JP3500691B2 - ウエハエッチング方法 - Google Patents

ウエハエッチング方法

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JP3500691B2 JP05820394A JP5820394A JP3500691B2 JP 3500691 B2 JP3500691 B2 JP 3500691B2 JP 05820394 A JP05820394 A JP 05820394A JP 5820394 A JP5820394 A JP 5820394A JP 3500691 B2 JP3500691 B2 JP 3500691B2
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和夫 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置を製造する
工程におけるエッチング方法に関し、特にウエハをエッ
チングする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置の製造において半導体
材料のウエハをエッチング等で加工して作り上げていく
が、ウエハのエッチングは、エッチング液にウエハを浸
漬させる手法をとることが多く、この方法はバッチ処理
として一度に多数のウエハを処理できて便利である。し
かしその反面、エッチング液の攪拌方法やウエハの位置
によりウエハ面内のエッチング処理結果にばらつきが生
じ、さらにエッチング液の温度の変動や濃度ムラ、さら
にはエッチング液のウエハへの当たり方の方向性などの
差による影響が生じてウエハの厚さが不均一となり、エ
ッチングの品質管理に問題が残されている。エッチング
を均質化する試みとしては、ウエハを揺動する方法も考
えられている。このエッチングはもともと前工程で生じ
たラッピングなどのウエハの機械的損傷を化学反応によ
るエッチングでより平らにしようというもので、そこで
その点を解決するため、特開昭63-156324 号公報では、
前工程で生じたウエハ表面の機械的損傷部分を除去する
目的としてのエッチングで、エッチングを均一にするた
めウエハの支持部分によるエッチングの不均一さを無く
すため、エッチング液を上、下面からシャワ─状に噴射
し、ウエハを浮かせてエッチングする方法がとられてい
る。この方法は、エッチング液を噴霧させることで、よ
り均質なエッチングを行おうとするものである。これは
エッチング液が液滴状であることから、エッチングで生
じる反応気体が浸漬式に比べて速やかに除去され、新し
いエッチング液が次々に補充されるため、より均質なエ
ッチングが得られることによる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法では均一に
ウエハをエッチングできる。しかしながら、ウエハにダ
イヤフラムやカンチレバー等の構造体をエッチングで形
成する場合には、ウエハの片面を保護し、他の面からの
みエッチングする必要があり、上記の方法では形成でき
ない。またウエハの揺動も可能でないため、均質化する
試みが有効ではない。
【0004】従って本発明の目的は、均質なエッチング
性能を維持しつつ、ウエハにより機能的な構造を形成で
きるエッチングの方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め本発明の構成は、半導体装置を製造する工程で、エッ
チング液をシャワー状に噴霧させて半導体ウエハをエッ
チングするウエハエッチング方法において、該ウエハの
片面をウエハ保持手段で密着保持し、ウエハの他の面を
エッチング処理面として上向きに設置し、前記ウエハ保
持手段において、前記ウエハの前記エッチング処理面側
に掛かるカバーの高さを該エッチング面から 0.5mm 以下
として、前記ウエハの上側より複数のノズル穴から略垂
直にエッチング処理面の全面に均一にエッチング液を噴
霧してエッチングすることである。また関連発明の構成
、前記カバーが弾性体で構成されていることを特徴と
する。本発明の構成はまた、前記ウエハ保持手段をエッ
チング中に揺動すること、もしくはエッチング液を噴霧
させるシャワーノズルを揺動することを特徴とする。
【0006】
【作用】本発明は、ウエハを上向きに保持し、揺動さ
せ、エッチング液をシャワー状態としてウエハ上部から
複数のノズル穴から略垂直にエッチング処理面の全面に
均一にあてるシャワーエッチング方式によりエッチング
を実施することで、エッチング液がウエハ面全体に均質
に供給され、なおかつエッチング反応発生気泡が速やか
に除去されるため、ウエハ面内の厚さばらつきを低減で
き、ウエハの下面はエッチングされずに保護されたまま
の状態を保つことができる方法である。また、ウエハの
片面保護法として、樹脂による保護を行い、カバー高さ
を0.5mm 以下とすることで、ウエハにあたった後のエッ
チング液を速やかに流出するようにし、ウエハ面全体
に、均一に、新たなエッチング液が当たるようにする方
法である。
【0007】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説
明する。図1は、本発明によるウエハエッチング方法を
実施するシャワーエッチング装置の一実施例である。図
中、エッチング処理槽5内のシャワーノズル1はエッチ
ング液をシャワー状態とし、シャワーノズル穴2はシャ
ワー状態を制御する。である。エッチング液は、エッチ
ング液加熱貯槽9からエッチング液供給ポンプ7によ
り、シャワーノズル内がエッチング液で充満する圧力以
上でくみ上げられ、配管6を通って、すべてのシャワー
ノズル穴から均一にシャワー状態となって、ウエハ4の
上部から噴出する。ウエハ4は、エッチング処理面を上
側に向けられており、非処理面は、エッチング液が接触
しないようにウエハ保護材、治具3で覆われている。ウ
エハ4にあたったエッチング液はシャワー状態のため、
エッチング反応で発生する気泡は速やかに除去される。
ウエハ保護材、治具3に裏面を保護されたウエハ4は、
ウエハ揺動機構付保持板10により、表面に当たったエ
ッチング液がより均一に濡れるように揺動される。ウエ
ハ4にシャワー状態であたったエッチング液は、ウエハ
