JP3502269B2 - シールド工法用添加剤 - Google Patents

シールド工法用添加剤

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JP3502269B2 JP19469298A JP19469298A JP3502269B2 JP 3502269 B2 JP3502269 B2 JP 3502269B2 JP 19469298 A JP19469298 A JP 19469298A JP 19469298 A JP19469298 A JP 19469298A JP 3502269 B2 JP3502269 B2 JP 3502269B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルボキシメチル
セルロース又はその塩と高粘度ベントナイトとで構成さ
れているシールド工法用添加剤(特に土圧系シールド工
法用添加剤)およびそれを用いたシールド工法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】土圧系シールド工法では、シールド機前
面に取り付けられたカッターにより掘削を行い、掘削土
砂をシールド機内の土圧室に充満させ、この土圧によっ
て切羽土圧及び地下水圧などに対抗させて切羽を安定化
させている。そして、土圧室に充満された掘削土砂は、
コンベアやポンプなどを用いて土圧室外に排土される。
【0003】このような土圧系シールド工法において、
粘土、シルト等の微細粒子で構成された粘性地盤では、
掘削、排土が容易である。一方、砂や砂礫などの粒子が
互いに拘束し合っている砂礫地盤においては、その止水
性が低いため、掘削の際にカッターチャンバー上部に空
洞が生じ、この空洞部に湧水とともに土砂が崩落し、そ
の結果切羽の安定が保てなくなる。また、砂礫地盤にお
いては、掘削土砂の流動性が悪いため、ポンプ圧送がで
きず、容易に排土できない。そのため、砂礫地盤の掘削
および排土においては、手掘りシールドや機械式シール
ドが用いられ、ベルトコンベアやトロッコにより排土運
搬を行っている。しかし、経済的観点や作業効率の点か
らも好ましくない。
【0004】そこで、流動性および止水性に乏しい砂礫
地盤を掘削、排土する場合、掘削土砂に加泥剤を加える
ことにより、その粘性を増加させ、移送性又は搬送性を
改善することが行われている。
【0005】従来、加泥剤としては、止水性を付与する
ために、無機繊維やパルプ繊維などの繊維状物質が使用
され、流動性を付与するためには、水溶性高分子化合物
が主に使用されている。水溶性高分子化合物としては、
例えば、ヒドロキシエチルセルロースやカルボキシメチ
ルセルロースなどの水溶性セルロース、ポリアクリル
酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、澱粉
などの有機高分子化合物が使用されている。また、ベン
トナイト、クレー、カオリン、木節粘土などの粘土を用
いて、砂礫などに流動性を付与する場合もある。
【0006】しかし、従来の加泥剤では、十分な流動性
と止水性とを同時に付与することができない。例えば、
繊維状物質を加泥剤として使用した場合、止水性を得る
ためには多量の繊維を必要とし、設備が大規模となるば
かりか、容易に水と分離し、充分な止水性を得ることが
できない。また、ベントナイト水溶液を加泥剤として使
用した場合には、十分な止水性が得られず、掘削時に切
羽の先端からベントナイト水溶液を注入すると切羽が不
安定になる。
【0007】特開平4−64625号公報には、水溶性
セルロースエーテルからなる掘削土砂のポンプ圧送用添
加剤が提案され、特開平7−82559号公報には、水
に上記水溶性高分子化合物と粘土とを混入した加泥剤が
提案されている。また、特開平5−311985号公報
には、ベントナイトなどの加泥剤を加えることなく、簡
易な設備で掘削土砂を圧送・処理するための土圧シール
