JP2002051782A - 骨粗鬆症もしくは関節リウマチの治療または予防剤の試験方法 - Google Patents

骨粗鬆症もしくは関節リウマチの治療または予防剤の試験方法

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JP2002051782A
JP2002051782A JP2000241413A JP2000241413A JP2002051782A JP 2002051782 A JP2002051782 A JP 2002051782A JP 2000241413 A JP2000241413 A JP 2000241413A JP 2000241413 A JP2000241413 A JP 2000241413A JP 2002051782 A JP2002051782 A JP 2002051782A
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Junichi Okutsu
潤一 奥津
Noriyoshi Kawaida
礼美 川井田
Toshiaki Otsuka
敏明 大塚
Wataru Takahashi
亘 高橋
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Sankyo Co Ltd
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Sankyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 骨粗鬆症、慢性関節リウマチにおける骨破
壊、ガン細胞の骨転移と骨破壊等を含むさまざまな骨代
謝疾患の治療又は予防剤を試験するための新規な方法及
び該方法において用いられるDNAの提供。 【解決手段】 培養細胞を被検物質の存在下又は非存在
下で培養し、次いで、該培養細胞における、マウス由来
の特定のヌクレオチド配列又はヒト由来の特定のヌクレ
オチド配列を有する遺伝子の発現量を、被検物質非存在
下で培養した細胞と、被検物質存在下で培養した細胞と
の間で比較することを特徴とする方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】 本発明は、骨粗鬆症もしく
は関節リウマチの治療または予防剤として有用な物質の
新規試験方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 骨は、自らの形態変化や血中カルシウ
ム濃度の維持のため、常に形成と吸収を繰り返し再構築
を行う動的な器官として知られる。骨芽細胞による骨形
成と破骨細胞による骨吸収とは平衡関係にあるため、通
常は骨の量が一定に保たれているが、ひとたびこの平衡
関係が崩れると、骨粗鬆症などの骨代謝異常に陥ること
になる(Suda et al., Endocr. Rev. 13, 66-80 (199
2), Suda et al., in Principles of Bone Biology (Bi
lezikian et al. Eds), pp87-102,Academic Press, New
York (1996))。
【0003】骨代謝を調節する因子は、全身性のホルモ
ンや局所性のサイトカインが数多く報告されており、そ
れら因子の共同作用により骨の形成と維持が営まれてい
る(Suda et al., Endocr. Rev. 13, 66-80 (1992), Ro
odman, Endocr. Rev. 17, 308-332 (1996))。一方、加
齢による骨組織の変化は、骨粗鬆症の発症を通して広く
知られているが、その発症機構は性ホルモンの分泌低下
やそのレセプター異常、老化遺伝子の発現、破骨細胞や
骨芽細胞の分化あるいは機能不全など多岐にわたってお
り、加齢による生理現象として理解するのは困難であ
る。骨粗鬆症はエストロゲンの分泌低下による閉経後骨
粗鬆症と加齢による老人性骨粗鬆症に大別されている
が、その発症機構の解明と治療薬開発の為には、骨吸収
と骨形成の調節機構についての基礎的研究の進展が必須
である。
【0004】破骨細胞は、造血幹細胞に由来する多核の
細胞で、その前駆細胞は骨表面の骨芽細胞/ストローマ
細胞の細胞膜上に発現する破骨細胞分化因子(osteocla
st differentiation factor; 以下「ODF」という)
を認識し、破骨細胞へ分化することが明らかとなってき
た(Yasuda et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95,
3597-3602 (1998), Lacey et al., Cell 93, 165-176
(1998))。ODFの細胞内ドメインと膜貫通ドメインを
欠いた組換え可溶性ODFを用いた実験の結果、ODF
は骨芽細胞/ストローマ細胞が産生する膜結合因子であ
り、その発現は骨吸収因子により調節されること、およ
び、ODFは破骨細胞前駆細胞から単核破骨細胞への分
化を誘導することなどが明らかにされた(Yasuda et a
l., Proc.Natl. Acad. Sci. USA 95, 3597-3602 (199
8), Jimi et al., J. Bone Miner.Res. 23, S222 (Abst
ract) (1998))。さらに、ODFをノックアウトしたマ
ウスが、典型的な大理石病を発症することが見出され、
ODFが生理的な破骨細胞分化誘導因子であることが証
明された(Kong et al., Nature (London) 397, 315-32
3 (1999))。
【0005】ODFは、破骨細胞前駆細胞膜に発現する
ODFレセプターであるRANK(Receptor activator
of NF-κB)を介してシグナルを伝達し、破骨細胞分化
を促進することが知られている(Nakagawa et al., Bio
chem. Biophys. Res. Commun. 253, 395-400 (199
8))。RANKのトランスジェニックマウスやノックア
ウトマウスが作製されて、RANKがin vivoにおいて
も破骨細胞の分化を制御していることが証明された(Hs
u et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 96, 3540-3545
(1999), Li et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 97,
1566-1571 (2000))。
【0006】一方、本発明において検出の対象となる、
ODF刺激により発現誘導されるタンパク質は、そのア
ミノ酸配列がラット由来の公知タンパク質jun dimeriza
tionprotein 2(jdp−2)と同一または高い相同性
を有しているが、jdp−2が破骨細胞分化を含めた骨
代謝に関する機能を有するか否かについては知られてい
ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は、骨
粗鬆症、慢性関節リウマチにおける骨破壊、ガン細胞の
骨転移と骨破壊等を含む種々の骨代謝疾患の治療または
予防剤を試験するための新規な方法および該方法におい
て用いられる核酸プローブ、プライマーおよび抗体を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】 本発明は、(1) 物
質の、骨粗鬆症もしくは関節リウマチの治療または予防
剤としての効果を試験する方法であって、下記の工程: 1)培養細胞を被検物質の存在下または非存在下で培養
する; 2)上記1)の培養細胞における、下記のa)乃至e)
のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列(ただし、配
列中のtはuに読み替える)を有するmRNAの発現量
を検出する: a)配列表の配列番号1のヌクレオチド番号232から
720に示されるヌクレオチド配列; b)配列表の配列番号3のヌクレオチド番号26から5
14に示されるヌクレオチド配列; c)形質転換大腸菌E.coli pUC18−A57
4(1.8K) SANK 70600(FERM B
P−7238)が保持するプラスミドにおいてpUC1
8のマルチクローニングサイトに挿入されたDNAが有
するヌクレオチド配列; d)形質転換大腸菌E.coli pUC18−hjd
p−2 SANK 70700(FERM BP−72
37)が保持するプラスミドにおいてpUC18のマル
チクローニングサイトに挿入されたDNAが有するヌク
レオチド配列; e)上記a)乃至d)のいずれか一つに記載のヌクレオ
チド配列のアンチセンス配列を有するポリヌクレオチド
とストリンジェントな条件でハイブリダイズし、破骨細
胞前駆細胞から破骨細胞への分化を誘導する活性を有す
るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;および 3)上記工程2)の結果、被検物質非存在下で培養した
細胞と、被検物質存在下で培養した細胞との間で、検出
されたmRNAの発現量を比較する;を含む方法、
(2) 培養細胞が破骨細胞前駆細胞であることを特徴
とする、(1)記載の方法、(3) 培養細胞が霊長類
または齧歯類動物由来であることを特徴とする、(1)
または(2)記載の方法、(4) 培養細胞がヒトまた
はマウス由来であることを特徴とする、(3)記載の方
法、(5) (1)乃至(4)のいずれか一つに記載の
方法において、mRNAの発現量を検出する方法がノー
ザンブロット、ドットブロットまたはスロットブロット
であることを特徴とする方法、(6) (1)乃至
(4)のいずれか一つに記載の方法において、mRNA
の発現量を検出する方法がRT−PCRであることを特
徴とする方法、(7) (1)乃至(4)のいずれか一
つに記載の方法において、mRNAの発現量を検出する
方法がリボヌクレアーゼ保護アッセイであることを特徴
とする方法、(8) (1)乃至(4)のいずれか一つ
に記載の方法において、mRNAの発現量を検出する方
法がランオン・アッセイであることを特徴とする方法、
(9) 下記のa)またはb)記載のDNA: a)配列表の配列番号1の配列表の配列番号1のヌクレ
オチド番号232から720に示されるヌクレオチド配
列からなるDNA、または該ヌクレオチド配列の一方ま
たは両方の末端が1ヌクレオチドもしくは2ヌクレオチ
ド以上欠失した、少なくとも15ヌクレオチドからなる
DNA; b)配列表の配列番号3のヌクレオチド番号26から5
14に示されるヌクレオチド配列からなるDNA、また
は該ヌクレオチド配列の一方または両方の末端が1ヌク
レオチドもしくは2ヌクレオチド以上欠失した、少なく
とも15ヌクレオチドからなるDNA、(10) 配列
表の配列番号1の配列表の配列番号1のヌクレオチド番
号1から1642に示されるヌクレオチド配列または配
列表の配列番号3のヌクレオチド番号1から1495に
示されるヌクレオチド配列中の連続した15乃至30ヌ
クレオチドからなるヌクレオチド配列のアンチセンス配
列からなるDNAまたはRNA、(11) 物質の、骨
粗鬆症もしくは関節リウマチの治療または予防剤として
の効果を試験する方法であって、下記の工程: 1)培養細胞を被検物質の存在下または非存在下で培養
する; 2)上記1)の培養細胞上清における、下記のa)乃至
e)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列にコード
されるアミノ酸配列またはその一部からなるポリペプチ
ドの産生量を、該ポリペプチドを特異的に認識する抗体
を用いて検出する: a)配列表の配列番号1のヌクレオチド番号232から
720に示されるヌクレオチド配列; b)配列表の配列番号3のヌクレオチド番号26から5
14に示されるヌクレオチド配列; c)形質転換大腸菌E.coli pUC18−A57
4(1.8K) SANK 70600(FERM B
P−7238)が保持するプラスミドにおいてpUC1
8のマルチクローニングサイトに挿入されたDNAが有
するヌクレオチド配列; d)形質転換大腸菌E.coli pUC18−hjd
p−2 SANK 70700(FERM BP−72
37)が保持するプラスミドにおいてpUC18のマル
チクローニングサイトに挿入されたDNAが有するヌク
レオチド配列; e)上記a)乃至d)のいずれか一つに記載のヌクレオ
チド配列のアンチセンス配列を有するポリヌクレオチド
とストリンジェントな条件でハイブリダイズし、破骨細
胞前駆細胞から破骨細胞への分化を誘導する活性を有す
るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;および 3)上記工程2)の結果、被検物質非存在下で培養した
細胞と、被検物質存在下で培養した細胞との間で、検出
されたポリペプチドの量を比較する;を含む方法、(1
2) (11)記載の方法において、a)乃至e)のい
ずれか一つに記載のヌクレオチド配列にコードされるア
ミノ酸配列またはその一部からなるポリペプチドを特異
的に認識する抗体が、配列表の配列番号2のアミノ酸番
号1−163に示されるアミノ酸配列からなるポリペプ
チドまたはその一部、もしくは配列番号4のアミノ酸番
号1から163に示されるアミノ酸配列からなるポリペ
プチドまたはその一部を特異的に認識するものであるこ
とを特徴とする方法、(13) (11)または(1
2)記載の方法において、a)乃至e)のいずれか一つ
に記載のヌクレオチド配列にコードされるアミノ酸配列
またはその一部からなるポリペプチドを特異的に認識す
る抗体が、配列表の配列番号21に示されるアミノ酸配
列を特異的に認識するものであることを特徴とする方
法、(14) (11)乃至(13)のいずれか一つに
記載の方法において、a)乃至e)のいずれか一つに記
載のヌクレオチド配列にコードされるアミノ酸配列また
はその一部からなるポリペプチドの産生量を該ポリペプ
チドを特異的に認識する抗体を用いて検出する操作が、
ウエスタンブロット、ドットブロットまたはスロットブ
ロットであることを特徴とする方法、(15) (1
1)乃至(14)のいずれか一つに記載の方法におい
て、a)乃至e)のいずれか一つに記載のヌクレオチド
配列にコードされるアミノ酸配列またはその一部からな
るポリペプチドの産生量を該ポリペプチドを特異的に認
識する抗体を用いて検出する操作が、固相酵素免疫定量
法(ELISA法)または放射性同位元素免疫定量法
(RIA法)であることを特徴とする方法、(16)
下記のa)乃至e)のいずれか一つに記載のヌクレオチ
ド配列にコードされるアミノ酸配列またはその一部から
なるポリペプチドを特異的に認識する抗体: a)配列表の配列番号1のヌクレオチド番号232から
720に示されるヌクレオチド配列; b)配列表の配列番号3のヌクレオチド番号26から5
14に示されるヌクレオチド配列; c)形質転換大腸菌E.coli pUC18−A57
4(1.8K) SANK 70600(FERM B
P−7238)が保持するプラスミドにおいてpUC1
8のマルチクローニングサイトに挿入されたDNAが有
するヌクレオチド配列; d)形質転換大腸菌E.coli pUC18−hjd
p−2 SANK 70700(FERM BP−72
37)が保持するプラスミドにおいてpUC18のマル
チクローニングサイトに挿入されたDNAが有するヌク
レオチド配列; e)上記a)乃至d)のいずれか一つに記載のヌクレオ
チド配列のアンチセンス配列を有するポリヌクレオチド
とストリンジェントな条件でハイブリダイズし、破骨細
胞前駆細胞から破骨細胞への分化を誘導する活性を有す
るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、(1
7) (16)記載の抗体であって、配列表の配列番号
21に示されるアミノ酸配列を特異的に認識することを
特徴とする抗体、(18) (16)または(17)記
載の抗体を含むことからなる、骨粗鬆症もしくは関節リ
ウマチの治療または予防剤を試験するためのキット、
(19) 破骨細胞前駆細胞から破骨細胞への分化を特
異的に阻害する物質をスクリーニングする方法であっ
て、下記の(i)および(ii)の工程を含むことを特
徴とする方法: (i)予めカテプシンKプロモーター遺伝子または酒石
酸耐性酸ホスファターゼ(以下「TRAP」という)プ
ロモーター遺伝子の支配下にあり、該プロモーター活性
の検出を可能ならしめる遺伝子(以下「マーカー遺伝
子」という)と、配列表の配列番号2のアミノ酸番号1
から163に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチ
ドまたは配列番号4のアミノ酸番号1から163に示さ
れるアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードする遺
伝子とで形質転換された培養細胞を、被検物質を添加し
てまたは添加しないで培養する; (ii)上記(i)記載の培養細胞におけるマーカー遺
伝子の発現量を、被検物質を添加した細胞と添加しなか
った細胞との間で比較する、(20) マーカー遺伝子
を発現誘導するためのプロモーターとして、配列表の配
列番号27に示されるヌクレオチド配列からなるマウス
カテプシンKプロモーター遺伝子を用いることを特徴と
する、(19)記載の方法、(21) マーカー遺伝子
を発現誘導するためのプロモーターとして、配列表の配
列番号26に示されるヌクレオチド配列からなるマウス
TRAPプロモーター遺伝子を用いることを特徴とす
る、(19)記載の方法、(22) マーカー遺伝子が
クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、ホ
タルルシフェラーゼ、β−ガラクトシダーゼ、分泌型ア
ルカリホスファターゼおよび緑色蛍光タンパク質からな
る群より選択される蛋白質をコードするものであること
を特徴とする、(19)乃至(21)のいずれか一つに
記載の方法、(23) マーカー遺伝子がホタルルシフ
ェラーゼをコードする遺伝子であることを特徴とする、
(19)乃至(21)のいずれか一つに記載の方法、
(24) マーカー遺伝子および配列表の配列番号2の
アミノ酸番号1−163に示されるアミノ酸配列からな
るポリペプチドまたは配列番号4のアミノ酸番号1−1
63に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドをコ
ードする遺伝子で形質転換される培養細胞が、RAW2
64.7細胞株であることを特徴とする、(19乃至2
3のいずれか一つに記載の方法、(25) 破骨細胞前
駆細胞から破骨細胞への分化を調節する物質をスクリー
ニングする方法であって、配列表の配列番号2のアミノ
酸番号1から163に示されるアミノ酸配列からなるポ
リペプチドまたは配列番号4のアミノ酸番号1から16
3に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドに被検
物質を含む試料を接触させ、次いで、該ポリペプチドに
結合した物質を分離することを特徴とする方法、(2
6) 配列表の配列番号2のアミノ酸番号46から16
3に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、に関
する。
【0009】マウス単球由来細胞株RAW264.7を
ODFで刺激すると、酒石酸耐性酸ホスファターゼ(以
下「TRAP」という)やカテプシンKなどの破骨細胞
分化マーカーの遺伝子発現が強く誘導されることが知ら
れている(Hsu et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 9
6, 3540-3545 (1999))。すなわち、RAW264.7
株は、ODF刺激することにより破骨細胞へと分化誘導
できると考えられる。そこで、本発明者らは、骨粗鬆症
もしくは関節リウマチの治療または予防剤の標的遺伝子
を探索する目的で、ODF刺激しないRAW264.7
細胞に発現するmRNAとODF刺激したRAW26
4.7細胞に発現するmRNAとの間で遺伝子発現量を
比較した結果、破骨細胞への分化誘導に関与する遺伝子
(cDNA)を同定することに成功した。このマウスc
DNAは、ホモロジー検索の結果、公知ラット遺伝子と
高いヌクレオチド配列相同性を有しており、またそれら
のコードするアミノ酸配列においては100%の一致が
認められた。本発明者らは、このマウスcDNAおよび
それに対応するヒト遺伝子をRAW264.7細胞に強
制発現させると、TRAPやカテプシンK遺伝子のプロ
モーター活性が促進されることを見出し、これら遺伝子
が、従来知られていなかった破骨細胞分化に関する機能
を有することを明らかにした。また、この遺伝子のヌク
レオチド配列またはその一部をプローブもしくはプライ
マーとして用いた遺伝子発現の検出系を利用する、骨粗
鬆症もしくは関節リウマチの治療または予防剤の新規試
験方法の構築に成功した。さらに、この遺伝子がコード
するポリペプチドに特異的な抗体を調製し、該抗体を用
いて該ポリペプチドの産生量を検出する実験系を利用す
る骨粗鬆症もしくは関節リウマチの治療または予防剤の
新規試験方法を構築した。そして、本発明者らは、この
遺伝子ががコードするポリペプチドの有する破骨細胞化
促進活性を機能的に阻害する物質の新規試験法を構築し
て、本発明を完成させた。
【0010】本発明において、「ストリンジェントな条
件でハイブリダイズする」とは、市販のハイブリダイゼ
ーション溶液ExpressHyb Hybridization Solution(ク
ローンテック社製)中、68℃でハイブリダイズするこ
と、またはそれと同等の条件でハイブリダイズすること
をいう。
【0011】また、本発明において、「破骨細胞前駆細
胞から破骨細胞への分化を誘導する活性」とは、破骨細
胞前駆細胞(例えば、RAW264.7細胞)内におい
て、破骨細胞分化マーカーであるカテプシンKやTRA
Pの発現を亢進させる活性をいう。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の方法は、具体的には例え
ば、配列表の配列番号1のヌクレオチド番号232から
720に示されるヌクレオチド配列、または配列表の配
列番号3のヌクレオチド番号26から514に示される
ヌクレオチド配列を有する遺伝子、またはそれらがコー
ドするポリペプチドと同じ活性を有するポリペプチドを
コードする遺伝子の発現を、当該核酸(mRNA)また
は当該ポリペプチドの特異的検出によって測定し、該遺
伝子の発現量(すなわち、当該ポリペプチドの産生量)
を低下させるような被検物質を骨粗鬆症もしくは関節リ
ウマチの治療または予防剤の候補物質として選択するも
のである。以下、核酸の検出を行う態様とポリペプチド
の検出を行う態様とに分けて説明する。
【0013】(A)核酸の検出 1)プローブ 核酸の検出を行う態様のうち、核酸ハイブリダイゼーシ
ョンを利用する方法において用いられるプローブは、D
NAまたはRNAであって、そのヌクレオチド配列は、
下記a)乃至e): a)配列表の配列番号1のヌクレオチド番号232から
