JP3500889B2 - 樹脂成形体の塗膜の剥離方法 - Google Patents

樹脂成形体の塗膜の剥離方法

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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂成形体の樹脂
の表面に形成された塗膜を剥離させる方法に関する。特
に、自動車のバンパーやグリル部分等の材料として用い
られているポリプロピレン等の樹脂の耐候性や装飾性を
向上させるために被覆された塗膜は、樹脂から剥がれに
くく、樹脂のリサイクルの際の障害となっているため、
このような塗膜を簡易に剥離させる方法を提供する。
【0002】
【従来の技術】塗膜で被覆された樹脂を再利用すること
には、次のような問題点、すなわち、(1)種々の色彩
をもつ塗膜に由来する粒状物質が樹脂中に点在すること
となり、リサイクルされた成形品の外観が悪化する、
(2)リサイクルされた成形品の表面が、塗膜に由来す
る粒状物質によってザラザラになり、光沢性が低下す
る、(3)リサイクルされた成形品中の塗膜に由来する
粒状物質がノッチ効果となり、物性が低下する、(4)
自動車部品の中でも高い物性(強度等)が要求される部
分には、リサイクル材を用いることができない、等の問
題点がある。特に物性については、バージン材と比べ
て、耐衝撃性(アイゾット衝撃値)が約50%に、引張
破壊伸びが約30%に低下することが知られている。
【0003】そこで、樹脂成形体の表面から塗膜を剥離
させる技術が検討されている。例えば、溶融濾過法、ブ
ラスト法、加水分解法、有機溶剤法、アルコール・有機
塩法等が、塗膜の剥離方法としてこれまで研究されてき
た。
【0004】溶融濾過法は、塗膜の付着した樹脂を加熱
・溶融し、液状となった樹脂と固体のままの塗膜とを、
金網で濾過して分離する方法である。この方法は、金網
が目詰まりしやすいため、効率が低いという欠点があ
る。
【0005】ブラスト法は、高速・高圧で射出された粉
体または水によって塗膜の表面に衝撃を加えると同時に
研削して、塗膜を剥離させて除去する方法である。この
方法は、剥離の効率が低く、また、対象物の表面に凹凸
があると、剥離が困難であるという欠点がある。
【0006】加水分解法は、塗膜の付着した樹脂を高温
の酸またはアルカリ水溶液中に投入し、熱硬化性樹脂塗
膜を酸またはアルカリを触媒として加水分解して除去す
る方法である。この方法は、酸またはアルカリの中和工
程が必要である等の欠点がある。特開平5−18502
4号公報には、ポリウレタン系塗料の塗膜を、加熱した
メタノールの水酸化ナトリウム飽和溶液に浸漬して、全
体を攪拌する技術が開示されている。
【0007】有機溶剤法は、有機溶剤中で塗膜を膨潤さ
せて接着界面を破壊することにより、塗膜を剥離させる
方法である。この方法は、有機溶剤の回収工程が必要で
あり、また、リサイクル材中に有機溶剤が残存する等の
問題点がある。
【0008】アルコール・有機塩法は、水とエタノール
と有機塩とからなる塗膜分解剤中に塗膜を投入し、有機
塩イオンを触媒として化学的に分解して除去する方法で
ある。対象塗膜は、メラミン樹脂である。この方法は、
分解剤の回収工程が必要である等の問題点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の技
術には、低効率、複雑な工程、使用する薬品の安全面で
の懸念、排液処理の必要性、高コスト等の問題点があ
り、まだ実用化されるに至っていない。本発明の目的
は、従来の技術と比べて、高効率かつ低コストであり、
複雑な工程を要さず、用いる薬剤の再利用が可能で、連
続運転の可能な樹脂成形体の塗膜の剥離方法を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の樹脂成
形体の塗膜の剥離方法は、表面が塗膜で被覆された樹脂
成形体に、イソプレン系グリコールエーテルを含有する
液体を付着させ、40℃以上の温度で加熱することを特
徴とする。請求項2に記載の樹脂成形体の塗膜の剥離方
法は、請求項1に記載の方法であって、上記液体が、引
火点がなく、水分含有率が15重量%以上の準水系の液
