JP3504324B2 - 加圧内部循環型流動床ボイラ - Google Patents
加圧内部循環型流動床ボイラInfo
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- JP3504324B2 JP3504324B2 JP05820894A JP5820894A JP3504324B2 JP 3504324 B2 JP3504324 B2 JP 3504324B2 JP 05820894 A JP05820894 A JP 05820894A JP 5820894 A JP5820894 A JP 5820894A JP 3504324 B2 JP3504324 B2 JP 3504324B2
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E20/00—Combustion technologies with mitigation potential
- Y02E20/16—Combined cycle power plant [CCPP], or combined cycle gas turbine [CCGT]
- Y02E20/18—Integrated gasification combined cycle [IGCC], e.g. combined with carbon capture and storage [CCS]
Landscapes
- Engine Equipment That Uses Special Cycles (AREA)
- Fluidized-Bed Combustion And Resonant Combustion (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は加圧内部循環型流動床ボ
イラに係り、特に加圧流動層で石炭、オイルコークス等
の燃料を燃焼せしめて、燃焼ガスをガスタービンに導入
するようにした加圧流動床複合発電設備における加圧内
部循環型流動床ボイラに関するものである。
イラに係り、特に加圧流動層で石炭、オイルコークス等
の燃料を燃焼せしめて、燃焼ガスをガスタービンに導入
するようにした加圧流動床複合発電設備における加圧内
部循環型流動床ボイラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、地球環境保全の立場からCO2 削
減対策が重要となっている。またエネルギー問題につい
ては原子力と石油には大きく頼れない現状を鑑みると、
石炭に頼らざるを得なくなる時代がくると推測されてい
る。このような観点から、CO 2 削減対策と当面の石油
代替エネルギーとして高効率でコンパクト、クリーンな
石炭火力発電システムが期待されている。一方、従来の
微粉炭ボイラは炭種の制限や効率に限界があるなど問題
があるため、常圧型流動床ボイラが多品種石炭用として
開発されてきた。ところが常圧型流動床ボイラ(AFB
C)自体期待されたほどの機能を発揮出来ていないこ
と、また常圧型流動床ボイラでは蒸気タービンしか設置
することが出来ないため高効率化、大出力化に限界があ
ることから、ガスタービンを利用した複合発電システム
が可能な加圧型流動床ボイラ(PFBC)へ移行しつつ
ある。
減対策が重要となっている。またエネルギー問題につい
ては原子力と石油には大きく頼れない現状を鑑みると、
石炭に頼らざるを得なくなる時代がくると推測されてい
る。このような観点から、CO 2 削減対策と当面の石油
代替エネルギーとして高効率でコンパクト、クリーンな
石炭火力発電システムが期待されている。一方、従来の
微粉炭ボイラは炭種の制限や効率に限界があるなど問題
があるため、常圧型流動床ボイラが多品種石炭用として
開発されてきた。ところが常圧型流動床ボイラ(AFB
C)自体期待されたほどの機能を発揮出来ていないこ
と、また常圧型流動床ボイラでは蒸気タービンしか設置
することが出来ないため高効率化、大出力化に限界があ
ることから、ガスタービンを利用した複合発電システム
が可能な加圧型流動床ボイラ(PFBC)へ移行しつつ
ある。
【0003】また、石炭ガス化複合発電も研究されてお
り、そのシステムは石炭を全量ガス化し、ガス精製した
後、ガスタービンに供給する複合発電システムであり、
1300℃級空冷ガスタービンを用いた場合の目標効率
は発電端で47.1%となっている。一方、加圧型流動
床ボイラについては海外で既に80MWe級の発電所が
稼働していることや、脱硫装置不要などの利点があるも
のの、効率の点では石炭ガス化複合発電システムが優れ
ているため、両者の特徴を合わせ持つ、より性能の優れ
たトッピングサイクル複合発電システムが検討されてい
る。本トッピングサイクル複合発電システムは基本的に
は、石炭をガス化炉において石炭ガスとチャーに分解
し、チャーを流動床ボイラ(酸化炉)で燃焼させ、その
燃焼排ガスと石炭ガスをガスタービン入口で混合燃焼さ
せて高温ガスを発生させ、それによってガスタービンを
高効率で運転するものである。
り、そのシステムは石炭を全量ガス化し、ガス精製した
後、ガスタービンに供給する複合発電システムであり、
1300℃級空冷ガスタービンを用いた場合の目標効率
は発電端で47.1%となっている。一方、加圧型流動
床ボイラについては海外で既に80MWe級の発電所が
稼働していることや、脱硫装置不要などの利点があるも
のの、効率の点では石炭ガス化複合発電システムが優れ
ているため、両者の特徴を合わせ持つ、より性能の優れ
たトッピングサイクル複合発電システムが検討されてい
る。本トッピングサイクル複合発電システムは基本的に
は、石炭をガス化炉において石炭ガスとチャーに分解
し、チャーを流動床ボイラ(酸化炉)で燃焼させ、その
燃焼排ガスと石炭ガスをガスタービン入口で混合燃焼さ
せて高温ガスを発生させ、それによってガスタービンを
高効率で運転するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の加圧型流動床ボ
イラの内、最も開発が進み、80MWe級の実証機が運
転されているのはバブリング式加圧流動床ボイラである
が、次のような課題がある。 (A)負荷制御方法における課題 現在は、流動層高を変化させて負荷制御する方法が採用
されている。すなわち、燃焼器内部から流動媒体を抜き
だして別の貯留容器に送給し、流動層内伝熱面を露出さ
せることによって熱伝達率を低下させて、熱回収量を減
少させ、スチームタービン出力を低下させる。また燃料
供給量が低下した流動層から排出される燃焼ガスはさら
に露出した伝熱面で冷却されるため、燃焼器出口温度す
なわちガスタービン入口温度が低下し、その結果ガスタ
ービン出力が低下するものである。一方、負荷を上げる
時はこの逆の方法をとる。
イラの内、最も開発が進み、80MWe級の実証機が運
転されているのはバブリング式加圧流動床ボイラである
が、次のような課題がある。 (A)負荷制御方法における課題 現在は、流動層高を変化させて負荷制御する方法が採用
されている。すなわち、燃焼器内部から流動媒体を抜き
だして別の貯留容器に送給し、流動層内伝熱面を露出さ
せることによって熱伝達率を低下させて、熱回収量を減
少させ、スチームタービン出力を低下させる。また燃料
供給量が低下した流動層から排出される燃焼ガスはさら
に露出した伝熱面で冷却されるため、燃焼器出口温度す
なわちガスタービン入口温度が低下し、その結果ガスタ
ービン出力が低下するものである。一方、負荷を上げる
時はこの逆の方法をとる。
【0005】しかしながら、該層高変化方法には下記の
問題がある。 高温の流動媒体を燃焼器から出し入れする貯留容器
が必要であり、しかも高温高圧下での操作は容易ではな
く、さらに発熱密度が高い流動媒体を貯留容器内へ出し
入れする際にはアグロメレーション(凝集灰)が発生す
る。 ボイラが加圧下にあるため、流動層内伝熱面を露出
させたとき、スプラッシュゾーンでの摩耗の問題は常圧
バブリング流動床ボイラ(AFBC)よりも大きな問題
である。 低負荷時流動層を出た燃焼排ガスが層内管に冷却さ
れること、および層高が浅くなって燃焼ガスの層内滞留
時間が減少することによって、一酸化炭素(CO)の発
生量が増大する,又、NOx(窒素酸化物)排出量も増
加する。
問題がある。 高温の流動媒体を燃焼器から出し入れする貯留容器
が必要であり、しかも高温高圧下での操作は容易ではな
く、さらに発熱密度が高い流動媒体を貯留容器内へ出し
入れする際にはアグロメレーション(凝集灰)が発生す
る。 ボイラが加圧下にあるため、流動層内伝熱面を露出
させたとき、スプラッシュゾーンでの摩耗の問題は常圧
バブリング流動床ボイラ(AFBC)よりも大きな問題
である。 低負荷時流動層を出た燃焼排ガスが層内管に冷却さ
れること、および層高が浅くなって燃焼ガスの層内滞留
時間が減少することによって、一酸化炭素(CO)の発
生量が増大する,又、NOx(窒素酸化物)排出量も増
加する。
【0006】(B)加圧容器の大型化
これまでのバブリング式加圧流動層ボイラは平面的
に見て角型の燃焼器を円筒型の圧力容器に収納するよう
になっているため、どうしても無駄なスペースがあり、
必然的に圧力容器が大型化しコストの上昇につながる。
それに対しては1993年5月サンディエゴにおける第
12回ASME流動床国際会議において、「PRINCIPLES
AND DESIGN PHILOSOPHY FOR A 350 MWe PFBC MODULE」
として A.B. B. Carbon, A. B. の Jim Anderson らに
よる発表によれば、350MWeのような大型化にあた
っては従来は図14に示すように円形の圧力容器145
に2基の矩形の燃焼器146を収容した平面構成であっ
たバブリング式加圧流動層ボイラを図15に示すように
1つの燃焼器147を菱形に変形させ、さらにそれを3
基組み合わせて1基の炉としてまとめ、全体の平面形状
を六角形としてできるだけ円形に近付けて円形の圧力容
器145に収容し、圧力容器の小型化をはかるとしてい
るが、これはバブリング式加圧流動層の場合、円筒形に
すると層内伝熱管の配列構成が極めて困難となるからで
ある。 負荷制御を行うために流動媒体を出し入れする貯蔵
容器および配管等が必要であり、これら貯蔵容器等を圧
力容器内部に収納すると圧力容器が大型化する。
に見て角型の燃焼器を円筒型の圧力容器に収納するよう
になっているため、どうしても無駄なスペースがあり、
必然的に圧力容器が大型化しコストの上昇につながる。
それに対しては1993年5月サンディエゴにおける第
12回ASME流動床国際会議において、「PRINCIPLES
AND DESIGN PHILOSOPHY FOR A 350 MWe PFBC MODULE」
として A.B. B. Carbon, A. B. の Jim Anderson らに
よる発表によれば、350MWeのような大型化にあた
っては従来は図14に示すように円形の圧力容器145
に2基の矩形の燃焼器146を収容した平面構成であっ
たバブリング式加圧流動層ボイラを図15に示すように
1つの燃焼器147を菱形に変形させ、さらにそれを3
基組み合わせて1基の炉としてまとめ、全体の平面形状
を六角形としてできるだけ円形に近付けて円形の圧力容
器145に収容し、圧力容器の小型化をはかるとしてい
るが、これはバブリング式加圧流動層の場合、円筒形に
すると層内伝熱管の配列構成が極めて困難となるからで
ある。 負荷制御を行うために流動媒体を出し入れする貯蔵
容器および配管等が必要であり、これら貯蔵容器等を圧
力容器内部に収納すると圧力容器が大型化する。
【0007】(C)層内伝熱管の摩耗
従来のバブリング式加圧流動層ボイラは流動化速度の大
きな層内に伝熱管を配置しているため伝熱管の摩耗が激
しく、溶射等による表面硬化処理などの対策が必要であ
る。
きな層内に伝熱管を配置しているため伝熱管の摩耗が激
しく、溶射等による表面硬化処理などの対策が必要であ
る。
【0008】(D)給炭機構の複雑化
従来のバブリング式加圧流動層ボイラは層内での石炭等
燃料の水平方向への拡散が不十分なことから、燃焼の不
均一を避けるため多数の給炭管を配置しなければなら
ず、給炭機構が複雑化するばかりでなく、各給炭管への
均等な石炭の分配は難しく、万一、不均等が生じた場合
は層内燃焼の不均一からアグロメレーションの発生を招
き、運転不能となる。
燃料の水平方向への拡散が不十分なことから、燃焼の不
均一を避けるため多数の給炭管を配置しなければなら
ず、給炭機構が複雑化するばかりでなく、各給炭管への
均等な石炭の分配は難しく、万一、不均等が生じた場合
は層内燃焼の不均一からアグロメレーションの発生を招
き、運転不能となる。
【0009】(E)石灰石の消耗
従来の加圧流動床式発電システムにおいては、脱硫を行
うために石灰石を流動媒体に混合させていたが、この石
灰石は摩耗が激しく、脱硫反応に十分寄与することなく
集塵装置から飛灰として飛散してしまっていた。そのた
め、火力発電所が要求する高い脱硫率は望めず、脱硫率
を上げようとすると膨大な量の廃棄物(飛灰)を作るこ
とになる。
うために石灰石を流動媒体に混合させていたが、この石
灰石は摩耗が激しく、脱硫反応に十分寄与することなく
集塵装置から飛灰として飛散してしまっていた。そのた
め、火力発電所が要求する高い脱硫率は望めず、脱硫率
を上げようとすると膨大な量の廃棄物(飛灰)を作るこ
とになる。
【0010】また、トッピングサイクル複合発電システ
ムにおいても酸化炉に用いる流動床ボイラについては、
前記と同じ問題点があり、またガス化炉についても固定
床ガス化炉にはタールの残留問題があり、また噴流床ガ
ス化炉には灰のスティック問題がある。これに対し、流
動床ガス化炉はその中間温度で運転するため、タールの
問題や、灰のスティックが避けられ、また炉内脱硫も可
能であるなど様々な利点もあるが、バブリング型加圧流
動床ボイラを採用した場合にはやはり上記の(A)〜
(D)に掲げる問題点が残されている。
ムにおいても酸化炉に用いる流動床ボイラについては、
前記と同じ問題点があり、またガス化炉についても固定
床ガス化炉にはタールの残留問題があり、また噴流床ガ
ス化炉には灰のスティック問題がある。これに対し、流
動床ガス化炉はその中間温度で運転するため、タールの
問題や、灰のスティックが避けられ、また炉内脱硫も可
能であるなど様々な利点もあるが、バブリング型加圧流
動床ボイラを採用した場合にはやはり上記の(A)〜
(D)に掲げる問題点が残されている。
【0011】そこで本発明は上記のような課題を解消
し、流動層高を変化させることなく負荷制御を行うこと
ができ、アグロメレーションの発生を防止し、しかも一
酸化炭素や、窒素酸化物の発生を最小限に抑えるととも
に石灰石の利用率の向上をはかり、かつ脱硫率をあげる
ことができる複合発電システムにおける加圧内部循環型
流動床ボイラを提供することを目的とする。
し、流動層高を変化させることなく負荷制御を行うこと
ができ、アグロメレーションの発生を防止し、しかも一
酸化炭素や、窒素酸化物の発生を最小限に抑えるととも
に石灰石の利用率の向上をはかり、かつ脱硫率をあげる
ことができる複合発電システムにおける加圧内部循環型
流動床ボイラを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決する
ため本発明の第1の態様は、圧力容器内に燃焼器を配置
し、該燃焼器内の加圧流動層で燃料を燃焼する加圧流動
床ボイラにおいて、該燃焼器は円筒形であり、該燃焼器
の流動層内部に主燃焼室と熱回収室に分離する仕切壁を
設け、該仕切壁は、該燃焼器の円筒外壁と同心に設けら
れるものであって、円筒状仕切壁と流動化用空気の上向
き流路をさえぎる円錐状仕切壁からなり、該仕切壁の内
側に主燃焼室を形成し、該燃焼器の底部に、外周部の方
が中心部よりも大きい質量速度で流動化用空気を噴出さ
せる空気分散装置を備え、該空気分散装置の噴出空気量
を制御して質量速度の小さい空気噴出部上方には流動媒
体が沈降拡散する移動層を形成させ、質量速度の大きい
空気噴出部上方においては流動媒体を活発に流動化させ
て前記移動層上部に向かって旋回させた旋回流動床を形
成し、該熱回収室内には受熱流体を通じた伝熱面を配備
するとともに該熱回収室の底部に熱回収室散気装置を設
け、該流動媒体の一部は、前記仕切壁を越えて前記熱回
収室に入り、前記熱回収室散気装置から噴出する散気量
を制御して該熱回収室内の流動媒体を移動層の状態で沈
降させた後、前記仕切壁の下部の連絡流路から前記主燃
焼室に還流することを特徴とするものである。本発明の
好ましい態様によれば、前記熱回収室の上方は前記主燃
焼室の上方と一体となって、該熱回収室からの燃焼ガス
と該主燃焼室からの燃焼ガスを混合するフリーボードを
形成することを特徴とする。本発明の好ましい態様によ
れば、前記フリーボードにおいて、側面に2次空気を吹
き込む単数または複数の空気ノズルを設けたことを特徴
とする。本発明の好ましい態様によれば、前記フリーボ
ードにおいて、前記熱回収室と主燃焼室の間に、該熱回
収室からの燃焼ガスに整流効果を与えるスクリーンを設
けたことを特徴とする。本発明の好ましい態様によれ
ば、前記熱回収室散気装置は前記主燃焼室側へ向かって
傾斜していることを特徴とする。本発明の好ましい態様
によれば、前記仕切壁の下部に設けられた前記主燃焼室
と前記熱回収室との連絡流路の下方の炉床部に連絡流路
を流動化する散気装置を設けたことを特徴とする。本発
明の好ましい態様によれば、前記熱回収室の伝熱面を放
射状に配置された層内伝熱管で構成したことを特徴とす
る。本発明の好ましい態様によれば、前記主燃焼室に供
給される燃料の供給口を主燃焼室炉床の仕切壁付近に設
けたことを特徴とする。本発明の好ましい態様によれ
ば、前記フリーボードにおいて、燃焼排ガス出口手前に
バッフルを設けたことを特徴とする。本発明の好ましい
態様によれば、前記熱回収室に供給される熱回収空気量
を制御することにより収熱量を制御することを特徴とす
る。本発明の好ましい態様によれば、ボイラ出口におけ
る燃焼排ガス中の酸素濃度を管理して、燃焼供給量に応
じた一定の空気比で燃焼するように燃焼用空気量を調節
する燃焼用空気系統を設けたことを特徴とする。本発明
の好ましい態様によれば、前記燃焼用空気系統によって
前記燃焼用空気量の内、前記熱回収散気装置から噴出す
る散気量を除いた残りの空気量を、一定の比率で2分
し、一方を前記主燃焼室の空気分散装置に供給し、他方
をフリーボードへ2次空気として供給するように制御す
ることを特徴とする。
ため本発明の第1の態様は、圧力容器内に燃焼器を配置
し、該燃焼器内の加圧流動層で燃料を燃焼する加圧流動
