JP3499284B2 - プラズマCVDによるa−Si:H膜の成膜方法 - Google Patents

プラズマCVDによるa−Si:H膜の成膜方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光センサー、X線セン
サー、複写機の感光体ドラム、電界放射型薄膜ディスプ
レー、液晶ディスプレーや液晶プロジェクター等に用い
られるa−Si:H膜、或いはドープトa−Si:H膜
をプラズマCVD法により成膜する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば複写機の感光体ドラムに
は、数μmから数十μmの比較的厚いa−Si:H膜が必
要とされており、この厚膜の成膜はプラズマCVD(Che
mical Vapor Deposition) 法で行なわれている。一般的
には、ガス導入系と排気系が接続された真空槽内に2個
以上の電極を設け、その一方の電極に高周波電源から高
周波電力を供給し、他方の電極上に基板を搭載し、該ガ
ス導入系から真空槽内へ導入したSiH4 又はSi2
6 の反応ガスをこれら電極間に発生させたプラズマによ
り分解して加熱した該基板にa−Si:H膜を形成する
プラズマCVD法が採られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】プラズマCVDによる
成膜速度は 100〜300 オングストローム/min であり、
前記の厚さに成膜するには長時間が必要である。これ以
上に成膜速度を速めると、気相重合による粉が多く発生
して良質のa−Si:H膜が得られなくなる。一方、膜
の表面は、 100オングストローム/min の成膜速度で厚
さ10μmに成膜した場合表面の凹凸が激しくなり、平滑
な表面を得ることが困難である。膜表面の凹凸は各デバ
イスの幾つかの特性を低下させるので、平滑であること
が望ましい。例えば、液晶プロジェクターに適用した場
合、a−Si:H膜表面の凹凸により電場が乱れて液晶
が白濁し、画面のコントラスが低下する。
【0004】また、a−Si:H膜の成長モデルについ
ては多くの研究が行われ、数多くの発表がなされてい
る。しかし、その殆どは 200オングストローム/min 以
下の成膜速度での領域である。また、パルス放電を行っ
た際の影響についての報告例は希であり、成膜された膜
の電気特性、応力については殆ど知られていない。まし
てや1000オングストローム/min 以上の成膜速度でパル
ス放電を利用した例は皆無である。
【0005】本発明者らの研究、実験によるとa−S
i:H膜を 500オングストローム/min 以上の高速成膜
すると非常に大きな圧縮応力を示すのが一般的である。
現象としては基板/電極間距離を増加する、装置内の圧
力を増加する、RFパワーを低下する、の3通りで膜の
応力を低下させることが可能である。この3通りの方法
は全て成膜中の基板表面へのプラズマ照射を低減するこ
とを伴っている。即ち、高速成膜を行った場合は、成膜
中にプラズマ中のイオンで膜表面がたたかれてエネルギ
ーをもらうことにより緻密な膜となり、圧縮応力が増加
するものと推測される。
【0006】しかし、上記の膜の応力低減方法は以下の
ような欠点を伴う、 基板/電極間の距離増加……膜厚分布の劣化、粉の
発生、 装置内の圧力の増加……粉の発生、 RFパワーの低減……成膜速度の低下。
【0007】本発明は、粉の発生を抑制して平滑で良質
なa−Si:H膜をプラズマCVDにより迅速に形成す
る方法を提案することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、ガス導入系
と排気系が接続された真空槽内に2個以上の電極を設
け、その一方の電極に高周波電源から周波数 27.12MHz
高周波電力を供給し、他方の電極上に基板を搭載し、
排気系で圧力を 0.6 0.8torr に調整した真空槽内へ該ガ
ス導入系から導入したSiH4 又はSi2 6 の反応ガ
スをこれら電極間に発生させたプラズマにより分解して
加熱した該基板にa−Si:H膜を形成する方法に於い
て、該高周波電力を1000オングストローム/min 以上の
平均成膜速度でa−Si:H膜を成膜するように調整
し、該高周波電力をパルス変調しながらa−Si:H膜
を成膜することにより、上記の目的を達成するようにし
た。
【0009】 また、前記高周波電力の周波数を1MHz〜
