JPH1068024A - アルミニウムスクラップのリサイクル方法 - Google Patents

アルミニウムスクラップのリサイクル方法

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JPH1068024A
JPH1068024A JP8539597A JP8539597A JPH1068024A JP H1068024 A JPH1068024 A JP H1068024A JP 8539597 A JP8539597 A JP 8539597A JP 8539597 A JP8539597 A JP 8539597A JP H1068024 A JPH1068024 A JP H1068024A
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憲一 上杉
Toshimitsu Takahashi
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Koichi Osada
耕一 長田
Kenji Osumi
研治 大隅
Tomoji Takahashi
知二 高橋
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和久 藤沢
Minoru Fukuda
実 福田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面に塗料やコーティング材等の被膜が形成
されたアルミニウムスクラップの上記被膜を効率的に除
去することのできるアルミニウムスクラップのリサイク
ル方法を提供する。 【解決手段】 使用済みのアルミニウム製飲料缶に施さ
れた被膜を除去してアルミニウムスクラップをリサイク
ルする方法において、アルミニウム製飲料缶を裁断して
アルミニウム片とする裁断工程と、上記アルミニウム片
を剥離液に浸漬しながら、該アルミニウム片に機械的剥
離力を付与してアルミニウム片から上記被膜を除去する
被膜剥離工程を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用済みのアルミ
ニウム製飲料缶(以下、アルミ缶と略す)に代表される
アルミニウムスクラップの表面に施された被膜を除去し
てアルミニウムスクラップをリサイクルする方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】アルミニウムまたはアルミニウム合金
は、軽量性,耐食性,熱伝導性等に優れていることか
ら、アルミ缶をはじめ、アルミニウム製ラミネート材,
アルミニウム製建材(アルミニウムサッシ等),アルミ
ニウム製車輌部品(パネル材やボディ材等)などとして
種々の製品に汎用されている。例えばアルミ缶のボディ
材としてはJIS3004系アルミニウム合金が用いら
れており、これらのアルミニウム材料は近年まで使用後
に廃棄されることが一般的であったが、最近では資源の
有効利用や環境の保全という観点から、アルミ缶は積極
的に回収されて再利用される様になってきており、現在
ではその回収率が60%以上に達したという報告もあ
る。
【0003】しかしながら、一般に上記アルミ缶の外表
面にはポリエステル系樹脂材料に塗料で印刷が施されて
おり、また内表面にもエポキシ樹脂製の被膜が形成され
ていることから、下記の理由によりアルミ缶のリサイク
ルが必ずしも効率的なものとはなっていなかった。即
ち、上記の様な被膜が形成されたままアルミ缶を溶解さ
せると、被膜中の塗料が発熱して溶湯酸化を促進し溶解
歩留が低下したり、塗料中の顔料として含まれるチタン
化合物等がアルミニウム(合金)溶湯中に混入すること
により不純物元素の量が増大してしまうという問題等が
あった。さらには溶解工程において被膜中の樹脂材料が
ガス状等の有害成分を発生するので作業環境の面からも
好ましくないものであった。
【0004】この様に、アルミ缶表面の被膜に起因して
種々の問題が引き起こされていることから、これまで下
記の様にして被膜を除去する方法が提案されている。 燃焼による熱的除去方法(焙焼法) 予めアルミニウムの溶解温度以下でアルミ缶を加熱する
ことにより、アルミ缶表面の被膜を燃焼させる方法であ
り、この方法によれば溶湯中での被膜の燃焼がないため
溶解歩留りは向上する。しかしながら、溶解工程に先立
ち別の場所において被膜を燃焼することにより有害成分
が発生することに変わりはなく、しかも塗料中に顔料と
して含まれるTiO2 や燃焼かすはそのままアルミ缶表
面に残存してしまう。
【0005】機械的除去方法 例えば鉄球等を用いてショットブラストを行うことによ
り、アルミ缶から被膜を機械的に除去する方法(特公平
7−61611号等)が知られている。この方法によれ
ば、ほとんどの被膜を除去することができ、被膜を燃焼