床ボイラにおいて、該燃焼器は円筒形であり、該燃焼器
の流動層内部に主燃焼室と熱回収室に分離する仕切壁を
設け、該仕切壁は、該燃焼器の円筒外壁と同心に設けら
れるものであって、円筒状仕切壁と流動化用空気の上向
き流路をさえぎる円錐状仕切壁からなり、該仕切壁の内
側に主燃焼室を形成し、該燃焼器の底部に、外周部の方
が中心部よりも大きい質量速度で流動化用空気を噴出さ
せる空気分散装置を備え、該空気分散装置の噴出空気量
を制御して質量速度の小さい空気噴出部上方には流動媒
体が沈降拡散する移動層を形成させ、質量速度の大きい
空気噴出部上方においては流動媒体を活発に流動化させ
て前記移動層上部に向かって旋回させた旋回流動床を形
成し、該熱回収室内には受熱流体を通じた伝熱面を配備
するとともに該熱回収室の底部に熱回収室散気装置を設
け、該流動媒体の一部は、前記仕切壁を越えて前記熱回
収室に入り、前記熱回収室散気装置から噴出する散気量
を制御して該熱回収室内の流動媒体を移動層の状態で沈
降させた後、前記仕切壁の下部の連絡流路から前記主燃
焼室に還流することを特徴とするものである。本発明の
好ましい態様によれば、前記熱回収室の上方は前記主燃
焼室の上方と一体となって、該熱回収室からの燃焼ガス
と該主燃焼室からの燃焼ガスを混合するフリーボードを
形成することを特徴とする。本発明の好ましい態様によ
れば、前記フリーボードにおいて、側面に2次空気を吹
き込む単数または複数の空気ノズルを設けたことを特徴
とする。本発明の好ましい態様によれば、前記フリーボ
ードにおいて、前記熱回収室と主燃焼室の間に、該熱回
収室からの燃焼ガスに整流効果を与えるスクリーンを設
けたことを特徴とする。本発明の好ましい態様によれ
ば、前記熱回収室散気装置は前記主燃焼室側へ向かって
傾斜していることを特徴とする。本発明の好ましい態様
によれば、前記仕切壁の下部に設けられた前記主燃焼室
と前記熱回収室との連絡流路の下方の炉床部に連絡流路
を流動化する散気装置を設けたことを特徴とする。本発
明の好ましい態様によれば、前記熱回収室の伝熱面を放
射状に配置された層内伝熱管で構成したことを特徴とす
る。本発明の好ましい態様によれば、前記主燃焼室に供
給される燃料の供給口を主燃焼室炉床の仕切壁付近に設
けたことを特徴とする。本発明の好ましい態様によれ
ば、前記フリーボードにおいて、燃焼排ガス出口手前に
バッフルを設けたことを特徴とする。本発明の好ましい
態様によれば、前記熱回収室に供給される熱回収空気量
を制御することにより収熱量を制御することを特徴とす
る。本発明の好ましい態様によれば、ボイラ出口におけ
る燃焼排ガス中の酸素濃度を管理して、燃焼供給量に応
じた一定の空気比で燃焼するように燃焼用空気量を調節
する燃焼用空気系統を設けたことを特徴とする。本発明
の好ましい態様によれば、前記燃焼用空気系統によって
前記燃焼用空気量の内、前記熱回収散気装置から噴出す
る散気量を除いた残りの空気量を、一定の比率で2分
し、一方を前記主燃焼室の空気分散装置に供給し、他方
をフリーボードへ2次空気として供給するように制御す
ることを特徴とする。
【0013】本発明の一態様によれば、前記フリーボー
ドにおいて、側面に単数もしくは複数の空気ノズルを設
けて2次空気を吹き込み、前記主燃焼室および熱回収室
からの燃焼ガスを混合攪拌し、該燃焼ガスに含まれる未
燃物質を十分に燃焼させるように構成してもよい。本発
明の一態様によれば、前記フリーボードにおいて、前記
熱回収室と主燃焼室の間にはスクリーンを設け、粒径の
大きな燃焼物が熱回収室へ飛び込むのを防止する一方、
熱回収室からの燃焼ガスに整流効果を与えつつ通過さ
せ、主燃焼室の燃焼ガスと十分に混合するように構成し
てもよい。
ドにおいて、側面に単数もしくは複数の空気ノズルを設
けて2次空気を吹き込み、前記主燃焼室および熱回収室
からの燃焼ガスを混合攪拌し、該燃焼ガスに含まれる未
燃物質を十分に燃焼させるように構成してもよい。本発
明の一態様によれば、前記フリーボードにおいて、前記
熱回収室と主燃焼室の間にはスクリーンを設け、粒径の
大きな燃焼物が熱回収室へ飛び込むのを防止する一方、
熱回収室からの燃焼ガスに整流効果を与えつつ通過さ
せ、主燃焼室の燃焼ガスと十分に混合するように構成し
てもよい。
【0014】本発明の一態様によれば、圧力容器内に燃
焼器を配置し、該燃焼器内の加圧流動層で燃料を燃焼す
る加圧流動床ボイラにおいて、前記燃焼器を円筒形にす
るとともに該燃焼器の円筒外壁と同心に円筒状仕切壁を
設け、該円筒状仕切壁によって内側に主燃焼室を形成す
るとともに外側に環状の熱回収室を形成し、前記主燃焼
室の炉床には、上方に向けて少なくとも一側が他側より
大きい質量速度で流動化用空気を噴出させるように構成
した空気分散装置を設け、前記熱回収室には受熱流体を
通じた伝熱面を配備するとともに該熱回収室の底部に熱
回収室散気装置を設け、前記主燃焼室においては前記空
気分散装置からの噴出空気量を制御して流動媒体を旋回
せしめることにより旋回流動床を形成せしめるととも
に、流動媒体の一部が前記仕切壁の上部から前記熱回収
室に入り込むようにし、前記熱回収室散気装置から噴出
する散気量を制御して該熱回収室内の流動媒体を沈降さ
せたのち、前記主燃焼室へ循環させるようにしてもよ
い。
焼器を配置し、該燃焼器内の加圧流動層で燃料を燃焼す
る加圧流動床ボイラにおいて、前記燃焼器を円筒形にす
るとともに該燃焼器の円筒外壁と同心に円筒状仕切壁を
設け、該円筒状仕切壁によって内側に主燃焼室を形成す
るとともに外側に環状の熱回収室を形成し、前記主燃焼
室の炉床には、上方に向けて少なくとも一側が他側より
大きい質量速度で流動化用空気を噴出させるように構成
した空気分散装置を設け、前記熱回収室には受熱流体を
通じた伝熱面を配備するとともに該熱回収室の底部に熱
回収室散気装置を設け、前記主燃焼室においては前記空
気分散装置からの噴出空気量を制御して流動媒体を旋回
せしめることにより旋回流動床を形成せしめるととも
に、流動媒体の一部が前記仕切壁の上部から前記熱回収
室に入り込むようにし、前記熱回収室散気装置から噴出
する散気量を制御して該熱回収室内の流動媒体を沈降さ
せたのち、前記主燃焼室へ循環させるようにしてもよ
い。
【0015】本発明の一態様によれば、前記熱回収室の
上方は前記主燃焼室の上方と一体となってフリーボード
を形成し、該熱回収室からの燃焼ガスと前記主燃焼室か
らの燃焼ガスが混合するようにしてもよい。本発明の一
態様によれば、前記フリーボードにおいて、側面に単数
もしくは複数の空気ノズルを設けて2次空気を吹き込
み、前記主燃焼室および熱回収室からの燃焼ガスを混合
攪拌し、該燃焼ガスに含まれる未燃物質を十分に燃焼さ
せるように構成してもよい。本発明の一態様によれば、
前記フリーボードにおいて、前記熱回収室と主燃焼室の
間にはスクリーンを設け、粒径の大きな燃焼物が熱回収
室へ飛び込むのを防止する一方、熱回収室からの燃焼ガ
スに整流効果を与えつつ通過させ、主燃焼室の燃焼ガス
と十分に混合するように構成してもよい。本発明の一態
様によれば、前記仕切壁の下部に設けられた前記主燃焼
室と前記熱回収室との連絡口の下方の炉床部に散気装置
を設け、連絡口を流動化するようにしてもよい。本発明
の一態様によれば、前記熱回収室の伝熱面を放射状に配
置された層内伝熱管で構成し、該層内伝熱管を用途別に
蒸発管ブロック、蒸気過熱管ブロック、蒸気再熱管ブロ
ックとして使用するため、平面的にみて数個の管群に分
割してもよい。本発明の一態様によれば、前記燃焼器か
ら導出される燃焼排ガスの通路には集塵装置を設置し、
該集塵装置で捕集した飛灰を、前記圧力容器側面の開口
部を通して前記熱回収室へ戻すように構成してもよい。
本発明の一態様によれば、前記燃焼器から導出される燃
焼排ガスの通路には集塵装置を設置し、該集塵装置で捕
集した飛灰を、前記圧力容器側面の開口部を通して前記
主燃焼室およびまたはフリーボードへ戻すように構成し
てもよい。本発明の一態様によれば、ガス化炉で生成し
たチャーを酸化炉で燃焼させ、燃焼排ガスと前記ガス化
炉からの発生ガスをガスタービン入口で混合燃焼し、高
温ガスを発生させてガスタービンを駆動し、発電や燃焼
用空気の圧縮などに利用するトッピングサイクル複合発
電システムにおいて、前記ガス化炉及び/または酸化炉
として加圧内部循環型流動床ボイラを利用してもよい。
上方は前記主燃焼室の上方と一体となってフリーボード
を形成し、該熱回収室からの燃焼ガスと前記主燃焼室か
らの燃焼ガスが混合するようにしてもよい。本発明の一
態様によれば、前記フリーボードにおいて、側面に単数
もしくは複数の空気ノズルを設けて2次空気を吹き込
み、前記主燃焼室および熱回収室からの燃焼ガスを混合
攪拌し、該燃焼ガスに含まれる未燃物質を十分に燃焼さ
せるように構成してもよい。本発明の一態様によれば、
前記フリーボードにおいて、前記熱回収室と主燃焼室の
間にはスクリーンを設け、粒径の大きな燃焼物が熱回収
室へ飛び込むのを防止する一方、熱回収室からの燃焼ガ
スに整流効果を与えつつ通過させ、主燃焼室の燃焼ガス
と十分に混合するように構成してもよい。本発明の一態
様によれば、前記仕切壁の下部に設けられた前記主燃焼
室と前記熱回収室との連絡口の下方の炉床部に散気装置
を設け、連絡口を流動化するようにしてもよい。本発明
の一態様によれば、前記熱回収室の伝熱面を放射状に配
置された層内伝熱管で構成し、該層内伝熱管を用途別に
蒸発管ブロック、蒸気過熱管ブロック、蒸気再熱管ブロ
ックとして使用するため、平面的にみて数個の管群に分
割してもよい。本発明の一態様によれば、前記燃焼器か
ら導出される燃焼排ガスの通路には集塵装置を設置し、
該集塵装置で捕集した飛灰を、前記圧力容器側面の開口
部を通して前記熱回収室へ戻すように構成してもよい。
本発明の一態様によれば、前記燃焼器から導出される燃
焼排ガスの通路には集塵装置を設置し、該集塵装置で捕
集した飛灰を、前記圧力容器側面の開口部を通して前記
主燃焼室およびまたはフリーボードへ戻すように構成し
てもよい。本発明の一態様によれば、ガス化炉で生成し
たチャーを酸化炉で燃焼させ、燃焼排ガスと前記ガス化
炉からの発生ガスをガスタービン入口で混合燃焼し、高
温ガスを発生させてガスタービンを駆動し、発電や燃焼
用空気の圧縮などに利用するトッピングサイクル複合発
電システムにおいて、前記ガス化炉及び/または酸化炉
として加圧内部循環型流動床ボイラを利用してもよい。
【0016】本発明の一態様によれば、加圧流動床複合
発電システムにおける流動層炉において、該流動層炉を
円筒形にするとともに該流動層炉の円筒外壁と同心に円
筒状仕切壁を設け、該円筒状仕切壁によって内側にガス
化炉を形成するとともに外側に環状の酸化炉を形成し、
前記ガス化炉の炉床には、上方に向けて少なくとも一側
が他側より大きい質量速度で流動化用空気を噴出させる
ように構成した空気分散装置を設け、前記酸化炉の底部
に酸化炉散気装置を設けるとともに前記仕切壁の中間部
及び下部にて前記ガス化炉と連絡せしめ、前記ガス化炉
においては前記空気分散装置からの噴出空気量を制御し
て流動媒体を旋回せしめることにより旋回流動床を形成
せしめるとともに、流動媒体の一部が前記仕切壁の中間
部から前記酸化炉に入り込むようにし、前記酸化炉散気
装置から噴出する散気量を制御して該酸化炉内の流動媒
体を沈降させたのち、前記ガス化炉へ循環させるように
し、前記酸化炉の上方と前記ガス化炉の上方とは前記仕
切壁によって仕切られてそれぞれ別のフリーボードを形
成し、該酸化炉からの燃焼ガスと該ガス化炉からの発生
ガスが混合しないようにし、それぞれ別のガス出口から
外部に導出されるようにして、酸化炉とガス化炉を一体
化してもよい。本発明の一態様によれば、圧力容器の内
部に燃焼器を配置し、該燃焼器内の流動層で燃料を燃焼
する加圧流動床ボイラにおいて、該燃焼器の底部の流動
層内に仕切壁を設けて主燃焼室を構成し、該主燃焼室の
底部に空気を噴出させる主燃焼室空気分散装置を設け、
該仕切壁により該主燃焼室と仕切られた熱回収室を形成
せしめ、該熱回収室内には受熱流体を通じた伝熱管を配
備するとともに、該熱回収室の底部に空気を噴出させる
熱回収室散気装置を設け、該主燃焼室の内部に流動媒体
の旋回流を形成させるとともに、該主燃焼室と該熱回収
室の間に流動媒体の循環流を形成させ、該熱回収室散気
装置から噴出する空気量を調整することにより、該主燃
焼室と該熱回収室の間の流動媒体の循環量を制御すると
ともに、該熱回収室内に配備した該伝熱管の総括伝熱係
数を変化させて負荷制御を行うとともに、該熱回収室の
上方は前記主燃焼室の上方と一体となってフリーボード
を形成し、該フリーボードに2次空気を吹き込むように
してもよい。本発明の一態様によれば、圧力容器の内部
に燃焼器を配置し、該燃焼器内の流動層で燃料を燃焼す
る加圧流動床ボイラにおいて、該燃焼器の底部の流動層
内に仕切壁を設けて主燃焼室を構成し、該主燃焼室の底
部に空気を噴出させる主燃焼室空気分散装置を設け、該
仕切壁により該主燃焼室と仕切られた熱回収室を形成せ
しめ、該熱回収室内には受熱流体を通じた伝熱管を配備
するとともに、該熱回収室の底部に空気を噴出させる熱
回収室散気装置を設け、該主燃焼室の内部に流動媒体の
旋回流を形成させるとともに、該主燃焼室と該熱回収室
の間に流動媒体の循環流を形成させ、該熱回収室散気装
置から噴出する空気量を調整することにより、該主燃焼
室と該熱回収室の間の流動媒体の循環量を制御するとと
もに、該熱回収室と主燃焼室の間にスクリーンを設けて
もよい。本発明の一態様によれば、圧力容器の内部に燃
焼器を配置し、該燃焼器内の流動層で燃料を燃焼する加
圧流動床ボイラにおいて、該燃焼器の底部の流動層内に
仕切壁を設けて主燃焼室を構成し、該主燃焼室の底部に
空気を噴出させる主燃焼室空気分散装置を設け、該仕切
壁により該主燃焼室と仕切られた熱回収室を形成せし
め、該熱回収室内には受熱流体を通じた伝熱管を配備す
るとともに、該熱回収室の底部に空気を噴出させる熱回
収室散気装置を設け、該主燃焼室の内部に流動媒体の旋
回流を形成させるとともに、該主燃焼室と該熱回収室の
間に流動媒体の循環流を形成させ、該熱回収室散気装置
から噴出する空気量を調整することにより、該主燃焼室
と該熱回収室の間の流動媒体の循環量を制御し、該熱回
収室内に配備した該伝熱管の総括伝熱係数を変化させて
負荷制御を行うとともに、集塵装置で捕集した飛灰を冷
却したあと大気圧下で分級し未燃炭素分や未反応脱硫剤
を選択的に燃焼器に戻すようにしてもよい。本発明の一
態様によれば、圧力容器の内部に燃焼器を配置し、該燃
焼器内の流動層で燃料を燃焼する加圧流動床ボイラにお
いて、該圧力容器は円筒形状をなすとともに内部には円
筒形燃焼器が配置されており、該燃焼器の底部の流動層
内に仕切壁を設けて主燃焼室を構成し、該主燃焼室の底
部に空気を噴出させる主燃焼室空気分散装置を設け、該
仕切壁により該主燃焼室と仕切られた熱回収室を形成せ
しめ、該熱回収室内には受熱流体を通じた伝熱管を配備
するとともに、該熱回収室の底部に空気を噴出させる熱
回収室散気装置を設け、該主燃焼室の内部に流動媒体の
旋回流を形成させるとともに、該主燃焼室と該熱回収室
の間に流動媒体の循環流を形成させ、該熱回収室散気装
置から噴出する空気量を調整することにより、該主燃焼
室と該熱回収室の間の流動媒体の循環量を制御するとと
もに、該熱回収室内に配備した該伝熱管の総括伝熱係数
を変化させて負荷制御を行うようにしてもよい。本発明
の一態様によれば、圧力容器の内部に燃焼器を配置し、
該燃焼器内の流動層で燃料を燃焼する加圧流動床ボイラ
において、該燃焼器を円筒形にするとともに該円筒外壁
と同心の円筒状仕切壁を設け、該燃焼器の底部の流動層
内に仕切壁を設けて主燃焼室を構成し、該主燃焼室の底
部に空気を噴出させる主燃焼室空気分散装置を設け、該
仕切壁により該主燃焼室と仕切られた熱回収室を形成せ
しめ、該熱回収室内には受熱流体を通じた伝熱管を配備
するとともに、該熱回収室の底部に空気を噴出させる熱
回収室散気装置を設け、該主燃焼室の内部に流動媒体の
旋回流を形成させるとともに、該主燃焼室と該熱回収室
の間に流動媒体の循環流を形成させ、該熱回収室散気装
置から噴出する空気量を調整することにより、該主燃焼
室と該熱回収室の間の流動媒体の循環量を制御するとと
もに該熱回収室内に配備した該伝熱管の総括伝熱係数を
変化させて負荷制御を行うようにしてもよい。
発電システムにおける流動層炉において、該流動層炉を
円筒形にするとともに該流動層炉の円筒外壁と同心に円
筒状仕切壁を設け、該円筒状仕切壁によって内側にガス
化炉を形成するとともに外側に環状の酸化炉を形成し、
前記ガス化炉の炉床には、上方に向けて少なくとも一側
が他側より大きい質量速度で流動化用空気を噴出させる
ように構成した空気分散装置を設け、前記酸化炉の底部
に酸化炉散気装置を設けるとともに前記仕切壁の中間部
及び下部にて前記ガス化炉と連絡せしめ、前記ガス化炉
においては前記空気分散装置からの噴出空気量を制御し
て流動媒体を旋回せしめることにより旋回流動床を形成
せしめるとともに、流動媒体の一部が前記仕切壁の中間
部から前記酸化炉に入り込むようにし、前記酸化炉散気
装置から噴出する散気量を制御して該酸化炉内の流動媒
体を沈降させたのち、前記ガス化炉へ循環させるように
し、前記酸化炉の上方と前記ガス化炉の上方とは前記仕
切壁によって仕切られてそれぞれ別のフリーボードを形
成し、該酸化炉からの燃焼ガスと該ガス化炉からの発生
ガスが混合しないようにし、それぞれ別のガス出口から
外部に導出されるようにして、酸化炉とガス化炉を一体
化してもよい。本発明の一態様によれば、圧力容器の内
部に燃焼器を配置し、該燃焼器内の流動層で燃料を燃焼
する加圧流動床ボイラにおいて、該燃焼器の底部の流動
層内に仕切壁を設けて主燃焼室を構成し、該主燃焼室の
底部に空気を噴出させる主燃焼室空気分散装置を設け、
該仕切壁により該主燃焼室と仕切られた熱回収室を形成
せしめ、該熱回収室内には受熱流体を通じた伝熱管を配
備するとともに、該熱回収室の底部に空気を噴出させる
熱回収室散気装置を設け、該主燃焼室の内部に流動媒体
の旋回流を形成させるとともに、該主燃焼室と該熱回収
室の間に流動媒体の循環流を形成させ、該熱回収室散気
装置から噴出する空気量を調整することにより、該主燃
焼室と該熱回収室の間の流動媒体の循環量を制御すると
ともに、該熱回収室内に配備した該伝熱管の総括伝熱係
数を変化させて負荷制御を行うとともに、該熱回収室の
上方は前記主燃焼室の上方と一体となってフリーボード
を形成し、該フリーボードに2次空気を吹き込むように
してもよい。本発明の一態様によれば、圧力容器の内部
に燃焼器を配置し、該燃焼器内の流動層で燃料を燃焼す
