JP3504796B2 - 半導体の不純物量測定方法および装置 - Google Patents

半導体の不純物量測定方法および装置

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JP3504796B2 JP03263396A JP3263396A JP3504796B2 JP 3504796 B2 JP3504796 B2 JP 3504796B2 JP 03263396 A JP03263396 A JP 03263396A JP 3263396 A JP3263396 A JP 3263396A JP 3504796 B2 JP3504796 B2 JP 3504796B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体表面近傍
に形成された絶縁膜中の不純物量を測定する方法および
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウェハの表面近傍に形成された絶
縁膜には、ウェハプロセスの際にアルカリ金属イオンな
どの可動イオンが混入する。これらの可動イオンは電界
によって容易に移動するので、半導体表面の安定性を劣
化させる。
【0003】絶縁膜中の可動イオン量の評価は、いわゆ
るBT処理(Bias Temperature処理)と、C−V特性評
価とによって行なうのが一般的である。BT処理は、高
温状態で絶縁膜上のゲート電極に直流バイアスを印加す
る処理である。しかし、非接触C−V測定装置でC−V
測定を行なう場合には絶縁膜上に測定用電極を形成しな
いので、BT処理を行なうことができない。
【0004】そこで、本出願人は、BT処理を行なわず
に絶縁膜中の可動イオン量を測定する方法として、特開
平6−85024号公報に記載された方法を開発した。
この方法では、非接触C−V測定装置を用いて、測定用
電極と半導体ウェハの間のギャップを複数個の値に設定
し、これら複数のギャップ位置におけるC−V曲線をそ
れぞれ測定し、それらの結果から絶縁膜中の可動イオン
の電荷密度を決定している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、絶縁膜中に
は、Na,H,Fe,Ni,Cr,Cu,Zn,Al等
の複数種類の不純物元素(またはそのイオン)が含まれ
ていると考えられている。また、その中にはイオン化し
ていないものも存在する。絶縁膜の良否(またはそのプ
ロセスの良否)を判定するためには、各不純物元素の量
を分離して測定することが望ましい。しかし、従来の技
術では、複数種類の不純物元素を分離してその量を測定
することができなかった。
【0006】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、半導体表面近傍
に形成された絶縁膜中に含まれる複数種類の不純物元素
を分離して、その量を測定することができる方法および
装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、第1の発明
は、半導体表面近傍に形成された絶縁膜中の不純物量を
非接触で測定する方法であって、 (a)半導体表面との間にギャップを隔てて測定電極を
位置決めする工程と、 (b)前記絶縁膜中に特定不純物元素が含まれた状態に
おいて第1のC−V曲線を求める工程と、 (c)前記半導体表面に、分光された単色光であって、
前記特定不純物元素を励起する特定の波長を有する前記
単色光を照射することによって、前記絶縁膜中の特定不
純物元素をイオン化させる工程と、 (d)前記測定電極を用いて、前記絶縁膜中の前記特定
不純物元素がイオン化された状態における第2のC−V
曲線を測定する工程と、 (e)前記第1と第2のC−V曲線の電圧シフト量か
、イオン化された前記特定不純物元素の量を決定する
工程と、を備えることを特徴とする。
【0008】特定不純物元素の励起エネルギ(吸収帯)
に相当する波長を有する単色光を絶縁膜に照射すると、
絶縁膜中の特定不純物元素がイオン化し、一方、他の不
純物元素はそのままの状態に保たれる。特定不純物元素
がほとんどイオン化されていない状態において測定され
た第1のC−V曲線と、特定不純物元素がイオン化され
た状態において測定された第2のC−V曲線との間の電
圧シフト量は、特定不純物元素の量に依存する。そこ
で、この電圧シフト量から、特定不純物元素量を決定す
ることができる。
【0009】 前記工程(b)は、前記半導体の基板に