するものでもないので有害成分の発生も防止できるが、
その反面、ショットブラストにより高エネルギーで鉄球
とアルミ缶が衝突する際に、鉄球が摩耗し粉末としての
鉄粉がアルミ缶へ不純物元素として混入するという問題
点が指摘されており、またアルミ缶内面に施された被膜
の除去も困難であった。
【0006】焙焼法及び機械的除去方法の併用 前記焙焼法により被膜を燃焼させた後、剪断力等を利用
する装置等により被膜の燃焼かすやTiO2 をアルミ缶
から機械的に除去する方法も提案されている。但し、被
膜除去の原理は主として燃焼であることから被膜燃焼時
に有害成分が発生するという点は解決されておらず、し
かも焙焼法と機械的除去方法の併用は、コストがかかり
過ぎるので積極的な導入がなされていなかった。
【0007】この様に、これまで提案された技術では必
ずしもアルミニウムのリサイクルが効率的に行われるも
のではなく、アルミ缶等のアルミニウムスクラップから
被膜を効率的に除去できる方法が要望されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に着
目してなされたものであって、表面に塗料やコーティン
グ材等の被膜が形成されたアルミニウムスクラップの上
記被膜を効率的に除去することのできるアルミニウムス
クラップのリサイクル方法を提供しようとするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明とは、使用済みのアルミニウム製飲料缶に施された被
膜を除去してアルミニウムスクラップをリサイクルする
方法であって、アルミニウム製飲料缶を裁断してアルミ
ニウム片とする裁断工程と、上記アルミニウム片を剥離
液に浸漬しながら、該アルミニウム片に機械的剥離力を
付与してアルミニウム片から上記被膜を除去する被膜剥
離工程を有することを要旨とするものであり、上記被膜
剥離工程に先立って、アルミニウム片の付着液分を除去
する乾燥若しくは水洗・乾燥工程を設けることが推奨さ
れる。
【0010】尚、上記被膜剥離工程の実施に際しては、
上記アルミニウム片を回転自在な円筒型メッシュ籠に装
入し、上記メッシュ籠の一部を剥離液中に浸漬した状態
で上記メッシュ籠を回転させることにより被膜の分離・
除去を行うことが推奨される。
【0011】また、上記被膜剥離工程の後、前記メッシ
ュ籠の一部を洗浄液中に浸漬した状態で該メッシュ籠を
回転させることにより前記アルミニウム片を洗浄する洗
浄工程を設けることも望ましいが、被膜剥離工程に次い
で上記洗浄工程を設ける場合には、被膜剥離工程または
洗浄工程のいずれかの工程では、メッシュ籠を回転させ
ずに単に剥離液または洗浄液の中に浸漬するだけでも良
い。
【0012】前記被膜剥離工程及び/又は洗浄工程で生
成した被膜片をフィルタによって分離し、上記剥離液及
び/又は洗浄液を循環使用しても良い。更に、前記被膜
剥離工程及び/又は洗浄工程の後、洗浄液の蒸気によっ
てアルミニウム片を洗浄する蒸気洗浄工程を設け、また
前記洗浄工程及び/又は蒸気洗浄工程の後、アルミニウ
ム片の乾燥工程を設けても良い。
【0013】前記アルミニウム片の乾燥工程の後に、風
力により前記被膜を分離する被膜除去工程や、アルミニ
ウム片の水洗及び乾燥を行う水洗・乾燥工程を設けても
良く、その後そのままで或いはブリケットにした後、大
気溶解して鋳造すればアルミニウム鋳塊を得ることがで
きる。
【0014】前記剥離液としては、ハロゲン系溶剤,低
級アルコール及び酸を主成分とする溶液であって、ハロ
ゲン系溶剤の含有量が70〜85 vol%,低級アルコー
ルの含有量が10〜20 vol%であるを用いることが推
奨される。上記剥離液としては更に界面活性剤及び/又
は蒸発防止剤を含有させても良い。上記ハロゲン系溶剤
としては、塩化メチレン,トリクレン,パークレンより
なる群から選ばれる1種または2種以上を用い、上記低
級アルコールとしてはメタノールを用い、上記酸成分と
しては蟻酸を用いるか、或いは蟻酸及びハロゲン化酢酸
を用いれば良い。また前記洗浄液として、前記剥離液を
用いるか、或いは上記ハロゲン系溶剤を用いても良い。
【0015】尚、本発明のリサイクル方法に用いられる
アルミニウムスクラップは上記アルミニウム缶に限定さ
れるものではなく、アルミニウム缶に代えて、アルミニ
ウム箔に印刷層が形成されたアルミニウム製ラミネート
材を用いても良く、被膜が施されたアルミニウム製建材
またはアルミニウム製車輌部品を用いても良い。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明者らは、後述する剥離液に
よる化学的剥離効果と、適当な大きさに裁断したアルミ
ニウム片同士の摩擦による機械的剥離効果を湊合するこ
とにより、従来技術と比べて極めて効果的にアルミニウ
ム片から被膜を除去する技術を開発した。
【0017】図1は、本発明のリサイクル方法を採用す
