JP3500452B2 - アルミニウムの射出成形機 - Google Patents

アルミニウムの射出成形機

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、ビレットと称さ
れている成形材料を、溶融状態にてプランジャにより金
型に射出充填するアルミニウムの射出成形機に関するも
のである。 【0002】 【発明が解決しようとする課題】アルミニウムの成形方
法としては、先ずアルミニウムのインゴットを溶融し、
それからビレットと称されている棒状の成形材料を製作
し、そのビレットを目的とする成形品のボリュームに合
わせて一定の長さに切断したのち、それを加熱(例え
ば、580℃)により半溶融状態にしてから、ロボット
ハンド等を用いて射出スリーブに投入し、射出プランジ
ャにより金型に射出充填して成形品を得る、という連続
成形方法が知られている。 【0003】この従来法では、製造設備の都合からビレ
ットのサイズが、長さは同じでも直径が76.2mm(3
インチ)〜152.4mm(6インチ)のものに制限され
ている。 【0004】それに対し、加熱筒内の溶融材料をプラン
ジャにより射出する成形機では、射出スリーブの内径及
び射出プランジャの直径が、成形する製品のサイズによ
り種々異なり、ビデオカメラやMDプレーヤーなどの比
較的小型の筐体を成形する成形機では、射出スリーブの
内径が40mmか、それ以下であることから、市販のビレ
ットでは寸法が大きすぎて射出スリーブ内に入れること
ができないという課題を有する。 【0005】またこの解決としては、射出スリーブに適
合した小径のビレットを製造すればよいのであるが、そ
のようなビレットの需要が拡大されない限り、それは小
ロットのオーダーメイドとなって極めてコスト高の材料
となり、成形材料として使用し難いものとなる。またビ
レットを旋盤などにより加熱筒内径に適合するまで削っ
て使用することも考えられるが、削りくずは材料ロスと
なり、また切削にも時間を要するので、このような解決
策でも材料のコストアップは避けられない。 【0006】さらにまた、成形品のボリュームに合わせ
て、一定の直径と長さに切断したビレットを高周波誘導
加熱器を採用して加熱するには、そのサイズにあわせた
最適なコイルを準備しなければならない。このため成形
に使用する射出スリーブのサイズに合わせて何種類もの
誘導加熱コイルを準備し、最適加熱条件を把握しておく
ことは非常に費用と労力を要する、という課題をも有す
る。 【0007】誘導加熱コイルによる加熱についても、成
形品の取り出しに時間が掛かったり、色々な理由で成形
サイクルが変動することが多く、成形サイクルが変化す
ると誘導加熱コイルから受ける熱量が変化してビレット
温度が変化してしまうという問題がある。また一定長さ
のビレットを加熱しながら押出して成形する場合は、成
形とともに徐々にビレットの長さが短くなってくるの
で、このようにビレットサイズが変化すると、誘導加熱
コイルによる加熱に温度が変動し易いという課題を有す
る。 【0008】この発明は上記従来の課題を解決するため
に考えられたものであって、その目的は、ビレットを半
溶融時に射出スリーブの内径に適合した直径の成形材料
に整形することによって、既製サイズのビレットであっ
ても射出成形に支障なく使用することができる新たなア
ルミニウムの射出成形機を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的によるこの発明
は、分割金型を固定盤と可動盤の対向側面に取付けた型
締機構と、内径が同一径で後部上に材料受口を開設した
所要長さの射出スリーブに、射出用のプランジャを進退
自在に挿入し、そのプランジャを進退移動する射出シリ
ンダを射出スリーブ後部に備える射出機構と、アルミニ
ウムの成形材料として供給されるビレットを、後端開口
から収容可能な内径で先端にビレットの整形穴を有する
セラミックス又は非磁性体金属による加熱スリーブと、
その後部外周の高周波誘導加熱器と前部外周のバンドヒ
ータとによる加熱手段と、加熱スリーブ後部の駆動装置
に連結して加熱スリーブ内に進退自在に挿入したビレッ
トの押出部材と、その押出部材により押出整形された半
溶融状態のビレットを、一定寸法に裁断する加熱スリー
ブ先端面の摺動自在なカッタープレートとから構成した
材料整形供給装置とからなり、その材料整形供給装置
を、上記射出スリーブの材料受口に加熱スリーブ先端を
位置させて射出スリーブの上部に並設してなる、という
ものである。 【0010】 【発明の実施の形態】図中1は型締機構、2射出機構
で、それらは機台3の上面に対向設置されている。4は
材料整形供給装置で、射出機構2の上に設置してある。 【0011】上記型締機構1は、固定盤11に対し可動
盤12をタイバーにより支持して進退自在に設け、その
可動盤12と固定盤11との対向側面に固定金型13a
と可動金型13bとを、それぞれ断熱材14を介して取
