JP3499694B2 - 移動体の運転制御装置 - Google Patents

移動体の運転制御装置

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JP3499694B2 JP27018896A JP27018896A JP3499694B2 JP 3499694 B2 JP3499694 B2 JP 3499694B2 JP 27018896 A JP27018896 A JP 27018896A JP 27018896 A JP27018896 A JP 27018896A JP 3499694 B2 JP3499694 B2 JP 3499694B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、信号灯の表示に従
って運転が管理される移動体の運転制御装置に関し、特
に、信号灯の表示の誤認に起因する運転誤りを防止する
技術に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、鉄道の運転システムでは、列車
の運転指示に信号灯による表示が用いられ、列車運転手
が前方の信号灯の表示を確認し、その表示に基づいて列
車の運転が制御される。ところで、運転手の目視による
信号灯表示の確認に基づく列車運転制御では、少なくと
も本質的に以下の誤りに配慮しなければならない。
【0003】 複数の走行路が隣接して並行し、走行
路毎に信号灯表示で運転指示が与えられる場合、本来従
うべき信号灯の代わりに、他の走行路の信号灯表示に従
ってしまう誤り。 1つの走行路に設けられる信号灯の設置間隔が短い
場合、本来従うべき直前の信号灯の代わりにその先の信
号灯表示に従ってしまう誤り。例えば、夜間に直前の信
号灯が断芯した場合等にその先の信号灯表示を見てしま
うことが考えられる。
【0004】 信号灯設置間隔が長い場合、次の信号
灯表示を見落としたり、確認が遅れてしまうことによる
誤り。上記の誤りに関して、直前の信号灯を通過した
ら、直ちに次の信号灯が確認できる短い間隔で信号灯が
設置されるならば、信号灯表示を確認できない状況では
走行しないという運転規則を適用することができる。し
かし、信号灯設置間隔が長い場合、直前の信号灯を通過
したら、次の信号灯が確認されるまでの間は通過した信
号灯表示の指示を記憶してこれに従うことになり、この
指示は次の信号灯が確認できる位置まで有効である。こ
の時、次の信号灯が断芯していると、本来従うべき次の
信号灯表示の代わりに記憶している前の信号灯表示の指
示を延長して従う虞れがある。このことは、1つの信号
灯の管理区間の終端で当該管理区間の運転指示がリセッ
トされず延長される誤りを意味する。
【0005】ところで、信号灯表示は、通常R(赤)/
Y(黄)/G(緑)の3色表示である。R灯は停止信号
(速度0Km/h)、Y灯は注意信号(進入速度45K
m/h)、G灯は進行信号(最高速度)を意味する。従
って、上記〜の誤りが生じた場合、G灯をY灯やR
灯、或いはY灯をR灯と誤認する誤りの場合は、本来許
可された速度より小さい速度で運転することになるので
安全側である。しかし、逆に、R灯をY灯やG灯、又
は、Y灯をG灯と誤認する誤りは、許可された速度より
大きい速度で運転することになり、危険側誤りとなり危
険である。
【0006】このため、かかる危険側誤りを回避する措
置が必要である。この回避措置を実現する手段として、
従来では、信号灯表示による指示とは別に、送受信手段
を設けて地上側から車上のブレーキを制御する方式(A
TSと呼ばれる)が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方式では、設備コストとその管理が問題である。なぜな
らば、地上−車上の送受信経路として軌道(レール)を
用いる方法(連続制御方式)は、地上設備のコスト及び
そのメンテナンスのコストが高い。また、特定の地点に
地上子を設置し、電磁結合/電磁波等を用いて特定の地
点だけで地上−車上間で送受信を行う方式(点制御方
式)は、地上側設備のモニタリング或いは保守が本質的
に必要である。万一、地上設備が故障で送受信できない
状況を生じるとブレーキ制御を行えず、上述ので述べ
た運転指示の終端が延長される誤りを見過ごすことにな
る。
【0008】本発明は上記の問題点に着目してなされた
もので、運転指示の誤認に起因する誤りの運転を防止す
る安全性の高い且つ管理の容易な運転制御装置を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため請求項1記載の
発明では、走行路に沿って設置される信号灯の表示色に
よって運転が管理される移動体の運転制御装置であっ
て、前記信号灯からの光信号を受信して前記信号灯の表
示色を判別し当該判別した表示色に対応する運転指示信
号を発生する表示色判別手段と、該表示色判別手段から
の運転指示信号に基づいて移動体の運転制御信号を発生
する制御手段とを、前記移動体に搭載し、前記表示色判
別手段が、移動体位置検出手段で検出した移動体位置に
応じて、移動体前方の視野内に存在する複数の信号灯の
中から前記検出した移動体位置で確認すべき信号灯を特
定して受信する構成とした。
【0010】かかる構成によれば、前方視野内に複数の
信号灯が存在する場合でも、自動的に確認すべき信号灯
のみの表示色が表示色判別手段で判別され、この判別結
果に基づいて制御手段が運転制御信号を発生する。これ
により、運転手が信号灯表示を万が一誤認した場合で
も、制御手段が適切な運転制御を行い、危険を未然に防
止できる。請求項2記載の発明では、前記表示色判別手
段が、前記信号灯の各表示色固有の波長の光信号のみに
応答する受光素子を前記信号灯の灯器数に対応する数設
け、前記各受光素子を用いて前記信号灯の表示色を判別
する構成とした。
【0011】請求項3記載の発明では、前記表示色判別
手段が、前記信号灯からの光信号を受信する1つの受光
素子と、前記信号灯の灯器数に対応する数設けられ前記
信号灯の各灯器毎に異ならせた点灯周波数を弁別する帯
