JP3501228B2 - 車輌の衝撃吸収装置 - Google Patents
車輌の衝撃吸収装置Info
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Description
体フレームとの間に介装し、バンパが受けた衝撃エネル
ギーを変形エネルギーに転換して吸収する衝撃吸収装置
に関する。
する衝撃吸収装置には、特許文献1や特許文献2に見ら
れるシリンダタイプ(衝撃エネルギーをシリンダの縮退
エネルギーとして吸収するタイプ)や、特許文献3、特
許文献4にみられる塑性変形(例えば座屈)を利用したタ
イプ(衝撃エネルギーを部材の変形エネルギーに転換し
て吸収するタイプ)がある。シリンダタイプは、安定し
たエネルギー吸収特性を持っている長所があるが、精密
で部品点数も多く、重くて高価な短所がある。塑性変形
を利用するタイプは、軽量で安価な長所があるものの、
エネルギー吸収特性がシリンダタイプより劣る短所があ
る。
2図)
頁、第7図)
頁、第1図)
頁、第14図)
ように、塑性変形を利用するタイプの衝撃吸収装置は、
軽量で安価な点から、車輌製造コスト低減が望まれる近
年の傾向に適している。そこで、塑性変形を利用するタ
イプであって、エネルギー吸収特性が安定し、軽量、安
価な衝撃吸収装置の開発のため、検討した。
果、車輌のバンパと車体フレームとの間に介装し、バン
パが受けた衝撃エネルギーを変形エネルギーに転換して
吸収する衝撃吸収装置において、塑性加工可能な直管体
(加工前の直線状管体)を部分的に縮径又は拡径して外径
の異なる管部を形成し、各管部端縁間に形成できる段差
を介してこの管部相互を結んで多段管体を構成してな
り、外径の小さな管部が外径の大きな管部に押し込まれ
る過程で衝撃エネルギーを前記管部の押し込みに従って
生じる段差の捲れ込みに費やし、吸収する車輌の衝撃吸
収装置である。本発明の衝撃吸収装置は、多段管体両端
に位置する管部をそれぞれバンパ及び車体フレームに連
結して、車体フレームに対するバンパを支持する。
部が外径の大きな管部に押し込まれる過程で衝撃エネル
ギーを吸収する。衝撃エネルギーの一部は各管部を圧縮
するが、ほとんどが前記管部の押し込みに従って生じる
段差の捲れ込み(塑性変形)に費やされ、吸収されるわけ
である。
形成できる段差をこの管部それぞれに対して折り返した
り、(b)段差を介して結んだ管部の一方の外径より他方
の内径が大きい関係にあるように構成すればよい。(a)
の構成を適用すれば、段差が既に捲れ込み始めた状態に
あるので、初期の塑性変形に要するエネルギーが小さく
て済み、円滑に捲れ込みが進んでいく。
部相互が容易に重なるように押し込まれていくので、ひ
いては段差の捲れ込みも良好に進んでいく。管部の一方
の外径より他方の内径が大きい関係とは、すなわち段差
の幅Wが外径の大きな管部の肉厚tよりも大きいことを
意味する。ここで、段差を介して結ばれる管部のサイズ
について触れておくと、概ね次のような関係が望まし
い。今、結ばれる外径の小さな管部の長さをH1、肉厚
をt1、外径の大きな管部の長さをH2、肉厚をt2、両
管部を結ぶ段差の幅Wとした場合、t1>t2、そしてW
>t2となる。
いが、設置スペースの関係から段数には事実上の制限が
付きまとう。そこで、具体的には、塑性加工可能な円形
直管体を部分的に縮径又は拡径して略円形の大外径管部
及び小外径管部を形成し、各管部の軸心が略同一線上と
なるように各管部端縁を段差で結んで2段管体を構成し
てなり、前記大外径管部を車体フレームの衝撃を受ける
側に当接固定した衝撃吸収装置とする。
図を参照しながら説明する。図1は2段管体9からなる
衝撃吸収装置の縦断面図、図2は図1中A−A断面図、
図3は図1中B−B断面図、図4は図1の状態から衝撃
吸収装置に衝撃が加わった際の衝撃吸収の度合いと2段
管体9の変形の度合いとの関係を示した図1相当縦断面
図で、衝撃エネルギーを殆ど吸収し終えた状態を表して
いる。図1及び図4中、衝撃エネルギーの大きさを2段
管体9中の太線白抜矢印で、変形エネルギーを塑性変形
量(押し込み量)の大きさで示した2段管体9外の細線白
抜矢印でそれぞれ示している。また、実際には図4の状
態に至る段階でほとんど衝撃エネルギーは吸収し終えて
なくなっているが、説明の便宜上、太線白抜矢印を残し
ている。
レーム1との間に介装した2段管体9で衝撃エネルギー
を変形エネルギーに転換して吸収する。2段管体9は、
断面略円形の大外径管部3及び小外径管部4からなり、
各管部3,4の軸心が略同一線上となるように両管部3,
4端縁を段差5で結び、前記大外径管部3を車体フレー
ム1の衝撃を受ける側に当接固定している。段差5は、
大外径管部3及び小外径管部4それぞれの端縁が2段管
