JP3497501B1 - 高脂血症等疾患の治療または予防剤の試験方法 - Google Patents

高脂血症等疾患の治療または予防剤の試験方法

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Abstract

【要約】 【課題】 高脂血症、動脈硬化および高血糖から選択さ
れる一つまたは二つ以上の疾患の治療または予防剤を試
験するための新規な方法を提供する。 【解決手段】 培養細胞を被験物質の存在下または非存
在下で培養し、「アンジオポエチン関連タンパク質3ま
たは4」遺伝子のmRNA発現量またはプロモーター活
性を検出し、被験物質非存在下で培養した細胞よりも、
被験物質存在下で培養した細胞において、検出されたm
RNAの発現量またはプロモーター活性が少なくなるよ
うな被験物質を選択する方法。LPLおよび/またはH
TGLの活性を調節する物質の試験方法であって、LP
Lおよび/またはHTGLとその基質とを反応させる系
に、被験物質と共に、「アンジオポエチン関連タンパク
質3または4」を共存させ、次いで、該タンパク質によ
るLPLおよび/またはHTGLの活性阻害を、被検物
質が抑制するか否かを調べることを特徴とする方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、高脂血症、動脈
硬化および高血糖から選択される一つまたは二つ以上の
疾患の治療または予防剤を試験するための新規な方法に
関する。
【0002】また、本発明は、高脂血症、動脈硬化およ
び高血糖から選択される一つまたは二つ以上の疾患の治
療または予防剤の探索または試験に有用な新規ポリペプ
チドおよび該ポリペプチドを用いた新規試験方法に関す
る。
【0003】また、本発明は、脂質低下剤、特に高脂血
症、動脈硬化および高血糖から選択される一つまたは二
つ以上の疾患の治療または予防剤として有用な、リパー
ゼ活性を調節する物質を試験するための新規方法に関す
る。
【0004】また、本発明は、高脂血症、動脈硬化およ
び高血糖から選択される一つまたは二つ以上の疾患の治
療または予防剤の試験に有用な、プロモーター活性を有
する新規DNAに関する。
【0005】
【従来の技術】 心臓血管疾患は、いまだ世界のほとん
どの先進諸国における死亡の主原因である。アテローム
性動脈硬化症は、急性冠症候群(不安定狭心症、急性心
筋梗塞、虚血性突然死)、脳血栓および脳梗塞の主な病
因である。米国では、毎年、アテローム性動脈硬化症に
よって引き起こされる心筋梗塞により55万人が死亡して
いると推定される。1991年の統計では、日本での死
亡原因の第一位がアテローム性動脈硬化症による心臓血
管疾患である。疫学研究により、アテローム性動脈硬化
症は、高コレステロール血症、高脂血症、高血圧症、喫
煙などの多くの危険因子によって生じることが判明して
いる。
【0006】血清脂質濃度の異常増加を高脂質血症(hy
perlipidemia)または高脂血症(hyperlipemia)と呼
ぶ。血清脂質にはコレステロール(コレステロールエス
テル、遊離コレステロール)、リン脂質(レシチン、ス
フィンゴミエリン等)、トリグリセリド(中性脂肪)、遊
離脂肪酸、その他のステロール類などがあるが、とくに
臨床的に問題となるのは、血中の中性脂肪およびコレス
テロールの増加である(COMMON DISEASE SERIES No.1
9高脂血症 中村治雄編集 1991年10月10日発行
南江堂、Austin et al., Circulation 101, 2777-2782
(2000))。高コレステロール血症と虚血性心疾患発症と
の関係については、その因果関係は明確にされており、
虚血性心疾患に対する独立した危険因子としての位置が
確立され、その予防や治療が積極的に行なわれている。
また、近年になって血清コレステロール値ほど疫学的に
明確ではないが、高トリグリセリド血症が動脈硬化に関
連した諸疾患の危険因子として再認識されてきている
(Rubins et al., N Engl J Med 341, 410-418 (199
9))。従って、血中脂質値の適切なコントロールは、虚
血性心疾患、脳梗塞などに代表される動脈硬化に関連し
た諸疾患の予防または治療に極めて重要である(Brewer
et al., Am J Cardiol. 83, 3F-12F (1999))。中性脂
肪を低下せしめる薬剤としては、フィブリン酸系化合
物、例えば、クロフィブレート、フェノフィブレート、
ベザフィブレート、ゲムフィブロジルなどが医薬として
供されており、血漿中の中性脂肪、およびコレステロー
ルレベルを低下させ、コレステロールレベルの上昇した
個体における虚血性心疾患の予防に有用であることが知
られている(Havel, R. J. and Kane, J. P. (1973) 13
Ann.Rev. Pharmac. 287-308、Circulation 102, 21-27
(2000)、Frick, M. H. et al. (1987) N. Engl. J. Me
d. 317, 1237-1245)。
【0007】一方、血中コレステロール値を低下させる
薬剤としては、コレスチラミン、コレスチポール等の胆
汁酸を捕捉してその吸収を阻害するもの(例えば、米国
特許第4027009号)、メリナミド(フランス特許第14765
69号)等のアシルコエンザイムAコレステロールアシル
移転酵素(ACAT)を阻害してコレステロールの腸管
吸収を抑制するもの等の他、コレステロールの生合成を
抑制する薬剤が注目されている。コレステロール生合成
抑制薬剤として、特に3−ヒドロキシ−3−メチルグル
タリルコエンザイムA(HMG−CoA)還元酵素を阻
害するロバスタチン(米国特許第4231938号)、シンバ
スタチン(米国特許第4444784号)、プラバスタチン
(米国特許第4346227号)等が医薬として供されてい
る。
【0008】より安全で、かつより効果的な中性脂肪低
下作用を示す脂質低下剤を得ることは、高脂血症の予防
または治療あるいは動脈硬化の治療または予防に有用
な、従って医薬としてより有用な薬剤を提供することに
なる。
【0009】他方、糖尿病は多くの原因因子に由来する
疾患過程であり、血漿グルコースレベルの上昇もしくは
高血糖症を特徴とする。制御されない高血糖症は、ネフ
ロパシー、ニューロパシー、網膜症、高血圧症、卒中お
よび心疾患を含めた細小血管および大血管疾患に関する
危険性の増大に起因して早期死亡率(premature mortal
ity)の上昇に関連する。従って、グルコース恒常性の
制御は高血糖症、ひいては糖尿病の治療法として決定的
に重要である。
【0010】本発明の方法において用いられる遺伝子の
うち配列表配列番号1に記載のcDNA配列は、Gen
bankデータベース上に「アンジオポエチン関連タン
パク質3(angiopoietin-related protein 3)」をコー
ドするヌクレオチド配列として開示されており、また国
際特許出願公開WO99/55869号公報には同じヌ
クレオチド配列が「zalpha5」をコードするもの
として開示されているが、これらのヌクレオチド配列を
有する遺伝子と高脂血症、動脈硬化および高血糖との関
連については知られておらず、またその転写制御に関す
るDNA配列も知られていない。従って、「アンジオポ
エチン関連タンパク質3」乃至「zalpha5」をコ
ードするヌクレオチド配列の一部またはそれらのプロモ
ーターが、高脂血症、動脈硬化および高血糖の治療また
は予防剤を試験するために有用であることも知られてい
ない。
【0011】「アンジオポエチン関連タンパク質」には
6つのファミリーが知られている(「アンジオポエチン
関連タンパク質1、2、3、4、5および6」)。「ア
ンジオポエチン関連タンパク質1、2、3、4、5およ
び6」はアンジオポエチンと同様に、アミノ末端側のコ
イル構造、カルボキシル末端側のフィブリノーゲン様ド
メインを特徴とする分泌タンパク質である(図7)。例
えば、「アンジオポエチン関連タンパク質3」では、4
60アミノ酸のうち、アミノ末端から16番目のアミノ
酸までがシグナルペプチドで、17番目から207番目
のアミノ酸までがヘリックス領域でこの中にコイル構造
が含まれ、208番目から241番目のアミノ酸までが
リンカー領域で、242番目から460番目のアミノ酸
までが、フィブリノーゲン結合領域であるとされてい
る。
【0012】「アンジオポエチン関連タンパク質1」お
よび「アンジオポエチン関連タンパク質2」はアンジオ
ポエチンの相同性を基にしたPCRによりヒト心臓より
同定された(Kim,I., et al. (1999) FEBS Lett.443: 3
53-356; Kim, I., et al (1999) J. Biol. Chem. 27
4: 26523-26528)。「アンジオポエチン関連タンパク質
1」と「アンジオポエチン関連タンパク質2」との間で
は59%の相同性を示す。アンジオポエチン1に対する
「アンジオポエチン関連タンパク質1及び2」の相同性
は26−29%である。アンジオポエチン2に対する
「アンジオポエチン関連タンパク質1及び2」の相同性
は34%である。
【0013】「アンジオポエチン関連タンパク質1」は
幅広い臓器で発現が認められているが、アンジオポエチ
ン様の内皮細胞刺激活性は示さない。一方、「アンジオ
ポエチン関連タンパク質2」については心臓、小腸、脾
臓および胃での発現が認められ、血管内皮細胞に対する
刺激活性を示したものの、アンジオポエチン1あるいは
アンジオポエチン2の受容体である「TIE2」への結
合は認められなかった。
【0014】一方、「アンジオポエチン関連タンパク質
3」については、ESTを用いたホモロジ−検索により
見出され、肝臓と腎臓においてのみ発現していること示
されている(Conklin, D., et al. (1999) Genomics 6
2, 477-482)。「アンジオポエチン関連タンパク質3」
については、C末端側領域の機能について報告されてい
る(Conklin, D., et al. (1999) Genomics 62, 477-48
2)が、N末端側領域がいかなる機能を有するかについ
ては知られていなかった。さらに、C末端側領域を欠い
たN末端領域のみの欠損体が機能を有することは全く知
られていない。また、「アンジオポエチン関連タンパク
質3」のパートナー因子については知られておらず、ア
ンジオポエチン関連タンパク質3およびそのパートナー
因子を用いて、血中中性脂肪濃度を調節する薬剤をイン
・ビトロで試験する方法も知られていない。
【0015】「アンジオポエチン関連タンパク質4」は
PPARγ制御下で脂質代謝あるいはグルコースホメオ
スターシスに関与するタンパク質(Yoon, J. C., et a
l. (2000) Molec. Cell. Biol 20, 5343-5349)、PP
ARα標的遺伝子で絶食により誘導される脂質因子(Ker
sten, S., et al. (2000) J. Biol. Chem. 275, 28488-
28493)、および内皮細胞にアポトーシスを誘発する肝臓
由来の新規「アンジオポエチン関連タンパク質」(Kim,
I., et al. (2000) Biochem. J. 346, 603-610)とし
て同定されている。「アンジオポエチン関連タンパク質
4」は白色脂肪細胞および胎盤での発現が報告されてい
るがアンジオポエチン様の活性の有無については報告さ
れていない。また、「アンジオポエチン関連タンパク質
4」の発現制御に関わる特定のDNA領域(プロモータ
ー/エンハンサー領域)は同定されておらず、該遺伝子
のプロモーターが、高脂血症、動脈硬化や高血糖の治療
または予防剤を試験するために有用であることも知られ
ていなかった。
【0016】「アンジオポエチン関連タンパク質5」は
遺伝子が登録されているだけであり、機能は不明であ
る。
【0017】「アンジオポエチン関連タンパク質6」は
角膜特異的に発現する遺伝子cornea-derived transcrip
t 6 (CDT6)として同定された(Peek, R., et al. (199
8) Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. 39, 1782-1788)。
「アンジオポエチン関連タンパク質6」はマウス移植癌
モデルで腫瘍増殖阻止を示した(Peek, R., et al. (20
01) J. Biol. Chem. epub ahead of print)。
【0018】このようにアンジオポエチンが有する血管
内皮増殖因子様活性とは異なった機能を「アンジオポエ
チン関連タンパク質」は担っている可能性が考えられ
る。
【0019】「アンジオポエチン関連タンパク質」ファ
ミリーに共通するカルボキシル末端側のフィブリノーゲ
ン様ドメインについては、「TIEレセプター」との結
合に関与する領域であるとの報告はなく、また、「アン
ジオポエチン関連タンパク質」ファミリーに共通するア
ミノ末端側のコイル構造がどのような機能を有するかは
不明である。
【0020】さらに、「アンジオポエチン関連タンパク
質」ファミリーのカルボキシル末端側のフィブリノーゲ
ン様領域を欠いたアミノ末端領域のみの欠損体が機能を
有することは全く知られていなかった。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は、高
脂血症、動脈硬化および高血糖から選択される一つまた
は二つ以上の疾患の治療または予防剤を試験するための
新規な方法を提供することにある。
【0022】また、本発明の目的は、高脂血症、動脈硬
化および高血糖から選択される一つまたは二つ以上の疾
患の治療または予防剤の探索または試験に有用な新規ポ
リペプチドおよび該ポリペプチドを用いた新規試験方法
を提供することにある。
【0023】また、本発明の目的は、リパーゼ活性を調
節する物質、特に、高脂血症および/または動脈効果の
予防または治療剤として有用な、LPLおよび/または
HTGL活性を上昇させることによって血中脂質濃度を
低下せしめる物質を試験するための新規方法を提供する
ことにある。
【0024】また、本発明の目的は、「アンジオポエチ
ン関連タンパク質3」遺伝子および「アンジオポエチン
関連タンパク質4」遺伝子の転写制御に関わるプロモー
ター領域を特定し、該プロモーターの活性を調節する化
合物のスクリーニング方法を提供することにある。より
具体的には、高脂血症、動脈硬化もしくは高血糖の治療
または予防剤を試験するための新規な方法および該方法
において用いられるDNAが提供される。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は、 (1) 下記の工程を含む、被験物質の、高脂血症、動
脈硬化および高血糖から選択される一つまたは二つ以上
の疾患の治療または予防効果を試験する方法: 1)哺乳動物由来培養細胞を被験物質の存在下または非
存在下で培養する; 2)上記1)で得られた培養細胞における、下記のa)
乃至e)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列(た
だし、配列中のtはuに読み替える)を有するmRNA
の発現量を検出する: a)配列表の配列番号1のヌクレオチド番号47から1
411に示されるヌクレオチド配列; b)配列表の配列番号3のヌクレオチド番号78から1
457に示されるヌクレオチド配列; c)形質転換大腸菌E.coli pBK/m55−1
SANK 72199(FERM BP−6940)
が保持するファージミド中に挿入されたDNAが有する
ヌクレオチド配列; d)形質転換大腸菌E.coli pTrip/h55
−1 SANK 72299(FERM BP−694
1)が保持するファージミド中に挿入されたDNAが有
するヌクレオチド配列; e)上記a)乃至d)のいずれか一つに記載のヌクレオ
チド配列のアンチセンス配列からなるポリヌクレオチド
とストリンジェントな条件でハイブリダイズし、血中の
中性脂肪濃度を上昇させる活性を有するポリペプチドを
コードするヌクレオチド配列;および 3)上記工程2)の結果、被験物質非存在下で培養した
細胞と、被験物質存在下で培養した細胞との間で、検出
されたmRNAの発現量を比較する。
【0026】(2) 哺乳動物由来培養細胞が肝臓由来
であることを特徴とする、(1)に記載の方法。
【0027】(3) 哺乳動物由来培養細胞が霊長類ま
たは齧歯類動物由来であることを特徴とする、(1)ま
たは(2)に記載の方法。
【0028】(4) 哺乳動物由来培養細胞がヒトまた
はマウス由来であることを特徴とする、(1)乃至
(3)のいずれか一つに記載の方法。
【0029】(5) (1)乃至(4)のいずれか一つ
に記載の方法において、mRNAの発現量を検出する手
段がノーザンブロット、ドットブロットまたはスロット
ブロットであることを特徴とする方法。
【0030】(6) (1)乃至(4)のいずれか一つ
に記載の方法において、mRNAの発現量を検出する手
段がRT−PCRであることを特徴とする方法。
【0031】(7) (1)乃至(4)のいずれか一つ
に記載の方法において、mRNAの発現量を検出する手
段がリボヌクレアーゼ保護アッセイであることを特徴と
する方法。
【0032】(8) (1)乃至(4)のいずれか一つ
に記載の方法において、mRNAの発現量を検出する手
段がランオン・アッセイであることを特徴とする方法。
【0033】(9) (1)乃至(4)のいずれか一つ
に記載の方法において、mRNAの発現量を検出する手
段が動物組織または細胞由来の相補的DNA群または該
DNAの部分配列で作製された遺伝子チップを用いるも
のであることを特徴とする方法。
【0034】(10) 下記の工程を含む、被験物質
の、高脂血症、動脈硬化および高血糖から選択される一
つまたは二つ以上の疾患の治療または予防効果を試験す
る方法: 1)培養細胞を被験物質の存在下または非存在下で培養
する; 2)上記1)で得られた培養細胞上清における、下記の
a)乃至e)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列
にコードされるアミノ酸配列またはその一部からなるポ
リペプチドの産生量を、該ポリペプチドと特異的に結合
する抗体を用いて検出する: a)配列表の配列番号1のヌクレオチド番号47から1
411に示されるヌクレオチド配列; b)配列表の配列番号3のヌクレオチド番号78から1
457に示されるヌクレオチド配列; c)形質転換大腸菌E.coli pBK/m55−1
SANK 72199(FERM BP−6940)
が保持するファージミド中に挿入されたDNAが有する
ヌクレオチド配列; d)形質転換大腸菌E.coli pTrip/h55
−1 SANK 72299(FERM BP−694
1)が保持するファージミド中に挿入されたDNAが有
するヌクレオチド配列; e)上記a)乃至d)のいずれか一つに記載のヌクレオ
チド配列のアンチセンス配列からなるポリヌクレオチド
とストリンジェントな条件でハイブリダイズし、血中の
中性脂肪濃度を上昇させる活性を有するポリペプチドを
コードするヌクレオチド配列;および 3)上記工程2)の結果、被験物質非存在下で培養した
細胞と、被験物質存在下で培養した細胞との間で、検出
されたポリペプチドの量を比較する。
【0035】(11) (10)に記載の方法におい
て、a)乃至e)のいずれか一つに記載のヌクレオチド
配列にコードされるアミノ酸配列またはその一部からな
るポリペプチドと特異的に結合する抗体が、配列表の配
列番号2のアミノ酸番号17−455に示されるアミノ
酸配列からなるポリペプチドもしくはその一部、同19
−455に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
もしくはその一部、または配列番号4のアミノ酸番号1
7−460に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチ
ドもしくはその一部と特異的に結合するものであること
を特徴とする方法。
【0036】(12) (10)または(11)に記載
の方法において、a)乃至e)のいずれか一つに記載の
ヌクレオチド配列にコードされるアミノ酸配列またはそ
の一部からなるポリペプチドと特異的に結合する抗体
が、配列表の配列番号9のアミノ酸番号1から13に示
されるアミノ酸配列または配列番号10のアミノ酸番号
1から14に示されるアミノ酸配列を特異的に認識する
ものであることを特徴とする方法。
【0037】(13) (10)乃至(12)のいずれ
か一つに記載の方法において、a)乃至e)のいずれか
一つに記載のヌクレオチド配列にコードされるアミノ酸
配列またはその一部からなるポリペプチドの産生量を該
ポリペプチドと特異的に結合する抗体を用いて検出する
操作が、ウエスタンブロット、ドットブロットまたはス
ロットブロットであることを特徴とする方法。
【0038】(14) (10)乃至(12)のいずれ
か一つに記載の方法において、a)乃至e)のいずれか
一つに記載のヌクレオチド配列にコードされるアミノ酸
配列またはその一部からなるポリペプチドの産生量を該
ポリペプチドと特異的に結合する抗体を用いて検出する
操作が、固相酵素免疫定量法(ELISA法)または放
射性同位元素免疫定量法(RIA法)であることを特徴
とする方法。
【0039】(15) (14)記載のELISA法に
おいてプレートに固相化する抗体としてマウスハイブリ
ドーマ45B1の産生するモノクローナル抗体Mab4
5B1を使用することを特徴とする方法。なお、ハイブ
リドーマ45B1は、独立行政法人産業技術総合研究所
特許生物寄託センターに2002年3月13日付で、寄
託番号FERM BP−7963として寄託されてい
る。
【0040】(16) 下記のi)および/またはi
i)記載の抗体を含むことを特徴とする、高脂血症、動
脈硬化および高血糖から選択される一つまたは二つ以上
の疾患の治療または予防剤を試験するためのキット:
i)下記のa)乃至e)のいずれか一つに記載のヌクレ
オチド配列にコードされるアミノ酸配列またはその一部
からなるポリペプチドと特異的に結合する抗体: a)配列表の配列番号1のヌクレオチド番号47から1
411に示されるヌクレオチド配列; b)配列表の配列番号3のヌクレオチド番号78から1
457に示されるヌクレオチド配列; c)形質転換大腸菌E.coli pBK/m55−1
SANK 72199(FERM BP−6940)
が保持するファージミド中に挿入されたDNAが有する
ヌクレオチド配列; d)形質転換大腸菌E.coli pTrip/h55
−1 SANK 72299(FERM BP−694
1)が保持するファージミド中に挿入されたDNAが有
するヌクレオチド配列; e)上記a)乃至d)のいずれか一つに記載のヌクレオ
チド配列のアンチセンス配列からなるポリヌクレオチド
とストリンジェントな条件でハイブリダイズし、血中の
中性脂肪濃度を上昇させる活性を有するポリペプチドを
コードするヌクレオチド配列; ii)配列表の配列番号9のアミノ酸番号1から13に
示されるアミノ酸配列または配列番号10のアミノ酸番
号1から14に示されるアミノ酸配列と特異的に結合す
ることを特徴とする抗体。
【0041】(17) 配列表の配列番号3のヌクレオ
チド番号78から1457に示されるヌクレオチド配列
中の連続した15乃至30ヌクレオチドからなるヌクレ
オチド配列のアンチセンス配列を含むヌクレオチド配列
を有するDNAまたはRNAを有効成分として含有する
高脂血症、動脈硬化および高血糖から選択される一つま
たは二つ以上の疾患の遺伝子治療のための組成物。
【0042】(18) 配列表の配列番号12に示され
るアミノ酸配列に含まれる連続した1つのアミノ酸配列
であって、アミノ酸番号17のアミノ酸をアミノ末端と
し、アミノ酸番号147乃至207のいずれか1つのア
ミノ酸をカルボキシル末端とするアミノ酸配列からなる
ポリペプチド。
【0043】(19) 配列表の配列番号12のアミノ
酸番号17乃至207に示されるアミノ酸配列からなる
ことを特徴とする、(18)記載のポリペプチド。
【0044】(20)配列表の配列番号12のアミノ酸
番号17乃至195に示されるアミノ酸配列からなるこ
とを特徴とする、(18)記載のポリペプチド。
【0045】(21) 配列表の配列番号12のアミノ
酸番号17乃至147に示されるアミノ酸配列からなる
ことを特徴とする、(18)記載のポリペプチド。
【0046】(22) 配列表の配列番号16に示され
るアミノ酸配列に含まれる連続した1つのアミノ酸配列
であって、アミノ酸番号26をアミノ末端とし、アミノ
酸番号143をカルボキシル末端とするアミノ酸配列か
らなるポリペプチド。
【0047】(23) 配列表の配列番号16に示され
るアミノ酸配列に含まれる連続した1つのアミノ酸配列
であって、アミノ酸番号26をアミノ末端とし、アミノ
酸番号144乃至183のいずれか一つをカルボキシル
末端とするアミノ酸配列からなるポリペプチド。
【0048】(24)配列表の配列番号18のアミノ酸
配列に含まれる連続した1つのアミノ酸配列であって、
アミノ酸番号22をアミノ末端とし、アミノ酸番号20
2乃至276のいずれか1つをカルボキシル末端とする
アミノ酸配列からなるポリペプチド。
【0049】(25) 配列表の配列番号20のアミノ
酸配列に含まれる連続した1つのアミノ酸配列であっ
て、アミノ酸番号23をアミノ末端とし、アミノ酸番号
206乃至275のいずれか1つをカルボキシル末端と
するアミノ酸配列からなるポリペプチド。
【0050】(26) 配列表の配列番号22のアミノ
酸配列に含まれる連続した1つのアミノ酸配列であっ
て、アミノ酸番号21をアミノ末端とし、アミノ酸番号
185乃至258のいずれか1つをカルボキシル末端と
するアミノ酸配列からなるポリペプチド。
【0051】(27) 配列表の配列番号24に示され
るアミノ酸配列に含まれる連続した1つのアミノ酸配列
であって、アミノ酸番号27をアミノ末端とし、アミノ
酸番号122乃至129のいずれか1つをカルボキシル
末端とするアミノ酸配列からなるポリペプチド。
【0052】(28) 配列表の配列番号16のアミノ
酸番号26をアミノ末端とし、406をカルボキシル末
端とするアミノ酸配列からなるポリペプチド。
【0053】(29) 配列表の配列番号18のアミノ
酸番号22をアミノ末端とし、491をカルボキシル末
端とするアミノ酸配列からなるポリペプチド。
【0054】(30) 配列表の配列番号20のアミノ
酸番号23をアミノ末端とし、493をカルボキシル末
端とするアミノ酸配列からなるポリペプチド。
【0055】(31) 配列表の配列番号22のアミノ
酸番号21をアミノ末端とし、470をカルボキシル末
端とするアミノ酸配列からなるポリペプチド。
【0056】(32) 配列表の配列番号24のアミノ
酸番号27をアミノ末端とし、346をカルボキシル末
端とするアミノ酸配列からなるポリペプチド。
【0057】(33) 配列表の配列番号26に示され
るアミノ酸配列からなるポリペプチド。
【0058】(34)(18)乃至(33)記載のアミ
ノ酸配列の一つもしくは数個の部位において、一つ若し
くは数個のアミノ酸残基が欠失、挿入、付加もしくは置
換されている、哺乳動物の血中の中性脂肪濃度を上昇さ
せる活性を有するポリペプチドの同効物。
【0059】(35) (18)乃至(34)のいずれ
か1つに記載のポリペプチドをコードするDNA。
【0060】(36) 配列表の配列番号11に示され
るヌクレオチド配列に含まれる連続した1つの配列であ
って、ヌクレオチド番号18のヌクレオチドを5'末端
とし、ヌクレオチド番号458乃至638のいずれか1
つのヌクレオチドを3'末端とするヌクレオチド配列か
らなるDNA。
【0061】(37) 配列表の配列番号11に示され
るヌクレオチド配列に含まれる連続した1つの配列であ
って、ヌクレオチド番号18のヌクレオチドを5'末端
とし、ヌクレオチド番号458乃至602のいずれか1
つのヌクレオチドを3'末端とするヌクレオチド配列か
らなるDNA。
【0062】(38) 配列表の配列番号15に示され
るヌクレオチド配列に含まれる連続した1つの配列であ
って、ヌクレオチド番号173のヌクレオチドを5'末
端とし、ヌクレオチド番号601を3'末端とするヌク
レオチド配列からなるDNA。
【0063】(39) 配列表の配列番号15に示され
るヌクレオチド配列に含まれる連続した1つの配列であ
って、ヌクレオチド番号173のヌクレオチドを5'末
端とし、ヌクレオチド番号1393を3'末端とするヌ
クレオチド配列からなるDNA。
【0064】(40) 配列表の配列番号17に示され
るヌクレオチド配列に含まれる連続した1つの配列であ
って、ヌクレオチド番号434のヌクレオチドを5'末
端とし、ヌクレオチド番号1039乃至1261のいず
れか1つのヌクレオチドを3'末端とするヌクレオチド
配列からなるDNA。
【0065】(41) 配列表の配列番号17に示され
るヌクレオチド配列に含まれる連続した1つの配列であ
って、ヌクレオチド番号434のヌクレオチドを5'末
端とし、ヌクレオチド番号1909を3'末端とするヌ
クレオチド配列からなるDNA。
【0066】(42) 配列表の配列番号19に示され
るヌクレオチド配列に含まれる連続した1つの配列であ
って、ヌクレオチド番号22のヌクレオチドを5'末端
とし、ヌクレオチド番号639乃至846のいずれか1
つのヌクレオチドを3'末端とするヌクレオチド配列か
らなるDNA。
【0067】(43) 配列表の配列番号19に示され
るヌクレオチド配列に含まれる連続した1つの配列であ
って、ヌクレオチド番号22のヌクレオチドを5'末端
とし、ヌクレオチド番号1503を3'末端とするヌク
レオチド配列からなるDNA。
【0068】(44) 配列表の配列番号21に示され
るヌクレオチド配列に含まれる連続した1つの配列であ
って、ヌクレオチド番号242のヌクレオチドを5'末
端とし、ヌクレオチド番号796乃至1015のいずれ
か1つのヌクレオチドを3'末端とするヌクレオチド配
列からなるDNA。
【0069】(45) 配列表の配列番号21に示され
るヌクレオチド配列に含まれる連続した1つの配列であ
って、ヌクレオチド番号242のヌクレオチドを5'末
端とし、ヌクレオチド番号1654を3'末端とするヌ
クレオチド配列からなるDNA。
【0070】(46) 配列表の配列番号23に示され
るヌクレオチド配列に含まれる連続した1つの配列であ
って、ヌクレオチド番号86のヌクレオチドを5'末端
とし、ヌクレオチド番号373乃至394のいずれか1
つのヌクレオチドを3'末端とするヌクレオチド配列か
らなるDNA。
【0071】(47) 配列表の配列番号23に示され
るヌクレオチド配列に含まれる連続した1つの配列であ
って、ヌクレオチド番号86のヌクレオチドを5'末端
とし、ヌクレオチド番号1048を3'末端とするヌク
レオチド配列からなるDNA。
【0072】(48) 配列表の配列番号25のヌクレ
オチド番号18乃至662に示されるヌクレオチド配列
からなるDNA。
【0073】(49) (35)乃至(48)のいずれ
か1つに記載のDNAを含む組換えベクター。
【0074】(50) アデノウイルスベクターである
ことを特徴とする、(49)記載の組換えベクター。
【0075】(51) (49)または(50)記載の
組換えベクターで形質転換された宿主細胞。
【0076】(52) (51)記載の宿主細胞を培養
し、次いで、該培養物から、哺乳動物の血中の中性脂肪
濃度を上昇させる活性を有するポリペプチドを回収する
ことを特徴とする、哺乳動物の血中の中性脂肪濃度を上
昇させる活性を有するポリペプチドの製造方法。
【0077】(53) 下記の工程を含む、高脂血症、
動脈硬化および高血糖から選択される一つまたは二つ以
上の疾患の治療または予防剤の試験方法: 1) 非ヒト哺乳動物に、(18)乃至(34)に記載
のポリペプチドから選択される1種又は2種以上のポリ
ペプチド、および被験物質を投与する;および 2) 上記1)の動物の血中の中性脂肪濃度を測定す
る。
【0078】(54) 下記の工程を含む、高脂血症、
動脈硬化および高血糖から選択される一つまたは二つ以
上の疾患の治療または予防剤の試験方法: 1) 非ヒト哺乳動物に、(50)記載の組換えアデノ
ウイルスベクターを保持するアデノウイルスを感染させ
る; 2) 上記工程1)の動物に被験物質を投与する;およ
び 3) 上記工程2)の動物の血中の中性脂肪濃度を測定
する。
【0079】(55) 高脂血症、動脈硬化および高血
糖から選択される一つまたは二つ以上の疾患の治療また
は予防剤の試験方法であって、リポタンパク質リパーゼ
(以下「LPL」という)および/または肝性トリアシ
ルグリセロールリパーゼ(以下「HTGL」という)と
その基質とを反応させる系に、被験物質と共に、配列表
の配列番号4のアミノ酸番号17乃至460に示される
アミノ酸配列からなるポリペプチド、そのカルボキシル
末端の1乃至253残基を欠くポリペプチド、または
(18)乃至(34)記載のポリペプチドを共存させ、
次いで、該ポリペプチドによるLPLおよび/またはH
TGL活性の阻害作用に対する、被験物質の抑制効果を
調べることを特徴とする方法。
【0080】(56) 下記の工程を含む、LPL活性
を調節する物質の試験方法: 1) 下記の[1]−a乃至[3]記載の材料と、被験
物質とを共存させた混合物を調製する:[1] −a LPLを含む材料;[2] −a LPLの基質を含む材料;[3] 配列表の配列番号4のアミノ酸番号17乃至4
60に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、そ
のカルボキシル末端の1乃至253残基を欠くポリペプ
チド、または(18)乃至(34)記載のポリペプチ
ド; 2) 上記1)の[1]−a乃至[3]の材料のみから
なる混合物を、1)とは別個に調製する; 3) 上記1)および2)の混合物において、基質から
遊離された脂肪酸の量をそれぞれ測定し、その測定値を
比較する。
【0081】(57) LPLを含む材料が、哺乳動物
由来の培養脂肪細胞の培養上清であることを特徴とす
る、(56)記載の方法。
【0082】(58) LPLを含む材料が、げっ歯類
または霊長類動物由来の培養脂肪細胞の培養上清である
ことを特徴とする、(56)または(57)に記載の方
法。
【0083】(59) LPLの基質を含む材料が、グ
リセロール・トリオレイン酸であることを特徴とする、
(56)乃至(58)のいずれか1つに記載の方法。
【0084】(60)下記の工程を含む、LPLおよび
/またはHTGLの活性を調節する物質の試験方法: 1) 下記の[1]−b乃至[3]記載の材料と、被験
物質とを共存させた混合物を調製する:[1] −b LPLおよび/またはHTGLを含む材
料;[2] −b LPLおよび/またはHTGLの基質を含
む材料;[3] 配列表の配列番号4のアミノ酸番号17乃至4
60に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、ま
たはそのカルボキシル末端の1乃至253残基を欠くポ
リペプチドまたは(18)乃至(34)記載のポリペプ
チド; 2) 上記1)の[1]−b乃至[3]の材料のみから
なる混合物を、1)とは別個に調製する; 3) 上記1)および2)の混合物において、基質から
遊離された脂肪酸の量を測定し、その測定値を比較す
る。
【0085】(61) LPLおよび/またはHTGL
を含む材料が、ヘパリンを静注投与した哺乳動物由来の
血漿であることを特徴とする、(60)記載の方法。
【0086】(62) LPLおよび/またはHTGL
の基質を含む材料が、グリセロール・トリオレイン酸で
あることを特徴とする、(60)または(61)記載の
方法。
【0087】(63) LPLおよび/またはHTGL
を含む材料が、哺乳動物由来の培養脂肪細胞の培養上清
であるか、またはヘパリンを静注投与した哺乳動物由来
の血漿であることを特徴とする、(59)記載の方法。
【0088】(64) LPLおよび/またはHTGL
を含む材料が、げっ歯類または霊長類動物由来の培養脂
肪細胞の培養上清であることを特徴とする、(59)ま
たは(63)記載の方法。
【0089】(65) LPLおよび/またはHTGL
の基質を含む材料が、グリセロール・トリオレイン酸で
あることを特徴とする、(59)、(63)または(6
4)のいずれか1つに記載の方法。
【0090】(66) 下記の1)乃至3)のいずれか
一つで表されるDNA: 1)配列表の配列番号27に示されるヌクレオチド配列
において、ヌクレオチド番号1で示されるヌクレオチド
を5'末端とし、ヌクレオチド番号510乃至526の
いずれか一つで示されるヌクレオチドを3'末端とする
ヌクレオチド配列からなるDNA; 2)上記1)記載のDNAとストリンジェントな条件下
でハイブリダイズし、哺乳動物肝臓由来の細胞中におい
てプロモーター活性を有するDNA; 3)上記1)記載のDNAと95%以上のヌクレオチド
配列同一性を有するヌクレオチド配列を含み、哺乳動物
肝臓由来の細胞中においてプロモーター活性を有するD
NA。
【0091】(67) 配列表の配列番号27のヌクレ
オチド番号1から510で示されるヌクレオチド配列を
含むDNA。
【0092】(68) 配列表の配列番号27のヌクレ
オチド番号1から510で示されるヌクレオチド配列か
らなるDNA。
【0093】(69) 配列表の配列番号27のヌクレ
オチド番号1から526で示されるヌクレオチド配列か
らなるDNA。
【0094】(70) 下記の1)乃至3)のいずれか
一つで表されるDNA: 1)配列表の配列番号28に示されるヌクレオチド配列
において、ヌクレオチド番号1で示されるヌクレオチド
を5'末端とし、ヌクレオチド番号188乃至260の
いずれか一つで示されるヌクレオチドを3'末端とする
ヌクレオチド配列からなるDNA; 2)上記1)に記載のDNAとストリンジェントな条件
下でハイブリダイズし、哺乳動物由来の細胞中において
プロモーター活性を有するDNA; 3)上記1)に記載のDNAと95%以上のヌクレオチ
ド配列同一性を有するヌクレオチド配列を含み、哺乳動
物由来の細胞中においてプロモーター活性を有するDN
A。
【0095】(71) 配列表の配列番号28のヌクレ
オチド番号1から188で示されるヌクレオチド配列を
含み、哺乳動物由来の細胞中においてプロモーター活性
を有するDNA。
【0096】(72) 配列表の配列番号28のヌクレ
オチド番号1から188で示されるヌクレオチド配列か
らなるDNA。
【0097】(73) (66)乃至(72)のいずれ
か1つに記載のDNAを含む発現ベクター。
【0098】(74) 外来遺伝子の上流側に外来遺伝
子配列と同じ転写の方向で(66)乃至(72)のいず
れか1つに記載のDNAが連結されており、哺乳動物細
胞中で外来遺伝子を発現させ得る発現ベクター。
【0099】(75) 外来遺伝子配列がルシフェラー
ゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファタ
ーゼ、β−ガラクトシダーゼおよび緑色蛍光タンパク質
からなる群から選択されるタンパク質をコードする遺伝
子配列であることを特徴とする、(74)記載の発現ベ
クター。
【0100】(76) 外来遺伝子配列がルシフェラー
ゼをコードする遺伝子配列であることを特徴とする、
(74)記載の発現ベクター。
【0101】(77) 組換えプラスミドpGL8−3
(FERM BP−7627)。
【0102】(78) 発現ベクターpGL11−4。
【0103】(79) (73)乃至(78)のいずれ
か1つに記載の発現ベクターで形質転換された宿主細
胞。
【0104】(80) 下記の工程i)からiii)を
含む、被験物質の、高脂血症、動脈硬化および高血糖か
ら選択される一つまたは二つ以上の疾患の治療または予
防効果を試験する方法: i)(73)乃至(78)のいずれか一つに記載の発現
ベクターで形質転換された宿主細胞を被験物質の存在
下、または非被存在下で培養する工程; ii)上記i)の宿主細胞における、(73)乃至(7
8)のいずれか一つに記載の発現ベクター中の、外来遺
伝子にコードされているタンパク質の産生量を検出また
は測定する工程; iii)上記ii)の結果、被験物質の存在下で培養し
た細胞と被験物質非存在下で培養した細胞との間での検
出または測定結果を比較する工程。
【0105】(81) 下記の工程i)およびii)を
含む、高脂血症、動脈硬化および高血糖から選択される
一つまたは二つ以上の疾患の治療または予防効果を有す
るタンパク質をコードするcDNAを同定する方法: i)[1](73)乃至(78)のいずれか一つに記載
の発現ベクターで形質転換された宿主細胞(以下「細胞
A」という)、[2]細胞Aを被験cDNAが哺乳動物
用発現ベクターに組み込まれた組換えプラスミドで形質
転換することにより該被験cDNAを一過性または安定
的に発現する細胞(以下「細胞B」という)および
[3]細胞Aを別の組換えプラスミドで形質転換してい
るが、該被験cDNAは発現しない細胞(以下「細胞
C」という)の[1]乃至[3]の細胞からなる群から
選択される細胞を個別に培養する工程; ii)上記i)の細胞A、細胞Bおよび細胞Cにおけ
る、(73)乃至(78)のいずれか一つに記載の発現
ベクター中の、外来遺伝子にコードされているタンパク
質の発現量を測定し比較する工程。
【0106】(82) 「アンジオポエチン関連タンパ
ク質3」遺伝子プロモーター活性を調節するタンパク質
を検出する方法であって、(66)乃至(69)のいず
れか一つに記載のDNAに該タンパク質を含む試料を接
触させ、次いで、該DNAに結合した該タンパク質を検
出することを特徴とする方法。
【0107】(83) 下記の工程i)およびii)を
含む、「アンジオポエチン関連タンパク質3」遺伝子プ
ロモーター活性を調節する活性を有する物質を試験する
方法: i)(66)乃至(69)のいずれか一つに記載のDN
Aを放射標識したものに、マウス細胞の核抽出液および
被験物質を加えたもの、ならびにマウス細胞の核抽出液
のみを加えたものをそれぞれ調製する; ii)上記i)の各混合物試料を電気泳動し、マウス細
胞の核抽出液のみを加えた試料で見出されるバンドと被
験物質を加えた試料で見出されるバンドの間で移動度を
比較する。
【0108】(84) 配列表の配列番号27のヌクレ
オチド番号1から526で示されるヌクレオチド配列中
の、連続した少なくとも10ヌクレオチドからなるDN
A、そのアンチセンス配列を含むヌクレオチド配列から
なる核酸またはそれらの誘導体。
【0109】(85) 「アンジオポエチン関連タンパ
ク質4」遺伝子プロモーター活性を調節するタンパク質
を分離する方法であって、(70)乃至(72)のいず
れか一つに記載のDNAに該タンパク質を含む試料を接
触させ、次いで、該DNAに結合した該タンパク質を単
離することを特徴とする方法。
【0110】(86) 下記の工程i)およびii)を
含む、「アンジオポエチン関連タンパク質4」遺伝子プ
ロモーター活性を調節する活性を有する物質を試験する
方法: i)(70)乃至(72)のいずれか一つに記載のDN
Aを放射標識したものに、マウス細胞の核抽出液および
被験物質を加えたもの、ならびにマウス細胞の核抽出液
のみを加えたものをそれぞれ調製する; ii)上記i)の各混合物試料を電気泳動し、マウス細
胞の核抽出液のみを加えた試料で見出されるバンドと被
験物質を加えた試料で見出されるバンドの間で移動度を
比較する。
【0111】(87) 配列表の配列番号28のヌクレ
オチド番号1から260で示されるヌクレオチド配列中
の、連続した少なくとも10ヌクレオチドからなるDN
A、そのアンチセンス配列を含むヌクレオチド配列から
なり、(70)乃至(72)のいずれか一つに記載のD
NAが有するプロモーター活性を促進または阻害する核
酸またはそれらの誘導体。に関する。
【0112】すなわち、本発明は、配列表の配列番号
1、3、11、15、17、19、21、23および2
5に示される、哺乳動物の血液中の中性脂肪濃度の調節
に関与する遺伝子の発現を指標として、被験物質の高脂
血症、動脈硬化および高血糖の治療または予防剤として
の効果を試験する方法、該方法において用いられる核酸
プローブ、プライマーおよび抗体を提供するものであ
る。
【0113】本発明者らは、高脂血症の治療または予防
剤の標的遺伝子を探索する目的で、先天的低脂血症マウ
スの遺伝子を高脂血症マウスの遺伝子と比較することに
より、高脂血症の原因遺伝子の染色体上の位置を絞り込
んだ結果、高脂血症マウスで高発現する遺伝子を特定す
ることに成功した。この遺伝子由来のcDNAは、ホモ
ロジー検索の結果、Genbankデータベースに「ア
ンジオポエチン関連タンパク質3」をコードするヌクレ
オチド配列として開示されていたが、本発明者らは、該
ヌクレオチド配列を有する遺伝子を低脂血症マウスに強
制発現させ、あるいは動物細胞で発現させたヒト型組換
えタンパク質を投与することで、血中の中性脂肪の濃度
が上昇することを見出し、該遺伝子がこれまで報告され
ていない新規な機能を有することを確かめた。
【0114】さらに、先天的に「アンジオポエチン関連
タンパク質3」遺伝子を正常に発現しないコンジェニッ
クマウスと動脈硬化を発症するアポリポプロテインE欠
損マウスとを掛け合わせることで得られたマウスにおい
ては、動脈硬化の進展が抑制されることが確かめられ
た。そこで、該ヌクレオチド配列またはその一部をプロ
ーブもしくはプライマーとして用いた遺伝子発現の検出
系を利用する、動脈硬化治療または予防剤の新規試験方
法を構築することに成功した。また、該ヌクレオチド配
列がコードするポリペプチドに特異的な抗体を調製し、
該抗体を用いて該ポリペプチドの産生量を検出する実験
系を利用する動脈硬化症の治療または予防剤の新規試験
方法を構築することに成功した。
【0115】さらに、先天的に「アンジオポエチン関連
タンパク質3」遺伝子を正常に発現しないコンジェニッ
クマウスと動脈硬化を発症するアポリポプロテインE欠
損マウスまたはレプチン変異遺伝子を有するマウスを掛
け合わせることで得られたマウスにおいては、高血糖状
態が改善されることを確かめた。そこで、該ヌクレオチ
ド配列またはその一部をプローブもしくはプライマーと
して用いた遺伝子発現の検出系を利用することにより、
高血糖の治療または予防剤の新規試験方法を構築できる
ことを見出した。また、該ヌクレオチド配列がコードす
るポリペプチドに特異的な抗体を調製し、該抗体を用い
て該ポリペプチドの産生量を検出する実験系を利用する
高血糖の治療または予防剤の新規試験方法を構築するこ
とに成功した。
【0116】また、本発明者らは、「アンジオポエチン
関連タンパク質」が共通して持っているアミノ末端側の
コイル構造に着目し、「アンジオポエチン関連タンパク
質」、「アンジオポエチン関連タンパク質」のカルボキ
シル末端側フィブリノーゲン様領域を欠いたアミノ末端
領域のみの欠損体ポリペプチドが、哺乳動物において血
中の中性脂肪濃度を上昇させる機能を有することを見出
した。更に、本発明者らは、「アンジオポエチン関連タ
ンパク質」を血中に投与すると、カルボキシル末端側の
フィブリノーゲン様領域が切断され、アミノ末端側のヘ
リックス領域を有するポリペプチドが生成し、このペプ
チドが血中脂肪濃度上昇に関与していることも見出し
た。さらに、本発明者らは、「アンジオポエチン関連タ
ンパク質」または「アンジオポエチン関連タンパク質」
のカルボキシル末端側フィブリノーゲン様領域を欠いた
アミノ末端領域のみの欠損体ポリペプチドを用いて、イ
ン・ビボおよびイン・ビトロにおいて高脂血症、動脈硬
化および高血糖から選択される一つまたは二つ以上の疾
患の治療または予防剤を試験する方法を確立した。
【0117】「アンジオポエチン関連タンパク質」にお
けるヘリックス領域、リンカー領域、フィブリノーゲン
様領域は例えば、三次元結晶構造解析で決めることがで
きるが、コンピュータープログラムを用いて予測するこ
ともできる。このようなプログラムとしては、GCG
Package Ver.10.2(COIL SCA
N)(Lupas, et al., Science 252:1162-1164.1991.)
が知られている。ヘリックス領域にはコイル構造が存在
する。
【0118】上記、コンピュータープログラムあるい
は、実験結果によると、「アンジオポエチン関連タンパ
ク質1」では、配列表の配列番号18のアミノ酸番号1
乃至21までがシグナルペプチド、22乃至202まで
がコイル構造が含まれているヘリックス領域、277乃
至491までがフィブリノーゲン様領域であり、「アン
ジオポエチン関連タンパク質2」では、配列表の配列番
号20のアミノ酸番号1乃至22までがシグナルペプチ
ド、23乃至206までがコイル構造が含まれているヘ
リックス領域、276乃至493までがフィブリノーゲ
ン様領域であり、「アンジオポエチン関連タンパク質
3」では、配列表の配列番号4のアミノ酸番号1乃至1
6までがシグナルペプチド、17乃至207までがコイ
ル構造が含まれているヘリックス領域、242乃至46
0までがフィブリノーゲン様領域であり、「アンジオポ
エチン関連タンパク質4」では、配列表の配列番号16
のアミノ酸番号1乃至25までがシグナルペプチド、2
6乃至144までがコイル構造が含まれているヘリック
ス領域、184乃至406までがフィブリノーゲン様領
域であるり、「アンジオポエチン関連タンパク質5」で
は、配列表の配列番号22のアミノ酸番号1乃至20ま
でがシグナルペプチド、21乃至185までがコイル構
造が含まれているヘリックス領域、 259乃至470
までがフィブリノーゲン様領域であり、「アンジオポエ
チン関連タンパク質6」では、配列表の配列番号24の
アミノ酸番号1乃至26までがシグナルペプチド、27
乃至122までがコイル構造が含まれているヘリックス
領域、130乃至346までがフィブリノーゲン様領域
である。
【0119】また、本発明者らは、イン・ビボでの血中
中性脂肪濃度上昇作用を担う「アンジオポエチン関連タ
ンパク質3」のパートナー因子について探索を行った結
果、LPLおよび/またはHTGLのリパーゼ活性がア
ンジオポエチン関連タンパク質3により阻害されること
を見出した。そして、アンジオポエチン関連タンパク質
3の血中中性脂肪濃度上昇作用を調節する物質をイン・
ビトロで試験するための方法として、このLPLおよび
/またはHTGLのリパーゼ活性阻害作用を利用する方
法を開発し、本発明を完成させた。
【0120】アンジオポエチン関連タンパク質3はLP
L活性を阻害することから、該タンパク質とLPLとの
相互作用を抑制することにより実質的にLPL活性を上
昇させる物質を見出せば、新しい作用機序を有する、高
脂血症または動脈硬化の治療または予防に有用な薬剤を
提供することになる。
【0121】また、本発明者らは、マウスゲノムにおけ
る「アンジオポエチン関連タンパク質3」遺伝子の転写
開始点と予測される部位(配列表の配列番号27のヌク
レオチド番号419)を「1」として、その5'末端側
上流418ヌクレオチドの部位から、3'末端側下流1
08ヌクレオチド(以下、「−418乃至+108」の
ように表記する。配列表の配列番号27のヌクレオチド
番号1乃至526)のヌクレオチド配列からなるDNA
にルシフェラーゼをコードするDNAを連結したレポー
ター遺伝子をヒトHepG2細胞に導入し、ルシフェラ
ーゼの産生量を測定することにより、「アンジオポエチ
ン関連タンパク質3」遺伝子の「−418乃至+10
8」領域がプロモーター活性を有することを見出した。
また本発明者らは、ルシフェラーゼ遺伝子に連結するマ
ウス「アンジオポエチン関連タンパク質3」遺伝子の
5'末端側領域を「+93乃至+108」(配列表の配
列番号27のヌクレオチド番号511乃至526)に短
縮すると、プロモーター活性が失われることも見いだし
た。本発明者らは、さらに、上記プロモーター活性を有
するDNAを用いることにより、該プロモーター活性を
調節する化合物をスクリーニングできることを見出し
た。
【0122】また、本発明者らは、マウスゲノムにおけ
る「アンジオポエチン関連タンパク質4」遺伝子の転写
開始点と予測される部位(配列表の配列番号28のヌク
レオチド番号91)を「1」として、その5'末端側上
流90ヌクレオチドの部位から、3'末端側下流169
ヌクレオチド(以下、「−90乃至+170」のように
表記する。配列表の配列番号28のヌクレオチド番号1
乃至260に相当)のヌクレオチド配列からなるDNA
にルシフェラーゼをコードするDNAを連結したレポー
ター遺伝子をサル腎細胞COS1に導入し、ルシフェラ
ーゼの産生量を測定することにより、「アンジオポエチ
ン関連タンパク質4」遺伝子の「−90乃至+170」
領域がプロモーター活性を有することを見出した。また
本発明者らは、ルシフェラーゼ遺伝子に連結するマウス
「アンジオポエチン関連タンパク質4」遺伝子の5'末
端側領域を「+99乃至+170」(配列表の配列番号
28のヌクレオチド番号189乃至260に相当)に短
縮すると、プロモーター活性が失われることも見出し
た。本発明者らは、さらに、上記プロモーター活性を有
するDNAを用いることにより、該プロモーター活性を
調節する化合物をスクリーニングできることを見出し
た。
【0123】本発明のDNAは、哺乳動物肝臓由来の細
胞においてプロモーター活性を有する限り、マウス「ア
ンジオポエチン関連タンパク質3」遺伝子の5'末端側
上流域のいかなるヌクレオチド配列を含んでいてもよ
い。好適には、配列表の配列番号27のヌクレオチド番
号1乃至526に示されるヌクレオチド配列からなるD
NAを挙げることができるが、本発明はこれに限定され
ない。
【0124】一方、マウス「アンジオポエチン関連タン
パク質3」遺伝子の5'末端側+93乃至+108に相
当するヌクレオチド配列(配列表の配列番号27のヌク
レオチド番号511乃至526)からなるDNAは、実
質的にプロモーター活性を有さない。したがって、マウ
ス「アンジオポエチン関連タンパク質3」遺伝子の5'
末端側上流域の−418位から+92位に相当するヌク
レオチド配列(配列表の配列番号27のヌクレオチド番
号1乃至510)に、プロモーター活性に必須の領域が
含まれると考えられるので、本発明のプロモーターDN
Aは、好ましくは配列表の配列番号27のヌクレオチド
番号1乃至510で示されるヌクレオチド配列の少なく
とも一部を含む。
【0125】また、本発明のDNAは、哺乳動物由来の
細胞においてプロモーター活性を有する限り、マウス
「アンジオポエチン関連タンパク質4」遺伝子の5'末
端側上流域のいかなるヌクレオチド配列を含んでいても
よい。好適には、配列表の配列番号28のヌクレオチド
番号1乃至260に示されるヌクレオチド配列からなる
DNAを挙げることができるが、本発明はこれに限定さ
れない。
【0126】一方、マウス「アンジオポエチン関連タン
パク質4」遺伝子の5'末端側+99乃至+170に相
当するヌクレオチド配列(配列表の配列番号28のヌク
レオチド番号189乃至260に相当)からなるDNA
は、実質的にプロモーター活性を有さない。したがっ
て、マウス「アンジオポエチン関連タンパク質4」遺伝
子の5'末端側上流域の−90位から+98位に相当す
るヌクレオチド配列(配列表の配列番号28のヌクレオ
チド番号1乃至188に相当)に、プロモーター活性に
必須の領域が含まれると考えられるので、本発明のプロ
モーターDNAは、より好適には配列表の配列番号28
のヌクレオチド番号1乃至188で示されるヌクレオチ
ド配列を少なくとも一部に含む。
【0127】本発明において、「ストリンジェントな条
件でハイブリダイズする」とは、市販のハイブリダイゼ
ーション溶液ExpressHyb Hybridization Solution(ク
ロンテック社製)中、68℃でハイブリダイズするこ
と、またはそれと同等の条件でハイブリダイズすること
をいう。
【0128】
【発明の実施の形態】I. 遺伝子の発現を指標とする
方法 本発明の一つの方法は、具体的には例えば、配列表の配
列番号1のヌクレオチド番号47から1411に示され
るヌクレオチド配列、配列表の配列番号3のヌクレオチ
ド番号78から1457に示されるヌクレオチド配列、
配列表の配列番号15のヌクレオチド番号173から1
390に示されるヌクレオチド配列、配列表の配列番号
17のヌクレオチド番号434から1909に示される
ヌクレオチド配列、配列表の配列番号19のヌクレオチ
ド番号22から1500に示されるヌクレオチド配列、
配列表の配列番号21のヌクレオチド番号242から1
652に示されるヌクレオチド配列または配列表の配列
番号23のヌクレオチド番号8から1045に示される
ヌクレオチド配列を有する遺伝子、またはそれらがコー
ドするポリペプチドと同じく血中資質濃度を上昇させる
活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子の発現
を、当該核酸(mRNA)または当該ポリペプチドの特
異的検出によって測定し、該遺伝子の発現量を低下させ
るような被験物質を高脂血症、動脈硬化および高血糖か
ら選択される一つまたは二つ以上の疾患の治療または予
防剤の候補物質として選択するものである。以下、核酸
の検出を行う態様とポリペプチドの検出を行う態様とに
分けて説明する。
【0129】(A)核酸の検出 1)プローブ 核酸の検出を行う態様のうち、核酸ハイブリダイゼーシ
ョンを利用する方法において用いられるプローブは、D
NAまたはRNAであって、そのヌクレオチド配列は、
下記a)乃至e): a)配列表の配列番号1のヌクレオチド番号47から1
411に示されるヌクレオチド配列; b)配列表の配列番号3のヌクレオチド番号78から1
457に示されるヌクレオチド配列; c)形質転換大腸菌E.coli pBK/m55−1
SANK 72199(FERM BP−6940)
が保持するファージミド中に挿入されたDNA断片が有
するヌクレオチド配列; d)形質転換大腸菌E.coli pTrip/h55
−1 SANK 72299(FERM BP−694
1)が保持するファージミド中に挿入されたDNA断片
が有するヌクレオチド配列; e)上記a)乃至d)のいずれか一つに記載のヌクレオ
チド配列のアンチセンス配列を有するポリヌクレオチド
とストリンジェントな条件でハイブリダイズし、血中の
中性脂肪濃度を上昇させる活性を有するポリペプチドを
コードするヌクレオチド配列; のいずれか一つ(ただし、配列中のtはuに読み替える)
のヌクレオチド配列であればよく、例えば、上記a)乃
至e)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列のアン
チセンス配列を有するポリヌクレオチド、該アンチセン
ス配列中の連続した少なくとも15ヌクレオチドからな
る部分配列を有するポリヌクレオチド、または該アンチ
センス配列の改変体等、上記a)乃至e)のいずれか一
つに記載のヌクレオチド配列を有するポリリボヌクレオ
チドとストリンジェントな条件でハイブリダイズするこ
とにより該ポリリボヌクレオチドを特異的に検出するこ
とが可能なものは全て本発明の方法に用いられ得る。そ
れらのうち、上記a)記載のヌクレオチド配列のアンチ
センス配列を有するポリヌクレオチドは、例えばマウス
肝臓由来のcDNAライブラリーから配列表の配列番号
1に示すヌクレオチド配列情報に基づいて、周知の方
法、例えばプラークハイブリダイゼーション法、コロニ
ーハイブリダイゼーション法またはPCR法等によりク
ローニングしたcDNAクローンを、周知の方法で直接
標識するか、または該cDNAクローンを鋳型としたポ
リメラーゼ反応による複製または転写反応において標識
することにより、標識プローブとして得ることができ
る。また、上記b)記載のヌクレオチド配列のアンチセ
ンス配列を有するポリヌクレオチドは、例えばヒト肝臓
由来のcDNAライブラリーから配列表の配列番号3に
示すヌクレオチド配列情報に基づいて、同様の操作を行
うことによりクローニングしたcDNAクローンから標
識プローブを得ることができる。一方、上記c)または
d)記載のヌクレオチド配列のアンチセンス配列を有す
るポリヌクレオチドは、工業技術院生命工学工業技術研
究所(現 独立行政法人産業技術総合研究所・特許生物
寄託センター)に平成11年11月19日付で国際寄託
され、受託番号FERM BP−6940またはFER
M BP−6941が付されている形質転換大腸菌株
E.colipBK/m55−1 SANK 7219
9株またはE.coli pTrip/h55−1 S
ANK 72299株が保持する組換えファージミドか
ら得ることができる。
【0130】さらに、上記e)記載のヌクレオチド配列
のアンチセンス配列を有するポリヌクレオチドは、例え
ば上記のようにして得られる上記a)乃至d)記載のヌ
クレオチド配列のアンチセンス配列を有するポリヌクレ
オチドをプローブとして、任意の哺乳動物(好ましくは
肝臓)由来のcDNAライブラリーについてプラークハ
イブリダイゼーション法やコロニーハイブリダイゼーシ
ョン法によるクローニングを行って単離したcDNAク
ローンから得ることができる。
【0131】さらにまた、上記a)乃至e)のいずれか
一つに記載のヌクレオチド配列のアンチセンス配列中の
連続した少なくとも15ヌクレオチドからなる部分配列
を有するポリヌクレオチドは、数十ヌクレオチド程度の
ものであれば化学合成によって得ることが可能である。
またあるいは、上記のようにして得られる上記a)乃至
e)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列を有する
cDNAクローン中の任意の部分配列を、例えばPCR
等によってサブクローニングしてから、上記と同様の手
法でアンチセンス配列を有するプローブとして調製する
こともできる。
【0132】例えば、配列表の配列番号1記載のヌクレ
オチド配列のアンチセンス配列中の連続した数十ヌクレ
オチドからなる部分配列において、数ヌクレオチドが付
加、欠失および/または付加されたようなヌクレオチド
配列からなるポリヌクレオチドであっても、上記a)乃
至e)のいずれか一つに記載のポリリボヌクレオチドと
ストリンジェントな条件でハイブリダイズする限り、本
発明の方法に用いられ得る。そのようなポリヌクレオチ
ドは、化学合成法や、ポリメラーゼ連鎖反応(以下「P
CR」という)等の酵素反応を利用した本発明の属する
技術分野における周知の変異導入法を用いて作製するこ
とが可能である。
【0133】また、本発明の方法において用いられるプ
ローブは単一のヌクレオチド配列からなるものに限定さ
れない。すなわち本発明の方法においては、例えば上記
の要件を満足する複数種類のヌクレオチド配列の混合物
をプローブとして用いるか、またははそれら複数種類の
ヌクレオチド配列をそれぞれ個別に用いた多重検出を行
ってもよい。
【0134】2)RT−PCR用プライマー 本発明における、核酸の検出を行うもう一つの態様は、
まずmRNAを鋳型とする逆転写酵素反応を行ってか
ら、PCRを実施して特異的にDNA断片を増幅する、
いわゆるRT−PCRを行う方法である。この方法にお
いて、目的のヌクレオチド配列を特異的に増幅するため
には、目的のmRNAの特定の部分配列に相補的なアン
チセンスプライマーと、該アンチセンスプライマーから
逆転写酵素により生成されるcDNAの配列中の特定の
部分配列に相補的なセンスプライマーが用いられる。
【0135】逆転写酵素反応およびPCRの両方に用い
られるアンチセンスプライマーは、実質的に上記a)乃
至e)記載のヌクレオチド配列のアンチセンス配列中
の、連続した少なくとも18ヌクレオチド、好ましくは
少なくとも23ヌクレオチドのヌクレオチド配列からな
る。
【0136】一方、PCRにおいて用いられるセンスプ
ライマーの配列は、上記a)乃至e)記載のヌクレオチ
ド配列において、上記アンチセンスプライマーの相補鎖
にあたる配列中の最も5'末端側の位置よりもさらに5'
末端側領域に存在する配列中の連続した少なくとも18
ヌクレオチド、好ましくは少なくとも21ヌクレオチド
の任意の部分配列からなる。ただし、センスプライマー
とアンチセンスプライマーに互いに相補的な配列が存在
すると、プライマー同士がアニーリングすることにより
非特異的な配列が増幅され、特異的な遺伝子検出の妨げ
となるおそれがあるので、そのような組み合わせを避け
たプライマーの設計を行うことが好ましい。
【0137】これらアンチセンスプライマーおよびセン
スプライマーには、いずれも上記で規定したそれらヌク
レオチド配列の5'末端に、上記a)乃至e)記載のヌ
クレオチド配列とは無関係のヌクレオチド配列がリンカ
ーとして付加されていてもよい。ただし、特異的な遺伝
子検出の妨げとならないよう、該リンカーは反応中に反
応液内の核酸と非特異的アニーリングを起こさないよう
なものであることが好ましい。
【0138】3)遺伝子発現を検出する細胞または動物 次に、本発明の方法において用いられる培養細胞は、上
記a)乃至e)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配
列を有する遺伝子を発現する哺乳動物細胞であればよ
い。好ましくは哺乳動物肝臓由来の培養細胞(好ましく
は、初代培養肝細胞)であるが、例えば上記a)乃至
e)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列を有する
遺伝子をそのプロモーター領域とともに導入した細胞な
ど、人為的に形質転換された細胞(例えば、CHO細
胞)も使用することが可能である。哺乳動物種として
は、ヒト、マウス、ラットまたはハムスターが好まし
く、ヒトまたはマウスがより好ましく、さらに、好まし
い細胞としては高脂血症マウスであるKKマウス(日本
クレア社より入手可能)の初代培養肝細胞を挙げること
ができるが、これらに限定されない。また、培養細胞を
用いるよりも好適と判断される場合には、哺乳動物個体
に被験物質を投与して、その後該動物個体から摘出され
たその臓器または組織細胞における上記a)乃至e)の
いずれか一つに記載のヌクレオチド配列を有する遺伝子
の発現を検出する方法も採用し得る。その際、遺伝子発
現の検出対象となる臓器または組織は、上記a)乃至
e)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列を有する
遺伝子を発現するものであればよいが、好ましくは肝臓
である。この実施態様における好ましい哺乳動物種はヒ
ト、マウス、ラットまたはハムスターが好ましく、ヒト
またはマウスがより好ましい。例えばマウスとしては前
記KKマウスが好ましく用いられるが、本発明はこれに
限定されない。
【0139】本発明の方法において用いられる培養細胞
は、上記a)乃至e)のいずれか一つに記載のヌクレオ
チド配列を有する遺伝子を発現可能な条件(ただし被験
物質を添加しない場合)であれば、いかなる条件で培養
してもよい。例えば、該培養細胞について確立された培
養条件が知られており、該条件下において該細胞が上記
a)乃至e)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列
を有する遺伝子を発現する場合は、該条件で培養してよ
い。
【0140】4)被験物質の添加 上記細胞の培養中、被験物質を培養培地に添加し一定期
間培養する。被験物質としては、化合物、微生物の代謝
産物、植物や動物組織の抽出物、それらの誘導体または
それらの混合物等が挙げられる。また、上記a)乃至
e)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列を有する
遺伝子の発現を抑制するように設計された核酸またはそ
の誘導体(アンチセンスヌクレオチド、リボザイム、R
NAi等を含む)を、被験物質として使用することも可
能である。被験物質の投与量や濃度は適宜設定するか、
または例えば希釈系列を作成するなどして複数種の投与
量を設定してもよい。被験物質存在下で培養する期間も
適宜設定してよいが、好ましくは30分乃至24時間で
ある。哺乳動物個体に被験物質を投与する場合は、被験
物質の物性等により経口投与、静脈注射、腹腔内注射、
経皮投与、皮下注射等の投与形態を使い分ける。
【0141】5)試料の調製 上記のようにして培養した細胞からRNAを抽出するに
際しては、培養終了後直ちに細胞をRNA抽出用の溶媒
(例えばフェノール等リボヌクレアーゼを不活性化する
作用を有する成分を含むもの)で直接溶解するのが好ま
しい。または、細胞を破壊しないように、スクレーパー
で慎重に掻きとるか、もしくはトリプシン等のタンパク
質タンパク質分解酵素を用いて穏やかに培養基材から分
離させるなどの方法により、細胞を回収した後、速やか
にRNA抽出工程に移行する。
【0142】RNAの抽出方法としては、チオシアン酸
グアニジン・塩化セシウム超遠心法、チオシアン酸グア
ニジン・ホットフェノール法、グアニジン塩酸法、酸性
チオシアン酸グアニジン・フェノール・クロロホルム法
(Chomczynski, P. and Sacchi, N., (1987) Anal. Bio
chem., 162, 156-159)などを採用しうるが、酸性チオ
シアン酸グアニジン・フェノール・クロロホルム法が好
適である。
【0143】得られたRNAからさらにmRNAを精製
する方法は以下に説明する通りである。すなわち、真核
細胞の細胞質に存在するmRNAの多くは、その3'末
端にポリ(A)配列を持つことが知られているので、こ
の特徴を利用して例えばビオチン化したオリゴ(dT)
プローブにmRNAを吸着させ、さらにストレプトアビ
ジンを固定化した常磁性粒子に、ビオチン/ストレプト
アビジン間の結合を利用してmRNAを捕捉し洗浄操作
の後、mRNAを溶出することにより、mRNAを精製
することができる。また、オリゴ(dT)セルロースカ
ラムにmRNAを吸着させて、次にこれを溶出して精製
する方法も採用し得る。さらにショ糖密度勾配遠心法な
どにより、mRNAをさらに分画することもできる。た
だし、本発明の方法のためには、これらmRNAの精製
工程は必須ではなく、上記a)乃至e)のいずれか一つ
に記載のヌクレオチド配列を有する遺伝子の発現の検出
が可能である限りにおいて、全RNAをその後の工程に
用いることもできる。
【0144】6)試料の固相化 核酸ハイブリダイゼーションによる検出を行う場合、上
記のようにして得られたRNA試料中の遺伝子を特異的
に検出するため、該RNA試料をアガロース電気泳動を
経てハイブリダイゼーション実験用メンブレン(以下単
に「メンブレン」という)に転写する(ノーザンブロッ
ト法)か、または直接メンブレンに試料を染み込ませ
る、いわゆるドットブロット法やスロットブロット法に
より、メンブレンに固相化する。このメンブレンとして
は、ニトロセルロースメンブレン(例えば、ハイボンド
−Cピュア(アマシャム・ファルマシア社製)等)、ポ
ジティブチャージ・ナイロンメンブレン(例えば、ハイ
ボンド−N+アマシャム・ファルマシア社製)等)また
は親水性ナイロンメンブレン(例えば、ハイボンド−N
/NX(アマシャム・ファルマシア社製)等)等が用い
られる。
【0145】ノーザンブロット用のアガロース電気泳動
方法としては、アガロースホルムアミドゲル電気泳動
法、試料をグリオキサールとジメチルスルホキシドで処
理し、変性させた後、リン酸緩衝液で作製したアガロー
スゲルで泳動させる方法およびアガロースゲルメチル水
銀電気泳動法(以上Maniatis, T. et al. (1982) in "M
olecular Cloning A Laboratory Manual" Cold Spring
Harbor Laboratory, NY.)等を挙げることができるが、
これらに限定されない。
【0146】電気泳動後のゲルからメンブレンにRNA
を移す、いわゆるブロッティング方法としては、キャピ
ラリートランスファー法(Maniatis, T. et al. (1982)
in"Molecular Cloning A Laboratory Manual" Cold Sp
ring Harbor Laboratory, NY.)、バキューム法、電気
泳動法(Maniatis, T. et al. (1989) in "MolecularCl
oning A Laboratory Manual、2nd ed" Cold Spring Ha
rbor Laboratory, NY.)等を挙げることができる。ドッ
トブロット法やスロットブロット法のための器材も市販
されている(例えば、バイオドット(バイオラッド社
製)等)。
【0147】ブロッティング終了後、メンブレンに移し
取られたRNAをメンブレンに固定する操作を行う(こ
の操作はメンブレンの材質によって異なり、製品によっ
ては固定操作不要の場合もある)。
【0148】7)プローブの標識 核酸ハイブリダイゼーションによる検出を行うにあた
り、上記のようにして固相化させたRNA試料中の特定
のmRNAを検出するためのプローブの標識方法と検出
方法について以下に述べる: i)放射性同位元素標識 DNA断片またはそれを保持するベクター等を材料乃至
鋳型として、ニックトランスレーション法(例えば、ニ
ックトランスレーションキット(アマシャム・ファルマ
シア社製)等を使用)、ランダムプライム法(例えば、
マルチプライムDNAラベリングシステム(アマシャム
・ファルマシア社製)等を使用)、末端標識法(例え
ば、メガラベル(宝酒造(株)社製)、3'−末端ラベ
リングキット(アマシャム・ファルマシア社製)等を使
用)で標識DNAプローブを調製するか、あるいは鋳型
となるDNAをサブクローニングしたベクター中のSP
6プロモーターやT7プロモーターを利用したイン・ビ
トロ転写法により標識RNAプローブを調製する。これ
らプローブの検出はX線フィルムまたはイメージングプ
レートを用いたオートラジオグラフィーにより行うこと
ができ、さらにX線フィルムの場合はデンシトメトリー
(例えば、GS−700イメージイングデンシトメータ
ー(バイオラッド社製)を使用)を、イメージングプレ
ートの場合はBAS2000II(富士フィルム製)シ
ステムをそれぞれ用いた定量も可能である。
【0149】ii)酵素標識 DNAあるいはRNA断片を直接酵素標識する。標識に
用いられる酵素は例えば、アルカリホスファターゼ(Al
kPhos Direct system for chemiluminescence(アマシ
ャム・ファルマシア社製)等を使用)、西洋ワサビペル
オキシダーゼ(Horseradish Peroxidase)(ECLダイ
レクト・ヌクレイック・アッシド・ラベリング・アンド
・ディテクション・システム(アマシャム・ファルマシ
ア社製)等を使用)を挙げることができる。プローブの
検出は、標識した酵素の触媒反応が検出可能になるよう
な基質、例えば該触媒反応により発色物質を生成した
り、発光するような基質を含む酵素反応緩衝液にメンブ
レンを浸すことにより行う。発色基質を用いた場合は目
視により検出することができ、発光基質を用いた場合は
放射性同位元素標識の場合と同様にX線フィルムまたは
イメージングプレートを用いたオートラジオグラフィー
やインスタントカメラを用いた写真撮影により検出する
ことができる。さらに、発光基質を用いた場合は、デン
シトメトリーやBAS2000IIシステムを利用した
定量も可能である。
【0150】iii)その他分子による標識 フルオレセイン標識: DNA断片にニックトランスレ
ーション法、ランダムプライム法、または3'末端標識
法(アマシャム・ファルマシア社より市販されているE
CL 3'−オリゴラベリングシステムなど)で標識す
る。あるいはSP6、T7プロモーターによるイン・ビ
トロ転写によりRNAに標識する;ビオチン標識: D
NAの5'末端を標識(アマシャム・ファルマシア社よ
り市販されているオリゴヌクレオチド・ビオチン・ラベ
リングキットなど使用)するか、またはDNA断片にニ
ックトランスレーション法、ランダムプライム法などで
標識する。
【0151】ジゴキシゲニン修飾dUTP標識: DN
A断片にニックトランスレーション法、ランダムプライ
ム法などで標識する。
【0152】これら標識分子の検出は、いずれの場合
も、標識された分子に特異的に結合する分子を放射性同
位元素や酵素で標識したものをプローブに結合させる操
作を含む。特異的に結合する分子とは、例えばフルオレ
セインやジゴキシゲニンの場合は抗フルオレセイン抗体
や抗ジゴキシゲニン抗体であり、ビオチンの場合はアビ
ジンまたはストレプトアビジンである。これらをプロー
ブに結合させた以降は、その標識された放射性同位元素
や酵素により上記i)またはii)記載と同様の方法に
したがって検出を行うことができる。
【0153】8)ハイブリダイゼーション ハイブリダイゼーションは、本発明が属する技術分野に
おいて周知の方法で行われ得る。本発明におけるハイブ
リダイゼーション溶液または洗浄液の組成と、ハイブリ
ダイゼーション温度または洗浄温度の関係については、
例えば文献(バイオ実験イラストレイテッド4、p14
8、秀潤社刊)の記載に従うことができるが、好ましい
条件は以下の通りである:ハイブリダイゼーション溶
液: ExpressHyb Hybridization Solution(クロンテ
ック社製); プローブの終濃度(放射標識プローブの場合): 1乃
至2×106cpm/ml(好ましくは、2×106cp
m/ml); ハイブリダイゼーション温度および時間: 68℃、1
乃至24時間。
【0154】メンブレンの洗浄条件: i) 0.1乃至5×SSC(最も好ましくは2×SS
C)、0.05乃至0.1% SDS(最も好ましくは
0.05%)ドデシル硫酸ナトリウム(以下「SDS」
という)中、室温乃至42℃(最も好ましくは室温)で
20乃至60分間(最も好ましくは20分間)振盪する
操作を、洗浄液を交換して2乃至6回(最も好適には3
回)行う; ii) 上記i)の後、0.1×SSC、0.1% S
DS中、50乃至65℃で、20乃至60分間振盪する
操作を、洗浄液を交換して2乃至6回行う。または、
0.2乃至0.5×SSC、0.1% SDS中、62
乃至65℃で、20乃至60分間振盪する操作を、洗浄
液を交換して2乃至6回行う。最も好適には、0.1×
SSC、0.1% SDS中、50℃で、20分間振盪
する操作を、洗浄液を交換して3回行う。
【0155】洗浄終了後、上記7)に記載したように、
プローブの標識法に合わせた検出・定量を行う。また、
細胞あたりの発現量が安定していることが知られている
遺伝子(例えば、23kDa高塩基性タンパク質、α−
チューブリン、グリセルアルデヒド−3−デヒドロゲナ
ーゼ、ヒポキサンチン・グアニン・ホスホリボシルトラ
ンスフェラーゼ、ホスホリパーゼA2、リボゾーマルタ
ンパク質S9、ユビキチン等の遺伝子発現を検出するた
めのプローブが市販されている)の各試料における発現
量を、各試料間のRNA量の差等に起因するばらつきを
補正する目的で同時に測定しておき、この安定的発現遺
伝子の発現量を基準とした、検出対象遺伝子発現量の相
対値を、被験物質を投与した細胞群と投与しなかった細
胞群との間で比較することにより、より精密な評価を行
うことができる。
【0156】その結果、上記a)乃至e)のいずれか一
つに記載のヌクレオチド配列を有する遺伝子の発現量を
低下させる被験物質は、高脂血症、動脈硬化および高血
糖から選択される一つまたは二つ以上の疾患の治療また
は予防剤となり得る。
【0157】9)RT−PCR反応 RT−PCRによって核酸の検出を行う態様における、
各反応の条件は以下に記載する通りである。なお、RT
−PCRによる検出のための試料は、通常ポリ(A)+
RNAにまで精製されている必要はない。
【0158】i)逆転写酵素反応 反応液組成の例(全量20μl): 全RNA 適宜; 塩化マグネシウム 2.5乃至5mM(好ましくは5m
M); 1×RNA PCR緩衝液(10mM トリス−塩酸
(25℃におけるpH8.3乃至9.0(好ましくは
8.3))、50mM 塩化カリウム); dNTPs 0.5乃至1mM(好ましくは1mM); アンチセンスプライマー 1μM (アンチセンスプラ
イマーの代用として、市販のランダムプライマーやオリ
ゴ(dT)プライマー(12−20ヌクレオチド)を
2.5μM添加することもできる); 逆転写酵素 0.25乃至1単位/μl(好ましくは
0.25単位/μl); 滅菌水で20μlに調整する。
【0159】反応温度条件: 30℃で10分間保温(ランダムプライマー使用時の
み)した後、42乃至60℃(好ましくは42℃)で1
5乃至30分間(好ましくは30分間)保温し、さらに
99℃で5分間加熱して酵素を失活させてから、4乃至
5℃(好ましくは5℃)で5分間冷却する。
【0160】ii)PCR 反応液組成の例: 塩化マグネシウム 2乃至2.5mM(好ましくは2.