50MHz としてもよい。
【0010】
【作用】真空槽内の圧力と反応ガスの導入量を調整する
と共に高周波電力を1000オングストローム/min 以上の
平均成膜速度でa−Si:H膜を成膜するように調整
し、該高周波電力を完全なON/OFF の繰り返しや、HIGH
/LOW の繰り返しでパルス変調しながら加熱した基板に
成膜を行なう。一般に、a−Si:H膜を高速で成膜す
るために高周波電力を増大させると、SiH2 のイオン
やラジカルが発生してこれが気相反応により粒径の大き
なクラスターに成長していき、このクラスターが黄色い
粉となり、或いは膜中に取込まれて表面の凹凸発生の原
因となるが、本発明の如く高周波電力をパルス変調する
ことにより、SiH2 ラジカルが気相重合して粒径を増
大させる前に放電が止まり或いは弱まるので、反応空間
中のSiH2 ラジカルやさらに大きなクラスターが排出
又は消滅し、粒径の拡大を抑制でき、粉の発生を抑制し
て高速で平坦なa−Si:H膜を成膜できる。
【0011】一般にプラズマ放電を行なった際のプラズ
マ密度は電源周波数の2乗に比例する。即ち、反応律則
領域で成膜を行なうa−Si:H膜の場合には、同一の
成膜速度を得るための投入電力は周波数が例えば27.12M
Hzの場合は13.56MHzの場合に比べて1/4でよい。一
方、プラズマのイオン衝撃は投入電力に比例するので、
同一成膜速度の場合は周波数、例えば13.56MHzを27.12M
Hzに変更することにより投入電力は1/4となり、これ
に伴ってイオン衝撃は1/4となる。これにより膜の応
力が緩和され、高速成膜を行なっても低応力のa−S
i:H膜を得ることができる。
【0012】
【実施例】本発明の実施例を別紙図面に基づき説明する
と、図1は本発明の実施に使用したデポアップ形の平行
平板型プラズマCVD装置の截断側面図であり、その符
号1はガスボンベ等のガス源に接続されたガス導入系2
と真空ポンプに接続された排気系3を有する真空槽を示
す。該真空槽1内には2個の平板状の電極4、5が対向
して設けられ、その一方の電極4に外部の高周波電源6
を接続し、他方の電極5上に成膜が施される基板7を搭
載する。該一方の電極4は、その前面にシャワープレー
ト8を備えた中空の電極で構成され、その中空部に前記
ガス導入系2を接続して該シャワープレート8に設けた
多数のガス噴出口9から均一に反応ガスを噴出させるよ
うにした。また、他方の電極5はトレイ状に構成され、
図示しないチェーンやロボットアーム等の搬送手段によ
り図面の垂直方向へ該真空槽1の側壁に設けた真空バル
ブを介して出入れされる。該電極5は成膜中はアース電
位に維持される。10は基板7を加熱するために電極5
の背後に設けたヒーター、11はアースシールド、12
はチムニー、13は電極4に供給する高周波電力をパル
ス変調させる変調器、14は粉の発生を測定するための
サブストレートである。
【0013】該ガス導入系2には、SiH4 又はSi2
6 の反応ガスが導入され、この反応ガスにはCH4
2 6 、PH3 、B2 6 、GeH4 のいずれかを添
加し、或いはH2 、He、Ar、Xe、Krのいずれか
を添加して希釈するようにしてもよい。
【0014】以上の装置構成は、従来のプラズマCVD
装置の構成と略同様であり、該真空槽1内へ導入した反
応ガスを電極4、5間に発生するプラズマにより分解し
て基板7にa−Si:Hを成膜することも従来と同様で
あるが、短時間で成膜するために高周波電源6の電力を
大きくして成膜速度を速めると、前記したように粉が発
生するのみならず膜の表面の凹凸が激しくなって好まし
くない。本発明では1000オングストローム/min 以上の
平均成膜速度が得られる大きな高周波電力を電極4に供
給し、これをパルス変調することによって、粉の発生が
減少し平滑な表面を有するa−Si:H膜の迅速な成膜
が可能になる。
【0015】本発明の場合、高周波電源6には1MHz〜50
MHz の周波数で、従来では成膜中に粉が発生する例えば
500オングストローム/min を越えるa−Si:H膜の
成膜としては大きな電力を供給し、変調器13で例えば
50Hz〜100kHzの変調周期でON/OFF 或いはHIGH/LOW の
パルス変調を行なう。もし、HIGH/LOW のパルス変調を
行なうならば、そのLOW のときの成膜速度が 300オング
ストローム/min 以下になるように電力を調整する。高
周波電力をパルス変調することにより、大きな電力でプ
