JP3502353B2 - グリーストラップ清掃装置 - Google Patents

グリーストラップ清掃装置

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JP3502353B2
JP3502353B2 JP2001035144A JP2001035144A JP3502353B2 JP 3502353 B2 JP3502353 B2 JP 3502353B2 JP 2001035144 A JP2001035144 A JP 2001035144A JP 2001035144 A JP2001035144 A JP 2001035144A JP 3502353 B2 JP3502353 B2 JP 3502353B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、レストラ
ン等の各種飲食店、ガソリンスタンド、その他各種事業
所等から、排水とともに油脂分がたれ流しにならないよ
うにするために設けられるグリーストラップの清掃装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レストラン等の各種飲食店などでは、厨
房から出る排水に油分が混ざっているため、そのまま油
分がたれ流しにならないように、グリーストラップ設備
(油分分離槽)などを設けて油分を分離し回収すること
が義務づけられている。
【0003】グリーストラップは、定期的にこまめに点
検し、食材の残滓や固化した油脂分を除去しかつ清掃を
行う必要がある。しかし、食材の残滓や固化した油脂分
を除去する作業は面倒かつ不潔であることから見過ごさ
れやすく、油脂分があふれて排水管を通じてたれ流し状
態になるという難点がある。また、排水とともに油脂分
が溜まると、スカムと称する油脂分汚濁物質が発生しや
すく、スカムの除去のために清掃の頻度を増やす必要が
あり、人件費の増加につながる難点がある。また、油脂
が排水管に付着して悪臭が発生するという問題や、洗剤
の使用により乳化した油脂分が排水管内に付着して固ま
り、排水管が詰まりやすいという問題などがある。
【0004】そこで、定期的な清掃を軽減するために、
グリーストラップ内に油脂分解バクテリアを投入した
り、食材の残滓や油脂分の腐敗を防止するための曝気装
置を用いたりしている。しかし、単にグリーストラップ
内に油脂分解バクテリアを投入しただけではバクテリア
が排水とともに流出してグリーストラップ内に滞留する
時間が短く、バクテリアの効果が薄いという難点がある
し、仮にバクテリアをグリーストラップ内に滞留させる
装置を使用し、かつ、曝気装置を併用したとしても、バ
クテリアを毎日投入する必要があってメンテナンスが面
倒であるという難点がある。
【0005】さらに、何れの従来例にせよ、固形状の油
脂その他の固形物が沈殿物となってグリーストラップの
底に溜まり、長期間経過するうちに排水管を詰まらせた
り、腐敗して悪臭を放ったりする難点がある。
【0006】そこで本出願人は、グリーストラップ内の
排水を撹拌しながら移送するポンプユニットと、このポ
ンプユニットによって移送された排水を収容する分離タ
ンクと、この分離タンクに収容された排水中の油脂が付
着する付着媒体と、この付着媒体に付着した油脂を掻き
落とす掻き落とし部材とを具備してなるグリーストラッ
プ清掃装置に関して先に特許出願した。特開平10−1
83747号公報記載の発明がそれである。
【0007】上記出願にかかる発明によれば、排水から
油脂分を能率良く分離して回収することができるととも
に、油脂分の腐敗による悪臭を防止することができ、か
つ、微小な固形物や固化した微小な油脂分などの沈殿を
なくして排水管の詰まりなどをなくすことができ、これ
によって、グリーストラップを常に清潔に保つことがで
きるという効果がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記出願に
かかる発明をさらに改良して、グリーストラップ内の浮
上油をより効率よく水と分離して回収することができ、
かつ、グリーストラップ内に浮上している固形物はもち
ろん、グリーストラップの底部に沈殿しているラード、
植物油、スカムなどを、人手によることなく自動的に効
率よく確実に回収することができるグリーストラップ清
掃装置を提供することを目的とする。
【0009】本発明はまた、各構成部分が自動的に清掃
される機能を持ち、人手によるメンテナンスをほとんど
必要としないグリーストラップ清掃装置を提供すること
を目的とする。本発明はまた、浅形のグリーストラップ
に対しても設置可能なグリーストラップ清掃装置を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
グリーストラップの水位に応じて上下動しグリーストラ
ップの水面に浮上している油を回収する浮上油回収ユニ
ットと、グリーストラップ内の水を吸引し排出すること
によりその水勢によってグリーストラップ内の沈殿物を
浮上させる一方グリーストラップ内の水を沈殿物と浮遊
物とともに吸引して圧送する沈殿物回収ポンプと、沈殿
物回収ポンプで圧送された水から沈殿物および浮遊物と
油とを分離してそれぞれ回収する分離槽と、を有し、浮
上油回収ユニットは、水面に平行に移動して浮上油を補
助タンクに掻き集める板状のブレードからなるオイルプ
ッシャーを有するとともに、オイルプッシャーの移動範
囲外においてオイルプッシャーの移動の向きに対し反対
の向きに移動してオイルプッシャーの移動範囲外の浮上
油をオイルプッシャーの移動範囲内に移動させる第2の
オイルプッシャーを有していることを特徴とする。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、浮上油回収ユニットによって回収された油
は補助タンクに溜められ、補助タンク内の油は分離槽に
送られることを特徴とする。 請求項3記載の発明は、請
求項1記載の発明において、沈殿物回収ポンプが、浮上
油回収ユニットの動作が停止している状態で作動するこ
とを特徴とする。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項1記載の発
明において、沈殿物回収ポンプが、モータ部分と、沈殿
物浮上ポンプ部分と、圧送ポンプ部分とを有し、モータ
部分は水密構造に作られるとともに、モータ部分の回転
力が沈殿物浮上ポンプ部分と圧送ポンプ部分とに磁気結
合によって伝達されることを特徴とする。請求項5記載