る場合の代表的な工程フローを示す説明図であり、まず
図1に基づいて一連の概略工程を説明した後、各工程を
詳述する。
【0018】[I]裁断工程:使用済みアルミ缶をシュ
レッダー1により適当な大きさに裁断してアルミニウム
片とする。 [II]被膜剥離工程:上記アルミニウム片は回転自在な
円筒型メッシュ籠2に装入され、例えば図2に示す方法
等により、メッシュ籠2の一部が剥離液2aに浸漬した
状態で回転される。メッシュ籠内のアルミニウム片は籠
内面に常時付着したまま回転することがない様に、メッ
シュ籠の回転は適度な速度に制御されており、アルミニ
ウム片は上方まで上がった後で落下した際に互いに擦れ
合うことにより機械的剥離力が付与される。従って、剥
離液2aに浸漬されて被膜に化学的剥離力が加えられた
後、さらに機械的剥離力が付与されて被膜はアルミニウ
ム片から剥離される。
【0019】[III]洗浄工程:次にアルミニウム片は洗
浄液3aに浸漬されることにより、アルミニウム片から
剥離した被膜片が分離される。この時に、被膜剥離工程
と同様にメッシュ籠を回転させても良い。
【0020】[IV]蒸気洗浄工程:加熱手段4aにより
洗浄液を蒸発させることによりアルミニウム片表面の蒸
気洗浄が行われ、被膜片の分離・除去が促進される。蒸
気は上部に配設された冷却手段4bにより冷却され液体
となり下方に落下して回収される。 [V]乾燥工程:アルミニウム片は加熱されて乾燥され
ると共に、洗浄液がアルミニウム片に付着したまま処理
装置外へ搬出され、滅失することを防止する。
【0021】以上の[II]〜[V]の工程は、2重扉を
有して外部との気密性が配慮された処理装置6の内部で
行われることが望ましい。アルミニウム片は上記メッシ
ュ籠に装入されたまま搬送され、乾燥工程まで夫々の処
理が施される。その後は、必要によりアルミニウム片を
プレスして溶解し、所望によりアルミ合金の成分を調整
して鋳造し、各種のアルミ材料とすれば良い。
【0022】以下、各工程ごとに本発明を詳細に説明す
る。 [I]裁断工程 まず、アルミ缶を裁断して適当な大きさのアルミニウム
片とすることが必要である。アルミ缶を裁断することに
より、アルミ缶内面の被膜面にも剥離液が接触し易くな
って、両面の被膜の除去が容易となる。またアルミ缶の
ままでは缶内部に侵入した剥離液を容易には回収できな
いが、裁断することにより上記剥離液の回収に関しても
有利となる。
【0023】更にアルミ缶は細かく裁断することによ
り、みかけ比重を大きくできる。従って、アルミ缶は約
2分の1以下に裁断することが望ましい。実測による
と、例えばアルミニウム片を裁断しないままのみかけ比
重は約0.04kg/lであるのに対して、20等分し
たアルミニウム片のみかけ比重は約0.14kg/lと
なる。従って、アルミニウム片がメッシュ籠の網目から
外に出ない範囲で可及的に小さくすることにより、みか
け比重を大きくすれば装置サイズを小さくすることがで
き、装置及びリサイクル処理ラインのコンパクト化も図
ることができる。
【0024】尚アルミ缶を50分の1程度に裁断した場
合には、裁断後のアルミニウム片の大きさは約20mm
角程度となる。但し、これ以上細かく裁断してアルミニ
ウム片が小さくなると、アルミニウム片同士のこすれ効
果が小さくなり、機械的な剥離効果が低下する。また、
アルミニウム片を投入するメッシュ籠の網目幅を小さく
することが必要となる(例えば約10mm以下)ので、
メッシュ籠の網目にアルミニウム片より剥離した被膜片
が付着し易くなり、剥離液の循環が悪くなって、剥離効
率が低下する。以上の理由により、アルミ缶は1/2〜
1/50程度の大きさに裁断することが望ましく、1/
10〜1/20程度の大きさに裁断すればより望まし
い。
【0025】アルミ缶を裁断してアルミニウム片とする
にあたっては公知のシュレッダーを用いれば良く、2軸
剪断型,1軸剪断型,ハンマ型等のシュレッダーから、
アルミニウム片の大きさや処理量等によって適宜選択す
れば良い。尚、回収されたアルミ缶には、1個ずつが独
立して存在する所謂バラ缶の場合と、複数のアルミ缶が
圧縮されてブリケットとなった所謂プレス缶の場合があ
る。プレス缶の場合は大型のシュレッダーを用いて裁断
してもよいが、衝撃を加えることにより再度バラ缶の状
態に戻して裁断しても良い。
【0026】裁断されたアルミニウム片には、アルミ缶
の内容物の液分が付着していることが一般的であり、そ
のまま次の被膜剥離工程へ持ち込むと剥離液に混入し、
剥離液の寿命が短くなってしまうので、乾燥工程を設け
て水分を蒸発させるか、或いは水洗・乾燥工程を設けて
上記液分を除去することが望ましい。アルミニウム片の
乾燥は、加熱炉等を用いて行えば良いが、加熱温度が高
過ぎると被膜が変性して被膜剥離工程での剥離が困難な
るので注意が必要である。被膜としては、通常アルミ缶