ラズマ放電で反応空間中に発生したSiH2 ラジカルや
クラスターが、その放電が停止したとき或いは弱まった
ときに排出され又は消滅し、これにより粉の発生が抑制
され膜に大きな粒径のクラスターが取込まれることが少
なくなるので、平滑な膜を速い成膜速度で成膜できる。
ON/OFF のパルス変調を行なうときは、そのデューティ
ー比(ON/(ON+OFF))を低下させると、成膜速度も低下
するため、投入電力を増加させることにより平均的成膜
速度を一定に保つようにする。
【0016】なお、変調周期を50Hz〜100kHzとする理由
は、電極4、5間の放電空間の距離が通常20mm程度であ
り、圧力がプラズマCVDの標準の 1Torrである場合、
1ミリsec程度で全てのラジカルがどちらかの電極に
到達して消滅するので、放電停止時間は1ミリsecが
目安になり、これによりデューティー比50%とすれば
変調周期が50Hzになり、100kHz以上ではOFF時間が短
すぎ、粉の発生が抑制されないからである。
【0017】本発明の具体的実施例を説明すると次の通
りである。
【0018】実施例1 この実施例では、図1に示す装置により基板7に20μm
の厚いa−Si:H膜を2000オングストローム/min の
成膜速度で成膜することを目的とした。電極5に基板7
を搭載し、これをヒーター10により 280℃に加熱す
る。真空槽1内を0.8Torr の圧力に排気系3で調整し、
ガス導入系2からSiH4 ガスを500sccmの割合で流れ
るように導入した。高周波電源6には13.56MHz、 500〜
1000Wの能力のものを使用し、これを1kHzの変調周期で
ON/OFF するパルス変調するように調整した。デューテ
ィー比が低下すると成膜速度も低下するので、高周波電
力を増大させて2000オングストローム/min の成膜速度
を維持するようにした。
【0019】基板7に成膜されたa−Si:H膜の表面
荒さ(Ra)とデューティー比の関係は図2の曲線Aの
ようになった。これのデューティー比 100%は従来の連
続放電の成膜状態に相当する。表面荒さ(Ra)は触針
式段差計にて測定した。図2より明らかなように、連続
放電(デューティー比 100%)では4500オングストロー
ム程度の凹凸があるが、デューティー比50%以下では10
00オングストローム程度に減少した。また、粉の発生状
況を知るために、チムニー12の内側にサブストレート
14を設けて測定した。連続放電では3mg 程度の粉の発
生があったが、デューティー比70%以下になると粉は1
/100 程度に減少した。
【0020】更に、前記実施例1において、上記の装置
で高周波電力を500WのHIGHと150WのLOW とにパルス変調
し、平均成膜速度を1000オングストローム/min とし
た。この場合の表面荒さは、連続放電のときが2500オン
グストロームであるのに対し、デューティー比が50%以
下になると 730オングストロームに低下し、粉の発生も
少なくなった。
【0021】実施例2 この実施例では、図1に示す装置により基板7に10μm
の厚いa−Si:H膜を成膜する際、真空槽1内の圧力
を変化させた場合における圧力とa−Si:H膜の成膜
速度との関係、および圧力と成膜されたa−Si:H膜
の応力との関係を調べることを目的とした。電極5にガ
ラス製(コーニング社製、商品名7059)基板7を搭載
し、これをヒーター10により 270℃に加熱する。真空
槽1内を 0.2〜1.2Torr の圧力範囲に排気系3で調整
し、ガス導入系2からSiH4 ガスを500sccm の割合で
流れるように導入した。高周波電源6には周波数13.56M
Hzで、400Wの能力のものを使用し、これを1kHzの変調周
期でデューティー比50%のON/OFF するパルス変調する
ように調整した。また、基板/電極間距離(E/S)を
20mmとした。そして、真空槽1内の圧力とa−Si:H
膜の成膜速度との関係、および該圧力と成膜されたa−
Si:H膜の応力との関係を調べた。尚、デューティー
比 100%とは従来の連続放電の成膜状態を指す。
【0022】真空槽1内の圧力と基板7に成膜されるa
−Si:H膜の成膜速度との関係は図3の曲線Bのよう
になった。また、真空槽1内の圧力と基板7に成膜され
たa−Si:H膜の応力との関係は図4の曲線Eのよう
になった。
【0023】また、圧力が1.0Torr におけるa−Si:
H膜の成膜後の粉の発生状況と、基板に成膜されたa−
Si:H膜の表面荒さを前記実施例1と同様の方法で測
定したところ、同圧力における連続放電(デューティー
比 100%)のときは2.9mg 程度の粉の発生があり、ま
た、膜の表面荒さは3500オングストローム程度の凹凸が
あるのに対し、粉の発生は1/200 程度に減少し、膜の
表面荒さは1160オングストローム程度に低下した。
【0024】尚、圧力100Torr で、連続放電(デューテ
ィー比 100%)のときの成膜速度は2100オングストロー
ム/min であり、成膜されたa−Si:H膜の応力は−
500MPaであった。
【0025】実施例3 高周波電源6に周波数27.12MHzで、100Wの能力のものを
使用した以外は前記実施例2と同様の方法で基板7にa
−Si:H膜を成膜した。そして、真空槽1内の圧力と
a−Si:H膜の成膜速度との関係、および該圧力と成
膜されたa−Si:H膜の応力との関係を調べた。
【0026】真空槽1内の圧力と基板7に成膜されるa
−Si:H膜の成膜速度との関係は図3の曲線Cのよう
になった。また、真空槽1内の圧力と基板7に成膜され
たa−Si:H膜の応力との関係は図4の曲線Fのよう
になった。
【0027】また、圧力が1.0Torr におけるa−Si:
H膜の成膜後の粉の発生状況と、基板に成膜されたa−
Si:H膜の表面荒さを前記実施例1と同様の方法で測
定したところ、同圧力における連続放電(デューティー
比 100%)のときは2.3mg 程度の粉の発生があり、ま
た、膜の表面荒さは3100オングストローム程度の凹凸が
あるのに対し、粉の発生は1/200 程度に減少し、膜の
表面荒さは 920オングストローム程度に低下した。
【0028】尚、圧力1.0Torr で、連続放電(デューテ
ィー比 100%)のときの成膜速度は2000オングストロー
ム/min であり、成膜されたa−Si:H膜の応力は-3
20MPa であった。
【0029】更に、前記実施例3において、真空槽1内
の圧力を1.0Torr とし、高周波電力(周波数27.12MHz)
をデューティー比50%の 100WのHGIHと 30WのLOW と
にパルス変調して基板にa−Si:H膜を成膜したとこ
ろ、この場合の平均成膜速度は1200オングストローム/
min であり、また、膜の応力は-150MPa であり、膜の表
面荒さは連続放電のときの3100オングストロームに対
し、1300オングストロームに低下し、粉の発生も少なか
った。
【0030】実施例4 高周波電源6に周波数40.68MHzで、50W の能力のものを
使用した以外は前記実施例2と同様の方法で基板7にa
−Si:H膜を成膜した。そして、真空槽1内の圧力と
a−Si:H膜の成膜速度との関係、および該圧力と成
膜されたa−Si:H膜の応力との関係を調べた。
【0031】真空槽1内の圧力と基板7に成膜されるa
−Si:H膜の成膜速度との関係は図3の曲線Dのよう
になった。また、真空槽1内の圧力と基板7に成膜され
たa−Si:H膜の応力との関係は図4の曲線Gのよう
になった。
【0032】また、圧力が1.0Torr におけるa−Si:
H膜の成膜後の粉の発生状況と、基板に成膜されたa−
Si:H膜の表面荒さを前記実施例1と同様の方法で測
定したところ、同圧力における連続放電(デューティー
比 100%)のときは2.1mg 程度の粉の発生があり、ま
た、膜の表面荒さは2900オングストローム程度の凹凸が
あるのに対し、粉の発生は1/100 程度に減少し、膜の
表面荒さは 700オングストローム程度に低下した。
【0033】尚、圧力1.0Torr で、連続放電(デューテ
ィー比 100%)のときの成膜速度は2200オングストロー
ム/min であり、成膜されたa−Si:H膜の応力は-5
0MPaであった。
【0034】更に、前記実施例4において、真空槽1内
の圧力を1.0Torr とし、高周波電力(周波数40.68MHz)
をデューティー比50%の50WのHGIHと13WのLOW とにパ
ルス変調して基板にa−Si:H膜を成膜したところ、
この場合の平均成膜速度は1200オングストローム/min
であり、また、膜の応力は+30MPa であり、膜の表面荒
さは連続放電のときの2900オングストロームに対し、 8
00オングストロームに低下し、粉の発生も少なかった。
【0035】図3より明らかなように、真空槽1内の圧
力が低くなるにしたがい成膜速度も低下した。これによ