ド工法が提案されている。
【0008】しかし、水溶性セルロースエーテルなどの
水溶性高分子を単独で使用した場合、掘削時の加圧によ
り粘度が低下したり、保水性が低下して掘削土砂と混合
した後に土砂が分離する場合がある。さらに、水溶性高
分子に粘土を加えた加泥剤においても、ある程度の止水
性と流動性を付与できるものの、パイプによって流体輸
送を行うには、スランプ値が小さく、その流動性が十分
でない。さらに、砂礫が分離し易く、安定かつ効率よく
ポンプにより排出できない。特に、砂礫地盤では、掘削
土砂をポンプ圧送しつつ、円滑に掘削することが困難で
ある。
【0009】このように、従来の加泥剤では、流動性と
止水性、保水性、土砂の分離安定性とを両立させること
が困難である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、止水性と流動性とを両立できるシールド工法用添加
剤およびそれを用いたシールド工法を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、砂礫地盤であっても、掘削土
砂をポンプ圧送しつつ、円滑に掘削できるシールド工法
用添加剤およびそれを用いたシールド工法を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を達成するため鋭意検討の結果、シールド工法用添加剤
(特に、土圧系シールド工法用添加剤)として、カルボ
キシメチルセルロース又はその塩(以下、CMCと総称
する)と特定のベントナイトとを組み合わせると、土砂
に対する分離安定性と止水性、および流動性を両立で
き、砂礫地盤であっても、円滑に掘削できることを見い
だし、本発明を完成した。
【0012】 すなわち、本発明のシールド工法用添加
剤は、カルボキシメチルセルロース又はその塩とベント
ナイトとで構成されている
【0013】 前記ベントナイトは、2重量%濃度の水
溶液において、見掛け粘度( mPa s )が8.5、塑性粘
度( mPa s )が5、降伏値( 1b/100ft 2 )が6.5、ゲ
ルストレングス( 1b/100ft 2 )が3であり、3重量%濃
度の水溶液において、見掛け粘度( mPa s )が15.
5、塑性粘度( mPa s )が7、降伏値( 1b/100ft 2 )が
17、ゲルストレングス( 1b/100ft 2 )が7であり、4
重量%濃度の水溶液において、見掛け粘度( mPa s )が
28.5、塑性粘度( mPa s )が9、降伏値( 1b/100ft
2 )が39、ゲルストレングス( 1b/100ft 2 )が20であ
る。
【0014】カルボキシメチルセルロース又はその塩
は、1重量%水溶液粘度が4000〜12000mPa・
sであってもよく、平均置換度は0.5〜1.5程度の
範囲から選択できる。カルボキシメチルセルロース又は
その塩(A)とベントナイト(B)との割合は、(A)
/(B)=40/60〜90/10(重量比)であって
もよい。本発明の添加剤は、さらにセピオライトを含ん
でいてもよい。本発明のシールド工法では、上記の添加
剤を使用することにより掘削する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のシールド工法用添加剤
は、カルボキシメチルセルロース又はその塩と高粘度ベ
ントナイトとで構成されており、土圧系シールド工法に
有利に使用される。 [カルボキシメチルセルロース又はその塩]本発明のC
MCの塩型としては、ナトリウム、カリウムなどのアル
カリ金属塩、アンモニウム塩などが例示でき、これらの
塩の混合物であってもよい。CMCとしては、通常、カ
ルボキシメチルセルロースナトリウム塩が使用される。
【0016】CMCの平均エーテル化度(無水グルコー
ス単位C6に対する平均置換度)は、例えば、0.5〜
3.0(モル/C6)程度の範囲から選択でき、特に
0.5〜2.2(モル/C6)(例えば、0.5〜2.