4から落下した後に処理槽5の下部に集まり、エッチン
グ液加熱貯槽8に戻る。
【0008】ウエハ保護材、治具3が取付けられたウエ
ハ揺動機構付保持板10の揺動方法として、ウエハ4を
回転するように揺らす円揺動の場合(図1のa))と、
左右(または前後)に揺らす縦横揺動の場合(図1の
b))とが考えられる。
【0009】図2は、上記構造の装置にて、82℃の38wt
%KOH水溶液を用いて、ウエハを約300 μm エッチングし
た後のウエハ面内の厚さばらつきを示したものである。
揺動無の場合、エッチング液からウエハに局所的にあた
るためウエハ面内の厚さばらつきは揺動有の場合と比較
して大きくなる。揺動有の場合、周期10回/分の円運動
と周期 5回/分の縦横運動とによるウエハ面内の厚さば
らつきの差は認められず同等の効果を有するが、揺動を
加えることでウエハ面内の厚さばらつきを約2.5 μm 以
下と、揺動の無い場合に比べて圧倒的な効果を有する。
【0010】図3は、従来の浸漬式のエッチングとの比
較で、浸漬式の場合でも攪拌がないとかなりのバラツキ
をもつが、浸漬させて攪拌することで均一さは向上して
いる。しかし本案ではさらに均一化されてより効果が出
ていることがわかる。
【0011】(第二実施例)ところで、ウエハ保護材、
治具3は上記のウエハ揺動機構付保持板10に設置され
るが、ウエハ4に掛かる部分は弾性体である樹脂で構成
され、ウエハを装着し易く、またウエハを傷付けないよ
うになっている。ウエハ4は裏面をエッチング液の浸透
を防ぐために、図4や図6に示されるように、ウエハ4
の外側および表側の周辺に保護材を当てて密閉するよう
に保持される。図4および図6のhで示される量をカバ
ー高さと呼ぶ。カバー高さhはウエハのエッチングしな
い片面および外周を保護しようとすると必然的に設けな
ければならない。このカバー高さがあると、エッチング
液をウエハ上に停滞させる原因となるために、エッチン
グの均一さに影響する。
【0012】図5は上記のカバー高さの影響を調べたも
ので、図1の装置にて、82℃の38wt%KOH水溶液を用い
て、約 300μmエッチングした場合のカバー高さに対す
るウエハ面内の厚さばらつきを示したものである。カバ
ー高さを小さくするほどウエハ面内の厚さばらつきが小
さくなり、カバー高さを0.5mm 以下とすることで約 2μ
m以下のウエハ面内の厚さばらつきが得られる。ここで
図6に示すウエハ保護治具では、治具の強度保持および
シール性の面からカバー高さを小さくすることは限度が
ある。そこで、図4に示すような保護樹脂を弾性体とし
て用いてウエハを保護すれば、充分にカバー高さを0.5m
m 以下とすることができる。例えば、弾性体がシリコー
ン樹脂であることを特徴とすれば、耐薬品性、シール性
も良好であり、ウエハ保護樹脂として適当である。
【0013】なお、保持されたウエハを上向きに設置す
る場合、ウエハ面にかかったエッチング液がウエハ上に
止まらないで確実に落ちるように、ウエハの上向きの角
度が水平よりわずかに傾いた角度を持つことを特徴とす
る場合も効果がある。こうすることによって、ウエハが
揺動されれば速やかにエッチング液は落下する。
【0014】ここの実施例で示した揺動の程度は、特に
効果が大きいということではなく、エッチング液に対し
て振動を与えることのできる揺動であれば、どのような
程度の揺動であっても効果は同様である。
【0015】
【発明の効果】本発明のウエハエッチング方法によれ
ば、図3、図5に示すように、従来の浸漬式に比較し
て、ウエハ面内の厚さばらつき低減効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエッチング方法を適用したシャワーエ
ッチング装置の概略図。
【図2】従来方法と本発明の方法との比較説明図。
【図3】従来方法と本発明の方法との比較説明図(その
2)。
【図4】ウエハの保持材、治具の一例をしめす断面説明
図。
【図5】カバー高さの依存性を示す説明図。
【図6】別のウエハ保持材、治具を示す断面説明図。
【符号の説明】
100 ウエハエッチング装置 1 シャワーノズル 3 ウエハ保護材、治具 4 ウエハ 10 ウエハ揺動機構付保持板 42 ウエハ保護樹脂(弾性体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 基樹 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−281729(JP,A) 特開 昭62−81715(JP,A) 特開 昭53−39228(JP,A) 特開 昭59−103344(JP,A) 特開 平7−29873(JP,A) 特開 平1−262639(JP,A) 特表 平5−509200(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/306 H01L 21/3063 H01L 21/308

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体装置を製造する工程で、エッチング
    液をシャワー状に噴霧させて半導体ウエハをエッチング
    するウエハエッチング方法において、 該ウエハの片面をウエハ保持手段で密着保持し、ウエハ
    の他の面をエッチング処理面として上向きに設置し、前記ウエハ保持手段において、前記ウエハの前記エッチ
    ング処理面側に掛かるカバーの高さを該エッチング面か
    0.5mm 以下として、 前記 ウエハの上側より複数のノズル穴から略垂直に前記
    エッチング処理面の全面に均一にエッチング液を噴霧し
    てエッチングすることを特徴とするウエハエッチング方
    法。
  2. 【請求項2】前記カバーが弾性体で構成されていること
    を特徴とする請求項1に記載のウエハエッチング方法。
  3. 【請求項3】前記ウエハ保持手段をエッチング中に揺動
    すること、もしくはエッチング液を噴霧させるシャワー
    ノズルを揺動することを特徴とする請求項1又は請求項
    に記載のウエハエッチング方法。
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