持しており、連
結板133及び134は、その両端部でローラ126及
び128を回転自在に支持している。
【0065】上支持手段8は、ローラ手段9の各ローラ
が転がり接触する凹面51、52、凹面111、11
2、凹面55、56及び凹面115、116により、Y
方向の振動において上支持手段4に対して振り子運動す
るようになっている。
【0066】浮き上がり防止手段10は、可動レール部
材101側の浮き上がり防止機構141と可動レール部
材102側の浮き上がり防止機構142とを具備してお
り、浮き上がり防止機構141は、可動レール部材10
1の上外面の凸面113に接触するための係合部材とし
てのローラ143と、可動レール部材37の下外面の凸
面53に接触するための他の係合部材としてのローラ1
44と、両ローラ143及び144を橋絡支持する連結
機構としての一対の連結部材145及び146とを有し
ている。一対の連結部材145及び146の夫々は、そ
の両端部でローラ143及び144を回転自在に支持し
ていると共に、ローラ125及び127間のY方向のほ
ぼ中間で連結板131及び132の夫々にねじ147等
により固着されており、これにより、ローラ143及び
144の夫々は、ローラ125及び127間のほぼ中間
に対応する位置で、凸面113及び53に水平方向に可
動に係合するようになっている。
【0067】浮き上がり防止機構142も浮き上がり防
止機構141と同様に、可動レール部材102の上外面
の凸面117に接触するための係合部材としてのローラ
151と、可動レール部材38の下外面の凸面57に接
触するための他の係合部材としてのローラ152と、両
ローラ151及び152を橋絡支持する連結機構として
の一対の連結部材153及び154とを有している。一
対の連結部材153及び154の夫々は、その両端部で
ローラ151及び152を回転自在に支持していると共
に、ローラ126及び128間のY方向のほぼ中間で連
結板133及び134の夫々にねじ155等により固着
されており、これにより、ローラ1511及び152の
夫々は、ローラ126及び128間のほぼ中間に対応す
る位置で、凸面117及び57に水平方向に可動に係合
するようになっている。
【0068】本例でも、連結部材145及び146の夫
々が連結板131及び132の夫々に、連結部材153
及び154の夫々が連結板133及び134の夫々に夫
々固着されて、連結機構123に浮き上がり防止手段1
0が設けられており、連結板131及び132に連結部
材145及び146を介してローラ143及び144
が、そして、連結板133及び134に連結部材153
及び154を介してローラ151及び152が夫々回転
自在となるように取り付けられている。
【0069】以上のようにして浮き上がり防止手段10
のローラ143及び144が係合するための夫々の外面
は、凸面113及び53の夫々により連結機構123の
連結板131及び132からの上下方向の距離が一定と
なるようになっており、同じく、浮き上がり防止手段1
0のローラ151及び152が係合するための夫々の外
面は、凸面117及び57の夫々により連結機構142
の連結板133及び134からの上下方向の距離が一定
となるようになっている。
【0070】ローラ143及び144の夫々と凸面11
3及び53の夫々との間並びにローラ151及び152
の夫々と凸面117及び57の夫々との間には、常時
は、1mm程度の隙間が生じるようにして、夫々のロー
ラが夫々の凸面に接触しないようにして、夫々のローラ
が夫々の凸面に接触することにより可動レール部材10
1及び102の夫々の可動レール部材37及び38の夫
々に対する相対的なY方向の移動が妨げられないように
し、可動レール部材101及び102の夫々が可動レー
ル部材37及び38から浮き上がった際に、夫々のロー
ラが夫々の凸面に接触するようにするとよい。
【0071】このように本例の浮き上がり防止手段10
もまた、一方では、上支持手段8の外面にY方向に可動
に且つ係合するように、他方では、下支持手段13の外
面にY方向に可動に且つ係合するようになって、上支持
手段8と下支持手段13とを橋絡している。
【0072】エネルギ吸収装置12は、エネルギ吸収装
置11と同様に形成されており、支持板161の上面に
固定された容器182と、容器182内に充填された粘
性体183と、粘性体183内に埋設されて、容器18
2内に回転自在に配された抵抗円板184と、上支持手
段4に対する上支持手段8のY方向の相対的な移動を抵
抗円板184に回転として伝達する伝達機構185とを