る加圧流動床ボイラにおいて、該燃焼器の底部の流動層
内に仕切壁を設けて主燃焼室を構成し、該主燃焼室の底
部に空気を噴出させる主燃焼室空気分散装置を設け、該
仕切壁により該主燃焼室と仕切られた熱回収室を形成せ
しめ、該熱回収室内には受熱流体を通じた伝熱管を配備
するとともに、該熱回収室の底部に空気を噴出させる熱
回収室散気装置を設け、該主燃焼室の内部に流動媒体の
旋回流を形成させるとともに、該主燃焼室と該熱回収室
の間に流動媒体の循環流を形成させ、該熱回収室散気装
置から噴出する空気量を調整することにより、該主燃焼
室と該熱回収室の間の流動媒体の循環量を制御するとと
もに、該熱回収室と主燃焼室の間にスクリーンを設けて
もよい。本発明の一態様によれば、圧力容器の内部に燃
焼器を配置し、該燃焼器内の流動層で燃料を燃焼する加
圧流動床ボイラにおいて、該燃焼器の底部の流動層内に
仕切壁を設けて主燃焼室を構成し、該主燃焼室の底部に
空気を噴出させる主燃焼室空気分散装置を設け、該仕切
壁により該主燃焼室と仕切られた熱回収室を形成せし
め、該熱回収室内には受熱流体を通じた伝熱管を配備す
るとともに、該熱回収室の底部に空気を噴出させる熱回
収室散気装置を設け、該主燃焼室の内部に流動媒体の旋
回流を形成させるとともに、該主燃焼室と該熱回収室の
間に流動媒体の循環流を形成させ、該熱回収室散気装置
から噴出する空気量を調整することにより、該主燃焼室
と該熱回収室の間の流動媒体の循環量を制御し、該熱回
収室内に配備した該伝熱管の総括伝熱係数を変化させて
負荷制御を行うとともに、集塵装置で捕集した飛灰を冷
却したあと大気圧下で分級し未燃炭素分や未反応脱硫剤
を選択的に燃焼器に戻すようにしてもよい。本発明の一
態様によれば、圧力容器の内部に燃焼器を配置し、該燃
焼器内の流動層で燃料を燃焼する加圧流動床ボイラにお
いて、該圧力容器は円筒形状をなすとともに内部には円
筒形燃焼器が配置されており、該燃焼器の底部の流動層
内に仕切壁を設けて主燃焼室を構成し、該主燃焼室の底
部に空気を噴出させる主燃焼室空気分散装置を設け、該
仕切壁により該主燃焼室と仕切られた熱回収室を形成せ
しめ、該熱回収室内には受熱流体を通じた伝熱管を配備
するとともに、該熱回収室の底部に空気を噴出させる熱
回収室散気装置を設け、該主燃焼室の内部に流動媒体の
旋回流を形成させるとともに、該主燃焼室と該熱回収室
の間に流動媒体の循環流を形成させ、該熱回収室散気装
置から噴出する空気量を調整することにより、該主燃焼
室と該熱回収室の間の流動媒体の循環量を制御するとと
もに、該熱回収室内に配備した該伝熱管の総括伝熱係数
を変化させて負荷制御を行うようにしてもよい。本発明
の一態様によれば、圧力容器の内部に燃焼器を配置し、
該燃焼器内の流動層で燃料を燃焼する加圧流動床ボイラ
において、該燃焼器を円筒形にするとともに該円筒外壁
と同心の円筒状仕切壁を設け、該燃焼器の底部の流動層
内に仕切壁を設けて主燃焼室を構成し、該主燃焼室の底
部に空気を噴出させる主燃焼室空気分散装置を設け、該
仕切壁により該主燃焼室と仕切られた熱回収室を形成せ
しめ、該熱回収室内には受熱流体を通じた伝熱管を配備
するとともに、該熱回収室の底部に空気を噴出させる熱
回収室散気装置を設け、該主燃焼室の内部に流動媒体の
旋回流を形成させるとともに、該主燃焼室と該熱回収室
の間に流動媒体の循環流を形成させ、該熱回収室散気装
置から噴出する空気量を調整することにより、該主燃焼
室と該熱回収室の間の流動媒体の循環量を制御するとと
もに該熱回収室内に配備した該伝熱管の総括伝熱係数を
変化させて負荷制御を行うようにしてもよい。
【0017】
【作用】前述の手段によって以下に列挙する作用を奏す
る。 (1) 燃焼室と熱回収室とを同一炉内にて機能的に分
離したことにより、負荷制御は流動層高変化法によるこ
となく、熱回収室の風量調節による層内伝熱管の総括熱
伝達係数の変化により容易に行うことができるため、流
動媒体の出し入れなどに伴う複雑な操作や設備が不要で
あり、また、流動媒体の出し入れの際に生ずるアグロメ
レーションの発生を防止できる。また、負荷変化時であ
っても流動層温度をほぼ一定に保持できることから、常
にNOx,SOx等の抑制に最適な温度条件で運転する
ことができる。しかも、層内伝熱管は緩やかな流動状態
にある熱回収室にのみ存在するため、激しい流動状態に
ある流動層内に配置された場合に比べ摩耗が少ない。ま
た、流動層内部に旋回流が形成されるため、流動層内で
の流れの滞留が無く、石炭等の燃料が均一に分散燃焼す
るため、アグロメの発生を防止できる。そして、流動層
を出たガスが層内管で冷却されることがないため、一酸
化炭素(CO)の発生量を低く抑えることができるほ
か、ガスタービン効率の低下を防げる。さらに熱回収室
の上方は主燃焼室の上方と一体となって広い空間のフリ
ーボードを形成し、このフリーボード内で熱回収室から
の燃焼ガスと主燃焼室からの燃焼ガスとが混合される。
したがって、フリーボードにおける燃焼ガス滞留時間を
長くすることができ、可燃分をフリーボード内で十分に
燃焼させることができる。また、フリーボードにおい
て、2次空気を吹き込むことにより、主燃焼室および熱
回収室からの燃焼ガスを混合撹拌し、燃焼ガスに含まれ
る燃焼物質を十分に燃焼させることができる。
る。 (1) 燃焼室と熱回収室とを同一炉内にて機能的に分
離したことにより、負荷制御は流動層高変化法によるこ
となく、熱回収室の風量調節による層内伝熱管の総括熱
伝達係数の変化により容易に行うことができるため、流
動媒体の出し入れなどに伴う複雑な操作や設備が不要で
あり、また、流動媒体の出し入れの際に生ずるアグロメ
レーションの発生を防止できる。また、負荷変化時であ
っても流動層温度をほぼ一定に保持できることから、常
にNOx,SOx等の抑制に最適な温度条件で運転する
ことができる。しかも、層内伝熱管は緩やかな流動状態
にある熱回収室にのみ存在するため、激しい流動状態に
ある流動層内に配置された場合に比べ摩耗が少ない。ま
た、流動層内部に旋回流が形成されるため、流動層内で
の流れの滞留が無く、石炭等の燃料が均一に分散燃焼す
るため、アグロメの発生を防止できる。そして、流動層
を出たガスが層内管で冷却されることがないため、一酸
化炭素(CO)の発生量を低く抑えることができるほ
か、ガスタービン効率の低下を防げる。さらに熱回収室
の上方は主燃焼室の上方と一体となって広い空間のフリ
ーボードを形成し、このフリーボード内で熱回収室から
の燃焼ガスと主燃焼室からの燃焼ガスとが混合される。
したがって、フリーボードにおける燃焼ガス滞留時間を
長くすることができ、可燃分をフリーボード内で十分に
燃焼させることができる。また、フリーボードにおい
て、2次空気を吹き込むことにより、主燃焼室および熱
回収室からの燃焼ガスを混合撹拌し、燃焼ガスに含まれ
る燃焼物質を十分に燃焼させることができる。
【0018】(2)大気圧以上の内部圧力を保持するよ
うに構成された圧力容器に収納された円筒形燃焼器の流
動層内部に仕切壁を設けて、主燃焼室と熱回収室を分離
し、該仕切壁は、円筒状仕切壁と円錐状仕切壁からな
り、この円錐状仕切壁は流動化用空気の上向き流路をさ
えぎり、流動化用空気を炉内中央に向けて反射転向させ
る反射壁として機能させるとともに、主燃焼室には円錐
状の炉床を設け、該炉床に配置した空気分散ノズルによ
って主燃焼室内を流動化するが、その際主燃焼室の約1
/2程度の径の同心円の範囲内は最低流動化速度の1〜
2.5倍程度の緩やかな流動化状態とし同心円の外側の
環状部では最低流動化速度の4〜12倍程度の強い流動
化状態となるように空気分散ノズルからの吹き出し空気
量を調節することにより、主燃焼室流動層内部では、流
動媒体が中央から円錐状炉床面に沿いながら全方位に向
かって緩やかに分散移動したのち、前記仕切壁の内側に
沿って吹き上がるが、次第に中心方向への凝集力が高ま
り、流動層表面で最高に達すると一転その反力で周方向
および上方向へ爆発的に流動媒体が飛散し、その結果多
量の流動媒体が仕切壁を越えて前記熱回収室へ入り込
む。
うに構成された圧力容器に収納された円筒形燃焼器の流
動層内部に仕切壁を設けて、主燃焼室と熱回収室を分離
し、該仕切壁は、円筒状仕切壁と円錐状仕切壁からな
り、この円錐状仕切壁は流動化用空気の上向き流路をさ
えぎり、流動化用空気を炉内中央に向けて反射転向させ
る反射壁として機能させるとともに、主燃焼室には円錐
状の炉床を設け、該炉床に配置した空気分散ノズルによ
って主燃焼室内を流動化するが、その際主燃焼室の約1
/2程度の径の同心円の範囲内は最低流動化速度の1〜
2.5倍程度の緩やかな流動化状態とし同心円の外側の
環状部では最低流動化速度の4〜12倍程度の強い流動
化状態となるように空気分散ノズルからの吹き出し空気
量を調節することにより、主燃焼室流動層内部では、流
動媒体が中央から円錐状炉床面に沿いながら全方位に向
かって緩やかに分散移動したのち、前記仕切壁の内側に
沿って吹き上がるが、次第に中心方向への凝集力が高ま
り、流動層表面で最高に達すると一転その反力で周方向
および上方向へ爆発的に流動媒体が飛散し、その結果多
量の流動媒体が仕切壁を越えて前記熱回収室へ入り込
む。
【0019】一方、流動層表面に残った流動媒体は中心
付近で円筒状の流れとなって周囲の流動媒体を巻き込み
ながら沈降し、前記円錐状炉床中心付近に到達すると今
度は再び水平周方向への移動に転じる循環流が生じる。
この循環流によって、流動媒体が中央から円錐状炉床面
に沿いながら、全方位に向かって緩やかに分散移動する
拡散流が生じるため燃料や脱硫剤などの均一な拡散が行
われることから、燃焼が均一となりアグロメレーション
の発生がなく、また給炭口も少なくてすみ、給炭設備が
きわめて簡素化されるなどの効果がある。流動層表面に
残った流動媒体は中心付近で円筒状の流れとなって周囲
の流動媒体を巻き込みながら沈降するため、燃料や脱硫
剤などの層内滞留時間が長くとれ、燃焼効率の向上、脱
硫効率の向上にきわめて効果的である。
付近で円筒状の流れとなって周囲の流動媒体を巻き込み
ながら沈降し、前記円錐状炉床中心付近に到達すると今
度は再び水平周方向への移動に転じる循環流が生じる。
この循環流によって、流動媒体が中央から円錐状炉床面
に沿いながら、全方位に向かって緩やかに分散移動する
拡散流が生じるため燃料や脱硫剤などの均一な拡散が行
われることから、燃焼が均一となりアグロメレーション
の発生がなく、また給炭口も少なくてすみ、給炭設備が
きわめて簡素化されるなどの効果がある。流動層表面に
残った流動媒体は中心付近で円筒状の流れとなって周囲
の流動媒体を巻き込みながら沈降するため、燃料や脱硫
剤などの層内滞留時間が長くとれ、燃焼効率の向上、脱
硫効率の向上にきわめて効果的である。
【0020】一方、多量の流動媒体が仕切壁を越えて、
熱回収室に入り込むが、この時、主燃焼室と熱回収室上
部のフリーボードには熱回収室を囲うようにクシ歯状な
どの形状をしたスクリーンを設けることによって粒径の
粗い石炭など固形燃料の混入を防止できることから、熱
回収室流動層は最低流動化速度の2倍以内の緩やかな流
動状態であるにもかかわらず、アグロメレーションの形
成を避けることができる。このスクリーンは、熱回収室
から発生する燃焼ガスに対してはバッフルの作用を果た
し、主燃焼室から発生する燃焼ガスと十分に混合撹拌す
る効果が得られる。
熱回収室に入り込むが、この時、主燃焼室と熱回収室上
部のフリーボードには熱回収室を囲うようにクシ歯状な
どの形状をしたスクリーンを設けることによって粒径の
粗い石炭など固形燃料の混入を防止できることから、熱
回収室流動層は最低流動化速度の2倍以内の緩やかな流
動状態であるにもかかわらず、アグロメレーションの形
成を避けることができる。このスクリーンは、熱回収室
から発生する燃焼ガスに対してはバッフルの作用を果た
し、主燃焼室から発生する燃焼ガスと十分に混合撹拌す
る効果が得られる。
【0021】特に、加圧流動床ボイラにおいては、燃焼
排ガス中の未燃分が多いことは、燃焼効率の低下は当然
であるが、さらに下流側に設けられた集塵装置、例えば
サイクロン内で未燃分の燃焼が発生しアグロメレーショ
ンの形成が起きたり、またセラミックフィルタの場合に
はフィルタ表面で燃焼しフィルタを破損するなどのトラ
ブルが発生し、運転不能に立ち至るなど深刻な問題につ
ながっている。そのため燃焼炉内で可燃分を完全に燃焼
することが望ましく、前記スクリーンのバッフル作用に
よる撹拌混合効果は、後述の2次空気の投入方法や、フ
リーボード高さ、フリーボードにおける燃焼ガス滞留時
間などとも相乗的に作用し、燃料中の可燃分をフリーボ
ード内で十分に燃焼させる上で大きな効果を発揮してい
る。
排ガス中の未燃分が多いことは、燃焼効率の低下は当然
であるが、さらに下流側に設けられた集塵装置、例えば
サイクロン内で未燃分の燃焼が発生しアグロメレーショ
ンの形成が起きたり、またセラミックフィルタの場合に
はフィルタ表面で燃焼しフィルタを破損するなどのトラ
ブルが発生し、運転不能に立ち至るなど深刻な問題につ
ながっている。そのため燃焼炉内で可燃分を完全に燃焼
することが望ましく、前記スクリーンのバッフル作用に
よる撹拌混合効果は、後述の2次空気の投入方法や、フ
リーボード高さ、フリーボードにおける燃焼ガス滞留時
間などとも相乗的に作用し、燃料中の可燃分をフリーボ
ード内で十分に燃焼させる上で大きな効果を発揮してい
る。
【0022】(3)本発明の内部循環流動床ボイラは主
燃焼室には伝熱面を有しないため、主燃焼室を還元雰囲
気で燃焼することが可能である。そのため、燃焼用空気
の分配比率の設定によって、主燃焼室には燃焼に必要な
理論空気量以下の空気を供給するほか、熱回収室には制
御に必要な空気量を投入し、さらに完全燃焼に必要な残
りの空気量は2次空気としてフリーボードに設けた複数
の2次空気ノズルを用いて、供給する2段燃焼を行う。
その結果主燃焼室を還元雰囲気で燃焼し、還元燃焼によ
って石炭の揮発分放出を活発に行い、気相反応において
CH4 などの炭化水素やCOあるいは気相のN化学種
(NHi、HCNなど)等が燃焼によって生成した窒素
酸化物を還元するとともに、N化学種が酸化物へ転換す
る選択性を低下させる効果をもたらし、低NOx燃焼が
可能となるものである。
燃焼室には伝熱面を有しないため、主燃焼室を還元雰囲
気で燃焼することが可能である。そのため、燃焼用空気
の分配比率の設定によって、主燃焼室には燃焼に必要な
理論空気量以下の空気を供給するほか、熱回収室には制
御に必要な空気量を投入し、さらに完全燃焼に必要な残
りの空気量は2次空気としてフリーボードに設けた複数
の2次空気ノズルを用いて、供給する2段燃焼を行う。
その結果主燃焼室を還元雰囲気で燃焼し、還元燃焼によ
って石炭の揮発分放出を活発に行い、気相反応において
CH4 などの炭化水素やCOあるいは気相のN化学種
(NHi、HCNなど)等が燃焼によって生成した窒素
酸化物を還元するとともに、N化学種が酸化物へ転換す
る選択性を低下させる効果をもたらし、低NOx燃焼が
可能となるものである。
【0023】(4)仕切壁の下部、連絡流路の炉床に空
気室と散気装置を設けたことによって連絡流路全体が流
動化し、熱回収室を通って主燃焼室へ循環する流動媒体
の量を増加することができる。前記空気室は熱回収制御
用空気室と連通していてもよく、または該空気室とは独
立して制御してもよく、独立制御の場合は熱回収室散気
量とは無関係に流動媒体循環量を制御することができ、
1種の調節弁のような作用を行わせることも可能であ
る。その結果、矩形燃焼炉の場合よりも多量の流動媒体
を潤滑することができ、矩形燃焼炉の場合と比較して熱
回収室が大きくとれる円筒形の燃焼炉の特性を活かすこ
とができる。
気室と散気装置を設けたことによって連絡流路全体が流
動化し、熱回収室を通って主燃焼室へ循環する流動媒体
の量を増加することができる。前記空気室は熱回収制御
用空気室と連通していてもよく、または該空気室とは独
立して制御してもよく、独立制御の場合は熱回収室散気
量とは無関係に流動媒体循環量を制御することができ、
1種の調節弁のような作用を行わせることも可能であ
る。その結果、矩形燃焼炉の場合よりも多量の流動媒体
を潤滑することができ、矩形燃焼炉の場合と比較して熱
回収室が大きくとれる円筒形の燃焼炉の特性を活かすこ
とができる。
【0024】(5)熱回収室流動槽の内部に層内伝熱管
を放射状に配置し、しかも用途別に蒸発管ブロック、蒸
気過熱管ブロック、蒸気再熱管ブロックとして使用する
ため、平面で見て数個の管群に機能別に分割して配置し
たことにより熱回収室炉床部からの散気量をそれぞれの
ブロック毎に調整し、各ブロックの収熱量を独立して制
御することが可能である。また、各ブロックの間には、
メンテナンススペースが取ってあり、層内伝熱管の点検
等に効果的である。また、メンテナンススペースは必ず
しも必要でなく、メンテナンススペースを設けない場合
は、よりコンパクトになる。
を放射状に配置し、しかも用途別に蒸発管ブロック、蒸
気過熱管ブロック、蒸気再熱管ブロックとして使用する
ため、平面で見て数個の管群に機能別に分割して配置し
たことにより熱回収室炉床部からの散気量をそれぞれの
ブロック毎に調整し、各ブロックの収熱量を独立して制
御することが可能である。また、各ブロックの間には、
メンテナンススペースが取ってあり、層内伝熱管の点検
等に効果的である。また、メンテナンススペースは必ず
しも必要でなく、メンテナンススペースを設けない場合
は、よりコンパクトになる。
【0025】(6)燃焼排ガス系統に設けたサイクロン
で捕集した飛灰を熱回収室に戻すように構成することに
より、熱回収室内の平均粒子径および比重量が小さくな
る。主燃焼室内の平均粒子径が0.6mm程度なのに対
し、燃焼排ガスに同伴しサイクロンで捕集されリサイク
ルする粒子径ははるかに小さく、またチャーも含まれる
ため比重量も小さいからである。熱回収室においては、
流動化ガス速度が最低流動化速度の2倍程度と小さいた
め、リサイクルした粒子が再飛散することなく、したが
って熱回収室内の平均粒子径および比重量は主燃焼室に
比べて小さくなる。
で捕集した飛灰を熱回収室に戻すように構成することに
より、熱回収室内の平均粒子径および比重量が小さくな
る。主燃焼室内の平均粒子径が0.6mm程度なのに対
し、燃焼排ガスに同伴しサイクロンで捕集されリサイク
ルする粒子径ははるかに小さく、またチャーも含まれる
ため比重量も小さいからである。熱回収室においては、
流動化ガス速度が最低流動化速度の2倍程度と小さいた
め、リサイクルした粒子が再飛散することなく、したが
って熱回収室内の平均粒子径および比重量は主燃焼室に
比べて小さくなる。
【0026】最低流動化速度(Umf)は流動媒体の粒径