5mM); 1×PCR緩衝液(10mM トリス−塩酸(25℃に
おけるpH8.3乃至9.0(好ましくは8.3))、
50mM 塩化カリウム; dNTPs 0.2乃至0.25mM(好ましくは0.
25mM); アンチセンスプライマーおよびセンスプライマー 0.
2乃至0.5μM(好ましくは0.2μM); Taqポリメラーゼ 1乃至2.5単位(好ましくは
2.5単位); 滅菌水を加えて全量を80μlに調整し、その全量を、
逆転写反応を終了した反応液全量に加えてからPCRを
開始する。
【0161】反応温度条件: まず94℃で2分間加熱
した後、90乃至95℃(好ましくは94℃)で30秒
間、40乃至60℃(好ましくは、プライマーの特性か
ら算出される解離温度(Tm)からそれより20度低い
温度までの範囲内で30秒間、70乃至75℃(好まし
くは72℃)で1.5分間の温度サイクルを28乃至5
0サイクル(好ましくは28サイクル)繰り返してか
ら、4℃に冷却する。
【0162】PCR終了後、反応液を電気泳動し、目的
の大きさのバンドが増幅されているか否かを検出する。
定量的検出を行うためには、予め段階希釈したcDNA
クローンを標準の鋳型DNAとして同条件でPCRを実
施し、定量的検出が可能な温度サイクル数を定めておく
か、または、例えば5サイクルごとに一部反応液をサン
プリングしてそれぞれ電気泳動を行う。また例えばPC
R反応時に放射標識dCTPを用いることにより、バン
ド中に取り込まれた放射能の量を指標に定量を行うこと
もできる。
【0163】被験物質存在下で培養した細胞由来の試料
と、被験物質非存在下で培養した細胞由来の試料との間
で検出結果を比較し、上記a)乃至e)のいずれか一つ
に記載のヌクレオチド配列を有する遺伝子の発現量を低
下させた被験物質は高脂血症、動脈硬化および高血糖か
ら選択される一つまたは二つ以上の疾患の治療または予
防剤となり得る。
【0164】10)その他の方法 上記a)乃至e)のいずれか一つに記載のヌクレオチド
配列を有する遺伝子の発現量を測定する他の方法として
は、以下に記載するものを挙げることができる。
【0165】i)リボヌクレアーゼ保護アッセイ(RNas
e protection assay): RNA試料中の、上記a)乃
至e)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列を有す
るmRNA(ただし配列中のtはuに読み替える)のみに
標識プローブをハイブリダイズさせ、二本鎖ポリヌクレ
オチドを形成させておいてから、試料にリボヌクレアー
ゼを添加してインキュベーションすると、プローブがハ
イブリダイズしたmRNAは二本鎖を形成していること
によってリボヌクレアーゼによる消化を免れ、それ以外
のRNAは消化されるので、該二本鎖ポリヌクレオチド
のみが残る(検出されるmRNAよりプローブが短けれ
ば、プローブの鎖長に相当する二本鎖ポリヌクレオチド
が残る)。この二本鎖ポリヌクレオチドを定量すること
により、目的の遺伝子の発現量を測定する。具体的に
は、例えば以下に記載する方法に従う。
【0166】二本鎖を形成せずに余った標識プローブを
二本鎖ポリヌクレオチドと確実に分離して定量を容易に
するために、余った標識プローブはリボヌクレアーゼに
消化されることが好ましいが、リボヌクレアーゼとして
一本鎖DNAも消化できるようなものを使用すれば、標
識プローブはDNAでもRNAでもよい。標識プローブ
の調製方法は上記1)および7)の記載に準ずるが、こ
の方法において用いられるプローブの長さは50乃至5
00ヌクレオチド程度が好ましい。
【0167】RNAプローブは、例えば下記の方法に従
って調製される。まず鋳型DNAをバクテリオファージ
のプロモーター(T7、SP6、T3プロモーター等)
を有するプラスミドベクター(例えばpGEM−T(プ
ロメガ社製)など)に挿入する。次にこの組換えプラス
ミドベクターを、制限酵素で、挿入断片のすぐ下流で一
ヶ所だけ切断されるように消化する。得られた直鎖DN
Aを鋳型として、放射能標識されたリボヌクレオチド存
在下で、イン・ビトロ転写反応を行う。この反応には、
ベクター中のプロモーターに合わせてT7、SP6、ま
たはT3ポリメラーゼ等の酵素を用いる。以上の操作は
例えばリボプローブシステム−T7、同−SP6または
同−T3(いずれもプロメガ社製)を用いて行うことが
できる。
【0168】RNA試料を調製するまでの工程は上記
3)乃至5)記載の通りである。調製された全RNA試
料10乃至20μg相当分と、5×105cpm相当の
過剰量の標識プローブとを用いてリボヌクレアーゼ保護
アッセイを行う。この操作は市販のキット(HybSpeed R
PA Kit、アンビオン社製)を用いて行うことができる。
得られたリボヌクレアーゼ消化後の試料を、8M 尿素
を含む4乃至12%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動
した後、ゲルを乾燥させ、X線フィルムでオートラジオ
グラフィーを行う。以上の操作により、リボヌクレアー
ゼ消化を免れた二本鎖ポリヌクレオチドのバンドを検出
することができ、またその定量は上記7)のi)記載の
方法に従って実施することができる。さらに、ノーザン
ブロット解析の場合と同様、各試料間のRNA量の差等
に起因するばらつきを補正する目的で、β−アクチン遺
伝子の発現量を同時に測定しておけば、より精密な評価
を行うことができる。
【0169】このようにして、被験物質存在下で培養し
た細胞由来の試料と、被験物質非存在下で培養した細胞
由来の試料との間で検出結果を比較し、上記a)乃至
e)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列を有する
遺伝子の発現量を低下させた被験物質は高脂血症、動脈
硬化および高血糖から選択される一つまたは二つ以上の
疾患の治療または予防剤となり得る。
【0170】ii)ランオン・アッセイ(Run-on assa
y、Greenberg, M. E. and Ziff, E.B. (1984) Nature 3
11, 433-438,およびGroudine, M. et al. (1981) Mol.
CellBiol. 1, 281-288参照): 本方法は、細胞から核
を単離して目的の遺伝子の転写活性を測定する方法であ
り、これまでに述べたような細胞内のmRNAを検出す
る方法ではないが、本発明においては「遺伝子の発現量
を検出する方法」に包含される。単離された細胞核を用
いて、試験管内で転写反応を行わせると、核を単離する
前に既に転写が開始されmRNA鎖が生成されている途
中のものが伸長していく反応のみが進行する。この反応
時に放射標識したリボヌクレオチドを添加して、伸長し
ていくmRNAを標識しておき、その中に含まれる、非
標識プローブにハイブリダイズするmRNAを検出する
ことにより、核を単離した時点における目的の遺伝子の
転写活性を測定することができる。被験物質の影響が最
も顕著に現れる時間のデータを判定に用いるため、培養
細胞に被験物質を添加してから核を単離するまでの時間
について、例えば添加30分後、1時間後、2時間後、
4時間後、8時間後および24時間後の細胞から核を単
離してそれぞれアッセイを行うなどの方法をとることが
できる。なお具体的操作方法は、プローブを上記1)の
記載に準じて標識しないものを調製する他は、上記参照
文献の記載に準ずる。このようにして、被験物質存在下
で培養した細胞由来の試料と、被験物質非存在下で培養
した細胞由来の試料との間で検出結果を比較し、上記
a)乃至e)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列
を有する遺伝子の転写活性を低下させた被験物質は高脂
血症、動脈硬化および高血糖から選択される一つまたは
二つ以上の疾患の治療または予防剤となり得る。
【0171】iii)DNAチップ解析、DNAマイク
ロアレイ解析 [1]プローブ取得用試料の調製 まず、被験物質存在下で培養した細胞由来の試料と、被
験物質非存在下で培養した細胞由来の試料のmRNAを
抽出精製する。RNA試料を調製するまでの工程は上記
3)乃至5)記載の通りである。
【0172】[2]プローブの標識 DNAチップ解析またはDNAマイクロアレイ解析用の
プローブを作製するための出発材料としては、精製して
いない全RNAを用いることもできるが、上記5)に記
載された方法で精製されたポリ(A)+RNAであるこ
とがより好ましい。
【0173】核酸ハイブリダイゼーションによる検出を
行うにあたり、プローブの標識方法と検出方法について
以下に述べる。
【0174】アフィメトリクス社製DNAチップを用い
る解析のためのプローブ: アフィメトリクス社製DN
Aチップに添付されたプロトコールに従い、ビオチン標
識したcRNAプローブを用いる。
【0175】DNAマイクロアレイを用いる解析用のた
めのプローブ: 逆転写酵素反応でポリ(A)+RNA
からcDNAを作製する際に、蛍光色素(例えばCy
3、Cy5など)で標識されたd−UTPなどを加えて
おくことによりcDNAを蛍光標識する。このとき、被
験物質存在下で培養した細胞由来の試料と、被験物質非
存在下で培養した細胞由来の試料をそれぞれ異なる色素
で標識しておけば、後のハイブリダイゼーション時には
両者を混合して用いることができる。 メンブレンフィ
ルターを用いる解析のためのプローブ: 逆転写酵素反
応でポリ(A)+RNAからcDNAを作製する際に、
放射性同位元素(例えば32P、33P)で標識されたd−
CTPなどを加えておくことによりプローブを標識す
る。
【0176】[3]固相化試料 上記工程[2]で得られた標識プローブとハイブリダイ
ズさせるための固相化試料としては、以下のようなもの
を挙げることができる。
【0177】データベース上のEST(expressed sequ
ence tag)配列またはmRNA配列をもとに合成したア
ンチセンスオリゴヌクレオチドが固相化された遺伝子チ
ップ(アフィメトリクス社製)(Lipshutz, R. J. et a
l. (1999) Nature genet. 21, suppliment、20-24):
上記EST配列またはmRNA配列は、プローブの調製
に用いた細胞と同種の動物由来のものであることが最も
好ましいが、それに限定されない。ただし、前述a)乃
至e)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列を有す
る遺伝子、Genbankデータベース上に「アンジオ
ポエチン関連タンパク質3」をコードするヌクレオチド
配列として公開されている遺伝子、またはそれらのいず
れか一つの部分配列を含む配列が固相化されているもの
を用いる。
【0178】プローブ調製に用いた細胞と同種乃至近縁
の動物の臓器組織(好ましくは肝臓)、もしくは該臓器
組織から単離または株化された細胞から得られたmRN
Aより作製されたcDNA乃至RT−PCR産物が固相
化されたDNAマイクロアレイまたはメンブレンフィル
ター:これらcDNAまたはRT−PCR産物は、例え
ばmRNAの材料とした動物のESTデータベース等の
配列情報をもとに作製されたプライマーで逆転写酵素反
応やPCRを実施することによりクローン化されたもの
である。試料調製のための材料としては、前述a)乃至
e)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列を有する
遺伝子、Genbankデータベース上に「アンジオポ
エチン関連タンパク質3」をコードするヌクレオチド配
列として公開されている遺伝子を発現している細胞(好
ましくは肝臓由来)を用いる。このcDNAやRT−P
CR産物としては、予め発現量の異なるmRNAを、サ
ブトラクション法(Diatchenko,L. et al. (1996) Pro
c. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 93, 6025-6030)、ディフ
ァレンシャルディスプレイ法(Kato, K. (1995) Nuclei
c Acids Res. 23, 3685-3690)等を利用して選択しなが
ら作製されたものも含む。また、DNAマイクロアレイ
やフィルターは、検出対象となる遺伝子、すなわちGe
nbankデータベース上に「アンジオポエチン関連タ
ンパク質3」をコードするヌクレオチド配列として公開
されている遺伝子を含む市販品を利用してもよいし、ス
ポッターを用いて前述a)乃至e)のいずれか一つに記
載のヌクレオチド配列を有する遺伝子を固相化したDN
Aマイクロアレイまたはフィルターを作製することもで
きる(例えば、宝酒造(株)社製、GMS417アレイ
ヤー等)。
【0179】この固相化試料に、上記[2]で調製され
たプローブを用いて、同じ条件で別個に、あるいは混合
して同時にハイブリダイズさせる(Brown, P. O. et a
l. (1999) Nature genet. 21, suppliment、33-37)。
【0180】[4]解析 アフィメトリクス社製DNAチップを用いる解析の場
合: アフィメトリクス社製DNAチップに添付のプロ
トコールに従って、ハイブリダイゼーションおよび解析
を行う。
【0181】DNAマイクロアレイを用いる解析の場
合: 例えば、宝酒造(株)社の市販DNAマイクロア
レイを用いる場合、同社のプロトコールに従いハイブリ
ダイゼーションおよび洗浄を行って、蛍光シグナル検出
機(例えばGMS418アレイスキャナー(宝酒造
(株)社製)等)で蛍光シグナルを検出後、解析を行
う。
【0182】フィルターを用いる解析の場合: ハイブ
リダイゼーションは、本発明が属する技術分野において
周知の方法で行われ得る。例えば、ハイブリダイゼーシ
ョンおよび洗浄を行った後、解析装置(例えば、アトラ
スイメージ(クロンテック社製))を用いて解析を行
う。
【0183】上記いずれの場合も、同一ロットの固相化
試料に被験物質存在下で培養した細胞由来の試料由来の
プローブと、被験物質非存在下で培養した細胞由来の試
料由来のプローブをそれぞれハイブリダイズさせる。こ
のとき、使用するプローブ以外のハイブリダイゼーショ
ンの条件は同じとする。上記[2]に記載したように、
それぞれのプローブを異なる蛍光色素で標識した場合
は、一つの固相化試料に両プローブの混合物をハイブリ
ダイズさせることもできる(Brown, P. O. et al. (199
9) Nature genet. 21, suppliment、33-37)。
【0184】解析の結果、被験物質存在下で培養した細
胞由来の試料由来のプローブと、被験物質非存在下で培
養した細胞由来の試料由来のプローブとの間で、固相化
試料の標的遺伝子、すなわち前述a)乃至e)のいずれ
か一つに記載のヌクレオチド配列を有する遺伝子または
「アンジオポエチン関連タンパク質3」をコードするヌ
クレオチド配列を有する遺伝子にハイブリダイズしたプ
ローブ量を測定する。その結果、標的遺伝子にハイブリ
ダイズしたプローブ量を比較して、被験物質存在下で培
養した細胞由来の試料由来のプローブの方が被験物質非
存在下で培養した細胞由来の試料由来のプローブよりも
少なかった場合、該被験物質は、前述a)乃至e)のい
ずれか一つに記載のヌクレオチド配列を有する遺伝子の
発現を抑制する物質であるので、高脂血症、動脈硬化お
よび高血糖から選択される一つまたは二つ以上の疾患の
治療または予防剤となり得る。
【0185】iv)その他 上記以外に、被験物質存在下で培養した細胞由来の試料
で、被験物質非存在下で培養した細胞由来の試料に比べ
て前述a)乃至e)のいずれか一つに記載のヌクレオチ
ド配列を有する遺伝子の発現量を低下させる被験物質の
特定を検出する方法として、以下の方法を挙げることが
できる。
【0186】すなわち、単一の反応において、PCRを
ハイブリダイゼーションプロービング(以下「プロービ
ング」という)と組み合わせた「Taqman」として知られ
る技術(Holland, P. M. et al. (1991) Proc.Natl.A
cad.Sci.USA 88, 7276-7280)や、単一の反応におい
てPCRをプロービングと組み合わせた方法(Higuchie
t al. Biotechnology,10, 413-417(1992))を利用す
ることもできる。後者の方法では、紫外線で励起される
ことにより蛍光を発する核酸検出試薬である臭化エチジ
ウムをPCR反応液に添加する。2本鎖DNAの存在下
で臭化エチジウムの蛍光は増加するので、励起光を照射
したときに検出される蛍光の増加は2本鎖PCR産物の
蓄積に相関し得る。
【0187】さらに、PCRによる増幅とプロービング
とを組み合わせた別の方法として、欧州特許出願公開第
0601889号公報記載の方法を利用することもでき
る。さらに、ライトサイクラーシステム(ロシュ・ダイ
アグノスティクス社製、日本特許公開2000−312
600号公報参照)を用いてmRNA量を定量すること
も可能である。
【0188】(B)ポリペプチドの検出 次に、本発明の方法の別の実施態様としては、上記した
遺伝子発現を検出する実施態様において検出対象となっ
た遺伝子がコードするポリペプチドを検出する方法があ
る。この実施態様においては、試料中のポリペプチドを
96穴プレートのウェル内底面やメンブレン等に固相化
しておいてから、標的のポリペプチドを特異的に認識す
る抗体を用いた検出が行われる。このうち、96穴プレ
ートを用いるのは一般に固相酵素免疫定量法(ELIS
A法)や放射性同位元素免疫定量法(RIA法)と呼ば
れる方法である。一方、メンブレンに固相化する方法と
しては、試料のポリアクリルアミド電気泳動を経てメン
ブレンにポリペプチドを転写する方法(ウエスタンブロ
ット法)か、または直接メンブレンに試料またはその希
釈液を染み込ませる、いわゆるドットブロット法やスロ
ットブロット法が挙げられる。
【0189】1)試料の調製 上記のようなポリペプチドを検出する実施態様において
用いられる培養細胞の種類に関する条件は、上記した遺
伝子発現を検出する実施態様の場合と同様である。ま
た、哺乳動物個体に被験物質を投与して、その後該動物
個体から採取された血清等を試料として用いる方法も採
用し得る。この場合の好ましい哺乳動物種はヒト、マウ
ス、ラットまたはハムスターが好ましく、ヒトまたはマ
ウスがより好ましい。例えばマウスとしては高脂血症マ
ウスであるKKマウスが好ましく用いられるが、本発明
はこれに限定されない。培養細胞の培養条件、被験物質
の投与方法についても、遺伝子発現を検出する実施態様
の場合と同様である。また、高脂血症の治療または予防
剤としての活性を調べようとする被験物質としては、化
合物、微生物の代謝産物、植物や動物組織の抽出物、そ
れらの誘導体またはそれらの混合物等を挙げることがで
きる。
【0190】本実施態様のための試料を調製するための
材料としては、被験物質存在下または非存在下で培養し
た細胞培養の培養上清または細胞質画分が用いられ得る
が、培養上清が好適である。培養上清は、培養終了後回
収し、必要によりフィルターろ過滅菌処理を経て、EL
ISA/RIA用試料やウエスタンブロット用試料の調
製工程に供される。
【0191】ELISA/RIA用試料としては、例え
ば回収した培養上清をそのまま使用するか、緩衝液で適
宜希釈したものを用いる。
【0192】ウエスタンブロット用(電気泳動用)試料
の調製方法は以下の通りである。まず、例えば培養上清
をトリクロロ酢酸処理してタンパク質タンパク質を沈殿
させ、遠心分離により沈殿を得る。この沈殿を氷冷した
アセトンで洗浄し、風乾後、SDS−ポリアクリルアミ
ド電気泳動用の2−メルカトルエタノールを含むサンプ
ル緩衝液(バイオラッド社製等)に溶解する。
【0193】ドット/スロットブロットの場合は、例え
ば回収した培養上清そのもの、または緩衝液で適宜希釈
したものを、ブロッティング装置を使用するなどして、
直接メンブレンへ吸着させる。
【0194】2)試料の固相化 上記のようにして得られた試料中のポリペプチドを特異
的に検出するため、該試料を固相化する。ウエスタンブ
ロット法、ドットブロット法またはスロットブロット法
に用いられるメンブレンとしては、ニトロセルロースメ
ンブレン(例えば、バイオラッド社製等)、ナイロンメ
ンブレン(例えば、ハイボンド−ECL(アマシャム・
ファルマシア社製)等)、コットンメンブレン(例え
ば、ブロットアブソーベントフィルター(バイオラッド
社製)等)またはポリビニリデン・ジフルオリド(PV
DF)メンブレン(例えば、バイオラッド社製等)等が
挙げられる。
【0195】電気泳動後のゲルからメンブレンにポリペ
プチドを移す、いわゆるブロッティング方法としては、
ウエット式ブロッティング法(CURRENT PROTOCOLS IN I
MMUNOLOGY volume2 ed by J. E. Coligan, A. M. Kruis
beek, D. H. Margulies, E.M. Shevach, W. Strobe
r)、セミドライ式ブロッティング法(上記CURRENT PRO
TOCOLS IN IMMUNOLOGY volume2 参照)等を挙げること
ができる。ドットブロット法やスロットブロット法のた
めの器材も市販されている(例えば、バイオドット(バ
イオラッド)等)。
【0196】一方、ELISA法/RIA法で検出・定
量を行うためには、専用の96穴プレート(例えば、イ
ムノプレート・マキシソープ(ヌンク社製)等)に試料
またはその希釈液(例えば0.05% アジ化ナトリウ
ムを含むリン酸緩衝生理食塩水(以下「PBS」とい
う)で希釈したもの)を入れて4℃乃至室温で一晩、ま
たは37℃で1乃至3時間静置することにより、ウェル
内底面にポリペプチドを吸着させて固相化する。
【0197】3)抗体 本実施態様に用いられる抗体は、上記(A)のa)から
e)記載のヌクレオチド配列を含む遺伝子が動物細胞で
発現することにより産生されるポリペプチド、好ましく
は、配列表の配列番号2のアミノ酸番号17−455
(より好ましくは同19−455)に示されるアミノ酸
配列からなるポリペプチドまたはその一部、もしくは配
列番号4のアミノ酸番号17−460に示されるアミノ
酸配列からなるポリペプチドまたはその一部を特異的に
認識するものである。このような抗体として好適なもの
は例えば、配列表の配列番号2のアミノ酸番号17−4
55(より好ましくは、同19−455)に示されるア
ミノ酸配列からなるポリペプチドおよび配列番号4のア
ミノ酸番号17−460に示されるアミノ酸配列からな
るポリペプチドのいずれにも結合するが、他のいかなる
マウスまたはヒト由来のタンパク質とも結合しないよう
な抗体を挙げることができる。
【0198】本実施態様のための抗体は、常法を用いて
(例えば、新生化学実験講座1、タンパク質1、p.389-
397、1992)、抗原となるタンパク質タンパク質、ある
いはそのアミノ酸配列から選択される任意のポリペプチ
ドを動物に免疫し、生体内に産生される抗体を採取、精
製することによって得ることができる。また、公知の方
法(例えば、Kohler and Milstein, Nature 256, 495-4
97, 1975、Kennet, R.ed., Monoclonal Antibody p.365
-367, 1980, Prenum Press, N.Y.)に従って、本発明の
タンパク質タンパク質に対する抗体を産生する抗体産生
細胞とミエローマ細胞とを融合させることによりハイブ
リドーマを樹立し、モノクローナル抗体を得ることもで
きる。
【0199】一般的に、モノクローナル抗体の製造にあ
たっては、下記のような作業工程を経る。すなわち、
(a)抗原として使用する生体高分子を精製、(b)マウス
への抗原の注射による免疫、および血液を採取しアッセ
イして脾臓摘出の時期を決定することにより成る抗体産
生細胞の調製、(c)骨髄腫細胞(ミエローマ)の調製、
(d)脾臓摘出、および脾細胞とミエローマの場合、(e)
目的とする抗体を産生するハイブリドーマ群の選別、
(f)単一細胞クローンへの分割( クローニング)、(g)
場合によっては、モノクローナル抗体を大量に製造する
ためのハイブリドーマの培養、またはハイブリドーマを
移植したマウスの飼育、(h)このようにして製造された
モノクローナル抗体の生理活性、あるいは標識試薬とし
ての特性の検定等の作業工程を経る。
【0200】本発明のモノクローナル抗体も上記工程に
そって製造することが可能であるが、これに制限され
ず、例えば脾細胞以外の抗体産生細胞、ミエローマ、他
の哺乳動物の抗体産生細胞、ミエローマが使用できるこ
とは言うまでもない。
【0201】(a) 抗原の精製 抗原としては、請求項10乃至12に記載のポリペプチ
ドであればいかなるものでもよいが、本発明のDNAを
大腸菌に導入し発現させ、精製することによって得られ
る融合タンパク質、本発明のDNAでCOS−1細胞ま
たはCHO細胞をトランスフェクトして得られる無血清
培養上清から精製されたタンパク質などが抗原として有
効である。
【0202】(b) 抗体産生細胞の調製 本発明のDNAをCHO細胞にトランスフェクトして得
られる無血清培養上清から精製されたタンパク質とフロ
インドの完全、または不完全アジュバント、またはカリ
ミョウバンのような助剤とを混合し、免疫原として実験
動物に免疫する。実験動物としては、BALB/cマウ
スを使用することが望ましく、これは多用されるマウス
由来のミエローマがすべてBALB/cマウスを起源に
しており、しかもその性質が比較的詳しく研究されてお
り、さらに抗体産生細胞とミエローマがともにBALB
/cマウス由来であれば、得られるハイブリドーマがB
ALB/cマウス腹腔内で増殖できるため、複雑な手順
なしに腹水よりモノクローナル抗体が得られるという利
点があるためである。しかし、本発明がこれに制限され
ないことは上記の通りである。
【0203】免疫の際の免疫原投与法は、皮下注射、腹
腔内注射、静脈内注射、皮内注射、筋肉内注射いずれで
もよいが、皮下注射または腹腔内注射が好ましい。
【0204】免疫は、一回または適当な間隔で、好まし
くは1週間から5週間間隔で複数回繰返し行ってもよ
い。免疫した動物の血清中の該抗原に対する抗体価を測
定し、抗体価が十分高くなった動物を抗体産生細胞の供
給原として用いれば、その後の操作の効果を上げること
ができる。融合には最終免疫後3乃至5日後の動物由来
の抗体産生細胞を用いることが好ましい。
【0205】ここで用いる抗体価の測定法としては、放
射性同位元素免疫定量法(RIA法)、固相酵素免疫定量
法(ELISA法)、蛍光抗体法、受身血球凝集反応法な
ど種々の公知技術があげられるが、感度、迅速性、正確
性、および自動化の可能性などの観点から、RIA法、
およびELISA法が好ましい。
【0206】本発明による抗体価の測定は、例えばEL
ISA法によれば、以下のような手順により行うことが
できる。すなわち、抗原を固相に吸着させ、さらに抗原
が吸着していない固相表面を抗原と無関係なタンパク
質、例えば牛血清アルブミン(BSA)により覆い、該表
面を洗浄後、第一抗体として段階希釈した試料(例えば
マウス血清) に接触させ、上記抗原に試料中の抗体を結
合させ、さらに第二抗体として酵素標識されたマウス抗
体に対する抗体を加え、マウス抗体に結合させ、洗浄後
該酵素の基質を加え、基質分解に基づく発色などを測定
することにより、抗体価算出を行うことができる。
【0207】(c) 骨髄腫細胞の調製工程 骨髄細胞としては、一般的にはマウスから得られた株化
細胞、例えば8−アザグアニン耐性マウス(BALB/
c由来)骨髄腫細胞株P3−x63 Ag8−U1(P3
−U1)(Current Topics in Microbiology and Immuno
logy,81,1-7(1978))、P3−NSI/1−Ag4.1
(NS−1)(European J.Immunology,6,511-519(1976)
)、SP2/O−Ag14(SP−2)(Nature,276,26
9-270(1978))、P3−x63−Ag8.653(65
3)(J.Immunology,123,1548-1550(1979))、P3−x
63−Ag8(x63)(Nature,256,495-497(1975))な
どを用いることが好ましい。
【0208】これらの細胞株は、適当な培地、例えば8-
アザグアニン培地(RPMI−1640培地にグルタミ
ン(1.5mM)、2−メルカプトエタノール(5×10
-5M)、ゲンタマイシン(10μg/ml) 、および牛胎
児血清(FCS 10%)を加えた培地に8-アザグアニン
を加えた培地)、Iscove´s Modified
Dulbecco´s Medium(IMDM)、また
はDulbecc´s Modified Eagle
Medium(DMEM)で継代培養するが、細胞融合の
3乃至4日前にTIL培地(TIL Media I(免
疫生物研究所)500mlに、5ml PENICIL
LIN−STREPTOMYCIN SOLUTION
(シグマ社)、および牛胎児血清(FCS 10%)を加
えた培地)で継代培養し、融合当日2×107以上の細
胞数を確保する。
【0209】(d) 細胞融合 抗体産生細胞は、形質細胞、およびその前駆細胞である
リンパ球であり、これは個体のいずれの部位から得ても
よく、一般には脾、リンパ節、末梢血、またはこれらの
適宜の組み合わせから得ることができるが、脾臓細胞が
最も一般に用いられる。
【0210】最終免疫後、所定の抗体価が得られたマウ
スから抗体産生細胞が存在する部位、例えば脾臓を摘出
し、抗体産生細胞である脾細胞を調製する。この脾細胞
と工程(c)で得られた骨髄腫細胞を融合させる手段と
して現在最も一般的に行われているのは、細胞毒性が比
較的少なく融合操作も簡単なポリエチレングリコールを
用いる方法である。この方法は以下の手順よりなる。
【0211】脾細胞と骨髄腫細胞を培地、またはリン酸
緩衝液(PBS)でよく洗浄し、脾細胞と骨髄腫細胞の比
が5乃至10:1程度になるように混合し、遠心分離に
かける。上清を捨て、沈澱した細胞群をよくほぐした
後、撹拌しながらポリエチレングリコール(PEG、分
子量1000乃至4000)と培地との混液を加え数分
後に遠心分離する。再び上清を捨て、沈澱した細胞をTI
L培地で懸濁して培養用プレート上の穴に分注する。各
穴において細胞の増殖が確認されたら、HAT培地(T
IL培地に、ヒポキサンチン10-6乃至10-3M、アミ
ノプテリン10-8乃至10-7M、チミジン10-6乃至1
-4Mを加えた培地)に置き換える。
【0212】(e) ハイブリドーマ群の選択 培養用プレートは、CO2インキュベーター中、35乃
至40℃で培養する。以後、1乃至3日ごとに培地の半
量相当のHAT培地を加え、CO2インキュベーター
中、35乃至40℃で10乃至14日間培養する。
【0213】上記ミエローマ細胞は、8−アザグアニン
耐性株であり、該ミエローマ細胞、およびミエローマ細
胞どうしのハイブリドーマは、HAT培地中では生存で
きない。しかしながら、抗体産生細胞どうし、あるい
は、抗体産生細胞とミエローマ細胞とのハイブリドーマ
は生存することができ、さらに抗体産生細胞どうしのハ
イブリドーマには寿命があるため、HAT培地での培養
によってハイブリドーマの選択が可能となる。
【0214】コロニー状に生育してきたハイブリドーマ
の認められる穴について、HT培地(HAT培地からアミ
ノプテリンを除いた培地)への変換を行う。以後、培養
上清の一部をとり、例えば、ELISA 法により抗体価を測
定する。以上、8−アザグアニン耐性の細胞株を用いた
が、その他のものもハイブリドーマの選択に応じて使用
することができ、その場合当然使用する培地組成も変化
する。
【0215】(f) クローニング 上記抗体価の測定により特異的抗体を産生することが判
明したハイブリドーマを、別のプレートに移しクローニ
ングを行う。このクローニング法としては、限界希釈に
より1ウェルに1個のハイブリドーマが含まれるように
希釈してまきこむ方法、軟寒天培地中にまきこみコロニ
ーをとる軟寒天法、マイクロマニュピレーターによって
1個の細胞を取りだしまきこむ方法、セルソーターによ
って1個の細胞を分離する「ソータクローン」などが挙
げられるが、限界希釈法が簡単でありよく用いられる。
【0216】抗体価の認められた穴について、例えば限
界希釈法によりクローニングを2乃至4回繰返し、安定
して抗体価の認められたものを本発明のモノクローナル
抗体を産生するハイブリドーマ株として選択する。
【0217】(g) ハイブリドーマ培養によるモノク
ローナル抗体の調製 クローニングを完了したハイブリドーマは、HT培地よ
り通常の培地に換えて培養される。大量培養は、大型培
養瓶を用いた回転培養、あるいはスピナー培養で行われ
る。この大量培養における上清に、ゲルろ過などを行い
IgG画分を集め精製することにより本発明のモノクロ
ーナル抗体を得ることができる。また、同系統のマウス
(例えば、上記のBALB/c)、あるいはNu/Nu
マウスの腹腔内でも増殖させることが可能である。
【0218】また簡便な方法としては、モノクローナル
抗体精製キット(例えば、ファルマシア社のMAbTr
ap GII)を利用することもできる。
【0219】(h) モノクローナル抗体の同定 かくして得られたモノクローナル抗体のアイソタイプ、
サブクラスの決定は以下のように行う。同定法としては
オクテルロニー(Ouchterlony)法、ELI
SA法、またはRIA法がある。オクテルロニー法は、
簡単ではあるがモノクローナル抗体の濃度が低い場合に
は濃縮しなければならない。ELISA 法、またはRIA 法を
用いれば、培養上清をそのまま抗原吸着固相と反応さ
せ、さらに第二次抗体として各種IgGサブクラスに対
応する抗体を用いることが可能である。また、さらに簡
便な方法としてアイソタイピング用のキット( 例えば、
アマシャム社製、マウスモノクローナル抗体アイソタイ
ピングキット) を利用することもできる。
【0220】さらに、タンパク質の定量は、フォーリン
ロウリー法、および280nmでの吸光度(1.4(O
D280)=イムのグロブリン1mg/ml) より算出
することができる。
【0221】なお、本発明のモノクローナル抗体を高濃
度、かつ安定的に産生するハイブリドーマクローンは、
45B1と命名され、独立行政法人産業技術総合研究所
特許生物寄託センターに2002年3月13日付で、寄
託番号FERM BP−7963として寄託されてい
る。
【0222】かくして得られたモノクローナル抗体は、
本発明のタンパク質に対して高い特異性を持っており、
さらに上記ハイブリドーマの培養によって均一に得られ
るため、本発明のタンパク質の単離、精製に用いること
ができる。例えば、抗原抗体反応を利用した免疫沈降法
により、該モノクローナル抗体で本発明のタンパク質の
単離、精製が可能である。すなわち、本発明のタンパク
質を含む溶液中に該モノクローナル抗体を添加し、室温
で保存した後、これにプロテインGセファロース(ファ
ルマシア社製)を混入し、さらに室温で保存する。遠心
操作で沈殿を取得し、0.1% Tween20を含む
PBS等で数回洗浄して、再び遠心して得られた沈殿物
は、該タンパク質、該モノクローナル抗体、およびプロ
テインGセファロースの複合体である。この沈殿物を適
当な緩衝液に懸濁後、熱処理することにより該複合体を
各成分に解離させてから、遠心を行い上清を回収する。
この上清から、分子ふるいクロマトグラフィー(ゲルろ
過)等により、該タンパク質を容易に単離、精製するこ
とが可能である。
【0223】また、該モノクローナル抗体は、該タンパ
ク質の単離、精製用のアフィニティークロマトグラフィ
ー法におけるリガンドとしても用いることができる。ア
フィニティークロマトグラフィー法は、混合物から担体
に特異的に結合する物質のみを単離精製する場合、極め
て効果的な方法であり、混合物のゲルろ過と比較して、
必要な精製過程を大幅に減少することができる。このア
フィニティークロマトグラフィーにおいて有用な固定化
モノクローナル抗体の作成は、各種酵素の固定化方法に
準じて行うことができ、例えば、CNBr活性化担体を使用
する方法が一般に利用でき、またこのような担体として
はクロマトグラフィーに一般的に使用されている各種材
料、例えばセルロース、アガロース、架橋デキストラ
ン、ポリアクリルアミド、多孔性ガラス、あるいはこれ
らの担体にスペーサーを導入したもの、特にセファロー
ス4B(ファルマシア社製)、アフィゲル10(バイオ
ラッド社製)などが好ましい例として挙げられる。この
固定化モノクローナル抗体を用いて実際に該タンパク質
を精製するには、これらをカラムに充填した後、これに
該タンパク質を含む溶液を通塔する。この操作で該タン
パク質がカラムに吸着する。溶媒、例えば、グリシン−
塩酸緩衝液(pH2.5)、塩化ナトリウム溶液、プロ
ピオン溶液、ジオキサン、エチレングリコール、カオト
ロピック塩、塩酸グアニジン、または尿素などで溶出す
ることにより、吸着した該タンパク質が高純度で溶出す
る。
【0224】なお、本発明のモノクローナル抗体は、マ
ウス由来のものに限られず、本発明のタンパク質と結合
性を有する限り、いかなる哺乳動物由来の抗体でも構わ
ない。また、本発明のモノクローナル抗体は、ハイブリ
ドーマが産生するものに限られず、遺伝子工学の手法に
よって作成されたものでもよい。例えば、キメラ抗体、
ヒト化抗体なども、本発明のタンパク質と結合性を有す
る限り、本発明のモノクローナル抗体の範疇に含まれ
る。そのような抗体は、例えば、Man Sung Co らの方法
(Man Sung Co, et al. (1992) J. Immunol. 148, 1149
-1154)などに準じて作成することができる。
【0225】本実施態様に用いられる抗体を作製するた
めの抗原としては、配列表の配列番号2のアミノ酸番号
17−455(好ましくは、同19−455)に示され
るアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはその少なく
とも6個の連続した部分アミノ酸配列からなるポリペプ
チド、もしくは配列番号4のアミノ酸番号17−460
に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはそ
の少なくとも6個の連続した部分アミノ酸配列からなる
ポリペプチド、もしくは配列番号16のアミノ酸番号2
6−406に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチ
ドまたはその少なくとも6個の連続した部分アミノ酸配
列からなるポリペプチド、もしくは配列番号18のアミ
ノ酸番号22−491に示されるアミノ酸配列からなる
ポリペプチドまたはその少なくとも6個の連続した部分
アミノ酸配列からなるポリペプチド、もしくは配列番号
20のアミノ酸番号23−493に示されるアミノ酸配
列からなるポリペプチドまたはその少なくとも6個の連
続した部分アミノ酸配列からなるポリペプチド、もしく
は配列番号22のアミノ酸番号21−470に示される
アミノ酸配列からなるポリペプチドまたはその少なくと
も6個の連続した部分アミノ酸配列からなるポリペプチ
ド、もしくは配列番号24のアミノ酸番号27−346
に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはそ
の少なくとも6個の連続した部分アミノ酸配列からなる
ポリペプチド、あるいはそれらポリペプチドに任意のア
ミノ酸配列や担体が付加された形の誘導体を挙げること
ができるが、好ましくは配列表の配列番号9のアミノ酸
番号1−14からなるポリペプチドのC末端または配列
番号10のアミノ酸番号1−14に示されるアミノ酸配
列からなるポリペプチドのN末端に、キーホールリンペ
ットヘモシアニンを担体として結合させたものである。
【0226】配列表の配列番号2のアミノ酸番号17−
455(好ましくは、同19−455)に示されるアミ
ノ酸配列からなるポリペプチドまたは配列番号4のアミ
ノ酸番号17−460に示されるアミノ酸配列からなる
ポリペプチドは、例えば、配列表の配列番号1のヌクレ
オチド番号47−1411に示されるヌクレオチド配列
または配列表の配列番号3のヌクレオチド番号78−1
457に示されるヌクレオチド配列にコードされるポリ
ペプチドを遺伝子操作により宿主細胞に産生させること
によって得ることができる。具体的には、上記ヌクレオ
チド配列を有するDNAを適当なベクターDNAに組み
込むことにより、他の原核生物、または真核生物の宿主
細胞を形質転換させることができる。さらにこれらのベ
クターに適当なプロモーター、および形質発現に関わる
配列を導入することにより、それぞれの宿主において遺
伝子を発現させることが可能である。
【0227】原核細胞の宿主としては、例えば、大腸菌
(Escherichia coli)や枯草菌(Bacillus subtilis)
などが挙げられる。目的の遺伝子をこれらの宿主細胞内
で形質転換させるには、宿主と適合し得る種由来のレプ
リコンすなわち複製起点と、調節配列を含んでいるプラ
スミドベクターで宿主細胞を形質転換させる。また、ベ
クターとしては、形質転換細胞に表現形質(表現型)の
選択性を付与することができる配列を有するものが好ま
しい。
【0228】例えば、大腸菌としてはK12株などがよ
く用いられ、ベクターとしては、一般にpBR322や
pUC系のプラスミドが用いられるが、これらに限定さ
れず、公知の各種菌株、およびベクターがいずれも使用
できる。
【0229】プロモーターとしては、大腸菌において
は、トリプトファン(trp)プロモーター、ラクトース
(lac)プロモーター、トリプトファン・ラクトース(t
ac)プロモーター、リポプロテイン(lpp)プロモータ
ー、ポリペプチド鎖伸張因子Tu(tufB)プロモーター等
が挙げられ、どのプロモーターも目的のポリペプチドの
産生に使用することができる。
【0230】枯草菌としては、例えば207−25株が
好ましく、ベクターとしてはpTUB228(Ohmura,
K. et al. (1984) J. Biochem. 95, 87-93)などが用い
られるが、これに限定されるものではない。枯草菌のα
−アミラーゼのシグナルペプチド配列をコードするDN
A配列を連結することにより、菌体外での分泌発現も可
能となる。
【0231】真核細胞の宿主細胞には、脊椎動物、昆
虫、酵母などの細胞が含まれ、脊椎動物細胞としては、
例えば、サルの細胞であるCOS細胞(Gluzman, Y. (1
981) Cell 23, 175-182、ATCC CRL−165
0)やチャイニーズ・ハムスター卵巣細胞(CHO細
胞、ATCC CCL−61)のジヒドロ葉酸還元酵素
欠損株(Urlaub, G. and Chasin, L. A. (1980) Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 77, 4126-4220)等がよく用いら
れているが、これらに限定されない。
【0232】脊椎動物細胞の発現プロモーターとして
は、通常発現しようとする遺伝子の上流に位置するプロ
モーター、RNAのスプライス部位、ポリアデニル化部
位、および転写終結配列等を有するものを使用でき、さ
らにこれは必要により複製起点を有してもよい。該発現
ベクターの例としては、SV40の初期プロモーターを
有するpSV2dhfr(Subramani, S. et al. (198
1) Mol. Cell. Biol. 1,854-864)等が挙げられるが、
これに限定されない。
【0233】宿主細胞として、COS細胞を用いる場合
を例に挙げると、発現ベクターとしては、SV40複製
起点を有し、COS細胞において自立増殖が可能であ
り、さらに、転写プロモーター、転写終結シグナル、お
よびRNAスプライス部位を具えたものを用いることが
できる。該発現ベクターは、ジエチルアミノエチル(D
EAE)−デキストラン法(Luthman, H. and Magnusso
n, G. (1983) Nucleic Acids Res, 11, 1295-1308)、リ
ン酸カルシウム−DNA共沈殿法(Graham, F. L. and
van der Eb, A. J. (1973) Virology 52, 456-457)、
および電気パルス穿孔法(Neumann, E. et al. (1982)
EMBO J. 1, 841-845)などによりCOS細胞に取り込ま
せることができ、かくして所望の形質転換細胞を得るこ
とができる。また、宿主細胞としてCHO細胞を用いる
場合には、発現ベクターとともに、抗生物質G418耐
性マーカーとして機能するneo遺伝子を発現し得るベ
クター、例えばpRSVneo(Sambrook, J. et al.
(1989) : "Molecular Cloning A Laboratory Manual" C
old Spring Harbor Laboratory, NY)やpSV2−ne
o(Southern, P. J. and Berg, P. (1982) J. Mol. Ap
pl. Genet. 1, 327-341)などをコ・トランスフェクト
し、G418耐性のコロニーを選択することにより、目
的のポリペプチドを安定に産生する形質転換細胞を得る
ことができる。
【0234】昆虫細胞を宿主細胞として用いる場合に
は、鱗翅類ヤガ科のSpodoptera frugiperdaの卵巣細胞
由来株化細胞(Sf−9またはSf−21)やTrichopl
usia niの卵細胞由来High Five細胞(Wickham, T. J. e
t al, (1992) Biotechnol. Prog. I: 391-396)などが
宿主細胞としてよく用いられ、バキュロウイルストラン
スファーベクターとしてはオートグラファ核多角体ウイ
ルス(AcNPV)のポリヘドリンタンパク質タンパク
質のプロモーターを利用したpVL1392/1393
がよく用いられる(Kidd, I. M. and V.C. Emery (199
3) The use of baculoviruses as expression vectors.
Applied Biochemistry and Biotechnology 42, 137-15
9)。この他にも、バキュロウイルスのP10や同塩基性
タンパク質タンパク質のプロモーターを利用したベクタ
ーも使用できる。さらに、AcNPVのエンベロープ表
面タンパク質タンパク質GP67の分泌シグナル配列を
目的タンパク質タンパク質のN末端側に繋げることによ
り、組換えタンパク質タンパク質を分泌タンパク質とし
て発現させることも可能である(Zhe-mei Wang, et al.
(1998) Biol. Chem., 379, 167-174)。
【0235】真核微生物を宿主細胞とした発現系として
は、酵母が一般によく知られており、その中でもサッカ
ロミセス属酵母、例えばパン酵母Saccharomyces cerevi
siaeや石油酵母Pichia pastorisが好ましい。該酵母な
どの真核微生物の発現ベクターとしては、例えば、アル
コール脱水素酵素遺伝子のプロモーター(Bennetzen,J.