域フィルタとを有し、前記受光素子からの出力に基づい
て前記各帯域フィルタを用いて前記信号灯の表示色を判
別する構成とした。
【0012】
【0013】請求項記載の発明では、前記表示色判別
手段が、移動体位置と各信号灯毎に異ならせた点灯周波
数とを対応して記憶し、前記移動体位置検出手段で移動
体位置が検出された時、当該移動体位置に対応する点灯
周波数に基づいて確認すべき信号灯を特定する構成とし
た。請求項記載の発明では、前記表示色判別手段が、
信号灯からの光信号の受信視野が変更可能な構成であ
り、移動体位置と前記受信視野とを対応して記憶し、前
記移動体位置検出手段で移動体位置が検出された時、当
該移動体位置に対応する受信視野を確認すべき信号灯方
向に設定する構成とした。
【0014】請求項記載の発明では、前記表示色判別
手段は、信号灯の管理区間の始端で地上側から送信され
る確認すべき信号灯を特定するための信号灯識別用パラ
メータ信号を受信し、この受信した信号灯識別用パラメ
ータに基づいて前記管理区間の信号灯からの光信号のみ
を受信する構成とした。かかる構成では、信号灯識別用
パラメータを車上側に予め記憶保持させる必要がない。
このため、設備変更に伴う信号灯識別用パラメータの変
更作業の必要がない。
【0015】請求項記載の発明では、前記受信した信
号灯識別用パラメータを、前記信号灯の管理区間の終端
でリセットする構成とした。かかる構成によって、連続
する各信号灯のパラメータの設定に対する配慮が不要と
なる。請求項記載の発明では、信号灯の管理区間の始
端で、当該管理区間に進入する移動体を特定するための
パラメータ信号を車上側から地上側に送信し、地上側で
受信したパラメータ信号に基づいて前記管理区間の信号
灯の点灯モードを設定する構成とした。
【0016】請求項記載の発明では、前記受信したパ
ラメータを、前記信号灯の管理区間の終端を移動体が通
過した時にリセットする構成とした。請求項10記載の発
明では、移動体が、信号灯通過地点から次の信号灯の表
示確認位置までの自由走行区間を走行していることを検
出し、この検出出力に基づいて移動体の進行許可を示す
信号を生成する構成とした。
【0017】かかる構成によれば、自由走行区間の終端
で前方信号灯の表示の確認に失敗した場合でも、進行信
号が延長されることがない。請求項11記載の発明では、
前記自由走行区間に沿って自由走行区間であることを示
す印を設置し、前記印を検出して自由走行区間を検出す
る構成とした。請求項12記載の発明では、前記自由走行
区間の終端から始端に向けて自由走行区間を示す信号を
伝送し、該伝送信号を受信して自由走行区間であること
を検出する構成とした。
【0018】請求項13記載の発明では、前記自由走行区
間に進入した移動体から前記自由走行区間の始端又は終
端までの距離に基づいて自由走行区間であることを検出
する構成とした。請求項14記載の発明では、前記制御手
段が、前記移動体の速度を検出する速度検出手段の検出
速度と前記表示色判別手段から出力された運転指示信号
に対応して予め記憶した運転速度とを比較し前記検出速
度が前記運転速度を上回った時にブレーキ作動信号を出
力するブレーキ制御回路とした。
【0019】かかる構成では、運転手の信号灯の表示誤
認に伴って危険側の運転誤りが生じた場合でも、直ちに
移動体を減速でき安全である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を図面
に基づいて説明する。図1及び図は、本発明を列車の
運転制御に適用した場合の実施形態を示す構成図であ
る。図1において、レール1上を走行する移動体である
列車2は、レール1に沿って設置される信号灯Lの表示
に従って運転が制御される。信号灯Lは、例えばR灯、
Y灯及びG灯の3色の灯器を備える。それぞれの灯器
は、従来と同様に、R灯は停止信号(速度0Km/
h)、Y灯は注意信号(進入速度45Km/h)、G灯
は進行信号(最高速度)を意味する。前記列車2には、
信号灯Lの点灯灯器(表示色)を判別して列車2の運転
制御信号を生成する本実施形態の運転制御装置が搭載さ
れている。
【0021】前記運転制御装置は、信号灯Lの前記3つ
の灯器からの光信号を受信して前記信号灯の表示色を判
別して表示色に対応する運転指示信号(進行指示、注意
指示、停止指示等)を発生する表示色判別手段としての
表示検出回路40と、表示検出回路40からの運転指示
信号を入力する制御手段としてのブレーキ制御回路5と
を備える。
【0022】前記表示検出回路40は、前方視野が良好
な列車2の例えば前面上部に設置する。ブレーキ制御回
路5は、列車2に搭載されて列車速度を検出する速度検
出手段としての速度検出器6からの速度信号も入力し、
表示検出回路40の運転指示信号に対応して予め記憶し
た運転速度と速度検出器6からの実際の列車速度とを比
較し、実際の列車速度が運転速度を上回った時にブレー
キ装置7にブレーキ作動信号を出力して列車2を減速制
御する。
【0023】図2に、表示検出回路の信号灯の表示色を
判別するための基本的な構成を示す。図2において、表
示検出回路4は、レンズ11、信号灯Lの灯器数に対応し
た3つの受光素子12A,12B,12C及び各受光素子12A
〜12Cの受信出力を増幅する増幅器13A,13B,13Cを
備えて構成される受信部10と、各増幅器13A〜13C毎に
設けられた3つの帯域フィルタ21A,21B,21Cからな
るフィルタ回路群20及び各帯域フィルタ21A〜21C毎に
設けられたレベル検定器31A,31B,31Cを備えて構成
される運転指示信号発生回路30とを備える。各受光素子
12A〜12Cは、信号灯LのG灯、Y灯、R灯の表示色固
有の波長の光信号のみに応答するものである。前記各帯
域フィルタ21A,21B,21Cは、信号灯Lからの光信号
の周波数成分のみを通過させるもので、同一の通過帯域
周波数を持ち、信号灯Lを商用電源で点灯させる場合に
は商用電源の周波数である50Hz又は60Hzを前記通過
帯域周波数の中心周波数として設定される。レベル検定
器31A,31B,31Cは、入力信号レベルが予め設定した