の外表面にはポリエステル系樹脂が用いられ、内表面に
はエポキシ樹脂が用いられているので、これらの材料が
熱的に変質しない温度で加熱して水分を除去することが
望ましい。上記加熱温度としては、250℃以下である
ことが必要であり、180℃以下が好ましく、150℃
以下であればより好ましい。
【0027】[II]被膜剥離工程 次に、上記アルミニウム片に施されている被膜を剥離液
に浸漬することにより化学的に剥離すると共に、機械的
剥離力を付与して被膜の除去を行う。アルミニウム片に
機械的剥離力を付与する方法としては、上記アルミニウ
ム片を回転自在な円筒型メッシュ籠に装入し、該メッシ
ュ籠の一部を剥離液中に浸漬した状態で上記メッシュ籠
を回転させることが極めて有効な方法として推奨され
る。
【0028】アルミニウム片をメッシュ籠内に装入する
量としては、アルミニウム片がメッシュ籠を占有する容
積率(以下、占有率という)で10〜60%の範囲とす
ることが望ましい。上記占有率が10%未満の場合で
は、アルミニウム片同士のこすれによる機械的剥離効果
が不十分となる。しかもメッシュ籠を必要以上に大きく
するか、或いはアルミニウム片の処理量を少なくしなく
てはならず生産効率が低下する。一方アルミニウム片の
占有率が60%を超えると、メッシュ籠内におけるアル
ミニウム片の移動が拘束されてしまい、外壁に押しつけ
られたまま回転するアルミニウム片が発生し易くなり、
アルミニウム片同士のこすれによる機械的剥離効果が不
十分となる。しかも、剥離された被膜片がアルミニウム
片に付着して残存し易くなる。図3は、アルミニウム片
の占有率と後述する被膜除去率との関係を示すグラフ
(実線)である。上記占有率が10〜60%の範囲とな
る様に、アルミニウム片をメッシュ籠に装入すれば被膜
除去率が70%以上となり好ましいことが分かる。
【0029】また、アルミニウム片を装入したメッシュ
籠を浸漬する容積率(以下、浸漬率という)は10〜4
0%の範囲が好ましい。上記浸漬率が40%を超える
と、メッシュ籠の回転力に対する抵抗となると共に、ア
ルミニウム片同士のこすれによる機械的剥離効果が減少
する。一方前記浸漬率が10%未満では、アルミニウム
片の全体に亘って剥離液が行きわたらず化学的剥離効果
が低減する。図3のグラフには、上記浸漬率と被膜除去
率との関係(点線)が併記してある。浸漬率が10〜4
0%の範囲であると被膜除去率は70%以上となり好ま
しいことが分かる。
【0030】剥離工程に用いる剥離液としては、ハロゲ
ン系溶剤,低級アルコール及び酸を主成分とする溶液を
用いることが推奨される。上記ハロゲン系溶剤として
は、塩化メチレン,トリクレン,パークレンよりなる群
から選ばれる1種または2種以上を用いれば良く、上記
低級アルコールとしてはメタノールを用い、上記酸成分
としては蟻酸を用いるか、或いは蟻酸及びハロゲン化酢
酸を用いることが好ましい。
【0031】上記組成の剥離液はアルミニウム片表面に
形成されている被膜の主成分である樹脂にハロゲン系溶
剤が侵入し樹脂を膨張・膨潤させる能力を有しており、
上記被膜は最大で自重の7倍の剥離液を吸収して膨潤・
軟化する。従ってアルミニウム片と被膜の間の密着力
を、上記剥離液の作用により膨潤する皮膜の膨張力が上
回ることにより被膜はアルミニウム片から剥離するもの
と考えられる。
【0032】剥離液の主溶剤としては、常温での蒸気圧
の高い溶媒、換言すれば分子量の小さい溶媒程剥離効果
が大きく、上記ハロゲン系溶剤が好ましい。上記ハロゲ
ン系溶剤の中でも、塩化メチレンが最も好ましいが、塩
化メチレンの代わりにトリクレンやパークレンを使用し
ても良く、剥離効果は塩化メチレンに比べて多少低下す
るものの、常温での蒸気圧が低いので蒸発による溶剤ロ
スを少なくすることができる。
【0033】また主溶剤であるハロゲン系溶剤は、含有
量が少な過ぎると十分な剥離効果が期待できず、一方多
過ぎると他の含有成分が相対的に少なくなり、剥離液と
しての総合的な化学的剥離効果を損なうので、含有量は
70 vol%以上85 vol%以下とすることが望ましい。
【0034】剥離液に加える低級アルコールは、被膜に
対する膨潤・軟化作用に直接影響を与えるものでなく、
むしろ剥離能力を低下させるが、促進剤である酸成分を
主溶剤のハロゲン系溶剤に溶解させる働きを有している
ため、低級アルコールを含有している剥離液の方が剥離
効果が大きい。但し、低級アルコールの含有量が少な過
ぎると十分な効果が期待されず、多過ぎても効果は飽和
するので10〜20 vol%とすることが望ましい。低級
アルコールとしてはメタノールを用いればよい。
【0035】また酸成分(蟻酸、ハロゲン化酢酸など)
は、主溶剤のハロゲン系溶剤の作用を促進させる効果を
有するので、3〜15%含有させることが望ましい。更
にその他の成分として、界面活性剤及び蒸発防止剤を含
有させても良い。