付けた構造からなる。 【0012】上記射出機構2は、内径が同一径で後部上
に材料受口22が開設された所要長さの射出スリーブ2
1と、その内部に進退自在に挿入した射出用のプランジ
ャ23と、射出スリーブ21に連設してピストンロッド
24をプランジャロッド25に連結した射出シリンダ2
6とからなり、その射出シリンダ26を機台3の上面に
据え付けた支持台27に載置して、射出スリーブ先端が
上記固定金型13aの型閉面に達する所まで、固定盤1
1を貫通して位置するように水平に設けてある。 【0013】上記材料整形供給装置4は、アルミニウム
の成形材料として供給される棒状のビレット5を、後端
開口から収容可能な内径で先端にビレット5の整形穴4
2を有する加熱スリーブ41と、その加熱スリーブ41
に後端から進退自在に挿入した押圧部材43と、その押
圧部材43のロッド44にピストンロッド(図示せず)
を連結して、上記射出シリンダ26の上部に並行に設置
した油圧作動の押出用シリンダ45と、上記整形穴42
と同一の穴部を面内中央に穿設した加熱スリーブ41の
先端面の整形板46に、一対のガイド部材47,47を
設けて摺動自在に当接したビレット裁断用のカッタープ
レート48とからなる。このカッタープレート48の面
内には上記整形穴42と同一径の円形カッター49が穿
設してある(図2参照)。 【0014】なお、カッタープレート48は下縁が斜め
の切刃に形成されたものであってもよく、この場合に
は、切刃を整形穴42の上部に位置させてカッタープレ
ートをセットする。また図示のものは、上記押圧部材4
3の駆動装置として押出用シリンダ45を採用している
が、この駆動装置はサーボモータでもよく、この場合に
はナット部材により回転運動を押圧部材43の直線運動
に変換する周知のボールねじ軸を、上記ロッド44に替
えて押圧部材43に連結される。 【0015】上記加熱スリーブ41は、セラミック又は
非磁性体金属からなり、その外周にバンドヒータと高周
波誘導加熱器とによる加熱手段が設けてある。具体的に
はビレット挿入のために開口した後部外周に高周波誘導
加熱器51を取付け、それより前部の外周にバンドヒー
タ50を取付けて、高周波誘導加熱器51により半溶融
状態に加熱したビレットの保温を、バンドヒータ50に
より行うように構成している。 【0016】このような加熱スリーブ41を備える材料
整形供給装置4は、加熱スリーブ先端を上記材料受口2
2の上方に位置させて射出スリーブ21の上部に並設さ
れ、その加熱スリーブ先端面にて上記カッタープレート
48により所要肉厚にスライスされた整形ビレット52
が、自重により材料受口22に落ち込むようにしてあ
る。 【0017】上記カッタープレート48の駆動装置53
は、上記固定盤11の上に立設したスタンド部材54の
頂部の受板55に下向きに載置したエア又は油圧シリン
ダからなり、そのピストンロッド(図示せず)にカッタ
ープレート48をロッド56介して連結し、そのロッド
56と共に該カッタープレート48が所要寸法だけ上下
動するようにしてある。 【0018】このような構成の射出成形機において、既
存サイズのビレット5を、成形材料としてアルミニウム
の射出成形を行うには、先ず上記加熱スリーブ41に後
端開口からビレット5を挿入し、外周囲に備える加熱手
段によりビレット5を半溶融状態に加熱する。 【0019】この際の加熱温度は、580℃が最も好ま
しく、570℃以下では粘度が高すぎ(固い)てビレッ
ト5を押圧部材43により先端の整形穴42から押し出
すのに非常な力が必要になる。反対に590℃以上では
粘度が低すぎて棒状が維持されず、上記整形穴42から
流出するようになる。 【0020】このビレット5の加熱を、バンドヒータ5
0のみによる全体加熱で行うと、熱効率が低いためビレ
ット5の昇温が遅く成形開始までに時間が掛かる。成形
開始時間を短縮するには、外部で熱風炉や高周波誘導加
熱器を使ってハンドリングし易い温度、例えば560℃
に予備加熱してから、加熱スリーブ41に収容し、その
後にバンドヒータ50により580℃まで均一に加熱し
て、その温度を維持する必要がある。 【0021】しかし、ビレット5の加熱に高周波誘導加
熱器51とバンドヒータ50とを併用し、それらのコイ
ルをスリーブ外周に並列に設置した場合には、効率が高
い高周波誘導加熱器51によりビレット5が設定温度ま
で短時間で昇温し、その後はバンドヒータ50による保
温をもって、ビレット5を一定温度に維持することがで
きる。 【0022】このような加熱手段を備えた加熱スリーブ
41では、上記射出スリーブ21の内径が製品サイズか
ら40mmで、それに適合するビレット5として直径36
mmのものが要求されるとき、入手したビレット5が直径
76.2mm(3インチ)のものであつても、そのビレッ
ト5を、先端に36mmの整形穴42を有する加熱スリー
ブ41に後端開口から挿入しながら、高周波誘導加熱器
