JP3501116B2 - インクジェットプリンター用ヘッド、その製造方法、及び接着剤の選別方法 - Google Patents

インクジェットプリンター用ヘッド、その製造方法、及び接着剤の選別方法

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンターに関し、さらに詳細には電鋳やエッチング等の
工法によって作成された2種類以上の部材を接着剤を用
いて積層して、部材間を連通するインク流路を形成して
製造するインクジェットプリンター用ヘッドおよびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンターは、ヘッドの
先端に設置された微少ノズルよりインクを射出させるこ
とにより印字する方法を用いたプリンターであり、イン
クを射出させる方法としては、ヘッド内に充填したイン
クを圧電素子により直接押し出す方式や、加熱によりイ
ンクを沸騰させてその際に発生する気泡により射出させ
る方法など種々の方式が公知である。このようなインク
ジェットプリンターは、印字媒体に非接触でプリントが
可能なため、種々の記録媒体に印字可能であることやカ
ラー印字が容易であること、小型化、低価格化に有利で
あること、印字時の騒音が少ないこと等の多くの長所を
有しており、近年広く使用されている。
【0003】一方、短所として乾燥によりノズルの目詰
まりが生じやすいことや、ゴミや気泡の混入によりイン
クの射出が不安定になることなどが挙げられる。特に気
泡に関しては、インクカートリッジの交換時には混入を
避けることが困難であるため、交換後に一定量のインク
を吸引することにより気泡の排出を行う方法等が用いら
れている。このような方法で気泡を取り除く場合はヘッ
ド内部の気泡の排出性が要求され、気泡の排出性はヘッ
ド内部のぬれ性に関係していると考えられている。イン
クジェットプリンターに水溶性のインクを用いた場合
は、ヘッド内部の親水性を向上させることによりぬれ性
を向上させ、気泡排出能力を高める方法が幾つか提案さ
れている。例えば、特開昭60−24957号公報や特
願平9−519578号(WO 97/37853)で
は、酸処理、プラズマ処理等により親水化処理し気泡排
出性を向上させる方法が提案されている。また、特公平
2−54784号公報では、染料を吸着または浸透させ
ることによりぬれ性を良くする方法が、特開平4−13
1245号公報では親水処理液によりぬれ性を良くする
方法がそれぞれ提案されている。
【0004】インクジェットプリンターに用いられるヘ
ッドには、微細なノズル孔やインク流路等が必要とされ
るため、その加工精度を確保するために、電鋳やエッチ
ング等の工法によって作成された板状の部材を積層し
て、板状部材間を連通するインク流路を形成して製造す
る方法が広く用いられている。この積層方法としては、
加工の容易さ等の理由から、接着剤により順次積層する
方法が用いられており、特開平8−276588号公
報、特開平9−109401号公報、特開平9−187
926号公報等にそのような製造方法が記載されてい
る。このように接着剤を用いて製造されたヘッドにおい
て水性インクを用いた場合、通常の接着剤として用いら
れる樹脂表面は撥水性が高いため、インク流路内に露出
した接着剤と水性インクが触れる部分でぬれ性が悪くな
り、気泡排出に不利であると考えられている。すなわ
ち、前述の従来技術に基づいて考えると、接着剤により
板状部材を積層して構成されるヘッドにおいては、接着
剤に親水性の高い材料を用いるか、積層した後にヘッド
内部に親水化処理を施す必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、親水性
の高い接着剤は、一般的に水溶性インクにより膨潤また
は接着面への浸透が起こりやすく、インクを充填放置す
る事で接着強度が減少し積層板の剥離が生じやすいとい
う問題があり、また積層後に親水化処理を施すことは製
造コストの点で不利となる。すなわち、接着剤の選択に
は、インクを充填放置したときでも接着強度が保てるこ
とと、ヘッド内に混入した気泡が接着剤表面に吸着され
ることなく容易に排出出来る特性とを兼ね備えることが
必要となる。
