JP3501124B2 - 有機高分子材料用安定剤および有機高分子材料組成物 - Google Patents

有機高分子材料用安定剤および有機高分子材料組成物

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JP3501124B2 JP2000544732A JP2000544732A JP3501124B2 JP 3501124 B2 JP3501124 B2 JP 3501124B2 JP 2000544732 A JP2000544732 A JP 2000544732A JP 2000544732 A JP2000544732 A JP 2000544732A JP 3501124 B2 JP3501124 B2 JP 3501124B2
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健 井上
松一 堀江
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株式会社エーピーアイ コーポレーション
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、酸化、熱、光により劣化を起こす有機高分
子材料に対して、加工時および使用時に経時的な熱履歴
を受けても、物性変化や外観変化などの品質低下を起こ
し難い安定化された有機高分子材料組成物に関する。本
発明はまた安定化された有機高分子材料組成物を得るた
めに用いる添加剤である有機高分子材料用安定剤組成物
に関する。
背景技術 天然高分子、合成高分子、油脂、潤滑油、作動油など
の有機化合物よりなる有機高分子材料は酸化、熱、光な
どにより劣化を受けて有用性を減じるために、この劣化
を防止することを目的として有機高分子材料中に種々の
安定剤、所謂酸化防止剤を添加し、劣化を受けにくい有
機高分子材料組成物を得ている。
本発明の有機高分子材料用安定剤組成物の一成分であ
る一般式(1) (式中、R1は炭素数1〜18のアルキル基または炭素
数2〜18のアルケニル基を示し、R2は炭素数1〜5
のアルキル基を示し、R3、R4およびR5は同一または
異なっていてもよく、それぞれ水素原子または炭素数1
〜4のアルキル基を示し、R6は水素原子または炭素数
1〜5のアルキル基を示す。)により表される化合物
は、油脂およびポリオレフィンの酸化防止剤として広く
知られている化合物である。
例えば、R1およびR2がともにメチル基である一般式
(1)の化合物は、特公昭42−11064号、米国特
許3476772号、ケミカルアブストラクツ70巻第
2500項目、同50巻第15104項目、同72巻第
13900項目、ドイツ特許114916号、特開昭4
9−72338号の公報または抄録誌などに酸化防止剤
として記載されている。これらの6−ヒドロキシクロマ
ン化合物を配合した有機高分子材料は、着色が著しい点
が解決されていないことから、これらの6−ヒドロキシ
クロマン化合物は酸化防止剤として広く使用されるには
至っていない。
また、R1が炭素数16のアルキル基などであり、R2
がメチル基であるビタミンE(トコフェロール)は、天
然物であることから食品の酸化防止の目的として広く用
いられている。
1940年代にはリン系化合物が研究開発され、特に
幾つかの酸化防止剤は非常に広範囲に用いられている。
例えば、特開平1−254744号公報には、テトラ
キス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)−4,4’−
ビフェニレンジホスホナイトが記載されている。
特開平5−178870号公報には、テトラキス
(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェニル)−
4,4’−ビフェニレンジホスホナイトやそれらを含む
組成物が記載されている。
特開平8−231568号公報には、(2,4−ジ第
3級ブチルフェノキシ)ビス[4’−ビス(2,4−ジ
第3級ブチルフェノキシ)ホスフィノ]ビフェニル−4
−イル]ホスフィン、(2,4−ジ第3級ブチル−5−
メチルフェノキシ)ビス[4’−ビス(2,4−ジ第3
級ブチル−5−メチルフェノキシ)ホスフィノ]ビフェ
ニル−4−イル]ホスフィンなどやこれらの化合物を含
む組成物が記載されている。
特開平9−238490号公報には、2,4−ジ第3
級ブチルフェニル(ビフェニル−4−イル)[4’−ビ
ス(2,4−ジ第3級ブチルフェノキシ)ホスファニル
ビフェニル−4−イル]ホスフィナイト、2,4−ジ第
3級ブチル−5−メチルフェニル(ビフェニル−4−イ
ル)[4’−ビス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチ
ルフェノキシ)ホスファニルビフェニル−4−イル]ホ
スフィナイトなどやこれらの化合物を含む組成物が記載
されている。
上記文献には、これらの化合物やこれらの化合物を含
む組成物が有機高分子材料用安定剤として効果を示すこ
とが記載されている。
また、この他にも例えば、トリス(2,4−ジ第3級
ブチルフェニル)ホスファイト、 ビス、(2,4−ジ第3級ブチル−6−メチルフェニ
ル)エチルホスファイト、 トリフェニルホスファイト、 ジフェニルアルキルホスファイト、 フェニルジアルキルホスファイト、 トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、 トリラウリルホスファイト、 トリオクタデシルホスファイト、 ビス(2,4−ジ−第3級ブチル−6−メチルフェニ
ル)メチルホスファイトなどのアリールホスファイト化
合物が酸化防止剤として用いられている。
また、例えば、ビス(2,4−ジ第3級ブチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、 ビス(2,6−ジ第3級ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、 ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、 ビス(2,4−ジ(1−フェニル−1,1−ジメチル
メチル)フェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、 (2,4,6−トリ第3級ブチルフェニル)−2−ブ
チル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジホスフ
ァイト、 ビスイソデシルオキシペンタエリスリトールジホスフ
ァイト、 ビス(2,4,6−トリ第3級ブチルフェニル)ペン
タエリスリトールジホスファイトなどのペンタエリスリ
トールホスファイト化合物が酸化防止剤として用いられ
ている。
さらに、例えば、2,2−メチレンビス(4,6−ジ
第3級ブチルフェニル)2−エチルヘキシルホスファイ
ト、 6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ第3級ブチ
ル−12−メチル−ジベンゾ[d,g]−1,3,2−
ジオキサホスホシン、 2,2’,2’’−ニトリロ(トリエチルトリス
(3,3’5,5’−テトラ第3級ブチル−1,1’−
ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイトなどのビ
スアリールアルキルホスファイト(オキサホスホシン)
化合物が酸化防止剤として用いられている。
1930年代にはフェノール系化合物が研究開発さ
れ、特に幾つかの酸化防止剤は非常に広範囲に用いられ
ている。
例えば、汎用されているフェノール系酸化防止剤とし
て、n−オクタデシル 3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、 テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン 1,3,5−トリス(3,5−ジ第3級ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、 1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,
5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ンなどが挙げられる。
また、異なった効果を同時に発現させたり、相乗効果
を得るために、複数の種類の酸化防止剤を組み合せて使
用することも広く行なわれている。
例えば、特開昭53−78248号公報には、6−ヒ
ドロキシクロマン化合物と、フェノール系酸化防止剤で
ある2,6−ジ第3級ブチル−6−メチルフェノールや
テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタンを
配合したポリオレフィン組成物を用いることにより黄変
を防止する方法が記載されている。同明細書には、樹脂
100重量部に対し、6−ヒドロキシクロマン化合物を
0.005〜0.5重量部、好ましくは0.01〜0.
2重量部を、フェノール系酸化防止剤を0.005〜1
重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部を添加する
ことが記載されている。
また、特開昭54−20056号公報には、6−ヒド
ロキシクロマン化合物を配合した熱安定性が改良された
熱可塑性重合体について記載されている。樹脂100重
量部に対し、6−ヒドロキシクロマン化合物を0.00
5〜0.2重量部、好ましくは0.01〜0.1重量部
と記載されている。また、配合量が0.005重量部未
満では、熱安定化効果がほとんどないことも記載されて
いる。
また、特開昭53−114852号公報には、6−ヒ
ドロキシクロマン化合物と、フェノール系酸化防止剤で
ある2,6−ジ第3級ブチル−6−メチルフェノールや
2,2−メチレンビス(4−エチル−6−第3級ブチ
ル)フェノールなどを配合することにより優れた安定性
を有するポリオレフィンが得られることが記載されてい
る。樹脂100重量部に対し、6−ヒドロキシクロマン
化合物を0.005〜0.5重量部、好ましくは0.0
1〜0.2重量部を、フェノール系酸化防止剤を0.0
1〜5重量部、好ましくは0.05〜1.0重量部を配
合することが記載されている。
ところで、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止
剤とは双方が異なった作用を示すという観点から、これ
らを併用して用いることが提案されており、リン系化合
物を合成樹脂の加工時の二次酸化防止剤として、ヒンダ
ードフェノール化合物を一次酸化防止剤として、併用し
て使用することにより、安定化された有機高分子材料の
着色を改善することが知られており広く用いられてい
る。
例えば、特公平4−69657号公報には、6−ヒド
ロキシクロマン化合物とテトラキス(2,4−ジ第3級
ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスファ
イトをそれぞれ0.01〜1重量%配合したポリオレフ
ィン組成物について記載されている。
また、特開昭63−137941号公報には、樹脂1
00重量部に対し、ビタミンEを0.005〜0.5重
量部、好ましくは0.03〜0.3重量部を、テトラキ
ス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)−4,4’−ビ
フェニレンジホスファイトを0.005〜0.5重量
部、好ましくは0.03〜0.3重量部とを配合した組
成物が、熱安定性色相に優れたポリオレフィンについて
記載されている。また、樹脂100重量部に対するビタ
ミンEの配合量を0.005重量部未満とすると、色相
は良くなるが、成形加工時の熱安定化効果が充分でない
ことが記載されている。
また、特開昭62−86036号公報には、樹脂10
0重量部に対し、6−ヒドロキシクロマン化合物0.0
05〜0.5重量部、好ましくは0.01〜0.2重量
部,リン系酸化防止剤であるジステアリルペンタエリス
リトールホスファイトまたはトリス(2,4−ジ第3級
ブチルフェニル)ホスファイトを0.01〜0.5重量
部、好ましくは0.02〜0.3重量部を配合すること
により、ポリオレフィンの安定性と着色性および黒点問
題を改良することが記載されている。また、さらにフェ
ノール系酸化防止剤を添加することもできるとが記載さ
れている。
また、特開平2−225542号公報には、樹脂10
0重量部に対し、6−ヒドロキシクロマン化合物0.0
1〜1重量部、好ましくは0.05〜0.5重量部を配
合し、リン系酸化防止剤である特定のホスファイト化合
物を0.01〜1重量部と配合することにより、安定化
されたポリオレフィン組成物が記載されている。また、
樹脂100重量部に対し6−ヒドロキシクロマン化合物
の配合量が0.01重量部未満の配合は加工安定性の改
善効果が十分に発揮されないことが記載されている。
すなわち、これらの公報に記載されたには、ビタミン
Eを含む6−ヒドロキシクロマン化合物は優れた酸化防
止剤あるいは加工安定剤であるにも拘わらず、樹脂を着
色させる欠点があるため、可能な限り少量(有機高分子
100重量部に対し0.005重量部以上)のビタミン
Eを含む6−ヒドロキシクロマン化合物を他の酸化防止
剤を併用使用して問題を解決しようとするものである。
また、ビタミンEを含む6−ヒドロキシクロマン化合
物の配合量の記載は、従来用いられていたフェノール系
酸化防止剤と同様に有機高分子100重量部に対して
0.005重量部〜0.5重量部を特徴と記載されてお
り、6−ヒドロキシクロマン化合物とリン系酸化防止剤
との配合比率については何等記載も示唆もされてない。
すなわち、特開昭53−78248号には、黄変を防
止する方法のみ記載され加工安定性については記載され
ていない。またリン系酸化防止剤を含有していないもの
であることはもとより、実施例に記載された例について
酸化防止剤との総量に対する6−ヒドロキシクロマン化
合物の割合を計算すると、22.2%〜15.7%の場
合について記載されている。
また、特開昭54−20056号には、フェノール系
酸化防止剤と相乗効果が認められる記載があるが、これ
らのフェノール酸化防止剤の添加量は、樹脂100重量
部に対し、0.01〜1重量部との記載以外、実施例を
含めて具体的記載ない。実施例には、6−ヒドロキシク
ロマン化合物を単独で樹脂に配合した例のみ記載されて
いる。
また、特開昭53−114852号には、6−ヒドロ
キシクロマン化合物と、複数のフェノール系酸化防止剤
とを併用することが記載されているが、実施例には、樹
脂に対して、ビタミンEを0.03重量部、2種類のフ
ェノール系酸化防止剤を各々0.1重量部配合した例が
記載されており、これらの総量に対する6−ヒドロキシ
クロマン化合物の割合は約13重量%の例のみ記載され
ている。
また、特開昭63−137941号には、実施例に
は、樹脂100重量部に対し、ビタミンEを0.03重
量部または0.10重量部、テトラキス(2,4−ジ第
3級ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホス
ホナイトを0.03重量部を配合した例が記載されてお
り、これら酸化防止剤の総量に対する6−ヒドロキシク
ロマンの割合は、50%と77%となる。
また、特開昭62−86036号には、樹脂100重
量部に対し、ビタミンEを0.05重量部、ジステアリ
ルペンタエリスリトールホスファイトまたはトリス
(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ホスファイトを
0.05重量部や0.2重量部などを配合した例が記載
されており、これら酸化防止剤の総量に対する6−ヒド
ロキシクロマンの割合は、50%や20%となる例が記
載されている。
また、特開平2−222542号には、樹脂100重
量部に対し、ビタミンEを0.05重量部、リン系酸化
防止剤である特定のホスファイト化合物を0.05重量
部を配合した実施例が記載されており、これらの比率は
1:1であり、酸化防止剤の総量に対する6−ヒドロキ
シクロマンの割合は50%場合についてのみ記載されて
いる。
上記の文献には、6−ヒドロキシクロマン化合物とフ
ェノール系酸化防止剤、或いは6−ヒドロキシクロマン
化合物とリン系酸化防止剤との2種類の成分を併用する
ことについて記載されていることはもとより、6−ヒド
ロキシクロマン化合物とフェノール系酸化防止剤とリン
系酸化防止剤との3種類の成分を併せて使用するという
包括的な記載がある場合もその具体的な記載はなく、加
えて6−ヒドロキシクロマン化合物とフェノール系また
はリン系酸化防止剤の配合割合について、記載も示唆も
されていない。したがって、上記公報には、本発明のフ
ェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤にさらに少量
の6−ヒドロキシクロマン化合物を有機高分子材料に配
合することによって、着色を抑え、且つ加工安定性につ
いて顕著な相乗化効果を発揮することについては何ら記
載も示唆もされていない。
例えば、特開昭63−105060号または米国特許
4806580号公報には、ビタミンEを1重量部とテ
トラキス(2,4−ジ−第3級ブチルフェニル)−4,
4’−ビフェニレンジホスファイトなどの特定のリン系
酸化防止剤を5〜14重量部とを配合した合成樹脂用安
定剤組成物は、着色性に対して、より安定化されたこと
が記載されている。また、ビタミンEを1重量部とテト
ラキス(2,4−ジ−第3級ブチルフェニル)−4,
4’−ビフェニレンジホスファイトなどの特定のリン系
酸化防止剤を15重量部、16重量部を配合した組成物
が比較例として記載されている。
明細書2頁(特開昭63−105060号公報)左下
欄には、衛生上あるいは安全性上の問題からより好まし
い化合物が求められ、フェノール系酸化防止剤として天
然物由来のビタミンEやビタミンEに類似の構造をもつ
6−ヒドロキシクロマン化合物がそれ以前に使用されて
いたフェノール系酸化防止剤の代替品として用いるとい
う発明の背景が記載されている。
同公報に記載された配合比を換算すると、ビタミンE
とリン系酸化防止剤との総量に対して、ビタミンEを約
6.7重量%〜約16.7重量%含有した範囲が特許さ
れており、約6.3重量%、約5.9重量%の比較例組
成物は安定化効果が良くないことが記載されている。
同公報にはそれ以前に使用されていたフェノール系酸
化防止剤とリン系酸化防止剤とを併せて配合する替わり
に、6−ヒドロキシクロマン化合物とリン系酸化防止剤
とを併せて配合した有機高分子材料組成物について提案
されたものあって、6−ヒドロキシクロマン化合物をフ
ェノール系化合物の範疇で捉えた配合例が提案されてお
り、酸化防止剤の配合比率も本発明とは異なるものであ
る。
すなわち、本発明である加工安定性において、フェノ
ール系酸化防止剤と相乗効果のあるリン系酸化防止剤に
加えて極めて少量の一般式(1)により表される6−ヒ
ドロキシクロマン化合物を含む安定剤組成物を用いるこ
とにより、フェノール系酸化防止剤のもつ耐熱性やリン
系酸化防止剤のもつ着色防止性を維持しつつ、飛躍的な
加工安定性を増強させることとは異なるものである。本
発明は6−ヒドロキシクロマン化合物をフェノール系酸
化防止剤およびリン系酸化防止剤の加工安定性効力増強
剤とも考えることができるものである。
近年、3−アリールベンゾフラノン化合物がリン系酸
化防止剤とフェノール系酸化防止剤とを併用する場合の
相乗化剤として開発されているる。 例えば、特開平7
−233160号公報の段落番号0226に記載された
実施例14に本発明と同様な目的で使用することができ
る3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ第3
級ブチル−3H−ベンゾフラン−2−オン(同出願で
は、化合物103と表記)が記載されている。1997
年2月23日〜26日に米国テキサス州ヒューストンに
て行われたポリオレフィンに関する国際会議(Polyolef
ins X international conference)にて発表されたポリ
マー安定化による飛躍的な進歩(A major breakthrough
in polymer stabilization)と題するC.Krohn
keによる講演の資料にも記載されており、フェノール
系酸化防止剤やリン系酸化防止剤の相乗化剤として記載
されている。しかしながら、この相乗化効果について
は、満足できるものではなく、さらに効果のある相乗化
剤が求められている。
また、最近は高速成型のための成型温度の高温化やエ
ンジニヤリングプラスチック等とのアロイによる高温成
型などのため、更に耐熱性に加えて、加工安定性に対し
て効果のある優れた酸化防止剤の要求が高まってきてお
り、これら公知の安定化組成物はその目的のためにはい
まだ十分に満足されるものではない。また、耐熱性に加
えて、加工安定性に対して、少量の添加であっても効果
のある酸化防止剤の要求も高まっている。
発明の開示 従って本発明の目的は、着色防止性を維持し、さらに
耐熱性および少量で加工安定性に対して効果のある優れ
た酸化防止剤を提供することにある。
本発明は上記課題を解決するものであり、以下に関す
る。
[1](a):一般式(1) (式中、R1は炭素数1〜18のアルキル基または炭素
数2〜18のアルケニル基を示し、R2は炭素数1〜5
のアルキル基を示し、R3、R4およびR5は同一または
異なっていてもよく、それぞれ水素原子または炭素数1
〜4のアルキル基を示し、R6は水素原子または炭素数
1〜5のアルキル基を示す。)により表される化合物
(以下、6−ヒドロキシクロマン化合物ともいう)の少
なくとも1種と、 (b)次の(b−1)、(b−2)、(b−3)および
(b−4)から選ばれるリン系酸化防止剤と、 (b−1):一般式(2) (式中、Q1は一般式(3) (式中、R7およびR8は各々同一または異なっていても
よく、炭素数1〜4のアルキル基を示し、R9は水素原
子またはメチル基を示す。)を示し、Q2は各々の繰り
返し単位について独立して一般式(3) (式中の記号は前記と同義である。)を示し、iは各々
の繰り返し単位について独立して0または1を示し、j
は0または1を示し、n1は1〜10の整数を示す。)
または一般式(4) (式中の記号は前記と同義である。)により表される化
合物の少なくとも1種、 (b−2):一般式(5) (式中、R10は、各々同一または異なっていてもよく、
炭素数1〜18のアルキル基、フェニル基、炭素数1〜
9のアルキル基で置換されたフェニル基、または一般式
(6) (式中、R12およびR13は各々同一または異なっていて
もよく、炭素数1〜4のアルキル基を示し、R14は水素
原子またはメチル基を示す。)により表される基を示
し、R11は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数7〜
9のフェニルアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル
基、炭素数1〜9のアルキル基で置換されたフェニル
基、または一般式(6) (式中、R12およびR13は各々同一または異なっていて
もよく、炭素数1〜4のアルキル基を示し、R14は水素
原子またはメチル基を示す。)により表される基を示
す。)、または一般式(7) (式中、R10は前記と同義であり、n4は3を示し、L1
は1,1,3−ブタントリイル基を示す。)により表さ
れる化合物の少なくとも1種、 (b−3):一般式(8) または一般式(9) (式中、qは1または2を表し、Aはqが1を表す場
合、一般式(10) (式中、R18およびR19は同一または異なっていてもよ
く、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基を示し、R20
水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示す。)に
より表される基を示し、Aはqが2を表す場合、炭素数
2〜18のアルキレン基、p−フェニレン基またはp−
ビフェニレン基を示し、R15およびR16は、互いに独立
して炭素数1〜4のアルキル基を示し、R17は互いに独
立して炭素数1〜18のアルキル基、炭素数7〜9のフ
ェニルアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ま
たは一般式(11) (式中、R21およびR22は同一または異なっていてもよ
く、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基または炭素数7
〜9のフェニルアルキル基を示し、R23は水素原子また
は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)により表される
基を示す。)により表される化合物の少なくとも1種、 (b−4):一般式(12) (式中、R24は各々同一または異なっていてもよく炭素
数1〜5のアルキル基を示し、R25は各々同一または異
なっていてもよく水素原子または炭素数1〜5のアルキ
ル基を示し、 R26は同一または異なっていてもよく水素原子またはメ
チル基を示し、R27は直接結合、メチレン基、−CH
(R29)−基(R29は炭素数1〜4のアルキル基を示
す。)、または硫黄原子を示し、n3は1または3を示
し、n3が3の場合R28はN(CH2CH2O−)3により
表される基を示し、n3が1の場合R28は炭素数1〜1
8のアルキル基、ハロゲン原子、水酸基、または炭素数
1〜8のアルコキシ基を示す。)により表される化合物
の少なくとも1種、 (c):フェノール系酸化防止剤とを含有し、 成分(a)と成分(b)と成分(c)との総量に対し
て、成分(a)を0.5重量%〜10重量%、成分
(b)と成分(c)との総量を99.5重量%〜90重
量%の割合で含有する有機高分子材料用安定剤組成物。
[2]成分(b)が一般式(2) (式中の記号は前記[1]と同義である。)または一般
式(4) (式中の記号は前記[1]と同義である。)により表さ
れる化合物の少なくとも1種である前記[1]に記載の
有機高分子材料用安定剤組成物。
[3]成分(b)が、一般式(13) (式中、Q3は一般式(14) (式中、R9は水素原子またはメチル基を示す。)を示
し、Q4は各々の繰り返し単位について独立して一般式
(14) (式中、R9は水素原子またはメチル基を示す。)を示
し、iは各々の繰り返し単位について独立して0または
1を示し、jは0または1を示し、n2は1〜3の整数
を示す。)または一般式(15) (式中の記号は前記と同義である。)により表される化
合物の少なくとも1種である前記[2]に記載の有機高
分子材料用安定剤組成物。
[4]成分(b)が、 テトラキス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)−
4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、 テトラキス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフ
ェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、 (2,4−ジ第3級ブチルフェノキシ)ビス{4’−
(ビス(2,4−ジ第3級ブチルフェノキシ)ホスフィ
ノ)ビフェニル−4−イル}ホスフィン、および (2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェノキシ)
ビス{4’−(ビス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メ
チルフェノキシ)ホスフィノ)ビフェニル−4−イル}
ホスフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種であ
る前記[3]に記載の有機高分子材料用安定剤組成物。
[5]成分(b)が一般式(5) (式中の記号は前記[1]と同義である。)または一般
式(7) (式中の記号は前記[1]と同義である。)により表さ
れる化合物の少なくとも1種である前記[1]に記載の
有機高分子材料用安定剤組成物。
[6]成分(b)が、 トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ホスファ
イト、 ビス(2,4−ジ第3級ブチル−6−メチルフェニ
ル)エチルホスファイト、 トリフェニルホスファイト、 ジフェニルアルキルホスファイト、 フェニルジアルキルホスファイト、 トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、 トリラウリルホスファイト、 トリオクタデシルホスファイト、および ビス(2,4−ジ−第3級ブチル−6−メチルフェニ
ル)メチルホスファイトからなる群より選ばれる少なく
とも1種である前記[5]に記載の有機高分子材料用安
定剤組成物。
[7]成分(b)が一般式(8) (式中の記号は前記[1]と同義である。)または一般
式(9) (式中の記号は前記[1]と同義である。) により表される化合物の少なくとも1種である前記
[1]に記載の有機高分子材料用安定剤組成物。
[8]成分(b)が、 ビス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト、 ビス(2,6−ジ第3級ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、 ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、 ビス(2,4−ジ(1−フェニル−1,1−ジメチル
メチル)フェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、 (2,4,6−トリ第3級ブチルフェニル)−2−ブ
チル−2−エチル−1,3−プロパンジオールホスファ
イト、 ビスイソデシルペンタエリスリトールジホスファイ
ト、および ビス(2,4,6−トリ第3級ブチルフェニル)ペン
タエリスリトールジホスファイトからなる群より選ばれ
る少なくとも1種である前記[7]に記載の有機高分子
材料用安定剤組成物。
[9]成分(b)が一般式(12) (式中の記号は前記[1]と同義である。)により表さ
れる化合物の少なくとも1種である前記[1]に記載の
有機高分子材料用安定剤組成物。
[10]成分(b)が、 2,2−メチレンビス(4,6−ジ第3級ブチルフェ
ニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、 6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ第3級ブチ
ル−12−メチル−ジベンゾ[d,g]−1,3,2−
ジオキサホスホシン、および 2,2’,2’’−ニトリロ(トリエチルトリス
(3,3’,5,5’−テトラ第3級ブチル−1,1’
−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイトからな
る群より選ばれる少なくとも1種である前記[9]に記
載の有機高分子材料用安定剤組成物。
[11]成分(c)が、一般式(16) (式中、R30は炭素数1〜5のアルキル基を示し、R31
は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R32は水素原子ま
たはメチル基を示し、Lは、 を示す。)により表される構造を分子内に1つ以上含む
化合物である前記[1]〜[10]のいずれかに記載の
有機高分子材料用安定剤組成物。
[12]成分(c)が、 テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタ
ン、 n−オクタデシル 3−(4−ヒドロキシ−3,5−
ジ第3級ブチルフェニル)プロピオネート、 トリス(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)イソシアヌレート、および 1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,