具備しており、伝達機構185は、X横部材103及び
104を橋絡して両端で当該X横部材103及び104
に固定されたラックバー186と、ラックバー186の
ラック歯187に噛合うピニオン188と、容器182
に回転自在に支持されており、抵抗円板184及びピニ
オン188が固着された回転軸189と、ラック歯18
7とピニオン188との噛合いを確保するように、支柱
191を介して容器182に回転自在に支持されて、ラ
ックバー186に回転自在に接触するガイドローラ19
2とを具備している。
【0073】エネルギ吸収装置12は、下支持手段13
に対して上支持手段8がY方向に移動されると、伝達機
構185を介して抵抗板184を回転させて、この抵抗
板184の回転により粘性体183を剪断し、この剪断
において抵抗板184に発生する粘性剪断抵抗により下
支持手段13の上支持手段8に対する相対的なY方向の
振動エネルギを吸収するようになっている。
【0074】以上の免震台1では、地盤等の下部構造体
である床2のX及びY方向の振動において、床2及び基
台5に対して上支持手段4に及び上支持手段4に固着さ
れた下支持手段13に対して上支持手段8に夫々相対的
なX及びY方向の振動を生じさせるようになっており、
これにより、展示ケース3への振動の伝達を抑えること
ができ、しかも、X及びY方向の振動において、基台5
に対して上支持手段4を及び下支持手段13に対して上
支持手段8を夫々上下動させて、上支持手段4及び8の
X及びY方向の振動エネルギを消費させるために、エネ
ルギ吸収装置11及び12の機能と共に上支持手段4及
び8のX及びY方向の振動を可及的速やかに減衰させる
ようになる。
【0075】免震台1では、浮き上がり防止手段7及び
10が設けられているために、基台5に対する上支持手
段4の浮き上がり及び下支持手段13に対する上支持手
段8の浮き上がりを夫々防止でき、しかも、浮き上がり
防止手段7が基台5及び上支持手段4にX方向に可動に
なり、浮き上がり防止手段10が下支持手段13及び8
にY方向に可動に夫々なっているために、図8に示すよ
うに、例えば、可動レール部材37に対して可動レール
部材101を、凹面51及び52並びに111及び11
2のY方向の長さ範囲に亘って大きく変位させることが
でき、而して、基台5に対する上支持手段4のX方向の
可動範囲及び下支持手段13に対する上支持手段8のY
方向の可動範囲が夫々浮き上がり防止手段7及び10に
よって制限されることがない。
【0076】尚、凹所29及び44並びに凹所33及び
48のX方向長さが凹面26、27、30、31、4
1、42、45、46のX方向長さよりも小さければ、
浮き上がり防止手段7により上支持手段4のX方向の可
動範囲が制限され、また、凹所54及び114並びに凹
所58及び118のY方向長さが凹面51、52、5
5、56、111、112、115、116のY方向長
さよりも小さければ、浮き上がり防止手段10により上
支持手段8のY方向の可動範囲が制限されるのである
が、この場合でも、凹所29及び44並びに凹所33及
び48のX方向長さの範囲に亘って、基台5に対して上
支持手段4をX方向に変位させることができ、また、凹
所54及び114並びに凹所58及び118のY方向長
さ範囲に亘って、下支持手段13に対して上支持手段8
をY方向に変位させることができる。
【0077】また免震台1では、連結機構63及び12
3により一対のローラ機構61及び62並びに121及
び122が互いに同期してX及びY方向に移動されるよ
うになっているために、基台5に対して上支持手段4
が、下支持手段13に対して上支持手段8が夫々傾くよ
うな不都合をなくすことができ、互いの平行状態を確実
に維持できる。
【0078】更に免震台1では、浮き上がり防止手段7
の連結部材85及び86並びに93及び94がローラ機
構61及び62間のほぼ中間でローラ手段6の連結機構
63に固着され、浮き上がり防止手段10の連結部材1
45及び146並びに153及び154がローラ機構1
21及び122間のほぼ中間でローラ手段9の連結機構
123に固着されているために、浮き上がり防止手段7
及び10が脱落することがなく、ローラ手段6及び9の
移動と同期して移動されて、常に最適な位置で浮き上が
りが防止される。
【0079】また免震台1では、浮き上がり防止手段7
及び10が基台5、上支持手段4、下支持手段13及び
上支持手段8の外面にローラを介して転がり接触可能に
なっているために、接触状態でのX及びY方向における