720に示されるヌクレオチド配列; b)配列表の配列番号3のヌクレオチド番号26から5
14に示されるヌクレオチド配列; c)形質転換大腸菌E.coli pUC18−A57
4(1.8K) SANK 70600(FERM B
P−7238)が保持するプラスミドにおいてpUC1
8のマルチクローニングサイトに挿入されたDNAが有
するヌクレオチド配列; d)形質転換大腸菌E.coli pUC18−hjd
p−2 SANK 70700(FERM BP−72
37)が保持するプラスミドにおいてpUC18のマル
チクローニングサイトに挿入されたDNAが有するヌク
レオチド配列; e)上記a)乃至d)のいずれか一つに記載のヌクレオ
チド配列のアンチセンス配列を有するポリヌクレオチド
とストリンジェントな条件でハイブリダイズし、破骨細
胞前駆細胞から破骨細胞への分化を誘導する活性を有す
るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;のいず
れか一つ(ただし、配列中のtはuに読み替える)を有す
るポリリボヌクレオチドとストリンジェントな条件でハ
イブリダイズするヌクレオチド配列であればよく、例え
ば、上記a)乃至e)のいずれか一つに記載のヌクレオ
チド配列のアンチセンス配列を有するポリヌクレオチ
ド、該アンチセンス配列中の連続した少なくとも15ヌ
クレオチドからなる部分配列を有するポリヌクレオチ
ド、もしくは該アンチセンス配列の改変体等、およそ上
記a)乃至e)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配
列を有するポリリボヌクレオチドとストリンジェントな
条件でハイブリダイズすることにより該ポリリボヌクレ
オチドを特異的に検出することが可能なものは全て本発
明の方法に用いられ得る。それらのうち、上記a)記載
のヌクレオチド配列のアンチセンス配列を有するポリヌ
クレオチドは、例えばマウスRAW264.7細胞由来
のcDNAライブラリーから、配列表の配列番号1に示
すヌクレオチド配列情報に基づいて、周知の方法、例え
ばプラークハイブリダイゼーション法、コロニーハイブ
リダイゼーション法またはポリメラーゼ連鎖反応(以下
「PCR」という)法等によりクローニングしたcDN
Aクローンを、周知の方法で直接標識するか、または該
cDNAクローンを鋳型としたポリメラーゼ反応による
複製または転写反応において標識することにより、標識
プローブとして得ることができる。
【0014】また、上記b)記載のヌクレオチド配列の
アンチセンス配列を有するポリヌクレオチドは、例えば
ヒト脾臓由来のcDNAライブラリーから配列表の配列
番号3に示すヌクレオチド配列情報に基づいて、同様の
操作を行うことによりクローニングしたcDNAクロー
ンから標識プローブを得ることができる。
【0015】一方、上記c)またはd)記載のヌクレオ
チド配列のアンチセンス配列を有するポリヌクレオチド
は、工業技術院生命工学工業技術研究所に平成12年7
月19日付で国際寄託され、受託番号FERM BP−
7238が付されている形質転換大腸菌株E.coli
pUC18−A574(1.8k) SANK 70
600株または同じく平成12年7月19日付で国際寄
託され、受託番号FERM BP−7237が付されて
いるE.coli pUC18−hjdp−2SANK
70700株が保持する組換えプラスミドから得るこ
とができる。
【0016】さらに、上記e)記載のヌクレオチド配列
のアンチセンス配列を有するポリヌクレオチドは、例え
ば上記のようにして得られる上記a)乃至d)記載のヌ
クレオチド配列のアンチセンス配列を有するポリヌクレ
オチドをプローブとして、任意の哺乳動物(好ましくは
脾臓)由来のcDNAライブラリーについてプラークハ
イブリダイゼーション法やコロニーハイブリダイゼーシ
ョン法によるクローニングを行って単離したcDNAク
ローンから得ることができる。
【0017】さらにまた、上記a)乃至e)のいずれか
一つに記載のヌクレオチド配列のアンチセンス配列中の
連続した少なくとも15ヌクレオチドからなる部分配列
を有するポリヌクレオチドは、数十ヌクレオチド程度の
ものであれば化学合成によって得ることが可能である。
またあるいは、上記のようにして得られる上記a)乃至
e)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列を有する
cDNAクローン中の任意の部分配列を、例えばPCR
等によってサブクローニングしてから、上記と同様の手
法でアンチセンス配列を有するプローブとして調製する
こともできる。
【0018】例えば、配列表の配列番号1記載のヌクレ
オチド配列のアンチセンス配列中の連続した数十ヌクレ
オチドからなる部分配列において、数ヌクレオチドが付
加、欠失および/または付加されたようなヌクレオチド
配列からなるポリヌクレオチドであっても、上記a)乃
至e)のいずれか一つに記載のポリリボヌクレオチドと
ストリンジェントな条件でハイブリダイズする限り、本
発明の方法に用いられ得る。そのようなポリヌクレオチ
ドは、化学合成法や、PCR等の酵素反応を利用した本
発明の属する技術分野における周知の変異導入法を用い
て作製することが可能である。
【0019】また、本発明の方法において用いられるプ
ローブは単一のヌクレオチド配列からなるものに限定さ
れない。すなわち本発明の方法においては、例えば上記
の要件を満足する複数種類のヌクレオチド配列の混合物
をプローブとして用いたり、もしくはそれら複数種類の
ヌクレオチド配列をそれぞれ個別に用いた多重検出を行
ってもよい。
【0020】2)RT−PCR用プライマー 本発明における、核酸の検出を行うもう一つの態様は、
まずmRNAを鋳型とする逆転写酵素反応を行ってか
ら、PCRを実施して特異的にDNA断片を増幅する、
いわゆるRT−PCRを行う方法である。この方法にお
いて、目的のヌクレオチド配列を特異的に増幅するため
には、目的のmRNAの特定の部分配列に相補的なアン
チセンスプライマーと、該アンチセンスプライマーから
逆転写酵素により生成されるcDNAの配列中の特定の
部分配列に相補的なセンスプライマーが用いられる。
【0021】逆転写酵素反応およびPCRの両方に用い
られるアンチセンスプライマーは、実質的に上記a)乃
至e)記載のヌクレオチド配列のアンチセンス配列中
の、連続した少なくとも18ヌクレオチド、好ましくは
少なくとも23ヌクレオチドのヌクレオチド配列からな
る。
【0022】一方、PCRにおいて用いられるセンスプ
ライマーの配列は、上記a)乃至e)記載のヌクレオチ
ド配列において、上記アンチセンスプライマーの相補鎖
にあたる配列中の最も5’末端側の位置よりもさらに
5’末端側領域に存在する配列中の連続した少なくとも
18ヌクレオチド、好ましくは少なくとも21ヌクレオ
チドの任意の部分配列からなる。ただし、センスプライ
マーとアンチセンスプライマーに互いに相補的な配列が
存在すると、プライマー同士がアニーリングすることに
より非特異的な配列が増幅され、特異的な遺伝子検出の
妨げとなるおそれがあるので、そのような組み合わせを
避けたプライマーの設計を行うことが好ましい。
【0023】これらアンチセンスプライマーおよびセン
スプライマーには、いずれも上記で規定したそれらヌク
レオチド配列の5’末端に、上記a)乃至e)記載のヌ
クレオチド配列とは無関係のヌクレオチド配列がリンカ
ーとして付加されていてもよい。ただし、特異的な遺伝
子検出の妨げとならないよう、該リンカーは反応中に反
応液内の核酸と非特異的アニーリングを起こさないよう
なものであることが好ましい。
【0024】3)遺伝子発現を検出する細胞または動物 次に、本発明の方法において用いられる培養細胞は、上
記a)乃至e)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配
列を有する遺伝子を発現する哺乳動物細胞であればよ
い。好ましくは哺乳動物肝臓由来の培養細胞であるが、
例えば上記a)乃至e)のいずれか一つに記載のヌクレ
オチド配列を有する遺伝子をそのプロモーター領域とと
もに導入した細胞など、人為的に形質転換された細胞
(例えば、RAW264.7細胞)も使用することが可
能である。哺乳動物種としては、ヒト、マウスまたはハ
ムスターが好ましく、ヒトまたはマウスがより好ましい
が、これらに限定されない。また、何らかの事情により
培養細胞を用いるよりも好適と判断される場合には、哺
乳動物個体に被検物質を投与して、その後該動物個体か
ら摘出されたその臓器または組織細胞における上記a)
乃至e)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列を有
する遺伝子の発現を検出する方法も採用し得る。その
際、遺伝子発現の検出対象となる臓器または組織は、上
記a)乃至e)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配
列を有する遺伝子を発現するものであればよいが、好ま
しくは脾臓や骨髄である。この実施態様における好まし
い哺乳動物種はヒト、マウスまたはハムスターが好まし
く、ヒトまたはマウスがより好ましい。
【0025】本発明の方法において用いられる培養細胞
は、上記a)乃至e)のいずれか一つに記載のヌクレオ
チド配列を有する遺伝子を発現可能な条件(ただし被検
物質を添加しない場合)であれば、いかなる条件で培養
してもよい。例えば、該培養細胞について確立された培
養条件が知られており、該条件下において該細胞が上記
a)乃至e)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列
を有する遺伝子を発現する場合は、該条件で培養してよ
い。また、哺乳動物個体から摘出した臓器または組織に
おける遺伝子発現を検出する場合における、該動物の飼
育条件も、上記a)乃至e)のいずれか一つに記載のヌ
クレオチド配列を有する遺伝子を発現可能な条件(ただ
し被検物質を添加しない場合)であればよい。
【0026】4)被検物質の添加 上記細胞の培養中、被検物質を培養培地に添加し一定期
間培養する。被検物質としては、化合物、微生物の代謝
産物、植物や動物組織の抽出物、それらの誘導体または
それらの混合物等が挙げられる。被検物質の投与量や濃
度は適宜設定するか、または例えば希釈系列を作成する
などして複数種の投与量を設定してもよい。被検物質存
在下で培養する期間も適宜設定してよいが、好ましくは
30分乃至48時間である。哺乳動物個体に被検物質を
投与する場合は、被検物質の物性等により経口投与、静
脈注射、腹腔内注射、経皮投与、皮下注射等の投与形態
を使い分ける。
【0027】5)試料の調製 上記のようにして培養した細胞からRNAを抽出するに
際しては、培養終了後直ちに細胞をRNA抽出用の溶媒
(例えばフェノール等リボヌクレアーゼを不活性化する
作用を有する成分を含むもの)で直接溶解するのが好ま
しい。または、細胞を破壊しないように、スクレーパー
で慎重に掻きとるか、もしくはトリプシン等のタンパク
質分解酵素を用いて穏やかに培養基材から分離させるな
どの方法により、細胞を回収した後、速やかにRNA抽
出工程に移行する。
【0028】RNAの抽出方法としては、チオシアン酸
グアニジン・塩化セシウム超遠心法、チオシアン酸グア
ニジン・ホットフェノール法、グアニジン塩酸法、酸性
チオシアン酸グアニジン・フェノール・クロロホルム法
(Chomczynski, P. and Sacchi, N., (1987) Anal. Bio
chem., 162, 156-159)などを採用しうるが、酸性チオ
シアン酸グアニジン・フェノール・クロロホルム法が好
適である。
【0029】得られたRNAからさらにmRNAを精製
する方法は以下に説明する通りである。すなわち、真核
細胞の細胞質に存在するmRNAの多くは、その3’末
端にポリ(A)配列を持つことが知られているので、こ
の特徴を利用して例えばビオチン化したオリゴ(dT)
プローブにmRNAを吸着させ、さらにストレプトアビ
ジンを固定化した常磁性粒子に、ビオチン/ストレプト
アビジン間の結合を利用してmRNAを捕捉し洗浄操作
の後、mRNAを溶出することにより、mRNAを精製
することができる。また、オリゴ(dT)セルロースカ
ラムにmRNAを吸着させて、次にこれを溶出して精製
する方法も採用し得る。さらにショ糖密度勾配遠心法な
どにより、mRNAをさらに分画することもできる。た
だし、本発明の方法のためには、これらmRNAの精製
工程は必須ではなく、上記a)乃至e)のいずれか一つ
に記載のヌクレオチド配列を有する遺伝子の発現の検出
が可能である限りにおいて、全RNAをその後の工程に
用いることもできる。
【0030】6)試料の固相化 核酸ハイブリダイゼーションによる検出を行う場合、上
記のようにして得られたRNA試料中の遺伝子を特異的
に検出するため、該RNA試料をアガロース電気泳動を
経てハイブリダイゼーション実験用メンブレン(以下単
に「メンブレン」という)に転写する(ノーザンブロッ
ト法)か、または直接メンブレンに試料を染み込ませ
る、いわゆるドットブロット法やスロットブロット法に
より、メンブレンに固相化する。このメンブレンとして
は、ニトロセルロースメンブレン(例えば、ハイボンド
−Cピュア(アマシャム・ファルマシア社製)等)、ポ
ジティブチャージ・ナイロンメンブレン(例えば、ハイ
ボンド−N+アマシャム・ファルマシア社製)等)また
は親水性ナイロンメンブレン(例えば、ハイボンド−N
/NX(アマシャム・ファルマシア社製)等)等が用い
られる。
【0031】ノーザンブロット用のアガロース電気泳動
方法としては、アガロースホルムアミドゲル電気泳動
法、試料をグリオキサールとジメチルスルホキシドで処
理し、変性させた後、リン酸緩衝液で作製したアガロー
スゲルで泳動させる方法およびアガロースゲルメチル水
銀電気泳動法(以上Maniatis, T. et al. (1982) in "M
olecular Cloning A Laboratory Manual" Cold Spring
Harbor Laboratory, NY.)等を挙げることができるが、
これらに限定されない。
【0032】電気泳動後のゲルからメンブレンにRNA
を移す、いわゆるブロッティング方法としては、キャピ
ラリートランスファー法(Maniatis, T. et al. (1982)
in"Molecular Cloning A Laboratory Manual" Cold Sp
ring Harbor Laboratory, NY.)、バキューム法、電気
泳動法(Maniatis, T. et al. (1989) in "MolecularCl
oning A Laboratory Manual、2nd ed" Cold Spring Ha
rbor Laboratory, NY.)等を挙げることができる。ドッ
トブロット法やスロットブロット法のための器材も市販
されている(例えば、バイオドット(バイオラッド社
製)等)。
【0033】ブロッティング終了後、メンブレンに移し
取られたRNAをメンブレンに固定する操作を行う(こ
の操作はメンブレンの材質によって異なり、製品によっ
ては固定操作不要の場合もある)。
【0034】7)プローブの標識 核酸ハイブリダイゼーションによる検出を行うにあた
り、上記のようにして固相化させたRNA試料中の特定
のmRNAを検出するためのプローブの標識方法と検出
方法について以下に述べる: i)放射性同位元素標識 DNA断片またはそれを保持するベクター等を材料乃至
鋳型として、ニックトランスレーション法(例えば、ニ
ックトランスレーションキット(アマシャム・ファルマ
シア社製)等を使用)、ランダムプライム法(例えば、
マルチプライムDNAラベリングシステム(アマシャム
・ファルマシア社製)等を使用)、末端標識法(例え
ば、メガラベル(宝酒造(株)社製)、3’−末端ラベ
リングキット(アマシャム・ファルマシア社製)等を使
用)で標識DNAプローブを調製するか、あるいは鋳型
となるDNAをサブクローニングしたベクター中のSP
6プロモーターやT7プロモーターを利用したイン・ビ
トロ転写法により標識RNAプローブを調製する。これ
らプローブの検出はX線フィルムまたはイメージングプ
レートを用いたオートラジオグラフィーにより行うこと
ができ、さらにX線フィルムの場合はデンシトメトリー
(例えば、GS−700イメージイングデンシトメータ
ー(バイオラッド社製)を使用)を、イメージングプレ
ートの場合はBAS2000II(富士フィルム製)シ
ステムをそれぞれ用いた定量も可能である。
【0035】ii)酵素標識 DNAあるいはRNA断片を直接酵素標識する。標識に
用いられる酵素は例えば、アルカリフォスファターゼ
(AlkPhos Direct system for chemiluminescence(ア
マシャム・ファルマシア社製)等を使用)、西洋ワサビ
ペルオキシダーゼ(Horseradish Peroxidase)(ECL
ダイレクト・ヌクレイック・アッシド・ラベリング・ア
ンド・ディテクション・システム(アマシャム・ファル
マシア社製)等を使用)を挙げることができる。プロー
ブの検出は、標識した酵素の触媒反応が検出可能になる
ような基質、例えば該触媒反応により発色物質を生成し
たり、発光するような基質を含む酵素反応緩衝液にメン
ブレンを浸すことにより行う。発色基質を用いた場合は
目視により検出することができ、発光基質を用いた場合
は放射性同位元素標識の場合と同様にX線フィルムまた
はイメージングプレートを用いたオートラジオグラフィ
ーやインスタントカメラを用いた写真撮影により検出す
ることができる。さらに、発光基質を用いた場合は、デ
ンシトメトリーやモレキュラー・イメージャーFx(バ
イオラッド社製)システムを利用した定量も可能であ
る。
【0036】iii)その他分子による標識 フルオレセイン標識: DNA断片にニックトランスレ
ーション法、ランダムプライム法、または3’末端標識
法(アマシャム・ファルマシア社より市販されているE
CL 3’−オリゴラベリングシステムなど)で標識す
る。あるいはSP6、T7プロモーターによるイン・ビ
トロ転写によりRNAに標識する; ビオチン標識: DNAの5’末端を標識(アマシャム
・ファルマシア社より市販されているオリゴヌクレオチ
ド・ビオチン・ラベリングキットなど使用)したり、D
NA断片にニックトランスレーション法、ランダムプラ
イム法などで標識する; ジゴキシゲニン修飾dUTP標識: DNA断片にニッ
クトランスレーション法、ランダムプライム法などで標
識する。
【0037】これら標識分子の検出は、いずれの場合
も、標識された分子に特異的に結合する分子を放射性同
位元素や酵素で標識したものをプローブに結合させる操
作を含む。特異的に結合する分子とは、例えばフルオレ
セインやジゴキシゲニンの場合は抗フルオレセイン抗体
や抗ジゴキシゲニン抗体であり、ビオチンの場合はアビ
ジンまたはストレプトアビジンである。これらをプロー
ブに結合させた以降は、その標識された放射性同位元素
や酵素により上記i)またはii)記載と同様の方法に
したがって検出を行うことができる。
【0038】8)ハイブリダイゼーションと検出 ハイブリダイゼーションは、本発明が属する技術分野に
おいて周知の方法で行われ得る。本発明におけるハイブ
リダイゼーション溶液または洗浄液の組成と、ハイブリ
ダイゼーション温度または洗浄温度の関係については、
例えば文献(バイオ実験イラストレイテッド4、p14
8、秀潤社刊)の記載に従うことができるが、好ましい
条件は以下の通りである: ハイブリダイゼーション溶液: ExpressHyb Hybridiza
tion Solution(クローンテック社製); プローブの終濃度(放射標識プローブの場合): 1乃
至2×106cpm/ml(好ましくは、2×106cp
m/ml); ハイブリダイゼーション温度および時間: 68℃、1
乃至24時間。
【0039】メンブレンの洗浄条件: i) 0.1乃至5×SSC(最も好ましくは2×SS
C)、0.05乃至0.1% SDS(最も好ましくは
0.05%)ドデシル硫酸ナトリウム(以下「SDS」
という)中、室温乃至42℃(最も好ましくは室温)で
20乃至60分間(最も好ましくは20分間)振盪する
操作を、洗浄液を交換して2乃至6回(最も好適には3
回)行う; ii) 上記i)の後、0.1×SSC、0.1% S
DS中、50乃至65℃で、20乃至60分間振盪する
操作を、洗浄液を交換して2乃至6回行う。または、
0.2乃至0.5×SSC、0.1% SDS中、62
乃至65℃で、20乃至60分間振盪する操作を、洗浄
液を交換して2乃至6回行う。最も好適には、0.1×
SSC、0.1% SDS中、50℃で、20分間振盪
する操作を、洗浄液を交換して3回行う。
【0040】洗浄終了後、上記7)に記載したように、
プローブの標識法に合わせた検出・定量を行う。また、
β−アクチン遺伝子の細胞あたりの発現量は安定してい
ることが知られているので、各試料間のRNA量の差等
に起因するばらつきを補正する目的で、各試料における
β-アクチン遺伝子の発現量を同時に測定しておき、こ
のβ−アクチン発現量を基準とした、検出対象遺伝子発
現量の相対値を、被検物質を投与した細胞群と投与しな
かった細胞群との間で比較することにより、より精密な
評価を行うことができる。
【0041】その結果、上記a)乃至e)のいずれか一
つに記載のヌクレオチド配列を有する遺伝子の発現量を
低下させる被検物質は、骨粗鬆症もしくは関節リウマチ
の治療または予防剤となり得る。
【0042】9)RT−PCR反応 RT−PCRによって核酸の検出を行う態様における、
各反応の条件は以下に記載する通りである。なお、RT
−PCRによる検出のための試料は、通常ポリ(A)+
RNAにまで精製されている必要はない。
【0043】i)逆転写酵素反応 反応液組成の例(全量20μl): 全RNA 適宜; 塩化マグネシウム 2.5乃至5mM(好ましくは5m
M); 1×RNA PCR緩衝液(10mM トリス−塩酸
(25℃におけるpH8.3乃至9.0(好ましくは
8.3))、50mM 塩化カリウム); dNTPs 0.5乃至1mM(好ましくは1mM); アンチセンスプライマー 1μM (アンチセンスプラ
イマーの代用として、市販のランダムプライマーやオリ
ゴ(dT)プライマー(12−20ヌクレオチド)を
2.5μM添加することもできる); 逆転写酵素 0.25乃至1単位/μl(好ましくは
0.25単位/μl); 滅菌水で20μlに調整する。
【0044】反応温度条件:30℃で10分間保温(ラ
ンダムプライマー使用時のみ)した後、42乃至60℃
(好ましくは42℃)で15乃至30分間(好ましくは
30分間)保温し、さらに99℃で5分間加熱して酵素
を失活させてから、4乃至5℃(好ましくは5℃)で5
分間冷却する。
【0045】ii)PCR 反応液組成の例: 塩化マグネシウム 2乃至2.5mM(好ましくは2.
5mM); 1×PCR緩衝液(10mM トリス−塩酸(25℃に
おけるpH8.3乃至9.0(好ましくは8.3))、
50mM 塩化カリウム; dNTPs 0.2乃至0.25mM(好ましくは0.
25mM); アンチセンスプライマーおよびセンスプライマー 0.
