JP3500778B2 - X線診断装置 - Google Patents

X線診断装置

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JP3500778B2
JP3500778B2 JP15832595A JP15832595A JP3500778B2 JP 3500778 B2 JP3500778 B2 JP 3500778B2 JP 15832595 A JP15832595 A JP 15832595A JP 15832595 A JP15832595 A JP 15832595A JP 3500778 B2 JP3500778 B2 JP 3500778B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、医用X線診断装置、
特に、X線照射手段とX線像検出手段が相互に対向する
ように配置された支持アームとX線像検出手段の後段に
配設された画像表示手段とを備え、支持アームの移動を
行いながらX線照射手段により被検体に対してX線照射
を行う一方、X線照射に伴ってX線像検出手段から出力
される映像信号に基づき被検体の透視X線像が画像表示
手段に表示されるようになっているX線診断装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】医療現場では、X線診断装置を使用する
ことにより得られる患者(被検体)の各種の透視X線像
が、適切な診断・治療を行う上で極めて有用なものとな
っている。透視X線像の具体的例としては、例えば、造
影剤を用いた臓器(肝臓など)血管の透視X線像(いわ
ゆる血管造影透視像)が挙げられる。図9,10は、そ
れぞれX線透視の行えるタイプの従来のX線診断装置の
要部の概略構成を模式的にあらわしており、また、図1
2も、X線透視の行えるタイプの従来の他のX線診断装
置の要部の概略構成を模式的にあらわしている。以下、
これらの図を参照しながら従来のX線診断装置を説明す
る。
【0003】図9のX線診断装置は、X線管(X線照射
手段)91と、イメージインテンシファイヤ(I.I
管)およびTV撮像管などを具備するX線像検出器(X
線像検出手段)92とが、相互に対向した状態で上下に
配置されている。透視X線像を得る場合、図11に示す
ように、インジェクタ等より造影剤を患者95に注入す
るとともに、造影剤の注入開始の直ぐあと続いて患者9
5に対してX線管91によるX線照射を開始する。X線
照射の開始に伴ってX線像検出器92から出力される映
像信号に基づいて、X線像検出器92の後段に設けられ
た表示モニタ(図示省略)上には、患者95の透視X線
像が映し出される。
【0004】図10のX線診断装置は、X線管91とX
線像検出器92が相互に対向した状態で上下に配置され
ているとともに、同じような構成のX線管93とX線像
検出器94が対向した状態で左右に配置されており、上
下と左右の2方向にX線撮像機構がそれぞれ配設された
かたちとなっている。透視X線像を得る場合、やはり図
11に示すように、インジェクタ等より造影剤を患者9
5に注入するとともに、造影剤の注入開始の直ぐあと続
いて患者95に対してふたつのX線管91,93による
X線照射を同時に開始する。X線照射の開始に伴ってX
線像検出器92,94から出力される映像信号に基づ
き、X線像検出器92,94の後段に設けられたふたつ
の表示モニタ(図示省略)のそれぞれには、上下方向か
ら見た患者95の透視X線像と左右方向から見た患者9
5の透視X線像とが、同時に映し出されることになる。
【0005】図12のX線診断装置は、X線管91とX
線像検出器92が円弧状支持アーム(C形支持アーム)
97に相互に対向するように配置されていて、この支持
アーム97が円弧の周方向に沿って往復移動することが
できるという構成になっている。透視X線像を得る場
合、図13に示すように、インジェクタ等より造影剤を
患者95に注入するとともに、造影剤の注入開始の直ぐ
あと続いて患者95へX線管91によるX線照射および
支持アーム97の回転移動を同時に開始する。X線照射