摩擦抵抗が少なく、したがって、浮き上がり防止手段7
及び10の係合摩擦抵抗によって、基台5に対する上支
持手段4のX方向の移動及び下支持手段13に対する上
支持手段8のY方向の移動が夫々妨げられることがな
く、浮き上がり防止手段7及び10による免震機能の劣
化がない。
【0080】加えて、免震台1では、エネルギ吸収装置
11及び12により上支持手段4及び8の振動を可及的
に速やかに減衰でき、いつまでも振動が持続し、場合に
より共振する等の不都合な事態を回避できる。
【0081】尚、免震台1では、基台5、上支持手段
4、下支持手段13及び上支持手段8の夫々に、ローラ
手段の各ローラが転がり接触する凹面を形成したが、こ
れに代えて、基台5及び上支持手段4のいずれか一方に
ローラ手段6の各ローラが転がり接触する凹面を形成
し、他方には、ローラ手段6の各ローラが転がり接触す
る平面を形成し、同様に、下支持手段13及び上支持手
段8いずれか一方にローラ手段9の各ローラが転がり接
触する凹面を、他方には、ローラ手段9の各ローラが転
がり接触する平面を形成して免震台1を構成してもよ
い。このようにいずれか一方に凹面を、他方に平面を形
成する場合であって、ローラ手段の連結機構に浮き上が
り防止手段を設ける場合には、少なくとも当該凹面が形
成された支持手段における浮き上がり防止手段が係合す
る外面を上記のような凸面に形成するとよい。
【0082】また免震台1において、ローラ手段の各ロ
ーラを歯付きローラとし、この歯付きローラの夫々が転
がり接触する凹面及び平面に、当該歯付きローラの歯が
噛み合う歯を形成してもよく、このようにすると、各ロ
ーラ手段のローラ機構を互いに同期して転がり移動させ
る連結機構を省き得る。
【0083】加えて、免震台1において、上支持手段4
及び8のX及びY方向の振動において、床2に対する上
支持手段4の上下動及び下支持手段13に対する上支持
手段8の上下動を行わせないで、上支持手段4及び8の
X及びY方向の振動エネルギの消費を、エネルギ吸収装
置11及び12又は上支持手段4及び8のX及びY方向
の振動において生じる摩擦で行わせる場合には、ローラ
手段6及び9の各ローラが転動する面は、凹面にする必
要はなく平面でもよく、この場合、浮き上がり防止手段
7及び10が係合する上支持手段4及び8の外面並びに
基台5及び下支持手段13の外面も平面であってもよ
い。
【0084】更に免震台1おける各ローラ機構を、一方
の回転中心軸に対して他方の回転中心軸が偏心した二組
のローラ部を一体に有したローラを具備して構成しても
よい。この例を、基台5の固定レール部材21と上支持
手段4の可動レール部材35との間に配したものについ
て図9から図11を参照して説明する。
【0085】図9から図11において、ローラ機構61
のローラ65は、固定レール部材21と可動レール部材
35との互いに対面する面の一方の面、本例では固定レ
ール部材21の上面である平面201に転がり接触する
と共に、この転がり中心軸である回転中心軸202にお
いて回転自在となるように連結機構63の連結板71及
び72に取り付けられた一対のローラ部203及び20
4と、ローラ部203及び204の回転中心軸202に
対して回転中心軸205が偏心して当該ローラ部203
及び204に固着されていると共に、固定レール部材2
1と可動レール部材35との互いに対面する面の他方の
面、本例では可動レール部材35の下面である平面20
6に転がり接触するローラ部207とからなる。
【0086】また図9から図11において、ローラ機構
62のローラ67は、ローラ65と同様に、固定レール
部材21の上面である平面211に転がり接触すると共
に、この転がり中心軸である回転中心軸212において
回転自在となるように連結機構63の連結板71及び7
2に取り付けられた一対のローラ部213及び214
と、ローラ部213及び214の回転中心軸212に対
して回転中心軸215が偏心して当該ローラ部213及
び214に固着されていると共に、可動レール部材35
の下面である平面216に転がり接触するローラ部21
7とからなる。
【0087】尚、ローラ部203及び204並びにロー
ラ部213及び214は、平面206及び216に夫々
接触しないようになっており、ローラ部207及び21
7は、平面201及び211に夫々接触しないように、
平面201及び211に形成された案内溝208及び2
18に隙間をもって部分的に配されている。
【0088】そして、図9から図11に示す例において
は、ローラ部207及び217が転がり接触する平面2
