JP3499966B2 - 自動貫入試験機 - Google Patents

自動貫入試験機

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JP3499966B2 JP13251795A JP13251795A JP3499966B2 JP 3499966 B2 JP3499966 B2 JP 3499966B2 JP 13251795 A JP13251795 A JP 13251795A JP 13251795 A JP13251795 A JP 13251795A JP 3499966 B2 JP3499966 B2 JP 3499966B2
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、地盤の地耐力を調査す
る自動貫入試験機に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、各種建造物を建造する上で、その
土地の地質を調査し、地耐力を知ることは極めて重要で
あり、このような地盤地質は一般にボーリング試験を実
施して調査されるが、その前段、あるいは住宅等の小規
模建造物を建造する場合には、簡易的な地盤地質調査と
して地中15m程度までの深度を対象とした貫入試験が
実施されている。この貫入試験は、貫入ロッドに錘の重
量および回転力を付与して地中に貫入する、いわゆるス
ウェーデン式サウンディング試験として一般に知られて
いるが、このスウェーデン式サウンディング試験におい
ては、回転とは関係なく荷重のみによって地中に沈降す
る現象、すなわち一般に自沈と称呼される現象が頻繁に
発生する。これは、地盤が軟弱であるが故に起こるもの
であり、この自沈発生時には貫入ロッドに付与される回
転を停止し、荷重のみによって貫入ロッドを貫入させな
ければならない。 【0003】このような自沈時に貫入ロッドを自然に近
い状態で地中に沈降させるために、一般には図6に示す
ような貫入試験機100が使用される。この貫入試験機
100は、特開昭57−187415号により提案され
ているもので、支柱101に沿って昇降可能で、かつ所
定重量の錘102を載荷可能な昇降台103を有してお
り、この昇降台103には貫入ロッド104を回転駆動
するためのモータ等の回転駆動源105が配置されてい
る。また昇降台103は、チェーン106の循環移動に
ともなって、昇降するように構成されており、このチェ
ーン106の駆動は一方向クラッチ107を介した回転
ハンドル108を回転させることにより行われるよう構
成されている。この一方向クラッチ107は、図7に示
すようにハンドル軸108aに一体に取り付けられる摩
擦板107aを介して遊嵌されるギア107bと、この
ギア107bの歯部に係合可能なラチェット爪107c
とからなり、ラチェット爪107cは昇降台103下降
時にギア107bに噛合してギア107bの回転を抑制
するよう構成されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記特開昭57−18
7415号のような貫入試験機において、昇降スライダ
を下降させる時には一方向クラッチを切状態にするた
め、貫入試験時にロッドを荷重のみによって貫入させる
ことが可能であるが、自沈が発生した場合には全く対処
することが不可能である。すなわち、自沈発生時のロッ
ドの沈降は極めて高速かつ短時間であるため、これにと
もなう昇降スライダの急激な下降中に作業者が重錘を増
減することはほぼ不可能である。これについては、自沈
発生時に一旦昇降スライダの下降を停止させるほかない
が、この貫入試験機において昇降スライダの下降を停止
させるには、下降中の昇降スライダを直接支えるか、も
しくはハンドルに力を加える以外に方法はない。しか
し、このどちらの方法も極めて危険なものであり、ま
た、作業者の精神的な負担も大きい。特にハンドルによ
る場合は、一方向クラッチが如何なる性質のものである
にせよ、昇降スライダ下降時にハンドルは常に回転して
いるため、この回転を作業者が止めるには相当の危険を
ともなうものとなる。 【0005】また、昇降スライダを上昇させる時には作
業者が回転ハンドルを回転させなければならないため、
この作業が非常に重労働であるという問題が発生してお