閾値以上の時に出力を発生する。従って、この構成
は、受信部10で表示色を実質的に識別する構成である。
【0024】次に動作を説明する。例えば、信号灯Lの
G灯が正常に所定の明るさで点灯している場合、表示検
出回路4の受信部10にG灯の光信号が入射すると、受光
素子12Aから受信出力が発生する。この受信出力は増幅
器13Aで増幅され、周波数が商用電源周波数であるので
帯域フィルタ21Aを通過してレベル検定器31Aに入力す
る。そして、レベル検定器31Aから進行信号を示す運転
指示信号が発生してブレーキ制御回路5に入力する。ブ
レーキ制御回路5では、表示検出回路4からの進行信号
の入力によりこの進行信号に対応する運転速度(列車の
最高速度)と、速度検出器6で検出された実際の列車速
度とを比較する。列車速度が運転速度を上回っていれ
ば、速度オーバーとしてブレーキ装置7を駆動して列車
2を減速制御する。
【0025】信号灯LのY灯が点灯していれば受光素子
12Bからの受信出力に基づいて注意信号を示す運転指示
信号がレベル検定器31Bから発生し、信号灯LのR灯が
点灯していれば受光素子12Cからの受信出力に基づいて
停止信号を示す運転指示信号がレベル検定器31Cから発
生し、ブレーキ制御回路5において上述と同様に速度比
較処理が実行される。
【0026】かかる構成によれば、万が一、運転手がR
灯をG灯或いはY灯に誤認した場合でも、確実に列車2
を減速制御できる。従って、運転手の信号灯表示の誤認
に起因する危険側の誤り運転を防止でき、列車運行の安
全性を向上できる。また、従来のレールを利用する方式
や地上子を利用する方式等に比べて管理等が容易であ
り、設備及び管理のコストを低減できる。
【0027】尚、上記の構成において、帯域フィルタ21
A〜21C及びレベル検定器31A〜31Cは、信号灯Lの灯
器からの光と外乱光とを区別するためのものであり、こ
れらを設けずに増幅器13A〜13Cの出力を直接運転指示
信号としてブレーキ制御回路5に入力する構成としても
よいが、安全性を高めるためには設ける方が望ましい。
また、受信部において、特定波長に応答する各受光素子
を用いる代わりに、同一の波長帯域に応答する受光素子
と特定波長だけを通過するカラーフィルタとを組み合わ
せ、信号灯の各灯器の光信号を区別して受光する構成と
してもよい。
【0028】上記構成の表示検出回路4では、灯器固有
の波長に基づいて表示色を分別する構成であるが、信号
灯Lの各灯器G,Y,Rの点灯周波数をそれぞれ異なら
せて分別する構成とすることも可能である。図3に、信
号灯Lの灯器の点灯周波数をそれぞれ異ならせた場合の
信号灯の表示色を判別するための表示検出回路の構成例
を示す。尚、図2に示す表示検出回路4と同一部分には
同一符号を付して説明を省略する。
【0029】図3において、信号灯Lの各G,Y,R灯
は、その点灯周波数が互いに異なるものである。この
示検出回路4′は、レンズ11′と、1つの受光素子12′
と増幅器13′で受信部10′が構成される。フィルタ回路
群20′は、信号灯Lの各G,Y,R灯の点灯周波数ω
1,ω2,ω3に対応する通過帯域周波数を持つ帯域フィ
ルタ21A′,21B′,21C′を備える。従って、この構
では、フィルタ回路群20′で実質的に表示色を識別す
る構成である。
【0030】かかる構成では、G灯が点灯している場
合、受光素子12′及び増幅器13′を介して各帯域フィル
タ21A′,21B′,21C′に信号が入力するが、G灯の
点灯周波数はω1 であるため、帯域フィルタ21A′から
のみ出力が発生する。従って、レベル検定器31Aから、
G灯点灯検出に基づく運転指示(進行信号を示す)がブ
レーキ制御回路5に入力する。Y灯が点灯しいてる場合
は、帯域通過周波数がω 2 の帯域フィルタ21B′からの
み出力が発生し、R灯が点灯しいてる場合は、帯域通過
周波数がω3 の帯域フィルタ21C′からのみ出力が発生
する。
【0031】かかる構成によっても、運転手の信号灯表
示の誤認に起因する危険側の誤り運転を防止できると共
に、従来のものに比べて設備及び管理のコストを低減で
きる。尚、信号灯に、例えば注意信号を示す灯器を2つ
設けるような場合、波長による分類方式と点灯周波数に
よる分類方式を組み合わせた構成として、信号灯の表示
を検出することも可能である。
【0032】即ち、注意信号灯をY1 ,Y2 とした場
合、G,Y1 ,R灯の点灯周波数は同一とし、Y2 の点
灯周波数をY1 と異ならせる。これにより、G灯,Y
灯,R灯の識別は、これらの固有の波長に応答する3つ
の受光素子で行い、Y灯に応答する受光素子にY1 ,Y
2 の互いに異なる点灯周波数に対応する通過帯域周波数
を有する帯域フィルタを接続し、Y1 ,Y2 の光信号に
対しては通過帯域周波数の異なる帯域フィルタを用いて
両者を識別する構成とすればよい。
【0033】以上に述べた表示検出回路の構成では、例
えば図4に示すように、列車2前方の視野内に複数の信
号灯L1,L2が存在する場合、両方の信号灯L1,L2の
光信号が重畳されて、本来従わなければならない信号灯
L1の表示を正しく検出することは難しい。尚、図4
中、1′は隣接するレールを示す。次に、図4のように
列車前方の視野内に複数の信号灯が存在する場合に、信
号灯の表示を正しく検出できる、本発明の運転制御装置
に適用する表示検出回路を図5に示し説明する。図5
は、視野内の複数の信号灯の点灯周波数を互いに異なら
せた場合の例である。尚、前述の表示検出回路と同一部
分には同一符号を付して説明を省略する。
【0034】図5において、本実施形態の表示検出回路
40は、図2の同様の受信部10及び運転指示信号発生回路
30を備える。また、点灯周波数がそれぞれω1,ω2とし
た信号灯L1,L2を、後述するように列車位置に応じて
識別する信号灯識別回路50を備える。ここで、受信部10
の視野は図4の両端の破線で示す広い視野を有するもの
とする。
【0035】前記信号灯識別回路50は、図2と同様の通
過帯域周波数がω1 の帯域フィルタ21A〜21Cと、通過
帯域周波数がω2 の帯域フィルタ22A〜22Cと、帯域フ