06及び216を有した可動レール部材35における浮
き上がり防止手段7のローラ83が係合する上外面の凹
所44は、可動レール部材35に対する固定レール部材
21のX方向の相対的な移動、本例では可動レール部材
35のX方向の移動におけるローラ部203及び204
又はローラ部213及び214の回転中心軸202又は
212に対するローラ部207及び217の回転中心軸
205又は215の相対的な移動軌跡面、本例ではロー
ラ部207又は217の回転中心軸205又は215の
移動軌跡面に相補的であって、X方向の中央部において
中高であり、中央部から水平方向に離れるに従って徐々
に低くなる凸面221を有しており、固定レール部材2
1における浮き上がり防止手段7のローラ84が係合す
る下外面の凹所29は、平面222を有している。
【0089】図9から図11に示す例においても、地震
による可動レール部材35のX方向の振動により展示ケ
ース3への振動の伝達を抑えることができ、可動レール
部材35の上下動により可動レール部材35のX方向の
振動を可及的速やかに減衰させることができる。
【0090】尚、図9から図11に示す例で、ローラ機
構61のローラ65とローラ機構62のローラ67と
を、回転中心軸202及び212において回転自在とな
るように連結機構63に取り付けて、ローラ機構61と
ローラ機構62とを連結する代わりに、ローラ機構61
のローラ65とローラ機構62のローラ67とを、回転
中心軸205及び215において回転自在となるように
連結機構63に取り付けて、ローラ機構61とローラ機
構62とを連結してもよく、この場合には、浮き上がり
防止手段7のローラ84が係合する固定レール部材21
の下外面の凹所29に、凸面221と同様の凸面を形成
し、可動レール部材35における浮き上がり防止手段7
のローラ83が係合する上外面の凹所44は、平面22
2と同様の平坦面を形成するとよい。
【0091】更に、連結機構63にローラ65及びロー
ラ67を回転中心軸202及び212又は回転中心軸2
05及び215において回転自在となるように取り付け
ないで、その他の位置で連結機構63にローラ65及び
ローラ67を回転自在となるように取り付けてもよく、
したがって、浮き上がり防止手段7のローラ83及び8
4の夫々が係合するための外面が連結機構63からの距
離が一定となるように凸面をもって凹所44及び29の
夫々に形成されていればよい。これは、図1から図7に
示す例でも同じである。
【0092】また図9から図11に示す例でも、ローラ
83及び84を、常時、固定レール部材21及び可動レ
ール部材35の夫々に係合、すなわち接触させる必要は
なく、好ましくは、可動レール部材35の浮き上がりが
生じた場合のみ、固定レール部材21及び可動レール部
材35の夫々に係合、すなわち接触させるようにする。
【0093】
【発明の効果】本発明によれば、作業中、運搬中等にお
ける安全性や作業性を高めることができる上に、免震支
持中における浮き上がりを防止でき、しかも、可動範囲
を大きくできる免震支承装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の好ましい例の平面図であ
る。
【図2】図1に示す例の基台等の平面図である。
【図3】図1に示す例のIII−III線矢視図であ
る。
【図4】図1に示す例のIV−IV線矢視図である。
【図5】図1に示す例の一部拡大説明図である。
【図6】図5の断面説明図である。
【図7】図5に示すVII−VII線矢視図である。
【図8】図1に示す例の動作説明図である。
【図9】本発明の実施の形態の他の好ましい例の一部の
説明図である。
【図10】図9に示す例のX−X線矢視図である。
【図11】図9に示す例のXI−XI線矢視図である。
【符号の説明】
1 免震台 4、8 上支持手段 5 基台 6、9 ローラ手段 7、10 浮き上がり防止手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樋口 紘治 東京都港区芝大門1丁目3番2号 オイ レス工業株式会社内 (72)発明者 大塚 将 大阪府大阪市阿倍野区松崎町2丁目2番 2号 株式会社奥村組内 (72)発明者 舟山 勇司 大阪府大阪市阿倍野区松崎町2丁目2番 2号 株式会社奥村組内 (56)参考文献 特開 平11−22781(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 15/00 - 15/08 E01D 19/04 E04H 9/02 331