0(モル/C6))、好ましくは0.6〜1.3(モル
/C6)、さらに好ましくは0.7〜1.2(モル/C
6)程度である。
【0017】CMCの粘度は、例えば、1重量%水溶液
の粘度(25o C、B型粘度計、No.4ローター、60rpm
)が、4000〜12000mPa・ s、好ましくは6
000〜12000mPa・ s、さらに好ましくは800
0〜12000mPa・ s(例えば、8000〜1000
0mPa・ s)程度である。CMCの1重量%水溶液の粘
度が、4000mPa・ s未満であると、掘削土砂をパイ
プ輸送する際にブリージングが起こり易くなる。また、
粘度が12000mPa・ sより高くなると、添加剤の粘
度が増加し、流動性が低下するばかりか、高粘度のCM
Cを製造するためには、多くの時間と費用がかかり、経
済的観点からも有利でない。
【0018】なお、CMCの平均重合度は、特に制限さ
れないが、例えば、10〜1000、好ましくは50〜
900、さらに好ましくは200〜800程度である。
【0019】このようなCMCは、慣用のスラリー法や
ニーダー法などの種々の方法、例えば、セルロースとア
ルカリとを反応させてアルカリセルロースを生成させる
工程(アルセル化工程)と、アルカリセルロースとモノ
クロロ酢酸との反応によりカルボキシメチルセルロース
を生成させる工程(カルボキシメチル化工程)とで構成
された方法により製造できる。
【0020】セルロースとしては、種々の原料、例え
ば、木材パルプ,リンターパルプなどが使用できる。ア
ルカリとしては、アルカリ(リチウム,カリウム,ナト
リウムなど)、アンモニアなどが利用できる。アルカリ
としては、通常、ナトリウムが使用される。アルカリ
は、通常、水酸化物又は水溶液として使用される。
【0021】アルセル化工程において、アルカリ(水酸
化ナトリウムなど)の使用量は、通常、セルロース10
0重量部に対して40〜80重量部、好ましくは45〜
75重量部程度の範囲から選択できる。なお、スラリー
法において、アルカリ(水酸化ナトリウムなど)の使用
量は、通常、セルロース100重量部に対して40〜7
0重量部、好ましくは45〜65重量部程度である。ス
ラリー法では、セルロース濃度1〜7重量%程度、ニー
ダー法では、セルロース濃度10〜20重量%程度でア
ルセル化を行う場合が多い。また、アルセル化工程での
アルカリ濃度は、スラリー法,ニーダー法などにより異
なるが、スラリー法では、通常、1〜20重量%程度の
水性媒体中で行うことができ、ニーダー法では、通常、
濃度1〜5重量%程度の水性媒体中で行うことができ
る。
【0022】アルセル化工程は、適当な溶媒の存在下で
行ってもよい。溶媒としては、例えば、水,アルコール
類(エタノール,イソプロパノールなど),ケトン類
(アセトン),セロソルブ類(メチルセロソルブ,エチ
ルセロソルブなど)などが例示できる。
【0023】このようにして生成したCMCは、脱液、
洗浄して乾燥することにより精製できる。なお、必要で
あれば、反応終了後、粘度調整のため、過酸化水素,過
酢酸などの過酸化物で処理してもよい。 [ベントナイト]ベントナイトは、SiO2 とAl2
3 の化学組成を有し、モンモリロン石を主成分とする粘
土である。モンモリロン石以外に、タンパク石、石英、
長石などの鉱物を含むこともある。また、同じベントナ
イトであっても産地や銘柄によって、その性質・機能は
大きく異なる。
【0024】本発明のベントナイトは、高粘度であり、
CMCとの組み合わせにより、少量の添加で高い流動
性、止水性、保水性、湿潤性を付与できるという特色が
ある。
【0025】本発明のベントナイトは、その水溶液を調
製したとき、ベントナイト濃度(重量%)の変化量をΔ
C、ファンネル粘度(sec) の変化量をΔVとすると、Δ
V/ΔCが5以上(例えば、7〜50)であり、好まし
くは10以上(例えば、10〜45)、さらに好ましく
は12以上(12〜40)、特に20〜40程度であ
る。なお、従来のベントナイトのΔV/ΔCは、0.5
〜3.5程度である。ΔV/ΔCが5未満では、添加剤
として充分な粘度が得られず、ポンプ圧送に適さない。
【0026】また、上記ベントナイト水溶液において、
降伏値(lb/100ft2)の変化量ΔKとすると、ΔK/ΔC
が7以上(例えば、8〜30)、好ましくは10以上
(例えば、10〜25)、特に12〜20程度である。
なお、従来のベントナイトのΔK/ΔCは0.2〜5程
度である。