5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ンからなる群より選ばれる少なくとも1種である前記
[1]〜[10]のいずれかに記載の有機高分子材料用
安定剤組成物。
[13]成分(b)の配合量と、成分(c)の配合量の
重量比が、9:1〜1:9である前記[1]〜[12]
のいずれかに記載の有機高分子材料用安定剤組成物。
[14]成分(b)の配合量と、成分(c)の配合量の
重量比が、4:1〜1:4である前記[1]〜[12]
のいずれかに記載の有機高分子材料用安定剤組成物。
[15]成分(a)が一般式(17) (式中、R33は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数
2〜5のアルケニル基を示し、R2は炭素数1〜5のア
ルキル基を示し、R3、R4およびR5は同一または異な
っていてもよく、それぞれ水素原子または炭素数1〜4
のアルキル基を示し、R6は水素原子または炭素数1〜
5のアルキル基を示す。)により表される化合物の少な
くとも1種である前記[1]〜[14]のいずれかに記
載の有機高分子材料用安定剤組成物。
[16]有機高分子に、前記[1]〜[15]のいずれ
かに記載の有機高分子材料用安定剤組成物を配合してな
る有機高分子材料組成物。
[17]さらに硫黄系酸化防止剤および/または光安定
剤を含有する前記[16]に記載の有機高分子材料組成
物。
[18](a):一般式(1) (式中の記号は前記[1]と同義である。)により表さ
れる化合物の少なくとも1種、 (b)次の(b−1)、(b−2)、(b−3)および
(b−4)から選ばれるリン系酸化防止剤と、 (b−1):一般式(2) (式中の記号は前記[1]と同義である。)または一般
式(4) (式中の記号は前記[1]と同義である。)により表さ
れる化合物の少なくとも1種、 (b−2):一般式(5) (式中の記号は前記[1]と同義である。)または一般
式(7) (式中の記号は前記[1]と同義である。)により表さ
れる化合物の少なくとも1種、 (b−3):一般式(8) (式中の記号は前記[1]と同義である。)または一般
式(9) (式中の記号は前記[1]と同義である。)により表さ
れる化合物の少なくとも1種、 (b−4):一般式(12) (式中の記号は前記[1]と同義である。)により表さ
れる化合物の少なくとも1種、 (c):フェノール系酸化防止剤、および (d):有機高分子を含有する有機高分子材料組成物で
あって、有機高分子材料組成物100重量部に対して、
成分(a)を0.0005重量部〜0.010重量部の
範囲で含有する有機高分子材料組成物。
[19]有機高分子材料組成物100重量部に対して、
成分(a)を0.001重量部〜0.005重量部の範
囲で含有する前記[18]に記載の有機高分子材料組成
物。
[20]成分(b)が一般式(2) (式中の記号は前記[1]と同義である。)または一般
式(4) (式中の記号は前記[1]と同義である。)により表さ
れる化合物の少なくとも1種である前記[18]または
[19]に記載の有機高分子材料組成物。
[21]成分(b)が、一般式(13) (式中の記号は前記[3]と同義である。)または一般
式(15) (式中の記号は前記[3]と同義である。)により表さ
れる化合物の少なくとも1種である前記[20]に記載
の有機高分子材料組成物。
[22]成分(b)が、 テトラキス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)−
4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、 テトラキス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフ
ェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、 (2,4−ジ第3級ブチルフェノキシ)ビス{4’−
(ビス(2,4−ジ第3級ブチルフェノキシ)ホスフィ
ノ)ビフェニル−4−イル}ホスフィン、および (2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェノキシ)
ビス{4’−(ビス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メ
チルフェノキシ)ホスフィノ)ビフェニル−4−イル}
ホスフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種であ
る前記[21]に記載の有機高分子材料組成物。
[23]成分(b)が一般式(5) (式中の記号は前記[1]と同義である。)または一般
式(7) (式中の記号は前記[1]と同義である。)により表さ
れる化合物の少なくとも1種である前記[18]または
[19]に記載の有機高分子材料組成物。
[24]成分(b)が、 トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ホスファ
イト、 ビス(2,4−ジ第3級ブチル−6−メチルフェニ
ル)エチルホスファイト、 トリフェニルホスファイト、 ジフェニルアルキルホスファイト、 フェニルジアルキルホスファイト、 トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、 トリラウリルホスファイト、 トリオクタデシルホスファイト、および ビス(2,4−ジ−第3級ブチル−6−メチルフェニ
ル)メチルホスファイトからなる群より選ばれる少なく
とも1種である前記[23]に記載の有機高分子材料組
成物。
[25]成分(b)が一般式(8) (式中の記号は前記[1]と同義である。) (式中の記号は前記[1]と同義である。) により表される化合物の少なくとも1種である前記[1
8]または[19]に記載の有機高分子材料組成物。
[26]成分(b)が、 ビス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト、 ビス(2,6−ジ第3級ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、 ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、 ビス(2,4−ジ(1−フェニル−1,1−ジメチル
メチル)フェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、 (2,4,6−トリ第3級ブチルフェニル)−2−ブ
チル−2−エチル−1,3−プロパンジオールホスファ
イト、 ビスイソデシルペンタエリスリトールジホスファイ
ト、および ビス(2,4,6−トリ第3級ブチルフェニル)ペン
タエリスリトールジホスファイトからなる群より選ばれ
る少なくとも1種である前記[25]に記載の有機高分
子材料組成物。
[27]成分(b)が一般式(12) (式中の記号は前記[1]と同義である。)により表さ
れる化合物の少なくとも1種である前記[18]または
[19]に記載の有機高分子材料組成物。
[28]成分(b)が、 2,2−メチレンビス(4,6−ジ第3級ブチルフェ
ニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、 6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ第3級ブチ
ル−12−メチル−ジベンゾ[d,g]−1,3,2−
ジオキサホスホシン、および 2,2’,2’’−ニトリロ(トリエチルトリス
(3,3’,5,5’−テトラ第3級ブチル−1,1’
−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイトからな
る群より選ばれる少なくとも1種である前記[27]に
記載の有機高分子材料組成物。
[29]成分(c)が、一般式(16) (式中の記号は前記[11]と同義である。)により表
される構造を分子内に1つ以上含む化合物である前記
[18]〜[28]のいずれかに記載の有機高分子材料
組成物。
[30]成分(c)が、 テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタ
ン、 n−オクタデシル 3−(4−ヒドロキシ−3,5−
ジ第3級ブチルフェニル)プロピオネート、 トリス(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)イソシアヌレート、および 1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,
5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ンからなる群より選ばれる少なくとも1種である前記
[29]に記載の有機高分子材料組成物。
[31]成分(b)の配合量と、成分(c)の配合量の
重量比が、9:1〜1:9である前記[18]〜[3
0]のいずれかに記載の有機高分子材料組成物。
[32]成分(b)の配合量と、成分(c)の配合量の
重量比が、4:1〜1:4である前記[18]〜[3
0]のいずれかに記載の有機高分子材料組成物。
[33]成分(a)が一般式(17) (式中の記号は前記[15]と同義である。)により表
される化合物の少なくとも1種である前記[18]〜
[32]のいずれかに記載の有機高分子材料組成物。
[34]有機高分子が、合成樹脂である前記[18]〜
[33]のいずれかに記載の有機高分子材料組成物。
[35]有機高分子が、オレフィン系樹脂である前記
[18]〜[33]のいずれかに記載の有機高分子材料
組成物。
[36]有機高分子が、ポリエチレン系樹脂、ポリプロ
ピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系
樹脂との混和物または相溶性重合体、ポリエチレン系樹
脂および/またはポリプロピレン系樹脂を含む相溶性重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、またはエチレン
−プロピレン共重合体である前記[18]〜[33]の
いずれかに記載の有機高分子材料組成物。
[37]さらに硫黄系酸化防止剤および/または光安定
剤を含有する前記[18]〜[36]のいずれかに記載
の有機高分子材料組成物。
本発明の有機高分子材料用安定剤組成物の構成成分で
ある一般式(1)の化合物における置換基について説明
する。
一般式(1)により表される化合物のR1は、炭素数
1〜18のアルキル基または炭素数2〜18のアルケニ
ル基であり、当該アルキル基またはアルケニル基は直鎖
または分枝鎖のいずれであってもよく、例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、第2級ブチル基、第3級ブチル基、
ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−メ
チルブタン−1−イル基、2−メチルブタン−2−イル
基、2−メチルブタン−3−イル基、2−メチルブタン
−4−イル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキ
シル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル
基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、
トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキ
サデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、4−メ
チルペント−3−エニル基(−CH2CH2CH=C(C
3)−CH3基)、4,8,12−トリメチルトリデシ
ル基(−{CH2CH2CH2CH(CH3)}3−CH
3基)、4,8,12−トリメチル−3,7,11−ト
リデカトリエニル基(−{CH2CH2CH=C(C
3)}3−CH3基)などが挙げられる。
一般式(1)により表される化合物のR1の好ましい
例としては、メチル基、4,8,12−トリメチルトリ
デシル基(−{CH2CH2CH2CH(CH3)}3−C
3基)、4,8,12−トリメチル−3,7,11−
トリデカトリエニル基(−{CH2CH2CH=C(CH
3)}3−CH3基)などが挙げられ、メチル基、4,
8,12−トリメチルトリデシル基(−{CH2CH2
2CH(CH3)}3−CH3基)が特に好ましく、この
なかでもメチル基が最も好ましい。
一般式(1)により表される化合物のR2は、炭素数
1〜5のアルキル基であり、当該アルキル基は直鎖また
は分枝鎖のいずれであってもよく、例えば、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イ
ソブチル基、第2級ブチル基、第3級ブチル基、ペンチ
ル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−メチルブ
タン−1−イル基、2−メチルブタン−2−イル基、2
−メチルブタン−3−イル基、2−メチルブタン−4−
イル基、ネオペンチル基などが挙げられる。
一般式(1)により表される化合物のR2として好ま
しい基は、メチル基である。
一般式(1)により表される化合物のR3、R4、およ
びR5は、同一または異なっていてもよく、それぞれ水
素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、当該ア
ルキル基は直鎖または分枝鎖のいずれであってもよく、
例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、イソブチル基、第2級ブチル基、第3
級ブチル基などが挙げられる。
一般式(1)により表される化合物のR3、R4、およ
びR5の好ましい例としては、水素原子、メチル基、イ
ソプロピル基、第3級ブチル基が挙げられ、特に好まし
い基としては、水素原子、メチル基が挙げられ、なかで
もメチル基が最も好ましい。
一般式(1)により表される化合物のR6は、水素原
子または炭素数1〜5のアルキル基であり、当該アルキ
ル基は直鎖または分枝鎖のいずれであってもよく、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、第2級ブチル基、第3級
ブチル基、ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル
基、2−メチルブタン−1−イル基、2−メチルブタン
−2−イル基、2−メチルブタン−3−イル基、2−メ
チルブタン−4−イル基、ネオペンチル基などが挙げら
れる。
一般式(1)により表される化合物のR6として好ま
しいものは、水素原子である。
一般式(1)により表される化合物としては、具体的
には以下の化合物が挙げられるがこれに限られるもので
はない。
2,2−ジメチル−6−ヒドロキシクロマン 2,2,5−トリメチル−7−第3級ブチル−6−ヒド
ロキシクロマン 2,2,5−トリメチル−8−第3級ブチル−6−ヒド
ロキシクロマン 2,2,7,8−テトラメチル−6−ヒドロキシクロマ
ン 2,2,5,7−テトラメチル−6−ヒドロキシクロマ
ン 2,2,5,8−テトラメチル−6−ヒドロキシクロマ
ン 2,2−ジメチル−7−第3級ブチル−6−ヒドロキシ
クロマン 4−イソプロピル−2,2,5−トリメチル−7−第3
級ブチル−6−ヒドロキシクロマン 2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒドロキシク
ロマン 4−イソプロピル−2,2−ジメチル−7−第3級ブチ
ル−6−ヒドロキシクロマン 2,2−ジメチル−5−第3級ブチル−6−ヒドロキシ
クロマン 2,5,7,8−テトラメチル−2−(4−メチルペン
ト−3−エニル)−6−ヒドロキシクロマン 2,5−ジメチル−8−第3級ブチル−2−(4−メチ
ルペント−3−エニル)−6−ヒドロキシクロマン 2−メチル−2−(4−メチルペント−3−エニル)−
6−ヒドロキシクロマン、 2,2,5−トリメチル−6−ヒドロキシクロマン 2,2,7−トリメチル−6−ヒドロキシクロマン 2,2,8−トリメチル−6−ヒドロキシクロマン α−トコフェロール(R1は4,8,12−トリメチ
ルトリデシル基 、R2はメチル基 、R3とR4とR5はと
もにメチル基、R6は水素原子) β−トコフェロール(R1は4,8,12−トリメチ
ルトリデシル基 、R2はメチル基 、R3とR5はともに
メチル基、R4は水素原子、R5は水素原子) γ−トコフェロール(R1は4,8,12−トリメチ
ルトリデシル基 、R2はメチル基 、R4とR5はともに
メチル基、R3は水素原子、R6は水素原子) δ−トコフェロール(R1は4,8,12−トリメチ
ルトリデシル基 、R2はメチル基 、R3とR4はともに
水素原子、R5はメチル基、R6は水素原子) トコール(R1は4,8,12−トリメチルトリデシ
ル基 、R2はメチル基 、R3とR4とR5はともに水素原
子、R6は水素原子) ε−トコフェロール(R1は4,8,12−トリメチ
ル−3,7,11−トリデカトリエニル基、R2はメチ
ル基、R3とR5はともにメチル基、R4は水素原子、R6
は水素原子) ξ1−トコフェロール(R1は4,8,12−トリメチ
ル−3,7,11−トリデカトリエニル基 、R2はメチ
ル基 、R3とR4とR5はともにメチル基、R6は水素原
子) ξ2−トコフェロール(R1は4,8,12−トリメチ
ルトリデシル基、R2はメチル基、R3とR4はともにメ
チル基、R5は水素原子、R6は水素原子) η−トコフェロール(R1は4,8,12−トリメチ
ルトリデシル基、R2はメチル基、R3とR5はともに水
素原子、R4はメチル基、R6は水素原子) 一般式(1)により表される化合物としては、2,
2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒドロキシクロマ
ンや各種トコフェロールが好ましく、この中でも2,
2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒドロキシクロマ
ンが特に好ましい。
本発明において、成分(a)は、一般式(1)により
表される化合物またはそれらの混合物であってもよく、
例えば、上記各種トコフェロールまたはそれらの混合物
であってもよい。
本発明の有機高分子材料用安定剤組成物の構成成分で
ある一般式(2)または一般式(4)の化合物の置換基
について説明する。
一般式(2) または一般式(4) における置換基Q1またはQ2である一般式(3) におけるR7およびR8は、同一または異なっていてもよ
く、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基であり、当該ア
ルキル基は直鎖または分枝鎖のいずれであってもよく、
例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、イソブチル基、第3級ブチル基が挙げ
られ、第3級ブチル基が好ましい。なかでも、R7とR8
の双方とも第3級ブチル基であることが特に好ましい。
上記一般式(3)により表される基におけるR9は、
水素原子またはメチル基であり、R9がメチル基の場
合、R9が一般式(3)のフェニル環上の5位または6
位に置換したものが特に好ましく、5位に置換したもの
が最も好ましい。
一般式(3)により表される基の特に好ましい例とし
ては、2,4−ジ第3級ブチルフェノキシ基、2,4−
ジ第3級ブチル−5−メチルフェノキシ基が挙げられ
る。
一般式(2)または一般式(4)におけるn1は、1
〜10の整数であり、1または2が好ましく、特に1が
好ましい。i、jは0または1であり、0であることが
好ましい。
成分(b)が(b−1)である場合、一般式(2)の
化合物が主成分であることが好ましく、一般式(4)の
化合物は含まれていなくてもよい。
本発明の有機高分子材料用安定剤組成物の構成成分の
一つである一般式(2)または(4)により表される化
合物としては以下のものが挙げられる。
特公昭50−35096号公報に記載されているテト
ラキス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)−4,4’
−ビフェニレンジホスホナイトを代表とする4,4’−
ビフェニレンジホスホナイト化合物、 特開平1−254744号公報に記載されているテト
ラキス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)−4,4’
−ビフェニレンジホスホナイトと対応するビフェニレン
モノホスホナイトを含有する組成物、 特開平2−270892号公報に記載されているテト
ラキス(2,4−ジ第3級ブチル−6−メチルフェニ
ル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイトなどから
なる組成物、 特開平5−202078号公報に記載されているテト
ラキス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)−4,4’
−ビフェニレンジホスホネートなどからなる組成物、 特開平5−178870号公報に記載されているテト
ラキス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェニ
ル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト化合物、 特開平8−231568号公報に記載されている 2,4−ジ第3級ブチルフェニル ビス[4’−ビス
(2,4−ジ第3級ブチルフェノキシ)ホスファニルビ
フェニル−4−イル]ホスフィナイト(または(2,4
−ジ第3級ブチルフェノキシ)ビス[4’−[ビス
(2,4−ジ第3級ブチルフェノキシ)ホスフィノ]ビ
フェニル−4−イル]ホスフィンともよばれる)、 2,4−ジ第3級ブチルフェニル [4’−ビス
(2,4−ジ第3級ブチルフェノキシ)ホスファニルビ
フェニル−4−イル][4’−ビス(2,4−ジ第3級
ブチルフェノキシ)ホスホリルビフェニル−4−イル]
ホスフィナイト、 2,4−ジ第3級ブチルフェニル ビス[4’−ビス
(2,4−ジ第3級ブチルフェノキシ)ホスファニルビ
フェニル−4−イル]ホスフィネート、 2,4−ジ第3級ブチルフェニル [4’−ビス
(2,4−ジ第3級ブチルフェノキシ)ホスファニルビ
フェニル−4−イル][4’−ビス(2,4−ジ第3級
ブチルフェノキシ)ホスホリルビフェニル−4−イル]
ホスフィネート、 2,4−ジ第3級ブチルフェニル ビス[4’−ビス
(2,4−ジ第3級ブチルフェノキシ)ホスホリルビフ
ェニル−4−イル]ホスフィナイト、 2,4−ジ第3級ブチルフェニル ビス[4’−ビス
(2,4−ジ第3級ブチルフェノキシ)ホスホリルビフ
ェニル−4−イル]ホスフィネート、 2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェニル ビス
[4’−ビス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフ
ェノキシ)ホスファニルビフェニル−4−イル]ホスフ
ィナイト(または(2,4−第3級ブチル−5−メチル
フェノキシ)ビス[4’−[ビス(2,4−ジ第3級ブ
チル−5−メチルフェノキシ)ホスフィノ]ビフェニル
−4−イル]ホスフィンともよばれる)、 2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェニル
[4’−ビス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフ
ェノキシ)ホスファニルビフェニル−4−イル][4’
−ビス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェノキ
シ)ホスホリルビフェニル−4−イル]ホスフィナイ
ト、 2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェニル ビス
[4’−ビス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフ
ェノキシ)ホスファニルビフェニル−4−イル]ホスフ
ィネート、 2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェニル
[4’−ビス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフ
ェノキシ)ホスファニルビフェニル−4−イル][4’
−ビス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェノキ
シ)ホスホリルビフェニル−4−イル]ホスフィネー
ト、 2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェニル ビス
[4’−ビス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフ
ェノキシ)ホスホリルビフェニル−4−イル]ホスフィ
ナイト、 2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェニル ビス
[4’−ビス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフ
ェノキシ)ホスホリルビフェニル−4−イル]ホスフィ
ネート、 2,4−ジ第3級ブチルフェニル(ビフェニル−4−
イル)[4’−ビス(2,4−ジ第3級ブチルフェノキ
シ)ホスファニルビフェニル−4−イル]ホスフィナイ
ト、 2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェニル(ビフ
ェニル−4−イル)[4’−ビス(2,4−ジ第3級ブ
チル−5−メチルフェノキシ)ホスファニルビフェニル
−4−イル]ホスフィナイト、 2,4−ジ第3級ブチル−6−メチルフェニル(ビフ
ェニル−4−イル)[4’−ビス(2,4−ジ第3級ブ
チル−6−メチルフェノキシ)ホスファニルビフェニル
−4−イル]ホスフィナイト、 2,4−ジ第3級ブチルフェニル(ビフェニル−4−
イル)[4’−ビス(2,4−ジ第3級ブチルフェノキ
シ)ホスホリルビフェニル−4−イル]ホスフィナイ
ト、 2,4−ジ第3級ブチルフェニル(ビフェニル−4−
イル)[4’−ビス(2,4−ジ第3級ブチルフェノキ
シ)ホスファニルビフェニル−4−イル]ホスフィネー
ト、 2,4−ジ第3級ブチルフェニル(ビフェニル−4−
イル)[4’−ビス(2,4−ジ第3級ブチルフェノキ
シ)ホスホリルビフェニル−4−イル]ホスフィネート
などの化合物が挙げられる。
一般式(2)により表される化合物としては、 テトラキス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)−
4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、 テトラキス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフ
ェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイトが特
に好ましく、 テトラキス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)−
4,4’−ビフェニレンジホスホナイトを主成分とし
て、 (2,4−ジ第3級ブチルフェノキシ)ビス[4’−
[ビス(2,4−ジ第3級ブチルフェノキシ)ホスフィ
ノ]ビフェニル−4−イル]ホスフィン、 [(2,4−ジ第3級ブチルフェノキシ)ホスフィ
ノ]ビフェニル、 トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ホスファ
イトなどを含有する組成物、または テトラキス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフ
ェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイトを主
成分として、 (2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェノキシ)ビ
ス[4’−[ビス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチ
ルフェノキシ)ホスフィノ]ビフェニル−4−イル]ホ
スフィン、 [(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェノキ
シ)ホスフィノ]ビフェニル、 トリス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェニ
ル)ホスファイトなどを含有する組成物が最も好まし
い。
本発明の有機高分子材料用安定剤組成物の構成成分で
ある一般式(5)または一般式(7)の化合物の置換基
について説明する。
一般式(5)および一般式(7)のR10、および一般
式(5)のR11における炭素数1〜18のアルキル基
は、直鎖または分枝鎖のいずれであってもよく、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、第2級ブチル基、第3級
ブチル基、ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル
基、2−メチルブタン−1−イル基、2−メチルブタン
−2−イル基、2−メチルブタン−3−イル基、2−メ
チルブタン−4−イル基、ネオペンチル基、ヘキシル
基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エ
チルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、
ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデ
シル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシ
ル基などが挙げられ、好ましくはオクタデシル基であ
る。
一般式(5)および一般式(7)のR10、および一般
式(5)のR11における炭素数1〜9のアルキル基で置
換されたフェニル基としては、例えば、メチルフェニル
基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、イソプロ
ピルフェニル基、ブチルフェニル基、イソブチルフェニ
ル基、第2級ブチルフェニル基、第3級ブチルフェニル
基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチ
ルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基
などが挙げられる。
一般式(5)のR11における炭素数7〜9のフェニル
アルキル基はアルキル部分が直鎖または分枝鎖のいずれ
であってもよく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、
α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基な
どが挙げられる。
一般式(6)により表される基におけるR12およびR
13は同一または異なっていてもよく、それぞれ炭素数1
〜4のアルキル基であり、当該アルキル基は直鎖または
分枝鎖のいずれであってもよく、例えば、メチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソ
ブチル基、第3級ブチル基が挙げられ、第3級ブチル基
が好ましい。なかでも、R12およびR13がともに第3級
ブチル基であることが特に好ましい。
一般式(6)により表される基におけるR14は、水素
原子またはメチル基であり、R14がメチル基の場合、R
14がフェニル環上の5位または6位に置換したものが好
ましい。
一般式(6)により表される基の好ましい例として
は、2,4−ジ第3級ブチルフェニル基、2,4−ジ第
3級ブチル−6−メチルフェニル基が挙げられる。