第1のバイアスを印加しつつ前記単色光を印加すること
によって、前記特定不純物元素がイオン化されていない
状態を達成する工程を含み、前記工程(c)は、前記基
板に前記第1のバイアスとは逆符号の第2のバイアスを
印加しつつ前記単色光を印加することによって、前記特
定不純物元素がイオン化された状態を達成する工程を含
むことが好ましい。
【0010】単色光の照射時における基板のバイアスの
符号を反転すれば、特定不純物元素がほとんどイオン化
されていない状態と、ほとんどイオン化された状態とを
それぞれ達成することができる。
【0011】 第2の発明は、半導体表面近傍に形成さ
れた絶縁膜中の不純物量を非接触で測定する装置であっ
て、前記半導体表面に分光された単色光を照射する単色
光照射手段と、前記半導体表面との間にギャップを隔て
てほぼ平行に保持される測定電極を備え、前記測定電極
を用いて前記半導体表面のC−V曲線の測定を行なうC
−V測定手段と、前記絶縁膜中に特定不純物元素が含ま
れた状態において測定された第1のC−V曲線と、前記
特定不純物を励起する特定の波長を有する前記単色光を
前記半導体表面に照射することによって前記絶縁膜中の
前記特定不純物元素がイオン化された状態において測定
された第2のC−V曲線との間の電圧シフト量から、イ
オン化された前記特定不純物元素の量を決定する不純物
量決定手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】単色光照射手段によって、特定不純物元素
の励起エネルギ(吸収帯)に相当する波長を有する単色
光を絶縁膜に照射すると、絶縁膜中の特定不純物元素を
イオン化させ、一方、他の不純物元素をそのままの状態
に保つことができる。特定不純物元素がほとんどイオン
化されていない状態において測定された第1のC−V曲
線と、特定不純物元素がイオン化された状態において測
定された第2のC−V曲線との間の電圧シフト量は、特
定不純物元素の量に依存するので、この電圧シフト量か
ら特定不純物元素の量を決定することができる。
【0013】 前記半導体の不純物量測定装置は、さら
に、前記半導体の基板にバイアスを印加するバイアス印
加手段を備え、前記単色光照射手段と前記バイアス印加
手段は、前記半導体の基板に第1のバイアスを印加しつ
つ前記単色光を照射することによって前記特定不純物元
がイオン化されていない状態を達成しうるとともに、
前記第1のバイアスとは逆符号の第2のバイアスを印加
しつつ前記単色光を照射することによって前記特定不純
物元素がイオン化された状態を達成しうることが好まし
い。
【0014】
【発明の他の態様】この発明は、以下のような他の態様
も含んでいる。第1の態様は、上記第2の発明におい
て、さらに、前記半導体を載置する移動可能な試料台
と、前記開閉可能な蓋を備え前記測定電極を保持するセ
ンサヘッドと前記試料台とを収納する密閉可能な筺体
と、を備える装置である。こうすれば、半導体の表面汚
染を防止することができる。
【0015】第2の態様は、前記センサヘッドは透光性
部材で形成されており、前記測定電極はほぼ中心に開口
部を有し、前記単色光は、前記透光性部材と前記開口部
とを通過して前記半導体表面に照射される装置である。
こうすれば、測定電極の開口部を通過させて単色光を半
導体表面に照射することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例に基づき説明する。図1は、この発明の実施例として
の非接触電気測定装置MDの構成を示す概念図である。
この非接触電気測定装置MDは、半導体ウェハ100を
収納する測定部ユニット20と、分光器10と、光量測
定器22と、インピーダンスメータ24と、位置制御装
置26と、ホストコントローラ28とを備えている。分
光器10と光量測定器22とインピーダンスメータ24
と位置制御装置26とは、ホストコントローラ28に接
続されており、このホストコントローラ28によって測
定装置全体の制御や、得られたデータの処理が行なわれ
る。なお、ホストコントローラ28としては、例えばパ
ーソナルコンピュータが用いられる。
【0017】測定部ユニット20は防振台21に載置さ
れた筺体30の内部に収納されている。筺体30内には
X方向に移動する架台36と、架台36の上に載置され
た試料テーブル38とを備えている。試料テーブル38
は、供試体としての半導体ウェハ100を載置するテー
ブルであり、図示しないモータに駆動されてX−Y平面