L. and Hall, B. D. (1982) J. Biol. Chem. 257, 301
8-3025)や酸性フォスファターゼ遺伝子のプロモーター
(Miyanohara, A. et al. (1983) Proc. Natl. Acad. S
ci. USA 80, 1-5)などを好ましく利用できる。また、
分泌型タンパク質として発現させる場合には、分泌シグ
ナル配列と宿主細胞の持つ内在性プロテアーゼあるいは
既知のプロテアーゼの切断部位をN末端側に持つ組換え
体として発現することも可能である。例えば、トリプシ
ン型セリンプロテアーゼのヒトマスト細胞トリプターゼ
を石油酵母で発現させた系では、N末端側に酵母のαフ
ァクターの分泌シグナル配列と石油酵母の持つKEX2
プロテアーゼの切断部位をつなぎ発現させることによ
り、活性型トリプターゼが培地中に分泌されることが知
られている(Andrew, L. Niles,et al. (1998) Biotech
nol.Appl. Biochem.28, 125-131)。
【0236】上記のようにして得られる形質転換体は、
常法に従い培養することができ、該培養により細胞内、
または細胞外に目的のポリペプチドが産生される。該培
養に用いられる培地としては、採用した宿主細胞に応じ
て慣用される各種のものを適宜選択でき、例えば、上記
COS細胞であれば、RPMI1640培地やダルベッ
コ改変イーグル培地(以下「DMEM」という)などの
培地に、必要に応じウシ胎児血清などの血清成分を添加
したものを使用できる。
【0237】上記培養により、形質転換体の細胞内また
は細胞外に産生される組換えタンパク質は、該タンパク
質の物理的性質や化学的性質などを利用した各種の公知
の分離操作法により分離・精製することができる。該方
法としては、具体的には例えば、通常の蛋白沈殿剤によ
る処理、限外濾過、分子ふるいクロマトグラフィー(ゲ
ル濾過)、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマ
トグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、高
速液体クロマトグラフィー(HPLC)などの各種液体
クロマトグラフィー、透析法、これらの組み合わせなど
を例示できる。また、発現させる組換えタンパク質に6
残基からなるヒスチジンを繋げることにより、ニッケル
アフィニティーカラムで効率的に精製することができ
る。上記方法を組み合わせることにより容易に高収率、
高純度で本発明のポリペプチドを大量に製造できる。
【0238】上記のようにして得られる抗体は、RIA
法、ELISA法、蛍光抗体法、受身血球凝集反応法な
どの各種免疫学的測定法や免疫組織染色などに用いるこ
とができる。
【0239】4)検出 上記3)記載の方法で得られる抗体は、それを直接標識
するか、または該抗体を一次抗体とし、該抗体を特異的
に認識する(抗体を作製した動物由来の抗体を認識す
る)標識二次抗体と協同で検出に用いられる。
【0240】標識の種類として好ましいものは酵素(ア
ルカリホスファターゼまたは西洋ワサビペルオキシダー
ゼ)またはビオチン(ただし二次抗体のビオチンにさら
に酵素標識ストレプトアビジンを結合させる操作が加わ
る)であるが、これらに限定されない。標識二次抗体
(または標識ストレプトアビジン)を使用する方法のた
めの、予め標識された抗体(またはストレプトアビジ
ン)は種々のものが市販されている。RIAの場合はI
125等の放射性同位元素で標識された抗体を用い、測定
は液体シンチレーションカウンター等を用いて行う。
【0241】これら標識された酵素の活性を検出するこ
とにより、抗原であるポリペプチドの量が測定される。
アルカリホスファターゼまたは西洋ワサビペルオキシダ
ーゼの場合、それら酵素の触媒により発色する基質や発
光する基質が市販されている。
【0242】発色する基質を用いた場合、ウエスタンブ
ロット法やドット/スロットブロット法においては目視
で検出できる。ELISA法においては、好ましくは市
販のマイクロプレートリーダーを用いて各ウェルの吸光
度(測定波長は基質により異なる)を測定することによ
り定量する。また好ましくは上記3)において抗体作製
のために使用した抗原の希釈系列を調製し、これを標準
抗原試料として他の試料と同時に検出操作を行って、標
準抗原濃度と測定値をプロットした標準曲線を作成する
ことにより、他の試料中の抗原濃度を定量することが可
能である。
【0243】一方、発光する基質を使用した場合は、ウ
エスタンブロット法やドット/スロットブロット法にお
いてはX線フィルムまたはイメージングプレートを用い
たオートラジオグラフィーや、インスタントカメラを用
いた写真撮影により検出することができ、デンシトメト
リーやBAS2000IIシステムを利用した定量も可
能である。また、ELISA法で発光基質を用いる場合
は、発光マイクロプレートリーダー(例えば、バイオラ
ッド社製等)を用いて酵素活性を測定する。
【0244】5)測定操作 i)ウエスタンブロット、ドットブロットまたはスロッ
トブロットの場合まず、抗体の非特異的吸着を阻止する
ため、予めメンブレンをそのような非特異的吸着を阻害
する物質(スキムミルク、ウシ血清アルブミン、ゼラチ
ン、ポリビニルピロリドン等)を含む緩衝液中に一定時
間浸しておく操作(ブロッキング)を行う。ブロッキン
グ溶液の組成は、例えば5% スキムミルク、0.05
乃至0.1% ツイーン20を含むリン酸緩衝生理食塩
水(PBS)またはトリス緩衝生理食塩水(TBS)が
用いられる。スキムミルクの代わりに、1乃至10%の
ウシ血清アルブミン、0.5乃至3%のゼラチンまたは
1%のポリビニルピロリドン等を用いてもよい。ブロッ
キングの時間は、4℃で16乃至24時間、または室温
で1乃至3時間である。
【0245】次に、メンブレンを0.05乃至0.1%
ツイーン20を含むPBSまたはTBS(以下「洗浄
液」という)で洗浄して余分なブロッキング溶液を除去
した後、上記3)記載の方法で作製された抗体を洗浄液
で適宜希釈した溶液中に一定時間浸して、抗体をメンブ
レン上の抗原に結合させる。このときの抗体の希釈倍率
は、例えば上記3)記載の組換え抗原を段階希釈したも
のを試料とした予備のウエスタンブロッティング実験を
行って決定することができる。この抗体反応操作は、好
ましくは室温で1時間行う。抗体反応操作終了後、メン
ブレンを洗浄液で洗浄する。ここで、用いた抗体が標識
されたものである場合は、直ちに検出操作を行うことが
できる。未標識の抗体を用いた場合には、引き続いて二
次抗体反応を行う。標識二次抗体は、例えば市販のもの
を使用する場合は洗浄液で2000乃至20000倍に
希釈して用いる(添付の指示書に好適な希釈倍率が記載
されている場合は、その記載に従う)。一次抗体を洗浄
除去した後のメンブレンを二次抗体溶液に室温で1乃至
3時間浸し、洗浄液で洗浄してから、標識方法に合わせ
た検出操作を行う。洗浄操作は、例えばまずメンブレン
を洗浄液中で15分間振盪してから、洗浄液を新しいも
のに交換して5分間振盪した後、再度洗浄液を交換して
5分間振盪することにより行う。必要に応じてさらに洗
浄液を交換して洗浄してもよい。
【0246】ii)ELISA/RIA まず、上記2)の方法で試料を固相化させたプレートの
ウェル内底面への抗体の非特異的吸着を阻止するため、
ウエスタンブロットの場合と同様、予めブロッキングを
行っておく。ブロッキングの条件については、ウエスタ
ンブロットの項に記載した通りである。
【0247】次に、ウェル内を0.05乃至0.1%
ツイーン20を含むPBSまたはTBS(以下「洗浄
液」という)で洗浄して余分なブロッキング溶液を除去
した後、上記3)記載の方法で作製された抗体を洗浄液
で適宜希釈した溶液を分注して一定時間インキュベーシ
ョンし、抗体を抗原に結合させる。このときの抗体の希
釈倍率は、例えば上記3)記載の組換え抗原を段階希釈
したものを試料とした予備のELISA実験を行って決
定することができる。この抗体反応操作は、好ましくは
室温で1時間程度行う。抗体反応操作終了後、ウェル内
を洗浄液で洗浄する。ここで、用いた抗体が標識された
ものである場合は、直ちに検出操作を行うことができ
る。未標識の抗体を用いた場合には、引き続いて二次抗
体反応を行う。標識二次抗体は、例えば市販のものを使
用する場合は洗浄液で2000乃至20000倍に希釈
して用いる(添付の指示書に好適な希釈倍率が記載され
ている場合は、その記載に従う)。一次抗体を洗浄除去
した後のウェルに二次抗体溶液を分注して室温で1乃至
3時間インキュベーションし、洗浄液で洗浄してから、
標識方法に合わせた検出操作を行う。洗浄操作は、例え
ばまずウェル内に洗浄液を分注して5分間振盪してか
ら、洗浄液を新しいものに交換して5分間振盪した後、
再度洗浄液を交換して5分間振盪することにより行う。
必要に応じてさらに洗浄液を交換して洗浄してもよい。
【0248】また本発明において、いわゆるサンドイッ
チ法のELISAは例えば以下に記載する方法により実
施することができる。まず、配列表の配列番号2のアミ
ノ酸番号17−455(好ましくは、同19−455)
に示されるアミノ酸配列および配列番号4のアミノ酸番
号17−460に示されるアミノ酸配列のいずれか一つ
において、親水性に富む領域を2箇所選んで、それぞれ
の領域中のアミノ酸6残基以上からなる部分ペプチドを
合成し、該部分ペプチドを抗原とした2種類の抗体を取
得する。このうち一方の抗体を上記4)記載のように標
識しておく。標識しなかった方の抗体は、上記2)記載
の方法に準じて96穴ELISA用プレートのウェル内
底面に固相化する。ブロッキングの後、試料液をウェル
内に入れて常温で1時間インキュベーションする。ウェ
ル内を洗浄後、標識した方の抗体希釈液を各ウェルに分
注してインキュベーションする。再びウェル内を洗浄
後、標識方法に合わせた検出操作を行う。
【0249】6) 評価 以上に記載した方法で、被験物質存在下で培養した細胞
由来の試料と、被験物質非存在下で培養した細胞由来の
試料との間で検出結果を比較し、その結果上記3)記載
の方法で作製された抗体が特異的に結合するポリペプチ
ドの産生量を低下させた被験物質は、高脂血症、動脈硬
化および高血糖から選択される一つまたは二つ以上の疾
患の治療または予防剤となり得る。また、上記3)記載
の方法で作製された抗体、およびその他上記の一連の方
法に用いられる試薬をまとめることにより、高脂血症、
動脈硬化および高血糖から選択される一つまたは二つ以
上の疾患の治療または予防剤を試験するためのキットが
提供される。
【0250】本発明の方法において検出の対象となるポ
リペプチドは、上記の抗体作製用の抗原を得る方法の記
載に従って得られる他、配列表の配列番号1のヌクレオ
チド番号47−1411に示されるヌクレオチド配列ま
たは配列表の配列番号3のヌクレオチド番号78−14
57に示されるヌクレオチド配列を有するDNAを組み
込んだアデノウイルスベクターを利用して動物細胞に産
生させることもできる。そのような組換えアデノウイル
スベクターを構築する方法として、市販のキット(例え
ば、アデノウイルス・エクスプレッション・ベクター・
キット、宝酒造(株)社製)を用いる方法を例示でき
る。本発明の方法において検出対象となる遺伝子が哺乳
動物の血中中性脂肪濃度と密接に相関していることは、
例えば上記のようにして得られる組換えアデノウイルス
ベクターを有する組換えアデノウイルスを哺乳動物、例
えばマウスに感染させて、該組換えアデノウイルスベク
ターが保持する遺伝子を発現させると血中中性脂肪濃度
の上昇が観察されること、上記のようにして得られる組
換えタンパク質をマウスに投与すると血中中性脂肪濃度
の上昇が観察されること、および先天性低脂血症マウス
において配列表の配列番号1のヌクレオチド番号47−
1411に示されるヌクレオチド配列を有する遺伝子の
発現量が高脂血症マウスよりも少ないことから証拠付け
られる。
【0251】また、遺伝子操作によって得られる、上記
a)乃至e)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列
を含む外来遺伝子が、該遺伝子を高発現することができ
るように導入されている非ヒト動物を用いた高脂血症、
動脈硬化および高血糖から選択される一つまたは二つ以
上の疾患の治療または予防剤の試験方法も本発明に包含
される。この方法で用いられる動物は、例えば、上記組
換えアデノウイルスを感染させたKK/Snkマウス
や、配列表の配列番号1のヌクレオチド番号47−14
11に示されるヌクレオチド配列または配列表の配列番
号3のヌクレオチド番号78−1457に示されるヌク
レオチド配列を有するDNAをマウスに導入したトラン
スジェニックマウス等であるが、これらに限定されな
い。
【0252】トランスジェニック動物は、動物から受精
卵を取得し、遺伝子導入の後、偽妊娠動物に移植し発生
させることにより得ることができ、その手順について
は、既に確立されている方法に従うことができる[発生
工学実験マニュアル(野村達次監修、勝木元也 編、19
87年刊)、マウス胚の操作マニュアル("Manipulating
the Mouse Embryo, A Laboratory Manual" B. Hogan,
F. Costantini and E.Lacy著、山内一也、豊田裕、森庸
厚、岩倉洋一郎 訳、1989年刊)、特公平5−4809
3号公報等参照]。具体的には、例えばマウスの場合、
まず雌マウス(血中中性脂肪濃度が通常より低いマウス
であることが好ましく、例えばKK/Snkマウスが好
ましいがそれに限定されない)に排卵誘起剤を投与後、
同系統の雄と交配し、翌日雌マウスの卵管より前核受精
卵を採取する。次いで、導入するDNA断片溶液を微小
ガラス管を用いて受精卵の前核に注入する。なお、導入
する遺伝子を動物細胞内で発現させるための、プロモー
ターやエンハンサー等の調節遺伝子としては、導入され
た動物の細胞内で機能するものであればいずれも使用す
ることができる。DNAを注入した受精卵は、偽妊娠仮
親雌マウス(Slc:ICR等)の卵管に移植し、約2
0日後に自然分娩または帝王切開により出生させる。こ
のようにして得られた動物が導入した遺伝子を保持して
いることを確認する方法としては、該動物の尾等からD
NAを抽出し、該DNAを鋳型として導入遺伝子に特異
的なセンスおよびアンチセンスプライマーを用いたPC
Rを行う方法、該DNAを数種の制限酵素で消化後ゲル
電気泳動し、ゲル中のDNAをニトロセルロース膜やナ
イロン膜等にブロッティングしたものについて導入遺伝
子の全部または一部を標識したものをプローブとしたサ
ザンブロット解析を行う方法等を挙げることができる。
また、導入された遺伝子が実際に動物体内で発現してい
るか否かは、末梢血中の中性脂肪濃度を測定することに
より確認することができる。導入された遺伝子が実際に
動物体内で発現している場合は、遺伝子を導入しない動
物よりも血中中性脂肪濃度が高くなる。
【0253】そのようにして得られた遺伝子導入動物に
被験物質を投与して、血中中性脂肪濃度を低下させる物
質を選択する(好ましくは、遺伝子導入しない動物にも
被験物質を投与して結果を比較し、遺伝子導入した動物
で顕著に血中中性脂肪濃度を低下させる物質を選択す
る)。この方法では、導入された遺伝子の発現を抑制ま
たは阻害する物質のみならず、該遺伝子にコードされる
ポリペプチド自体の機能や、該ポリペプチドと相互作用
して該ポリペプチドの機能発現に寄与する因子(例え
ば、レセプター)等、該ポリペプチドの作用による血中
中性脂肪濃度の上昇に関わる生体反応のいずれかを阻害
する物質を見出すことができる。そのような物質も高脂
血症、動脈硬化および高血糖から選択される一つまたは
二つ以上の疾患の治療または予防剤となり得る。
【0254】本発明はまた、本発明の方法において検出
対象とするポリペプチド(以下、単に「検出対象ポリペ
プチド」という)に特異的に結合する、抗体以外のポリ
ペプチド、すなわち検出対象ポリペプチドのレセプター
に関する。該レセプターが細胞膜に存在するタンパク質
である場合は、該レセプターは例えば以下に記載する方
法に従ってクローニングすることができる。まず、配列
表の配列番号1のヌクレオチド番号47から1411に
示されるヌクレオチド配列または配列表の配列番号3の
ヌクレオチド番号78から1457に示されるヌクレオ
チド配列からなるDNAを哺乳動物細胞で発現可能な組
換えベクターを構築し、COS−1に導入してその培養
上清を回収し、検出対象ポリペプチドの組換えポリペプ
チドを精製する。得られた組換えポリペプチドはフルオ
レセイン・イソチオシアネート(以下「FITC」とい
う)で標識しておく。次に、種々の哺乳動物組織由来の
培養細胞に標識組換えポリペプチドを添加して、標識組
換えポリペプチドが細胞膜上に特異的に結合する細胞、
すなわちレセプターを発現する細胞を同定する。同定さ
れた細胞由来のcDNAライブラリーを哺乳動物細胞で
発現可能なベクター中に組み込み、レセプターを発現し
ない細胞(好ましくはCOS−1またはCHO細胞、よ
り好ましくはCHO細胞)で発現させる。このcDNA
ライブラリーを発現させた細胞に上記のFITC標識し
た組換えポリペプチドを添加し、一定時間培養後、細胞
を回収して、セルソーターでFITC標識された組換え
ポリペプチドが結合した細胞を選別する。得られた細胞
から導入されたcDNAをPCR等によりクローニング
する。必要に応じ、以上の操作を繰り返して、最終的に
FITC標識組換えポリペプチドに特異的に結合するレ
セプターをコードするcDNAをクローニングする。ま
たレセプター自体は、このようにしてクローン化された
細胞から回収することができる。
【0255】このようにして、検出対象ポリペプチドの
レセプターをコードするcDNAが得られれば、そのc
DNAライブラリーの材料となった細胞を利用して、さ
らに検出対象ポリペプチドと該レセプターとの相互作用
を阻害する物質や、該レセプターに結合することによっ
て検出対象ポリペプチドと同様の機能を発揮する物質、
あるいは検出対象ポリペプチドと該レセプターとの相互
作用によって開始されるシグナル伝達を阻害する物質の
スクリーニングに利用することができる。具体的には、
例えばマウスゲノムDNAを制限酵素消化等により適宜
断片化して、それらの一端に緑色蛍光タンパク質(gree
n-fluorescent protein:レポーターアッセイ用のベク
ターとしてpEGFP−1(クロンテック社製)が市販
されている)をコードするDNAが連結されたベクター
を、上記cDNAライブラリーの材料となった細胞に導
入する。この細胞の培養中に、検出対象ポリペプチドの
組換えポリペプチド(標識しないもの)を添加して、緑
色蛍光タンパク質を産生する細胞をセルソーターで選別
する。選別された細胞は該組換えポリペプチドの存在下
で緑色蛍光タンパク質を産生する。この細胞を96穴培
養プレートに1ウェルあたりの細胞数がほぼ同じになる
ように培養し、被験物質のみを添加するか、あるいは該
組換えポリペプチドと被験物質を同時添加して一定時間
培養した後、蛍光プレートリーダー等を用いて緑色蛍光
タンパク質の産生量を測定する。被験物質単独で培養し
たときに緑色蛍光タンパク質の産生を引き起こす場合、
該物質は検出対象ポリペプチドのアゴニストと考えられ
る。一方、該組換えポリペプチドと被験物質を同時添加
したウェルにおける緑色蛍光タンパク質の産生量が、該
組換えポリペプチド単独添加のウェルよりも少ない場
合、被験物質は検出対象ポリペプチドのアンタゴニスト
または該ポリペプチドのシグナル伝達阻害剤であり、高
脂血症、動脈硬化および高血糖から選択される一つまた
は二つ以上の疾患の治療または予防剤として有用である
と考えられる。
【0256】このようにして得られたアンタゴニストが
タンパク質またはペプチドである場合、該タンパク質ま
たはペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するポ
リヌクレオチドは、高脂血症、動脈硬化および高血糖か
ら選択される一つまたは二つ以上の疾患の遺伝子治療に
用いることができる。そのようなポリヌクレオチドは、
例えば同定されたアンタゴニストタンパク質またはポリ
ペプチドのアミノ酸配列を解析し、該アミノ酸配列をコ
ードするヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド
プローブを合成して種々のcDNAライブラリーやゲノ
ムライブラリーのスクリーニングを行うことにより取得
できる。また、アンタゴニスト活性を有するぺプチド
が、ランダムに合成された人工ペプチドライブラリー由
来である場合は、該ペプチドのアミノ酸配列をコードす
るヌクレオチド配列からなるDNAを化学合成する。遺
伝子治療においては、そのようにして得られたアンタゴ
ニストをコードするポリヌクレオチドを、例えばウイル
スベクターに組み込んで、該組換えウイルスベクターを
有するウイルス(無毒化されたもの)を患者に感染させ
る。患者体内ではアンタゴニストが産生され、配列表の
配列番号4に示すアミノ酸配列からなるポリペプチドの
機能を阻害するので、高脂血症、動脈硬化および高血糖
から選択される一つまたは二つ以上の疾患の進展を抑制
することができる。
【0257】遺伝子治療剤を細胞内に導入する方法とし
ては、ウイルスベクターを利用した遺伝子導入方法、あ
るいは非ウイルス性の遺伝子導入方法(日経サイエン
ス,1994年4月号,20-45頁、実験医学増刊,12(15)(199
4)、実験医学別冊「遺伝子治療の基礎技術」,羊土社(1
996))のいずれの方法も適用することができる。
【0258】ウイルスベクターによる遺伝子導入方法と
しては、例えばレトロウイルス、アデノウイルス、アデ
ノ関連ウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイル
ス、ポックスウイルス、ポリオウイルス、シンビスウイ
ルス等のDNAウイルスまたはRNAウイルスに、TR
4あるいは変異TR4をコードするDNAを組み込んで
導入する方法が挙げられる。このうち、レトロウイル
ス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、ワクシニア
ウイルスを用いた方法が、特に好ましい。非ウイルス性
の遺伝子導入方法としては、発現プラスミドを直接筋肉
内に投与する方法(DNAワクチン法)、リポソーム
法、リポフェクチン法、マイクロインジェクション法、
リン酸カルシウム法、エレクトロポレーション法等が挙
げられ、特にDNAワクチン法、リポソーム法が好まし
い。
【0259】また遺伝子治療剤を実際に医薬として作用
させるには、DNAを直接体内に導入するインビボ(in
vivo)法およびヒトからある種の細胞を取り出し体外
でDNAを該細胞に導入し、その細胞を体内に戻すエク
スビボ(ex vivo)法がある(日経サイエンス,1994年4
月号,20-45頁、月刊薬事,36(1),23-48(1994)、実験医
学増刊, 12 (15)(1994))。
【0260】例えば、該遺伝子治療剤がインビボ法によ
り投与される場合は、疾患、症状等に応じ、静脈、動
脈、皮下、皮内、筋肉内等、適当な投与経路により投与
される。またインビボ法により投与する場合は、該遺伝
子治療剤は一般的には注射剤等とされるが、必要に応じ
て慣用の担体を加えてもよい。また、リポソームまたは
膜融合リポソーム(センダイウイルス−リポソーム等)
の形態にした場合は、懸濁剤、凍結剤、遠心分離濃縮凍
結剤等のリポソーム製剤とすることができる。
【0261】配列表の配列番号3のヌクレオチド番号7
8−1457に示されるヌクレオチド配列の部分配列に
相補的なヌクレオチド配列は、いわゆるアンチセンス治
療に用いることができる。アンチセンス分子は、配列表
の配列番号3のヌクレオチド番号78−1457に示さ
れるヌクレオチド配列の一部に相補的な、通常15乃至
30merからなるDNA、もしくはそのホスホロチオ
エート、メチルホスホネートまたはモルフォリノ誘導体
などの安定なDNA誘導体、2'−O−アルキルRNA
などの安定なRNA誘導体として用いられ得る。そのよ
うなアンチセンス分子を、微量注入、リポソームカプセ
ル化により、あるいはアンチセンス配列を有するベクタ
ーを利用して発現させるなど、本発明の技術分野におい
て周知の方法で、細胞に導入することができる。このよ
うなアンチセンス療法は、配列表の配列番号3のヌクレ
オチド番号78−1457に示されるヌクレオチド配列
がコードするタンパク質の活性を減少させることが有効
な病気、特に、高脂血症、動脈硬化および高血糖から選
択される一つまたは二つ以上の疾患の治療に有用であ
る。
【0262】上記アンチセンスオリゴヌクレオチドを含
む医薬として有用な組成物は、医薬として許容できる担
体の混合などの公知の方法によって製造され得る。この
ような担体と製造方法の例は、Applied Antisense Olig
onucleotide Technology(1998 Wiley-Liss, Inc.)に記
載されている。そして、配列番号3のヌクレオチド番号
78−1457に示されるヌクレオチド配列を含む遺伝
子の発現やその遺伝子産物の活性に異常の認められる高
脂血症、動脈硬化および高血糖から選択される一つまた
は二つ以上の疾患の治療に十分な量を各人に投与され
る。その有効量は、各人の状態、体重、性別、および年
齢などの種々の因子や、皮下、局所、経口、および筋肉
内といった投与方法の違いによって変化し得る。例え
ば、静脈注射する場合には、0.02乃至0.2mg/
kg/時間で2時間、また、皮下投与の場合には、1乃
至200mg/m2/日のように変化し得る。
【0263】II. ポリペプチドを用いた試験方法 本発明のポリペプチドは、例えば、(a)配列表の配列番
号11に示されるヌクレオチド配列に含まれる連続した
1つの配列であって、ヌクレオチド番号18を5'末端と
し、ヌクレオチド番号458乃至638のいずれか1つ
を3'末端とするヌクレオチド配列を含むDNA、(b)配
列表の配列番号11に示されるヌクレオチド配列に含ま
れる連続した1つの配列であって、ヌクレオチド番号1
8を5'末端とし、ヌクレオチド番号458乃至602
のいずれか1つを3'末端とするヌクレオチド配列を含
むDNA、(c)配列表の配列番号15に示されるヌクレ
オチド配列に含まれる連続した1つの配列であってヌク
レオチド番号173を5'末端とし、ヌクレオチド番号
601を3'末端とするヌクレオチド配列を含むDN
A、(d)配列表の配列番号15に示されるヌクレオチド
配列に含まれる連続した1つの配列であって、ヌクレオ
チド番号173を5'末端とし、ヌクレオチド番号13
93を3'末端とするヌクレオチド配列を含むDNA、
(e)配列表の配列番号17に示されるヌクレオチド配列
に含まれる連続した1つの配列であって、ヌクレオチド
番号434を5'末端とし、ヌクレオチド番号1039
乃至1261のいずれか1つを3'末端とするヌクレオ
チド配列を含むDNA、(f)配列表の配列番号17に示
されるヌクレオチド配列に含まれる連続した1つの配列
であって、ヌクレオチド番号434を5'末端とし、ヌ
クレオチド番号1909を3'末端とするヌクレオチド
配列を含むDNA、(g)配列表の配列番号19に示され
るヌクレオチド配列に含まれる連続した1つの配列であ
って、ヌクレオチド番号22を5'末端とし、ヌクレオ
チド番号639乃至846のいずれか1つを3'末端と
するヌクレオチド配列を含むDNA、(h)配列表の配列
番号19に示されるヌクレオチド配列に含まれる連続し
た1つの配列であって、ヌクレオチド番号22を5'末
端とし、ヌクレオチド番号1503を3'末端とするヌ
クレオチド配列を含むDNA、(i)配列表の配列番号2
1に示されるヌクレオチド配列に含まれる連続した1つ
の配列であって、ヌクレオチド番号242を5'末端と
しヌクレオチド番号796乃至1015のいずれか1つ
を3'末端とするヌクレオチド配列を含むDNA、(j)配
列表の配列番号21に示されるヌクレオチド配列に含ま
れる連続した1つの配列であって、ヌクレオチド番号2
42を5'末端とし、ヌクレオチド番号1654を3'末
端とするヌクレオチド配列を含むDNA、(k)配列表の
配列番号23に示されるヌクレオチド配列に含まれる連
続した1つの配列であって、ヌクレオチド番号86を
5'末端とし、ヌクレオチド番号373乃至394のい
ずれか1つを3'末端とするヌクレオチド配列を含むD
NA、(l)配列表の配列番号23に示されるヌクレオチ
ド配列に含まれる連続した1つの配列であって、ヌクレ
オチド番号86を5'末端とし、ヌクレオチド番号10
48を3'末端とするヌクレオチド配列を含むDNA、
の(a)乃至(l)のいずれかを取得し、次いで該DNAにコ
ードされるポリペプチドを通常の遺伝子組換えの手法を
用いて宿主細胞に生産させることにより得ることができ
る。
【0264】なお、配列表の、配列番号11に示される
ヌクレオチド配列にコードされるアミノ酸配列、すなわ
ち配列表の配列番号12のアミノ酸配列において、アミ
ノ酸番号1−16に示されるアミノ酸配列は哺乳動物細
胞では翻訳後にシグナルペプチドとして除去される(Con
klin, D. et al. (1999) Genomics 62, 477-482)ので、
上記生産方法において、宿主が哺乳動物細胞由来である
場合は、配列表の配列番号12のアミノ酸番号17をア
ミノ末端とするポリペプチドを得ることができる。同様
に、配列表の配列番号15に示されるヌクレオチド配列
にコードされるアミノ酸配列、すなわち配列表の配列番
号16のアミノ酸配列において、アミノ酸番号1−25
に示されるアミノ酸配列は哺乳動物細胞では翻訳後にシ
グナルペプチドとして除去されるので、上記生産方法に
おいて、宿主が哺乳動物細胞由来である場合は、配列表
の配列番号16のアミノ酸番号26をアミノ末端とする
ポリペプチドを得ることができる。同様に、配列表の配
列番号17に示されるヌクレオチド配列にコードされる
アミノ酸配列、すなわち配列表の配列番号18のアミノ
酸配列において、アミノ酸番号1−21に示されるアミ
ノ酸配列は哺乳動物細胞では翻訳後にシグナルペプチド
として除去されるので、上記生産方法において、宿主が
哺乳動物細胞由来である場合は、配列表の配列番号18
のアミノ酸番号22をアミノ末端とするポリペプチドを
得ることができる。同様に、配列表の配列番号19に示
されるヌクレオチド配列にコードされるアミノ酸配列、
すなわち配列表の配列番号20のアミノ酸配列におい
て、アミノ酸番号1−22に示されるアミノ酸配列は哺
乳動物細胞では翻訳後にシグナルペプチドとして除去さ
れるので、上記生産方法において、宿主が哺乳動物細胞
由来である場合は、配列表の配列番号20のアミノ酸番
号23をアミノ末端とするポリペプチドを得ることがで
きる。同様に、配列表の配列番号21に示されるヌクレ
オチド配列にコードされるアミノ酸配列、すなわち配列
表の配列番号22のアミノ酸配列において、アミノ酸番
号1−20に示されるアミノ酸配列は哺乳動物細胞では
翻訳後にシグナルペプチドとして除去されるので、上記
生産方法において、宿主が哺乳動物細胞由来である場合
は、配列表の配列番号22のアミノ酸番号21をアミノ
末端とするポリペプチドを得ることができる。同様に、
配列表の配列番号23に示されるヌクレオチド配列にコ
ードされるアミノ酸配列、すなわち配列表の配列番号2
4のアミノ酸配列において、アミノ酸番号1−26に示
されるアミノ酸配列は哺乳動物細胞では翻訳後にシグナ
ルペプチドとして除去されるので、上記生産方法におい
て、宿主が哺乳動物細胞由来である場合は、配列表の配
列番号24のアミノ酸番号27をアミノ末端とするポリ
ペプチドを得ることができる。
【0265】また、原核細胞のような、哺乳動物のタン
パク質のシグナルペプチドを切断する機能を有さない宿
主を用いて本発明のポリペプチドを生産する方法として
は、例えば、(a)配列表の配列番号12に示されるアミ
ノ酸配列中の連続した1つのアミノ酸配列であって、ア
ミノ酸番号17をアミノ末端とし、アミノ酸番号147
乃至207またはアミノ酸番号147乃至195のいず
れか1つをカルボキシル末端とするアミノ酸配列、(b)
配列表の配列番号16に示されるアミノ酸配列中の連続
した1つのアミノ酸配列であって、アミノ酸番号26を
アミノ末端とし、アミノ酸番号143をカルボキシル末
端とするアミノ酸配列、(c)配列表の配列番号16に示
されるアミノ酸配列に含まれる連続した1つのアミノ酸
配列であって、アミノ酸番号26をアミノ末端とし、ア
ミノ酸番号144乃至183のいずれか一つをカルボキ
シル末端とするアミノ酸配列、(d)配列表の配列番号1
8のアミノ酸配列中の連続したアミノ酸配列であって、
アミノ酸番号22をアミノ末端とし、アミノ酸番号20
2乃至276のいずれか1つをカルボキシル末端とする
アミノ酸配列、(e)配列表の配列番号20のアミノ酸配
列中の連続したアミノ酸配列であって、アミノ酸番号2
3をアミノ末端とし、アミノ酸番号206乃至275の
いずれか1つをカルボキシル末端とするアミノ酸配列、
(f)配列表の配列番号22のアミノ酸配列中の連続した
アミノ酸配列であって、アミノ酸番号21をアミノ末端
とし、アミノ酸番号185乃至258のいずれか1つを
カルボキシル末端とするアミノ酸配列、(g)配列表の配
列番号24に示されるアミノ酸配列に含まれる連続した
1つのアミノ酸配列であって、アミノ酸番号27をアミ
ノ末端とし、アミノ酸番号122乃至129のいずれか
1つをカルボキシル末端とするアミノ酸配列、(h)配列
表の配列番号16のアミノ酸番号26をアミノ末端と
し、406をカルボキシル末端とするアミノ酸配列、
(i)配列表の配列番号18のアミノ酸番号22をアミノ
末端とし、491をカルボキシル末端とするアミノ酸配
列、(j)配列表の配列番号20のアミノ酸番号23をア
ミノ末端とし、493をカルボキシル末端とするアミノ
酸配列、(k)配列表の配列番号22のアミノ酸番号21
をアミノ末端とし、470をカルボキシル末端とするア
ミノ酸配列、(l)配列表の配列番号24のアミノ酸番号
27をアミノ末端とし、346をカルボキシル末端とす
るアミノ酸配列、の(a)乃至(l)のいずれかのアミノ酸配
列のアミノ末端側に、該アミノ酸配列を切断しないプロ
テアーゼによって特異的に切断されるアミノ酸配列が連
結し、さらにそのアミノ末端側に特定の化合物と特異的
な親和性を有するタンパク質のアミノ酸配列が連結して
いる、アミノ酸配列からなる融合タンパク質を大腸菌に
生産させ、次いで該融合タンパク質を、特定の化合物と
の親和性を利用して精製した後に、前記プロテアーゼに
よって、アミノ末端側の上記特定の化合物との親和性を
有するタンパク質のアミノ酸配列を除去する方法を挙げ
ることができる。このような特定の化合物との親和性を
利用した精製例としては、例えば、グルタチオン・S−
トランスフェラーゼ(以下「GST」という)のアミノ
酸配列が連結している融合タンパク質を大腸菌に生産さ
せ、次いで該融合タンパク質をグルタチオンとGSTと
の親和性を利用して精製した後、プロテアーゼによって
GST配列を除去する方法を挙げることができる。ただ
し、本明細書中の実施例で示されているように、本発明
のポリペプチドは、GST配列を除去しない融合タンパ
ク質の状態であっても、その機能を損なわない。
【0266】また、「アンジオポエチン関連タンパク
質」のアミノ末端側(シグナルペプチド内)に、精製を容
易にするためのヒスチジンタグが挿入され、かつ、カル
ボキシル末端側のフィブリノーゲン結合領域を欠失して
いるポリペプチドも血中中性脂肪濃度上昇機能を失わ
ず、例えば、配列表の配列番号24に示されるような、
「アンジオポエチン関連タンパク質3」のアミノ末端側
(シグナルペプチド内)に、精製を容易にするためのヒ
スチジンタグが挿入され、かつカルボキシル末端側の2
53残基を欠失しているポリペプチドもまた、その機能
を保持している。
【0267】すなわち、本発明は、(a)配列表の配列番
号12に示されるアミノ酸配列中の連続した1つのアミ
ノ酸配列であって、アミノ酸番号17をアミノ末端と
し、アミノ酸番号147乃至207のいずれか1つをカ
ルボキシル末端とするアミノ酸配列、(b)配列表の配列
番号12のアミノ酸番号17をアミノ末端とし、アミノ
酸番号147乃至195のいずれか1つをカルボキシル
末端とするアミノ酸配列、(c)配列表の配列番号16に
示されるアミノ酸配列中の連続した1つのアミノ酸配列
であって、アミノ酸番号26をアミノ末端とし、アミノ
酸番号143をカルボキシル末端とするアミノ酸配列、
(d)配列表の配列番号18のアミノ酸配列中の連続した1
つのアミノ酸配列であって、アミノ酸番号22をアミノ
末端とし、アミノ酸番号202乃至276のいずれか1
つをカルボキシル末端とするアミノ酸配列、(e)配列表
の配列番号20のアミノ酸配列中の連続したアミノ酸配
列であって、アミノ酸番号23をアミノ末端とし、アミ
ノ酸番号206乃至275のいずれか1つをカルボキシ
ル末端とするアミノ酸配列、(f)配列表の配列番号22
のアミノ酸配列中の連続したアミノ酸配列であって、ア
ミノ酸番号21をアミノ末端とし、アミノ酸番号185
乃至258のいずれか1つをカルボキシル末端とするア
ミノ酸配列、(g)配列表の配列番号24のアミノ酸配列
中の連続したアミノ酸配列であって、アミノ酸番号27
をアミノ末端とし、アミノ酸番号122乃至129のい
ずれか1つをカルボキシル末端とするアミノ酸配列、
(h)配列表の配列番号16のアミノ酸番号26をアミノ
末端とし、406をカルボキシル末端とするアミノ酸配
列、(i)配列表の配列番号18のアミノ酸番号22をア
ミノ末端とし、491をカルボキシル末端とするアミノ
酸配列、(j)配列表の配列番号20のアミノ酸番号23
をアミノ末端とし、493をカルボキシル末端とするア
ミノ酸配列、(k)配列表の配列番号22のアミノ酸番号
21をアミノ末端とし、470をカルボキシル末端とす
るアミノ酸配列、(l)配列表の配列番号24のアミノ酸
番号27をアミノ末端とし、346をカルボキシル末端
とするアミノ酸配列、の(a)乃至(l)のいずれかと、任意
のアミノ酸配列とが連結したアミノ酸配列からなり、か
つ哺乳動物において血中中性脂肪濃度を上昇させる活性
を有するポリペプチドも包含するものである。なお、こ
の場合、連結されるアミノ酸配列として、各ヒト・「ア
ンジオポエチン関連タンパク質」のアミノ酸配列由来の
連続した18残基以上のアミノ酸配列は含まれない。
【0268】「アンジオポエチン関連タンパク質」のc
DNAのヌクレオチド配列情報は国立遺伝学研究所のデ
ータベース(GeneBank)から得ることができ
る。「アンジオポエチン関連タンパク質1」はアクセッ
ション番号XM_001720、「アンジオポエチン関
連タンパク質2」はアクセッション番号NM_0120
98、「アンジオポエチン関連タンパク質3」はアクッ
セッション番号AF152562、「アンジオポエチン
関連タンパク質4」はアクセッション番号AF2026
36、「アンジオポエチン関連タンパク質5」はアクセ
ッション番号NM_031917、「アンジオポエチン
関連タンパク質6」はアクセッション番号Y16132
で登録されている。
【0269】配列表の配列番号11のヌクレオチド番号
18を5'末端とし、ヌクレオチド番号458乃至63
8のいずれか1つを3'末端とするヌクレオチドは、例
えばヒト肝臓cDNAライブラリーからクローニングし
たヒト・「アンジオポエチン関連タンパク質3」をコー
ドするcDNA、または独立行政法人産業技術総合研究
所・特許生物寄託センターに国際寄託されている組換え
大腸菌株E.colipTrip/h55−1 SAN
K 72299(FERM BP−6941)が保持す
る組換えファージミドを鋳型とし、所望のヌクレオチド
配列からなるDNAが増幅されるように設計したオリゴ
ヌクレオチドプライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応
(以下「PCR」という)を行うことにより得ることが
できる。あるいは、組換え大腸菌株E.coli pT
rip/h55−1 SANK72299(FERM
BP−6941)が保持する組換えファージミドpTr
ip/h55−1に挿入されているcDNAのヌクレオ
チド配列中の所望の位置に、該cDNAのオープンリー
ディングフレームと同一のリーディングフレーム上で終
止コドンとなるヌクレオチド配列が挿入されるような部
位特異的人工突然変異を施すことにより得ることもでき
る。 (a)配列表の配列番号17に示されるヌクレオチド配列
に含まれる連続した1つの配列であってヌクレオチド番
号434を5'末端とし、ヌクレオチド番号1039乃
至1261のいずれか1つを3'末端とするヌクレオチ
ド配列からなるヌクレオチド、(b)配列表の配列番号1
7に示されるヌクレオチド配列に含まれる連続した1つ
の配列であって、ヌクレオチド番号434のヌクレオチ
ドを5'末端とし、ヌクレオチド番号1909を3'末端
とするヌクレオチド配列からなるヌクレオチド、(c)配
列表の配列番号19に示されるヌクレオチド番号22を
5'末端としヌクレオチド番号639乃至846のいず
れか1つを3'末端とするヌクレオチド配列からなるヌ
クレオチド、(d)配列表の配列番号19に示されるヌク
レオチド配列に含まれる連続した1つの配列であって、
ヌクレオチド番号22のヌクレオチドを5'末端とし、
ヌクレオチド番号1503を3'末端とするヌクレオチ
ド配列からなるヌクレオチド、(e)配列表の配列番号2
1のヌクレオチド番号242を5'末端としヌクレオチ
ド番号796乃至1015のいずれか1つを3'末端と
するヌクレオチド配列を含むヌクレオチド、(f)配列表
の配列番号21に示されるヌクレオチド配列に含まれる
連続した1つの配列であって、ヌクレオチド番号242
のヌクレオチドを5'末端とし、ヌクレオチド番号16
54を3'末端とするヌクレオチド配列からなるヌクレ
オチド、(g)配列表の配列番号23に示されるヌクレオ
チド配列に含まれる連続した1つの配列であって、ヌク
レオチド番号86のヌクレオチドを5'末端とし、ヌク
レオチド番号373乃至394のいずれか1つのヌクレ
オチドを3'末端とするヌクレオチド配列からなるヌク
レオチド、(h)配列表の配列番号23に示されるヌクレ
オチド配列に含まれる連続した1つの配列であって、ヌ
クレオチド番号86のヌクレオチドを5'末端とし、ヌ
クレオチド番号1048を3'末端とするヌクレオチド
配列からなるヌクレオチド、の(a)乃至(h)はいずれも、
ヒトの適当な臓器由来のcDNAライブラリーからクロ
ーニングしたヒト・「アンジオポエチン関連タンパク質
1、2、4、5、6」をコードするcDNA、または、
市販のcDNAクローン(例えばI.M.A.G.E
Consortiumより購入できる)を鋳型とし、所
望のヌクレオチド配列からなるDNAが増幅されるよう
に設計したオリゴヌクレオチドプライマーを用いたPC
Rを行なうことにより得ることができる。
【0270】しかしながら、本発明のポリペプチドをコ
ードするDNAはこれらに限定されず、例えば上記した
遺伝子組換えの手法において用いられる宿主のコドン使
用頻度を考慮して適宜改変されたものや、また例えば人
工合成DNAを連結して得られたものでも、宿主細胞に
おいて、(a)配列表の配列番号12に示されるアミノ酸
配列中の連続した1つのアミノ酸配列であって、アミノ
酸番号17をアミノ末端とし、アミノ酸番号147乃至
207またはアミノ酸番号147乃至195のいずれか
1つをカルボキシル末端とするアミノ酸配列からなるポ
リペプチド、(b)配列表の配列番号16に示されるアミ
ノ酸配列中の連続した1つのアミノ酸配列であって、ア
ミノ酸番号26をアミノ末端とし、アミノ酸番号143
をカルボキシル末端とするアミノ酸配列からなるポリペ
プチド、(c)配列表の配列番号16に示されるアミノ酸
配列に含まれる連続した1つのアミノ酸配列であって、
アミノ酸番号26をアミノ末端とし、アミノ酸番号14
4乃至183のいずれか一つをカルボキシル末端とする
アミノ酸配列からなるポリペプチド、(d)配列表の配列
番号18のアミノ酸配列中の連続したアミノ酸配列であ
って、アミノ酸番号22をアミノ末端とし、アミノ酸番
号202乃至276のいずれか1つをカルボキシル末端
とするアミノ酸配列からなるポリペプチド、(e)配列表
の配列番号20のアミノ酸配列中の連続したアミノ酸配
列であって、アミノ酸番号23をアミノ末端とし、アミ
ノ酸番号206乃至275のいずれか1つをカルボキシ
ル末端とするアミノ酸配列からなるポリペプチド、(f)
配列表の配列番号22のアミノ酸配列中の連続したアミ
ノ酸配列であって、アミノ酸番号21をアミノ末端と
し、アミノ酸番号185乃至258のいずれか1つをカ
ルボキシル末端とするアミノ酸配列からなるポリペプチ
ド、(g)配列表の配列番号24に示されるアミノ酸配列
に含まれる連続した1つのアミノ酸配列であって、アミ
ノ酸番号27をアミノ末端とし、アミノ酸番号122乃
至129のいずれか1つをカルボキシル末端とするアミ
ノ酸配列からなるポリペプチド、(h)配列表の配列番号
16のアミノ酸番号26をアミノ末端とし、406をカ
ルボキシル末端とするアミノ酸配列からなるポリペプチ
ド、(i)配列表の配列番号18のアミノ酸番号22をア
ミノ末端とし、491をカルボキシル末端とするアミノ
酸配列からなるポリペプチド、(j)配列表の配列番号2
0のアミノ酸番号23をアミノ末端とし、493をカル
ボキシル末端とするアミノ酸配列からなるポリペプチ
ド、(k)配列表の配列番号22のアミノ酸番号21をア
ミノ末端とし、470をカルボキシル末端とするアミノ
酸配列からなるポリペプチド、(l)配列表の配列番号2
4のアミノ酸番号27をアミノ末端とし、346をカル
ボキシル末端とするアミノ酸配列からなるポリペプチ
ド、の(a)乃至(l)いずれかのポリペプチドを産生するこ
とが可能であるようなヌクレオチド配列を有するもので
あれば本発明に包含される。
【0271】そのような、本発明のポリペプチドをコー
ドするヌクレオチド配列を有するDNAを、適当なベク
ターDNAに組み込んで得られた組換えベクターは、原
核生物、または真核生物の宿主細胞を形質転換すること
ができる。さらにこれらのベクターに適当なプロモータ
ー、および形質発現に関わる配列を導入することによ
り、それぞれの宿主において導入した遺伝子を発現する
ことが可能である。
【0272】原核細胞の宿主としては、例えば、大腸菌
(Escherichia coli)や枯草菌(Bacillus subtilis)
などが挙げられる。目的の遺伝子をこれらの宿主細胞内
で形質転換させるには、宿主と適合し得る種由来のレプ
リコンすなわち複製起点と、調節配列を含んでいるプラ
スミドベクターで宿主細胞を形質転換させる。また、ベ
クターとしては、形質転換細胞に表現形質(表現型)の
選択性を付与することができる配列を有するものが好ま
しい。
【0273】例えば、大腸菌としてはK12株やJM1
09株などがよく用いられ、ベクターとしては、一般に
pBR322やpUC系のプラスミドが用いられるが、
これらに限定されず、公知の各種菌株、およびベクター
がいずれも使用できる。
【0274】大腸菌内で他の生物由来のタンパク質を発
現させる場合には、生物種間におけるコドンの使用頻度
の違いにより、翻訳効率が制限されることがあり、これ
は大腸菌の細胞内のtRNA量に偏りがあり、何種類か
のtRNAが枯渇してしまうことが原因と考えられる。
このような場合、大腸菌内で比較的量の少ないtRNA
の量を多く発現するようにした株を用いる発現がうまく
いくことがある。このような大腸菌としては例えば、大
腸菌のBL21 CodonPlus (DE3)−R
ILを挙げることができる。本株は大腸菌内では比較的
少量のtRNA遺伝子(アルギニン・イソロイシン・ロ
イシン)のコピー数を増した菌株である。
【0275】プロモーターとしては、大腸菌において
は、トリプトファン(trp)プロモーター、ラクトース
(lac)プロモーター、トリプトファン・ラクトース(t
ac)プロモーター、リポプロテイン(lpp)プロモータ
ー、ポリペプチド鎖伸張因子Tu(tufB)プロモーター等
が挙げられ、どのプロモーターも目的のポリペプチドの
産生に使用することができる。
【0276】枯草菌としては、例えば207−25株が
好ましく、ベクターとしてはpTUB228(Ohmura,
K. et al. (1984) J. Biochem. 95, 87-93)などが用い
られるが、これに限定されるものではない。枯草菌のα
−アミラーゼのシグナルペプチド配列をコードするDN
A配列を連結することにより、菌体外での分泌発現も可
能となる。
【0277】真核細胞の宿主細胞には、脊椎動物、昆
虫、酵母などの細胞が含まれ、脊椎動物細胞としては、
例えば、サルの細胞であるCOS細胞(Gluzman, Y. (1
981) Cell 23, 175-182、ATCC CRL−165
0)やチャイニーズ・ハムスター卵巣細胞(CHO細
胞、ATCC CCL−61)のジヒドロ葉酸還元酵素
欠損株(Urlaub, G. and Chasin, L. A. (1980) Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 77, 4126-4220)等がよく用いら
れているが、これらに限定されない。
【0278】脊椎動物細胞の発現プロモーターとして
は、通常発現しようとする遺伝子の上流に位置するプロ
モーター、RNAのスプライス部位、ポリアデニル化部
位、および転写終結配列等を有するものを使用でき、さ
らにこれは必要により複製起点を有してもよい。該発現
ベクターの例としては、SV40の初期プロモーターを
有するpSV2dhfr(Subramani, S. et al. (198
1) Mol. Cell. Biol. 1,854-864)等が挙げられるが、
これに限定されない。
【0279】宿主細胞として、COS細胞を用いる場合
を例に挙げると、発現ベクターとしては、SV40複製
起点を有し、COS細胞において自立増殖が可能であ
り、さらに、転写プロモーター、転写終結シグナル、お
よびRNAスプライス部位を具えたものを用いることが
できる。該発現ベクターは、ジエチルアミノエチル(D
EAE)−デキストラン法(Luthman, H. and Magnusso
n, G. (1983) Nucleic Acids Res, 11, 1295-1308)、リ
ン酸カルシウム−DNA共沈殿法(Graham, F. L. and
van der Eb, A. J. (1973) Virology 52, 456-457)、
および電気パルス穿孔法(Neumann, E. et al. (1982)
EMBO J. 1, 841-845)などによりCOS細胞に取り込ま
せることができ、かくして所望の形質転換細胞を得るこ
とができる。また、宿主細胞としてCHO細胞を用いる
場合には、発現ベクターと共に、抗生物質G418耐性
マーカーとして機能するneo遺伝子を発現し得るベク
ター、例えばpRSVneo(Sambrook, J. et al. (1
989) : "Molecular CloningA Laboratory Manual" Cold
Spring Harbor Laboratory, NY)やpSV2−neo
(Southern, P. J. and Berg, P. (1982) J. Mol. App
l. Genet. 1, 327-341)などをコ・トランスフェクト
し、G418耐性のコロニーを選択することにより、目
的のポリペプチドを安定に産生する形質転換細胞を得る
ことができる。
【0280】昆虫細胞を宿主細胞として用いる場合に
は、鱗翅類ヤガ科のSpodoptera frugiperdaの卵巣細胞
由来株化細胞(Sf−9またはSf−21)やTrichopl
usia niの卵細胞由来High Five細胞(Wickham, T. J. e
t al, (1992) Biotechnol. Prog. I: 391-396)などが
宿主細胞としてよく用いられ、バキュロウイルストラン
スファーベクターとしてはオートグラファ核多角体ウイ
ルス(AcNPV)のポリヘドリンタンパク質のプロモ
ーターを利用したpVL1392/1393がよく用い
られる(Kidd, I. M. and V.C. Emery (1993) The use
of baculoviruses as expression vectors. Applied Bi
ochemistry and Biotechnology 42, 137-159)。この他
にも、バキュロウイルスのP10や同塩基性タンパク質
のプロモーターを利用したベクターも使用できる。さら
に、AcNPVのエンベロープ表面タンパク質GP67
の分泌シグナル配列を目的タンパク質のアミノ末端側に
繋げることにより、組換えタンパク質を分泌タンパク質
として発現させることも可能である(Zhe-mei Wang, et
al. (1998) Biol. Chem., 379, 167-174)。
【0281】真核微生物を宿主細胞とした発現系として
は、酵母が一般によく知られており、その中でもサッカ
ロミセス属酵母、例えばパン酵母Saccharomyces cerevi
siaeや石油酵母Pichia pastorisが好ましい。該酵母な
どの真核微生物の発現ベクターとしては、例えば、アル
コール脱水素酵素遺伝子のプロモーター(Bennetzen,J.
L. and Hall, B. D. (1982) J. Biol. Chem. 257, 301
8-3025)や酸性フォスファターゼ遺伝子のプロモーター
(Miyanohara, A. et al. (1983) Proc. Natl. Acad. S
ci. USA 80, 1-5)などを好ましく利用できる。また、
分泌型タンパク質として発現させる場合には、分泌シグ
ナル配列と宿主細胞の持つ内在性プロテアーゼあるいは
既知のプロテアーゼの切断部位をアミノ末端側に持つ組
換え体として発現することも可能である。例えば、トリ
プシン型セリンプロテアーゼのヒトマスト細胞トリプタ
ーゼを石油酵母で発現させた系では、アミノ末端側に酵
母のαファクターの分泌シグナル配列と石油酵母の持つ
KEX2プロテアーゼの切断部位をつなぎ発現させるこ
とにより、活性型トリプターゼが培地中に分泌されるこ
とが知られている(Andrew, L. Niles,et al. (1998) B
iotechnol.Appl.Biochem. 28, 125-131)。
【0282】上記のようにして得られる形質転換体は、
常法に従い培養することができ、該培養により細胞内、
または細胞外に目的のポリペプチドが産生される。該培
養に用いられる培地としては、採用した宿主細胞に応じ
て慣用される各種のものを適宜選択でき、例えば、上記
COS細胞であれば、RPMI1640培地やダルベッ
コ改変イーグル培地(以下「DMEM」という)などの
培地に、必要に応じウシ胎児血清などの血清成分を添加
したものを使用できる。
【0283】上記培養により、形質転換体の細胞内また
は細胞外に産生される組換えタンパク質は、該タンパク
質の物理的性質や化学的性質などを利用した各種の公知
の分離操作法により分離・精製することができる。該方
法としては、具体的には例えば、通常の蛋白沈殿剤によ
る処理、限外濾過、分子ふるいクロマトグラフィー(ゲ
ル濾過)、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマ
トグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、高
速液体クロマトグラフィー(HPLC)などの各種液体
クロマトグラフィー、透析法、これらの組合せなどを例
示できる。また、発現させる組換えタンパク質に6残基
からなるヒスチジンを繋げることにより、ニッケルアフ
ィニティーカラムで効率的に精製することができる。上
記方法を組み合わせることにより容易に高収率、高純度
で本発明のポリペプチドを大量に製造できる。
【0284】本発明のポリペプチドは、上記の方法に従
って得られる他、該ポリペプチドをコードするヌクレオ
チド配列を有するDNAを組み込んだアデノウイルスベ
クターを利用して動物細胞に産生させることもできる。
そのような組換えアデノウイルスベクターを構築する方
法として、市販のキット(例えば、アデノウイルス・エ
クスプレッション・ベクター・キット、宝酒造(株)社
製)を用いる方法を例示できる。本発明のポリペプチド
が哺乳動物の血中中性脂肪濃度と密接に相関しているこ
とは、例えば上記のようにして得られる組換えアデノウ
イルスベクターを有する組換えアデノウイルスを哺乳動
物、例えばマウスに感染させて、該組換えアデノウイル
スベクターが保持する遺伝子を発現させると、血中中性
脂肪(トリグリセリド)濃度の上昇が観察されることか
ら証拠付けられる。
【0285】「アンジオポエチン関連タンパク質」をマ
ウス血中に投与すると、カルボキシル末端のペプチドが
除去されたペプチドが生成する。例えば、「アンジオポ
エチン関連タンパク質3」を血中に投与するとアミノ酸
の配列番号52のアミノ酸番号221と222の間で切
断されたポリペプチドと、アミノ酸番号224と225
の間で切断されたペプチドの2種類のポリペプチドが取
得できる。即ち、血中脂質濃度の上昇には、「アンジオ
ポエチン関連タンパク質」を投与してもよいし、「アン
ジオポエチン関連タンパク質」のうちヘリックス領域の
みを含むように改変した変異体ポリペプチドを投与して
もよい。
【0286】前記方法によって得られる本発明のポリペ
プチドは、例えば以下に記載するような高脂血症、動脈
硬化および高血糖から選択される一つまたは二つ以上の
疾患の治療または予防剤の試験方法に用いることができ
る。
【0287】まず、この方法で用いられる非ヒト動物
は、例えば、「アンジオポエチン関連タンパク質」(例
えば、「アンジオポエチン関連タンパク質3」および/
または「アンジオポエチン関連タンパク質4」)を正常
に産生しない突然変異遺伝子を有するKK/Snkマウ
スや、「アンジオポエチン関連タンパク質」(例えば、
「アンジオポエチン関連タンパク質3」および/または
「アンジオポエチン関連タンパク質4」)遺伝子を発現
しないように遺伝子操作されたノックアウトマウスが好
適であるが、これらに限定されない。
【0288】投与するポリペプチドとしては、[1]
「アンジオポエチン関連タンパク質3」を正常に産生し
ない突然変異遺伝子を有するKK/Snkマウスに対し
ては、例えば、配列表の配列番号12に示されるアミノ
酸配列中の連続した1つのアミノ酸配列であって、アミ
ノ酸番号17をアミノ末端とし、アミノ酸番号147乃
至207のいずれか1つをカルボキシル末端とするアミ
ノ酸配列を有するポリペプチドを用いたり、[2]「ア
ンジオポエチン関連タンパク質4」を正常に産生しない
突然変異遺伝子を有するKK/Snkマウスに対しては
例えば、配列表の配列番号16に示されるアミノ酸配列
中の連続した1つのアミノ酸配列であって、アミノ酸番
号26をアミノ末端とし、アミノ酸番号143乃至18
3のいずれか1つをカルボキシル末端とするアミノ酸配
列を有するポリペプチドを用いることができるが、血中
中性脂肪濃度の上昇が確認できる限りにおいてこれらに
制限されない。本発明のポリペプチドは単独で用いても
2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0289】本発明のポリペプチドの上記動物への投与
方法としては、血管への投与、経口投与等が挙げられる
が、血中中性脂肪濃度の上昇が確認できる限り、投与方
法に制限はない。本発明のポリペプチドの上記動物への
投与量は血中脂肪濃度の上昇が確認できる限りにおいて
制限されないが、例えば、マウスの尾静脈に投与する場
合には、マウス体重1g当たり、0.01μg乃至10
mgの範囲で投与することができる。
【0290】上記動物に本発明のポリペプチドを投与す
ると、血中中性脂肪(トリグリセリド)濃度の上昇が観
察される。
【0291】この実験系においては、本発明のポリペプ
チドと被験物質を試験動物に投与して、血中中性脂肪濃
度が低下する物質を選択する。より好ましくは、[1]
本発明のポリペプチドのみを投与した動物、[2]被験
物質のみを投与した動物および、[3]両者を投与した
動物の間で結果を比較し、[2]の動物において血中中
性脂肪濃度に影響を及ぼさず、かつ[3]の動物におい
[1]の動物と比較して顕著に血中中性脂肪濃度を低
下させる物質を、本発明のポリペプチドの機能を特異的
に抑制する物質として選択する。この方法では、本発明
のポリペプチド自体の機能や、該ポリペプチドと相互作
用して該ポリペプチドの機能発現に寄与する因子(例え
ば、レセプター)等、該ポリペプチドの作用による血中
中性脂肪濃度の上昇に関わる生体反応のいずれかを阻害
する物質を見出すことができる。そのような物質は高脂
血症、動脈硬化および高血糖から選択される一つまたは
二つ以上の疾患の治療または予防剤となり得る。
【0292】一方、本発明のポリペプチドはイン・ビト
ロでLPLおよび/またはHTGLの活性を阻害する効
果を有するので、以下に記載するようなLPLおよび/
またはHTGL活性を調節する物質の試験方法に用いる
ことができる。
【0293】この試験方法は、LPLおよび/またはH
TGLの活性測定方法において、LPLおよび/または
HTGL反応時に、本発明のポリペプチドと、LPLお
よび/またはHTGLの活性を調節する作用を調べよう
とする物質(以下「被験物質」という)とを共存させる
ことにより実施することができる。より具体的には、以
下に記載する[1]−a乃至[3]または[1]−b乃
[3]の材料を共存させてLPL活性を調べる系にお
いて、さらに被験物質を加えたときの、LPL活性の変
化を調べる。
【0294】[1]−a LPLを含む材料 LPLを含む材料としては、LPLを産生している、哺
乳動物脂肪細胞由来または脂肪細胞の前駆細胞由来の細
胞株の培養上清を用いることができる。細胞株が未分化
である場合は、脂肪細胞に分化させてから材料を調製す
ることが好ましい。LPLを産生している細胞株として
は例えば、マウス細胞株3T3−L1(大日本製薬
(株)社より購入可能)、同3T3−F442A、同O
b17等を挙げることができる。あるいは、ラット白色
前駆脂肪細胞(初代培養細胞)を脂肪細胞に分化させた
細胞も好適に用いることができるが、本発明はこれらに
限定されない。
【0295】また、LPLを含む材料として、精製LP
Lや組換えLPL(Methods Enzymol. (1996) 263, 319
-26参照)を使用することもできる。例えば、牛乳由来
のLPL(シグマ社より市販されている)を本発明の方
法に使用することが可能である。
【0296】[1]−b LPLおよびHTGLを含む
材料 LPLおよびHTGLを含む材料としては、体重1kg
あたり10乃至100単位のヘパリンを静注して10分
乃至15分経過後の哺乳動物から採取した末梢血由来の
血漿が好適である。
【0297】[2]または[2]−b LPLおよび/
またはHTGLの基質を含む材料 次に、LPLおよび/またはHTGLの基質を含む材料
は、これらリパーゼの触媒により脂肪酸を遊離すること
が知られている物質を含み、かつこれらリパーゼの活性
を阻害したり不活性化する成分が含まれていないもので
あればよいが、例えばグリセロール・トリ[9,10
(n)−3H]オレイン酸のようにLPLの触媒により
遊離される脂肪酸が放射性同位元素で標識してある化合
物や、同様に特定の励起波長下で蛍光を発する物質で標
識された化合物が特に好適である。また、遊離脂肪酸の
量を生化学的な方法で測定する場合には、標識されてい
ない基質(例えばグリセロール・トリオレイン酸)も用
いられ得る。
【0298】[3]本発明のポリペプチド 本発明のポリペプチドとしては、配列表の配列番号4の
アミノ酸番号17乃至460に示されるアミノ酸配列か
らなるポリペプチド、そのカルボキシル末端の1乃至2
53残基を欠くポリペプチド、または請求項18乃至3
4記載のポリペプチドを用いることができるが、これら
に限定されない。
【0299】本発明の方法における被験物質は、特に限
定されず、微生物の培養液や動植物の組織からの抽出
物、培養細胞の培養液からの抽出物、人工的に合成され
た無機または有機化合物、組換えタンパク質、抗体また
はその断片、もしくはそれらの中の複数種類の物質を混
合した組成物などがいずれも用いられ得る。
【0300】その他、反応液には、必要に応じ、pH調
整のための緩衝液や、アルブミンなどのタンパク質成分
が添加され得る。
【0301】これらの材料を混合し、以下に記載する条
件でLPL反応を行う: 温度条件: 27乃至37℃、好適には37℃; 反応液のpH: 8.0乃至8.5、好適には8.0; 反応液中の塩化ナトリウム濃度: 0.1乃至0.15
M、好適には0.15M; 反応時間: 15乃至120分、好適には120分。
【0302】なお、ヘパリン投与した哺乳動物由来の血
漿のように、LPLとHTGLの両方を含む材料を用い
る場合は、上記条件でLPLとHTGLとを合わせたリ
パーゼ活性が測定できる。HTGL活性のみを測定する
場合には、他の条件は変えずに塩化ナトリウム濃度を1
Mにすることにより、LPLが不活性化された条件でリ
パーゼ反応を進行させる。LPL活性は総リパーゼ活性
からHTGL活性を差し引いた値となる。
【0303】反応終了後、反応液に有機溶媒を添加、混
合してから遊離脂肪酸を含む層と未反応の基質を含む層
とを分離させ、前者に集まった遊離脂肪酸の量を測定す
る。
【0304】また、標識されていない基質を用いた場合
の試験方法の例を以下に示す(Clin.Chem. 30,748(198
4))。
【0305】基質溶液0.5ml(7.5μmol グ
リセロール・トリオレイン酸、22.5mg アラビア
ゴム、100μmol トリス−塩酸(pH8.2)、
50μmol 塩化ナトリウム、25mg アルブミ
ン、140μl ヒト血漿)を37℃で80分間インキ
ュベートした後、脂肪細胞培養上清を加え、また同時に
本発明のポリペプチドと被験物質を添加して、28℃で
60分間反応させる。次に反応液に2.5mlのイソプ
ロパノール:ヘプタン:硫酸(2.5mol/L)=4
0:10:2(v/v)を加え、10分間混合し、室温
で40分放置後、有機層を1ml採取し、窒素乾固す
る。得られたものを5% トリトン X−100溶液に
て溶解し、市販の脂肪酸測定キット(例えばNEFA−
テストワコー(和光純薬(株)社製))等を利用して脂
肪酸量を測定する。
【0306】上記方法により試験を行った結果、本発明
のポリペプチドによるLPLおよび/またはHTGLの
活性阻害を抑制し、結果的にLPLおよび/またはHT
GL活性を上昇させた被験物質は、血中の中性脂肪濃度
を低下させる、新しい高脂血症、動脈硬化および高血糖
から選択される一つまたは二つ以上の疾患の治療または
予防剤の候補として選択される。
【0307】III.プロモーターDNAを用いた試験
方法 本発明のDNAは、マウスゲノムより作成した遺伝子ラ
イブラリーから、例えば、マウス「アンジオポエチン関
連タンパク質3」 cDNAのヌクレオチド配列(Conk
lin, D. et al.Genomics 62, 477-482 (1999))または
マウス「アンジオポエチン関連タンパク質4」 cDN
Aのヌクレオチド配列(Kersten, S., etal. (2000) J.
Biol. Chem. 275, 28488-28493;Yoon, J. C., et al.
