JP2623430B2 - 耐カルシウム性に優れたカルボキシメチルセルロース組成物 - Google Patents

耐カルシウム性に優れたカルボキシメチルセルロース組成物

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JP2623430B2 JP15998493A JP15998493A JP2623430B2 JP 2623430 B2 JP2623430 B2 JP 2623430B2 JP 15998493 A JP15998493 A JP 15998493A JP 15998493 A JP15998493 A JP 15998493A JP 2623430 B2 JP2623430 B2 JP 2623430B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐カルシウム性に優れた
カルボキシメチルセルロース組成物(以下、CMC組成
物と略す)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地中連続壁構築工事では坑壁崩壊防止の
ために安定液が用いられ、また地下トンネル掘削工事、
特に泥水シールド工法による掘削工事には泥水が使用さ
れている。従来、安定液はベントナイトなどの鉱物系成
分とカルボキシメチルセルロース(以下CMCと略す)
などのポリマー成分などとを、清水で溶解して得られて
いたが、海上人工島や海底トンネルなどの工事現場に於
いては、安定液の調製に必要な清水が必ずしも充分に得
られず、安定液の溶解用として清水の代わりに海水の使
用を余儀なくされる場合が増大して来ている。
【0003】このように海水を用いる安定液を調製する
場合には、この海水が多量のカルシウムイオン等を含む
ため、清水中では満足な粘性付与性能を発揮する粘性付
与剤でも充分な性能を発揮することが出来ない。また、
地中連続壁工事に於ける地盤掘削或いは地盤改良が施さ
れた地盤のシールド削進のような掘削工事を遂行する場
合には、安定液にセメント水和物が混入して劣化が起こ
り、その性能を喪失して泥膜を弱化させ、場合によって
は溝壁の崩壊または噴発事故等の重大なトラブルを惹き
起こすので、従来から前記した安定液などにはカルシウ
ム存在下でも充分な粘性付与作用を発現することが重要
である。しかしながら、安定液の構成成分であるCMC
は耐カルシウム性に劣るため、カルシウム存在下では粘
性付与作用が阻害され、粘性が充分に発現されない場合
があった。
【0004】そこで前記した問題点を解決する方法とし
て特開平3−177485が提案されている。即ち、エ
ーテル置換度が1.2以下であるカルボキシメチルセルロ
ースナトリウム塩を使用する方法を提示している。これ
によれば、セメント水和物がCMCの粘性付与作用を阻
害する度合いはCMCのエーテル置換度に依存し、この
エーテル置換度が大きくなる程その度合いは大きくなる
ため、CMCのエーテル置換度は1.2以下でなければな
らないというものである。しかし、この方法は有用であ
るが、粘性の付与性は必ずしも充分ではない。また、エ
ーテル置換度が1.2以下のものを使用すると耐カルシウ
ム性は向上するが、一方で耐塩水性は劣るため海水を溶
解液とするような用途では好適に使用され得ない場合が
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐カ
ルシウム性に優れるCMCを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、耐カルシ
ウム性の改善されたCMC組成物に就いて鋭意研究を重
ねた結果、CMCとセリウム化合物とから成るCMC組
成物(以下、Ce−CMCと略す)が良好な耐カルシウ
ム性を発現することを見出だし、この知見に基づいて本
発明を成すに至った。本発明のCMCとセリウム化合物
とから成るCe−CMCが何故耐カルシウム性に優れる
かに就いては明らかではないが、例えばナトリウム塩型
CMCの場合にはナトリウム塩の一部がセリウム塩に置
換されたためによると考えられた。
【0007】本発明でCMCとセリウム化合物との混合
割合を重量部割合で100:0.1〜100:20、好ましくは10
0:0.1〜100:10から成るCMC組成物としたのは、セ
リウム化合物が0.1重量部未満では耐カルシウム性が充
分改善されないためである。また、20重量部超となると
耐カルシウム性の改善性が大きくなり過ぎるため増粘な
どの問題が生じるためであり、好ましくは10重量部以下
が耐カルシウム性の改善性や経済性などの点から望まし
い。本発明のCMCで、溶媒が水である1%溶液Aの粘
度η1と溶液Aに3重量%の塩化カルシウムを加えた後
の粘度η2とが耐カルシウム性を表わす関係式 η2/η1=0.8〜1.5 を満たすことが必要であるとしたのは、これ等の範囲外
になると、0.8未満では純水溶液の場合に比してカルシ
ウム存在下での粘度低下が大きくなる。また1.5超とな
ると粘度上昇が大きくなり過ぎるなど、何れもカルシウ
ム成分の混入する地中連続壁工事に於ける地盤掘削或い
は地盤改良が施された地盤のシールド削進のような掘削
工事などに於いては大きな欠点となるためである。
【0008】本発明で使用されるセリウム化合物は特に
限定されないが、例えば硝酸セリウムアンモニウム、硫
酸セリウムアンモニウムなどの単独或いはそれ等の混合
物が使用される。本発明のCe−CMCは、CMC水溶
液を酸性サイドに調整し、セリウム化合物を添加して、
更にpHをアルカリサイドに戻すことなどにより好適に
得られる。本発明の耐カルシウム性の試験は以下の方法
で行った。絶乾で1重量%に相当する試料を水に溶解し
たものA液と、それの一部に3重量%となるように塩化
カルシウムを添加したものB液をそれぞれ2時間撹拌し
た後、25℃に温調し、東京計器社製B型粘度計、30rpm
で3分間測定したA液の値η1と、B液の値η2とから次
式により求めた。 耐カルシウム性=η2/η1
【0009】
【実施例】以下に本発明に就いて詳述するが、本発明は
これ等によって限定されるものではない。
【0010】実施例1 1%粘度が318cpsで耐カルシウム性が0.63のCMC100
重量部を水10000重量部に加え、撹拌し完全に溶解させ
た後、1N硝酸235重量部、硝酸第二セリウムアンモニ
ウム1.5重量部を添加して20〜40℃にて30分間撹拌し、
更にハイドロキノン0.5重量部を加えて5分間撹拌し
た。次いで得られた生成物を過剰のメタノール中に加え
て沈殿させ水酸化ナトリウムを加えてpHを8.5に調整
した後、乾燥、粉砕してCe−CMCを得た。得られた
Ce−CMCの1%粘度は296cpsで耐カルシウム性は1.