体であることを特徴とする。請求項3に記載の樹脂成形
体の塗膜の剥離方法は、請求項1に記載の方法であっ
て、上記液体が、引火点が40℃以上で、沸点が190
℃以下の非水系の液体であることを特徴とする。請求項
4に記載の樹脂成形体の塗膜の剥離方法は、請求項1に
記載の方法であって、上記付着が、上記樹脂成形体を上
記液体中に浸漬させることによって行われ、かつ、浸漬
後に40〜200℃で加熱して塗膜を剥離させた後、1
00℃以上の温度を保持して上記液体を蒸発させて回収
することを特徴とする。
【0011】請求項5に記載の樹脂成形体の塗膜の剥離
方法は、請求項4に記載の方法であって、加熱と同時に
または加熱後に、攪拌処理を行って、塗膜を剥離するこ
とを特徴とする。請求項6に記載の樹脂成形体の塗膜の
剥離方法は、請求項2に記載の方法であて、上記液体の
水分含有率を15重量%以上に保持するために、水を補
充しつつ加熱を行うことを特徴とする。請求項7に記載
の樹脂成形体の塗膜の剥離方法は、請求項1に記載の方
法であって、加熱と同時に、樹脂成形体の超音波処理を
行うことを特徴とする。請求項8に記載の樹脂成形体の
塗膜の剥離方法は、請求項1〜請求項3のいずれかに記
載の方法であって、上記付着が、上記液体を上記樹脂成
形体に塗布することによって行われることを特徴とす
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる樹脂成形体の
材質としては、例えば、変性ポリプロピレン、オレフィ
ン系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。こ
のうち、変性ポリプロピレンは、例えばポリプロピレン
をエチレンプロピレンジエンターポリマー(EPDM)
で変性したものであり、また、オレフィン系熱可塑性エ
ラストマーは、ハードセグメントがポリエチレンやポリ
プロピレンから成り、ソフトセグメントがEPDMから
成る熱可塑性のエラストマーである。樹脂成形体として
は、例えば、自動車のバンパーやグリル部分等の廃材を
挙げることができる。
【0013】樹脂成形体の表面に被覆される塗膜として
は、例えば、ウレタン塗料等を挙げることができる。具
体的には、ポリオレフィン系樹脂成形体の表面に酸変性
塩素化ポリオレフィン系下塗り塗料およびポリウレタン
系上塗り塗料を多層に分けて塗布したものや、ポリオレ
フィン系樹脂成形体の表面に酸変形塩素化ポリオレフィ
ン系下塗り塗料/ポリウレタン系塗料の2成分をブレン
ドまたは化学的に結合した塗料を塗布したものを挙げる
ことができる。また、上塗り塗料としてメラミン、アル
キド、水性塗料等を塗布してもよい。塗膜の厚さは、任
意であるが、概ね30〜50μmである。例えば、自動
車のバンパーにウレタン塗料を塗布する場合、約30μ
m程度である。
【0014】本発明で用いる液体としては、塗膜を膨張
または溶解させることができ、樹脂を腐食させず、揮発
性が低く、熱安定性に優れると共に蒸留して回収するこ
とのできる液体が、用いられる。また、本発明で用いる
液体の比重が樹脂(ポリプロピレンの場合:比重0.9
3)と塗膜(ウレタン塗料の場合:比重1.80)の間
であると、樹脂成形体から剥離した塗膜と、樹脂が、液
体中で自然に分離し、好ましい。
【0015】これらの条件を満たす液体として、具体的
には、分子構造にテルペン骨格を有するイソプレン系グ
リコールエーテルを主成分とする液体を挙げることがで
きる。イソプレン系グリコールエーテルとしては、例え
ば、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−
メトキシ−3−メチル−ブチル−酢酸エステル等を挙げ
ることができる。
【0016】3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノー
ル(以下、「MMB」と略す。)の化学式は、
【化1】 で表される。3−メトキシ−3−メチル−ブチル−酢酸
エステル(以下、「MMBAE」と略す。)の化学式
は、
【化2】 で表される。MMBとMMBAEの物性を次の表1に示
す。
【0017】
【表1】
【0018】イソプレン系グリコールエーテルを主成分
とする液体は、例えば、「ファイントップ」(株式会社