の発明は、請求項1記載の発明において、分離槽が、そ
の水面に浮上している油を押して油回収タンクに溜める
オイルプッシャーを有することを特徴とする。
【0013】請求項6記載の発明は、請求項1記載の発
明において、分離槽が、その部に溜まっているスカム
を掻き集め分離槽外に運び出すスカム搬送ユニットを有
することを特徴とする。請求項記載の発明は、請求項
1記載の発明において、分離槽が、沈殿物回収ポンプに
よってグリーストラップから水とともに圧送される固形
物を分離するセパレータを有し、このセパレータは、水
を通す複数のスリットを有し、このセパレータには、上
記スリットに沿って移動するクリーニング部材が付加さ
れていることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
にかかるグリーストラップ清掃装置の実施の形態につい
て説明することにするが、その前に、グリーストラップ
の概略について説明する。図1において、水槽の形をし
たグリーストラップ1は、排水管を通じてレストランの
厨房などから排出された排水が流れ込む流入口11を有
するとともに、排水とともに流れ込む比較的大きな食品
残滓などの固形物を排水から分離するバスケット14を
有し、また、流出口12を有している。流出口12は垂
直方向の管とこの間の上下方向中間部に連通した水平方
向の管からなり、水平方向の管の底部がグリーストラッ
プ1の水位を決定するとともに、上記垂直方向の管の存
在によって、水面近くの浮上油や浮上物が流出すること
のないようになっている。
【0015】図1において、グリーストラップ清掃装置
は、大きく分けて、グリーストラップ1の水位に応じて
上下動しグリーストラップ1の水面に浮上している油を
回収する浮上油回収ユニット2と、グリーストラップ1
内の排水13中に没していてグリーストラップ1内の排
水13を吸引し排出することによりその水勢によってグ
リーストラップ1内の沈殿物を浮上させる一方、グリー
ストラップ1内の排水13を沈殿物および浮遊物ととも
に吸引して圧送する沈殿物回収ポンプ6と、沈殿物回収
ポンプ6で圧送された排水から沈殿物および浮遊物と油
とを分離してそれぞれ回収する分離槽10とからなる。
【0016】上記浮上油回収ユニット2の詳細について
図2乃至図4を参照しながら説明する。図2乃至図4に
おいて、浮上油回収ユニット2は、平行に配置された箱
型の2個一対のフロート21、21を有し、フロート2
1、21は一端部において互いに対向する面が補助タン
ク23に連結されている。補助タンク23内にはオイル
ポンプ22が配置されている。各フロート21、21の
上面にはそれらの長手方向にそれぞれ断面U字状のフレ
ーム24、24が固定されている。二つのフレーム2
4、24の対向面間に渡された軸によって一対のスプロ
ケット25、25が支持されるとともに、この一対のス
プロケット25、25から横方向(第3図において左右
方向)に所定の距離をおいて他の一対のスプロケット2
6、26が、上記フレーム24、24の対向面間に渡さ
れた軸によって支持されている。
【0017】上記一対のスプロケット26、26は、そ
の間に配置されたモータ38によって同じ向きに回転駆
動される。図3の上下方向を前後方向とすると、前側に
配置されている一対のスプロケット25、26との間お
よび後側に配置されている一対のスプロケット25、2
6との間にはそれぞれチェーン27、27が掛けられて
いる。モータ38によって上記一対のスプロケット2
6、26が回転駆動されると、チェーン27、27は同
じ速度で回転する。チェーン27、27は上記対をなす
スプロケット25、26で折り返されることにより上下
に平行をなしており、また、チェーン27、27にまた
がって、かつ、チェーン27、27の長さ方向に一定間
隔で複数個のオイルプッシャー28が取付けられてい
る。オイルプッシャー28は、ループをなすチェーン2
7、27の外側に向かって突出した板状のブレードを有
し、スプロケット25、26の下側に位置するとき、上
記ブレードがグリーストラップ1の水面からある程度水
中に没するように、浮上油回収ユニット2の浮力とチェ
ーン27、27の取付け高さ位置が調整されている。浮
上油回収ユニット2は、上記フロート21、21により
グリーストラップ1内の水位に応じて上下動するように
なっていて、図1に示す上下方向のガイド92が、浮上
油回収ユニット2の上下動をガイドするようになってい
る。
【0018】スプロケット25、26の下側に位置する
オイルプッシャー28は、水面に平行に、かつ、前記補
助タンク23より遠い方から補助タンク23の方に向か
って移動するように、モータ38が回転駆動される。オ
イルプッシャー28はフレーム24、24の間隔と略同
じ長さを有し、移動することによって浮上油を掻き寄せ
るようになっている。オイルプッシャー28が水面と平
行に移動した後スプロケット25の円弧に沿って弧を描
きながら上昇するとき、掻き寄せられた浮上油がオイル
プッシャー28で掻き揚げられるように、断面が部分円
弧状のガイド29が取付けられている。ガイド29の側
方に前記補助タンク23が配置されていて、上記のよう
にして掻き揚げられた浮上油がガイド29の端縁から補
助タンク23に落ち込むようになっている。
【0019】スプロケット26、26が取付けられた軸
の手前側の端部は、手前側のフレーム24よりも手前側
に延び出ていて、ここに歯車30が一体に取付けられて
いる。スプロケット26、26の軸の側方には、この軸
と平行に軸32が適宜の軸受によって回転自在に支持さ
れ、軸32の手前側の端部に一体に取付けられた歯車3
1が上記歯車30と噛み合っている。したがって、軸3
2はスプロケット26、26とは逆向きに回転駆動され
る。軸32の前後両端部には、フレーム24、24より
も外側においてスプロケット33、33が一体に取付け
られている。
【0020】フレーム24、24には、前記補助タンク
23に対応する位置の前後において、スプロケット3
5、35が適宜の軸受と軸とを介して回転自在に支持さ
れている。手前側および後ろ側においてそれぞれ対をな
すスプロケット33、35間にはそれぞれチェーン3
4、34が掛けられている。各チェーン34、34に
は、適宜数の第2のオイルプッシャー36が取付けられ
ている。第2のオイルプッシャー36の高さ位置は、オ
イルプッシャー28と同じ高さ位置になっている。第2
のオイルプッシャー36は、チェーン34の回転駆動に
伴いグリーストラップ1の内壁面とフレーム24との間
を、したがって、オイルプッシャー28の移動範囲外を