【0036】界面活性剤は、主溶剤及び促進剤等の表面
張力を低下させ、それらがアルミニウム片の表面の被膜
層に侵入し易くして、被膜層の界面張力を低下させる作
用並びに膨潤剥離した被膜層をアルミニウム片の表面か
ら分離除去する作用を有する。界面活性剤としては、非
イオン界面活性剤及びフッ素系界面活性剤の組合わせが
好ましい。上記界面活性剤の含有量としては、少な過ぎ
ると効果を発揮せず、多過ぎても効果が飽和するので、
0.1 vol%以上5 vol%以下とすることが望ましい。
【0037】但し、界面活性剤が付着したまま溶解を行
うと、溶解歩留りが低下してしまうことがあるので注意
が必要である。これは、溶解時に界面活性剤が燃焼して
発熱し、アルミニウム合金溶湯の酸化を促進させ、酸化
ロスを増大させると共に、除滓時に燃焼で生じた酸化膜
にアルミミウム合金溶湯が付着して炉外に持ち出される
ことから溶解歩留りが低下するものである。従って、高
い溶解歩留りを得る上では、溶解を行う前に水洗及び乾
燥工程を設けることが望まれる。また、このような水洗
及び乾燥工程を設けない場合には、燃焼し易い高分子系
の界面活性剤は用いないことが推奨される。
【0038】また蒸発防止剤は、剥離液の表面を被覆し
てハロゲン系溶剤の蒸発を防止する上で有効であり、
水,パラフィンまたは脂肪酸等炭化水素等を用いて、
0.1 vol%以上2 vol%以下の範囲で添加することが
望ましい。
【0039】[III]洗浄工程 アルミニウム片から剥離した被膜片を除去することを目
的としてアルミニウム片を洗浄液に浸漬することより洗
浄することが望ましい。この際に、メッシュ籠内のアル
ミニウム片を洗浄液に浸漬するだけでなく、被膜剥離工
程と同様にメッシュ籠を回転させればアルミニウム片同
士が擦れ合うことにより機械的剥離力を付与することも
でき、短時間で洗浄できるので望ましい。洗浄液として
は、前記剥離液またはハロゲン系溶剤を用いれば良い。
洗浄処理時間は、短過ぎると十分な除去効果が得られ
ず、長過ぎても効果は飽和するので、5〜10分間程度
を目安とすればよい。
【0040】[IV]蒸気洗浄工程 前記被膜剥離工程の後、或いは上記洗浄工程において浸
漬洗浄を行った後であっても、前記剥離液またはハロゲ
ン系溶剤の蒸気を用いてアルミニウム片を洗浄する蒸気
洗浄工程を設けることが望ましい。
【0041】この様な蒸気洗浄工程を設けることによ
り、全体としての洗浄時間を短縮することが可能であ
り、アルミニウム片が蒸気により加熱されることにもな
るので後工程での乾燥も容易である。また洗浄液の蒸気
は、蒸気洗浄室の上部に冷却管を設置して蒸気を冷却し
て凝縮させれば洗浄液を回収することができ好ましい。
【0042】[V]乾燥工程 蒸気洗浄を行う場合には、その余熱で乾燥することも可
能であるが、乾燥工程を設けて積極的に加熱すれば処理
時間を短縮できる。尚、アルミニウム片から剥離した被
膜(特に内面側の被膜)は、アルミニウム片が変形して
いると、その形状によっては(例えば折れ曲がり部等が
あると)被膜が引っかかって除去されていないことがあ
る。従って、上記乾燥工程の後に、風力による前記被膜
を分離する被膜除去工程を設けることが望ましい。この
様な被膜除去は、例えば乾燥工程後のアルミニウム片を
ベルトコンベアから搬送用容器等へ投入する際に送風す
ることにより行うことができる。
【0043】上述の洗浄工程後に設けられた乾燥工程や
被膜除去工程の後、そのままで或いはブリケットにした
後、大気溶解して鋳造すれば、アルミ合金を得ることが
可能である。尚、前述の通り、剥離液に高分子系の界面
活性剤等を含有させる場合には、溶解工程の前にアルミ
ニウム片の水洗を行い、その後乾燥する水洗・乾燥工程
を設けることが推奨される。但し、この工程において乾
燥が不十分で水洗時の水分が付着したまま溶解が行われ
ると、水蒸気爆発を起こす恐れがあるので、水洗後には
乾燥を十分に行うことが必要である。
【0044】本発明において、アルミニウム片から分離
された被膜片は、細片又は粉末状の固形物として剥離液
又は洗浄液中に含まれ、浮遊するか或いは沈澱する。剥
離液又は洗浄液と被膜片を分離するには、多穴体からな
るフィルター(図1の5参照)を用いてろ過すれば良
く、被膜片が除去された剥離液または洗浄液は夫々の工
程に戻して循環使用することが推奨される。上記フィル
ターとしては、処理能率とろ過能力を考慮して選定すれ
ばよいが、約30〜200μmのメッシュサイズとする
ことが適当である。
【0045】また分離された被膜片には、最大で被膜自
体の重量の約7倍の剥離液または洗浄液を含有すること
がある。従って、可及的に多量の剥離液又は洗浄液を回
収して再利用率を向上させるという観点から、剥離液ま
たは洗浄液で膨潤した被膜片を2気圧以上で加圧する
か、或いは0.5気圧以下で減圧することにより被膜片