クラレの登録商標)等の名で、市販されている。中で
も、引火点のない準水系の「ファイントップJ21
0」、「ファイントップJ610」等、または、非水系
の「ファイントップS130」、「ファイントップS5
10」、「ファイントップS710」等が好ましく用い
られる。「ファイントップJ210」と「ファイントッ
プJ610」は、共に、3−メトキシ−3−メチル−1
−ブタノールを主成分とする。準水系の液体は、水で希
釈して用いることができる。非水系の液体は、通常、原
液のまま用いられる。
【0019】準水系の「ファイントップ」は、フロン等
のように環境上の悪影響を与えるものではなく、引火点
がなく、使用量に制限のない非危険物であり、本来、水
溶性加工油や油性加工油の洗浄用の洗浄液であり、界面
活性剤を含まないため水洗の必要がない。さらに、熱安
定性が高く、洗浄力の指標の一つであるKB値が400
以上と高く、ポリプロピレン等のプラスチックを侵食せ
ず、95%以上の回収率で蒸留回収可能である。ただ
し、水分率が15重量%未満に低下すると引火点が生じ
るため、15重量%以上の水分率を保持することが好ま
しい。「ファイントップJ210」と「ファイントップ
J610」の物性を表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】 非水系の「ファイントップ」は、危険物
に該当することを除き、準水系の「ファイントップ」と
同様の利点を有する。引火点が40℃以上であること
が、安全上、好ましく、また、沸点が190℃以下であ
ると、樹脂の溶融温度まで液温が上昇しないこととな
り、好ましい。
【0022】 非水系の「ファイントップ」としては、
上述したように、「ファイントップS130」、「ファ
イントップS510」、「ファイントップS710」が
好適である。
【0023】樹脂成形体から塗膜を剥離させるには、液
体中に浸漬して加熱する方法と、液体を塗布した後にオ
ーブン中で加熱する方法とがある。液体中に浸漬させて
加熱する方法においては、樹脂成形体を液体中に浸漬さ
せ、40〜200℃、好ましくは60〜100℃で加熱
する。加熱時間は、加熱温度によって異なるが、通常、
1〜90分であり、好ましくは3〜30分である。この
際、5rpm以上、好ましくは50〜500rpmで攪
拌すれば、より効率的に剥離させることができ、加熱時
間は、1〜30分程度でよい。
【0024】加熱と同時に超音波を用いることによっ
て、より低い温度で効率的に剥離させることができる。
超音波を用いない時は、溶液を60〜100℃に熱しな
いと塗膜を剥離させることができないが、超音波を用い
れば、40〜50℃で剥離させることができる。超音波
の周波数は、30〜60kHz、好ましくは35〜50
kHzである。超音波を用いた場合、加熱時間は、5〜
15分程度でよい。塗膜の剥離後、液体の付着した樹脂
を加熱して乾燥させれば、液体を蒸発させることができ
る。加熱温度は、100℃以上とするのが好ましい。1
00℃未満で加熱させると、乾燥させるのに30分以上
要する。200℃で加熱すると、5分以内で乾燥する。
超音波を用いれば40〜50℃で処理することができる
ため、溶液や含有する水の蒸発量が少なく、液体の補充
及び管理が容易となる。
【0025】樹脂に付着した液体を加熱して蒸発させる
代わりに、水洗してもよいが、熱安定性に優れた液体の
再利用のためには、蒸留回収する方が好ましい。本発明
の方法を開放した容器内で行う場合、非加熱のまたは加
熱した水を補充しつつ、塗膜の剥離を行うとよい。液体
中の水分含有率が15重量%未満になると、引火点が生
じ、消防法上の危険物に該当することとなる。
【0026】次に、液体を塗布した後にオーブンで加熱
する方法について説明する。自動車バンパー等の樹脂成
形体を適当な大きさ、例えば3mm角以上に粗粉砕す
る。樹脂成形体をそのまま用いることもできるが、この
場合、刃物やレーザー光線によって塗膜にメッシュ状に
切り傷を付け、剥がれ易くしておく。粉砕した樹脂成形
体に、液体を塗布する。塗布方法としては、タンブラー
を利用しても、または適当な容器に粉砕品と薬剤溶液を
入れて、振とうしてもよい。液体の使用量は、粉砕品1
0gに対し、0.1g以上、好ましくは1g以上であ