(2000)Mol. Cell. Biol. 20, 5343-5349)の5'末端側
をプローブとして利用したスクリーニングにより単離す
ることができる。または、この配列の情報に基いて、マ
ウスゲノムDNAを鋳型としたポリメラーゼ連鎖反応
(以下「PCR」という)により、ライブラリーのスク
リーニングの工程を経ずに直接本発明のDNAを増幅す
ることもできる。
【0308】なお、本発明のDNAが挿入されている組
換えプラスミドpGL8−3は、2001(平成13)年6月
7日付で独立行政法人産業技術総合研究所・特許生物寄
託センターに国際寄託され、受託番号FERM BP−
7627が付されている。したがって、本発明のDNA
は、当該プラスミドから取得することもできる。
【0309】なお、本発明の属する技術分野における通
常の知識を有する者であれば、天然型のプロモーターD
NAのヌクレオチド配列の一部を他のヌクレオチドへの
置換やヌクレオチドの欠失、付加などの改変により、天
然型のプロモーターDNAと同等のプロモーター活性を
有するDNAを調製することが可能である。このように
天然型のヌクレオチド配列においてヌクレオチドが置
換、欠失、もしくは付加したヌクレオチド配列を有し、
天然型のプロモーターDNAと同等のプロモーター活性
を有するDNAもまた本発明のDNAに含まれる。ヌク
レオチド配列の改変は、例えば、制限酵素あるいはDN
Aエキソヌクレアーゼによる欠失導入、部位特異的変異
誘発法による変異導入、変異プライマーを用いたPCR
法によるプロモーター配列の改変、合成変異DNAの直
接導入などの方法により行うことができる。これらのう
ち好適なものは、配列表の配列番号27のヌクレオチド
番号1から510で示されるヌクレオチド配列または配
列表の配列番号2のヌクレオチド番号1から260で示
されるヌクレオチド配列を含むDNAであり、より好適
には配列表の配列番号27のヌクレオチド番号1から5
26で示されるヌクレオチド配列または配列表の配列番
号28のヌクレオチド番号1から188で示されるヌク
レオチド配列からなるDNAである。
【0310】また、本発明のDNAとしては、配列表の
配列番号27のヌクレオチド番号1からヌクレオチド番
号526で示されるヌクレオチド配列または配列番号2
8のヌクレオチド番号1から260で示されるヌクレオ
チド配列からなるDNAとストリンジェントな条件下で
ハイブリダイズし得るDNAを含むものが挙げられる。
このようにハイブリダイズし得るDNAは、プロモータ
ー活性を有するものであればよい。このようなDNA
は、配列表の配列番号27のヌクレオチド番号1から5
26で示されるヌクレオチド配列または配列番号28の
ヌクレオチド番号1から260で示されるヌクレオチド
配列と、通常、70%以上、好ましくは80%以上、よ
り好ましくは95%以上のヌクレオチド配列の同一性を
有する。このようなDNAとしては、自然界で発見され
る変異型遺伝子、人為的に改変した変異型遺伝子、異種
生物由来の相同遺伝子等が含まれる。
【0311】本発明において、ストリンジェントな条件
下でのハイブリダイゼーションは、通常のストリンジェ
ントな条件(ローストリンジェントな条件)では、ハイ
ブリダイゼーションを、5×SSC(0.75M 塩化
ナトリウム、0.075Mクエン酸ナトリウム)または
これと同等の塩濃度のハイブリダイゼーション溶液中、
37−42℃の温度条件下、約12時間行い、5×SS
Cまたはこれと同等の塩濃度の溶液等で必要に応じて予
備洗浄を行った後、1×SSCまたはこれと同等の塩濃
度の溶液中で洗浄を行うことにより実施できる。また、
より高いストリンジェンシーを有する条件(ハイストリ
ンジェントな条件)では、前記において、洗浄を0.1
×SSCまたはこれと同等の塩濃度の溶液中で行うこと
により実施できる。
【0312】このようにして得られた本発明のDNAが
プロモーター活性を有するか否かは、下記に説明するよ
うに、その下流にルシフェラーゼ等のマーカー遺伝子を
連結したもの(以下「レポーター遺伝子」という)で哺
乳動物細胞を形質転換し、この形質転換細胞におけるマ
ーカー遺伝子の発現が検出されるか否かを調べることに
よって確認することができる。
【0313】本発明で用いられる発現ベクターは外来遺
伝子の上流側に外来遺伝子配列と同じ転写の方向で本発
明のDNAが連結されており、哺乳動物細胞中で外来遺
伝子を発現させ得るものである。かかる発現ベクター
は、外来遺伝子の上流に本発明のDNAが連結されてい
るため、本発明のDNA中におけるプロモーターの制御
下に外来遺伝子を発現することができる。本発明の発現
ベクターは、哺乳動物細胞に導入することにより複製さ
れ得る形態であればよく、例えば、適当なレプリコンを
有する環状または直線状のいずれであってもよい。
【0314】ウイルスベクターによる遺伝子導入方法と
しては例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、アデ
ノ関連ウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイル
ス、ポックスウイルス、ポリオウイルス等のDNAウイ
ルス、またはRNAウイルスにcDNAを組み込んで導
入する方法が挙げられる。なかでも、レトロウイルス、
アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、ワクシニアウイ
ルスを用いた方法が好ましい。
【0315】非ウイルス性の遺伝子導入方法としては、
発現プラスミドを直接筋肉内に投与する方法(DNAワ
クチン法)、リポソーム法、リポフェクション法、マイ
クロインジェクション法、リン酸カルシウム法、エレク
トロポレーション法等が挙げられ、なかでも、DNAワ
クチン法、リポソーム法が好ましい。
【0316】該発現ベクターは、ジエチルアミノエチル
(DEAE)−デキストラン法(Luthman, H. and Magn
usson, G. (1983) Nucleic Acids Res, 11, 1295-130
8)、リン酸カルシウム−DNA共沈殿法(Graham, F.
L. and van der Eb, A. J. (1973) Virology 52, 456-4
57)、および電気パルス穿孔法(Neumann, E. et al.
(1982) EMBO J. 1, 841-845)およびリポフェクション
法(Lopata et al. (1984)Nucl. Acids Res. 12, 5707-
5717, Sussman and Milman (1984) Mol. Cell. Biol.
4, 1641-1643)等によりCOS細胞に取り込ませること
ができ、かくして所望の形質転換細胞を得ることができ
る。ただし、培養細胞株がいわゆる浮遊細胞である場合
は、リン酸カルシウム−DNA共沈殿法以外の方法を用
いることが好ましい。いずれの方法においても、用いる
細胞に応じて、至適化されたトランスフェクション条件
を用いる。
【0317】また、動物から受精卵を取得し、遺伝子導
入の後、偽妊娠動物に移植し、発生させることにより得
たトランスジェニック動物を用いることもでき、その手
順は公知の方法[発生工学実験マニュアル(野村達次
監修、勝木元也 編、1987年刊)、特開平5−4809
3号等参照]に従えばよい。具体的には、例えば、マウ
スの場合にはまずメスマウスに排卵誘起剤を投与後、同
系統のオスと交配し、翌日メスマウスの卵管より前核受
精卵を採取する。次いで、導入するDNA断片溶液を微
小ガラス管を用いて受精卵の前核に注入する。なお、導
入する遺伝子を動物細胞内で発現させるために本発明の
DNAをプロモーターとして有し、エンハンサー等の調
節遺伝子は、導入された動物の細胞内で機能するもので
あれば特に限定されない。DNAを注入した受精卵は、
偽妊娠仮親メスマウス(Slc:ICR等)の卵管に移
植し、役20日後に自然分娩または帝王切開により出生
させる。
【0318】こうして得られた動物が、導入遺伝子を保
持していることを確認する方法としては、例えば:前記
動物の尾等からDNAを抽出し、該DNAをこれに特異
的なセンスおよびアンチセンスプライマーを用いてPC
R増幅する方法、該DNAを制限酵素で消化後、ゲル電
気泳動し、ゲル中のDNAをナイロン膜等にブロッティ
ングした後、標識した導入遺伝子の全部または一部をプ
ローブとしてサザンブロット解析を行なう方法等を挙げ
ることができる。
【0319】外来遺伝子としては、対象疾患を治療する
ためのタンパク質をコードする遺伝子、マーカー遺伝子
などが挙げられる。
【0320】以下、本発明のDNAの使用方法について
述べる。
【0321】1)誘導型発現ベクターとしての利用 本発明のDNAが、ある特異的な刺激によりプロモータ
ー活性を表すことが判明した場合、所望の遺伝子の上流
に本発明のDNAを挿入したベクターなどを作製して体
細胞に導入し、該刺激を付加することにより、該所望の
遺伝子を誘導的に発現させることができる。
【0322】2)DNAによる拮抗阻害を利用したDN
Aのプロモーター活性調節 本発明は、上記プロモーターDNAの配列の少なくとも
一部を含むDNA(その誘導体を含む。以下「部分配
列」という)に関する。このような部分配列を用いるこ
とにより、該部分配列自体がプロモーター活性を有する
か否かを問わず、上記プロモーターDNAとこれに結合
しうるタンパク質(例えば、転写因子)との結合を拮抗
阻害する方法を実施することが可能である。例えば、該
部分配列が、本発明のDNA配列上においてそのプロモ
ーター活性を阻害するタンパク質の結合部位に相当する
場合には、この方法によりプロモーター活性を促進する
ことができ、逆にプロモーター活性を促進するタンパク
質(転写因子を含む)の結合部位に相当する場合には、
プロモーター活性を阻害することができる。このような
拮抗阻害に用いる部分配列DNAは、通常少なくとも6
ヌクレオチド、好ましくは10ヌクレオチド以上の鎖長
を有する。また、拮抗阻害に用いるために選択される部
分配列の種類としては、例えば、プロモーター上の転写
因子の結合コンセンサス部位を含む配列が挙げられる。
また、そうした部分配列DNAの誘導体としては、いく
つかの部分配列を連結したものや、それをアデノウイル
スベクター等に組み込んで動物細胞への遺伝子導入を可
能にしたもの、また、DNAの3'末端もしくは5'末端
にビオチンを連結したもの等が用いられ得る。
【0323】下記実施例において明らかなように、「ア
ンジオポエチン関連タンパク質3」および「アンジオポ
エチン関連タンパク質4」は、低脂血症マウスで強制発
現させると血中の中性脂肪濃度が上昇する。「アンジオ
ポエチン関連タンパク質3」が正常に産生されない変異
遺伝子の影響により、顕著な血中脂質濃度の低下、動脈
硬化の進展抑制および高血糖の改善が観察され、「アン
ジオポエチン関連タンパク質4」についても同様の現象
が観察されると考えられるので、本発明のDNAが有す
るプロモーター活性を抑制する機能を有する部分配列ま
たはその誘導体は高脂血症、動脈硬化および高血糖から
選択される一つまたは二つ以上の疾患の治療または予防
のための医薬組成物の有効成分として有用である。
【0324】3)プロモーター活性を調節するタンパク
質のスクリーニング 本発明のDNAのプロモーター活性の調節には、上記の
ような部分配列等を用いた拮抗阻害の他に、本発明のD
NAのプロモーター活性を調節するタンパク質を利用す
る方法を用いることもできる。本発明のDNAは、その
プロモーター活性を調節するタンパク質のスクリーニン
グに利用することが可能である。したがって、本発明
は、下記に示すような、該DNAのプロモーター活性を
調節するタンパク質のスクリーニング方法に関する。そ
のようなタンパク質としては、直接本発明のDNAに結
合してそのプロモーター活性を促進あるいは阻害するタ
ンパク質の他に、細胞膜受容体や細胞内タンパク質に作
用して間接的に本発明のDNAのプロモーター活性を促
進あるいは阻害するタンパク質が含まれる。
【0325】3−1)プロモーターDNAに結合するタ
ンパク質のスクリーニング この方法は、本発明のDNAに被験タンパク質試料を接
触させ、本発明のDNAに結合するタンパク質を選択す
る工程を含む。このような方法としては、例えば、本発
明のプロモーターDNAを用いた、これに結合するタン
パク質のアフィニティー精製が挙げられる。具体的な方
法の一例を示せば、本発明のプロモーターDNAをビオ
チン化し、ストレプトアビジンを結合した磁気ビーズに
結合させてDNAアフィニティービーズを作製する。次
いで、これを細胞の核抽出液とインキュベートして本発
明のDNAと特異的に結合する核抽出液中のタンパク質
を精製し、この構造を決定する。これにより、直接本発
明のDNAと結合するタンパク質、およびDNA結合活
性は持たないがサブユニットとして該タンパク質と複合
体を形成し本発明のDNAに結合するタンパク質が精製
できる(GabrielsenO.S et al., Nucleic acid Researc
h 17, 6253-6267 (1989)、Savoysky E et al., Oncogen
e 9, 1839-1846 (1994))。
【0326】3−2)プロモーター活性を指標にしたタ
ンパク質のスクリーニング この方法は、本発明のDNAの下流に連結されたマーカ
ー遺伝子[下記5−2)において詳述する]を保持する
細胞に被験DNAを導入し、マーカー遺伝子の発現を調
節する発現産物を選択する工程を含む。このような方法
には、例えば、酵母や動物細胞を用いたone-hybrid法が
含まれる。具体的には、本発明のDNAとマーカー遺伝
子を挿入したレポーター遺伝子を細胞に安定に導入し、
次いでこれに遺伝子ライブラリーを導入して、レポータ
ー遺伝子の発現促進あるいは発現阻害を示すようなクロ
ーンを選択し、本発明のDNAに結合するタンパク質を
選択する。この方法により、直接本発明のDNAと結合
するタンパク質の他に、細胞内の内在性タンパク質に作
用して間接的に本発明のDNAのプロモーター活性を調
節するタンパク質を得ることができる。なお、酵母のon
e-hybrid法(Li J.J. and Herskowitz I., Science 26
2, 1870-1873 (1993)、Wang M.M.and Reed R.R., Natur
e 364, 121-126 (1993))などで、「Matchmaker system
(クロンテック社)」等がキットとして発売されてい
る。
【0327】さらに他の一つの態様は、本発明のDNA
の下流に連結されたマーカー遺伝子を保持する細胞に被
験試料を接触させ、マーカー遺伝子の発現を調節するタ
ンパク質を選択する工程を含む。具体的な方法の一例と
しては、本発明のDNAとマーカー遺伝子が挿入された
レポーター遺伝子を安定に導入した細胞と、被験試料
(例えば、遺伝子ライブラリーを導入した細胞の培養上
清)とをインキュベートして、マーカー遺伝子の発現促
進あるいは発現阻害を示すようなタンパク質を選択す
る。この方法では、細胞膜受容体などを介して間接的に
本発明のDNAのプロモーター活性に影響を与えるタン
パク質が得られる。
【0328】4)プロモーター活性を調節するタンパク
質をコードするcDNAのスクリーニング方法 本発明のDNAを用いて、そのプロモーター活性を調節
するタンパク質をコードするDNAを直接単離すること
も可能である。本発明は、また、本発明のDNAのプロ
モーター活性を調節するタンパク質をコードするcDN
Aのスクリーニング方法に関する。このスクリーニング
方法の一つの態様は、本発明のDNAに被験DNAの発
現産物を接触させ、本発明のDNAに結合するタンパク
質をコードするcDNAを選択する工程を含む。このよ
うな方法には、例えば、サウスウエスタン法が含まれ
る。具体的には、遺伝子ライブラリーを導入した大腸菌
で各タンパク質を発現させ、これらをフィルター膜に転
写した後、本発明のDNAをプローブとして直接ブロッ
トし、該DNAプローブと結合するタンパク質を発現す
るクローンを選択して、これをコードする遺伝子を単離
する。この方法により本発明のDNAに結合する活性を
有するタンパク質をコードする遺伝子を得ることができ
る(実験医学別冊 バイオマニュアルシリーズ「転写因
子研究法」(株)羊土社刊、177−188頁参照)。
【0329】他の一つの態様は、本発明のDNAの下流
に連結されたマーカー遺伝子を保持する細胞に被験cD
NAを導入し、マーカー遺伝子の発現を調節する発現産
物をコードするcDNAを選択する工程を含む。このよ
うな方法には、例えば、上記した酵母や動物細胞を用い
たone-hybrid法が含まれる。
【0330】すなわち、本発明のDNAをとマーカー遺
伝子を挿入したレポーター遺伝子を哺乳動物由来の培養
細胞に安定に導入した細胞(以下「細胞A」という)
に、さらに該細胞に哺乳動物細胞用発現ベクターに被験
cDNAが挿入された組換えプラスミドを導入した細胞
(以下「細胞B」という)を培養する。比較対照として
は、細胞Aをそのまま培養するか、あるいは、細胞Aに
被験cDNAを含まない哺乳動物細胞用発現ベクター
や、被験cDNAを含んでいてもそれが発現しない組換
えプラスミドを導入した細胞(以下「細胞C」という)
を培養する。細胞Bと、細胞Aまたは細胞Cとの間で、
マーカー遺伝子の発現量を比較し、マーカー遺伝子の発
現を促進するかまたは阻害するようなcDNAクローン
を選択する。この方法では、本発明のDNAと直接結合
するタンパク質をコードするcDNAだけでなく、細胞
内の内在性タンパク質に作用して間接的に本発明のDN
Aのプロモーター活性を調節するタンパク質をコードす
るcDNAも得ることができる。
【0331】さらに他の一つの態様は、本発明のDNA
の下流に連結されたマーカー遺伝子を保持する細胞に被
験cDNAの発現産物を接触させ、マーカー遺伝子の発
現を調節する発現産物をコードするcDNAを選択する
工程を含む。具体的な方法の一例を示せば、本発明のD
NAとマーカー遺伝子を挿入したレポーター遺伝子を安
定にに導入した細胞と、被験cDNAの発現産物(例え
ば、cDNAライブラリーを導入した細胞の培養上清)
とをインキュベートして、マーカー遺伝子の発現促進あ
るいは発現阻害を示すようなタンパク質あるいはそれを
コードするcDNAを単離する。この方法により細胞膜
受容体などを介して間接的に本発明のDNAのプロモー
ター活性に作用するタンパク質をコードするcDNAを
得ることができる。
【0332】5)プロモーター活性を調節する化合物の
スクリーニング 本発明のDNAを用いて、そのプロモーター活性を調節
する化合物のスクリーニングを行うことも可能である。
すなわち本発明は、下記に示すような、該DNAのプロ
モーター活性を調節する化合物のスクリーニング方法に
関する。
【0333】5−1)プロモーターとタンパク質との結
合を指標としたスクリーニング この方法は、被験化合物の存在下で本発明のDNAと被
験試料とを接触させ、本発明のDNAと被験試料中のタ
ンパク質との結合を促進または阻害する化合物を選択す
る工程を含む。具体的には例えば、細胞の核抽出液を、
本発明のDNAを放射性同位元素等により標識したプロ
ーブと結合させ、ポリアクリルアミドゲル電気泳動によ
り、核抽出液中のタンパク質と本発明のDNAとの複合
体のバンドをゲルシフト法により検出する(実験医学別
冊 バイオマニュアルシリーズ「転写因子研究法」
(株)羊土社刊、107−112頁参照)。DNAプロ
ーブ添加の際、被験化合物も添加し、核抽出液中のタン
パク質と本発明のDNAとの複合体のバンドの形成を促
進あるいは阻害する化合物を選択する。この方法では、
直接本発明のDNAに作用する化合物および本発明のD
NAに結合するタンパク質に作用する化合物が得られ
る。例えば、本発明のDNAに結合するタンパク質が生
体内で本発明のDNAのプロモーター活性を阻害するよ
うな場合、このタンパク質と本発明のDNAとの結合を
阻害するような化合物は、本発明のDNAのプロモータ
ー活性を促進できると考えられる。なお、本発明のDN
Aに結合するタンパク質が既に単離されていれば、細胞
の核抽出液に代えて、該タンパク質の組み換えタンパク
質を利用することも可能である。
【0334】5−2)プロモーター活性を指標としたス
クリーニング この方法は、本発明のDNAの3'末端側に連結された
マーカー遺伝子を保持する細胞に被験化合物を接触さ
せ、マーカー遺伝子の発現を調節する化合物を選択する
工程を含む。この方法では、直接、間接的に本発明のD
NAのプロモーター活性を調節する化合物が得られる。
【0335】この方法において、本発明のDNAの3'
末端側に連結されるマーカー遺伝子にコードされるマー
カータンパク質は、宿主である上記細胞が本発明の方法
の一連の過程において産生し得る他のいかなるタンパク
質とも区別可能なもの(好ましくは、形質転換前の上記
細胞が該マーカータンパク質と同一または類似のタンパ
ク質をコードする遺伝子を持たないようなもの)であれ
ばよい。例えば、マーカータンパク質が該細胞に対して
毒性を有するようなものや、該細胞が感受性を有する抗
生物質の耐性を付与するものであるような場合でも、マ
ーカー遺伝子の発現の有無は細胞の生存率で判定するこ
とが可能である。しかしながら、本発明で用いられるマ
ーカー遺伝子としてより好ましいものは、発現量を特異
的かつ定量的に検出することができる(例えば該マーカ
ー遺伝子にコードされるタンパク質に対する特異的抗体
が取得されているような)構造遺伝子である。さらに好
ましくは、外来の基質と特異的に反応することにより定
量的測定が容易な代謝産物を生じるような酵素等をコー
ドする遺伝子である。そのようなものとして、以下に挙
げるようなタンパク質をコードする遺伝子を例示するこ
とができるが、本発明はそれらに限定されない:クロラ
ムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ: クロラ
ムフェニコールにアセチル基を付加する。いわゆるCA
Tアッセイ等で検出可能。プロモーターを組み込むだけ
でレポーターアッセイ用のベクターを調製できるベクタ
ーとしてpCAT3−Basicベクター(プロメガ社
製)が市販されている;ホタルルシフェラーゼ: ルシ
フェリンを代謝した際に生じる生物発光を測定すること
により定量する。同じくレポーターアッセイ用のベクタ
ーとしてpGL3−Basicベクター(プロメガ社
製)が市販されている;β−ガラクトシダーゼ: 呈色
反応、蛍光または化学発光でそれぞれ測定可能な基質が
ある。レポーターアッセイ用のベクターとしてpβga
l−Basic(プロメガ社製)が市販されている;分
泌型アルカリホスファターゼ: 呈色反応、生物発光ま
たは化学発光でそれぞれ測定可能な基質がある。レポー
ターアッセイ用のベクターとしてpSEAP2−Bas
ic(クロンテック社製)が市販されている;緑色蛍光
タンパク質(green-fluorescent protein): 酵素で
はないが、自らが蛍光を発するので直接定量できる。同
じくレポーターアッセイ用のベクターとしてpEGFP
−1(クロンテック社製)が市販されている。
【0336】培養細胞株に発現プラスミドを導入する方
法としては、DEAE−デキストラン法(Luthman, H.
and Magnusson, G. (1983) Nucleic Acids Res. 11, 12
95-1308)、リン酸カルシウム−DNA共沈殿法(Graha
m, F. L. and van der Eb, A.J. (1973) Virology 52,
456-457)、電気パルス穿孔法(Neumann, E. et al.(19
82) EMBO J. 1, 841-845)、リポフェクション法(Lopa
ta et al. (1984) Nucl. Acids Res. 12, 5707-5717, S
ussman and Milman (1984) Mol. Cell. Biol.4, 1641-1
643)等を挙げることができるが、これらに限定され
ず、本発明の属する技術分野において汎用される他の方
法も採用することができる。ただし、培養細胞株がいわ
ゆる浮遊細胞である場合は、リン酸カルシウム−DNA
共沈殿法以外の方法を用いることが好ましい。いずれの
方法においても、用いる細胞に応じて、至適化されたト
ランスフェクション条件を用いる。
【0337】このようにして本発明のDNAの3'末端
側にマーカー遺伝子が連結された発現ベクターをトラン
スフェクションした細胞を培養すると、マーカー遺伝子
の転写が促進される。マーカー遺伝子の発現が可能な条
件下で培養するにあたって、培地中に任意の被験物質を
添加した条件および添加しない条件を設定して培養後、
マーカー遺伝子の発現量を測定し、被験物質の添加によ
りマーカー遺伝子の発現量に変化が生じるか否かを検定
する。「マーカー遺伝子の発現が可能な条件」は、細胞
が生存して、タンパク質の生産が可能な条件であればよ
いが、好ましくは、使用される細胞株に適合した培地
(ウシ胎児血清等の血清成分を添加してもよい)を使用
し、4乃至6%(最も好適には5%)の炭酸ガスを含む
空気存在下、36乃至38℃(最も好適には37℃)で
2乃至3日間(最も好適には2日間)培養する。
【0338】このような系において、本発明のDNAの
3'末端側にマーカー遺伝子が連結された発現ベクター
を導入した際のレポーター遺伝子の発現誘導を抑制する
ような被験物質は、高脂血症、動脈硬化および高血糖か
ら選択される一つまたは二つ以上の疾患の治療または予
防剤として有用な候補物質として選択される。
【0339】なお、本発明のDNAのプロモーター活性
を調節するタンパク質が既に得られている場合には、被
験化合物の存在下で該タンパク質(またはその誘導体)
と本発明のDNAとを接触させ、該タンパク質(または
その誘導体)と本発明のDNAとの結合を促進または阻
害する化合物を選択して、本発明のDNAのプロモータ
ー活性を調節する化合物をスクリーニングすることが可
能である。具体的には、例えば、グルタチオンS−トラ
ンスフェラーゼを融合した本発明のDNAに結合するタ
ンパク質(DNA結合ドメインのみでもよい)を精製し
て、抗グルタチオンS−トランスフェラーゼ抗体で覆っ
たマイクロプレートに結合させた後、ビチオン化した本
発明のDNAをこのタンパク質と接触させ、該タンパク
質と本発明DNAとの結合をストレプトアビジン化アル
カリホスファターゼで検出する。本発明のDNA添加の
際、被験化合物も添加し、該タンパク質と本発明のDN
Aとの結合を促進あるいは阻害する化合物を選択する。
この方法では、直接本発明のDNAに作用する化合物お
よび本発明のに結合するタンパク質に作用する化合物が
得られる。例えば、本発明のDNAに結合するタンパク
質が生体内で本発明のDNAのプロモーター活性を阻害
する場合、このタンパク質と本発明のDNAとの結合を
阻害するような化合物は本発明のDNAのプロモーター
活性を促進できると考えられる。
【0340】なお、下記参考例において明らかなよう
に、「アンジオポエチン関連タンパク質3」および「ア
ンジオポエチン関連タンパク質4」は、低脂血症マウス
で強制発現させると血中の中性脂肪濃度が上昇する。
「アンジオポエチン関連タンパク質3」が正常に産生さ
れない変異遺伝子の影響により、顕著な血中脂質濃度の
低下、動脈硬化の進展抑制および高血糖の改善が観察さ
れ、「アンジオポエチン関連タンパク質4」についても
同様の現象が観察されると考えられるので、本発明のD
NAが有するプロモーター活性を抑制する機能を有する
部分配列またはその誘導体は高脂血症、動脈硬化および
高血糖から選択される一つまたは二つ以上の疾患の治療
または予防剤となり得る。
【0341】
【実施例】 以下、実施例をもって本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、下記実施例において、遺伝子操作に関する各
操作は特に明示がない限り、「モレキュラークローニン
グ(MolecularCloning)」[Sambrook, J.,Fritsch, E.
F.およびManiatis, T. 著、Cold Spring Harbor Labora
tory Pressより1989年に発刊]に記載の方法により行う
か、または、市販の試薬やキットを用いる場合には市販
品の指示書に従って使用した。
【0342】参考例1. cDNAのクローニング マウス肝臓を材料として、下記の方法に従って配列表の
配列番号1に示されるヌクレオチド配列を有するcDN
Aを取得した。
【0343】a)マウス肝臓からのmRNAの抽出 9週齢のKKマウス(雄、浜松医科大学付属動物実験施
設より入手)2匹より解剖して肝臓を摘出後、速やかに
液体窒素中に入れて急速凍結させた。この重量を測定
し、3.1gを乳鉢上で液体窒素存在下で粉砕した。
5.5M グアニジンチオシアネート(以下GT)緩衝
液(5.5M グアニジンチオシアネート、25mM
クエン酸ナトリウム(pH7.0)、0.5% サルコ
シル、0.2M β−メルカプトエタノール)(30m
l)を加え、乳棒で破砕し、新たにGT緩衝液(10m
l)を加え、乳棒で破砕後、溶解液を回収した。また、
GT緩衝液(20ml)で乳鉢を洗浄しこの溶液も回収
した。36mlの回収液を3000rpm、10℃で1
0分間遠心後、上清を新しいチューブに移し、各々18
ゲージの注射針で20回吸引排出を繰り返した。次にセ
シウム・トリフルオロ酢酸(CsTFA)を用いた密度
勾配遠心による全RNAの分離を行った。CsTFA原
液(19ml)をリボヌクレアーゼ不含再蒸留水(1
8.924ml)で希釈し、この希釈液(6.18m
l)を6本の13PA(ベックマン製)チューブに入
れ、先に回収したサンプル(1チューブあたり5.2m
l)を重層した。このものをスイングローター(日立工
機(株)社製P40ST)を用い超遠心機(日立SCP
70H型)で30000rpm(約125000g)、
20℃で20.5時間遠心した後、上清を除去して得ら
れたペレットをmRNA精製キット(アマシャム・ファ
ルマシア社製クイックプレップmRNA精製キット)添
付の抽出緩衝液 3.3mlに懸濁した。mRNAの精
製は該精製キットを添付プロトコールに従って用いるこ
とにより行った。このようにして得られた5μgのmR
NAを鋳型とし、cDNAライブラリー作製キット(ス
トラタジーン社製ZAPエクスプレス・cDNA・ギガ
パックIIIゴールド・クローニングキット)をその添
付プロトコールに従って用いることにより、λファージ
cDNAライブラリーを作製した。
【0344】b)cDNAライブラリーの1次スクリー
ニング 上記a)記載の方法で得られたλファージcDNAライ
ブラリーを感染させた大腸菌を、直径9cmの培養シャ
ーレに作製した寒天培地プレート(NZY培地:0.5
% 塩化ナトリウム、0.2% 硫酸マグネシウム7水
和物、0.5%イーストエキストラクト、1% カゼイ
ン加水分解物、1.5% 寒天)に、プレート1枚あた
り1.8×105個のプラークが形成されるように分散
させ、37℃で8時間培養した。このプラーク形成され
た寒天培地の14ヶ所について、250μl用の広径ピ
ペットチップ(RAININ社製)の底部を用いて寒天
培地をプラークごと抜き取り、それら寒天培地片をそれ
ぞれ100μlのSM緩衝液(0.1M 塩化ナトリウ
ム、8mM 硫酸マグネシウム、50mM トリス−塩
酸(pH7.5)、0.01% ゼラチン)の入ったプ
ラスチック遠心管に入れ、ボルテックスミキサーを用い
て激しく混濁させてから4℃で1乃至2時間放置した
後、12000×gで5分間遠心分離して上清を回収
し、ファージ懸濁液とした。
【0345】一方、PCRに用いるプライマーとして、
下記のヌクレオチド配列:プライマー1:5'- gactgatc
aa atatgttgag ctt -3'(配列表の配列番号5);およ
びプライマー2:5'- tgcatccaga gtggatccag a -3'
(配列表の配列番号6)を有するオリゴヌクレオチド
を、自動DNA合成機(モデル394:(株)パーキン
エルマージャパン・アプライドバイオシステムズ事業部
製)を用い、ホスホアミダイト法(Matteucci, M. D.,
and Caruthers, M. H. (1981) J. Am. Chem.Soc. 103,
3185-3191)に従って合成した。
【0346】上記のようにして得られたファージ懸濁液
5μlを、2.5μlの10×PCR用緩衝液(宝酒造
(株)社製のTaqポリメラーゼに添付)、4μlのd
NTP混液(各2.5mM、宝酒造(株)社製のTaq
ポリメラーゼに添付)、各1μlの各7.5μMに調整
した上記プライマー1および2、0.25μlのTaq
ポリメラーゼ(宝酒造(株)社製)、11.25μlの
滅菌水と混和し、まず94℃で5分加熱した後、引き続
き94℃で30秒、55℃で30秒、72℃で30秒の
温度サイクルを30回繰り返し、最後に72℃で7分間
保温してから、4℃に保存した。反応物は4%のアガロ
ースゲル(NuSieve 3:1アガロース(FMC
バイオプロダクツ社製)で調製した)で電気泳動して、
特異的断片の増幅を解析した。このようにして14のフ
ァージ懸濁液をスクリーニングした結果、目的のcDN
Aの断片が特異的に増幅される二つの陽性サンプルを得
た。
【0347】c)2次スクリーニング マウスゲノムDNA(クロンテック社製)100ngを
鋳型にして上記b)に記載した条件でPCRを行い、ア
ガロース電気泳動を行って増幅されたDNA断片を回収
した。このDNA断片を鋳型として、マルチプライムD
NAラベリングシステム(アマシャム・ファルマシア
社)を用いて32Pで標識されたDNA断片を生成する反
応を行った後、反応液をニックカラム(アマシャム・フ
ァルマシア社製)に注入した。このカラムに400μl
のTE(10mM トリス−塩酸(pH7.5)、1m
M EDTA)を流して1回洗浄し、さらに400μl
のTEを流して溶出液を回収した。この溶出画分全量を
以下の2次スクリーニングに標識プローブとして用い
た。
【0348】一方、上記b)で陽性と判定されたファー
ジ懸濁液をSM緩衝液で100倍希釈し、そのうち2μ
l分のファージを感染させた大腸菌を、直径9cmの培
養シャーレに作製した寒天培地プレートに分散させ、3
7℃で8時間培養した。このプラーク形成された寒天培
地上に、シャーレ内径に合わせた円形のナイロンメンブ
レン(アマシャム・ファルマシア社製、ハイボンドN
+)をのせて、4℃にて5分間放置することによりプラ
ークを移しとった。18Gの注射針を用いてメンブレン
の3ヶ所を寒天培地まで貫通することにより位置合わせ
用の目印をつけた後、メンブレンを剥がしてアルカリ溶
液(1.5M 塩化ナトリウム、0.5M水酸化ナトリ
ウム)に2分間、次いで中和溶液(1.5M 塩化ナト
リウム、0.5M トリス−塩酸(pH8.0))に5
分間、さらに2×SSC、0.2M トリス−塩酸(p
H7.5)を含む溶液に30秒間浸した後、室温で完全
に風乾させた。
【0349】このメンブレンを20mlのハイブリダイ
ゼーション溶液(ExpressHyb Hybridization Solutio
n、クロンテック社製)中で68℃、1時間インキュベ
ーション(プレハイブリダイゼーション)した後、標識
プローブを含む8mlのハイブリダイゼーション溶液に
交換して68℃、6時間インキュベーションした。次い
で、このメンブレンを2×SSC、0.05% SDS
を含む溶液で、室温下、15分間緩やかに振盪しながら
洗浄する操作を3回繰り返した後、さらに0.1×SS
C、0.1% SDSを含む溶液で50℃、30分間洗
浄する操作を3回繰り返した。
【0350】洗浄後のメンブレンについてオートラジオ
グラフィーを行い、陽性と認められた位置の元のプラー
クを寒天培地から回収して、そのファージ懸濁液につい
て上記b)に記載した条件でPCRを実施した結果、陽
性プラーク試料10個中6個においてDNA断片の特異
的増幅が認められた。
【0351】このうちもっとも強く増幅が認められた試
料のファージ懸濁液について、ZAPエクスプレス・c
DNA・ギガパックIIIゴールド・クローニングキッ
ト(ストラタジーン社製)に添付されたヘルパーファー
ジおよび宿主菌を用いて、該キットに添付のプロトコー
ルに従ってインビボ切り出し(In Vivo Excision)を行
い、寒天培地上にファージミドを含む大腸菌コロニーを
形成させた。これらのコロニーを単離してそれぞれファ
ージミドを抽出し、上記b)に記載の方法でPCRを実
施した結果、DNA断片の特異的増幅がみられたコロニ
ーを選択、培養し、1.6kbpのcDNAインサート
を有するファージミド#55−1を保持する形質転換大
腸菌E.coli pBK/m55−1 SANK 7
2199を単離した。
【0352】得られたファージミド#55−1に挿入さ
れているcDNAの全ヌクレオチド配列を解析した結
果、配列表の配列番号1に示される配列であることが判
明した(ただし配列表の配列番号1のヌクレオチド番号
1−8はベクター由来のアダプター配列である)。この
配列はGenBankデータベースにマウス・「アンジ
オポエチン関連タンパク質3」として登録されている配
列(登録番号:AF162224)と同一であった。な
お、このファージミド#55−1を保持する形質転換大
腸菌E.coli pBK/m55−1 SANK 7
2199は、1999(平成11)年11月19日付で
工業技術院生命工学工業技術研究所(現・独立行政法人
産業技術総合研究所 特許生物寄託センター)に国際寄
託され、受託番号FERM BP−6940が付され
た。
【0353】実施例1. ノーザンブロット解析 a)マウス臓器からの全RNAの抽出 参考例1で得られたcDNAの発現している組織を調べ
る目的でノーザンブロット解析を実施した。まず、KK
マウス(高脂血症マウス)およびKK/Snkマウス
(低脂血症変異マウス。白木ら、第7回糖尿病動物研究
会(1993年))の精巣(testis)、脾臓(splee
n)、腎臓(kidney)、小腸(small intestine)、肝臓
(liver)および脳(brain)から全RNAの抽出を行っ
た。18週齢のKKマウスおよびKK/Snkマウスを
解剖してそれぞれ各臓器を摘出後、速やかに液体窒素内
に入れ急凍した後−80℃に保存した。臓器0.5gに
対し約15mlのTRIzol試薬(ギブコ・ビーアー
ルエル社製)を加え、超高速ホモジナイザーポリトロン
(キネマティカ社製)を用いて氷上でホモジナイズを行
った(目盛6で2分間)。これを室温で5分間静置した
後、3mlのクロロホルムを加え、手で15秒間激しく
転倒混和した。再び室温で3分間静置してから、120
00×g、4℃で15分間遠心分離した。遠心後、上層
を回収し、0.8容量のリボヌクレアーゼ不含イソプロ
ピルアルコールを加えて混和した。これを室温で10分
間静置後、12000×g、4℃で10分間遠心分離し
た後、上清を除去してリボヌクレアーゼ不含70%エタ
ノールを加えた。これを12000×g、4℃で10分
間遠心分離し、上清を除去して、沈殿を乾燥させてか
ら、−80℃に保存した。
【0354】b)全RNAの電気泳動およびブロッティ
ング 回収した各臓器の全RNAをリボヌクレアーゼ不含再蒸
留水で4μg/μlに調整した後、このRNA液5μl
とRNA試料緩衝液(1.15×MOPS緩衝液(1×
MOPS緩衝液は20mM MOPS、5mM 酢酸ナ
トリウム、1mM エチレンジアミン四酢酸(以下「E
DTA」という)を含む)、2.4Mホルムアルデヒ
ド、57% ホルムアミド、7% グリセロール、18
μg/ml ブロモフェノールブルー、18μg/ml
キシレンシアノール、0.18mM EDTA)16
μlを混合し、65℃で10分間保温した後、氷上で5
分間放置した。この試料液全量を、1.17%ホルマリ
ンを含む電気泳動用アガロースゲル(1×MOPS緩衝
液、1.17% アガロース(高強度、分析用、バイオ
ラッド社製)、0.66M ホルムアルデヒド)の一つ
のウェルへ注入し電気泳動した。電気泳動は、500n
g/ml 臭化エチジウムの入った1×MOPS緩衝液
の入ったサブマリン電気泳動槽中、50Vで約1時間通
電した後、さらに100Vで約1.5時間通電すること
により行った。電気泳動終了後、アガロースゲル中のR
NAをキャピラリートランスファー法(Maniatis, T. e
t al.(1982) in "Molecular Cloning A Laboratory Man
ual" Cold Spring Harbor Laboratory, NY)に従ってナ
イロンメンブレン(ハイボンドN+、アマシャム・ファ
ルマシア社製)に一晩かけて転写した(転写用溶液は2
0×SSCを使用した)。このメンブレンを2×SSC
で5分間洗浄し、風乾させ、クロスリンク用紫外線照射
装置(スペクトロリンカーXL−1000、トミー精工
(株)社製)で紫外線を照射(1200J/cm2)し
てRNAを固定した。
【0355】c)プローブの調製 参考例1のb)で合成したプライマーを用い、サーマル
サイクラー(ジーンアンプPCRシステム9600、
(株)パーキンエルマージャパン・アプライドバイオシ
ステムズ事業部製)を使用して以下の条件でPCRを行
った。まずプライマー(終濃度各0.5μM)とツイー
ン20(シグマ社製、終濃度0.1%)に滅菌水を加え
て7.5μlとした後、2×PCRソルーション・プレ
ミックスTaq(宝酒造(株)社製:0.05単位/μ
l Taqポリメラーゼ、0.4mM dNTPs、2
0mM トリス−塩酸(pH8.3)、100mM 塩
化カリウム、3mM 塩化マグネシウムを含む)を7.
5μl添加した。さらにマウスゲノムDNA(クロンテ
ック社製)を1μl(100ng相当)加え、反応液を
調製した。この反応液を、まず94℃で3分間加熱した
後、94℃で30秒、55℃で1分、72℃で45秒の
温度サイクルを35回繰り返してから、4℃で保温し
た。
【0356】このPCR後の反応液1μlをとり、TA
クローニングキット(デュアルプロモーターバージョン
A、インビトロジェン社製)を添付のプロトコールに従
って用いて、増幅されたDNA断片をプラスミドベクタ
ーにクローニングした。この組換えプラスミドベクター
でコンピテント大腸菌を形質転換し、50μg/mlの
アンピシリンを含むLB寒天培地上で培養した。その結
果アンピシリン耐性を示して生育してきた大腸菌コロニ
ーを選択して、4mlの50μg/mlのアンピシリン
を含む液体LB培地で37℃で一晩培養した。このうち
3.5mlの培養液からプラスミド自動抽出装置(PI
−50、クラボウ社製)を使用してプラスミドDNAを
回収した。得られたプラスミドDNAについてヌクレオ
チド配列解析を行い、目的のPCR産物が挿入されてい
たプラスミドを以下の操作に用いた。
【0357】選択されたプラスミドDNA 8μgを、
制限酵素EcoRIで消化した後、フェノール/クロロ
ホルム抽出、エタノール沈殿を行い、得られた沈殿を滅
菌水10μlに溶解した。この溶液に色素液(0.25
% ブロモフェノールブルー、0.25% キシレンシ
アノール、15% フィコール(タイプ400))を2
μl加えて、全量をポリアクリルアミドゲル電気泳動
(ゲル濃度8%、100V、室温、3時間)した。電気
泳動後のゲルを臭化エチジウムで染色した後、紫外線照
射下で目的のDNAに相当するバンド(約200bp、
配列表の配列番号29)部分のゲル片を剃刀刃で切り取
り、微量遠心チューブに移して粉砕した。このものに3
00μlの溶出緩衝液(0.5M 酢酸アンモニウム、
10mMEDTA(pH8.0)、0.1% SDS)
を加え、37℃で一晩保温した後、フェノール/クロロ
ホルム抽出を2回、エタノール沈殿を1回行って、沈殿
を滅菌水20μlに溶解した。
【0358】得られたDNA溶液5μlについて、参考
例1のc)記載の方法で、32Pで標識されたプローブ
(400μl)を調製した。
【0359】d)ハイブリダイゼーション 上記b)で作製したメンブレンを20mlのハイブリダ
イゼーション溶液(ExpressHyb Hybridization Solutio
n、クロンテック社製)中に入れて68℃で1時間イン
キュベーション(プレハイブリダイゼーション)した
後、32P標識プローブを含む20mlのハイブリダイゼ
ーション溶液中で、68℃で一晩インキュベーションし
た。その後、メンブレンを2×SSC、0.05%SD
Sを含む溶液中、室温で20分間、3回洗浄し、さらに
0.1×SSC、0.1% SDSを含む溶液中、50
℃で20分間、3回洗浄してから、オートラジオグラフ
ィーを行った。
【0360】その結果、検出した遺伝子の発現は肝臓の
みでみられ、またその発現量はKKマウス(高脂血症マ
ウス)よりもKK/Snkマウス(低脂血症マウス)で
著しく低下していることが明らかとなった(図1)。
【0361】上記実験系において、例えば被験物質存在
下または非存在下で培養したKKマウス初代培養肝細胞
からRNA試料を調製し、以下同様の操作を行うことに
より、被験物質の高脂血症、動脈硬化および高血糖から
選択される一つまたは二つ以上の疾患の治療または予防
剤としての効果を調べることができる。この実験におい
て検出される遺伝子の発現量を低下させるような被験物
質は高脂血症、動脈硬化および高血糖から選択される一
つまたは二つ以上の疾患の治療または予防剤となり得
る。多検体処理を行う場合には、電気泳動を省略してド
ットブロットやスロットブロットを行うこともできる。
【0362】参考例2.ヒトcDNAのクローニング 1)プローブの調製 配列表の配列番号1に示されるマウスcDNAに対応す
るヒトcDNAを取得するため、下記のヌクレオチド配
列:5'- tcctctagtt atttcctcca g -3'(配列表の配列
番号7);および5'- tggtttgcca gcgatagatc -3'(配
列表の配列番号8)を有するオリゴヌクレオチドプライ
マーを合成した。
【0363】次に、ヒトゲノムDNA(ベーリンガーマ
ンハイム社製、200mg/ml)1μl、Taqポリ
メラーゼ(rTaq、宝酒造(株)社製、5単位/μ
l)1μl、10×PCR用緩衝液(宝酒造(株)社
製)10μl、dNTP混合液(各2.5mM)16μ
l、20μMのプライマー各2μl、および滅菌水68
μlを混合した。この反応液を、94℃で5分間加熱し
た後、引き続き94℃で30秒、55℃で30秒、72
℃で30秒の温度サイクルを30回繰り返し、最後に7
2℃で10分間保温してから、4℃に保存した。この反
応液を2% アガロースゲルにて電気泳動した後、増幅
されたDNAバンド部分のゲルを切り出して精製した。
このようにして得られたDNAをDNA標識キット(Bc
aBestラベリングキット、宝酒造(株)社製)を用いて
32Pで標識したものを下記2)においてプローブとして
用いた。
【0364】2)cDNAライブラリーの1次スクリー
ニング 市販のヒト肝臓由来cDNAライブラリー(Human Live
r 5'-STRETCH cDNA Library、クロンテック社製)のう
ち、1×106プラークのDNAをナイロンメンブレン
に固定した。すなわち、cDNAライブラリーを感染さ
せた大腸菌を直径9cmの培養シャーレに作製した寒天
培地プレート20枚に、1枚あたり5×104個のプラ
ークが形成されるように分散させ、37℃で8時間培養
した。このプラーク形成された寒天培地上に、シャーレ
内径に合わせた円形のナイロンメンブレン(アマシャム
・ファルマシア社製、ハイボンドN+)をのせて、4℃
にて5分間放置することによりプラークを移しとった。
18Gの注射針を用いてメンブレンの3ヶ所を寒天培地
まで貫通することにより位置合わせ用の目印をつけた
後、メンブレンを剥がしてアルカリ溶液(1.5M 塩
化ナトリウム、0.5M水酸化ナトリウム)に2分間、
次いで中和溶液(1.5M 塩化ナトリウム、0.5M
トリス−塩酸(pH8.0))に5分間、さらに2×
SSC、0.2M トリス−塩酸(pH7.5)を含む
溶液に30秒間浸した後、室温で完全に風乾させた。次
いで、クロスリンク用紫外線照射装置(スペクトロリン
カーXL−1000、トミー精工(株)社製)で紫外線
を照射(1200J/cm2)してDNAを固定した。
【0365】このようにして調製されたメンブレンを、
上記1)で得られた標識プローブを含むハイブリダイゼ
ーション溶液(ExpressHyb solution、クロンテック社
製)中で65℃で一晩インキュベーションした。その
後、メンブレンを2×SSC、0.05% SDSを含
む溶液で15分ずつ3回、室温で洗浄してから、さらに
0.1×SSC、0.1% SDSを含む溶液で30分
ずつ3回、50℃で洗浄した後、オートラジオグラフィ
ーを行った。
【0366】その結果判明した陽性のシグナルの位置に
あったプラークを、上記寒天培地プレートから培地ごと
採取し、それぞれ100μlのSM緩衝液(0.1M
塩化ナトリウム、8mM 硫酸マグネシウム、50mM
トリス−塩酸(pH7.5)、0.01% ゼラチ
ン)中に入れてよく懸濁してから4℃で2時間放置した
後、12000×gで5分間遠心分離して上清を回収し
た。
【0367】このようにして得られた1次陽性ファージ
液を再び大腸菌に感染させたものを、直径9cmの培養
用シャーレに作製した寒天培地上に、シャーレ1枚あた
り500個のプラークが形成されるように培養し、上記
の手法を繰り返すことにより2次スクリーニングを行っ
た。得られた2次陽性クローンファージを大腸菌株BM
25.8(クロンテック社製)に感染させたものを寒天
培地上で37℃で培養して、ファージミドを含む大腸菌
コロニーを形成させた。コロニーを単離し、液体培地で
少量培養してファージミドを抽出し、制限酵素消化によ
る挿入断片の解析を行った結果、1.6kbpの挿入断
片を有する、クローン#h5−1を有する大腸菌E.c
oli pTrip/h55−1 SANK 7229
9を単離した。このクローンの挿入断片のヌクレオチド
配列を解析した結果、GenBankにヒト・「アンジ
オポエチン関連タンパク質3」として登録されているの
cDNA配列(登録番号:AF152562)と一致した(配列
表の配列番号3。ただし、配列表の配列番号3のヌクレ
オチド番号1−14はベクター由来のアダプター配列で
ある)。なお、このファージミド#h5−1を保持する
形質転換大腸菌E.coli pTrip/h55−1
SANK 72299は、1999年11月19日付
で工業技術院生命工学工業技術研究所(現・独立行政法
人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター)に国際
寄託され、受託番号FERM BP−6941が付され
た。
【0368】実施例2. ポリクローナル抗体の作製 配列表の配列番号1および配列番号3に示されるヌクレ
オチド配列にコードされるアミノ酸配列、すなわち配列
表の配列番号2および配列表の配列番号4に示されるア
ミノ酸配列を有するポリペプチドをいずれも認識する抗
体を作製する目的で、抗原として、それらマウスおよび
ヒトのポリペプチドの間で保存されている領域から選ば
れた2種類のアミノ酸配列:Glu-Pro-Lys-Ser-Arg-Phe-
Ala-Met-Leu-Asp-Asp-Val-Lys-Cys(55−1−N1、
配列表の配列番号9);およびCys-Gly-Glu-Asn-Asn-Le
u-Asn-Gly-Lys-Tyr-Asn-Lys-Pro-Arg(55−1−C
1、配列表の配列番号10)を有するペプチドを化学合
成法で合成した(使用機器:パーキンエルマージャパン
社製モデル433)。ただし、55−1−N1のアミノ
酸配列は、後に担体としてキーホールリンペットヘモシ
アニン(以下「KLH」という)を結合させるため、本
来のアミノ酸配列のC末端にシステイン残基が付加され
たものである。一方、55−1−C1でKLHが結合さ
れるN末端のシステインは本来のアミノ酸配列由来のも
のである。
【0369】次に、合成ペプチド55−1−N1 1
1.1mgおよびKLH 21.5mg、または55−
1−C1 10.2mgとKLH 21.2mgを、そ
れぞれN−(6−マレイミドカプロイロキシ)スクシニ
ミド(EMCS、同仁化学研究所(株)社製)試薬を用
いて縮合させた(縮合反応溶媒として8M 尿素および
0.9% 塩化ナトリウムを含む0.02M リン酸緩
衝液(pH7.5)を用い、室温で15時間保温し
た)。この反応液を8M尿素溶液中に入れた後、流水に
対して透析し、さらに純水に対して透析を行ってから凍
結乾燥し、KLHが結合したペプチド抗原を得た。これ
らのペプチド抗原約10mgに1mlの生理食塩水を加
え、超音波発振機(ソニケーター)、ボルテックスミキ
サー、ガラス棒等を用いて細かい懸濁液にした。その
後、生理的食塩水で全量を各7.5mlとし、さらに1
mlずつバイアルに小分けして凍結保存した。
【0370】免疫の際には、上記バイアル1本分の抗原
溶液を融解し、同量のアジュバンドと混合してそれぞれ
ウサギ2羽の背中に皮下、または皮内に注射した。アジ
ュバンドはフロインド完全アジュバンドを用いて行い、
2回目以降の免疫ではフロイントの不完全アジュバンド
を用いた。免疫は2週間おきに4回行い、2回目の免疫
以降、試験採血を行い血清中の抗体価を固層法による酵
素免疫測定法(ELISA)で調べた。96穴のELI
SA用プレート(住友ベークライト(株)社製、96穴
Hタイプ)におのおのの抗原ペプチドをコーティング
し、西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗ウサギIgG抗
体を二次抗体として使用した。4回目の免疫から13日
後に全採血を行った。
【0371】採血後、抗体をアフィニティーカラムを用
いて精製した。すなわち、N−(6−マレイミドカプロ
イロキシ)スクシニミド(EMCS、同仁化学研究所
(株)社製)とアミノアルキルアガロース(バイオラッ
ド社製、アフィゲル102)とを反応させて活性化した
担体EMC−アガロース(約5ml)にペプチド(55
−1−N1:7.82mg、55−1−C1:8.07
mg)を結合させた。未反応のEMC基は0.1M 塩
酸メルカプトエチルアミン(5mM EDTAを含む)
で処理することにより不活化させた。抗血清85mlを
PBS(0.02M リン酸緩衝液(pH7.0)、
0.9% 塩化ナトリウム含有)で2倍希釈し、硫安沈
殿(終濃度40%)法により沈殿物を得、この沈殿物を
PBSに溶解し、脱塩後PBSで透析し、この透析内液
を粗IgG画分とした。アフィニティーカラムへは3回
に分けてクロマト操作をした。すなわち、アフィニティ
ーカラムへ粗IgG画分1/3量をチャージし、素通り
画分をカラムに再注入する操作を3回繰り返した。素通
り部分および洗液を合わせた40mlを非吸着フラクシ
ョンとして集めた。非特異的にカラムに結合したものを
除去するために、1M塩化ナトリウム含有PBSで十分
洗浄した後、4M 塩化マグネシウム溶液、3.5M
チオシアン酸カリウム溶液および0.1M グリシン−
塩酸緩衝液(pH2.3)を順次カラムに流して、カラ
ム担体上に結合しているペプチドに特異的に結合してい
た抗体をアフィニティー精製抗体として溶出した。4M
塩化マグネシウム溶液および3.5M チオシアン酸
カリウム溶液の溶出液中に目的の抗体が含まれていたの
で、それぞれの溶出液をPBSに対して透析したもの
を、以下の操作で抗体として使用した。
【0372】実施例3. COS−1細胞での発現およ
びウエスタンブロット解析 参考例2で得られた#h5−1ファージミドDNAを制
限酵素EcoRIとXbaIで消化し、8%ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動を行って、実施例1のc)に記載
した方法で、cDNAを含む約1.6kbの断片を単
離、精製した。一方、高発現ベクターpME18S(Ha
ra, T. et al.(1992) EMBO.J. 11, 1875-、横田崇、新
井賢一編集、バイオマニュアルシリーズ3、遺伝子クロ
ーニング実験法、羊土社、p18-20)を同様にEcoRI
とXbaIで消化し、末端を脱リン酸化した後、上記c
DNA断片とDNAライゲーションキット(バージョン
2、宝酒造(株)社製)を用いて連結した。このDNA
で大腸菌を形質転換し、得られた形質転換株についてそ
れが保有するプラスミドDNAの制限酵素による解析を
行い、1.6kbのDNA断片を有する株を選択してp
MEh55−1と命名した。
【0373】次に、pMEh55−1を保有する形質転
換大腸菌を50μg/mlのアンピシリンを含む100
mlの液体LB培地中で、37℃で一晩培養した。この
培養液から、プラスミド精製キット(ウィザード・ピュ
アフェクション・プラスミドDNA精製システム、プロ
メガ社製)を用いてpMEh55−1 DNAを回収
し、塩化セシウム法で精製した。
【0374】このようにして得られたプラスミドpME
h55−1でCOS−1細胞をトランスフェクションし
た。COS−1細胞へのトランスフェクションは(株)
島津製作所製の遺伝子導入装置GTE−1を用いて電機
穿孔法により行った。すなわち、まずCOS−1細胞を
セミコンフルエントになるまで増殖させたフラスコよ
り、トリプシン−EDTA処理により細胞を回収し、P
BS(−)緩衝液(宝酒造(株)社製)で洗浄した。次
にその細胞をPBS(−)緩衝液で6×107細胞/m
lに懸濁した。上記方法にて回収したプラスミドDNA
(pMEh55−1)をPBS(−)緩衝液で200μ
g/mlに調製した。細胞懸濁液とDNA溶液を20μ
lずつ混合し、これを電極間隔2mmのチャンバーに入
れ、600V−30μsecのパルスを1秒間隔で2回
与えた。そのチャンバーを4℃で5分間冷却した後、中
の細胞−DNA混合液を10% ウシ胎児血清を含むD
MEM 10mlに加え、シャーレに移して37℃、5
% CO2下で一晩培養した。その後、培養上清を除
き、無血清培地(DMEM)で細胞を洗浄し、DMEM
10mlを加えて3日間培養した。
【0375】このようにして得られた細胞培養物より培
養上清を回収した。cDNAを含まないネガティブコン
トロールプラスミドpME18SまたはpMEh55−
1でトランスフェクトして得たCOS−1細胞の無血清
培養上清0.3mlをそれぞれトリクロロ酢酸(以下
「TCA」という)処理してタンパク質を沈殿させ、遠
心分離により沈殿を得た。この沈殿を氷冷したアセトン
で洗浄し、風乾後、SDS−ポリアクリルアミド電気泳
動(SDS−PAGE)用の2−メルカプトエタノール
を含むサンプル緩衝液(バイオラッド社製)に溶解し、
4−20% ポリアクリルアミド密度勾配ゲル(マルチ
ゲル4/20、第一化学薬品(株)社製)を用いて、還
元条件下でSDS−PAGEを行った。
【0376】電気泳動後、ポリアクリルアミドゲルから
バンドを転写緩衝液(192mMグリシン、20% メ
タノール、25mM トリス)中でゲルメンブレン転写
装置(マリソル社製、NP7513)を用いて4℃、9
0分、200mAの条件でニトロセルロースメンブレン
(バイオラッド社製)に転写した。
【0377】転写後のニトロセルロースメンブレンにつ
いて、実施例2で得られた抗体(以下「55−1−N1
抗体」または「55−1−C1抗体」という)を用いた
ウエスタンブロット解析を行った。すなわち、まずニト
ロセルロースメンブレンを0.05%のツイーン20を
含むPBS(以下「0.05% Tween20−PB
S」という)で洗浄した(室温で15分間を1回、次い
で5分間を2回)後、プラスチックバッグ(商品名ハイ
ブリバック、コスモバイオ(株)社製)に入れ、5%
スキムミルク(雪印乳業(株)社製)を含む0.05%
Tween20−PBSを20ml加え、室温で1時
間振とうした。1時間後、メンブレンを取り出し、0.
05% Tween20−PBS中で、15分間×1
回、次いで5分間×2回洗浄した。洗浄後、メンブレン
を新しいプラスチックバッグに移し、55−1−N1抗
体または55−1−C1抗体(100倍希釈)、1%
ウシ血清アルブミン(以下「BSA」という。シグマ社
製)を含む0.05% Tween20−PBSを20
ml添加して室温で1時間振とうした。1時間後、メン
ブレンを取り出し0.05% Tween20−PBS
溶液で15分間×1回、5分間×2回洗浄した。その
後、メンブレンを新しいプラスチックバッグに移し、西
洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗ウサギIgG抗体(ア
マシャム・ファルマシア社製)を1% BSAを含む
0.05% Tween20−PBSで2000倍に希
釈した溶液20mlを入れ、を室温で1時間振とうし
た。1時間後、メンブレンを取り出し、0.05% T
ween20−PBSで15分間×1回、次いで5分間
×4回洗浄した。洗浄後、メンブレンをラップフィルム
上に置き、ECLウエスタンブロッティング検出溶液
(アマシャム・ファルマシア社製)を用いて、55−1
−N1抗体または55−1−C1抗体が結合するバンド
の検出を行った(メンブレンをラップフィルム上に置
き、ECLウエスタンブロッティング検出溶液に1分間
浸した後、1時間室温で放置してバックグラウンドを減
衰させてから、X線フィルムを感光させた(3秒
間))。その結果、両方の抗体により、pMEh55−
1プラスミドDNAを導入して得られたCOS−1培養
上清中に特異的なバンドが検出された(図2)。
【0378】同様の実験は、参考例1で得られたマウス
cDNAを発現させたCOS−1細胞培養上清について
も実施できる。すなわち、参考例1で得られたファージ
ミド#55−1 DNAを制限酵素EcoRIとXba
Iで消化して得られる、約1.6kbの挿入DNA断片
をpME18Sに組み込んで得られたクローン(pME
55−1)を構築し、上記と同様の方法でCOS−1細
胞に導入し、培養上清を回収する。この培養上清から調
製した試料について、55−1−N1抗体および55−
1−C1抗体を用いたウエスタンブロット解析を行う
と、いずれの抗体で検出した場合もpME55−1プラ
スミドDNAを導入して得られたCOS−1培養上清中
に特異的なバンドが検出される。
【0379】上記実験系において、例えば被験物質存在
下または非存在下で培養したKKマウス初代培養肝細胞
の培養上清から試料を調製し、以下同様の操作を行うこ
とにより、被験物質の高脂血症、動脈硬化および高血糖
から選択される一つまたは二つ以上の疾患の治療または
予防剤としての効果を調べることができる。この実験に
おいて検出される抗原量を低下させるような被験物質
は、高脂血症、動脈硬化および高血糖から選択される一
つまたは二つ以上の疾患の治療または予防剤となり得
る。多検体処理を行う場合には、電気泳動を省略してド
ットブロットやスロットブロットを行うこともできる。
【0380】実施例4. 組換えアデノウイルスの作製
および培養細胞における発現 参考例1で得られたマウス由来のcDNAを強制発現さ
せるため組換えアデノウイルスは、市販のキット(アデ
ノウイルス・エクスプレッション・ベクター・キット、
宝酒造(株)社製)を用いて作製した。すなわち、参考
例1で得られたファージミドクローン#55−1を、制
限酵素EcoRIおよびNotIで消化し、得られた約
1.7kbのDNA断片の末端をを平滑化したものを挿
入DNA断片として以下の操作に用いた。
【0381】また、サイトメガロウイルスエンハンサー
とニワトリβ−アクチンプロモーターにより発現される
ように設計されているコスミドベクターpAxCAwt
(アデノウイルス・エクスプレッション・ベクター・キ
ットに添付)の制限酵素SwaI認識部位にインサート
DNA断片を挿入したコスミドpAxCA/mAP5を
作製した。pAxCA/mAP5 DNAおよび末端タ
ンパク質結合ウイルスDNA(DNA−TPC、アデノ
ウイルス・エクスプレッション・ベクター・キットに添
付)をリン酸カルシウムトランスフェクションシステム
(ライフテック社製)を用いて293細胞(ATCC
CRL1573)にコ・トランスフェクションして、組
換えアデノウイルスAd/mAP−5を単離し、さらに
293細胞中で増幅させた。また、コントロールコスミ
ドpAxCAiLacZから切り出したLacZ遺伝子
が組み込まれた組換えアデノウイルスベクターを有する
アデノウイルスAd/LacZを同様に作製し293細
胞で増幅させた。増幅させたウイルスの293細胞から
の回収は、まずウイルス感染293細胞に30秒×4回
の超音波処理(ブランソン社製B−1200を使用)を
行い、次いで塩化セシウム密度勾配遠心による精製を2
回繰り返すことによって行った。得られたウイルス液
を、10% グリセロールを添加したPBSに対して4
℃で透析した後、使用するまで−70℃以下で凍結保存
した。
【0382】このようにして得られた組換えアデノウイ
ルスを、HeLa細胞(ATCCCCL2)に約5m.
o.i.(multiplicity of infection:多重感染度)
で感染させ、無血清培地(ダルベッコ修正イーグル培地
(DMEM))で3乃至4日培養した後の培養上清を回
収した。この上清1mlを1.5ml容エッペンドルフ
チューブに入れ、100μlのトリクロロ酢酸を添加し
て室温で3分放置した後、卓上遠心機にて15000r
pmで5分間遠心した。上清を除去し、氷冷したアセト
ンを0.5ml加えて良く攪拌し、再度卓上遠心機にて
15000rpmで2分間遠心した。上清を除去し、再
び氷冷したアセトンを0.5ml加えて良く攪拌し、卓
上遠心機にて15000rpmで2分間遠心して、上清
を除いた後、沈殿物を真空乾燥させた。この沈殿物を1
0μlの蒸留水に溶解させ、2−メルカプトエタノール
を含むSDS−PAGE試料緩衝液(バイオラッド社
製)と混合した後、99℃で5分間加熱して、電気泳動
用試料を調製した。試料を中でゲル濃度4−20%のポ
リアクリルアミド密度勾配ゲルにて電気泳動した(電気
泳動用緩衝液:25mM トリス、192mM グリシ
ン、0.1% SDS)後、転写緩衝液中で4℃、1時
間、200mAの条件でニトロセルロースメンブレンに
転写した。転写したメンブレンは0.5% スキムミル
クを添加したPBS液で4℃で一晩ブロッキングし、洗
浄液(0.05% Tween20−PBS)で3回洗
浄した。次いで、メンブレンを、55−1−N1抗体の
精製前の抗血清と55−1−C1抗体の精製前の抗血清
を混合したものを5% ウシ胎児血清を含む0.05%
Tween20−PBSで10000倍希釈した反応
液中に入れて室温で1時間インキュベーションした後、
洗浄液で3回洗浄した。さらに、メンブレンを西洋ワサ
ビペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ウサギIgG(H+L)
(バイオラッド社製)を5% ウシ胎児血清を含む0.