【0027】さらに、ゲルストレングス(lb/100ft2) の
変化量をΔSとすると、ΔS/ΔCが1以上(例えば、
2〜20)、好ましくは3以上(例えば、3〜15)、
さらに好ましくは4以上(例えば、4〜15)程度であ
る。なお、従来のベントナイトは、ΔS/ΔCは0〜
0.4程度である。
【0028】本発明で用いるベントナイトは、上記特性
のうち、少なくとも一つの特性を備えていればよい。
【0029】なお、これらの関係式の値は、濃度2.0
〜4.0重量%のベントナイト水溶液について、ファン
ネル粘度、降伏値、ゲルストレングスを測定することに
より、容易に算出できる。
【0030】さらに、本発明で使用するベントナイト
は、見掛け粘度、塑性粘度も高く、しかも脱水量が少な
く保水性が高い。
【0031】このような高粘度ベントナイトは、例え
ば、クニミネ工業(株)から商品名「クニゲルGS」と
して容易に入手できる。 [CMCとベントナイトとの割合]本発明に使用される
CMC(A)とベントナイト(B)との割合は、地盤の
種類などに応じて、固形分換算で、90/10〜5/9
5(重量比)程度の広い範囲から選択できる。通常、
(A)/(B)=40/60〜90/10(重量比)、
好ましくは40/60〜80/20(重量比)、さらに
好ましくは50/50〜80/20(重量比)程度であ
る。CMC(A)の割合が40重量%未満であると、土
砂と添加剤とを混合して得られた混合土砂が、分離し易
くなる。一方、CMC(A)の割合が90重量%より高
くなると、添加剤粘度が高くなり、流動性が低下する。
【0032】本発明のシールド工法用添加剤は、CMC
とベントナイトとを混合することによって得られる。添
加剤濃度は、対象となる土砂によって適宜選択され、水
道水などの水により適当な範囲(例えば、1重量%〜3
重量%程度)に希釈して使用できる。CMCおよびベン
トナイトは、ともに水溶液または固体の形態で混合して
も、どちらか一方が水溶液であってもよい。本発明のシ
ールド工法用添加剤においては、その使用量が少量であ
っても、高い止水性および流動性を付与できる。
【0033】本発明のシールド工法用添加剤の粘度は、
1.0重量%水溶液において、800〜7000mPa・
s、好ましくは1000〜6500mPa・ s程度であ
る。粘度が800mPa・ s未満では、粘性が低いために
ブリージングが起こり易くなる。また、粘度が7000
mPa・ sより高い場合、流動性が低下し、ポンプ圧送が
できなくなる。
【0034】また、本発明のシールド工法用添加剤は、
CMCおよびベントナイトの他に、従来の水溶性高分子
化合物や粘土を含んでいてもよい。
【0035】水溶性高分子化合物としては、メチルセル
ロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルエチルセルロースなどの水溶性セルロースエーテル、
ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、アルギン
酸ソーダ、ポリビニルアルコール、澱粉などが挙げられ
る。
【0036】粘土としては、クレー、カオリン、木節粘
土、ガイメロ粘土などが挙げられる。
【0037】さらに、本発明の添加剤は、従来のベント
ナイトを併用してもよい。従来のベントナイトとして
は、豊洋ベントナイト(群馬産ベントナイト)、秋田産
ベントナイト、山形産ベントナイト、新潟産ベントナイ
ト、ワイオミングベントナイトなどが挙げられる。従来
のベントナイト(C)と本発明に使用される高粘度ベン
トナイト(D)との割合は、止水性や流動性などを損な
わない程度に広い範囲から選択でき、例えば、(C)/
(D)=99/1〜50/50(重量比)、好ましくは
(C)/(D)=95/5〜60/40(重量比)、さ
らに好ましくは90/10〜70/30(重量比)程度
である。
【0038】本発明のシールド工法用添加剤は、さらに
セピオライトを含んでいてもよい。セピオライトは、S
12Mg8 12・nH2 Oの化学組成を有する繊維状の
マグネシウムケイ酸塩である。セピオライトは、電解質
による影響を比較的受け難く、耐塩性を付与できるとと
もに、高いゲルストレングスを示すため、さらに海水な
どの塩分を含む地盤であっても流動性を付与することが
できる。セピオライトの使用量は、例えば、CMC10
0重量部に対して、1〜50重量部、好ましくは3〜3
0重量部、特に5〜25重量部程度の範囲から選択でき
る。
【0039】本発明のシールド工法用添加剤は、掘削時