の開始に伴ってX線像検出器92から出力される映像信
号に基づき、X線像検出器92の後段に設けられた表示
モニタ(図示省略)上には、連続的に変化する支持アー
ム97の回転位置に対応した角度から見た患者95の透
視X線像が連続的に映し出されてゆくこととなる。
【0006】以上のようにして、表示モニタの画面上の
透視X線像には、造影剤の注入によりくっきりとした明
瞭なかたちで患者の血管が映し出されていて、医師は容
易に病状が把握できるため、疾患の発見や患部の治療な
どに大いに威力を発揮することになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
X線診断装置は、立体感の乏しいX線透視であるという
問題がある。立体感に富むX線透視の場合、多数の血管
の前後関係の把握が容易であるので疾患による病変が見
つけ易かったりして、診断がより迅速かつ的確なものと
なる。
【0008】図9のX線診断装置によるX線透視の場
合、上下方向のみから見た完全な平面画像であり、立体
感がない。そして、図10のX線診断装置のX線透視の
場合、上下方向から見たX線画像の他に左右方向から見
たX線画像もあるけれども、直交する2方向から見た2
枚のX線画像だけから直観的に立体感をイメージするに
は、高度な熟練を要したりして、立体感に富むというレ
ベルには至らない。
【0009】また、図12に示すX線診断装置のX線透
視の場合には、図9,10の装置による場合と比べる
と、広い角度範囲にわたるX線画像が得られることにな
る結果、かなり立体感をもって透視が行えるということ
は言えるが、それでも十分とまでは言えない。例えば、
肝臓血管の造影透視を図12のX線診断装置で行う場
合、支持アーム97の回転方向(走査方向)と直交する
方向、つまり走査方向と直角の方向に走る血管は立体的
な感じの観察ができても、支持アーム97の回転方向
(走査方向)、つまり走査方向と平行の方向に走る血管
は立体的な感じの観察が行えない。以下、この点を模擬
的なモデルとして示す図14および図15を参照しなが
ら説明する。
【0010】支持アーム97に設置したX線像検出器9
2は眼に例えることが出来るから、その場合、X線像検
出器92を走査するということは、眼を走査方向に走ら
せるということと同じことになる。図14(a)に示す
ように、眼100(つまりX線像検出器92)を走査方
向である上下に位置A1→位置A2→位置A3と走らせ
る場合、上下に走る二本の血管m,nがある(つまり走
査方向と平行の方向に走る血管がある)とすると、二本
の血管m,nのいずれが手前にあるのか判定することは
無理である。なぜなら、眼100が位置A1にある時
は、眼100には二本の血管m,nは図14(b)に示
す画像として映り、眼100が位置A2にある時も、眼
100には二本の血管m,nは図14(c)に示す画像
として映り、そして、眼100が位置A3にある時もま
た、眼100には二本の血管m,nは図14(d)に示
す画像として映り、結局、眼100の位置が変わっても
眼100に映る各画像には何ら差がないため、二本の血
管m,nが等距離のところにあるように見えてしまい、
一向に立体感がもてないままとなるのである。
【0011】これに対し、図15(a)に示すように、
眼100を走査方向である上下に位置B1→位置B2→
位置B3と走らせる場合、左右に走る二本の血管s,t
がある(つまり走査方向と直角の方向に走る血管があ
る)とすると、二本の血管s,tのいずれが手前にある
のか判定することが出来る。なぜなら、血管s,tのい
ずれが手前にあるかによって眼100に映る画像が異な
るからである。血管sが血管tより手前にある場合、眼
100が位置B1にある時は、眼100には二本の血管
s,tは図15(b)に示す画像として映り、眼100
が位置B2にある時は、眼100には二本の血管s,t
は図15(c)に示す画像として映り、そして、眼10
0が位置B3にある時は、眼100には二本の血管s,
tは図15(d)に示す画像として映る。
【0012】逆に血管tが血管sより手前にある場合、
眼100が位置B1にある時は、眼100には二本の血