り成膜速度1000オングストローム/min で基板に成膜す
る際は、例えば真空槽1内の圧力を 1.0Torrとした場合
は、周波数13.56MHzでは投入電力は400Wでよく、周波数
27.12MHzでは投入電力は周波数13.56MHzの1/4の100W
でよく、また、周波数40.68MHzでは投入電力は周波数1
3.56MHzの1/8の50Wでよいことになる。尚、周波数4
0.68MHzでは投入電力は理論的には周波数13.56MHzの1
/9だが、高周波による損失のため1/8になってい
る。
【0036】また、図4より明らかなように、成膜され
たa−Si:H膜の応力は圧力に比例して減少する。こ
れにより 0〜-200MPa の実用的応力のa−Si:H膜を
基板に成膜する際は、周波数13.56MHzでは真空槽1内の
圧力を0.9Torr 以上で行なえばよく、周波数27.12MHzで
は圧力を 0.6〜0.8Torr で行なえばよく、また、周波数
40.68MHzでは圧力 0.4〜0.65Torrで成膜を行なえばよい
ことになる。ただし、この圧力範囲は他の条件がかわれ
ば、当然それに伴って変化する。
【0037】更に、パルス変調を行ないながらプラズマ
CVDにより成膜するようにしているため、粉の発生も
従来の連続放電に比べて1/200程度に少なくなり、
また、基板に成膜されたa−Si:H膜の表面荒さも従
来の連続放電に比べて極めて小さくなった。
【0038】従って、これら実施例2、3、4の結果か
ら明らかなように、応力が 0〜-200MPa の複写機の感光
体ドラム、液晶プロジェクター等に適合するa−Si:
H膜(例えば膜厚20μm)を基板に例えば成膜速度1000
オングストローム/min で成膜させるには、E/Sを20
mmとし、高周波電力を1kHzの変調周期でデューティー比
50%のON/OFFパルス変調すれば、周波数13.56MHz
の場合は投入電力400Wで、圧力 0.9〜1.0Torr で成膜を
行なえばよく、また、周波数27.12MHzの場合は投入電力
100Wで、圧力 0.6〜0.8Torr で成膜を行なえばよく、ま
た、周波数40.68MHzの場合は投入電力50W で、圧力 0.4
〜0.65Torrで成膜を行なえばよいことになる。
【0039】従って、高周波電力を周波数1MHz〜50MHz
とし、50Hz〜100kHzの変調周期でパルス変調させること
により、基板に 0〜-200MPa の実用的応力のa−Si:
H膜を成膜速度1000オングストローム/min 以上で、粉
の発生を抑制し、かつ膜表面を平滑状態に成膜できるこ
とが分かる。
【0040】実施例5 高周波電源6に周波数27.12MHzで、300Wの能力のものを
使用し、ガス導入系2から真空槽1内に導入するガス量
を1000sccmとした以外は前記実施例2と同様の方法で基
板7にa−Si:H膜を形成した。そして、真空槽1内
の圧力とa−Si:H膜の成膜速度との関係、および該
圧力と成膜されたa−Si:H膜の応力との関係を調べ
た。
【0041】真空槽1内の圧力と基板7に成膜されるa
−Si:H膜の成膜速度との関係は図5の曲線Hのよう
になった。また、真空槽1内の圧力と成膜されたa−S
i:H膜の応力との関係は図6の曲線Jのようになっ
た。
【0042】また、圧力が0.8Torr におけるa−Si:
H膜の成膜後の粉の発生状況と、基板に成膜されたa−
Si:H膜の表面荒さを前記実施例1と同様の方法で測
定したところ、同圧力における連続放電(デューティー
比 100%)のときは8.4mg 程度の粉の発生があり、ま
た、膜の表面荒さは4200オングストローム程度の凹凸が
あるのに対し、粉の発生は1/200 程度に減少し、膜の
表面荒さは1300オングストローム程度に低下した。
【0043】尚、圧力0.8Torr で、連続放電(デューテ
ィー比 100%)のときの成膜速度は4900オングストロー
ム/min であり、成膜されたa−Si:H膜の応力は-4
90MPa であった。
【0044】実施例6 高周波電源6に周波数40.68MHzで、300Wの能力のものを
使用し、ガス導入系2から真空槽1内に導入するガス量
を1000sccmとした以外は前記実施例2と同様の方法で基
板7にa−Si:H膜を形成した。そして、真空槽1内
の圧力とa−Si:H膜の成膜速度との関係、および該
圧力と成膜されたa−Si:H膜の応力との関係を調べ
た。
【0045】真空槽1内の圧力と基板7に成膜されるa