51により半溶融状態に加熱し、ビレット全体が設定温
度に加熱されて加熱スリーブ41に収まったのち、上記
押圧部材43の前進により半溶融状態のビレット5を先
方へ押圧するだけで、ビレット5の整形を行うことがで
きる。 【0023】押圧部材43に加圧されたビレット5の先
端部は、上記整形穴42から押し出されて、直径36mm
のビレット52に整形される。この場合、上記カッター
プレート48の面内の円形カッター49も整形穴42と
同様な直径にあって、整形穴42に重ねてセットされて
いるので、ビレット5の先端部は円形カッター49か
ら、上記射出スリーブ21の材料受口22の上方に突き
出ることになる。 【0024】またビレット5の押出寸法(例えば40m
m)は予め設定されているので、設定寸法だけ押し出さ
れたときに、上記カッタープレート48を下方へ摺動す
ると、円形カッター穴49が下方へずれてビレット5は
36mmに縮径された長さ40mmの上記整形ビレット52
となって材料受口22に落ち込み、その材料受口22の
後部まで後退しているプランジャ23の前面に収まる。
また整形穴42はカッタープレート48のプレート面に
より閉鎖されて余圧によるビレット5の押し出されが防
止される。 【0025】上記整形ビレット52は半溶融状態にある
ので、そのままプランジャ23を前進移動して、整形ビ
レット52を射出スリーブ21の先端まで送込むと、整
形ビレット52は押圧力により分割金型13a,13b
の型閉面に形成されたキャビティ13cに射出充填され
て成形品となる。 【0026】このような射出成形機では、射出スリーブ
21への整形ビレット52の投入を素早く行えるので、
冷却による固化前に射出充填を完了することができ、成
形品の品質も一定化する。また射出スリーブ21は温度
維持のために、図では省略したが、バンドヒーターによ
り加熱されて設定温度を維持し、整形ビレット52の冷
却固化を防止している。しかし、射出スリーブ21の温
度が高いとアルミニウムが溶着し易くなって射出充填が
困難になるので、その温度管理を確り行う必要があるこ
とはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】 【図1】 この発明に係わるアルミニウムの射出成形機
の略示断面図である。 【図2】 図1のA−A線における縦断正面図である。 【符号の説明】 1 型締機構 2 射出機構 3 機台 4 材料整形供給装置 5 ビレット 21 射出スリーブ 23 射出用のプランジャ 41 加熱スリーブ 42 整形穴 43 押圧部材 48 カッタープレート 49 円形カッター 50 バンドヒータ 51 高周波誘導加熱器 52 整形ビレット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−141411(JP,A) 特開 平11−104803(JP,A) 特開 平9−323146(JP,A) 国際公開98/033610(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 17/00,17/20,17/30

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 分割金型を固定盤と可動盤の対向側面に
    取付けた型締機構と、 内径が同一径で後部上に材料受口を開設した所要長さの
    射出スリーブに、射出用のプランジャを進退自在に挿入
    し、そのプランジャを進退移動する射出シリンダを射出
    スリーブ後部に備える射出機構と、 アルミニウムの成形材料として供給されるビレットを、
    後端開口から収容可能な内径で先端にビレットの整形穴
    を有するセラミックス又は非磁性体金属による加熱スリ
    ーブと、その後部外周の高周波誘導加熱器と前部外周の
    バンドヒータとによる加熱手段と、加熱スリーブ後部の
    駆動装置に連結して加熱スリーブ内に進退自在に挿入し
    たビレットの押出部材と、その押出部材により押出整形
    された半溶融状態のビレットを、一定寸法に裁断する加
    熱スリーブ先端面の摺動自在なカッタープレートとから
    構成した材料整形供給装置とからなり、 その材料整形供給装置を、上記射出スリーブの材料受口
    に加熱スリーブ先端を位置させて射出スリーブの上部に
    並設してなることを特徴とするアルミニウムの射出成形
    機。
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US20130340967A1 (en) * 2012-06-26 2013-12-26 GM Global Technology Operations LLC Advanced Feed System for Semi Solid Casting

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