ィルタ21A,22Aと21B,22Bと21C,22Cをそれぞれ
切替える切替え回路23A〜23Cと、該切替え回路23A〜
23Cを制御する制御回路24と、列車位置と確認すべき信
号灯との関係を予め記憶させた記憶部25とを備える。本
実施形態では、信号灯を識別するためのパラメータが信
号灯の点灯周波数となることから、前記記憶部25は、列
車位置に対応させて信号灯の点灯周波数ω1 ,ω2 を記
憶している。
【0036】次に動作を説明する。例えば、図4の場合
において、列車2が所定位置を通過したことを列車位置
検出装置8が検出すると、制御回路24は、その列車位置
信号に基づいてその列車位置に対応する点灯周波数値を
記憶部25から検索する。そして、検索された点灯周波数
を通過帯域周波数とする帯域フィルタ側に各切替え回路
23A〜23C内の接点を切替え駆動する。図4の場合は、
信号灯L1 の点灯周波数ω1 が検索され、帯域フィルタ
21A〜21C側が選択される。そして、切替え回路23A〜
23Cを介して信号灯L1 の表示に対応して運転指示信号
発生回路30から運転指示信号が発生してブレーキ制御回
路5に入力する。
【0037】かかる構成よれば、列車位置によって確認
すべき信号灯からの光信号が自動的に選択できるので、
視野内に複数の信号灯が存在する場合でも表示の誤認に
よる誤り運転を未然に防止できる。尚、列車位置検出装
置としては、衛星を利用したGPS等を用いることがで
きる。また、切替え回路は、運転指示信号発生回路30の
各レベル検定器の後段に設ける構成としてもよいが、こ
の場合は、レベル検定器を帯域フィルタの数だけ設ける
必要がある。
【0038】また、同一視野内の信号灯を識別するパラ
メータとして符号を用いる構成としてもよく、かかる場
合の構成例を図6に示す。尚、図6は、信号灯L1 ,L
2 をそれぞれ周期CL1 ,CL2 で点滅させる符号化の
例である。また、図6ではG灯の光信号の検出回路につ
いてのみ示すが、Y灯及びR灯についても同様の構成と
なる。
【0039】図6において、帯域フィルタ51は、帯域通
過周波数がω1 であり、図5の増幅器13Aからの出力が
入力する。帯域フィルタ51の出力信号e1 はレベル検定
器52に入力する。レベル検定器52の出力信号e2 は、そ
れぞれの帯域通過周波数がCL1 ,CL2 である帯域フ
ィルタ53A,53Bに入力する。帯域フィルタ53A,53B
の各出力は、それぞれレベル検定器54A,54Bを介して
ANDゲート55A,55Bの一方の入力端子に入力する。
ANDゲート55A,55Bの他方の入力端子には、図5の
制御回路からセレクト信号S1 ,S2 が入力する。AN
Dゲート55A,55Bの出力はORゲート56に入力し、O
Rゲート56からの出力が運転指示信号としてブレーキ制
御回路5に入力する。
【0040】次に動作を説明する。図7に示すように、
信号灯L1 は、周波数ω1 で所定時間t1 点灯し所定時
間t2 消灯しこれを1サイクル(周期CL1 )として点
滅する。信号灯L2 は、周波数ω1 で所定時間t3 点灯
し所定時間t4 消灯しこれを1サイクル(周期CL 2
として点滅する。即ち、信号灯L1 ,L2 の光信号をそ
れぞれ周期CL1 ,CL2 の点滅信号(符号)に変換す
る。
【0041】列車位置検出装置8で検出された列車位置
に基づいて、記憶部25に列車位置と対応させて記憶され
たセレクト信号S1 ,S2 の中から、制御回路24はどち
らかのセレクト信号を選択して発生する。これにより、
セレクト信号S1 が選択された場合、対応する信号灯L
1 のG灯が周期CL1 で点滅していれば、帯域フィルタ
53A側から出力が発生し、ANDゲート55Aの出力に基
づいてORゲート56から運転指示信号が発生する。セレ
クト信号S2 が選択された場合は、対応する信号灯L2
のG灯が周期CL2 で点滅していれば、帯域フィルタ53
B及びANDゲート55Bの出力によりORゲート56を介
して運転指示信号が発生する。
【0042】図5及び図6の構成は、信号灯毎に、信号
灯の位置を識別するための点灯周波数や光信号点滅周期
(符号)を割り当てる必要がある。信号灯の数が増える
と、これらの割り当てと管理が面倒である。複数の信号
灯から所定の信号灯を選択する場合に、点灯周波数等の
割り当ての問題を解消した構成例を図8に示す。図8
は、表示検出回路の視野を複数の信号灯が入らないよう
に狭くし、表示検出回路の向きを変えるよう構成したも
のである。
【0043】図8において、表示検出回路としては例え
ば図2に示す表示検出回路4を用いればよい。表示検出
回路4の受信部の視野は、図4の斜線で示す狭い領域の
ものとする。表示検出回路4は、駆動装置60によってそ
の向きが自在に変更できる構成である。また、記憶部25
は、列車位置に対応させて表示検出回路4の移動角度が
記憶されている。制御回路24は、列車位置検出装置8と
記憶部25の記憶データに基づいて、駆動装置60を駆動制
御して表示検出回路4の向きを所定の方向に制御する。
尚、図3の表示検出回路4′を用いてもよい。
【0044】かかる構成によれば、信号灯識別用の点灯
周波数或いは点滅周期等を信号灯毎に割り当てる必要が
なく、列車前方の視野内に信号灯が多く存在しても、各
信号灯位置に対応した方角(角度データ)を記憶させて
おけばよい。また、表示検出回路の視野を変える代わり
に、図9に示すように、それぞれの視野が狭く設定され
た多数(n×m個)の受光素子R11〜Rnmを設けて構成
した受信部70を設け、図5或いは図8の制御回路24で切
替えスイッチ71を駆動制御して、本来確認すべき信号灯
を視野の中に捉えている受光素子を選択するよう構成し
てもよい。
【0045】ところで、図5、図6、図8及び図9の回
路構成では、列車位置に対応させて信号灯識別用のパラ
メータ(信号灯点灯周波数、符号、視野(方角))を予
め記憶させる。このため、信号設備の変更等により記憶
させたパラメータを変更する必要が生じた時に、この変
更作業が容易でない。このようなパラメータの変更作業
が不要な構成例を以下に示す。