管s,tは図15(e)に示す画像として映り、眼10
0が位置B2にある時は、眼100には二本の血管s,
tは図15(f)に示す画像として映り、そして、眼1
00が位置B3にある時は、眼100には二本の血管
s,tは図15(g)に示す画像として映る。このよう
に、眼100に映る画像のあいだに血管sが血管tの遠
近の違いに対応した差があるならば、二本の血管s,t
の遠近をイメージしつつ立体感に富むX線透視が行え、
その結果、血管の病変が見つけやすい。
【0013】この発明は、上記の事情に鑑み、立体感に
富むX線透視を行うのに好適な実用性の高いX線診断装
置を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明は、このような
目的を達成するため、次のような構成をとる。すなわ
ち、請求項1記載の発明に係るX線診断装置は、(1
a)被検体を挟んでX線照射手段とX線像検出手段とが
相互に対向するように配置された支持アームと、(1
b)被検体を仰臥させたときの体軸方向をZ方向、肩幅
方向をX方向、被検体の表裏を鉛直に貫く方向をY方向
とした場合に、支持アームをZ軸周りに回転させる動き
と、支持アームをX軸周りに回転させる動きとを個別に
行わせるアーム移動手段と、(1c)X線像検出手段の
後段に配設される画像表示手段と、(1d)前記X線照
射を開始すると同時に、前記アーム移動手段に対して、
支持アームをZ軸周りに回転させる動きと、支持アーム
をX軸周りに回転させる動きとを同時進行させる移動制
御部とを備え、(1e)前記アーム移動手段により、前
記支持アームのZ軸周りの回転とX軸周りの回転とを同
時に進行させながら、前記X線照射手段から被検体に対
してX線照射を行うとともに、このX線照射に伴って前
記X線像検出手段から出力される映像信号に基づき、前
記支持アームの移動によって得られる被検体の多方向か
らの透視X線像を画像表示手段に表示させ、(1f)か
つ、前記支持アームをZ軸周りに回転させる動きは、a
・sint(但し、aは振幅、tは時間のパラメータ)
であり、(1g)前記支持アームをX軸周りに回転させ
る動きは、b・cost(但し、bは振幅、tは時間の
パラメータ)であり、(1h)前記2つの動きの振幅
a、bを同じ振幅、または、異なる振幅に設定してある
ことを特徴とするものである。請求項2記載の発明に係
るX線診断装置は、(2a)被検体を挟んでX線照射手
段とX線像検出手段とが相互に対向するように配置され
た支持アームと、(2b)被検体を仰臥させたときの体
軸方向をZ方向、肩幅方向をX方向、被検体の表裏を鉛
直に貫く方向をY方向とした場合に、支持アームをZ軸
周りに回転させる動きと、支持アームをZ軸に沿って直
線的に移動させる動きとを個別に行わせるアーム移動手
段と、(2c)X線像検出手段の後段に配設される画像
表示手段と、(2d)前記X線照射を開始すると同時
に、前記アーム移動手段に対して、支持アームをZ軸周
りに回転させる動きと、支持アームをZ軸に沿って直線
的に移動させる動きとを同時進行させる移動制御部とを
備え、(2e)前記アーム移動手段により、前記支持ア
ームのZ軸周りの回転とZ軸に沿った直線的な移動とを
同時に進行させながら、前記X線照射手段から被検体に
対してX線照射を行うとともに、このX線照射に伴って
前記X線像検出手段から出力される映像信号に基づき、
前記支持アームの移動によって得られる被検体の多方向
からの透視X線像を画像表示手段に表示させることを特
徴とするものである。請求項3記載の発明に係るX線診
断装置は、(3a)被検体を挟んでX線照射手段とX線
像検出手段とが相互に対向するように配置された支持ア
ームと、(3b)被検体を仰臥させたときの体軸方向を
Z方向、肩幅方向をX方向、被検体の表裏を鉛直に貫く
方向をY方向とした場合に、支持アームをY軸(鉛直
軸)周りに回転させる動きと、支持アームをX軸周りに
回転させる動きとを個別に行わせるアーム移動手段と、
(3c)X線像検出手段の後段に配設される画像表示手
段と、(3d)前記X線照射を開始すると同時に、前記
アーム移動手段に対して、支持アームをY軸周りに回転