および/または排土時に土砂に添加できる。本発明の添
加剤を含んだ土砂は、止水性と流動性とを両立させるこ
とができるので、シールド機の切羽の安定、さらにはポ
ンプ輸送が可能となる。しかも、保水性、湿潤性、土砂
の分離安定性が高く、土砂の分離を有効に防止できる。
従って、本発明はさらに、前記添加剤を用いて掘削する
シールド工法、特に土圧系シールド工法において、排土
時に掘削土砂をスラリーとしてポンプ圧送できるシール
ド工法を包含する。
【0040】添加剤の使用量は、地盤の種類、性質に応
じて広い範囲から選択でき、例えば、土砂1m3 に対し
て、注入率10〜60容量%、好ましくは15〜50容
量%、さらに好ましくは20〜40容量%程度である。
【0041】本発明は、種々の地盤、例えば、礫分、砂
分、細砂、粘土、シルトなどを含む地盤に適用できる。
特に砂礫地盤の掘削に有効である。
【0042】
【発明の効果】本発明では、CMCと高粘度ベントナイ
トとを組み合わせるので、少量であっても止水性と流動
性とを両立できる。さらに、従来の添加剤に比べて流動
性、保水性に優れており、砂礫地盤であってもポンプ輸
送が可能であり、円滑かつ効率よく掘削できる。
【0043】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
【0044】実施例1〜5 (シールド工法用添加剤の調製)1重量%水溶液粘度
(25℃、B型粘度計No.4ローター、60rpm )が
9500mPa・ s、平均置換度が0.77であるCMC
(商品名:CMCダイセル<2280>、ダイセル化学
工業(株)製)と、高粘度ベントナイト(商品名:クニ
ゲルGS、クニミネ工業(株)製)とを、固形分換算
で、以下の割合で混合し、水道水を使用して添加剤1.
0重量%水溶液を調製するとともに粘度を測定した。
【0045】 実施例1:CMC/ベントナイト=30/70(重量
比) 実施例2:CMC/ベントナイト=40/60(重量
比) 実施例3:CMC/ベントナイト=50/50(重量
比) 実施例4:CMC/ベントナイト=80/20(重量
比) 実施例5:CMC/ベントナイト=90/10(重量
比) (試験土砂)試験土砂の組成として、礫分(最大粒径2
0mm)を30重量%、細砂分(最大粒径5mm)を6
1重量%、粘土・シルト分(最大粒径2mm)を9重量
%を配合し、含水分は10重量%とした。 (スランプ試験)上記の添加剤を試験土砂に混合し、混
合土砂の性状評価を、JIS A1101のコンクリー
トのスランプ方法に準じて行った(15cmのスランプ
コーンを使用)。添加剤(水溶液)と試験土砂との割合
は、試験土砂1000cm3 に対して、注入率0容量
%、15容量%、20容量%、25容量%、30容量%
である。また、30容量%の添加剤を含む試験土砂につ
いて、土砂の流動性を測定した。結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】比較例1 1重量%水溶液粘度(25℃、B型粘度計No.4ロー
ター、60rpm )が9500mPa・ s、平均置換度が
0.77であるCMC(商品名:CMCダイセル<22
80>、ダイセル化学工業(株)製)を、水道水を使用
して添加剤1.0重量%水溶液を調製した。得られた添
加剤を実施例と同様にして、試験土砂に混合し、次いで
スランプ試験を行った。
【0048】比較例2 高粘度ベントナイト(商品名:クニゲルGS、クニミネ
工業(株)製)を、水道水を使用して添加剤1.0重量
%水溶液を調製した。得られた添加剤を実施例と同様に
して、試験土砂に混合し、次いでスランプ試験を行っ
た。
【0049】比較例3 1重量%水溶液粘度(25℃、B型粘度計No.4ロー
ター、60rpm )が5150mPa・ s、平均置換度が
0.89であるCMC(商品名:CMCダイセル<22
60>、ダイセル化学工業(株)製)と、群馬産ベント
ナイトとを、水道水を使用して添加剤1.0重量%水溶
液を調製した。得られた添加剤を実施例と同様にして、
試験土砂に混合し、次いでスランプ試験を行った。結果
を2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】表1および2から明らかなように、比較例
に比べ、実施例の添加剤を混合した土砂は、高いスラン
プ値を示し、また、さらに材料分離もおこさず、いずれ
もポンプ圧送可能であった。
【0052】なお、参考までに、実施例の高粘度ベント
ナイトと、比較例の群馬産ベントナイトの特性を表3に
