JP2006524492A - 血管形成に関連する核酸分子を同定するための方法 - Google Patents

血管形成に関連する核酸分子を同定するための方法 Download PDF

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Abstract

生物学的システムのインビトロモデルにおいて示差的に発現している核酸分子を同定するための方法であって、(1)モデルシステムから所定の時点で細胞を集める工程;(2)それぞれの時点で集められた細胞から総RNAを得る工程;(3)それぞれの時点に由来する総RNAからcDNAを調製して、多数のcDNAプールを提供する工程;(4)サプレッション・サブトラクティブ・ハイブリダイゼーション(SSH)をそれぞれの時点に由来するcDNAプールに対して順次行い、その結果、ある期間から次の期間まで示差的に発現している核酸分子に由来するcDNAを段階的に増幅するようにする工程を含む。

Description

本発明は、血管形成プロセスに関与する新規な核酸配列(「血管形成遺伝子」)に関する。血管形成遺伝子はそれぞれ、血管形成において役割を有するポリペプチドをコードする。これらの遺伝子が血管形成において役割を果たしているという認識を考慮して、本発明はまた、血管形成に関連する病理の治療、薬物を血管形成活性または抗血管形成活性についてスクリーニングすること、血管形成に関連する病理の診断および予後、ならびに、場合により、全長の血管形成関連遺伝子を同定および取得するための核酸配列の使用に関する。
既存の血管からの新しい血管の形成は、血管形成と名付けられたプロセスであり、正常な成長のために不可欠である。重要な血管形成プロセスには、胚形成、子宮内膜の更新、妊娠状態の黄体の形成および成長、創傷治癒、ならびに手術後の組織構造および組織機能の回復において行われるプロセスが含まれる。
新しい毛細血管の形成では、血管形成活性または抗血管形成活性のいずれかを有し得る多数の遺伝子の発現を通して媒介される協調した一連の事象が要求される。このプロセスは、通常的には血管内皮増殖因子または塩基性繊維芽細胞増殖因子などの増殖因子によって媒介される、存在する脈管構造に対する血管形成刺激により開始される。この後に、細胞外マトリックスの分解、細胞接着の変化(および破壊)、細胞透過性の増大、内皮細胞(EC)の増殖、ならびに血管形成部位に向かうECの遊走が続く。その後のプロセスには、毛細管または内腔の形成、遊走中のECによる安定化および分化が含まれる。
(正常な)健康な成人では、血管形成は事実上停止しており、必要なときにだけ生じる。しかしながら、数多くの病理学的状況が、増強された、制御されない血管形成によって特徴づけられる。これらの状態には、がん、関節リウマチ、糖尿病網膜症、乾癬および心臓血管疾患(例えば、アテローム性動脈硬化など)が含まれる。他の病変(例えば、虚血性四肢疾患など)または冠状動脈疾患では、拡大しつつある脈管構造の増進により新しい血管を成長させることは有益である。
血管形成を模擬すると考えられる数多くのインビトロアッセイが確立されており、これらは、血管形成プロセスが生じる機構、および、遺伝子が関与する可能性が最も高い機構を調べるための重要な手段を提供している。
内腔形成は血管形成における重要な段階である。血管形成を受けているECの内部に空胞が存在することが報告されており、内腔形成におけるその関与が仮定されている(FolkmanおよびHaudenschild、1980;Gamble他、1993)。FolkmanおよびHaudenschild(1980)によって提案された内腔形成の一般的な機構は、空胞が、その後で管に変換される数多くの整列したECの細胞質の内部に生じるというものであった。隣接する管の結合により、連続した単一細胞の毛細管内腔の形成がもたらされる。しかしながら、内腔形成を生じさせる細胞形態の変化、または、ECがこの特徴を構築するために要求されるシグナルについてはほとんど知られていない。
血管形成のインビトロモデルが、3次元コラーゲンマトリックスに置かれたヒト臍帯静脈ECから作製されている(Gamble他、1993)。ホルボールミリスタートアセタート(PMA)の存在下において、これらの細胞は毛細管を24時間以内に形成する。抗インテグリン抗体の添加により、(未成熟な、十分に分化していない表現型を反映すると考えられる)通常は単一細胞の管が、細胞−マトリックス相互作用の阻害および細胞−細胞相互作用の促進により多細胞性の内腔を形成するように変換される。このモデルは続いて、内腔形成において生じる形態学的事象の研究を可能にしている。
血管形成に関連する疾患を処置するために、このプロセスの分子遺伝学的機構を理解することは決定的に重要である。上記のインビトロモデル(Gamble他、1993)、すなわち、時間依存的かつ広く同期的な様式でインビボにおいて血管形成時に生じる極めて重要な事象を反映するモデルの使用は、関与する重要な遺伝子を同定するための手段を提供している。
生物学的モデル(この場合、血管形成に対するGamble他(1993)のモデル)から特定の時点で集められた細胞に由来する総RNAを使用して、cDNAを調製し、その後、cDNAを、示差的に発現している遺伝子に由来するcDNAを同定するために、サプレッション・サブトラクティブ・ハイブリダイゼーション(SSH)を含む新規なプロセスに供した。
本発明の1つの局面によれば、生物学的システムのインビトロモデルにおいて示差的に発現している遺伝子を同定するための方法が提供され、この方法は下記の工程を含む:
(1)モデルシステムから所定の時点で細胞を集める工程;
(2)それぞれの時点で集められた細胞から総RNAを得る工程;