させる動きと、支持アームをX軸周りに回転させる動き
とを同時進行させる移動制御部とを備え、(3e)前記
アーム移動手段により、前記支持アームのY軸周りの回
転とX軸周りの回転とを同時に進行させながら、前記X
線照射手段から被検体に対してX線照射を行うととも
に、このX線照射に伴って前記X線像検出手段から出力
される映像信号に基づき、前記支持アームの移動によっ
て得られる被検体の多方向からの透視X線像を画像表示
手段に表示させることを特徴とするものである。
【0015】
【作用】この発明の作用は次のとおりである。この発明
のX線診断装置の場合、支持アームは、X線照射の方向
の変化が3次元での変化となるような動きが出来る。そ
して、支持アームにおけるX線照射の方向変化が3次元
での変化となる動きは、支持アームの相異なる動きの少
なくとも二つを同時進行させることにより行われる。X
線照射の方向変化が3次元での変化であるということ
は、X線像検出手段の透過X線の検出方向の変化が3次
元での変化であり、これは、被検体を見る向きが3次元
という多方向にわたるということを意味する。したがっ
て、このX線診断装置のX線透視は被検体をより多くの
方向からみることになって、立体感に富むX線透視が出
来ることになる。従来装置の場合、X線照射の方向変化
が1次元または2次元での変化に止まり、被検体を見る
向きが多方向にわたるというわけではないため、立体感
に富むX線透視にならなかったのである。
【0016】また、支持アームにおける上記X線照射の
方向変化が3次元での変化となる動きは、支持アームの
相異なる動きの少なくとも二つを同時進行させることに
より行われるものであるため、支持アームの相異なる個
々の動き単独でのX線照射の方向にはない向き、つまり
死角となっていたような角度からもX線照射がなされる
ことにもなり、この結果、新たな視点から見たX線透視
が行えることになり、より適切なX線透視であるという
ことも言えるのである。
【0017】さらに、この発明のX線診断装置を実施す
る場合、支持アームの相異なる動きの少なくとも二つを
同時進行させる構成であれば事足りる。つまり、支持ア
ームの相異なる動きを組み合わせるだけで、この発明の
実施が実現できるため、従来の装置構成に複雑かつ大が
かりな改変を行うような必要はないことから、この発明
は、実施がすこぶる容易である。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照しながら、この発明の一実
施例を説明する。図1は、実施例にかかるX線診断装置
全体の要部構成をあらわす概略図である。まず、X線診
断装置の構成を説明し、そのあとX線透視動作の説明を
行う。
【0019】−X線診断装置の構成− 実施例のX線診断装置1では、X線管(X線照射手段)
2とイメージインテンシファイヤ(I.I管)およびT
V撮像管などを具備するX線像検出器(X線像検出手
段)3とが相互に対向するように配置された円弧状の支
持アーム(C形支持アーム)4を備えていて、この支持
アーム4に種々の動きを行わせながら、X線管2により
検診台6の上の患者(被検体)7に対しX線照射を行う
一方、このX線照射に伴ってX線像検出器3から出力さ
れる映像信号に基づき、患者7の透視X線像を表示モニ
タ(画像表示手段)55の上に表示するようになってい
る。以下、X線診断装置1の各部の構成を具体的に説明
する。
【0020】X線管2とX線像検出器3が設置された支
持アーム4は、撮像中心であるアイソセンターOを中心
として互いに直交するX,Y,Zの各軸について次の3
つの動きが個別に行える構成となっている。すなわち、
第1の動きは、矢印R1で示すようにX軸を回転軸とす
る正逆回転移動であって、X線管2とX線像検出器3が
X軸のまわりを正逆回転することになる。第2の動き
は、矢印R2で示すようにZ軸を回転軸とする正逆回転
移動であって、X線管2とX線像検出器3がZ軸のまわ
りを正逆回転することになる。第3の動きは、矢印R3
で示すようにZ軸方向に沿う直線的往復移動であって、
X線管2とX線像検出器3もZ軸方向に直線的往復移動
することになる。