り、さらに、昇降スライダを下降させる時にはラチェッ
ト爪の噛合を解除しなければならないが、この時ギアと
ラチェット爪とは昇降スライダの重量を受けて堅固に噛
合しているため、これらの噛合を解除するためには回転
ハンドルを回転して昇降スライダの重量を支えなければ
ならず、作業性が極めて悪くなっているとともに、作業
者への負担が大きくなっている等の問題が発生してい
る。 【0006】本発明は上記課題に鑑みて創成されたもの
であり、昇降台の昇降動作を極めて安全かつ的確に行
い、作業者への負担を軽減する自動貫入試験機を提供す
ることを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】支柱に沿って昇降可能な
昇降台と、この昇降台にチャック回転駆動源の駆動を受
けて回転可能に配置されるチャックと、このチャックに
保持されるロッドとを有し、前記ロッドを地中に貫入す
るように構成した自動貫入試験機において、昇降台に回
転自在な歯付き回転部材を設けるとともに、前記支柱に
は、前記歯付き回転部材が噛合する噛合部材を配置して
歯付き回転部材が噛合部材に沿って回転することにより
昇降台が昇降するように構成する一方、駆動停止時に出
力軸を固定するロック機構を備えた主回転駆動源を設
け、この主回転駆動源が昇降台を上昇させる方向に前記
歯付き回転部材を回転させるよう駆動した時の回転を前
記歯付き回転部材へ伝達可能であって、それとは逆に主
回転駆動源が駆動した時には歯付き回転部材側の回転に
対して空転する一方向クラッチを設け、前記ロッドを地
中に貫入する時に昇降台自由落下時の歯付き回転部材側
の回転速度よりも遅い速度で前記一方向クラッチが歯付
き回転部材側の回転に対して空転するよう主回転駆動源
を駆動する制御手段を設けたことを特徴とする。 【0008】 【作用】上記構成において、昇降台を上昇させる時に
は、一方向クラッチの作用を受けて主回転駆動源の駆動
は歯付き回転部材に伝達され、歯付き回転部材は支柱の
噛合部材に沿って回転して昇降台を上昇させる。また、
主回転駆動源が停止した時には、主回転駆動源の出力軸
がロック機構により固定され、一方で歯付き回転部材は
昇降台の重量を受けて回転しようとするため、一方向ク
ラッチの作用によって昇降台はその位置において停止す
る。一方、昇降台を下降させる時には、主回転駆動源が
歯付き回転部材側の回転に対して一方向クラッチを空転
させるように駆動する。これにより、ロッドを地中に貫
入する際には、昇降台に主回転駆動源の抵抗要素を作用
させることなく昇降台を下降させることができ、従っ
て、ロッドには昇降台等の重量による荷重が正確に負荷
されることになる。また、昇降台が自由落下するような
場合には、歯付き回転部材側の回転速度が空転している
一方向クラッチの回転速度に容易に達する。このため、
昇降台は主回転駆動源の駆動を受けて下降することにな
り、昇降台の急激な下降に対する安全性も極めて高い。 【0009】 【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1ないし図5において、1は自動貫入試験機
であり、平行に配した2本の脚部から成る基台2と、こ
の基台2に垂直に立設される支柱3と、この支柱3に沿
って昇降可能な載荷台ユニット5と、各駆動部分の制御
を行う制御手段7とを備えて成る。貫入試験の種類は標
準貫入試験、オランダ式コーン貫入試験など多種に渡る
が、本実施例で述べる自動貫入試験機は、その中のスウ
ェーデン式サウンディング試験と呼ばれる貫入試験を行
うためのものである。 【0010】前記基台の2本の脚部2aはその中間付近
において互いに連結されており、この連結部分に前記支
柱3が着脱可能に立設される。この支柱3は、両側面に
案内路3aを成形した内部中空の略角柱状を成し、その
背面には固定用アタッチメント8aを備えた噛合部材の
一例である案内チェーン8が垂直方向、すなわち支柱3
の延びる方向に配置されている。 【0011】前記載荷台ユニット5は、前記支柱3に沿
って昇降可能な昇降台9と、この昇降台9に取り付けら
れるチャック部6と、昇降台9を昇降駆動する昇降ユニ
ット4とから成る。昇降台9は、角材を溶接加工などに
より連接して成るフレーム9aに、前記支柱3の案内路
3aに接するローラ9cを備えたガイド部9bを鉛直方