【0006】本発明の目的は、電鋳やエッチング等の工
法によって作成された2種類以上の部材を接着剤を用い
て積層して、前記部材間を連通するインク流路を形成し
て製造するインクジェットプリンター用ヘッドにおい
て、インクを充填放置したときでも接着強度が保て、且
つ、ヘッド内に混入した気泡が接着剤表面に吸着される
ことなく容易に排出出来る特性とを兼ね備えたヘッドを
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
プリンター用ヘッドは、2種類以上の部材を接着剤を用
いて積層して、前記部材間を連通するインク流路を形成
して構成されるインクジェットプリンター用ヘッドにお
いて、前記接着剤が、前記接着剤と前記インクジェット
プリンター用ヘッドで用いるインク中の気泡の接触角が
155゜以上であることを特徴とする。
【0008】本発明のインクジェットプリンター用ヘッ
ドは、前記接着剤がエポキシ接着剤であることを特徴と
してもよい。
【0009】本発明のインクジェットプリンター用ヘッ
ドは、前記接着剤がポリイミド接着剤であることを特徴
としてもよい。
【0010】本発明のインクジェットプリンター用ヘッ
ドの製造方法は、2種類以上の部材を接着剤を用いて積
層して、前記部材間を連通するインク流路を形成して構
成されるインクジェットプリンター用ヘッドの製造方法
において、前記接着剤と前記インクジェットプリンター
用ヘッドで用いるインク中の気泡の接触角が155゜以
上となる接着剤を用いることを特徴とする。
【0011】本発明のインクジェットプリンター用ヘッ
ドの製造方法は、前記接着剤がエポキシ接着剤であるこ
とを特徴としてもよい。
【0012】本発明のインクジェットプリンター用ヘッ
ドの製造方法は、前記接着剤がポリイミド接着剤である
ことを特徴としてもよい。
【0013】本発明の接着剤の選別方法は、2種類以上
の部材を接着剤を用いて積層して、前記部材間を連通す
るインク流路を形成して構成されるインクジェットプリ
ンター用ヘッドにおいて、前記接着剤と前記インクジェ
ットプリンター用ヘッドで用いるインク中の気泡の接触
から気泡が吸着しない接着剤を選別することを特徴と
する。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0015】従来、インクジェットプリンターに水溶性
のインクを用いた場合は、ヘッド内部の親水性を向上さ
せることによりぬれ性を向上させ、気泡排出能力を高め
る方法が提案されており、ぬれ性の尺度として、JIS
K6800に規定される定義に従い液滴の接触角を用
いることが一般的である。
【0016】しかしながら、我々の評価結果によると、
液滴の接触角と気泡排出性は必ずしも相関が無く、実際
に用いるインク中での気泡の接触角と良好な相関性があ
り、気泡の接触角が大きいと気泡排出性が良好であるこ
とが示唆された。液滴の接触角と、液中での気泡の接触
角は一般的には(1)式の関係があることが知られてい
る。 [液滴の接触角]=180゜−[気泡の接触角] ・・・・・ (1)式 これは、接触角が溶液の表面張力と基体の表面エネルギ
ーで決まるためである。
【0017】しかしながら、インクジェットプリンター
で用いる水溶性インクは、水の他に種々の有機溶剤類、
界面活性剤、染料や顔料などの色材等の混合物であり、
溶質と基体に相互作用がある場合は(1)式の関係が成
立しない。詳細な吸着構造は不明であるが、特に界面活
性剤の吸着により、液滴の接触角が大きいにも関わらず
気泡の接触角も大きく、気泡排出性が良好となることが
ある。すなわち、実際に用いるインク中で気泡の接触角
を測定し、気泡の接触角が大きくなるような接着剤を選
択して使用することにより、気泡排出性が良好なインク
ジェットプリンター用ヘッドを提供することが可能とな
る。
【0018】ここで、気泡の接触角は図1に示すθで定
義される。図1において、透明容器1にインクジェット
プリンターで用いるインク2を入れて、接着剤を塗布し
た平滑な基体4を接着剤塗布面3が下向き且つ水平にな
るようにインク中に設置した後に、マイクロシリンジ5
等により基体4の下に半径1mm以下の気泡を発生させ
て、接着剤塗布面3に接した半径1mm以下の気泡6の
接着剤塗布面3に対する接線7と接着剤塗布面3のなす