(3)それぞれの時点に由来する総RNAからcDNAを調製して、多数のcDNAプールを提供する工程;
(4)サプレッション・サブトラクティブ・ハイブリダイゼーション(SSH)をそれぞれの時点に由来するcDNAプールに対して順次行い、その結果、ある期間から次の期間まで示差的に発現している遺伝子に由来するcDNAを段階的に増幅するようにする工程。
従って、その発現が同じレベルでその後もアップレギュレーションされたままである遺伝子のアップレギュレーションが、cDNAのレベルが上昇している最初の期間においてのみ検出される(cDNAが増幅される)。これは、その後の時点に由来するプールにおけるcDNAの量が同じであるためである。冗長性におけるこの減少は、細胞mRNA発現プールにおける提示がより低い他の遺伝子が隠されるという可能性を低下させる。本発明の特に好ましい実施形態において、モデルシステムは血管形成に対するインビトロモデルである(Gamble他、1993)。
SSHプロセスにおいて示差的に発現していることが同定されたそのようなcDNAがクローン化され、マイクロアレイ分析に供され、これにより、血管形成プロセス時のそれらの発現においてアップレギュレーションされている数多くの遺伝子の同定がもたらされた。
本発明のさらなる局面によれば、生物学的システムのインビトロモデルにおいてアップレギュレーションされている遺伝子を同定するための方法が提供され、この方法は下記の工程を含む:
(1)モデルシステムから所定の時点で細胞を集める工程;
(2)それぞれの時点で集められた細胞から総RNAを得る工程;
(3)それぞれの時点に由来する総RNAからcDNAを調製して、多数のcDNAプールを提供する工程;
(4)サプレッション・サブトラクティブ・ハイブリダイゼーション(SSH)をそれぞれの時点に由来するcDNAプールに対して順次行い、その結果、ある期間から次の期間まで示差的に発現する遺伝子に由来するcDNAを段階的に増幅するようにする工程;
(5)増幅されたcDNAをクローン化する工程;
(6)各クローンに由来するDNAをマイクロアレイ上において突き止める工程;
(7)前記所定の時間間隔でインビトロモデルから集められた細胞に由来する総RNAの逆転写によってアンチセンスRNAを作製し、そのアンチセンスRNAを標識する工程;および
(8)マイクロアレイを、0時間およびそれ以外の他の時点のそれぞれに由来する標識されたアンチセンスRNAでプローブして、インビトロモデルにおいて前記時点でアップレギュレーションされている遺伝子に由来するcDNAを含有するクローンを別々に同定する工程。
これらのアップレギュレーションされている血管形成遺伝子のサブセットの機能的分析、ならびに、内皮細胞の機能および毛細管形成に対するそれらの影響が下記に詳しく記載される。
従って、本発明は、血管形成時のその発現においてアップレギュレーションされることが示されている単離された核酸分子を提供する(表1および表2を参照のこと)。これらの血管形成遺伝子の単離は血管形成関連障害の処置のための新規な標的を提供している。
本発明の第1の局面において、配列番号1〜配列番号44によって規定されるような単離された核酸分子が提供される。
これらの分子、ならびに、表1および表2に示される分子は血管形成時のそれらの発現においてアップレギュレーションされるという認識に従うと、本発明は、血管形成プロセスにおいて役割を果たしている、配列番号1〜配列番号44によって規定され、また、表1および表2に示されるような単離された核酸分子またはそれらのフラグメントを提供する。そのようなプロセスには、胚形成、月経周期、創傷修復、腫瘍の血管形成、および運動により誘導される筋肉肥大が含まれ得るが、これらに限定されない。
加えて、本発明は、血管形成プロセスに関連する疾患において役割を果たしている、配列番号1〜配列番号44によって規定され、また、表1および表2に示されるような単離された核酸分子(以降、これらは、便宜上、「血管形成遺伝子」、「血管形成核酸」または「血管形成ポリペプチド」と呼ばれる)またはそれらのフラグメントを提供する。前記疾患には、がん、関節リウマチ、糖尿病網膜症、乾癬、および心臓血管疾患(例えば、アテローム性動脈硬化など)、虚血性四肢疾患および冠状動脈疾患が含まれ得るが、これらに限定されない。有用なフラグメントには、特徴的であり、かつ、何らかの以前に同定された遺伝子と重なる部分を有しないフラグメント、既知の配列と重なる部分を有する特徴的なフラグメント、および、選択的スプライス接合部にまたがるフラグメントなどが含まれ得る。
本発明はまた、本発明の血管形成遺伝子のいずれか1つに対して少なくとも70%の同一性を有し、かつ、血管形成プロセスにおいて役割を果たしている単離された核酸分子を包含する。
そのような変化体は、血管形成遺伝子に対して、好ましくは少なくとも約85%(最も好ましくは少なくとも約95%)の配列同一性を有する。上記のポリヌクレオチド変化体のいずれか1つは、本発明の関連した血管形成遺伝子の少なくとも1つの機能的特徴または構造的特徴を含有するアミノ酸配列をコードすることができる。
配列同一性は、典型的には、Altschul他(1997)に記載されるBLASTアルゴリズムをBLOSUM62の初期値行列とともに使用して計算される。
本発明はまた、本発明の血管形成遺伝子のいずれか1つとストリンジェントな条件のもとでハイブリダイゼーションし、かつ、血管形成プロセスにおいて役割を果たしている単離された核酸分子を包含する。
ゲノム配列を含めてポリヌクレオチド配列を検出することができるPCRプローブとのハイブリダイゼーションを使用して、関連した血管形成遺伝子をコードする核酸配列を同定することができる。プローブの特異性(プローブが非常に特異的な領域(例えば、5’調節領域)から作製されるか、または、あまり特異的でない領域(例えば、保存されたモチーフ)から作製されるか)、および、ハイブリダイゼーションまたは増幅のストリンジェンシーは、そのプローブにより、血管形成遺伝子をコードする天然に存在する配列、対立遺伝子変化体、または関連した配列のみが同定されるかどうかを決定する。