向に突設して構成されており、支柱3に沿って昇降可能
なように構成されている。この昇降台9のフレーム9a
は支柱3を包囲して設置されるもので、その後部には、
前記昇降ユニット4が取り付けられているとともに、昇
降台の昇降にともなう上限位置および下限位置の検出を
行う位置検出センサ(図示せず)が取付けられている。 【0012】前記昇降ユニット4は、フレーム9a後部
に設置される主回転駆動源の一例の第一モータ11を有
し、この第一モータ11の出力軸には主動ベベルギア1
2が連結されている。この第一モータ11は、正逆転駆
動が可能で、かつ停止時には出力軸を回転不能に固定す
るロック機構(図示せず)を備えている。また、第一モ
ータ11下方には、第一モータ11の出力軸の軸線に直
交する軸線を持つ伝達軸13および、この伝達軸13と
同軸線上に位置するスプロケット軸14aがそれぞれ回
転自在に配置されている。この伝達軸13とスプロケッ
ト軸14aとは減速機構10を介して連結されており、
伝達軸13はスプロケット軸14aの回転にともなって
回転し、またスプロケット軸14aも伝達軸13の回転
にともなって回転するよう構成されている。また、スプ
ロケット軸14aには前記支柱3の案内チェーン8と噛
合する複数の歯が成形された歯付き回転部材の一例であ
るスプロケット14が一体に取り付けられており、伝達
軸13の一端には電圧を変化させることによってブレー
キ抵抗の調整が可能なブレーキ手段の一例であるパウダ
ブレーキ15が連結されている。このパウダブレーキ1
5は励磁コイル(図示せず)に電圧を負荷することによ
って相応の磁界を発生させ、内部に封入される磁性粉体
(図示せず)に密度変化を発生させるもので、この密度
変化による粉体同士の摩擦作用、あるいは噛合作用など
によって発生する正確な滑りトルクにより前記伝達軸1
3にブレーキ抵抗を加えるように構成されている。 【0013】前記伝達軸13には、前記主動ベベルギア
12に噛合する従動ベベルギア16が一方向クラッチ1
7を介して同軸線上に連結されており、前記第一モータ
11の駆動を受けて、従動ベベルギア16が載荷台ユニ
ット5を上昇させる時のスプロケット14の回転と同一
方向に回転する時、すなわちこれと逆方向に伝達軸13
が回転する時のみ一方向クラッチ17が固着して、従動
ベベルギアと伝達軸とが一体に回転するように構成され
ている。また、前記スプロケット14の歯の回転移動面
に直交する位置には、検出手段の一例であるパルス検出
センサ18が設けられており、スプロケット14の歯の
通過をパルス信号として検出し、スプロケット14の回
転を検出するように構成されている。 【0014】前記チャック部6は、前記フレーム9a上
に設置されるベース6aを有し、このベース6aには減
速機構(図示せず)を備えた正逆転駆動可能なチャック
回転駆動源の一例である第二モータ19が配置されると
ともに、この第二モータ19の軸線と平行な軸線を有す
るチャック20が第二モータ19と回転伝達機構21に
より連結されて設置されている。回転伝達機構21は、
第二モータ19の出力軸に一方向クラッチ22を介して
取付けられる主動スプロケット23と、チャック20の
下端に取付けられる従動スプロケット24と、これら各
スプロケット23,24を連結する無端チェーン25と
から成り、一方向クラッチ22は、第二モータ19が後
記するスクリューポイント27をねじ込む方向に回転さ
せるよう駆動した時、すなわち主動スプロケット23が
スクリューポイント27のねじ込み方向と逆方向に回転
した時のみ、第二モータ19の出力軸と主動スプロケッ
ト23とを一体に回転させ、チャック20に回転を伝達
するよう構成されている。 【0015】前記チャック20はベース6aに対して回
転自在な回転スリーブ材20aを有し、この回転スリー
ブ材20a上部付近には、その軸線に対して直交する方
向に収納穴20bが設けられており、この収納穴20b
には嵌合部材の一例である鋼球20cが収納穴20bに
沿って動作可能に収納されている。この鋼球20cは回
転スリーブ材20aの厚さよりも大なる径を有し、収納
穴20b内外に突出可能に構成されている。また、回転
スリーブ材20aには、ばねにより常時上方に弾力付勢
される摺動スリーブ20dが、外周面に沿って摺動可能
かつ一体に回転可能に嵌装されている。この摺動スリー