2乃至0.5μM(好ましくは0.2μM); Taqポリメラーゼ 1乃至2.5単位(好ましくは
2.5単位); 滅菌水を加えて全量を80μlに調整し、その全量を、
逆転写反応を終了した反応液全量に加えてからPCRを
開始する。
【0046】反応温度条件: まず94℃で2分間加熱
した後、90乃至95℃(好ましくは94℃)で30秒
間、40乃至60℃(好ましくは、プライマーの特性か
ら算出される解離温度(Tm)からそれより20度低い
温度までの範囲内で30秒間、70乃至75℃(好まし
くは72℃)で1.5分間の温度サイクルを28乃至5
0サイクル(好ましくは28サイクル)繰り返してか
ら、4℃に冷却する。
【0047】PCR終了後、反応液を電気泳動し、目的
の大きさのバンドが増幅されているか否かを検出する。
定量的検出を行うためには、予め段階希釈したcDNA
クローンを標準の鋳型DNAとして同条件でPCRを実
施し、定量的検出が可能な温度サイクル数を定めておく
か、または、例えば5サイクル毎に一部反応液をサンプ
リングしてそれぞれ電気泳動を行う。また例えばPCR
反応時に放射標識dCTPを用いることにより、バンド
中に取り込まれた放射能の量を指標に定量を行うことも
できる。遺伝子定量の信頼性を高めた方法として、上記
RT−PCR法を改良した競合RT−PCR法(Souaze
et al., BioTechniques 21, 280-285 (1996))や、T
aqMan PCR法(Heid et al., Genom. Res. 6,
986-994 (1996))なども利用可能である。
【0048】被検物質存在下で培養した細胞由来の試料
と、被検物質非存在下で培養した細胞由来の試料との間
で検出結果を比較し、上記a)乃至e)のいずれか一つ
に記載のヌクレオチド配列を有する遺伝子の発現量を低
下させた被検物質は骨粗鬆症もしくは関節リウマチの治
療または予防剤となり得る。
【0049】10)その他の方法 上記a)乃至e)のいずれか一つに記載のヌクレオチド
配列を有する遺伝子の発現量を測定する他の方法として
は、以下に記載するものを挙げることができる。
【0050】i)リボヌクレアーゼ保護アッセイ(RNas
e protection assay): RNA試料中の、上記a)乃
至e)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列を有す
るmRNA(ただし配列中のtはuに読み替える)のみに
標識プローブをハイブリダイズさせ、二本鎖ポリヌクレ
オチドを形成させておいてから、試料にリボヌクレアー
ゼを添加してインキュベーションすると、プローブがハ
イブリダイズしたmRNAは二本鎖を形成していること
によってリボヌクレアーゼによる消化を免れ、それ以外
のRNAは消化されるので、該二本鎖ポリヌクレオチド
のみが残る(検出されるmRNAよりプローブが短けれ
ば、プローブの鎖長に相当する二本鎖ポリヌクレオチド
が残る)。この二本鎖ポリヌクレオチドを定量すること
により、目的の遺伝子の発現量を測定する。具体的に
は、例えば以下に記載する方法に従う。
【0051】二本鎖を形成せずに余った標識プローブを
二本鎖ポリヌクレオチドと確実に分離して定量を容易に
するために、余った標識プローブはリボヌクレアーゼに
消化されることが好ましいが、リボヌクレアーゼとして
一本鎖DNAも消化できるようなものを使用すれば、標
識プローブはDNAでもRNAでもよい。標識プローブ
の調製方法は上記1)および7)の記載に準ずるが、こ
の方法において用いられるプローブの長さは50乃至5
00ヌクレオチド程度が好ましい。また、二本鎖DNA
を直接標識して熱変性したのみのプローブ等、相補鎖が
混在するようなプローブは本法には好適ではない。
【0052】RNAプローブは、例えば下記の方法に従
って調製される。まず鋳型DNAをバクテリオファージ
のプロモーター(T7、SP6、T3プロモーター等)
を有するプラスミドベクター(例えばpGEM−T(プ
ロメガ社製)など)に挿入する。次にこの組換えプラス
ミドベクターを、制限酵素で、挿入断片のすぐ下流で一
ヶ所だけ切断されるように消化する。得られた直鎖DN
Aを鋳型として、放射能標識されたリボヌクレオチド存
在下で、インビトロ転写反応を行う。この反応には、ベ
クター中のプロモーターに合わせてT7、SP6または
T3ポリメラーゼ等の酵素を用いる。以上の操作は例え
ばリボプローブシステム−T7、同−SP6または同−
T3(いずれもプロメガ社製)を用いて行うことができ
る。
【0053】RNA試料を調製するまでの工程は上記
3)乃至5)記載の通りである。調製された全RNA試
料10乃至20μg相当分と、5×105cpm相当の
過剰量の標識プローブとを用いてリボヌクレアーゼ保護
アッセイを行う。この操作は市販のキット(HybSpeed R
PA Kit、アンビオン社製)を用いて行うことができる。
得られたリボヌクレアーゼ消化後の試料を、8M 尿素
を含む4乃至12%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動
した後、ゲルを乾燥させ、X線フィルムでオートラジオ
グラフィーを行う。以上の操作により、リボヌクレアー
ゼ消化を免れた二本鎖ポリヌクレオチドのバンドを検出
することができ、またその定量は上記7)のi)記載の
方法に従って実施することができる。さらに、ノーザン
ブロット解析の場合と同様、各試料間のRNA量の差等
に起因するばらつきを補正する目的で、β−アクチン遺
伝子の発現量を同時に測定しておけば、より精密な評価
を行うことができる。
【0054】このようにして、被検物質存在下で培養し
た細胞由来の試料と、被検物質非存在下で培養した細胞
由来の試料との間で検出結果を比較し、上記a)乃至
e)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列を有する
遺伝子の発現量を低下させた被検物質は骨粗鬆症もしく
は関節リウマチの治療または予防剤となり得る。
【0055】ii)ランオン・アッセイ(Run-on assa
y、Greenberg, M. E. and Ziff, E.B.B. (1984) Nature
311, 433-438,およびGroudine, M. et al. (1981) Mo
l. CellBiol. 1, 281-288参照): 本方法は、細胞か
ら核を単離して目的の遺伝子の転写活性を測定する方法
であり、これまでに述べたような細胞内のmRNAを検
出する方法ではないが、本発明においては「遺伝子の発
現量を検出する方法」に包含される。単離された細胞核
を用いて、試験管内で転写反応を行わせると、核を単離
する前に既に転写が開始されmRNA鎖が生成されてい
る途中のものが伸長していく反応のみが進行する。この
反応時に放射標識したリボヌクレオチドを添加して、伸
長していくmRNAを標識しておき、その中に含まれ
る、非標識プローブにハイブリダイズするmRNAを検
出することにより、核を単離した時点における目的の遺
伝子の転写活性を測定することができる。被検物質の影
響が最も顕著に現れる時間のデータを判定に用いるた
め、培養細胞に被検物質を添加してから核を単離するま
での時間について、例えば添加30分後、1時間後、2
時間後、4時間後、8時間後および24時間後の細胞か
ら核を単離してそれぞれアッセイを行うなどの方法をと
ることができる。なお具体的操作方法は、プローブを上
記1)の記載に準じて標識しないものを調製する他は、
上記参照文献の記載に準ずる。このようにして、被検物
質存在下で培養した細胞由来の試料と、被検物質非存在
下で培養した細胞由来の試料との間で検出結果を比較
し、上記a)乃至e)のいずれか一つに記載のヌクレオ
チド配列を有する遺伝子の転写活性を低下させた被検物
質は骨粗鬆症もしくは関節リウマチの治療または予防剤
となり得る。
【0056】(B)ポリペプチドの検出 次に、本発明の方法の別の実施態様としては、上記の遺
伝子発現を検出する実施態様において検出対象となった
遺伝子がコードするポリペプチドを検出する方法があ
る。この実施態様においては、試料中のポリペプチドを
96穴プレートのウエル内底面やメンブレン等に固相化
しておいてから、標的のポリペプチドを特異的に認識す
る抗体を用いた検出が行われる。このうち、96穴プレ
ートを用いるのは一般に固相酵素免疫定量法(ELIS
A法)や放射性同位元素免疫定量法(RIA法)と呼ば
れる方法である。一方、メンブレンに固相化する方法と
しては、試料のポリアクリルアミド電気泳動を経てメン
ブレンにポリペプチドを転写する方法(ウエスタンブロ
ット法)か、または直接メンブレンに試料またはその希
釈液を染み込ませる、いわゆるドットブロット法やスロ
ットブロット法が挙げられる。
【0057】1)試料の調製 このようなポリペプチドを検出する実施態様において用
いられる培養細胞の種類に関する条件は、上記した遺伝
子発現を検出する実施態様の場合と同様である。また、
何らかの事情により培養細胞を用いるよりも好適と判断
される場合には、哺乳動物個体に被検物質を投与して、
その後該動物個体から採取された臓器または組織等を試
料として用いる方法も採用し得る。この場合の好ましい
哺乳動物種はヒト、マウスまたはハムスターが好まし
く、ヒトまたはマウスがより好ましい。培養細胞の培養
条件、動物の飼育条件、被検物質の投与方法について
も、遺伝子発現を検出する実施態様の場合と同様であ
る。被検物質としては、化合物、微生物の代謝産物、植
物や動物組織の抽出物、それらの誘導体またはそれらの
混合物等が挙げられる。
【0058】本実施態様のための試料を調製するための
材料としては、被検物質存在下または非存在下で培養し
た細胞培養の全細胞抽出液または核抽出画分が用いられ
得るが、全細胞抽出液が好適である。全細胞抽出液は、
必要により高速遠心することにより不溶性の物質を除去
した後、ELISA/RIA用試料やウエスタンブロッ
ト用試料の調製工程に供される。
【0059】ELISA/RIA用試料としては、例え
ば回収した全細胞抽出液をそのまま使用するか、緩衝液
で適宜希釈したものを用いる。
【0060】ウエスタンブロット用(電気泳動用)試料
は、例えば全細胞抽出液をそのまま使用するか、緩衝液
で適宜希釈して、SDS−ポリアクリルアミド電気泳動
用の2−メルカトルエタノールを含むサンプル緩衝液
(シグマ社製等)と混合する。
【0061】ドット/スロットブロットの場合は、例え
ば回収した全細胞抽出液そのもの、または緩衝液で適宜
希釈したものを、ブロッティング装置を使用するなどし
て、直接メンブレンへ吸着させる。
【0062】2)試料の固相化 上記のようにして得られた試料中のポリペプチドを特異
的に検出するため、該試料を固相化する。ウエスタンブ
ロット法、ドットブロット法またはスロットブロット法
に用いられるメンブレンとしては、ニトロセルロースメ
ンブレン(例えば、バイオラッド社製等)、ナイロンメ
ンブレン(例えば、ハイボンド−ECL(アマシャム・
ファルマシア社製)等)、コットンメンブレン(例え
ば、ブロットアブソーベントフィルター(バイオラッド
社製)等)またはポリビニリデン・ジフルオリド(PV
DF)メンブレン(例えば、バイオラッド社製等)等が
挙げられる。
【0063】電気泳動後のゲルからメンブレンにポリペ
プチドを移す、いわゆるブロッティング方法としては、
ウエット式ブロッティング法(CURRENT PROTOCOLS IN I
MMUNOLOGY volume 2 ed by J. E. Coligan, A. M. Krui
sbeek, D. H. Margulies, E.M. Shevach, W. Strobe
r)、セミドライ式ブロッティング法(上記CURRENT PRO
TOCOLS IN IMMUNOLOGY volume 2 参照)等を挙げること
ができる。ドットブロット法やスロットブロット法のた
めの器材も市販されている(例えば、バイオ・ドット
(バイオラッド)等)。
【0064】一方、ELISA法/RIA法で検出・定
量を行うためには、専用の96穴プレート(例えば、イ
ムノプレート・マキシソープ(ヌンク社製)等)に試料
またはその希釈液(例えば0.05% アジ化ナトリウ
ムを含むリン酸緩衝生理食塩水(以下「PBS」とい
う)で希釈したもの)を入れて4℃乃至室温で一晩、ま
たは37℃で1乃至3時間静置することにより、ウエル
内底面にポリペプチドを吸着させて固相化する。
【0065】3)抗体 本実施態様に用いられる抗体は、上記(A)のa)から
e)記載のヌクレオチド配列を含む遺伝子が動物細胞で
発現することにより産生されるポリペプチド、好ましく
は、配列表の配列番号2のアミノ酸番号1−163に示
されるアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはその一
部、もしくは配列番号4のアミノ酸番号1−163に示
されるアミノ酸配列からなるポリペプチドまたはその一
部を特異的に認識するものである。このような抗体とし
て好適なものは例えば、配列表の配列番号2のアミノ酸
番号1−163に示されるアミノ酸配列からなるポリペ
プチドおよび配列番号4のアミノ酸番号1−163に示
されるアミノ酸配列からなるポリペプチドのいずれにも
結合するが、他のいかなるマウスまたはヒト由来のタン
パク質とも結合しないような抗体を挙げることができ
る。
【0066】本実施態様のための抗体は、常法を用いて
(例えば、新生化学実験講座1、タンパク質1、p.389-
397、1992)、抗原となるタンパク質、あるいはそのア
ミノ酸配列から選択される任意のポリペプチドを動物に
免疫し、生体内に産生される抗体を採取、精製すること
によって得ることができる。また、公知の方法(例え
ば、Kohler and Milstein, Nature 256, 495-497, 197
5、Kennet, R. ed., Monoclonal Antibody p.365-367,
1980, Prenum Press, N.Y.)に従って、本発明のタンパ
ク質に対する抗体を産生する抗体産生細胞とミエローマ
細胞とを融合させることによりハイブリドーマを樹立
し、モノクローナル抗体を得ることもできる。
【0067】本実施態様に用いられる抗体を作製するた
めの抗原としては、配列表の配列番号2のアミノ酸番号
1−163に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチ
ドまたはその少なくとも6個の連続した部分アミノ酸配
列からなるポリペプチド、もしくは配列番号4のアミノ
酸番号1−163に示されるアミノ酸配列からなるポリ
ペプチドまたはその少なくとも6個の連続した部分アミ
ノ酸配列からなるポリペプチド、あるいはそれらポリペ
プチドに任意のアミノ酸配列や担体が付加された形の誘
導体を挙げることができるが、好ましくは配列表の配列
番号21のアミノ酸番号1−16に示されるアミノ酸配
列からなるポリペプチドのN末端に、キーホールリンペ
ットヘモシアニンを担体として結合させたものである。
【0068】配列表の配列番号2のアミノ酸番号1−1
63に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドまた
は配列番号4のアミノ酸番号1−163に示されるアミ
ノ酸配列からなるポリペプチドは、例えば、配列表の配
列番号1のヌクレオチド番号232−720に示される
ヌクレオチド配列または配列表の配列番号3のヌクレオ
チド番号26−514に示されるヌクレオチド配列にコ
ードされるポリペプチドを遺伝子操作により宿主細胞に
産生させることによって得ることができる。具体的に
は、上記ヌクレオチド配列を有するDNAを適当なベク
ターDNAに組み込むことにより、他の原核生物、また
は真核生物の宿主細胞を形質転換させることができる。
さらにこれらのベクターに適当なプロモーター、および
形質発現に関わる配列を導入することにより、それぞれ
の宿主において遺伝子を発現させることが可能である。
【0069】原核細胞の宿主としては、例えば、大腸菌
(Escherichia coli)や枯草菌(Bacillus subtilis)
などが挙げられる。目的の遺伝子をこれらの宿主細胞内
で形質転換させるには、宿主と適合し得る種由来のレプ
リコンすなわち複製起点と、調節配列を含んでいるプラ
スミドベクターで宿主細胞を形質転換させる。また、ベ
クターとしては、形質転換細胞に表現形質(表現型)の
選択性を付与することができる配列を有するものが好ま
しい。
【0070】例えば、大腸菌としてはK12株などがよ
く用いられ、ベクターとしては、一般にpBR322や
pUC系のプラスミドが用いられるが、これらに限定さ
れず、公知の各種菌株、およびベクターがいずれも使用
できる。
【0071】プロモーターとしては、大腸菌において
は、トリプトファン(trp)プロモーター、ラクトース
(lac)プロモーター、トリプトファン・ラクトース(t
ac)プロモーター、リポプロテイン(lpp)プロモータ
ー、ポリペプチド鎖伸張因子Tu(tufB)プロモーター等
が挙げられ、どのプロモーターも目的のポリペプチドの
産生に使用することができる。
【0072】枯草菌としては、例えば207−25株が
好ましく、ベクターとしてはpTUB228(Ohmura,
K. et al. (1984) J. Biochem. 95, 87-93)などが用い
られるが、これに限定されるものではない。枯草菌のα
−アミラーゼのシグナルペプチド配列をコードするDN
A配列を連結することにより、菌体外での分泌発現も可
能となる。
【0073】真核細胞の宿主細胞には、脊椎動物、昆
虫、酵母などの細胞が含まれ、脊椎動物細胞としては、
例えば、サルの細胞であるCOS細胞(Gluzman, Y. (1
981) Cell 23, 175-182、ATCC CRL−165
0)やチャイニーズ・ハムスター卵巣細胞(CHO細
胞、ATCC CCL−61)のジヒドロ葉酸還元酵素
欠損株(Urlaub, G. and Chasin, L. A. (1980) Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 77, 4126-4220)等がよく用いら
れているが、これらに限定されない。
【0074】脊椎動物細胞の発現プロモーターとして
は、通常発現しようとする遺伝子の上流に位置するプロ
モーター、RNAのスプライス部位、ポリアデニル化部
位、および転写終結配列等を有するものを使用でき、さ
らにこれは必要により複製起点を有してもよい。該発現
ベクターの例としては、サイトメガロウイルス初期プロ
モーターを有するpCR3.1(Invitrogen社製)、S
V40の初期プロモーターを有するpSV2dhfr
(Subramani, S. et al. (1981) Mol. Cell. Biol.1, 8
54-864)等が挙げられるが、これに限定されない。
【0075】宿主細胞として、COS細胞を用いる場合
を例に挙げると、発現ベクターとしては、SV40複製
起点を有し、COS細胞において自立増殖が可能であ
り、さらに、転写プロモーター、転写終結シグナル、お
よびRNAスプライス部位を備えたものを用いることが
できる。該発現ベクターは、ジエチルアミノエチル(D
EAE)−デキストラン法(Luthman, H. and Magnusso
n, G. (1983) Nucleic Acids Res, 11, 1295-1308)、リ
ン酸カルシウム−DNA共沈殿法(Graham, F. L. and
van der Eb, A. J. (1973) Virology 52, 456-457)、
および電気パルス穿孔法(Neumann, E. et al. (1982)
EMBO J. 1, 841-845)などによりCOS細胞に取り込ま
せることができ、かくして所望の形質転換細胞を得るこ
とができる。また、宿主細胞としてCHO細胞を用いる
場合には、発現ベクターと共に、抗生物質G418耐性
マーカーとして機能するneo遺伝子を発現し得るベク
ター、例えばpRSVneo(Sambrook, J. et al. (1
989) : "Molecular CloningA Laboratory Manual" Cold
Spring Harbor Laboratory, NY)やpSV2neo(S
outhern, P. J. and Berg, P. (1982) J. Mol. Appl. G
enet. 1, 327-341)などをコ・トランスフェクトし、G
418耐性のコロニーを選択することにより、目的のポ
リペプチドを安定に産生する形質転換細胞を得ることが
できる。
【0076】昆虫細胞を宿主細胞として用いる場合に
は、鱗翅類ヤガ科のSpodoptera frugiperdaの卵巣細胞
由来株化細胞(Sf−9またはSf−21)やTrichopl
usia niの卵細胞由来High Five細胞(Wickham, T. J. e
t al, (1992) Biotechnol. Prog. I: 391-396)などが
宿主細胞としてよく用いられ、バキュロウイルストラン
スファーベクターとしてはオートグラファ核多角体ウイ
ルス(AcNPV)のポリヘドリンタンパク質のプロモ
ーターを利用したpVL1392/1393がよく用い
られる(Kidd, I. M. and V.C. Emery (1993) The use
of baculoviruses as expression vectors. Applied Bi
ochemistry and Biotechnology 42, 137-159)。この他
にも、バキュロウイルスのP10や同塩基性タンパク質
のプロモーターを利用したベクターも使用できる。さら
に、AcNPVのエンベロープ表面タンパク質GP67
の分泌シグナル配列を目的タンパク質のN末端側に繋げ
ることにより、組換えタンパク質を分泌タンパク質とし
て発現させることも可能である(Zhe-mei Wang, et al.
(1998) Biol. Chem., 379, 167-174)。
【0077】真核微生物を宿主細胞とした発現系として
は、酵母が一般によく知られており、その中でもサッカ
ロミセス属酵母、例えばパン酵母Saccharomyces cerevi
siaeや石油酵母Pichia pastorisが好ましい。該酵母な
どの真核微生物の発現ベクターとしては、例えば、アル
コール脱水素酵素遺伝子のプロモーター(Bennetzen,J.
L. and Hall, B. D. (1982) J. Biol. Chem. 257, 301
8-3025)や酸性フォスファターゼ遺伝子のプロモーター
(Miyanohara, A. et al. (1983) Proc. Natl. Acad. S
ci. USA 80, 1-5)などを好ましく利用できる。また、
分泌型タンパク質として発現させる場合には、分泌シグ
ナル配列と宿主細胞の持つ内在性プロテアーゼあるいは
既知のプロテアーゼの切断部位をN末端側に持つ組換え
体として発現することも可能である。例えば、トリプシ
ン型セリンプロテアーゼのヒトマスト細胞トリプターゼ
を石油酵母で発現させた系では、N末端側に酵母のαフ
ァクターの分泌シグナル配列と石油酵母の持つKEX2
プロテアーゼの切断部位をつなぎ発現させることによ
り、活性型トリプターゼが培地中に分泌されることが知
られている(Andrew, L. Niles,et al. (1998) Biotech
nol.Appl. Biochem.28, 125-131)。
【0078】上記のようにして得られる形質転換体は、
常法に従い培養することができ、該培養により細胞内、
または細胞外に目的のポリペプチドが産生される。該培
養に用いられる培地としては、採用した宿主細胞に応じ
て慣用される各種のものを適宜選択でき、例えば、上記
COS細胞であれば、RPMI1640培地やダルベッ
コ変法イーグル培地(以下「DMEM」という)などの
培地に、必要に応じウシ胎児血清などの血清成分を添加
したものを使用できる。
【0079】上記培養により、形質転換体の細胞内また
は細胞外に産生される組換えタンパク質は、該タンパク
質の物理的性質や化学的性質などを利用した各種の公知
の分離操作法により分離・精製することができる。該方
法としては、具体的には例えば、通常のタンパク沈殿剤
による処理、限外濾過、分子ふるいクロマトグラフィー
(ゲル濾過)、吸着クロマトグラフィー、イオン交換ク
ロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィ
ー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などの各
種液体クロマトグラフィー、透析法、これらの組合せな
どを例示できる。また、発現させる組換えタンパク質に
6残基からなるヒスチジンを繋げることにより、ニッケ
ルアフィニティーカラムで効率的に精製することができ
る。上記方法を組み合わせることにより容易に高収率、
高純度で本発明のポリペプチドを大量に製造できる。
【0080】上記のようにして得られる抗体は、RIA
法、ELISA法、蛍光抗体法、受身血球凝集反応法な
どの各種免疫学的測定法や免疫組織染色などに用いるこ
とができる。
【0081】4)検出 上記3)記載の方法で得られる抗体は、それを直接標識
するか、または該抗体を一次抗体とし、該抗体を特異的
に認識する(抗体を作製した動物由来の抗体を認識す
る)標識二次抗体と協同で検出に用いられる。
【0082】標識の種類として好ましいものは酵素(ア
ルカリホスファターゼまたは西洋ワサビペルオキシダー
ゼ)またはビオチン(ただし二次抗体のビオチンにさら
に酵素標識ストレプトアビジンを結合させる操作が加わ
る)であるが、これらに限定されない。標識二次抗体
(または標識ストレプトアビジン)を使用する方法のた
めの、予め標識された抗体(またはストレプトアビジ
ン)は種々のものが市販されている。RIAの場合はI
125等の放射性同位元素で標識された抗体を用い、測定
は液体シンチレーションカウンター等を用いて行う。
【0083】これら標識された酵素の活性を検出するこ
とにより、抗原であるポリペプチドの量が測定される。
アルカリホスファターゼまたは西洋ワサビペルオキシダ
ーゼの場合、それら酵素の触媒により発色する基質や発
光する基質が市販されている。
【0084】発色する基質を用いた場合、ウエスタンブ
ロット法やドット/スロットブロット法においては目視
で検出できる。ELISA法においては、好ましくは市
販のマイクロプレートリーダーを用いて各ウエルの吸光
度(測定波長は基質により異なる)を測定することによ
り定量する。また好ましくは上記3)において抗体作製
のために使用した抗原の希釈系列を調製し、これを標準
抗原試料として他の試料と同時に検出操作を行って、標
準抗原濃度と測定値をプロットした標準曲線を作成する
ことにより、他の試料中の抗原濃度を定量することが可
能である。
【0085】一方、発光する基質を使用した場合は、ウ
エスタンブロット法やドット/スロットブロット法にお
いてはX線フィルムまたはイメージングプレートを用い
たオートラジオグラフィーや、インスタントカメラを用
いた写真撮影により検出することができ、デンシトメト
リーやモレキュラー・イメージャーFxシステム(バイ
オラッド社製)等を利用した定量も可能である。また、
ELISA法で発光基質を用いる場合は、発光マイクロ
プレートリーダー(例えば、バイオラッド社製等)を用
いて酵素活性を測定する。
【0086】5)測定操作 i)ウエスタンブロット、ドットブロットまたはスロッ
トブロットの場合 まず、抗体の非特異的吸着を阻止するため、予めメンブ
レンをそのような非特異的吸着を阻害する物質(スキム
ミルク、カゼイン、ウシ血清アルブミン、ゼラチン、ポ
リビニルピロリドン等)を含む緩衝液中に一定時間浸し
ておく操作(ブロッキング)を行う。ブロッキング溶液
の組成は、例えば5% スキムミルク、0.05乃至
0.1% ツイーン20を含むリン酸緩衝生理食塩水
(PBS)またはトリス緩衝生理食塩水(TBS)が用
いられる。スキムミルクの代わりに、ブロックエース
(大日本製薬)、1乃至10%のウシ血清アルブミン、
0.5乃至3%のゼラチンまたは1%のポリビニルピロ
リドン等を用いてもよい。ブロッキングの時間は、4℃
で16乃至24時間、または室温で1乃至3時間であ
る。
【0087】次に、メンブレンを0.05乃至0.1%
ツイーン20を含むPBSまたはTBS(以下「洗浄
液」という)で洗浄して余分なブロッキング溶液を除去
した後、上記3)記載の方法で作製された抗体をブロッ
キング溶液で適宜希釈した溶液中に一定時間浸して、抗
体をメンブレン上の抗原に結合させる。このときの抗体
の希釈倍率は、例えば上記3)記載の組換え抗原を段階
希釈したものを試料とした予備のウエスタンブロッティ
ング実験を行って決定することができる。この抗体反応
操作は、好ましくは室温で2時間行う。抗体反応操作終
了後、メンブレンを洗浄液で洗浄する。ここで、用いた
抗体が標識されたものである場合は、ただちに検出操作
を行うことができる。未標識の抗体を用いた場合には、
引き続いて二次抗体反応を行う。標識二次抗体は、例え
ば市販のものを使用する場合はブロッキング溶液で20
00乃至20000倍に希釈して用いる(添付の指示書
に好適な希釈倍率が記載されている場合は、その記載に
従う)。一次抗体を洗浄除去した後のメンブレンを二次
抗体溶液に室温で45分乃至1時間浸し、洗浄液で洗浄
してから、標識方法に合わせた検出操作を行う。洗浄操
作は、例えばまずメンブレンを洗浄液中で15分間振盪
してから、洗浄液を新しいものに交換して5分間振盪し
た後、再度洗浄液を交換して5分間振盪することにより
行う。必要に応じてさらに洗浄液を交換して洗浄しても
よい。
【0088】ii)ELISA/RIA まず、上記2)の方法で試料を固相化させたプレートの
ウェル内底面への抗体の非特異的吸着を阻止するため、
ウエスタンブロットの場合と同様、予めブロッキングを
行っておく。ブロッキングの条件については、ウエスタ
ンブロットの項に記載した通りである。
【0089】次に、ウェル内を0.05乃至0.1%
ツイーン20を含むPBSまたはTBS(以下「洗浄
液」という)で洗浄して余分なブロッキング溶液を除去
した後、上記3)記載の方法で作製された抗体を洗浄液
で適宜希釈した溶液を分注して一定時間インキュベーシ
ョンし、抗体を抗原に結合させる。このときの抗体の希
釈倍率は、例えば上記3)記載の組換え抗原を段階希釈
したものを試料とした予備のELISA実験を行って決
定することができる。この抗体反応操作は、好ましくは
室温で1時間程度行う。抗体反応操作終了後、ウェル内
を洗浄液で洗浄する。ここで、用いた抗体が標識された
ものである場合は、ただちに検出操作を行うことができ
る。未標識の抗体を用いた場合には、引き続いて二次抗
体反応を行う。標識二次抗体は、例えば市販のものを使
用する場合は洗浄液で2000乃至20000倍に希釈
して用いる(添付の指示書に好適な希釈倍率が記載され
ている場合は、その記載に従う)。一次抗体を洗浄除去
した後のウェルに二次抗体溶液を分注して室温で1乃至
3時間インキュベーションし、洗浄液で洗浄してから、
標識方法に合わせた検出操作を行う。洗浄操作は、例え
ばまずウェル内に洗浄液を分注して5分間振盪してか
ら、洗浄液を新しいものに交換して5分間振盪した後、
再度洗浄液を交換して5分間振盪することにより行う。
必要に応じてさらに洗浄液を交換して洗浄してもよい。
【0090】また本発明において、いわゆるサンドイッ
チ法のELISAは例えば以下に記載する方法により実
施することができる。まず、配列表の配列番号2のアミ
ノ酸番号1−163に示されるアミノ酸配列および配列
番号4のアミノ酸番号1−163に示されるアミノ酸配
列のいずれか一つにおいて、親水性に富む領域を2箇所
選んで、それぞれの領域中のアミノ酸6残基以上からな
る部分ペプチドを合成し、該部分ペプチドを抗原とした
2種類の抗体を取得する。このうち一方の抗体を上記
4)記載のように標識しておく。標識しなかった方の抗
体は、上記2)記載の方法に準じて96穴ELISA用
プレートのウェル内底面に固相化する。ブロッキングの
後、試料液をウェル内に入れて常温で1時間インキュベ
ーションする。ウェル内を洗浄後、標識した方の抗体希
釈液を各ウェルに分注してインキュベーションする。再
びウェル内を洗浄後、標識方法に合わせた検出操作を行
う。
【0091】6) 評価 以上に記載した方法で、被検物質存在下で培養した細胞
由来の試料と、被検物質非存在下で培養した細胞由来の
試料との間で検出結果を比較し、その結果上記3)記載
の方法で作製された抗体が特異的に結合するポリペプチ
ドの産生量を低下させた被検物質は、骨粗鬆症もしくは
関節リウマチの治療または予防剤となり得る。また、上
記3)記載の方法で作製された抗体、およびその他上記
の一連の方法に用いられる試薬をまとめることにより、
骨粗鬆症もしくは関節リウマチの治療または予防剤を試
験するためのキットが提供される。
【0092】配列表の配列番号2および3のアミノ酸番
号1−163に示されるアミノ酸配列からなるポリペプ
チドは、上記の抗体作製用の抗原を得る方法の記載に従
って得られる他、配列表の配列番号1のヌクレオチド番
号232−720に示されるヌクレオチド配列または配
列表の配列番号3のヌクレオチド番号26−514に示
されるヌクレオチド配列を有するDNAを組み込んだレ
トロウイルスベクターやアデノウイルスベクターを利用
して動物細胞に産生させることもできる。そのような組
換えレトロウイルスベクターやアデノウイルスベクター
を構築する方法として、市販のキット(例えば、Retro-
X System (クロンテック社製)、アデノウイルス・エク
スプレッション・ベクター・キット(宝酒造(株)社
製))を用いる方法を例示できる。
【0093】本発明はまた、多数の被検物質をスクリー
ニングして、骨粗鬆症もしくは関節リウマチの治療また
は予防剤としての可能性を有する物質を機能的に同定す
るための試験方法を提供する。すなわち、ODF刺激依
存的に発現の促進されるような遺伝子のプロモーターD
NAの支配下にあり、該プロモーター活性の検出を可能
ならしめる遺伝子(以下「マーカー遺伝子」という)の
発現プラスミドとともに、(i)配列表の配列番号1の
ヌクレオチド番号232−720に示されるヌクレオチ
ド配列または配列表の配列番号3のヌクレオチド番号2
6−514に示されるヌクレオチド配列を有する遺伝子
を哺乳類細胞で発現可能にした組換えベクターを同時ト
ランスフェクションした群;および(ii)上記組換え
ベクターから配列表の配列番号1または2のDNA部分
を除いたベクターのみを同時トランスフェクションした
群を設定し、それぞれの群における該マーカー遺伝子の
発現量を比較する実験系において、上記培養時に被検試
料を添加することにより上記各群の該マーカー遺伝子の
発現量に差異が現れるか否かを調べることにより実施す
ることができる。用いられる動物細胞は、配列表の配列
番号1のヌクレオチド番号232−720に示されるヌ
クレオチド配列または配列表の配列番号3のヌクレオチ
ド番号26−514に示されるヌクレオチド配列を有す
る遺伝子を哺乳類細胞で発現可能にした組換えベクター
をトランスフェクションした場合に、該マーカー遺伝子
の発現量が亢進するものでなければならず、(i)群に
おける該マーカー遺伝子の発現量と(ii)群における
発現量の差が大きいものほど好ましい。このような系に
おいて、配列表の配列番号1のヌクレオチド番号232
−720に示されるヌクレオチド配列または配列表の配
列番号3のヌクレオチド番号26−514に示されるヌ
クレオチド配列にコードされるポリペプチドの産生が促
進されるような条件下での該マーカー遺伝子の発現を強
く抑制するような試料は、骨粗鬆症もしくは関節リウマ
チの治療や予防剤として有用な物質であると考えられ
る。
【0094】本発明の方法において、配列表の配列番号
1のヌクレオチド番号232−720に示されるヌクレ
オチド配列または配列表の配列番号3のヌクレオチド番
号26−514に示されるヌクレオチド配列を有する遺
伝子を哺乳類細胞で発現させるためのベクターの例とし
ては、pCR3.1(インビトロジェン社製)、pCM
V−Script(ストラタジーン社製)等が挙げられ
るが、これらに限定されない。
【0095】本発明の方法において用いられる動物細胞
は、該細胞への配列表の配列番号1のヌクレオチド番号
232−720に示されるヌクレオチド配列または配列
表の配列番号3のヌクレオチド番号26−514に示さ
れるヌクレオチド配列を有する遺伝子を哺乳類細胞で発
現可能にした組換えベクターをトランスフェクションし
た場合に、該マーカー遺伝子の発現量が亢進するもので
あればよい。そのような細胞として、RAW264.7
細胞を挙げることができるが、これに限定されない。
【0096】マーカー遺伝子の転写を開始させるための
プロモーターは、破骨細胞の分化誘導に伴って特異的に
発現の上昇する遺伝子由来のものであればよく、好適に
は、TRAPやカテプシンKのプロモーターDNA中の
ODFに応答して転写を促進するのに必要な領域(OD
F応答領域)を含むものであればよい。好ましい態様に
おいては、後に本明細書中で詳しく説明するように、マ
ウスTRAP 5’末端側上流領域約1.9kb(−1
855〜+2位を含有する)やマウスカテプシンK
5’末端側上流領域約1.7kb(−1670〜+5位
を含有する)であるが、これらに限定されない。
【0097】上記プロモーター下流に連結されるマーカ
ー遺伝子にコードされるマーカータンパク質は、宿主で
ある上記細胞が本発明の方法の一連の過程において産生
し得る他のいかなるタンパク質とも特異的に区別可能な
もの(好ましくは、形質転換前の上記細胞が該マーカー
タンパク質と同一または類似のタンパク質をコードする
遺伝子を持たないようなもの)であればよい。例えば、
マーカータンパク質が該細胞に対して毒性を有するよう
なものや、該細胞が感受性を有する抗生物質の耐性を付
与するものであるような場合でも、マーカー遺伝子の発
現の有無は細胞の生存率で判定することが可能である。
しかしながら、本発明で用いられるマーカー遺伝子とし
てより好ましいものは、発現量を特異的かつ定量的に検
出することができる(例えば該マーカー遺伝子にコード
されるタンパク質に対する特異的抗体が取得されている
ような)構造遺伝子である。さらに好ましくは、いわゆ
るレポーター遺伝子、すなわち外来の基質と特異的に反
応することにより定量的測定が容易な代謝産物を生じる
ような酵素等をコードする遺伝子である。そのようなも
のとして、以下に挙げるようなタンパク質をコードする
遺伝子を例示することができるが、本発明はそれらに限
定されない: クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ:
クロラムフェニコールにアセチル基を付加する。いわゆ
るCATアッセイ等で検出可能。プロモーターを組み込
むだけでレポーターアッセイ用のベクターを調製できる
ベクターとしてpCAT3−Basicベクター(プロ
メガ社製)が市販されている; ホタルルシフェラーゼ: ルシフェリンを代謝した際に
生じる生物発光を測定することにより定量する。同じく
レポーターアッセイ用のベクターとしてpGL3−Ba
sicベクター(プロメガ社製)が市販されている; β−ガラクトシダーゼ: 呈色反応、蛍光または化学発
光でそれぞれ測定可能な基質がある。レポーターアッセ
イ用のベクターとしてpβgal−Basic(プロメ
ガ社製)が市販されている; 分泌型アルカリホスファターゼ: 呈色反応、生物発光
または化学発光でそれぞれ測定可能な基質がある。レポ
ーターアッセイ用のベクターとしてpSEAP2−Ba
sic(クロンテック社製)が市販されている; 緑色蛍光タンパク質(green-fluorescent protein):
酵素ではないが、自らが蛍光を発するので直接定量で
きる。同じくレポーターアッセイ用のベクターとしてp
EGFP−1(クロンテック社製)が市販されている。
【0098】培養細胞株に発現プラスミドを導入する方
法としては、DEAE−デキストラン法(Luthman, H.