る。
【0027】液体を付着させた樹脂粉砕品を40〜20
0℃、好ましくは60〜180℃、特に好ましくは80
〜180℃で加熱する。加熱時間は、1分以上、好まし
くは3分以上である。加熱温度が200℃を超えると、
ポリプロピレン等の樹脂が溶融し、塗膜の剥離に支障が
ある。塗膜の剥離後、樹脂粉砕品に液体が残存している
場合、好ましくは100℃以上の温度で加熱し、液体を
蒸発させる。
【0028】以上のようにして剥離させた塗膜を、樹脂
から分離させて回収するには、(1)水中で塗膜と樹脂
を比重差分離させ、下に沈む塗膜を回収する、(2)細
かく破砕された塗膜をメッシュで分離する、(3)風に
飛ばされやすい塗膜を、送風して分離する、(4)本発
明の液体の液槽中で塗膜と樹脂を比重差分離させて、上
に浮かぶ樹脂を回収した後、液体を加熱して蒸発させ、
残る塗膜を回収する、のいずれかの方法を用いる。回収
した樹脂は、溶融して押し出し、切断し、ペレットとし
てリサイクル用原料とする。
【0029】
【実施例】以下の実施例において、図1及び図2に示す
ような実験装置を用いた。図1は、樹脂成形体(樹脂粉
砕品)から塗膜を剥離させる実験装置である。樹脂粉砕
品1を含有する液体2を入れたビーカー6を、加熱機能
付きスターラー4の上に載置する。攪拌子3を回転させ
ながら、ビーカー6を加熱する。温度計5で温度を確認
しつつ、塗膜の剥離状態を観察する。
【0030】図2は、塗膜を剥離させた後の樹脂粉砕品
を乾燥させる実験装置である。塗膜の剥離処理を終え、
液体が付着した樹脂粉砕品14を、オーブン11内の金
網13に載せる。温度調節器12でオーブン11内の温
度を上昇させる。オーブン11内で蒸発した液体は、モ
ーター16で駆動されたファン17によって、排気ダク
ト15、及び冷却水Aで冷却された還流冷却器18内を
通り、回収液20としてガラス容器19内に回収され
る。
【0031】実施例1 実施例1は、樹脂成形体を準水系の液体に浸漬させ、加
熱した例である。200ミリリットルのビーカーに、イ
ソプレン系グリコールエーテルを主成分とする液体
(「ファイントップJ610」(クラレ社製))50ミ
リリットルと、約10mm角に粉砕した樹脂成形体(ポ
リプロピレン製)の粉砕品10gを入れ、加熱機能付き
スターラーで120rpmで攪拌しながら、加熱した。
【0032】温度が上昇して75℃となった時点で、粉
砕品の表面の塗膜が軟化し始め、塗膜の一部が剥離し
た。90℃となった時点で、塗膜がほとんど剥離した。
この間、蒸発した水分を補うため、時々、湯を補給し
た。温度は、90〜95℃程度に保った。なお、別の実
験で、80℃に加熱した液体に樹脂を添加すると、5分
30秒以内に塗膜が剥がれ落ちることがわかっている。
具体的には、ファイントップJ210は、テストピース
2×3cmの塗膜を5分9秒で剥離させ、ファイントッ
プJ610は、4分24秒で剥離させた。攪拌を止める
と、粉砕品から塗膜が剥離した樹脂(ポリプロピレン
片)が、液体の上部に浮き、塗膜が、ビーカーの底に沈
澱した。
【0033】樹脂を回収し、80〜100℃で30分以
上、加熱したところ、樹脂の表面に付着していた液体
は、蒸発し、樹脂上には残留しなかった。なお、別の実
験で、200℃前後(180〜220℃)で乾燥させれ
ば、5分以内に液体を蒸発させることができることがわ
かっている。
【0034】実施例2 実施例2は、樹脂成形体を準水系の液体中に浸漬させ、
加熱と共に超音波処理を行った例である。100ミリリ
ットルのビーカーに、イソプレン系グリコールエーテル
を主成分とする液体(商品名「ファイントップJ61
0」(クラレ社製))10gと、約10mm角に粉砕し
た樹脂成形体(ポリプロピレン製)の粉砕品1.5gを
入れ、室温(23℃)で超音波にかけた。用いた超音波
機は、卓上型超音波洗浄器(B−42H型,発振周波数
37kHz,超音波出力125W,ヒーター140W,
電流100A、3.2A;日本エマルソン株式会社製)
である。
【0035】超音波にかけながら、液体の液温を上げた
ところ、温度が40℃に達した時点で、樹脂成形体の表
面上の塗膜の剥離が始まった。その後、15分経過した
時点で、ほとんどの樹脂が剥離した。軽く攪拌すると、