−Si:H膜の成膜速度との関係は図5の曲線Iのよう
になった。また、真空槽1内の圧力と成膜されたa−S
i:H膜の応力との関係は図6の曲線Kのようになっ
た。
【0046】また、圧力が0.8Torr におけるa−Si:
H膜の成膜後の粉の発生状況と、基板に成膜されたa−
Si:H膜の表面荒さを前記実施例1と同様の方法で測
定したところ、同圧力における連続放電(デューティー
比 100%)のときは7.3mg 程度の粉の発生があり、ま
た、膜の表面荒さは3900オングストローム程度の凹凸が
あるのに対し、粉の発生は1/100 程度に減少し、膜の
表面荒さは1100オングストローム程度に低下した。
【0047】尚、圧力0.8Torr で、連続放電(デューテ
ィー比 100%)のときの成膜速度は9800オングストロー
ム/min であり、成膜されたa−Si:H膜の応力は-4
90MPa であった。
【0048】図5および図6より明らかなように、2000
オングストローム/min 以上の成膜速度で、応力 0〜-2
00MPa のa−Si:H膜を形成する場合には、高周波電
力の変調周期1kHzで、デューティー比50%において、周
波数27.12MHz、投入電力300Wでは圧力0.8Torr 以上で行
なえばよく、また周波数40.68MHz、投入電力300Wでは圧
力0.8Torr 以上で行なえばよいことになる。
【0049】従って、これら実施例5、6の結果から明
らかなように、真空槽内の圧力を0.8Torr とすることに
より、基板に 0〜-200MPa の実用的な応力のa−Si:
H膜を2500オングストローム/min 以上という高速で成
膜できることが分かる。
【0050】これらの実施例に於いては、反応ガスにS
iH4 の単体を使用したが、これをSi2 6 に変更し
ても同様の成果が得られると推定される。また、反応ガ
スにC2 6 、PH3 、B2 6 、GeH4 のいずれか
を添加して、リンドープのn型a−Si:H膜、ボロン
ドープのP型a−Si:H膜、カーボンドープのa−S
iCx :H膜、ゲルマニウムドープのa−SiGex :
H膜のいずれかを成膜すること、或いは反応ガスに
2 、He、Ar、Xe、Krのいずれかを添加して希
釈することは、従来のa−Si:H膜の成膜に於いて行
なわれており、またこのような添加や希釈を行なった反
応ガスでも粉の発生や膜の表面の凹凸を生じており、こ
のような添加や希釈を行なった反応ガスを使用したとき
にも本発明は十分に粉の発生の抑制と膜表面の平滑化の
効果を奏する。
【0051】更に、プラズマCVDによりSiCx 膜、
a−Ge:H膜が成膜されるが、これらの膜の成膜時に
もa−Si:H膜と同様に粉の発生や膜表面の凹凸の発
生が見られるので、これらの成膜に本発明の方法を適用
すれば、迅速に平滑な膜を成膜することが予想される。
SiNx 膜、SiOx 膜、SiOx Ny 膜のような化合
物膜は、成膜条件によって気相重合によるクラスターが
発生し、膜面が荒れるので、このような化合物の成膜に
本発明を適用すると平坦な膜を形成することが可能にな
るであろう。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明によるときは、高周
波電力を使用してプラズマCVDにより電極上の基板に
a−Si:H膜を成膜する際に、該高周波電力を該基板
に1000オングストローム/min 以上の平均成膜速度でa
−Si:H膜を形成するように調整し、該高周波電力を
パルス変調しながらa−Si:H膜を成膜することによ
り、反応ガスの分解で発生したSiH2 ラジカルやクラ
スターが電力の停止時に排出され、或いは消滅し、粒径
の大きいクラスターが存在しなくなるので、粉の発生が
抑制されて膜表面の平滑な膜を高速で成膜できる効果が
ある。
【0053】また、高周波電力の周波数を1MHz〜50MHz
とし、50Hz〜100kHzの変調周期でパルス変調させること
により、低圧力で粉の発生を抑制して平滑な膜表面を有
する0〜-200MPa の低応力のa−Si:H膜を基板に100
0オングストローム/min 以上の高速で成膜することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施に使用した装置の截断側面図、
【図2】 本発明の1実施例の高周波電力パルス変調と
膜面の表面荒さとの関係を示す特性線図、
【図3】 本発明の他の実施例の真空槽内の圧力と成膜