and Magnusson, G. (1983) Nucleic Acids Res. 11, 12
95-1308)、リン酸カルシウム−DNA共沈殿法(Graha
m, F. L. and van der Eb, A.J. (1973) Virology 52,
456-457)、電気パルス穿孔法(Neumann, E. et al.(19
82) EMBO J. 1, 841-845)、リポフェクション法(Lopa
ta et al. (1984) Nucl. Acids Res. 12, 5707-5717, S
ussman and Milman (1984) Mol. Cell. Biol.4, 1641-1
643)等を挙げることができるが、これらに限定され
ず、本発明の属する技術分野において汎用される他の方
法も採用することができる。ただし、培養細胞株がいわ
ゆる浮遊細胞である場合は、リン酸カルシウム−DNA
共沈殿法以外の方法を用いることが好ましい。いずれの
方法においても、用いる細胞に応じて、至適化されたト
ランスフェクション条件を用いる。
【0099】このようにして配列表の配列番号1のヌク
レオチド番号232−720に示されるヌクレオチド配
列または配列表の配列番号3のヌクレオチド番号26−
514に示されるヌクレオチド配列を有する遺伝子の発
現ベクターと、レポーター発現ベクターを同時トランス
フェクションした細胞を培養すると、マーカー遺伝子の
転写が促進される。マーカー遺伝子の発現が可能な条件
下で培養するにあたって、培地中に任意の被検物質を添
加した条件および添加しない条件を設定して培養後、マ
ーカー遺伝子の発現量を測定し、被検物質の添加により
マーカー遺伝子の発現量に変化が生じるか否かを検定す
る。「マーカー遺伝子の発現が可能な条件」は、細胞が
生存して、タンパク質の生産が可能な条件であればよい
が、好ましくは、使用される細胞株に適合した培地(ウ
シ胎児血清等の血清成分を添加してもよい)を使用し、
4乃至6%(最も好適には5%)の炭酸ガスを含む空気
存在下、36乃至38℃(最も好適には37℃)で2乃
至3日間(最も好適には2日間)培養する。
【0100】このような系において、配列表の配列番号
1のヌクレオチド番号232−720に示されるヌクレ
オチド配列または配列表の配列番号3のヌクレオチド番
号26−514に示されるヌクレオチド配列を有する遺
伝子の発現ベクターを導入した際のレポーター遺伝子の
発現誘導を抑制するような被検物質は、骨粗鬆症もしく
は関節リウマチの治療または予防剤として有用な候補物
質として選択される。
【0101】以上のような、一過的な遺伝子導入法を利
用した試験方法とは別に、マーカー遺伝子、および配列
表の配列番号1のヌクレオチド番号232−720に示
されるヌクレオチド配列または配列表の配列番号3のヌ
クレオチド番号26−514に示されるヌクレオチド配
列を有する遺伝子の発現ベクターで宿主細胞を二重に形
質転換した細胞を利用した試験方法も採択可能である。
この場合には、配列表の配列番号1のヌクレオチド番号
232−720に示されるヌクレオチド配列または配列
表の配列番号3のヌクレオチド番号26−514に示さ
れるヌクレオチド配列を有する遺伝子を誘導性に哺乳類
細胞で発現できるように、pIND(インビトロジェン
社製)やpTet−On(クロンテック社製)等の発現
ベクターを利用して、該遺伝子の発現を誘導する条件下
で該マーカー遺伝子の発現が促進されるような細胞株を
樹立することが必要となる。この形質転換細胞の作出に
おいては、導入される遺伝子は、宿主細胞の染色体に組
み込まれるなどして、宿主細胞の継代を重ねても安定的
に保持されることが望ましいので、そのように形質転換
された細胞を選択する目的で、導入遺伝子に抗生物質耐
性等の選択マーカー(例えば、ネオマイシン(またはG
418)耐性遺伝子neo等)が連結されたものをトラ
ンスフェクションに用いるか、もしくは別個に調製した
該選択マーカーと導入遺伝子とを同時トランスフェクシ
ョンすることが好ましい。その後は該選択マーカーの特
性を利用することにより、安定的に形質転換された細胞
を選択する。
【0102】このようにして得られた細胞株に対して、
配列表の配列番号1のヌクレオチド番号232−720
に示されるヌクレオチド配列または配列表の配列番号3
のヌクレオチド番号26−514に示されるヌクレオチ
ド配列を有する遺伝子の発現を誘導する条件におくと、
マーカー遺伝子の転写が促進される。マーカー遺伝子の
発現が可能な条件下で培養するにあたって、培地中に任
意の被検物質を添加した条件および添加しない条件を設
定して培養後、マーカー遺伝子の発現量を測定し、被検
物質の添加によりマーカー遺伝子の発現量に変化が生じ
るか否かを検定する。配列表の配列番号1のヌクレオチ
ド番号232−720に示されるヌクレオチド配列また
は配列表の配列番号3のヌクレオチド番号26−514
に示されるヌクレオチド配列を有する遺伝子の発現が促
進されるような誘導条件下で、該マーカー遺伝子の発現
を強く抑制するような試料は、骨粗鬆症もしくは関節リ
ウマチの治療または予防剤として有用な物質であると考
えられる。
【0103】また、他の一つの態様は、配列表の配列番
号1のヌクレオチド番号232−720に示されるヌク
レオチド配列または配列表の配列番号3のヌクレオチド
番号26−514に示されるヌクレオチド配列にコード
されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、すなわち配
列表の配列番号2または配列番号4に示すアミノ酸配列
からなるポリペプチド(以下「jdp−2ホモログ」と
いう)の機能を抑制するような物質を得ることを目的と
した、該ポリペプチドの立体構造をベースとしたドラッ
グデザインの手法を含む。このような手法は、ラショナ
ルドラッグデザイン法として知られており、酵素活性な
どの機能や、リガンド、コファクター、またはDNAへ
の結合などを効率よく阻害もしくは活性化させるような
化合物の探索に利用されている。この例として、すでに
上市されている抗HIV剤であるプロテアーゼの阻害剤
がよく知られている。jdp−2ホモログは、その推定
アミノ酸配列上、塩基性領域とそれに続くロイシンジッ
パー構造を有しているが、これと類似した構造を持つc
−fosやc−junでは、すでに三次元構造解析がな
されている(Grover and Harrison (1995) Nature 373,
257-261)。したがって、jdp−2ホモログの三次元
構造解析においても、X―線結晶解析や核磁気共鳴法と
いった一般的によく知られている手法が利用できると考
えられる。さらに、jdp−2ホモログの機能を抑制す
る物質の探索には、コンピュータードラッグデザイン
(CADD)を活用した設計も可能である。この例とし
ては、慢性関節リウマチ治療の新たなゲノム新薬として
期待されているAP−1の働きを阻害する低分子化合物
(国際特許出願公開WO99/58515号)などが知
られている。このような方法により、jdp−2ホモロ
グに直接結合したり、あるいはjdp−2ホモログと他
の因子やDNAなどとの結合を阻害することにより、j
dp−2ホモログの機能を抑制するような物質を得るこ
とができる。
【0104】前述したように、jdp−2ホモログはT
RAPやカテプシンKプロモーターの活性化作用を有し
ており、このことから、jdp−2ホモログは破骨細胞
化に関与する転写因子として機能している可能性が考え
られる。したがって、このような手法により得られた試
料は、骨粗鬆症もしくは関節リウマチの治療または予防
剤として有用な物質であると考えられる。
【0105】さらに、他の一つの態様は、jdp−2ホ
モログが会合するポリペプチド、すなわちjdp−2ホ
モログのパートナータンパク質に関する。jdp−2ホ
モログが有するロイシンジッパーモチーフは、すでにい
くつかの転写因子、例えばJunファミリーに属する転
写因子(例:c−Jun;JunD;JunB;および
v−Jun)、Fosファミリーに属する転写因子
(例:c−Fos;FosB;Fra1;Fra2;お
よびv−Fos)、ATF1、B−ATF、CREBお
よびUSF中に同定されている(Gou, B., et al., Bio
chemistry 36 (1997) 14447-14455; Dorsey, M.J., et
al., Oncogene 11 (1995) 2255-2265; Lu, T., and Saw
adogo, M., J. Biol.Chem. 269 (1994) 30694-3070
0)。これら転写因子は互いのロイシンジッパー構造を
介して、ホモまたはヘテロ二量体を形成し、特異的遺伝
子の転写を制御することが多数報告されている(Hai,
T. et al.,Proc. Natl. Acad. Sci., USA 88: 3720-372
4, 1991)。本発明において、jdp−2ホモログに
は、TRAPやカテプシンKプロモーターの活性化作用
を有することが明らかにされた。したがって、jdp−
2ホモログは、タンパク質相互作用を介して、ホモまた
はヘテロ2量体を形成し、核のアダプタータンパク質、
転写因子、または転写因子の補助活性因子として機能す
る可能性が示唆される。すなわち、本発明は、jdp−
2ホモログの活性を調節するパートナータンパク質のス
クリーニング方法に関する。jdp−2ホモログの有す
るTRAPやカテプシンKプロモーター活性化作用を調
節するタンパク質としては、直接jdp−2ホモログに
結合して活性を促進あるいは阻害するタンパク質の他
に、細胞膜受容体や細胞内タンパク質に作用して、間接
的にjdp−2ホモログの機能を促進あるいは阻害する
タンパク質が含まれる。
【0106】このスクリーニング方法の一つの態様は、
jdp−2ホモログに被検タンパク質試料を接触させ、
jdp−2ホモログに結合するタンパク質を選択する工
程を含む。このような方法としては、例えば、精製した
jdp−2ホモログを用いて、これに結合するタンパク
質のアフィニティー精製を行う方法が挙げられる。具体
的な方法の一例を示せば、jdp−2ホモログにヒスチ
ジン6個よりなる配列をアフィニティータグとして融合
したものを作製して、これを細胞の抽出液(予めニッケ
ル−アガロースカラムにチャージして、このカラムを素
通りした画分)と4℃で12時間インキュベートし、次
いで、この混合物に別途ニッケル−アガロース担体を加
えて4℃で1時間インキュベートする。ニッケル−アガ
ロース担体を洗浄バッファーで十分洗浄した後、100
mMイミダゾールを加えることにより、jdp−2ホモ
ログと特異的に結合する細胞抽出液中のタンパク質を溶
出させて精製し、この構造を決定する。このようにし
て、jdp−2ホモログと直接結合するタンパク質、お
よびjdp−2ホモログとの結合活性は持たないが、サ
ブユニットとしてjdp−2ホモログに直接結合するタ
ンパク質と複合体を形成することにより間接的にjdp
−2ホモログに結合するタンパク質が精製できる(実験
医学別冊、バイオマニュアルシリーズ5「転写因子研究
法」pp215−219(羊土社刊))。
【0107】別の方法としては、ファーウエスタンブロ
ット法(実験医学別冊、「新遺伝子工学ハンドブック」
pp76−81(羊土社刊))や、酵母や哺乳類動物細
胞を用いたツーハイブリッドシステム法(実験医学別
冊、「新遺伝子工学ハンドブック」pp66−75(羊
土社刊)、「チェックメイト・マンマリアン・ツーハイ
ブリッドシステム」(プロメガ社製))によるクローニ
ングも可能であるが、これらの方法に限定されない。
【0108】他の一つの態様は、jdp−2ホモログの
産生亢進に伴って、破骨細胞化マーカー遺伝子の発現が
促進されるような細胞に、被検DNAを導入し、マーカ
ー遺伝子の発現を調節する活性を有する発現産物をコー
ドするDNAを選択する工程を含む。このような方法に
は、例えば、jdp−2ホモログの発現ベクター導入に
よるTRAPやカテプシンKなどのマーカー遺伝子の発
現誘導が、遺伝子発現ライブラリーとの同時トランスフ
ェクションにより、促進あるいは阻害されるようなクロ
ーンを選択し、jdp−2ホモログに結合するタンパク
質をコードする遺伝子を選択する。この方法により、j
dp−2ホモログに直接あるいは間接的に結合して、j
dp−2ホモログの機能を調節しうる遺伝子を得ること
ができる。なお、jdp−2ホモログの発現ベクター導
入によるTRAPやカテプシンKなどのマーカー遺伝子
の発現誘導時に、被検DNAを導入する代わりに、遺伝
子ライブラリーを導入した細胞の培養上清とをインキュ
ベートして、TRAPやカテプシンKなどのマーカー遺
伝子の発現誘導を促進あるいは阻害するタンパク質ある
いはこれをコードする遺伝子を単離することも可能であ
る。この方法により、細胞膜受容体などを介して間接的
にjdp−2ホモログによるマーカー遺伝子の発現誘導
活性を調節するタンパク質をコードする遺伝子を得るこ
とができる。
【0109】このようにして、jdp−2ホモログと直
接もしくは間接的に相互作用するパートナータンパク質
のcDNAが得られれば、i)jdp−2ホモログと該
パートナータンパク質との相互作用を阻害する物質や、
ii)jdp−2ホモログと該パートナータンパク質と
の相互作用によって誘導される破骨細胞化マーカー遺伝
子の発現誘導を阻害する物質の機能的スクリーニングに
利用することができる。具体的には、まず、i)の場合
には、例えば、jdp−2ホモログとグルタチオンS−
トランスフェラーゼとの融合タンパク質を調製して、抗
グルタチオンS−トランスフェラーゼ抗体で覆ったマイ
クロプレートに結合させた後、ビオチン化した該パート
ナータンパク質をこの融合タンパク質と接触させ、該融
合タンパク質との結合をストレプトアビジン化アルカリ
フォスファターゼで検出する。ビオチン化した該パート
ナータンパク質添加の際、被検物質も添加し、融合タン
パク質と該パートナータンパク質との結合を促進あるい
は阻害する物質を選択する。この方法では、融合タンパ
ク質に直接作用する物質または該パートナータンパク質
に直接作用する物質が得られる。
【0110】融合タンパク質と該パートナータンパク質
との結合が間接的であり、何らかの別の因子を介してい
るような場合には、例えば該因子を含むような細胞抽出
液存在下で、同様に上記アッセイを行う。この場合に
は、該因子に対して作用するような物質も選択される可
能性がある。また例えば、jdp−2ホモログに結合す
るパートナータンパク質が生体内でjdp−2ホモログ
による破骨細胞化マーカー遺伝子の発現を促進するよう
な活性を持つようなものである場合には、このタンパク
質とjdp−2ホモログとの結合を阻害するような物質
は、骨粗鬆症もしくは関節リウマチの治療または予防剤
として有用であると考えられる。
【0111】また、得られたパートナータンパク質が、
単独もしくはjdp−2ホモログと共同してTRAPや
カテプシンKなどのマーカー遺伝子の発現誘導を引き起
こす活性を有している場合には、既に記載したjdp−
2ホモログの発現ベクターを利用した試験方法に従っ
て、骨粗鬆症もしくは関節リウマチの治療または予防剤
として有用な候補物質のスクリーニングを行うことがで
きる。また、得られたパートナータンパク質が、jdp
−2ホモログの有するTRAPやカテプシンKなどのマ
ーカー遺伝子の発現誘導活性を抑制する活性を有してい
る場合には、このような阻害因子をコードするヌクレオ
チド配列を有するポリヌクレオチドは、骨粗鬆症もしく
は関節リウマチの遺伝子治療に用いることができる。
【0112】そのようなポリヌクレオチドは、例えば同
定された阻害因子のアミノ酸配列を解析し、該アミノ酸
配列をコードするヌクレオチド配列からなるオリゴヌク
レオチドプローブを合成してcDNAライブラリーやゲ
ノムライブラリーのスクリーニングを行うことにより取
得できる。また、マーカー遺伝子の発現誘導の阻害活性
を有するぺプチドが、ランダムに合成された人工ペプチ
ドライブラリー由来である場合は、該ペプチドのアミノ
酸配列をコードするヌクレオチド配列からなるDNAを
化学合成する。
【0113】遺伝子治療においては、そのようにして得
られた阻害因子をコードするポリヌクレオチドを、例え
ばウイルスベクターに組み込んで、該組換えウイルスベ
クターを有するウイルス(無毒化されたもの)を患者に
感染させる。患者体内では阻害因子が産生され、jdp
−2ホモログの機能を阻害するので、破骨細胞への分化
が抑制されて、骨吸収活性を抑制することができる。
【0114】遺伝子治療剤を細胞内に導入する方法とし
ては、ウイルスベクターを利用した遺伝子導入方法、あ
るいは非ウイルス性の遺伝子導入方法(日経サイエン
ス,1994年4月号,20-45頁、実験医学増刊,12(15)(199
4)、実験医学別冊「遺伝子治療の基礎技術」,羊土社(1
996))のいずれの方法も適用することができる。
【0115】ウイルスベクターによる遺伝子導入方法と
しては、例えばレトロウイルス、アデノウイルス、アデ
ノ関連ウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイル
ス、ポックスウイルス、ポリオウイルス、シンビスウイ
ルス等のDNAウイルスまたはRNAウイルスに、TR
4あるいは変異TR4をコードするDNAを組み込んで
導入する方法が挙げられる。このうち、レトロウイル
ス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、ワクシニア
ウイルスを用いた方法が、特に好ましい。非ウイルス性
の遺伝子導入方法としては、発現プラスミドを直接筋肉
内に投与する方法(DNAワクチン法)、リポソーム
法、リポフェクチン法、マイクロインジェクション法、
リン酸カルシウム法、エレクトロポレーション法等が挙
げられ、特にDNAワクチン法、リポソーム法が好まし
い。
【0116】また遺伝子治療剤を実際に医薬として作用
させるには、DNAを直接体内に導入するインビボ(in
vivo)法およびヒトからある種の細胞を取り出し体外
でDNAを該細胞に導入し、その細胞を体内に戻すエク
スビボ(ex vivo)法がある(日経サイエンス,1994年4
月号,20-45頁、月刊薬事,36(1),23-48(1994)、実験医
学増刊, 12 (15)(1994))。
【0117】例えば、該遺伝子治療剤がインビボ法によ
り投与される場合は、疾患、症状等に応じ、静脈、動
脈、皮下、皮内、筋肉内等、適当な投与経路により投与
される。またインビボ法により投与する場合は、該遺伝
子治療剤は一般的には注射剤等とされるが、必要に応じ
て慣用の担体を加えてもよい。また、リポソームまたは
膜融合リポソーム(センダイウイルス−リポソーム等)
の形態にした場合は、懸濁剤、凍結剤、遠心分離濃縮凍
結剤等のリポソーム製剤とすることができる。
【0118】jdp−2ホモログをコードするDNA配
列に相補的なヌクレオチド配列は、いわゆるアンチセン
ス治療に用いることができる。アンチセンス分子は、配
列表の配列番号1のヌクレオチド番号1−1642(よ
り好適には、ヌクレオチド番号232−720)に示さ
れるヌクレオチド配列の一部または配列表の配列番号3
のヌクレオチド番号1−1495(より好適には、ヌク
レオチド番号26−514)に示されるヌクレオチド配
列の一部に相補的な、通常15乃至30merからなる
DNA、もしくはそのホスホロチオエート、メチルホス
ホネートまたはモルフォリノ誘導体などの安定なDNA
誘導体、2’−O−アルキルRNAなどの安定なRNA
誘導体として用いられ得る。そのようなjdp−2アン
チセンス分子を、微量注入、リポソームカプセル化によ
り、あるいはアンチセンス配列を有するベクターを利用
して発現させるなど、本発明の技術分野において周知の
方法で、細胞に導入することができる。このようなアン
チセンス療法は、jdp−2活性を減少させることが有
用な病気、特に、骨粗鬆症や関節リウマチの治療に有用
である。
【0119】jdp−2アンチセンスオリゴヌクレオチ
ドを含む医薬として有用な組成物は、医薬として許容で
きる担体の混合などの公知の方法によって製造され得
る。このような担体と製造方法の例は、レミントンのPh
armaceutical Sciencesに記載されている。そして、j
dp−2の発現や活性に異常の認められる骨粗鬆症や関
節リウマチ疾患の治療に十分な量を各人に投与される。
その有効量は、各人の状態、体重、性別、及び年齢など
の種々の因子や、皮下、局所、経口、及び筋肉内といっ
た投与方法の違いによって変化し得る。例えば、静脈注
射する場合には、0.02乃至0.2mg/kg/時間
で2時間、また、皮下投与の場合には、1乃至200m
g/m2/日のように変化し得る。
【0120】
【実施例】 以下、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0121】実施例1.グルタチオン−S−トランスフ
ェラーゼ(GST)とマウス破骨細胞分化因子(OD
F)細胞外領域の融合タンパク質(GST−mODF)
の調製 GenBankデータベースに登録されているマウスO
DF遺伝子配列(登録番号:019048)のうち、細胞外領
域に相当する部分のcDNAを取得し、さらに制限酵素
SmaIで認識される配列を付加するため、下記のヌク
レオチド配列:5'- gtgcccgggc agcgcttctc agg -3'
(S1:配列表の配列番号5);および5'- catcccgggt
cagtctatgt cctgaact -3' (AS1:配列表の配列番
号6)を有する2種類のオリゴヌクレオチドプライマー
を、DNA合成機(オリゴ1000(ベックマン社製))を
用いて合成した。
【0122】マウス骨髄初代培養細胞より、RNA抽出
試薬(ISOGEN(ニッポンジーン(株)社製))を
添付のプロトコールに従って用いることにより、総RN
Aを取得し、RT−PCRをキット(RNA PCRキ