の2乗に比例し、また比重量とも比例するため、熱回収
室の流動化速度は主燃焼室と比較してかなり小さくな
る。従って熱回収制御用空気量は、熱回収室にリサイク
ルしない場合と比較して、かなり少なくてすむことにな
り、結果として熱回収室内の流動化ガス速度(U0 )が
小さくなる。熱回収室内に配置された層内伝熱管の摩耗
速度は流動化ガス速度(U0 )の3乗に比例することか
ら、U0 が小さくなることにより、摩耗は大きく低減す
ることになる。また、熱回収制御用空気は、主燃焼室の
流動層温度をコントロールするため常に変動している
が、この空気量が少なくてすむことは、熱回収空気量の
変動が燃焼に及ぼす影響を少なくすることであり、安定
燃焼にきわめて効果的である。
の2乗に比例し、また比重量とも比例するため、熱回収
室の流動化速度は主燃焼室と比較してかなり小さくな
る。従って熱回収制御用空気量は、熱回収室にリサイク
ルしない場合と比較して、かなり少なくてすむことにな
り、結果として熱回収室内の流動化ガス速度(U0 )が
小さくなる。熱回収室内に配置された層内伝熱管の摩耗
速度は流動化ガス速度(U0 )の3乗に比例することか
ら、U0 が小さくなることにより、摩耗は大きく低減す
ることになる。また、熱回収制御用空気は、主燃焼室の
流動層温度をコントロールするため常に変動している
が、この空気量が少なくてすむことは、熱回収空気量の
変動が燃焼に及ぼす影響を少なくすることであり、安定
燃焼にきわめて効果的である。
【0027】(7)円筒形内部循環流動床ボイラから導
出される燃焼排ガスの通路には集塵装置を設置し、かつ
捕集した飛灰から未反応脱硫剤と未燃炭素分を回収する
ための分級装置を設け、該飛灰を粒径別に大中小3段階
に分級し、中間の粒径の飛灰のみ主燃焼室およびまたは
フリーボードおよびまたは燃料供給系統に戻すように構
成したことにより、チャー濃度が最も高い通常10〜6
0μm程度の範囲の粒子のみ円筒形燃焼器へ戻すことが
できるため、最少の循環灰量でNOx低減、燃焼ガス系
統の摩耗の低減、燃焼効率上昇などの効果を上げること
が可能となる。
出される燃焼排ガスの通路には集塵装置を設置し、かつ
捕集した飛灰から未反応脱硫剤と未燃炭素分を回収する
ための分級装置を設け、該飛灰を粒径別に大中小3段階
に分級し、中間の粒径の飛灰のみ主燃焼室およびまたは
フリーボードおよびまたは燃料供給系統に戻すように構
成したことにより、チャー濃度が最も高い通常10〜6
0μm程度の範囲の粒子のみ円筒形燃焼器へ戻すことが
できるため、最少の循環灰量でNOx低減、燃焼ガス系
統の摩耗の低減、燃焼効率上昇などの効果を上げること
が可能となる。
【0028】(8)トッピングサイクル複合発電システ
ムにおいて、ガス化炉および/または酸化炉に加圧内部
循環型流動床ボイラを用い、ガス化炉から排出される未
燃チャーは全量生成ガスと同伴させ、600℃以下に冷
却され、その後段に設置した集塵装置で捕集したあと、
酸化炉に導入して完全燃焼させ、その燃焼排ガスは酸化
炉を出たあと600℃以下に冷却され、後段に設置した
集塵装置によりNa,Kを含んだ粒子を捕集排出し、清
浄になった燃焼ガスと前記ガス化炉を出たあと集塵され
てNa,Kを含んだ粒子を捕集排出し清浄になった生成
ガスをトッピングサイクル燃焼器で混合燃焼し、発生し
た高温の燃焼ガスをガスタービンに導入するように構成
したことにより、ガスタービンブレードの高温腐食の原
因となるNa,K等のアルカリ金属が燃焼ガス中に含ま
れないため、ガスタービンの材質、設計が従来技術で対
応することが可能である。
ムにおいて、ガス化炉および/または酸化炉に加圧内部
循環型流動床ボイラを用い、ガス化炉から排出される未
燃チャーは全量生成ガスと同伴させ、600℃以下に冷
却され、その後段に設置した集塵装置で捕集したあと、
酸化炉に導入して完全燃焼させ、その燃焼排ガスは酸化
炉を出たあと600℃以下に冷却され、後段に設置した
集塵装置によりNa,Kを含んだ粒子を捕集排出し、清
浄になった燃焼ガスと前記ガス化炉を出たあと集塵され
てNa,Kを含んだ粒子を捕集排出し清浄になった生成
ガスをトッピングサイクル燃焼器で混合燃焼し、発生し
た高温の燃焼ガスをガスタービンに導入するように構成
したことにより、ガスタービンブレードの高温腐食の原
因となるNa,K等のアルカリ金属が燃焼ガス中に含ま
れないため、ガスタービンの材質、設計が従来技術で対
応することが可能である。
【0029】
【実施例】以下、本発明に係る加圧内部循環型流動床ボ
イラの実施例を図面を参照して説明する。 (実施例1)図1は本発明の加圧円筒形内部循環型流動
床ボイラの縦断面図を示し、図2(a)は図1のII
(a)−II(a)線断面図である。図1に示す実施例
は、円筒形の圧力容器に円筒形内部循環型流動床ボイラ
を内蔵した実施例であり、これを用いて本発明の概略の
構成を説明する。
イラの実施例を図面を参照して説明する。 (実施例1)図1は本発明の加圧円筒形内部循環型流動
床ボイラの縦断面図を示し、図2(a)は図1のII
(a)−II(a)線断面図である。図1に示す実施例
は、円筒形の圧力容器に円筒形内部循環型流動床ボイラ
を内蔵した実施例であり、これを用いて本発明の概略の
構成を説明する。
【0030】圧力容器1は円筒形状をなし、上面が燃焼
ガス出口4を有する鏡板であり、下面は流動用空気入口
3、熱回収室制御用空気入口5などを有する鏡板となっ
ており、大気圧以上の内部圧力を保持できるように構成
されている。なお、図1に示す圧力容器1は円筒形状を
なすが、球形であっても良い。
ガス出口4を有する鏡板であり、下面は流動用空気入口
3、熱回収室制御用空気入口5などを有する鏡板となっ
ており、大気圧以上の内部圧力を保持できるように構成
されている。なお、図1に示す圧力容器1は円筒形状を
なすが、球形であっても良い。
【0031】圧力容器1の内部には円筒形燃焼器2が配
置されており、該円筒形燃焼器2は水管を連結して構成
された円筒外壁11を有する1つの密閉容器になってお
り、その内部に燃焼室流動層が形成されている。円筒形
燃焼器2の上端部には燃焼ガス出口2aが設けてあり、
この燃焼ガス出口2aは圧力容器1の燃焼ガス出口4と
接合されている。また円筒形燃焼器2の底部周囲は圧力
容器1の下部鏡板の上に取り付けられた円筒形サポート
7によって支持されている。
置されており、該円筒形燃焼器2は水管を連結して構成
された円筒外壁11を有する1つの密閉容器になってお
り、その内部に燃焼室流動層が形成されている。円筒形
燃焼器2の上端部には燃焼ガス出口2aが設けてあり、
この燃焼ガス出口2aは圧力容器1の燃焼ガス出口4と
接合されている。また円筒形燃焼器2の底部周囲は圧力
容器1の下部鏡板の上に取り付けられた円筒形サポート
7によって支持されている。
【0032】円筒形燃焼器2の流動層内部には仕切壁8
が設けられ、この仕切壁8によって主燃焼室9と熱回収
室10とを分離している。仕切壁8は円筒外壁11から
取り出された水管によって構成され、この水管はさらに
耐火耐熱材料によって被覆されている。仕切壁8は円筒
形仕切壁8aとこの円筒形仕切壁8の上部に形成された
円錐状仕切壁8bとからなり、この円錐状仕切壁8bは
流動化用空気の上向き流路をさえぎり、流動化用空気を
炉内中央に向けて反射転向させる反射壁として機能し、
その結果主燃焼室9の内部に矢印で示すような旋回流が
生じる。また主燃焼室9及び熱回収室10の上方は一体
となってフリーボード31を形成している。熱回収室1
0の上部のフリーボードと主燃焼室9の上部のフリーボ
ードの間には、仕切壁などはなく一体の空間のフリーボ
ード31となっており、双方の燃焼ガスが相互に自由に
行き交うように構成されている。
が設けられ、この仕切壁8によって主燃焼室9と熱回収
室10とを分離している。仕切壁8は円筒外壁11から
取り出された水管によって構成され、この水管はさらに
耐火耐熱材料によって被覆されている。仕切壁8は円筒
形仕切壁8aとこの円筒形仕切壁8の上部に形成された
円錐状仕切壁8bとからなり、この円錐状仕切壁8bは
流動化用空気の上向き流路をさえぎり、流動化用空気を
炉内中央に向けて反射転向させる反射壁として機能し、
その結果主燃焼室9の内部に矢印で示すような旋回流が
生じる。また主燃焼室9及び熱回収室10の上方は一体
となってフリーボード31を形成している。熱回収室1
0の上部のフリーボードと主燃焼室9の上部のフリーボ
ードの間には、仕切壁などはなく一体の空間のフリーボ
ード31となっており、双方の燃焼ガスが相互に自由に
行き交うように構成されている。
【0033】また熱回収室10内には、円筒外壁11の
外側に設けた層内管用上部ヘッダー13と層内管用下部
ヘッダー14とから分岐した層内伝熱管15が配置され
ており、この層内伝熱管15は図2(a)に示されるよ
うに平面的にみて放射状に配置されている。圧力容器1
の下部には給水入口16が設置されており、給水入口1
6から導入されたボイラ水は前記円筒外壁11を経由し
たあと、連絡管16aを経由して層内管用下部ヘッダー
14に導入され、この層内管用下部ヘッダー管14から
層内伝熱管15に分配される。そして、層内伝熱管15
で発生した蒸気は層内管用上部ヘッダー13に集合し蒸
気出口17から外部に導出される。
外側に設けた層内管用上部ヘッダー13と層内管用下部
ヘッダー14とから分岐した層内伝熱管15が配置され
ており、この層内伝熱管15は図2(a)に示されるよ
うに平面的にみて放射状に配置されている。圧力容器1
の下部には給水入口16が設置されており、給水入口1
6から導入されたボイラ水は前記円筒外壁11を経由し
たあと、連絡管16aを経由して層内管用下部ヘッダー
14に導入され、この層内管用下部ヘッダー管14から
層内伝熱管15に分配される。そして、層内伝熱管15
で発生した蒸気は層内管用上部ヘッダー13に集合し蒸
気出口17から外部に導出される。
【0034】一方、圧力容器1には均圧ノズル18が設
けられており、流動用空気入口3に連結する高圧の流動
用空気系統19から均圧空気系統19aを分岐して、該
均圧ノズル18に接続し、圧力容器1内部と円筒形燃焼
器2内部が流動層の圧力損失分を除きほぼ均一な圧力と
し、該燃焼器2が非耐圧構造となるように工夫してい
る。ただし、この場合円筒形燃焼器2のフリーボード3
1においては、流動層圧力損失分の外圧は受けることに
なる。また、均圧ノズル18の手前で減圧弁等を設け
て、圧力容器1と円筒形燃焼器2の間の空間36とフリ
ーボード31が均圧になるようにする場合には円筒形燃
焼器2の内、流動層より下部は流動層圧力損失分の内圧
を受けることになる。また圧力容器1には給炭入口6が
設けられ、この給炭入口6は給炭ノズル22に連なって
いる。
けられており、流動用空気入口3に連結する高圧の流動
用空気系統19から均圧空気系統19aを分岐して、該
均圧ノズル18に接続し、圧力容器1内部と円筒形燃焼
器2内部が流動層の圧力損失分を除きほぼ均一な圧力と
し、該燃焼器2が非耐圧構造となるように工夫してい
る。ただし、この場合円筒形燃焼器2のフリーボード3
1においては、流動層圧力損失分の外圧は受けることに
なる。また、均圧ノズル18の手前で減圧弁等を設け
て、圧力容器1と円筒形燃焼器2の間の空間36とフリ
ーボード31が均圧になるようにする場合には円筒形燃
焼器2の内、流動層より下部は流動層圧力損失分の内圧
を受けることになる。また圧力容器1には給炭入口6が
設けられ、この給炭入口6は給炭ノズル22に連なって
いる。
【0035】主燃焼室9には、中心部が高く外周側へ向
かうにつれて低くなった円錐状の炉床20が設置され、
該炉床20に空気分散ノズル21が設置されている。そ
して、流動化用空気入口3に連通した空気分散ノズル2
1から流動化用空気を噴出し主燃焼室9内で流動媒体を
流動化するようになっている。また、前記給炭ノズル2
2は主燃焼室9の炉床20近傍でかつ仕切壁8の近傍に
開口している。空気分散ノズル21の外周環状部から噴
出する流動化用空気の質量速度は、炉内の流動媒体の流
動層を形成するのに十分な速度とするが、空気分散ノズ
ル21の中央部から噴出する流動化用空気の質量速度は
外周環状部よりも小さく選ばれている。これによって、
主燃焼室9の約1/2程度の径の同心円の範囲内は最低
流動化速度の1〜2.5倍程度の緩やかな流動化状態と
し、同心円の外側の環状部では最低流動化速度の4〜1
2倍程度の強い流動化状態となるようにし、主燃焼室流
動層内部では、流動媒体が中央から円錐状炉床面に沿い
ながら全方位に向かって緩やかに分散移動したのち、前
記外周環状部に至るとそこでは、流動化速度が大きいた
めに移動方向は上向きに転じ、前記仕切壁8の内側に沿
って吹き上がるが、次第に中心方向への凝集力が高ま
り、流動層表面で最高に達すると一転その反力で周方向
および上方向へ爆発的に流動媒体が飛散する。
かうにつれて低くなった円錐状の炉床20が設置され、
該炉床20に空気分散ノズル21が設置されている。そ
して、流動化用空気入口3に連通した空気分散ノズル2
1から流動化用空気を噴出し主燃焼室9内で流動媒体を
流動化するようになっている。また、前記給炭ノズル2
2は主燃焼室9の炉床20近傍でかつ仕切壁8の近傍に
開口している。空気分散ノズル21の外周環状部から噴
出する流動化用空気の質量速度は、炉内の流動媒体の流
動層を形成するのに十分な速度とするが、空気分散ノズ
ル21の中央部から噴出する流動化用空気の質量速度は
外周環状部よりも小さく選ばれている。これによって、
主燃焼室9の約1/2程度の径の同心円の範囲内は最低
流動化速度の1〜2.5倍程度の緩やかな流動化状態と
し、同心円の外側の環状部では最低流動化速度の4〜1
2倍程度の強い流動化状態となるようにし、主燃焼室流
動層内部では、流動媒体が中央から円錐状炉床面に沿い
ながら全方位に向かって緩やかに分散移動したのち、前
記外周環状部に至るとそこでは、流動化速度が大きいた
めに移動方向は上向きに転じ、前記仕切壁8の内側に沿
って吹き上がるが、次第に中心方向への凝集力が高ま
り、流動層表面で最高に達すると一転その反力で周方向
および上方向へ爆発的に流動媒体が飛散する。
【0036】その結果多量の流動媒体が仕切壁8を越え
て前記熱回収室10へ入り込む。このとき熱回収室流動
層は最低流動化速度の2倍以内の緩やかな流動状態であ
るのでアグロメレーションが発生しやすい状態にあり、
粒径の粗い石炭など固形燃料の混入は避ける必要があ
る。そのためフリーボード31には熱回収室10を囲う
ようにクシ歯状の形状をした水管及びプロテクターから
なるスクリーン12が設けられており、このスクリーン
12により粗粒固形燃料の流入を防止するとともとに熱
回収室10から発生する燃焼ガスに対してはバッフルの
効果を果たし、主燃焼室9から発生する燃焼ガスと十分
に混合撹拌するようにしている。
て前記熱回収室10へ入り込む。このとき熱回収室流動
層は最低流動化速度の2倍以内の緩やかな流動状態であ
るのでアグロメレーションが発生しやすい状態にあり、
粒径の粗い石炭など固形燃料の混入は避ける必要があ
る。そのためフリーボード31には熱回収室10を囲う
ようにクシ歯状の形状をした水管及びプロテクターから
なるスクリーン12が設けられており、このスクリーン
12により粗粒固形燃料の流入を防止するとともとに熱
回収室10から発生する燃焼ガスに対してはバッフルの
効果を果たし、主燃焼室9から発生する燃焼ガスと十分
に混合撹拌するようにしている。
【0037】特に加圧流動床ボイラにおいては、燃焼排
ガス中の未燃分が多いことは、燃焼効率の低下は当然で
あるが、さらに下流側に設けられた集塵装置、例えばサ
イクロン内で未燃分の燃焼が発生しアグロメレーション
の形成が起きたり、またセラミックフィルタの場合には
フィルタ表面で燃焼しフィルタを破損するなどのトラブ
ルが発生し、運転不能に立ち至るなど深刻な問題につな
がってくる。そのため、燃焼炉内で可燃分を完全に燃焼
することが望ましく、前記スクリーン12のバッフル作
用による撹拌混合効果は、後述の2次空気の投入方法
や、フリーボード高さ、フリーボードにおける燃焼ガス
滞留時間などとも相乗的に作用し、燃焼中の可燃分をフ
リーボード内で十分に燃焼させる上で大きな効果を発揮
している。
ガス中の未燃分が多いことは、燃焼効率の低下は当然で
あるが、さらに下流側に設けられた集塵装置、例えばサ
イクロン内で未燃分の燃焼が発生しアグロメレーション
の形成が起きたり、またセラミックフィルタの場合には
フィルタ表面で燃焼しフィルタを破損するなどのトラブ
ルが発生し、運転不能に立ち至るなど深刻な問題につな
がってくる。そのため、燃焼炉内で可燃分を完全に燃焼
することが望ましく、前記スクリーン12のバッフル作
用による撹拌混合効果は、後述の2次空気の投入方法
や、フリーボード高さ、フリーボードにおける燃焼ガス
滞留時間などとも相乗的に作用し、燃焼中の可燃分をフ
リーボード内で十分に燃焼させる上で大きな効果を発揮
している。
【0038】一方流動層表面に残った流動媒体は中心付
近で円筒状の流れとなって周囲の流動媒体を巻き込みな
がら沈降し、前記円錐状炉床中心付近に到達すると今度
は再び水平全周方向への移動に転じる循環流が生じる。
この循環流の効果により炉床付近に設けた給炭ノズル2
2から投入したCWP(Coal Water Paste)などが主燃
焼室内全方位方向へ均一に分散し、簡素な給炭設備であ
りながら燃料の偏在が避けられ、クリンカ発生の恐れが
ない。
近で円筒状の流れとなって周囲の流動媒体を巻き込みな
がら沈降し、前記円錐状炉床中心付近に到達すると今度
は再び水平全周方向への移動に転じる循環流が生じる。
この循環流の効果により炉床付近に設けた給炭ノズル2
2から投入したCWP(Coal Water Paste)などが主燃
焼室内全方位方向へ均一に分散し、簡素な給炭設備であ
りながら燃料の偏在が避けられ、クリンカ発生の恐れが
ない。
【0039】また熱回収室10には、内周側より外周側
に向かうにつれて高くなった逆円錐状の炉床23が設置
され、この炉床23に空気分散ノズル24が設置されて
いる。熱回収室制御用空気入口5に連通した空気分散ノ
ズル24から空気を噴出し、熱回収室10内を緩やかに
流動させることにより、仕切壁8を越えて熱回収室10
に入る流動媒体が層内伝熱管15で冷却されつつ熱回収
室流動層内を緩やかに沈降した後、傾斜した炉床に沿っ
て、前記仕切壁8の下部の連絡流路27を通過し て主
燃焼室流動層に還流する。その結果、主燃焼室9で発生
した熱量が熱回収室10の層内伝熱管15を通じて有効
に熱回収されることになる。また円錐状仕切壁8bの背
面にも空気導入パイプ25、背面散気ノズル26を設