移動する。しかも、軸32はスプロケット26、26と
は逆向きに回転駆動されるため、チェーン27、27間
に取付けられたオイルプッシャー28の移動の向きに対
して、チェーン34、34にそれぞれ取付けられた第2
のオイルプッシャー36は逆向きに移動し、第2のオイ
ルプッシャー36は、オイルプッシャー28の移動範囲
外の浮上油をオイルプッシャー28の移動範囲内に集め
るようになっている。
【0021】次に、沈殿物回収ポンプ6の具体的構成を
説明する。図4乃至図7において、沈殿物回収ポンプ6
は、グリーストラップ1内の水中に没するように取付け
られている。沈殿物回収ポンプ6は、主にモータ部分6
1と、その両側に配置された沈殿物浮上ポンプ部分62
および圧送ポンプ部分63とを有してなる。モータ部分
61は、感電防止のために比較的低電圧で動作する直流
モータになっている。沈殿物浮上ポンプ部分62は、グ
リーストラップ1内の水を吸引し、かつ、排水すること
によって、排水の水勢でグリーストラップ1内の沈殿物
を浮上させるようになっている。符号64は、沈殿物浮
上ポンプ部分62に設けられた複数の排出パイプを示し
ている。これらの排出パイプ64は、勢いよく排出され
る水の勢いをグリースストラップ1の底のあらゆる位置
に及ぼすことができるように、それぞれの向きを異なら
せて配置されている。
【0022】上記圧送ポンプ部分63は、吸引パイプ6
5と、圧送パイプ66を有してなる。吸引パイプ65は
複数個設けられ、各吸引パイプ65の吸引口はグリース
ストラップ1の底近くにおいて底を向いて開いている。
各吸引パイプ65は排水13とともに沈殿物と浮遊物を
吸引し、吸引された排水13および沈殿物と浮遊物は、
圧送パイプ66を介して分離槽10に圧送される。圧送
ポンプ部分63は、内部に図7に示すような半円形の一
対のフィン89、89が渦巻状に配置されている。フィ
ン89、89は、上記モータ部分61の出力軸に一体に
取付けられたロータ88に一体に設けられている。フィ
ン89、89の回転駆動により、上記のように排水13
が吸引パイプ65から吸引され、圧送パイプ66から圧
送される。排水13とともに沈殿物および浮遊物も吸引
され圧送されるように、フィン89、89は相互の間隔
および圧送ポンプ部分63のケーシングとの間隔をあけ
て配置されている。
【0023】圧送ポンプ部分63は、グリーストラップ
1内の排水13中に没した状態で使用されるため、少な
くともモータ部分61は水密構造に作られている。図6
は、この水密構造を含む圧送ポンプ部分63および沈殿
物浮上ポンプ部分62の内部構造を示す。図6におい
て、モータ部分61は、円筒状のケーシング90と、こ
のケーシング90の一端側に一体に形成された底板69
と、ケーシング90の開口端側に固定された端板68
と、底板69と端板68により適宜の軸受を介して回転
自在に支持された回転軸72と、この回転軸72に一体
に取付けられたモータのロータ74と、このロータ74
の内側に位置し端板68に固定されたモータのステータ
73を有してなる。モータ自体の構成は周知の直流モー
タの構成を採用して差し支えがないので、詳細な説明は
省略する。
【0024】モータ部分61のケーシング90には、沈
殿物浮上ポンプ部分62のケーシング93が結合されて
いる。このケーシング93には、同心円状の窪みを有す
る隔壁70が一体に形成されている。この隔壁70とケ
ーシング93と上記モータ部分61の端版68とで区切
られた空間内には、回転軸72の一端部に固定されたカ
ップ状の回転体75と、この回転体75の内周側に固定
された円筒状のマグネット76とが配置されている。上
記隔壁70で区切られた上記ケーシング93の図6にお
いて右側略半分の空間には、ケーシング93によって上
記回転軸72の延長線上に回転自在に支持された回転軸
95と一体に回転体78が配置されるとともに、回転体
78には円筒状のマグネット77が固定されている。
【0025】上記マグネット76の内周面とマグネット
77の外周面は隔壁70の介在のもとに対向している。
マグネット76、77は周方向に同一角度間隔でN極と
S極に交互に着磁されている。少なくとも隔壁70は非
磁性材からなる。したがって、モータ部分61と沈殿物
浮上ポンプ部分62は磁気結合され、モータ部分61の
回転軸72が回転駆動されると、この回転力が、マグネ
ット76、77の磁気的吸引反発力によって沈殿物浮上
ポンプ部分62に伝達されるようになっている。沈殿物
浮上ポンプ部分62の上記回転体78にはポンプとして
機能するための適宜のフィンが一体に設けられていて、
回転体78の回転により、前述のようにグリーストラッ
プ1内の排水13を吸引し排出し、その水勢によってグ
リーストラップ1内の沈殿物を浮上させるようになって
いる。
【0026】圧送ポンプ部分63も、沈殿物浮上ポンプ
部分62と略同様に構成されている。すなわち、モータ
部分61のケーシング90には、圧送ポンプ部分63の
ケーシング94が結合されている。このケーシング94
には、同心円状の窪みを有する隔壁71が一体に形成さ
れている。この隔壁71とケーシング94と上記モータ
部分61の底板69とで区切られた空間内には、回転軸
72の他端部に固定されたカップ状の回転体85と、こ
の回転体85の内周側に固定された円筒状のマグネット
86とが配置されている。上記隔壁71で区切られた上
記ケーシング94の図6において左側略半分の空間に
は、ケーシング94によって上記回転軸72の延長線上
に回転自在に支持された回転軸97と一体に前記回転体
88が配置されるとともに、回転体88には円筒状のマ
グネット87が固定されている。
【0027】上記マグネット86の内周面とマグネット
87の外周面は隔壁71の介在のもとに対向している。
マグネット86、87は周方向に同一角度間隔でN極と
S極に交互に着磁されている。少なくとも隔壁71は非
磁性材からなる。したがって、モータ部分61と圧送ポ
ンプ部分63は磁気結合され、モータ部分61の回転軸
72が回転駆動されると、この回転力が、マグネット8
6、87の磁気的吸引反発力によって圧送ポンプ部分6
3に伝達されるようになっている。圧送ポンプ部分63
の上記回転体88には前記フィン89が一体に設けられ
ていて、回転体88が回転することにより、前述のよう
に、グリーストラップ1内の排水を沈殿物と浮遊物とと
もに吸引し圧送パイプ66を通じて前記分離槽10に圧
送するようになっている。
【0028】モータ部分61、より具体的には、隔壁7
0、71を両端として、この隔壁70、71と、沈殿物