【0021】支持アーム4にこれら第1〜3の三つの動
きを個別に行わせることができるのは、次のような装置
構成となっているからである。つまり、支持アーム4
は、アーム保持腕部11に円弧の周方向に沿って往復移
動可能に保持されるとともに、このアーム保持部11が
支持アーム4ごとX軸を回転軸として回転可能に懸垂腕
部12に保持される一方、懸垂腕部12がアーム保持部
11ごとZ軸方向に直線移動可能に上方から吊設されて
いる。
【0022】支持アーム4とアーム保持腕部11のあい
だには、ラック26とピニオン27およびモータ28な
どからなる回転移動機構21が設けられている。この回
転移動機構21はラック・ピニオン式の機構ではなくベ
ルト式の機構でもよい。アーム保持腕部11と懸垂腕部
12とのあいだには、回転モータ29を具備する回転移
動機構22が設けられており、また、懸垂腕部12の上
方はレール式の直線往復移動機構23が設けられてい
る。
【0023】レール式の直線往復移動機構23は、天井
にZ軸方向に沿って平行に架設された二本のレール3
1,32と同レール31,32に沿って動く往復移動体
33を備えており、この往復移動体33の下面に懸垂腕
部12の上面を取り付けることにより懸垂腕部12が吊
設されていて、往復移動体33の動きに連動して懸垂腕
部12が動くようになっている。そして、往復移動体3
3の側面の車輪34がレール31,32の溝に嵌まり込
む一方、レール31,32に沿ってエンドレスに掛け渡
されたチェーン35に往復移動体33が取り付けられて
いて、回転モータ36の回転に伴うチェーン35の動き
に連れて往復移動体33がレール31,32沿いに引か
れて走る仕組みになっている。もちろん、回転モータ3
6の回転方向を変えれば往復移動体33の移動方向が変
わる。チェーン35の代わりにベルトを用いてもよい。
【0024】そして、支持アーム4の動きを司るモータ
28,29,36の駆動態様は、操作部61で設定され
る。操作部61での設定に従って、移動制御部62から
出力される制御信号により各モータ28,29,36
は、単独で回転駆動されたり、複数のモータが同時平行
的に回転駆動されたりすることになる。したがって、X
線診断装置1の場合は、アーム移動手段が、回転移動機
構21、回転移動機構22、レール式の直線往復移動機
構23、操作部61および移動制御部62からなること
になる。
【0025】一方、X線照射に伴ってX線像検出器3か
ら出力される映像信号は、アナログ信号の状態で増幅部
51で増幅されたあとAD変換部52へ送られてディジ
タルビデオ信号に変換される。そして、ディジタルビデ
オ信号は、AD変換部52の後段に設けられた信号処理
部53で信号処理されたあと画像用データとして画像信
号メモリ部54へ格納されるとともにTVモニタなどの
表示モニタ55へX線透視像として表示される。なお、
信号処理部53で行われる信号処理の種類としては、差
分(サブトラクション)処理、ノイズ低減フィルタ処
理、画像強調処理(コントラスト強調処理)などが挙げ
られる。血管造影透視を行う場合、造影剤注入前の画像
と造影剤注入後の画像を引き算して、血管のみの画像を
得るサブトラクション処理が有用である。また、画像信
号メモリ部54へ格納されたデータは随時に読みだして
表示モニタ55にX線透視再生画像として表示すること
ができることは言うまでもない。なお、X線照射系に関
しては、操作部61で設定されたX線照射条件に従っ
て、X線管制御部63がX線管2の照射をコントロール
するという通常の構成となっている。
【0026】−X線透視動作− 続いて、上に説明した構成のX線診断装置により行う具
体的なX線透視について説明する。 〈X線透視例1〉図2はX線診断装置1により、患者の
X線透視を行うときの様子をあらわす。X線透視例1の
場合、図2にみるように、患者7を所定の位置に位置決
めしておいて、図3に示すように、患者7の傍に置かれ
たインジェクタ(図示省略)等より造影剤を患者7に注
入する一方、造影剤の注入開始の直ぐあとに続いて患者
7に対するX線管2によるX線照射を開始すると同時
に、操作部61での設定により支持アーム4に第1と第