角を気泡の接触角と定義し、実際には(2)式および
(3)式にしたがい求める値である。 tanα=H/R ・・・・・(2)式 [気泡の接触角]=2×α ・・・・・(3)式 ここで、Hは気泡6の高さであり、Rは気泡6と接着剤
塗布面3の接している面の半径である。
【0019】このようにして求めた気泡の接触角が15
5゜以上、好ましくは165゜以上となる接着剤を選択
して使用することにより、気泡排出性が良好であり、気
泡混入に基づく射出不良やドット抜け等の画質問題を起
こさない優れたインクジェットプリンター用ヘッドを提
供することが可能となる。
【0020】図2は、ノズル孔22を有するノズルプレ
ート11、ダンパープレート12、プールプレート1
3、供給プレート14、チャンバープレート15、振動
板16の6枚の板状部材を接着剤31を介して積層し
て、これらの板状部材を連通するインク流路を形成し、
振動板16の上に圧電素子17を設置し、圧電素子17
により圧力室21に圧力波を与え、その圧力によりノズ
ル孔22よりインクを射出させることが出来るインクイ
ンクジェットプリンター用ヘッドであり、本発明を適用
したインクジェットプリンター用ヘッドの具体的一例を
示す断面図である。
【0021】本実施の形態では、ノズルプレート11は
Niの電鋳により作成されたものであり、ダンパープレ
ート12、プールプレート13、供給プレート14、チ
ャンバープレート15、振動板16はSUS(ステンレ
ス鋼)で作成されたものであるが、本発明において、こ
れらの部材の材質は特に限定されるものではなく、F
e、Co、Cuなど公知の金属材料をエッチング等で加
工した部材や、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂、ポリアミド樹脂などの樹脂を単独または2種類以上
混合して用いて成型された部材に対しても同様の効果が
得られる。また、インクジェットプリンター用ヘッドの
構造についても、特に図2の構造に限定されるものでは
なく、2種類以上の部材を接着剤を用いて接合して構成
されるヘッドに対して適用が可能である。さらに、接着
剤についても使用する材料は特に限定されず、エポキシ
接着剤、ポリイミド接着剤、シリコーン接着剤、天然ゴ
ム系接着剤、アクリル系接着剤など公知の接着剤や、ビ
ニルブチラール、ビニルホマール、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル等の単独の重合体やこれらを2種
類以上用いた共重合体など、ヘッドに用いる部材を接着
可能な樹脂材料全てに対して適応可能である。
【0022】さらに、本発明を適用したインクジェット
プリンター用ヘッドに用いるインクとしては、着色剤と
してC.I.アシッドブラック7、C.I.アシッドブ
ラック24、C.I.アシッドブラック26、C.I.
アシッドブラック48、C.I.アシッドブラック5
8、C.I.アシッドブラック60、C.I.アシッド
ブラック140、C.I.ダイレクトブラック17、
C.I.ダイレクトブラック51、C.I.ダイレクト
ブラック74、C.I.フードブラック1、C.I.フ
ードブラック2、C.I.アシッドイエロー3、C.
I.アシッドイエロー17、C.I.アシッドイエロー
19、C.I.アシッドイエロー23、C.I.アシッ
ドイエロー29、C.I.アシッドイエロー38、C.
I.アシッドイエロー49、C.I.アシッドイエロー
61、C.I.ダイレクトイエロー27、C.I.ダイ
レクトイエロー28、C.I.ダイレクトイエロー3
3、C.I.ダイレクトイエロー58、C.I.フード
イエロー4、C.I.アシッドレッド1、C.I.アシ
ッドレッド8、C.I.アシッドレッド17、C.I.
アシッドレッド35、C.I.アシッドレッド92、
C.I.アシッドレッド115、C.I.アシッドレッ
ド154、C.I.アシッドレッド249、C.I.ダ
イレクトレッド37、C.I.ダイレクトレッド63、
C.I.ダイレクトレッド75、C.I.ダイレクトレ
ッド83、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッ
ドブルー29、C.I.アシッドブルー62、C.I.