ット AMV ver2.1(宝酒造(株)社製))を
用いて実施した。すなわち、まずこの総RNAについて
42℃で30分間逆転写反応を行ない一本鎖DNAを合
成した(反応液量20μl)。逆転写反応のプライマー
としては、キット添付のランダムプライマーを使用し
た。
【0123】次いで、この一本鎖DNAを鋳型として、
上記オリゴヌクレオチドS1およびAS1をプライマー
として用いて、PCRを行なった(反応液量100μ
l。温度条件:94℃で1分、55℃で30秒、72℃
で30秒の温度サイクルを35回繰り返した)。このP
CR後の反応液を一部とり、TAクローニングキット
(インビトロジェン社製)を添付のプロトコールに従っ
て用いて、増幅されたDNA断片をプラスミド(pCR
II)にクローニングすることにより、プラスミドpC
RII−mODFを得た。挿入されたDNA断片は、ジ
デオキシヌクレオチド鎖終結法により、ヌクレオチド配
列を確認した。
【0124】得られたプラスミドpCRII−mODF
を、制限酵素SmaIで消化し、1.0%アガロースゲ
ル電気泳動により分離後、mODF DNA断片を精製
した。一方で、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ
(以下「GST」という)発現用プラスミドpGEX−
3X(アマシャム・ファルマシア社製)も制限酵素Sm
aIで同様に消化し、1.0%アガロースゲル電気泳動
により精製した。そして、これらの断片を、DNAライ
ゲーションキット(バージョン2、宝酒造(株)社製)
を用いて連結し、GST−mODF発現プラスミドpG
EX−3X−mODFを得た。
【0125】b)GST−mODFタンパク質の大腸菌
における発現と精製 先に得たpGEX−3X−mODFのプラスミドは、p
GEX−3X由来のlacプロモーター支配下のGST
遺伝子にリーディングフレームが合うようにmODF遺
伝子が連結されているので、このプラスミドを宿主に導
入することによりGST−mODF融合タンパクの発現
が可能である。なお、配列表の配列番号7にpGEX−
3X−mODFで発現される融合タンパク質のアミノ酸
配列を示した。
【0126】上記のプラスミドpGEX−3X−mOD
Fで、大腸菌TOP10株を常法により形質転換した。
pGEX−3X−mODFを保有するTOP10株を、
アンピシリン100μg/mlを含むL−broth培
地(10g トリプトン(ディフコ社製)、5g イー
ストエクストラクト(ディフコ社製)、5g 塩化ナト
リウムをそれぞれ1リットルの水溶液に含む)にて、3
7℃で4時間振とう培養を行なった後、アンピシリン1
00μg/mlを含むL−broth培地3リットルに
5.0%(v/v)植菌し、37℃にて3時間振とう培
養を行なった。その後、イソプロピル−β−D−チオガ
ラクトピラノシドを終濃度0.1mMになるように添加
し、 25℃で20時間振とう培養を行なった。培養終
了後、培養液を遠心分離(8000×g、10分)して
沈澱した菌体を回収し、150mlのダルベッコリン酸
バッファー(以下「PBS」という)に懸濁した。その
後、超音波処理にて菌体を破砕し、トライトンX−10
0を終濃度1%(v/v)となるように加え、室温で3
0分間静かに振とうした。高速遠心分離(11000×
g、15分)により未破砕菌体を除去した後、その上清
にグルタチオンセファロース4Bゲルを1.5ml添加
し、30分間静かに振とうした。バッチ法により、10
mM還元型グルタチオン溶液(PBSに溶解したもの)
7.5mlを用いて溶出した。溶出液は、10mM ト
リス−塩酸(pH7.0)で平衡化したDEAEトヨパ
ール650Mカラムに添加し、陰イオン交換クロマトグ
ラフィーを、塩化ナトリウムの直線濃度勾配(0−1
M)をかけることにより行った。溶出液の一部をとっ
て、SDSポリアクリルアミドゲル(ゲル濃度12.5
%)電気泳動を行ない、予想される融合タンパク質の分
子量(46000)に相当する位置にバンドが見られる
フラクションを集めた。回収された粗精製物をさらに、
PBSで平衡化したセファクリルS−100を用いたゲ
ルろ過法により精製した。溶出液の一部をとって、SD
Sポリアクリルアミドゲル(ゲル濃度12.5%)電気
泳動を行ない(分子量マーカーとしてアプロ社製プレス
テインドマーカーSP−0120を用いた)、予想され
る融合タンパク質の分子量(46000)に相当する位
置にバンドが見られるフラクションを集めた。このよう
にして得られた融合タンパク質を以下の実施例に使用し
た。
【0127】実施例2. 分子インデックス法による発
現変動遺伝子の取得 マウス細胞株RAW264.7をGST−mODFで刺
激することによって発現が変動する遺伝子を取得するた
め、分子インデックス法(Kato K., (1995) Nucleic Ac
ids Res., 23, 3685-3690)を用いた解析を実施した。
【0128】まず、RAW264.7細胞(大日本製薬
(株)社より購入)を10%ウシ胎児血清(ギブコ・ビ
ーアールエル社製)を含むDMEM培地(ギブコ・ビー
アールエル社製)で、2×107細胞/mlに調製して
大角フラスコ(培養面積225cm2。住友ベークライ
ト(株)社製)に蒔き、GST−mODFを未添加、も
しくは終濃度で100ng/mlとなるように加えて、
37℃、5%炭酸ガス下で48時間培養した。
【0129】次いで、全RNA抽出用試薬(TRIZO
L試薬:ギブコ・ビーアールエル社製)を添付のプロト
コールに従って用いることにより、RAW264.7細
胞からの全RNAの抽出を行った。得られた全RNAを
用いて、分子インデックス法による解析を行った。な
お、原法(Kato K., (1995) Nucleic Acids Res., 23,3
685-3690)ではクラスII制限酵素を複数種類用いている
が、本実施例では制限酵素としてFokIのみを用い、
それ以外は原法に従って実施した。
【0130】分子インデックス法操作で得られたPCR
産物は、ポリアクリルアミドゲル(50% 尿素、10
% スーパーリーディングDNAシークエンス溶液(東
洋紡(株)社製)、1×TBE(0.089M トリス
−ホウ酸、0.089M ホウ酸、0.001M エチ
レンジアミン四酢酸(以下「EDTA」という)、pH
8.0)で電気泳動した(45W、1時間)。次いで、
泳動後のゲルを、モレキュラー・イメージャーFx(バ
イオラッド社製)を用いてスキャンして、ゲル上で分離
された蛍光標識されたDNAフラグメントを検出した。
GST−mODF添加の有無により変化が見られるバン
ドについては、剃刀刃でバンド部分のゲルを切り出し、
100μlの再蒸留水を添加してから、−20℃で凍結
保存した。使用時に、凍結融解を2から3回繰り返すこ
とによりゲルからDNAを溶出させ、軽く遠心(100
0回転、1分間)して、ゲルを沈殿させ、その上清をD
NAフラグメント溶液として増幅のための鋳型に用い
た。
【0131】フラグメントの増幅にあたっては、PCR
用プライマーとして下記のヌクレオチド配列: 5'- gtacatattgtcgttagaacgc -3' (CIS:配列表の
配列番号8);および5'- ggatcctttttttttttttttta -
3' (DAPA1:配列表の配列番号9) を有するオリゴヌクレオチドを合成した。次いで、サー
マルサイクラー(ジーンアンプPCRシステム960
0、(株)パーキンエルマージャパン・アプライドバイ
オシステムズ事業部製)を使用して以下の条件でPCR
を行った。プライマーC1SおよびDAPA1(終濃度
各0.8μM)、10μl ジーンアンプ10×PCR
バッファー(PEバイオシステムズジャパン社製)、
12μl25mM 塩化マグネシウム、10μl 2m
M dNTPs、10μl 上記DNAフラグメント溶
液を加え、再蒸留水で100μlとした。さらに10U
/μl Taq Stoffel フラグメント(PE
バイオシステムズジャパン社製)を1μl添加した。こ
の反応液を、まず94℃で2分間加熱した後、94℃で
30秒、55℃で1分、72℃で1分の温度サイクルを
20回繰り返してから、72℃10分加熱し、4℃で保
温した。このPCR反応液中に含まれる増幅されたDN
Aを、精製キット(QIAquick PCR Purification Kit:
キアジェン社製)を添付のプロトコールに従って用いる
ことにより精製した。
【0132】精製したフラグメントを1.5ng/ml
に調製し、TAクローニングキット(宿主大腸菌付属:
インビトロジェン社製)を添付のプロトコールに従って
用いることにより、プラスミドベクター(pCR2.
1)に連結した。この組換えプラスミドDNAでキット
添付の宿主大腸菌INVαF’を形質転換し、アンピシ
リン耐性のコロニーを得た。これらのコロニーを選択し
てプラスミドを抽出し、75bpのDNAインサートを
有するプラスミドpCR2.1−A574を回収した。
【0133】得られたプラスミドpCR2.1−A57
4に挿入されているcDNAの全ヌクレオチド配列を
(株)パーキンエルマージャパン・アプライドバイオシ
ステムズ事業部製ABIプリズム3700DNAシーク
エンサーを用いて解析した結果、配列表の配列番号10
に示される配列であることが判明した。
【0134】実施例3. cDNAのクローニング RAW264.7 細胞を材料として、下記の方法に従
って配列表の配列番号10に示されるヌクレオチド配列
を含むcDNAを取得した。
【0135】a)RAW264.7 細胞からのmRN
A抽出およびcDNAライブラリーの作製 RAW264.7細胞を10%ウシ胎児血清を含むDM
EM培地で、2×10 7細胞/mlに調製して大角フラ
スコに蒔き、GST−mODFを未添加もしくは終濃度
で100ng/mlとなるように加えて、37℃、5%
炭酸ガス下で48時間培養した。次いで、全RNA抽出
用試薬(TRIZOL試薬:ギブコ・ビーアールエル社
製)を添付のプロトコールに従って用いることにより、
RAW264.7細胞より全RNAを抽出した。さら
に、得られた全RNAから、mRNA精製用試薬(オリ
ゴテックス−MAG:宝酒造(株)社製)を添付のプロ
トコールに従って用いることにより、mRNAを精製し
た。このようにして得られた5μgのmRNAを鋳型と
し、cDNAライブラリー作成キット(ZAPエクスプ
レス・cDNA:ストラタジーン社製)をその添付プロ
トコールに従って用いることにより、プラスミドcDN
Aライブラリーを作製した。なお、クローニングベクタ
ーとしては、pCR3.1(インビトロジェン社)を用
いた。
【0136】b)cDNAライブラリーのスクリーニン
グ 上記a)記載の方法で得られたプラスミドcDNAライ
ブラリーから配列表の配列番号10に示されるヌクレオ
チド配列を含む全長cDNAを取得することを目的とし
て、ジーントラッパー法によるcDNA選択キット(ジ
ーントラッパーcDNAポジティブセレクションシステ
ム:ギブコ・ビーアールエル社製)をその添付プロトコ
ールに従って用いた。なお、取得にあたっては、下記の
ヌクレオチド配列: 5'- tccacccaccagttaaggccatt -3' (GT−1:配列
表の配列番号11) を有するオリゴヌクレオチドを合成し、プローブとして
用いた。また、コロニーPCR用逆方向PCRプライマ
ーとして、下記のヌクレオチド配列: 5'- taggaaggggttacaaggatgga -3' (ZNF−3’:
配列表の配列番号12) を有するオリゴヌクレオチドを合成した。
【0137】ジーントラッパー法により得られた大腸菌
コロニーをいくつか選択して鋳型とし、上記GT−1お
よびZNF−3’をプライマーとし、キットのプロトコ
ール記載の方法でコロニーPCRを実施して、DNA断
片の特異的増幅が見られたコロニーを選択、培養した。
その結果、1.8kbpのcDNAインサートを有する
プラスミドpCR3.1−A574(1.8k)を保持
する形質転換大腸菌を単離した。
【0138】得られたプラスミドに挿入されているcD
NAの全ヌクレオチド配列を(株)パーキンエルマージ
ャパン・アプライドバイオシステムズ事業部製ABIプ
リズム3700DNAシークエンサーを用いて解析した
結果、配列表の配列番号1に示される配列であることが
判明した。この配列は、GenBankデータベースに
ラットjun-dimeraization protein 2(以下「jdp−
2」という)として登録されている配列(登録番号:U
53449)と高い相同性を有していた。また、予想さ
れるアミノ酸配列は、ラットjdp−2のアミノ酸配列
と100%一致していた。この結果、得られた遺伝子
は、マウスjdp−2をコードするものであることが判
明した。
【0139】プラスミドpCR3.1−A574を制限
酵素NheIとXhoIで二重消化し、切り出されたイ
ンサートDNAを、同様にXbaIとSalIで消化し
たpUC18ベクターに連結して、プラスミドpUC−
A574(1.8k)を得た。このプラスミドを保持す
る形質転換大腸菌E.coli pUC18−A574
(1.8k)SANK 70600は、2000(平成
12)年7月19日付けで工業技術院生命工学工業技術
研究所に国際寄託され、受託番号FERM BP−72
38が付された。
【0140】実施例4. マウスjdp−2のN末端欠
失変異体発現ベクターの構築 上記実施例3で得られたcDNAから予想されるタンパ
ク質のN末端欠失変異体を動物細胞で発現させて機能解
析を行うためのベクター構築を行った。
【0141】まず、PCR用に以下に示す3種類の順方
向プライマー: 5'- atgctagcggcctgccactcctcctgctatgatgcctg -3'
(5’−1F:配列表の配列番号13); 5'- atgctagcggctcggccccctcaccggacttcccagct -3'
(5’−46F:配列表の配列番号14);および 5'- atgctagcttctgcagagggagtcagagcggctggagc -3'
(5’−110F:配列表の配列番号15); ならびに、C末端にHAタグ(インフルエンザウイルス
ヘマグルチニン由来9アミノ酸のエピトープタグ)を付
加するように設計した逆方向PCRプライマー: 5'- tactcgagtcatgcatagtctggaacgtcgtaaggatacttcttgt
ccagctgctc -3' (3’−HA−R):配列表の配列番
号16) を合成した。
【0142】そして、実施例3で得られたマウスjdp
−2遺伝子を含むプラスミドpCR3.1−A574
(1.8k)を鋳型とし、サーマルサイクラー(ジーン
アンプPCRシステム9600、(株)パーキンエルマ
ージャパン・アプライドバイオシステムズ事業部製)を
使用して以下の条件でPCRを行った。
【0143】順方向及び逆方向プライマー(終濃度各
0.2μM)、PCR試薬(ワンショットLA PCR
ミックス:宝酒造(株)社製) 25μl、プラスミド
pCR3.1−A574(1.8k)0.16μgを加
え、再蒸留水で50μlとして反応液を調製した。この
反応液を、まず94℃で2分間加熱した後、94℃で3
0秒、55℃で30秒、72℃で1分の温度サイクルを
25回繰り返してから、72℃6分加熱し、4℃で保温
した。
【0144】この反応物を0.8%アガロースゲル(ギ
ブコ・ビーアールエル社製)で電気泳動した。電気泳動
後のゲルを臭化エチジウムで染色した後、紫外線照射下
で約540bp、約480bp、約230bpに相当す
るバンド部分を剃刀刃を用いて各々分離した。このゲル
中に含まれるDNAを精製キット(QIAquick Gel Extra
ction Kit:キアジェン社製)を用いて添付のプロトコ
ールにしたがって精製した。
【0145】精製したフラグメントの一部を制限酵素N
heIとXhoIで消化し、精製キット(QIAquick PCR
Purification Kit:キアジェン社製)を添付のプロト
コールにしたがって用いることにより精製した。一方、
pCR3.1ベクター(インビトロジェン社製)を同様
にNheIとXhoIで消化し、末端をウシ小腸アルカ
リホスファターゼ(東洋紡(株)社製)を用いて脱リン
酸化した後、精製キット(QIAquick PCR Purification
Kit)を添付のプロトコールにしたがって用いることに
より精製し、上記DNA断片とDNAライゲーションキ
ット(バージョン2:宝酒造(株)社製)を用いて連結
した。このDNAで大腸菌DH5αのコンピテント細胞
(東洋紡(株)社製)を形質転換し、アンピシリン耐性
のコロニーを得た。いくつかのコロニーの培養菌体から
プラスミドを抽出して制限酵素NheIとXhoIで二
重切断処理し、jdp−2断片(約540bp、約48
0bp、または約230bp)と約5kbpのpCR
3.1ベクター断片が生じることを指標として、jdp
−2 cDNAが挿入されたプラスミドDNAを取得し
た。得られたプラスミドDNAに挿入されているヌクレ
オチド配列を解析し、目的のヌクレオチド配列と一致す
ることを確認した。得られたプラスミドをpCR3.1
−mjdp−2(1−163)HA、pCR3.1−m
jdp−2(46−163)HA、pCR3.1−mj
dp−2(110−163)HAと命名した。これらの
プラスミドを保有する形質転換大腸菌を50μg/ml
のアンピシリンを含む100mlの液体LB培地中で、
37℃で一晩培養し、この培養液から、プラスミド大量
精製キット(EndoFree Plasmid Maxi Kit:キアジェン
社製)を用いてプラスミドを回収し、精製した。
【0146】実施例5. ノーザンブロット解析 a)RAW264.7細胞からの全RNAの抽出 実施例3で得られたcDNAのRAW264.7細胞に
おける発現変動を調べる目的で、ノーザンブロット解析
を実施した。まず、RAW264.7細胞を10%ウシ
胎児血清を含むDMEM培地で2×107細胞/55m
lに調製したものを大角フラスコに蒔き、GST−mO
DFを終濃度100 ng/mlとなるように加えて、
5、24、48、72、96時間、もしくは未添加の状
態で0、24、96時間培養した。
【0147】次いで、全RNA抽出用試薬(TRIZO
L試薬:ギブコ・ビーアールエル社製)を添付のプロト
コールに従って用いることにより、それぞれの条件で培
養したRAW264.7細胞より全RNAを抽出した。
なお、回収した全RNAは−80℃に保存した。
【0148】b)全RNAの電気泳動およびブロッティ
ング 回収した全RNAをRNA試料緩衝液(1×MOPS緩
衝液(1×MOPS緩衝液は20mM MOPS、5m
M 酢酸ナトリウム、1mM EDTAを含む)、50
% ホルムアミド、18μg/ml ブロモフェノール
ブルー、6.6% ホルムアルデヒド、5% グリセロ
ール)で1μg/mlに調製し、65℃10分間保温し
た後、氷上で5分間放置し、0.2mg/ml エチジ
ウムブロミドを1μl加えた。この試料液15μlを、
ホルムアルデヒドを含む電気泳動用1%アガロースゲル
(1×MOPS緩衝液、1% アガロース(ギブコ・ビ
ーアールエル社製)、6% ホルムアルデヒド)のひと
つのウェルへ注入し、電気泳動した。電気泳動は、1×
MOPS緩衝液の入ったサブマリン電気泳動層中、50
Vで約2時間通電することにより行った。
【0149】電気泳動終了後、アガロースゲル中のRN
Aをキャピラリートランスファー法(Maniatis, T. et
al. (1982) in "Molecular Cloning A Laboratory Manu
al"Cold Spring Harbor Laboratory, NY)に従ってナイ
ロンメンブレン(ハイボンドN+、アマシャム・ファル
マシア社製)に一晩かけて転写した(転写用溶液は20
×SSCを用いた)。このメンブレンを2×SSCで5
分間洗浄し、風乾させ、クロスリンク用紫外線照射装置
(スペクトロリンカーXL−1000、トミー精工
(株)社製)で紫外線を照射(1200J/cm2)し
てRNAを固定した。
【0150】c)プローブの調製 実施例2で合成したプライマーC1S、DAPA1を用
い、サーマルサイクラー(ジーンアンプPCRシステム
9600、(株)パーキンエルマージャパン・アプライ
ドバイオシステムズ事業部製)を使用して以下の条件で
PCRを行った。まずプライマーC1S、DAPA1
(終濃度各0.4μM)、10μl 10×リアクショ
ンバッファー(100mM トリス、500mM 塩化
カリウム、15mM 塩化マグネシウム、1% Tri
ton−X100)、10μl 2mM dNTPs、
1μl プラスミドpCR2.1−A574を加え、再
蒸留水で100μlとした。さらに1μlのリコンビナ
ントTaqポリメラーゼ(東洋紡(株)社製)を添加
し、反応液を調製した。この反応液を、まず94℃で2
分間加熱した後、94℃で1分、55℃で1分、72℃
で2分の温度サイクルを30回繰り返してから、72℃
10分加熱し、4℃で保温した。
【0151】このPCR反応液中に含まれる増幅された
DNAを、精製キット(QIAquick PCR Purification Ki
t)を添付のプロトコールに従って用いることにより精
製した。得られたDNA溶液2μlについて、ランダム
プライマーDNAラベリングキット(宝酒造(株)社
製)を添付のプロトコールに従って用いることにより、
32Pで標識されたプローブを調製した。
【0152】d)ハイブリダイゼーション 上記b)で作成したメンブレンを6mlのハイブリダイ
ゼーション溶液(ExpressHyb Hybridization Solutio
n:クローンテック社製)中に入れて68℃で1時間イ
ンキュベーション(プレハイブリダイゼーション)した
後、32P標識プローブを含む6mlのハイブリダイゼー
ション溶液中で68℃、2時間インキュベートした。そ
の後、メンブレンを2×SSC、0.05% SDSを
含む溶液中、室温で20分間、3回洗浄し、さらに0.