2のふたつの動きを同時進行で開始する。
【0027】すなわち、支持アーム4は、矢印R1で示
されるX軸を回転軸とする回転移動と、矢印R2で示さ
れるZ軸を回転軸とする回転移動とを同時に行う(つま
り2軸制御を行う)のである。したがって、透視中は、
3個のモータのうち、モータ28,29が同時に回転し
ていることになる。その結果、X線管2とX線像検出器
3が、X軸のまわりを回転すると同時に又、Z軸のまわ
りをも回転することになる。もちろん、X線照射に伴っ
てX線像検出器3から出力される映像信号に基づき、患
者7の透視X線像が表示モニタ55の上に表示されると
ともに、画像信号メモリ54には透視画像が収集される
こととなる。
【0028】そして、図3に示すように、支持アーム4
の第1と第2のふたつの動きの速度については、a・s
intとa・costと同じ振幅で90°位相がずれた
状態となるように制御する(tは時間のパラメータであ
る)。この場合、X線管2とX線像検出器3の移動軌跡
は、図4(a)に示すように、真円C1,C2となる。
図4(b)は、図4(a)を真上から見た状態を示すも
のである。これを、アイソセンターOに向かうX線照射
の方向変化についてみると、図4(a)中の矢印T1〜
T4に示すように、明らかに3次元での変化であり、そ
の結果、X線透視は立体感に富むものとなる。なお、支
持アーム4の第1と第2のふたつの動きの速度につい
て、a’・sintとa’・costと縮小等振幅(a
>a’)とした場合、図4(a),(b)中に一点鎖線
で示すように、X線管2とX線像検出器3の移動軌跡
は、より径の小さな真円C4,C5となる。
【0029】〈X線透視例2〉X線透視例2の場合も、
上述したX線透視例1の場合と基本的に同じであるが、
ただ、図5に示すように、支持アーム4の第1と第2の
ふたつの動きの速度については、a・sintとb・c
ostと異なる振幅で90°位相がずれた状態となるよ
うに制御する(tは時間のパラメータである)。そうす
ると、X線管2とX線像検出器3の移動軌跡は、図6
(a)や図6(b)に一点鎖線で示すような真円C6で
はなく、図6(a)に実線で示す横長の楕円C7や、図
6(b)に実線で示す縦長の楕円C8となる。もちろ
ん、この場合も、X線照射の方向変化は3次元での変化
であるため、X線透視は立体感に富んだものとなる。
【0030】〈X線透視例3〉図7はX線診断装置1に
より、患者のX線透視を行うときの様子をあらわす。X
線透視例3の場合、図7にみるように、患者7を所定の
位置に位置決めしておいて、図8に示すように、インジ
ェクタ等より造影剤を患者7に注入する一方、造影剤の
注入開始の直ぐあと続いて患者7に対してX線管2によ
るX線照射を開始すると同時に、操作部61での設定に
より支持アーム4に第2と第3のふたつの動きを同時進
行で行う(つまり2軸制御を行う)。すなわち、X線管
2とX線像検出器3は、Z軸のまわりを回転すると同時
にZ軸に沿って直線的に移動することになる。したがっ
て、透視中は3個のモータのうち、モータ28,36が
同時に回転していることになる。もちろん、X線照射に
伴ってX線像検出器3から出力される映像信号に基づ
き、患者7の透視X線像が表示モニタ55で表示される
とともに、画像信号メモリ54には透視画像が収集され
ることになる。
【0031】そして、支持アーム4を矢印R2の方向に
少し回して支持アーム4を予め斜めにやや傾けたままの
状態で止めておいて、図8に示すように、支持アーム4
の第2の動きの速度については、a・sintとなるよ
うに制御し、支持アーム4の第3の動きの速度について
は一定となるように制御する(tは時間のパラメータで
ある)。こうする場合は、X線管2とX線像検出器3の
移動軌跡は、それぞれ、図7に示すように、螺旋C1
0,C11となる。これを、X線照射の方向変化につい
てみると3次元での変化であり、その結果、X線透視は
立体感に富むものとなる。
【0032】なお、実施例のX線診断装置1は、図9や
図12に示す従来装置と同じようなX線透視も、もちろ
ん行えるものであることは言うまでもない。すなわち、
支持アーム4を移動させずにX線管2とX線像検出器3