一般式(5)におけるR10の好ましい例としては、ド
デシル基、オクタデシル基、フェニル基、ノニルフェニ
ル基、2,4−ジ第3級ブチルフェニル基、2,4−ジ
第3級ブチル−6−メチルフェニル基が挙げられる。
一般式(5)におけるR11の好ましい例としては、メ
チル基、エチル基、ドデシル基、オクタデシル基、フェ
ニル基、ノニルフェニル基、2,4−ジ第3級ブチルフ
ェニル基、2,4−ジ第3級ブチル−6−メチルフェニ
ル基が挙げられる。
一般式(7)におけるR10の好ましい例としては、ド
デシル基、オクタデシル基、フェニル基、ノニルフェニ
ル基、2,4−ジ第3級ブチルフェニル基、2,4−ジ
第3級ブチル−6−メチルフェニル基が挙げられる。
一般式(5)または(7)により表される化合物とし
ては、具体的には、例えば、 トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ホスファ
イト、 ビス(2,4−ジ第3級ブチル−6−メチルフェニ
ル)エチルホスファイト、 トリフェニルホスファイト、 ジフェニルアルキルホスファイト、 フェニルジアルキルホスファイト、 トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、 トリラウリルホスファイト、 トリオクタデシルホスファイト、 ビス(2,4−ジ−第3級ブチル−6−メチルフェニ
ル)メチルホスファイトなどが挙げられる。
本発明の有機高分子材料用安定剤組成物の構成成分で
ある一般式(8)または一般式(9)の化合物の置換基
について説明する。
一般式(10)により表される基におけるR18および
19は同一または異なっていてもよく、それぞれ炭素数
1〜4のアルキル基であり、当該アルキル基は直鎖また
は分枝鎖のいずれであってもよく、例えば、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イ
ソブチル基、第3級ブチル基が挙げられ、メチル基、第
3級ブチル基が好ましい。
一般式(10)により表される基におけるR20は、水
素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、当該ア
ルキル基は直鎖または分枝鎖のいずれであってもよく、
例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、イソブチル基、第3級ブチル基が挙げ
られる。R20としては、水素原子、第3級ブチル基が好
ましい。R20が炭素数1〜4のアルキル基の場合、R20
がフェニル環上の5位または6位に置換したものが好ま
しく、特に6位に置換したものが好ましい。
一般式(10)により表される基の好ましい例として
は、2,4,6−トリ第3級ブチルフェニル基、2,4
−ジ第3級ブチルフェニル基、2,6−ジ第3級ブチル
−4−メチルフェニル基が挙げられる。
一般式(8)のAにおける炭素数2〜18のアルキレ
ン基は、直鎖または分枝鎖のいずれであってもよく、例
えば、エチレン基、エチリデン基、トリメチレン基、イ
ソプロピリデン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン
基、ヘキサメチレン基などが挙げられる。
qが1を示す場合、Aの好ましい例としては、2,
4,6−トリ第3級ブチルフェニル基、2,4−ジ第3
級ブチルフェニル基、2,6−ジ第3級ブチル−4−メ
チルフェニル基が挙げられる。
一般式(8)におけるqは1が好ましい。
一般式(8)におけるR15およびR16は、同一または
異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜4のアルキル
基であり、当該アルキル基は直鎖または分枝鎖のいずれ
であってもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第3
級ブチル基が挙げられる。
一般式(9)のR17における炭素数1〜18のアルキ
ル基は、直鎖または分枝鎖のいずれであってもよく、例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、第2級ブチル基、第3級
ブチル基、ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル
基、2−メチルブタン−1−イル基、2−メチルブタン
−2−イル基、2−メチルブタン−3−イル基、2−メ
チルブタン−4−イル基、ネオペンチル基、ヘキシル
基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エ
チルヘキシル基、ノニル基、デシル基、イソデシル基、
ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシ
ル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル
基、オクタデシル基などが挙げられ、好ましくはオクタ
デシル基である。
一般式(9)のR17における炭素数7〜9のフェニル
アルキル基はアルキル部分が直鎖または分枝鎖のいずれ
であってもよく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、
α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基な
どが挙げられる。
一般式(11)のR21およびR22における炭素数1〜
4のアルキル基は直鎖または分枝鎖のいずれであっても
よく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、イソブチル基、第3級ブチル基
が挙げられ、メチル基、第3級ブチル基が好ましい。
一般式(11)のR21およびR22における炭素数7〜
9のフェニルアルキル基はアルキル部分が直鎖または分
枝鎖のいずれであってもよく、例えば、ベンジル基、フ
ェネチル基、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチル
ベンジル基などが挙げられる。
一般式(11)により表される基におけるR23は、水
素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、当該ア
ルキル基は直鎖または分枝鎖のいずれであってもよく、
例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、イソブチル基、第3級ブチル基が挙げ
られる。R25としては、水素原子、第3級ブチル基が好
ましい。R23が炭素数1〜4のアルキル基の場合、R23
がフェニル環上の5位または6位に置換したものが好ま
しく、特に6位に置換したものが好ましい。
17の好ましい例としては、2,4−ジ第3級ブチル
フェニル基、2,6−ジ第3級ブチル−4−メチルフェ
ニル基、2,4−ジ(1−フェニル−1,1−ジメチル
メチル)フェニル基、2,4,6−トリ第3級ブチルフ
ェニル基、オクタデシル基、イソデシル基が挙げられ
る。
一般式(8)または(9)により表される化合物とし
ては、具体的には、例えば、 ビス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト、 ビス(2,6−ジ第3級ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、 ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、 ビス(2,4−ジ(1−フェニル−1,1−ジメチル
メチル)フェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、 (2,4,6−トリ第3級ブチルフェニル)−2−ブ
チル−2−エチル−1,3−プロパンジオールホスファ
イト、 ビスイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト ビス(2,4,6−トリ第3級ブチルフェニル)ペン
タエリスリトールジホスファイトなどが挙げられる。
本発明の有機高分子材料用安定剤組成物の構成成分で
ある一般式(12)の化合物の置換基について説明す
る。
一般式(12)におけるR24は各々同一または異なっ
ていてもよく炭素数1〜5のアルキル基であり、当該ア
ルキル基は直鎖または分枝鎖のいずれであってもよく、
例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、イソブチル基、第2級ブチル基、第3
級ブチル基、ペンチル基、、2−ペンチル基、3−ペン
チル基、2−メチルブタン−1−イル基、2−メチルブ
タン−2−イル基、2−メチルブタン−3−イル基、2
−メチルブタン−4−イル基、ネオペンチル基などが挙
げられる。R24としては、第3級ブチル基が好ましい。
一般式(12)におけるR25は各々同一または異なっ
ていてもよく水素原子または炭素数1〜5のアルキル基
であり、当該アルキル基は直鎖または分枝鎖のいずれで
あってもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第3級
ブチル基が挙げられる。R25としては、第3級ブチル基
が好ましい。
一般式(12)におけるR26は各々同一または異なっ
ていてもよく水素原子またはメチル基であり、好ましく
は水素原子である。
一般式(12)におけるR29は炭素数1〜4のアルキ
ル基であり、当該アルキル基は直鎖または分枝鎖のいず
れであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第
3級ブチル基が挙げられる。R29としては、メチル基が
好ましい。
一般式(12)におけるR27の好ましい例としては、
直接結合、メチレン基、エチリデン基が挙げられる。
一般式(12)のR28における炭素数1〜18のアル
キル基は、直鎖または分枝鎖のいずれであってもよく、
例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、イソブチル基、第2級ブチル基、第3
級ブチル基、ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチ
ル基、2−メチルブタン−1−イル基、2−メチルブタ
ン−2−イル基、2−メチルブタン−3−イル基、2−
メチルブタン−4−イル基、ネオペンチル基、ヘキシル
基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エ
チルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、
ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデ
シル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシ
ル基などが挙げられる。
一般式(12)のR28におけるハロゲン原子として
は、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子が挙
げられ、好ましくはフッ素原子である。
一般式(12)のR28における炭素数1〜8のアルコ
キシ基は、直鎖または分枝鎖のいずれであってもよく、
例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソ
プロポキシ基、ブトキシ基、第2級ブチルオキシ基、第
3級ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキ
シ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチ
ルヘキシルオキシ基などが挙げられ、好ましくは2−エ
チルヘキシルオキシ基である。
一般式(12)において、n3が1の場合、R28の好
ましい例としては、フッ素原子、2−エチルヘキシルオ
キシ基が挙げられる。
一般式(12)により表される化合物としては、具体
的には、例えば、 2,2−メチレンビス(4,6−ジ第3級ブチルフェ
ニル)2-エチルヘキシルホスファイト(または6−イ
ソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ第3級ブ
チル−12H−ジベンゾ[d,g]−1,3,2−ジオ
キサホスホシンともよばれる)、 6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ第3級ブチ
ル−12−メチル−ジベンゾ[d,g]−1,3,2−
ジオキサホスホシン、 2,2’,2’’−ニトリロ(トリエチルトリス
(3,3’5,5’−テトラ第3級ブチル−1,1’−
ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイトなどが挙
げられる。
本発明の有機高分子材料用安定剤組成物の構成成分の
一つであるフェノール系酸化防止剤は、一般式(16) (式中、R30は炭素数1〜5のアルキル基を示し、R31
は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R32は水素原子ま
たはメチル基を示し、Lは、 を示す。)により表される構造を分子内に1または2以
上有する化合物などが挙げられる。
これらの化合物として、具体的には、例えば、 n−オクタデシル・3−(4−ヒドロキシ−3,5−
ジ第3級ブチルフェニル)プロピオネート、 テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタ
ン、 1,3,5−トリス(3,5−ジ第3級ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、 1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,
5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン、 1,1,3−トリス[2−メチル−4−[3−(3,
5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オニルオキシ]−5−第3級ブチルフェニル]ブタン、 ビス(3−第3級ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチ
ルフェニル)ジシクロペンタジエン、 1,3,5−トリス(4−第3級ブチル−3−ヒドロ
キシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、 3,9−ビス[2−[3−(3−第3級ブチル−4−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキ
シ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−
テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、 2,6−ジ第3級ブチル−4−メチルフェノール、 2,4−ジメチル−6−第3級ブチルフェノール、 2,6−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシメチルフェ
ノール、 2,6−ジ第3級ブチル−4−エチルフェノール、 2,4,6−トリ第3級ブチルフェノール、 ブチル化ヒドロキシアニソール、 イソオクチル・3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ第
3級ブチルフェニル)プロピオネート、 ジステアリル・(4−ヒドロキシ−3−メチル−5−
第3級ブチル)ベンジルマロネート、 2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第3級ブ
チルフェノール)、 2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−第3級ブ
チルフェノール)、 4,4’−メチレンビス(2,6−ジ第3級ブチルフ
ェノール)、 2,2’−ブチリデンビス(4−エチル−6−第3級
ブチルフェノール)、 4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−第3級
ブチルフェノール)、 2,2’−チオビス(4−メチル−6−第3級ブチル
フェノール)、 4,4’−チオビス(3−メチル−6−第3級ブチル
フェノール)、 スチレン化フェノール、 N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ第3級ブ
チル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)、 ビス(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベン
ジルホスホン酸エチル)カルシウム、 1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−
5−第3級ブチルフェニル)ブタン、 1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ
第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、 2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘ
キシルフェノール)、 2,2’−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘ
キシル)−4−メチルフェノール]、 トリエチレングリコール−ビス[3−(3−第3級ブ
チル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオ
ネート]、 エチレングリコール−ビス(3,3−ビス(3−第3
級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチラート)、 2−第3級ブチル−6−(3−第3級ブチル−5−メ
チル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニル
アクリラート、 2,2’−オキサミド−ビス[エチル・3−(3,5
−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート]、 6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ第3級ブチルアニ
リノ)−2,4−ジオクチルチオ−1,3,5−トリア
ジン、 ビス[2−第3級ブチル−4−メチル−6−(2−ヒ
ドロキシ−3−第3級ブチル−5−メチルベンジル)フ
ェニル]テレフタレート、 3,9−ビス[2−[3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−
1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラ
オキサスピロ[5.5]ウンデカン、 1,3,5−トリス[3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチ
ルイソシアネート、 2,2−チオジエチレン−ビス[3−(3,5−ジ第
3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、 2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第3級ペン
チルフェニル)エチル]−4,6−ジ第3級ペンチルフ
ェニルアクリレート 1,3,5−トリス(4−第3級ブチル−3−ヒドロ
キシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、 1,3,5−トリス(3,5−ジ第3級ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)イソシアヌル酸、 2,4−ジ−オクチルチオメチル−6−メチルフェノ
ール などが挙げられ、また、2,4−ビス[(オクチルチ
オ)メチル]−o−クレゾール、没食子酸プロピル、没
食子酸オクチル、没食子酸ドデシルのそれぞれの化合物
も挙げられるが、これらに限定されるものではない。
好ましいフェノール系酸化防止剤としては、 n−オクタデシル 3−(3,5−ジ第3級ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、 テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタ
ン、 1,3,5−トリス(3,5−ジ第3級ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、 1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,
5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン、 1,1,3−トリス[2−メチル−4−[3−(3,
5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オニルオキシ]−5−第3級ブチルフェニル]ブタン、 2,4−ジ−オクチルチオメチル−6−メチルフェノ
ール ビス(3−第3級ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチ
ルフェニル)ジシクロペンタジエン、 1,3,5−トリス(4−第3級ブチル−3−ヒドロ
キシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、 3,9−ビス[2−[3−(3−第3級ブチル−4−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキ
シ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−
テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどが挙げら
れる。
特に好ましいフェノール系酸化防止剤としては、 n−オクタデシル 3−(3,5−ジ第3級ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、 テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタ
ン、 1,3,5−トリス(3,5−ジ第3級ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、 1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,
5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン などが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
本発明において、これらのフェノール系酸化防止剤の
1種または2種以上を併せて用いることができる。
本発明の安定剤組成物により安定化される有機高分子
としては、合成有機高分子、天然有機高分子が挙げられ
る。
合成有機高分子としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂などの合成樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えばオレフィン系樹脂、含
ハロゲン系重合体、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、
熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポ
リカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレ
ンオキシド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリス
ルホン樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、ポリ酢酸ビ
ニル樹脂、ビニルアセタール樹脂、繊維素(セルロー
ス)系樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレ
ンスルフィド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエー
テルイミド樹脂、ポリオキシベンゾイル樹脂、ポリイミ
ド樹脂、ポリマレイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、
ポリアリレート樹脂、フッ素樹脂、アイオノマー、熱可
塑性エラストマーなどが挙げられ、これらの混合物を使
用することもできる。
前記オレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリ
エチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチ
レン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリペンテン、ポリ
−3−メチルブチレンなどの炭素数2〜8のα−オレフ
ィン単独重合体;エチレン・プロピレンランダム共重合
体、エチレン・プロピレンブロック共重合体、エチレン
・ブテン−1ランダム共重合体、プロピレン・エチレン
・ブテン−1ランダム共重合体などのα−オレフィン共
重合体;無水マレイン酸変性ポリプロピレン、エチレン
・酢酸ビニル共重合体などのα−オレフィンと他の単量
体との共重合体などが挙げられ、これらの2種類以上ま
たは、これらと他の相溶性重合体との混合物を使用する
こともできる。
これらのオレフィン系樹脂は重合後、触媒残渣を除去
する工程を入れた僅かに精製処理を行ったものや、比較
的高度に精製したもののほかに、高活性触媒を用い、触
媒除去工程を経ていないか、または簡略化して得られる
触媒残渣を含有するオレフィン系樹脂、特に、ハロゲン
含有マグネシウム化合物を触媒担体とするチーグラー型
触媒やクロム系触媒を用いて得られ、未だ触媒残留物除
去工程を経ていない結晶性オレフィン系樹脂であっても
よい(特公昭62−4418号公報、特公平3−562
45号公報、米国特許4115639号明細書参照)。
さらに、メタロセン系シングルサイト触媒によって得ら
れる分子量分布の非常に狭いオレフィン系樹脂であって
もよい(ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス.ポ
リマー・ケミストリー・エディション(Journal
of Polymer Science.Polym
er Chemistry Edition)第23
巻,2151頁(1985年))。
前記含ハロゲン系重合体としては、例えば、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリ
フッ化ビニリデン、塩化ビニル・アクリル酸アルキルエ
ステル共重合体、塩素化ポリエチレンなどが挙げられ
る。
前記スチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレ
ン、耐衝撃性ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリ
ル共重合体、スチレン・MMA共重合体、ABS樹脂、
AES樹脂、ACS樹脂、AAS樹脂、EES樹脂な
ど、およびこれらの混合物などが挙げられる。
前記アクリル系樹脂としては、例えば、ポリアクリレ
ート、ポリメタクリレートなどが挙げられる。
前記熱可塑性ポリエステル樹脂としては、例えば、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
トなどが挙げられる。
前記ポリアミド樹脂としては、例えば、ナイロン4、
ナイロン6、ナイロン4・6、ナイロン6・6、ナイロ
ン6・10、ナイロン7、ナイロン8、ナイロン12、
ナイロン6・12、ナイロン11・12、アラミドな
ど、およびこれらの混合物などが挙げられる。
また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹
脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフ
タレート樹脂、ポリウレタン樹脂、フラン樹脂などが挙
げられる。
また、天然有機高分子としては、天然ゴム、蛋白質、
セルロースなどの誘導体、鉱油、動植物油、ロウ、油脂
などを挙げることができる。
本発明の安定化された有機高分子材料組成物に用いら
れる有機高分子としては、特にオレフィン系樹脂、なか
でもα−オレフィン単独重合体またはα−オレフィン共
重合体が好適である。このような有機高分子に本発明の
安定剤組成物を配合した場合、優れた酸化防止効果を示
す。α−オレフィンとして最も好適であるのはポリエチ
レン及びポリプロピレンである。
本発明に用いられる一般式(1) (式中の各記号は前記のとおり。)により表される6−
ヒドロキシクロマン化合物は、特公昭45−23146
号公報に記載の方法に準じて合成できる。
上記のリン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤は
既知の化合物であり、それらの多くは酸化防止剤として
販売されており、一般に入手可能なものである。
一般式(1)により表される6−ヒドロキシクロマン
化合物(成分(a))と(b−1)、(b−2)、(b
−3)および(b−4)から選ばれるリン系酸化防止剤
((成分(b))とフェノール系酸化防止剤(成分
(c))との割合は、成分(a)と成分(b)と成分
(c)との総量に対して、成分(a)が0.5重量%〜
10重量%、成分(b)と成分(c)との総量が99.
5重量%〜90重量%であり、好ましくは成分(a)が
1.0重量%〜10重量%、成分(b)と成分(c)と
の総量が99.0重量%〜90重量%であり、より好ま
しくは成分(a)が1重量%〜8重量%、成分(b)と
成分(c)との総量が99重量%〜92重量%であり、
さらに好ましくは、成分(a)が1重量%〜6.5重量
%、成分(b)と成分(c)との総量が99重量%〜9
3.5重量%であり、特に好ましくは、成分(a)が
1.0重量%〜5.5重量%、成分(b)と成分(c)
との総量が99.0重量%〜94.5重量%であり、な
かでも経済的観点も勘案すると、成分(a)が1.0重
量%〜4.5重量%、成分(b)と成分(c)との総量
が99.0重量%〜95.5重量%が最も好ましい。
一般式(1)により表される6−ヒドロキシクロマン
化合物を上記範囲の少量で含有する本発明の有機高分子
材料用安定剤組成物を用いることにより、着色し難く、
加工安定性に優れた有機高分子材料を得ることができ
る。
本発明においては、成分(b)の配合量と成分(c)
の配合量の重量比は、9:1〜1:9、好ましくは4:
1〜1:4、より好ましくは1:0.5〜1:2であ
る。
成分(b)と成分(c)の重量比が上記範囲である本
発明の有機高分子材料用安定剤組成物を用いることによ
り、着色防止性および加工安定性の優れた有機高分子材
料を得ることができる。
本発明の有機高分子材料組成物中の一般式(1)の6
−ヒドロキシクロマン化合物の含有量は、有機高分子材
料組成物100重量部に対して、0.0005重量部〜
0.0100重量部、好ましくは0.001重量部〜
0.007重量部であり、さらに好ましくは0.001
重量部〜0.0055重量部であり、通常0.001重
量部〜0.005重量部にて用いられ、さらに経済的観
点からみて中でも好ましくは0.001重量部〜0.0
045重量部である。
本発明の有機高分子材料100重量部に対して、一般
式(1)の6−ヒドロキシクロマン化合物と(b−
1)、(b−2)、(b−3)および(b−4)から選
ばれるリン系酸化防止剤((成分(b))とフェノール
系酸化防止剤との総量は、0.01重量部〜1重量部、
好ましくは0.02重量部〜0.2重量部である。0.