ブ20dの内周面は段付き形状に成形されており、常時
は前記収納穴位置よりも上方にある上端付近が他よりも
大径を成すように構成されている。なお、前記従動スプ
ロケット24および一方向クラッチ22は回転スリーブ
材20a下方に取付けられている。 【0016】前記チャック20の回転スリーブ材20a
には、貫入試験時、ロッド26が着脱可能に挿通保持さ
れる。このロッド26には上端付近に嵌合溝26aが成
形されており、この嵌合溝に前記鋼球20cが嵌合して
ロッド26をチャック20に保持するように構成されて
いる。また、このロッド26には、一端に雌ねじ部、他
端に延長用ロッドの継ぎ足し手段である雄ねじ部が成形
されており、一端の雌ねじ部には、角錐状の材料に右ね
じりを施すことにより全長に渡って螺旋溝27aを成形
することによりねじ込み方向を規定したスクリューポイ
ント27が螺合されているとともに、他端の雄ねじ部
は、貫入試験の際、同形状の延長用ロッド(図示せず)
をスクリューポイント27を地中に貫入する時のねじ込
み方向と同一方向に回転させて順次継ぎ足し、スクリュ
ーポイント27が所望の深度に到達するまで貫入試験を
継続できるように構成されている。前記ベース6aに
は、前方に突出して載荷アーム28が設けられており、
貫入試験時、この載荷アーム28には前記載荷台ユニッ
ト5の重量を100kgfとするため、不足重量分の錘
29が載荷される。 【0017】前記制御手段7は、パルス検出センサ18
および位置検出センサ(図示せず)の信号、もしくは手
動入力キー操作により第一モータ11と第二モータ19
の駆動を制御するとともに、前記パルス検出センサ18
により検出される所定時間当たりのパルス数をあらかじ
め設定されている基準パルス数と比較してパウダブレー
キ15に負荷する電圧の調整を行い、パウダブレーキ1
5のブレーキ抵抗を調整するように構成されている。ま
た、この制御手段7は、ロッド26への負荷荷重、ロッ
ド26の回転回数およびロッド26の貫入量などの貫入
試験データを処理するように構成されており、さらに各
データを表形式に印刷出力するプリンタ装置7aも装備
している。なお、第一モータ11の駆動は、この制御手
段7により自沈が発生していない通常貫入試験時の載荷
台ユニット5下降時の伝達軸13の回転よりも速い速度
で一方向クラッチ17を伝達軸13に対して空転させる
よう制御される。 【0018】上記自動貫入試験機1により貫入試験を行
う場合、まず、第一モータ11が正駆動して載荷台ユニ
ット5を支柱3に沿って上限位置まで上昇させる。この
時一方向クラッチ17の作用により従動ベベルギア16
と伝達軸13とは一体に回転し、伝達軸13の回転は減
速機構10を介してスプロケット軸14aに伝達され
る。これにともなって、スプロケット14は支柱3の案
内チェーン8に沿って回転し、載荷台ユニット5自体を
上昇させる。載荷台ユニット5が上限位置に達すると、
第一モータ11の駆動は一旦停止し、出力軸はロック機
構により即時固定される。スプロケット14は常時載荷
台ユニット5の重量を受けて載荷台ユニット5が下降す
る方向へ回転しようとしているため、一方向クラッチ1
7の作動により、伝達軸13と従動ベベルギア16は一
体に回転しようとするが、第一モータ11の出力軸が固
定状態にあるため、従動ベベルギア16は回転不可能で
あり、従って載荷台ユニット5は上限位置において静止
する。 【0019】この状態で、載荷台ユニット5のチャック
10にはロッド26が装着されるとともに、載荷台ユニ
ット5の総重量を100kgfとする錘が載荷アーム2
8に載荷される。この後、上記した載荷台ユニット5上
昇時の駆動とは逆に第一モータ11が駆動(以下、逆駆
動という)すると、従動ベベルギア16は一方向クラッ
チ17の作用により伝達軸13に対して空転するため、
それまで停止していた伝達軸13は回転自在となり、こ
のことによって載荷台ユニット5は下降を開始し、スク
リューポイント27先端を地表付近に位置決めする。な
お、載荷台ユニット5の下降を停止させるためには前述
のように第一モータ11の駆動を停止させるのみでよ
い。 【0020】このようにしてスクリューポイント27を
位置決めして後、パウダブレーキ15に負荷される電圧
の調整が行われ、パウダブレーキ15が伝達軸13にブ