05% Tween20−PBSで10000倍希釈し
た反応液中で室温で1時間インキュベーションした後、
洗浄液で5回洗浄した。このメンブレンをラップフィル
ム上に置き、ECLウエスタンブロッティング検出溶液
に1分間浸した後、1時間室温で放置してバックグラウ
ンドを減衰させてから、X線フィルムを感光させた(3
秒間)。その結果、組換えアデノウイルスAd/mAP
−5を感染させたHeLa細胞培養上清由来のサンプル
のレーン中に特異的なバンドが検出された(図3)。
【0383】一方、ファージミドクローン#h5−1が
保持するcDNAがアデノウイルスベクターに組み込ま
れたものを有する組換えアデノウイルス(Ad/hAP
5)を調製して同様の実験を行い、HeLa細胞に発現
させた培養上清のウエスタンブロット解析を行った結
果、同様に特異的なバンドが検出された(図3)。
【0384】実施例5. 組換えアデノウイルスを用い
たインビボでの発現 上記のようにして精製された組換えアデノウイルスAd
/mAP−5またはAd/LacZを、10%グリセロ
ールを含むPBSで2×1010pfu(plaqueforming
unit)/mlに希釈し、それぞれ3匹(Ad/mAP−
5)または2匹(Ad/LacZ)の13−14週齢の
雄KK/Snkマウスに100μl(2×109pf
u)ずつ尾静脈注射により接種した。接種1日後に各マ
ウスの眼底よりヘマトクリット管で採血して、卓上遠心
機で5200rpmで15分遠心して血漿を分離し、中
性脂肪測定用キット(トリグリセリドE−テストワコ
ー、和光製薬(株)社製)を用いて中性脂肪濃度を測定
した。Ad/LacZ接種マウス群では血中の中性脂肪
濃度に有意な差が認められなかったのに対し、Ad/m
AP−5接種マウス群と他の2群の間には血中の中性脂
肪濃度に有意な差が認められた(図4)。
【0385】一方、ファージミドクローン#h5−1が
保持するcDNAがアデノウイルスベクターに組み込ま
れたものを有する組換えアデノウイルス(Ad/hAP
5)で同様の実験を行い、雄KK/Snkマウスに発現
させた結果、血中の中性脂肪濃度の有意な上昇がみら
れ、ヒト型分子がマウス体内でも機能することが判明し
た(図4)。
【0386】また、これら血中の中性脂肪濃度に有意差
が認められたアデノウイルス感染マウス群の肝臓から全
RNAを回収し、実施例1記載の方法でノーザンブロッ
ト解析を行ったところ、導入した遺伝子が実際に高発現
していることが確認された(図5)。アデノウイルス感
染KK/Snkマウス群で検出されるバンドは、遺伝子
操作を行っていないKKマウスで検出されるバンドより
も大きいが、これは組換えアデノウイルスベクター中で
有効な転写開始点またはポリ(A)付加シグナルが本来
の遺伝子上のものとは異なることに起因すると考えられ
る。いずれにせよ、組換えアデノウイルスベクターに組
み込まれたcDNA中の最初の翻訳開始コドンのすぐ
5'末端側には、該翻訳開始コドンと同一読み枠上に終
始コドンが存在するため、このmRNAの大きさの違い
は翻訳されるアミノ酸配列には影響しない。
【0387】実施例6. 組換えタンパク質の精製およ
びN末端アミノ酸配列の決定 以下に記載する方法に従って、実施例3で作成された、
配列表の配列番号3に示されるヌクレオチド配列を有す
るヒトcDNAが挿入された発現ベクターpMEh55
−1で動物細胞を形質転換し、該形質転換細胞の培養上
清中に分泌される組換えタンパク質を精製して、そのN
末端アミノ酸配列を決定した。
【0388】(1)形質転換体の取得および培養上清の
調製 10%FCS(ギブコ・ビーアールエル社製)、10単
位/mlペニシリンおよび10μg/ml ストレプト
マイシン(ギブコ・ビーアールエル社製)を含むαME
M(ギブコ・ビーアールエル社製)培地でジヒドロ葉酸
還元酵素欠損CHO細胞(ATCC CRL−909
6)を増殖させた後、トランスフェクション試薬(Fu
GENE6:ロシュ・ダイアグノスティクス社製)を使
用し、pMEh55−1プラスミドを1μg/106
胞の割合でトランスフェクトした。具体的には、細胞は
200枚の細胞培養用シャーレ(150mmφ、コーニ
ング社製)に1.5×107細胞/シャーレで培養し、
トランスフェクションにはシャーレ1枚あたり15μg
のpMEh55−1プラスミドを使用した。トランスフ
ェクション操作後の細胞を上記のFCSを含む培地中で
24時間培養後、培地を無血清αMEM培地(30ml
/シャーレ)に交換してから、さらに3日間培養し、無
血清培養上清6リットルを回収した。
【0389】(2)組換えタンパク質の精製 1) カラム(ストリームラインC−100:アマシャ
ム・ファルマシア・バイオテク社製)に充填したセファ
デックスG25(アマシャム・ファルマシア・バイオテ
ク社製)1.6リットル分のゲルに、上記(1)で得ら
れた培養上清を600ml注入した(流速:20ml/
分)。次いで、溶離緩衝液(20mMトリス−塩酸(p
H7.5)、0.01% アジ化ナトリウム(シグマ社
製)、0.05% プロテアーゼインヒビター混合液
(シグマ社製)、0.05% Tween20(シグマ
社製)。以下「A液」という)を流速50ml/分でカ
ラムに流し、初めの1500ml分の溶出液を回収し
た。この操作を10回実施して、上記(1)で得られた
6リットルの培養上清の脱塩および低分子除去を行っ
た。
【0390】2) 次に、上記1)で得られた溶出液を
FPLC装置(バイオパイロットシステム、アマシャム
・ファルマシア・バイオテク社製)を用い、以下に記載
する条件によりイオン交換クロマトグラフィーを行って
分画した。 カラム: Qセファロース・ファストフロー(アマシャ
ム・ファルマシア・バイオテク社製)100mlをXK
50/100カラム(アマシャム・ファルマシア・バイ
オテク社製)に充填した。 溶離緩衝液組成: [A液] 上記参照 [B液]20mM トリス−塩酸、1M 塩化ナトリウ
ム(pH7.5)、0.01% アジ化ナトリウム、
0.05% プロテアーゼインヒビター混合液、0.0
5% Tween20 流速: 10ml/分 分画: 各10ml/チューブ 温度: 4℃ 溶出条件: 100% A液から100% B液への直
線濃度勾配(60分間)塩化ナトリウム濃度 0.3乃
至0.4Mで溶出された画分を回収した。
【0391】3) さらに、上記2)のイオン交換クロ
マトグラフィーで回収された画分について、FPLC装
置を用いて、以下に記載する条件の群特異的アフィニテ
ィークロマトグラフィーを実施した。 カラム: アフィゲル ブルー(バイオラッド社製)1
0mlをXK16/40カラム(アマシャム・ファルマ
シア・バイオテク社製)に充填した。溶離緩衝液組成: [C液]20mM トリス−塩酸、0.5M 塩化ナト
リウム(pH7.5)、0.01% アジ化ナトリウ
ム、0.05% プロテアーゼインヒビター混合液、
0.05% Tween20 [D液]20mM トリス−塩酸、1M 塩化ナトリウ
ム(pH7.5)、0.01% アジ化ナトリウム、
0.05% プロテアーゼインヒビター混合液、0.0
5% Tween20 流速: 1.5ml/分 温度: 4℃ 上記2)で回収された画分をカラムに通した後、C液を
60ml流して洗浄してから、D液を100ml流し
て、D液による溶出液を回収した。
【0392】4) 上記3)で得られた溶出液に等量
(100ml)のA液を加えた。このものについて、F
PLC装置を用いて、以下に記載する条件の群特異的ア
フィニティークロマトグラフィーを実施した。 カラム: レンチル・レクチン・セファロース4B(ア
マシャム・ファルマシア・バイオテク社製)10mlを
XK16/40カラムに充填した。溶離緩衝液組成: [C液] 上記参照 [F液]20mM トリス−塩酸、0.5M 塩化ナト
リウム、0.3M メチルマンノピラノシド(pH7.
5)、0.01% アジ化ナトリウム、0.05% プ
ロテアーゼインヒビター混合液、0.05% Twee
n20 流速: 1ml/分 温度: 4℃ サンプルをカラムに通した後、C液を50ml流して洗
浄してから、F液を50ml流して、F液による溶出液
を回収した。
【0393】この溶出液を透析チューブ(排除限界分子
量10KDa:ギブコ・ビーアールエル社製)に移し、
0.01% アジ化ナトリウムおよび0.1% プロテ
アーゼインヒビター混合液を含むダルベッコPBS
(−)(日水製薬(株)社製)2リットルに対して、4
℃で一晩透析した。その後、透析チューブ内の溶液を回
収して、そのうち4mlに、4mg/ml デオキシコ
ール酸ナトリウムを含むTCAを1/10容量(0.4
ml)加え、得られた沈殿を回収し、続いてアセトンを
加えて得られた沈殿を回収し、50μlの滅菌超純水に
溶解した。
【0394】(3)N末端アミノ酸配列の決定 上記(2)で精製された試料にPNGaseF(ニュー
イングランド・バイオラブ社製)を加え、N結合型糖鎖
を切断した。具体的には、まず50μlの試料に6μl
の10×変性バッファー(PNGaseF試薬に添付)
を添加して攪拌し、10分間煮沸水浴中で加熱した。こ
れを室温に戻した後、6μlの10%ノニデットP−4
0および6μlの10×G7バッファー(以上PNGa
seF試薬に添付)を順に加えて攪拌した。このものに
PNGaseFを3μl添加し、攪拌してから37℃の
水浴で2時間以上保温した。
【0395】このN結合型糖鎖切断反応後の反応液につ
いて、4乃至20%濃度勾配アクリルアミドゲル(マル
チゲル4/20、第一化学薬品(株)社製)およびミニ
スラブ式電気泳動装置(日本エイドー(株)社製)を用
いた還元条件下のSDS−PAGEを実施した。電気泳
動後、ゲルメンブラン転写装置(マリソル社製)を用
い、ゲル内で分離されたタンパク質を0.2μm孔径の
ポリビニリデン・ジフルオリド(PVDF)膜(バイオ
ラッド社製)に転写した(2mA/cm2、4℃で2時
間)。転写後の膜を100% メタノール(和光純薬
(株)社製)で10秒間濡らした後、超純水で2分間洗
浄してから、クーマシー染色液(バイオラッド社製)で
5分間染色し、さらに膜をメタノールに浸して2分間脱
色した結果、約50KDaに相当するバンドがみられ
た。このバンド部分の膜を切り出し、プロテインシーク
エンサー(PPSQ−10:島津製作所(株)社製)に
てN末端配列の解析を実施した。
【0396】その結果、上記約50KDaのバンドのN
末端アミノ酸配列はSer-Arg-Ile-Asp-Gln-Asp-Asn-Ser-
Ser-Phe-Asp (配列表の配列番号4のアミノ酸番号1
7から27)であった。このことから、配列表の配列番
号3のヌクレオチド番号78から1457に示されるヌ
クレオチド配列にコードされるタンパク質は、哺乳動物
細胞では、N末端の16個のペプチド(配列表の配列番
号4のアミノ酸番号1から16)が切り落とされて、そ
の直後に続くセリン残基(配列表の配列番号4のアミノ
酸番号17)をN末端とする成熟体として分泌されるこ
とが明らかとなった。
【0397】参考例3. 組換えタンパク質の精製およ
びマウスへの投与 実施例6において精製した組換えタンパク質300μg
を15週令のKK/Snkマウス雄4匹に尾静脈投与し
た。対照として、別の個体4匹にはPBS(ギブコ・ビ
ーアールエル社製)を投与した(0.5ml/マウ
ス)。投与1、3、6、24時間後、それぞれのマウス
から75μlヘパリン処理済みキャピラリー採血管(フ
ナコシ社製)で眼底採血し、5200rpm、4℃で1
5分間遠心した(トミー精工(株)社製TH−1ロータ
ー使用)後、血漿を分離し回収した。同様に、精製タン
パク質投与前に眼底採血により血漿を分離し、投与前値
のサンプルとして回収した。血中の中性脂肪濃度測定
は、トリグリグリセライドEテストワコー(和光純薬
(株)社製)を使用した。すなわち、回収した血漿を2
μlずつ96穴プレート(コーニング社製)に加え、こ
れに発色試薬200μlを添加して攪拌後、10分間室
温で静置した。操作終了後、マイクロプレートリーダー
で主波長600nm、副波長700nmの吸光度を測定
し、主波長の測定値から副波長の測定値を差し引いた値
から中性脂肪濃度を算出した。
【0398】その結果を表1に示した。組換えタンパク
質の投与により、血中の中性脂肪濃度が上昇することが
示された。
【0399】
【表1】 (単位:mg/dl) ――――――――――――――――――――――――――― PBS 組換えタンパク質 ――――――――――――――――――――――――――― 投与前 34.4 33.8 投与1時間後 30.5 142.8 3時間後 35.1 99.9 6時間後 32.4 44.3 24時間後 28.6 35.1 ――――――――――――――――――――――――――― 参考例4. ベザフィブレート投与による影響 11週齢の雄Zucker fattyラット(日本チャールズリバ
ーより購入)2匹に7日間、高脂血症治療剤ベザフィブ
レート(シグマ社製)をF2粉末飼料(船橋農場社製)
に0.3%の濃度で混ぜて投与した。対照群のラット
(2匹)にはF2粉末飼料のみを与えた。両方の条件の
ラットからそれぞれ血液サンプルを回収した後、肝臓を
摘出し、直ちに液体窒素内に入れ急凍した後、−80℃
に保存した。得られた肝臓組織0.1gに対し5mlの
TRIzol試薬(ギブコ・ビーアールエル社製)を加
え、超高速ホモジナイザー(ポリトロン、キネマティカ
社製)を用いて氷上でホモジナイズを行った(目盛10
で2分間)。これを室温で5分間静置した後、1mlの
クロロホルムを加え、15秒間激しく転倒混和した。再
び室温で10分間静置してから、12000×g、室温
で10分間遠心分離した。遠心後、上層を回収し、2.
5mlのリボヌクレアーゼ不含イソプロピルアルコール
を加えて混和した。これを室温で10分間静置後、12
000×g、室温で10分間遠心分離した後、上清を除
去してリボヌクレアーゼ不含70%エタノールを加え
た。これを12000×g、室温で5分間遠心分離し、
上清を除去して、沈殿を乾燥させてから、−80℃に保
存した。得られたペレットをリボヌクレアーゼを含まな
い純水に溶解したものを全RNA溶液とした。
【0400】一本鎖cDNAの合成は以下の手順で行っ
た。得られた全RNA1μgにリボヌクレアーゼを含ま
ない純水を加え全量を6μlとし、10×DNAase
反応緩衝液(ギブコ・ビーアールエル社製DNase
Iに添付)を1μl、DNaseI(Ampグレード、
ギブコ・ビーアールエル社製)を1μl加え、室温で1
5分間保温した後、25mM EDTA(DNaseI
に添付)を1μl加え、65℃で10分間保温した。こ
の溶液に、一本鎖cDNA合成キット(SuperScript fi
rst-strand synthesis system for RT-PCR、ギブコ・ビ
ーアールエル社製)添付のランダムヘキサマープライマ
ーを1μl、10mM dNTP mixを1μl加
え、65℃、5分間保温した後、急激に4℃まで冷却し
熱変性を行った。引き続き、cDNA合成キット添付の
10×逆転写反応緩衝液を2μl、25mM 塩化マグ
ネシウムを4μl、0.1M ジチオスレイトール溶液
を2μl、リボヌクレアーゼインヒビターを1μl加
え、25℃で2分間保温し、その後、添付の逆転写酵素
を1μl 添加した。このサンプルを25℃で10分保
温後、42℃で50分保温した。さらに70℃で15分
間保温した後、急激に4℃まで冷却し熱変性を行った。
添付のリボヌクレアーゼHを1μl加え、37℃で20
分間保温してRNAを分解し、−20℃にて保存した。
反応終了後、すべてのサンプルに29μlのリボヌクレ
アーゼを含まない純水を加え、さらにリボヌクレアーゼ
を含まない純水で5倍希釈したものを下記の定量に用い
た。検量線作成用一本鎖cDNA溶液は、対照サンプル
の1例の定量用溶液よりリボヌクレアーゼを含まない純
水にて5倍ずつの希釈系列を作成することにより調製し
た。
【0401】一方、TaqMan PCRに用いるプライマー
として、下記の配列:5'- caaagcttga aagtctactg gagg
-3' (配列表の配列番号30);および5'- ggttctgaa
c caagctggtc a -3' (配列表の配列番号31)を有す
るオリゴヌクレオチドを合成した(アマシャム・ファル
マシア社に発注)。
【0402】さらに、TaqMan PCRに用いるプローブ
として、下記の配列:5'- aagatggcgc tccaacacag agtc
ag -3' (配列表の配列番号32)を有し、その5'末
端にレポーター色素Fam、3'末端にレポーター消光
体のTamuraを結合したオリゴヌクレオチドを合成
した(TaqMan フルオレセント・プローブ、アプ
ライドバイオシステムズジャパン社製)。また「アンジ
オポエチン関連タンパク質3」の発現量の標準化をはか
る目的で、ラット18sリボゾームRNAの定量を行う
こととし、TaqMan リボソーマルRNAコントロ
ール・リージェント、アプライドバイオシステムズジャ
パン社製)を用いた。
【0403】これらの材料を用いて、TaqMan P
CR法による、ラット「アンジオポエチン関連タンパク
質3」遺伝子の発現量の定量を行った。PCR反応は9
6穴反応プレート(マイクロアンプ・オプチカル・96
ウェル・リアクション・プレート、アプライドバイオシ
ステムズジャパン社製)中で行った。反応溶液の組成は
1ウェル中、上記方法で得られた一本鎖cDNA溶液5
μl、TaqManPCR用プライマー(50pmol
/μl)を正方向側、逆方向側ともに0.2μl(最終
濃度200nM)、TaqMan PCR用プローブ
(6.6μM)0.75μl(最終濃度100nM)、
PCR増幅用混合液(TaqMan ユニバーサル・P
CRマスター・ミックス、アプライドバイオシステムズ
ジャパン社製)25μl、超純水18.85μlとし
た。この際、検量線作成用一本鎖cDNA溶液は原液濃
度を便宜的に「625」とし、以降5倍希釈を繰り返し
て濃度「625」、「125」、「25」、「5」およ
び「1」の溶液について同様に反応液を調製した。PC
R反応はTaqMan PCR専用サーマルサイクラー
・検出器(ABI7700、アプライドバイオシステム
ズジャパン社製)を用いて行った。反応は、50℃で2
分間、95℃で10分間保温の後、95℃で15秒間、
60℃で1分間の反応を40回繰り返し、1サイクルご
とにレポーター色素の発光量を測定した。各サイクルご
とのレポーター色素の発光量から18Sリボゾーム、
「アンジオポエチン関連タンパク質3」の増幅曲線を作
成した。検量線作成用一本鎖cDNA溶液の希釈系列の
増幅曲線から横軸に濃度、縦軸にサイクル数をとった検
量線を作成し、各発現定量用サンプルについてはその対
数増幅期において任意に設定した一定の発光量を超えた
サイクル数を検量線上にプロットし、相対的な発現量を
算出した。「アンジオポエチン関連タンパク質3」遺伝
子の発現量は同一サンプルにおける18Sリボゾームの
発現量の値で補正を行った。
【0404】その結果、ラット「アンジオポエチン関連
タンパク質3」遺伝子の発現量は、ベザフィブレート投
与群において、コントロール群に比べ73%低下してい
ることが示された。なお、この時用いられたベザフィブ
レート投与群のラットの血中中性脂肪濃度は、コントロ
ール群に比べて50%減少していた。
【0405】参考例5. 動脈硬化および血糖値への影
響低脂血症マウスKK/Snkは配列表の配列番号2に
示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードす
る遺伝子の変異型(以下「低脂血症変異遺伝子」とい
う)をホモで有し、該ポリペプチドの産生量が先天的に
低い。以下に記載する方法に従って動脈硬化モデルマウ
スまたは高血糖モデルマウスにおける低脂血症変異遺伝
子の影響を検討した。
【0406】1) コンジェニックマウスの作出 a)交配様式 KK/Snkマウスの雌をC57BL/6Jマウスの雄
(浜松医科大学附属動物実験施設より入手)と交雑し
て、戻し交雑第1世代(N1世代)を作出した。次い
で、N1雌をC57BL/6J雄に再度交雑してN2世
代を得た。このN2個体の尾からゲノムDNAを抽出
し、後述c)記載の方法でPCRを行い、低脂血症変異
遺伝子をヘテロで持つ個体を選抜した。選抜した雌をさ
らにC57BL/6J雄と交雑して、N3世代を作出し
た。その後、同様の方法でN10世代まで連続して選抜
交雑を実施した。次いで、N10世代のヘテロの雌雄を
交雑し、得られた産児から採取したゲノムについて後述
c)記載の方法でPCRを実施して、低脂血症変異遺伝
子をホモで持つ雌雄を選抜した。その後、兄妹交配によ
り継代し、C57BL/6J背景の低脂血症変異コンジ
ェニックマウス(C57BL/6J−低脂血症)系統を
得た。いずれの動物も温度23±1℃、湿度55±10
%、14時間照明の動物室内で飼育し、CMF固形飼料
(オリエンタル酵母工業(株)製)と7ppmクロール
水を自由摂取させた。
【0407】b)ゲノムDNAの抽出方法 上記a)で選抜に用いたマウス(4週齢)より採取した
尾(1.5cm)を840μlの溶解液(720μlの
1×SSC、80μlの10% SDS、40μlの1
0mg/ml プロテイナーゼKを含む)に浸漬し、5
0℃で保温しながら一晩振盪した。次いで、1mg/m
l リボヌクレアーゼAを20μl加えて、50℃で1
時間保温した。その後、フェノール・クロロホルム抽出
を2回、エタノール沈殿操作を1回行い、沈殿を10m
M トリス−塩酸(pH7.5)、1mM EDTAを
含む緩衝液150μlに溶解した。その後、分光光度計
(U−3000、(株)日立製作所製)で260nm波
長における吸光度を測定し、滅菌水を加えて濃度を25
ng/μlに調整してゲノムDNA試料とした。
【0408】c)遺伝子型の判定 2種類のマイクロサテライトマーカー検出用プライマー
セット(D4Mit15およびD4Mit219、リサ
ーチジェネティクス社製)を用い、サーマルサイクラー
(PTC−100、エムジェーリサーチ社製)を使用し
て以下の条件でPCRを行った。1.5μlの10×P
CRバッファー[100mM トリス−塩酸(pH8.
3)、15mM 塩化マグネシウム、500mM 塩化
カリウムを含む。ロシュ・ダイアグノティクス社製]、
2.4μlの各1.25mM dNTPs(宝酒造
(株)社製)、各0.45μlの6.7μM プライマ
ー、0.35UのTaq DNAポリメラーゼ(ロシュ
・ダイアグノティクス社製)に滅菌水を加えて11μl
とした後、上記b)で調製したゲノムDNAを4μl加
え、反応液を調製した。この反応液を、まず94℃で3
分間加熱した後、94℃で30秒、55℃で1分、72
℃で45秒の温度サイクルを35回繰り返し、さらに7
2℃で3分保持してから、4℃で保温した。
【0409】このPCR後の反応液に色素液(0.15
% ブロモフェノールブルー、50%グリセロール)を
2μl加え、そのうちの5μlを4%のアガロースゲル
(NuSieve 3:1アガロース(FMCバイオプ
ロダクツ社製)で調製した)で150V、室温で1.5
時間乃至2時間、電気泳動した。電気泳動後のゲルを臭
化エチジウムで染色した後、紫外線照射下で目的のDN
Aに相当するバンドを確認した。プライマーセットD4
Mit15で約280bpと約300bpの2種類の断
片が増幅され、かつD4Mit219で約110bpと
約120bpの2種類の断片が増幅されたゲノムを有す
る個体を「低脂血症変異遺伝子へテロ」、D4Mit1
5で約300bpの断片のみが増幅され、かつD4Mi
t219で約120bpの断片のみが増幅されたゲノム
を有する個体を「低脂血症変異遺伝子ホモ」とした。
【0410】2)低脂血症変異遺伝子ホモ/ApoEホ
モ欠損個体の作出 a)選抜様式 上記1)のa)で得られたC57BL/6J−低脂血症
マウスとアポリポタンパク質E(以下「ApoE」とい
う)ホモ欠損マウス(Zhang, S.H., et al. (1992) Sci
ence 258, 468-471、東京大学医学部器官病態内科学教
室より入手)との交雑から交雑第1世代(F1世代)を
作出した。次いで、F1世代の雌雄を交雑してF2世代
を得た。F2世代のうち、ApoEをホモで欠損し、低
脂血症変異遺伝子をホモで持つ個体(以下「ApoE
KO−低脂血症マウス」という)と低脂血症変異遺伝子
を持たないApoEホモ欠損個体(以下「ApoE K
Oマウス」という)を下記の方法で遺伝子型を判定する
ことにより選抜した。なお、いずれの動物も上記1)の
a)記載の方法で飼育した。
【0411】b)遺伝子型の判定方法 上記1)のb)記載の方法でマウス尾よりゲノムDNA
を抽出した。低脂血症変異遺伝子を選抜するために、変
異型アレルと野生型アレルにおいてサイズ多型を検出す
るオリゴヌクレオチドプライマー:5'- ggctaaatag taa
aaccctg gcg -3' (配列表の配列番号33);および
5'- gtgcttgctg tctttccagt ctt -3' (配列表の配列
番号34)を合成した。このプライマーセットを用いて
PCRを実施すると、低脂血症変異遺伝子では約240
bpの断片が増幅され、一方変異のない正常遺伝子で
は、約230bpの断片が増幅される。
【0412】また、ApoE欠損を検出するために、欠
損型アレル(ネオマイシン耐性遺伝子)を特異的に増幅
するための、下記の配列からなるオリゴヌクレオチドプ
ライマー:5'- aggatctcgt cgtgacccat ggcga -3'
(配列表の配列番号35);および5'- gagcggcgat acc
gtaaagc acgagg -3' (配列表の配列番号36)(Gaw,
A., et al. (1995) Lab. Anim. 29, 447-449参照)を
それぞれ合成した。このプライマーセットを用いてPC
Rを実施すると、鋳型となる遺伝子にApoE欠損変異
がある場合のみ200bpの断片が増幅される。
【0413】さらに、ApoE欠損のない野生型アレル
を特異的に増幅するための、下記の配列からなるオリゴ
ヌクレオチドプライマー:5'- tcccaagtca cacaagaact
gac -3' (配列表の配列番号37);および5'- catcc
agaag gctaaagaag gca -3' (配列表の配列番号38)
をそれぞれ合成した。このプライマーセットを用いてP
CRを実施すると、鋳型となる遺伝子にApoE欠損変
異がない場合のみ174bpの断片が増幅される。
【0414】上記の3セットのプライマーを用いて、上
記1)のc)に記載した通り、PCRと電気泳動を実施
し、増幅された断片を調べた。その結果、約240bp
および200bpの断片が検出された個体を「ApoE
KO−低脂血症マウス」とし、約230bpおよび2
00bpの断片が検出された個体を「ApoE KOマ
ウス」として選抜した。
【0415】3)低脂血症変異遺伝子ホモ/レプチン変
異遺伝子ホモ個体の作出 a)選抜様式 上記1)のa)で得られたC57BL/6J−低脂血症
マウスとレプチン変異遺伝子(Lepob)をヘテロで持
つC57BL/6J−Lepobマウス(Coleman, D. L.
and Hummel, K. P. (1973) Diabetologia 9 :287-293.
浜松医科大学附属動物実験施設より入手)との交雑か
ら交雑第1世代(F1世代)を作出した。次いで、F1
世代の雌雄を交雑してF2世代を得た。F2世代のう
ち、レプチン変異遺伝子と低脂血症変異遺伝子をともに
ホモで持つ個体(以下「ob−低脂血症マウス」とい
う)と低脂血症変異遺伝子を持たないレプチン変異ホモ
個体(以下「obマウス」という)を下記の方法で遺伝
子型を判定することにより選抜した。なお、いずれの動
物も上記1)のa)記載の方法で飼育した。
【0416】b)遺伝子型の判定方法 上記1)のb)記載の方法でマウス尾よりゲノムDNA
を抽出した。レプチン変異を検出するために、変異型ア
レルを特異的に増幅するための、下記の配列からなるオ
リゴヌクレオチドプライマー:5'- tgacctggag aatctct
-3' (配列表の配列番号39);および5'- catccagg
ct ctctggc -3' (配列表の配列番号40);(Namae,
M. et al. (1998) Lab. Anim. Sci. 48, 103-104参
照)をそれぞれ合成した。このプライマーセットを用い
てPCRを実施すると、鋳型となる遺伝子に変異型アレ
ルがある場合のみ約100bpの断片が増幅される。
【0417】さらに、レプチン変異のない野生型アレル
をを特異的に増幅するための、下記の配列からなるオリ
ゴヌクレオチドプライマー:5'- tgacctggag aatctcc -
3' (配列表の配列番号41);および5'- catccaggct
ctctggc -3' (前出、配列表の配列番号40)をそれ
ぞれ合成した。このプライマーセットを用いてPCRを
実施すると、鋳型となる遺伝子にレプチン変異のない場
合のみ約100bpの断片が増幅される。
【0418】上記の2セットのプライマーおよび上記
2)のb)に記載した低脂血症変異遺伝子を選抜するた
めの1セットのプライマーを用いて、上記1)のc)に
記載した通り、PCRと電気泳動を実施し、増幅された
断片を調べた。その結果、約100bp(レプチン変異
型)および約240bpの断片が検出された個体を「o
b−低脂血症マウス」とし、約100bp(レプチン変
異型)および約230bpの断片が検出された個体を
「obマウス」として選抜した。
【0419】4)血清脂質と動脈硬化病変面積の測定 ApoE KOマウス(雄3匹、22−23週齢)およ
びApoE KO−低脂血症マウス(雄3匹、19−2
3週齢)を、いずれも17時間絶食させた後にエーテル
麻酔下で腹大静脈より採血した。次いで血液を30分放
置した後、2000×g、室温で10分間遠心分離を行
い、血清を回収した。血清中の中性脂肪濃度については
トリグリセリドE−テストワコー(和光純薬工業(株)
社製)を、血清コレステロール濃度についてはコレステ
ロールC−テストワコー(和光純薬工業(株)社製)を
それぞれ用いて測定した。
【0420】また、エーテル麻酔下で、各マウスの胸部
を切開し、左心室より1単位/mlのへパリンを含む生
理食塩液で洗浄した。心臓より大動脈弓部までを取り出
し、心臓と大動脈弁部の分岐点が現れるまで脂肪を除去
した。脂肪除去後、大動脈直上で切断し、4%中性ホル
マリン溶液中で24時間乃至7日間浸漬固定した。固定
後、常法にしたがってパラフィンブロックを作製した。
このパラフィンブロックを大動脈弓部側からミクロトー
ムで薄切して、切片に初めて弁が現れてから、5μmの
厚さで連続5枚の切片を採取し、その次の5枚を捨て
た。これを1単位として、この方法で全長500μmま
で薄切した。得られた切片には、ElasticaMasson染色を
施した。
【0421】CCDカメラ(HC−2000、富士写真
フィルム(株)社製)を搭載した光学顕微鏡(BX−5
0、オリンパス光学工業(株)社製)下において、Elas
ticaMasson染色を施した大動脈弁部横断像をテレビモニ
ター上に映し出し、画像解析プログラム(QWin、ラ
イカ社製)を用いて病変の境界をトレースし、病変面積
を計測した。各個体とも厚さ50μmの間隔で合計10
枚の切片について病変面積を計測し、その総和を算出し
た。
【0422】その結果を表2に示した。
【0423】
【表2】 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ApoE KO ApoE KO−低脂血症 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 中性脂肪濃度(mg/dl) 611.7±223.8 178.7±47.4総コレステロール(mg/dl) 1227.3±245.7 610.7±163.2 動脈硬化病変面積の 総和(×105μm2) 10.81±5.48 2.55±1.07 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 以上の結果から、配列表の配列番号2に示されるアミノ
酸配列からなるポリペプチドをコードする遺伝子の変異
は、血清脂質の低下とともに動脈硬化病変の進展を抑制
することが示された。5)血糖値の測定 ApoE KO(雄9匹、24週齢)、ApoE KO
−低脂血症マウス(雄10匹、24週齢)、obマウス
(雄12匹、17−18週齢)、およびob−低脂血症
マウス(雄14匹、17−19週齢)を、いずれも17
時間絶食させた後にエーテル麻酔下で腹大静脈より採血
した。次いで血液を30分放置した後、2000G、室
温で10分間遠心分離を行い、血清を回収した。血糖値
はグルコースB−テストワコー(和光純薬工業(株)社
製)を用いて測定した。
【0424】ApoE KOおよびApoE KO−低
脂血症マウスの結果を表3に、obマウスおよびob−
低脂血症マウスの結果を表4に示した。
【0425】
【表3】 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ApoE KO ApoE KO−低脂血症 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 血糖値(mg/dl) 276.8±69.3 121.4±30.0** ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ** P<0.001
【0426】
【表4】 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ob ob−低脂血症 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 血糖値(mg/dl) 407.2±195.1 260.1±146.6* ――――――――――――――――――――――――――――――――――― * P<0.05 以上の結果から、配列表の配列番号2に示されるアミノ
酸配列からなるポリペプチドをコードする遺伝子の変異
は、ApoE欠損あるいはレプチン変異による高血糖を
有意に低下させることが示された。
【0427】実施例7 モノクローナル抗体の調製 (a) 抗原蛋白質の調製 1)生産CHO細胞株の作製 pSRαプロモーター下流(pME18Sプラスミド)
にヒトアンジオポエチン関連蛋白質3 cDNAが位置
する発現ベクターを作製した。この発現ベクターとpS
V2−dhfr(ATCC)を10%FCS(Gibc
oBRL社製)−MEMα(GibcoBRL社製)−
10units/mlペニシリン-10μg/mlスト
レプトマイシン(GibcoBRL社製)培地でジヒド
ロ葉酸還元酵素欠損CHO細胞(ATCC)に共導入
し、核酸除去培地において定常株を取得した。次に、本
定常株をメトトレキセート0.08μM濃度で生育可能
な耐性株を取得し、遺伝子重複による発現量の増加が確
認された株を取得した。以後、1.28、30、60μ
Mのメトトレキセート入り核酸除去MEMα培地で生育
可能な株を取得していき、最終的にコンフルエントな無
血清培養の細胞培養用フラスコ上で、5乃至10mg/
l/3日の生産能を有するアンジオポエチン関連蛋白質
3生産CHO細胞株を取得した。このように作製したア
ンジオポエチン関連蛋白質3生産CHO細胞株をコンフ
ルエントまで培養後、無血清MEMα(GibcoBR
L社製)培地に交換し、3日間培養して無血清培養上清
を得た。2)脱塩、小分子除去 本サンプルをSephadex G25(アマシャム・
ファルマシア・バイオテク社製)1.6リットルのゲル
に対して600mlの割合で20ml/minで10回
に分けて、脱塩、小分子を除去した。本サンプルをFP
LC(Biopilot sytem、アマシャム・フ
ァルマシア・バイオテク社製)を用いたイオン交換クロ
マトグラフィーで分画した。3)分画StepI カラム:Qsepharose Fast Flow
(アマシャム・ファルマシア・バイオテク社製)をXK
50(アマシャム・ファルマシア・バイオテク社製)に
100ml充填した。溶離緩衝液: A)20mM Tris−HCl(pH7.5)−0.0
1% NaN3(SIGMA社製)−0.005% Pr
otease inhibitorcocktail
(SIGMA社製)−0.005% Tween20
(SIGMA社製) B)20mM Tris−HCl−1M NaCl(p
H7.5)−0.01% NaN3(SIGMA社製)−
0.005% Protease inhibitor
cocktail(SIGMA社製)−0.005%
Tween20(SIGMA社製) 流速:10ml/min フラクション溶液:10ml/tube 温度:4℃ 溶出条件:溶離液A ⇒ 溶離液B(直線濃度勾配、60
分間) 得られたフラクションについて、各々0.3乃至0.4
5M NaCl濃度で溶出されてくる画分を回収した
後、一つの溶液にまとめた。まとめた溶液をサンプルと
して、以下の条件で、FPLC(アマシャム・ファルマ
シア・バイオテク社製)を用いて、群特異的アフィニテ
ィークロマトグラフィーを以下の条件で実施した。 4)分画StepII カラム:Affi Gel Blue(BioRad)
をKX16(アマシャム・ファルマシア・バイオテク社
製)に10ml充填した。 溶離緩衝液: C)20 mM Tris−HCl−0.5M NaCl
(pH7.5)−0.01%NaN3(SIGMA社製)
−0.005% Protease inhibito
r cocktail(SIGMA社製)−0.005
% Tween20(SIGMA社製) D)20 mM Tris−HCl−1M NaCl(p
H7.5)−0.01%NaN3(SIGMA社製)−
0.005% Protease inhibitor
cocktail(SIGMA社製)−0.005%
Tween20(SIGMA社製) 流速:1.5ml/min 温度:4℃ サンプルをアプライ後、C)液を60mlを流す。 溶出条件:D)液を100ml流し、一つの溶液として
回収した。回収した溶液を等量(100ml)のA)液
と混濁し、作製した200mlの溶液をサンプルとして
以下の条件で、FPLC(アマシャム・ファルマシア・
バイオテク社製)を用いた群特異的アフィニティークロ
マトグラフィーを以下の条件で実施した。 5)分画StepIII カラム:Lentil lectin sepharo
seTM(アマシャム・ファルマシア・バイオテク社製)
をKX16(アマシャム・ファルマシア・バイオテク社
製)に10ml充填した。 溶離緩衝液: C)20 mM Tris−HCl−0.5M NaCl
(pH7.5)−0.01%NaN3(SIGMA社製)
−0.005% Protease inhibito
r cocktail(SIGMA社製)−0.005
% Tween20(SIGMA社製)) F)20 mM Tris−HCl−0.5M NaCl
−0.3M Methylmannopyranosi
de(pH7.5)−0.01% NaN3(SIGM
A社製)−0.005% Protease inhi
bitorcocktail(SIGMA社製)−0.
005% Tween20(SIGMA社製)) 流速:1ml/min 温度:4℃ サンプルをアプライ後、C)液を50ml流す。 溶出条件:F)液を50ml流し、一つの溶液として回
収した。 6)透析 回収した液をDialysis tubing−1−7
/8 in Duameter(GibcoBRL社
製)に移し、Dulbecco's PBS(−)(日
水製薬社製)、0.01% NaN3(SIGMA社
製)−0.1% Protease inhibito
r cocktail(SIGMA社製)溶液2リット
ルで一晩、4℃で透析した。 7)サンプルの確認 透析後、回収したサンプルの濃度は、DC prote
in assay kit(Bio Rad社)、we
stern解析、SDS−PAGEで測定し、「アンジ
オポエチン関連タンパク質3」の蛋白質量を測定した。
エンドトキシン濃度はエンドトキシン測定キット(生化
学工業)により測定し、20mg/mg以下である事を
確認した。このようにして精製した蛋白質を抗原として
用いた。
【0428】(b) 免疫マウス脾細胞の調製 8週令のBALB/c雄マウス3匹にアジュバントとし
てフロインド完全アジュバント(ディフコ社)0.5m
lを(a)で精製した0.5ml(100μg相当)のアン
ジオポエチン関連タンパク質3に加え、連結針のついた
注射筒内でエマルジョンを形成させた後、皮下注射して
免疫した。2回目以降の免疫ではアジュバントとしてフ
ロインド不完全アジュバント(ディフコ社)を用いた。
免疫は、約2週間おきに4回行い、2回目の免疫以降、
免疫する直前に眼底静脈叢より採血し、血清中の抗「ア
ンジオポエチン関連タンパク質3」抗体価を以下に述べ
る固相法による酵素免疫測定法(ELISA法)で調べ
た。
【0429】(固相酵素免疫法)96ウェルのELIS
A用プレート(マキシソープ;ヌンク社)の各ウェルに
50ngの精製「アンジオポエチン関連タンパク質3」
を分注し、4℃で一晩放置して抗原をプレートウェル底
面にコートさせた。プレートを0.1%(v/v)Tw
een20を含むPBSで3回洗浄した後、PBSで1
0μg/mlに調製したBSAを100μl/ウェルで
添加し、室温で1時間放置した。さらに0.1%(v/
v)Tween20を含むPBSで3回洗浄して、これ
に第一抗体として段階希釈した試料(マウス血清)を3
0乃至100μl/ウェル分注し、室温で1時間放置し
た。その後、0.1%(v/v)Tween20を含む
PBSで3回洗浄し、第二抗体としてペルオキシダーゼ
標識ヤギ抗マウスIgG(バイオラッド社)の3000
倍希釈液を100μl/ウェル分注し、室温で1乃至2
時間放置する。0.1%(v/v)Tween20を含
むPBSで3回洗浄後、TMBパーオキシダーゼ基質液
(バイオラッド社;TMBパーオキシダーゼキット)を
100μl/ウェルずつ添加し、室温で30分間保温し
た後、1N硫酸を100μl/ウェルずつ分注し、ペル
オキシダーゼ反応を停止させてから、マイクロプレート
リーダー(バイオラッド社)で450nmの吸収を測定
し、抗体価を算出した。
【0430】(c) マウス骨髄腫細胞の調製 8−アザグアニン耐性マウス骨髄腫細胞P3−X63−
Ag8.653(653)をTIL培地で培養し、2×1
7以上の細胞を得た。
【0431】(d) ハイブリドーマの作製 DMEM(日水製薬社製)でよく洗浄した免疫マウス脾
細胞1.4×108個とマウス骨髄腫細胞P3−X63
−Ag8.653(653) 1.5×107個を混合
し、800rpmで6分間遠心分離にかけた。沈澱とし
て得られた脾細胞、およびP3−X63−Ag8.65
3(653)を混合した細胞群をよくほぐした後、あらか
じめDMEMで50%に調製したポリエチレングリコー
ル4000(PEG4000)溶液を2ml/分となるよ
うに一滴ずつ撹拌しながら1分間添加した。次にDME
Mを2ml/分で1分間、同様にして添加し、この操作
をもう一度繰り返した。さらに16mlのDMEMを3
分間で添加して、800rpmで6分間遠心分離した。
遠心分離後上清を捨て、35mlのTIL培地で懸濁し
た。
【0432】(e) ハイブリドーマ群の選別 懸濁液を96ウェルプレート(コースター社)に100
μl/ウェルずつ分注し、7.5%のCO2インキュベ
ーター中、37℃で培養した。7日後、50μl/ウェ
ルでHAT培地を添加した。さらに4日後、同様にして
同量のHAT培地を添加した。その3日後、コロニー状
に生育してきた融合細胞のみられるウェルについて培養
上清の一部を採取し、抗「アンジオポエチン関連タンパ
ク質3」抗体価を上記(b)と同様の固相酵素免疫測定
法により測定し、それと同時にHT培地へ置き換えた。
【0433】(f) クローニング 抗体価の認められたウェルについては、限界希釈法によ
りクローニングを3回繰返し、安定して抗体価の認めら
れたクローンを抗「アンジオポエチン関連タンパク質
3」モノクローナル抗体産生ハイブリドーマ株として選
択した。ここで得られたハイブリドーマクローンの1つ
は、45B1と命名され、独立行政法人産業技術総合研
究所特許生物寄託センターに2002年3月13日付
で、寄託番号FERM BP−7963として寄託され
ている。
【0434】(g) モノクローナル抗体の精製 抗「アンジオポエチン関連タンパク質3」モノクローナ
ル抗体産生ハイブリドーマ45B1株の培養上清を回収
して、0.22μmのフィルター(ミリポア社)にて濾過
滅菌した後、MAbTrap GII(ファルマシア
社)を用いて抗体を精製した。以上の工程を経て抗「ア
ンジオポエチン関連タンパク質3」モノクローナル抗体
MAb45B1を得た。
【0435】(h) モノクローナル抗体の抗原特異性 上記(a)の1)で作製した「アンジオポエチン関連タ
ンパク質3」生産CHO細胞株の無血清培養上清とCH
O細胞の無血清培養上清とをそれぞれ吸着抗原として用
いたELISAにより、Mab45B1が「アンジオポ
エチン関連タンパク質3」に特異的であることを確認し
た。すなわち、「アンジオポエチン関連タンパク質3」
生産CHO細胞株の無血清培養上清とCHO細胞の無血
清培養上清とをそれぞれ100μlずつ96ウェルのE
LISA用プレート(マキシソープ;ヌンク社製)の各
ウェルに分注し、4℃で一晩保温して抗体をプレートウ
ェル底面に吸着させた。各ウェルをPBSで3回洗浄し
た後、3%(w/v)BSAを含むPBSを200μl
/ウェルずつ添加し、4℃で一晩保温した。その後、
0.05%(v/v)のTween20を含むPBS
(以下「PBST」という)で各ウェルを2回洗浄し、
これに、1%(w/v)BSAを含むPBSで段階希釈
した抗体産生ハイブリドーマ45B1培養上清を100
μl/ウェルずつ分注し、室温で1時間反応させた。そ
の後、0.05%(v/v)のTween20を含むP
BSで各ウェルを5回洗浄し、1%(w/v)BSAを
含むPBSで5000分の1に希釈したHRP標識化抗
マウスIgG抗体(アマシャムバイオサイエンス)を1
00μl/ウェルずつ分注し、37℃で1時間反応させ
た。さらに0.05%(v/v)のTween20を含
むPBSで各ウェルを5回洗浄し、ABTSパーオキシ
ダーゼ基質液(ロッシュ・ダイアグノスティクス)を1
00μl/ウェルずつ添加し、室温で30分間保温した
後、415nmの吸収を測定した。「アンジオポエチン
関連タンパク質3」生産CHO細胞株の無血清培養上清
を吸着させたウェルでは高い吸光度が見られ抗体の希釈
に従って吸光度が減少したのに対し、CHO細胞の無血
清培養上清を吸着させたウェルでは抗体の希釈によらず
低い吸光度しか見られなかった。
【0436】(i) モノクローナル抗体の分類 マウスモノクローナル抗体アイソタイピングキット(ア
マシャム社)を用いて解析した結果、この抗体は、Ig
G1サブクラスの抗体であると同定された。
【0437】実施例8.MAb45B1を用いた「アン
ジオポエチン関連タンパク質3」定量系 (a) ウサギ抗「アンジオポエチン関連タンパク質
3」ポリクローナル抗体の作製 アジュバントとしてフロインド完全アジュバント(ディ
フコ社)0.5mlを実施例7の(a)で精製した0.
5ml(100μg相当)の「アンジオポエチン関連タン
パク質3」に加え、連結針のついた注射筒内でエマルジ
ョンを形成させた後、雄ウサギの皮下に接種した。2回
目以降の免疫ではアジュバントとしてフロインド不完全
アジュバント(ディフコ社)を用いた。免疫は、約2週
間おきに8回行った。接種後、経時的に部分採血し、抗
体価の上昇を調べた。8回目の免疫後7日後に麻酔下で
全採血し、53.5mlの免疫血清を得た。該血清20
mlを、MAbTrap GIIキットを用いて精製し、
115mlの1.64mg/ml IgGが得られた。
【0438】以上の工程を経て、ウサギ抗「アンジオポ
エチン関連タンパク質3」ポリクローナル抗体(以下
「No.1抗体」という)を得た。
【0439】(b) HRP標識Fab´化ポリクロー
ナル抗体の作成 1)F(ab´)2の調製 30mlの1.64mg/ml No.1抗体を0.1
M酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5 0.1M Na
Clを含む)で透析したし、CENTRICON−30
(アミコン社)を用いて濃縮した。0.1M酢酸ナトリ
ウム緩衝液(pH4.5 0.1M NaClを含む)
で濃度を6mg/mlに合わせた。0.1M酢酸ナトリウム
緩衝液(pH4.5、0.1M NaClを含む)にて10mg/mlに溶解
したブタ胃・ペプシン(シグマ社)20μl(0.2m
g)を0.5mlの6mg/mlNo.1抗体に添加
し、37℃で6時間反応させた。反応液を0.1Mリン
酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)で透析した後、Ul
trogel AcA 44(インビトロジェン社)カ
ラム(1.5cm×45cm)−0.1Mリン酸ナトリ
ウム緩衝液(pH7.0)、流速0.35ml/mi
n、1画分0.5乃至1.0mlでゲル濾過した。N
o.1抗体F(ab´)2F画分を280nmの吸光度により確
認し、CENTRICON-30(アミコン社)を用いて濃縮した。
これらの操作を繰り返し、最終的に11.2mlの2.5mg/ml N
o.1 F(ab')2抗体が得られた。
【0440】2)Fab'の調製 11.2mlの2.5mg/ml No.1 F(ab
´)2抗体を0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.
0)で透析し、CENTRICON−30(アミコン社)
を用いて濃縮した。0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液
(pH6.0)で濃度を5mg/mlに合わせた。0.4
5mlの5mg/ml No.1 F(ab´)2抗体に
0.1M 2−mercapotethylamin
e、50mM EDTAを含む0.1Mリン酸ナトリウ
ム緩衝液(pH6.0)50μlを加え、37℃、90分
間反応させた。反応液をUltrogel AcA 4
4(インビトロジェン社)カラム(1.5×45cm)−
0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0,5mM
EDTAを含む)、流速0.35ml/min、1画分
0.5乃至1.0mlでゲル濾過した。No.1 Fa
b´抗体の存在を280nmの吸光度により確認した
後、CENTRICON−30(アミコン社)を用いて濃
縮した。これらの操作を繰り返し、最終的に11.4m
lの1.4mg/ml No.1Fab´抗体が得られ
た。
【0441】3)マレイミドペルオキシダーゼの調製 西洋ワサビ・ペルオキシダーゼ(シグマ社)36.8mg
を0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)にて
6.66mg/mlに溶解した。N,N−dimeth
ylformamideにてN−succinimid
yl−4−(N−maleimidomethyl) c
yclohexane−1−1carboxylate
(シグマ社)を溶解して濃度を70mMに合わせた。30
0μlの6.66mg/ml西洋ワサビ・ペルオキシダ
ーゼに30μlの70mM N−succinimid
yl−4−(N−maleimidomethyl) c
yclohexane−1−1carboxylate
を加え、30℃、30分間反応させた。反応液から沈殿
を遠心除去した後、Sephadex G−25のカラ
ム(1×30cm)−0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液
(pH6.0),流速0.4乃至0.6ml/min,1
画分0.5乃至1.0mlでゲル濾過した。ペルオキシ
ダーゼを含む画分を403nmの吸光度により確認し、
CENTRICON−30(アミコン社)を用いて濃縮
した。これらの操作を繰り返し、最終的に5.2mlの6.5mg
/mlマレイミドペルオキシダーゼが得られた。
【0442】4)マレイミド化ペルオキシダーゼとFa
b´の反応 0.71mlの1.4mg/mlのNo.1 Fab´
抗体に0.28mlの6.5mg/mlマレイミド化ペ
ルオキシダーゼを添加し、4℃、20時間反応させた。
反応後、50mM N−ethylmaleimide
を10μl添加した。Ultrogel AcA44(イ
ンビトロジェン社)カラム(1.5×45乃至100c
m)−0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)、
流速0.35ml/min、1画分1.0mlでゲル濾
過した。各画分の280nm及び403nmにおける吸
光度を測定し、さらに各画分のペルオキシダーゼ活性を
測定した。各画分に0.2%(w/v) thimero
sal(シグマ社)を終濃度0.002%になるように、
10%(w/v)ウシ血清アルブミンを終濃度0.1%に
なるように添加した後、4℃で保存した。ペルオキシダ
ーゼ標識Fab´の濃度はペルオキシダーゼ活性あるい
は403nmの吸光度から計算し、10μg/ml以上
の濃度で保存した。これらの操作を繰り返し、最終的に
8.6mlの0.78mg/mlのHRP標識化No.
1 Fab´抗体を得、以下の実験に用いた。
【0443】(c)「アンジオポエチン関連タンパク質
3」定量系の作製 実施例7の(g)で培養上清より得られた精製MAb4
5B1を0.1M炭酸緩衝液(pH9.6)で2μg/
mlに希釈し、これを100μlずつ96ウェルのEL
ISA用プレート(マキシソープ;ヌンク社製)の各ウェ
ルに分注し、4℃で一晩保温して抗体をプレートのウェ
ル底面に吸着させた。各ウェルをPBSで3回洗浄した
後、0.1%(w/v)BSAを含むPBSを200μ
l/ウェルずつ添加し、4℃で一晩保温した。0.05
%(v/v)のTween20を含むPBS(以下「P
BST」という)で各ウェルを2回洗浄し、これに、1
%(w/v)BSAおよび0.05%(v/v)のTw
een20を含むPBSで段階希釈した試料(精製「ア
ンジオポエチン関連タンパク質3」あるいはヒト血漿)
を100μl/ウェルずつ分注し、4℃で一晩保温し
た。0.05%(v/v)のTween20を含むPB
Sで各ウェルを7回洗浄し、1%(w/v)BSAおよ
び0.05%(v/v)のTween20を含むPBS
で0.5μg/mlに希釈したHRP標識化No.1
Fab´抗体を100μl/ウェルずつ分注し、37℃
で30分間反応させた。0.05%(v/v)のTwe
en20を含むPBSで各ウェルを9回洗浄し、TMB
パーオキシダーゼ基質液(バイオラッド社 TMBパー
オキシダーゼキット)を100μl/ウェルずつ添加
し、室温で30分間保温した後、1N硫酸を100μl
/ウェルずつ分注し、ペルオキシダーゼ反応を停止させ
てから、マイクロプレートリーダー(バイオラッド社
製)で450nmの吸収を測定した。その結果、精製
「アンジオポエチン関連タンパク質3」濃度と測定結果
が正比例したことから、このELISA系により「アン
ジオポエチン関連タンパク質3」を直線性良く定量可能
であることが判明した(図6参照)。ヒト血漿を試料と
した場合も該ELISA系により検出可能であった。
【0444】実施例9. アデノウイルスベクターを用
いた組換えポリペプチドの産生 (1)DNAの調製 1)コザック配列の挿入 参考例2記載の、高脂血症の治療または予防剤を試験す
るための方法において、遺伝子発現量を検出するために
クローニングされたcDNAに、コザックのコンセンサ
ス配列が付加されたcDNAクローンを得るため、下記
のヌクレオチド配列:5'- gccaccatggtcacaattaagctcct
tctttttattg -3'(配列表の配列番号42)および、制
限酵素XhoIの特異的認識配列が付加された下記のヌ
クレオチド配列:5'- tctagagcctcgttcattcaaagctttctg
aatctg -3'(配列表の配列番号43)からなるオリゴヌ
クレオチドプライマーを合成した。ここで、配列番号4
2に示されるプライマーの一部は配列表の配列番号53
に示される「アンジオポエチン関連タンパク質3」のc
DNAのヌクレオチド番号25乃至55であり、配列番
号43に示されるプライマーの一部は配列表の配列番号
53のヌクレオチド番号1385乃至1415のアンチ
センスに該当する。
【0445】次に、参考例2記載の方法で得られた組換
えファージミドpTrip/h55−1に挿入されてい
るヒトcDNA(Genbankデータベースに「アン
ジオポエチン関連タンパク質3」をコードするヌクレオ
チド配列として開示されているもの)約0.4μg/m
lを鋳型とし、上記プライマー(それぞれ0.4m
M)、Tbr EXT DNAポリメラーゼ(フィンザ
イム社製)、1×PCR反応緩衝液(DNAポリメラー
ゼに添付の10×緩衝液を10分の1量)、2mMの塩
化マグネシウム、各0.4mMのdNTPs存在下でP
CRを行った。PCRは上記サンプルを94℃で3分間
加熱した後に、94℃で30秒、55℃で30秒、72
℃で1分の温度サイクル30回、最後に68℃で2分間
保温の条件で行なった。
【0446】PCRの結果得られた増幅断片(約1.4
kbp)を、TAクローニングキット(インビトロジェ
ン社製)に添付されたプラスミドベクターpCR2.1
へ挿入し、挿入断片を含むプラスミドクローン(pCR
/KhAP5)を単離した。DNAシークエンサー(A
BI PRISM 3700、アプライドバイオシステ
ムズ社製)で挿入断片の配列を解析して、PCRの際に
該挿入断片内に変異が生じていないことを確認した。
【0447】次に、pCR/KhAP5を制限酵素Ec
oRIおよびXbaIで消化して、生成した断片のう
ち、ヒト・「アンジオポエチン関連タンパク質3」をコ
ードするcDNAを含む断片を、予め制限酵素EcoR
IおよびXbaIで消化した哺乳動物細胞発現ベクター
pME18Sに挿入することにより、組換えプラスミド
pME18S/KhAP5を得た。
【0448】2)部分欠失変異体の作製 a)カルボキシル末端側領域を欠失した変異体 上記1)で得られた組換えプラスミドpME18S/K
hAP5を制限酵素SpeIで消化し、T4 DNAポ
リメラーゼで切断末端を平滑端化した後に、DNAリガ
ーゼ反応を行って再び両端を連結することにより、ヒト
・「アンジオポエチン関連タンパク質3」のシグナルペ
プチドを含むアミノ酸配列中のアミノ末端から207番
目のアミノ酸残基(セリン)をコードするコドン(at
c)の後に終止コドン(tag)が挿入された組換えプラス
ミドpME18S/KhAP5CCを構築した。この組
換えプラスミド中の挿入断片のヌクレオチド配列は配列
表の配列番号11に示す通りである。
【0449】b)アミノ末端側領域を欠失した変異体 上記1)で得られた組換えプラスミドpME18S/K
hAP5を制限酵素BclIおよびSpeIで消化し、
ヒト・「アンジオポエチン関連タンパク質3」のシグナ
ルペプチドを含むアミノ酸配列中のアミノ末端から20
7番目のアミノ酸残基(セリン)までをコードするcD
NA配列のみを含む断片を除いた後、T4 DNAポリ
メラーゼ切断末端を平滑端化し、DNAリガーゼ反応を
行って再び両端を連結した。この操作により、pME1
8S/KhAP5の中の、ヒト・「アンジオポエチン関
連タンパク質3」のシグナルペプチドを含むアミノ酸配
列中の21乃至206番目のアミノ酸をコードするヌク
レオチド配列がプロリンをコードするコドン(cct)で
置換された組換えプラスミドpME18S/KhAP5
FLDを構築した。この組換えプラスミド中の挿入断
片のヌクレオチド配列は配列表の配列番号13に示す通
りである。
【0450】(2)組換えアデノウイルスの調製 上記(1)で得られた組換えプラスミドpME18S/
KhAP5 CCとpME18S/KhAP5 FLD
中に存在する「アンジオポエチン関連タンパク質3」遺
伝子の一部領域欠失変異体をコードする遺伝子が、組込
まれた組換えアデノウイルスは、アデノウイルス発現ベ
クターキット(宝酒造(株)社製)を用いて以下に記載
する方法に従って作製した。
【0451】まず、上記で(1)で得られた組換えプラ
スミドpME18S/KhAP5CCおよびpME18
S/KhAP5 FLDを、それぞれ制限酵素EcoR
IおよびXbaIで消化して、得られたそれぞれ約1.
4kbおよび約0.9kbのDNA断片を回収し、切断
末端を平滑化した。次に、サイトメガロウイルスエンハ
ンサーとニワトリβ−アクチンプロモーターにより挿入
遺伝子が発現されるように設計されているコスミドベク
ターpAxCAwtのSwaI切断部位にこれらの断片
をそれぞれ挿入し、組換えコスミドpAxCA/KhA
P5 CCおよびpAxCA/KhAP5 FLDを調
製した。
【0452】これらの組換えコスミドDNAと末端タン
パク質結合ウイルスDNA(DNA−TPC、アデノウ
イルス発現ベクターキットに添付)をリン酸カルシウム
トランスフェクションシステム(ライフテック社製)を
用いて293細胞(ATCCCRL1573)にコ・ト
ランスフェクションして、組換えアデノウイルスAd/
KhAP5 CC、Ad/KhAP5 FLDを単離
し、さらに293細胞内で増幅させた。増幅させたウイ
ルスの293細胞からの回収は、まずウイルス感染29
3細胞に30秒×4回の超音波処理(ブランソン社製B
−1200を使用)を行うか、または凍結融解を3回繰
り返し、次いで塩化セシウム密度勾配遠心による精製を
2回繰り返すことによって行った。得られたウイルス液
を、10% グリセロールを添加したPBSに対して4
℃で透析した後、使用するまで−70℃以下で凍結保存
した。
【0453】(3)組換えアデノウイルスによる目的タ
ンパク質の発現の確認 上記(2)記載の方法で得られた組換えアデノウイルス
をHeLa細胞に感染させて、目的タンパク質の発現を
確認した。
【0454】まず、上記(2)記載の方法で得られた組
換えアデノウイルスをそれぞれHeLa細胞(ATCC
CCL2)に約5m.o.i.(multiplicity of in
fection:多重感染度)で感染させ、無血清培地(ダル
ベッコ修正イーグル培地(DMEM))で3乃至4日培
養した後の培養上清を回収した。培養上清1mlを1.