に含まれる剥離液又は洗浄液を回収することが望まし
い。圧力は高過ぎても、低過ぎても効果は飽和するの
で、加圧する場合は20気圧を上限とし、減圧する場合
は0.15気圧を下限とすれば良い。
【0046】尚、本発明のリサイクル方法は、使用済の
アルミ缶のリサイクルに限定されるものではなく、表面
に塗料等の被膜が形成されたアルミニウムスクラップで
あれば適用でき、例えば上記アルミ缶に代えて、アルミ
ニウム箔に印刷層が形成されたアルミニウム製ラミネー
ト材や、高分子材料により被膜が施されたアルミニウム
製建材(アルミニウムサッシ等)、塗装等による塗膜が
形成されたアルミニウム製自動車部品(パネル材やボデ
ィ材等)などに適用することもできる。いずれのアルミ
ニウムスクラップであっても、用いるメッシュ籠の網目
幅に応じ適当な大きさに裁断してアルミニウム片とし、
前記剥離液に浸漬しながら機械的剥離力を付与すれば効
率的なアルミニウムスクラップのリサイクルが可能とな
る。アルミニウム製ラミネート材については、裁断せず
にロール状態のまま処理液に浸漬し、アルミニウム箔と
印刷層に連続的に分離することもできる。
【0047】以下、本発明を実施例によって更に詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもの
ではなく、前・後記の主旨に徴して設計変更することは
いずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0048】
【実施例】実施例1 剥離液の組成と、被膜除去度合の関係を調べることを目
的として、メタノール及び蟻酸の含有率を調整し、以下
の剥離試験を行った。まず2軸剪断型シュレッダーを用
いて使用済みアルミ缶を1/10〜1/20程度の大き
さのアルミニウム片に裁断し、回転自在な円筒型メッシ
ュ籠に占有率50%でアルミニウム片を装入し、剥離液
に30%浸漬して10分間メッシュ籠を回転させること
により被膜を剥離させた。次に洗浄液として塩化メチレ
ンを用いて10分間の回転洗浄及び10分間の蒸気洗浄
を行い、常温で10分間の乾燥処理を行った。
【0049】被膜除去度合いは目視にて以下の様に判定
して評価した。結果は、その後溶解して測定した溶解歩
留りと共に表1に示す。 ○:ほぼ剥離した △:約50%剥離した ×:ほとんど剥離せず
【0050】
【表1】
【0051】No.1〜3ではいずれもほとんどの被膜
が剥離していた。溶解歩留りは、リサイクル材の被膜除
去度合いに起因しており、90%以上が望ましく、N
o.1〜3の溶解歩留りは全て90%以上を示してい
る。No.4〜8は、剥離液中のメタノールまたは酸成
分(蟻酸+ハロゲン化酢酸)が少な過ぎるか、或いは、
多過ぎる場合の例であり、No.1〜3の実施例と比べ
て溶解歩留りが低下していることが分かる。
【0052】実施例2 また被膜片の付着状況と、洗浄時間及び洗浄方法の関係
を調べることを目的として、実施例1のNo.1と同様
にして被膜を剥離した後、表2に示す条件で洗浄した。
結果は表2に併記する。
【0053】
【表2】
【0054】洗浄時間は、回転洗浄の場合では5分間以
上が好ましく、浸漬洗浄の場合は10分間以上が好まし
いことが分かる。
【0055】実施例3 洗浄方法として蒸気洗浄方法を採用した場合の被膜片の
付着状況と、蒸気洗浄時間の関係を調べることを目的と
して、実施例1のNo.1と同様にして被膜を剥離・洗
浄した後、表3に示す条件で蒸気洗浄した。結果は表3
に併記する。
【0056】
【表3】
【0057】洗浄方法として、蒸気洗浄を用いる場合で
も、5分間以上の洗浄時間で被膜片を除去できることが
分かる。
【0058】実施例4 洗浄工程後の乾燥工程における望ましい条件を調べるこ
とを目的として、蒸気洗浄の有無、加温(雰囲気温度4
0℃)の有無、乾燥時間を変えてメッシュ籠を回転させ
ながら乾燥した後の濡れの状況を調べた。結果は下記の
とおり評価したものであり、表4に示す。 ○:濡れなし △:少し濡れ有り ×:濡れ有り
【0059】
【表4】
【0060】短時間で乾燥するには、蒸気洗浄を行い、
かつ加温することが望ましいことが確認できる。
【0061】実施例5 使用済みアルミ缶の被膜を除去したリサイクル材料を用
いることが、アルミニウムの溶解歩留りに与える影響
と、不純物であるTiの含有率に及ぼす影響を、以下の
様にして調べた。
【0062】溶解炉としては、前炉付き重油たき反射炉
(20t)を用いた。リサイクルするアルミニウム材料
(以下、リサイクル材という)としては、使用済みのア
ルミ缶を本発明のリサイクル法により被膜を約70%以
上除去してプレス加工を施したブリケット(1m×1m
×1m)を使用した。上記リサイクル材を溶解するにあ
たっては、まず純度99.7%のアルミニウム地金を7
20℃で大気溶解して下湯とし、これに上記ブリケット
を0〜100%の配合率で投入し、溶湯中に押し込んで