レーキ抵抗を付加する。この状態で、再度第一モータ1
1を逆転駆動して前述のように載荷台ユニット5を下降
させると、スクリューポイント27は載荷台ユニット5
の重量を受けて地中に押圧貫入される。以後、第一モー
タ11は延長ロッド(図示せず)を継ぎ足す時まで逆駆
動を継続し、スプロケット14の回転下降にともなう伝
達軸13の回転速度よりも速く従動ベベルギア16を回
転させて、伝達軸13に対して一方向クラッチ17を空
転させる。これにより、載荷台ユニット5の下降は、そ
の重量のみによることになり、よってロッド26に載荷
台ユニット5の重量から成る正確な荷重を負荷すること
ができる。また、チャック20にロッド26を装着せず
に載荷台ユニット5を下降させたような場合、ロッド2
6に働く貫入抵抗が存在しないため、載荷台ユニット5
は自由落下しようとする。しかし、この時伝達軸13の
回転速度はロッド26の貫入時以上となって従動ベベル
ギア16の回転速度に容易に達するため、一方向クラッ
チ17の作用により載荷台ユニット5は第一モータ11
の逆駆動によって下降することになり安全である。 【0021】貫入開始時点において、前述のパウダブレ
ーキ15のブレーキ抵抗により、伝達軸13の回転は抑
制される。この時のパウダブレーキのブレーキ抵抗は、
ロッド26に作用する載荷台ユニット5の重量による荷
重を50kgfとするものである。この荷重でロッド2
6が地中に貫入できなくなると、載荷台ユニット5が停
止するため、これにともなってパルス検出用センサ18
からパルスが検出されなくなる。これを受け、パウダブ
レーキ15の電圧調整が行われ、伝達軸13に作用する
ブレーキ抵抗が軽減されて、ロッド26に75kgfの
荷重が負荷された時と同じ状態が創出される。さらに、
この荷重下でロッド26の貫入が停止すると、最終的に
パウダブレーキ15の電圧負荷が停止されてブレーキ抵
抗が解除され、ロッド26には載荷台ユニット5の本来
の重量である100kgfの荷重が負荷される。 【0022】100kgfの荷重でもロッド26の沈下
が停止すると、続いて第二モータ19がロッド26のス
クリューポイント27のねじ込み方向に出力軸が回転す
るよう駆動し、ロッド26に100kgfの荷重が負荷
された状態で回転を付与して地中に貫入(以下、回転貫
入という)させる。この回転貫入に際して、荷重は自沈
が発生しない限り100kgfに保たれる。自沈は軟弱
な地層にスクリューポイント27が到達した時に発生す
る現象で、ロッド26に負荷されている荷重が重過ぎる
ため、ロッド26が回転に関係なく急激に沈降する現象
であり、前述した荷重のみでロッド26が貫入する現象
をいう。 【0023】自沈発生時には、ロッド26の沈降にとも
なって載荷台ユニット5の下降速度が急激に増加するた
め、スプロケット14の回転速度が増し、パルス検出用
センサ18により検出される所定時間当たりのパルス数
が増加する。この所定時間当たりのパルス数は貫入試験
中、常に制御手段7によって監視されており、あらかじ
め制御手段7に設定された基準パルス数を越えるパルス
数が検出されると、第一モータ11および第二モータ1
9の駆動が停止すると同時にパウダブレーキ15の電圧
調整が行われてロッド26に負荷される荷重が50kg
fまで減じられる。なお、荷重変更の基準は、パルス検
出センサ18により検出されるパルス数を伝達軸13の
回転速度に換算し、これがロッド26貫入時に第一モー
タ11の逆駆動により一定速度で回転している従動ベベ
ルギア16の回転速度に一致した時としてもよい。この
後は、前述したように第一モータ11を逆駆動しながら
パウダブレーキの電圧調整を行ってロッドに負荷される
荷重を100kgfまで増加させていき、その後再度第
二モータ19を駆動して回転貫入を行う。 【0024】この自沈時、すなわち第二モータ19の駆
動が停止している状態において、スクリュ−ポイント2
7の螺旋溝27aには土の抵抗が作用し、スクリューポ
イント27に回転力を与える。この回転力はロッド26
を通じてチャック20に伝達され、さらには従動スプロ
ケット24、無端チェーン25を介して主動スプロケッ
ト23に伝達される。この時の回転方向は主動スプロケ
ット23をスクリューポイント27の螺旋溝27aの巻
き方向、すなわちスクリューポイント27のねじ込み方