け、熱回収室10に入ってきた流動媒体を流動化させ、
部分的に燃焼させることが可能であるが、円錐状仕切壁
8bの角度を大きくした場合には設けなくてもよい。
に向かうにつれて高くなった逆円錐状の炉床23が設置
され、この炉床23に空気分散ノズル24が設置されて
いる。熱回収室制御用空気入口5に連通した空気分散ノ
ズル24から空気を噴出し、熱回収室10内を緩やかに
流動させることにより、仕切壁8を越えて熱回収室10
に入る流動媒体が層内伝熱管15で冷却されつつ熱回収
室流動層内を緩やかに沈降した後、傾斜した炉床に沿っ
て、前記仕切壁8の下部の連絡流路27を通過し て主
燃焼室流動層に還流する。その結果、主燃焼室9で発生
した熱量が熱回収室10の層内伝熱管15を通じて有効
に熱回収されることになる。また円錐状仕切壁8bの背
面にも空気導入パイプ25、背面散気ノズル26を設
け、熱回収室10に入ってきた流動媒体を流動化させ、
部分的に燃焼させることが可能であるが、円錐状仕切壁
8bの角度を大きくした場合には設けなくてもよい。
【0040】主燃焼室炉床20の下方には流動燃焼用空
気室28が形成され、この流動燃焼用空気室28は仕切
壁8を支える水管29に囲まれ、流動用空気入口3につ
ながっている。また熱回収室炉床23の下方には、熱回
収制御用空気室30が形成され、この熱回収制御用空気
室30は熱回収制御用空気入口5によって外部と接続し
ている。
気室28が形成され、この流動燃焼用空気室28は仕切
壁8を支える水管29に囲まれ、流動用空気入口3につ
ながっている。また熱回収室炉床23の下方には、熱回
収制御用空気室30が形成され、この熱回収制御用空気
室30は熱回収制御用空気入口5によって外部と接続し
ている。
【0041】熱回収室10の上方は主燃焼室9の上方と
一体となって広い空間のフリーボード31を形成し、こ
のフリーボード31内で熱回収室10からの燃焼ガスと
主燃焼室9からの燃焼ガスとが混合される。したがっ
て、フリーボード31における燃焼ガス滞留時間を長く
することができ、可燃分をフリーボード31内で十分に
燃焼させることができる。またフリーボード31には複
数の2次空気ノズル33が設置されており、二段燃焼方
式の採用が可能になっている。なお、符号34は2次空
気入口である。本出願の内部循環流動床ボイラは主燃焼
室9には伝熱面を有しないため、主燃焼室を還元雰囲気
で燃焼することが可能である。還元燃焼によって石炭の
揮発分放出を活発に行い、気相反応においてCH4 など
の炭化水素やCOあるいは気相のN化学種(NHi、H
CNなど)等が燃焼によって生成した窒素酸化物を還元
するとともにN化学種が酸化物へ転換する選択性を低下
させることから、低NOx燃焼が可能である。したがっ
て主燃焼室9には燃焼に必要な理論空気量以下の空気を
供給するほか、熱回収室10には制御に必要な空気量を
投入し、さらに完全燃焼に必要な残りの空気量は2次空
気として2次空気ノズル33からフリーボード31に供
給する2段燃焼方式を採用している。
一体となって広い空間のフリーボード31を形成し、こ
のフリーボード31内で熱回収室10からの燃焼ガスと
主燃焼室9からの燃焼ガスとが混合される。したがっ
て、フリーボード31における燃焼ガス滞留時間を長く
することができ、可燃分をフリーボード31内で十分に
燃焼させることができる。またフリーボード31には複
数の2次空気ノズル33が設置されており、二段燃焼方
式の採用が可能になっている。なお、符号34は2次空
気入口である。本出願の内部循環流動床ボイラは主燃焼
室9には伝熱面を有しないため、主燃焼室を還元雰囲気
で燃焼することが可能である。還元燃焼によって石炭の
揮発分放出を活発に行い、気相反応においてCH4 など
の炭化水素やCOあるいは気相のN化学種(NHi、H
CNなど)等が燃焼によって生成した窒素酸化物を還元
するとともにN化学種が酸化物へ転換する選択性を低下
させることから、低NOx燃焼が可能である。したがっ
て主燃焼室9には燃焼に必要な理論空気量以下の空気を
供給するほか、熱回収室10には制御に必要な空気量を
投入し、さらに完全燃焼に必要な残りの空気量は2次空
気として2次空気ノズル33からフリーボード31に供
給する2段燃焼方式を採用している。
【0042】また、フリーボード31において燃焼ガス
が燃焼ガス出口4に短絡して流れることを防ぎ、フリー
ボード内部で十分撹拌混合燃焼するようにバッフル32
を設けることも一つの選択である。ただ、2次空気によ
る混合撹拌が十分な場合や空塔速度が遅くまたフリーボ
ード高さが十分あり、燃焼ガスの短絡流れの可能性がな
い場合はバッフルの必要はない。
が燃焼ガス出口4に短絡して流れることを防ぎ、フリー
ボード内部で十分撹拌混合燃焼するようにバッフル32
を設けることも一つの選択である。ただ、2次空気によ
る混合撹拌が十分な場合や空塔速度が遅くまたフリーボ
ード高さが十分あり、燃焼ガスの短絡流れの可能性がな
い場合はバッフルの必要はない。
【0043】図2(b)は図2(a)の変形例を示す図
であり、図2(b)に示すように、層内伝熱管群は、蒸
発管ブロック40、No.1蒸気過熱管ブロック41、
No.2蒸気過熱管ブロック42、No.3蒸気過熱管
ブロック43、さらに蒸気再熱管ブロック44と、機能
別に分割して配置されており、貫流型の場合、図示はし
ないがそれぞれ連絡管を経由しながら、蒸発管ブロック
40、No.1蒸気過熱管ブロック41、No.2蒸気
過熱管ブロック42、No.3蒸気過熱管ブロック43
の順に蒸気が流れる。発生した過熱蒸気は高圧蒸気ター
ビンに導かれたあと、再び蒸気再熱管ブロック44に戻
って加熱され、次に中圧蒸気タービンへ導入される。
であり、図2(b)に示すように、層内伝熱管群は、蒸
発管ブロック40、No.1蒸気過熱管ブロック41、
No.2蒸気過熱管ブロック42、No.3蒸気過熱管
ブロック43、さらに蒸気再熱管ブロック44と、機能
別に分割して配置されており、貫流型の場合、図示はし
ないがそれぞれ連絡管を経由しながら、蒸発管ブロック
40、No.1蒸気過熱管ブロック41、No.2蒸気
過熱管ブロック42、No.3蒸気過熱管ブロック43
の順に蒸気が流れる。発生した過熱蒸気は高圧蒸気ター
ビンに導かれたあと、再び蒸気再熱管ブロック44に戻
って加熱され、次に中圧蒸気タービンへ導入される。
【0044】このように機能別に分割して配置した結
果、熱回収室炉床部からの散気量をそれぞれのブロック
毎に制御することによって、各ブロックの収熱量を独立
して制御することが可能である。また、各ブロックの間
には、メンテナンススペース45が取ってあり、層内伝
熱管の点検等に効果的である。また、メンテナンススペ
ースは必ずしも必要でなく、メンテナンススペースを設
けない場合は本図よりももう少しコンパクトになる。
果、熱回収室炉床部からの散気量をそれぞれのブロック
毎に制御することによって、各ブロックの収熱量を独立
して制御することが可能である。また、各ブロックの間
には、メンテナンススペース45が取ってあり、層内伝
熱管の点検等に効果的である。また、メンテナンススペ
ースは必ずしも必要でなく、メンテナンススペースを設
けない場合は本図よりももう少しコンパクトになる。
【0045】図3は負荷変化に応じた空気系統の制御方
式を説明する説明図であり、負荷が変化したとき、蒸気
出口(タービン入口蒸気系統)17の蒸気流量が変化
し、それに伴い流量計F31の蒸気流量信号が変化す
る。演算器Y0では、流量計F31からの流量信号のほ
か、蒸気圧力調節計P31の出力信号を合わせて演算
し、出力信号を出力する。この出力信号は燃料系統に送
られ、負荷に応じた燃料供給を行うようにするととも
に、空気系統の演算器Y0′に入力される。
式を説明する説明図であり、負荷が変化したとき、蒸気
出口(タービン入口蒸気系統)17の蒸気流量が変化
し、それに伴い流量計F31の蒸気流量信号が変化す
る。演算器Y0では、流量計F31からの流量信号のほ
か、蒸気圧力調節計P31の出力信号を合わせて演算
し、出力信号を出力する。この出力信号は燃料系統に送
られ、負荷に応じた燃料供給を行うようにするととも
に、空気系統の演算器Y0′に入力される。
【0046】演算器Y0′では、Y0からの入力信号の
ほか、燃焼排ガス系統50に設けられた酸素濃度調節計
A25の出力信号と熱回収制御用空気流量調節計F21
からの空気流量信号を組み合わせて演算し、酸素濃度調
節計A25における酸素濃度が一定になるよう燃焼空気
量を調節する。その結果、該燃焼空気量から熱回収室空
気量を差し引いた残りの空気量を指示する信号を出力す
る。演算器Y1,Y2では該出力信号をもとに流動空気
量と2次空気量が一定の比率で供給されるように演算が
行われ、それぞれY1,Y2からの出力信号によって流
動空気流量調節計F22、2次空気流量調節計F24を
コントロールする。
ほか、燃焼排ガス系統50に設けられた酸素濃度調節計
A25の出力信号と熱回収制御用空気流量調節計F21
からの空気流量信号を組み合わせて演算し、酸素濃度調
節計A25における酸素濃度が一定になるよう燃焼空気
量を調節する。その結果、該燃焼空気量から熱回収室空
気量を差し引いた残りの空気量を指示する信号を出力す
る。演算器Y1,Y2では該出力信号をもとに流動空気
量と2次空気量が一定の比率で供給されるように演算が
行われ、それぞれY1,Y2からの出力信号によって流
動空気流量調節計F22、2次空気流量調節計F24を
コントロールする。
【0047】該比率の設定によって主燃焼室9には燃焼
に必要な理論空気量以下の空気を供給するほか、熱回収
室10には制御に必要な空気量を投入し、さらに完全燃
焼に必要な残りの空気量は2次空気としてフリーボード
31に供給する2段燃焼が可能となる。したがって、主
燃焼室9を還元雰囲気で燃焼することが出来、還元燃焼
によって石炭の揮発分放出を活発に行い、気相反応にお
いてCH4 などの炭化水素やCOあるいは気相のN化学
種(NHi,HCNなど)等が生成した窒素酸化物を還
元するとともに、N化学種が酸化物へ転換する選択性を
低下させる結果、低NOx燃焼が可能となるものであ
る。
に必要な理論空気量以下の空気を供給するほか、熱回収
室10には制御に必要な空気量を投入し、さらに完全燃
焼に必要な残りの空気量は2次空気としてフリーボード
31に供給する2段燃焼が可能となる。したがって、主
燃焼室9を還元雰囲気で燃焼することが出来、還元燃焼
によって石炭の揮発分放出を活発に行い、気相反応にお
いてCH4 などの炭化水素やCOあるいは気相のN化学
種(NHi,HCNなど)等が生成した窒素酸化物を還
元するとともに、N化学種が酸化物へ転換する選択性を
低下させる結果、低NOx燃焼が可能となるものであ
る。
【0048】一方、蒸気圧力調節計P31の出力信号は
演算器Y31を経て流動層温度調節計T58をコントロ
ールする。すなわち、蒸気圧力が少し低下したときはY
31からの出力信号によってT58の層温度設定値を少
し低下させる。それに伴って流動層温度調節計T58か
らの操作信号が変化し、演算器Y21を経由して熱回収
空気流量調節計F21に作用する結果、熱回収空気量を
増加させる。熱回収室における層内伝熱管の総括伝熱係
数は図4に示すように熱回収室流動層内の流動化ガス速
度(fluidizing gas velocity)とほぼ比例するので熱回
収空気量すなわち流動化ガス速度の増加によって収熱量
が増加し、蒸気圧力が回復する。蒸気圧力が設定値より
増加した時はこの逆動作となり、熱回収空気量を減少さ
せることにより蒸気圧力を低下させる。このように主た
る操作して燃料供給量の調整、副次的な操作として熱回
収空気量の調整を行うことによって、負荷変化に伴う影
響を最小限に抑え、素早く安定した制御を可能とするも
のである。
演算器Y31を経て流動層温度調節計T58をコントロ
ールする。すなわち、蒸気圧力が少し低下したときはY
31からの出力信号によってT58の層温度設定値を少
し低下させる。それに伴って流動層温度調節計T58か
らの操作信号が変化し、演算器Y21を経由して熱回収
空気流量調節計F21に作用する結果、熱回収空気量を
増加させる。熱回収室における層内伝熱管の総括伝熱係
数は図4に示すように熱回収室流動層内の流動化ガス速
度(fluidizing gas velocity)とほぼ比例するので熱回
収空気量すなわち流動化ガス速度の増加によって収熱量
が増加し、蒸気圧力が回復する。蒸気圧力が設定値より
増加した時はこの逆動作となり、熱回収空気量を減少さ
せることにより蒸気圧力を低下させる。このように主た
る操作して燃料供給量の調整、副次的な操作として熱回
収空気量の調整を行うことによって、負荷変化に伴う影
響を最小限に抑え、素早く安定した制御を可能とするも
のである。
【0049】また、ガスタービン38の出口ガスとコン
プレッサ39の空気取り入れ口を連結し、弁49によっ
て供給空気への燃焼排ガス混入量を調節することによ
り、NOxの低減や、低負荷時における流動化速度の増
加による流動の安定をはかることが可能であるため、図
3中には一応記載してあるが、基本的には設けないでシ
ステムを構成することもできる。
プレッサ39の空気取り入れ口を連結し、弁49によっ
て供給空気への燃焼排ガス混入量を調節することによ
り、NOxの低減や、低負荷時における流動化速度の増
加による流動の安定をはかることが可能であるため、図
3中には一応記載してあるが、基本的には設けないでシ
ステムを構成することもできる。
【0050】図5は図1に示す円筒形燃焼器2の詳細構
造を示す説明図である。図1のような円筒形の燃焼炉と
した場合、熱回収室10は仕切壁8の外側に環状となっ
て広がり、矩形燃焼炉の場合と比較して熱回収室が大き
くとれるため多数の伝熱管を配置することが可能であ
る。したがってその特性を活かすためには矩形燃焼炉の
場合よりも多量の流動媒体を循環する必要がある。しか
しながら、従来は仕切壁8の下部、連絡流路27には散
気装置がないため、熱回収室空気分散ノズル24、主燃
焼室空気分散ノズル21からの流動空気によって副次的
に流動化しているだけであり、図の符号27aのように
流動が活発でない部分が存在した。それを解消するため
仕切壁8の下部、連絡流路27の炉床に空気室30′と
空気分散ノズル24′を設けたものである。これによっ
て連絡流路27全体が流動化し、熱回収室10を通って
主燃焼室9へ循環する流動媒体の量を増加させることが
できる。空気室30′は熱回収制御用空気室30と連通
してもよく、または該空気室30とは独立して制御して
もよい。独立制御の場合は熱回収室散気量とは無関係に
流動媒体循環量を制御することができ、1種の調節弁の
ような作用を行わせることも可能である。
造を示す説明図である。図1のような円筒形の燃焼炉と
した場合、熱回収室10は仕切壁8の外側に環状となっ
て広がり、矩形燃焼炉の場合と比較して熱回収室が大き
くとれるため多数の伝熱管を配置することが可能であ
る。したがってその特性を活かすためには矩形燃焼炉の
場合よりも多量の流動媒体を循環する必要がある。しか
しながら、従来は仕切壁8の下部、連絡流路27には散
気装置がないため、熱回収室空気分散ノズル24、主燃
焼室空気分散ノズル21からの流動空気によって副次的
に流動化しているだけであり、図の符号27aのように
流動が活発でない部分が存在した。それを解消するため
仕切壁8の下部、連絡流路27の炉床に空気室30′と
空気分散ノズル24′を設けたものである。これによっ
て連絡流路27全体が流動化し、熱回収室10を通って
主燃焼室9へ循環する流動媒体の量を増加させることが
できる。空気室30′は熱回収制御用空気室30と連通
してもよく、または該空気室30とは独立して制御して
もよい。独立制御の場合は熱回収室散気量とは無関係に
流動媒体循環量を制御することができ、1種の調節弁の
ような作用を行わせることも可能である。
【0051】(実施例2)図6は燃焼排ガスの処理系統
まで含めた本発明の第2実施例を示す説明図である。図
6に示されるように、圧力容器1から排出された燃焼排
ガスは排ガス系統50に導かれ、サイクロン51に導入
される。サイクロン51で捕集された飛灰は重力で落下
し、シール機構52に貯留されつつ灰リサイクル空気5
3によって、圧力容器1および円筒形燃焼器2の側面を
貫通するリサイクル灰導入管54を経由して熱回収室1
0に戻される。
まで含めた本発明の第2実施例を示す説明図である。図
6に示されるように、圧力容器1から排出された燃焼排
ガスは排ガス系統50に導かれ、サイクロン51に導入
される。サイクロン51で捕集された飛灰は重力で落下
し、シール機構52に貯留されつつ灰リサイクル空気5
3によって、圧力容器1および円筒形燃焼器2の側面を
貫通するリサイクル灰導入管54を経由して熱回収室1
0に戻される。
【0052】飛灰を熱回収室10にリサイクルすること
により、熱回収室内の平均粒子径および比重量が小さく
なる。主燃焼室9内の平均粒子径が0.6mm程度なの
に対し、燃焼排ガスに同伴しサイクロンで捕集されリサ
イクルする粒子径ははるかに小さく、またチャーも含ま
れるため比重量も小さい。熱回収室10においては流動
化ガス速度が最低流動化速度の2倍程度と小さいため、
リサイクルした粒子が再飛散することなく、したがって
熱回収室10内の平均粒子径および比重量は主燃焼室9
に比べて小さくなる。
により、熱回収室内の平均粒子径および比重量が小さく
なる。主燃焼室9内の平均粒子径が0.6mm程度なの
に対し、燃焼排ガスに同伴しサイクロンで捕集されリサ
イクルする粒子径ははるかに小さく、またチャーも含ま
れるため比重量も小さい。熱回収室10においては流動
化ガス速度が最低流動化速度の2倍程度と小さいため、
リサイクルした粒子が再飛散することなく、したがって
熱回収室10内の平均粒子径および比重量は主燃焼室9
に比べて小さくなる。
【0053】最低流動化速度(Umf)は流動媒体の粒径
の2乗に比例し、また比重量とも比例するため、熱回収
室の最低流動化速度は主燃焼室と比較してかなり小さく
なる。従って熱回収制御用空気量は、熱回収室にリサイ
クルしない場合と比較して、かなり少なくてすむことに
なり、結果として熱回収室内の流動化ガス速度(UO)
が小さくなる。熱回収室内に配置された層内伝熱管の摩
耗速度は流動化ガス速度(UO )の3乗に比例すること
から、UO が小さくなることにより、摩耗は大きく低減
することになる。また、熱回収制御用空気量は、図3に
示すように主燃焼室9の流動層温度をコントロールする
ため常に変動しているが、この空気量が少なくてすむこ
とは、熱回収空気量の変動が燃焼に及ぼす影響を少なく
することになり、安定燃焼にきわめて効果的である。