溶解させた。このブリケットが完全に溶解した後、溶湯
表面に浮上しているスラグの表面に、除滓用フラックス
(フォセコジャパン製JDR1183)を溶湯重量の
0.02wt%添加して、フラックスと滓を十分撹拌
し、発熱反応を起こさせた後、溶湯表面の滓をレーキに
より炉外へ排出して除滓した。
【0063】得られたアルミ溶湯の量を測定して、溶解
歩留り(投入したリサイクル材及びアルミニウム地金の
合計量に対する溶解後に得られたアルミニウム量の比
率)を算出した。
【0064】また回転羽根式灰絞り機を用い、除滓した
滓から灰絞り法によりアルミニウム分を回収してその量
を測定し、投入したリサイクル材及びアルミニウム地金
の合計量に対する回収率を算出した。
【0065】結果は、被膜を剥離していないリサイクル
材を用いた場合と共に、表5に示す。尚、表中の溶解歩
留とは、リサイクル材を100%使用した場合の比率に
換算したものである。次に、除滓後のアルミ溶湯に、灰
絞りにより得られたアルミ溶湯を加えたアルミ溶湯中の
Ti含有率を測定した。結果は表5に併記する。
【0066】
【表5】
【0067】本発明のリサイクル方法により被膜を剥離
したリサイクル材を用いることにより、溶解歩留りが大
幅に向上することが分かる。尚、被膜を剥離していない
リサイクル材を用いると、灰絞りにより得られたアルミ
溶湯中のTi含有率が高く、除滓後のアルミ溶湯に加え
るとTi含有率が0.03%を超えるので、アルミ缶の
ボディ材にはリサイクルすることができなかった。本発
明のリサイクル方法により被膜を剥離したリサイクル材
を用いれば、Ti含有率を0.03%以下と制御できる
ことが分かる。
【0068】実施例6 剥離液中の界面活性剤や水洗・乾燥工程の有無と溶解歩
留りの関係を調べることを目的として、実施例1と同様
にして、溶解歩留りを測定した。結果は表6に示す。
尚、界面活性剤としては非イオン界面活性剤を用い、剥
離液中に1vol %含有させ、水洗は約5分間流水中に浸
漬することにより行い、その後の乾燥はロータリーキル
ン内で行った。
【0069】
【表6】
【0070】剥離液に界面活性剤を用いて水洗・乾燥を
行わない場合(No.32)には、本発明に係る被膜剥
離を行わない場合(No.31)と比較して、溶解歩留
りの向上効果は小さいが、水洗・乾燥を行うと(No.
33)90%を超える高い溶解歩留りが得られた。ま
た、水洗・乾燥を行わない場合(No.34)には、剥
離液に界面活性剤を含有させないことにより高い溶解歩
留りが得られることが分かる。
【0071】実施例7 裁断工程と被膜剥離工程の間に行う乾燥工程における加
熱温度が、アルミ缶の内面に形成された被膜に与える影
響を調べることを目的として、大気加熱炉内の加熱温度
を100℃から300℃の範囲で種々変えて被膜の変化
を調べた。評価は目視判断で以下の様に行った。結果は
表7に示す。 ○:変化なし △:一部または全体が変色 ×:燃焼
【0072】
【表7】
【0073】いずれアルミ缶の被膜も150℃以下の範
囲では燃焼することなく水分を除去することができた。
【0074】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されているの
で、表面に被膜が形成されたアルミスクラップの被膜を
効率的に除去することのできるアルミスクラップのリサ
イクル方法が提供できることとなった。
【0075】更に、本発明のリサイクル方法によれば被
膜を剥離したリサイクル材を用いることにより溶解歩留
を大幅に向上させることができ、また除滓後のアルミ溶
湯に灰絞りにより得られるアルミ溶湯を加えてもTi含
有率を0.03%以下に抑制することができるので、ア
ルミ缶のボディ材にリサイクルすることが可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリサイクル法を採用する場合の代
表的な工程フローを示す概略説明図である。
【図2】剥離工程の一例を示す概略説明図である。
【図3】アルミニウム片の占有率と被膜除去率との関
係、及び浸漬率と被膜除去率との関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 シュレッダー 2 メッシュ籠 2a 剥離液 3a 洗浄液 4a 加熱手段 4b 冷却手段 5 フィルター 6 処理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22B 21/00 B09B 5/00 C (72)発明者 長田 耕一 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所高砂製作所内 (72)発明者 大隅 研治 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 高橋 知二 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 藤沢 和久 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 福田 実 福岡県粕屋郡久山町大字久原2800番地の1 福岡アルミ工業株式会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用済みのアルミニウム製飲料缶に施さ