01重量部〜1重量部とすることにより、着色し難く、
加工安定性に優れた有機高分子材料を得ることができ
る。
成分(b)が(b−1)である場合、本発明の有機高
分子材料組成物には、(b−1)以外のリン系酸化防止
剤を、さらに配合することにより、さらに安定化された
有機高分子材料組成物を得ることができる。このような
その他のリン系酸化防止剤としては、(b−2)、(b
−3)または(b−4)のリン系酸化防止剤が挙げられ
る。
成分(b)が(b−1)である場合の好ましいその他
のリン系酸化防止剤としては、 トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ホスファ
イト、 ビス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト、 ビス(2,6−ジ第3級ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、 2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第3級ブチルフ
ェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、 ビス−[2−メチル−4,6−ビス(1,1−ジメチ
ルエチル)フェニル]エチルホスファイト、 2,2’,2”−ニトリロ[トリエチルトリス(3,
3’,5,5’−テトラ−第3級ブチル−1,1’−ビ
フェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト]、 2,2−エチリデン−ビス(4,6−ジ第3級ブチル
フェニル)フルオロホスホナイト、 2,10−ジメチル−4,8−ジ第3級ブチル−6−
{2−[3−(3−第3級ブチル−4−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エトキシ}−
12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホ
スホシン、 ビス[2,4−ジ(1−フェニル−1,1−ジメチル
メチル)フェニル]ペンタエリスリトールホスファイ
ト、 (2,4,6−トリ第3級ブチルフェニル)−2−ブ
チル−2−エチル−1,3−プロパンジオールホスファ
イトが挙げられる。
特に好ましいその他のリン系酸化防止剤としては、 トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ホスファ
イト、 ビス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト、 ビス(2,6−ジ第3級ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、 2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第3級ブチルフ
ェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、 ビス−[2−メチル−4,6−ビス(1,1−ジメチ
ルエチル)フェニル]エチルホスファイト、 2,2’,2”−ニトリロ[トリエチルトリス(3,
3’,5,5’−テトラ−第3級ブチル−1,1’−ビ
フェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト]などが挙
げられる。
なかでも特に好ましいその他のリン系酸化防止剤とし
ては、トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ホス
ファイトなどが挙げられる。
成分(b)が(b−2)である場合、本発明の有機高
分子材料組成物には、(b−2)以外のリン系酸化防止
剤を、さらに配合することもできる。このようなその他
のリン系酸化防止剤としては、(b−1)、(b−3)
または(b−4)のリン系酸化防止剤などが挙げられ
る。
成分(b)が(b−2)である場合の好ましいその他
のリン系酸化防止剤としては テトラキス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)−
4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、 テトラキス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフ
ェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、 [(2,4−ジ第3級ブチルフェノキシ)ホスフィ
ノ]ビフェニル、 [(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェノキ
シ)ホスフィノ]ビフェニル、 ビス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト、 ビス(2,6−ジ第3級ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、 ビス(2,4−ジ(1−フェニル−1,1−ジメチル
メチル)フェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、 (2,4,6−トリ第3級ブチルフェニル)−2−ブ
チル−2−エチル−1,3−プロパンジオールホスファ
イト、 2,2−メチレンビス(4,6−ジ第3級ブチルフェ
ニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、 2,2’,2’’−ニトリロ[トリエチルトリス
(3,3’,5,5’−テトラ第3級ブチル−1,1’
−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト]、 2,2−エチリデン−ビス(4,6−ジ第3級ブチル
フェニル)フルオロホスホナイト、 2,10−ジメチル−4,8−ジ第3級ブチル−6−
{2−[3−(3−第3級ブチル−4−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エトキシ}−
12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホ
スホシン などが挙げられる。
成分(b)が(b−3)である場合、本発明の有機高
分子材料組成物には、(b−3)以外のリン系酸化防止
剤を、さらに配合することもできる。このようなその他
のリン系酸化防止剤としては、(b−1)、(b−2)
または(b−4)のリン系酸化防止剤などが挙げられ
る。
成分(b)が(b−3)である場合の好ましいその他
のリン系酸化防止剤としては、 テトラキス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)−
4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、 テトラキス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフ
ェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、 [(2,4−ジ第3級ブチルフェノキシ)ホスフィ
ノ]ビフェニル、 [(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェノキ
シ)ホスフィノ]ビフェニル、 トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ホスファ
イト、 ビス(2,4−ジ第3級ブチル−6−メチルフェニ
ル)エチルホスファイト、 2,2−メチレンビス(4,6−ジ第3級ブチルフェ
ニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、 2,2’,2’’−ニトリロ[トリエチルトリス
(3,3’,5,5’−テトラ第3級ブチル−1,1’
−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト]、 2,2−エチリデン−ビス(4,6−ジ第3級ブチル
フェニル)フルオロホスホナイト、 2,10−ジメチル−4,8−ジ第3級ブチル−6−
{2−[3−(3−第3級ブチル−4−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エトキシ}−
12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホ
スホシン などが挙げられる。
成分(b)が(b−4)である場合、本発明の有機高
分子材料組成物には、(b−4)以外のリン系酸化防止
剤を、さらに配合することもできる。このようなその他
のリン系酸化防止剤としては、(b−1)、(b−2)
または(b−3)のリン系酸化防止剤などが挙げられ
る。
成分(b)が(b−4)である場合の好ましいその他
のリン系酸化防止剤としては、 テトラキス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)−
4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、 テトラキス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフ
ェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、 [(2,4−ジ第3級ブチルフェノキシ)ホスフィ
ノ]ビフェニル、 [(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェノキ
シ)ホスフィノ]ビフェニル、 トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ホスファ
イト、 ビス(2,4−ジ第3級ブチル−6−メチルフェニ
ル)エチルホスファイト、 ビス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト、 ビス(2,6−ジ第3級ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、 ビス(2,4−ジ(1−フェニル−1,1−ジメチル
メチル)フェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、 (2,4,6−トリ第3級ブチルフェニル)−2−ブ
チル−2−エチル−1,3−プロパンジオールホスファ
イト、 上記のようなその他のリン系酸化防止剤を配合する場
合、成分(b)のリン系酸化防止剤の総量1重量部に対
して、好ましくは0.01〜100重量部、より好まし
くは0.1〜10重量部、更に好ましくは0.25〜4
重量部の割合で配合することができる。
また、その他のリン系酸化防止剤をあらかじめ、本発
明有機高分子用安定剤組成物と混合し、有機高分子に添
加することもできる。
本発明の安定化された有機高分子材料組成物は、さら
に硫黄系酸化防止剤を配合することにより、より安定性
に優れた有機高分子材料を得ることができる。
硫黄系酸化防止剤として、特に限定されないが、好ま
しくは、 ジラウリルチオジプロピオネート、 ラウリルステアリルチオジプロピオネート、 ジミリスチルチオジプロピオネート、 ジステアリルチオジプロピオネート、 ジトリデシルチオジプロピオネート、 テトラキス[(3−ラウリルチオプロピオニルオキ
シ)メチル]メタン、 テトラキス[(3−ステアリルチオプロピオニルオキ
シ)メチル]メタン、 ビス[2−メチル−4−(3−n−アルキル(C12
14)チオプロピオニルオキシ)−5−第3級ブチルフ
ェニル」スルフィドなどが挙げられる。
本発明の有機高分子材料組成物には、1種または2種
以上の硫黄系酸化防止剤を添加することができる。硫黄
系酸化防止剤は、有機高分子材料組成物100重量部に
対し、好ましくは0.005〜5重量部、より好ましく
は0.01〜1重量部の割合で配合することができる。
2種以上の硫黄系酸化防止剤を使用する場合は、その総
量が上記範囲となるよう添加することが好ましい。
本発明の安定化された有機高分子材料組成物に、さら
に紫外線安定剤や光安定剤を配合することにより、より
安定性に優れた有機高分子材料を得ることができる。
紫外線吸収剤および光安定剤として、サリチル酸系化
合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系
化合物、ベンゾエート系化合物、シアノアクリレート系
化合物、ニッケル系化合物、またはピペリジン系化合物
などが挙げられる。
紫外線吸収剤として用いることができるサリチル酸系
化合物として、 フェニルサリチレート、 p−第3級ブチルフェニルサリチレート、 p−オクチルフェニルサリチレートなどが挙げられ
る。
紫外線吸収剤として用いることができるベンゾフェノ
ン系化合物として、 2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、 2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベン
ゾフェノン、 2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェ
ノン、 2−ヒドロキシ−4−イソオクチルオキシベンゾフェ
ノン、 2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノ
ン、 2−ヒドロキシ−4−オクタデシルオキシベンゾフェ
ノン、 2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベ
ンゾフェノン、 ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトシ
キフェニル)メタン、 2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフ
ェノン・トリハイドレート、 2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノ
ン、 2−ヒドロキシ−4−ベンゾイルオキシベンゾフェノ
ンなどの化合物が挙げられる。
紫外線吸収剤として用いることができるベンゾトリア
ゾール系化合物として、 2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、 2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第3級ブチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、 2−(2−ヒドロキシ−3−第3級ブチル−5−メチ
ルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、 2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第3級ブチルフェ
ニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、 2−[2−ヒドロキシ−5−(1,1,3,3−テト
ラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、 2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメ
チルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾー
ル、 メチル・3−[3−第3級ブチル−5−(2H−ベン
ゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニ
ル]プロピオネートとポリエチレングリコールとの縮合
物、 2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第3級アミルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、 2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テト
ラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−
2−イル)フェノール]、 2−(2−ヒドロキシ−5−第3級オクチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、 2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テト
ラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]
ベンゾトリアゾールなどの化合物が挙げられる。
光安定剤として用いることができるベンゾエート系化
合物として、 n−ヘキサデシル・3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒ
ドロキシベンゾエート、2,4−ジ第3級ブチルフェニ
ル・3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベンゾエ
ートなどの化合物が挙げられる。
紫外線吸収剤として用いることができるシアノアクリ
レート系化合物として、エチル・2−シアノ−3,3−
ジフェニルアクリレート、 オクチル・2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレー
トなどが挙げられる。
紫外線吸収剤として用いることができるニッケル系化
合物として、 2−エチルヘキシルアミン・ニッケル、 ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、 [2,2’−チオビス[4−(1,1,3,3−テト
ラメチルブチル)フェノラート]]−n−ブチルアミン
・ニッケル、 [2,2’−チオビス[4−(1,1,3,3−テト
ラメチルブチル)フェノラート]]ニッケルなどの化合
物が挙げられる。
光安定剤として用いることができるピペリジン系化合
物として、 ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)セバケート、 ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)セバケート、 ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペ
リジル)−2−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、 テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシ
レート、 テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4
−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボ
キシレート、 ポリ[[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)
イミノ−s−トリアジン−2,4−ジイル][(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]
ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル)イミノ]]、 ポリ[(6−モルホリノ−s−トリアジン−2,4−
ジイル)[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]](塩化シア
ヌル/第3級オクチルアミン/1,6−ビス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサ
ン縮合物)、 1−ヒドロキシエチル−2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジノール/コハク酸縮合物、 N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチルジアミ
ン/2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6
−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物などの化合物
が挙げられる。
紫外線吸収剤および光安定剤として用いることができ
る好ましい化合物として、 2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェ
ノン、 2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、 2−(2−ヒドロキシ−3−第3級ブチル−5−メチ
ルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、 2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第3級ブチルフェ
ニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、 ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)セバケート、 ポリ[[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチ
ル)イミノ−s−トリアジン−2,4−ジイル]
[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)イミノ]](塩化シアヌル/第
3級オクチルアミン/1,6−ビス(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン縮合
物)などが挙げられる。
本発明の有機高分子材料組成物には、1種または2種
以上の紫外線吸収剤または光安定剤を添加することがで
きる。紫外線吸収剤または光安定剤は、有機高分子材料
組成物100重量部に対し、好ましくは0.005〜5
重量部、より好ましくは0.01〜1重量部の割合で配
合することができる。2種以上の紫外線吸収剤または光
安定剤を使用する場合は、その総量が上記範囲となるよ
う添加することが好ましい。
さらに必要に応じて、本発明の安定化された有機高分
子材料組成物の性能を著しく損なわない程度の他の添加
物、例えば、ハイドロタルサイト類、ステアリン酸カル
シウムなどの金属石鹸、ヒドラジン系化合物などの重金
属不活性化剤、モノアルキル錫トリス(チオグリコール
酸オクチルエステル)、ジアルキル錫トリス(チオグリ
コール酸オクチルエステル)、モノアルキル錫トリス
(マレイン酸モノアルキルエステル)またはジアルキル
錫トリス(マレイン酸モノアルキルエステル)などの有
機錫安定剤、エポキシ化大豆油またはエポキシオクチル
ステアレートなどのエポキシ化合物、各種の有機顔料、
リン酸エステルなどの難燃剤、カチオン系またはアニオ
ン系界面活性剤などの帯電防止剤、脂肪族アミドまたは
脂肪酸の低級アルコールエステル類などの滑剤、アクリ
ル系高分子加工助剤、ジ−2−エチルヘキシルフタレー
トまたはジ−2−エチルヘキシルアジペートなどの可塑
剤、酸化アルミニウムなどの充填剤、重炭酸ナトリウム
またはアゾジカルボンアミドなどの発泡剤などの1種以
上と併用することもできる。
また、本発明の安定化された有機高分子材料組成物
に、必要に応じて、結晶核剤、透明化剤などと併用する
こともできる。
結晶核剤、透明化剤として、 ビス(p−第3級ブチル安息香酸)ヒドロキシアルミ
ニウム、 ビス(4−第3級ブチルフェニル)ホスフェートナト
リウム、 2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第3級ブチルフ
ェニル)ホスフェートナトリウム、 2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第3級ブチルフ
ェニル)ホスフェートヒドロキシアルミニウム 2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第3級ブチルフ
ェニル)ホスフェートヒドロキシアルミニウムとステア
リン酸リチウムとの1:1の組成物、 ジベンジリデンソルビトール、 ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、 ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、 ビス(p−クロルベンジリデン)ソルビトールなどが
挙げられる。
本発明に係る有機高分子材料組成物を調製するには、
本発明の6−ヒドロキシクロマン化合物またはその化合
物を含む混合物を、必要に応じてフェノール系酸化防止
剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、紫外線吸収
剤、光安定剤、あるいはその他添加剤とを、それぞれ所
定量秤量し、有機高分子に混合すればよく、混合した後
に混練してもよく、押し出しなどの工程を経ることもで
きる。
混合する際には、有機高分子に添加物を混合する際に
従来から使用されている混合機、例えば、ボールミル、
ペブルミル、タンブルミキサー、チェンジカンミキサ
ー、スーパーミキサー(ヘンシェルミキサー)などが挙
げられ、混練する際には、有機高分子に添加物を混練す
る際に従来から使用されている混練機、例えば、ミキシ
ングロール、バンバリーミキサー、Σ羽根型混合機、高
速二軸連続ミキサー、押出機型混練機などが挙げられ
る。
本発明に係る有機高分子材料組成物は、従来から知ら
れている有機高分子材料の各種成形法、例えば、射出成
形法、押出成形法、カレンダー成形法、吹込み成形法、
圧縮成形法などによって、目的の製品に成形することが
できる。製品は特に制限がなく、屋内で使用されるも
の、屋外で使用されるもののいずれでもよく、具体的に
は、電気製品の部品、電子製品の部品、農業機械の部
品、農業用製品、水産機械の部品、水産用製品、自動車
の部品、日用品、雑貨品などが挙げられる。さらに具体
的には、重質油高温輸送用鋼管の被覆層、温熱パイプ
(給湯用、床下暖房用など)、ジャー、ポット、洗濯機
などの家庭電器製品の部品などが挙げられる。
実施例 次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する
が、本発明はこれらにより何ら限定されるものではな
い。
流動性の尺度として、有機高分子材料の成形加工性を
予想したり、規格表示や品質管理を行なう目的で、メル
トインデックス(以下、MIともいう。)が、工業的に
広く用いられている。このメルトインデックス(MI)
は、一定温度で溶融した有機高分子材料を規定の長さと
径の円形ダイから一定荷重で押し出すとき、10分間の
流量を重量(g単位)で表した数値であり、溶融粘度の
指標として使われている。高分子重合体のうちポリプロ
ピレンの場合には、その数値が小さいほど加工安定性が
よく、大きいほど加工安定性が悪いと考えられ、また、
MIを繰り返し測定することにより、その数値の変動の
少ないものがMI保持効果が大きく、加工安定性に優れ
ているとされている。
また、添加剤を有機高分子材料に練り込んだ場合、変
色度の尺度として黄色度(YIともいう。)も一般的に
広く用いられている。黄色度(YI)はカラーメーター
により測定し、数値の大きいほど変色度または着色度が
大きいことを示し、小さいほど加工時の着色が少なく優
れているとされている。
また高分子材料の流動性の尺度としては、MIを測定
することが一般的であるが、ポリエチレン樹脂のような
熱履歴により分子架橋と分子切断の両方を起こして劣化
が進行していく材料では、単にMIだけの評価では劣化
程度の把握は困難である。そのためラボプラストミルを
使用し、混練中のトルク変化を追跡してトルクが上昇し
始めるまでの時間(以下、トルク上昇開始時間という)
を求め、この数値が大きいほど熱安定性が良好であると
されている。
さらに、安定剤組成物の取り扱いやすさを判定するた
めに40℃におけるハンドリング性について試験した。
ハンドリング性の試験方法は、次の通りである。所定の
酸化防止剤を秤量し、乳鉢にて充分混合した組成物を製
造する。その組成物をポリエチレン製の袋に入れ、ヒー
トシールした後、40℃の恒温槽に4週間保存する。そ
の後、恒温槽から取り出し、冷却後、手で触ってベトツ
キの有無を確認することにより、安定剤のハンドリング
性を評価する。
合成例1 2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒドロキシク
ロマンの合成例 50mlの4頚コルベンに、2,3,5−トリメチル
ハイドロキノン5.0g、塩化亜鉛0.8g、酢酸0.
35ml、メチルエチルケトン4ml、トルエン15m
lを仕込み加熱した。100℃のとき、イソプレン2.
5gをトルエン5mlに加えた溶液を、還流下に、2時
間で滴下した。滴下後、更に4時間還流を続け後、室温
まで冷却した。反応物を分液ロートに移し50mlの水
で3回洗浄後、溶媒を留去し、6.5gのオイル状物質
を得た。
これを石油エーテル50mlで再結晶し、融点94〜
95℃の2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒド
ロキシクロマンの針状結晶を2.5g得た。
元素分析値 炭素原子 水素原子 理論値 76.33% 9.15% 実験値 76.34% 9.10% 実施例1 タンブラーミキサーを用いて5分間ドライ混合した表
1記載の配合物を用い、直径20mmの押し出し機(ダ
イス設定温度280℃)でストランドを押し出し、水冷
した後に、切断しペレットを得た。これを4回繰り返し
た。加工安定性を見るために各回毎に押し出したペレッ
トをJIS−K7210に準じてメルトインデックス
(MI)を測定した。測定温度は230℃、測定荷重は
2.16kgfとした。また、各回毎に押し出したペレ
ットについてJIS−K7103に準じて黄色度(Y
I)を測定した。
配合処方および表1に記載した記号について説明す
る。
PP:ポリプロピレン(ホモポリマー) Ca−St:ステアリン酸カルシウム P101:テトラキス(2,4−ジ第3級ブチル−5−
メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナ
イト(吉富ファインケミカル株式会社製、商品名:「G
SY−P101」) T−TT:テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル]メタン(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミノックスTT」) S−12:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒ
ドロキシクロマン(合成例1により合成したものを用い
た。) MI1欄:1回目に得たペレットにより測定したMI値
を示した。
MI4欄:4回目に得たペレットにより測定したMI値
を示した。
YI1欄:1回目に得たペレットにより測定したYI値
を示した。
YI4欄:4回目に得たペレットにより測定したYI値
を示した。
配合処方は表1に示したように、ポリプロピレン(ホ
モポリマー)を99.825重量部、ステアリン酸カル
シウムを0.075重量部、リン系酸化防止剤(P10
1)とフェノール系酸化防止剤(T−TT)と6−ヒド
ロキシクロマン化合物(S−12)との総量を0.10
0重量部とし、S−12を配合しないかまたは0.00
02重量部〜0.0150重量部の9種の配合量とし、
リン系酸化防止剤とフェノール系酸化防止剤の配合量が
同量となるよう「(0.100重量部−(S−12配合
量))÷2」により計算した値(重量部)としたもので
ある。
表1に示した結果から、P101、T−TT、および
S−12の配合量の合計に対するS−12の配合量が、
15重量%(配合10)ではYI値が著しく増加し極め
て変色が激しく、10重量%以上(配合9、10)を添
加してもさらなるMI値の向上効果はほとんどなく、
0.5重量%(配合3)ではMI値、YI値とも僅かに
効力は認められるが効果が薄く、0.2重量%(配合
2)ではMI値、YI値ともほとんど効力が認められな
いことがわかる。
したがって、P101、T−TT、およびS−12の
配合量の合計に対するS−12の配合量が、0.5重量
%〜10重量%(配合3、4、5、6、7、8、9)、
好ましくは1.0重量%〜8.0重量%(配合4、5、
6、7、8)、より好ましくは1重量%〜5.5重量%
(配合4、5、6)、更に好ましくは1重量%〜4.5
重量%(配合4、5)の範囲内で、着色し難く、加工時
の安定性を顕著に改良することが認められた。
実施例2 実施例1と同様な方法によりメルトインデックス(M
I)を測定した。
配合処方および表2に記載した記号について説明す
る。
PP:ポリプロピレン(ホモポリマー) Ca−St:ステアリン酸カルシウム P101:テトラキス(2,4−ジ第3級ブチル−5−
メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナ
イト(吉富ファインケミカル株式会社製、商品名:「G
SY−P101」) T−TT:テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル]メタン(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミノックスTT」) S−12:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒ
ドロキシクロマン MI1欄:1回目に得たペレットにより測定したMI値
を示した。
MI4欄:4回目に得たペレットにより測定したMI値
を示した。
×:樹脂が劣化しておりストランド押し出し後、ペレッ
トを得ることができなかったことを示す。
配合処方は表2に示したように、ポリプロピレン(ホ
モポリマー)を99.825重量部、ステアリン酸カル
シウムを0.075重量部、リン系酸化防止剤(P10
1)とフェノール系酸化防止剤(T−TT)と6−ヒド
ロキシクロマン化合物(S−12)との総量を0.10
0重量部とし、S−12を配合しないかまたは0.00
45重量部配合し、リン系酸化防止剤とフェノール系酸
化防止剤の重量比が0:1、1:9、2:8、1:1、
8:2、9:1、および1:0となるようP101の配
合量とT−TTの配合量を計算した値(重量部)とし
た。
表2に示した結果から、P101とT−TTの配合比
率が9:1〜1:9の場合、S−12を配合した組成物
(配合3、5、7、9、11)は、S−12を配合しな
い組成物(配合4、6、8、10、12)と各々比較し
て併用効果が認められた。また、特に、8:2〜2:8
の配合比率において、より顕著にその効果があることが
認められた。なお、リン系酸化防止剤を配合しない場合
(配合1、2)とフェノール系酸化防止剤を配合しない
場合(配合13、14)を比較例として記載した。
実施例3 線状低密度ポリエチレン(LLDPE)の加工時熱安
定性を評価するために、以下の方法でトルク上昇開始時
間を測定した。ビーカー中に表3記載の配合物を精秤混
合し、ラボプラストミル(東洋精機製作所製50C−1
50型)を用いて210℃、60rpmの条件で混合
(ミキシング)を行い、トルク上昇開始時間を求めた。
配合処方および表3に記載した記号について説明す
る。
LLDPE:線状低密度ポリエチレン Ca−St:ステアリン酸カルシウム P101:テトラキス(2,4−ジ第3級ブチル−5−
メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナ
イト(吉富ファインケミカル株式会社製、商品名:「G
SY−P101」) PEPQ:テトラキス(2,4−ジ第3級ブチルフェニ
ル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト(クラリ
アント株式会社製、商品名:「サンドスタブPEPQ」 T−SS:n−オクタデシル 3−(4−ヒドロキシ−
3,5−ジ第3級ブチルフェニル)プロピオネート(吉
富ファインケミカル株式会社製、商品名:「トミノック
スSS」) S−12:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒ
ドロキシクロマン 配合処方は表3に示したように、線状低密度ポリエチ
レンを99.825重量部、ステアリン酸カルシウムを
0.075重量部、6−ヒドロキシクロマン化合物(S
−12)を配合しないかまたは0.003重量部配合
し、リン系酸化防止剤(P101またはPEPQ)とフ
ェノール系酸化防止剤(T−SS)とを同量となるよう
「(0.100重量部−(S−12配合量))÷2」に
より計算した値(重量部)としたものである。
表3に示した結果から、S−12を配合した本発明組
成物(配合1、3)は、S−12を配合しない比較例組
成物(配合2、4)と比較して、トルク上昇開始時間が
3倍以上となることが認められた。
実施例4 線状低密度ポリエチレン(LLDPE)について加工
時熱安定性を見るために、実施例3と同様な方法により
トルク上昇開始時間を測定した。
配合処方および表4に記載した記号について説明す
る。
LLDPE:線状低密度ポリエチレン P101:テトラキス(2,4−ジ第3級ブチル−5−
メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナ
イト、(吉富ファインケミカル株式会社製、商品名:
「GSY−P101」) T−SS:n−オクタデシル・3−(4−ヒドロキシ−
3,5−ジ第3級ブチルフェニル)プロピオネート(吉
富ファインケミカル株式会社製、商品名:「トミノック
スSS」) S−14:ビタミンE( 東京化成工業株式会社製 試
薬) 配合処方は表4に示したように、線状低密度ポリエチ
レン(LLDPE)を99.900重量部、6−ヒドロ
キシクロマン化合物(S−14)を配合しないか、0.