プローブはまた、関連した配列を検出するために使用することができ、従って、好ましくは、本発明の血管形成遺伝子コード配列のいずれかに対する少なくとも50%の配列同一性を有しなければならない。本発明のハイブリダイゼーションプローブはDNAまたはRNAであってもよく、血管形成遺伝子配列のいずれか1つに由来し得るか、または、血管形成遺伝子のプロモーター、エンハンサーおよびイントロンを含むゲノム配列に由来し得る。
血管形成遺伝子のいずれか1つをコードするDNAに対する特異的なハイブリダイゼーションプローブを作製するための手段には、関連した血管形成遺伝子をコードするポリヌクレオチド配列またはその誘導体を、mRNAプローブを作製するためのベクターにクローン化することが含まれる。様々なそのようなベクターがこの分野では知られており、市販されている。ハイブリダイゼーションプローブは、放射性核種(例えば、32Pまたは35Sなど)によって、または酵素標識(例えば、アビジン/ビオチンのカップリングシステムを介してプローブにカップリングされるアルカリホスファターゼなど)によって、またはこの分野で知られている他の方法によって標識することができる。
ストリンジェントな条件のもとにおいて、32P標識プローブとのハイブリダイゼーションが、最も好ましくは、750mM NaCl、75mMクエン酸三ナトリウム、2%SDS、50%ホルムアミド、1Xデンハルト、10%(w/v)デキストラン硫酸、および100μg/mLの変性サケ精子DNAにおいて42℃で行われる。これらの条件に対する様々な有用な変化が当業者には容易に明らかである。ハイブリダイゼーションに続く洗浄工程は、最も好ましくは、15mM NaCl、1.5mMクエン酸三ナトリウム、および1%SDSにおいて65℃で行われる。これらの条件に対する様々なさらなる変化が当業者には容易に明らかである。
本発明の核酸分子またはそのフラグメントは、天然の供給源から得ることができるヌクレオチド配列を有する。従って、本発明の核酸分子またはそのフラグメントには、天然に存在する正常な対立遺伝子、天然に存在する変異型対立遺伝子、天然に存在する多型対立遺伝子、様々にスプライシングされた転写物、スプライス変化体などが含まれる。天然の供給源には、動物の細胞および組織、体液、組織培養細胞などが含まれる。
本発明の核酸分子はまた、この分野で受け入れられている方法を使用して操作することができ、その結果、血管形成遺伝子をコードする配列を様々な目的のために変化させることができる。これらには、遺伝子産物のクローニング、プロセシングおよび/または発現の改変が含まれるが、これらに限定されない。遺伝子フラグメントのPCR再組み立ておよび合成オリゴヌクレオチドの使用は、血管形成遺伝子ヌクレオチド配列を操作することを可能にする。例えば、オリゴヌクレオチド媒介の部位特異的変異誘発により、新しい制限部位を生じさせる変異、グリコシル化パターンを変化させる変異、およびスプライス変化体を産生させる変異などを導入することができる。
遺伝暗号の縮重性の結果として、本発明の血管形成遺伝子をコードする数多くの核酸配列(この場合、いくつかが、任意の知られている天然に存在する遺伝子の核酸配列に対する最小限の類似性を有し得る)がもたらされ得る。従って、本発明は、可能なコドン選択に基づく組合せを選択することによって作製され得るポリヌクレオチド配列のあらゆる可能な変化体を包含する。これらの組合せは、天然に存在する血管形成遺伝子のポリヌクレオチド配列に適用されるような標準的なトリプレット遺伝暗号に従って行われ、従って、そのような変化体はすべてが、具体的に開示されていると見なされなければならない。
本発明の核酸分子は典型的にはDNA分子であり、センス鎖およびアンチセンス鎖の両方で、cDNA、ゲノムDNA、合成形態および混合ポリマーを包含し、そして、当業者によって理解されるように、化学的または生化学的に修飾することができ、あるいは、非天然型ヌクレオチド塩基または誘導体化されたヌクレオチド塩基を含有することができる。そのような修飾には、標識、メチル化、インターカレーター、アルキル化体および修飾された連結が含まれる。場合により、血管形成遺伝子をコードするヌクレオチド配列、または、天然に存在する遺伝子のコドン使用とは実質的に異なるコドン使用を有するその誘導体を作製することは好都合であり得る。例えば、コドンを、宿主が特定のコドンを利用する頻度と一致させて、特定の原核生物宿主または真核生物宿主におけるペプチドの発現速度を増大させるために選択することができる。血管形成遺伝子をコードするヌクレオチド配列またはその誘導体を、そのコードされるアミノ酸配列を変化させることなく変化させるための他の理由には、天然に存在する配列から産生される転写物よりも望ましい性質(例えば、そのような転写物よりも大きい半減期など)を有するRNA転写物の産生が含まれる。
本発明はまた、すべてが合成化学による本発明の核酸分子の製造を包含する。合成配列は、好適な宿主における挿入されたコード配列の転写制御および翻訳制御のための必要なエレメントを含有する発現ベクターおよび細胞システムに挿入することができる。これらのエレメントには、調節配列、プロモーター、5’非翻訳領域および3’非翻訳領域、ならびに、血管形成遺伝子をコードする配列のより効率的な翻訳を可能にする特異的な開始シグナル(例えば、ATG開始コドンおよびKozakコンセンサス配列など)が含まれ得る。その開始コドンおよび上流の調節配列を含む完全なコード配列が適切な発現ベクターに挿入される場合、さらなる制御シグナルが必要とされないことがある。しかしながら、コード配列のみまたはそのフラグメントが挿入される場合、上記に記載されるような外因性の翻訳制御シグナルをベクターによって提供しなければならない。そのようなシグナルは、天然および合成の両方で様々な起源のものであり得る。発現効率は、使用される特定の宿主細胞システムについて適切なエンハンサーを含むことによって高めることができる(Scharf他、1994)。