速度との関係を示す特性線図、
【図4】 本発明の他の実施例の真空槽内の圧力と膜の
応力との関係を示す特性線図、
【図5】 本発明のもう一つの実施例の真空槽内の圧力
と成膜速度との関係を示す特性線図、
【図6】 本発明のもう一つの実施例の真空槽内の圧力
と膜の応力との関係を示す特性線図。
【符号の説明】
1 真空槽、 2 ガス導入系、 3
排気系、4、5 電極、 6 高周波電
源、 7 基板、10 ヒーター、 13
変調器。
フロントページの続き (72)発明者 清水 康男 千葉県山武郡山武町横田523 日本真空 技術株式会社千葉超材料研究所内 (72)発明者 一山 政博 千葉県山武郡山武町横田523 日本真空 技術株式会社千葉超材料研究所内 (72)発明者 米▲崎▼ 武 千葉県山武郡山武町横田523 日本真空 技術株式会社千葉超材料研究所内 (72)発明者 戸川 淳 千葉県山武郡山武町横田523 日本真空 技術株式会社千葉超材料研究所内 (72)発明者 谷 典明 千葉県山武郡山武町横田523 日本真空 技術株式会社千葉超材料研究所内 (72)発明者 中村 久三 千葉県山武郡山武町横田523 日本真空 技術株式会社千葉超材料研究所内 (56)参考文献 特開 平5−51753(JP,A) 特開 平2−38570(JP,A) 特開 平7−76781(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 16/00 - 16/56 H01L 21/205

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス導入系と排気系が接続された真空槽
    内に2個以上の電極を設け、その一方の電極に高周波電
    源から周波数 27.12MHz 高周波電力を供給し、他方の電
    極上に基板を搭載し、該排気系で圧力を 0.6 0.8torr
    調整した真空槽内へ該ガス導入系から導入したSiH4
    又はSi2 6 の反応ガスをこれら電極間に発生させた
    プラズマにより分解して加熱した該基板にa−Si:H
    膜を形成する方法に於いて、該高周波電力を1000オング
    ストローム/min 以上の平均成膜速度でa−Si:H膜
    を成膜するように調整し、該高周波電力をパルス変調し
    ながらa−Si:H膜を成膜することを特徴とするプラ
    ズマCVDによるa−Si:H膜の成膜方法。
  2. 【請求項2】 ガス導入系と排気系が接続された真空槽
    内に2個以上の電極を設け、その一方の電極に高周波電
    源から周波数 40.68MHz の高周波電力を供給し、他方の電
    極上に基板を搭載し、該排気系で圧力を 0.4 0.65torr
    に調整した真空槽内へ該ガス導入系から導入したSiH
    4 又はSi 2 6 の反応ガスをこれら電極間に発生させ
    たプラズマにより分解して加熱した該基板にa−Si:
    H膜を形成する方法に於いて、該高周波電力を 1000 オン
    グストローム/ min 以上の平均成膜速度でa−Si:H
    膜を成膜するように調整し、該高周波電力をパルス変調
    しながらa−Si:H膜を成膜することを特徴とするプ
    ラズマCVDによるa−Si:H膜の成膜方法。
  3. 【請求項3】 上記パルス変調の変調周期を50Hz〜100k
    Hzとする請求項1または請求項2に記載のプラズマCV
    Dによるa−Si:H膜の成膜方法。
  4. 【請求項4】 上記反応ガスにCH4 、C2 6 、PH
    3 、B2 6 、GeH4 のいずれかを添加して上記基板
    にドープトa−Si:H膜を成膜することを特徴とする
    請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のプラズマC
    VDによるa−Si:H膜の成膜方法。
  5. 【請求項5】 上記反応ガスにH2 、He、Ar、X
    e、Krのいずれかを添加して希釈し、a−Si:H又
    はドープトa−Si:Hの厚膜を成膜することを特徴と
    する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のa−S
    i:H膜の成膜方法。
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