の両方を止めたままにして透視をすれば、図9に示す装
置による透視と同じことが行えるし、支持アーム4に第
2の動きだけをさせて透視をすれば、図12に示す装置
による透視と同じことが行える。
【0033】この発明は、上記実施例に限られるもので
はなく、例えば、以下のように変形実施することが可能
である。 (1) 実施例の装置において、図7に示すように、鉛
直軸Nのまわりに懸垂腕部12が回転できるようにもし
ておいて、直軸Nを回転軸として回転するときの支持ア
ーム4の動きと、X軸を回転軸として回転するときの支
持アーム4の動きの両方を同時進行させる(2軸同時制
御を行う)ことにより、やはり立体感に富むX線透視を
も行えるようにしたX線診断装置が、この発明の他の実
施例として挙げられる。
【0034】
【効果】以上の説明から明らかなように、この発明によ
れば、X線照射の方向変化が3次元での変化となるため
立体感に富むX線透視に非常に適するものとなる結果、
関心部位を立体的に把握することができ、治療・診断が
より適切に行える上、上記X線照射の方向変化を3次元
での変化とするのに必要な構成は、従来装置の大幅な改
変を行わずに実現できるものであるので、この発明の実
施は極めて容易である。
【0035】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のX線診断装置全体の要部構成をあらわ
す概略図である。
【図2】実施例装置によるX線透視時の様子を示す概略
斜視図である。
【図3】図2に示すX線透視時の各部の動作状況を示す
タイムチャートである。
【図4】X線管とX線像検出器の描く軌跡を示す説明図
である。
【図5】X線透視時の各部の動作状況を示すタイムチャ
ートである。
【図6】X線管とX線像検出器の描く軌跡を示す説明図
である。
【図7】実施例装置によるX線透視時の様子を示す概略
斜視図である。
【図8】図7に示すX線透視時の各部の動作状況を示す
タイムチャートである。
【図9】従来のX線診断装置の要部構成例を示す概略図
である。
【図10】従来のX線診断装置の要部構成例を示す概略図
である。
【図11】図9および図10の装置によるX線透視時の各
部の動作状況を示すタイムチャートである。
【図12】従来のX線診断装置の要部構成例を示す概略図
である。
【図13】図12の装置によるX線透視時の各部の動作状
況を示すタイムチャートである。
【図14】X線透視時の走査方向と平行に走る血管のX線
透視の様子を模擬的に示す説明図である。
【図15】X線透視時の走査方向と垂直に走る血管のX線
透視の様子を模擬的に示す説明図である。
【符号の説明】
1…X線診断装置 2…X線管(X線照射手段) 3…X線像検出器(X線像検出手段) 4…支持アーム 21…回転移動機構 22…回転移動機構 23…直線往復移動機構 55…表示モニタ(表示手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮本 渉 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式 会社島津製作所 三条工場内 (56)参考文献 特開 平4−51937(JP,A) 特開 平4−53537(JP,A) 実開 平1−69504(JP,U) 特公 平4−29379(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 6/00 A61B 6/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1a)被検体を挟んでX線照射手段と
    X線像検出手段とが相互に対向するように配置された支
    持アームと、(1b)被検体を仰臥させたときの体軸方
    向をZ方向、肩幅方向をX方向、被検体の表裏を鉛直に
    貫く方向をY方向とした場合に、支持アームをZ軸周り
    に回転させる動きと、支持アームをX軸周りに回転させ
    る動きとを個別に行わせるアーム移動手段と、(1c)
    X線像検出手段の後段に配設される画像表示手段と、