本発明はまた、本明細書中に記載される配列の相補体である核酸分子を包含する。
本発明は、精製されたポリペプチドまたはタンパク質の調製を可能にする。これを行うために、宿主細胞を、上記に記載されるような核酸分子でトランスフェクションすることができる。典型的には、前記宿主細胞は、本発明による核酸分子を含む発現ベクターでトランスフェクションされる。様々な発現ベクター/宿主システムを利用して、配列を含有し、発現させることができる。これらには、微生物、例えば、プラスミドまたはコスミドのDNA発現ベクターで形質転換された細菌など;酵母発現ベクターで形質転換された酵母;ウイルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)を感染させた昆虫細胞システム;あるいは、マウスまたは他の動物またはヒトの組織細胞システムが含まれるが、これらに限定されない。哺乳動物細胞もまた、本発明の特定の血管形成遺伝子によりコードされるタンパク質を、プラスミド、コスミドおよびウイルスシステム(例えば、ワクシニアウイルス発現システムなど)を含む様々な発現ベクターを使用して発現させるために使用することができる。本発明は、用いられる宿主細胞またはベクターによって限定されない。
本発明の核酸分子またはその変化体は、哺乳動物システムにおける組換えタンパク質の長期間にわたる産生を可能にするために細胞株において安定的に発現させることができる。本発明の血管形成遺伝子のいずれか1つをコードする配列を、ウイルス複製起点および/または内因性の発現エレメント、および、同じベクターまたは別個のベクターにおける選択マーカー遺伝子を含有し得る発現ベクターを使用して細胞株に形質転換することができる。選択マーカーにより、選択因子に対する耐性が付与され、その存在により、導入された配列を首尾よく発現する細胞の成長および回収が可能になる。安定的に形質転換された細胞の耐性クローンを、細胞タイプに対して適切な組織培養技術を使用して拡大することができる。
形質転換された細胞により産生されるタンパク質は、使用される配列および/またはベクターに依存して、分泌され得るか、または細胞内に保持され得る。当業者によって理解されるように、タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含有する発現ベクターは、原核生物または真核生物の細胞膜を通過するタンパク質の分泌を行わせるシグナル配列を含有するように設計することができる。
また、宿主細胞株は、挿入された配列の発現を調節するか、または、発現したタンパク質を所望の様式でプロセシングするその能力のために選ぶことができる。ポリペプチドのそのような修飾には、アセチル化、グリコシル化、リン酸化およびアシル化が含まれるが、これらに限定されない。タンパク質の「プレプロ」形態の翻訳後切断もまた、タンパク質の標的化、折り畳みおよび/または活性を規定するために使用することができる。翻訳後活性のための特定の細胞装置および特徴的な機構を有する種々の宿主細胞(例えば、CHO細胞またはHeLa細胞)をAmerican Type Culture Collection(ATCC)から入手することができ、また、外来タンパク質の正しい修飾およびプロセシングを確実にするために選ぶことができる。
本発明のさらに別の局面によれば、上記に記載されるような本発明の核酸分子を含む発現ベクターが提供される。
本発明のさらに別の局面によれば、上記に記載されるような本発明の核酸分子を含む細胞が提供される。
多量のタンパク質が、例えば、抗体製造などのために必要とされるとき、高レベルの発現を行わせるベクターを使用することができる(例えば、T5またはT7の誘導可能なバクテリオファージプロモーターを含有するベクターなど)。本発明はまた、タンパク質の重要な機能的ドメインを含有する融合タンパク質を作製および単離する際における上記の発現システムの使用を包含する。これらの融合タンパク質は、適切な抗体の作製だけでなく、結合研究、構造研究および機能研究のために使用される。
タンパク質を融合タンパク質として発現および精製するために、本発明の適切なポリヌクレオチド配列は、別のペプチド(例えば、グルタチオンスクシニルトランスフェラーゼ)をコードするヌクレオチド配列を含有するベクターに挿入される。融合タンパク質は原核生物細胞または真核生物細胞から発現および回収される。その後、融合タンパク質は、融合ベクター配列に基づくアフィニティークロマトグラフィーによって精製することができ、続いて、関連したタンパク質を融合タンパク質の酵素切断によって得ることができる。
本発明のポリペプチドのフラグメントはまた、固相技術を使用する直接的なペプチド合成によって作製することができる。自動化された合成を、ABI431Aペプチド合成機(Perkin−Elmer)を使用することによって達成することができる。ポリペプチドの様々なフラグメントを別々に合成することができ、その後、組み合わせて全長の分子を作製することができる。