示す。測定条件は、ホモディスパーで5000rpm にて
10分間攪拌作泥後、24時間静置し、2分間再攪拌し
た後測定した。
【0053】
【表3】
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−253610(JP,A) 特開 昭59−174685(JP,A) 特開 平7−82559(JP,A) 特開 平5−59886(JP,A) 特開 平5−339564(JP,A) 特開 平8−199159(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 7/00 - 7/08 E21D 9/06

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシメチルセルロース又はその塩
    とベントナイトとで構成されているシールド工法用添加
    剤であって、ベントナイトが、2重量%濃度の水溶液に
    おいて、見掛け粘度(mPa・s)が8.5、塑性粘度(mP
    a・s)が5、降伏値(1b/100ft2)が6.5、ゲルスト
    レングス(1b/100ft2)が3であり、3重量%濃度の水
    溶液において、見掛け粘度(mPa・s)が15.5、塑性
    粘度(mPa・s)が7、降伏値(1b/100ft2)が17、ゲ
    ルストレングス(1b/100ft2)が7であり、4重量%濃
    度の水溶液において、見掛け粘度(mPa・s)が28.
    5、塑性粘度(mPa・s)が9、降伏値(1b/100ft2)が
    39、ゲルストレングス(1b/100ft2)が20であるシ
    ールド工法用添加剤。
  2. 【請求項2】 ベントナイトの水溶液を調整したとき、
    ΔV/ΔC[但し、ΔVはファンネル粘度( sec )の変
    化量、ΔCはベントナイト濃度(重量%)の変化量を示
    す]が10〜45である請求項1記載のシールド工法用
    添加剤。
  3. 【請求項3】 ベントナイトの水溶液を調整したとき、
    ΔK/ΔC[但し、ΔKは降伏値( lb/100ft 2 )の変化
    量、ΔCはベントナイト濃度(重量%)の変化量を示
    す]が10〜25である請求項1記載のシールド工法用
    添加剤。
  4. 【請求項4】 ベントナイトの水溶液を調整したとき、
    ΔS/ΔC[但し、ΔSはゲルストレングス( lb/100ft
    2 )の変化量、ΔCはベントナイト濃度(重量%)の変
    化量を示す]が3〜15である請求項1記載のシールド
    工法用添加剤。
  5. 【請求項5】カルボキシメチルセルロース又はその塩の
    1重量%水溶液粘度が4000〜12000mPa・sで
    ある請求項1記載のシールド工法用添加剤。
  6. 【請求項6】 カルボキシメチルセルロース又はその塩
    の1重量%水溶液粘度が6000〜12000mPa・s
    である請求項1記載のシールド工法用添加剤。
  7. 【請求項7】 カルボキシメチルセルロース又はその塩
    の平均置換度が0.5〜3.0である請求項1記載のシ
    ールド工法用添加剤。
  8. 【請求項8】 カルボキシメチルセルロースの塩がナト
    リウム塩である請求項1記載のシールド工法用添加剤。
  9. 【請求項9】 カルボキシメチルセルロース又はその塩
    (A)とベントナイト(B)との割合が、(A)/
    (B)=40/60〜90/10(重量比)である請求
    項1記載のシールド工法用添加剤。
  10. 【請求項10】 カルボキシメチルセルロース又はその
    塩(A)とベントナイト(B)との割合が、(A)/
    (B)=40/60〜80/20(重量比)である請求
    項1記載のシールド工法用添加剤。
  11. 【請求項11】 さらにセピオライトを含む請求項1記
    載のシールド工法用添加剤。
  12. 【請求項12】 高吸水性樹脂及びアクリル系樹脂を実
    質的に含まない請求項1記載のシールド工法用添加剤。
  13. 【請求項13】 請求項1又は12記載の添加剤を用い
    て掘削するシールド工法。
  14. 【請求項14】 添加剤と掘削土砂をスラリーとしてポ
    ンプで排出する請求項13記載のシールド工法。
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