【0046】図10は、信号灯識別用のパラメータを、確
認すべき信号灯で管理される区間の始端で地上から車上
に送信するようにしたものである。図10において、信号
灯Lの表示により管理される区間の始端、例えば、信号
灯Lの確認位置に、パラメータを車上側に送信するため
の送信部80を設置する。列車1には、前記送信部80から
の送信パラメータを受信する受信部81を設ける。
【0047】かかる構成において、列車2が送信部80を
通過すると、送信部80からはその位置で確認すべき信号
灯が前方の信号灯Lであることを示す識別用のパラメー
タを車上に送信する。図5の表示検出回路40の場合で
は、識別用パラメータは信号灯Lの点灯周波数となる。
この送信パラメータは、受信部81で受信されて表示検出
回路40の記憶部25に記憶される。制御回路24は、記憶部
25に記憶されたパラメータに基づいて内部の各切替え回
路を駆動制御して信号灯Lからの光信号に基づく運転指
示信号の出力を可能とする。記憶部25に記憶されたパラ
メータは、この信号灯Lの管理区間中は記憶保持され、
次の信号灯の確認位置で地上からのパラメータを受信し
た時にその記憶が消去される。
【0048】かかる構成によれば、信号灯毎に設定する
信号灯識別用パラメータを予め記憶させる必要がなく、
信号設備の変更に伴うパラメータ変更作業が不要とな
る。地上−車上間のパラメータ送受信方法としては、本
実施形態のように特定地点で送受信する他、信号灯の管
理区間の範囲で連続的に送受信する方法でもよい。図6
の表示検出回路を搭載した場合は、地上から送信するパ
ラメータは符号であり、図8の表示検出回路4では、地
上から送信するパラメータは方角となる。
【0049】尚、信号灯の設置間隔が比較的短く、図11
に示すように信号灯L1 を通過する時に次の信号灯L2
を確認するというように、常に信号灯の表示を確認して
走行するような区間では、信号灯設置位置毎に送信部80
を設置し、信号灯設置位置を通過する時に前方の信号灯
に対応するパラメータの設定を行うよう構成するとよ
い。
【0050】信号灯の表示を識別するために、上述のよ
うに信号灯固有のパラメータを送信する代わりに信号灯
で表示される運転信号を直接送信してもよいが、運転信
号を直接送信する方法に比べてパラメータを送信する方
が以下の点で有利である。即ち、信号灯と車上側への送
信地点は通常数百m離れている。このため、信号灯の運
転信号送信方式では、信号灯の表示変化に伴いその送信
内容が変化するので、信号灯と送信地点とを接続する伝
送手段が別途必要である。一方、パラメータ送信方式で
は、送信内容は変わらないので前記伝送手段が不要であ
る。また、運転信号送信方式では、信号灯確認位置で送
受信ができなかった場合、それまでの運転信号がリセッ
トされず次の区間に延長して適用されてしまう。例え
ば、進行信号(G灯点灯)を記憶している状況で、次の
信号が停止信号(R灯点灯)の場合、実際には停止信号
が設定されなければならないにも拘らず、進行信号がそ
のまま設定され続けてしまう。一方、パラメータ送信方
式では、信号灯確認位置で送受信ができなかった場合は
前区間で設定されたパラメータが延長される。前区間と
現区間で設定されるパラメータが異なっていれば、表示
検出回路は信号灯の表示を検出できず、表示検出回路か
らG灯、Y灯の検出出力が生成されないので、安全側と
なる。また、運転信号送信方式の場合、送受信位置を通
過した後に信号灯表示が変わった場合でも車上側の記憶
内容を変更できない。例えば、列車間隔がつまっていて
注意信号(Y灯点灯)の運転指示がセットされた後に前
方の列車が動き、信号灯が進行信号(G灯点灯)に変化
した場合でもこれを設定できない。一方、パラメータ送
信方式ではこのような不都合はない。
【0051】次に、図10及び図11とは逆に車上側から移
動体である列車を特定するためのパラメータを地上側に
送信して信号灯表示を選択する構成例を図12に示す。図
12において、列車2に、列車固有のパラメータ(点灯周
波数、符号等)を送信する送信部90を設ける。地上側に
は、前記送信部90からのパラメータを受信する受信部91
を信号灯Lを確認すべき位置に設置する。受信部91で受
信された受信パラメータ信号は、信号灯L側に伝送され
る。
【0052】かかる構成において、車上側の送信部90か
ら送信された列車固有のパラメータを受信部91が受信す
ると、受信部91は受信した受信パラメータを信号灯L側
に伝送する。信号灯L側では、伝送された受信パラメー
タを記憶保持して信号灯Lの点灯モードを設定する。か
かる信号灯Lの点灯モード設定動作を、例えば、パラメ
ータが点灯周波数の場合について図13を参照して具体的
に説明する。尚、使用する点灯周波数(パラメータ)が
ω1 ,ω2 の2通りあるものとする。
【0053】図13において、信号灯L側では、受信部91
から伝送された受信パラメータを記憶部93で記憶保持
し、制御回路94によって切替えスイッチ95を制御する。
列車2の固有のパラメータがω1 であった場合は、点灯
周波数ω1 側が選択される。これにより、トランジスタ
96が点灯周波数ω1 でスイッチングされ、このスイッチ
ング動作により信号灯Lの各灯器G,Y,Rに周波数ω
1 の交流電流が流れて点灯する。
【0054】ところで、図10、図11、図12に示すような
地上−車上間でパラメータを送受信する方式では、所定
位置でのパラメータの送受信を失敗した時、先に記憶さ
れているパラメータがリセットされない。このため、管
理区間のパラメータの割り当てに配慮する必要がある。
例えば、図11の例では、信号灯L1 と信号灯L2 のパラ
メータは異なって設定されるが、信号灯L1 通過時に次
の信号灯L2 に対応するパラメータの受信に失敗する
と、車上側のパラメータは、信号灯L1 に対応したパラ
メータのままとなり、信号灯L2 からの光信号を受信で
きない。そして、信号灯L2 の次の信号灯のパラメータ
が信号灯L1 と同じものである場合、列車2が信号灯L
1 を通過して信号灯L2 の光信号と次の信号灯の光信号
を同時に受信可能な位置まで来たときに、信号灯L2