向に回転させるものであるため、一方向クラッチ22の
作用により、チャック20のみが回転自在となり、従っ
てロッド26は、第二モータ19の抵抗を受けることな
くスクリューポイント27に作用する土の抵抗のみによ
って、極めて自然に近い状態で回転する。 【0025】貫入試験中、載荷台ユニット5が下限位置
に達すると、第一モータ11および第二モータ19の駆
動が停止する。この時、貫入試験を継続する場合はロッ
ド26に延長用ロッドを継ぎ足す。延長用ロッドを継ぎ
足す場合には、まずロッド26上端に延長用ロッドを螺
入し、続いてチャック20によるロッド26の保持を解
除する。ロッドの保持を解除するためには、作業者がチ
ャック20の摺動スリーブ20dを下方に摺動して摺動
スリーブ20d内周の大径部を収納穴20b位置に移動
させて鋼球20cを動作可能とし、その状態を保ってチ
ャック20をスクリュ−ポイント27のねじ込み方向に
回転させる。この時、チャック20は一方向クラッチ2
2の作用により、第二モータ19の減速比等の影響を受
けずに極めて容易に回転可能であり、ロッド26の保持
解除作業は極めて容易である。 【0026】摺動スリーブ20dを摺動させた状態でチ
ャック20を回転させることにより、鋼球20cはロッ
ド26の嵌合溝26aから離脱し、ロッド26外周面に
押されて回転スリーブ材20a外周面から突出する。こ
の状態で、摺動スリーブ20dの押圧を解除すると摺動
スリーブ20dはばねの付勢を受けて上方に復帰しよう
とするが、この時内周の径の違いによる段部に鋼球20
cが当接するため摺動スリーブ20dはその上昇を阻止
される。この状態で第一モータ11が正駆動すると、前
述のように載荷台ユニット5は支柱3に沿って上限位置
に上昇する。載荷台ユニット5が上限位置に停止して
後、チャック20に回転を伝達するよう第二モータ19
を僅かに駆動すると、鋼球20cは延長用ロッドの嵌合
溝26aに嵌合し、このことによって摺動スリーブ20
dは上方に復帰して確実に延長用ロッドを保持する。こ
の延長用ロッドを継ぎ足して後は、前述の動作を繰り返
し、載荷台ユニット5が下限位置に到達するごとに延長
用ロッドを継ぎ足して所望深度まで貫入試験が続けられ
る。 【0027】一般的に貫入試験においては、所定の深度
単位でロッド26の回転回数と、荷重とが測定される
が、本自動貫入試験機1においては、所定の深度ごと以
外に、例えば、ロッド26に負荷される荷重の変更、自
沈発生時など、継続していた自動貫入試験機1の設定内
容を変更する制御が行われた時に、その時点までのスプ
ロケット14の総回転数から算出した貫入量、前段階の
制御変更時から計数したロッド26の回転回数、および
パウダブレーキ15の作動状態から得られるロッド26
の負荷荷重などが、プリンタ部7aから表形式にして印
刷出力される。 【0028】なお、本自動貫入試験機1において、ロッ
ド26における雄ねじ部の巻き方向をスクリューポイン
ト27のねじ込み方向、すなわち螺旋溝27aの巻き方
向と逆方向とするとともに、第二モータ19に第一モー
タ11のような出力軸のロック機構を設けると、一方向
クラッチ22の作用によりねじが緩む方向へのチャック
20の回転を抑制することができ、例えば、作業者が誤
ってロッド26の接続部分が緩む方向にチャック20を
回転させようとしてもチャック20は回転することな
く、従ってロッド26の緩みを防止でき好適である。ま
た、主動ベベルギア12、従動ベベルギア16、伝達軸
13などを用いず、第一モータ11の出力軸とスプロケ
ット14とを一方向クラッチ17を介して直接連結し、
第一モータ11の出力軸が載荷台ユニット5下降時にお
けるスプロケット14の回転速度よりも速く回転するよ
う制御手段を設けても得られる効果は同様である。さら
に、一方向クラッチ22をチャック20と従動スプロケ
ット24との間に設けても、得られる効果は同様であ
る。 【0029】 【発明の効果】以上説明したように本発明の自動貫入試
験機は、支柱に沿って昇降可能な昇降台に回転自在なス
プロケットを設けるとともに、支柱に前記スプロケット
と噛合する案内チェーンを配置してスプロケットが案内
チェーンに沿って回転することにより昇降台が昇降する
ように構成する一方、駆動停止時に出力軸を固定するロ
ック機構を備えた第一モータを設けるとともに、この第