浮上ポンプ部分62のケーシング93と、モータ部分6
1のケーシング90と、圧送ポンプ部分63のケーシン
グ94とで区切られた空間は、グリーストラップ1内の
排水13中に沈めても内部に排水13が侵入することの
ないように水密構造になっている。モータ部分61の回
転力は、上に述べたような磁気結合によって沈殿物浮上
ポンプ部分62と圧送ポンプ部分63に伝達される。
【0029】次に、分離槽10について具体的に説明す
る。図8乃至図13において、分離槽10は四角の箱型
に形成されていて、分離槽10内の略中央に設けられた
分離タンク200と、この分離タンク200内の底部に
設けられたスカム掻き寄せユニット107と、掻き寄せ
られたスカムを分離タンク200の限られた箇所に集め
るスカム搬送スクリューユニット108と、集められた
スカムを分離槽10の上部に搬送するスカム揚送ユニッ
ト120と、揚送されたスカムおよび比較的大きい固形
物を収容するダスト・スカムバケット102と、前記沈
殿物回収ポンプ6によって圧送された排水13から沈殿
物や浮遊物などの固形物を分離する固形物分離ユニット
106と、上記分離タンク200の水面123に浮いて
いる油を掻き集めて油回収タンク103に収容する第2
の浮上油回収ユニット105とを有してなる。
【0030】分離槽10の底部には底板136があり、
この底板136の下面側に、上記各ユニットを駆動する
ためのモータ110が取り付けられている。モータ11
0の出力軸は分離槽10の前面側に延び出ていて、この
出力軸にはプーリ111が固定されている。プーリ11
1の図8において左側にはプーリ112が軸124と一
体に回転自在に支持され、プーリ112の右斜め上には
プーリ113が回転自在に支持されている。プーリ11
3の上方には、分離槽10の高さ方向中央よりも多少上
寄りにプーリ114が回転自在に支持されている。プー
リ114の直近上方にはアイドルプーリ162が配置さ
れている。これらのプーリ111、112、113、1
14、162にはチェーン101が掛けられている。よ
り具体的には、プーリ111、112、162にはチェ
ーン101の内側が、プーリ113、114にはチェー
ン101の外側が掛けられている。モータ110が駆動
されることにより、プーリ111、112、162は図
8において反時計方向に、プーリ113、114は時計
方向に回転駆動されるようになっている。
【0031】プーリ113は軸131を介してスプロケ
ット132(図10参照)と一体に設けられていて、ス
プロケット132から図8において右方に所定の間隔を
おいてスプロケット130が回転自在に支持されてい
る。図10に示すように、スプロケット132は分離タ
ンク200の前側(図10において右側)と後側に対を
なして配置されるとともに、この一対のスプロケット1
32、132が軸131により一体に連結されている。
上記スプロケット130も同様に分離タンク200の前
後に対をなして配置されるとともに軸によって一体に連
結されている。前側の上記スプロケット132、130
間および後側の上記スプロケット132、130間には
チェーン134,134が掛けられている。これら前後
のチェーン134,134にまたがって、ゴムなどから
なる掻き取り部材135が適宜数、適宜の間隔をおいて
取り付けられている。上記プーリ113とともにスプロ
ケット132が回転駆動されることにより、チェーン1
34,134が駆動され、下側に位置する掻き取り部材
135が底板136に摺接しながら図8において右から
左に向かって移動するようになっている。この掻き取り
部材135の移動により、底板136の上に溜まってい
るスカム等の沈殿物を図8において左側に掻き寄せるよ
うになっている。上記チェーン134、134、掻き取
り部材135などによって、スカム掻き寄せユニット1
07を構成している。
【0032】上記スカム掻き寄せユニット107で掻き
寄せられたスカム等の沈殿物は、図9、図10に示すス
カム搬送スクリューユニット108によって分離タンク
200の奥の方に集められるようになっている。スカム
搬送スクリューユニット108は、前記軸124に一体
に設けられたスクリュー126を有し、前記スプロケッ
ト112とともにスクリュー126が回転駆動されるこ
とにより、スクリュー126によって沈殿物が分離タン
ク200の奥の方に集められる。
【0033】上記のようにして集められた沈殿物は、ス
カム揚送ユニット120によって分離槽10の上部に揚
送されるようになっている。スカム揚送ユニット120
は、図10、図11に示すように、分離槽10の後部に
斜めに固定された細長い箱体122と、この箱体122
の下部において上記軸124に一体に取り付けられたス
プロケット138と、上記箱体122の上部において軸
142に一体に取り付けられたスプロケット139と、
スプロケット138、139に掛けられたチェーン18
7と、このチェーン187に一定間隔で取り付けられた
複数の揚送片188とを有してなる。
【0034】上記軸124に一体に設けられた前記スプ
ロケット112が前述のように図8において反時計方向
に回転駆動されることにより上記スプロケット138、
139間に掛けられたチェーン187が回転し、上記揚
送片188が、斜設された上記箱体122の底部に摺接
しながら左下から右上(図11では右下から左上)に向
かって移動するようになっている。箱体122の下部は
前記スクリュー126に対応する部分が開放していて、
スクリュー126によって集められた沈殿物が箱体12
2内に押し込まれる。この押し込まれた沈殿物は、上記
揚送片188で箱体122の底板に沿って揚送される。
箱体122の底板は、図11に示すように箱体122の
上端部において切り欠かれて開口部189が形成されて
おり、揚送された沈殿物がこの開口部189から放出さ
れるようになっている。上記開口部189の下方にはダ
スト・スカムバケット102があり、ダスト・スカムバ
ケット102に上記スカム等の沈殿物が収容されるよう
になっている。
【0035】分離槽10の上部には、前記沈殿物回収ポ
ンプ6によって圧送された排水13と沈殿物や浮遊物な
どの固形物とを分離する固形物分離ユニット106が配
置されている。固形物分離ユニット106は、上記軸1
42の近くにこの軸142と平行に支持された軸140
と、この軸140に一体に設けられた前後一対のスプロ
ケット146、146と、図8において軸140から左
側に離間し、かつ、軸140よりもいくらか低い位置で
軸140と平行に支持された軸143と、この軸143