の2乗に比例し、また比重量とも比例するため、熱回収
室の最低流動化速度は主燃焼室と比較してかなり小さく
なる。従って熱回収制御用空気量は、熱回収室にリサイ
クルしない場合と比較して、かなり少なくてすむことに
なり、結果として熱回収室内の流動化ガス速度(UO)
が小さくなる。熱回収室内に配置された層内伝熱管の摩
耗速度は流動化ガス速度(UO )の3乗に比例すること
から、UO が小さくなることにより、摩耗は大きく低減
することになる。また、熱回収制御用空気量は、図3に
示すように主燃焼室9の流動層温度をコントロールする
ため常に変動しているが、この空気量が少なくてすむこ
とは、熱回収空気量の変動が燃焼に及ぼす影響を少なく
することになり、安定燃焼にきわめて効果的である。
【0054】また、図6に示されるように排ガスはサイ
クロン51を経由してさらに集塵装置55に導入され
る。該集塵装置55は例えばセラミックフィルタや高温
バグフィルタで構成される。そこで捕集された飛灰は灰
クーラー56で冷却された後にロックホッパ57を通っ
て大気圧下に放出される。一方、集塵され清浄になった
高温の排ガスはガスタービン58に導入される。燃料に
ついては、原炭バンカ59に貯留された石炭は破砕機6
0によって粉砕されて撹拌槽61に送られ、脱硫剤バン
カ62から投入される脱硫剤と水64を撹拌混合してス
ラリー状の燃料を作り、スラリーポンプ65によって燃
焼器2に送られ、給炭ノズル22から主燃焼室流動層内
に供給される。
クロン51を経由してさらに集塵装置55に導入され
る。該集塵装置55は例えばセラミックフィルタや高温
バグフィルタで構成される。そこで捕集された飛灰は灰
クーラー56で冷却された後にロックホッパ57を通っ
て大気圧下に放出される。一方、集塵され清浄になった
高温の排ガスはガスタービン58に導入される。燃料に
ついては、原炭バンカ59に貯留された石炭は破砕機6
0によって粉砕されて撹拌槽61に送られ、脱硫剤バン
カ62から投入される脱硫剤と水64を撹拌混合してス
ラリー状の燃料を作り、スラリーポンプ65によって燃
焼器2に送られ、給炭ノズル22から主燃焼室流動層内
に供給される。
【0055】また、リサイクル灰導入管54aによりフ
リーボード31に飛灰をリサイクルすることも可能であ
る。この時、フリーボード内の粒子濃度が増加し、燃焼
ガスの攪拌効果を増すとともに未燃チャーや未反応脱硫
剤と燃焼ガスの接触効果を上げる。その結果、燃焼効率
の上昇、脱硫脱硝性能の向上につながる。また、リサイ
クル灰導入官54aを延長して主燃焼室9の中央付近、
移動層の層表面もしくは層中に飛灰をリサイクルC、下
降する流動媒体に同伴させることにより主燃焼室流動層
内で十分な滞留時間をとって未燃分の燃焼や、脱硫脱硝
反応の向上に寄与させることも可能である。
リーボード31に飛灰をリサイクルすることも可能であ
る。この時、フリーボード内の粒子濃度が増加し、燃焼
ガスの攪拌効果を増すとともに未燃チャーや未反応脱硫
剤と燃焼ガスの接触効果を上げる。その結果、燃焼効率
の上昇、脱硫脱硝性能の向上につながる。また、リサイ
クル灰導入官54aを延長して主燃焼室9の中央付近、
移動層の層表面もしくは層中に飛灰をリサイクルC、下
降する流動媒体に同伴させることにより主燃焼室流動層
内で十分な滞留時間をとって未燃分の燃焼や、脱硫脱硝
反応の向上に寄与させることも可能である。
【0056】図1に示す加圧内部循環型流動床ボイラは
貫流型であるが、図6乃至図8においては強制循環型ボ
イラとして示す。強制循環型ボイラにおいては、汽水胴
71を設け、そこにボイラ給水系70にて給水する一
方、強制循環ポンプ72によって強制循環配管73を経
由して水管壁や熱回収室層内の蒸発管に缶水を循環させ
る。一方、汽水胴71で発生した蒸気74は、特に図示
しないが連絡管によって熱回収室層内に設けた過熱管に
送られ、そこで発生した過熱蒸気74′は高圧蒸気ター
ビンへと供給される。
貫流型であるが、図6乃至図8においては強制循環型ボ
イラとして示す。強制循環型ボイラにおいては、汽水胴
71を設け、そこにボイラ給水系70にて給水する一
方、強制循環ポンプ72によって強制循環配管73を経
由して水管壁や熱回収室層内の蒸発管に缶水を循環させ
る。一方、汽水胴71で発生した蒸気74は、特に図示
しないが連絡管によって熱回収室層内に設けた過熱管に
送られ、そこで発生した過熱蒸気74′は高圧蒸気ター
ビンへと供給される。
【0057】(実施例3)図7は、燃焼排ガスの処理系
統まで含めた本発明の第3実施例を示す説明図である。
図7に示されるように、排ガス系統50の途中に設けた
サイクロン51で捕集した飛灰を灰クーラ77で冷却す
る。特に図示はしないが、この冷却用の媒体としてはボ
イラへの給水や、流動用空気などを用い、有効に熱回収
をはかることが可能である。冷却された飛灰はロックホ
ッパ78を介して分級槽79に導入され、同じく集塵装
置55から、灰クーラー56、ロックホッパ57を介し
て得られた飛灰と混合して、分級される。本図では分級
用空気80を散気パイプ81から投入して行う流動層分
級の例を示すが、かならずしもこれに限定されるもので
はない。
統まで含めた本発明の第3実施例を示す説明図である。
図7に示されるように、排ガス系統50の途中に設けた
サイクロン51で捕集した飛灰を灰クーラ77で冷却す
る。特に図示はしないが、この冷却用の媒体としてはボ
イラへの給水や、流動用空気などを用い、有効に熱回収
をはかることが可能である。冷却された飛灰はロックホ
ッパ78を介して分級槽79に導入され、同じく集塵装
置55から、灰クーラー56、ロックホッパ57を介し
て得られた飛灰と混合して、分級される。本図では分級
用空気80を散気パイプ81から投入して行う流動層分
級の例を示すが、かならずしもこれに限定されるもので
はない。
【0058】分級槽79で選択的に分離された通常60
μm以下の粒径の未反応脱硫剤や未燃炭素などは空気に
よってサイクロン83に運ばれる。ここでさらに分級さ
れ、約10μm以下の粒子は、集塵装置84へ導入され
て、移送空気と分離されたあと外部へ排出される。一方
サイクロン83から排出される粒径が10〜60μmの
飛灰は、シール弁85、ロックホッパ86、ロータリー
バルブ87を経てリサイクル灰圧送空気88によって円
筒形燃焼器2に投入される。燃焼器2に戻すにあたり、
リサイクル灰導入管54によって、熱回収室に戻す方法
をとる場合、図6の詳細説明に述べたような特徴が発揮
出来るほかまた、リサイクル灰導入管54aによりフリ
ーボード31に飛灰をリサイクルすることの可能であ
る。この時、フリーボード内の粒子濃度が増加し、燃焼
ガスの攪拌効果を増すとともに未燃チャーや未反応脱硫
剤と燃焼ガスの接触効率を上げる。その結果、燃焼効率
の上昇、脱硫脱硝性能の向上につながる。
μm以下の粒径の未反応脱硫剤や未燃炭素などは空気に
よってサイクロン83に運ばれる。ここでさらに分級さ
れ、約10μm以下の粒子は、集塵装置84へ導入され
て、移送空気と分離されたあと外部へ排出される。一方
サイクロン83から排出される粒径が10〜60μmの
飛灰は、シール弁85、ロックホッパ86、ロータリー
バルブ87を経てリサイクル灰圧送空気88によって円
筒形燃焼器2に投入される。燃焼器2に戻すにあたり、
リサイクル灰導入管54によって、熱回収室に戻す方法
をとる場合、図6の詳細説明に述べたような特徴が発揮
出来るほかまた、リサイクル灰導入管54aによりフリ
ーボード31に飛灰をリサイクルすることの可能であ
る。この時、フリーボード内の粒子濃度が増加し、燃焼
ガスの攪拌効果を増すとともに未燃チャーや未反応脱硫
剤と燃焼ガスの接触効率を上げる。その結果、燃焼効率
の上昇、脱硫脱硝性能の向上につながる。
【0059】また、リサイクル灰導入管54aを延長し
て主燃焼室9の中央付近、移動層の層表面もしくは層中
に飛灰をリサイクルし、下降する流動媒体に同伴させる
ことにより主燃焼室流動層内で十分な滞留時間をとって
未燃分の燃焼や、脱硫脱硝反応の向上に寄与させること
も可能である。このように粒径別に3段階に分級し、チ
ャー濃度が最も高い通常10〜60μm程度の範囲の粒
子のみ円筒形燃焼器2へ戻すことにより、最少の循環灰
量でNOx低減、燃焼ガス系統の摩耗の低減、燃焼効率
上昇などの効果を上げることが可能となる。
て主燃焼室9の中央付近、移動層の層表面もしくは層中
に飛灰をリサイクルし、下降する流動媒体に同伴させる
ことにより主燃焼室流動層内で十分な滞留時間をとって
未燃分の燃焼や、脱硫脱硝反応の向上に寄与させること
も可能である。このように粒径別に3段階に分級し、チ
ャー濃度が最も高い通常10〜60μm程度の範囲の粒
子のみ円筒形燃焼器2へ戻すことにより、最少の循環灰
量でNOx低減、燃焼ガス系統の摩耗の低減、燃焼効率
上昇などの効果を上げることが可能となる。
【0060】また、本図ではサイクロン51、集塵装置
55の2段集塵となっているが、サイクロン51、灰ク
ーラ77、ロックホッパ78を廃し、集塵装置55単独
とすることも可能である。また、その際灰クーラ56、
ロックホッパ57を介さないで加圧下で分級してもよ
い。集塵装置55は通常セラミックフィルタが使用され
る。
55の2段集塵となっているが、サイクロン51、灰ク
ーラ77、ロックホッパ78を廃し、集塵装置55単独
とすることも可能である。また、その際灰クーラ56、
ロックホッパ57を介さないで加圧下で分級してもよ
い。集塵装置55は通常セラミックフィルタが使用され
る。
【0061】図8は分級した飛灰を処理する他の例を示
す図である。分級槽79で選択的に分離された通常60
μm以下の粒径の未反応脱硫剤や未燃炭素などは空気に
よってサイクロン83に運ばれる。ここでさらに分級さ
れ、約10μm以下の粒子は、集塵装置84へ導入され
て、移送空気と分離されたあと外部へ排出される。一方
サイクロン83から排出される粒径が10〜60μmの
飛灰は、シール弁85、ロックホッパ86、ロータリー
バルブ87を経てから、ホッパ89に貯留したあと、混
合装置90で石炭や脱硫剤と一緒に粒子状の燃料に混合
され、燃料圧送空気によって円筒形燃焼器2に供給され
る。一方、ロータリーバルブ87から排出される10〜
60μmの飛灰を燃焼系ではなく2次空気34によって
空気輸送し、2次空気ノズル33からフリーボード31
へ投入することも可能である。
す図である。分級槽79で選択的に分離された通常60
μm以下の粒径の未反応脱硫剤や未燃炭素などは空気に
よってサイクロン83に運ばれる。ここでさらに分級さ
れ、約10μm以下の粒子は、集塵装置84へ導入され
て、移送空気と分離されたあと外部へ排出される。一方
サイクロン83から排出される粒径が10〜60μmの
飛灰は、シール弁85、ロックホッパ86、ロータリー
バルブ87を経てから、ホッパ89に貯留したあと、混
合装置90で石炭や脱硫剤と一緒に粒子状の燃料に混合
され、燃料圧送空気によって円筒形燃焼器2に供給され
る。一方、ロータリーバルブ87から排出される10〜
60μmの飛灰を燃焼系ではなく2次空気34によって
空気輸送し、2次空気ノズル33からフリーボード31
へ投入することも可能である。
【0062】(実施例4)図9は本発明の実施例の一つ
であるとともに加圧流動床ボイラとしての全体系統図の
一例を示す。図9に示した系統を概略説明する。本図に
示すボイラは貫流型ボイラとして構成されており、運転
中はスラリー状の燃料をスラリーポンプ65で燃焼器2
に送り、主燃焼室9の流動層内に供給、燃焼する。燃焼
排ガスは排ガス系統50を通って、集塵装置55によっ
て除塵されたあと高圧ガスタービン100、低圧ガスタ
ービン101を駆動したあと、さらに排ガスクーラ10
2でボイラ給水を加熱し、煙突103から大気放出され
る。
であるとともに加圧流動床ボイラとしての全体系統図の
一例を示す。図9に示した系統を概略説明する。本図に
示すボイラは貫流型ボイラとして構成されており、運転
中はスラリー状の燃料をスラリーポンプ65で燃焼器2
に送り、主燃焼室9の流動層内に供給、燃焼する。燃焼
排ガスは排ガス系統50を通って、集塵装置55によっ
て除塵されたあと高圧ガスタービン100、低圧ガスタ
ービン101を駆動したあと、さらに排ガスクーラ10
2でボイラ給水を加熱し、煙突103から大気放出され
る。
【0063】一方、流動燃焼用空気はガスタービンで駆
動される低圧コンプレッサー104、高圧コンプレッサ
ー106によって昇圧され、一部は熱回収制御用空気と
して分岐し、熱回収制御用空気室30に導入され、残り
は流動燃焼用空気室28に導入され、主燃焼室9内の流
動媒体を旋回流動させながら燃焼を行う。蒸気系統に関
しては、給水はボイラ給水ポンプ107によって、途中
排ガスクーラ102で加熱されつつ、ボイラに送られ、
円筒壁を構成する水管を経由した後、熱回収室層内の蒸
発管108、蒸気過熱管109を通って過熱蒸気とな
る。発生した過熱蒸気は高圧蒸気タービン110を駆動
した後、再び燃焼器2に戻り、再熱用層内伝熱管111
で加熱された後、中圧タービン112、低圧タービン1
13を駆動し、発電機114で発電した後、復水器11
5で復水となり、再びボイラ給水として使用される。
動される低圧コンプレッサー104、高圧コンプレッサ
ー106によって昇圧され、一部は熱回収制御用空気と
して分岐し、熱回収制御用空気室30に導入され、残り
は流動燃焼用空気室28に導入され、主燃焼室9内の流
動媒体を旋回流動させながら燃焼を行う。蒸気系統に関
しては、給水はボイラ給水ポンプ107によって、途中
排ガスクーラ102で加熱されつつ、ボイラに送られ、
円筒壁を構成する水管を経由した後、熱回収室層内の蒸
発管108、蒸気過熱管109を通って過熱蒸気とな
る。発生した過熱蒸気は高圧蒸気タービン110を駆動
した後、再び燃焼器2に戻り、再熱用層内伝熱管111
で加熱された後、中圧タービン112、低圧タービン1
13を駆動し、発電機114で発電した後、復水器11
5で復水となり、再びボイラ給水として使用される。
【0064】(実施例5)図10は本発明の実施例の1
つとして内部循環型流動床ボイラをトッピングサイクル
複合発電システムの酸化炉として組み込んだ実施例を示
す。また、特に図示はしないが図10に示すトッピング
サイクル複合発電システムのガス化炉として本発明によ
る加圧円筒形流動床ボイラを使用することも可能であ
る。ガス化炉への応用については以下のように説明でき
る。すなわち、図1及び図3で詳述したように本願の加
圧型内部循環型流動床ボイラの主燃焼室9には伝熱面が
配置されていない。そのためNOx低減を目的として2
段燃焼を行い、その結果主燃焼室9は空気比0.8程度
の還元雰囲気での燃焼となっている。しかも主燃焼室9
の内部では流動化ガス速度に差をつけるように構成して
いるため、主燃焼室移動層部では実質空気比は約0.5
とガス化炉に近い運転となっている。そのため、トッピ
ングサイクルのガス化炉に転換するのはきわめて容易で
あり、熱バランス上、層内熱回収が不要であれば熱回収
制御用空気を停止すればよく、また層内伝熱管を除去し
てもよい。
つとして内部循環型流動床ボイラをトッピングサイクル
複合発電システムの酸化炉として組み込んだ実施例を示
す。また、特に図示はしないが図10に示すトッピング
サイクル複合発電システムのガス化炉として本発明によ
る加圧円筒形流動床ボイラを使用することも可能であ
る。ガス化炉への応用については以下のように説明でき
る。すなわち、図1及び図3で詳述したように本願の加
圧型内部循環型流動床ボイラの主燃焼室9には伝熱面が
配置されていない。そのためNOx低減を目的として2
段燃焼を行い、その結果主燃焼室9は空気比0.8程度
の還元雰囲気での燃焼となっている。しかも主燃焼室9
の内部では流動化ガス速度に差をつけるように構成して
いるため、主燃焼室移動層部では実質空気比は約0.5
とガス化炉に近い運転となっている。そのため、トッピ
ングサイクルのガス化炉に転換するのはきわめて容易で
あり、熱バランス上、層内熱回収が不要であれば熱回収
制御用空気を停止すればよく、また層内伝熱管を除去し
てもよい。
【0065】ここでは、図10に沿って概略系統を説明
する。まず、ガス化炉120に石炭121と脱硫剤12
2が供給されガス化炉120内部で空気124によって
石炭ガスとチャー及び、CaSなどに分解する。チャー
及び、CaSなどはガス化炉120からと、および石炭
ガス通路に設けられた集塵器123から排出され、通路
125を通って、内部循環形流動床ボイラからなる酸化
炉126に導入され、円筒形燃焼器2の炉床付近に供給
される。供給先は必ずしも炉床付近でなくてもよく流動
層層上でもよい。
する。まず、ガス化炉120に石炭121と脱硫剤12
2が供給されガス化炉120内部で空気124によって
石炭ガスとチャー及び、CaSなどに分解する。チャー
及び、CaSなどはガス化炉120からと、および石炭
ガス通路に設けられた集塵器123から排出され、通路
125を通って、内部循環形流動床ボイラからなる酸化
炉126に導入され、円筒形燃焼器2の炉床付近に供給
される。供給先は必ずしも炉床付近でなくてもよく流動
層層上でもよい。
【0066】酸化炉126には、石炭121、脱硫剤1
22を供給することも可能であり、給炭ノズル22を通
って主燃焼室9内に投入され前記チャーと一緒に燃焼す
る。一方、酸化炉126で発生した燃焼ガスは集塵器1
27で除塵されたあと、ガスタービン128入口の燃焼
器129に導入され、そこでガス化炉120から排出さ
れ、集塵器123、集塵器130で除塵された石炭ガス
と混合燃焼して高温ガスとなり、ガスタービン128を
高効率で駆動する。
22を供給することも可能であり、給炭ノズル22を通
って主燃焼室9内に投入され前記チャーと一緒に燃焼す
る。一方、酸化炉126で発生した燃焼ガスは集塵器1
27で除塵されたあと、ガスタービン128入口の燃焼
器129に導入され、そこでガス化炉120から排出さ
れ、集塵器123、集塵器130で除塵された石炭ガス
と混合燃焼して高温ガスとなり、ガスタービン128を
高効率で駆動する。
【0067】また、ガスタービン128はコンプレッサ
ー131、発電機132を駆動する。ガスタービン12
8を出た排ガスは熱回収装置133で冷却されたのち大
気放出される。一方、ボイラで発生した過熱蒸気74′
は、蒸気タービン134と該タービン134に連結され
た発電機135を駆動したあと、復水器136で復水に
戻り、ボイラ給水ポンプ137で再びボイラに給水され
る。なお、酸化炉126内部での加圧円筒形流動床ボイ
ラの作動は実施例1乃至4の場合と同様である。
ー131、発電機132を駆動する。ガスタービン12
8を出た排ガスは熱回収装置133で冷却されたのち大