001重量部配合するか、0.005重量部配合し、リ
ン系酸化防止剤(P101)とフェノール系酸化防止剤
(T−SS)とを同量となるよう「(0.100重量部
−(S−14配合量))÷2」により計算した値(重量
部)としたものである。
表4に示した結果から明らかなように、リン系酸化防
止剤(P101)、フェノール系酸化防止剤(T−S
S)、およびビタミンE(S−14)の総量に対してビ
タミンE(S−14)を1重量%、5重量%配合した本
発明組成物(配合2、3)は、ビタミンE(S−14)
を含有しない比較例組成物(配合1)に比較して極めて
良好な加工時熱安定性を示すことが認められた。
実施例5 実施例1と同様な方法によりメルトインデックス(M
I)を測定した。ただし、繰り返し回数は3回とした。
配合処方および表5に記載した記号について説明す
る。
PP:ポリプロピレン(ホモポリマー) Ca−St:ステアリン酸カルシウム P101:テトラキス(2,4−ジ第3級ブチル−5−
メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナ
イト(吉富ファインケミカル株式会社製、商品名:「G
SY−P101」) T−TT:テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル]メタン(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミノックスTT」) S−12:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒ
ドロキシクロマン R−10:3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7
−ジ第3級ブチル−3H−ベンゾフラン−2−オン(特
開平7−233160号公報に記載の方法によって合成
した。) MI1欄:1回目に得たペレットにより測定したMI値
を示した。
MI2欄:2回目に得たペレットにより測定したMI値
を示した。
MI3欄:3回目に得たペレットにより測定したMI値
を示した。
×:樹脂が劣化しておりストランド押し出し後、ペレッ
トを得ることができなかったことを示す。
配合処方は表5に示したように、ポリプロピレン(ホ
モポリマー)を99.800重量部、ステアリン酸カル
シウムを0.100重量部、6−ヒドロキシクロマン化
合物(S−12)を配合しないかまたは0.002重量
部配合し、リン系酸化防止剤(P101)とフェノール
系酸化防止剤(T−TT)の重量比が2:1となるよう
P101の配合量とT−TTの配合量を計算した値(重
量部)とした。また、比較例として、6−ヒドロキシク
ロマン化合物(S−12)の替わりにベンゾフラノン化
合物(R−10)とした配合についても試験した。
表5に示した結果から、6−ヒドロキシクロマン化合
物(S−12)を配合した本発明組成物(配合1)は、
ベンゾフラノン化合物(R−10)を配合した比較例組
成物(配合2)に比較して、加工安定性が優れている。
また、6−ヒドロキシクロマン化合物(S−12)を配
合した本発明組成物(配合1)は、6−ヒドロキシクロ
マン化合物を配合しない比較例組成物(配合3)に比
べ、加工安定性が顕著に改良されることが認められた。
実施例6 実施例1と同様な方法によりメルトインデックス(M
I)を測定した。ただし繰り返し回数は3回とした。
配合処方および表6に記載した記号について説明す
る。
PEPQ:テトラキス(2,4−ジ第3級ブチルフェニ
ル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト(クラリ
アント社製、商品名:「サンドスタブP−EPQ」) T−TT:テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル]メタン(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミノックスTT」) Y314:トリス(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒド
ロキシベンジル)イソシアヌレート(吉富ファインケミ
カル株式会社製、商品名:「ヨシノックス314」) 1330:1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリ
ス(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「ヨシノックス1330」) S−2:2,2,5−トリメチル−7−第3級ブチル−
6−ヒドロキシクロマン その他の記号は実施例5に準じる。
配合処方は表6に示した。表6に示した結果から、下
記に示す比較において、6−ヒドロキシクロマン化合物
(S−2)を含有する本発明組成物(配合1〜3)は、
6−ヒドロキシクロマン化合物を含有しない比較例組成
物(配合4〜6)に比べ繰り返し押し出しにおける加工
安定性が極めて良好であることが認められた。
比較(A):本発明組成物配合1と比較例組成物
配合4 比較(B):本発明組成物配合2と比較例組成物
配合5 比較(C):本発明組成物配合3と比較例組成物
配合6 実施例7 ポリエチレン(線状ポリエチレン)について加工時熱
安定性を見るために、実施例3と同様な方法によりトル
ク上昇開始時間を測定した。
配合処方および表7に記載した記号について説明す
る。
PE:ポリエチレン(線状ポリエチレン) P101:テトラキス(2,4−ジ第3級ブチル−5−
メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナ
イト(吉富ファインケミカル株式会社製、商品名:「G
SY−P101」) T−SS:n−オクタデシル 3−(3,5−ジ第3級
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(吉
富ファインケミカル株式会社製、商品名:「トミノック
スSS」) S−2:2,2,5−トリメチル−7−第3級ブチル−
6−ヒドロキシクロマン R−10:3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7
−ジ−第3級−ブチル−3H−ベンゾフラン−2−オン
(特開平7−233160号公報に記載の方法によって
合成した。) 配合処方は表7に示した。表7に示した結果から、6
−ヒドロキシクロマン化合物(S−2)を配合した本発
明組成物(配合1)は、同量のベンゾフラノン化合物
(R−10)を配合した場合(配合2)や6−ヒドロキ
シクロマン化合物を配合しない場合(配合3)に比べて
トルク上昇開始時間が長く、良好な加工時熱安定性を示
すことがわかる。
実施例8 実施例1と同様な方法によりメルトインデックス(M
I)を測定した。ただし、繰り返し回数は5回とした。
配合処方および表8に記載した記号について説明す
る。
P101:テトラキス(2,4−ジ第3級ブチル−5−
メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナ
イト(吉富ファインケミカル株式会社製、商品名:「G
SY−P101」) PEPQ:テトラキス(2,4−ジ第3級ブチルフェニ
ル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト(クラリ
アント社製、商品名:「サンドスタブP−EPQ」) T−TT:テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル]メタン(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミノックスTT」) S−12:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒ
ドロキシクロマン MI1欄:1回目に得たペレットにより測定したMI値
を示した。
MI3欄:3回目に得たペレットにより測定したMI値
を示した。
MI5欄:5回目に得たペレットにより測定したMI値
を示した。
その他の記号は実施例1に準じる。
配合処方は表8に示したように、ポリプロピレン(ホ
モポリマー)を99.800重量部、ステアリン酸カル
シウムを0.100重量部、6−ヒドロキシクロマン化
合物(S−12)を配合しないかまたは0.0025重
量部配合し、リン系酸化防止剤(P101)の配合量が
フェノール系酸化防止剤(T−TT)とS−12の合計
の配合量と同量であり、酸化防止剤の総量が0.100
重量部となるようにした。
表8に示した結果から、6−ヒドロキシクロマン化合
物(S−12)を含有する本発明組成物(配合1、2)
は、6−ヒドロキシクロマン化合物を含有しない比較例
組成物(配合3、4)に比べ繰り返し押し出しにおける
加工安定性が良好であることがわかる。
比較(A):本発明組成物配合1と比較例組成物配
合3 比較(B):本発明組成物配合2と比較例組成物配
合4 実施例9 フェノール系酸化防止剤の配合量とリン系酸化防止剤
の配合量との重量比を変えて加工時熱安定性を評価し
た。LLDPEについて実施例3と同様な方法によりト
ルク上昇開始時間を測定した。
配合処方および表9に記載した記号について説明す
る。
LLDPE:線状低密度ポリエチレン P101:テトラキス(2,4−ジ第3級ブチル−5−
メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナ
イト(吉富ファインケミカル株式会社製、商品名:「G
SY−P101」) T−SS:n−オクタデシル 3−(3,5−ジ第3級
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(吉
富ファインケミカル株式会社製、商品名:「トミノック
スSS」) S−12:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒ
ドロキシクロマン 配合処方は表9に示したように、LLDPEを100
重量部、リン系酸化防止剤(P101)とフェノール系
酸化防止剤(T−SS)と6−ヒドロキシクロマン化合
物(S−12)との総量を0.1995重量部とし、S
−12を配合しないかまたは0.0095重量部配合
し、リン系酸化防止剤とフェノール系酸化防止剤の重量
比が1:2、1:1、および2:1となるようP101
の配合量とT−SSの配合量を計算した値(重量部)と
した。
表9に示した結果から、6−ヒドロキシクロマン化合
物を含有する本発明組成物(配合1〜3)は、6−ヒド
ロキシクロマン化合物を含有しない組成物(配合4〜
6)に比べて、トルク上昇開始時間が約3倍となり、加
工時熱安定性に優れることがわかる。
実施例10 実施例1と同様な方法によりメルトインデックス(M
I)および黄色度(YI)を測定した。
配合処方および表10に記載した記号について説明す
る。
T202:トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)
ホスファイト(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミホス−202」) T−TT:テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル]メタン(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミノックスTT」) S−12:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒ
ドロキシクロマン その他の記号は実施例1に準じる。
配合処方は表10に示したように、ポリプロピレン
(ホモポリマー)を99.825重量部、ステアリン酸
カルシウムを0.075重量部、リン系酸化防止剤(T
202)とフェノール系酸化防止剤(T−TT)と6−
ヒドロキシクロマン化合物(S−12)との総量を0.
100重量部とし、S−12を配合しないかまたは0.
0002重量部〜0.0150重量部の9種の配合量と
し、リン系酸化防止剤とフェノール系酸化防止剤の配合
量が同量となるよう「(0.100重量部−(S−12
配合量))÷2」により計算した値(重量部)としたも
のである。
表10の結果から、以下のことが判明した。
(1)MIに関しては、S−12、T−TT、および
T202の総量に対するS−12の配合量を、10重量
%以上にしてもさらなるMIの向上効果はほとんどな
く、0.5重量%では効力は認められるが効果が薄く、
0.2重量%ではほとんど効力がみられない。またYI
に関しては、15重量%では極めて変色が激しいことが
わかる。(2)したがって、S−12の配合量を0.5
〜10重量%にすることにより着色し難く、加工時の安
定性を顕著に改良することがわかる。
実施例11 ポリプロピレンに対する加工安定性を見るために実施
例1と同様な方法によりメルトインデックス(MI)を
測定した。
配合処方および表11に記載した記号について説明す
る。
T202:トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)
ホスファイト(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミホス202」) T−TT:テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル)メタン(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミノックスTT」) S−12:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒ
ドロキシクロマン その他の記号は実施例1および実施例2に準じる。
配合処方は表11に示したように、ポリプロピレン
(ホモポリマー)を99.825重量部、ステアリン酸
カルシウムを0.075重量部、リン系酸化防止剤(T
202)とフェノール系酸化防止剤(T−TT)と6−
ヒドロキシクロマン化合物(S−12)との総量を0.
100重量部とし、S−12を配合しないかまたは0.
0045重量部配合し、リン系酸化防止剤とフェノール
系酸化防止剤の重量比が0:1、1:9、2:8、1:
1、8:2、9:1、および1:0となるようT202
の配合量とT−TTの配合量を計算した値(重量部)と
した。
表11の結果から、以下のことが判明した。
本発明のS−12を配合した組成物では、T202お
よびT−TTの重量比が9:1〜1:9において併用効
果が確認でき、4:1〜1:4の重量比において、より
顕著にその効果が確認できる。
実施例12 線状低密度ポリエチレン(LLDPE)の加工時熱安
定性を評価するために、実施例3と同様な方法によりト
ルク上昇開始時間を測定した。
配合処方および表12に記載した記号について説明す
る。
T202: トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニ
ル)ホスファイト(吉富ファインケミカル株式会社製、
商品名:「トミホス202」) T−SS:n−オクタデシル 3−(4−ヒドロキシ−
3,5−ジ第3級ブチルフェニル)プロピオネート(吉
富ファインケミカル株式会社製、商品名:「トミノック
スSS」) S−12:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒ
ドロキシクロマン その他の記号は実施例3に準じる。
配合処方は表12に示したように、線状低密度ポリエ
チレンを99.825重量部、ステアリン酸カルシウム
を0.075重量部、6−ヒドロキシクロマン化合物
(S−12)を配合しないかまたは0.003重量部配
合し、リン系酸化防止剤(T202)とフェノール系酸
化防止剤(T−SS)とを同量となるよう「(0.10
0重量部−(S−12配合量))÷2」により計算した
値(重量部)としたものである。
表12の結果から、以下のことが判明した。
T−SSとT202との併用系にS−12を併用する
本発明組成物は、加工時熱安定性が顕著に改良されるこ
とがわかる。
実施例13 実施例1と同様な方法によりメルトインデックス(M
I)を測定した。ただし、ダイス設定温度は260℃と
した。また、実施例1と同様な方法により黄色度(Y
I)を測定した。
配合処方および表13に記載した記号について説明す
る。
T202:トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)
ホスファイト(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミホス−202」) T−TT:テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル]メタン(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミノックスTT」) S−12:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒ
ドロキシクロマン S−14:ビタミンE( 東京化成工業株式会社製 試
薬) その他の記号は実施例1および実施例2に準じる。
配合処方は表13に示した。表13の結果から、以下
のことが判明した。
リン系酸化防止剤とフェノール系酸化防止剤との併用
処方に加工安定剤の相乗化剤としてS−12に代表され
るクロマン化合物を極めて少量配合することにより着色
し難く、加工時の安定性を顕著に改良することがわか
る。
実施例14 実施例1と同様な方法によりメルトインデックス(M
I)および黄色度(YI)を測定した。
配合処方および表14に記載した記号について説明す
る。
U626:ビス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ペ
ンタエリスリトール−ジ−ホスファイト(GE Spe
cialty Chemicals製、商品名:「UL
TRANOX626」) T−TT:テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル]メタン(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミノックスTT」) S−12:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒ
ドロキシクロマン その他の記号は実施例1に準じる。
配合処方は表14に示したように、ポリプロピレン
(ホモポリマー)を99.825重量部、ステアリン酸
カルシウムを0.075重量部、リン系酸化防止剤(U
626)とフェノール系酸化防止剤(T−TT)と6−
ヒドロキシクロマン化合物(S−12)との総量を0.
100重量部とし、S−12を配合しないかまたは0.
0002重量部〜0.0150重量部の9種の配合量と
し、リン系酸化防止剤とフェノール系酸化防止剤の配合
量が同量となるよう「(0.100重量部−(S−12
配合量))÷2」により計算した値(重量部)としたも
のである。
表14の結果から、以下のことが判明した。
(1)MIに関しては、S−12、T−TT、および
U626の総量に対するS−12の配合量を、10重量
%以上にしてもさらなるMIの向上効果はほとんどな
く、0.5重量%では効力は認められるが効果が薄く、
0.2重量%ではほとんど効力がみられない。またYI
に関しては、15重量%では極めて変色が激しいことが
わかる。(2)したがって、S−12の配合量を0.5
〜10重量%にすることにより着色し難く、加工時の安
定性を顕著に改良することがわかる。
実施例15 ポリプロピレンに対する加工安定性を見るために実施
例1と同様な方法によりメルトインデックス(MI)を
測定した。
配合処方および表15に記載した記号について説明す
る。
U626:ビス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ペ
ンタエリスリトール−ジ−ホスファイト(GE Spe
cialty Chemicals製、商品名:「UL
TRANOX626」) T−TT:テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル]メタン(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミノックスTT」) S−12:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒ
ドロキシクロマン その他の記号は実施例1および実施例2に準じる。
配合処方は表15に示したように、ポリプロピレン
(ホモポリマー)を99.825重量部、ステアリン酸
カルシウムを0.075重量部、リン系酸化防止剤(U
626)とフェノール系酸化防止剤(T−TT)と6−
ヒドロキシクロマン化合物(S−12)との総量を0.
100重量部とし、S−12を配合しないかまたは0.
0045重量部配合し、リン系酸化防止剤とフェノール
系酸化防止剤の重量比が0:1、1:9、2:8、1:
1、8:2、9:1、および1:0となるようU626
の配合量とT−TTの配合量を計算した値(重量部)と
した。
表15の結果から、以下のことが判明した。
本発明のS−12を配合した組成物では、U626お
よびT−TTの重量比が9:1〜1:9において併用効
果が確認でき、4:1〜1:4の重量比において、より
顕著にその効果が確認できる。
実施例16 線状低密度ポリエチレン(LLDPE)の加工時熱安
定性を評価するために、実施例3と同様な方法によりト
ルク上昇開始時間を測定した。
配合処方および表16に記載した記号について説明す
る。
U626:ビス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ペ
ンタエリスリトール−ジ−ホスファイト(GE Spe
cialty Chemicals製、商品名:「UL
TRANOX626」) P36:ビス(2,6−ジ第3級ブチル−4−メチルフ
ェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト(旭
電化工業株式会社製、商品名:「PEP−36」) T−SS:n−オクタデシル 3−(4−ヒドロキシ−
3,5−ジ第3級ブチルフェニル)プロピオネート(吉
富ファインケミカル株式会社製、商品名:「トミノック
スSS」) S−12:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒ
ドロキシクロマン その他の記号は実施例3に準じる。
配合処方は表16に示したように、線状低密度ポリエ
チレンを99.825重量部、ステアリン酸カルシウム
を0.075重量部、6−ヒドロキシクロマン化合物
(S−12)を配合しないかまたは0.003重量部配
合し、リン系酸化防止剤(U626またはP36)とフ
ェノール系酸化防止剤(T−SS)とを同量となるよう
「(0.100重量部−(S−12配合量))÷2」に
より計算した値(重量部)としたものである。
表16の結果から、以下のことが判明した。
T−SSとU626との併用系、またはT−SSとP
36との併用系に、S−12を併用する本発明組成物
は、加工時熱安定性が顕著に改良されることがわかる。
実施例17 実施例1と同様な方法によりメルトインデックス(M
I)を測定した。ただし、ダイス設定温度は260℃と
した。また、実施例1と同様な方法により黄色度(Y
I)を測定した。
配合処方および表17に記載した記号について説明す
る。
U626:ビス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ペ
ンタエリスリトール−ジ−ホスファイト(GE Spe
cialty Chemicals製、商品名:「UL
TRANOX626」) T−TT:テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル]メタン(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミノックスTT」) Y−BB:4,4−ブチリデンビス(3−メチル−6−
第三級ブチルフェノール)(吉富ファインケミカル株式
会社製、商品名:「ヨシノックスBB」) YBHT:2,6−ジ第3級ブチル−4−メチルフェノ
ール)(吉富ファインケミカル株式会社製、商品名:
「ヨシノックスBHT」) S−12:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒ
ドロキシクロマン S−14:ビタミンE(東京化成工業株式会社 試薬) その他の記号は実施例1に準じる。
配合処方は表17に示した。表17の結果から、以下
のことが判明した。
リン系酸化防止剤とフェノール系酸化防止剤との併用
処方に加工安定剤の相乗化剤としてS−12に代表され
る6−ヒドロキシクロマン化合物を極めて少量配合する
ことにより着色し難く、加工時の安定性を顕著に改良す
ることがわかる。
実施例18 実施例1と同様な方法によりメルトインデックス(M
I)および黄色度(YI)を測定した。
配合処方および表18に記載した記号について説明す
る。
HP10:2,2−メチレンビス(4,6−ジ第3級ブ
チルフェニル)オクチル−ホスファイト(旭電化工業株
式界社製、商品名:「アデガスタブHP−10」) T−TT:テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル]メタン(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミノックスTT」) S−12:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒ
ドロキシクロマン その他の記号は実施例1に準じる。
配合処方は表18に示したように、ポリプロピレン
(ホモポリマー)を99.825重量部、ステアリン酸
カルシウムを0.075重量部、リン系酸化防止剤(H
P10)とフェノール系酸化防止剤(T−TT)と6−
ヒドロキシクロマン化合物(S−12)との総量を0.
100重量部とし、S−12を配合しないかまたは0.
0002重量部〜0.0150重量部の9種の配合量と
し、リン系酸化防止剤とフェノール系酸化防止剤の配合
量が同量となるよう「(0.100重量部−(S−12
配合量))÷2」により計算した値(重量部)としたも
のである。
表18の結果から、以下のことが判明した。
(1)MIに関しては、S−12、T−TT、および
HP10の総量に対するS−12の配合量を、10重量
%以上にしてもさらなるMIの向上効果はほとんどな
く、0.5重量%では効力は認められるが効果が薄く、
0.2重量%ではほとんど効力がみられない。またYI
に関しては、15重量%では極めて変色が激しいことが
わかる。(2)したがって、S−12の配合量を0.5
〜10重量%にすることにより着色し難く、加工時の安
定性を顕著に改良することがわかる。
実施例19 ポリプロピレンに対する加工安定性を見るために実施
例1と同様な方法によりメルトインデックス(MI)を
測定した。
配合処方および表19に記載した記号について説明す
る。
HP10:2,2−メチレンビス(4,6−ジ第3級ブ
チルフェニル)オクチル−ホスファイト(旭電化工業株
式界社製、商品名:「アデガスタブHP−10」) T−TT:テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル]メタン(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミノックスTT」) S−12:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒ
ドロキシクロマン その他の記号は実施例1および実施例2に準じる。
配合処方は表19に示したように、ポリプロピレン
(ホモポリマー)を99.825重量部、ステアリン酸
カルシウムを0.075重量部、リン系酸化防止剤(H
P10)とフェノール系酸化防止剤(T−TT)と6−
ヒドロキシクロマン化合物(S−12)との総量を0.
100重量部とし、S−12を配合しないかまたは0.