に一体に設けられた前後一対のスプロケット148、1
48(図10参照)と、前側のスプロケット146、1
48および後側のスプロケット146、148に掛けら
れたチェーン150、150と、これらチェーン15
0、150間にまたがって一定間隔で取り付けられた複
数の櫛歯状のクリーニング部材152と、このクリーニ
ング部材152の移動軌跡のうち略上半分に沿って設け
られたセパレータ154と、上記軸142に一体に取り
付けられた歯車181と、上記軸140に一体に取り付
けられ歯車181と噛み合う歯車182とを有してな
る。
【0036】上記セパレータ154は、上記クリーニン
グ部材152の移動に細長い複数の板状の部材を、固形
物分離ユニット106の奥行き方向の略全体にわたって
一定間隔で配置することによってスノコ状に形成され、
上記各板状の部材間にスリットが形成されている。セパ
レータ154の上には、グリーストラップ1から前記沈
殿物回収ポンプ6によって排水13およびこの排水13
とともに圧送される沈殿物その他の固形物が排出口12
9から排出される。セパレータ154は、上記排水13
と沈殿物その他の固形物を分離し、排水のみを通してこ
れを分離タンク200に落下させ収容するようになって
いる。また、上記セパレータ154の上には上記固形物
が残るようになっている。櫛歯状の上記クリーニング部
材152は、一つ一つの櫛の歯に相当する部分がセパレ
ータ154の上記スリットに入り込むとともに、上記板
状の部材に摺接している。
【0037】前記モータ110を駆動源としてプーリ1
12が図8において反時計方向に回転駆動されると、こ
の回転力は軸124、図10に示すスプロケット13
8、チェーン187、スプロケット139を介して軸1
42に伝達され、軸142と一体の歯車181が図8に
おいて反時計方向に、歯車181と噛み合う歯車182
およびこの歯車182と一体の軸140が時計方向に回
転駆動される。軸140の回転によりチェーン150が
駆動され、チェーン150に取り付けられたクリーニン
グ部材152はその下側が図8において右から左に、上
側が左から右に向かって移動する。したがって、クリー
ニング部材152は、その移動によって、セパレータ1
54上に残った固形物を引っ掛けて左から右に搬送する
とともに、板状の部材を清掃するようになっている。セ
パレータ154の図8における右端は、ダスト・スカム
バケット102の上方に位置していて、セパレータ15
4に沿って搬送された上記固形物がダスト・スカムバケ
ット102に落下し収容されるようになっている。
【0038】上記分離タンク200には、排水路172
が設けられている。排水路172は、上下方向のセパレ
ータで折り曲げられることにより、分離タンク200の
底部寄りの水が排出されるとともに、上記セパレータの
一つによって分離タンク200の水位が一定に保たれる
ようになっている。上記排水路172は、図1に示すよ
うに循環路192を経てグリーストラップ1に通じてい
る。
【0039】分離タンク200の上部に第2の浮上油回
収ユニット105が配置されている。第2の浮上油回収
ユニット105は、前述のグリーストラップ1内に設け
られている浮上油回収ユニット2に似ている。ただし、
分離タンク200の水位123は一定であるため、分離
タンク200に設けられた浮上油回収ユニット105
は、水位123に合わせて固定されている。また、上記
浮上油回収ユニット105は、一方向に移動するオイル
プッシャー164のみを有している点で前述の浮上油回
収ユニット2と異なっている。
【0040】上記第2の浮上油回収ユニット105をよ
り詳細に説明する。図8、図10において、浮上油回収
ユニット105は、前記スプロケット114を一体に保
持する軸165と、この軸165の前後端寄りに一体に
設けられた一対のスプロケット184、184と、これ
らのスプロケット184、184と同じ高さ位置におい
て上記軸165と平行に支持された軸の前後端寄りに一
体に設けられた一対のスプロケット163、163と、
前側のスプロケット184、163間および後側のスプ
ロケット184、163間にそれぞれ掛けられたチェー
ン160、160と、前後のチェーン160、160に
またがって取り付けられた複数のオイルプッシャー16
4とを有してなる。
【0041】上記軸165は前述のように図8において
時計方向に回転駆動され、これに伴ってチェーン160
も時計方向に回転する。チェーン160に取り付けられ
たオイルプッシャー164が、スプロケット184、1
63の下側を移動するとき、すなわち図8において右か
ら左に移動するとき、オイルプッシャー164は、その
一部が分離タンク200の水面付近に没し、排水から分
離して水面付近に浮上している油を左側に掻き寄せる。
オイルプッシャー164の上記浮上油掻き寄せ行程の終
端付近には、図1、図8に示すように、油ガイド204
が取付けられている。油ガイド204は、オイルプッシ
ャー164が浮上油掻き寄せ行程の終端付近において描
く円弧状の軌跡にしたがって部分円弧状に形成されると
ともに、この部分円弧に続いて油回収タンク103の上
方に突出した庇状の部分186と、オイルプッシャー1
64を清掃するクリーニングブラシ185が形成されて
いる。オイルプッシャー164が掻き寄せた浮上油は、
油ガイド204に沿って掻き揚げられた後、上記庇状の
部分186に案内されて油回収タンク103に落下し収
容される。油ガイド204を上記のような部分円弧状に
した理由は、部分円弧状にすることによって、水位12
3よりも油ガイド204が円弧を描いて順次高くなり、
分離タンク200内の排水が油回収タンク103に流れ
込むことを阻止するためである。
【0042】前記圧送パイプ66(図1、図8参照)の
先端129は固形物分離ユニット106のセパレータ1
54上で開口している。前記浮上油回収ユニット2に設
けられた補助タンク23に一旦収容された浮上油は、ポ
ンプ22によって、パイプ40を介し分離タンク200
に搬送されるようになっている。ダスト・スカムバケッ
ト102の底部にはドレーンパイプ196が設けられ、
ダスト・スカムバケット102に収容されたダストやス
カムから滴り落ちた水が循環路192を通じてグリース
トラップ1に戻されるようになっている。
【0043】ダスト・スカムバケット102の下方には
重量センサ198が、油回収タンク103の下方には重
量センサ202が、それぞれ設けられていて、ダスト・
スカムバケット102内のダストやスカムなどの固形物
が一定の量以上になり、あるいは油回収タンク103内