1×SSC,0.1% SDSを含む溶液中、50℃で
20分間、3回洗浄してから、イメージングプレート
(富士フィルム(株)社製)に曝露し、BAS2000
(富士フィルム(株)社製)によるイメージングを行っ
た。
【0153】その結果、検出した遺伝子の発現は、GS
T−mODF未添加のRAW264.7 細胞において
もわずかに認められ、GST−mODFを添加すること
により、その発現量が著明に上昇することが明らかとな
った(図1)。
【0154】実施例6. ヒトjdp−2ホモログをコ
ードするcDNAのクローニング a)ヒトjdp−2遺伝子配列の推定およびプライマー
合成 実施例3で得られた、配列番号1に示されるヌクレオチ
ド配列は、GenBankデータベースにラットjdp
−2として登録されている配列(登録番号:U5344
9)と高い相同性を有していた。そこで、ヒトjdp−
2ホモログの遺伝子配列をGenBankデータベース
より検索したところ、部分配列を得ることができた(登
録番号:AF111167)。また、この遺伝子と高い
相同性を有するヒトのESTを検索すると、登録番号N
003442で登録されている配列が得られた。そ
こで、これら2つの配列を連結することにより、ヒトj
dp−2ホモログのアミノ酸をコードする遺伝子配列を
推定した(配列番号17)。このcDNAをPCRによ
り取得するためのプライマーとして、下記のヌクレオチ
ド配列: 5'- cagctcggccctgactgtggag -3' (GT−1F:配列
表の配列番号18);および 5'- gcggtgtcggttcagcatcag -3' (GT−2R:配列
表の配列番号19) を有するオリゴヌクレオチドを合成した。
【0155】b)cDNAライブラリーのスクリーニン
グ ヒトjdp−2ホモログ全長をコードするcDNAを取
得することを目的として、ジーントラッパー cDNA
ポジティブセレクションシステム(ギブコ・ビーアー
ルエル社製)をその添付プロトコールに従って用いた。
なお、取得にあたっては、スーパースクリプトヒト脾臓
cDNAライブラリー(ギブコ・ビーアールエル社
製)、および上記a)で合成したGT−1F(プローブ
として使用)を用いた。単離した大腸菌コロニーを鋳型
とし、GT−1FおよびGT−2Rをプライマーとし
て、プロトコール記載の方法でPCRを実施した結果、
DNA断片の特異的増幅が見られたコロニーを選択、培
養し、約1.6kbpのcDNAインサートを有するプ
ラスミドpCMV・SPORT−hjdp−2を保持す
る形質転換大腸菌E.coli pCMV・SPORT
−hjdp−2/DH12Sを単離した。
【0156】得られたプラスミドに挿入されているcD
NAの全ヌクレオチド配列を解析した結果、配列表の配
列番号3に示される配列であることが判明した。この配
列も、ラットjdp−2との間に高い相同性を有してい
た。
【0157】実施例7. ヒトjdp−2遺伝子発現ベ
クターの構築 上記実施例6で得られたヒトjdp−2ホモログをコー
ドする遺伝子(以下「ヒトjdp−2遺伝子」という)
を動物細胞で発現させ機能解析を行うためのベクター構
築を行った。まず、PCR用逆方向プライマーとして、
下記のヌクレオチド配列: 5'- cccgaattcactcacaagcccatggtca -3' (jdp2R
S:配列表の配列番号20) を有するオリゴヌクレオチドを合成した。そして、実施
例6で得られたヒトjdp−2遺伝子を含むプラスミド
pCMV・SPORT−hjdp−2を鋳型とし、実施
例4で使用した順方向プライマー5’−1F(配列表の
配列番号13)および逆方向プライマーjdp2RSを
用いて、サーマルサイクラー(ジーンアンプPCRシス
テム9600、(株)パーキンエルマージャパン・アプ
ライドバイオシステムズ事業部製)を使用して以下の条
件でPCRを行い、ヒトjdp−2タンパク質をコード
するDNA配列を増幅した。上記各プライマー(終濃度
各0.4μM)、10μl 10×LA PCRバッフ
ァーII(Mg2+フリー)(宝酒造(株)社製)、10
μl 2.5mM dNTPs、25mM 塩化マグネ
シウム、1μl プラスミドDNA(pCMV・SPO
RT−hjdp−2)を加え、再蒸留水で200μlと
した。さらに2μl Taqポリメラーゼ(TaKaR
a LA Taq:宝酒造(株)社製)を添加し、反応
液を調製した。この反応液を、まず94℃で2分間加熱
した後、94℃で1分、55℃で1分、72℃で2分の
温度サイクルを30回繰り返してから、72℃7分加熱
し、4℃で保温した。
【0158】得られたPCR反応液は、エタノール沈殿
させた後に、1×ローディングバッファー(0.1%
SDS、0.5% グリセロール、0.005% ブロ
モフェノールブルー)25μlに溶解した。この試料液
全量を、電気泳動用1%アガロースゲル(1×TBE緩
衝液、1% アガロース(宝酒造(株)社製)、)ひと
つのウェルへ注入し、電気泳動した。
【0159】電気泳動は、1×TBE緩衝液の入ったサ
ブマリン電気泳動層中、100Vで約30分通電するこ
とにより行った。電気泳動終了後、アガロースゲルを1
μg/mlのエチジウムブロミド溶液で10分間染色
し、観察された約500bpのバンドを含むゲル片を、
剃刀刃で切り出した。このゲル片から、精製キット(QI
Aquick PCR Purification Kit:キアジェン社製)を添
付のプロトコールに従って用いることによりDNA断片
を精製した。50μlの再蒸留水で溶出したDNA断片
は、添付のバッファーを含む反応液中でNheIおよび
EcoRI制限酵素で消化し、NheIおよびEcoR
I消化したプラスミドベクターpCR3.1に挿入する
ことにより、ヒトjdp−2遺伝子発現ベクターpCR
3.1−hjdp−2を得た。
【0160】プラスミドpCR3.1−hjdp−2を
制限酵素NheIとEcoRIで二重消化し、切り出さ
れたインサートDNAを、同様にXbaIとEcoRI
消化したpUC18ベクターに連結して、プラスミドp
UC−hjdp−2を得た。このプラスミドを保持する
形質転換大腸菌E.coli pUC18−hjdp−
2 SANK 70700は、2000(平成12)年
7月19日付けで工業技術院生命工学工業技術研究所に
国際寄託され、受託番号FERM BP−7237が付
された。
【0161】実施例8. ポリクローナル抗体の作製と
ウエスタンブロット解析 a)ポリクローナル抗体の作製 配列表の配列番号1および同配列番号3に示されるヌク
レオチド配列にコードされるアミノ酸配列、すなわち配
列表の配列番号2および同配列番号4に示されるアミノ
酸配列を有するポリペプチドをいずれも認識する抗体を
作製する目的で、抗原として、それらマウスおよびヒト
のjdp−2ホモログポリペプチドの間で保存されてい
る領域から選ばれたアミノ酸配列: Cys-Val-Lys-Leu-Gly-Lys-Arg-Pro-Gln-Pro-Val-Lys-Se
r-Glu-Leu-Asp(配列表の配列番号21) を有するペプチドを化学合成法で合成した(使用機器:
パーキンエルマージャパン社製モデル433)。ただ
し、このアミノ酸配列は、後に担体としてキーホールリ
ンペットヘモシアニン(以下「KLH」という)を結合
させるため、本来のアミノ酸配列のN末端にシステイン
残基が付加されたものである。
【0162】次に、この合成ペプチド 10.5mgお
よびKLH 23.0mgを、N−(6−マレイミドカ
プロイロキシ)スクシニミド(EMCS、同仁化学研究
所(株)社製)試薬を用いて縮合させた(縮合反応溶媒
として8M 尿素および0.9% 塩化ナトリウムを含
む0.02M リン酸緩衝液(pH7.5)を用い、室
温で15時間保温した)。この反応液を8M尿素溶液中
に入れた後、流水に対して透析し、さらに純水に対して
透析を行ってから凍結乾燥し、KLHが結合したペプチ
ド抗原を得た。これらのペプチド抗原10mgに1ml
の生理食塩水を加え、超音波発振機(ソニケーター)、
ボルテックスミキサー、ガラス棒等を用いて細かい懸濁
液にした。その後、生理的食塩水で全量を10mlと
し、さらに1mlずつバイアルに小分けして凍結保存し
た。
【0163】免疫の際には、上記バイアル1本分の抗原
溶液を融解し、同量のアジュバンドと混合してウサギ2
羽の背中に皮下、または皮内に注射した。アジュバンド
はフロインド完全アジュバンドを用いて行い、2回目以
降の免疫ではフロイントの不完全アジュバンドを用い
た。免疫は2週間おきに合計で4回行い、2回めの免疫
以降、試験採血を行い血清中の抗体価を固層法による酵
素免疫測定法(ELISA)で調べた。96穴のELI
SA用プレート(住友ベークライト(株)社製、96穴
Hタイプ)に各々の抗原ペプチドをコーティングし、西
洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗ウサギIgG抗体を二
次抗体として使用した。4回目の免疫から12日後に全
採血を行った。このときに得られた抗血清を以下の操作
で抗体として使用した。
【0164】b)COS−1細胞での発現およびウエス
タンブロット解析 実施例4で得られた、全長のマウスjdp−2のC−末
端にHAを付加したタンパク質を発現するように構築さ
れたプラスミドpCR3.1−mjdp−2(1−16
3)HAでCOS−1細胞をトランスフェクションし
た。COS−1細胞へのトランスフェクションは、市販
のトランスフェクション試薬(FuGENE 6トラン
スフェクション試薬(ロシュ・ダイアグノステッィック
ス(株)社製))を用いて、添付のプロトコールに従っ
て行った。すなわち、まず10%ウシ胎児血清(ギブコ
・ビーアールエル社製)を含むDMEM培地(ギブコ・
ビーアールエル社製)中でCOS−1細胞をセミコンフ
ルエントになるまで増殖させ、細胞培養用シャーレ(φ
60mm。コーニング社製)に、2.8×105/5m
lで蒔き、37℃、5%炭酸ガス下で一晩培養した。
【0165】翌日、FuGENE 6試薬(15μl)
と血清を含まないDMEM培地(250μl)を混合
し、室温で5分間静置した溶液全量をpCR3.1−m
jdp−2(1−163)HAプラスミド、またはjd
p−2 cDNAを含まないネガティブコントロールプ
ラスミドpCR3.1 5μgに、混ぜながら滴下し
た。この混合物を室温で15分間静置した後、全量を上
記細胞培養用シャーレ中のCOS−1細胞に滴下して静
かに混合し、37℃で2日間培養した。
【0166】培養後の細胞を氷冷した2mlのPBS
(−)で2回洗浄後、250μlのRIPAバッファー
(PBS(−)に、1% ノニデットP−40、0.5
% デオキシコール酸ナトリウム、0.1% SDSお
よびプロテアーゼ阻害剤としてコンプリート・ミニ(ロ
シュ・ダイアグノスティックス(株)社製)を1錠/1
0mlの割合で含む)を加えて、4℃で5分間静置した
後、セルスクレーパ(ヌンク社製)で細胞を掻き取り、
その細胞懸濁液を1.5mlのエッペンドルフチューブ
へ移して、氷上で20分間静置した。15,000rp
m、4℃で20分間遠心後の上清を全細胞抽出液として
回収し、−20℃で保存した。全細胞抽出液中のタンパ
ク質濃度は、タンパク質濃度測定用試薬(BCAプロテ
インアッセイ試薬:ピアース社製)を用いて測定した。
【0167】このようにして得られた全細胞抽出液10
μg分に対して、6×SDS ローディングバッファー
(0.35M トリス−塩酸(pH6.8)、10.2
8%SDS、36% グリセロール、5% β−メルカ
プトエタノール、0.012% ブロモフェノール・ブ
ルー)を1/6容量加えて、沸騰水浴にて3分間加熱
し、10−20% ポリアクリルアミド密度勾配ゲル
(パジェルNPG−1020L型、アトー(株)社製)
を用いて、還元条件下でSDS−PAGEを行った。
【0168】電気泳動後、ポリアクリルアミドゲルから
タンパク質を転写緩衝液(25mMトリス、192mM
グリシン、20% メタノール)中でゲルメンブレン
転写装置(マリソル社製、KS−8452)を用いて0
℃、180分、200mAの条件でPVDF膜(バイオ
ラッド社製)に転写した。
【0169】転写後のPVDF膜を1×TBS(20m
M トリス−塩酸(pH7.6)、137mM 塩化ナ
トリウム)中、室温で5分間振とうして洗浄した後、ブ
ロッキング試薬(ブロックエース:大日本製薬(株)社
製)30mlに浸して、4℃で一晩放置した。翌日、P
VDF膜を0.1%のツイーン20を含む1×TBS
(以下「1×TBS−T」という)で一回洗浄した後、
上記a)で得られた抗体(以下「jdp−2−N抗体」
という)を10% ブロッキング試薬を含む1×TBS
−Tで1000倍希釈した溶液10mlに浸して、室温
で2時間穏やかに振とうした。次いで、PVDF膜を取
り出し、1×TBS−Tで軽く2回洗浄した後、15分
間×1回、次いで5分間×2回洗浄した。その後、西洋
ワサビペルオキシダーゼ標識抗ウサギIgG抗体(アマ
シャム・ファルマシア社製)を10% ブロックエース
を含む1×TBS−Tで2000倍に希釈した溶液10
mlにPVDF膜を浸して、室温で1時間振とうした。
PVDF膜を取り出し、1×TBS−Tで軽く2回洗浄
した後、15分間×1回、次いで5分間×3回洗浄し
た。洗浄後、PVDF膜をラップフィルム上に置き、化
学発光による検出用試薬(ECLプラス ウエスタンブ
ロッティング検出溶液:アマシャム・ファルマシア社
製)を用いて、jdp−2−N抗体が結合するバンドの
検出を行った。具体的には、PVDF膜をラップフィル
ム上に置き、検出用試薬に5分間浸した後、X線フィル
ム(ハイパーフィルムECL:アマシャム・ファルマシ
ア社製)を4分間感光させた後、X線フィルムを現像し
た。
【0170】その結果、jdp−2−N抗体により、p
CR3.1−mjdp−2(1−163)HAプラスミ
ドDNAを導入して得られたCOS−1細胞全抽出液中
に特異的なバンドが検出された(図2)。
【0171】なお、上記実験系において、例えば被検物
質存在下または非存在下で培養し、破骨細胞への分化誘
導刺激したRAW264.7細胞から試料を調製し、以
下同様の操作を行うことにより、被検物質の骨粗鬆症も
しくは関節リウマチの治療または予防剤としての効果を
調べることができる。この実験において検出される抗原
量を低下させるような被検物質は、骨粗鬆症もしくは関
節リウマチの治療または予防剤となり得る。多検体処理
を行う場合には、電気泳動を省略してドットブロットや
スロットブロットを行うこともできる。
【0172】c)RAW264.7細胞での発現および
ウエスタンブロット解析 実施例4で得られた、全長のマウスjdp−2のC−末
端にHAを付加したタンパク質を発現するように構築さ
れたプラスミドpCR3.1−mjdp−2(1−16
3)HAでRAW264.7細胞を以下に記載する方法
によりトランスフェクションした。まず、セミコンフル
エントになるまで増殖させた大角フラスコに、PBS
(−)(ダルベッコPBS(−)「ニッスイ」:日水製
薬(株)社製)を加えて、セルスクレーパー(住友ベー
クライト社製)を用いて細胞を掻きとって回収した。そ
の細胞を1×TBS(++)(25mM トリス−塩酸
(pH7.5)、137mM 塩化ナトリウム、5mM
塩化カリウム、0.5mMリン酸二ナトリウム、0.
49mM 塩化マグネシウム、0.68mM 塩化カル
シウム)に懸濁して細胞数をカウントし、3.5×10
6個分ずつ15ml遠心チューブに移し、遠心して細胞
を回収した。一方で、pCR3.1−mjdp−2(1
−163)HAプラスミド、またはjdp−2 cDN
Aを含まないネガティブコントロールプラスミドpCR
3.1 4μg、0.5mg/mlのDEAE−デキス
トラン(プロメガ社製)を含む1×TBS(++)溶液
0.4mlを調製した。このDNA/DEAE−デキス
トラン溶液で先の3.5×10 6個分の細胞を再懸濁さ
せ、10分おきに軽く攪拌しながら、30分間室温でイ
ンキュベーションした。次いでこの細胞を5mlの1×
TBS(++)添加により希釈し、遠心することにより
回収し、7.5mlの10%ウシ胎児血清を含むDME
M培地に懸濁して、そのうちの3mlを細胞培養用シャ
ーレ(φ60mm。コーニング社製)に蒔き、37℃、
5%炭酸ガス下で2日間培養した。
【0173】培養後の細胞を氷冷した2mlのPBS
(−)で2回洗浄後、1.5mlのPBS(−)を加え
て、セルスクレーパー(ヌンク社製)で細胞を掻き取
り、その細胞懸濁液を15mlの遠心チューブへ移し、
氷上で保存した。掻き取った後のシャーレに1.5ml
のPBS(−)を加えて軽くリンスし、その液を先程の
細胞懸濁液と合わせて、1,000rpm、4℃で5分
間遠心して細胞を回収した。集めた細胞を150μlの
バッファーA(10mM HEPES(pH7.9)
に、10mM 塩化カリウム、1mM EDTA、0.
5mM EGTAおよびプロテアーゼ阻害剤としてコン
プリート・ミニ(ロシュ・ダイアグノスティックス
(株)社製)を1錠/10mlの割合で含む)に懸濁
し、1.5mlのエッペンドルフチューブに移して、1
5分間氷上に静置した。10% ノニデットP−40を
9.6μl加えて、ボルテックスミキサーで3秒間混合
後、氷上に1分間静置してから、5000rpm、4℃
で5分間遠心した。遠心後の上清を細胞質画分として回
収し、沈殿には50μlのバッファーB(20mM H
EPES(pH7.9)に420mM 塩化ナトリウ
ム、1mM EDTA、1mM EGTA、20% グ
リセロールおよびプロテアーゼ阻害剤としてコンプリー
ト・ミニ(ロシュ・ダイアグノスティックス(株)社
製)を1錠/10mlの割合で含む)を加えて、マイク
ロプレートミキサーを使って、4℃で30分間激しく混
合した。その混合物を14000rpm、4℃で20分
間遠心した上清を核画分として回収した。
【0174】このようにして得られた両画分から、各々
1/8.3容量ずつとり、6×SDSローディングバッ
ファー(0.35M トリス−塩酸(pH6.8)、1
0.28% SDS、36% グリセロール、5% β
−メルカプトエタノール、0.012% ブロモフェノ
ール・ブルー)を1/6容量加えて、沸騰水浴中で3分
間加熱し、10−20% ポリアクリルアミド密度勾配
ゲル(パジェルNPG−1020L型、アトー(株)社
製)を用いて、還元条件下でSDS−PAGEを行っ
た。
【0175】電気泳動後、ポリアクリルアミドゲルから
タンパク質を転写緩衝液(25mMトリス、192mM
グリシン、20% メタノール)中でゲルメンブレン
転写装置(マリソル社製、KS−8452)を用いて0
℃、180分、200mAの条件でPVDF膜に転写し
た。
【0176】転写後のPVDF膜を1×TBS中、室温
で5分間振とうして洗浄した後、ブロッキング試薬 3
0mlに浸して、4℃で一晩放置した。翌日、PVDF
膜を1×TBS−Tで一回洗浄した後、10% ブロッ
キング試薬を含む1×TBS−Tで0.2μg/mlに
希釈した抗HA(高親和性)抗体(ロシュ・ダイアグノ
スティックス(株)社製)溶液10mlに浸して、室温
で2時間穏やかに振とうした。PVDF膜を取り出し、
1×TBS−Tで軽く2回洗浄した後、15分間×1
回、次いで5分間×2回洗浄した。その後、10% ブ
ロッキング試薬を含む1×TBS−Tで2000倍に希
釈した西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗ラットIgG
抗体(サンタクルーズ社製)溶液10mlに浸して、室
温で1時間振とうした。PVDF膜を取り出し、1×T
BS−Tで軽く2回洗浄した後、15分間×1回、次い
で5分間×3回洗浄した。洗浄後、PVDF膜をラップ
フィルム上に置き、上記b)ト同様の操作を行って抗H
A抗体が結合するバンドの検出を行った(ただし、感光
は2分間)。
【0177】その結果、マウスjdp−2(1−16
3)HAタンパク質と思われる特異的バンドは、マウス
jdp−2(1−163)HAプラスミドDNAを導入
したRAW264.7細胞においてのみ認められ、ま
た、細胞質画分に比べて、核画分で強く検出された(図
3)。この結果、jdp−2タンパク質は、主に核に存
在することが示唆された。
【0178】実施例9. マーカープラスミドの構築 マウスカテプシンKプロモーターおよびマウス酒石酸耐
性酸性ホスファターゼ(TRAP)プロモーターの下流
にホタルルシフェラーゼ遺伝子を連結したプラスミドを
下記の方法にしたがって構築した。
【0179】a)プラスミドpGL3−mCTSK−
1.7の構築 マウス染色体DNAは、約2×107個のRAW26
4.7細胞を出発材料として、DNA抽出精製キット
(Blood & Cell Culture DNA Midi Kit(キアジェン社
製))を添付のプロトコールにしたがって用いることに
より調製した。
【0180】一方、PCRプライマーとして、下記のヌ
クレオチド配列: 5'- atggtacctc gactcgatct gggctctctc tactca -3'
(プライマー1:配列表の配列番号22)および 5'- taagatctgt gagcggaaga ctaagggtgc tagat -3'
(プライマー2:配列表の配列番号23) を有するオリゴヌクレオチドを化学合成した。
【0181】上記プライマー(終濃度各0.2μM)
と、25μlのPCR用試薬混液(ワンショットLA
PCRミックス(宝酒造(株)社製))、上記マウス染
色体DNA 1μgおよび滅菌水を加えて全量50μl
とし、PCRを行った(温度条件:94℃で2分間加熱
してから、次に98℃で20秒、68℃で2分30秒の
温度サイクルを30回繰り返し、さらに72℃10分加
熱した後、4℃に冷却、保存した)。
【0182】この反応物を0.8%アガロースゲル(ギ
ブコ・ビーアールエル社製)で電気泳動した。電気泳動
後のゲルを臭化エチジウムで染色した後、紫外線照射下
で約1.7kbpに相当するバンド部分を剃刀刃を用い
て分離した。このゲル中に含まれるDNAを、抽出精製
キット(QIAquick Gel Extraction Kit(キアジェン社
製))を添付のプロトコールに従って用いることにより
精製した。
【0183】次に、精製されたDNA断片の一部を制限
酵素KpnIとBglIIで消化し、70℃で15分間
保温して酵素を失活させた。一方、ルシフェラーゼ発現
ベクターpGL3−Basic(プロメガ社製)を同様
にKpnIとBglIIで消化し、末端をウシ小腸アル
カリホスファターゼ(東洋紡(株)社製)を用いて脱リ
ン酸化した後、上記DNA断片とDNAライゲーション
キット(バージョン2、宝酒造(株)社製)を用いて連
結した。このDNAで大腸菌DH5αのコンピテント細
胞(東洋紡(株)社製)を形質転換し、アンピシリン耐
性のコロニーを得た。
【0184】いくつかのコロニーの培養菌体からプラス
ミドを抽出して、制限酵素KpnIとBglIIで二重
切断処理し、約1.7kbpと約4.8kbpの断片が
生じることを指標として、マウスカテプシンK遺伝子の
5’末端側上流域DNA(配列表の配列番号27)が挿
入されたプラスミドDNAを取得した。このプラスミド
をpGL3−mCTSK−1.7と命名した。このプラ
スミドを保有する形質転換大腸菌を50μg/mlのア
ンピシリンを含む100mlの液体LB培地中で、37
℃で一晩培養し、この培養液から、プラスミド抽出精製
キット(エンドフリー・プラスミド・マキシ・キット
(キアジェン社製))を用いてpGL3−mCTSK−
1.7 DNAを回収し、精製した。
【0185】b)プラスミドpGL3−mTRAP−
1.9の構築 GenBankデータベースにマウスTRAP遺伝子
5’末端として登録されているゲノム配列(登録番号:
M85212)を参考にして、PCRプライマーとし
て、下記のヌクレオチド配列: 5'- atggtacccgggtctcccttaactcctgggactctg -3' (配
列表の配列番号24);および 5'- gtctctagatctgtgaggaagagagggagttcaga -3' (配列
表の配列番号25) を有するオリゴヌクレオチドを合成した。
【0186】上記各プライマー(終濃度各0.2μM)
と、25μlのワンショットLAPCRミックス(宝酒
造(株)社製)、実施例8のa)で得られたマウス染色
体DNA 1μgに滅菌水を加えて全量50μlとし、
以下の条件でPCRを行った。94℃で2分間加熱した
後、98℃で20秒、68℃で2分30秒の温度サイク
ルを30回繰り返してから、72℃10分加熱し、4℃
で保存した。この反応物を0.8%アガロースゲル(ギ
ブコ・ビーアールエル社製)で電気泳動した。電気泳動
後のゲルを臭化エチジウムで染色した後、紫外線照射下
で約1.9kbpに相当するバンド部分を剃刀刃を用い
て分離した。このゲル中に含まれるDNAを抽出精製キ
ット(QIAquick Gel Extraction Kit)を添付のプロト
コールに従って用いることにより精製した。
【0187】次に、精製されたDNA断片の一部を制限
酵素KpnIとBglIIで消化し、70℃で15分間
保温して酵素を失活させた。一方、ルシフェラーゼ発現
ベクターpGL3−Basic(プロメガ社製)を同様
にKpnIとBglIIで消化し、末端をウシ小腸アル
カリホスファターゼ(東洋紡(株)社製)を用いて脱リ
ン酸化したものを、精製キット(QIAquick PCR Purific
ation Kit)を添付のプロトコールにしたがって用いる
ことにより精製した。このpGL3−BasicのKp
nI−BglII消化物と上記DNA断片とをDNAラ
イゲーションキット(バージョン2、宝酒造(株)社
製)を用いて連結した。このDNAで大腸菌DH5αの
コンピテント細胞(東洋紡(株)社製)を形質転換し、
アンピシリン耐性のコロニーを得た。いくつかのコロニ
ーの培養菌体からプラスミドを抽出して制限酵素Kpn
IとBglIIで二重切断処理し、約1.9kbpと約
4.8kbpの断片が生じることを指標として、マウス
TRAP遺伝子5’末端側上流域DNA(配列表の配列
番号26。GenBankデータベースの登録番号M8521
2に示される配列上で、atg開始コドンのヌクレオチドa
を+1とした時の−1846〜+2に相当するが、完全
に同一ではなく挿入配列が存在する)が挿入されたプラ
スミドDNAを取得し、このプラスミドをpGL3−m
TRAP−1.9と命名した。このプラスミドを保有す
る形質転換大腸菌を50μg/mlのアンピシリンを含
む100mlの液体LB培地中で、37℃で一晩培養
し、この培養液から、エンドフリー・プラスミド・マキ
シ・キット(キアジェン社製)を用いてpGL3−mT
RAP−1.9 DNAを回収し、精製した。
【0188】実施例10. トランスフェクション法お
よびレポーターアッセイ RAW264.7細胞を、中角フラスコ(培養面積75
cm2:住友ベークライト(株)社製)で、10%ウシ
胎児血清およびペニシリン(100単位/ml)および
ストレプトマイシン(100μg/ml)を含むDME
M培地中、37℃で5%炭酸ガス下で培養した。セミコ
ンフルエントになるまで増殖させたRAW264.7細
胞に、PBS(−)を加えて、セルスクレーパー(住友
ベークライト社製)で細胞を掻きとって回収した。その
細胞を1×TBS(++)(実施例8のc)参照)に懸
濁して細胞数をカウントし、3×106個分ずつ15m
l遠心チューブに移し、遠心して細胞を回収した。一方
で、cDNA発現プラスミド 3μg、ホタルルシフェ
ラーゼ発現プラスミド 1μg、トランスフェクション
効率を補正するための内部標準としてウミシイタケルシ
フェラーゼ発現プラスミド(pRL−SV40:プロメ
ガ社製) 0.05μg、0.5mg/mlのDEAE
−デキストラン(プロメガ社製)を含む1×TBS(+
+)溶液 0.4mlを調製した。このDNA/DEA
E−デキストラン溶液で先の3×10 6個分の細胞を再
懸濁させ、10分おきに軽く攪拌しながら、30分間室
温でインキュベーションした。次いでこの細胞を5ml
の1×TBS(++)添加により希釈し、遠心すること
により回収し、5mlの10%ウシ胎児血清を含むDM
EM培地に懸濁して、96穴プレート(コーニング社
製)に、0.1ml/ウエルとなるように蒔いた。37
℃で一晩培養してから、培地のみ、または培地で希釈し
たGST−mODF(終濃度100ng/ml)を10
μlずつ加えて、37℃でさらに24時間培養し、細胞
を100μlのPBS(−)で2回洗浄後、50μlの
細胞溶解剤(Passive Lysis Buffer:プロメガ社製)に
溶解して、細胞抽出液を調製した。そして、そのうちの
10μlを用いて、ルシフェラーゼ活性検出用試薬キッ
ト(デュアル・ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ
・システム:プロメガ社製)を、キット添付のプロトコ
ールに従って用いることにより発光量測定用試料を調製
し、各試料におけるホタルおよびウミシイタケルシフェ
ラーゼ活性による化学発光を、ルミノスキャン(ラボシ
ステムズ社製)にて測定した。細胞抽出液中のタンパク
質濃度は、タンパク質濃度測定用試薬(バイオ−ラッド
・プロテイン・アッセイ:バイオ−ラッド社製)を用い
て測定した。なお、測定したホタルルシフェラーゼ活性
は、トランスフェクションしてから一晩培養した細胞の
一部を用いて測定したウミシイタケルシフェラーゼ活性
によりトランスフェクション効率の補正を行い、さらに
各細胞抽出液中のタンパク質濃度で標準化した。
【0189】実施例11. マウスおよびヒトjdp−
2のカテプシンKおよびTRAPプロモーター促進活性
の測定 a)jdp−2のカテプシンKおよびTRAPプロモー
ター促進作用 RAW264.7細胞に、実施例10記載の方法にした
がって、マウスjdp−2発現プラスミド(実施例3で
得られたpCR3.1−A574(1.8k))、ホタ
ルルシフェラーゼ発現プラスミド(実施例8のpGL3
−mCTSK−1.7またはpGL3−mTRAP−
1.9)およびトランスフェクション効率を補正するた
めの内部標準として利用するウミシイタケルシフェラー
ゼ発現プラスミド(pRL−SV40)をコトランスフ
ェクションした。次いで、無刺激の細胞もしくはGST
−mODFにより刺激された細胞におけるホタルルシフ
ェラーゼ活性を測定した。なお、pCR3.1−A57
4(1.8k)の対照としては、マウスjdp−2 c
DNAを挿入していないpCR3.1ベクターを用い
た。
【0190】その結果、マウスjdp−2 cDNAを
挿入していないpCR3.1ベクターを導入した細胞を
GST−mODF刺激すると、カテプシンKおよびTR
APプロモーターの活性化が認められた(図4)。すな
わち、このようなレポーターアッセイにより、RAW2
64.7細胞におけるGST−mODF刺激による破骨
細胞化の応答を見ることができた。このような実験条件
下、マウスjdp−2発現ベクターを導入した場合に
は、GST−mODF刺激なしにカテプシンKおよびT
RAPプロモーターの強い活性化が認められた(図
4)。そして、GST−mODF刺激を加えた場合に
は、さらに著明な両プロモーター活性の促進が認められ