内で回転する。
【0018】筺体30の内部は密閉された防塵構造を有
しており、ゴミが半導体ウェハの表面に付着しないよう
にされている。このような防塵構造については、本出願
人により開示された特開平5−335393号公報に例
示されているので、ここではその詳細は省略する。な
お、真空ポンプを用いて筺体30の内部を真空にするよ
うにしてもよい。筺体30内部を密閉構造(防塵構造や
真空構造)にすれば、半導体ウエハの表面がゴミなどで
汚染されることを防止する上で大きな効果がある。
【0019】測定部ユニット20の筺体30の上部の開
口には開閉可能なフランジ42がボルトで固定されてお
り、フランジ42から下方にはピエゾ素子を利用した3
つの圧電アクチュエータ部44、45、46が設けられ
ている。さらに、圧電アクチュエータ部44、45、4
6の下方には支持板48が設けられ、さらに、支持板4
8の下側に伸びる支持筒50の先にはセンサヘッド60
が固定されている。支持板48は、図示しない複数のス
プリングでフランジ42に連結されており、圧電アクチ
ュエータ部44、45、46をフランジ42側に押上げ
ている。センサヘッド60は、レーザ光を導入するため
のプリズム62と、プリズム62の底面に光学接着剤に
よって接着された透光性の電極形成部64とで構成され
ている。
【0020】分光器10は、ホストコントローラ28に
制御されて種々の波長の単色光Lmを発生する。分光器
10で発生した単色光Lmは、光ファイバ12によって
筺体30の内部に導かれる。光ファイバ12はフランジ
42を貫通しており、光ファイバ12で導かれた単色光
Lmは、プリズム62の上表面から垂直下方に入射され
て、電極形成部64を透過し、その下にある半導体ウェ
ハ100の表面に照射される。なお、電極形成部64の
構造については後述する。
【0021】フランジ42の上方には、圧電アクチュエ
ータ部44、45、46にそれぞれ連結されたパルスモ
ータ80、81、82が設けられている。これらのパル
スモータ80〜82は、センサヘッド60の垂直方向及
び平行度の粗調整を行なう。一方、圧電アクチュエータ
部44〜46は、センサヘッド60の垂直方向の微調整
を行なうとともに電極形成部64の底面の平行度を調整
する役割も有する。
【0022】支持筒50にはGaAlAsレーザなどの
レーザ発振器70とフォトダイオードなどの受光センサ
72とが固定されている。レーザ発振器70から出射さ
れたレーザ光はプリズム62を通って電極形成部64に
導入され、電極形成部64の底面において幾何光学的な
全反射条件で反射される。そして、反射したレーザ光は
プリズム62から出射されて受光センサ72で受光され
る。
【0023】半導体ウェハ100の電気特性測定(C−
V測定やC−t測定)を行なう際には、センサヘッド6
0の底面と半導体ウェハ100の表面とのギャップが約
1μm以下に保たれる。レーザ発振器70とセンサヘッ
ド60と受光センサ72とで構成される光学系は、この
ギャップを精密に測定するための光学測定系である。こ
の光学測定系は、レーザ発振器70から発振されたレー
ザ光がセンサヘッド60の底面で幾何光学的な全反射条
件で反射する際の、レーザ光のトンネリング現象(いわ
ゆるエバネッセント波の漏れ出し)を利用しており、受
光センサ72と光量測定器22で測定される光量に基づ
いてギャップの値を測定している。このギャップの測定
方法については、本出願人により開示された特開平4−
32704号公報に詳述されているので、ここではその
詳細は省略する。
【0024】圧電アクチュエータ部44〜46とパルス
モータ80〜82は位置制御装置26と電気的に接続さ
れており、また、受光センサ72は光量測定器22と接
続され、センサヘッド60の底面に形成された電極と金
属製の試料テーブル38はインピーダンスメータ24と
接続されている。インピーダンスメータ24は、各電極
と試料テーブル38との間の容量やコンダクタンスを測
定する機器である。インピーダンスメータ24は、電気
測定用電極や半導体基板にバイアスを印加するためのバ
イアス電源25を含んでいる。インピーダンスメータ2
4は、本発明におけるC−V測定手段に相当する。
【0025】図2は、電極形成部64の底面図およびそ
のB−B断面図である。電極形成部64は、光学ガラス
で形成されたコーンガラス66上に電極パターン200
が形成されたものである。コーンガラス66は、略円錐
台の形状を有しており、略平坦な底面66aと、側斜面
66bと、底面66aに平行な上表面66cと、側面6