体の延在方向でオーバーラップし(重なり合い)、これら
管部3,4それぞれに対して折り返して、段差5が既に
捲れ込み始めた状態にしている(図1中拡大部分参照)。
こうした2段管体9は、大外径管部3は直管体として、
縮径(スェージング加工)により小外径管部4を形成し、
既に捲れ込み始めた状態の折り返した段差5を形成する
ため、更に2段管体9の延在方向に圧縮するプレス加工
を施すと、容易に製造できる。
受ける側に当接固定するため、大外径管部3に、複数の
ボルト孔10を有する取付フランジ6を溶接している。ま
た、車体フレーム1側の管体取付座11に設けた管部通過
孔12の孔径を大外径管部3の外径よりも小さく形成し、
押し込まれる大外径管部3を受けたり、捲れ込む段差5
と共に小外径管部4を押し込めるようにしている。2段
管体9とバンパ2側との組付けは、図1及び図3に見ら
れるように、小外径管部4端に直交する組付パイプ7を
溶接し、この組付パイプ7とバンパ2のボルト孔13とに
ボルト8を挿通して、ねじ止め固定している。
ように、バンパ2に衝突が加わると、段差5が大外径管
部3に向かって捲れ込んでいく。大外径管部3を直管体
のままとして、金属丸パイプを縮径して小外径管部4を
形成すると、小外径管部4が厚肉となり都合がよい。こ
の場合、大外径管部3及び小外径管部4は共に断面略円
形となり、両軸心が略同一線上となるので、エネルギー
吸収効率がよく、安定したエネルギー吸収特性(バンパ
移動量に対する捲れ込み荷重は矩形波形特性となる)を
有する衝撃吸収装置となる。小外径管部4は中実体であ
ってもよい。
ような効果を備えている。 (1)エネルギー吸収特性は急激にエネルギー吸収量が増
え、直に定率吸収となる特性(矩形波形特性)を示し、エ
ネルギー吸収効率がよい。 (2)径の大きさ順に管部を並べた多段管体は、バンパ支
持剛性が得やすく、曲げモーメント分布に対応した断面
が得られる。 (3)塑性変形する段差は、管部の端縁外周に存在するた
め、安定した塑性変形を得やすい。 (4)取付対象となるブラケット等への荷重伝播が圧縮で
あるため、強度的に安定している。 (5)金属パイプを用いた縮径、拡径又はプレス加工は、
形成が容易で、安定した形状の製品を得やすい。 (6)縮径した管部は肉厚が厚く、拡径した管部は肉厚が
薄くなり、効率よく塑性変形を生じさせるに適した管部
相互のサイズ関係を実現しやすい。 (7)従来同様な二重管式衝撃吸収装置に比べ、パイプ相
互の精度、潤滑性、防塵性、固定支持を確保する構造が
不要であり、重量、コスト、信頼性で勝る。 (8)多段管体の段数を増やせば、塑性変形量を増やすこ
とができ、エネルギー吸収量を容易に増やすことができ
る。
面図である。
た図1相当縦断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 塑性加工可能な円形直管体を部分的に縮
径して直管体のままの大外径管部と厚肉の小外径管部と
を形成し、各管部の軸心が略同一線上となるように各管
部端縁を段差で結んで2段管体を構成してなり、大外径
管部及び小外径管部それぞれの端縁が2段管体の延在方
向でオーバーラップして既に捲れ込み始めた状態の折り
返した段差を形成し、前記大外径管部を車体フレームの
衝撃を受ける側に当接固定して、衝撃エネルギーを小外
径管部の大外径管部に対する押し込みに従って生じる段
差の捲れ込みに費やして吸収するようにしてなる車輌の
衝撃吸収装置。 - 【請求項2】 大外径環部は、直管体を拡径して薄肉と
してなる請求項1記載の車輌の衝撃吸収装置。
Priority Applications (1)
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JP24855899 | 1999-09-02 | ||
JP2002270789A JP3501228B2 (ja) | 1999-09-02 | 2002-09-17 | 車輌の衝撃吸収装置 |
Related Parent Applications (1)
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Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country Status (1)
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-
2002
- 2002-09-17 JP JP2002270789A patent/JP3501228B2/ja not_active Expired - Fee Related
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