はなく次の信号灯の表示を受信することになる。これを
防止するため、信号灯L2 の次の信号灯のパラメータを
信号灯L1 とは別のパラメータに設定する必要がある。
【0055】また、図12の例では、列車2の固有のパラ
メータの受信に失敗して信号灯Lのパラメータが別の列
車固有のパラメータのままで固定されると、例えば列車
2の後方に信号灯Lの前の信号灯の表示を確認すること
になっている別の列車が存在した時に、前記別の列車の
パラメータが信号灯Lの固定されたパラメータと同じで
あった場合、信号灯Lの表示を受信してしまう。
【0056】図14は、図12のように車上側から地上側に
パラメータを送信する構成において、信号灯の管理区間
の終端で地上側に記憶されているパラメータをリセット
するようにした構成例である。尚、図12と同一部分には
同一符号を付す。図14において、信号灯Lの管理区間の
終端(信号灯設置位置)に、列車2を検出する列車検出
装置100 を設置する。
【0057】かかる構成によれば、列車検出装置100 で
列車2の通過が検出されると、列車検出装置100 から信
号灯L内の記憶部93にリセット信号が出力される。これ
により、記憶部93に記憶保持された列車2固有のパラメ
ータが消去される。尚、列車検出装置100 のリセット信
号は、列車が存在しない時は生成されないよう構成すれ
ば、記憶部93のパラメータ記憶のリセット動作をフェー
ルセーフな構成にできる。
【0058】図15は、車上側でパラメータを受信する図
11の構成において、パラメータをリセットする構成例で
ある。尚、図11と同一部分には同一符号を付す。車上側
でパラメータを受信する構成では、信号灯管理区間の始
端でパラメータの送受信が行われた場合、表示検出回路
からはいずれか1つの運転指示信号が生成される。しか
し、送受信に失敗した場合は、いずれの運転指示信号も
生成されない。
【0059】図15では、例えば図5に示す表示検出回路
40からの運転指示信号をORゲート110 に入力し、その
論理和出力をオフ・ディレー回路111 を介して記憶部25
に入力する構成である。かかる構成では、地上の送信部
80からパラメータが送信され記憶部25に記憶されると、
この記憶されたパラメータに基づいて制御回路24の制御
を受けて表示検出回路40は、所定の信号灯の光信号を受
信し運転指示信号を生成する。この運転指示信号の生成
に基づいてORゲート110 からオフ・ディレー回路111
を介して記憶部25にパラメータの記憶許可を与える信号
が出力される。前方信号灯の管理区間の始端においてパ
ラメータの送受信に失敗すると、前方信号灯の光信号を
受信できないので、表示検出回路40から運転指示信号が
生成されず、ORゲート110 の論理和出力が停止する。
これにより、オフ・ディレー回路111 からの前記記憶許
可を与える信号が停止し記憶部25がリセットされてパラ
メータの記憶は以後行われず、全ての運転指示信号は出
力停止状態に固定される。尚、正常にパラメータの送受
信が行われた場合でも、パラメータの切替えが行われる
間は運転指示信号が生成されないので、この間で記憶部
25がリセットされるのを防止するためにオフ・ディレー
回路111 を設けてある。オフ・ディレー回路111 のディ
レー時間は、少なくともパラメータ切替えに要する時間
以上に設定される。
【0060】次に、信号灯の設置間隔が長く、1つの信
号灯通過後に次の信号灯が視野内に存在しない状態で運
転が行われる場合に配慮した構成例について説明する。
信号灯の設置間隔が長い場合、1つの信号灯の通過後か
ら次の信号灯の確認位置までの区間は、通過して目に見
えない信号灯の表示に基づいて運転が行われ、確認位置
からは次の信号灯の表示によって管理されることにな
る。通常、進行信号(G灯点灯)で列車は信号灯を通過
するので、信号灯通過後から次の信号の確認位置までの
区間は、前方の信号灯の表示が見えないにも拘らず進行
が自由に許可された状態で列車は走行することになる。
【0061】この場合、次の信号灯の確認位置で列車側
に信号灯表示を確実に確認させるため、次の信号灯の管
理区間の始端(確認位置)を通過したことを、地上側か
ら通報するシステムが考えられる。しかし、かかるシス
テムでは、始端通過の通報に失敗すると、通過した信号
灯の進行信号に基づく自由走行区間が延長されることに
なり危険である。従って、信号灯の設置間隔が長く、1
つの信号灯通過後に次の信号灯が視野内に存在しない状
態で運転が行われる場合は、列車の走行している区間が
前記自由走行区間にあることを通報することで進行を許
可する構成のシステムにしなければならない。
【0062】図16及び図17に、自由走行区間であること
示す印を検出することで自由走行区間を通報して列車に
進行許可を与える構成例を示す。図16において、信号灯
1 から信号灯L2 の確認位置までの自由走行区間P1
であることを示す印として、自由走行区間P1 に、列車
2が少なくとも1つが確認できる間隔で灯器W1 ,W2
・・Wn を設置する。灯器W1 〜Wn は、例えば架線を
支持するポールに取付けてもよく、標識と同様にレール
1の脇に設置するようにしてもよい。また、灯器W1
n は、点灯を制御する必要はなく電源だけを供給すれ
ばよい。列車2側には、前記灯器W1 〜Wn からの光信
号を受信して自由走行区間であることを示す検出出力を
発生する受信部120 を設け、この受信部120 からの出力
をホールド入力とし、表示検出回路40からのG灯検出出
力をトリガ入力とする自己保持回路121 を設ける。
【0063】かかる構成では、信号灯L1 のG灯表示に
基づいて列車2が信号灯L1 を通過して自由走行区間P
1 に進入すると、受信部120 は灯器W1 からの光信号を
受信してその受信出力をホールド信号として自己保持回
路121 に入力する。この時、表示検出回路40からG灯検
出出力がトリガ信号として自己保持回路121 に入力して
おり、前記受信部120 からの出力によって前記G灯検出
出力が自己保持され、自己保持回路121 から進行許可を
示す信号が出力される。列車が区間P1 の終端(即ち、