6dとを有する。
【0026】図2(a)に示されているように、底面6
6aに形成された電極パターン200は、電気測定用電
極201と、3つの平行度調整用電極111、112、
113と、ガードリング電極120とを含んでいる。ま
た、電極111〜113、120には、それぞれ配線1
11a、112a、113a、120aが接続されてい
る。これらの配線は、コーンガラス66の底面66aか
ら側斜面66bに渡って形成されている。
【0027】電気測定用電極201は略リング状の電極
であり、その外径は約1.0mmφ、内径は約0.5m
mφである。なお、以下では電気測定用電極201を単
に「測定電極」と呼ぶ。
【0028】3つの平行度調整用電極111〜113
は、リングを3つに等分割した形状を有する。平行度調
整用電極111〜113が形成するリングの内径は約
1.6mmφ、外径は約2.4mmφである。また、各
電極111〜113相互の間隔は約0.7mmである。
これらの電極の形状は、それぞれ円形としてもよいが、
本実施例のように分割したリング状にすることで、より
小さな領域内に、より面積の大きな電極を形成すること
ができるという利点がある。
【0029】この平行度調整用電極111〜113は、
コーンガラス66の底面66aと半導体ウェハ100の
表面との平行度を調整する際に利用される。すなわち、
圧電アクチュエータ部44、45、46のピエゾ素子の
伸び量を調整してコーンガラス66の底面66aの傾き
を調整し、各電極111〜113の容量値を互いに等し
くするようにすれば、コーンガラス66の底面66aと
半導体ウェハ100の表面とを平行にすることができ
る。
【0030】ガードリング電極120は、測定電極20
1と平行度調整用電極111〜113との間に設けられ
た略リング状の電極である。ガードリング電極120
は、円形の測定電極201の周囲のすべてを取り囲む形
状に形成されており、その内径は約0.9mmφ、外径
は約1.4mmφである。ガードリング電極120の内
径(=約0.9mmφ)は、測定電極201の外径(=
約1.0mmφ)よりも小さい。すなわち、図2(a)
の底面図で見ると、測定電極201の外周部と、ガード
リング電極120の内周部とが重なり合っているように
見える。このような構造の効果については後述する。
【0031】なお、平行度調整用電極111〜113と
ガードリング電極120との間のギャップは約0.1m
mに設定されており、また、底面66a上における配線
111a〜113aの幅は約0.1mmに設定されてい
る。
【0032】コーンガラス66は、円盤状の光学ガラス
を研磨して側面をテーパ状に削ったものである。コーン
ガラス66の底面66aは表面66cに対して平行なの
で、フォトリソグラフィによって、その底面66a上に
電極パターン200を容易に形成することができる。
【0033】図2(B)から解るように、電極パターン
200は、コーンガラス66の底面66a上に層状に形
成されている。底面66aの上には、測定電極201と
その配線201aとが形成されている。そして、配線2
01aの一部と、測定電極201の全体とを覆うよう
に、第1のパッシベーション膜(絶縁膜)301が形成
されている。第1のパッシベーション膜301の上に
は、ガードリング電極120と、平行度調整用電極11
1〜113と、これらの配線120a,111a〜11
3aとが形成されている。また、電極120,111〜
113とそれらの配線120a,111a〜113aを
覆うように第2のパッシベーション膜302が形成され
ている。
【0034】半導体ウェハの電気特性の測定時におい
て、ガードリング電極120を所定の電位に保つことに
よって、半導体表面の被測定領域(測定電極201の直
下の領域)以外の領域と、測定電極201との間の電気
的結合が遮断される。特に、図2に示す構造のように、
測定電極201の外周部とガードリング電極120の内
周部とが重なり合うように形成された構造は、測定電極
201の電位の影響を、ガードリング電極120の中空
部に相当する領域に限定することができる。換言すれ
ば、測定電極201の実効面積は、ガードリング電極1
20の外径と、測定電極201の内径とを有するリング
の面積に等しくなる。ガードリング電極120の内径
は、フォトリソグラフィにおける電極パターニング技術
によって高精度に設定できるので、測定電極201の実
効面積を高精度に設定することが可能である。
【0035】分光器10が発生した単色光Lmは、電極