気放出される。一方、ボイラで発生した過熱蒸気74′
は、蒸気タービン134と該タービン134に連結され
た発電機135を駆動したあと、復水器136で復水に
戻り、ボイラ給水ポンプ137で再びボイラに給水され
る。なお、酸化炉126内部での加圧円筒形流動床ボイ
ラの作動は実施例1乃至4の場合と同様である。
【0068】(実施例6)図11は本発明の実施例の1
つとして加圧円筒形流動床ボイラをトッピングサイクル
複合発電システムのガス化炉120および酸化炉126
として組み込んだ実施例を示す。図11においては、ガ
ス化炉120に石炭121、脱硫剤122を供給し、空
気19を供給することによって部分燃焼ガス化させる。
酸化剤として空気のほか酸素150、あるいは水蒸気1
51を投入することも可能である。
つとして加圧円筒形流動床ボイラをトッピングサイクル
複合発電システムのガス化炉120および酸化炉126
として組み込んだ実施例を示す。図11においては、ガ
ス化炉120に石炭121、脱硫剤122を供給し、空
気19を供給することによって部分燃焼ガス化させる。
酸化剤として空気のほか酸素150、あるいは水蒸気1
51を投入することも可能である。
【0069】ガス化炉120で発生する未燃チャー等は
全量生成ガスと同伴させ、その後段に設置したガス冷却
装置140で600℃以下に冷却し、ガスタービンブレ
ードの高温腐食の原因となるNa,K等のアルカリ金属
を固化あるいは粒子表面に固定化し、該粒子を集塵装置
141で捕集したあと、酸化炉126に導入して完全燃
焼させる。酸化炉126の燃焼排ガスは酸化炉126を
出たあと、後段に設置したガス冷却装置142で600
℃以下に冷却され、この冷却によって固化したNa,K
などのアルカリ金属粒子は粒子集塵装置143で捕集排
出される。集塵装置141,143には通常セラミック
フィルタを使用する。
全量生成ガスと同伴させ、その後段に設置したガス冷却
装置140で600℃以下に冷却し、ガスタービンブレ
ードの高温腐食の原因となるNa,K等のアルカリ金属
を固化あるいは粒子表面に固定化し、該粒子を集塵装置
141で捕集したあと、酸化炉126に導入して完全燃
焼させる。酸化炉126の燃焼排ガスは酸化炉126を
出たあと、後段に設置したガス冷却装置142で600
℃以下に冷却され、この冷却によって固化したNa,K
などのアルカリ金属粒子は粒子集塵装置143で捕集排
出される。集塵装置141,143には通常セラミック
フィルタを使用する。
【0070】高温腐食の原因となるNa,Kを取り除い
て清浄になった燃焼ガスと前記ガス化炉120を出たあ
と集塵されて清浄になった生成ガスを燃焼器129で混
合燃焼するが、それぞれのガスを冷却した分、燃焼器1
29での燃焼温度が若干低下するので、燃焼温度の低下
を防ぐためには、酸化炉126でなるべく空気過剰率を
低くして運転することによって燃焼排ガス量を低減す
る。そのため燃焼器129で必要な酸素量は別途、酸素
150として該燃焼器に供給する。
て清浄になった燃焼ガスと前記ガス化炉120を出たあ
と集塵されて清浄になった生成ガスを燃焼器129で混
合燃焼するが、それぞれのガスを冷却した分、燃焼器1
29での燃焼温度が若干低下するので、燃焼温度の低下
を防ぐためには、酸化炉126でなるべく空気過剰率を
低くして運転することによって燃焼排ガス量を低減す
る。そのため燃焼器129で必要な酸素量は別途、酸素
150として該燃焼器に供給する。
【0071】燃焼器129で発生した高温の燃焼ガスは
ガスタービン128を高効率で駆動する。そして、ガス
タービン128はコンプレッサ131、発電機132を
駆動する。ガスタービン128を出た排ガスは熱回収装
置133で冷却されたのち大気放出される。なお、本実
施例において、タービンブレードの材質が向上すれば、
ガス冷却装置140,142を省略してもよい。
ガスタービン128を高効率で駆動する。そして、ガス
タービン128はコンプレッサ131、発電機132を
駆動する。ガスタービン128を出た排ガスは熱回収装
置133で冷却されたのち大気放出される。なお、本実
施例において、タービンブレードの材質が向上すれば、
ガス冷却装置140,142を省略してもよい。
【0072】(実施例7)図12は、本発明の実施例の
1つとして加圧円筒形流動床ボイラをトッピングサイク
ル複合発電システムのガス化炉と酸化炉とを一体化した
炉として構成した例である。加圧流動床複合発電システ
ムにおける円筒形流動層炉201において、該流動層内
に円筒外壁202と同心の仕切壁203を設け、該仕切
壁203は円筒状仕切壁203aおよび円錐状仕切壁2
03bからなり、該仕切壁203の中間部及び下部に空
隙204,205を設けて連絡口とするほか、上端部は
円筒外壁202の天井面と接続され、ガス出口206を
形成している。
1つとして加圧円筒形流動床ボイラをトッピングサイク
ル複合発電システムのガス化炉と酸化炉とを一体化した
炉として構成した例である。加圧流動床複合発電システ
ムにおける円筒形流動層炉201において、該流動層内
に円筒外壁202と同心の仕切壁203を設け、該仕切
壁203は円筒状仕切壁203aおよび円錐状仕切壁2
03bからなり、該仕切壁203の中間部及び下部に空
隙204,205を設けて連絡口とするほか、上端部は
円筒外壁202の天井面と接続され、ガス出口206を
形成している。
【0073】前記仕切壁203の内側をガス化炉207
とし、外側の環状空間は酸化炉208として使用する。
前記流動層炉の炉床は、ガス化炉207の炉床209で
は中心が高く、前記仕切壁203に向かって低くなる円
錐状である。酸化炉208の炉床212は内側に向かっ
て傾斜しており、流動層炉全体では炉床断面がどの方向
においても全体でW字形を形成している。また前記ガス
化炉207の炉床209および酸化炉208の炉床21
2の下方には、それぞれ独立した空気室214〜217
(後述)が設置されている。
とし、外側の環状空間は酸化炉208として使用する。
前記流動層炉の炉床は、ガス化炉207の炉床209で
は中心が高く、前記仕切壁203に向かって低くなる円
錐状である。酸化炉208の炉床212は内側に向かっ
て傾斜しており、流動層炉全体では炉床断面がどの方向
においても全体でW字形を形成している。また前記ガス
化炉207の炉床209および酸化炉208の炉床21
2の下方には、それぞれ独立した空気室214〜217
(後述)が設置されている。
【0074】ガス化炉207の炉床209に配置した空
気分散ノズル210によってガス化炉流動層を流動化す
るが、その際ガス化炉207の約1/2程度の径の同心
円の範囲内は最低流動化速度の1〜2.5倍程度の緩や
かな流動化状態とし同心円の外側の環状部では最低流動
化速度の4〜12倍程度の強い流動化状態となるように
空気分散ノズル210からの吹き出し空気量を調節す
る。その結果、ガス化炉流動層内部では、流動媒体が中
央から円錐状炉床面に沿いながら全方位に向かって緩や
かに分散移動し、その後前記外周環状部に至るとそこで
は流動化速度が大きいため移動方向は上向きに転じる。
すなわち流動媒体は前記仕切壁203の内側に沿って吹
き上がるが、円錘状仕切壁203bの傾斜に従って次第
に中心方向への凝集力が高まり、流動層表面で最高に達
すると一転その反力で周方向および上方向へ爆発的に飛
散する。
気分散ノズル210によってガス化炉流動層を流動化す
るが、その際ガス化炉207の約1/2程度の径の同心
円の範囲内は最低流動化速度の1〜2.5倍程度の緩や
かな流動化状態とし同心円の外側の環状部では最低流動
化速度の4〜12倍程度の強い流動化状態となるように
空気分散ノズル210からの吹き出し空気量を調節す
る。その結果、ガス化炉流動層内部では、流動媒体が中
央から円錐状炉床面に沿いながら全方位に向かって緩や
かに分散移動し、その後前記外周環状部に至るとそこで
は流動化速度が大きいため移動方向は上向きに転じる。
すなわち流動媒体は前記仕切壁203の内側に沿って吹
き上がるが、円錘状仕切壁203bの傾斜に従って次第
に中心方向への凝集力が高まり、流動層表面で最高に達
すると一転その反力で周方向および上方向へ爆発的に飛
散する。
【0075】その結果、未燃チャー等多量の流動媒体が
仕切壁203に設けられた連絡流路204を通過し、酸
化炉208へ入り込む。一方流動層表面に残った流動媒
体は中心付近で円筒状の流れとなって周囲の流動媒体を
巻き込みながら沈降し、前記円錐状炉床中心付近に到達
すると今度は再び水平全周方向への移動に転じる循環流
が生じる。この循環流の効果により炉床付近に設けた給
炭ノズル211から投入した石炭や脱硫剤などがガス化
炉流動層内全方位方向へ均一に分散し、簡素な給炭設備
でありながら燃料の偏在が避けられ、クリンカ発生の恐
れがない。
仕切壁203に設けられた連絡流路204を通過し、酸
化炉208へ入り込む。一方流動層表面に残った流動媒
体は中心付近で円筒状の流れとなって周囲の流動媒体を
巻き込みながら沈降し、前記円錐状炉床中心付近に到達
すると今度は再び水平全周方向への移動に転じる循環流
が生じる。この循環流の効果により炉床付近に設けた給
炭ノズル211から投入した石炭や脱硫剤などがガス化
炉流動層内全方位方向へ均一に分散し、簡素な給炭設備
でありながら燃料の偏在が避けられ、クリンカ発生の恐
れがない。
【0076】また酸化炉208の炉床212に空気分散
ノズル213を設け、酸化炉208内を緩やかに流動さ
せることにより、空隙204を通過して酸化炉208に
入る未燃チャー等が酸化炉流動層内を燃焼しつつ緩やか
に沈降した後、傾斜した炉床に沿って、前記仕切壁20
3下部の連絡流路205を通過してガス化炉流動層に還
流する。なお、円錐状仕切壁203bの背面にも流動化
用の空気導入パイプ、背面散気ノズルを設けることが可
能であるが、円錐状仕切壁203bの角度を大きくした
場合には設けなくてもよい。
ノズル213を設け、酸化炉208内を緩やかに流動さ
せることにより、空隙204を通過して酸化炉208に
入る未燃チャー等が酸化炉流動層内を燃焼しつつ緩やか
に沈降した後、傾斜した炉床に沿って、前記仕切壁20
3下部の連絡流路205を通過してガス化炉流動層に還
流する。なお、円錐状仕切壁203bの背面にも流動化
用の空気導入パイプ、背面散気ノズルを設けることが可
能であるが、円錐状仕切壁203bの角度を大きくした
場合には設けなくてもよい。
【0077】また、酸化炉208の炉床212に設けた
空気分散ノズルから吹き出す空気量を、円筒外壁202
に沿った環状部分を大きな流動化速度、仕切壁203に
沿った環状部分を小さな流動化速度になるように調節す
ることによって、酸化炉の流動層内部に、仕切壁203
に沿って沈降し円筒外壁202に沿って上昇する循環流
を生じさせることも可能である。この循環流によって、
酸化炉208内で未燃チャー等が十分な滞留時間をとっ
て完全燃焼することをより確実とする。
空気分散ノズルから吹き出す空気量を、円筒外壁202
に沿った環状部分を大きな流動化速度、仕切壁203に
沿った環状部分を小さな流動化速度になるように調節す
ることによって、酸化炉の流動層内部に、仕切壁203
に沿って沈降し円筒外壁202に沿って上昇する循環流
を生じさせることも可能である。この循環流によって、
酸化炉208内で未燃チャー等が十分な滞留時間をとっ
て完全燃焼することをより確実とする。
【0078】したがって、それぞれの炉床に設けられた
空気分散ノズルに空気を供給する空気室については、ガ
ス化炉207の炉床209の下方には中央に少量の空気
を供給する移動層空気室214があり、そのまわりは大
きな流動化速度を与えるための流動層空気室215に囲
まれ、それぞれ空気入口につながっている。また、酸化
炉208の炉床212の下部には、円錐状内壁側に空気
室216が設けられ、円筒外壁側に空気室217が設け
られ、それぞれ流動化空気量を制御できるようになって
いる。酸化炉208上部の円筒外壁202には燃焼ガス
出口218が設けられている。
空気分散ノズルに空気を供給する空気室については、ガ
ス化炉207の炉床209の下方には中央に少量の空気
を供給する移動層空気室214があり、そのまわりは大
きな流動化速度を与えるための流動層空気室215に囲
まれ、それぞれ空気入口につながっている。また、酸化
炉208の炉床212の下部には、円錐状内壁側に空気
室216が設けられ、円筒外壁側に空気室217が設け
られ、それぞれ流動化空気量を制御できるようになって
いる。酸化炉208上部の円筒外壁202には燃焼ガス
出口218が設けられている。
【0079】このようにして、中央のガス化炉207に
石炭と脱硫剤を供給して、流動層内で循環しながら、石
炭は部分ガス化され、生成ガスはガス化炉上部のガス出
口206から外部へ導出される。一方ガス化されなかっ
たチャーは空隙204から酸化炉208へ入り込み、流
動層内で循環しながら完全燃焼される。そして、燃焼ガ
スは酸化炉208の上部にある燃焼ガス出口218から
外部へ取り出される。なお、酸化炉フリーボードに2次
空気ノズル219を設け、2段階燃焼させることも可能
である。
石炭と脱硫剤を供給して、流動層内で循環しながら、石
炭は部分ガス化され、生成ガスはガス化炉上部のガス出
口206から外部へ導出される。一方ガス化されなかっ
たチャーは空隙204から酸化炉208へ入り込み、流
動層内で循環しながら完全燃焼される。そして、燃焼ガ
スは酸化炉208の上部にある燃焼ガス出口218から
外部へ取り出される。なお、酸化炉フリーボードに2次
空気ノズル219を設け、2段階燃焼させることも可能
である。
【0080】(実施例8)図13はガスの処理系統まで
含めた本発明の一例を示す実施例を示す系統図である。
ガス化炉207に石炭251,脱硫剤252を供給し、
空気253によって部分燃焼ガス化させる。酸化剤とし
て空気のほか酸素150、あるいは水蒸気151を投入
することも可能である。
含めた本発明の一例を示す実施例を示す系統図である。
ガス化炉207に石炭251,脱硫剤252を供給し、
空気253によって部分燃焼ガス化させる。酸化剤とし
て空気のほか酸素150、あるいは水蒸気151を投入
することも可能である。
【0081】ガス化炉207で発生する未燃チャー等
は、全量生成ガスと同伴させ、その後段に設置したガス
冷却装置254で600℃以下に冷却し、ガスタービン
ブレードの高温腐食の原因となるNa,Kなどのアルカ
リ金属を固化あるいは粒子表面に固定化し、該粒子を集
塵装置255で捕集する。一方、空隙204を通過して
ガス化炉207から酸化炉208に導入された未燃チャ
ーは酸化炉208内で完全燃焼し、その燃焼排ガスは燃
焼ガス出口218を出たあと、後段に設置したガス冷却
装置256で600℃以下に冷却され、この冷却によっ
て固化したNa,Kなどのアルカリ金属粒子は集塵装置
257で捕集され、系外に排出される。
は、全量生成ガスと同伴させ、その後段に設置したガス
冷却装置254で600℃以下に冷却し、ガスタービン
ブレードの高温腐食の原因となるNa,Kなどのアルカ
リ金属を固化あるいは粒子表面に固定化し、該粒子を集
塵装置255で捕集する。一方、空隙204を通過して
ガス化炉207から酸化炉208に導入された未燃チャ
ーは酸化炉208内で完全燃焼し、その燃焼排ガスは燃
焼ガス出口218を出たあと、後段に設置したガス冷却
装置256で600℃以下に冷却され、この冷却によっ
て固化したNa,Kなどのアルカリ金属粒子は集塵装置
257で捕集され、系外に排出される。
【0082】集塵装置255からの捕集粒子は空気輸送
で酸化炉208へ供給する。集塵装置255,257に
は通常セラミックフィルタを使用し、高温腐食の原因と
なるNa,Kを取り除いて清浄になった生成ガスおよび
燃焼排ガスは燃焼器258で混合燃焼され、発生した高
温の燃焼ガスはガスタービン261を高効率で駆動す
る。そして、ガスタービン261はコンプレッサ26
2、発電機263を駆動する。ガスタービン261を出
た排ガスは熱回収装置264で冷却されたのち大気放出
される。なお、本実施例において、タービンブレードの
材質が向上すれば、ガス冷却装置254,256を省略
してもよい。また、酸化炉208の流動層内に層内伝熱
管265を配置することも可能である。さらに、流動層
炉の外側に圧力容器266を設けて、流動層炉を非耐圧
構造とすることも可能である。
で酸化炉208へ供給する。集塵装置255,257に
は通常セラミックフィルタを使用し、高温腐食の原因と
なるNa,Kを取り除いて清浄になった生成ガスおよび
燃焼排ガスは燃焼器258で混合燃焼され、発生した高
温の燃焼ガスはガスタービン261を高効率で駆動す
る。そして、ガスタービン261はコンプレッサ26
2、発電機263を駆動する。ガスタービン261を出
た排ガスは熱回収装置264で冷却されたのち大気放出
される。なお、本実施例において、タービンブレードの
材質が向上すれば、ガス冷却装置254,256を省略
してもよい。また、酸化炉208の流動層内に層内伝熱
管265を配置することも可能である。さらに、流動層
炉の外側に圧力容器266を設けて、流動層炉を非耐圧
構造とすることも可能である。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、以下に列挙する効果が
得られる。 (1)燃焼室と熱回収室を同一燃焼容器内部で機能的に
分離したことにより、負荷制御は流動層高変化方法によ
ることなく、熱回収室の風量調節による層内伝熱管の総
括伝熱係数の変化により容易に行うことができるため、
流動媒体の出し入れに伴う複雑な操作や設備(ベッド材
貯蔵容器等)が不要であり、また流動媒体の出し入れの
際に生じるアグロメの発生を防止できる。また、負荷変
化時であって流動層温度の変化が少ないことから、常に
NOx,SOx等の抑制に最適な温度条件で運転するこ
とが可能である。しかも層内伝熱管は緩やかな流動状態
にある熱回収室にのみ存在するため、激しい流動状態に
ある流動層内に配置された場合に比べ、摩耗が少ない。 (2)流動媒体が中央から円錐状炉床面に沿いながら全
方位に向かって緩やかに分散移動する拡散流が生じるた
め燃料や脱硫剤などの均一な拡散が行われるため、燃焼
が均一となりアグロメの発生がなく、また給炭口も中央
付近に設けるだけでよく、給炭設備がきわめて簡素化さ
れるなどの効果がある。 (3)流動層表面の流動媒体は中心付近で円筒状の流れ
となって周囲の流動媒体を巻き込みながら沈降するた
め、燃料や脱硫剤などの層内滞留時間が長くとれ、燃焼
効率の向上、脱硫効率の向上にきわめて効果的である。 (4)従来の矩形内部循環流動床ボイラの場合は長方形
の相対する2辺に層内伝熱管が配置されているのに比