5ml容のエッペンドルフチューブに入れ、100μl
のトリクロロ酢酸溶液(1g/ml トリクロロ酢酸、
4mg/ml デオキシコール酸)を添加して室温で3
分間放置後、卓上遠心機にて15000rpmで5分遠
心した。上清を除いて、氷冷したアセトンを0.5ml
加えて攪拌し、卓上遠心機にて15000rpmで2分
遠心した。上清を除いて、沈殿に再度氷冷したアセトン
を0.5ml加えて攪拌し、卓上遠心機にて15000
rpmで2分遠心して、上清を除き、沈殿物を真空乾燥
した。この沈殿物をそれぞれ10μlの蒸留水に溶解さ
せ、2−メルカプトエタノールを含むSDS−PAGE
試料緩衝液(バイオラッド社製)と混合した後、99℃
で5分間加熱して、電気泳動用試料を調製した。これら
試料をゲル濃度4−20%のポリアクリルアミド密度勾
配ゲルにて電気泳動した(電気泳動用緩衝液:25mM
トリス、192mM グリシン、0.1%SDS)
後、転写緩衝液(25mM トリス、192mM グリ
シン、20%メタノール)中で4℃、1時間、200m
Aの条件でニトロセルロースメンブレンに転写した。
【0455】転写したメンブレンは0.5% スキムミ
ルクを添加したPBS液中に浸して4℃で一晩ブロッキ
ングし、洗浄液(0.05% Tween20−PB
S)で3回洗浄した。次いで、メンブレンを、約270
ng/mlの55−1−N1抗体または約1μg/ml
の55−1−C1抗体および5% ウシ胎児血清を含む
0.05% Tween20−PBS液中に入れて室温
で1時間インキュベーションした後、洗浄液で3回洗浄
した。なお、これら抗体はいずれも実施例2記載の方法
で取得された。55−1−N1抗体はヒト「アンジオポ
エチン関連タンパク質3」のアミノ末端側に特異的に結
合する抗体であり、55−1−C1抗体は同じくカルボ
キシル末端側に特異的に結合する抗体である。
【0456】さらに、メンブレンを西洋ワサビペルオキ
シダーゼ標識ヤギ抗ウサギIgG(H+L)(バイオラ
ッド社製)を5% ウシ胎児血清を含む0.05% T
ween20−PBSで2000倍希釈した反応液中で
室温で1時間インキュベーションした後、洗浄液で5回
洗浄した。このメンブレンをラップフィルム上に置き、
発光試薬溶液(ECLウエスタン検出試薬。アマシャム
・ファルマシア・バイオテク社製)に1分間浸した後、
1時間室温で放置してバックグラウンドを減衰させてか
ら、X線フィルムを感光させた(10秒間)。このX線
フィルムを現像した結果、組換えアデノウイルスを感染
させたHeLa細胞において、それぞれ目的のポリペプ
チドが産生されていることが確かめられた。
【0457】(4)組換えアデノウイルスを接種したK
K/Snkマウスの血中中性脂肪濃度の測定 上記で精製した組換えアデノウイルスAd/KhAP5
CCおよびAd/KhAP5 FLDを10% グリ
セロール添加PBSで2.0×1010pfu/mlおよ
び1.0×1010pfu/mlに希釈し、それぞれ3匹
の19週齢の雄KK/Snkマウスに300μlずつ尾
静脈注射により接種した。また、陰性対照として、10
% グリセロール添加PBSを300μlずつ3匹の1
9週齢の雄KK/Snkマウスに尾静脈注射により接種
した。
【0458】接種1日後に、各マウスの眼底よりヘマト
クリット管で採血し、卓上遠心機で5200rpmで1
5分間遠心して血漿を分離し、キット(トリグリセリド
E−テストワコー。和光製薬(株)社製)を用いて中性
脂肪濃度を測定した。
【0459】その結果、Ad/ KhAP5 FLD接
種マウス群と10% グリセロール添加PBS接種マウ
ス群では、血中の中性脂肪濃度に有意な差が認められな
かった(いずれも50mg/dL以下)のに対し、Ad
/KhAP5 CC接種マウス群では血中の中性脂肪濃
度の顕著な上昇が認められた(3000mg/dL以
上)。
【0460】本実施例の方法において、例えばAd/K
hAP5 CCを接種したマウスに、被験物質を投与
し、血中中性脂肪濃度の変動を調べることにより、高脂
血症、動脈硬化および高血糖から選択される一つまたは
二つ以上の疾患の治療または予防剤の試験を行うことが
できる。
【0461】実施例10. 融合タンパク質の活性評価 (1)融合タンパク質発現形質転換大腸菌の作製 配列表の配列番号12のアミノ酸番号17乃至207、
同アミノ酸番号17乃至195、または同アミノ酸番号
17乃至147に示されるアミノ酸配列からなるポリペ
プチドのアミノ末端にグルタチオン・S・トランスフェ
ラーゼ(以下「GST」という)が連結している融合タ
ンパク質(以下、順番にそれぞれ「GST−CC」、
「GST−CCdel」および「GST−C1」とい
う。)を以下に記載する方法に従って調製した。
【0462】まず、PCR用プライマーとして、下記の
ヌクレオチド配列:5'- cggaattccctccagaattgatcaag -
3'(GST−CC、GST−CCdelおよびGST−
C1共用のセンスプライマー。配列表の配列番号4
4);5'- ccgctcgagactagtccttctgagctg -3'(GST
−CC用アンチセンスプライマー。配列表の配列番号4
5);および5'- ccgctcgagttgactatgctgttggtt -3'
(GST−CCdel用アンチセンスプライマー。配列
表の配列番号46);および5'- ccgctcgaggttagttagtt
gctcttc -3'(GST−C1用アンチセンスプライマ
ー。配列表の配列番号47)を合成した。
【0463】次に、実施例3記載のcDNA(pMEh
55−1)を鋳型とし、センスプライマーおよびアンチ
センスプライマー(それぞれ0.2μM)、Tbr E
XTDNAポリメラーゼ、1×PCR緩衝液(Tbr
EXT DNAポリメラーゼに添付の10×緩衝液を1
0倍希釈)、2mMの塩化マグネシウムおよび各0.4
mMのdNTPs存在下でPCRを実施した。PCR
は、上記サンプルを94℃で3分間加熱した後に、94
℃で30秒、55℃で30秒、72℃で1分の温度サイ
クル30回、最後に72℃で5分間の条件で行なった。
【0464】PCRではそれぞれについて、約580b
p(GST−CC用アンチセンスプライマー使用)、約
540bp(GST−CCdel用アンチセンスプライ
マー使用)および約400bp(GST−C1用アンチ
センスプライマー使用)のDNA断片が増幅した。増幅
したDNA断片を回収し、それぞれについて、EcoR
IおよびXhoIで消化した。EcoRIおよびXho
Iで消化してからウシ小腸アルカリホスファターゼ(宝
酒造(株)社製)を用いて切断末端の脱リン酸化処理を
行ったプラスミドベクターpGEX−4T−2(GST
をコードする遺伝子を含む。アマシャム・ファルマシア
・バイオテク社製)に、このEcoRIおよびXhoI
で消化した、DNA断片をそれぞれ挿入し、3種の挿入
断片を含む3種のプラスミドクローンを単離した。GS
T−CC用アンチセンスプライマーで増幅した断片を有
するプラスミドクローンをpGST−CC、GST−C
Cdel用アンチセンスプライマーを使用して増幅した
断片を有するプラスミドクローンをpGST―CCde
l、GST−C1用アンチセンス用プライマーを使用し
て増幅した断片を有するプラスミドクローンをpGST
−C1と命名した。
【0465】プラスミドクローンpGST−CC、pG
ST−CCdel、pGST−C1または、挿入断片を
含まずGSTのみを発現させるためのコントロールベク
ターpGEX−4T−2のそれぞれで大腸菌JM109
株を形質転換した。形質転換は大腸菌JM109のコン
ピテントセルにプラスミドを添加し、氷上で30分間静
置した後、42℃で30秒間保温し、再び氷上で2分間
静置してから、37℃で1時間振盪培養をすることによ
って行なった。形質転換後の培養液をアンピシリン添加
LB寒天プレート上に撒き、出現した組換え体のコロニ
ーをピックアップして液体培養し、IPTG誘導による
組換えタンパク質の発現を確認した。
【0466】(2)融合タンパク質の調製 1)形質転換大腸菌の培養 プラスミドクローンpGST−CC、pGST−CCd
el、pGST−C1及びコントロールベクターpGE
X−4T−2を保持する形質転換大腸菌をそれぞれ、ア
ンピシリン入りのLB培地に植菌し、37℃で18時間
振とう培養した。培養液の一部を新しい培地に添加し、
さらに37℃にて振とう培養を行なった。600nmで
の吸光度が0.5−0.7に達した時に、最終濃度1m
Mとなるようにイソプロピル・チオガラクトピラノシド
(IPTG)を添加しさらに4時間振とう培養を継続し
た。
【0467】2)pGEX−4T−2を保持する大腸菌
からの細胞破砕液の調製 コントロールベクターpGEX−4T−2で形質転換し
た大腸菌の培養液を4℃、6000rpm、10分間の
条件で遠心処理して沈殿した菌体を回収した。回収した
菌体を超音波処理用緩衝液(50mM トリス−塩酸
(pH8.0)、50mM 塩化ナトリウム、1mM
EDTA、1mM DTT)で懸濁し、懸濁液を4℃、
6000rpm、10分間の条件で遠心処理した。沈殿
を−80℃で凍結し、次いで室温にて融解して再度超音
処理用緩衝液に懸濁した。懸濁液を氷浴中で超音波破砕
器(トミー精工(株)社製UD−201)によって、出
力=5、デューティ=50の条件で5分間処理した。超
音波処理後の破砕液に最終濃度1%となるようにトリト
ン X−100を添加し混和し、4℃、10000rp
m、30分間の条件で遠心処理し、上清を回収した。上
清はGSTrapカラム(アマシャム・ファルマシア・
バイオテク社製)中に流した。
【0468】3)pGST−CC、pGST−CCde
l、pGST−C1を保持する大腸菌からの細胞破砕液
の調製 組換えプラスミドpGST−CC、pGST−CCde
l、pGST−C1で形質転換した大腸菌の培養液それ
ぞれを、4℃、5000rpm、15分間の条件で遠心
処理し、沈殿した菌体を回収した。沈殿した菌体に対し
て、洗浄用緩衝液(0.5% トリトン X−100、
1mM EDTA)での懸濁、4℃、5000rpm、
10分間の条件での遠心処理、の操作を3回繰り返し、
得られた菌体を8M 尿素溶液に溶解した。この溶液を
室温に1時間放置した後、4℃、13000rpm、3
0分間の遠心処理を行ない上清を回収した。組換えプラ
スミドpGST−CC、pGST−CCdel、pGS
T−C1で形質転換した大腸菌の由来の培養液から得ら
れた3種の上清について透析を行なった。透析は、4M
尿素溶液に対して4℃で1時間、2M 尿素溶液に対
して4℃で1時間、超音波処理用緩衝液に対して4℃で
1時間、超音波処理用緩衝液に対して4℃で一晩の順で
行なった。透析後、4℃、12000rpm、30分間
の条件で遠心し、上清をそれぞれGSTrapカラム中
に流した。
【0469】4)融合タンパク質の精製 上記の工程を経てGST、GSTとの融合タンパク質G
ST−CC、GST−C1またはGST−CCdelが
吸着したGSTカラムにPBSを流してカラム内を洗浄
して不純物を除去した。次いで、10mM 還元型グル
タチオン溶液を流して、GST、GSTとの融合タンパ
ク質GST−CC、GST−C1又はGST−CCde
lを溶出させた。溶出液の一部をSDS−PAGE電気
泳動にで分離した後、ゲルをクマシー染色して、タンパ
ク質の存在を確認した。また、溶出液をPBSで4℃、
一晩透析した。ここで、プラスミドpGEX−4T−2
を保持する形質転換体から精製されたタンパク質がGS
Tであり、以下同様にpGST−CC、pGST−C
1、pGST−CCdel由来のタンパク質がそれぞ
れ、GST−CC、GST−C1、GST−CCdel
である。
【0470】(3)血中中性脂肪濃度上昇活性 上記(2)で得られたGST、GST−CC、GST−
C1、GST−CCdelおよびGST−C1を、PB
Sでタンパク質濃度約1mg/mlに調整した後に、そ
れぞれ3匹、4匹、2匹および5匹の19週齢の雄KK
Snkマウスに300μlずつ尾静脈注射により接種
した。採血は摂取前と摂取30分後に行なった。ヘマト
クリット管で各マウスの眼底より採血して、卓上遠心機
で5200rpm、15分間遠心して血漿を分離し、接
種前後における血中中性脂肪(トリアシルグリセロー
ル)濃度を測定した。
【0471】その結果を図8に示した。図8のグラフ
中、縦軸は、血漿100ml中の中性脂肪(トリアシル
グリセロール)量を示している。横軸は各融合タンパク
質を示す。GST接種マウス群(図8の「GST」)で
は接種前後で差が認められなかったのに対し、GST−
C1接種マウス群(図8の「C1」)では若干ながら血
中中性脂肪濃度の上昇が認められた。一方、GST−C
CおよびGST−CCdel接種マウス群(図8の「C
C」および「CCdel」)では血中中性脂肪濃度の顕
著な上昇が認められた。
【0472】本実施例の方法において、例えばGST−
CCあるいはCCdelを接種したマウスに、被験物質
を投与し、血中中性脂肪濃度の変動を調べることによ
り、高脂血症、動脈硬化および高血糖から選択される一
つまたは二つ以上の疾患の治療または予防剤の試験を行
うことができる。
【0473】実施例11. LPL活性測定法 (1)ラット脂肪細胞由来LPLを用いる方法 1)LPL試料の調製 ラット白色脂肪前駆細胞(ホクドー社より購入)を増殖
用培地[10% ウシ胎児血清(以下「FCS」とい
う)、100単位/ml ペニシリン、100μg/m
l ストレプトマイシン、17μM パントテン酸、3
3μM (+)−ビオチン、100μM アスコルビン
酸、1μM オクタン酸および50nMトリヨードチロ
ニンを含むダルベッコ変法イーグル培地(以下「DME
M」という)]の入った細胞培養用フラスコ(培養面積
25cm2)中で37℃で24時間培養した後、培地を
分化誘導用培地(10% FCS、100単位/ml
ペニシリン、100μg/ml ストレプトマイシン、
17μM パントテン酸、33μM (+)−ビオチ
ン、100μM アスコルビン酸、1μM オクタン
酸、50nM トリヨードチロニン、10μg/ml
インスリンおよび2.5μM デキサメタゾンを含むD
MEM)に交換し、37℃でさらに48時間培養した。
その後、脂肪細胞維持培地(10% FCS、100U
/ml ペニシリン、100μg/ml ストレプトマ
イシン、17μM パントテン酸、33μM (+)−
ビオチン、100μM アスコルビン酸、1μMオクタ
ン酸、50nM トリヨードチロニンおよび10μg/
ml インスリンを含むDMEM)に交換し、2乃至3
日目に10% FCS、50ng/ml インスリンお
よび10単位/ml ヘパリンナトリウムを含有するD
MEM培地を2ml加え、1時間培養した後、この培養
上清を回収してLPL活性の測定に用いた。
【0474】2)LPL活性測定 LPL活性の測定法は、文献記載の方法(Nilsson-Ehl
e, P. and Schotz, M.C.(1976) J.Lipid Res. 17, 536-
541)に従った。なお、配列表の配列番号4のアミノ酸
番号17乃至460に示されるアミノ酸配列からなるポ
リペプチド(アンジオポエチン関連タンパク質3。)
は、実施例6記載の方法に従って調製した。
【0475】まず、上記1)記載の方法で調製した培養
上清100μlを等量の基質溶液[2mM グリセロー
ル・トリ[9,10(n)−3H]オレイン酸(131
KBeq/μmol、アマシャム社製)、0.189μ
g/ml L α−ホスファチジルコリン(シグマ社
製)、14mg/ml ウシ血清アルブミン(シグマ社
製)、140mM トリス−塩酸(pH8.0)、15
%(v/v)グリセロール、10%(v/v)非働化F
CS]と混合し、そこへ精製したアンジオポエチン関連
タンパク質3を加え、37℃で120分間保温した。そ
の後、1.05mlの0.1M 炭酸カリウム・ほう酸
緩衝液(pH10.5)と3.25mlのメタノール:
クロロホルム:ヘキサン=141:125:100(v
/v)を加えて反応を停止させ、強く撹拌した後、30
00×gで15分間遠心分離した。水−メタノール層の
3Hカウントを液体シンチレーションカウンターにて測
定した。LPL活性の1単位は、1μmolの脂肪酸を
1分間に生成する活性として定義した。その結果を表5
に示した。
【0476】
【表5】 ―――――――――――――――――――――――――――――― ポリペプチド1 LPL活性の相対値 (μg/ml) (%) ―――――――――――――――――――――――――――――― 0 100±13 1 84±9 2.5 64±1 5 52±3 10 29±3 ―――――――――――――――――――――――――――――― アンジオポエチン関連タンパク質3はLPLの活性を用
量依存的に抑制した。この実験系において、リパーゼ反
応の際に被験物質を添加すれば、該物質がLPLの活性
を調節する作用を有するか否かを調べることができる。 (2) マウスヘパリン静注後血漿を用いる方法 C57BL/6jマウスにヘパリンナトリウムを尾静脈
投与し(100単位/kg)、10分後に腹大動脈より
採血を行ない、遠心分離によりヘパリン静注後血漿を調
製し、LPL活性測定に使用した。ただし、血漿を用い
た場合、上記(1)の2)に記載の条件で測定を行う
と、血漿中に含まれる肝臓由来のHTGLとLPLとの
両リパーゼ活性が測定される。そこで、それらを分別し
て測定するために、まず、上記(1)の2)に記載の条
件でリパーゼ反応を行ってリパーゼ活性を測定し、得ら
れた結果を「総リパーゼ活性」とした。一方、別に、終
濃度1Mとなるように塩化ナトリウムを反応液に加える
ことによりLPLを不活化した条件でリパーゼ反応を行
い、血漿中に残存するHTGLのリパーゼ活性のみを測
定した。このようにして得られた総リパーゼ活性からH
TGL活性を差し引いた値をLPL活性とした。その結
果を表6に示した。
【0477】
【表6】 ―――――――――――――――――――――――――――――― ポリペプチド1 HTGL活性 LPL活性 の相対値 の相対値 (μg/ml) (%) (%) ―――――――――――――――――――――――――――――― 0 100±8 100±0 1 109±13 93±2 2.5 94±4 82±5 5 80±2 70±5 10 64±7 49±5 ―――――――――――――――――――――――――――――― アンジオポエチン関連タンパク質3は、マウスヘパリン
静注後血漿中のLPLおよびHTGLの両者に対してそ
の活性をイン・ビトロで阻害することが明らかになっ
た。この実験系において、総リパーゼ活性を測定するた
めのリパーゼ反応時に被験物質を添加すれば、該物質が
LPLまたはHTGLのいずれかの活性を調節する作用
を有するか否かを調べることができる。同様に、HTG
L活性を測定するためのリパーゼ反応時に被験物質を添
加すれば、該物質がHTGLの活性を調節する作用を有
するか否かを調べることができる。
【0478】実施例12. 融合タンパク質のLPL活
性阻害効果 GST−CC、GST−CCdelまたはGSTを用い
てアンジオポエチン関連タンパク質3の代わりに用いて
実施例11の(1)記載の方法でLPLの活性を測定し
た。GST(10μg/ml)を添加したときのLPL
活性を100%とし、GST−CCあるいはGST−C
Cdelを添加したときの相対的LPL活性を算出し
た。その結果を表7に示した。
【0479】
【表7】 ―――――――――――――――――――――――――――― GST−CC LPL活性の相対値 (μg/ml) (%) ―――――――――――――――――――――――――――― 1 97±4 2.5 91±2 5 81±4 10 62±1 ―――――――――――――――――――――――――――― GST−CCdel LPL活性の相対値 (μg/ml) (%) ―――――――――――――――――――――――――――― 1 88±2 2.5 84±2 5 69±7 10 47±1 ―――――――――――――――――――――――――――― GST−CCおよびGST−CCdelはLPLの活性
を用量依存的に抑制した。この実験系において、リパー
ゼ反応の際に被験物質を添加すれば、該物質がLPLの
活性を調節する作用を有するか否かを調べることができ
る。
【0480】実施例13. ヒスチジンタグが付加され
たポリペプチドの調製とLPL阻害活性 (1)ヒスチジンタグが付加されたポリペプチドの調製 「アンジオポエチン関連タンパク質3」のシグナルペプ
チドを含むアミノ酸配列中のアミノ末端から20番目の
アミノ酸残基(アスパラギン酸)をコードするコドンの
直後にヒスチジンタグが挿入され、かつアミノ末端から
208番目以降のアミノ酸配列を欠失したポリペプチド
KhAP5 CC/Hisを、以下に記載する方法に従
って調製した。
【0481】1)ヒスチジンタグの挿入 「アンジオポエチン関連タンパク質3」の前駆体のアミ
ノ酸配列のアミノ末端から20番目(成熟体のアミノ酸
配列の4番目)に相当するアミノ酸(アスパラギン酸)
のカルボキシル末端側に、ヒスチジンタグ(配列表の配
列番号26のアミノ酸番号21乃至28に示されるアミ
ノ酸配列)が挿入されるように、実施例9の(1)の
1)で得られた組換えプラスミドpME18S/KhA
P5を改変した。
【0482】まず、一部が相補的な、下記のヌクレオチ
ド配列からなるオリゴヌクレオチド:5'- gatccgcatcat
caccatcaccat -3'(配列表の配列番号48)および5'-
gatcatggtgatggtgatgatgcg -3'(配列表の配列番号4
9)を合成し、さらに合成DNA末端リン酸化試薬フォ
スファリンク(アプライドバイオシステム社製)を用い
て5'末端をリン酸化した。これらをアニーリングさせ
たものを、pME18S/KhAP5を制限酵素Bcl
Iで完全に消化して得られた約4.2kbの断片に挿入
した。その結果として、上記のアニーリングさせたオリ
ゴヌクレオチドが3単位連結したDNAが、BclI切
断部位に挿入されたプラスミドクローンが得られた。次
に、このクローンをBclIで消化したものに、pME
18S/KhAP5をBclIで完全に消化して得られ
る約180bpの断片を挿入することにより、プラスミ
ドpME18S/KhAP5/His+16を得た。
【0483】プラスミドpME18S/KhAP5/H
is+16には、ヒスチジンタグをコードする配列が3
単位含まれており、その中の3'末端側の2単位は、目
的とは逆の方向に連結された余分な配列である。この配
列を省いた断片をPCRにより増幅するために、センス
/アンチセンス兼用プライマーとして、以下のヌクレオ
チド配列:5'-gaattgatcagcatcatcaccatcaccacgatc-3'
(配列表の配列番号50)からなるオリゴヌクレオチド
プライマーを合成した。次いで、pME18S/KhA
P5/His+16(0.4μg/ml)を鋳型とし、
上記プライマー(0.4mM)、Tbr EXT DN
Aポリメラーゼ(フィンザイム社製)、1×PCR反応
緩衝液(DNAポリメラーゼに添付の10×緩衝液を1
0分の1量)、2mMの塩化マグネシウム、各0.4m
MのdNTPs存在下でPCRを行った。PCRは、ま
ず94℃で2分加熱した後に、94℃で30秒、60℃
で30秒、72℃で30秒の温度サイクルを30回繰り
返し、最後に72℃で7分間保温するという条件で行な
った。
【0484】PCRの結果得られた増幅断片(268b
p)をBclIで消化した後、pME18S/KhAP
5をBclIで完全に切断して得られた約4.2kbの
断片に挿入した。以上の操作により、pME18S/K
hAP5に挿入されているcDNA配列中に存在する2
ヶ所のBclI切断部位のうち、上流側の切断部位に、
ヒスチジンタグをコードするヌクレオチド配列(配列表
の配列番号25のヌクレオチド番号78乃至101)が
挿入されたDNAを含む組換えプラスミドpME18S
/KhAP5/Hisを得た。
【0485】2)カルボキシル末端側を欠損した改変体
の作製 上記1)で得られたプラスミドpME18S/KhAP
5/Hisを制限酵素SpeIで消化し、T4 DNA
ポリメラーゼで切断末端を平滑化した後に、DNAリガ
ーゼ反応を行って再び両端を連結することにより、「ア
ンジオポエチン関連タンパク質3」のシグナルペプチド
を含むアミノ酸配列中のアミノ末端から207番目のア
ミノ酸残基(セリン)をコードするコドン(atc)の後
に終止コドン(tag)が挿入され、またアミノ末端から
20番目のアミノ酸残基(アスパラギン酸)をコードす
るコドンの直後にヒスチジンタグをコードするヌクレオ
チド配列が挿入されたDNA(配列表の配列番号25)
を含む組換えプラスミドpME18S/KhAP5 C
C/Hisを構築した。
【0486】3)COS−1細胞での発現 直径150mm組織培養用シャーレ(コーニング社製)
に、COS−1細胞(0.5×106細胞)を懸濁した
10% ウシ胎児血清(以下「FCS」という。ギブコ
社製)を含むダルベッコ変法イーグル培地(以下「DM
EM」という。ギブコ社製)30mlを入れて、37
℃、5%炭酸ガス下で3日間培養した。その後、培地を
除去してから、トランスフェクション試薬(リポフェク
タミン2000180μlとOPTIMEM−I溶液
(いずれもギブコ社製) 3mlとを混濁したもの)に
36μgのpME18S/KhAP5 CC/Hisを
加えて混ぜたものをCOS−1細胞に加えることによ
り、トランスフェクションを行った。トランスフェクシ
ョン後、37℃、5%炭酸ガス下で3日間静置した。以
上の操作をシャーレ130枚分のCOS−1細胞に対し
て実施し、総計約4.4Lの培養上清を集めた。この培
養上清を、0.22μmセルロースアセテート製ボトル
トップフィルター(コーニング社製)を用いて吸引ろ過
して、ろ液を回収した。
【0487】4)発現量、濃度の確認 上記3)で回収されたろ液の一部と、実施例6に記載の
方法で精製された「アンジオポエチン関連タンパク質
3」についてSDS−PAGEを実施し、ゲル内のタン
パク質をニトロセルロース膜(バイオラッド社製)にウ
ェット法で転写した(0.2A、90分、4℃)。この
ニトロセルロース膜を、5% スキムミルク(雪印乳業
(株)社製)を含むPBS−0.05% ツイーン20
溶液(以下「PBS−T」という)に一晩浸してブロッ
キングを行った。次いで、ニトロセルロース膜をPBS
−Tで洗浄した後、ウエスタンブロットを行った。一次
抗体には実施例2記載の55−N1抗体を、二次抗体に
は西洋ワサビペルオキシダーゼ標識された抗ウサギポリ
クローナルIgG抗体(アマシャム社製)を使用した。
55−N1抗体が特異的に結合したバンドの検出には、
ECL試薬(アマシャム社製)を用いた。その結果、上
記3)で得られたろ液中には約1.0乃至1.5mg/
リットル(全ろ液中に4.4乃至6.6mg)のKhA
P5 CC/Hisが含まれていることが明らかになっ
た。
【0488】5)KhAP5 CC/Hisの精製 上記3)で得られたろ液の全量について、限外ろ過装置
(TIFFラボスケールおよび30KDa孔径の限外ろ
過膜(いずれもミリポア社製))を用いて、440ml
となるまで限外濃縮した。さらに、得られた試料に、限
外ろ過装置中で20mM リン酸ナトリウム、0.5M
塩化ナトリウム、0.1% アジ化ナトリウムおよび
0.05% プロテアーゼインヒビターカクテル(シグ
マ社製)を含む緩衝液(pH7.4)4リットルを徐々
に加えながら限外ろ過を続行することにより、溶媒が該
緩衝液に置換された試料を得た(液量600ml)。
【0489】一方、キレーティングカラム(HiTra
pキレーティング 5mlカラム。アマシャム社製)に
0.1Mの硫酸ニッケル 5mlを約5ml/分の流速
で流すことにより、担体にニッケルイオンを結合させ
た。このカラムに超純水を流して洗浄した後、HPLC
送液システム(アマシャム社製)に装着して、以下に記
載する条件で試料のアフィニティー精製を行った。
【0490】溶媒: A液: 20mM リン酸ナトリウム、0.5M 塩化
ナトリウム(pH7.4)、0.1% アジ化ナトリウ
ム、0.05% プロテアーゼインヒビターカクテル
(シグマ社製) B液: 20mM リン酸ナトリウム、0.5M 塩化
ナトリウム、0.5Mイミダゾール(pH7.4)、
0.1% アジ化ナトリウム、0.05% プロテアー
ゼインヒビターカクテル(シグマ社製) 流速: 5ml/分 精製手順: 試料600mlをカラムに流した後、A液
80%、B液 20%の緩衝液(0.1M イミダゾ
ール濃度に相当)50mlを流して非吸着物を洗浄除去
した。その後、B液 50mlをカラムに流し、ヒスチ
ジンタグを有するポリペプチドを溶出させ、溶出液を回
収した。この溶出液にA液200mlを加えて、イミダ
ゾール濃度0.1Mの溶液としたものを、第2回のアフ
ィニティー精製用試料とした。
【0491】小スケールのキレーティングカラム(Hi
Trapキレーティング 1mlカラム。アマシャム社
製)に0.1Mの硫酸ニッケル 5mlを約1ml/分
の流速で流すことにより、担体にニッケルイオンを結合
させ、次いで超純水を流して洗浄した後、カラムをHP
LC送液システムに装着し、試料を流してから、カラム
をHPLCから取り外した。次いで、20mM リン酸
ナトリウム、0.5M塩化ナトリウム、0.1M イミ
ダゾール、pH7.4の緩衝液を、1ml/分の流速で
1mlカラムに手動で流して、非吸着物を洗浄除去し
た。その後、20mM リン酸ナトリウム、0.5M
塩化ナトリウム、0.3M イミダゾール、pH7.4
の緩衝液を同様に1ml/分の流速で流し、溶出液を1
mlずつ、5分画(計5ml)回収した。
【0492】回収した溶出液をそれぞれ透析チューブ
(ギブコ社製)に入れて、500mLのPBS(ギブコ
社製)に対して透析を行った。透析膜外液であるPBS
は、3回交換した。最後の透析膜外液を一部採取して、
LPL活性評価の際の陰性対照試料とした。
【0493】回収した試料中のタンパク質濃度を、プロ
テインアッセイ(DCプロテインアッセイキット(バイ
オラッド社製)を使用)やSDS−PAGE等で見積も
った結果、計1.8mgのKhAP5 CC/Hisが
得られたことが判明した。そして、下記のLPL活性評
価には、第2回のアフィニティー精製により得られた第
2および第3の分画をまとめたものを用いた。
【0494】(2)LPL活性の測定 上記(1)の5)で得られたKhAP5 CC/His
試料を、GST−CCの代わりに用いて、実施例11の
(1)記載の方法でLPL活性を測定した。その結果を
表8に示す。
【0495】
【表8】 ―――――――――――――――――――――――――――――― KhAP5 CC/His LPL活性の相対値 (μg/ml) (%) ―――――――――――――――――――――――――――――― 0 100±3 1 27±5 2.5 21±2 5 14±2 10 11±1 ―――――――――――――――――――――――――――――― KhAP5 CC/Hisは、LPL活性を強く阻害し
た。この実験系において、リパーゼ反応の際に被験物質
を添加すれば、該物質がLPLの活性を調節する作用を
有するか否かを調べることができる。
【0496】(3)血中中性脂肪濃度の低下作用 実施例10の(3)記載の方法に従って、KhAP5
CC/HisをKK/Snkマウスに尾静脈投与した
(100μg/マウス)。投与前と投与後のマウスから
末梢血を採取して中性脂肪濃度を測定した。その結果、
投与前のマウスでは血中中性脂肪濃度が40.5mg/
dlであったのに対し、KhAP5 CC/His投与
30分後では106.0mg/dlに上昇していた。溶
媒のみを投与した対照群の投与30分後の血中中性脂肪
濃度は41.3mg投与群であった。以上の結果より、
KhAP5 CC/Hisは血中中性脂肪濃度を有意に
上昇させることが確かめられた。
【0497】実施例14.ヘパリン結合部位に変異を導
入したアンジオポエチン関連タンパク質3の血漿トリグ
リセリドに対する効果 (1)ヘパリン結合モチーフに変異を導入したアンギオ
ポエチン関連蛋白−3(ARP3)のN末207アミノ
酸部分蛋白の構築 実施例13の2)記載のプラスミドpME18S/Kh
AP5 CC/HisをEcoRIとXbaIで切断し
て得られる約1.4kbpの断片を単離し、宝酒造製の
Mutan−Super Express Kmキット
に添付のプラスミドpKF18kのEcoRI/Xba
I切断点に挿入した。変異導入用プライマーGTCAT
AAACACGAACGGCCAAATTAATGAC
を用い、キットの説明書に従って変異を導入し、プラス
ミドpKF18/KhAP5 CC(−HB)/His
を得た。得られたプラスミドクローンの塩基配列を決定
して、変異導入が行われたことおよび他の部分に変異が
入っていないことを確認した。結果として、配列表の配
列番号12の62番目のヒスチジン、63番目リジン、
65番目のリジンがそれぞれイソロイシン、アスパラギ
ン、アスパラギンへ置換した蛋白をコードするDNA配
列が作製された。得られたプラスミドをEcoRIとX
baIで切断して約1.4kbpの断片を単離し、高発
現ベクターpME18S(Hara, T. et al.(1992) EMB
O.J. 11, 1875-、横田崇、新井賢一編集、バイオマニュ
アルシリーズ3、遺伝子クローニング実験法、羊土社、
p18-20)のEcoRI/XbaI切断点に挿入した(p
ME18S/KhAP5 CC(−HB))。
【0498】(2)ヘパリン結合モチーフに変異を導入
したアンギオポエチン関連蛋白−3(ARP3)のN末
207アミノ酸部分蛋白の活性に関する検討 1)マウス血漿中トリグリセリド濃度上昇活性 A)組換えアデノウイルスの作製 ARP3のN末207アミノ酸部分蛋白(ARP3 C
C)およびヘパリン結合モチーフに変異を導入したAR
P3のN末207アミノ酸部分蛋白(ARP3CC(−
HB))を強制発現させるため組換えアデノウイルス
は、市販のキット(アデノウイルス・エクスプレッショ
ン・ベクター・キット、宝酒造(株)社製)を用いて作
製した。すなわち、pME18S/KhAP5 CC/
HisあるいはpKF18/KhAP5 CC(−H
B)/HisをEcoRIおよびXbaIで消化し、得
られた約1.4kbのDNA断片の末端を平滑化したも
のを挿入DNA断片として以下の操作に用いた。
【0499】また、サイトメガロウイルスエンハンサー
とニワトリβ−アクチンプロモーターにより発現される
ように設計されているコスミドベクターpAxCAwt
(アデノウイルス・エクスプレッション・ベクター・キ
ットに添付)の制限酵素SwaI認識部位にインサート
DNA断片を挿入したコスミドpAxCA/KhAP5
CC/HisおよびpAxCA/KhAP5 CC
(−HB)/Hisを作製した。pAxCA/KhAP
5 CC/His DNAあるいはpAxCA/KhA
P5 CC(−HB)/His DNAと末端タンパク
質結合ウイルスDNA(DNA−TPC、アデノウイル
ス・エクスプレッション・ベクター・キットに添付)を
リン酸カルシウムトランスフェクションシステム(ライ
フテック社製)を用いて293細胞(ATCC CRL
1573)にコ・トランスフェクションして、組換えア
デノウイルスAd/KhAP5 CC/HisおよびA
d/KhAP5 CC(−HB)/Hisを単離し、さ
らに293細胞中で増幅させた。増幅させたウイルスの
293細胞からの回収は、まずウイルス感染293細胞
に30秒×4回の超音波処理(ブランソン社製B−12
00を使用)を行い、次いで塩化セシウム密度勾配遠心
による精製を2回繰り返すことによって行った。得られ
たウイルス液を、10% グリセロールを添加したPB
Sに対して4℃で透析した後、使用するまで−70℃以
下で凍結保存した。
【0500】B)組換えアデノウイルスのマウス接種後
の血漿中トリグリセリド濃度 上記のようにして精製された組換えアデノウイルスAd
/KhAP5 CC/HisおよびAd/KhAP5
CC(−HB)/Hisを、10%グリセロールを含む
PBSで2×1010pfu/mlに希釈し、それぞれ2
匹(Ad/KhAP5 CC/His)または3匹(A
d/KhAP5 CC(−HB)/His)の20−2
1週齢の雄KK/Snkマウスに200μl(5×10
9pfu)ずつ尾静脈注射により接種した。接種前、接
種1、2、4、7、11、14日後に各マウスの眼底よ
りヘマトクリット管で採血して、卓上遠心機で5200
rpm15分遠心して血漿を分離した。接種後1日後の
血漿1μlを2−メルカプトエタノールを含むSDS−
PAGE試料緩衝液(バイオラッド社製)と混合した
後、99℃で5分間加熱して、電気泳動用試料を調製し
た。試料を中でゲル濃度4−20%のポリアクリルアミ
ド密度勾配ゲルにて電気泳動した(電気泳動用緩衝液:
25mM トリス、192mM グリシン、0.1%
SDS)後、転写緩衝液(25mM トリス、192m
M グリシン、20%メタノール)中で4℃、1時間、
200mAの条件でニトロセルロースメンブレンに転写
した。転写したメンブレンは0.5% スキムミルクを
添加したPBS液で4℃で一晩ブロッキングし、洗浄液
(0.05% Tween20−PBS)で3回洗浄し
た。次いで、メンブレンを、270ng/mlの実施例
2記載の55−1−N1抗体および5% ウシ胎児血清
を含む0.05% Tween20−PBS液中に入れ
て室温で1時間インキュベーションした後、洗浄液で3
回洗浄した。さらに、メンブレンを西洋ワサビペルオキ
シダーゼ標識ヤギ抗ウサギIgG(H+L)(アマシャ
ム・バイオサイエンス社製)を5% ウシ胎児血清を含
む0.05%Tween20−PBSで2000倍希釈
した反応液中で室温で1時間インキュベーションした
後、洗浄液で5回洗浄した。このメンブレンをラップフ
ィルム上に置き、ECLウエスタンブロッティング検出
溶液に1分間浸した後、X線フィルムを感光させた。そ
の結果、組換えアデノウイルスAd/KhAP5 CC
/Hisを感染させたマウス血漿中およびAd/KhA
P5 CC(−HB)/Hisを感染させたマウス血漿
中に特異的なバンドが検出された(図9)。
【0501】続いて中性脂肪測定用キット(トリグリセ
リドE−テストワコー、和光製薬(株)社製)を用いて
中性脂肪濃度を測定した。Ad/KhAP5 CC/H
is接種マウス群では血中の中性脂肪濃度が顕著に上昇
したのに対し、Ad/KhAP5 CC(−HB)/H
is接種マウス群では血漿中の中性脂肪濃度はほとんど
上昇しなかった(図10)。
【0502】2)リポタンパク質リパーゼ(LPL)阻
害活性 A)組換えタンパクの調製 pME18S/KhAP5 CC/HisあるいはpK
F18/KhAP5CC(−HB)/HisをLipo
fectAMINE2000試薬(インビトロジェン社
製)を用いて、COS細胞(Gluzman, Y. (1981) Cell
23, 175-182、ATCC CRL−1650)に導入
し、血清非添加のダルベッコ改変イーグル培地で4日培
養した後に培養上清を回収した。培養上清をTIFFラボス
ケール(ミリポア社)で30Kのフィルター(ミリポア
社)を用いて、約10分の1量に限外濃縮した。濃縮した
サンプルは、10倍量の50mMイミダゾール、0.5
M塩化ナトリウム、0.02Mリン酸ナトリウムバッフ
ァーで循環させて、本組成のバッファーに置換した。バ
ッファー置換したサンプルは、予め0.5mlの0.1
M硫酸ニッケルで処理し、50mMイミダゾール、0.
5M塩化ナトリウム、0.02Mリン酸ナトリウムバッ
ファーに置換したHiTrap Chelatingカ
ラム(アマシャムバイオサイエンス社)に結合させた
後、100mMイミダゾール、0.5M塩化ナトリウ
ム、0.02Mリン酸ナトリウムバッファーで洗浄し、
300mMイミダゾール、0.5M塩化ナトリウム、
0.02Mリン酸ナトリウムバッファーで溶出した。得
られた溶出サンプルを1,000倍量のPBS(―)
(シグマ社)で3回透析したものをそれぞれ組換えタン
パクARP3CC、ARP3 CC(−HB)とした。
【0503】B)LPL阻害活性 上記で得られた組換えタンパク質のLPL阻害活性を実
施例11)の(1)の2)記載の方法で検討した。AR
P3 CC(―HB)のLPL阻害活性はARP3 C
CのLPL阻害活性に比べて著しく低かった(図1
1)。
【0504】以上より、ARP3 CC(―HB)はA
RP3の機能阻害剤のスクリーニングの際の陰性対照と
して利用できる。
【0505】実施例15.ヒスチジンタグ付加蛋白発現
アデノウイルスベクターを接種したマウスの血漿の調製 (1)組換えアデノウイルスの調製 アデノウイルス発現ベクターキット(宝酒造(株)社
製)を用いて、以下の方法にしたがって、組換えアデノ
ウイルスを作製した。実施例13の(1)の1)で得ら
れた、組換えプラスミドpME18S/KhAP5/H
isを、制限酵素EcoRIおよびXbaIで消化し
て、約1.4kbのDNA断片を回収し、切断末端を平
滑化した。次に、サイトメガロウイルスエンハンサーと
ニワトリβ−アクチンプロモーターにより挿入遺伝子が
発現されるように設計されているコスミドベクターpA
xCAwtのSwaI切断部位にこれらの断片をそれぞ
れ挿入し、組換えコスミドpAxCA/KhAP5/H
isを調製した。
【0506】この組換えコスミドDNAと末端タンパク
質結合ウイルスDNA(DNA−TPC、アデノウイル
ス発現ベクターキットに添付)をリン酸カルシウムトラ
ンスフェクションシステム(ライフテック社製)を用い
て293細胞(ATCC CRL1573)にコ・トラ
ンスフェクションして、組換えアデノウイルスAd/K
hAP5/Hisを単離し、さらに293細胞内で増幅
させた。増幅させたウイルスの293細胞からの回収
は、まずウイルス感染293細胞に30秒×4回の超音
波処理(ブランソン社製B−1200を使用)を行う
か、または凍結融解を3回繰り返し、次いで塩化セシウ
ム密度勾配遠心による精製を2回繰り返すことによって
行った。得られたウイルス液を、10% グリセロール
を添加したPBSに対して4℃で透析した後、使用する
まで−70℃以下で凍結保存した。
【0507】(2)組換えアデノウイルスによる目的タ
ンパク質の発現の確認 上記(1)記載の方法で得られた組換えアデノウイルス
をHeLa細胞に感染させて、目的タンパク質の発現を
確認した。
【0508】まず、上記(1)記載の方法で得られた組
換えアデノウイルスをそれぞれHeLa細胞(ATCC
CCL2)に約5m.o.i.(multiplicity of in
fection:多重感染度)で感染させ、無血清培地(ダル
ベッコ修正イーグル培地(DMEM))で3乃至4日培
養した後の培養上清を回収した。培養上清1mlを1.
5ml容のエッペンドルフチューブに入れ、100μl
のトリクロロ酢酸溶液(1g/ml トリクロロ酢酸、
4mg/ml デオキシコール酸)を添加して室温で3
分間放置後、卓上遠心機にて15000rpmで5分遠
心した。上清を除いて、氷冷したアセトンを0.5ml
加えて攪拌し、卓上遠心機にて15000rpmで2分
遠心した。上清を除いて、沈殿に再度氷冷したアセトン
を0.5ml加えて攪拌し、卓上遠心機にて15000
rpmで2分遠心して、上清を除き、沈殿物を真空乾燥
した。この沈殿物をそれぞれ10μlの蒸留水に溶解さ
せ、2−メルカプトエタノールを含むSDS−PAGE
試料緩衝液(バイオラッド社製)と混合した後、99℃
で5分間加熱して、電気泳動用試料を調製した。これら
試料をゲル濃度4−20%のポリアクリルアミド密度勾
配ゲルにて電気泳動した(電気泳動用緩衝液:25mM
トリス、192mM グリシン、0.1%SDS)
後、転写緩衝液(25mM トリス、192mM グリ
シン、20%メタノール)中で4℃、1時間、200m
Aの条件でニトロセルロースメンブレンに転写した。
【0509】転写したメンブレンは0.5% スキムミ
ルクを添加したPBS液中に浸して4℃で一晩ブロッキ
ングし、洗浄液(0.05% Tween20−PB
S)で3回洗浄した。次いで、メンブレンを、約270
ng/mlの実施例2記載の55−1−N1抗体および
5% ウシ胎児血清を含む0.05% Tween20
−PBS液中に入れて室温で1時間インキュベーション
した後、洗浄液で3回洗浄した。
【0510】さらに、メンブレンを西洋ワサビペルオキ
シダーゼ標識ヤギ抗ウサギIgG(H+L)(バイオラ
ッド社製)を5% ウシ胎児血清を含む0.05% T
ween20−PBSで2000倍希釈した反応液中で
室温で1時間インキュベーションした後、洗浄液で5回
洗浄した。このメンブレンをラップフィルム上に置き、
発光試薬溶液(ECLウエスタン検出試薬。アマシャム
・ファルマシア・バイオテク社製)に1分間浸した後、
1時間室温で放置してバックグラウンドを減衰させてか
ら、X線フィルムを感光させた(10秒間)。このX線
フィルムを現像した結果、組換えアデノウイルスを感染
させたHeLa細胞において、目的のポリペプチドが産
生されていることが確かめられた。
【0511】(3)組換えアデノウイルスを接種したK
K/Snkマウス血漿の調製 上記(1)で精製した組換えアデノウイルスAd/Kh
AP5/Hisを10%グリセロール添加PBSで7.
2×109pfu/mlに希釈し、5匹の18週齢の雄
KK/Snkマウスに300μlずつ尾静脈注射により
接種した。
【0512】接種2日後に、各マウスの腹大動脈より6
0μlの1%EDTAを予め入れた注射筒(テルモ社製
の26ゲージの注射針および1mlのシリンジ)を用い
て採血し、1.5mlのエッペンドルフチューブに移
し、転倒混和後に、卓上遠心機で5200rpmで15
分間遠心して血漿を分離した。
【0513】(4)KK/Snkマウス血漿中目的タン
パク質の精製 得られた血漿を10mMイミダゾール/PBS、4℃で
4日間透析後、HiTrap Chelating H
Pカラム(Amersham社)へ添加し、20mMイ
ミダゾール/PBSおよび100mMイミダゾール/P
BS洗浄を行った。溶出は300mMイミダゾール/P
BSで行い、各フラクションはゲル濃度4−20%のポ
リアクリルアミド密度勾配ゲルにて電気泳動(電気泳動
用緩衝液:25mM トリス、192mM グリシン、
0.1% SDS)後、GelCode染色(Pier
ce社)を行い目的タンパク質の有無を確認した。
【0514】(5)KK/Snkマウス血漿中目的タン
パク質切断点の同定 His-tagアフィニティー精製で得たヒト・「アンジオポ
エチン関連タンパク質3」画分に終濃度10 mM dithioth
reitol (Sigma, St. louis, MO)を加えて還元した後、
終濃度55 mM iodoacetamide (Wako, Osaka, Japan)を加
えアルキル化反応を行った。その後Lysyl Endopeptidas
e (Wako, Osaka, Japan)を加えて37 ℃で一晩消化、ま
たはPNGase F (New England Biolabs, Beverly, MA)で3
7 ℃、2時間糖鎖除去処理を行った後、Sequencing Grad
e Endoproteinase Glu-C (Promega, Madison, WI)を加
えて37 ℃で一晩消化した。消化反応液に0.05 % formic
acid / H2Oを加えLC/ESI MS/MS (liquid chromatograp
hy electrospray ionizationtandem mass spectrometr
y)測定の試料とした。LCには逆相クロマトグラフィー担
体Inertsil ODS-2 (GL Science, Tokyo, Japan)を詰め
た自作のエレクトロスプレーニードルをカラムとして用
い、CapLC System (Waters, Milford, MA)で送液した。
溶出溶媒としてA液:0.05 % formic acid / H2O 、B
液:0.05 % formicacid / acetonitrile を使用し、1時
間で0 %から30 % までB液濃度を直線的に上げるグラジ
エント溶出を行った。溶出液は直接Q-Tof2 (Micromass,
Manchester, UK)に導入してESI MS/MS 測定を行った。
【0515】得られたMSスペクトルからヒト・「アンジ
オポエチン関連タンパク質3」のペプチドマッピングを
行ったところ、Lysyl Endopeptidaseで消化したサンプ
ルにはヒト・「アンジオポエチン関連タンパク質3」に
由来するEIENQLRRTSIQEPTEISLSSKPR(アミノ酸残基198-
221)、EIENQLRRTSIQEPTEISLSSKPRAPR(198-224)とい
う2本のペプチドが、endoproteinase Glu-Cで消化した
サンプルにはISLSSKPR(214-221)、ISLSSKPRAPR(214-
224)という2本のペプチドが存在した。これらのペプチ
ドのカルボキシル末端はこの2種の酵素の基質認識部位
ではない。従ってヒト・「アンジオポエチン関連タンパ
ク質3」の血中切断部位としてArg221とAla222の間およ
びArg224とThr225の間の2ヶ所を確認した。
【0516】実施例16. 融合アンジオポエチン関連
タンパク質4の活性評価 (1)融合タンパク質の調製 配列表の配列番号16のアミノ酸番号26乃至143に
示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドのアミノ末
端にグルタチオン・S・トランスフェラーゼ(以下「G
ST」という)が連結している融合タンパク質(以下、
「GST−ARP4N」という)を以下に記載する方法
に従って調製した。
【0517】まず、PCR用プライマーとして、下記の
ヌクレオチド配列:5'- tcccccgggggacccgtgcagtccaag-
3'(GST−ARP4N用のセンスプライマー。配列表
の配列番号51);および5'- ccgctcgagctggctttgcaga
tgctg-3'(GST−ARP4N用アンチセンスプライマ
ー。配列表の配列番号52)を合成した。
【0518】次に、I.M.A.G.E Consor
tiumより購入したcDNA clone(clon
e 4149039)を鋳型とし、センスプライマーお
よびアンチセンスプライマー(それぞれ0.2μM)、
Tbr EXT DNAポリメラーゼ、1×PCR緩衝
液(Tbr EXT DNAポリメラーゼに添付の10
×緩衝液を10倍希釈)、2mMの塩化マグネシウムお
よび各0.4mMのdNTPs存在下でPCRを実施し
た。PCRは、上記サンプルを94℃で3分加熱した後
に、94℃で30秒、55℃で30秒、72℃で30秒
の温度サイクルを30回繰り返した後、最後に72℃で
7分間の条件で行なった。
【0519】PCRで増幅した約370bpのDNA断
片を回収し、SmaIおよびXhoIで消化した。Sm
aIおよびXhoIで消化してからウシ小腸アルカリホ
スファターゼ(宝酒造(株)社製)を用いて切断末端の
脱リン酸化処理を行ったプラスミドベクターpGEX−
4T−2(GSTをコードする遺伝子を含む。アマシャ
ム・ファルマシア・バイオテク社製)にこの断片を挿入
し、挿入断片を含むプラスミドクローンを単離した。こ
のプラスミドクローンをpGST−ARP4Nと命名し
た。
【0520】組換えプラスミドクローンpGST−AR
P4N、または、挿入断片を含まずGSTのみを発現さ
せるためのコントロールベクターpGEX−4T−2で
大腸菌JM109株をそれぞれ形質転換した。形質転換
は大腸菌JM109株のコンピテントセルにプラスミド
を添加し、氷上で30分間静置した後、42℃で30秒
間保温し、再び氷上で2分間静置してから、37℃で1
時間振盪培養をすることによって行なった。形質転換後
の培養液をアンピシリン添加LB寒天プレート上に撒
き、出現した組換え体のコロニーをピックアップして液
体培養し、IPTG誘導による組換えタンパク質の発現
を確認した。
【0521】(2)融合タンパク質の調製 1)形質転換大腸菌の培養 プラスミドクローンpGST−ARP4N、コントロー
ルベクターpGEX−4T−2を保持する形質転換大腸
菌をそれぞれ、アンピシリン入りのLB培地に植菌し、
37℃で18時間振とう培養した。培養液の一部を新し
い培地に添加し、さらに37℃にて振とう培養を行なっ
た。600nmでの吸光度が0.5−0.7に達した時
に、最終濃度1mMとなるようにイソプロピル・チオガ
ラクトピラノシド(IPTG)を添加しさらに4時間振
とう培養を継続した。
【0522】2)pGEX−4T−2を保持した大腸菌
からの細胞破砕液の調製 コントロールベクターpGEX−4T−2で形質転換し
た大腸菌の培養液を4℃、6000rpm、10分間の
条件で遠心処理して沈殿した菌体を回収した。回収した
菌体を超音波処理用緩衝液(50mM トリス−塩酸
(pH8.0)、50mM 塩化ナトリウム、1mM
EDTA、1mM DTT)で懸濁し、懸濁液を4℃、
6000rpm、10分間の条件で遠心処理した。沈殿
を−80℃で凍結し、次いで室温にて融解して再度超音
処理用緩衝液に懸濁した。懸濁液を氷浴中で超音波破砕
器(トミー精工(株)社製UD−201)によって、出
力=5、デューティ=50の条件で5分間処理した。超
音波処理後の破砕液に最終濃度1%となるようにトリト
ン X−100を添加し混和し、4℃、10000rp
m、30分間の条件で遠心処理し、上清を回収した。上
清はGSTrapカラム(アマシャム・ファルマシア・
バイオテク社製)中に流した。
【0523】3)pGST−ARP4Nを保持する大腸
菌からの細胞破砕液の調製 組換えプラスミドpGST−ARP4Nで形質転換した
大腸菌の培養液それぞれを、4℃、5000rpm、1
5分間の条件で遠心処理し、沈殿した菌体を回収した。
沈殿した菌体に対して、洗浄用緩衝液(0.5% トリ
トン X−100、1mM EDTA)での懸濁、4
℃、5000rpm、10分間の条件での遠心処理、の
操作を3回繰り返し、得られた菌体を8M 尿素溶液に
溶解した。この溶液を室温に1時間放置した後、4℃、
13000rpm、30分間の遠心処理を行ない上清を
回収した。得られた上清を透析した。透析は、4M 尿
素溶液に対して4℃で1時間、2M 尿素溶液に対して
4℃で1時間、超音波処理用緩衝液に対して4℃で1時
間、超音波処理用緩衝液に対して4℃で一晩の順で行な
った。透析後、4℃、12000rpm、30分間の条
件で遠心し、GSTrapカラム中に流した。
【0524】4)融合タンパク質の精製 上記の工程を経てGST、GSTとの融合タンパク質
(以下、「GST−ARP4N」という)が吸着したG
STカラムにPBSを流してカラム内を洗浄して不純物
を除去した。次いで、10mM 還元型グルタチオン溶
液を流して、GST、GST−ARP4Nを溶出させ
た。溶出液の一部をSDS−PAGE電気泳動にで分離
した後、ゲルをクマシー染色して、タンパク質の存在を
確認した。また、溶出液をPBSで4℃、一晩透析し
た。
【0525】(2)血中中性脂肪濃度上昇活性 上記(1)で精製したGSTおよびGST−ARP4N
を、PBSでタンパク質濃度約1mg/mlに調整し、
それぞれ2匹の19週齢の雄KK/Snkマウスに約3
00μlずつ尾静脈注射により接種した。採血は摂取前
と接種30分後に行なった。ヘマトクリット管で各マウ
スの眼底より採血して、卓上遠心機で5200rpm1
5分遠心して血漿を分離し、接種前後における血中中性
脂肪濃度を測定した。結果を表9に示した。
【0526】
【表9】 ―――――――――――――――――――――――――― TG値(mg/dl) ―――――――――――― Pre 30分後 ―――――――――――――――――――――――――― GST 51 44 GST 38 44 GST−ARP4N 41 224 GST−ARP4N 23 216 ―――――――――――――――――――――――――― GST接種マウス群では接種前後で差が認められなかっ
たのに対し、GST−ARP4N接種マウス群では有意
に血中中性脂肪濃度の上昇が認められた。
【0527】本実施例の方法において、例えばGST−
ARP4Nを接種したマウスに、被験物質を投与し、血
中中性脂肪濃度の変動を調べることにより、高脂血症、
動脈硬化および高血糖から選択される一つまたは二つ以
上の疾患の治療または予防剤の試験を行うことができ
る。
【0528】実施例17. LPL活性阻害効果 (1)LPL試料の調製 ラット白色脂肪前駆細胞(ホクドー社より購入)を増殖
用培地[10% ウシ胎児血清(以下「FCS」とい
う)、100単位/ml ペニシリン、100μg/m
l ストレプトマイシン、17μM パントテン酸、3
3μM (+)−ビオチン、100μM アスコルビン
酸、1μM オクタン酸および50nM トリヨードチ
ロニンを含むダルベッコ変法イーグル培地(以下「DM
EM」という)]の入った細胞培養用フラスコ(培養面
積25cm2)中で37℃で24時間培養した後、培地
を分化誘導用培地(10% FCS、100単位/ml
ペニシリン、100μg/ml ストレプトマイシ
ン、17μM パントテン酸、33μM (+)−ビオ
チン、100μM アスコルビン酸、1μM オクタン
酸、50nM トリヨードチロニン、10μg/ml
インスリンおよび2.5μM デキサメタゾンを含むD
MEM)に交換し、37℃でさらに48時間培養した。
その後、脂肪細胞維持培地(10% FCS、100U
/ml ペニシリン、100μg/ml ストレプトマ
イシン、17μM パントテン酸、33μM(+)−ビ
オチン、100μM アスコルビン酸、1μMオクタン
酸、50nM トリヨードチロニンおよび10μg/m
l インスリンを含むDMEM)に交換した。2乃至3
日後に10% FCS、50ng/ml インスリンお
よび10単位/ml ヘパリンナトリウムを含有するD
MEM培地を2ml加え、1時間培養した後、この培養
上清を回収してLPL活性の測定に用いた。
【0529】(2)LPL活性測定 LPL活性の測定法は、文献記載の方法(Nilsson-Ehl
e, P. and Schotz, M.C.(1976) J.Lipid Res. 17, 536-
541)に従った。
【0530】まず、上記1)記載の方法で調製した培養
上清100μlを等量の基質溶液[2mM グリセロー
ル・トリ[9,10(n)−3H]オレイン酸(131
KBeq/μmol、アマシャム社製)、0.189μ
g/ml L α−ホスファチジルコリン(シグマ社
製)、14mg/ml ウシ血清アルブミン(シグマ社
製)、140mM トリス−塩酸(pH8.0)、15
%(v/v)グリセロール、10%(v/v)非働化F
CS]と混合し、そこへ実施例15で得られたGSTま
たはGST−ARP4Nを加え、37℃で120分間保
温した。その後、1.05mlの0.1M 炭酸カリウ
ム・ほう酸緩衝液(pH10.5)と3.25mlのメ
タノール:クロロホルム:ヘキサン=141:125:
100(v/v)を加えて反応を停止させ、強く撹拌し
た後、3000×gで15分間遠心分離した。水−メタ
ノール層の3Hカウントを液体シンチレーションカウン
ターにて測定した。LPL活性の1単位は、1μmol
の脂肪酸を1分間に生成する活性として定義した。さら
に、GST(10μg/ml)を添加したときのLPL
活性を100%とし、GST−ARP4Nを添加したと
きの相対的LPL活性を算出した。その結果を表10に
示した。
【0531】
【表10】 ―――――――――――――――――――――――――――――― GST−ARP4N LPL活性 (μg/ml) (%) ―――――――――――――――――――――――――――――― 1 74±6 2.5 61±1 5 34±4 10 16±2 ―――――――――――――――――――――――――――――― GST−ARP4NはLPLの活性を用量依存的に抑制
した。この実験系において、リパーゼ反応の際に被験物
質を添加すれば、該物質がLPLの活性を調節する作用
を有するか否かを調べることができる。
【0532】実施例18.アンジオポエチン関連タンパ
ク質4とグルタチオン・S・トランスフェラーゼとの融
合タンパク質の活性評価 (1)融合タンパク質発現形質転換大腸菌の作製 配列表の配列番号16のアミノ酸番号26乃至406に
示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドのアミノ末
端にグルタチオン・S・トランスフェラーゼ(以下「G
ST」という)が連結している融合タンパク質(以下、
「GST−ARP4Full」という。)を以下に記載
する方法に従って調製した。
【0533】まず、PCR用プライマーとして、下記の
ヌクレオチド配列:5'- tcccccgggggacccgtgcagtccaag-
3'(GST−ARP4Full用のセンスプライマー。
配列表の配列番号55);および5'- ccgctcgagggaggct
gcctctgctgc-3'(GST−ARP4Full用アンチセ
ンスプライマー。配列表の配列番号56)を合成した。
【0534】次に、I.M.A.G.E. Conso
rtiumより購入のcDNA(I.D. 41490
39)10ngを鋳型とし、センスプライマーおよびア
ンチセンスプライマー(それぞれ0.2μM)、Tbr
EXT DNAポリメラーゼ、1×PCR緩衝液(T
br EXT DNAポリメラーゼに添付の10×緩衝
液を10倍希釈)、2mMの塩化マグネシウムおよび各
0.4mMのdNTPs存在下でPCRを実施した。P
CRは、上記サンプルを94℃で3分間加熱した後に、
94℃で30秒、55℃で30秒、72℃で1分30秒
の温度サイクル35回、最後に72℃で5分間の条件で
行なった。
【0535】PCRでは約1140bpのDNA断片が
増幅した。増幅したDNA断片を回収し、SmaIおよ
びXhoIで消化した。SmaIおよびXhoIで消化
してからウシ小腸アルカリホスファターゼ(宝酒造
(株)社製)を用いて切断末端の脱リン酸化処理を行っ
たプラスミドベクターpGEX−4T−2(GSTをコ
ードする遺伝子を含む。アマシャム・ファルマシア・バ
イオテク社製)に、このSmaIおよびXhoIで消化
した、DNA断片を挿入し、挿入断片を含むプラスミド
クローンを単離した。このプラスミドクローンをpGS
T−ARP4Fullと命名した。
【0536】プラスミドクローンpGST−ARP4F
ullで大腸菌EpicurianColi BL21
CodonPlus (DE3)−RIL株(Str
atagene社製)を、または、挿入断片を含まずG
STのみを発現させるためのコントロールベクターpG
EX−4T−2で大腸菌JM109株をそれぞれ形質転
換した。
【0537】形質転換は10倍希釈したXL10−Go
ld β−mercaptoethanol mix
2mlを大腸菌Epicurian Coli BL2
1 CodonPlus (DE3)−RILのコンピ
テントセル 100mlに予め添加し、氷上で2分置きに
攪拌しながら10分間冷却後にプラスミドを添加し、氷
上で30分間静置後、42℃で20秒間保温し、再び氷
上で2分間静置してから、SOC培養液中で37℃、1
時間振盪培養をすることによって行なった。形質転換後
の培養液をアンピシリンおよびクロラムフェニコール添
加LB寒天プレート上に撒き、出現した組換え体のコロ
ニーをピックアップして液体培養し、IPTG誘導によ
る組換えタンパク質の発現を確認した。
【0538】一方、大腸菌JM109の形質転換はコン
ピテントセルにプラスミドを添加し、氷上で30分間静
置した後、42℃で30秒間保温し、再び氷上で2分間
静置してから、SOC培養液中で37℃、1時間振盪培
養をすることによって行なった。形質転換後の培養液を
アンピシリン添加LB寒天プレート上に撒き、出現した
組換え体のコロニーをピックアップして液体培養し、I
PTG誘導による組換えタンパク質の発現を確認した。
【0539】(2)融合タンパク質の調製 1)形質転換大腸菌の培養 プラスミドクローンpGST−ARP4Fullおよび
コントロールベクターpGEX−4T−2を保持する形
質転換大腸菌をそれぞれ、アンピシリン/クロラムフェ
ニコールおよびアンピシリン入りのLB培地に植菌し、
37℃で18時間振とう培養した。培養液の一部を新し
い培地に添加し、さらに37℃にて振とう培養を行なっ
た。600nmでの吸光度が0.5−0.7に達した時
に、最終濃度1mMとなるようにイソプロピル・チオガ
ラクトピラノシド(IPTG)を添加しさらに4時間振
とう培養を継続した。
【0540】2)pGEX−4T−2を保持する大腸菌
からの細胞破砕液の調製 コントロールベクターpGEX−4T−2で形質転換し
た大腸菌の培養液を4℃、6000rpm、10分間の
条件で遠心処理して沈殿した菌体を回収した。回収した
菌体を超音波処理用緩衝液(50mM トリス−塩酸
(pH8.0)、50mM 塩化ナトリウム、1mM
EDTA、1mM DTT)で懸濁し、懸濁液を4℃、
6000rpm、10分間の条件で遠心処理した。沈殿
を−80℃で凍結し、次いで室温にて融解して再度超音
処理用緩衝液に懸濁した。懸濁液を氷浴中で超音波破砕
器(トミー精工(株)社製UD−201)によって、出
力=5、デューティ=50の条件で5分間処理した。超
音波処理後の破砕液に最終濃度1%となるようにトリト
ン X−100を添加し混和し、4℃、10000rp
m、30分間の条件で遠心処理し、上清を回収した。上
清はGSTrapカラム(アマシャム・ファルマシア・
バイオテク社製)中に流した。
【0541】3)pGST−ARP4Fullを保持す
る大腸菌からの細胞破砕液の調製 組換えプラスミドpGST−ARP4Fullで形質転
換した大腸菌の培養液を、4℃、5000rpm、15
分間の条件で遠心処理し、沈殿した菌体を回収した。沈
殿した菌体に対して、洗浄用緩衝液(0.5% トリト
ン X−100、1mM EDTA)での懸濁、4℃、
5000rpm、10分間の条件での遠心処理、の操作
を3回繰り返し、得られた菌体を8M 尿素溶液に溶解
した。この溶液を室温に1時間放置した後、4℃、13
000rpm、30分間の遠心処理を行ない上清を回収
した。組換えプラスミドpGST−ARP4Fullで
形質転換した大腸菌由来の培養液から得られた上清につ
いて透析を行なった。透析は、4M 尿素溶液に対して
4℃で1時間、2M 尿素溶液に対して4℃で1時間、
超音波処理用緩衝液に対して4℃で1時間、超音波処理
用緩衝液に対して4℃で一晩の順で行なった。透析後、
4℃、12000rpm、30分間の条件で遠心し、上
清をGSTrapカラム中に流した。
【0542】4)融合タンパク質の精製 上記の工程を経てGST又はGSTとの融合タンパク質
GST−ARP4Fullが吸着したGSTカラムにP
BSを流してカラム内を洗浄して不純物を除去した。次
いで、10mM 還元型グルタチオン溶液(pH8.