形成部64の上に接着されたプリズム62(図1)の上
表面から垂直下方に入射する。そして、プリズム62と
電極形成部64とを透過して、その下にある半導体ウェ
ハ100の表面の被測定領域を照射する。図2(B)に
示されているように、単色光Lmは測定電極201の中
央に形成された円形の開口部(窓部)を通過する。一
方、レーザ発振器70(図1)が発生したレーザ光Ld
は、測定電極201の中央に形成された円形の開口部に
あるコーンガラス66の表面に約45度の入射角で入射
し、コーンガラス66の表面で幾何光学的な全反射条件
で反射する。この反射光の強度から、測定電極201と
半導体ウェハ100のギャップが測定される。
【0036】図3は、本実施例における不純物濃度の測
定方法を示す説明図である。また、図4は、測定手順を
示すフローチャートである。ステップS1では、測定電
極201を半導体ウェハ100の表面上に約1μm以下
のギャップを隔てて位置決めする。図3(A−1)はこ
の時の状態を示している。図3(A−1)において、半
導体ウェハ100の表面には、シリコン基板101の上
に絶縁膜102が形成されている。絶縁膜102中に記
されている文字「M」は不純物元素を示しており、ま
た、「M+ 」はそのプラスイオンを示している。常温の
熱平衡状態では、絶縁膜102中の不純物元素の一部の
みがイオン化されていると考えられている。
【0037】ステップS1では、測定電極201と半導
体ウェハ100の表面とのギャップGが、図2(B)に
示すレーザ光Ldの反射光の強度から正確に測定され
る。なお、絶縁膜102の厚みdoxは、絶縁膜102の
形成プロセスによって決定される。ステップS2では、
常温・暗状態においてC−V測定が非接触で行なわれ
る。図3(A−2)はこうして得られた第1のC−V曲
線F1を示すグラフである。
【0038】ステップS3では、図3(B−1)に示す
ように、シリコン基板101の背面(すなわち図1の試
料テーブル38)にプラスのバイアス電圧を印加した状
態で、単色光Lmを照射する。この単色光Lmの波長
は、絶縁膜102中の特定の1つの不純物元素(以下、
「特定不純物元素」と呼ぶ)を選択的に励起するための
励起エネルギに相当する波長に設定される。換言すれ
ば、特定不純物元素は、単色光Lmの波長の光子エネル
ギに吸収帯を有している。図3(B−1)に示されてい
るように、特定不純物元素は、この特定波長の単色光L
mで励起されるとイオン化する。基板101はプラス側
にバイアスされているので、イオン化の際に放出された
電子は基板側に吸収される。この結果、絶縁膜102に
含まれる特定不純物元素は、ほとんどすべてがイオン化
すると考えることができる。なお、絶縁膜102の厚み
は約100〜1000オングストロームと極めて薄く、
ほぼ透明であると考えることができる。従って、絶縁膜
102中に含まれている不純物元素は単色光Lmによっ
て十分照射される。
【0039】特定不純物元素のほぼすべてをイオン化す
るのに十分な時間だけ単色光Lmを照射した後に、ステ
ップS4において背面バイアスの印加を停止して、第2
回目のC−V測定を実施する。背面バイアスの印加を停
止すると、特定不純物元素がほぼイオン化された状態で
保存される。なお、C−V測定時には、単色光Lmの照
射を停止するようにしてもよい。図3(B−2)はこう
して得られた第2のC−V曲線F2を示している。
【0040】ステップS5では、基板101にマイナス
のバイアス電圧を印加した状態で、ステップS3と同じ
波長の単色光Lmを再び照射する。図3(C−1)に示
すように、マイナスのバイアス電圧を印加した状態で特
定不純物元素が励起されると、基板側から電子が供給さ
れるので、絶縁膜102中の特定不純物元素はほとんど
すべてがイオン化していない状態に戻ると考えられる。
ステップS6では、バイアス電圧の印加を停止して、第
3回目のC−V測定を実施する。図3(C−2)はこう
して得られた第3のC−V曲線F3を示している。
【0041】第2のC−V曲線F2は、絶縁膜102の
特定不純物がほぼすべてイオン化された状態における測
定結果である。一方、第3のC−V曲線F3は、絶縁膜
102の特定不純物がほぼすべてイオン化されていない
元素の状態の時の測定結果である。特定不純物イオンが
絶縁膜102中にほぼ均一に分布していると仮定する
と、第2と第3のC−V曲線における電圧のシフト量△
V3-2 は次の数式1で与えられる。
【0042】
【数1】
【0043】ここで、ε0 は真空の誘電率、εoxは絶縁