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上支持手段と、この上支持手段の下に配
    された下支持手段と、上支持手段と下支持手段との間に
    介在されて、上支持手段に対して下支持手段を水平方向
    に相対的に可動にするローラ手段と、上支持手段に対す
    る下支持手段の相対的な浮き上がりを防止する浮き上が
    り防止手段とを有した免震支承機構を具備しており、浮
    き上がり防止手段は、一方では、上支持手段の外面に水
    平方向に可動に係合するように、他方では、下支持手段
    の外面に水平方向に可動に係合するようになって、上支
    持手段と下支持手段とを橋絡している免震支承装置
  2. 【請求項2】 上支持手段と、この上支持手段の下に配
    された下支持手段と、上支持手段と下支持手段との間に
    介在されて、上支持手段に対して下支持手段を水平方向
    に相対的に可動にするローラ手段と、上支持手段に対す
    る下支持手段の相対的な浮き上がりを防止する浮き上が
    り防止手段とを有した免震支承機構を具備しており、浮
    き上がり防止手段は、一方では、上支持手段の外面に水
    平方向に可動に係合するように、他方では、下支持手段
    の外面に水平方向に可動に係合するようになって、上支
    持手段と下支持手段とを橋絡しており、上支持手段と下
    支持手段との互いに対面する面のうちの少なくとも一方
    の面には、二組の凹面が水平方向に関して互いに独立に
    形成されており、ローラ手段は、水平方向に互いに離間
    された一対のローラ機構と、この一対のローラ機構を互
    いに同期して水平方向に移動させる連結機構とを有して
    おり、この連結機構には浮き上がり防止手段が設けられ
    ており、各ローラ機構は、対応の凹面に転がり接触する
    と共に、連結機構に回転自在となるように取り付けられ
    たローラを具備しており、浮き上がり防止手段が係合す
    るための外面は、連結機構からの距離が一定となるよう
    に形成されている免震支承装置。
  3. 【請求項3】 上支持手段と、この上支持手段の下に配
    された下支持手段と、上支持手段と下支持手段との間に
    介在されて、上支持手段に対して下支持手段を水平方向
    に相対的に可動にするローラ手段と、上支持手段に対す
    る下支持手段の相対的な浮き上がりを防止する浮き上が
    り防止手段とを有した免震支承機構を具備しており、浮
    き上がり防止手段は、一方では、上支持手段の外面に水
    平方向に可動に係合するように、他方では、下支持手段
    の外面に水平方向に可動に係合するようになって、上支
    持手段と下支持手段とを橋絡しており、ローラ手段は、
    水平方向に互いに離間された一対のローラ機構と、この
    一対のローラ機構を互いに同期して水平方向に移動させ
    る連結機構とを有しており、この連結機構には浮き上が
    り防止手段が設けられており、各ローラ機構は、上支持
    手段と下支持手段との互いに対面する面の一方の面に転
    がり接触するローラ部と、このローラ部の回転中心軸に
    対して回転中心軸が偏心して当該ローラ部に固着されて
    いると共に、上支持手段と下支持手段との互いに対面す
    る面の他方の面に転がり接触する他のローラ部とからな
    るローラを具備しており、浮き上がり防止手段が係合す
    るための外面は、連結機構からの距離が一定となるよう
    に形成されている免震支承装置。
  4. 【請求項4】 浮き上がり防止手段は、上支持手段の外
    面に接触するための係合部材と、下支持手段の外面に接
    触するための他の係合部材と、両係合部材を橋絡支持す
    る連結機構とを具備している請求項1から3のいずれか
    一項に記載の免震支承装置。
  5. 【請求項5】 浮き上がり防止手段は、下支持手段に対
    する上支持手段の意図しない浮き上がりが生じない際に
    は、両係合部材の夫々と上下支持手段の夫々の外面との
    間のうちの少なくとも一方の間に微小隙間が生じるよう
    に、浮き上がり防止手段の連結機構を介してローラ手段
    に支持されている請求項4に記載の免震支承装置。
  6. 【請求項6】 浮き上がり防止手段は、上支持手段の外
    面に水平方向に転がり接触するためのローラと、下支持
    手段の外面に水平方向に転がり接触するための他のロー
    ラとを具備している請求項1から5のいずれか一項に記
    載の免震支承装置。
JP10706499A 1999-04-14 1999-04-14 免震支承装置 Expired - Lifetime JP3506039B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10706499A JP3506039B2 (ja) 1999-04-14 1999-04-14 免震支承装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10706499A JP3506039B2 (ja) 1999-04-14 1999-04-14 免震支承装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000297839A JP2000297839A (ja) 2000-10-24
JP3506039B2 true JP3506039B2 (ja) 2004-03-15