べ、本発明の場合は全周を利用できるため、より多くの
伝熱管が配置できることから、さらにコンパクトな構造
となる。 (5)従来の加圧流動床ボイラは水管構造の矩形燃焼容
器を圧力容器の中に納めているが、燃焼器内部と圧力容
器内部の圧力変動が発生した場合に備えて、燃焼器を保
護するため充分な補強が必要であるのに対し、本発明に
おいては燃焼器が円筒であるため充分な強度をもってお
り、補強も簡便でよい。また、圧力容器と燃焼器が円と
円の組み合わせであることから無駄なスペースが無く、
コンパクトな配置となる。 (6)フリーボードに熱回収室を覆うように、クシ歯状
などの形状をしたスクリーンを設けることによって、熱
回収室への粒径の粗い石炭などの固形燃料の混入を避
け、熱回収室におけるアグロメレーションの形成を防ぐ
ほか、熱回収室から発生する燃焼ガスに対してバッフル
作用を果たし、主燃焼室燃焼ガスと十分に混合撹拌する
効果が得られる。 (7)加圧内部循環流動床ボイラは主燃焼室に伝熱面を
有しないため、還元雰囲気で燃焼することができる。そ
の結果、石炭の揮発分放出が活発に行われ、気相反応に
おいてCH4 などの炭化水素やCOあるいは気相のN化
学種(NHi,HCNなど)等が、生成した窒素化合物
を還元するとともに、N化学種が酸化物へ転換する選択
性を低下させる効果をもたらし、低NOx燃焼が可能と
なる。 (8)熱回収室流動層内部に層内伝熱管を放射状に配置
し、しかも用途別に蒸発管ブロック、蒸気過熱管ブロッ
ク、蒸気再熱管ブロックとして使用するため、平面で見
て数個の管群に機能別に分割して配置したことにより、
それぞれのブロック毎に熱回収空気量を調節することに
より、蒸発管ブロック、蒸気過熱管ブロック、蒸気再熱
管ブロックそれぞれの収熱量を独立して制御することが
可能である。 (9)燃焼排ガス系統に設けたサイクロンで捕集した飛
灰を熱回収室に戻すように構成することにより、熱回収
室内の平均粒子径および比重量が小さくなる。その結
果、最低流動化速度が小さくなり、熱回収空気量が少な
くて済む。そのため、層内伝熱管の摩耗が大幅に低減す
るほか、熱回収空気量の変動が燃焼に及ぼす影響も小さ
くなり、安定燃焼にきわめて効果的である。 (10)燃焼器から排出された燃焼ガスから回収した飛
灰、未燃炭素分、未反応脱硫剤などを分級して、粒径が
10〜60μmの範囲の飛灰のみ主燃焼室もしくは熱回
収室へ戻すことにより、最少の循環灰量でNOx低減、
燃焼ガス系統の摩耗の低減、燃焼効率上昇などの効果を
上げることが可能となる。従って、脱硝装置を省略でき
る可能性があり、また炉内脱硫において脱硫剤利用率の
向上が期待できるとともに脱硫率を上げることが可能で
ある。 (11)集塵装置で捕集した飛灰を、冷却したあと大気
圧下で分級し、未燃炭素分や未反応脱硫剤を選択的に燃
焼器に戻すようにしたことにより、高温の粒子を高圧下
で取り扱うことに伴うスラッギングなどの問題を避ける
ことができるほか、分級することによって有用な物質の
みを戻すことになり取り扱う量が少なくなるなどの効果
が生じる。また燃料系統にリサイクルし、スラリー状燃
料に混練して燃焼器に供給することにより、燃焼器への
リサイクル系統を省略できるほか、未反応脱硫剤と燃料
との接触も良好となり脱硫率の向上にも効果的である。 (12)トッピングサイクル複合発電システムにおい
て、ガス化炉およびまたは酸化炉に本願の加圧円筒形内
部循環型流動床ボイラを用い、ガス化炉から排出される
未燃チャーは全量生成ガスと同伴させ、600℃以下に
冷却され、その後段に設置した集塵装置で捕集したあと
酸化炉に導入して完全燃焼させ、その燃焼排ガスは酸化
炉を出たあと、600℃以下に冷却され、後段に設置し
た集塵装置によりNa,Kを含んだ粒子を捕集排出し、
清浄になった燃焼ガスと前記ガス化炉を出たあと集塵さ
れてNa,Kを含んだ粒子を捕集排出し、清浄になった
生成ガスをトッピング燃焼器で混合燃焼し、発生した高
温の燃焼ガスをガスタービンに導入するように構成した
ことにより、ガスタービンブレードの高温腐食の原因と
なるNa,K等のアルカリ金属が燃焼ガス中に含まれな
いため、ガスタービンの材質、構造が従来技術で対応可
能である。 (13)加圧流動床複合発電システムにおける円筒形流
動層炉において該流動層内に円筒外壁と同心の仕切壁を
設け、該仕切壁の中間部および下部に空隙を設けて連絡
口とするほか、上端部は円筒外壁の天井面と接し、ガス
出口を形成しており、該仕切壁の内側をガス化炉とし、
該仕切壁の外側の環状空間は酸化炉として使用すること
により、1つの炉でありながら、ガス化炉と酸化炉の2
つの機能を有する複合炉として高効率で運転することが
できる。
得られる。 (1)燃焼室と熱回収室を同一燃焼容器内部で機能的に
分離したことにより、負荷制御は流動層高変化方法によ
ることなく、熱回収室の風量調節による層内伝熱管の総
括伝熱係数の変化により容易に行うことができるため、
流動媒体の出し入れに伴う複雑な操作や設備(ベッド材
貯蔵容器等)が不要であり、また流動媒体の出し入れの
際に生じるアグロメの発生を防止できる。また、負荷変
化時であって流動層温度の変化が少ないことから、常に
NOx,SOx等の抑制に最適な温度条件で運転するこ
とが可能である。しかも層内伝熱管は緩やかな流動状態
にある熱回収室にのみ存在するため、激しい流動状態に
ある流動層内に配置された場合に比べ、摩耗が少ない。 (2)流動媒体が中央から円錐状炉床面に沿いながら全
方位に向かって緩やかに分散移動する拡散流が生じるた
め燃料や脱硫剤などの均一な拡散が行われるため、燃焼
が均一となりアグロメの発生がなく、また給炭口も中央
付近に設けるだけでよく、給炭設備がきわめて簡素化さ
れるなどの効果がある。 (3)流動層表面の流動媒体は中心付近で円筒状の流れ
となって周囲の流動媒体を巻き込みながら沈降するた
め、燃料や脱硫剤などの層内滞留時間が長くとれ、燃焼
効率の向上、脱硫効率の向上にきわめて効果的である。 (4)従来の矩形内部循環流動床ボイラの場合は長方形
の相対する2辺に層内伝熱管が配置されているのに比
べ、本発明の場合は全周を利用できるため、より多くの
伝熱管が配置できることから、さらにコンパクトな構造
となる。 (5)従来の加圧流動床ボイラは水管構造の矩形燃焼容
器を圧力容器の中に納めているが、燃焼器内部と圧力容
器内部の圧力変動が発生した場合に備えて、燃焼器を保
護するため充分な補強が必要であるのに対し、本発明に
おいては燃焼器が円筒であるため充分な強度をもってお
り、補強も簡便でよい。また、圧力容器と燃焼器が円と
円の組み合わせであることから無駄なスペースが無く、
コンパクトな配置となる。 (6)フリーボードに熱回収室を覆うように、クシ歯状
などの形状をしたスクリーンを設けることによって、熱
回収室への粒径の粗い石炭などの固形燃料の混入を避
け、熱回収室におけるアグロメレーションの形成を防ぐ
ほか、熱回収室から発生する燃焼ガスに対してバッフル
作用を果たし、主燃焼室燃焼ガスと十分に混合撹拌する
効果が得られる。 (7)加圧内部循環流動床ボイラは主燃焼室に伝熱面を
有しないため、還元雰囲気で燃焼することができる。そ
の結果、石炭の揮発分放出が活発に行われ、気相反応に
おいてCH4 などの炭化水素やCOあるいは気相のN化
学種(NHi,HCNなど)等が、生成した窒素化合物
を還元するとともに、N化学種が酸化物へ転換する選択
性を低下させる効果をもたらし、低NOx燃焼が可能と
なる。 (8)熱回収室流動層内部に層内伝熱管を放射状に配置
し、しかも用途別に蒸発管ブロック、蒸気過熱管ブロッ
ク、蒸気再熱管ブロックとして使用するため、平面で見
て数個の管群に機能別に分割して配置したことにより、
それぞれのブロック毎に熱回収空気量を調節することに
より、蒸発管ブロック、蒸気過熱管ブロック、蒸気再熱
管ブロックそれぞれの収熱量を独立して制御することが
可能である。 (9)燃焼排ガス系統に設けたサイクロンで捕集した飛
灰を熱回収室に戻すように構成することにより、熱回収
室内の平均粒子径および比重量が小さくなる。その結
果、最低流動化速度が小さくなり、熱回収空気量が少な
くて済む。そのため、層内伝熱管の摩耗が大幅に低減す
るほか、熱回収空気量の変動が燃焼に及ぼす影響も小さ
くなり、安定燃焼にきわめて効果的である。 (10)燃焼器から排出された燃焼ガスから回収した飛
灰、未燃炭素分、未反応脱硫剤などを分級して、粒径が
10〜60μmの範囲の飛灰のみ主燃焼室もしくは熱回
収室へ戻すことにより、最少の循環灰量でNOx低減、
燃焼ガス系統の摩耗の低減、燃焼効率上昇などの効果を
上げることが可能となる。従って、脱硝装置を省略でき
る可能性があり、また炉内脱硫において脱硫剤利用率の
向上が期待できるとともに脱硫率を上げることが可能で
ある。 (11)集塵装置で捕集した飛灰を、冷却したあと大気
圧下で分級し、未燃炭素分や未反応脱硫剤を選択的に燃
焼器に戻すようにしたことにより、高温の粒子を高圧下
で取り扱うことに伴うスラッギングなどの問題を避ける
ことができるほか、分級することによって有用な物質の
みを戻すことになり取り扱う量が少なくなるなどの効果
が生じる。また燃料系統にリサイクルし、スラリー状燃
料に混練して燃焼器に供給することにより、燃焼器への
リサイクル系統を省略できるほか、未反応脱硫剤と燃料
との接触も良好となり脱硫率の向上にも効果的である。 (12)トッピングサイクル複合発電システムにおい
て、ガス化炉およびまたは酸化炉に本願の加圧円筒形内
部循環型流動床ボイラを用い、ガス化炉から排出される
未燃チャーは全量生成ガスと同伴させ、600℃以下に
冷却され、その後段に設置した集塵装置で捕集したあと
酸化炉に導入して完全燃焼させ、その燃焼排ガスは酸化
炉を出たあと、600℃以下に冷却され、後段に設置し
た集塵装置によりNa,Kを含んだ粒子を捕集排出し、
清浄になった燃焼ガスと前記ガス化炉を出たあと集塵さ
れてNa,Kを含んだ粒子を捕集排出し、清浄になった
生成ガスをトッピング燃焼器で混合燃焼し、発生した高
温の燃焼ガスをガスタービンに導入するように構成した
ことにより、ガスタービンブレードの高温腐食の原因と
なるNa,K等のアルカリ金属が燃焼ガス中に含まれな
いため、ガスタービンの材質、構造が従来技術で対応可
能である。 (13)加圧流動床複合発電システムにおける円筒形流
動層炉において該流動層内に円筒外壁と同心の仕切壁を
設け、該仕切壁の中間部および下部に空隙を設けて連絡
口とするほか、上端部は円筒外壁の天井面と接し、ガス
出口を形成しており、該仕切壁の内側をガス化炉とし、
該仕切壁の外側の環状空間は酸化炉として使用すること
により、1つの炉でありながら、ガス化炉と酸化炉の2
つの機能を有する複合炉として高効率で運転することが
できる。
【図1】本発明の加圧内部循環型流動床ボイラの一実施
例を示す断面図である。
例を示す断面図である。
【図2】図2(a)は図1のII(a)−II(a)線断面
図であり、図2(b)は図2(a)の変形例である。
図であり、図2(b)は図2(a)の変形例である。
【図3】負荷変化に応じた空気系統の制御方式を説明す
る説明図である。
る説明図である。
【図4】層内管総括伝熱係数と空塔速度の関係を示す図
である。
である。
【図5】図1の円筒形燃焼器の詳細構造を示す説明図で
ある。
ある。
【図6】本発明の燃焼排ガス処理系統を含めた一例を示
す系統図である。
す系統図である。
【図7】本発明の燃焼排ガス処理系統を含めた他の例を
示す系統図である。
示す系統図である。
【図8】本発明の燃焼排ガス処理系統を含めた更に他の
例を示す系統図である。
例を示す系統図である。
【図9】本発明の加圧内部循環型流動床ボイラの全体系
統図である。
統図である。
【図10】本発明の内部循環型流動床ボイラをトッピン
グサイクル複合発電システムの酸化炉として組み込んだ
例を示す系統図である。
グサイクル複合発電システムの酸化炉として組み込んだ
例を示す系統図である。
【図11】本発明の内部循環型流動床ボイラをトッピン
グサイクル複合発電システムのガス化炉および酸化炉と
して組み込んだ例を示す系統図である。
グサイクル複合発電システムのガス化炉および酸化炉と
して組み込んだ例を示す系統図である。
【図12】本発明の内部循環型流動床ボイラをトッピン
グサイクル複合発電システムのガス化炉および酸化炉を
一体化した炉を示す断面図である。
グサイクル複合発電システムのガス化炉および酸化炉を
一体化した炉を示す断面図である。
【図13】本発明の燃焼排ガス処理系統を含めた1例を
示す系統図である。
示す系統図である。
【図14】従来のバブリング式加圧流動床ボイラを示す
平面図である。
平面図である。
【図15】従来のバブリング式加圧流動床ボイラを示す
平面図である。
平面図である。
1 圧力容器
2 円筒形燃焼器
3 流動用空気入口
4 燃焼ガス出口
5 熱回収制御用空気入口
6 給炭入口
7 円筒形サポート
8 仕切壁
9 主燃焼室
10 熱回収室
11 円筒外壁
12 スクリーン
13 層内管用上部ヘッダー
14 層内管用下部ヘッダー
15 層内伝熱管
16 給水入口
18 均圧ノズル
19 流動用空気系統
20 主燃焼室炉床
21 主燃焼室空気分散ノズル
22 給炭ノズル
23 熱回収室炉床
24 熱回収室空気分散ノズル
27 連絡流路
28 流動燃焼用空気室
30 熱回収制御用空気室
31 フリーボード
33 2次空気ノズル
51 サイクロン
55 集塵装置
58 ガスタービン
100 高圧ガスタービン
101 低圧ガスタービン
120,207 ガス化炉
126,208 酸化炉
201 流動層炉
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 豊田 誠一郎
東京都港区三田1−10−12
(72)発明者 下倉 明
神奈川県横浜市磯子区氷取沢町204−40
(72)発明者 信濃 知行
神奈川県横浜市神奈川区神大寺2−5−
3−512
(72)発明者 細田 修吾
神奈川県横浜市磯子区汐見台3−2,
3204−421
(56)参考文献 特開 平3−286909(JP,A)
特開 昭61−161315(JP,A)
特開 昭63−29108(JP,A)
国際公開90/002293(WO,A1)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
F23C 10/02
F01K 23/10
F22B 1/02
F23C 10/16
Claims (12)
- 【請求項1】 圧力容器内に燃焼器を配置し、該燃焼器
内の加圧流動層で燃料を燃焼する加圧流動床ボイラにお
いて、 該燃焼器は円筒形であり、 該燃焼器の流動層内部に主燃焼室と熱回収室に分離する
仕切壁を設け、 該仕切壁は、該燃焼器の円筒外壁と同心に設けられるも
のであって、円筒状仕切壁と流動化用空気の上向き流路
をさえぎる円錐状仕切壁からなり、該仕切壁の内側に主燃焼室を形成し、 該燃焼器の底部に、外周部の方が中心部よりも大きい質
量速度で流動化用空気を噴出させる空気分散装置を備
え、 該空気分散装置の噴出空気量を制御して質量速度の小さ
い空気噴出部上方には流動媒体が沈降拡散する移動層を
形成させ、質量速度の大きい空気噴出部上方においては
流動媒体を活発に流動化させて前記移動層上部に向かっ
て旋回させた旋回流動床を形成し、 該熱回収室内には受熱流体を通じた伝熱面を配備すると
ともに該熱回収室の底部に熱回収室散気装置を設け、 該流動媒体の一部は、前記仕切壁を越えて前記熱回収室
に入り、 前記熱回収室散気装置から噴出する散気量を制御して該
熱回収室内の流動媒体を移動層の状態で沈降させた後、
前記仕切壁の下部の連絡流路から前記主燃焼室に還流す
ることを特徴とする加圧内部循環型流動床ボイラ。 - 【請求項2】 前記熱回収室の上方は前記主燃焼室の上
方と一体となって、該熱回収室からの燃焼ガスと該主燃
焼室からの燃焼ガスを混合するフリーボードを形成する
ことを特徴とする請求項1に記載の加圧内部循環型流動
床ボイラ。 - 【請求項3】 前記フリーボードにおいて、側面に2次
空気を吹き込む単数または複数の空気ノズルを設けたこ
とを特徴とする請求項1または2に記載の加圧内部循環
型流動床ボイラ。 - 【請求項4】 前記フリーボードにおいて、前記熱回収
室と主燃焼室の間に、該熱回収室からの燃焼ガスに整流
効果を与えるスクリーンを設けたことを特徴とする請求
項1乃至3のいずれか1項に記載の加圧内部循環型流動
床ボイラ。 - 【請求項5】 前記熱回収室散気装置は前記主燃焼室側
へ向かって傾斜していることを特徴とする請求項1乃至
4のいずれか1項に記載の加圧内部循環型流動床ボイ
ラ。 - 【請求項6】 前記仕切壁の下部に設けられた前記主燃
焼室と前記熱回収室との連絡流路の下方の炉床部に連絡
流路を流動化する散気装置を設けたことを特徴とする請
求項1乃至5のいずれか1項に記載の加圧内部循環型流
動床ボイラ。 - 【請求項7】 前記熱回収室の伝熱面を放射状に配置さ
れた層内伝熱管で構成したことを特徴とする請求項1乃
至6のいずれか1項に記載の加圧内部循環型流動床ボイ
ラ。 - 【請求項8】 前記主燃焼室に供給される燃料の供給口
を主燃焼室炉床の仕切壁付近に設けたことを特徴とする
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の加圧内部循環型
流動床ボイラ。 - 【請求項9】 前記フリーボードにおいて、燃焼排ガス
出口手前にバッフルを設けたことを特徴とする請求項1
乃至8のいずれか1項に記載の加圧内部循環型流動床ボ
イラ。 - 【請求項10】 前記熱回収室に供給される熱回収空気
量を制御することにより収熱量を制御することを特徴と
する請求項1乃至9のいずれか1項に記載の加圧内部循
環型流動床ボイラ。 - 【請求項11】 ボイラ出口における燃焼排ガス中の酸
素濃度を管理して、燃焼供給量に応じた一定の空気比で
燃焼するように燃焼用空気量を調節する燃焼用空気系統
を設けたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか
1項に記載の加圧内部循環型流動床ボイラ。 - 【請求項12】 前記燃焼用空気系統によって前記燃焼
用空気量の内、前記熱回収散気装置から噴出する散気量
を除いた残りの空気量を、一定の比率で2分し、一方を
前記主燃焼室の空気分散装置に供給し、他方をフリーボ
ードへ2次空気として供給するように制御することを特
徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の加圧
内部循環型流動床ボイラ。
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