アシッドブルー104、C.I.ダイレクトブルー1、
C.I.ダイレクトブルー6、C.I.ダイレクトブル
ー8、C.I.ダイレクトブルー15、C.I.ダイレ
クトブルー71、C.I.ダイレクトブルー80、C.
I.ダイレクトブルー108、C.I.ダイレクトブル
ー169、C.I.ダイレクトブルー199等の染料
や、カーボンブラック、C.I.ピグメントブラック
1、C.I.ピグメントブラック20、C.I.ピグメ
ントブラック31、C.I.ピグメントブラック32、
C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメント
イエロー17、C.I.ピグメントイエロー24、C.
I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエ
ロー120、C.I.ピグメントイエロー183、C.
I.ピグメントイエロー193、C.I.ピグメントイ
エロー201、C.I.ピグメントレッド14、C.
I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド
38、C.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメ
ントレッド81、C.I.ピグメントレッド83、C.
I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントレッド
122、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメ
ントブルー15、C.I.ピグメントブルー16、C.
I.ピグメントブルー18、C.I.ピグメントブルー
60、C.I.ピグメントブルー63、C.I.ピグメ
ントブルー66、C.I.ピグメントブルー75等の顔
料を単独または2種類以上混合して用いることが出来
る。
【0023】これらの着色剤を溶解または分散させる溶
媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロピ
ルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル等の色材を溶解または分散可能な公知の溶剤と、浸透
性溶媒として用いるエチレングリコールモノメチルエー
テル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレ
ングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコール
モノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチル
エーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリ
コールモノエチルエーテル等の多価アルコール類の低級
アルキルエーテル等を単独または2種類以上混合して用
いた溶剤を用い、この溶剤にpHを調整するための塩基
としてLiOH、NaOH、RbOH等の無機塩基やア
ンモニア、メチルアミン、トリメチルアミン、トリエチ
ルアミン、N−メチル−エチルアミン、N−メチル−イ
ソプロピルアミン、N,N−ジメチル−n−プロピルア
ミン、N−エチル−ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、トリ−n−プロパノールアミン等の有機塩基
等を単独または2種類以上混合して用いることが出来、
さらに必要に応じて、アセトン、メチルエチルケトン、
テトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリドンなど
の有機溶剤と、アセチレングリコールのエチレンオキシ
ド付加物、アルキルフェノールエチレンオキシド付加
物、脂肪族エチレンオキシド付加物などのノニオン性界
面活性剤、フルオロアルキル鎖を有するフッ素系界面活
性剤、高級アルコール硫酸エステル塩や脂肪酸塩などの
アニオン性界面活性剤などの界面活性剤と、防黴剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤を含むことが出来
る。
【0024】[実施例]種々の接着剤を用いて、図2に示
す構造のインクジェットプリンター用ヘッドを試作し、
カートリッジ交換後、80立方ミリメートルのインクを
ノズル孔側から吸引し気泡排出動作を行った後に、気泡
混入に基づく射出不良の発生率を調べた。また、同じ接
着剤をSUS板に塗布して、図1を含む本明細書に記載
した方法で、気泡の接触角を調べた。
【0025】これらの評価に用いた水溶性インクは、
C.I.アシッドイエロー23を4重量%を、エチレン
グリコールモノエチルエーテルを5重量%、イソプロピ
ルアルコールを2重量%と水、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエタノールアミンの混合溶媒
に溶解して調整したものであり、エチレングリコール、
ジエチレングリコールの含有量を適時調整してインクの
粘度を3.3[mPa・S]に調整し、トリエタノールア
ミンの含有量でpHを9.0に調整したものである。さ
らにこの溶液にアセチレングリコール系界面活性剤を適
量添加して、表面張力を32[mN/m]に調整したもの
である。
【0026】実施例1から12は接着剤を変えて試作し