0)を流して、GST、GSTとの融合タンパク質GS
T−ARP4Fullを溶出させた。溶出液の一部をS
DS−PAGE電気泳動にて分離した後、ゲルをクマシ
ー染色して、タンパク質の存在を確認した。また、溶出
液をPBSで4℃、一晩透析した。ここで、プラスミド
pGEX−4T−2を保持する形質転換体から精製され
たタンパク質がGSTであり、pGST−ARP4Fu
llを保持する形質転換体から精製されたタンパク質
が、GST−ARP4Fullである。
【0543】(3)血中中性脂肪濃度上昇活性 上記(2)で得られたGSTおよびGST−ARP4F
ullを、PBSでタンパク質濃度約0.5mg/ml
に調整した後に、それぞれ2匹の16週齢の雄KK/
nkマウスに100μlずつ尾静脈注射により接種し
た。採血は摂取前と摂取30分後に行なった。ヘマトク
リット管で各マウスの眼底より採血して、卓上遠心機で
5200rpm、15分間遠心して血漿を分離し、接種
前後における血中中性脂肪(トリアシルグリセロール)
濃度を測定した。
【0544】その結果を表11に示した。GST接種マ
ウス群(表11の「GST」)では接種前後で差が認め
られなかったのに対し、GST−ARP4Full接種
マウス群(表11の「GST−ARP4Full」)で
は顕著な血中中性脂肪濃度の上昇が認められた。
【0545】本実施例の方法において、例えばGST−
ARP4Fullを接種したマウスに、被験物質を投与
し、血中中性脂肪濃度の変動を調べることにより、高脂
血症、動脈硬化および高血糖から選択される一つまたは
二つ以上の疾患の治療または予防剤の試験を行うことが
できる。
【0546】
【表11】 ―――――――――――――――――――――――――― TG値(mg/dl) ―――――――――――― Pre 30分後 ―――――――――――――――――――――――――― GST 39 39 GST 62 67 GST−ARP4Full 47 291 GST−ARP4Full 35 249 ―――――――――――――――――――――――――― 実施例19. GST−ARP4FullのLPL活性
阻害効果 実施例11の(1)の1)記載の方法にしたがって調製
した、ラット白色脂肪前駆細胞培養上清100μlを等
量の基質溶液(2mM グリセロール・トリ[9,10
(n)−3H]オレイン酸(131KBeq/μmo
l、アマシャム社製)、0.189μg/ml L α
−ホスファチジルコリン(シグマ社製)、14mg/m
l ウシ血清アルブミン(シグマ社製)、140mM
トリス−塩酸(pH8.0)、15%(v/v)グリセ
ロール、10%(v/v)非働化FCS)と混合し、そ
こへ実施例18で得られたGST−ARP4Fullま
たはGSTを加え、37℃で120分間保温した。その
後、1.05mlの0.1M炭酸カリウム・ほう酸緩衝
液(pH10.5)と3.25mlのメタノール:クロ
ロホルム:ヘキサン=141:125:100(v/
v)を加えて反応を停止させ、強く撹拌した後、300
0×gで15分間遠心分離した。水−メタノール層の3
Hカウントを液体シンチレーションカウンター(ベック
マン社製)にて測定した。LPL活性の1単位は、1μ
molの脂肪酸を1分間に生成する活性として定義し
た。さらに、GST(10μg/ml)を添加したとき
のLPL活性を100%とし、GST−ARP4Ful
lを添加したときの相対的LPL活性を算出した。その
結果を表12に示した。
【0547】
【表12】 ―――――――――――――――――――――――――――― GST−ARP4Full LPL活性の相対値 (μg/ml) (%) ―――――――――――――――――――――――――――― 1 67±4 2.5 30±1 5 16±2 10 5±1 ―――――――――――――――――――――――――――― GST−ARP4FullはLPLの活性を用量依存的
に抑制した。この実験系において、リパーゼ反応の際に
被験物質を添加すれば、該物質がLPLの活性を調節す
る作用を有するか否かを調べることができる。
【0548】実施例20. マウス「アンジオポエチン
関連タンパク質3」遺伝子の解析a)BAC(Bacteria
l artificial chromosome)DNAの調製 マウスBACクローン355L−1(リサーチ・ジェネ
ティクス社より購入)を保持する大腸菌を12.5μg
/mlのクロラムフェニコールを含む100mlのLB
培地で、37℃で一晩培養した後、培養液を4mlずつ
4個のチューブユニットに分注し、DNA自動抽出装置
(PI−50、クラボウ(株)社製)を用いてDNAを
抽出した。さらにこのサンプルを塩化セシウム法によっ
て精製した。
【0549】b) DNAの断片化 30ng/μlのBAC DNA 300μlを1.5
mlのエッペンドルフチューブに移し、ソニケーター
(ソニファイアーII 250、ブランソン社製)、お
よびスペシャルマイクロチップ(ブランソン社製)を用
いて、ソニケーターの出力調整を1、デューティー・サ
イクルを「コンスタント」の条件にそれぞれ設定して、
DNAを3秒間、2回ソニケーションし断片化した。D
NAの断片化の度合いは、アガロースゲル電気泳動を行
って確認した。
【0550】c) DNA断片の末端修復 上記で断片化されたDNAに、終濃度5mMの塩化マグ
ネシウム、0.05mMのdNTP(宝酒造(株)社
製)存在下で10単位のT4 DNAポリメラーゼ(宝
酒造(株)社製)を加え、25℃で15分間保温した。
さらに、5単位のクレノウ断片(宝酒造(株)社製)を
加え、25℃で15分間保温して、断片化DNAの末端
を平滑化した。DNAを精製後、終濃度2mMのATP
(宝酒造(株)社製)、1単位のポリヌクレオチドキナ
ーゼ(宝酒造(株)社製)およびポリヌクレオチドキナ
ーゼ反応緩衝液(ポリヌクレオチドキナーゼに添付、終
濃度:50mM トリス−塩酸(pH8.0)、10m
M 塩化マグネシウム、5mM ジチオスレイトール)
を加え、37℃で30分間保温してDNA末端をリン酸
化した。反応終了後、TE飽和フェノール/クロロホル
ムにてポリヌクレオチドキナーゼを失活させた。
【0551】d) ショ糖密度勾配遠心 10%ショ糖溶液は、10mlの50%ショ糖溶液、
0.25mlの20×SSCおよび0.1mlの0.5
M エチレンジアミン四酢酸(以下「EDTA」とい
う)を混合し、滅菌水で全量50mlに調整することに
より作製した。38%ショ糖溶液は、38mlの50%
ショ糖溶液、0.25mlの20×SSCおよび0.1
mlの0.5M EDTAを混合して、滅菌水で全量5
0mlに調整することにより作製した。13PAチュー
ブ(日立工機(株)社製)に38%ショ糖溶液を5ml
加え、次いで10%ショ糖溶液を5ml静かに加えた
後、グラジエントフォーマー(グラジエント・メイト、
コスモバイオ(株)社製)を用いて速度(SPEED)1
0、時間(TIME)2分30秒および角度(ANGLE)8°
の条件に設定してショ糖密度勾配を作製した。得られた
ショ糖密度勾配溶液に上記c)で得られたDNAを加
え、150000×g、20℃で16時間遠心分離し
た。その後、チューブの下部より注射針(18G)を用
いて穴を開け、チューブ内液を下層から300μlずつ
分画して回収した。0.8% アガロースゲルにて各画
分の一部を電気泳動し、約2.0kbのDNA断片を含
んでいた画分を選択し、エタノール沈殿後に10μlの
TEに溶解した。
【0552】e) ベクター調製およびライブラリーの
作製 上記で得られたBAC DNA由来の約2.0kb断片
と0.1μgのpUC19 DNA/SmaI(ファー
メンタス社製)をDNAライゲーションキット(バージ
ョン2、宝酒造(株)社製)を用いて連結した。反応液
をエレクトロポレーション用コンピテント大腸菌(エレ
クトロ・マックスDH10Bセル、ギブコ・ビーアール
エル社製)に加え、エレクトロポレーション用キュベッ
ト(ジーンパルサーキュベット 0.1cm、バイオラ
ッド社製)に移し、エレクトロポレーション装置(ジー
ンパルサーII、バイオラッド社製)を用いて、電圧
1.8kV、電気容量25μF、抵抗200Ωの条件で
エレクトロポレーションした。その後1mlのSOC培
地(ギブコ・ビーアールエル社製)を加え、37℃で1
時間振とうし、終濃度50μg/mlのアンピシリン、
終濃度50μg/mlのX−gal(ギブコ・ビーアー
ルエル社製)および終濃度25μg/mlのIPTG
(ギブコ・ビーアールエル社製)を含むLB固形培地
(1.2% バクトアガー含有)上に塗り広げ、37℃
で一晩培養した。
【0553】f)DNAの調製 上記e)の結果、白色を呈したコロニーを選択し、終濃
度50μg/mlのアンピシリンを含むTBG培地(1
リットル当たり、トリプトン 12g、イーストエキス
トラクト 24g、リン酸一カリウム 2.3g、リン
酸二カリウム12.5g、グリセロール 4mlおよび
1M グルコース 20mlを含む)1.2ml/ウェ
ルを入れた培養用マイクロウェルプレート(2.2ml
ディープ・ウェル・プレート、日本ジェネティクス社
製)に1コロニー/ウェルで植菌した。プレートの上面
を通気性粘着シート(日本ジェネティクス社製)にてシ
ールした後、プレートミキサーを用いて緩やかに撹拌し
ながら、37℃で16.5時間培養した。その後、培養
液を600μlずつとって、新しい培養用マイクロウェ
ルプレートに分注し、マイクロプレート用遠心機(4K
15C、シグマ社製)を用いて、6000rpm、20
℃にて5分間遠心した。上清を除き、沈殿した菌体から
DNA抽出キット(QIAprep 96・ターボ・バイオロ
ボット・キット、Qiagen社製)およびDNA抽出
装置(バイオロボット9600、Qiagen社製)を
用いてDNAを抽出した。
【0554】g)ヌクレオチド配列解析 シークエンシング用プライマーとして、下記のヌクレオ
チド配列:5'- tgtaaaacga cggccagt -3'(-21M13forwa
rd、配列表の配列番号57);および5'- caggaaacag c
tatgacc -3'(M13reverse、配列表の配列番号58)か
らなるオリゴヌクレオチドをDNA合成装置にて化学合
成した。
【0555】上記f)で得られた各DNA 10μlに
対して、プライマー(-21M13forwardまたはM13revers
e)を3.2pmol、シークエンシング試薬(ビッグ
ダイ・ターミネーター・サイクル・シークエンスFSレ
ディ・リアクション・キット、アプライドバイオシステ
ムズ社製)を8μl加え、滅菌水にて全量を20μlと
した。サーマルサイクラー(ジーンアンプ・PCRシス
テム9700、アプライドバイオシステムズ社製)にて
サイクルシークエンス反応を実施(96℃で10秒、5
0℃で5秒、60℃で4分を1サイクルとして25サイ
クル)して、得られたサンプルをDNAシークエンサー
(ABI3700、アプライドバイオシステムズ社製)
に供してヌクレオチド配列を解析した。得られた配列デ
ータは、DNAシークエンスソフト(Sequencher、Gene
Codes社製)を用いて編集、整列化された。解析の結
果、配列表の配列番号27に示されるヌクレオチド配列
を含むDNAが目的のプロモーターDNAとして選択さ
れた。マウス「アンジオポエチン関連タンパク質3」を
コードする遺伝子の転写開始点(エクソン1の5'末端
境界部位)はGenBankデータベースに登録されている最
も5'末端側が長いEST(Expressed Sequence Tag)
である「AI195524」を参照して決定した。すな
わち、AI195524のヌクレオチド配列のうち、ベ
クター部分を除いた最初のヌクレオチドを転写開始点と
判断し、その位置を「1」と定義した。このようにし
て、マウス「アンジオポエチン関連タンパク質3」遺伝
子の転写開始点より5'末端側418bpから3'末端側
132bpまでの領域に相当するヌクレオチド配列から
なるDNAが同定された。
【0556】実施例21. ルシフェラーゼ発現プラス
ミドベクターの構築 a)プラスミドpGL8−3の構築 実施例20の結果を基に、マウス「アンジオポエチン関
連タンパク質3」をコードする遺伝子の5'末端側上流
域を特異的に増幅するためのPCRプライマーとして、
下記のヌクレオチド配列:5'- aaggtaccgc tgtttccaga
taaacaaa -3' (プライマー1、配列表の配列番号5
9);および5'- tcaaatgatg aaaggtctgg atccactctg g
atgc -3' (プライマー2、配列表の配列番号60)か
らなるオリゴヌクレオチドをそれぞれ化学合成した。
【0557】上記プライマー(終濃度各0.2μM)
と、LA PCRキット(宝酒造(株)社製)添付の1
0×LAバッファー(Mg+)を5μl、同じく添付d
NTPを8μl、実施例20のa)に記載した方法で精
製したBACクローン355L−1 DNA 1μlお
よび滅菌水を加えて49.5μlとし、キット添付のL
A Taqポリメラーゼを0.5μl加えて全量を50
μlとした。サーマルサイクラー(ジーンアンプPCR
システム9600、アプライドバイオシステムズ社製)
を使用してPCRを実施した(温度条件:94℃で2分
間加熱してから、次に98℃で20秒、68℃で3分の
温度サイクルを30回繰り返し、4℃に冷却、保存し
た)。
【0558】このPCR後の反応液中のDNAをエタノ
ール沈殿で回収した後、滅菌水80μlに溶解した。こ
のDNAを制限酵素BamHIとKpnIで順次消化し
た。一方、ルシフェラーゼ発現ベクターpGL3−Ba
sic(プロメガ社製)を同様にKpnIとBglII
で消化し、アルカリホスファターゼ(宝酒造(株)社
製)を用いて脱リン酸化した後、上記DNA断片とDN
Aライゲーションキット(バージョン2、宝酒造(株)
社製)を用いて連結した。このDNAで大腸菌DH10
Bのコンピテント細胞(ギブコビーアールエル社製)を
形質転換し、アンピシリン耐性のコロニーを得た。
【0559】いくつかのコロニーを少量培養して、培養
菌体からプラスミドを抽出し、DNAシークエンサー
(モデル3700、((株)アプライドバイオシステム
ズ事業部製)を用いて挿入断片のヌクレオチド配列を解
析し、配列表の配列番号27のヌクレオチド番号1乃至
526に示されるヌクレオチド配列からなるDNAが挿
入されたプラスミドをpGL8−3と命名した。プラス
ミドpGL8−3は、2001(平成13)年6月7日
付けで独立行政法人産業技術総合研究所・特許生物寄託
センターに国際寄託され、受託番号FERM BP−7
627が付された。このプラスミドを保有する形質転換
大腸菌を50μg/mlのアンピシリンを含む100m
lの液体LB培地中で、37℃で一晩培養し、この培養
液から、プラスミド抽出精製キット(ウィザード・ピュ
アフェクション・キット、プロメガ社製))を用いてD
NAを回収し、精製した。
【0560】b)プラスミドpGL13−1の構築 下記のヌクレオチド配列:5'- aaggtaccaa ttgcatccag
agtggatcca a -3' (配列表の配列番号61);および
5'- ttggatccac tctggatgca attggtacct t -3' (配列
表の配列番号62)を有するオリゴヌクレオチドを合成
した。
【0561】上記オリゴヌクレオチド各5μgを混合し
てアニーリングさせてから、制限酵素BamHIとKp
nIで順次消化した。一方、ルシフェラーゼ発現ベクタ
ーpGL3−Basic(プロメガ社製)を同様にKp
nIとBglIIで消化し、アルカリホスファターゼ
(宝酒造(株)社製)を用いて脱リン酸化した後、上記
DNA断片とDNAライゲーションキット(バージョン
2、宝酒造(株)社製)を用いて連結した。このDNA
で大腸菌DH10Bのコンピテント細胞(ギブコビーア
ールエル社製)を形質転換し、アンピシリン耐性のコロ
ニーを得た。
【0562】いくつかのコロニーの培養菌体からプラス
ミドを抽出してDNAシークエンサー(モデル370
0、(株)パーキンエルマージャパン・アプライドバイ
オシステムズ事業部製)を用いてヌクレオチド配列を解
析し、マウス「アンジオポエチン関連タンパク質3」遺
伝子の+93乃至+108領域に相当するDNA(配列
表の配列番号27のヌクレオチド番号511乃至52
6)が挿入されたプラスミドpGL13−1を取得し
た。このプラスミドを保有する形質転換大腸菌を50μ
g/mlのアンピシリンを含む100mlの液体LB培
地中で、37℃で一晩培養し、この培養液から、プラス
ミド抽出精製キット(プロメガ社製)を用いてDNAを
回収し、精製した。
【0563】ルシフェラーゼ発現ベクターpGL3−B
asic(プロメガ社製)DNAでも同様にして大腸菌
DH10Bのコンピテント細胞(ギブコビーアールエル
社製)を形質転換し、アンピシリン耐性のコロニーを培
養し、プラスミド抽出精製キット(プロメガ社製)を用
いてDNAを回収し、精製した。このプラスミドDNA
をネガティブコントロールとして使用した。
【0564】実施例22. アンジオポエチン関連タン
パク質3遺伝子のプロモーター活性実施例21で単離し
たDNAのプロモーター活性について評価するため、レ
ポーターアッセイを実施した。すなわち、実施例21で
構築したホタルルシフェラーゼ発現プラスミド(pGL
8−3またはpGL13−1)を、ヒト肝臓由来細胞株
HepG2にトランスフェクションして、ホタルルシフ
ェラーゼ活性の変化を調べた。なお、細胞へのトランス
フェクション効率についての各プラスミド間の実験ロッ
ト差を補正するための内部標準として、ウミシイタケル
シフェラーゼ発現プラスミドpRL−CMV(プロメガ
社製)を用いた。
【0565】まず、HepG2細胞(大日本製薬(株)
社より購入)を、10%ウシ胎児血清(モアゲート社
製)、ペニシリン/ストレプトマイシン、2mMのL−
グルタミン、および1mMのピルビン酸を含むMEM培
地(ギブコ・ビーアールエル社製)中で、37℃で5%
炭酸ガスのインキュベーター内で培養した。セミコンフ
ルエントになるまで増殖させた大角フラスコ(住友ベー
クライト社製)に、PBS(−)(日水製薬(株)社
製)を加えて、セルスクレーパー(住友ベークライト
(株)社製)を用いて細胞を掻きとって回収した。その
細胞を5×105個/ウェルで6穴培養プレート(コー
ニング社製)に蒔き、一晩培養した。1μgのpGL3
−Basic、pGL8−3、あるいはpGL13−1
DNAと0.04ngのpRL−CMV DNAを混
合して、滅菌水で全量を5μlとしてDNA溶液とし
た。一方、100μlのウシ胎児血清を含まないMEM
培地(その他の成分は上記と同様)に6μlのトランス
フェクション試薬(TransIT-LT1、宝酒造(株)社製)
を添加し室温で5分間保温した。この溶液に先に調製し
たDNAサンプルを添加し、室温で5分間保温した。細
胞は血清を含まないMEM培地(その他の成分は上記と
同じ)2mlで2回洗浄し、2mlの同培地に置き換え
た。DNA溶液を30μl/ウェルずつ3ウェルへ添加
して、4時間培養後に2ml/ウェルの10%ウシ胎児
血清を含むMEM培地(その他の成分は上記と同じ)へ
置き換え37℃で一晩培養した。培養後、培地を除去し
て200μl/ウェルの細胞溶解剤(Passive Lysis Bu
ffer(プロメガ社製))に溶解して、細胞抽出液を調製
した。そして、そのうちの20μlを用いて、デュアル
−ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ・システム
(プロメガ社製)を、添付のプロトコールに従って用い
ることにより、ホタルおよびウミシイタケルシフェラー
ゼ活性を測定した(ルミナスCT−9000D、ダイア
ヤトロン社製を使用)。実験結果については、内部標準
のウミシイタケルシフェラーゼ活性で補正したホタルル
シフェラーゼ活性として表した。
【0566】その結果、pGL8−3を導入したHep
G2細胞では、pGL3−Basicを導入した細胞に
比べて約19倍のルシフェラーゼ活性が観察されたこと
から、pGL8−3に組み込まれた配列表の配列番号2
7に示されるヌクレオチド配列からなるDNAにはプロ
モーターとしての活性が存在することが明らかとなっ
た。一方、pGL13−1を導入した細胞では、ルシフ
ェラーゼ活性がpGL8−3を導入した細胞の1/10
に低下した。以上の結果より、配列表の配列番号27の
ヌクレオチド番号1乃至510に示されるDNA、すな
わちマウス「アンジオポエチン関連タンパク質3」遺伝
子の5'末端側上流−418乃至+92に相当する領域
にプロモーター活性が存在することが明らかとなった。
【0567】本実施例の方法において、例えばpGL8
−3で形質転換したHepG2細胞を被験物質存在下で
培養したときのルシフェラーゼ活性を測定することによ
り、本発明のDNAのプロモーター活性を阻害する物質
の試験を行うことができる。このプロモーター活性を阻
害する物質は、高脂血症、動脈硬化および高血糖から選
択される一つまたは二つ以上の疾患の治療または予防剤
となりうる。
【0568】実施例23. 「アンジオポエチン関連タ
ンパク質4」プロモーター領域の解析 a)マウス「アンジオポエチン関連タンパク質4」プロ
モーター領域の単離マウス「アンジオポエチン関連タン
パク質4」をコードする遺伝子の5'末端側上流域を特
異的に増幅するためのPCRプライマーとして、下記の
ヌクレオチド配列:5'- cggggtaccgagtgggtgctgggaagca
a -3'(プライマー1、配列表の配列番号63);およ
び5'- cccaagcttgccttgggtgcagcaacgct -3'(プライマ
ー2、配列表の配列番号64)からなるオリゴヌクレオ
チドをDNA合成装置(アマシャム バイオサイエンス
株式会社)にて化学合成した。
【0569】マウス129Sv(三共株式会社安全性研
究所で飼育)由来のゲノムDNA100ngを鋳型と
し、上記プライマー(それぞれ300nM)、KOD
DNAポリメラーゼ(東洋紡社製)を1μl、1×PC
R反応緩衝液(DNAポリメラーゼに添付の10×緩衝
液#1を10分の1量)、1mMの塩化マグネシウム、
各0.2mMのdNTPおよび滅菌水を加えて全量を5
0μlとしPCRを行った。PCRはサーマルサイクラ
ー(ジーンアンプPCRシステム9700、アプライド
バイオシステムズ社製)を使用し、上記サンプルを94
℃で2分間加熱した後に、94℃で15秒、60℃で3
0秒、68℃で3分の温度サイクル35回、最後に68
℃で3分間保温の条件で行なった。得られたPCR産物
はQIAquick PCR Purificatio
n Kit(キアゲン社製)で精製後、KpnIおよび
HindIIIによる切断を行い、1.0% 1×TA
Eアガロース電気泳動による目的バンドの分離後、SU
PREC−01(宝酒造(株)社製)、エタノール沈殿
によりDNAの回収を行った。
【0570】一方、ルシフェラーゼ発現ベクターpGL
3−Basic(プロメガ社製)を同様にKpnIおよ
びHindIIIで消化し、アルカリホスファターゼ
(宝酒造(株)社製)を用いて脱リン酸化した後、上記
DNA断片とDNAライゲーションキット(バージョン
2、宝酒造(株)社製)を用いて連結した。このDNA
で大腸菌DH10Bのコンピテント細胞(ギブコビーア
ールエル社製)を形質転換し、アンピシリン耐性のコロ
ニーを得た。いくつかのコロニーを少量培養して、培養
菌体からプラスミドを抽出し、DNAシークエンサー
(モデル3700、(アプライドバイオシステムズジャ
パン社製)を用いて挿入断片のヌクレオチド配列を解析
し、配列表の配列番号28のヌクレオチド番号1乃至2
60に示されるヌクレオチド配列からなるDNAを含む
約2.9kbの断片が挿入されたプラスミドを得た(p
GL2−4)。このプラスミドを保有する形質転換大腸
菌を50μg/mlのアンピシリンを含む100mlの
液体LB培地中で、37℃で一晩培養し、この培養液か
ら、プラスミド抽出精製キット(EndoFree P
lasmid Maxi Kit、キアゲン社製)を用
いてDNAを回収し、精製した。
【0571】b)ルシフェラーゼ発現プラスミドベクタ
ーpGL11−4およびpGL12−4の構築 マウス「アンジオポエチン関連タンパク質4」をコード
する遺伝子の5'末端側上流域を特異的に増幅するため
のPCRプライマーとして、下記のヌクレオチド配列:
5'- cggggtaccacaaagcctgtggcattgca -3'(プライマー
3、配列表の配列番号65);および5'- cggggtaccctc
ccccagaactccagctg -3'(プライマー4、配列表の配列
番号66)からなるオリゴヌクレオチドをDNA合成装
置にて化学合成した。
【0572】プラスミドpGL2−4を鋳型とし、上記
プライマー(それぞれ300nM)、KOD DNAポ
リメラーゼ(東洋紡社製)を1μl、1×PCR反応緩
衝液(DNAポリメラーゼに添付の10×緩衝液#1を
10分の1量)、1mMの塩化マグネシウム、各0.2
mMのdNTPsおよび滅菌水を加えて全量を50μl
としPCRを行った。PCRはサーマルサイクラー(ジ
ーンアンプPCRシステム9700、アプライドバイオ
システムズ社製)を使用し、上記サンプルを94℃で2
分間加熱した後に、94℃で15秒、60℃で15秒の
温度サイクル30回、最後に68℃で3分間保温の条件
で行なった。得られたPCR産物はQIAquick
PCR Purification Kit(キアゲン
社製)で精製後、KpnIおよびHindIIIによる
切断を行い、1.0% 1×TAEアガロース電気泳動
による目的バンドの分離後、SUPREC−01(宝酒
造(株)社製)、エタノール沈殿によりDNAの回収を
行った。
【0573】一方、ルシフェラーゼ発現ベクターpGL
3−Basic(プロメガ社製)を同様にKpnIおよ
びHindIIIで消化し、アルカリホスファターゼ
(宝酒造(株)社製)を用いて脱リン酸化した後、上記
DNA断片とDNAライゲーションキット(バージョン
2、宝酒造(株)社製)を用いて連結した。このDNA
で大腸菌DH10Bのコンピテント細胞(ギブコビーア
ールエル社製)を形質転換し、アンピシリン耐性のコロ
ニーを得た。いくつかのコロニーを少量培養して、培養
菌体からプラスミドを抽出し、DNAシークエンサー
(モデル3700、(アプライドバイオシステムズジャ
パン社製)を用いて挿入断片のヌクレオチド配列を解析
し、配列表の配列番号28のヌクレオチド番号1乃至2
60に示されるヌクレオチド配列からなるDNAが挿入
されたプラスミドをpGL11−4と命名し、配列表の
配列番号28のヌクレオチド番号189乃至260に示
されるヌクレオチド配列からなるDNAが挿入されたプ
ラスミドをpGL12−4と命名した。
【0574】このプラスミドを保有する形質転換大腸菌
を50μg/mlのアンピシリンを含む100mlの液
体LB培地中で、37℃で一晩培養し、この培養液か
ら、プラスミド抽出精製キット(EndoFree P
lasmid Maxi Kit、キアゲン社製)を用
いてDNAを回収し、精製した。
【0575】マウス「アンジオポエチン関連タンパク質
4」をコードする遺伝子の転写開始点(エクソン1の
5'末端境界部位)はGenBankデータベースに登録されて
いる最も5'末端側が長いEST(Expressed Sequence
Tag)である「AK014564」を参照して決定し
た。すなわち、AK014564のヌクレオチド配列の
うち、ベクター部分を除いた最初のヌクレオチドを転写
開始点と判断し、その位置を「1」と定義した。このよ
うにして、マウス「アンジオポエチン関連タンパク質
4」遺伝子の転写開始点より5'末端側90bpから3'
末端側170bpまでの領域に相当するヌクレオチド配
列からなるDNAの単離を行った。
【0576】ルシフェラーゼ発現ベクターpGL3−B
asic(プロメガ社製)DNAも同様にして大腸菌D
H10Bのコンピテント細胞(ギブコビーアールエル社
製)を形質転換し、アンピシリン耐性のコロニーを培養
し、プラスミド抽出精製キット(EndoFree P
lasmid Maxi Kit、キアゲン社製)を用
いてDNAを回収し、精製した。このプラスミドDNA
をネガティブコントロールとして使用した。
【0577】実施例24. アンジオポエチン関連タン
パク質4遺伝子のプロモーター活性実施例23で単離し
たDNAのプロモーター活性について評価するため、レ
ポーターアッセイを実施した。すなわち、実施例23で
構築したホタルルシフェラーゼ発現プラスミド(pGL
11−4またはpGL12−4)を、サル腎臓由来細胞
株COS1にトランスフェクションして、ホタルルシフ
ェラーゼ活性の変化を調べた。なお、細胞へのトランス
フェクション効率についての各プラスミド間の実験ロッ
ト差を補正するための内部標準として、ウミシイタケル
シフェラーゼ発現プラスミドpRL−TK(プロメガ社
製)を用いた。
【0578】まず、COS1細胞(アメリカン・タイプ
・カルチャー・コレクション(American Type Culture
Collection:ATCC)より購入)を、10%ウシ胎児
血清(ギブコ・ビーアールエル社製)およびペニシリン
/ストレプトマイシンを含むD−MEM培地(ギブコ・
ビーアールエル社製、Catlog Number11
965−092)中で、37℃で5%炭酸ガスのインキ
ュベーター内で培養した。24穴培養プレート(コーニ
ング社製)でセミコンフルエント(semi-confluent)に
なるまで増殖させ、0.2μgのpGL3−Basi
c、pGL11−4、あるいはpGL12−4 DNA
と6ngのpRL−TK DNAを混合して、滅菌水で
全量を5μlとしてDNA溶液とした。一方、20μl
のウシ胎児血清を含まないD−MEM培地(その他の成
分は上記と同様)に1μlのトランスフェクション試薬
(FuGENE6、ロシュ社製)を添加し軽く攪拌した
後、この溶液に先に調製したDNAサンプルを添加し、
室温で15分間保温した。DNA溶液を3ウエルへ添加
して、37℃で二晩培養した。培養後、培地を除去し、
250μl/ウエルの細胞溶解剤(Passive Lysis Buff
er(プロメガ社製))に溶解して、細胞抽出液を調製し
た。そして、そのうちの20μlを用いて、デュアル−
ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ・システム(プ
ロメガ社製)を、添付のプロトコールに従って用いるこ
とにより、ホタルおよびウミシイタケルシフェラーゼ活
性を測定した(ルミナスCT−9000D、ダイアヤト
ロン社製を使用)。実験結果については、内部標準のウ
ミシイタケルシフェラーゼ活性で補正したホタルルシフ
ェラーゼ活性とし、pGL3−Basicコントロール
を1とした時の相対値で表した。
【0579】その結果、pGL11−4を導入したCO
S1細胞では、pGL3−Basicを導入した細胞に
比べて約30倍のルシフェラーゼ活性が観察されたこと
から、pGL11−4に組み込まれた配列表の配列番号
28に示されるヌクレオチド配列からなるDNAにはプ
ロモーターとしての活性が存在することが明らかとなっ
た。一方、pGL12−4を導入した細胞では、pGL
3−Basicを導入した細胞に対して約1.7倍のル
シフェラーゼ活性を示すにとどまった。その結果を表1
3に示した。以上の結果より、配列表の配列番号28の
ヌクレオチド番号1乃至260に示されるDNA、すな
わちマウス「アンジオポエチン関連タンパク質4」遺伝
子の5'末端側上流−90乃至+170に相当する領域
にプロモーター活性が存在することが明らかとなった。
なお、表中(Mean±SD)はルシフェラーゼ活性の
平均値と標準偏差を意味する。
【0580】
【表13】 ――――――――――――――――――――――――――――――――― ルシフェラーゼ活性(Mean±SD) ――――――――――――――――――――――――――――――――― pGL3−Basic 1.0±0.1 pGL11−4 30.3±5.3 pGL12−4 1.7±0.2 ――――――――――――――――――――――――――――――――― 本実施例の方法において、例えばpGL11−4で形質
転換したCOS1細胞を被験物質存在下で培養したとき
のルシフェラーゼ活性を測定することにより、本発明の
DNAのプロモーター活性を阻害する物質の試験を行う
ことができる。このプロモーター活性を阻害する物質
は、高脂血症、動脈硬化および高血糖から選択される一
つまたは二つ以上の疾患の治療または予防剤となりう
る。
【0581】
【発明の効果】 以上述べたように、本発明により、配
列表の配列番号1のヌクレオチド番号47から1411
に示されるヌクレオチド配列または配列表の配列番号3
のヌクレオチド番号78から1457に示されるヌクレ
オチド配列からなる遺伝子が、高脂血症、動脈硬化およ
び高血糖から選択される一つまたは二つ以上の疾患に関
与する遺伝的素因の一つであり、従って該遺伝子の発現
量を抑制する物質が高脂血症、動脈硬化および高血糖か
ら選択される一つまたは二つ以上の疾患の治療または予
防剤となり得ることが確かめられた。すなわち、本発明
の方法、該方法のうち核酸の検出を行う態様においてプ
ローブまたはプライマーとして使用されるポリヌクレオ
チドおよび同じくポリペプチドの検出を行う態様におい
て使用される抗体は、高脂血症、動脈硬化および高血糖
から選択される一つまたは二つ以上の疾患の治療または
予防剤の探索に有用である。また、本発明のポリペプチ
ドが血中中性脂肪濃度を上昇させる活性を有すること、
該活性は融合タンパク質の形状でも保持され得ること、
さらに本発明のポリペプチドがLPL活性の阻害効果を
有すること、および本発明のポリペプチドを用いること
により高脂血症、動脈硬化および高血糖から選択される
一つまたは二つ以上の疾患の治療または予防剤の試験を
イン・ビボ、イン・ビトロのいずれにおいても実施でき
ることが示された。
【0582】さらに、本発明により、プロモーター活性
を有する新規DNAが提供された。本発明のDNAは、
「アンジオポエチン関連タンパク質3」または「アンジ
オポエチン関連タンパク質4」の発現量を抑制する物質
を試験するための方法に用いることができるので、新し
い作用機作を有する高脂血症、動脈硬化および高血糖か
ら選択される一つまたは二つ以上の疾患の治療または予
防剤の開発に有用である。
【配列表フリーテキスト】配列番号9: ポリクローナ
ル抗体を取得するための抗原として使用された合成オリ
ゴペプチド 配列番号11: ヒト・「アンジオポエチン関連タンパ
ク質3」のアミノ末端側領域をコードするDNA 配列番号12: ヒト・「アンジオポエチン関連タンパ
ク質3」のアミノ末端側領域をコードするポリペプチド
のアミノ酸配列 配列番号13: ヒト・「アンジオポエチン関連タンパ
ク質3」のカルボキシル末端側領域をコードするペプチ
ドのポリペプチドのDNA配列 配列番号14: ヒト・「アンジオポエチン関連タンパ
ク質3」のカルボキシル末端側領域をコードするポリペ
プチドのアミノ酸配列 配列番号25: KhAP5 CC/Hisをコードす
るDNA 配列番号26: KhAP5 CC/Hisのアミノ酸
配列 配列番号42: コザックのコンセンサス配列が付加さ
れたPCRプライマー 配列番号43: 制限酵素XhoIの特異的配列が付加
されたPCRプライマー 配列番号44: GST−CC、GST−CCdel及
びGST−C1の一部をコードするDNAを増幅するた
めのPCRセンスプライマー 配列番号45: GST−CCの一部をコードするDN
Aを増幅するためのPCRアンチセンスプライマー 配列番号46: GST−CCdelの一部をコードす
るDNAを増幅するためのPCRアンチセンスプライマ
ー 配列番号47: GST−C1の一部をコードするDN
Aを増幅するためのPCRアンチセンスプライマー 配列番号48: ヒスチジンタグをコードする配列を挿
入するためのオリゴヌクレオチド 配列番号49: ヒスチジンタグをコードする配列を挿
入するためのオリゴヌクレオチド 配列番号50: プラスミドpME18S/KhAP5
/Hisの部分断片を増幅するためのセンス/アンチセ
ンスプライマー 配列番号51: GST−ARP4Nの一部をコードす
るDNAを増幅するためのPCRセンスプライマー 配列番号52: GST−ARP4Nの一部をコードす
るDNAを増幅するためのPCRアンチセンスプライマ
ー 配列番号55: GST−ARP4Fullの一部をコ
ードするDNAを増幅するためのPCRセンスプライマ
ー 配列番号56: GST−ARP4Fullの一部をコ
ードするDNAを増幅するためのPCRアンチセンスプ
ライマー 配列番号57: シークエンシングプライマー -21M13
forward 配列番号58: シークエンシングプライマー M13rev
erse 配列番号59: PCRプライマー1 配列番号60: PCRプライマー2 配列番号61: プラスミドpGL13−1の挿入断片
を調製するためのオリゴヌクレオチド 配列番号62: プラスミドpGL13−1の挿入断片
を調製するためのオリゴヌクレオチド 配列番号63: 制限酵素KpnIに特異的な配列を付
加したPCRセンスプライマー。 配列番号64: 制限酵素HindIIIに特異的な配
列を付加したPCRアンチセンスプライマー。 配列番号65: 制限酵素KpnIに特異的な配列を付
加したPCRセンスプライマー。 配列番号66: 制限酵素HindIIIに特異的な配
列を付加したPCRアンチセンスプライマー。
【0583】
【配列表】SEQUENCE LISTING<110> Sankyo Company, Li
mited <120> Methods of testing therapeutic or preventive
agents for hyperlipidemia. <130> 2002036SM <140> <141> <150>JP2001/173758 <151>2001-6-8 <150>JP2001/178548 <151>2001-6-13 <150>JP2001/213334 <151>2001-7-13 <150>JP2001/300715 <151>2001-9-28 <150>JP2001/300716 <151>2001-9-28 <150>JP2001/357037 <151>2001-11-22 <150>JP2001/384103 <151>2001-12-18 <150>JP2002/103583 <151>2001-4-5 <160> 66 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 1604 <212> DNA <213> Mus musculus <220> <221> CDS <222> (47)..(1411) <400> 1 ggcacgaggt tccaaattgc ttaaaattga ataattgaga caaaaa atg cac aca 55 Met His Thr 1 att aaa tta ttc ctt ttt gtt gtt cct tta gta att gca tcc aga gtg 103 Ile Lys Leu Phe Leu Phe Val Val Pro Leu Val Ile Ala Ser Arg Val 5 10 15 gat cca gac ctt tca tca ttt gat tct gca cct tca gag cca aaa tca 151 Asp Pro Asp Leu Ser Ser Phe Asp Ser Ala Pro Ser Glu Pro Lys Ser 20 25 30 35 aga ttt gct atg ttg gat gat gtc aaa att tta gcg aat ggc ctc ctg 199 Arg Phe Ala Met Leu Asp Asp Val Lys Ile Leu Ala Asn Gly Leu Leu 40 45 50 cag ctg ggt cat gga ctt aaa gat ttt gtc cat aag act aag gga caa 247 Gln Leu Gly His Gly Leu Lys Asp Phe Val His Lys Thr Lys Gly Gln 55 60 65 att aac gac ata ttt cag aag ctc aac ata ttt gat cag tct ttt tat 295 Ile Asn Asp Ile Phe Gln Lys Leu Asn Ile Phe Asp Gln Ser Phe Tyr 70 75 80 gac cta tca ctt cga acc aat gaa atc aaa gaa gag gaa aag gag cta 343 Asp Leu Ser Leu Arg Thr Asn Glu Ile Lys Glu Glu Glu Lys Glu Leu 85 90 95 aga aga act aca tct aca cta caa gtt aaa aac gag gag gtg aag aac 391 Arg Arg Thr Thr Ser Thr Leu Gln Val Lys Asn Glu Glu Val Lys Asn 100 105 110 115 atg tca gta gaa ctg aac tca aag ctt gag agt ctg ctg gaa gag aag 439 Met Ser Val Glu Leu Asn Ser Lys Leu Glu Ser Leu Leu Glu Glu Lys 120 125 130 aca gcc ctt caa cac aag gtc agg gct ttg gag gag cag cta acc aac 487 Thr Ala Leu Gln His Lys Val Arg Ala Leu Glu Glu Gln Leu Thr Asn 135 140 145 tta att cta agc cca gct ggg gct cag gag cac cca gaa gta aca tca 535 Leu Ile Leu Ser Pro Ala Gly Ala Gln Glu His Pro Glu Val Thr Ser 150 155 160 ctc aaa agt ttt gta gaa cag caa gac aac agc ata aga gaa ctc ctc 583 Leu Lys Ser Phe Val Glu Gln Gln Asp Asn Ser Ile Arg Glu Leu Leu 165 170 175 cag agt gtg gaa gaa cag tat aaa caa tta agt caa cag cac atg cag 631 Gln Ser Val Glu Glu Gln Tyr Lys Gln Leu Ser Gln Gln His Met Gln 180 185 190 195 ata aaa gaa ata gaa aag cag ctc aga aag act ggt att caa gaa ccc 679 Ile Lys Glu Ile Glu Lys Gln Leu Arg Lys Thr Gly Ile Gln Glu Pro 200 205 210 tca gaa aat tct ctt tct tct aaa tca aga gca cca aga act act ccc 727 Ser Glu Asn Ser Leu Ser Ser Lys Ser Arg Ala Pro Arg Thr Thr Pro 215 220 225 cct ctt caa ctg aac gaa aca gaa aat aca gaa caa gat gac ctt cct 775 Pro Leu Gln Leu Asn Glu Thr Glu Asn Thr Glu Gln Asp Asp Leu Pro 230 235 240 gcc gac tgc tct gcc gtt tat aac aga ggc gaa cat aca agt ggc gtg 823 Ala Asp Cys Ser Ala Val Tyr Asn Arg Gly Glu His Thr Ser Gly Val 245 250 255 tac act att aaa cca aga aac tcc caa ggg ttt aat gtc tac tgt gat 871 Tyr Thr Ile Lys Pro Arg Asn Ser Gln Gly Phe Asn Val Tyr Cys Asp 260 265 270 275 acc caa tca ggc agt cca tgg aca tta att caa cac cgg aaa gat ggc 919 Thr Gln Ser Gly Ser Pro Trp Thr Leu Ile Gln His Arg Lys Asp Gly 280 285 290 tca cag gac ttc aac gaa aca tgg gaa aac tac gaa aag ggc ttt ggg 967 Ser Gln Asp Phe Asn Glu Thr Trp Glu Asn Tyr Glu Lys Gly Phe Gly 295 300 305 agg ctc gat gga gaa ttt tgg ttg ggc cta gag aag atc tat gct ata 1015 Arg Leu Asp Gly Glu Phe Trp Leu Gly Leu Glu Lys Ile Tyr Ala Ile 310 315 320 gtc caa cag tct aac tac att tta cga ctc gag cta caa gac tgg aaa 1063 Val Gln Gln Ser Asn Tyr Ile Leu Arg Leu Glu Leu Gln Asp Trp Lys 325 330 335 gac agc aag cac tac gtt gaa tac tcc ttt cac ctg ggc agt cac gaa 1111 Asp Ser Lys His Tyr Val Glu Tyr Ser Phe His Leu Gly Ser His Glu 340 345 350 355 acc aac tac acg cta cat gtg gct gag att gct ggc aat atc cct ggg 1159 Thr Asn Tyr Thr Leu His Val Ala Glu Ile Ala Gly Asn Ile Pro Gly 360 365 370 gcc ctc cca gag cac aca gac ctg atg ttt tct aca tgg aat cac aga 1207 Ala Leu Pro Glu His Thr Asp Leu Met Phe Ser Thr Trp Asn His Arg 375 380 385 gca aag gga cag ctc tac tgt cca gaa agt tac tca ggt ggc tgg tgg 1255 Ala Lys Gly Gln Leu Tyr Cys Pro Glu Ser Tyr Ser Gly Gly Trp Trp 390 395 400 tgg aat gac ata tgt gga gaa aac aac cta aat gga aaa tac aac aaa 1303 Trp Asn Asp Ile Cys Gly Glu Asn Asn Leu Asn Gly Lys Tyr Asn Lys 405 410 415 ccc aga acc aaa tcc aga cca gag aga aga aga ggg atc tac tgg aga 1351 Pro Arg Thr Lys Ser Arg Pro Glu Arg Arg Arg Gly Ile Tyr Trp Arg 420 425 430 435 cct cag agc aga aag ctc tat gct atc aaa tca tcc aaa atg atg ctc 1399 Pro Gln Ser Arg Lys Leu Tyr Ala Ile Lys Ser Ser Lys Met Met Leu 440 445 450 cag ccc acc acc taagaagctt caactgaact gagacaaaat aaaagatcaa 1451 Gln Pro Thr Thr 455 taaattaaat attaaagtcc tcccgatcac tgtagtaatc tggtattaaa attttaatgg 1511 aaagcttgag aattgaattt caattaggtt taaactcatt gttaagatca gatatcaccg 1571 aatcaacgta aacaaaattt atctttttca atc 1604 <210> 2 <211> 455 <212> PRT <213> Mus musculus <400> 2 Met His Thr Ile Lys Leu Phe Leu Phe Val Val Pro Leu Val Ile Ala 1 5 10 15 Ser Arg Val Asp Pro Asp Leu Ser Ser Phe Asp Ser Ala Pro Ser Glu 20 25 30 Pro Lys Ser Arg Phe Ala Met Leu Asp Asp Val Lys Ile Leu Ala Asn 35 40 45 Gly Leu Leu Gln Leu Gly His Gly Leu Lys Asp Phe Val His Lys Thr 50 55 60 Lys Gly Gln Ile Asn Asp Ile Phe Gln Lys Leu Asn Ile Phe Asp Gln 65 70 75 80 Ser Phe Tyr Asp Leu Ser Leu Arg Thr Asn Glu Ile Lys Glu Glu Glu 85 90 95 Lys Glu Leu Arg Arg Thr Thr Ser Thr Leu Gln Val Lys Asn Glu Glu 100 105 110 Val Lys Asn Met Ser Val Glu Leu Asn Ser Lys Leu Glu Ser Leu Leu 115 120 125 Glu Glu Lys Thr Ala Leu Gln His Lys Val Arg Ala Leu Glu Glu Gln 130 135 140 Leu Thr Asn Leu Ile Leu Ser Pro Ala Gly Ala Gln Glu His Pro Glu 145 150 155 160 Val Thr Ser Leu Lys Ser Phe Val Glu Gln Gln Asp Asn Ser Ile Arg 165 170 175 Glu Leu Leu Gln Ser Val Glu Glu Gln Tyr Lys Gln Leu Ser Gln Gln 180 185 190 His Met Gln Ile Lys Glu Ile Glu Lys Gln Leu Arg Lys Thr Gly Ile 195 200 205 Gln Glu Pro Ser Glu Asn Ser Leu Ser Ser Lys Ser Arg Ala Pro Arg 210 215 220 Thr Thr Pro Pro Leu Gln Leu Asn Glu Thr Glu Asn Thr Glu Gln Asp 225 230 235 240 Asp Leu Pro Ala Asp Cys Ser Ala Val Tyr Asn Arg Gly Glu His Thr 245 250 255 Ser Gly Val Tyr Thr Ile Lys Pro Arg Asn Ser Gln Gly Phe Asn Val 260 265 270 Tyr Cys Asp Thr Gln Ser Gly Ser Pro Trp Thr Leu Ile Gln His Arg 275 280 285 Lys Asp Gly Ser Gln Asp Phe Asn Glu Thr Trp Glu Asn Tyr Glu Lys 290 295 300 Gly Phe Gly Arg Leu Asp Gly Glu Phe Trp Leu Gly Leu Glu Lys Ile 305 310 315 320 Tyr Ala Ile Val Gln Gln Ser Asn Tyr Ile Leu Arg Leu Glu Leu Gln 325 330 335 Asp Trp Lys Asp Ser Lys His Tyr Val Glu Tyr Ser Phe His Leu Gly 340 345 350 Ser His Glu Thr Asn Tyr Thr Leu His Val Ala Glu Ile Ala Gly Asn 355 360 365 Ile Pro Gly Ala Leu Pro Glu His Thr Asp Leu Met Phe Ser Thr Trp 370 375 380 Asn His Arg Ala Lys Gly Gln Leu Tyr Cys Pro Glu Ser Tyr Ser Gly 385 390 395 400 Gly Trp Trp Trp Asn Asp Ile Cys Gly Glu Asn Asn Leu Asn Gly Lys 405 410 415 Tyr Asn Lys Pro Arg Thr Lys Ser Arg Pro Glu Arg Arg Arg Gly Ile 420 425 430 Tyr Trp Arg Pro Gln Ser Arg Lys Leu Tyr Ala Ile Lys Ser Ser Lys 435 440 445 Met Met Leu Gln Pro Thr Thr 450 455 <210> 3 <211> 1716 <212> DNA <213> Homo sapiens <220> <221> CDS <222> (78)..(1457) <400> 3 gcggccgcgt cgacgtctag gtctgcttcc agaagaaaac agttccacgt tgcttgaaat 60 tgaaaatcaa gataaaa atg ttc aca att aag ctc ctt ctt ttt att gtt 110 Met Phe Thr Ile Lys Leu Leu Leu Phe Ile Val 1 5 10 cct cta gtt att tcc tcc aga att gat caa gac aat tca tca ttt gat 158 Pro Leu Val Ile Ser Ser Arg Ile Asp Gln Asp Asn Ser Ser Phe Asp 15 20 25 tct cta tct cca gag cca aaa tca aga ttt gct atg tta gac gat gta 206 Ser Leu Ser Pro Glu Pro Lys Ser Arg Phe Ala Met Leu Asp Asp Val 30 35 40 aaa att tta gcc aat ggc ctc ctt cag ttg gga cat ggt ctt aaa gac 254 Lys Ile Leu Ala Asn Gly Leu Leu Gln Leu Gly His Gly Leu Lys Asp 45 50 55 ttt gtc cat aag acg aag ggc caa att aat gac ata ttt caa aaa ctc 302 Phe Val His Lys Thr Lys Gly Gln Ile Asn Asp Ile Phe Gln Lys Leu 60 65 70 75 aac ata ttt gat cag tct ttt tat gat cta tcg ctg caa acc agt gaa 350 Asn Ile Phe Asp Gln Ser Phe Tyr Asp Leu Ser Leu Gln Thr Ser Glu 80 85 90 atc aaa gaa gaa gaa aag gaa ctg aga aga act aca tat aaa cta caa 398 Ile Lys Glu Glu Glu Lys Glu Leu Arg Arg Thr Thr Tyr Lys Leu Gln 95 100 105 gtc aaa aat gaa gag gta aag aat atg tca ctt gaa ctc aac tca aaa 446 Val Lys Asn Glu Glu Val Lys Asn Met Ser Leu Glu Leu Asn Ser Lys 110 115 120 ctt gaa agc ctc cta gaa gaa aaa att cta ctt caa caa aaa gtg aaa 494 Leu Glu Ser Leu Leu Glu Glu Lys Ile Leu Leu Gln Gln Lys Val Lys 125 130 135 tat tta gaa gag caa cta act aac tta att caa aat caa cct gaa act 542 Tyr Leu Glu Glu Gln Leu Thr Asn Leu Ile Gln Asn Gln Pro Glu Thr 140 145 150 155 cca gaa cac cca gaa gta act tca ctt aaa act ttt gta gaa aaa caa 590 Pro Glu His Pro Glu Val Thr Ser Leu Lys Thr Phe Val Glu Lys Gln 160 165 170 gat aat agc atc aaa gac ctt ctc cag acc gtg gaa gac caa tat aaa 638 Asp Asn Ser Ile Lys Asp Leu Leu Gln Thr Val Glu Asp Gln Tyr Lys 175 180 185 caa tta aac caa cag cat agt caa ata aaa gaa ata gaa aat cag ctc 686 Gln Leu Asn Gln Gln His Ser Gln Ile Lys Glu Ile Glu Asn Gln Leu 190 195 200 aga agg act agt att caa gaa ccc aca gaa att tct cta tct tcc aag 734 Arg Arg Thr Ser Ile Gln Glu Pro Thr Glu Ile Ser Leu Ser Ser Lys 205 210 215 cca aga gca cca aga act act ccc ttt ctt cag ttg aat gaa ata aga 782 Pro Arg Ala Pro Arg Thr Thr Pro Phe Leu Gln Leu Asn Glu Ile Arg 220 225 230 235 aat gta aaa cat gat ggc att cct gct gaa tgt acc acc att tat aac 830 Asn Val Lys His Asp Gly Ile Pro Ala Glu Cys Thr Thr Ile Tyr Asn 240 245 250 aga ggt gaa cat aca agt ggc atg tat gcc atc aga ccc agc aac tct 878 Arg Gly Glu His Thr Ser Gly Met Tyr Ala Ile Arg Pro Ser Asn Ser 255 260 265 caa gtt ttt cat gtc tac tgt gat gtt ata tca ggt agt cca tgg aca 926 Gln Val Phe His Val Tyr Cys Asp Val Ile Ser Gly Ser Pro Trp Thr 270 275 280 tta att caa cat cga ata gat gga tca caa aac ttc aat gaa acg tgg 974 Leu Ile Gln His Arg Ile Asp Gly Ser Gln Asn Phe Asn Glu Thr Trp 285 290 295 gag aac tac aaa tat ggt ttt ggg agg ctt gat gga gaa ttt tgg ttg 1022 Glu Asn Tyr Lys Tyr Gly Phe Gly Arg Leu Asp Gly Glu Phe Trp Leu 300 305 310 315 ggc cta gag aag ata tac tcc ata gtg aag caa tct aat tat gtt tta 1070 Gly Leu Glu Lys Ile Tyr Ser Ile Val Lys Gln Ser Asn Tyr Val Leu 320 325 330 cga att gag ttg gaa gac tgg aaa gac aac aaa cat tat att gaa tat 1118 Arg Ile Glu Leu Glu Asp Trp Lys Asp Asn Lys His Tyr Ile Glu Tyr 335 340 345 tct ttt tac ttg gga aat cac gaa acc aac tat acg cta cat cta gtt 1166 Ser Phe Tyr Leu Gly Asn His Glu Thr Asn Tyr Thr Leu His Leu Val 350 355 360 gcg att act ggc aat gtc ccc aat gca atc ccg gaa aac aaa gat ttg 1214 Ala Ile Thr Gly Asn Val Pro Asn Ala Ile Pro Glu Asn Lys Asp Leu 365 370 375 gtg ttt tct act tgg gat cac aaa gca aaa gga cac ttc aac tgt cca 1262 Val Phe Ser Thr Trp Asp His Lys Ala Lys Gly His Phe Asn Cys Pro 380 385 390 395 gag ggt tat tca gga ggc tgg tgg tgg cat gat gag tgt gga gaa aac 1310 Glu Gly Tyr Ser Gly Gly Trp Trp Trp His Asp Glu Cys Gly Glu Asn 400 405 410 aac cta aat ggt aaa tat aac aaa cca aga gca aaa tct aag cca gag 1358 Asn Leu Asn Gly Lys Tyr Asn Lys Pro Arg Ala Lys Ser Lys Pro Glu 415 420 425 agg aga aga gga tta tct tgg aag tct caa aat gga agg tta tac tct 1406 Arg Arg Arg Gly Leu Ser Trp Lys Ser Gln Asn Gly Arg Leu Tyr Ser 430 435 440 ata aaa tca acc aaa atg ttg atc cat cca aca gat tca gaa agc ttt 1454 Ile Lys Ser Thr Lys Met Leu Ile His Pro Thr Asp Ser Glu Ser Phe 445 450 455 gaa tgaactgagg caaatttaaa aggcaataat ttaaacatta acctcattcc 1507 Glu 460 aagttaatgt ggtctaataa tctggtatta aatccttaag agaaagcttg agaaatagat 1567 tttttttatc ttaaagtcac tgtctattta agattaaaca tacaatcaca taaccttaaa 1627 gaataccgtt tacatttctc aatcaaaatt cttataatac tatttgtttt aaattttgtg 1687 atgtgggaat caattttaga tggtcacaa 1716 <210> 4 <211> 460 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 4 Met Phe Thr Ile Lys Leu Leu Leu Phe Ile Val Pro Leu Val Ile Ser 1 5 10 15 Ser Arg Ile Asp Gln Asp Asn Ser Ser Phe Asp Ser Leu Ser Pro Glu 20 25 30 Pro Lys Ser Arg Phe Ala Met Leu Asp Asp Val Lys Ile Leu Ala Asn 35 40 45 Gly Leu Leu Gln Leu Gly His Gly Leu Lys Asp Phe Val His Lys Thr 50 55 60 Lys Gly Gln Ile Asn Asp Ile Phe Gln Lys Leu Asn Ile Phe Asp Gln 65 70 75 80 Ser Phe Tyr Asp Leu Ser Leu Gln Thr Ser Glu Ile Lys Glu Glu Glu 85 90 95 Lys Glu Leu Arg Arg Thr Thr Tyr Lys Leu Gln Val Lys Asn Glu Glu 100 105 110 Val Lys Asn Met Ser Leu Glu Leu Asn Ser Lys Leu Glu Ser Leu Leu 115 120 125 Glu Glu Lys Ile Leu Leu Gln Gln Lys Val Lys Tyr Leu Glu Glu Gln 130 135 140 Leu Thr Asn Leu Ile Gln Asn Gln Pro Glu Thr Pro Glu His Pro Glu 145 150 155 160 Val Thr Ser Leu Lys Thr Phe Val Glu Lys Gln Asp Asn Ser Ile Lys 165 170 175 Asp Leu Leu Gln Thr Val Glu Asp Gln Tyr Lys Gln Leu Asn Gln Gln 180 185 190 His Ser Gln Ile Lys Glu Ile Glu Asn Gln Leu Arg Arg Thr Ser Ile 195 200 205 Gln Glu Pro Thr Glu Ile Ser Leu Ser Ser Lys Pro Arg Ala Pro Arg 210 215 220 Thr Thr Pro Phe Leu Gln Leu Asn Glu Ile Arg Asn Val Lys His Asp 225 230 235 240 Gly Ile Pro Ala Glu Cys Thr Thr Ile Tyr Asn Arg Gly Glu His Thr 245 250 255 Ser Gly Met Tyr Ala Ile Arg Pro Ser Asn Ser Gln Val Phe His Val 260 265 270 Tyr Cys Asp Val Ile Ser Gly Ser Pro Trp Thr Leu Ile Gln His Arg 275 280 285 Ile Asp Gly Ser Gln Asn Phe Asn Glu Thr Trp Glu Asn Tyr Lys Tyr 290 295 300 Gly Phe Gly Arg Leu Asp Gly Glu Phe Trp Leu Gly Leu Glu Lys Ile 305 310 315 320 Tyr Ser Ile Val Lys Gln Ser Asn Tyr Val Leu Arg Ile Glu Leu Glu 325 330 335 Asp Trp Lys Asp Asn Lys His Tyr Ile Glu Tyr Ser Phe Tyr Leu Gly 340 345 350 Asn His Glu Thr Asn Tyr Thr Leu His Leu Val Ala Ile Thr Gly Asn 355 360 365 Val Pro Asn Ala Ile Pro Glu Asn Lys Asp Leu Val Phe Ser Thr Trp 370 375 380 Asp His Lys Ala Lys Gly His Phe Asn Cys Pro Glu Gly Tyr Ser Gly 385 390 395 400 Gly Trp Trp Trp His Asp Glu Cys Gly Glu Asn Asn Leu Asn Gly Lys 405 410 415 Tyr Asn Lys Pro Arg Ala Lys Ser Lys Pro Glu Arg Arg Arg Gly Leu 420 425 430 Ser Trp Lys Ser Gln Asn Gly Arg Leu Tyr Ser Ile Lys Ser Thr Lys 435 440 445 Met Leu Ile His Pro Thr Asp Ser Glu Ser Phe Glu 450 455 460 <210> 5 <211> 23 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 5 gactgatcaa atatgttgag ctt 23 <210> 6 <211> 21 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 6 tgcatccaga gtggatccag a 21 <210> 7 <211> 21 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 7 tcctctagtt atttcctcca g 21 <210> 8 <211> 20 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 8 tggtttgcca gcgatagatc 20 <210> 9 <211> 14 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Syntheti
c oligopeptide which is used as an antigen to obtain polyclonal antibody <400> 9 Glu Pro Lys Ser Arg Phe Ala Met Leu Asp Asp Val Lys Cys 1 5 10 <210> 10 <211> 14 <212> PRT <213> Mus musculus <400> 10 Cys Gly Glu Asn Asn Leu Asn Gly Lys Tyr Asn Lys Pro Arg 1 5 10 <210> 11 <211> 1417 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: DNA enco
ding N-terminal domain of human angiopietin related protein 3 <220> <221> CDS <222> (18)..(638) <400> 11 gaattcggct tgccacc atg gtc aca att aag ctc ctt ctt ttt att gtt 50 Met Val Thr Ile Lys Leu Leu Leu Phe Ile Val 1 5 10 cct cta gtt att tcc tcc aga att gat caa gac aat tca tca ttt gat 98 Pro Leu Val Ile Ser Ser Arg Ile Asp Gln Asp Asn Ser Ser Phe Asp 15 20 25 tct cta tct cca gag cca aaa tca aga ttt gct atg tta gac gat gta 146 Ser Leu Ser Pro Glu Pro Lys Ser Arg Phe Ala Met Leu Asp Asp Val 30 35 40 aaa att tta gcc aat ggc ctc ctt cag ttg gga cat ggt ctt aaa gac 194 Lys Ile Leu Ala Asn Gly Leu Leu Gln Leu Gly His Gly Leu Lys Asp 45 50 55 ttt gtc cat aag acg aag ggc caa att aat gac ata ttt caa aaa ctc 242 Phe Val His Lys Thr Lys Gly Gln Ile Asn Asp Ile Phe Gln Lys Leu 60 65 70 75 aac ata ttt gat cag tct ttt tat gat cta tcg ctg caa acc agt gaa 290 Asn Ile Phe Asp Gln Ser Phe Tyr Asp Leu Ser Leu Gln Thr Ser Glu 80 85 90 atc aaa gaa gaa gaa aag gaa ctg aga aga act aca tat aaa cta caa 338 Ile Lys Glu Glu Glu Lys Glu Leu Arg Arg Thr Thr Tyr Lys Leu Gln 95 100 105 gtc aaa aat gaa gag gta aag aat atg tca ctt gaa ctc aac tca aaa 386 Val Lys Asn Glu Glu Val Lys Asn Met Ser Leu Glu Leu Asn Ser Lys 110 115 120 ctt gaa agc ctc cta gaa gaa aaa att cta ctt caa caa aaa gtg aaa 434 Leu Glu Ser Leu Leu Glu Glu Lys Ile Leu Leu Gln Gln Lys Val Lys 125 130 135 tat tta gaa gag caa cta act aac tta att caa aat caa cct gaa act 482 Tyr Leu Glu Glu Gln Leu Thr Asn Leu Ile Gln Asn Gln Pro Glu Thr 140 145 150 155 cca gaa cac cca gaa gta act tca ctt aaa act ttt gta gaa aaa caa 530 Pro Glu His Pro Glu Val Thr Ser Leu Lys Thr Phe Val Glu Lys Gln 160 165 170 gat aat agc atc aaa gac ctt ctc cag acc gtg gaa gac caa tat aaa 578 Asp Asn Ser Ile Lys Asp Leu Leu Gln Thr Val Glu Asp Gln Tyr Lys 175 180 185 caa tta aac caa cag cat agt caa ata aaa gaa ata gaa aat cag ctc 626 Gln Leu Asn Gln Gln His Ser Gln Ile Lys Glu Ile Glu Asn Gln Leu 190 195 200 aga agg act agc tagtattcaa gaacccacag aaatttctct atcttccaag 678 Arg Arg Thr Ser 205 ccaagagcac caagaactac tccctttctt cagttgaatg aaataagaaa tgtaaaacat 738 gatggcattc ctgctgaatg taccaccatt tataacagag gtgaacatac aagtggcatg 798 tatgccatca gacccagcaa ctctcaagtt tttcatgtct actgtgatgt tatatcaggt 858 agtccatgga cattaattca acatcgaata gatggatcac aaaacttcaa tgaaacgtgg 918 gagaactaca aatatggttt tgggaggctt gatggagaat tttggttggg cctagagaag 978 atatactcca tagtgaagca atctaattat gttttacgaa ttgagttgga agactggaaa 1038 gacaacaaac attatattga atattctttt tacttgggaa atcacgaaac caactatacg 1098 ctacatctag ttgcgattac tggcaatgtc cccaatgcaa tcccggaaaa caaagatttg 1158 gtgttttcta cttgggatca caaagcaaaa ggacacttca actgtccaga gggttattca 1218 ggaggctggt ggtggcatga tgagtgtgga gaaaacaacc taaatggtaa atataacaaa 1278 ccaagagcaa aatctaagcc agagaggaga agaggattat cttggaagtc tcaaaatgga 1338 aggttatact ctataaaatc aaccaaaatg ttgatccatc caacagattc agaaagcttt 1398 gaatgaacga ggctctaga 1417 <210> 12 <211> 207 <212> PRT <213> Artificial Sequence <223> Description of Artificial Sequence: Polypept
ide encodingN-terminal domain of human angiopietin
related protein 3 <400> 12 Met Val Thr Ile Lys Leu Leu Leu Phe Ile Val Pro Leu Val Ile Ser 1 5 10 15 Ser Arg Ile Asp Gln Asp Asn Ser Ser Phe Asp Ser Leu Ser Pro Glu 20 25 30 Pro Lys Ser Arg Phe Ala Met Leu Asp Asp Val Lys Ile Leu Ala Asn 35 40 45 Gly Leu Leu Gln Leu Gly His Gly Leu Lys Asp Phe Val His Lys Thr 50 55 60 Lys Gly Gln Ile Asn Asp Ile Phe Gln Lys Leu Asn Ile Phe Asp Gln 65 70 75 80 Ser Phe Tyr Asp Leu Ser Leu Gln Thr Ser Glu Ile Lys Glu Glu Glu 85 90 95 Lys Glu Leu Arg Arg Thr Thr Tyr Lys Leu Gln Val Lys Asn Glu Glu 100 105 110 Val Lys Asn Met Ser Leu Glu Leu Asn Ser Lys Leu Glu Ser Leu Leu 115 120 125 Glu Glu Lys Ile Leu Leu Gln Gln Lys Val Lys Tyr Leu Glu Glu Gln 130 135 140 Leu Thr Asn Leu Ile Gln Asn Gln Pro Glu Thr Pro Glu His Pro Glu 145 150 155 160 Val Thr Ser Leu Lys Thr Phe Val Glu Lys Gln Asp Asn Ser Ile Lys 165 170 175 Asp Leu Leu Gln Thr Val Glu Asp Gln Tyr Lys Gln Leu Asn Gln Gln 180 185 190 His Ser Gln Ile Lys Glu Ile Glu Asn Gln Leu Arg Arg Thr Ser 195 200 205 <210> 13 <211> 858 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: DNA enco
dingC-terminal domain of human angiopoietin relate