膜102の比誘電率、ρ0 は特定不純物イオンの密度
(個/cm3 )、Gは絶縁膜102と測定電極201の
ギャップ、doxは絶縁膜102の厚みである。
【0044】上記の数式1において、特定不純物イオン
の密度ρ0 以外の値は既知なので、電圧のシフト量△V
3-2 からρ0 の値を決定することができる。上述したよ
うに、単色光Lmは、特定の不純物元素を励起する特定
の波長を有しているので、特定の1種類の不純物元素の
量(濃度、密度)を上述の手順で測定することが可能で
ある。数式1を用いた不純物量の算出は、ホストコント
ローラ28によって実行されるソフトウェアプログラム
により行なわれる。すなわち、この実施例では、ホスト
コントローラ28が不純物量決定手段に相当する。
【0045】また、単色光Lmの波長を、他の不純物元
素の励起エネルギに相当する波長に変えて図4の手順を
実行すれば、その不純物元素の量を測定することができ
る。このように、本実施例では、単色光Lmの波長を変
えながら選択的に不純物元素を励起してC−V測定を行
なうことによって、絶縁膜102中に含まれる複数の不
純物を互いに分離して、その不純物量を測定することが
できる。また、図4の測定手順はすべて室温で行なえる
ので、BT処理のように半導体ウェハ100を加熱する
必要がないという利点もある。
【0046】なお、図3(A−1)の状態において、特
定不純物元素が殆どイオン化していないと考えられる場
合もある。この場合には、第2と第3のC−V曲線の電
圧シフト△V3-2 の代わりに、第1と第2のC−V曲線
の電圧シフト△V1-2 を用いて特定不純物量を決定する
ことができる。
【0047】図5は、電極形成部64の他の実施例を示
す底面図およびそのB−B断面図である。この電極形成
部64aは、図2におけるリング状の測定電極201の
代わりに、中央の開口部の無い略円形の測定電極202
を有している。この測定電極202は、ITO膜(Indi
um Transparent Oxide)等の透明な導電材料で構成され
ている。従って、単色光Lmは、この透明な測定電極2
02を透過して半導体ウェハ100に照射される。
【0048】図6は、分光された単色光を照射する他の
手段を示す概念図である。ここでは、図1における光フ
ァイバ12の代わりに、ミラー14を用いて分光器10
から出射された単色光Lmを反射し、センサヘッド60
に入射している。なお、単色光Lmは必ずしも垂直に入
射する必要はない。極端な場合には、コーンガラス66
の底面66aで幾何光学的に全反射される条件で単色光
Lmを入射させるようにしてもよい。この場合にも、ギ
ャップGが極めて小さいので、反射面66aから単色光
Lmの一部がいわゆるエバネッセント波として半導体ウ
エハ表面側に漏れ出す。そして、このエバネッセント波
によって絶縁膜102が照射されることになる。
【0049】なお、この発明は上記の実施例や実施形態
に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲に
おいて種々の態様において実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例としての非接触電気測定装置
MDの構成を示す概念図。
【図2】実施例における電極形成部64の底面図および
そのB−B断面図。
【図3】実施例における不純物濃度の測定方法を示す説
明図
【図4】実施例における測定手順を示すフローチャー
ト。
【図5】電極形成部64の他の実施例を示す底面図およ
びそのB−B断面図。
【図6】分光された単色光を照射する他の手段を示す概
念図。
【符号の説明】
10…分光器 12…光ファイバ 20…測定部ユニット 21…防振台 22…光量測定器 24…インピーダンスメータ 25…バイアス電源 26…位置制御装置 28…ホストコントローラ 30…筺体 36…架台 38…試料テーブル 42…フランジ 44〜46…圧電アクチュエータ部 48…支持板 50…支持筒 60…センサヘッド 62…プリズム 64…電極形成部 66…コーンガラス 70…レーザ発振器 72…受光センサ 80〜82…パルスモータ 100…半導体ウェハ 101…シリコン基板 102…絶縁膜 111〜113…平行度調整用電極 120…ガードリング電極 200…電極パターン 201…測定電極(電気測定用電極) 202…透明測定電極 301,302…パッシベーション膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−85024(JP,A) 