の回収オイルが一定の量以上になると、上記センサ19
8または202が検出信号を出力し、警報を発するよう
になっている。この警報に基づき、ダスト・スカムバケ
ット102内の固形物を回収して廃棄し、または油回収
タンク103内のオイルを回収して廃棄すればよい。
【0044】次に、上記実施形態の一連の動作を説明す
る。グリーストラップ1には流入口11から厨房などか
らの排水が流入する。このとき、バスケット14に一定
以上の大きさの固形物が溜められ、排水13がグリース
トラップ1に溜められる。タイマー制御等によって浮上
油回収ユニット2が駆動され、図2、図3等によって説
明した通り、グリーストラップ1の水面に浮上している
油をオイルプッシャー28が水面に平行に移動して掻き
集め、補助タンク23に溜める。また、第2のオイルプ
ッシャー36が上記オイルプッシャー28の移動範囲外
においてオイルプッシャー28の移動の向きとは逆向き
に移動し、オイルプッシャー28の移動範囲外の浮上油
をオイルプッシャー28の移動範囲内に移動させる。そ
のため、グリーストラップ1内の浮上油を効率よく、迅
速に補助タンク23に集めることができる。
【0045】浮上油回収ユニット2の作動停止状態で沈
殿物回収ポンプ6を駆動する。沈殿物回収ポンプ6は、
前述のようにグリーストラップ1内の排水13中に没し
ていて、モータ部分61と、その両側に配置された沈殿
物浮上ポンプ部分62および圧送ポンプ部分63とを有
している。モータ部分61で沈殿物浮上ポンプ部分62
が駆動されることにより、排水13が吸引されて排出パ
イプ64から勢いよく水が排出される。この水はグリー
ストラップ1の底に向けて排出されるため、水の勢い
で、グリーストラップ1の底に溜まっているスカム、固
形物、その他の沈殿物を舞い上がらせる。上記モータ部
61は圧送ポンプ部分63も駆動し、圧送ポンプ部分6
3は、上記のようにして舞い上がった沈殿物も排水13
とともに吸引パイプ65から吸引し、圧送パイプ66か
ら分離槽10に圧送する。
【0046】分離槽10のモータ110(図8参照)
は、上記沈殿物回収ポンプ6の動作とは無関係に駆動さ
れる。モータ110が駆動されると、スカム掻き寄せユ
ニット107、スカム搬送スクリューユニット108、
スカム揚送ユニット120、固形物分離ユニット10
6、浮上油回収ユニット105が前述のように駆動され
る。また、浮上油回収ユニット2のポンプ22も、上記
沈殿物回収ポンプ6の動作とは無関係に駆動される。ポ
ンプ22が駆動されると、補助タンク23に溜められた
油もパイプ40を通じて分離槽10の分離タンク200
に搬送される。
【0047】上記のようにして圧送パイプ66を通じて
圧送された沈殿物その他の固形物を含む排水は、固形物
分離ユニット106のセパレータ154上に放出され
る。排水および油はセパレータ154のスリットを通っ
て分離タンク200に収容される。また、比較的微細な
上記沈殿物等も上記スリットを通って分離タンク200
に収容される。ある程度以上の大きさの固形物はセパレ
ータ154上に残る。この残った固形物は、セパレータ
154に沿って移動する前記櫛歯状のクリーニング部材
152に押され、図8において左から右に移動させら
れ、セパレータ154の右端から放出されてダスト・ス
カムバケット102に収容される。このようにして、固
形物分離ユニット106では、前記沈殿物回収ポンプ6
によって圧送された排水13と沈殿物や浮遊物などの固
形物とを分離し、固形物をダスト・スカムバケット10
2に収容する。
【0048】なお、上記クリーニング部材152は、上
記のように櫛歯状をしていて、複数の細長い板状の部材
を一定間隔で配置することによって構成されているセパ
レータ154の上記板状の部材に摺接し、かつ、上記板
状の部材間に形成されているスリット内に入り込んでい
るため、クリーニング部材152の移動によって固形物
がダスト・スカムバケット102に収容されるばかりで
なく、セパレータ154自体が清掃されるという特徴が
ある。
【0049】分離タンク200内には、排水ばかりでは
なく、上記のように比較的微細なごみその他の固形物が
溜まり、これがスカムとなって分離タンク200の底部
に沈殿する。このスカム等の沈殿物は、スカム掻き寄せ
ユニット107で分離タンク200の底部の一側方、す
なわちスカム搬送スクリューユニット108の方に掻き
寄せられる。掻き寄せられた上記沈殿物は、スカム搬送
スクリューユニット108によって分離タンク200の
奥の方に集められる。集められた上記沈殿物は、スカム
揚送ユニット120によって、その箱体122の底板に
沿い、分離槽10の上部に向かって揚送される。ダスト
・スカムバケット102の上方まで揚送された上記沈殿
物は、図11に示す開口部189から放出され、ダスト
・スカムバケット102に収容される。
【0050】このようにして、分離タンク200内に溜
まったスカムも除去されるため、人手によるスカム除去
作業は不要になる。ダスト・スカムバケット102に収
容されたスカムは水分を含んでいるが、この水分はダス
ト・スカムバケット102内を降下し、ドレーンパイプ
176から循環路174を介してグリーストラップ1に
戻される。したがって、ダスト・スカムバケット102
内には、固形物とスカムが、比較的水分の少ない状態で
収容される。
【0051】分離タンク200の水面には、水から分離
した状態で油が浮上する。この浮上油は、前記第2の浮
上油回収ユニット105の作動により、そのオイルプッ
シャー164が図8において右から左に向かって掻き集
め、油回収タンク103に収容する。前記沈殿物回収ポ
ンプ6が稼動している間は、分離タンク200に油とと
もに排水が流れ込むが、分離タンク200内の水位は、
前述のように、上下方向のセパレータで折り曲げられた
形の排水路172があることによって一定に保たれる。
また、排水路172は、分離タンク200の底部寄りの
水が排出され、グリーストラップ1に循環するため、浮
上油は循環せず、分離タンク200内にとどまる。した
がって、第2の浮上油回収ユニット105は、浮上して
いる油のみを掻き集め、油回収タンク103に収容する
ことができる。
【0052】以上の動作を行い、排水がグリーストラッ
プ1と分離槽10との間で循環するうちに、グリースト
ラップ1内に沈殿しているスカムや固形物は除去され、
浮上油もなくなり、自動的にグリーストラップ1が清掃
される。また、分離槽10では、その分離タンク200
内に沈殿しているスカムが除去されてダスト・スカムバ