本発明の単離された核酸分子が部分的な遺伝子配列のみを表す場合、これらの部分配列は、全長の血管形成遺伝子のその対応する配列を得るために使用することができる。従って、本発明はさらに、血管形成プロセスに関与している全長のヒト遺伝子を同定および/または取得するための、配列番号1〜配列番号15、配列番号17〜配列番号37および配列番号39〜配列番号44のいずれか1つによって規定されるヌクレオチド配列を含む本発明の部分核酸分子の使用を提供する。全長の血管形成遺伝子は、当業者にそれ自体は知られている方法によって、本発明の部分ヌクレオチド配列を使用してクローン化することができる。例えば、配列データベース(例えば、National Centre for Biotechnology Information(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)において主催されるデータベースなど)のインシリコ分析を、重なるヌクレオチド配列を得るために検索することができる。これは、全長の遺伝子配列を得るための「歩行」法を提供する。このサイトにおいて検索するための適切なデータベースには、発現配列タグ(EST)データベース(GenBank配列、EMBL配列およびDDBJ配列の、それらのEST部門由来のデータベース)または非冗長(nr)データベース(すべてのGenBank配列、EMBL配列、DDBJ配列およびPDB配列を含有するが、EST配列、STS配列、GSS配列、または、フェーズ0、フェーズ1もしくはフェーズ2のHTGS配列を含まない)が含まれる。典型的には、検索は、Altschul他(1997)に記載されるBLASTアルゴリズをBLOSUM62の初期値行列とともに使用して行われる。インシリコ「歩行」法により、完全な遺伝子配列を引き出すことができない場合、さらなる方法を用いることができる。これらには、その配列が知られているDNAの一部分に隣接する未知の配列の取り出しを可能にする「制限部位PCR」の使用が含まれる。この技術では、万能的なプライマーが、未知の配列を取り出すために使用される。インバースPCRもまた使用することができ、この場合、知られている配列に基づくプライマーが、隣接する未知の配列を増幅するために設計される。これらの上流配列はプロモーターおよび調節エレメントを含むことができる。加えて、様々な他のPCR型技術を使用することができる。例えば、Clontech(Palo Alto、California)から入手可能なキットは歩行PCR技術を可能にし、5’RACEキット(Gibco−BRL)はさらなる5’遺伝子配列の単離を可能にし、一方、さらなる3’配列を、常法的に行われる技術(例えば、Gecz他(1997)を参照のこと)を使用して得ることができる。
本発明のさらなる局面において、配列番号51〜配列番号58によって規定され、また、表1に示されるような単離されたポリペプチドが提供される。
本発明はまた、血管形成時のその発現においてアップレギュレーションされることが示されている単離されたポリペプチドを提供する(表1および表2に参照のこと)。
より具体的には、これらのポリペプチドが血管形成時のそれらの発現においてアップレギュレーションされるという認識に従うと、本発明は、血管形成プロセスにおいて役割を果たしている、配列番号51〜配列番号58によって規定され、また、表1および表2に示されるような単離されたポリペプチドまたはそれらのフラグメントを提供する。そのようなプロセスには、胚形成、月経周期、創傷修復、腫瘍の血管形成、および運動により誘導される筋肉肥大が含まれ得るが、これらに限定されない。
加えて、本発明は、血管形成プロセスに関連する疾患において役割を果たしている、配列番号51〜配列番号58によって規定され、また、表1および表2に示されるような単離されたポリペプチドまたはそれらのフラグメントを提供する。疾患には、がん、関節リウマチ、糖尿病網膜症、乾癬、および心臓血管疾患(例えば、アテローム性動脈硬化など)、虚血性四肢疾患および冠状動脈疾患が含まれ得るが、これらに限定されない。
本発明はまた、配列番号51〜配列番号58のいずれか1つに対して少なくとも70%(好ましくは85%、より好ましくは95%)の同一性を有し、かつ、血管形成プロセスにおいて役割を果たしている単離されたポリペプチドを包含する。
配列同一性は、典型的には、Altschul他(1997)に記載されるBLASTアルゴリズムをBLOSUM62の初期値行列とともに使用して計算される。
本発明のさらなる局面において、上記に記載されるようなポリペプチドを調製する方法が提供され、この方法は下記の工程を含む:
(1)上記に記載されるような細胞を、ポリペプチドを産生させるために効果的な条件のもとで培養する工程;および
(2)ポリペプチドを集める工程。
本発明のさらに別の局面によれば、上記に記載されるプロセスの産物であるポリペプチドが提供される。
実質的に精製されたタンパク質またはそのフラグメントはその後、二次構造および三次構造を明らかにするために、さらなる生化学的分析において使用することができる。そのような方法論はこの分野で知られており、これには、タンパク質の結晶のX線結晶学、または核磁気共鳴(NMR)による方法が含まれるが、これらに限定されない。構造の決定により、タンパク質と相互作用するか、またはタンパク質の電荷配置を変化させるか、または他のタンパク質と電荷相互作用するか、あるいは、細胞におけるその機能を変化させるための医薬品の合理的設計が可能になる。
本発明は、血管形成に関与している可能性がある数多くの遺伝子を提供しており、従って、血管形成を調節するための方法を可能にする。血管形成は数多くの病理学的プロセスにおいて非常に重要であるため、従って、本発明はまた、すべての血管形成関連障害を処置するための治療的方法を可能にし、また、血管形成遺伝子のいずれか1つの発現および/または機能における異常に関連するすべての血管形成関連障害の診断または予後を可能にすることができる。
そのような障害の例には、がん、関節リウマチ、糖尿病網膜症、乾癬、および心臓血管疾患(例えば、アテローム性動脈硬化など)、虚血性四肢疾患および冠状動脈疾患が含まれ得るが、これらに限定されない。