Family

ID=14449585

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10706499A Expired - Lifetime JP3506039B2 (ja) 1999-04-14 1999-04-14 免震支承装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3506039B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000297839A (ja) 2000-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101625155B1 (ko) 방진장치를 갖춘 면진시스템
JP4118417B2 (ja) 構造物の免震装置における浮き上がり防止装置
JPH10281217A (ja) 物品展示用免震台
JP3506039B2 (ja) 免震支承装置
JP4244437B2 (ja) 免震支承装置用の振動減衰装置
JP3870263B2 (ja) 直線運動型復元機能付き免震装置
JPH04107339A (ja) 防振装置
JP4487498B2 (ja) 免震構造体
KR100451624B1 (ko) 면진장치
JP4472136B2 (ja) 展示用免震台
JP2005249210A (ja) 減衰装置
JP2002155993A (ja) 免震機能付き防振装置
JPH0350769Y2 (ja)
JPH1156506A (ja) 免震台及びこの免震台に支持された展示ケース又は展示台
JP2001159446A (ja) 制震装置
JP2000161432A (ja) 免震装置における復元機構
JPH11173376A (ja) 免震台
CN211548125U (zh) 一种防震建筑结构的防碰撞装置
JP3951382B2 (ja) 免震装置
JP2000279252A (ja) 収納什器等の免震装置
JPH1137211A (ja) 免震装置
JP3850519B2 (ja) 免震装置
JP2001173268A (ja) 免震装置
JPH0235141A (ja) 免震装置
JP2003166364A (ja) 免震性能に方向性を有する構造物の免震方法及び免震装置

Legal Events

Date Code Title Description
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20031208

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081226

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081226

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091226

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101226

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111226

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121226

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121226

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151226

Year of fee payment: 12

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term