ケット102に収容され、分離タンク200内の浮上油
は油回収タンク103に回収されるため、分離槽10も
自動的に清掃される。
【0053】沈殿物回収ポンプ6、浮上油回収ユニット
2のモータ38、補助タンク23内のオイルポンプ2
2、分離槽10の各ユニットを駆動するためのモータ1
10は、所定のプログラムにしたがって、あるいはセン
サの検出信号に基づいて、それぞれ独立に、または互い
に連携を取りながら、さらには手動操作で必要に応じて
駆動するようにすることができる。沈殿物回収ポンプ6
の駆動によって排水13を分離槽10に圧送していると
きは、分離タンク200内の水面が荒れていて、水面付
近で油と水が交じり合っているので、モータ110は停
止させておく。沈殿物回収ポンプ6が停止し、分離タン
ク200の水面付近で油と水がはっきり分離した状態の
ときにモータ110を駆動するようにする。こうするこ
とにより、第2の浮上油回収ユニット105が分離タン
ク200の水面に浮いている油のみを油回収タンク10
3に効率よく回収することができる。
【0054】沈殿物回収ポンプ6、浮上油回収ユニット
2のモータ38、補助タンク23内のオイルポンプ22
も、必ずしも同期して動作させる必要はない。例えば、
沈殿物回収ポンプ6の動作中はグリーストラップ1内の
排水13が動いているので、浮上油回収ユニット2のモ
ータ38は停止状態とし、沈殿物回収ポンプ6が停止し
ているときモータ38を駆動し、グリーストラップ1内
の水面付近の油を補助タンク23に収容する。補助タン
ク23内のオイルポンプ22は、例えば補助タンク23
内の油の量を検出するセンサからの検出信号によって駆
動するようにしてもよい。
【0055】例えば、レストランなどにおいては、営業
時間中は沈殿物回収ポンプ6、浮上油回収ユニット2の
モータ38のみを同時または別々にタイマー制御によっ
て一定の時間間隔で一定時間だけ運転し、営業時間外に
分離槽10のモータ110を運転して油を回収し、ま
た、スカムなどの固形物を回収するようにするとよい。
【0056】なお、上記分離タンク200に浮上油の検
出手段を設け、この検出手段が一定以上の浮上油が溜ま
ったことを検出したとき上記第2の浮上油回収ユニット
105を稼動させ、上記浮上油が一定以下に減少したこ
とを検出したとき上記第2の浮上油回収ユニット105
の稼動を停止させるようにするとよい。なぜなら、浮上
油がないとき第2の浮上油回収ユニット105を稼動さ
せると、油回収タンク103に水が溜まる可能性がある
からである。
【0057】図13、図14は、浮上油回収ユニット2
の別の例を示す。この浮上油回収ユニット2は、図1な
いし図4に示す実施形態における浮上油回収ユニット2
の構成と基本的には変わりがなく、構成の一部が異なる
のみであるから、同じ構成部分には共通の符号を付し、
異なる構成部分を重点的に説明する。
【0058】図13、図14において、補助タンク23
は蛇腹形式になっていて、設置するグリーストラップの
深さ寸歩に応じ上下に伸縮させて設置することができる
ようになっている。補助タンク23の下端にオイルポン
プ22が取り付けられている。オイルポンプ22はケー
シングによって密封されたモータ部とポンプ部を有し、
モータ部とポンプ部が磁気的に結合されている。オイル
ポンプ22は、補助タンク23内に回収された油を、パ
イプ40を介し分離タンク200に搬送する。
【0059】浮上油回収ユニット2は、図13、図14
において右側部上下にブラケット224、226を有し
ている。ブラケット224、226は前後方向(図13
において上下方向)に広がりをもっていて、前後端部に
ガイド孔を有している。ブラケット224、226の前
側のガイド孔を1本のガイド棒222が上下に貫き、後
側のガイド孔を他の1本のガイド棒222が上下に貫い
ている。各ガイド棒222は、グリーストラップ1の底
に沈められた重り220から垂直に立ち上がっている。
ブラケット224、226は浮上油回収ユニット2と一
体となって、ガイド棒222に沿って上下に摺動するこ
とができる。したがって、浮上油回収ユニット2は、グ
リーストラップ1内の排水13の水位が変動するのに伴
って上下動し、水面上に浮上している油を補助タンク2
3に回収することができる。
【0060】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、グリーストラッ
プの水位に応じて上下動しグリーストラップの水面に浮
上している油を回収する浮上油回収ユニットと、グリー
ストラップ内の水中に没していてグリーストラップ内の
水を吸引し排出することによりその水勢によってグリー
ストラップ内の沈殿物を浮上させる一方グリーストラッ
プ内の水を上記沈殿物と浮遊物とともに吸引して圧送す
る沈殿物回収ポンプと、沈殿物回収ポンプで圧送された
水から上記沈殿物および浮遊物と油とを分離してそれぞ
れ回収する分離槽とを有してなる。したがって、グリー
ストラップ内の沈殿物や浮遊物を自動的に除去すること
ができ、また、グリーストラップ内の浮上油も自動的に
回収することができる。よって、人手を要することなく
グリーストラップ内の沈殿物や浮遊物を除去し、浮上油
を回収することができ、グリーストラップを常に清潔に
保つことができる。また、浮上油回収ユニットは、水面
に平行に移動して浮上油を補助タンクに掻き集めるオイ
ルプッシャーを有する形式にしたため、従来のように油
吸着体に油を付着させ、これを掻き落とす形式のものと
比較すると、格段に効率のよい浮上油回収ユニットを得
ることができる。加えて、浮上油回収ユニットは、オイ
ルプッシャーの移動範囲外においてオイルプッシャーの
移動の向きに対し反対の向きに移動し、オイルプッシャ
ーの移動範囲外の浮上油をオイルプッシャーの移動範囲
内に移動させる第2のオイルプッシャーを有する構成と
したため、グリーストラップ内全体に浮上している油を
余すことなく、したがって効率よく回収することができ
る。
【0061】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明において、浮上油回収ユニットによって回収さ
れた油は一旦補助タンクに溜め、補助タンク内の油は分
離槽に送るようにしたため、排水と、その中に含まれる
油とを確実に、かつ、効率よく分離することができる。
【0062】
【0063】
【0064】請求項記載の発明は、請求項1記載の発
明において、沈殿物回収ポンプは、浮上油回収ユニット
の動作が停止している状態で作動するようにした。浮上
油回収ユニットが動作している状態では、グリーストラ