(治療的適用)
本発明の別の局面によれば、上記に記載されるような血管形成関連障害を処置する方法が提供され、この方法は、本発明の血管形成遺伝子または血管形成タンパク質の選択的なアンタゴニストまたはアゴニストを、そのような処置を必要としている対象に投与することを含む。
本発明のさらに別の局面において、上記に記載されるような血管形成関連障害を処置するための医薬品の製造における本発明の血管形成遺伝子または血管形成タンパク質の選択的なアンタゴニストまたはアゴニストの使用が提供される。
制御されない血管形成または増強された血管形成をもたらす血管形成関連障害(これには、がん、関節リウマチ、糖尿病網膜症、乾癬、および心臓血管疾患(例えば、アテローム性動脈硬化など)が含まれるが、これらに限定されない)を処置するためには、拡大しつつある脈管構造を阻害する治療が望ましい。これは、血管形成を促進することができる血管形成遺伝子または血管形成タンパク質のいずれか1つの阻害、あるいは、血管形成を阻害することができる血管形成遺伝子または血管形成タンパク質のいずれか1つの強化、刺激または再活性化を伴う。
阻害された血管形成または低下した血管形成によって特徴づけられる血管形成関連障害(これには、虚血性四肢疾患および冠状動脈疾患が含まれるが、これらに限定されない)を処置するためには、血管拡張を強化または促進する治療が望ましい。これは、血管形成を制限することができる血管形成遺伝子または血管形成タンパク質のいずれか1つの阻害、あるいは、血管形成を促進することができる血管形成遺伝子または血管形成タンパク質のいずれか1つの強化、刺激または再活性化を伴う。
例えば、BNO782およびBNO481の発現を低下させることは、内皮細胞の活性を妨害し、これにより毛細管形成および血管形成の阻害を生じさせることが見出されている。従って、血管形成を制限する必要がある障害の治療では、これらの遺伝子の機能を阻害することが望ましい。あるいは、血管形成を刺激する必要がある障害の治療では、これらの遺伝子の機能を強化することが望ましい場合がある。
これらの場合のそれぞれについて、関連した治療は、血管形成遺伝子における損傷があるかどうかにかかわらず、血管形成関連障害を処置することにおいて有用である。
(遺伝子またはタンパク質の機能を阻害すること)
遺伝子またはタンパク質の機能を阻害することを様々な方法で達成することができる。アンチセンス核酸方法論は、障害の原因となっている遺伝子を不活性化するための1つの方法を表す。アンチセンス法または遺伝子標的化サイレンシング法では、アンチセンスオリゴヌクレオチドの使用、アンチセンスRNAの注入、アンチセンスRNA発現ベクターのトランスフェクション、および、RNA干渉(RNAi)または短い干渉RNA(siRNA)の使用(これらに限定されない)を含むことができる。RNAiを、その発現が血管形成に寄与するとき、遺伝子を封じるためにインビトロおよびインビボで使用することができる(SharpおよびZamore、2000;Grishok他、2001)。なおさらに、触媒作用核酸分子(例えば、DNAザイムおよびリボザイムなど)を遺伝子サイレンシングのために使用することができる(BreakerおよびJoyce、1994;HaseloffおよびGerlach、1988)。これらの分子は、従来のアンチセンス法の場合のようにその標的mRNA分子に単に結合するのではなく、その標的mRNA分子を切断することによって機能する。
本発明の1つの局面において、単離された核酸分子(これは、上記に記載される関連した血管形成核酸分子のいずれか1つの相補体である)を、そのような処置を必要としている対象に投与することができる。典型的には、血管形成遺伝子の任意の関連した遺伝子に対する相補体が、血管形成関連障害を処置または防止するために対象に投与される。さらなる局面において、相補体は、本発明の関連した血管形成遺伝子によってコードされるmRNAとハイブリダイゼーションするRNA分子をコードすることができ、または、本発明の関連した血管形成遺伝子によってコードされるmRNAとハイブリダイゼーションする短い干渉オリゴヌクレオチド(siRNA)であり得る。
本発明のさらなる局面において、本発明の関連した核酸分子のいずれか1つの相補体であり、かつ、本発明の関連した血管形成遺伝子によってコードされるmRNAとハイブリダイゼーションするRNA分子または短い干渉オリゴヌクレオチド(siRNA)をコードする単離された核酸分子の、血管形成関連障害を処置するための医薬品の製造における使用が提供される。
典型的には、関連した核酸分子のいずれか1つをコードするポリヌクレオチドの相補体を発現するベクターを、血管形成関連障害(これには、上記に記載される障害が含まれるが、これらに限定されない)を処置または防止するために対象に投与することができる。ベクターを細胞または組織に導入するための多くの方法を利用することができ、これらは、インビボ、インビトロおよびエクスビボでの使用のために等しく好適である。エクスビボ治療において、ベクターを、患者から採取され、自家移植のためにクローン拡大されて、その同じ患者に戻される幹細胞に導入することができる。トランスフェクションによる送達、リポソーム注入による送達、またはポリカチオン性アミノポリマーによる送達を、この分野で広く知られている方法を使用して達成することができる(例えば、Goldman他(1997)を参照のこと)。