信号灯L2 の確認位置で信号灯L2 で管理される区間P
2 の始端)に達すると、受信部120 は灯器Wn から光信
号を受信せず、自己保持回路121 のホールド信号が消滅
する。これより、自己保持回路121 から進行許可を示す
信号が停止する。それ以後は、信号灯L2 の表示検出に
基づいて列車の運転が制御される。万一、信号灯L1
表示が進行信号以外の状態で、列車2が信号灯L1 を通
過し区間P1 に進入した場合、自己保持回路121 のトリ
ガ入力がないため、自己保持回路121 からの進行許可を
示す信号は生成されない。
【0064】尚、灯器W1 〜Wn を設ける代わりに、特
定波長だけを反射する板(標識)を設置し、列車2から
光ビームを送信してその反射光を受信する構成としても
よい。この場合、灯器W1 〜Wn とした時に比べて点灯
電源は不要となるが、センチ間隔は灯器W1 〜Wn より
短くする必要がある。自由走行区間P1 を検出する方法
として、前述のレール1に沿って印を設置する代わり
に、信号灯L2 の確認位置から信号灯L1 までの自由走
行区間P1 に、自由走行区間P1 であることを示す信号
を長距離伝送するようにしてもよい。
【0065】この方法としては、例えばレール1に弾性
波を伝播させる方法を利用できる(例えば特開平4−3
62463号公報参照)。或いは、信号灯L1 からの距
離が所定の範囲内であることを検出する方法でもよい。
この例としては、レールを伝播する弾性波の伝播時間を
計測して距離を計測する方法が公知である。更に、GP
Sを用いて列車の絶対位置を検出するようにしてもよ
い。
【0066】更に、信号灯L2 による管理区間P2 の始
端(信号灯L2 の確認位置)にレール1の継目を設け、
この継目を列車2が通過した時の衝撃を、加速度検出装
置で検出し、自由走行区間P1 の始端(信号灯L1 設置
位置)で保持した進行許可を示す信号をリセットする構
成としてもよい。即ち、図18に示すように、加速度検出
装置130 とレベル検定器131 を設け、レベル検定器131
の出力を、図17の自己保持回路のホールド信号とする。
加速度検出装置130 は重力を検出して出力ei を生成す
る。そして、レール継目通過時ではその出力ei は、重
力に衝撃が重畳されて変化する。レベル検定器131 は、
上限閾値VH と下限閾値VL を有する。これら上下の閾
値VH ,VL は、図19に示すように、レール継目以外で
の加速度検出装置130 の出力ei がVH とVL の間の範
囲内となり、レール継目通過時の加速度検出装置130 の
変化する出力ei がVH とVL との間の範囲外となるよ
うに上下限の閾値VH ,VL の範囲外となるよう設定さ
れる。
【0067】かかる構成では、信号灯L1 の通過時に記
憶保持されたG灯検出出力は、信号灯L2 の確認位置で
レール継目を通過する際の加速度検出装置130 の出力e
i の変化によってレベル検定器131 の出力が消滅し、自
己保持回路121 からの進行許可を示す信号が消滅してリ
セットされる。以後は、信号灯L2 の表示に従って列車
2の運転が管理される。
【0068】尚、上記各実施形態では、移動体として列
車を例として示したが、これに限らず、自動車、航空機
等のその他の移動体に適用することは可能である。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように請求項1〜記載の
発明によれば、前方視野内に複数の信号灯が存在する場
合でも、自動的に確認すべき信号灯を選択し、所定の信
号灯の表示のみを自動的に受信でき、運転手の信号灯表
示の誤認に伴う誤りの運転を防止できるので、安全性の
高い移動体の運転制御を実現できる。また、従来のAT
S等に比べて管理が容易である。
【0070】請求項6、8記載の発明によれば、同一視
野内の複数の信号灯を選択する場合に、信号灯識別用の
パラメータを車上側に記憶設定する必要がない。このた
め、設備変更に伴う車上側のパラメータ変更作業が不要
となる。請求項7、9記載の発明によれば、パラメータ
の受信の失敗が生じた場合でも、確認すべき信号灯以外
の信号灯の表示を受信する心配がない。
【0071】請求項10〜13記載の発明によれば、前方の
確認すべき信号灯の確認位置を通過する際に信号灯の確
認位置の通報に失敗した場合でも、進行信号に従って走
行する自由走行区間が前方信号灯の管理区間内まで延長
されることを防止できる。請求項14記載の発明によれ
ば、移動体の実際の速度が信号灯の表示速度を上回った
場合に自動的にブレーキが動作して減速するので移動体
の運行の安全性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る移動体の運転制御装置の一実施形
態の構成図
【図2】信号灯の表示色を判別するための基本的な表示
検出回路の構成図
【図3】信号灯の表示色を判別するための表示検出回路
の別の構成図
【図4】前方視野に複数の信号灯が存在する例を示す図
【図5】複数の信号灯を選択するための表示検出回路の
構成図
【図6】複数の信号灯を選択するための表示検出回路の
別の構成図のG灯のみを示す図
【図7】図6の構成で使用する符号の波形図
【図8】複数の信号灯を選択するための表示検出回路の
別の構成図
【図9】複数の信号灯を選択するための表示検出回路の
別の要部構成図
【図10】信号灯の確認すべき位置において信号灯識別用
パラメータを地上側から受信する場合の構成図
【図11】信号灯設置位置毎に信号灯識別用パラメータを
地上側から受信する場合の構成図
【図12】車上側から列車特定用のパラメータを地上側に
送信する場合の構成図
【図13】図12の地上側のパラメータ切替えのための回路
【図14】図12で管理区間の終端でパラメータをリセット
する場合の構成図
【図15】地上側から受信した信号灯識別用パラメータを
リセットする場合の回路図
【図16】自由走行区間検出用の印を設けた場合の全体構
成図
【図17】図16の自由走行区間を検出して進行許可信号を
生成する回路図
【図18】レール継目で自由走行区間の終端を検出する場
合の回路図