塗膜と樹脂が分離した。液体の上部に浮上した樹脂を回
収し、80〜100℃で30分以上、オーブンで乾燥さ
せると、樹脂の表面の液体が蒸発した。
【0036】比較例1 液体の液温を室温(23℃)に保つ他は、実施例2と同
様にして実験を行なった。超音波をかけてから15分経
過後、樹脂成形体の裏面部の薄い塗膜が、一部剥離した
ものの、表面部の厚い塗膜は、変化がなく、さらに数時
間経過しても変化がなかった。
【0037】実施例3 実施例3は、樹脂成形体に準水系の液体を塗布し、加熱
した例である。自動車用バンパー(ポリプロピレン製)
を3mm角以上に粗粉砕し、粉砕品10gに液体(ファ
イントップJ610)1gを塗布した。塗布は、容器に
粉砕品及び液体を入れて、振とうすることによって行な
った。表面に液体の付着した粉砕品を、オーブンの中に
入れ、80℃で15分、加熱した。5分で塗膜が軟化
し、一部が剥離した。15分後、全ての塗膜を除去する
ことができた。加熱後、薬匙を用いて、緩やかに攪拌
し、粉砕品の塗膜を完全に剥離させた。樹脂に付着した
液体を、100℃に加熱し、蒸発させた。乾燥した樹脂
に送風し、樹脂と塗膜を分離させた。
【0038】
【発明の効果】本発明の方法によれば、オートクレーブ
等を有しない開放系の低コストの設備を用いて、常圧で
連続的に樹脂成形体上の塗膜を剥離させることができ
る。塗膜を剥離させた樹脂を水洗処理する必要がなく、
また、塗膜の剥離に用いる液体を回収して再利用するこ
とができる。また、準水系の液体を用いた場合、加熱に
よって蒸発するものは水分のみであるため、作業者に害
を及ぼすおそれがない。また、水を加えながら加熱すれ
ば、温度が100℃以上にならず、樹脂を溶融させるお
それがない。超音波処理を行う場合、40〜50℃の加
熱温度で20分以内に塗膜を剥離させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂成形体の塗膜を剥離させる実験装置を示す
図である。
【図2】塗膜の剥離後の樹脂成形体を乾燥させる実験装
置を示す図である。
【符号の説明】
1 樹脂粉砕品 2 液体 3 攪拌子 4 スターラー 5 温度計 6 ビーカー 11 オーブン 12 温度調節器 13 金網 14 樹脂粉砕品 15 排気ダクト 16 モーター 17 ファン 18 還流冷却器 19 ガラス容器 20 回収液 A 冷却水

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面が塗膜で被覆された樹脂成形体に、
    イソプレン系グリコールエーテルを含有する液体を付着
    させ、40℃以上の温度で加熱することを特徴とする樹
    脂成形体の塗膜の剥離方法。
  2. 【請求項2】 上記液体が、引火点がなく、水分含有率
    が15重量%以上の準水系の液体である請求項1に記載
    の樹脂成形体の塗膜の剥離方法。
  3. 【請求項3】 上記液体が、引火点が40℃以上で、沸
    点が190℃以下の非水系の液体である請求項1に記載
    の樹脂成形体の塗膜の剥離方法。
  4. 【請求項4】 上記付着が、上記樹脂成形体を上記液体
    中に浸漬させることによって行われ、かつ、浸漬後に4
    0〜200℃で加熱して塗膜を剥離させた後、100℃
    以上の温度を保持して上記液体を蒸発させて回収する請
    求項1に記載の樹脂成形体の塗膜の剥離方法。
  5. 【請求項5】 加熱と同時にまたは加熱後に、攪拌処理
    を行って、塗膜を剥離させる請求項4に記載の樹脂成形
    体の塗膜の剥離方法。
  6. 【請求項6】 上記液体の水分含有率を15重量%以上
    に保持するために、水を補充しつつ加熱を行う請求項2
    に記載の樹脂成形体の塗膜の剥離方法。
  7. 【請求項7】 加熱と同時に、樹脂成形体の超音波処理
    を行う請求項1に記載の樹脂成形体の塗膜の剥離方法。
  8. 【請求項8】 上記付着が、上記液体を上記樹脂成形体
    に塗布することによって行われる請求項1〜請求項3の
    いずれかに記載の樹脂成形体の塗膜の剥離方法。
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