11であった。また、耐塩水性(絶乾で1重量%に相当す
る試料を水に溶解してものを25℃に温調し、東京計器社
製B型粘度計、30rpmで3分間測定した値をη1とし、絶
乾で1重量%に相当する試料を4%食塩水に溶解したも
のを25℃に温調し、東京計器社製B型粘度計、30rpmで
3分間測定した値をη2として関係式η2/η1から求め
られる耐塩水性の指標)は1.25であった。
【0011】実施例2 1%粘度が318cpsで耐カルシウム性が0.63のCMC100
重量部を水10000重量部に加え、撹拌し完全に溶解させ
た後、1N硝酸235重量部、硝酸第一セリウムアンモニ
ウム1.5重量部を添加して20〜40℃にて30分間撹拌し、
更にハイドロキノン0.5重量部を加えて5分間撹拌し
た。次いで得られた生成物を過剰のメタノール中に加え
て沈殿させ水酸化ナトリウムを加えてpHを8.5に調整
した後、乾燥、粉砕してCe−CMCを得た。得られた
Ce−CMCの1%粘度は287cpsで耐カルシウム性は1.
02であった。また、耐塩水性は1.12であった。
【0012】実施例3 1%粘度が508cpsで耐カルシウム性が0.60のCMC100
重量部を水10000重量部に加え、撹拌し完全に溶解させ
た後、1N硝酸235重量部、硝酸第二セリウムアンモニ
ウム1.5重量部を添加して20〜40℃にて30分間撹拌し、
更にハイドロキノン0.5重量部を加えて5分間撹拌し
た。次いで得られた生成物を過剰のメタノール中に加え
て沈殿させ水酸化ナトリウムを加えてpHを8.5に調整
した後、乾燥、粉砕してCe−CMCを得た。得られた
Ce−CMCの1%粘度は478cpsで耐カルシウム性は1.
03であった。また、耐塩水性は1.12であった。
【0013】実施例4 1%粘度が950cpsで耐カルシウム性が0.56のCMC100
重量部を水10000重量部に加え、撹拌し完全に溶解させ
た後、1N硝酸235重量部、硝酸第二セリウムアンモニ
ウム1.5重量部を添加して20〜40℃にて30分間撹拌し、
更にハイドロキノン0.5重量部を加えて5分間撹拌し
た。次いで得られた生成物を過剰のメタノール中に加え
て沈殿させ水酸化ナトリウムを加えてpHを8.5に調整
した後、乾燥、粉砕してCe−CMCを得た。得られた
Ce−CMCの1%粘度は902cpsで耐カルシウム性は0.
97であった。また、耐塩水性は1.02であった。
【0014】比較例1 実施例1で使用したCMC、反応手順で硝酸セリウムア
ンモニウムのみを添加しないで生成物を得た。得られた
CMCの1%粘度は302cpsで耐カルシウム性は0.62であ
った。
【0015】比較例2 実施例3で使用したCMC、反応手順で硝酸セリウムア
ンモニウムのみを添加しないで生成物を得た。得られた
CMCの1%粘度は490cpsで耐カルシウム性は0.60であ
った。
【0016】比較例3 実施例4で使用したCMC、反応手順で硝酸セリウムア
ンモニウムのみを添加しないで生成物を得た。得られた
CMCの1%粘度は930cpsで耐カルシウム性は0.55であ
った。
【0017】以上の実施例1〜4及び比較例1〜3で得
られたCe−CMC及び処理CMCの性状を表1に纏め
た。表1に示されるように、CMCとセリウム化合物と
から成るCMC組成物は良好な耐カルシウム性を示すこ
とが実証された。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明のCMCとセ
リウム化合物とから成るCMC組成物は、溶媒が水であ
る1%溶液Aの粘度η1と溶液Aに3重量%の塩化カル
シウムを加えた後の粘度η2とが関係式η2/η1=0.8〜
1.5を満たすため、これまでは純水溶液の場合に比して
著しく粘度低下を起こすことが良く知られていたカルシ
ウム存在下での粘度低下が大きく改善される。また、本
発明のCMC組成物は、地中連続壁工事に於ける地盤掘
削或いは地盤改良が施された地盤のシールド削進のよう
な掘削工事を遂行する用途の粘性付与剤として好適に使
用出来るなど、産業上もたらす利益は大きい。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシメチルセルロースとセリウム
    化合物とから成ることを特徴とする耐カルシウム性に優
    れたカルボキシメチルセルロース組成物。
  2. 【請求項2】 カルボキシメチルセルロースとセリウム
    化合物との混合割合が100:0.1〜100:20から成ること
    を特徴とする請求項1に記載のカルボキシメチルセルロ
    ース組成物。
  3. 【請求項3】 溶媒が水である1重量%溶液Aの粘度η
    1と溶液Aに3重量%の塩化カルシウムを加えた後の粘
    度η2とが次式を満たすことを特徴とする請求項1また
    は2に記載のカルボキシメチルセルロース組成物。 η2/η1=0.8〜1.5
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