一モータが前記昇降台を上昇させる方向にスプロケット
を回転させるよう駆動した時の回転を前記スプロケット
へ伝達可能であって、それとは逆に第一モータが駆動し
た時にはスプロケット側の回転に対して空転する一方向
クラッチを設け、前記ロッドを地中に貫入する時に、昇
降台自由落下時のスプロケット側の回転速度よりも遅い
速度で一方向クラッチがスプロケット側の回転に対して
空転するよう第一モータを駆動するようになっている。
このため、昇降台の昇降動作を自動化でき、また、自沈
発生時など昇降台が急激に下降する場合にも、第一モー
タの駆動を停止することによって昇降台の下降を停止さ
せることができ、作業者に危険な作業を強いることなく
極めて安全に貫入試験を行うことが可能となる。しか
も、第一モータの減速比等の抵抗要素がスプロケットに
作用せず、よって、ロッドに正確な荷重を負荷し、極め
て正確な貫入試験を実施することが可能となる。さら
に、昇降台が自由落下するような場合には、第一モータ
の逆駆動に合わせて昇降台が下降することになるため、
昇降台の急激な下降に対する安全性も極めて高い。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る自動貫入試験機の要部拡大断面図
である。 【図2】本発明に係る自動貫入試験機の側面図である。 【図3】本発明に係る自動貫入試験機の斜視図である。 【図4】本発明に係る自動貫入試験機の要部拡大断面図
である。 【図5】本発明に係る自動貫入試験機の要部斜視断面図
である。 【図6】従来の自動貫入試験機の説明図である。 【図7】従来の自動貰入試験機の説明図である。 【符号の説明】 1 自動貫入試験機 2 基台 3 支柱 4 昇降ユニット 5 載荷台ユニット 6 チャック部 7 制御手段 8 案内チェーン 9 昇降台 10 位置検出センサ 11 第一モータ 12 主動ベベルギア 13 伝達軸 14 スプロケット 15 パウダブレーキ 16 従動ベベルギア 17 一方向クラッチ 18 パルス検出センサ 19 第二モータ 20 チャック 21 回転伝達機構 22 一方向クラッチ 23 主動スプロケット 24 従動スプロケット 25 無端チェーン 26 ロッド 27 スクリューポイント 27a 螺旋溝 28 載荷アーム 29 錘
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−187415(JP,A) 特開 平4−323536(JP,A) 特開 平5−60673(JP,A) 特開 平5−57514(JP,A) 特開 平5−318213(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 3/00 - 3/62 E02D 1/00 - 1/08 JICSTファイル(JOIS)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】支柱に沿って昇降可能な昇降台と、この昇
    降台にチャック回転駆動源の駆動を受けて回転可能に配
    置されるチャックと、このチャックに保持されるロッド
    とを有し、前記ロッドを地中に貫入するように構成した
    自動貫入試験機において、 昇降台に回転自在な歯付き回転部材を設けるとともに、
    前記支柱には、前記歯付き回転部材が噛合する噛合部材
    を配置して歯付き回転部材が噛合部材に沿って回転する
    ことにより昇降台が昇降するように構成する一方、 駆動停止時に出力軸を固定するロック機構を備えた主回
    転駆動源を設け、この主回転駆動源が昇降台を上昇させ
    る方向に前記歯付き回転部材を回転させるよう駆動した
    時の回転を前記歯付き回転部材へ伝達可能であって、そ
    れとは逆に主回転駆動源が駆動した時には歯付き回転部
    材側の回転に対して空転する一方向クラッチを設け、 前記ロッドを地中に貫入する時に昇降台自由落下時の歯
    付き回転部材側の回転速度よりも遅い速度で前記一方向
    クラッチが歯付き回転部材側の回転に対して空転するよ
    う主回転駆動源を駆動する制御手段を設けたことを特徴
    とする自動貫入試験機。
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