d protein 3 <220> <221> CDS <222> (18)..(842) <400> 13 gaattcggct tgccacc atg gtc aca att aag ctc ctt ctt ttt att gtt 50 Met Val Thr Ile Lys Leu Leu Leu Phe Ile Val 1 5 10 cct cta gtt att tcc tcc aga att gat cct agt att caa gaa ccc aca 98 Pro Leu Val Ile Ser Ser Arg Ile Asp Pro Ser Ile Gln Glu Pro Thr 15 20 25 gaa att tct cta tct tcc aag cca aga gca cca aga act act ccc ttt 146 Glu Ile Ser Leu Ser Ser Lys Pro Arg Ala Pro Arg Thr Thr Pro Phe 30 35 40 ctt cag ttg aat gaa ata aga aat gta aaa cat gat ggc att cct gct 194 Leu Gln Leu Asn Glu Ile Arg Asn Val Lys His Asp Gly Ile Pro Ala 45 50 55 gaa tgt acc acc att tat aac aga ggt gaa cat aca agt ggc atg tat 242 Glu Cys Thr Thr Ile Tyr Asn Arg Gly Glu His Thr Ser Gly Met Tyr 60 65 70 75 gcc atc aga ccc agc aac tct caa gtt ttt cat gtc tac tgt gat gtt 290 Ala Ile Arg Pro Ser Asn Ser Gln Val Phe His Val Tyr Cys Asp Val 80 85 90 ata tca ggt agt cca tgg aca tta att caa cat cga ata gat gga tca 338 Ile Ser Gly Ser Pro Trp Thr Leu Ile Gln His Arg Ile Asp Gly Ser 95 100 105 caa aac ttc aat gaa acg tgg gag aac tac aaa tat ggt ttt ggg agg 386 Gln Asn Phe Asn Glu Thr Trp Glu Asn Tyr Lys Tyr Gly Phe Gly Arg 110 115 120 ctt gat gga gaa ttt tgg ttg ggc cta gag aag ata tac tcc ata gtg 434 Leu Asp Gly Glu Phe Trp Leu Gly Leu Glu Lys Ile Tyr Ser Ile Val 125 130 135 aag caa tct aat tat gtt tta cga att gag ttg gaa gac tgg aaa gac 482 Lys Gln Ser Asn Tyr Val Leu Arg Ile Glu Leu Glu Asp Trp Lys Asp 140 145 150 155 aac aaa cat tat att gaa tat tct ttt tac ttg gga aat cac gaa acc 530 Asn Lys His Tyr Ile Glu Tyr Ser Phe Tyr Leu Gly Asn His Glu Thr 160 165 170 aac tat acg cta cat cta gtt gcg att act ggc aat gtc ccc aat gca 578 Asn Tyr Thr Leu His Leu Val Ala Ile Thr Gly Asn Val Pro Asn Ala 175 180 185 atc ccg gaa aac aaa gat ttg gtg ttt tct act tgg gat cac aaa gca 626 Ile Pro Glu Asn Lys Asp Leu Val Phe Ser Thr Trp Asp His Lys Ala 190 195 200 aaa gga cac ttc aac tgt cca gag ggt tat tca gga ggc tgg tgg tgg 674 Lys Gly His Phe Asn Cys Pro Glu Gly Tyr Ser Gly Gly Trp Trp Trp 205 210 215 cat gat gag tgt gga gaa aac aac cta aat ggt aaa tat aac aaa cca 722 His Asp Glu Cys Gly Glu Asn Asn Leu Asn Gly Lys Tyr Asn Lys Pro 220 225 230 235 aga gca aaa tct aag cca gag agg aga aga gga tta tct tgg aag tct 770 Arg Ala Lys Ser Lys Pro Glu Arg Arg Arg Gly Leu Ser Trp Lys Ser 240 245 250 caa aat gga agg tta tac tct ata aaa tca acc aaa atg ttg atc cat 818 Gln Asn Gly Arg Leu Tyr Ser Ile Lys Ser Thr Lys Met Leu Ile His 255 260 265 cca aca gat tca gaa agc ttt gaa tgaacgaggc tctaga 858 Pro Thr Asp Ser Glu Ser Phe Glu 270 275 <210> 14 <211> 275 <212> PRT <213> Artificial Sequence <223> Description of Artificial Sequence: Polypept
ide encodingC-terminal domain of human angiopoieti
n related protein 3 <400> 14 Met Val Thr Ile Lys Leu Leu Leu Phe Ile Val Pro Leu Val Ile Ser 1 5 10 15 Ser Arg Ile Asp Pro Ser Ile Gln Glu Pro Thr Glu Ile Ser Leu Ser 20 25 30 Ser Lys Pro Arg Ala Pro Arg Thr Thr Pro Phe Leu Gln Leu Asn Glu 35 40 45 Ile Arg Asn Val Lys His Asp Gly Ile Pro Ala Glu Cys Thr Thr Ile 50 55 60 Tyr Asn Arg Gly Glu His Thr Ser Gly Met Tyr Ala Ile Arg Pro Ser 65 70 75 80 Asn Ser Gln Val Phe His Val Tyr Cys Asp Val Ile Ser Gly Ser Pro 85 90 95 Trp Thr Leu Ile Gln His Arg Ile Asp Gly Ser Gln Asn Phe Asn Glu 100 105 110 Thr Trp Glu Asn Tyr Lys Tyr Gly Phe Gly Arg Leu Asp Gly Glu Phe 115 120 125 Trp Leu Gly Leu Glu Lys Ile Tyr Ser Ile Val Lys Gln Ser Asn Tyr 130 135 140 Val Leu Arg Ile Glu Leu Glu Asp Trp Lys Asp Asn Lys His Tyr Ile 145 150 155 160 Glu Tyr Ser Phe Tyr Leu Gly Asn His Glu Thr Asn Tyr Thr Leu His 165 170 175 Leu Val Ala Ile Thr Gly Asn Val Pro Asn Ala Ile Pro Glu Asn Lys 180 185 190 Asp Leu Val Phe Ser Thr Trp Asp His Lys Ala Lys Gly His Phe Asn 195 200 205 Cys Pro Glu Gly Tyr Ser Gly Gly Trp Trp Trp His Asp Glu Cys Gly 210 215 220 Glu Asn Asn Leu Asn Gly Lys Tyr Asn Lys Pro Arg Ala Lys Ser Lys 225 230 235 240 Pro Glu Arg Arg Arg Gly Leu Ser Trp Lys Ser Gln Asn Gly Arg Leu 245 250 255 Tyr Ser Ile Lys Ser Thr Lys Met Leu Ile His Pro Thr Asp Ser Glu 260 265 270 Ser Phe Glu 275 <210> 15 <211> 1943 <212> DNA <213> Homo sapiens <220> <221> CDS <222> (173)..(1393) <400> 15 ggagaagaag ccgagctgag cggatcctca cacgactgtg atccgattct ttccagcggc 60 ttctgcaacc aagcgggtct tacccccggt cctccgcgtc tccagtcctc gcacctggaa 120 ccccaacgtc cccgagagtc cccgaatccc cgctcccagg ctacctaaga gg atg agc 178 Met Ser 1 ggt gct ccg acg gcc ggg gca gcc ctg atg ctc tgc gcc gcc acc gcc 226 Gly Ala Pro Thr Ala Gly Ala Ala Leu Met Leu Cys Ala Ala Thr Ala 5 10 15 gtg cta ctg agc gct cag ggc gga ccc gtg cag tcc aag tcg ccg cgc 274 Val Leu Leu Ser Ala Gln Gly Gly Pro Val Gln Ser Lys Ser Pro Arg 20 25 30 ttt gcg tcc tgg gac gag atg aat gtc ctg gcg cac gga ctc ctg cag 322 Phe 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gtg atg atg atc cga ccg aac ccc aac 1491 Ser Tyr Ser Leu Lys Lys Val Val Met Met Ile Arg Pro Asn Pro Asn 475 480 485 490 acc ttc cac taa gccagctccc cctcc 1518 Thr Phe His <210> 20 <211> 493 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 20 Met Arg Pro Leu Cys Val Thr Cys Trp Trp Leu Gly Leu Leu Ala Ala 1 5 10 15 Met Gly Ala Val Ala Gly Gln Glu Asp Gly Phe Glu Gly Thr Glu Glu 20 25 30 Gly Ser Pro Arg Glu Phe Ile Tyr Leu Asn Arg Tyr Lys Arg Ala Gly 35 40 45 Glu Ser Gln Asp Lys Cys Thr Tyr Thr Phe Ile Val Pro Gln Gln Arg 50 55 60 Val Thr Gly Ala Ile Cys Val Asn Ser Lys Glu Pro Glu Val Leu Leu 65 70 75 80 Glu Asn Arg Val His Lys Gln Glu Leu Glu Leu Leu Asn Asn Glu Leu 85 90 95 Leu Lys Gln Lys Arg Gln Ile Glu Thr Leu Gln Gln Leu Val Glu Val 100 105 110 Asp Gly Gly Ile Val Ser Glu Val Lys Leu Leu Arg Lys Glu Ser Arg 115 120 125 Asn Met Asn Ser Arg Val Thr Gln Leu Tyr Met Gln Leu Leu His Glu 130 135 140 Ile Ile Arg Lys Arg Asp Asn Ala Leu Glu Leu Ser Gln Leu Glu Asn 145 150 155 160 Arg Ile Leu Asn Gln 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gcg gat ctg 625 Gln Leu Gln His Glu Ala Gly Pro Gly Ala Gly Pro Gly Ala Asp Leu 115 120 125 ggg gcg gag cct gcc gcg gcg ctg gcg ctg ctc ggg gag cgc gtg ctc 673 Gly Ala Glu Pro Ala Ala Ala Leu Ala Leu Leu Gly Glu Arg Val Leu 130 135 140 aac gcg tcc gcc gag gct cag cgc gca gcc gcc cgg ttc cac cag ctg 721 Asn Ala Ser Ala Glu Ala Gln Arg Ala Ala Ala Arg Phe His Gln Leu 145 150 155 160 gac gtc aag ttc cgc gag ctg gcg cag ctc gtc acc cag cag agc agt 769 Asp Val Lys Phe Arg Glu Leu Ala Gln Leu Val Thr Gln Gln Ser Ser 165 170 175 ctc atc gcc cgc ctg gag cgc ctg tgc ccg gga ggc gcg ggc ggg cag 817 Leu Ile Ala Arg Leu Glu Arg Leu Cys Pro Gly Gly Ala Gly Gly Gln 180 185 190 cag cag gtc ctg ccg cca ccc cca ctg gtg cct gtg gtt ccg gtc cgt 865 Gln Gln Val Leu Pro Pro Pro Pro Leu Val Pro Val Val Pro Val Arg 195 200 205 ctt gtg ggt agc acc agt gac acc agt agg atg ctg gac cca gcc cca 913 Leu Val Gly Ser Thr Ser Asp Thr Ser Arg Met Leu Asp Pro Ala Pro 210 215 220 gag ccc cag aga gac cag acc cag aga cag cag gag ccc atg gct tct 961 Glu Pro Gln Arg Asp Gln Thr Gln Arg Gln Gln Glu Pro Met Ala Ser 225 230 235 240 ccc atg cct gca ggt cac cct gcg gtc ccc acc aag cct gtg ggc ccg 1009 Pro Met Pro Ala Gly His Pro Ala Val Pro Thr Lys Pro Val Gly Pro 245 250 255 tgg cag gat tgt gca gag gcc cgc cag gca ggc cat gaa cag agt gga 1057 Trp Gln Asp Cys Ala Glu Ala Arg Gln Ala Gly His Glu Gln Ser Gly 260 265 270 gtg tat gaa ctg cga gtg ggc cgt cac gta gtg tca gta tgg tgt gag 1105 Val Tyr Glu Leu Arg Val Gly Arg His Val Val Ser Val Trp Cys Glu 275 280 285 cag caa ctg gag ggt gga ggc tgg act gtg atc cag cgg agg caa gat 1153 Gln Gln Leu Glu Gly Gly Gly Trp Thr Val Ile Gln Arg Arg Gln Asp 290 295 300 ggt tca gtc aac ttc ttc act acc tgg cag cac tat aag gcg ggc ttt 1201 Gly Ser Val Asn Phe Phe Thr Thr Trp Gln His Tyr Lys Ala Gly Phe 305 310 315 320 ggg cgg cca gac gga gaa tac tgg ctg ggc ctt gaa ccc gtg tat cag 1249 Gly Arg Pro Asp Gly Glu Tyr Trp Leu Gly Leu Glu Pro Val Tyr Gln 325 330 335 ctg acc agc cgt ggg gac cat gag ctg ctg gtt ctc ctg gag gac tgg 1297 Leu Thr Ser Arg Gly Asp His Glu Leu Leu Val Leu Leu Glu Asp Trp 340 345 350 ggg ggc cgt gga gca cgt gcc cac tat gat ggc ttc tcc ctg gaa ccc 1345 Gly Gly Arg Gly Ala Arg Ala His Tyr Asp Gly Phe Ser Leu Glu Pro 355 360 365 gag agc gac cac tac cgc ctg cgg ctt ggc cag tac cat ggt gat gct 1393 Glu Ser Asp His Tyr Arg Leu Arg Leu Gly Gln Tyr His Gly Asp Ala 370 375 380 gga gac tct ctt tcc tgg cac aat gac aag ccc ttc agc acc gtg gat 1441 Gly Asp Ser Leu Ser Trp His Asn Asp Lys Pro Phe Ser Thr Val Asp 385 390 395 400 agg gac cga gac tcc tat tct ggt aac tgt gcc ctg tac cag cgg gga 1489 Arg Asp Arg Asp Ser Tyr Ser Gly Asn Cys Ala Leu Tyr Gln Arg Gly 405 410 415 ggc tgg tgg tac cat gcc tgt gcc cac tcc aac ctc aac ggt gtg tgg 1537 Gly Trp Trp Tyr His Ala Cys Ala His Ser Asn Leu Asn Gly Val Trp 420 425 430 cac cac ggc ggc cac tac cga agc cgc tac cag gat ggt gtc tac tgg 1585 His His Gly Gly His Tyr Arg Ser Arg Tyr Gln Asp Gly Val Tyr Trp 435 440 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Gln Ala Ala Gln Thr Val Thr Gln Thr Ser Ala Asp 115 120 125 gcc atc tac gac tgc tct tcc ctc tac cag aag aac tac cgc atc tct 433 Ala Ile Tyr Asp Cys Ser Ser Leu Tyr Gln Lys Asn Tyr Arg Ile Ser 130 135 140 gga gtg tat aag ctt cct cct gat gac ttc ctg ggc agc cct gaa ctg 481 Gly Val Tyr Lys Leu Pro Pro Asp Asp Phe Leu Gly Ser Pro Glu Leu 145 150 155 gag gtg ttc tgt gac atg gag act tca ggc gga ggc tgg acc atc atc 529 Glu Val Phe Cys Asp Met Glu Thr Ser Gly Gly Gly Trp Thr Ile Ile 160 165 170 cag aga cga aaa agt ggc ctt gtc tcc ttc tac cgg gac tgg aag cag 577 Gln Arg Arg Lys Ser Gly Leu Val Ser Phe Tyr Arg Asp Trp Lys Gln 175 180 185 190 tac aag cag ggc ttt ggc agc atc cgt ggg gac ttc tgg ctg ggg aac 625 Tyr Lys Gln Gly Phe Gly Ser Ile Arg Gly Asp Phe Trp Leu Gly Asn 195 200 205 gaa cac atc cac cgg ctc tcc aga cag cca acc cgg ctg cgt gta gag 673 Glu His Ile His Arg Leu Ser Arg Gln Pro Thr Arg Leu Arg Val Glu 210 215 220 atg gag gac tgg gag ggc aac ctg cgc tac gct gag tat agc cac ttt 721 Met Glu Asp Trp Glu Gly Asn Leu Arg Tyr Ala Glu Tyr Ser His Phe 225 230 235 gtt ttg ggc aat gaa ctc aac agc tat cgc ctc ttc ctg ggg aac tac 769 Val Leu Gly Asn Glu Leu Asn Ser Tyr Arg Leu Phe Leu Gly Asn Tyr 240 245 250 act ggc aat gtg ggg aac gac gcc ctc cag tat cat aac aac aca gcc 817 Thr Gly Asn Val Gly Asn Asp Ala Leu Gln Tyr His Asn Asn Thr Ala 255 260 265 270 ttc agc acc aag gac aag gac aat gac aac tgc ttg gac aag tgt gca 865 Phe Ser Thr Lys Asp Lys Asp Asn Asp Asn Cys Leu Asp Lys Cys Ala 275 280 285 cag ctc cgc aaa ggt ggc tac tgg tac aac tgc tgc aca gac tcc aac 913 Gln Leu Arg Lys Gly Gly Tyr Trp Tyr Asn Cys Cys Thr Asp Ser Asn 290 295 300 ctc aat gga gtg tac tac cgc ctg ggt gag cac aat aag cac ctg gat 961 Leu Asn Gly Val Tyr Tyr Arg Leu Gly Glu His Asn Lys His Leu Asp 305 310 315 ggc atc acc tgg tat ggc tgg cat gga tct acc tac tcc ctc aaa cgg 1009 Gly Ile Thr Trp Tyr Gly Trp His Gly Ser Thr Tyr Ser Leu Lys Arg 320 325 330 gtg gag atg aaa atc cgc cca gaa gac ttc aag cct taa aaggaggctg 1058 Val Glu Met Lys Ile Arg Pro Glu Asp Phe Lys Pro 335 340 345 ccgtggagca cggatacaga aactgagaca cgtggagact ggatgagggc agatgaggac 1118 aggaagagag tgttagaaag ggtaggactg agaaacagcc tataatctcc aaagaaagaa 1178 taagtctcca aggagcacaa aaaaatcata tgtaccaagg atgttacagt aaacaggatg 1238 aactatttaa acccactggg tcctgccaca tccttctcaa ggtggtagac tgagtggggt 1298 ctctctgccc aagatccctg acatagcagt agcttgtctt ttccacatga tttgtctgtg 1358 aaagaaaata attttgagat cgttttatct attttctcta cggcttaggc tatgtgaggg 1418 caaaacacaa atccctttgc taaaaagacc catattattt tgattctcaa aggataggcc 1478 tttgagtgtt agagaaagga gtgaaggagc caggtgggaa atggtatttc tatttttaaa 1538 ctccagtgaa attatcttga gtctacacat tatttttaaa acacaaaaat tgttcggctg 1598 gaactgaccc aggctggact tgcggggagg aaactccagg gcactgcatc tggcgatcag 1658 actctgagca ctgcccctgc tcgccttggt catgtacagc actgaaagga atgaggcacc 1718 agcaggaggt ggacagagtc tctcatggat gccggcacaa aactgcctta aaatattcat 1778 agttaataca ggtatatcta tttttattta ctttgtaaga aacaagctca aggagcttcc 1838 ttttaaattt tgtctgtagg aaatggttga aaactgaagg tagatggtgt tatagttaat 1898 aataaatgct gtaaataagc atctcacttt gtaaaaataa aatattgtgg ttttgtttta 1958 aacattcaac gtttcttttc cttctacaat aaacactttc aaaatgtg 2006 <210> 24 <211> 346 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 24 Met Leu Lys Lys Pro Leu Ser Ala Val Thr Trp Leu Cys Ile Phe Ile 1 5 10 15 Val Ala Phe Val Ser His Pro Ala Trp Leu Gln Lys Leu Ser Lys His 20 25 30 Lys Thr Pro Ala Gln Pro Gln Leu Lys Ala Ala Asn Cys Cys Glu Glu 35 40 45 Val Lys Glu Leu Lys Ala Gln Val Ala Asn Leu Ser Ser Leu Leu Ser 50 55 60 Glu Leu Asn Lys Lys Gln Glu Arg Asp Trp Val Ser Val Val Met Gln 65 70 75 80 Val Met Glu Leu Glu Ser Asn Ser Lys Arg Met Glu Ser Arg Leu Thr 85 90 95 Asp Ala Glu Ser Lys Tyr Ser Glu Met Asn Asn Gln Ile Asp Ile Met 100 105 110 Gln Leu Gln Ala Ala Gln Thr Val Thr Gln Thr Ser Ala Asp Ala Ile 115 120 125 Tyr Asp Cys Ser Ser Leu Tyr Gln Lys Asn Tyr Arg Ile Ser Gly Val 130 135 140 Tyr Lys Leu Pro Pro Asp Asp Phe Leu Gly Ser Pro Glu Leu Glu Val 145 150 155 160 Phe Cys Asp Met Glu Thr Ser Gly Gly Gly Trp Thr Ile Ile Gln Arg 165 170 175 Arg Lys Ser Gly Leu Val Ser Phe Tyr Arg Asp Trp Lys Gln Tyr Lys 180 185 190 Gln Gly Phe Gly Ser Ile Arg Gly Asp Phe Trp Leu Gly Asn Glu His 195 200 205 Ile His Arg Leu Ser Arg Gln Pro Thr Arg Leu Arg Val Glu Met Glu 210 215 220 Asp Trp Glu Gly Asn Leu Arg Tyr Ala Glu Tyr Ser His Phe Val Leu 225 230 235 240 Gly Asn Glu Leu Asn Ser Tyr Arg Leu Phe Leu Gly Asn Tyr Thr Gly 245 250 255 Asn Val Gly Asn Asp Ala Leu Gln Tyr His Asn Asn Thr Ala Phe Ser 260 265 270 Thr Lys Asp Lys Asp Asn Asp Asn Cys Leu Asp Lys Cys Ala Gln Leu 275 280 285 Arg Lys Gly Gly Tyr Trp Tyr Asn Cys Cys Thr Asp Ser Asn Leu Asn 290 295 300 Gly Val Tyr Tyr Arg Leu Gly Glu His Asn Lys His Leu Asp Gly Ile 305 310 315 320 Thr Trp Tyr Gly Trp His Gly Ser Thr Tyr Ser Leu Lys Arg Val Glu 325 330 335 Met Lys Ile Arg Pro Glu Asp Phe Lys Pro 340 345 <210> 25 <211> 1441 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: DNA enco
dingKhAP5 CC/His <220> <221> CDS <222> (18)..(662) <400> 25 gaattcggct tgccacc atg gtc aca att aag ctc ctt ctt ttt att gtt 50 Met Val Thr Ile Lys Leu Leu Leu Phe Ile Val 1 5 10 cct cta gtt att tcc tcc aga att gat cag cat cat cac cat cac cac 98 Pro Leu Val Ile Ser Ser Arg Ile Asp Gln His His His His His His 15 20 25 gat caa gac aat tca tca ttt gat tct cta tct cca gag cca aaa tca 146 Asp Gln Asp Asn Ser Ser Phe Asp Ser Leu Ser Pro Glu Pro Lys Ser 30 35 40 aga ttt gct atg tta gac gat gta aaa att tta gcc aat ggc ctc ctt 194 Arg Phe Ala Met Leu Asp Asp Val Lys Ile Leu Ala Asn Gly Leu Leu 45 50 55 cag ttg gga cat ggt ctt aaa gac ttt gtc cat aag acg aag ggc caa 242 Gln Leu Gly His Gly Leu Lys Asp Phe Val His Lys Thr Lys Gly Gln 60 65 70 75 att aat gac ata ttt caa aaa ctc aac ata ttt gat cag tct ttt tat 290 Ile Asn Asp Ile Phe Gln Lys Leu Asn Ile Phe Asp Gln Ser Phe Tyr 80 85 90 gat cta tcg ctg caa acc agt gaa atc aaa gaa gaa gaa aag gaa ctg 338 Asp Leu Ser Leu Gln Thr Ser Glu Ile Lys Glu Glu Glu Lys Glu Leu 95 100 105 aga aga act aca tat aaa cta caa gtc aaa aat gaa gag gta aag aat 386 Arg Arg Thr Thr Tyr Lys Leu Gln Val Lys Asn Glu Glu Val Lys Asn 110 115 120 atg tca ctt gaa ctc aac tca aaa ctt gaa agc ctc cta gaa gaa aaa 434 Met Ser Leu Glu Leu Asn Ser Lys Leu Glu Ser Leu Leu Glu Glu Lys 125 130 135 att cta ctt caa caa aaa gtg aaa tat tta gaa gag caa cta act aac 482 Ile Leu Leu Gln Gln Lys Val Lys Tyr Leu Glu Glu Gln Leu Thr Asn 140 145 150 155 tta att caa aat caa cct gaa act cca gaa cac cca gaa gta act tca 530 Leu Ile Gln Asn Gln Pro Glu Thr Pro Glu His Pro Glu Val Thr Ser 160 165 170 ctt aaa act ttt gta gaa aaa caa gat aat agc atc aaa gac ctt ctc 578 Leu Lys Thr Phe Val Glu Lys Gln Asp Asn Ser Ile Lys Asp Leu Leu 175 180 185 cag acc gtg gaa gac caa tat aaa caa tta aac caa cag cat agt caa 626 Gln Thr Val Glu Asp Gln Tyr Lys Gln Leu Asn Gln Gln His Ser Gln 190 195 200 ata aaa gaa ata gaa aat cag ctc aga agg act agc tagtattcaa 672 Ile Lys Glu Ile Glu Asn Gln Leu Arg Arg Thr Ser 205 210 215 gaacccacag aaatttctct atcttccaag ccaagagcac caagaactac tccctttctt 732 cagttgaatg aaataagaaa tgtaaaacat gatggcattc ctgctgaatg taccaccatt 792 tataacagag gtgaacatac aagtggcatg tatgccatca gacccagcaa ctctcaagtt 852 tttcatgtct actgtgatgt tatatcaggt agtccatgga cattaattca acatcgaata 912 gatggatcac aaaacttcaa tgaaacgtgg gagaactaca aatatggttt tgggaggctt 972 gatggagaat tttggttggg cctagagaag atatactcca tagtgaagca atctaattat 1032 gttttacgaa ttgagttgga agactggaaa gacaacaaac attatattga atattctttt 1092 tacttgggaa atcacgaaac caactatacg ctacatctag ttgcgattac tggcaatgtc 1152 cccaatgcaa tcccggaaaa caaagatttg gtgttttcta cttgggatca caaagcaaaa 1212 ggacacttca actgtccaga gggttattca ggaggctggt ggtggcatga tgagtgtgga 1272 gaaaacaacc taaatggtaa atataacaaa ccaagagcaa aatctaagcc agagaggaga 1332 agaggattat cttggaagtc tcaaaatgga aggttatact ctataaaatc aaccaaaatg 1392 ttgatccatc caacagattc agaaagcttt gaatgaacga ggctctaga 1441 <210> 26 <211> 215 <212> PRT <213> Artificial Sequence <223> Description of Artificial Sequence: Polypept
ide encodingKhAP5 CC/His <400> 26 Met Val Thr Ile Lys Leu Leu Leu Phe Ile Val Pro Leu Val Ile Ser 1 5 10 15 Ser Arg Ile Asp Gln His His His His His His Asp Gln Asp Asn Ser 20 25 30 Ser Phe Asp Ser Leu Ser Pro Glu Pro Lys Ser Arg Phe Ala Met Leu 35 40 45 Asp Asp Val Lys Ile Leu Ala Asn Gly Leu Leu Gln Leu Gly His Gly 50 55 60 Leu Lys Asp Phe Val His Lys Thr Lys Gly Gln Ile Asn Asp Ile Phe 65 70 75 80 Gln Lys Leu Asn Ile Phe Asp Gln Ser Phe Tyr Asp Leu Ser Leu Gln 85 90 95 Thr Ser Glu Ile Lys Glu Glu Glu Lys Glu Leu Arg Arg Thr Thr Tyr 100 105 110 Lys Leu Gln Val Lys Asn Glu Glu Val Lys Asn Met Ser Leu Glu Leu 115 120 125 Asn Ser Lys Leu Glu Ser Leu Leu Glu Glu Lys Ile Leu Leu Gln Gln 130 135 140 Lys Val Lys Tyr Leu Glu Glu Gln Leu Thr Asn Leu Ile Gln Asn Gln 145 150 155 160 Pro Glu Thr Pro Glu His Pro Glu Val Thr Ser Leu Lys Thr Phe Val 165 170 175 Glu Lys Gln Asp Asn Ser Ile Lys Asp Leu Leu Gln Thr Val Glu Asp 180 185 190 Gln Tyr Lys Gln Leu Asn Gln Gln His Ser Gln Ile Lys Glu Ile Glu 195 200 205 Asn Gln Leu Arg Arg Thr Ser 210 215 <210> 27 <211> 526 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 27 gctgtttcca gataaacaaa ctacaaacag ggttacagat gcttaatttt tcctcaagct 60 aaggaaactc acacttaagt ttaatgacaa acttaatcca tcaaaaacta aggtttattt 120 ataaatctct tatagtaaga aaaaatttaa atgatctttt aaaaacaggt aaataccttt 180 atcctgaaag aataattatc aatacagcaa atttaactat tttaacaatt ttgaaaatta 240 cctcctatta gttgctcatt tccttgattt cagttgccat tgatctaact caacatgggg 300 gagggttaca ttcgtgcaag ttagcacagc ttaatggtta actccattct cctgccaacc 360 ttgtgtgtgc atgcagcaaa tagccgtgta tataaagtca agaggtccag gtctccttac 420 aggagggaga agttccaaat tgcttaaaat tgaataattg agacaaaaaa tgcacacaat 480 taaattattc ctttttgttg ttcctttagt aattgcatcc agagtg 526 <210> 28 <211> 260 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 28 acaaagcctg tggcattgca ccctaaaact tggccactcg ctccgccccc gggccccgcc 60 tccaatgctc tccctcccac tcccacaccc gctttataaa gtggggcttt aggtgcaacc 120 gtgaaacgct tatgagctac gggctccaga tcttcttctg caccagagca agtctaagtc 180 tgagccggct cccccagaac tccagctgct gggtcttgaa ctcctgcgtt ccggagtcct 240 agcgttgctg cacccaaggc 260 <210> 29 <211> 199 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 29 ttgcatccag agtggatcca gacctttcat catttgattc tgcaccttca gagccaaaat 60 caagatttgc tatgttggat gatgtcaaaa ttttagcgaa tggcctcctg cagctgggtc 120 atggacttaa agattttgtc cataagacta agggacaaat taacgacata tttcagaagc 180 tcaacatatt tgatcagtc 199 <210> 30 <211> 24 <212> DNA <213> Rattus norvegicus <400> 30 caaagcttga aagtctactg gagg 24 <210> 31 <211> 21 <212> DNA <213> Rattus norvegicus <400> 31 ggttctgaac caagctggtc a 21 <210> 32 <211> 26 <212> DNA <213> Rattus norvegicus <400> 32 aagatggcgc tccaacacag agtcag 26 <210> 33 <211> 23 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 33 ggctaaatag taaaaccctg gcg 23 <210> 34 <211> 23 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 34 gtgcttgctg tctttccagt ctt 23 <210> 35 <211> 25 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 35 aggatctcgt cgtgacccat ggcga 25 <210> 36 <211> 26 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 36 gagcggcgat accgtaaagc acgagg 26 <210> 37 <211> 23 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 37 tcccaagtca cacaagaact gac 23 <210> 38 <211> 23 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 38 catccagaag gctaaagaag gca 23 <210> 39 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 39 tgacctggag aatctct 17 <210> 40 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 40 catccaggct ctctggc 17 <210> 41 <211> 17 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 41 tgacctggag aatctcc 17 <210> 42 <211> 37 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: PCR prim
erwith Kozak's consensus sequence <400> 42 gccaccatgg tcacaattaa gctccttctt tttattg 37 <210> 43 <211> 36 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: PCR prim
er with the specific sequence for a restriction endonuclease XhoI <400> 43 tctagagcct cgttcattca aagctttctg aatctg 36 <210> 44 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: PCR sens
e primer to amplify a DNA fragment encoding a part of GST-CC, GST-CCdel or GST-C1 <400> 44 cggaattccc tccagaattg atcaag 26 <210> 45 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: PCR anti
sense primer to amplify a DNA fragment encoding a part of GST-CC <400> 45 ccgctcgaga ctagtccttc tgagctg 27 <210> 46 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: PCR anti
sense primer to amplify a DNA fragment encoding a part of GST-CCdel <400> 46 ccgctcgagt tgactatgct gttggtt 27 <210> 47 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: PCR anti
sense primer to amplyfy a DNA fragment encoding a part of GST-C1 <400> 47 ccgctcgagg ttagttagtt gctcttc 27 <210> 48 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Oligonucleotide for insertion of a sequence encoding histidine tag <400> 48 gatccgcatc atcaccatca ccat 24 <210> 49 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Oligonucleotide for insetion of a sequence encoding a hisitidine tag <400> 49 gatcatggtg atggtgatga tgcg 24 <210> 50 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Sense/antisense primer to amplify a DNA fragment which is a part of a plasmid pME18S/KhAP5/His <400> 50 gaattgatca gcatcatcac catcaccacg atc 33 <210> 51 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: PCR sens
e primer primer to amplify a DNA fragment encoding a part of GST-ARP4N <400> 51 tcccccgggg gacccgtgca gtccaag 27 <210> 52 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: PCR anti
sense primer to amplify a DNA fragment encoding a part of GST-ARP4N <400> 52 ccgctcgagc tggctttgca gatgctg 27 <210> 53 <211> 1480 <212> DNA <213> Homo sapiens <220> <221> CDS <222> (25)..(1407) <400> 53 ggcacgagga aaatcaagat aaaa atg ttc aca att aag ctc ctt ctt ttt 51 Met Phe Thr Ile Lys Leu Leu Leu Phe 1 5 att gtt cct cta gtt att tcc tcc aga att gat caa gac aat tca tca 99 Ile Val Pro Leu Val Ile Ser Ser Arg Ile Asp Gln Asp Asn Ser Ser 10 15 20 25 ttt gat tct cta tct cca gag cca aaa tca aga ttt gct atg tta gac 147 Phe Asp Ser Leu Ser Pro Glu Pro Lys Ser Arg Phe Ala Met Leu Asp 30 35 40 gat gta aaa att tta gcc aat ggc ctc ctt cag ttg gga cat ggt ctt 195 Asp Val Lys Ile Leu Ala Asn Gly Leu Leu Gln Leu Gly His Gly Leu 45 50 55 aaa gac ttt gtc cat aag acg aag ggc caa att aat gac ata ttt caa 243 Lys Asp Phe Val His Lys Thr Lys Gly Gln Ile Asn Asp Ile Phe Gln 60 65 70 aaa ctc aac ata ttt gat cag tct ttt tat gat cta tcg ctg caa acc 291 Lys Leu Asn Ile Phe Asp Gln Ser Phe Tyr Asp Leu Ser Leu Gln Thr 75 80 85 agt gaa atc aaa gaa gaa gaa aag gaa ctg aga aga act aca tat aaa 339 Ser Glu Ile Lys Glu Glu Glu Lys Glu Leu Arg Arg Thr Thr Tyr Lys 90 95 100 105 cta caa gtc aaa aat gaa gag gta aag aat atg tca ctt gaa ctc aac 387 Leu Gln Val Lys Asn Glu Glu Val Lys Asn Met Ser Leu Glu Leu Asn 110 115 120 tca aaa ctt gaa agc ctc cta gaa gaa aaa att cta ctt caa caa aaa 435 Ser Lys Leu Glu Ser Leu Leu Glu Glu Lys Ile Leu Leu Gln Gln Lys 125 130 135 gtg aaa tat tta gaa gag caa cta act aac tta att caa aat caa cct 483 Val Lys Tyr Leu Glu Glu Gln Leu Thr Asn Leu Ile Gln Asn Gln Pro 140 145 150 gaa act cca gaa cac cca gaa gta act tca ctt aaa act ttt gta gaa 531 Glu Thr Pro Glu His Pro Glu Val Thr Ser Leu Lys Thr Phe Val Glu 155 160 165 aaa caa gat aat agc atc aaa gac ctt ctc cag acc gtg gaa gac caa 579 Lys Gln Asp Asn Ser Ile Lys Asp Leu Leu Gln Thr Val Glu Asp Gln 170 175 180 185 tat aaa caa tta aac caa cag cat agt caa ata aaa gaa ata gaa aat 627 Tyr Lys Gln Leu Asn Gln Gln His Ser Gln Ile Lys Glu Ile Glu Asn 190 195 200 cag ctc aga agg act agt att caa gaa ccc aca gaa att tct cta tct 675 Gln Leu Arg Arg Thr Ser Ile Gln Glu Pro Thr Glu Ile Ser Leu Ser 205 210 215 tcc aag cca aga gca cca aga act act ccc ttt ctt cag ttg aat gaa 723 Ser Lys Pro Arg Ala Pro Arg Thr Thr Pro Phe Leu Gln Leu Asn Glu 220 225 230 ata aga aat gta aaa cat gat ggc att cct gct gaa tgt acc acc att 771 Ile Arg Asn Val Lys His Asp Gly Ile Pro Ala Glu Cys Thr Thr Ile 235 240 245 tat aac aga ggt gaa cat aca agt ggc atg tat gcc atc aga ccc agc 819 Tyr Asn Arg Gly Glu His Thr Ser Gly Met Tyr Ala Ile Arg Pro Ser 250 255 260 265 aac tct caa gtt ttt cat gtc tac tgt gat gtt ata tca ggt agt cca 867 Asn Ser Gln Val Phe His Val Tyr Cys Asp Val Ile Ser Gly Ser Pro 270 275 280 tgg aca tta att caa cat cga ata gat gga tca caa aac ttc aat gaa 915 Trp Thr Leu Ile Gln His Arg Ile Asp Gly Ser Gln Asn Phe Asn Glu 285 290 295 acg tgg gag aac tac aaa tat ggt ttt ggg agg ctt gat gga gaa ttt 963 Thr Trp Glu Asn Tyr Lys Tyr Gly Phe Gly Arg Leu Asp Gly Glu Phe 300 305 310 tgg ttg ggc cta gag aag ata tac tcc ata gtg aag caa tct aat tat 1011 Trp Leu Gly Leu Glu Lys Ile Tyr Ser Ile Val Lys Gln Ser Asn Tyr 315 320 325 gtt tta cga att gag ttg gaa gac tgg aaa gac aac aaa cat tat att 1059 Val Leu Arg Ile Glu Leu Glu Asp Trp Lys Asp Asn Lys His Tyr Ile 330 335 340 345 gaa tat tct ttt tac ttg gga aat cac gaa acc aac tat acg cta cat 1107 Glu Tyr Ser Phe Tyr Leu Gly Asn His Glu Thr Asn Tyr Thr Leu His 350 355 360 cta gtt gcg att act ggc aat gtc ccc aat gca atc ccg gaa aac aaa 1155 Leu Val Ala Ile Thr Gly Asn Val Pro Asn Ala Ile Pro Glu Asn Lys 365 370 375 gat ttg gtg ttt tct act tgg gat cac aaa gca aaa gga cac ttc aac 1203 Asp Leu Val Phe Ser Thr Trp Asp His Lys Ala Lys Gly His Phe Asn 380 385 390 tgt cca gag ggt tat tca gga ggc tgg tgg tgg cat gat gag tgt gga 1251 Cys Pro Glu Gly Tyr Ser Gly Gly Trp Trp Trp His Asp Glu Cys Gly 395 400 405 gaa aac aac cta aat ggt aaa tat aac aaa cca aga gca aaa tct aag 1299 Glu Asn Asn Leu Asn Gly Lys Tyr Asn Lys Pro Arg Ala Lys Ser Lys 410 415 420 425 cca gag agg aga aga gga tta tct tgg aag tct caa aat gga agg tta 1347 Pro Glu Arg Arg Arg Gly Leu Ser Trp Lys Ser Gln Asn Gly Arg Leu 430 435 440 tac tct ata aaa tca acc aaa atg ttg atc cat cca aca gat tca gaa 1395 Tyr Ser Ile Lys Ser Thr Lys Met Leu Ile His Pro Thr Asp Ser Glu 445 450 455 agc ttt gaa tga actgaggcaa atttaaaagg caataattta aacattaacc 1447 Ser Phe Glu 460 tcattccaag ttaatgtggt ctaataatct ggt 1480 <210> 54 <211> 460 <212> PRT <213> Homo sapiens<400> 54 Met Phe Thr Ile Lys Leu Leu Leu Phe Ile Val Pro Leu Val Ile Ser 1 5 10 15 Ser Arg Ile Asp Gln Asp Asn Ser Ser Phe Asp Ser Leu Ser Pro Glu 20 25 30 Pro Lys Ser Arg Phe Ala Met Leu Asp Asp Val Lys Ile Leu Ala Asn 35 40 45 Gly Leu Leu Gln Leu Gly His Gly Leu Lys Asp Phe Val His Lys Thr 50 55 60 Lys Gly Gln Ile Asn Asp Ile Phe Gln Lys Leu Asn Ile Phe Asp Gln 65 70 75 80 Ser Phe Tyr Asp Leu Ser Leu Gln Thr Ser Glu Ile Lys Glu Glu Glu 85 90 95 Lys Glu Leu Arg Arg Thr Thr Tyr Lys Leu Gln Val Lys Asn Glu Glu 100 105 110 Val Lys Asn Met Ser Leu Glu Leu Asn Ser Lys Leu Glu Ser Leu Leu 115 120 125 Glu Glu Lys Ile Leu Leu Gln Gln Lys Val Lys Tyr Leu Glu Glu Gln 130 135 140 Leu Thr Asn Leu Ile Gln Asn Gln Pro Glu Thr Pro Glu His Pro Glu 145 150 155 160 Val Thr Ser Leu Lys Thr Phe Val Glu Lys Gln Asp Asn Ser Ile Lys 165 170 175 Asp Leu Leu Gln Thr Val Glu Asp Gln Tyr Lys Gln Leu Asn Gln Gln 180 185 190 His Ser Gln Ile Lys Glu Ile Glu Asn Gln Leu Arg Arg Thr Ser Ile 195 200 205 Gln Glu Pro Thr Glu Ile Ser Leu Ser Ser Lys Pro Arg Ala Pro Arg 210 215 220 Thr Thr Pro Phe Leu Gln Leu Asn Glu Ile Arg Asn Val Lys His Asp 225 230 235 240 Gly Ile Pro Ala Glu Cys Thr Thr Ile Tyr Asn Arg Gly Glu His Thr 245 250 255 Ser Gly Met Tyr Ala Ile Arg Pro Ser Asn Ser Gln Val Phe His Val 260 265 270 Tyr Cys Asp Val Ile Ser Gly Ser Pro Trp Thr Leu Ile Gln His Arg 275 280 285 Ile Asp Gly Ser Gln Asn Phe Asn Glu Thr Trp Glu Asn Tyr Lys Tyr 290 295 300 Gly Phe Gly Arg Leu Asp Gly Glu Phe Trp Leu Gly Leu Glu Lys Ile 305 310 315 320 Tyr Ser Ile Val Lys Gln Ser Asn Tyr Val Leu Arg Ile Glu Leu Glu 325 330 335 Asp Trp Lys Asp Asn Lys His Tyr Ile Glu Tyr Ser Phe Tyr Leu Gly 340 345 350 Asn His Glu Thr Asn Tyr Thr Leu His Leu Val Ala Ile Thr Gly Asn 355 360 365 Val Pro Asn Ala Ile Pro Glu Asn Lys Asp Leu Val Phe Ser Thr Trp 370 375 380 Asp His Lys Ala Lys Gly His Phe Asn Cys Pro Glu Gly Tyr Ser Gly 385 390 395 400 Gly Trp Trp Trp His Asp Glu Cys Gly Glu Asn Asn Leu Asn Gly Lys 405 410 415 Tyr Asn Lys Pro Arg Ala Lys Ser Lys Pro Glu Arg Arg Arg Gly Leu 420 425 430 Ser Trp Lys Ser Gln Asn Gly Arg Leu Tyr Ser Ile Lys Ser Thr Lys 435 440 445 Met Leu Ile His Pro Thr Asp Ser Glu Ser Phe Glu 450 455 460 <210> 55 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: PCR senc
e primer to amplify a DNA fragment encoding a part of GST-ARP4Full <400> 55 tcccccgggg gacccgtgca gtccaag 27 <210> 56 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: PCR anti
sence primer to amplify a DNA fragment encoding a part of GST-ARP4Full <400> 56 ccgctcgagg gaggctgcct ctgctgc 27 <210> 57 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Sequenci
ng primer -21M13forward <400> 57 tgtaaaacga cggccagt 18 <210> 58 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Sequenci
ng primer M13reverse <400> 58 caggaaacag ctatgacc 18 <210> 59 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: PCR prim
er 1 <400> 59 aaggtaccgc tgtttccaga taaacaaa 28 <210> 60 <211> 35 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: PCR prim
er 2 <400> 60 tcaaatgatg aaaggtctgg atccactctg gatgc 35 <210> 61 <211> 31 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Oligonucleotide to prepare a fragment inserted in the plasmid pGL13-1 <400> 61 aaggtaccaa ttgcatccag agtggatcca a 31 <210> 62 <211> 31 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Oligonucleotide to prepare a fragment inserted in the plasmid pGL13-1 <400> 62 ttggatccac tctggatgca attggtacct t 31 <210> 63 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:PCR sense primer with the specific sequence for a restriction endonuclease KpnI <400> 63 cggggtaccg agtgggtgct gggaagcaa 29 <210> 64 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:PCR antis
ense primer with the specific sequence for a restriction endonuclease HindIII <400> 64 cccaagcttg ccttgggtgc agcaacgct 29 <210> 65 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:PCR sense primer with the specific sequence for a restriction endonuclease KpnI <400> 65 cggggtacca caaagcctgt ggcattgca 29 <210> 66 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:PCR antis
ense primer with the specific sequence for a restriction endonuclease HindIII <400> 66 cggggtaccc tcccccagaa ctccagctg 29
【図面の簡単な説明】
【図1】KKマウス臓器由来の試料についてのノーザン
ブロット解析の結果を表す図。
【図2】 遺伝子導入COS−1細胞培養上清を試料と
したウエスタンブロット解析の結果を表す図。
【図3】 遺伝子導入HeLa細胞培養上清を試料とし
たウエスタンブロット解析の結果を表す図。
【図4】 組換えアデノウイルスを感染させたKK/
nkマウスの末梢血中の中性脂肪濃度測定結果を表す
図。
【図5】 KKマウスおよび組換えアデノウイルスを感
染させたKK/Snkマウスの肝臓由来の試料について
のノーザンブロット解析の結果を表す図。
【図6】精製「アンジオポエチン関連タンパク質3」の
ELISAによる検量線を表す図。
【図7】 「アンジオポエチン関連タンパク質1乃至
5」の構造。左側がアミノ末端、右側がカルボキシル末
端である。アンジオポエチン関連タンパク質は、アミノ
末端から、シグナルペプチド、ヘリックス領域、フィブ
リノーゲン様領域からなる。
【図8】 融合タンパク質のKK/Snkマウスにおけ
る血中中性脂肪濃度に及ぼす影響を示した図。
【図9】 組換えアデノウイルスを感染させたマウスの
血漿を試料としたウエスタンブロット解析の結果を表す
図。
【図10】 組換えアデノウイルスを感染させたマウス
の末梢血中の中性脂肪濃度測定結果を表す図。
【図11】 ヘパリン結合部位に変異を導入したアンジ
オポエチン関連タンパク質3の血漿トリグリセリドに対
する効果を表す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12N 1/15 C12N 1/19 1/19 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/10 C12Q 1/44 C12P 21/02 G01N 33/15 Z C12Q 1/44 33/50 Z G01N 33/15 33/92 Z 33/50 C12N 15/00 ZNAA 33/92 5/00 A (31)優先権主張番号 特願2001−300716(P2001−300716) (32)優先日 平成13年9月28日(2001.9.28) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2001−357037(P2001−357037) (32)優先日 平成13年11月22日(2001.11.22) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2001−384103(P2001−384103) (32)優先日 平成13年12月18日(2001.12.18) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2002−103583(P2002−103583) (32)優先日 平成14年4月5日(2002.4.5) (33)優先権主張国 日本(JP) 早期審査対象出願 (72)発明者 安雲 浩明 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共 株式会社内 (72)発明者 清水川 哲也 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共 株式会社内 (72)発明者 島村 満 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共 株式会社内 (72)発明者 吉田 健一 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共 株式会社内 (72)発明者 古川 秀比古 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共 株式会社内 (56)参考文献 特開2000−300263(JP,A) 国際公開00/53753(WO,A2) 国際公開01/42499(WO,A1) Molecular and Cel lular Biology,2000, Vol.20, No.14, p.5343− 5349 Genomics,1999, Vol. 62, No.3, p.477−482 The Journal of Bi ological Chemistr y,1999, Vol.274, No.37, p.26523−26528 Invest Ophthalmol Vis Sci Inv,1998, V ol.39, No.10, p.1782− 1788 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/09 C12N 15/12 C07K 14/47 G01N 33/15 G01N 33/50 G01N 33/92 MEDLINE(STN) SwissProt/PIR/GeneS eq GenBank/EMBL/DDBJ/G eneSeq BIOSIS/WPI(DIALOG)

Claims (28)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表の配列番号12に示されるアミノ
    酸配列に含まれる連続した1つのアミノ酸配列であっ
    て、アミノ酸番号17のアミノ酸をアミノ末端とし、ア
    ミノ酸番号147乃至207のいずれか1つのアミノ酸
    をカルボキシル末端とするアミノ酸配列からなるポリペ
    プチド。
  2. 【請求項2】 配列表の配列番号12のアミノ酸番号1
    7乃至207に示されるアミノ酸配列からなることを特
    徴とする、請求項1記載のポリペプチド。
  3. 【請求項3】配列表の配列番号12のアミノ酸番号17
    乃至195に示されるアミノ酸配列からなることを特徴
    とする、請求項1記載のポリペプチド。
  4. 【請求項4】 配列表の配列番号12のアミノ酸番号1
    7乃至147に示されるアミノ酸配列からなることを特
    徴とする、請求項1記載のポリペプチド。
  5. 【請求項5】 配列表の配列番号16に示されるアミノ
    酸配列に含まれる連続した1つのアミノ酸配列であっ
    て、アミノ酸番号26をアミノ末端とし、アミノ酸番号
    143をカルボキシル末端とするアミノ酸配列からなる
    ポリペプチド。
  6. 【請求項6】 配列表の配列番号16に示されるアミノ
    酸配列に含まれる連続した1つのアミノ酸配列であっ
    て、アミノ酸番号26をアミノ末端とし、アミノ酸番号
    144乃至183のいずれか一つをカルボキシル末端と
    するアミノ酸配列からなるポリペプチド。
  7. 【請求項7】 配列表の配列番号26に示されるアミノ
    酸配列からなるポリペプチド。
  8. 【請求項8】請求項乃至記載のアミノ酸配列の一つ
    もしくは数個の部位において、一つ若しくは数個のアミ
    ノ酸残基が欠失、挿入、付加もしくは置換されている、
    哺乳動物の血中の中性脂肪濃度を上昇させる活性を有す
    るポリペプチドの同効物。
  9. 【請求項9】 請求項乃至のいずれか1つに記載の
    ポリペプチドをコードするDNA。
  10. 【請求項10】 配列表の配列番号11に示されるヌク
    レオチド配列に含まれる連続した1つの配列であって、
    ヌクレオチド番号18のヌクレオチドを5'末端とし、
    ヌクレオチド番号458乃至638のいずれか1つのヌ
    クレオチドを3'末端とするヌクレオチド配列からなる
    DNA。
  11. 【請求項11】 配列表の配列番号11に示されるヌク
    レオチド配列に含まれる連続した1つの配列であって、
    ヌクレオチド番号18のヌクレオチドを5'末端とし、
    ヌクレオチド番号458乃至602のいずれか1つのヌ
    クレオチドを3'末端とするヌクレオチド配列からなる
    DNA。
  12. 【請求項12】 配列表の配列番号15に示されるヌク
    レオチド配列に含まれる連続した1つの配列であって、
    ヌクレオチド番号173のヌクレオチドを5'末端と
    し、ヌクレオチド番号601を3'末端とするヌクレオ
    チド配列からなるDNA。
  13. 【請求項13】 配列表の配列番号25のヌクレオチド
    番号18乃至662に示されるヌクレオチド配列からな
    るDNA。
  14. 【請求項14】 請求項乃至13のいずれか1つに記
    載のDNAを含む組換えベクター。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の組換えベクターで形
    質転換された宿主細胞。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の宿主細胞を培養し、
    次いで、該培養物から、哺乳動物の血中の中性脂肪濃度
    を上昇させる活性を有するポリペプチドを回収すること
    を特徴とする、哺乳動物の血中の中性脂肪濃度を上昇さ
    せる活性を有するポリペプチドの製造方法。
  17. 【請求項17】 下記の工程を含む、高脂血症、動脈硬
    化および高血糖から選択される一つまたは二つ以上の疾
    患の治療または予防剤の試験方法: 1) 非ヒト哺乳動物に、配列表の配列番号4のアミノ
    酸番号17乃至460に示されるアミノ酸配列からなる
    ポリペプチド、そのカルボキシル末端の1乃至253残
    基を欠くポリペプチド、配列表の配列番号16のアミノ
    酸番号26乃至406に示されるアミノ酸配列からなる
    ポリペプチド、そのカルボキシル末端の1乃至263残
    基を欠くポリペプチド、または請求項乃至に記載の
    ポリペプチドから選択される1種又は2種以上のポリペ
    プチド、および被験物質を投与する;および 2) 上記1)の動物の血中の中性脂肪濃度を測定す
    る。
  18. 【請求項18】 下記の工程を含む、高脂血症、動脈硬
    化および高血糖から選択される一つまたは二つ以上の疾
    患の治療または予防剤の試験方法: 1) 非ヒト哺乳動物に、配列表の配列番号3のヌクレ
    オチド番号78乃至1457に示されるヌクレオチド配
    列、配列表の配列番号15のヌクレオチド番号173乃
    至1393に示されるヌクレオチド配列、または請求項
    9乃至13のいずれか一つに記載のDNAを含む組換え
    アデノウイルスベクターを保持するアデノウイルスを感
    染させる; 2) 上記工程1)の動物に被験物質を投与する;およ
    び 3) 上記工程2)の動物の血中の中性脂肪濃度を測定
    する。
  19. 【請求項19】 高脂血症、動脈硬化および高血糖から
    選択される一つまたは二つ以上の疾患の治療または予防
    剤の試験方法であって、リポタンパク質リパーゼ(以下
    「LPL」という)および/または肝性トリアシルグリ
    セロールリパーゼ(以下「HTGL」という)とその基
    質とを反応させる系に、被験物質と共に、配列表の配列
    番号4のアミノ酸番号17乃至460に示されるアミノ
    酸配列からなるポリペプチド、そのカルボキシル末端の
    1乃至253残基を欠くポリペプチド、配列表の配列番
    号16のアミノ酸番号26乃至406に示されるアミノ
    酸配列からなるポリペプチド、そのカルボキシル末端の
    1乃至263残基を欠くポリペプチド、または請求項
    乃至記載のポリペプチドを共存させ、次いで、該ポリ
    ペプチドによるLPLおよび/またはHTGL活性の阻
    害作用に対する、被験物質の抑制効果を調べることを特
    徴とする方法。
  20. 【請求項20】 下記の工程を含む、LPL活性を調節
    する物質の試験方法: 1) 下記の[1]−a乃至[3]記載の材料と、被験
    物質とを共存させた混合物を調製する:[1] −a LPLを含む材料;[2] −a LPLの基質を含む材料;[3] 配列表の配列番号4のアミノ酸番号17乃至4
    60に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、そ
    のカルボキシル末端の1乃至253残基を欠くポリペプ
    チド、配列表の配列番号16のアミノ酸番号26乃至4
    06に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、そ
    のカルボキシル末端の1乃至263残基を欠くポリペプ
    チド、または請求項乃至記載のポリペプチド; 2) 上記1)の[1]−a乃至[3]の材料のみから
    なる混合物を、1)とは別個に調製する; 3) 上記1)および2)の混合物において、基質から
    遊離された脂肪酸の量をそれぞれ測定し、その測定値を
    比較する。
  21. 【請求項21】 LPLを含む材料が、哺乳動物由来の
    培養脂肪細胞の培養上清であることを特徴とする、請求
    20記載の方法。
  22. 【請求項22】 LPLを含む材料が、げっ歯類または
    霊長類動物由来の培養脂肪細胞の培養上清であることを
    特徴とする、請求項20または21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 LPLの基質を含む材料が、グリセロ
    ール・トリオレイン酸であることを特徴とする、請求項
    20乃至22のいずれか1つに記載の方法。
  24. 【請求項24】下記の工程を含む、LPLおよび/また
    はHTGLの活性を調節する物質の試験方法: 1) 下記の[1]−b乃至[3]記載の材料と、被験
    物質とを共存させた混合物を調製する:[1] −b LPLおよび/またはHTGLを含む材
    料;[2] −b LPLおよび/またはHTGLの基質を含
    む材料;[3] 配列表の配列番号4のアミノ酸番号17乃至4
    60に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、ま
    たはそのカルボキシル末端の1乃至253残基を欠くポ
    リペプチド、配列表の配列番号16のアミノ酸番号26
    乃至406に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチ
    ド、そのカルボキシル末端の1乃至263残基を欠くポ
    リペプチド、または請求項乃至記載のポリペプチ
    ド; 2) 上記1)の[1]−b乃至[3]の材料のみから
    なる混合物を、1)とは別個に調製する; 3) 上記1)および2)の混合物において、基質から
    遊離された脂肪酸の量を測定し、その測定値を比較す
    る。
  25. 【請求項25】 LPLおよび/またはHTGLを含む
    材料が、ヘパリンを静注投与した哺乳動物由来の血漿で
    あることを特徴とする、請求項24記載の方法。
  26. 【請求項26】 LPLおよび/またはHTGLを含む
    材料が、哺乳動物由来の培養脂肪細胞の培養上清である
    ことを特徴とする、請求項24記載の方法。
  27. 【請求項27】 LPLおよび/またはHTGLを含む
    材料が、げっ歯類または霊長類動物由来の培養脂肪細胞
    の培養上清であることを特徴とする、請求項24または
    26記載の方法。
  28. 【請求項28】 LPLおよび/またはHTGLの基質
    を含む材料が、グリセロール・トリオレイン酸であるこ
    とを特徴とする、請求項24乃至27のいずれか1つに
    記載の方法。
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Molecular and Cellular Biology,2000, Vol.20, No.14, p.5343−5349
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