さらなる局面において、本発明による精製されたタンパク質を、本発明の任意の関連した血管形成タンパク質と特異的に結合する抗体を作製するために使用することができる。これらの抗体は、アンタゴニストとして直接的に使用することができ、あるいは、関連した血管形成タンパク質を発現する細胞または組織に薬学的薬剤(例えば、細胞傷害性薬剤など)を運ぶための標的化機構または送達機構として間接的に使用することができる。そのような抗体には、当業者によって理解されるように、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体および単鎖抗体が含まれ得るが、これらに限定されない。
抗体を製造するために、様々な宿主(これには、ウサギ、ラット、ヤギ、マウス、ヒトなどが含まれる)を、本発明のタンパク質を用いた注射、あるいは、免疫原的性質を有するその任意のフラグメントまたはオリゴペプチドを用いた注射によって免疫化することができる。様々なアジュバントを、免疫学的応答を増大させるために使用することができ、これらには、フロイントの鉱物ゲル(例えば、水酸化アルミニウムなど)および表面活性物質(例えば、リゾレシチンなど)が含まれるが、これらに限定されない。ヒトにおいて使用されるアジュバントには、BCG(カルメット・ゲラン菌)およびコリネバクテリウム・パルブム(Corynebacterium parvum)が含まれる。
関連した血管形成タンパク質に対する抗体を誘導するために使用されるオリゴペプチド、ペプチドまたはフラグメントは、少なくとも約5個のアミノ酸(より好ましくは少なくとも約10個のアミノ酸)からなるアミノ酸配列を有することが好ましい。これらのオリゴペプチド、ペプチドまたはフラグメントは、天然のタンパク質のアミノ酸配列の一部分と同一であること、また、小さい天然に存在する分子の完全なアミノ酸配列を含有することもまた好ましい。これらのタンパク質に由来するアミノ酸の短い領域を別のタンパク質(例えば、KLHなど)の領域と融合することができ、そのようなキメラな分子に対する抗体を作製することができる。
任意の関連した血管形成タンパク質に対するモノクローナル抗体を、培養における連続した細胞株による抗体分子の作製を規定する任意の技術を使用して調製することができる。これらには、ハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術およびEBVハイブリドーマ技術が含まれるが、これらに限定されない(例えば、KohlerおよびMilstein(1975);Kozbor他(1985);Cote他(1983);Cole他(1984)を参照のこと)。
作製されたモノクローナル抗体には、マウス由来抗体、ヒト化抗体および完全なヒト抗体が含まれ得るが、これらに限定されない。例えば、抗体は、抗原投与刺激に応答して特異的なヒト抗体を産生するように操作されている遺伝子組換えマウスから得られる。この技術の一例において、ヒトの重鎖遺伝子座および軽鎖遺伝子座のエレメントが、内因性の重鎖遺伝子座および軽鎖遺伝子座の標的化された破壊を含有する胚性幹細胞株に由来するマウスの系統に導入される。これらの遺伝子組換えマウスは、ヒトの抗原に対して特異的なヒト抗体を合成することができ、また、ヒト抗体を分泌するハイブリドーマを作製するために使用することができる。ヒト抗体を遺伝子組換えマウスから得るための方法が、例えば、Lonberg他(1994);Green他(1994);Taylor他(1994)に記載される。
抗体はまた、文献に開示されるように、リンパ球集団におけるインビボ産生を誘導することによって、あるいは、免疫グロブリンライブラリーまたは非常に特異的な結合性試薬のパネルをスクリーニングすることによって作製することができる(例えば、Orlandi他(1989);Winter他(1991)を参照のこと)。
任意の関連した血管形成タンパク質に対する特異的な結合部位を含有する抗体フラグメントもまた作製することができる。例えば、そのようなフラグメントには、抗体分子のペプシン消化によって作製されるF(ab’)フラグメント、および、F(ab’)フラグメントのジスルフィド架橋を還元することによって得られるFabフラグメントが含まれる。あるいは、Fab発現ライブラリーを、所望の特異性を有するモノクローナルFabフラグメントの迅速かつ容易な同定を可能にするために構築することができる(例えば、Huse他(1989)を参照のこと)。
様々な免疫アッセイを、所望の特異性を有する抗体を同定するためのスクリーニングに使用することができる。明らかにされた特異性を有するポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体のいずれかを使用する競合的結合アッセイまたは免疫放射アッセイのための数々のプロトコルがこの分野では広く知られている。そのような免疫アッセイは、典型的には、タンパク質とその特異的な抗体との複合体形成の測定を伴う。妨害しない2つのエピトープに対する反応性を有するモノクローナル抗体を利用する2部位のモノクローナル型免疫アッセイが好ましく、しかし、競合的結合アッセイもまた用いることができる。
さらなる局面において、アンタゴニストには、ペプチド、リン酸化ペプチド、または小さい有機化合物もしくは無機化合物が含まれ得る。これらのアンタゴニストは本発明の任意の関連した血管形成遺伝子の機能を妨げ、その結果、必要な治療的効果を提供するはずである。
治療的適用のために好適なペプチド、リン酸化ペプチド、または小さい有機化合物もしくは無機化合物は、下記に記載されるような薬物スクリーニング適用において本発明の核酸およびポリペプチドを使用して同定することができる。
(遺伝子またはタンパク質の機能を高めること)
遺伝子またはタンパク質の機能を強化、刺激または再活性化することを様々な方法で達成することができる。本発明の1つの局面において、上記に記載されるような単離された核酸分子の、そのような処置を必要としている対象への投与を開始することができる。典型的には、本発明の任意の関連した血管形成遺伝子を、血管形成関連障害を処置または防止するために対象に投与することができる。