0045重量部配合し、リン系酸化防止剤とフェノール
系酸化防止剤の重量比が0:1、1:9、2:8、1:
1、8:2、9:1、および1:0となるようHP10
の配合量とT−TTの配合量を計算した値(重量部)と
した。
表19の結果から、以下のことが判明した。
本発明のS−12を配合した組成物では、HP10お
よびT−TTの重量比が9:1〜1:9において併用効
果が確認でき、4:1〜1:4の重量比において、より
顕著にその効果が確認できる。
実施例20 線状低密度ポリエチレン(LLDPE)の加工時熱安
定性を評価するために、実施例3と同様な方法によりト
ルク上昇開始時間を測定した。
配合処方および表20に記載した記号について説明す
る。
HP10:2,2−メチレンビス(4,6−ジ第3級ブ
チルフェニル)オクチル−ホスファイト(旭電化工業株
式界社製、商品名:「アデガスタブHP−10」) T−SS:n−オクタデシル 3−(4−ヒドロキシ−
3,5−ジ第3級ブチルフェニル)プロピオネート(吉
富ファインケミカル株式会社製、商品名:「トミノック
スSS」) S−12:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒ
ドロキシクロマン その他の記号は実施例3に準じる。
配合処方は表20に示したように、線状低密度ポリエ
チレンを99.825重量部、ステアリン酸カルシウム
を0.075重量部、6−ヒドロキシクロマン化合物
(S−12)を配合しないかまたは0.003重量部配
合し、リン系酸化防止剤(HP10)とフェノール系酸
化防止剤(T−SS)とを同量となるよう「(0.10
0重量部−(S−12配合量))÷2」により計算した
値(重量部)としたものである。
表20の結果から、以下のことが判明した。
T−SSとHP10との併用系に、S−12を併用す
る本発明組成物は、加工時熱安定性が顕著に改良される
ことがわかる。
実施例21 この実施例では、少量の6−ヒドロキシクロマン化合
物を添加することにより、リン系酸化防止剤およびフェ
ノール系酸化防止剤の配合量を減らすことができ、より
少ない使用量の酸化防止剤で同等の安定性向上効果が得
られることを示す。
実施例1と同様な方法によりメルトインデックス(M
I)および黄色度(YI)を測定した。ただし、繰り返
し回数は3回とした。
配合処方および表21に記載した記号について説明す
る。
T202:トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)
ホスファイト(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミホス−202」) T−TT:テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル]メタン(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミノックスTT」) S−12:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒ
ドロキシクロマン YI1欄:1回目に得たペレットにより測定したYI値
を示した。
YI2欄:2回目に得たペレットにより測定したYI値
を示した。
YI3欄:3回目に得たペレットにより測定したYI値
を示した。
その他の記号は実施例5に準じる。
配合処方は表21に示した。リン系酸化防止剤(T2
02)とフェノール系酸化防止剤(T−TT)の総量を
0.100重量部(配合3,9)または0.060重量
部(配合6)とした。配合1、4、7は、リン系酸化防
止剤(T202)とフェノール系酸化防止剤(T−T
T)との総量を上記の配合3、6、9と同様とし、0.
100重量部とし、その一部を6−ヒドロキシクロマン
化合物(S−12)に替えた。配合2、5、8は、6−
ヒドロキシクロマン化合物を添加せず、リン系酸化防止
剤(T202)とフェノール系酸化防止剤(T−TT)
を配合3、6、9の場合と比較して1.5倍添加した。
各々について、リン系酸化防止剤とフェノール系酸化防
止剤の比率を1:1、2:1、1:2と変化させた。
表21に示した結果から、酸化防止剤の配合量がとも
に0.100重量部である「配合3と配合1」、「配合
6と配合4」、「配合9と配合7」を比較すると、いず
れも6−ヒドロキシクロマン化合物(S−12)を含有
する本発明有機高分子材料用安定剤組成物を用いた場合
(配合1、4、7)が6−ヒドロキシクロマン化合物を
配合しない場合(配合3、6、9)と比較して顕著な効
果を示している。
また、「配合3に添加した酸化防止剤の量の1.5倍
重量を配合した配合2」と、「配合3に添加した酸化防
止剤の量と同量を配合しその一部を6−ヒドロキシクロ
マン化合物とした配合1」を比較すると、6−ヒドロキ
シクロマン化合物(S−12)を含有する本発明の安定
剤組成物を用いた場合(配合1)は、6−ヒドロキシク
ロマン化合物を配合せず1.5倍重量の酸化防止剤を配
合した場合(配合2)と比較して同等の効果かあるいは
若干良好な効果を示している。「配合5と配合4」、お
よび「配合8と配合7」の比較においても同様の効果が
認められた。
このことから、少量の6−ヒドロキシクロマン化合物
を添加することにより、リン系酸化防止剤とフェノール
系酸化防止剤の配合量を増加した場合と同等またはそれ
以上の安定性向上効果が得られることがわかる。これに
より、有機高分子材料に添加する酸化防止剤の量を減ら
すことができる。
実施例22 この実施例では、少量の6−ヒドロキシクロマン化合
物を添加することにより、リン系酸化防止剤およびフェ
ノール系酸化防止剤の配合量を減らすことができ、より
少ない使用量の酸化防止剤で同等の安定性向上効果が得
られることを示す。
実施例1と同様な方法によりメルトインデックス(M
I)を測定した。ただし、繰り返し回数は3回とした。
配合処方および表22に記載した記号について説明す
る。
PEPQ:テトラキス(2,4−ジ第3級ブチルフェニ
ル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト(クラリ
アント株式会社製、商品名:「サンドスタブPEPQ」 T−TT:テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル]メタン(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミノックスTT」) S−12:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒ
ドロキシクロマン その他の記号は実施例5に準じる。
配合処方は表22に示した。リン系酸化防止剤として
PEPQを使用した以外は、実施例21と同様の配合処
方とした。
表22に示した結果から、酸化防止剤の配合量がとも
に0.100重量部である「配合3と配合1」、「配合
6と配合4」、「配合9と配合7」を比較すると、いず
れも6−ヒドロキシクロマン化合物(S−12)を含有
する本発明有機高分子材料用安定剤組成物を用いた場合
(配合1、4、7)が6−ヒドロキシクロマン化合物を
配合しない場合(配合3、6、9)と比較して顕著な効
果を示している。
また、「配合3に添加した酸化防止剤の量の1.5倍
重量を配合した配合2」と、「配合3に添加した酸化防
止剤の量と同量を配合しその一部を6−ヒドロキシクロ
マン化合物とした配合1」を比較すると、6−ヒドロキ
シクロマン化合物(S−12)を含有する本発明の安定
剤組成物を用いた場合(配合1)は、6−ヒドロキシク
ロマン化合物を配合せず1.5倍重量の酸化防止剤を配
合した場合(配合2)と比較して同等の効果かあるいは
若干良好な効果を示している。「配合5と配合4」、お
よび「配合8と配合7」の比較においても同様の効果が
認められた。
このことから、少量の6−ヒドロキシクロマン化合物
を添加することにより、リン系酸化防止剤とフェノール
系酸化防止剤の配合量を増加した場合と同等またはそれ
以上の安定性向上効果が得られることがわかる。これに
より、有機高分子材料に添加する酸化防止剤の量を減ら
すことができる。
実施例23 この実施例では、少量の6−ヒドロキシクロマン化合
物を添加することにより、リン系酸化防止剤およびフェ
ノール系酸化防止剤の配合量を減らすことができ、より
少ない使用量の酸化防止剤で同等の安定性向上効果が得
られることを示す。
実施例1と同様な方法によりメルトインデックス(M
I)を測定した。ただし、繰り返し回数は3回とした。
配合処方および表23に記載した記号について説明す
る。
P101:テトラキス(2,4−ジ第3級ブチル−5−
メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナ
イト(吉富ファインケミカル株式会社製、商品名:「G
SY−P101」) T−TT:テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル]メタン(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミノックスTT」) S−12:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒ
ドロキシクロマン その他の記号は実施例5に準じる。
配合処方は表23に示した。リン系酸化防止剤として
P101を使用した以外は、実施例21と同様の処方と
した。
表23に示した結果から、酸化防止剤の配合量がとも
に0.100重量部である「配合3と配合1」、「配合
6と配合4」、「配合9と配合7」を比較すると、いず
れも6−ヒドロキシクロマン化合物(S−12)を含有
する本発明有機高分子材料用安定剤組成物を用いた場合
(配合1、4、7)が6−ヒドロキシクロマン化合物を
配合しない場合(配合3、6、9)と比較して顕著な効
果を示している。
また、「配合3に添加した酸化防止剤の量の1.5倍
重量を配合した配合2」と、「配合3に添加した酸化防
止剤の量と同量を配合しその一部を6−ヒドロキシクロ
マン化合物とした配合1」を比較すると、6−ヒドロキ
シクロマン化合物(S−12)を含有する本発明の安定
剤組成物を用いた場合(配合1)は、6−ヒドロキシク
ロマン化合物を配合せず1.5倍重量の酸化防止剤を配
合した場合(配合2)と比較して同等の効果を示してい
る。「配合5と配合4」、および「配合8と配合7」の
比較においては同等もしくは若干良好な効果が認められ
た。
このことから、少量の6−ヒドロキシクロマン化合物
を添加することにより、リン系酸化防止剤とフェノール
系酸化防止剤の配合量を増加した場合と同等またはそれ
以上の安定性向上効果が得られることがわかる。これに
より、有機高分子材料に添加する酸化防止剤の量を減ら
すことができる。
実施例24 タンブラーミキサーを用いて5分間ドライ混合した表
24記載の配合物を用い、直径20mmの押し出し機
(ダイス設定温度280℃)でストランドを押し出し、
水冷した後に、切断しペレットを得た。これを4回繰り
返した。加工安定性を見るために各回毎に押し出したペ
レットについてJIS K−7210に準じてMIを測
定した。測定温度は230℃、測定荷重は2.16kg
fとした。比較例の配合3では、6−ヒドロキシクロマ
ン化合物の代わりに下記のベンゾフラノン化合物(R−
10)を用いた。
表24に記載した記号について説明する。
PP:ポリプロピレン(ホモポリマー) Ca−St:ステアリン酸カルシウム T202:トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)
ホスファイト(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミホス202」)。
T−TT:テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル]メタン(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミノックスTT」) S−2:2,2,5−トリメチル−7−第3級ブチル−
6−ヒドロキシクロマン S−12:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒ
ドロキシクロマン R−10:3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7
−ジ第3級ブチル−3H−ベンゾフラン−2−オン(特
開平7−233160号公報に記載の方法によって合成
した。) MI1:1回目に得たペレットにより測定したMI値を
示した。
MI2:2回目に得たペレットにより測定したMI値を
示した。
MI3:3回目に得たペレットにより測定したMI値を
示した。
MI4:4回目に得たペレットにより測定したMI値を
示した。
×:樹脂が劣化しておりストランド押し出し後、ペレッ
トを得ることができなかったことを示す。
表24に示した結果から、6−ヒドロキシクロマン化
合物(S−2またはS−12)を配合した本発明組成物
(配合1、2)は、同量のベンゾフラノン化合物(R−
10)を配合した比較例組成物(配合3)と比べて、加
工安定性に優れている。
実施例25 EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)について表
25記載の配合処方でビーカー中にて混合し、ラボプラ
ストミル(東洋精機製作所製50C−150型)を用い
て、210℃、50rpmの条件で混合(ミキシング)
を行い、トルク上昇開始時間を求めた。比較例の配合2
および配合3では、6−ヒドロキシクロマン化合物の代
わりに下記のベンゾフラノン化合物(R−10)を用い
た。
表25に記載した記号について説明する。
EVA:エチレン−酢酸ビニル共重合体 T202:トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)
ホスファイト(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミホス202」)。
T−SS:n−オクタデシル 3−(3,5−ジ第3級
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(吉
富ファインケミカル株式会社製、商品名:「トミノック
スSS」) S−12:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒ
ドロキシクロマン R−10:3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7
−ジ第3級ブチル−3H−ベンゾフラン−2−オン(特
開平7−233160号公報に記載の方法によって合成
した。) 表25より、6−ヒドロキシクロマン化合物を含有す
る本発明組成物(配合1)は、同量の3−(3,4−ジ
メチルフェニル)−5,7−ジ第3級ブチル−3H−ベ
ンゾフラン−2−オン(R−10)を配合した組成物
(比較例の配合2)やR−10を3倍量配合した組成物
(比較例の配合3)、または6−ヒドロキシクロマン化
合物を添加しない場合(比較例の配合4)と比較して、
ラボプラストミルによる加工時の熱安定性が極めて良好
であることがわかる。
実施例26 タンブラーミキサーを用いて5分間ドライ混合した表
26−1および表26−2記載の配合物を用い、直径2
0mmの押し出し機(ダイス設定温度260℃)でスト
ランドを押し出し、水冷した後に、切断しペレットを得
た。これを4回繰り返した。加工安定性を見るために各
回毎に押し出したペレットについてJIS K−721
0に準じてMIを測定した。測定温度は230℃、測定
荷重は2.16kgfとした。比較例では、6−ヒドロ
キシクロマン化合物の代わりに下記の6−アセトキシク
ロマン化合物(S−4)またはベンゾフラノン化合物
(R−10)を用いた。
表26−1および表26−2に記載した記号の意味は
以下の通りである。
PP:ポリプロピレン(ホモポリマー) Ca−St:ステアリン酸カルシウム T202:トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)
ホスファイト(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミホス202」)。
T−TT:テトラキス〔3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル〕メタン(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミノックスTT」) S−1:2,2−ジメチル−6−ヒドロキシクロマン S−2:2,2,5−トリメチル−7−第3級ブチル−
6−ヒドロキシクロマン S−3:2,2,5−トリメチル−8−第3級ブチル−
6−ヒドロキシクロマン S−5:2,2,7,8−テトラメチル−6−ヒドロキ
シクロマン S−6:2,2,5,7−テトラメチル−6−ヒドロキ
シクロマン S−7:2,2,5,8−テトラメチル−6−ヒドロキ
シクロマン S−8:2,2−ジメチル−7−第3級ブチル−6−ヒ
ドロキシクロマン S−9:4−イソプロピル−2,2,5−トリメチル−
7−第3級ブチル−6−ヒドロキシクロマン S−12:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒ
ドロキシクロマン S−4:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−アセ
トキシクロマン R−10:3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7
−ジ第3級ブチル−3H−ベンゾフラン−2−オン(特
開平7−233160号公報に記載の方法によって合成
した。) MI1:1回目に得たペレットにより測定したMI値を
示した。
MI2:2回目に得たペレットにより測定したMI値を
示した。
MI3:3回目に得たペレットにより測定したMI値を
示した。
MI4:4回目に得たペレットにより測定したMI値を
示した。
表26−1に示した結果から、6−ヒドロキシクロマ
ン化合物を配合した本発明組成物(配合2〜10)が、
6−ヒドロキシクロマン化合物を添加しない組成物(配
合1)、または同量の6−アセトキシクロマン化合物
(S−4)またはベンゾフラノン化合物(R−10)を
配合した比較例組成物(配合11、12)に比べて、加
工安定性に優れていることがわかる。6−アセトキシク
ロマン化合物(S−4)を配合した組成物(配合11)
は6−ヒドロキシクロマン化合物を添加しない組成物
(配合1)と同程度の加工安定性を示す。6−ヒドロキ
シクロマン化合物の配合量を半量(0.0025重量
部)にした組成物(配合13〜21)においても、同様
の結果が認められた(表26−2)。
実施例27 タンブラーミキサーを用いて5分間ドライ混合した表
27記載の配合物を用い、直径20mmの押し出し機
(ダイス設定温度280℃)でストランドを押し出し、
水冷した後に、切断しペレットを得た。これを3回繰り
返した。加工安定性を見るために各回毎に押し出したペ
レットについてJIS K−7210に準じてMIを測
定した。測定温度は230℃、測定荷重は2.16kg
fとした。比較例では、6−ヒドロキシクロマン化合物
の代わりに下記のフェノール系酸化防止剤(YBHT)
またはベンゾフラノン化合物(R−10)を用いた。
表27に記載した記号の意味は以下の通りである。
PP:ポリプロピレン(ホモポリマー) Ca−St:ステアリン酸カルシウム T202:トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)
ホスファイト(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミホス202」)。
T−TT:テトラキス〔3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル〕メタン(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミノックスTT」) YBHT:2,6−ジ第3級ブチル−4−メチルフェノ
ール(吉富ファインケミカル株式会社製、商品名:「ヨ
シノックスBHT」) S−2:2,2,5−トリメチル−7−第3級ブチル−
6−ヒドロキシクロマン S−6:2,2,5,7−テトラメチル−6−ヒドロキ
シクロマン S−8:2,2−ジメチル−7−第3級ブチル−6−ヒ
ドロキシクロマン R−10:3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7
−ジ−第3級−ブチル−3H−ベンゾフラン−2−オン
(特開平7−233160号公報に記載の方法によって
合成した。) MI1:1回目に得たペレットにより測定したMI値を
示した。
MI2:2回目に得たペレットにより測定したMI値を
示した。
MI3:3回目に得たペレットにより測定したMI値を
示した。
×:樹脂が劣化しておりストランド押し出し後、ペレッ
トを得ることができなかったことを示す。
表27から、本発明組成物(配合2〜4)は6−ヒド
ロキシクロマン化合物を配合しない場合(配合1)と比
べて著しくMI値が小さく加工安定性が比較例に対し優
れ、良好な加工安定性を示していることがわかる。ま
た、相乗化剤として6−ヒドロキシクロマン化合物(S
−2、S−6、S−8)を配合した本発明組成物(配合
2〜4)は、相乗化剤として2,6−ジ第3級ブチル−
4−メチルフェノール(YBHT)や3−(3,4−ジ
メチルフェニル)−5,7−ジ−第3級−ブチル−3H
−ベンゾフラン−2−オン(R−10)を同量配合した
組成物(配合5、6)と比較してより良好な加工安定性
改良効果を示した。6−ヒドロキシクロマン化合物の配
合量を半量(0.0025重量部)にした組成物(配合
7〜9)においても、同様の結果が認められた。
実施例28 タンブラーミキサーを用いて5分間ドライ混合した表
28A記載の配合物を用い、直径20mmの押し出し機
(ダイス設定温度280℃)でストランドを押し出し、
水冷した後に、切断しペレットを得た。これを5回繰り
返した。加工安定性を見るために各回毎に押し出したペ
レットについてJIS K−7210に準じてMIを測
定した。測定温度は230℃、測定荷重は2.16kg
fとした。
表28Aおよび表28Bに記載した記号の意味は以下
の通りである。
PP:ポリプロピレン(ホモポリマー) Ca−St:ステアリン酸カルシウム T202:トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)
ホスファイト(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミホス202」)。
T−TT:テトラキス〔3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル〕メタン(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミノックスTT」) S−12:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒ
ドロキシクロマン MI1:1回目に得たペレットにより測定したMI値を
示した。
MI2:1回目に得たペレットにより測定したMI値を
示した。
MI3:3回目に得たペレットにより測定したMI値を
示した。
MI5:5回目に得たペレットにより測定したMI値を
示した。
×:樹脂が劣化しておりストランド押し出し後、ペレッ
トを得ることができなかったことを示す。
本発明組成物の配合1、2、3および4には、6−ヒ
ドロキシクロマン化合物を5重量%含有する酸化防止剤
(T202/T−TT/S−12=47.5/47.5
/5)をそれぞれポリプロピレン組成物中に0.05重
量%、0.10重量%、0.30重量%、0.50重量
%の濃度で配合した。比較例組成物の配合6、7、8お
よび9には、6−ヒドロキシクロマン化合物を含有しな
い酸化防止剤(T202/T−TT=1/1)をそれぞ
れポリプロピレン組成物中に0.05重量%、0.10
重量%、0.30重量%、0.50重量%の濃度で配合
した。
MIと酸化防止剤の濃度との関係を表28Bに示す。
表28B中の記号は次の意味を示す。
← 6−ヒドロキシクロマン化合物を含有しない場
合、ペレットを得ることができないほど劣化していた。
◎ 6−ヒドロキシクロマン化合物を含有する場合の
方が、含有しない場合と比較して著しくMI値が小さ
い。
○ 6−ヒドロキシクロマン化合物を含有する場合、
含有しない場合と同程度のMI値であるが、含有する場
合の方が0.2ポイント以上MI値が良好である。
△ 6−ヒドロキシクロマン化合物を含有する場合、
含有しない場合と同程度のMI値であり、6−ヒドロキ
シクロマン化合物を含有する場合と含有しない場合との
差が0.1である。
= 6−ヒドロキシクロマン化合物を含有する場合と
含有しない場合で差異はない。
表28Bに示す結果から明らかなように、6−ヒドロ
キシクロマン化合物を含有する酸化防止剤(ポリプロピ
レン組成物中に配合した酸化防止剤の総量に対して6−
ヒドロキシクロマン化合物が5重量%)を0.05重量
%〜0.50重量%の割合で添加した組成物(ポリプロ
ピレン組成物中に6−ヒドロキシクロマン化合物が0.