た(図4)。
【0191】一方、ヒトjdp−2発現プラスミド(実
施例7のpCR3.1−hjdp−2)を用いて同様の
実験を行った結果、マウスjdp−2と類似のカテプシ
ンKおよびTRAPプロモーター活性化作用が見出され
た(図5)。
【0192】以上の結果より、マウスおよびヒトjdp
−2は、RAW264.7細胞において、カテプシンK
およびTRAPプロモーターの活性化作用を有すること
が明らかとなった。
【0193】b)マウスjdp−2のN‐末端欠失変異
体のカテプシンKおよびTRAPプロモーター促進作用 マウスjdp−2のN−末端欠失変異体の有するカテプ
シンKおよびTRAPプロモーター促進活性について検
討した。C末端にHAタグを付加した全長のマウスjd
p−2発現プラスミド(実施例4のpCR3.1−mj
dp−2(1−163)HA)には、HAタグ無しの場
合と同様の活性があることが判明したので、jdp−2
としてのN末端を欠失した変異体の活性を評価した。
【0194】その結果、マウスjdp−2の、N末端か
ら45番目までのアミノ酸配列を欠く、46−163番
目までのアミノ酸を発現するように構築されたpCR
3.1−mjdp−2(46−163)HAを導入した
場合には、全長のものを導入した場合と同程度のカテプ
シンKおよびTRAPプロモーター活性化作用が認めら
れたのに対し、同じく110−163番目までのアミノ
酸配列を発現するように構築されたpCR3.1−mj
dp−2(110−163)HAを導入した場合には、
そのような効果がほぼ消失した(図6)。
【0195】以上の結果より、N−末端の45アミノ酸
を欠くマウスjdp−2は、野生型と同程度のカテプシ
ンKおよびTRAPプロモーター活性化作用を有してい
ること、そして、その活性に必要な領域がN末端から4
6から109番目までのアミノ酸の間に存在することが
明らかとなった。
【0196】
【発明の効果】 以上のように、本発明により骨粗鬆
症、慢性関節リウマチにおける骨破壊、ガン細胞の骨転
移と骨破壊等を含む種々の骨代謝疾患の治療または予防
剤を試験するための新規な方法および該方法において用
いられる核酸プローブ、プライマーおよび抗体が提供さ
れた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ノーザンブロット解析の結果を表す図。「No
ne」はGST−mODF未添加の細胞を、「sODF」
はGST−mODFを添加した細胞をそれぞれ表す。
【図2】 マウスjdp−2を発現させたCOS−1細
胞抽出液のウエスタンブロット解析の結果を表す図。
「Empty」はjdp−2 cDNAを含まないネガティ
ブコントロールプラスミドpCR3.1ベクターのみを
トランスフェクションした細胞抽出液のレーンを、「mo
use jdp-2(1-163)HA」はpCR3.1−mjdp−2
(1−163)HAプラスミドをトランスフェクション
した細胞抽出液のレーンをそれぞれ表す。
【図3】 マウスjdp−2を発現させたRAW26
4.7細胞抽出液のウエスタンブロット解析の結果を表
す図。「C」のレーンは細胞質画分を、「N」のレーン
は核画分をそれぞれ表す。
【図4】 マウスjdp−2のカテプシンK(CTS
K)およびTRAPプロモーター促進作用を調べるため
のレポーターアッセイの結果を表す図。縦軸は、ルシフ
ェラーゼ活性の相対値を表す。
【図5】 ヒトjdp−2のカテプシンK(CTSK)
およびTRAPプロモーター促進作用を調べるためのレ
ポーターアッセイの結果を表す図。
【図6】 マウスjdp−2のN‐末端欠失変異体(1
−163、46−163および131−163)の、カ
テプシンK(CTSK)およびTRAPプロモーター促
進作用を調べるためのレポーターアッセイの結果を表す
図。
【配列表フリーテキスト】
配列番号5:マウス破骨細胞分化因子をコードするcD
NAを増幅するためのPCRプライマー 配列番号6:マウス破骨細胞分化因子をコードするcD
NAを増幅するためのPCRプライマー 配列番号7:グルタチオン−S−トランスフェラーゼお
よびマウス破骨細胞分化因子からなる融合タンパク質 配列番号8:分子インデックス法のためのPCRプライ
マー 配列番号9:分子インデックス法のためのPCRプライ
マー 配列番号11:ジーントラッパー法のためのオリゴヌク
レオチドプローブ 配列番号12:ジーントラッパー法におけるコロニーP
CRのためのプライマー 配列番号13:全長マウスjdp−2をコードするDN
A断片を増幅するためのPCRプライマー 配列番号14:欠失型マウスjdp−2をコードするD
NA断片を増幅するためのPCRプライマー 配列番号15:欠失型マウスjdp−2をコードするD
NA断片を増幅するためのPCRプライマー 配列番号16:HAタグを有する全長または欠失型マウ
スjdp−2をコードするDNA断片を増幅するための
PCRプライマー 配列番号18:ジーントラッパー法のためのオリゴヌク
レオチドプローブ 配列番号19:ジーントラッパー法におけるコロニーP
CRのためのプライマー 配列番号20:ヒトjdp−2をコードするDNA断片
を増幅するためのPCRプライマー 配列番号21:抗jdp−2抗体を取得するためのオリ
ゴペプチド抗原 配列番号22:マウスカテプシンKプロモーターDNA
断片を増幅するためのPCRプライマー 配列番号23:マウスカテプシンKプロモーターDNA
断片を増幅するためのPCRプライマー 配列番号24:マウスTRAPプロモーターDNA断片
を増幅するためのPCRプライマー 配列番号25:マウスTRAPプロモーターDNA断片
を増幅するためのPCRプライマー
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Sankyo Company, Limited <120> Novel Method for Development of Anti-osteoporotic Drugs <130> 2000130SS <140> <141> <160> 27 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 1664 <212> DNA <213> Mus musculus <220> <221> CDS <222> (232)..(720) <400> 1 gcgggaggga cactcggcgg ccgcgacggg gggcgctggc ggcagcggac gctgcagcgg 60 cggcggcggg gctggcgccg cggcggctcc cgggccggga cgggcctggg cagcgggcgg 120 cagcagcgcg gagtgggcac cgcgcctgca gcagggttct gggcccgggg ccgccgcctc 180 cgccagcggc ttctgcacgc ccctccaggc cggcctgcca ctcctcctgc t atg atg 237 Met Met 1 cct ggg cag atc cca gac cct tca gtg acc gca ggc tct ctg cca ggg 285 Pro Gly Gln Ile Pro Asp Pro Ser Val Thr Ala Gly Ser Leu Pro Gly 5 10 15 ctc ggc ccc ctc acc gga ctt ccc agc tct gct ctg acc aca gag gag 333 Leu Gly Pro Leu Thr Gly Leu Pro Ser Ser Ala Leu Thr Thr Glu Glu 20 25 30 ctg aaa tac gct gac atc cgc aac att ggg gcg atg att gcg ccc ttg 381 Leu Lys Tyr Ala Asp Ile Arg Asn Ile Gly Ala Met Ile Ala Pro Leu 35 40 45 50 cac ttc ctg gag gtg aaa ctg ggc aag agg ccc caa ccc gtg aag agt 429 His Phe Leu Glu Val Lys Leu Gly Lys Arg Pro Gln Pro Val Lys Ser 55 60 65 gag cta gac gag gaa gaa gag cga agg aaa agg cgc cgg gaa aag aac 477 Glu Leu Asp Glu Glu Glu Glu Arg Arg Lys Arg Arg Arg Glu Lys Asn 70 75 80 aaa gtc gct gca gcc aga tgc cgg aac aag aag aag gaa cgc aca gag 525 Lys Val Ala Ala Ala Arg Cys Arg Asn Lys Lys Lys Glu Arg Thr Glu 85 90 95 ttt ctg cag agg gag tca gag cgg ctg gag ctc atg aac gca gag ctg 573 Phe Leu Gln Arg Glu Ser Glu Arg Leu Glu Leu Met Asn Ala Glu Leu 100 105 110 aag acg cag ata gag gag ctg aag ctg gag cgg caa cag ctt atc ctg 621 Lys Thr Gln Ile Glu Glu Leu Lys Leu Glu Arg Gln Gln Leu Ile Leu 115 120 125 130 atg ctc aac cgc cac cgc ccc acc tgc atc gtg cgc aca gat agc gtc 669 Met Leu Asn Arg His Arg Pro Thr Cys Ile Val Arg Thr Asp Ser Val 135 140 145 agg acg ccc gag tcc gaa ggc aac cca ctg ctg gag cag ctg gac aag 717 Arg Thr Pro Glu Ser Glu Gly Asn Pro Leu Leu Glu Gln Leu Asp Lys 150 155 160 aag tgactgaagg cctggaggag gcatcagagg aagaggagga aggggaggag 770 Lys cataaaagag aaagaggacg agcaaggtga cagagggccc ctcccaggca cgtgacaaac 830 tctatgatga ggcttagcat aactagcctc cagctggctc ttttttgaaa ctcagccctg 890 ccgcgcaaga gcaagagcgg actgaagaaa ccagagggac caggtgctga gaccaaggtt 950 gacccgcaga taggggctgt cccactccag ggcccagctt gaagagcacc tgagccagag 1010 aggtgccaaa ccaggtagta gcctcaggca ctcctttggc ctctctgcca agacccccac 1070 ccaggggact actgagcagc caagaaaagc catgcattgc aaacacagtg tggcccgcgg 1130 atggaactca gcatagactg caatccacct ccccagccct gcccaagccc agtggaaggg 1190 ggtgcactgt ggggctgcaa tggcccagct ggagttggct gcggcacaga ggcgcgggcg 1250 cccttccaaa gcacatactt aatcaatgaa tgtttacaga ctggctgtcc tggcggggct 1310 tccaactgca cacggttttt atactttctt tctttttctt tctttttttt tttaatattt 1370 tttacaaaaa aaaagatttt atacaagcaa tatatatata tatatatata tatatatata 1430 tggatttcta taatcactcg atgtgacaca gtacaaatat gctatggtct gttatggaca 1490 tccacccacc agttaaggcc attgtaattc ctaagtactg taggctctgg gtgttggggg 1550 gtggccaggc gggtgaggta catttccatc cttgtaaccc cttcctagta cccagtcctg 1610 tatcgttcag taaacattgc tcttaattac ccaaaaaaaa aaaaaaaaaa aaaa 1664 <210> 2 <211> 163 <212> PRT <213> Mus musculus <400> 2 Met Met Pro Gly Gln Ile Pro Asp Pro Ser Val Thr Ala Gly Ser Leu 1 5 10 15 Pro Gly Leu Gly Pro Leu Thr Gly Leu Pro Ser Ser Ala Leu Thr Thr 20 25 30 Glu Glu Leu Lys Tyr Ala Asp Ile Arg Asn Ile Gly Ala Met Ile Ala 35 40 45 Pro Leu His Phe Leu Glu Val Lys Leu Gly Lys Arg Pro Gln Pro Val 50 55 60 Lys Ser Glu Leu Asp Glu Glu Glu Glu Arg Arg Lys Arg Arg Arg Glu 65 70 75 80 Lys Asn Lys Val Ala Ala Ala Arg Cys Arg Asn Lys Lys Lys Glu Arg 85 90 95 Thr Glu Phe Leu Gln Arg Glu Ser Glu Arg Leu Glu Leu Met Asn Ala 100 105 110 Glu Leu Lys Thr Gln Ile Glu Glu Leu Lys Leu Glu Arg Gln Gln Leu 115 120 125 Ile Leu Met Leu Asn Arg His Arg Pro Thr Cys Ile Val Arg Thr Asp 130 135 140 Ser Val Arg Thr Pro Glu Ser Glu Gly Asn Pro Leu Leu Glu Gln Leu 145 150 155 160 Asp Lys Lys <210> 3 <211> 1555 <212> DNA <213> Homo sapiens <220> <221> CDS <222> (26)..(514) <400> 3 aggctggcct gccactcctc ctgct atg atg cct gga cag atc ccg gac cct 52 Met Met Pro Gly Gln Ile Pro Asp Pro 1 5 tcg gtg acc aca ggc tcc ctg cca ggg ctt ggc ccc ctg acc ggg ctc 100 Ser Val Thr Thr Gly Ser Leu Pro Gly Leu Gly Pro Leu Thr Gly Leu 10 15 20 25 ccc agc tcg gcc ctg act gtg gag gag ctg aaa tac gct gac atc cgc 148 Pro Ser Ser Ala Leu Thr Val Glu Glu Leu Lys Tyr Ala Asp Ile Arg 30 35 40 aac ctc ggg gcc atg att gca ccc ttg cac ttc ctg gag gtg aaa ctg 196 Asn Leu Gly Ala Met Ile Ala Pro Leu His Phe Leu Glu Val Lys Leu 45 50 55 ggc aag agg ccc cag ccc gtg aaa agt gag cta gat gag gaa gag gag 244 Gly Lys Arg Pro Gln Pro Val Lys Ser Glu Leu Asp Glu Glu Glu Glu 60 65 70 cga agg aaa agg cgc cgg gag aag aac aaa gtc gca gca gcc cga tgc 292 Arg Arg Lys Arg Arg Arg Glu Lys Asn Lys Val Ala Ala Ala Arg Cys 75 80 85 cgg aac aag aag aag gag cgc acg gag ttt ctg cag cgg gaa tcc gag 340 Arg Asn Lys Lys Lys Glu Arg Thr Glu Phe Leu Gln Arg Glu Ser Glu 90 95 100 105 cgg ctg gaa ctc atg aac gca gag ctg aag acc cag att gag gag ctg 388 Arg Leu Glu Leu Met Asn Ala Glu Leu Lys Thr Gln Ile Glu Glu Leu 110 115 120 aag cag gag cgg cag cag ctc atc ctg atg ctg aac cga cac cgc ccc 436 Lys Gln Glu Arg Gln Gln Leu Ile Leu Met Leu Asn Arg His Arg Pro 125 130 135 acc tgc atc gtc cgg acc gac agt gtc aag acc ccc gag tca gaa ggc 484 Thr Cys Ile Val Arg Thr Asp Ser Val Lys Thr Pro Glu Ser Glu Gly 140 145 150 aac cca ctg ctc gag cag ctc gag aag aag tgaccatggg ctgggaggag 534 Asn Pro Leu Leu Glu Gln Leu Glu Lys Lys 155 160 gtggaggagg aggaagagga gaaggaaaag tgacgaagag agaggaggag gggggcccca 594 gatggccctt cctttggtgc atgaaaaact gtacaatgag gttcagcaca gccagcatca 654 gccgagcttt tttgtgaaac tcagatcagc cacccaggag gaagagcggg ctgaggaaac 714 ccagagggac caagcgctga gaccaaagtt gaccctcggg tagggttgtc ctgcctgggg 774 ccccactttg aaggaggcag gacagaggca ccgaggccag ggagacgccc aacgaggcag 834 ccctgggctc ttctctggcc tcctcaccag ggcacccatc caaggaacct ccgaacagcc 894 aggaaaagcc atgagttgca accaaaacgc ggctgaggat ggaactcaga atgaaactgc 954 aacccacctg cccccagccc tgcccctcgc cctgatgcga agctggagag gggcgtgctg 1014 cggggccctg atgcccccac ccacctcggt ccagcgcggc cctgcccagg aggcggcagc 1074 cgggcgcacc ctcgccagcc ctgctggagt ttgctgtggg cactgaggcg cgggcgccct 1134 tccaaagcac atactcaccg aatgtttaca gactggctgt cctggcaggg ctttcaactg 1194 cacatgtttt ttatactttc cttttttttt ttttttttaa tattttttac aaaaaaaaag 1254 attttataca agcaatatat atatggattt ctataatcac tcgatgtgat acagtataaa 1314 tatgctatgg tttgtttgtt atgaacagat agccaccagt tacggccgtt gtgtgtaact 1374 cctaagtact gtagtctctg ggtgtcgggg gtggccaggg cgggggcggg gtgcatttcc 1434 atccttgtaa acccttcata gtactcagtc ctgtatcgct cagtaaacat tgctcttact 1494 taaaaaaaaa aaaaaaaaaa aaaaaaaaaa aaaaaaaaaa aaaaaaaaaa aaaaaaaaaa 1554 a 1555 <210> 4 <211> 163 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 4 Met Met Pro Gly Gln Ile Pro Asp Pro Ser Val Thr Thr Gly Ser Leu 1 5 10 15 Pro Gly Leu Gly Pro Leu Thr Gly Leu Pro Ser Ser Ala Leu Thr Val 20 25 30 Glu Glu Leu Lys Tyr Ala Asp Ile Arg Asn Leu Gly Ala Met Ile Ala 35 40 45 Pro Leu His Phe Leu Glu Val Lys Leu Gly Lys Arg Pro Gln Pro Val 50 55 60 Lys Ser Glu Leu Asp Glu Glu Glu Glu Arg Arg Lys Arg Arg Arg Glu 65 70 75 80 Lys Asn Lys Val Ala Ala Ala Arg Cys Arg Asn Lys Lys Lys Glu Arg 85 90 95 Thr Glu Phe Leu Gln Arg Glu Ser Glu Arg Leu Glu Leu Met Asn Ala 100 105 110 Glu Leu Lys Thr Gln Ile Glu Glu Leu Lys Gln Glu Arg Gln Gln Leu 115 120 125 Ile Leu Met Leu Asn Arg His Arg Pro Thr Cys Ile Val Arg Thr Asp 130 135 140 Ser Val Lys Thr Pro Glu Ser Glu Gly Asn Pro Leu Leu Glu Gln Leu 145 150 155 160 Glu Lys Lys <210> 5 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: PCR primer to amplify a cDNA encoding mouse osteoclast differentiation factor <400> 5 gtgcccgggc agcgcttctc agg 23 <210> 6 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: PCR primer to amplify a cDNA encoding mouse osteoclast differentiation factor <400> 6 catcccgggt cagtctatgt cctgaact 28 <210> 7 <211> 409 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: a fusion protein consisting of a glutathione-S-transferase and a mouse osteoclast differentiation factor <400> 7 Met Ser Pro Ile Leu Gly Tyr Trp Lys Ile Lys Gly Leu Val Gln Pro 1 5 10 15 Thr Arg Leu Leu Leu Glu Tyr Leu Glu Glu Lys Tyr Glu Glu His Leu 20 25 30 Tyr Glu Arg Asp Glu Gly Asp Lys Trp Arg Asn Lys Lys Phe Glu Leu 35 40 45 Gly Leu Glu Phe Pro Asn Leu Pro Tyr Tyr Ile Asp Gly Asp Val Lys 50 55 60 Leu Thr Gln Ser Met Ala Ile Ile Arg Tyr Ile Ala Asp Lys His Asn 65 70 75 80 Met Leu Gly Gly Cys Pro Lys Glu Arg Ala Glu Ile Ser Met Leu Glu 85 90 95 Gly Ala Val Leu Asp Ile Arg Tyr Gly Val Ser Arg Ile Ala Tyr Ser 100 105 110 Lys Asp Phe Glu Thr Leu Lys Val Asp Phe Leu Ser Lys Leu Pro Glu 115 120 125 Met Leu Lys Met Phe Glu Asp Arg Leu Cys His Lys Thr Tyr Leu Asn 130 135 140 Gly Asp His Val Thr His Pro Asp Phe Met Leu Tyr Asp Ala Leu Asp 145 150 155 160 Val Val Leu Tyr Met Asp Pro Met Cys Leu Asp Ala Phe Pro Lys Leu 165 170 175 Val Cys Phe Lys Lys Arg Ile Glu Ala Ile Pro Gln Ile Asp Lys Tyr 180 185 190 Leu Lys Ser Ser Lys Tyr Ile Ala Trp Pro Leu Gln Gly Trp Gln Ala 195 200 205 Thr Phe Gly Gly Gly Asp His Pro Pro Lys Ser Asp Leu Ile Glu Gly 210 215 220 Arg Gly Ile Pro Gly Gln Arg Phe Ser Gly Ala Pro Ala Met Met Glu 225 230 235 240 Gly Ser Trp Leu Asp Val Ala Gln Arg Gly Lys Pro Glu Ala Gln Pro 245 250 255 Phe Ala His Leu Thr Ile Asn Ala Ala Ser Ile Pro Ser Gly Ser His 260 265 270 Lys Val Thr Leu Ser Ser Trp Tyr His Asp Arg Gly Trp Ala Lys Ile 275 280 285 Ser Asn Met Thr Leu Ser Asn Gly Lys Leu Arg Val Asn Gln Asp Gly 290 295 300 Phe Tyr Tyr Leu Tyr Ala Asn Ile Cys Phe Arg His His Glu Thr Ser 305 310 315 320 Gly Ser Val Pro Thr Asp Tyr Leu Gln Leu Met Val Tyr Val Val Lys 325 330 335 Thr Ser Ile Lys Ile Pro Ser Ser His Asn Leu Met Lys Gly Gly Ser 340 345 350 Thr Lys Asn Trp Ser Gly Asn Ser Glu Phe His Phe Tyr Ser Ile Asn 355 360 365 Val Gly Gly Phe Phe Lys Leu Arg Ala Gly Glu Glu Ile Ser Ile Gln 370 375 380 Val Ser Asn Pro Ser Leu Leu Asp Pro Asp Gln Asp Ala Thr Tyr Phe 385 390 395 400 Gly Ala Phe Lys Val Gln Asp Ile Asp 405 <210> 8 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: PCR primer for molecular indexing <400> 8 gtacatattg tcgttagaac gc 22 <210> 9 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: PCR primer for molecular indexing <400> 9 ggatcctttt tttttttttt tta 23 <210> 10 <211> 75 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 10 aattaagagc aatgtttact gaacgataca ggactgggta ctaggaaggg gttacaagga 60 tggaaatgta cctca 75 <210> 11 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Oligonucleotide probe for the "GeneTrapper" method <400> 11 tccacccacc agttaaggcc att 23 <210> 12 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Primer for the coloney PCR in the "GeneTrapper" method <400> 12 taggaagggg ttacaaggat gga 23 <210> 13 <211> 38 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: PCR primer to amplify a DNA fragment encoding a full-length mouse jdp-2 <400> 13 atgctagcgg cctgccactc ctcctgctat gatgcctg 38 <210> 14 <211> 38 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: PCR primer to amplify a DNA fragment encoding a truncated mouse jdp-2 <400> 14 atgctagcgg ctcggccccc tcaccggact tcccagct 38 <210> 15 <211> 38 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: PCR primer