    れた被膜を除去してアルミニウムスクラップをリサイク
    ルする方法であって、 アルミニウム製飲料缶を裁断してアルミニウム片とする
    裁断工程と、 上記アルミニウム片を剥離液に浸漬しながら、該アルミ
    ニウム片に機械的剥離力を付与してアルミニウム片から
    上記被膜を除去する被膜剥離工程を有することを特徴と
    するアルミニウムスクラップのリサイクル方法。
  2. 【請求項2】 上記被膜剥離工程に先立って、アルミニ
    ウム片の付着液分を除去する乾燥若しくは水洗・乾燥工
    程を有する請求項1に記載のリサイクル方法。
  3. 【請求項3】 上記被膜剥離工程の実施に際し、上記ア
    ルミニウム片を回転自在な円筒型メッシュ籠に装入し、
    上記メッシュ籠の一部を剥離液中に浸漬した状態で上記
    メッシュ籠を回転させることにより被膜の分離・除去を
    行う請求項1または2に記載のリサイクル方法。
  4. 【請求項4】 上記被膜剥離工程の後、前記メッシュ籠
    の一部を洗浄液中に浸漬した状態で該メッシュ籠を回転
    させることにより前記アルミニウム片を洗浄する洗浄工
    程を有する請求項3に記載のリサイクル方法。
  5. 【請求項5】 前記被膜剥離工程及び/又は洗浄工程で
    生成した被膜片をフィルタによって分離し、上記剥離液
    及び/又は洗浄液を循環使用する請求項1〜4のいずれ
    かに記載のリサイクル方法。
  6. 【請求項6】 前記被膜剥離工程及び/又は洗浄工程の
    後、洗浄液の蒸気によってアルミニウム片を洗浄する蒸
    気洗浄工程を有する請求項4または5に記載のリサイク
    ル方法。
  7. 【請求項7】 前記洗浄工程及び/又は蒸気洗浄工程の
    後、アルミニウム片の乾燥工程を有する請求項4〜6の
    いずれかに記載のリサイクル方法。
  8. 【請求項8】 前記アルミニウム片の乾燥工程の後、風
    力により前記被膜を分離する被膜除去工程を有する請求
    項7に記載のリサイクル方法。
  9. 【請求項9】 前記アルミニウム片の乾燥工程及び/又
    は上記被膜除去工程の後、アルミニウム片の水洗及び乾
    燥を行う水洗・乾燥工程を有する請求項7または8に記
    載のリサイクル方法。
  10. 【請求項10】 請求項7の乾燥工程,請求項8の被膜
    除去工程または請求項9の水洗・乾燥工程のいずれかの
    工程の後、そのままで或いはブリケットにした後、大気
    溶解して鋳造する請求項7〜9のいずれかに記載のリサ
    イクル方法。
  11. 【請求項11】 前記剥離液として、ハロゲン系溶剤,
    低級アルコール及び酸を主成分とする溶液を用いる請求
    項1〜10に記載のリサイクル方法。
  12. 【請求項12】 前記剥離液として、更に界面活性剤及
    び/又は蒸発防止剤を含有する請求項11に記載のリサ
    イクル方法。
  13. 【請求項13】 上記ハロゲン系溶剤が、塩化メチレ
    ン,トリクレン,パークレンよりなる群から選ばれる1
    種または2種以上である請求項11または12に記載の
    リサイクル方法。
  14. 【請求項14】 上記低級アルコールがメタノールであ
    り、上記酸成分が蟻酸であるか、或いは蟻酸及びハロゲ
    ン化酢酸である請求項11〜13のいずれかに記載のリ
    サイクル方法。
  15. 【請求項15】 前記洗浄液として、前記剥離液または
    ハロゲン系溶剤を用いる請求項11〜14に記載のリサ
    イクル方法。
  16. 【請求項16】 アルミニウム缶に代えて、アルミニウ
    ム箔に印刷層が形成されたアルミニウム製ラミネート材
    を用いる請求項1〜15のいずれかに記載のリサイクル
    方法。
  17. 【請求項17】 アルミニウム缶に代えて、被膜が施さ
    れたアルミニウム製建材を用いる請求項1〜15のいず
    れかに記載のリサイクル方法。
  18. 【請求項18】 アルミニウム缶に代えて、被膜が施さ
    れたアルミニウム製車輌部品を用いる請求項1〜15の
    いずれかに記載のリサイクル方法。
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