たインクジェットプリンター用ヘッドにおける気泡混入
に基づく射出不良の発生率と、これらの接着剤の気泡の
接触角を調べたものであり、その結果を表1に記載し
た。
【0027】
【表1】
【0028】表1の結果では、気泡の接触角が大きいほ
ど気泡混入による射出不良の発生率が低くなり、気泡の
接触角が155゜以上の接着剤を用いた場合、気泡混入
に基づく射出不良はほとんど発生せず、さらには165
゜以上では射出不良が発生しないことが示唆される。
【0029】[比較例]比較例1から12として、実施例
1から12で用いた接着剤のインク滴の接触角および純
水の接触角の測定を行い、表2に結果を記載した。イン
クの接触角は、インクに対するぬれ性の指標となり、接
触角が小さいほどぬれ性が良好であると言え、純水の接
触角は親水性の指標となり、接触角が小さいほど親水性
が高いと言える。
【0030】
【表2】
【0031】表2の結果では、インクの接触角および純
水の接触角と、気泡混入に基づく射出不良の相関関係は
認められず、特に比較例9で用いたポリイミド接着剤2
のようにインクに対するぬれ性が悪くても気泡排出が良
好となることがわかる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、電鋳やエッチング
等の工法によって作成された2種類以上の部材を接着剤
を用いて積層して、前記部材間を連通するインク流路を
形成して製造するインクジェットプリンター用ヘッドに
おいて、前記接着剤と前記インクジェットプリンター用
ヘッドで用いるインク中の気泡の接触角が155゜以
上、好ましくは165゜以上となる接着剤を用いた場
合、カートリッジ交換時などにヘッド内に混入した気泡
が接着剤表面に吸着されることなく容易に排出出来、気
泡混入に基づく射出不良はほとんど発生しない。すなわ
ち、本発明による気泡との接触角が155゜以上、好ま
しくは165゜以上となる接着剤を選択して用いること
により、カートリッジ交換時などに気泡混入に基づく射
出不良が生じない信頼性の高いインクジェットプリンタ
ー用ヘッドを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における気泡の接触角の説明図である。
【図2】本発明を適用したインクジェットプリンター用
ヘッドの断面図である。
【符号の説明】
1 透明容器 2 インク 3 接着剤塗布面 4 基体 5 マイクロシリンジ 6 気泡 7 気泡の接着剤塗布面に対する接線 11 ノズルプレート 12 ダンパープレート 13 プールプレート 14 供給プレート 15 チャンバープレート 16 振動板 17 圧電素子 21 圧力室 22 ノズル孔 31 接着剤

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2種類以上の部材を接着剤を用いて積層
    して、前記部材間を連通するインク流路を形成して構成
    されるインクジェットプリンター用ヘッドにおいて、前
    記接着剤が、前記接着剤と前記インクジェットプリンタ
    ー用ヘッドで用いるインク中の気泡の接触角が155゜
    以上であることを特徴とするインクジェットプリンター
    用ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記接着剤がエポキシ接着剤であること
    を特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンター
    用ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記接着剤がポリイミド接着剤であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタ
    ー用ヘッド。
  4. 【請求項4】 2種類以上の部材を接着剤を用いて積層
    して、前記部材間を連通するインク流路を形成して構成
    されるインクジェットプリンター用ヘッドの製造方法に
    おいて、前記接着剤と前記インクジェットプリンター用
    ヘッドで用いるインク中の気泡の接触角が155゜以上
    となる接着剤を用いることを特徴とするインクジェット
    プリンター用ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記接着剤がエポキシ接着剤であること
    を特徴とする請求項4記載のインクジェットプリンター
    用ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記接着剤がポリイミド接着剤であるこ
    とを特徴とする請求項4記載のインクジェットプリンタ
    ー用ヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 2種類以上の部材を接着剤を用いて積層
    して、前記部材間を連通するインク流路を形成して構成
    されるインクジェットプリンター用ヘッドにおいて、前
    記接着剤と前記インクジェットプリンター用ヘッドで用
    いるインク中の気泡の接触角から気泡が吸着しない接着
    剤を選別することを特徴とする接着剤の選別方法。
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