ップ内の排水が沈殿物および油とともにかき混ぜられて
いる状態になっているので、この状態で浮上油回収ユニ
ットを動作させると、排水と浮上油とが混在したまま回
収されるおそれがある。そこで請求項記載の発明で
は、排水と浮上油とが混在することのない状況下におい
て浮上油回収ユニットを動作させ、浮上油のみを回収す
ることができるようにした。
【0065】請求項記載の発明によれば、請求項1記
載の発明において、沈殿物回収ポンプは、モータ部分
と、沈殿物浮上ポンプ部分と、圧送ポンプ部分とを有
し、上記部分は水密構造に作られるとともに、モータ部
分の回転力が沈殿物浮上ポンプ部分と圧送ポンプ部分と
に磁気結合によって伝達されるようになっているため、
沈殿物回収ポンプ全体が水中に没した状態で使用するこ
とが可能になり、浅形のグリーストラップにも容易に適
用することができる。
【0066】請求項記載の発明によれば、請求項1記
載の発明において、分離槽は、その水面に浮上している
油を押して油回収タンクに溜めるオイルプッシャーを有
しているため、分離槽においても浮上油を効率よく迅速
に回収することができる。
【0067】請求項記載の発明によれば、請求項1記
載の発明において、分離槽は、その低部に溜まっている
スカムを掻き集め分離槽外に運び出すスカム搬送ユニッ
トを有しているため、分離槽においてもスカムを除去す
ることが可能になり、分離槽自体の清掃の自動化が容易
になった。
【0068】請求項記載の発明によれば、請求項1記
載の発明において、分離槽は、沈殿物回収ポンプによっ
てグリーストラップから水とともに圧送される固形物を
分離するセパレータを有し、このセパレータは、水を通
す複数のスリットを有し、セパレータには、上記スリッ
トに沿って移動するクリーニング部材が付加されている
ため、分離槽に搬送された水に混在している固形物をセ
パレータによって分離し回収することができるととも
に、クリーニング部材によってセパレータから固形物が
除去されると同時に、セパレータ自体がクリーニング部
材によって清掃される。そのため、セパレータが常に清
潔に保たれるとともに、人手による清掃を不要にするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるグリーストラップ清掃装置の実
施形態を示す断面図である。
【図2】上記実施形態中のグリーストラップ部分の構成
を示す拡大断面図である。
【図3】同上平面図である。
【図4】同上側面断面図である。
【図5】上記実施形態中の沈殿物回収ポンプを示す拡大
平面図である。
【図6】同上正面断面図である。
【図7】上記沈殿物回収ポンプの圧送ポンプ部分の側面
図である。
【図8】上記実施形態中の分離槽を示す正面図である。
【図9】同上平面図である。
【図10】同上右側面図である。
【図11】同上背面図である。
【図12】上記分離槽中に設けられているオイルプッシ
ャーの駆動部分を示す平面図である。
【図13】本発明に適用可能な浮上油回収ユニットの変
形例を示す平面図である。
【図14】同上正面図である。
【符号の説明】
1 グリーストラップ 2 浮上油回収ユニット 6 沈殿物回収ポンプ 10 分離槽 23 補助タンク 28 オイルプッシャー 36 第2のオイルプッシャー 61 モータ部分 62 沈殿物浮上ポンプ部分 63 圧送ポンプ部分 103 油回収タンク 105 第2の浮上油回収ユニット 106 固形物分離ユニット 152 クリーニング部材 154 セパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E03F 5/14 C02F 1/24 C02F 1/40 E03F 9/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリーストラップの水位に応じて上下動
    しグリーストラップの水面に浮上している油を回収する
    浮上油回収ユニットと、 グリーストラップ内の水を吸引し排出することによりそ
    の水勢によってグリーストラップ内の沈殿物を浮上させ
    る一方グリーストラップ内の水を上記沈殿物と浮遊物と
    ともに吸引して圧送する沈殿物回収ポンプと、 沈殿物回収ポンプで圧送された水から上記沈殿物および
    浮遊物と油とを分離してそれぞれ回収する分離槽と、を
    有し、 上記浮上油回収ユニットは、水面に平行に移動して浮上
    油を補助タンクに掻き集める板状のブレードからなるオ
    イルプッシャーを有するとともに、オイルプッシャーの
    移動範囲外においてオイルプッシャーの移動の向きに対
    し反対の向きに移動してオイルプッシャーの移動範囲外
    の浮上油をオイルプッシャーの移動範囲内に移動させる
    第2のオイルプッシャーを有することを特徴とする グリ
    ーストラップ清掃装置。
  2. 【請求項2】 浮上油回収ユニットによって回収された
    油は補助タンクに溜められ、補助タンク内の油は分離槽
    に送られる請求項1記載のグリーストラップ清掃装置。
  3. 【請求項3】 沈殿物回収ポンプは、浮上油回収ユニッ
    トの動作が停止している状態で作動する請求項1記載の
    グリーストラップ清掃装置。
  4. 【請求項4】 沈殿物回収ポンプは、モータ部分と、沈
    殿物浮上ポンプ部分と、圧送ポンプ部分とを有し、上記
    各部分は水密構造に作られるとともに、モータ部分の回
    転力が沈殿物浮上ポンプ部分と圧送ポンプ部分とに磁気
    結合によって伝達される請求項記載のグリーストラッ
    プ清掃装置。
  5. 【請求項5】 分離槽は、その水面に浮上している油を
    押して油回収タンクに溜めるオイルプッシャーを有する
    請求項1記載のグリーストラップ清掃装置。
  6. 【請求項6】 分離槽は、その底部に溜まっているスカ
    ムを掻き集め分離槽外に運び出すスカム搬送ユニットを
    有する請求項1記載のグリーストラップ清掃装置。
  7. 【請求項7】 分離槽は、沈殿物回収ポンプによってグ
    リーストラップから 水とともに圧送される固形物を分離
    するセパレータを有し、このセパレータは、水を通す複
    数のスリットを有し、上記セパレータには、上記スリッ
    トに沿って移動するクリーニング部材が付加されている
    請求項1記載のグリーストラップ清掃装置。
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