特開 昭53−50983(JP,A) G.S.Horner et a l.,Monitoring elec trically active co ntaminants to asse ss oxide quality,S olid State Technol ogy,米国,1995年 6月,June 1995,p.79−85 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/66 G01N 27/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体表面近傍に形成された絶縁膜中の
    不純物量を非接触で測定する方法であって、 (a)半導体表面との間にギャップを隔てて測定電極を
    位置決めする工程と、 (b)前記絶縁膜中に特定不純物元素が含まれた状態に
    おいて第1のC−V曲線を求める工程と、 (c)前記半導体表面に、分光された単色光であって、
    前記特定不純物元素を励起する特定の波長を有する前記
    単色光を照射することによって、前記絶縁膜中の特定不
    純物元素をイオン化させる工程と、 (d)前記測定電極を用いて、前記絶縁膜中の前記特定
    不純物元素がイオン化された状態における第2のC−V
    曲線を測定する工程と、 (e)前記第1と第2のC−V曲線の電圧シフト量か
    、イオン化された前記特定不純物元素の量を決定する
    工程と、を備えることを特徴とする半導体の不純物量測
    定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体の不純物量測定方
    法であって、 前記工程(b)は、前記半導体の基板に第1のバイアス
    を印加しつつ前記単色光を印加することによって、前記
    特定不純物元素がイオン化されていない状態を達成する
    工程を含み、 前記工程(c)は、前記基板に前記第1のバイアスとは
    逆符号の第2のバイアスを印加しつつ前記単色光を印加
    することによって、前記特定不純物元素がイオン化され
    た状態を達成する工程を含む、半導体の不純物量測定方
    法。
  3. 【請求項3】 半導体表面近傍に形成された絶縁膜中の
    不純物量を非接触で測定する装置であって、 前記半導体表面に分光された単色光を照射する単色光照
    射手段と、 前記半導体表面との間にギャップを隔ててほぼ平行に保
    持される測定電極を備え、前記測定電極を用いて前記半
    導体表面のC−V曲線の測定を行なうC−V測定手段
    と、 前記絶縁膜中に特定不純物元素が含まれた状態において
    測定された第1のC−V曲線と、前記特定不純物を励起
    する特定の波長を有する前記単色光を前記半導体表面に
    照射することによって前記絶縁膜中の前記特定不純物元
    がイオン化された状態において測定された第2のC−
    V曲線との間の電圧シフト量から、イオン化された前
    特定不純物元素の量を決定する不純物量決定手段と、を
    備えることを特徴とする半導体の不純物量測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の半導体の不純物量測定装
    置であって、さらに、前記半導体の基板にバイアスを印
    加するバイアス印加手段を備え、 前記単色光照射手段と前記バイアス印加手段は、前記半
    導体の基板に第1のバイアスを印加しつつ前記単色光を
    照射することによって前記特定不純物元素がイオン化さ
    れていない状態を達成しうるとともに、前記第1のバイ
    アスとは逆符号の第2のバイアスを印加しつつ前記単色
    光を照射することによって前記特定不純物元素がイオン
    化された状態を達成しうる、半導体の不純物量測定装
    置。
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G.S.Horner et al.,Monitoring electrically active contaminants to assess oxide quality,Solid State Technology,米国,1995年 6月,June 1995,p.79−85

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