【図19】図18の回路に使用する加速度検出装置の出力変
化を示す波形図
【符号の説明】
1 レール 2 列車 4,4′,40 表示検出回路 5 ブレーキ制御装置 8 列車位置検出装置 10,10′ 受信部 20,20′ フィルタ回路群 30 運転指示信号発生回路 L 信号灯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−157799(JP,A) 特公 昭46−012366(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60L 1/00 - 3/12 B60L 7/00 - 13/00 B60L 15/00 - 15/42 B61L 3/06 B61L 23/00

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】走行路に沿って設置される信号灯の表示色
    によって運転が管理される移動体の運転制御装置であっ
    て、 前記信号灯からの光信号を受信して前記信号灯の表示色
    を判別し当該判別した表示色に対応する運転指示信号を
    発生する表示色判別手段と、該表示色判別手段からの運
    転指示信号に基づいて移動体の運転制御信号を発生する
    制御手段とを、前記移動体に搭載し、 前記表示色判別手段が、移動体位置検出手段で検出した
    移動体位置に応じて、移動体前方の視野内に存在する複
    数の信号灯の中から前記検出した移動体位置で確認すべ
    き信号灯を特定して受信する構成である ことを特徴とす
    る移動体の運転制御装置。
  2. 【請求項2】前記表示色判別手段が、前記信号灯の各表
    示色固有の波長の光信号のみに応答する受光素子を前記
    信号灯の灯器数に対応する数設け、前記各受光素子を用
    いて前記信号灯の表示色を判別する構成である請求項1
    記載の移動体の運転制御装置。
  3. 【請求項3】前記表示色判別手段が、前記信号灯からの
    光信号を受信する1つの受光素子と、前記信号灯の灯器
    数に対応する数設けられ前記信号灯の各灯器毎に異なら
    せた点灯周波数を弁別する帯域フィルタとを有し、前記
    受光素子からの出力に基づいて前記各帯域フィルタを用
    いて前記信号灯の表示色を判別する構成である請求項1
    記載の移動体の運転制御装置。
  4. 【請求項4】 前記表示色判別手段が、移動体位置と各信
    号灯毎に異ならせた点灯周波数とを対応して記憶し、前
    記移動体位置検出手段で移動体位置が検出された時、当
    該移動体位置に対応する点灯周波数に基づいて確認すべ
    き信号灯を特定する構成である請求項1〜3のいずれか
    1つに記載の移動体の運転制御装置。
  5. 【請求項5】 前記表示色判別手段が、信号灯からの光信
    号の受信視野が変更可能な構成であり、移動体位置と前
    記受信視野とを対応して記憶し、前記移動体位置検出手
    段で移動体位置が検出された時、当該移動体位置に対応
    する受信視野を、確認すべき信号灯方向に設定する構成
    である請求項1〜3のいずれか1つに記載の移動体の運
    転制御装置。
  6. 【請求項6】 前記表示色判別手段は、信号灯の管理区間
    の始端で地上側から送信される確認すべき信号灯を特定
    するための信号灯識別用パラメータ信号を受信し、この
    受信した信号灯識別用パラメータに基づいて前記管理区
    間の信号灯からの光信号のみを受信する構成である請求
    項1〜のいずれか1つに記載の移動体の運転制御装
    置。
  7. 【請求項7】 前記受信した信号灯識別用パラメータを、
    前記信号灯の管理区間の終端でリセットする構成である
    請求項記載の移動体の運転制御装置。
  8. 【請求項8】 信号灯の管理区間の始端で、当該管理区間
    に進入する移動体を特定するためのパラメータ信号を車
    上側から地上側に送信し、地上側で受信したパラメータ
    信号に基づいて前記管理区間の信号灯の点灯モードを設
    定する構成である請求項1〜のいずれか1つに記載の
    移動体の運転制御装置。
  9. 【請求項9】 前記受信したパラメータを、前記信号灯の
    管理区間の終端を移動体が通過した時にリセットする構
    成である請求項記載の移動体の運転制御装置。
  10. 【請求項10】移動体が、信号灯通過地点から次の信号
    灯の表示確認位置までの自由走行区間を走行しているこ
    とを検出し、この検出出力に基づいて移動体の進行許可
    を示す信号を生成する構成である請求項1〜のいずれ
    か1つに記載の移動体の運転制御装置。
  11. 【請求項11】前記自由走行区間に沿って自由走行区間
    であることを示す印を設置し、前記印を検出して自由走
    行区間を検出する構成である請求項10記載の移動体の運
    転制御装置。
  12. 【請求項12】前記自由走行区間の終端から始端に向け
    て自由走行区間を示す信号を伝送し、該伝送信号を受信
    して自由走行区間であることを検出する構成である請求
    項10記載の移動体の運転制御装置。
  13. 【請求項13】前記自由走行区間に進入した移動体から
    前記自由走行区間の始端又は終端までの距離に基づいて
    自由走行区間であることを検出する構成である請求項10
    記載の移動体の運転制御装置。
  14. 【請求項14】前記制御手段が、前記移動体の速度を検
    出する速度検出手段の検出速度と前記表示色判別手段か
    ら出力された運転指示信号に対応して予め記憶した運転
    速度とを比較し前記検出速度が前記運転速度を上回った
    時にブレーキ作動信号を出力するブレーキ制御回路であ
    る請求項1〜13のいずれか1つに記載の移動体の運転制
    御装置。
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