to amplify a DNA fragment encoding a truncated mouse jdp-2 <400> 15 atgctagctt ctgcagaggg agtcagagcg gctggagc 38 <210> 16 <211> 56 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: PCR primer to amplify DNA fragments encoding full-length or truncated mouse jdp-2 with HA tag <400> 16 tactcgagtc atgcatagtc tggaacgtcg taaggatact tcttgtccag ctgctc 56 <210> 17 <211> 489 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 17 atgatgcctg gacagatccc ggacccttcg gtgaccacag gctccctgcc agggcttggc 60 cccctgaccg ggctccccag ctcggccctg actgtggagg agctgaaata cgctgacatc 120 cgcaacctcg gggccatgat tgcacccttg cacttcctgg aggtgaaact gggcaagagg 180 ccccagcccg tgaaaagtga gctagatgag gaagaggagc gaaggaaaag gcgccgggag 240 aagaacaaag tcgcagcagc ccgatgccgg aacaagaaga aggagcgcac ggagtttctg 300 cagcgggaat ccgagcggct ggaactcatg aacgcagagc tgaagaccca gattgaggag 360 ctgaagcagg agcggcagca gctcatcctg atgctgaacc gacaccgccc cacctgcatc 420 gtccggaccg acagtgtcaa gacccccgag tcagaaggca acccactgct cgagcagctc 480 gagaagaag 489 <210> 18 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Oligonucleotide probe for the "GeneTrapper" method <400> 18 cagctcggcc ctgactgtgg ag 22 <210> 19 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Primer for the coloney PCR in the "GeneTrapper" method <400> 19 gcggtgtcgg ttcagcatca g 21 <210> 20 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: PCR primer to amplify a DNA fragment encoding human jdp-2 <400> 20 cccgaattca ctcacaagcc catggtca 28 <210> 21 <211> 16 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Oligopeptide antigen to obtain anti-jdp-2 antibody <400> 21 Cys Val Lys Leu Gly Lys Arg Pro Gln Pro Val Lys Ser Glu Leu Asp 1 5 10 15 <210> 22 <211> 36 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: PCR primer to amplify a mouse cathepsin K promoter DNA fragment <400> 22 atggtacctc gactcgatct gggctctctc tactca 36 <210> 23 <211> 35 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: PCR primer to amplify a mouse cathepsin K promoter DNA fragment <400> 23 taagatctgt gagcggaaga ctaagggtgc tagat 35 <210> 24 <211> 36 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: PCR primer to amplify a mouse TRAP promoter DNA fragment <400> 24 atggtacccg ggtctccctt aactcctggg actctg 36 <210> 25 <211> 35 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: PCR primer to amplify a mouse TRAP promoter DNA fragment <400> 25 gtctctagat ctgtgaggaa gagagggagt tcaga 35 <210> 26 <211> 1857 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 26 cccgggtctc ccttaactcc tgggactctg aaccttggag gcgaggcgca ggtaatggct 60 gaggcaggat tggggcgggg aaaccgaggc acccgccctc tgcaactctg gactctgtag 120 ggcaggcagg gagccgtggg cgaaggctgg cccgcgccgc ctcttcccaa ctcgtgcagc 180 ccggagcgac ccgccgcgaa tccgcagctc agttgggtag cacagcttgt cctggaccca 240 ccgccaaggt gagactcgcc cgccaggccc ttgctctgcc tcccacgggg gagggggtct 300 ctgtctgttg gggccacccc acttccttcc tgttcgcctc tactgagagg tgcgagtggg 360 gaatgcaagg caaactcttc gctgggtgac ctggggtgag tcgctgaccc tctctgagcc 420 tttatgcaaa gcacggaacg agagattcca gaatccgagc ttgcagggac cggaggggtt 480 ggtggtgagt gttcaaggaa ggagtctgga aagattgggc ggcttgtgaa gttaaggagg 540 gaggggagga ggtgggaagc tggccacacc caccacagcg ctgggctctg cggtcgaaac 600 agcctgcagc tgactgctgt aggtgccaag gtcaaaaggc tacagccagc cacgtggtgt 660 gtgccttctg gaagttcctt aggctggaaa ccgggtgtgg gaaaggccat ggaagagtgt 720 ggacagaact tcctggaaaa ggcagttatt gctgctgttt atgatggcga gggggaactc 780 ggagacagtc ccacacttag atgactccag atacacaatt tgcactagga cttacaaaac 840 acagaggaga cagggggctg ttacatgggc gccacagagg aattatttag gcctgtaatt 900 ccaacacttg gaagtggctc atctttggct acccagggag gaagttaggg atagcctggg 960 cttcttgaga cactgtctca aaacaaaaac aaaaaaaaaa aaataattgg agtgtatgtc 1020 acaggcaagc cactgaggtt cccatgctag agtcgagaca cccacccaga aaaagtgaca 1080 gcgagttaca gacagccaag ggtgtgaaaa cacagacgtt cagcctagaa cagcctcagt 1140 gcagtgaaca gtcaaactcg ggacctacag atgcccagta cacattacca tcagaccctg 1200 gctgactgtg ctggcttcga gaaacttttc acggctcagt ctggcctggg tgcccccgcc 1260 ccagccccat ttccagttct ggggaagtcc agtgctcaca tgacccaagg ggagggcttc 1320 tggacaatcc tcggagaaaa tgcatcatct ttcccaatga tgcacttctg ccccagagaa 1380 taaagactcg gtgatcaccg cttttggtcc aggagcttaa ctgcctcttg cagcctctct 1440 gaccacctgt gcttcctcca gggtaagtgt cagaggagcg aggtggaaga ggcctgtggg 1500 ggccaccttc ccagctcctc agctccttgc aggcccaatt gctactggtg tgtctgtgga 1560 actgacggct gtagatggct agggtgtgtg tgtgtgtgtg tgtgtgtgtg tgtgtgtgtc 1620 ttaagaccgg tcttatgtct ttatctcaga ctttctgttt ccatttttca aacttcccaa 1680 tgtagctgag gctggccttg aacttctggt ccagttgctc cacctccatg gtagtgcctg 1740 agtttatagg catgcaccgt gagaccaggc tcagcgggct agtctttctt tgcttggacc 1800 agggtctcgc tctctgtcct caccagagac tctgaactcc ctctcttcct cacagat 1857 <210> 27 <211> 1675 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 27 tcgactcgat ctgggctctc tctactcagg tggtacattg agatcctggg gtctagaaat 60 cctggggtct gtgccaggaa tccagctagg aactgaatct atatttgtgg taatatcctt 120 tgtgcttcac agtccctcat ttcctaattc ctcacatgtg tttatggaag taaatggagt 180 ttagggtgtg gttggccaag tcagactctt atgatctgtc acatgcctgg attttgggga 240 agcgcttgga gactcttgta actggaccta gtttgggatt ttaatgattg agatgcagta 300 ctcatcagac attctaccac ccgagagtct agcagtagag tcccacgtgt atccattaat 360 gtagattcaa gtgttgtaaa taattaggtg ctacattggg tcagttgtct ttccttactg 420 tcatgttggg tgttgatcct tgggcctcat aatgttagga aagcccacca ccgctgagtc 480 atgttcctca accctctttt agctttttgt aaattacttt tatcctccat ttaagcaact 540 agaatctttt tgtaaagttt atgtatatga gtacactatc tctgtcttca gacacaccag 600 aagagggtat cagatcccat tacagatggt tttgagccac catgtggttg ctgggaattg 660 aacttaggac ctctggaaga ataggcagtg cttttaactg ctgagccatc tccctggccc 720 tgtagggcat ttcttagtgg ttgatgggag agagcccagc tcactgtgga tggtgccatt 780 cctgggctgg tgccccagcc gttgttattt ttagacagga tctcactaaa ttgcctagag 840 taggttgacc ttgaaagtaa gttcttactt agagacgtct cactgtatgg ctctggctga 900 ctttggactc actctgtaga ctgttgtggc attgacctca cagagaacca tccacccctg 960 ccatccagtg tgtatgttga ggggacagag gtgtgcccat agccagtgat ggctttgctt 1020 tagcttcctg aatatctggg attactgcac tgtctcacac acgtgacttt ctggccactt 1080 ttgaaccatc tcacctggac tttgtgggca gctcctccct tgatgtacag ccataatggg 1140 ttagaaaaac tactccatgc ccagaagcag ttaatagcaa acagtcacaa aacggtttta 1200 aatgtttaaa ttagagcctt acatttctag cctttcctcc cctctccctc actccacccc 1260 catcatctca gaagaggatc tgacacaacg ttggaaatgg tgcagagtaa ggaggtgggt 1320 cagaactaga tgagttgaaa agatggaaat tgccagtcag acattttgag gaagaatgga 1380 gacaactagg gctgtgttct taaatctccc accaaagtct caatttgaat attgtgctat 1440 cttatttttg ccccccaaag tcagtcagat gaaactaaac acttagcagc tatccacact 1500 ggcatatgat actgtataca cacattgtgc aaatgtgtgt ccttcctccc taacccctcc 1560 tccttttcat cctatccctg actccctccc ttatccagat tttccagcca ctgctggagt 1620 tgacttccgc aatccttacc gaataaatct agcaccctta gtcttccgct cacag 1675
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/68 G01N 33/15 Z G01N 33/15 33/50 Z 33/50 X 33/53 D 33/53 C12P 21/08 // C12P 21/08 C12N 15/00 ZNAA (72)発明者 大塚 敏明 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (72)発明者 高橋 亘 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 Fターム(参考) 2G045 AA34 AA35 BB10 BB14 BB20 BB29 BB41 BB46 BB50 BB51 CB01 DA13 DA14 DA36 FB02 FB03 FB05 FB07 4B024 AA11 CA04 CA07 CA09 CA12 CA20 DA02 DA06 EA04 FA02 GA11 GA18 HA12 4B063 QA01 QA05 QQ08 QQ13 QQ22 QQ53 QQ79 QR32 QR33 QR35 QR48 QR56 QR60 QR62 QR80 QS25 QS33 QS34 QX02 4B064 AG26 AG27 AG31 CA10 CA20 CC24 DA13 4H045 AA10 AA11 AA30 BA10 CA40 DA75 DA76 DA86 EA50 FA71 FA72 FA73 FA74 HA05

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物質の、骨粗鬆症もしくは関節リウマチ
    の治療または予防剤としての効果を試験する方法であっ
    て、下記の工程: 1)培養細胞を被検物質の存在下または非存在下で培養
    する; 2)上記1)の培養細胞における、下記のa)乃至e)
    のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列(ただし、配
    列中のtはuに読み替える)を有するmRNAの発現量
    を検出する: a)配列表の配列番号1のヌクレオチド番号232から
    720に示されるヌクレオチド配列; b)配列表の配列番号3のヌクレオチド番号26から5
    14に示されるヌクレオチド配列; c)形質転換大腸菌E.coli pUC18−A57
    4(1.8K) SANK 70600(FERM B
    P−7238)が保持するプラスミドにおいてpUC1
    8のマルチクローニングサイトに挿入されたDNAが有
    するヌクレオチド配列; d)形質転換大腸菌E.coli pUC18−hjd
    p−2 SANK 70700(FERM BP−72
    37)が保持するプラスミドにおいてpUC18のマル
    チクローニングサイトに挿入されたDNAが有するヌク
    レオチド配列; e)上記a)乃至d)のいずれか一つに記載のヌクレオ
    チド配列のアンチセンス配列を有するポリヌクレオチド
    とストリンジェントな条件でハイブリダイズし、破骨細
    胞前駆細胞から破骨細胞への分化を誘導する活性を有す
    るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;および 3)上記工程2)の結果、被検物質非存在下で培養した
    細胞と、被検物質存在下で培養した細胞との間で、検出
    されたmRNAの発現量を比較する;を含む方法。
  2. 【請求項2】 培養細胞が破骨細胞前駆細胞であること
    を特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 培養細胞が霊長類または齧歯類動物由来
    であることを特徴とする、請求項1または2記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 培養細胞がヒトまたはマウス由来である
    ことを特徴とする、請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか一つに記載の
    方法において、mRNAの発現量を検出する方法がノー
    ザンブロット、ドットブロットまたはスロットブロット
    であることを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれか一つに記載の
    方法において、mRNAの発現量を検出する方法がRT
    −PCRであることを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至4のいずれか一つに記載の
    方法において、mRNAの発現量を検出する方法がリボ
    ヌクレアーゼ保護アッセイであることを特徴とする方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至4のいずれか一つに記載の
    方法において、mRNAの発現量を検出する方法がラン
    オン・アッセイであることを特徴とする方法。
  9. 【請求項9】 下記のa)またはb)記載のDNA: a)配列表の配列番号1の配列表の配列番号1のヌクレ
    オチド番号232から720に示されるヌクレオチド配
    列からなるDNA、または該ヌクレオチド配列の一方ま
    たは両方の末端が1ヌクレオチドもしくは2ヌクレオチ
    ド以上欠失した、少なくとも15ヌクレオチドからなる
    DNA; b)配列表の配列番号3のヌクレオチド番号26から5
    14に示されるヌクレオチド配列からなるDNA、また
    は該ヌクレオチド配列の一方または両方の末端が1ヌク
    レオチドもしくは2ヌクレオチド以上欠失した、少なく
    とも15ヌクレオチドからなるDNA。
  10. 【請求項10】 配列表の配列番号1の配列表の配列番
    号1のヌクレオチド番号1から1642に示されるヌク
    レオチド配列または配列表の配列番号3のヌクレオチド
    番号1から1495に示されるヌクレオチド配列中の連
    続した15乃至30ヌクレオチドからなるヌクレオチド
    配列のアンチセンス配列からなるDNAまたはRNA。
  11. 【請求項11】 物質の、骨粗鬆症もしくは関節リウマ
    チの治療または予防剤としての効果を試験する方法であ
    って、下記の工程: 1)培養細胞を被検物質の存在下または非存在下で培養
    する; 2)上記1)の培養細胞上清における、下記のa)乃至
    e)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列にコード
    されるアミノ酸配列またはその一部からなるポリペプチ
    ドの産生量を、該ポリペプチドを特異的に認識する抗体
    を用いて検出する: a)配列表の配列番号1のヌクレオチド番号232から
    720に示されるヌクレオチド配列; b)配列表の配列番号3のヌクレオチド番号26から5
    14に示されるヌクレオチド配列; c)形質転換大腸菌E.coli pUC18−A57
    4(1.8K) SANK 70600(FERM B
    P−7238)が保持するプラスミドにおいてpUC1
    8のマルチクローニングサイトに挿入されたDNAが有
    するヌクレオチド配列; d)形質転換大腸菌E.coli pUC18−hjd
    p−2 SANK 70700(FERM BP−72
    37)が保持するプラスミドにおいてpUC18のマル
    チクローニングサイトに挿入されたDNAが有するヌク
    レオチド配列; e)上記a)乃至d)のいずれか一つに記載のヌクレオ
    チド配列のアンチセンス配列を有するポリヌクレオチド
    とストリンジェントな条件でハイブリダイズし、破骨細
    胞前駆細胞から破骨細胞への分化を誘導する活性を有す
    るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;および 3)上記工程2)の結果、被検物質非存在下で培養した
    細胞と、被検物質存在下で培養した細胞との間で、検出
    されたポリペプチドの量を比較する;を含む方法。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の方法において、a)
    乃至e)のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列にコ
    ードされるアミノ酸配列またはその一部からなるポリペ
    プチドを特異的に認識する抗体が、配列表の配列番号2
    のアミノ酸番号1−163に示されるアミノ酸配列から
    なるポリペプチドまたはその一部、もしくは配列番号4
    のアミノ酸番号1から163に示されるアミノ酸配列か
    らなるポリペプチドまたはその一部を特異的に認識する
    ものであることを特徴とする方法。
  13. 【請求項13】 請求項11または12記載の方法にお
    いて、a)乃至e)のいずれか一つに記載のヌクレオチ
    ド配列にコードされるアミノ酸配列またはその一部から
    なるポリペプチドを特異的に認識する抗体が、配列表の
    配列番号21に示されるアミノ酸配列を特異的に認識す
    るものであることを特徴とする方法。
  14. 【請求項14】 請求項11乃至13のいずれか一つに
    記載の方法において、a)乃至e)のいずれか一つに記
    載のヌクレオチド配列にコードされるアミノ酸配列また
    はその一部からなるポリペプチドの産生量を該ポリペプ
    チドを特異的に認識する抗体を用いて検出する操作が、
    ウエスタンブロット、ドットブロットまたはスロットブ
    ロットであることを特徴とする方法。
  15. 【請求項15】 請求項11乃至14のいずれか一つに
    記載の方法において、a)乃至e)のいずれか一つに記
    載のヌクレオチド配列にコードされるアミノ酸配列また
    はその一部からなるポリペプチドの産生量を該ポリペプ
    チドを特異的に認識する抗体を用いて検出する操作が、
    固相酵素免疫定量法(ELISA法)または放射性同位
    元素免疫定量法(RIA法)であることを特徴とする方
    法。
  16. 【請求項16】 下記のa)乃至e)のいずれか一つに
    記載のヌクレオチド配列にコードされるアミノ酸配列ま
    たはその一部からなるポリペプチドを特異的に認識する
    抗体: a)配列表の配列番号1のヌクレオチド番号232から
    720に示されるヌクレオチド配列; b)配列表の配列番号3のヌクレオチド番号26から5
    14に示されるヌクレオチド配列; c)形質転換大腸菌E.coli pUC18−A57
    4(1.8K) SANK 70600(FERM B
    P−7238)が保持するプラスミドにおいてpUC1
    8のマルチクローニングサイトに挿入されたDNAが有
    するヌクレオチド配列; d)形質転換大腸菌E.coli pUC18−hjd
    p−2 SANK 70700(FERM BP−72
    37)が保持するプラスミドにおいてpUC18のマル
    チクローニングサイトに挿入されたDNAが有するヌク
    レオチド配列; e)上記a)乃至d)のいずれか一つに記載のヌクレオ
    チド配列のアンチセンス配列を有するポリヌクレオチド
    とストリンジェントな条件でハイブリダイズし、破骨細
    胞前駆細胞から破骨細胞への分化を誘導する活性を有す
    るポリペプチドをコードするヌクレオチド配列。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の抗体であって、配列
    表の配列番号21に示されるアミノ酸配列を特異的に認
    識することを特徴とする抗体。
  18. 【請求項18】 請求項16または17記載の抗体を含
    むことからなる、骨粗鬆症もしくは関節リウマチの治療
    または予防剤を試験するためのキット。
  19. 【請求項19】 破骨細胞前駆細胞から破骨細胞への分
    化を特異的に阻害する物質をスクリーニングする方法で
    あって、下記の(i)および(ii)の工程を含むこと
    を特徴とする方法: (i)予めカテプシンKプロモーター遺伝子または酒石
    酸耐性酸ホスファターゼ(以下「TRAP」という)プ
    ロモーター遺伝子の支配下にあり、該プロモーター活性
    の検出を可能ならしめる遺伝子(以下「マーカー遺伝
    子」という)と、配列表の配列番号2のアミノ酸番号1
    から163に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチ
    ドまたは配列番号4のアミノ酸番号1から163に示さ
    れるアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードする遺
    伝子とで形質転換された培養細胞を、被検物質を添加し
    てまたは添加しないで培養する; (ii)上記(i)記載の培養細胞におけるマーカー遺
    伝子の発現量を、被検物質を添加した細胞と添加しなか
    った細胞との間で比較する。
  20. 【請求項20】 マーカー遺伝子を発現誘導するための
    プロモーターとして、配列表の配列番号27に示される
    ヌクレオチド配列からなるマウスカテプシンKプロモー
    ター遺伝子を用いることを特徴とする、請求項19記載
    の方法。
  21. 【請求項21】 マーカー遺伝子を発現誘導するための
    プロモーターとして、配列表の配列番号26に示される
    ヌクレオチド配列からなるマウスTRAPプロモーター
    遺伝子を用いることを特徴とする、請求項19記載の方
    法。
  22. 【請求項22】 マーカー遺伝子がクロラムフェニコー
    ルアセチルトランスフェラーゼ、ホタルルシフェラー
    ゼ、β−ガラクトシダーゼ、分泌型アルカリホスファタ
    ーゼおよび緑色蛍光タンパク質からなる群より選択され
    る蛋白質をコードするものであることを特徴とする、請
    求項19乃至21のいずれか一つに記載の方法。
  23. 【請求項23】 マーカー遺伝子がホタルルシフェラー
    ゼをコードする遺伝子であることを特徴とする、請求項
    19乃至21のいずれか一つに記載の方法。
  24. 【請求項24】 マーカー遺伝子および配列表の配列番
    号2のアミノ酸番号1−163に示されるアミノ酸配列
    からなるポリペプチドまたは配列番号4のアミノ酸番号
    1−163に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチ
    ドをコードする遺伝子で形質転換される培養細胞が、R
    AW264.7細胞株であることを特徴とする、請求項
    19乃至23のいずれか一つに記載の方法。
  25. 【請求項25】 破骨細胞前駆細胞から破骨細胞への分
    化を調節する物質をスクリーニングする方法であって、
    配列表の配列番号2のアミノ酸番号1から163に示さ
    れるアミノ酸配列からなるポリペプチドまたは配列番号
    4のアミノ酸番号1から163に示されるアミノ酸配列
    からなるポリペプチドに被検物質を含む試料を接触さ
    せ、次いで、該ポリペプチドに結合した物質を分離する
    ことを特徴とする方法。
  26. 【請求項26】 配列表の配列番号2のアミノ酸番号4
    6から163に示されるアミノ酸配列からなるポリペプ
    チド。
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