    (1d)前記X線照射を開始すると同時に、前記アーム
    移動手段に対して、支持アームをZ軸周りに回転させる
    動きと、支持アームをX軸周りに回転させる動きとを同
    時進行させる移動制御部とを備え、(1e)前記アーム
    移動手段により、前記支持アームのZ軸周りの回転とX
    軸周りの回転とを同時に進行させながら、前記X線照射
    手段から被検体に対してX線照射を行うとともに、この
    X線照射に伴って前記X線像検出手段から出力される映
    像信号に基づき、前記支持アームの移動によって得られ
    る被検体の多方向からの透視X線像を画像表示手段に表
    示させ、(1f)かつ、前記支持アームをZ軸周りに回
    転させる動きは、a・sint(但し、aは振幅、tは
    時間のパラメータ)であり、(1g)前記支持アームを
    X軸周りに回転させる動きは、b・cost(但し、b
    は振幅、tは時間のパラメータ)であり、(1h)前記
    2つの動きの振幅a、bを同じ振幅、または、異なる振
    幅に設定してあることを特徴とするX線診断装置。
  2. 【請求項2】 (2a)被検体を挟んでX線照射手段と
    X線像検出手段とが相互に対向するように配置された支
    持アームと、(2b)被検体を仰臥させたときの体軸方
    向をZ方向、肩幅方向をX方向、被検体の表裏を鉛直に
    貫く方向をY方向とした場合に、支持アームをZ軸周り
    に回転させる動きと、支持アームをZ軸に沿って直線的
    に移動させる動きとを個別に行わせるアーム移動手段
    と、(2c)X線像検出手段の後段に配設される画像表
    示手段と、(2d)前記X線照射を開始すると同時に、
    前記アーム移動手段に対して、支持アームをZ軸周りに
    回転させる動きと、支持アームをZ軸に沿って直線的に
    移動させる動きとを同時進行させる移動制御部とを備
    え、(2e)前記アーム移動手段により、前記支持アー
    ムのZ軸周りの回転とZ軸に沿った直線的な移動とを同
    時に進行させながら、前記X線照射手段から被検体に対
    してX線照射を行うとともに、このX線照射に伴って前
    記X線像検出手段から出力される映像信号に基づき、前
    記支持アームの移動によって得られる被検体の多方向か
    らの透視X線像を画像表示手段に表示させることを特徴
    とするX線診断装置。
  3. 【請求項3】 (3a)被検体を挟んでX線照射手段と
    X線像検出手段とが相互に対向するように配置された支
    持アームと、(3b)被検体を仰臥させたときの体軸方
    向をZ方向、肩幅方向をX方向、被検体の表裏を鉛直に
    貫く方向をY方向とした場合に、支持アームをY軸(鉛
    直軸)周りに回転させる動きと、支持アームをX軸周り
    に回転させる動きとを個別に行わせるアーム移動手段
    と、(3c)X線像検出手段の後段に配設される画像表
    示手段と、(3d)前記X線照射を開始すると同時に、
    前記アーム移動手段に対して、支持アームをY軸周りに
    回転させる動きと、支持アームをX軸周りに回転させる
    動きとを同時進行させる移動制御部とを備え、(3e)
    前記アーム移動手段により、前記支持アームのY軸周り
    の回転とX軸周りの回転とを同時に進行させながら、前
    記X線照射手段から被検体に対してX線照射を行うとと
    もに、このX線照射に伴って前記X線像検出手段から出
    力される映像信号に基づき、前記支持アームの移動によ
    って得られる被検体の多方向からの透視X線像を画像表
    示手段に表示させることを特徴とするX線診断装置。
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CN101969851B (zh) * 2008-04-14 2013-03-20 株式会社岛津制作所 X射线诊断装置
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