0025重量%〜0.025重量%)は、同量の6−ヒ
ドロキシクロマン化合物を含有しない酸化防止剤を添加
した組成物に比べてMI値が著しく小さく、加工安定性
に特に優れている。
実施例29 EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)について表
29記載の配合処方でビーカー中にて混合し、ラボプラ
ストミルを用いて210℃、50rpm、樹脂量40g
の条件でミキシングを行い、トルク上昇開始時間を求め
た。比較例では、6−ヒドロキシクロマン化合物の代わ
りに下記のベンゾフラノン化合物(R−10)を用い
た。
表29に記載した記号の意味は以下の通りである。
EVA:エチレン−酢酸ビニル共重合体 T202:トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)
ホスファイト(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミホス202」)。
T−SS:n−オクタデシル 3−(3,5−ジ第3級
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(吉
富ファインケミカル株式会社製、商品名:「トミノック
スSS」) S−2:2,2,5−トリメチル−7−第3級ブチル−
6−ヒドロキシクロマン R−10:3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7
−ジ−第3級−ブチル−3H−ベンゾフラン−2−オン
(特開平7−233160号公報に記載の方法によって
合成した。) 表29から、6−ヒドロキシクロマン化合物を配合し
た本発明組成物(配合1)は、同量のベンゾフラノン化
合物(R−10)を配合した場合(比較例の配合2)や
6−ヒドロキシクロマン化合物を配合しない場合(比較
例の配合3)に比べてトルク上昇開始時間が約2倍長
く、良好な加工時熱安定性を示していることがわかる。
実施例30 フェノール系酸化防止剤の配合量とリン系酸化防止剤
の配合量との重量比を変えて加工時熱安定性を評価し
た。
ビーカー中に表30記載の配合物を精秤混合し、ラボ
プラストミル(東洋精機製作所製50C−150型)を
用いて210℃、60ppmの条件で混合(ミキシン
グ)を行い、トルク上昇開始時間を求めた。
表30に記載した記号の意味は以下のとおりである。
LLDPE:線状低密度ポリエチレン T202:トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)
ホスファイト(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミホス202」)。
T−SS:n−オクタデシル 3−(3,5−ジ第3級
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(吉
富ファインケミカル株式会社製、商品名:「トミノック
スSS」) S−12:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒ
ドロキシクロマン 表30より、6−ヒドロキシクロマン化合物を含有す
る本発明組成物(配合1〜3)は、6−ヒドロキシクロ
マン化合物を含有しない組成物(比較例の配合4〜6)
に比べてトルク上昇開始時間が約3倍となり、加工時熱
安定性に優れることがわかる。
実施例31 タンブラーミキサーを用いて5分間ドライ混合した表
31記載の配合物を用い、直径20mmの押し出し機
(ダイス設定温度280℃)でストランドを押し出し、
水冷した後に、切断しペレットを得た。これを4回繰り
返した。加工安定性を見るために各回毎に押し出したペ
レットについてJIS K−7210に準じてMIを測
定した。測定温度は230℃、測定荷重は2.16kg
fとした。比較例では、6−ヒドロキシクロマン化合物
の代わりに下記のベンゾフラノン化合物(R−10)を
用いた。
表31に記載した記号の意味は以下の通りである。
PP:ポリプロピレン(ホモポリマー) Ca−St:ステアリン酸カルシウム T202:トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)
ホスファイト(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミホス202」)。
T−TT:テトラキス〔3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル〕メタン(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミノックスTT」) S−12:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒ
ドロキシクロマン R−10:3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7
−ジ−第3級−ブチル−3H−ベンゾフラン−2−オン
(特開平7−233160号公報に記載の方法によって
合成した。) MI1:1回目に得たペレットにより測定したMI値を
示した。
MI2:1回目に得たペレットにより測定したMI値を
示した。
MI3:3回目に得たペレットにより測定したMI値を
示した。
MI4:4回目に得たペレットにより測定したMI値を
示した。
表31より、本発明組成物(配合1〜6)は比較例組
成物(配合7〜13)に比べて加工安定性が優れている
ことがわかる。また、本発明で用いる6−ヒドロキシク
ロマン化合物は、3−(3,4−ジメチルフェニル)−
5,7−ジ−第3級−ブチル−3H−ベンゾフラン−2
−オン(R−10)より良好な安定化効果を示した。
実施例32 タンブラーミキサーを用いて5分間ドライ混合した表
32記載の配合物を用い、直径20mmの押し出し機
(ダイス設定温度280℃)でストランドを押し出し、
水冷した後に、切断しペレットを得た。このペレット1
5gを用い、直径50mmのシャーレ中に入れ、160
℃に設定したギヤオーブン中で所定の時間熱処理を行っ
た。熱処理後のペレットについてカラーメーターにより
黄色度(YI)を測定した。YIの数値変化が小さいほ
ど、使用時における熱安定性が良好であるといえる。
表32に記載した記号の意味は以下の通りである。
PP:ポリプロピレン(ホモポリマー) Ca−St:ステアリン酸カルシウム T202:トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)
ホスファイト(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミホス202」)。
T−TT:テトラキス〔3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル〕メタン(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミノックスTT」) S−12:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒ
ドロキシクロマン R−10:3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7
−ジ−第3級−ブチル−3H−ベンゾフラン−2−オン
(特開平7−233160号公報に記載の方法によって
合成した。) ×:ポリプロピレン組成物を目視したところ赤褐色を呈
していた。
表32より、本発明組成物(配合1および2)は比較
例組成物(配合3〜5)に比べ使用時における熱安定性
が極めて良好であることがわかる。また本発明で用いる
6−ヒドロキシクロマン化合物は3−(3,4−ジメチ
ルフェニル)−5,7−ジ−第3級−ブチル−3H−ベ
ンゾフラン−2−オン(R−10)より良好な使用時熱
安定性効果を示した。
実施例33 タンブラーミキサーを用いて5分間ドライ混合した表
33記載の配合物を用い、直径20mmの押し出し機
(ダイス設定温度280℃)でストランドを押し出し、
水冷した後に、切断しペレットを得た。このペレット1
5gを用い、直径50mmのシャーレ中に入れ、160
℃に設定したギヤオーブン中で所定の時間熱処理を行っ
た。熱処理後のペレットについてカラーメーターにより
黄色度(YI)を測定した。YIの数値変化が小さいほ
ど、使用時における熱安定性が良好であるといえる。
表33に記載した記号の意味は以下の通りである。
PP:ポリプロピレン(ホモポリマー) Ca−St:ステアリン酸カルシウム T202:トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)
ホスファイト(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミホス202」)。
T−TT:テトラキス〔3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル〕メタン(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミノックスTT」) S−12:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒ
ドロキシクロマン R−10:3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7
−ジ−第3級−ブチル−3H−ベンゾフラン−2−オン
(特開平7−233160号公報に記載の方法によって
合成した。) ×:ポリプロピレン組成物を目視したところ赤褐色を呈
していた。
表33より、本発明組成物(配合1および2)は比較
例組成物(配合3〜5)に比べ使用時における熱安定性
が極めて良好であることがわかる。また本発明で用いる
6−ヒドロキシクロマン化合物は3−(3,4−ジメチ
ルフェニル)−5,7−ジ−第3級−ブチル−3H−ベ
ンゾフラン−2−オン(R−10)より良好な安定化効
果を示した。
実施例34 表34に示した配合処方により配合した配合物を、タ
ンブラーミキサーを用いて5分間ドライ混合した後、直
径20mmの押し出し機を用い、ダイス設定温度280
℃で繰り返し押し出し、造粒した。加工安定性を見るた
めに各回毎に押し出したペレットをJIS K−721
0に準じて測定温度230℃、測定荷重2.16kgf
にてMI値を測定した。また、JIS K−7103に
準じて、YI値を測定した(カラーメーター 反射法に
よるペレットの黄色度)。
その測定結果を表34に示す。
表34に記載した記号の意味は以下の通りである。
PP:ポリプロピレン Ca−St:ステアリン酸カルシウム S−14:ビタミンE( 東京化成工業株式会社製の試
薬) T−TT:テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル]メタン(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミノックスTT」) T202:トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)
ホスファイト(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミホス202」) MI1:1回目に得たペレットにより測定したMI値を
示した。
MI2:2回目に得たペレットにより測定したMI値を
示した。
MI3:3回目に得たペレットにより測定したMI値を
示した。
YI1:1回目に得たペレットにより測定したYI値を
示した。
YI2:2回目に得たペレットにより測定したYI値を
示した。
YI3:3回目に得たペレットにより測定したYI値を
示した。
×: 樹脂の劣化でストランド方式による樹脂の引き取り
ができず、ペレットを得ることができなかった。
表34に示した結果から、フェノール系酸化防止剤
(T−TT)、リン系酸化防止剤(T202)およびビ
タミンE(S−14)の総量に対してビタミンEを5重
量%、2重量%配合した本発明組成物を配合した有機高
分子材料組成物は、着色を抑えMI値が小さく加工安定
性が比較例組成物に対し優れていることが判明した。特
に、少量添加により相乗効果を示し、良好な加工安定性
を示していることがわかる。
実施例35 表35に示した配合処方により配合した配合物を、実
施例34と同様な方法で混合し、繰り返し押し出し、造
粒したペレットについてMI値を測定した。
その測定結果を表35に示す。
表35に記載した記号の意味は以下の通りである。
PP:ポリプロピレン(ホモポリマー) Ca−St:ステアリン酸カルシウム T−TT:テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル]メタン(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミノックスTT」) T202:トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)
ホスファイト(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミホス202」) 本発明組成物に用いた化合物 S−14:ビタミンE( 東京化成工業株式会社製 試
薬) 比較例組成物に用いた化合物 S−15:ビタミンEアセテート( 和光純薬工業株式会
社製 試薬) YBHT:2,6−ジ第3級ブチル−4−メチルフェノ
ール(吉富ファインケミカル株式会社製、商品名:「ヨ
シノックスBHT」) R−10:3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7
−ジ第3級ブチル−3H−ベンゾフラン−2−オン(特
開平7−233160号公報に記載の方法によって合成
した。) 表35に示した結果から、ビタミンE(S−14)を
配合した本発明組成物(配合1)はMI値の値が小さく
加工安定性が比較例組成物に対し優れ、少量添加により
相乗効果を示し、良好な加工安定性を示していることが
わかる。しかし、類似化合物であるビタミンEアセテー
ト(S−15)、2,6−ジ第3級ブチル−4−メチル
フェノール(YBHT)を配合した組成物(配合2、
3)はこれらを配合しない組成物(配合5)と同程度で
あり、配合した効果はほとんど認められない。
実施例36 表36に示した配合処方により配合した配合物を、実
施例34と同様な方法で混合し、繰り返し押し出し、造
粒したペレットについてMI値、YI値を測定した。
その測定結果を表36に示す。
表36に記載した記号の意味は実施例34と同様であ
る。
表36から本発明組成物を配合した組成物は、フェノ
ール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤およびビタミンE
の総量に対してビタミンEの配合量が0.001重量部
以下では樹脂の劣化による着色が起こり充分な効果を示
さず、0.005重量部を超えると添加剤による樹脂の
変色を起こし、それ以上配合しても増量による効果が少
ないことがわかる。
実施例37 タンブラーミキサーを用いて5分間ドライ混合した表
37記載の配合物を用い。直径20mmの押し出し機
(ダイス設定温度280℃)でストランドを押し出し、
水冷した後に、切断しペレットを得た。これを5回繰り
返した。加工安定性を見るために各回毎に押し出したペ
レットについてJIS K−7210に準じてMIを測
定した。測定温度は230℃、測定荷重は2.16kg
fとした。
表37に記載した記号の意味は以下の通りである。
PP:ポリプロピレン(ホモポリマー) Ca−St:ステアリン酸カルシウム P36:ビス(2,6−ジ第3級ブチル−4−メチルフ
ェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(旭電化
工業株式会社製、商品名:「アデカスタブPEP−3
6」) U626:ビス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ペ
ンタエリスリトールジホスファイト(GEスペシャリテ
ィケミカルズ社製、商品名:「ウルトラノックス62
6」) T−TT:テトラキス〔3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル〕メタン(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミノックスTT」) S−12:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒ
ドロキシクロマン MI1:1回目に得たペレットにより測定したMI値を
示した。
MI3:3回目に得たペレットにより測定したMI値を
示した。
MI5:5回目に得たペレットにより測定したMI値を
示した。
表37より下記に示す比較において、6−ヒドロキシ
クロマン化合物を含有する本発明組成物(配合1、3)
は、6−ヒドロキシクロマン化合物を含有しない比較例
組成物(配合2、4)に比べ繰り返し押し出しにおける
加工安定性が良好であることがわかる。
比較(A):本発明組成物配合1と比較例組成物配
合2 比較(B):本発明組成物配合3と比較例組成物配
合4 本実施例では、フェノール系酸化防止剤として、テト
ラキス〔3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオニルオキシメチル〕メタン(T−
TT)を用い、リン系酸化防止剤として、比較(A)で
はビス(2,6−ジ第3級ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト(P36)
を、比較(B)ではビス(2,4−ジ第3級ブチルフェ
ニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(U62
6)を用いた。種々のリン系酸化防止剤を用いた場合
も、6−ヒドロキシクロマン化合物を配合した本発明組
成物は加工安定性が良好であることがわかる。
実施例38 表38に示した配合処方により配合した配合物を、タ
ンブラーミキサーを用いて5分間ドライ混合した後、直
径20mmの押し出し機を用い、ダイス設定温度280
℃で繰り返し押し出し、造粒した。加工安定性を見るた
めに各回毎に押し出したペレットをJIS K−721
0に準じて測定温度230℃、測定荷重2.16kgf
にてMI値を測定した。また、JIS K−7103に
準じて、YI値を測定した(カラーメーター 反射法に
よるペレットの黄色度)。
その測定結果を表38に示す。
表38に記載した記号の意味は以下の通りである。
PP:ポリプロピレン Ca−St:ステアリン酸カルシウム S−12:2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−ヒ
ドロキシクロマン(合成例1により合成したものを用い
た。) S−14:ビタミンE( 東京化成工業株式会社製の試
薬) T−TT:テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル]メタン(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミノックスTT」) T202:トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)
ホスファイト(吉富ファインケミカル株式会社製、商品
名:「トミホス202」) MI1:1回目に得たペレットにより測定したMI値を
示した。
MI4:4回目に得たペレットにより測定したMI値を
示した。
YI1:1回目に得たペレットにより測定したYI値を
示した。
YI4:4回目に得たペレットにより測定したYI値を
示した。
×: 樹脂の劣化でストランド方式による樹脂の引き取り
ができず、ペレットを得ることができなかった。
配合処方は表38に示したように、ポリプロピレン
(ホモポリマー)を99.825重量部、ステアリン酸
カルシウムを0.075重量部、6−ヒドロキシクロマ
ン化合物(S−12、S−14)を0.005重量部、
リン系酸化防止剤(T202、U626、PEPQ)を
0.0475重量部、フェノール系酸化防止剤(T−T
T)の総量を0.0475重量部配合した本発明の有機
高分子材料用安定剤組成物を配合した場合(配合1、
2、11、12、14、15)を実施例とした。また比
較例として、6−ヒドロキシクロマン化合物とリン系酸
化防止剤とフェノール系酸化防止剤との総量は実施例と
同量である0.100重量部として、6−ヒドロキシク
ロマン化合物(S−12、S−14)とリン系酸化防止
剤(T202、U626)を配合した場合(配合3、
4、13)、6−ヒドロキシクロマン化合物(S−1
2)とフェノール系酸化防止剤(T−TT)を配合した
場合(配合5)、リン系酸化防止剤(T202)とフェ
ノール系酸化防止剤(T−TT)を配合した場合(配合
6)、6−ヒドロキシクロマン化合物(S−12)のみ
を配合した場合(配合7、8)、リン系酸化防止剤(T
202)のみを配合した場合(配合9)、フェノール系
酸化防止剤(T−TT)のみを配合した場合(配合1
0)の配合にて実施例と同様に試験を行なった。
表38に示した結果から、以下のことが判明した。
リン系酸化防止剤(T202)とフェノール系酸化防
止剤(T−TT)に6−ヒドロキシ化合物を少量配合し
た本発明組成物(配合1、2)は6−ヒドロキシ化合物
を添加しない組成物(配合6、9、10)や、多量(有
機高分子100重量部に対して、0.050〜0.10
0重量部)の6−ヒドロキシ化合物のみを添加した組成
物(配合7、8)や6−ヒドロキシクロマン化合物とリ
ン系酸化防止剤またはフェノール系酸化防止剤との2種
類の酸化防止剤を併用した組成物(配合3、4)と比較
して極めて着色が少なく加工安定性が優れていることが
認められた。
また、リン系酸化防止剤をPEPQやU626に変え
た組成物についても、同様に、リン系酸化防止剤(PE
PQやU626)とフェノール系酸化防止剤(T−T
T)にさらに6−ヒドロキシ化合物を少量配合した本発
明組成物(配合11、12、14、15)は6−ヒドロ
キシ化合物を添加しない処方(配合13、16)にくら
べ極めて着色が少なく加工安定性が優れていることがわ
かる。
実施例39 本発明組成物のハンドリング性を判定するために、以
下の方法で40℃における保存安定性を測定した。表3
9に記載の配合物を、乳鉢にて混合した後、ポリエチレ
ン製の袋に入れ、ヒートシール後40℃の恒温槽に4週
間保存した。その後、手で触ってベトツキを感じるかど
うかを判定した。
配合処方および表39に記載した記号について説明す
る。
P101:テトラキス(2,4−ジ第3級ブチル−5−
メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナ
イト(吉富ファインケミカル株式会社製、商品名:「G
SY−P101」) T−SS:n−オクタデシル 3−(3,5−ジ第3級
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(吉
富ファインケミカル株式会社製、商品名:「トミノック
スSS」) S−14:ビタミンE(東京化成工業株式会社製 試
薬) T−SSとP101との重量比が1:2の組成物を作
成し、それにT−SSとP101とS−14との合計量
に対して、S−14が表39に規定した割合になるよう
秤量し、配合した。試験結果を表39に示した。
表39から、本発明組成物に対して、ビタミンE(S
−14)の割合が5重量%以下であれば試験期間中は異
常なく安定であったが、6重量%を超えるとベトツキ現
象を起こし、保存安定性が悪いことが判明した。
産業上の利用可能性 本発明の安定剤組成物は、特定のリン系酸化防止剤お
よびフェノール系酸化防止剤に、一般式(1)で表され
る6−ヒドロキシクロマン化合物を少量配合したことを
特徴とする。本発明の安定剤組成物を有機高分子材料の
安定化剤として使用することにより、加工時熱安定性に
優れた、極めて工業的に有用な安定化された有機材料組
成物を得ることができる。
本出願は、日本で出願された平成10年特許願第10
8260号および平成10年特許願第181174号、
ならびに国際出願PCT/JP98/04462および
PCT/JP98/05829を基礎としておりそれら
の内容は本明細書に全て包含されるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平10−108260 (32)優先日 平成10年4月17日(1998.4.17) (33)優先権主張国 日本(JP) (56)参考文献 特開 平2−225542(JP,A) 特開 昭63−137941(JP,A) 特開 昭62−158737(JP,A) 特開 昭62−86036(JP,A) 特開 昭54−20056(JP,A) 特開 昭53−114852(JP,A) 特開 昭53−78248(JP,A) 米国特許4806580(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08K 5/13 C08K 5/1545 C08K 5/51 - 5/5397 C08L 1/00 - 101/16 WPI/L(QUESTEL)

Claims (43)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a):一般式(1) 【化1】 (式中、R 1は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数
    2〜5のアルケニル基を示し、R 2は炭素数1〜5のア
    ルキル基を示し、R 3、R 4およびR 5は同一または異
    なっていてもよく、それぞれ水素原子または炭素数1〜
    4のアルキル基を示し、R 6は水素原子または炭素数1
    〜5のアルキル基を示す。)により表される化合物の少
    なくとも1種と、 (b)次の(b−1)、(b−2)、(b−3)および
    (b−4)から選ばれるリン系酸化防止剤と、 (b−1):一般式(2) 【化2】 (式中、Q 1は一般式(3) 【化3】 (式中、R 7およびR 8は各々同一または異なっていて
    もよく、炭素数1〜4のアルキル基を示し、R 9は水素
    原子またはメチル基を示す。)を示し、Q 2は各々の繰
    り返し単位について独立して一般式(3) 【化4】 (式中の記号は前記と同義である。)を示し、iは各々
    の繰り返し単位について独立して0または1を示し、j
    は0または1を示し、n 1は1〜10の整数を示す。)
    または一般式(4) 【化5】 (式中の記号は前記と同義である。)により表される化
    合物の少なくとも1種、 (b−2):一般式(5) 【化6】 (式中、R 10は、各々同一または異なっていてもよ
    く、炭素数1〜18のアルキル基、フェニル基、炭素数
    1〜9のアルキル基で置換されたフェニル基、または一
    般式(6) 【化7】 (式中、R 12およびR 13は各々同一または異なってい
    てもよく、炭素数1〜4のアルキル基を示し、R 14
    水素原子またはメチル基を示す。)により表される基を
    示し、R 11は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数
    7〜9のフェニルアルキル基、シクロヘキシル基、フェ
    ニル基、炭素数1〜9のアルキル基で置換されたフェニ
    ル基、または一般式(6) 【化8】 (式中、R 12およびR 13は各々同一または異なってい
    てもよく、炭素数1〜4のアルキル基を示し、R 14
    水素原子またはメチル基を示す。)により表される基を
    示す。)、または一般式(7) 【化9】 (式中、R 10は前記と同義であり、n 4は3を示し、
    1は1,1,3−ブタントリイル基を示す。)により
    表される化合物の少なくとも1種、 (b−3):一般式(8) 【化10】 または一般式(9) 【化11】 (式中、qは1または2を表し、Aはqが1を表す場
    合、一般式(10) 【化12】 (式中、R 18およびR 19は同一または異なっていても
    よく、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基を示し、R
    20は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示
    す。)により表される基を示し、Aはqが2を表す場
    合、炭素数2〜18のアルキレン基、p−フェニレン基
    またはp−ビフェニレン基を示し、R 15およびR
    16は、互いに独立して炭素数1〜4のアルキル基を示
    し、R 17は互いに独立して炭素数1〜18のアルキル
    基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、シクロヘキシ
    ル基、フェニル基、または一般式(11) 【化13】 (式中、R 21およびR 22は同一または異なっていても
    よく、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基または炭素数
    7〜9のフェニルアルキル基を示し、R 23は水素原子
    または炭素数1〜4のアルキル基を示す。)により表さ
    れる基を示す。)により表される化合物の少なくとも1
    種、 (b−4):一般式(12) 【化14】 (式中、R 24は各々同一または異なっていてもよく炭
    素数1〜5のアルキル基を示し、R 25は各々同一また
    は異なっていてもよく水素原子または炭素数1〜5のア
    ルキル基を示し、 R 26は同一または異なっていてもよく水素原子または
    メチル基を示し、R 27は直接結合、メチレン基、−C
    H(R 29)−基(R 29は炭素数1〜4のアルキル基を
    示す。)、または硫黄原子を示し、n 3は1または3を
    示し、n 3が3の場合R 28はN(CH 2CH 2O−)3
    により表される基を示し、n 3が1の場合R 28は炭素
    数1〜18のアルキル基、ハロゲン原子、水酸基、また
    は炭素数1〜8のアルコキシ基を示す。)により表され
    る化合物の少なくとも1種、 (c):フェノール系酸化防止剤とを含有し、 成分(a)と成分(b)と成分(c)との総量に対し
    て、成分(a)を0.5重量%〜10重量%、成分
    (b)と成分(c)との総量を99.5重量%〜90重
    量%の割合で含有する有機高分子材料用安定剤組成物。
  2. 【請求項2】 成分(b)が一般式(2) 【化15】 (式中、Q 1は一般式(3) 【化16】 (式中、R 7およびR 8は同一または異なっていてもよ
    く、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基を示し、R 9
    水素原子またはメチル基を示す。)を示し、Q 2は各々
    の繰り返し単位について独立して一般式(3) 【化17】 (式中の記号は前記と同義である。)を示し、iは各々
    の繰り返し単位について独立して0または1を示し、j
    は0または1を示し、n 1は1〜10の整数を示す。)
    または一般式(4) 【化18】 (式中の記号は前記と同義である。)により表される化
    合物の少なくとも1種である請求の範囲1に記載の有機
    高分子材料用安定剤組成物。
  3. 【請求項3】 成分(b)が、一般式(13) 【化19】 (式中、Q 3は一般式(14) 【化20】 (式中、R 9は水素原子またはメチル基を示す。)を示
    し、Q 4は各々の繰り返し単位について独立して一般式
    (14) 【化21】 (式中、R 9は水素原子またはメチル基を示す。)を示
    し、iは各々の繰り返し単位について独立して0または
    1を示し、jは0または1を示し、n 2は1〜3の整数
    を示す。)または一般式(15) 【化22】 (式中の記号は前記と同義である。)により表される化
    合物の少なくとも1種である請求の範囲2に記載の有機
    高分子材料用安定剤組成物。
  4. 【請求項4】 成分(b)が、 テトラキス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)−4,
    4’−ビフェニレンジホスホナイト、 テトラキス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェ
    ニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、 (2,4−ジ第3級ブチルフェノキシ)ビス{4’−
    (ビス(2,4−ジ第3級ブチルフェノキシ)ホスフィ
    ノ)ビフェニル−4−イル}ホスフィン、および (2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェノキシ)ビ
    ス{4’−(ビス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチ
    ルフェノキシ)ホスフィノ)ビフェニル−4−イル}ホ
    スフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種である
    請求の範囲3に記載の有機高分子材料用安定剤組成物。
  5. 【請求項5】 成分(b)が、テトラキス(2,4−ジ
    第3級ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホ
    スホナイトまたはテトラキス(2,4−ジ第3級ブチル
    −5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホ
    スホナイトを含有するリン系酸化防止剤である請求の範
    囲3に記載の有機高分子材料用安定剤組成物。
  6. 【請求項6】 成分(b)が一般式(5) 【化23】 (式中、R 10は、各々同一または異なっていてもよ
    く、炭素数1〜18のアルキル基、フェニル基、炭素数
    1〜9のアルキル基で置換されたフェニル基、または一
    般式(6) 【化24】 (式中、R 12およびR 13は各々同一または異なってい
    てもよく、炭素数1〜4のアルキル基を示し、R 14
    水素原子またはメチル基を示す。)により表される基を
    示し、R 11は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数
    7〜9のフェニルアルキル基、シクロヘキシル基、フェ
    ニル基、炭素数1〜9のアルキル基で置換されたフェニ
    ル基、または一般式(6) 【化25】 (式中、R 12およびR 13は各々同一または異なってい
    てもよく、炭素数1〜4のアルキル基を示し、R 14
    水素原子またはメチル基を示す。)により表される基を
    示す。)、または一般式(7) 【化26】 (式中、R 10は前記と同義であり、n 4は3を示し、
    1は1,1,3−ブタントリイル基を示す。)により
    表される化合物の少なくとも1種である請求の範囲1に
    記載の有機高分子材料用安定剤組成物。
  7. 【請求項7】 成分(b)が、 トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ホスファイ
    ト、 ビス(2,4−ジ第3級ブチル−6−メチルフェニル)
    エチルホスファイト、 トリフェニルホスファイト、 ジフェニルアルキルホスファイト、 フェニルジアルキルホスファイト、 トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、 トリラウリルホスファイト、 トリオクタデシルホスファイト、および ビス(2,4−ジ−第3級ブチル−6−メチルフェニ
    ル)メチルホスファイトからなる群より選ばれる少なく
    とも1種である請求の範囲6に記載の有機高分子材料用
    安定剤組成物。
  8. 【請求項8】 成分(b)が一般式(8) 【化27】 または一般式(9) 【化28】 (式中、qは1または2を表し、Aはqが1を表す場
    合、一般式(10) 【化29】 (式中、R 18およびR 19は同一または異なっていても
    よく、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基を示し、R
    20は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示
    す。)により表される基を示し、Aはqが2を表す場
    合、炭素数2〜18のアルキレン基、p−フェニレン基
    またはp−ビフェニレン基を示し、R 15およびR
    16は、互いに独立して炭素数1〜4のアルキル基を示
    し、R 17は互いに独立して炭素数1〜18のアルキル
    基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、シクロヘキシ
    ル基、フェニル基、または一般式(11) 【化30】 (式中、R 21およびR 22は同一または異なっていても
    よく、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基または炭素数
    7〜9のフェニルアルキル基を示し、R 23は水素原子
    または炭素数1〜4のアルキル基を示す。)により表さ
    れる基を示す。)により表される化合物の少なくとも1
    種である請求の範囲1に記載の有機高分子材料用安定剤
    組成物。
  9. 【請求項9】 成分(b)が、 ビス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ペンタエリス
    リトールジホスファイト、 ビス(2,6−ジ第3級ブチル−4−メチルフェニル)
    ペンタエリスリトールジホスファイト、 ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、 ビス(2,4−ジ(1−フェニル−1,1−ジメチルメ
    チル)フェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
    ト、 (2,4,6−トリ第3級ブチルフェニル)−2−ブチ
    ル−2−エチル−1,3−プロパンジオールホスファイ
    ト、 ビスイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、
    および ビス(2,4,6−トリ第3級ブチルフェニル)ペンタ
    エリスリトールジホスファイトからなる群より選ばれる
    少なくとも1種である請求の範囲8に記載の有機高分子
    材料用安定剤組成物。
  10. 【請求項10】 成分(b)が一般式(12) 【化31】 (式中、R 24は各々同一または異なっていてもよく炭
    素数1〜5のアルキル基を示し、R 25は各々同一また
    は異なっていてもよく水素原子または炭素数1〜5のア
    ルキル基を示し、 R 26は同一または異なっていてもよく水素原子または
    メチル基を示し、R 27は直接結合、メチレン基、−C
    H(R 29)−基(R 29は炭素数1〜4のアルキル基を
    示す。)、または硫黄原子を示し、n 3は1または3を
    示し、n 3が3の場合R 28はN(CH 2CH 2O−)3
    により表される基を示し、n 3が1の場合R 28は炭素
    数1〜18のアルキル基、ハロゲン原子、水酸基、また
    は炭素数1〜8のアルコキシ基を示す。)により表され
    る化合物の少なくとも1種である請求の範囲1に記載の
    有機高分子材料用安定剤組成物。
  11. 【請求項11】 成分(b)が、 2,2−メチレンビス(4,6−ジ第3級ブチルフェニ
    ル)−2−エチルヘキシルホスファイト、 6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ第3級ブチル
    −12−メチル−ジベンゾ[d,g]−1,3,2−ジ
    オキサホスホシン、および 2,2’,2’’−ニトリロ[トリエチルトリス(3,
    3’,5,5’−テトラ第3級ブチル−1,1’−ビフ
    ェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト]からなる群
    より選ばれる少なくとも1種である請求の範囲10に記
    載の有機高分子材料用安定剤組成物。
  12. 【請求項12】 成分(c)が、一般式(16) 【化32】 (式中、R 30は炭素数1〜5のアルキル基を示し、R
    31は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R 32は水素原
    子またはメチル基を示し、Lは、 【化33】 または 【化34】 または 【化35】 または 【化36】 または 【化37】 を示す。)により表される構造を分子内に1つ以上含む
    化合物である請求の範囲1〜11のいずれか1項に記載
    の有機高分子材料用安定剤組成物。
  13. 【請求項13】 成分(c)が、 テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒド
    ロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、 n−オクタデシル 3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ
    第3級ブチルフェニル)プロピオネート、 トリス(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベン
    ジル)イソシアヌレート、および 1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5
    −ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン
    からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求の範
    囲1〜11のいずれか1項に記載の有機高分子材料用安
    定剤組成物。
  14. 【請求項14】 成分(c)が、n−オクタデシル 3
    −(4−ヒドロキシ−3,5−ジ第3級ブチルフェニ
    ル)プロピオネートおよびテトラキス[3−(3,5−
    ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
    ルオキシメチル]メタンからなる群より選ばれる少なく
    とも1種のフェノール系酸化防止剤である請求の範囲1
    〜11のいずれか1項に記載の有機高分子材料用安定剤
    組成物。
  15. 【請求項15】 成分(b)の配合量と、成分(c)の
    配合量の重量比が、9:1〜1:9である請求の範囲1
    〜14のいずれか1項に記載の有機高分子材料用安定剤
    組成物。
  16. 【請求項16】 成分(b)の配合量と、成分(c)の
    配合量の重量比が、4:1〜1:4である請求の範囲1
    〜14のいずれか1項に記載の有機高分子材料用安定剤
    組成物。
  17. 【請求項17】 成分(a)と成分(b)と成分(c)
    との総量に対して、成分(a)を1.0重量%〜5.5
    重量%、成分(b)と成分(c)との総量を99.0重
    量%〜94.5重量%の割合で含有する請求の範囲1〜
    16のいずれか1項に記載の有機高分子材料用安定剤組
    成物。
  18. 【請求項18】 成分(a)と成分(b)と成分(c)
    との総量に対して、成分(a)を1.0重量%〜4.5
    重量%、成分(b)と成分(c)との総量を99.0重
    量%〜95.5重量%の割合で含有する請求の範囲1〜
    16のいずれか1項に記載の有機高分子材料用安定剤組
    成物。
  19. 【請求項19】 一般式(1)においてR 1およびR 2
    はメチル基を示し、R 3、R 4およびR 5は同一または
    異なっていてもよく、それぞれ水素原子またはメチル基
    を示し、R 6は水素原子を示す請求の範囲1〜18のい
    ずれか1項に記載の有機高分子材料用安定剤組成物。
  20. 【請求項20】 (a):一般式 【化38】 (式中、R 1およびR 2はメチル基を示し、R 3、R 4
    およびR 5は同一または異なっていてもよく、それぞれ
    水素原子またはメチル基を示し、R 6は水素原子を示
    す。)により表される化合物の少なくとも1種と、 (b):テトラキス(2,4−ジ第3級ブチルフェニ
    ル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイトまたはテ
    トラキス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェニ
    ル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイトを含有す
    るリン系酸化防止剤と、 (c):n−オクタデシル 3−(4−ヒドロキシ−
    3,5−ジ第3級ブチルフェニル)プロピオネートおよ
    びテトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒ
    ドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン
    からなる群より選ばれる少なくとも1種のフェノール系
    酸化防止剤とを含有し、 成分(a)と成分(b)と成分(c)との総量に対し
    て、成分(a)を1.0重量%〜5.5重量%、成分
    (b)と成分(c)との総量を99.0重量%〜94.
    5重量%の割合で含有する有機高分子材料用安定剤組成
    物。
  21. 【請求項21】 (a):一般式(1) 【化39】 (式中、R 1は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数
    2〜5のアルケニル基を示し、R 2は炭素数1〜5のア
    ルキル基を示し、R 3、R 4およびR 5は同一または異
    なっていてもよく、それぞれ水素原子または炭素数1〜
    4のアルキル基を示し、R 6は水素原子または炭素数1
    〜5のアルキル基を示す。)により表される化合物の少
    なくとも1種、 (b)次の(b−1)、(b−2)、(b−3)および
    (b−4)から選ばれるリン系酸化防止剤、 (b−1):一般式(2) 【化40】 (式中、Q 1は一般式(3) 【化41】 (式中、R 7およびR 8は各々同一または異なっていて
    もよく、炭素数1〜4のアルキル基を示し、R 9は水素
    原子またはメチル基を示す。)を示し、Q 2は各々の繰
    り返し単位について独立して一般式(3) 【化42】 (式中の記号は前記と同義である。)を示し、iは各々
    の繰り返し単位について独立して0または1を示し、j
    は0または1を示し、n 1は1〜10の整数を示す。)
    または一般式(4) 【化43】 (式中の記号は前記と同義である。)により表される化
    合物の少なくとも1種、 (b−2):一般式(5) 【化44】 (式中、R 10は、各々同一または異なっていてもよ
    く、炭素数1〜18のアルキル基、フェニル基、炭素数
    1〜9のアルキル基で置換されたフェニル基、または一
    般式(6) 【化45】 (式中、R 12およびR 13は各々同一または異なってい
    てもよく、炭素数1〜4のアルキル基を示し、R 14
    水素原子またはメチル基を示す。)により表される基を
    示し、R 11は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数
    7〜9のフェニルアルキル基、シクロヘキシル基、フェ
    ニル基、炭素数1〜9のアルキル基で置換されたフェニ
    ル基、または一般式(6) 【化46】 (式中、R 12およびR 13は各々同一または異なってい
    てもよく、炭素数1〜4のアルキル基を示し、R 14
    水素原子またはメチル基を示す。)により表される基を
    示す。)、または一般式(7) 【化47】 (式中、R 10は前記と同義であり、n 4は3を示し、
    1は1,1,3−ブタントリイル基を示す。)により
    表される化合物の少なくとも1種、 (b−3):一般式(8) 【化48】 または一般式(9) 【化49】 (式中、qは1または2を表し、Aはqが1を表す場
    合、一般式(10) 【化50】 (式中、R 18およびR 19は同一または異なっていても
    よく、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基を示し、R
    20は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示
    す。)により表される基を示し、Aはqが2を表す場
    合、炭素数2〜18のアルキレン基、p−フェニレン基
    またはp−ビフェニレン基を示し、R 15およびR
    16は、互いに独立して炭素数1〜4のアルキル基を示
    し、R 17は互いに独立して炭素数1〜18のアルキル
    基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、シクロヘキシ
    ル基、フェニル基、または一般式(11) 【化51】 (式中、R 21およびR 22は同一または異なっていても
    よく、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基または炭素数
    7〜9のフェニルアルキル基を示し、R 23は水素原子
    または炭素数1〜4のアルキル基を示す。)により表さ
    れる基を示す。)により表される化合物の少なくとも1
    種、 (b−4):一般式(12) 【化52】 (式中、R 24は各々同一または異なっていてもよく炭
    素数1〜5のアルキル基を示し、R 25は各々同一また
    は異なっていてもよく水素原子または炭素数1〜5のア
    ルキル基を示し、 R 26は同一または異なっていてもよく水素原子または
    メチル基を示し、R 27は直接結合、メチレン基、−C
    H(R 29)−基(R 29は炭素数1〜4のアルキル基を
    示す。)、または硫黄原子を示し、n 3は1または3を
    示し、n 3が3の場合R 28はN(CH 2CH 2O−)3
    により表される基を示し、n 3が1の場合R 28は炭素
    数1〜18のアルキル基、ハロゲン原子、水酸基、また
    は炭素数1〜8のアルコキシ基を示す。)により表され
    る化合物の少なくとも1種、 (c):フェノール系酸化防止剤、および (d):有機高分子を含有する有機高分子材料組成物で
    あって、有機高分子材料組成物100重量部に対して、
    成分(a)を0.0005重量部〜0.010重量部の
    範囲で含有する有機高分子材料組成物。
  22. 【請求項22】 有機高分子材料組成物100重量部に
    対して、成分(a)を0.001重量部〜0.005重
    量部の範囲で含有する請求の範囲21に記載の有機高分
    子材料組成物。
  23. 【請求項23】 成分(b)が一般式(2) 【化53】 (式中、Q 1は一般式(3) 【化54】 (式中、R 7およびR 8は同一または異なっていてもよ
    く、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基を示し、R 9
    水素原子またはメチル基を示す。)を示し、Q 2は各々
    の繰り返し単位について独立して一般式(3) 【化55】 (式中の記号は前記と同義である。)を示し、iは各々
    の繰り返し単位について独立して0または1を示し、j
    は0または1を示し、n 1は1〜10の整数を示す。)
    または一般式(4) 【化56】 (式中の記号は前記と同義である。)により表される化
    合物の少なくとも1種である請求の範囲21または22
    に記載の有機高分子材料組成物。
  24. 【請求項24】 成分(b)が、一般式(13) 【化57】 (式中、Q 3は一般式(14) 【化58】 (式中、R 9は水素原子またはメチル基を示す。)によ
    り表される基を示し、Q 4は各々の繰り返し単位につい
    て独立して一般式(14) 【化59】 (式中、R 9は水素原子またはメチル基を示す。)によ
    り表される基を示し、iは各々の繰り返し単位について
    独立して0または1を示し、jは0または1を示し、n
    2は1〜3の整数を示す。)または一般式(15) 【化60】 (式中の記号は前記と同義である。)により表される化
    合物の少なくとも1種である請求の範囲23に記載の有
    機高分子材料組成物。
  25. 【請求項25】 成分(b)が、 テトラキス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)−4,
    4’−ビフェニレンジホスホナイト、 テトラキス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェ
    ニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、 (2,4−ジ第3級ブチルフェノキシ)ビス{4’−
    (ビス(2,4−ジ第3級ブチルフェノキシ)ホスフィ
    ノ)ビフェニル−4−イル}ホスフィン、および (2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェノキシ)ビ
    ス{4’−(ビス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチ
    ルフェノキシ)ホスフィノ)ビフェニル−4−イル}ホ
    スフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種である
    請求の範囲24に記載の有機高分子材料組成物。
  26. 【請求項26】 成分(b)が、テトラキス(2,4−
    ジ第3級ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジ
    ホスホナイトまたはテトラキス(2,4−ジ第3級ブチ
    ル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジ
    ホスホナイトを含有するリン系酸化防止剤である請求の
    範囲24に記載の有機高分子材料組成物。
  27. 【請求項27】 成分(b)が一般式(5) 【化61】 (式中、R 10は、各々同一または異なっていてもよ
    く、炭素数1〜18のアルキル基、フェニル基、炭素数
    1〜9のアルキル基で置換されたフェニル基、または一
    般式(6) 【化62】 (式中、R 12およびR 13は各々同一または異なってい
    てもよく、炭素数1〜4のアルキル基を示し、R 14
    水素原子またはメチル基を示す。)により表される基を
    示し、R 11は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数
    7〜9のフェニルアルキル基、シクロヘキシル基、フェ
    ニル基、炭素数1〜9のアルキル基で置換されたフェニ
    ル基、または一般式(6) 【化63】 (式中、R 12およびR 13は各々同一または異なってい
    てもよく、炭素数1〜4のアルキル基を示し、R 14
    水素原子またはメチル基を示す。)により表される基を
    示す。)、または一般式(7) 【化64】 (式中、R 10は前記と同義であり、n 4は3を示し、
    1は1,1,3−ブタントリイル基を示す。)により
    表される化合物の少なくとも1種である請求の範囲21
    または22に記載の有機高分子材料組成物。
  28. 【請求項28】 成分(b)が、 トリス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ホスファイ
    ト、 ビス(2,4−ジ第3級ブチル−6−メチルフェニル)
    エチルホスファイト、 トリフェニルホスファイト、 ジフェニルアルキルホスファイト、 フェニルジアルキルホスファイト、 トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、 トリラウリルホスファイト、 トリオクタデシルホスファイト、および ビス(2,4−ジ−第3級ブチル−6−メチルフェニ
    ル)メチルホスファイトからなる群より選ばれる少なく
    とも1種である請求の範囲27に記載の有機高分子材料
    組成物。
  29. 【請求項29】 成分(b)が一般式(8) 【化65】 または一般式(9) 【化66】 (式中、qは1または2を表し、Aはqが1を表す場
    合、一般式(10) 【化67】 (式中、R 18およびR 19は同一または異なっていても
    よく、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基を示し、R
    20は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示
    す。)により表される基を示し、Aはqが2を表す場
    合、炭素数2〜18のアルキレン基、p−フェニレン基
    またはp−ビフェニレン基を示し、R 15およびR
    16は、互いに独立して炭素数1〜4のアルキル基を示
    し、R 17は互いに独立して炭素数1〜18のアルキル
    基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、シクロヘキシ
    ル基、フェニル基、または一般式(11) 【化68】 (式中、R 21およびR 22は同一または異なっていても
    よく、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基または炭素数
    7〜9のフェニルアルキル基を示し、R 23は水素原子
    または炭素数1〜4のアルキル基を示す。)により表さ
    れる基を示す。)により表される化合物の少なくとも1
    種である請求の範囲21または22に記載の有機高分子
    材料組成物。
  30. 【請求項30】 成分(b)が、 ビス(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ペンタエリス
    リトールジホスファイト、 ビス(2,6−ジ第3級ブチル−4−メチルフェニル)
    ペンタエリスリトールジホスファイト、 ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、 ビス(2,4−ジ(1−フェニル−1,1−ジメチルメ
    チル)フェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
    ト、 (2,4,6−トリ第3級ブチルフェニル)−2−ブチ
    ル−2−エチル−1,3−プロパンジオールホスファイ
    ト、 ビスイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、
    および ビス(2,4,6−トリ第3級ブチルフェニル)ペンタ
    エリスリトールジホスファイトからなる群より選ばれる
    少なくとも1種である請求の範囲29に記載の有機高分
    子材料組成物。
  31. 【請求項31】 成分(b)が一般式(12) 【化69】 (式中、R 24は各々同一または異なっていてもよく炭
    素数1〜5のアルキル基を示し、R 25は各々同一また
    は異なっていてもよく水素原子または炭素数1〜5のア
    ルキル基を示し、 R 26は同一または異なっていてもよく水素原子または
    メチル基を示し、R 27は直接結合、メチレン基、−C
    H(R 29)−基(R 29は炭素数1〜4のアルキル基を
    示す。)、または硫黄原子を示し、n 3は1または3を
    示し、n 3が3の場合R 28はN(CH 2CH 2O−)3
    により表される基を示し、n 3が1の場合R 28は炭素
    数1〜18のアルキル基、ハロゲン原子、水酸基、また
    は炭素数1〜8のアルコキシ基を示す。)により表され
    る化合物の少なくとも1種である請求の範囲21または
    22に記載の有機高分子材料組成物。
  32. 【請求項32】 成分(b)が、 2,2−メチレンビス(4,6−ジ第3級ブチルフェニ
    ル)−2−エチルヘキシルホスファイト、 6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ第3級ブチル
    −12−メチル−ジベンゾ[d,g]−1,3,2−ジ
    オキサホスホシン、および 2,2’,2’’−ニトリロ[トリエチルトリス(3,
    3’,5,5’−テトラ第3級ブチル−1,1’−ビフ
    ェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト]からなる群
    より選ばれる少なくとも1種である請求の範囲31に記
    載の有機高分子材料組成物。
  33. 【請求項33】 成分(c)が、一般式(16) 【化70】 (式中、R 30は炭素数1〜5のアルキル基を示し、R
    31は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R 32は水素原
    子またはメチル基を示し、Lは、 【化71】 または 【化72】 または 【化73】 または 【化74】 または 【化75】 を示す。)により表される構造を分子内に1つ以上含む
    化合物である請求の範囲21〜32のいずれか1項に記
    載の有機高分子材料組成物。
  34. 【請求項34】 成分(c)が、 テトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒド
    ロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、 n−オクタデシル 3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ
    第3級ブチルフェニル)プロピオネート、 トリス(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベン
    ジル)イソシアヌレート、および 1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5
    −ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン
    からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求の範
    囲21〜32のいずれか1項に記載の有機高分子材料組
    成物。
  35. 【請求項35】 成分(c)が、n−オクタデシル 3
    −(4−ヒドロキシ−3,5−ジ第3級ブチルフェニ
    ル)プロピオネートおよびテトラキス[3−(3,5−
    ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
    ルオキシメチル]メタンからなる群より選ばれる少なく
    とも1種のフェノール系酸化防止剤である請求の範囲2
    1〜32のいずれか1項に記載の有機高分子材料組成
    物。
  36. 【請求項36】 成分(b)の配合量と、成分(c)の
    配合量の重量比が、9:1〜1:9である請求の範囲2
    1〜35のいずれか1項に記載の有機高分子材料組成
    物。
  37. 【請求項37】 成分(b)の配合量と、成分(c)の
    配合量の重量比が、4:1〜1:4である請求の範囲2
    1〜35のいずれか1項に記載の有機高分子材料組成
    物。
  38. 【請求項38】 有機高分子が、合成樹脂である請求の
    範囲21〜37のいずれか1項に記載の有機高分子材料
    組成物。
  39. 【請求項39】 有機高分子が、オレフィン系樹脂であ
    る請求の範囲21〜37のいずれか1項に記載の有機高
    分子材料組成物。
  40. 【請求項40】 有機高分子が、ポリエチレン系樹脂、
    ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂とポリプロ
    ピレン系樹脂との混和物または相溶性重合体、ポリエチ
    レン系樹脂および/またはポリプロピレン系樹脂を含む
    相溶性重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、または
    エチレン−プロピレン共重合体である請求の範囲21〜
    37のいずれか1項に記載の有機高分子材料組成物。
  41. 【請求項41】 (a):一般式 【化76】 (式中、R 1およびR 2はメチル基を示し、R 3、R 4
    およびR 5は同一または異なっていてもよく、それぞれ
    水素原子またはメチル基を示し、R 6は水素原子を示
    す。)により表される化合物の少なくとも1種、 (b):テトラキス(2,4−ジ第3級ブチルフェニ
    ル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイトまたはテ
    トラキス(2,4−ジ第3級ブチル−5−メチルフェニ
    ル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイトを含有す
    るリン系酸化防止剤、 (c):n−オクタデシル 3−(4−ヒドロキシ−
    3,5−ジ第3級ブチルフェニル)プロピオネートおよ
    びテトラキス[3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒ
    ドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン
    からなる群より選ばれる少なくとも1種のフェノール系
    酸化防止剤、および (d):ポリオレフィン系樹脂を含有する有機高分子材
    料組成物であって、有機高分子材料組成物100重量部
    に対して、成分(a)を0.0005重量部〜0.01
    0重量部の範囲で含有する有機高分子材料組成物。
  42. 【請求項42】 ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレ
    ンまたはポリプロピレンである請求の範囲41に記載の
    有機高分子材料組成物。
  43. 【請求項43】 さらに硫黄系酸化防止剤および/また
    は光安定剤を含有する請求の範囲21〜42のいずれか
    1項に記載の有機高分子材料組成物。
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