さらなる局面において、血管形成関連障害を処置するための医薬品の製造における、上記に記載されるような単離された核酸分子の使用が提供される。
典型的には、任意の関連した血管形成遺伝子またはそのフラグメントもしくは誘導体を発現することができるベクターを、上記に記載される様々な障害(これらに限定されない)を含む障害を処置または防止するために対象に投与することができる。形質導入用のレトロウイルスベクターが、多くの場合、それらの大きな感染効率ならびに安定な組込みおよび発現のために、体細胞遺伝子治療のために使用される。任意の関連した全長の遺伝子またはその一部分をレトロウイルスベクターにクローン化することができ、発現を、その内因性のプロモーターから、またはレトロウイルスの長末端反復から、または目的とする標的細胞タイプについて特異的なプロモーターから行わせることができる。他のウイルスベクターを使用することができ、これらには、この分野で知られているように、トリ起源、マウス起源およびヒト起源のアデノウイルス、アデノ関連ウイルス、ワクシニアウイルス、パポバウイルス、レンチウイルスおよびレトロウイルスが含まれる。
遺伝子治療が、確立された方法に従って行われる(Friedman、1991;Culver、1996)。発現制御エレメントに連結され、細胞の内部において複製することができる任意の関連した血管形成遺伝子のコピーを含有するベクターが調製される。あるいは、ベクターは複製欠陥であり得るし、また、遺伝子治療における複製および使用のためにヘルパー細胞を必要とし得る。
インビトロでの感染の非ウイルス方法を使用する遺伝子移入もまた使用することができる。これらの方法では、DNAの直接的な注入、リン酸カルシウムの存在下でのネイクドDNAの取込み、エレクトロポレーション、プロトプラスト融合またはリポソーム送達を含む。遺伝子移入はまた、ヒト人工染色体の一部としての送達によって、または受容体媒介による遺伝子移入によって達成することができる。これは、特定の細胞表面受容体に結合して、エンドサイトーシスおよび哺乳動物細胞内へのDNAの移動を誘導する標的化分子にDNAを連結することを伴う。1つのそのような技術では、ポリ−L−リシンを使用して、アシアロ糖タンパク質がDNAに連結される。アデノウイルスはまた、リソソームを乱し、従って、DNAが分解を回避し、核に移動することを可能にするために複合体に加えられる。これらの粒子の注入は、静脈内注入により、肝細胞内への遺伝子移入をもたらしている。
今日まで同定されていないが、血管形成関連障害を有する特定の個体は本発明の血管形成遺伝子のいずれか1つに異常を含有することが考えられる。本発明の血管形成遺伝子のいずれか1つの変異型形態を発現する罹患者では、変異型遺伝子との組換えが生じるように遺伝子の野生型コピーを罹患細胞に導入することによって障害を防止することが可能であり得る。これは、遺伝子の変異を修正するために二重の組換え事象を必要とする。これらの方法で遺伝子を導入するための様々なベクターがこの分野では知られており、任意の好適なベクターを使用することができる。あるいは、別の変異を有する遺伝子のコピーをさらに導入することを用いることができ、その結果、元の遺伝子変異を無効にし、かつ何らかの負の影響を阻止するようにすることができる。
さらにさらなる局面において、血管形成関連障害を処置する方法が提供され、この方法は、上記に記載されるようなポリペプチドまたはそのアゴニストを、そのような処置を必要としている対象に投与することを含む。
別の局面において、本発明は、血管形成関連障害を処置するための医薬品の製造における上記に記載されるようなポリペプチドまたはそのアゴニストの使用を提供する。そのような障害の例が上記に記載されている。
さらなる局面において、好適なアゴニストにはまた、関連した血管形成遺伝子の機能を模倣することができるペプチド、リン酸化ペプチド、または小さい有機化合物もしくは無機化合物が含まれ得るか、あるいは、機能を正常なレベルに回復することができる、任意の関連した血管形成遺伝子に対する抗体が含まれ得る。
治療的適用のために好適なペプチド、リン酸化ペプチド、または小さい有機化合物もしくは無機化合物は、下記に記載されるような薬物スクリーニング適用において本発明の核酸およびポリペプチドを使用して同定することができる。
さらなる実施形態において、本発明のアゴニスト、アンタゴニスト、相補的配列、核酸分子、タンパク質、抗体またはベクターは、他の適切な治療剤との組み合わせで投与することができる。適切な薬剤の選択は、従来の薬学原理に従って当業者によって行うことができる。治療剤の組合せは、上記に記載される様々な障害の処置または防止を達成するために相乗的に作用することができる。この方法を使用して、それぞれの薬剤のより低い投薬量を用いた治療効力を可能にすることができ、従って、これにより、有害な副作用に対する潜在的可能性を低下させることができる。
上記に記載される治療方法はどれも、例えば、哺乳動物(例えば、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ウサギ、サル、および最も好ましくはヒトなど)を含む、そのような治療を必要としている任意の対象に適用することができる。
(血管形成の調節)
本発明は、血管形成に関与する可能性がある数多くの遺伝子を提供しているため、従って、血管形成を調節するための方法が可能である。本発明のさらなる局面において、血管形成関連障害の処置のために使用される上記に記載される方法はどれも、細胞を含む任意のシステムにおける血管形成の調節のために使用することができる。これらのシステムには、インビトロアッセイシステム(例えば、Matrigelアッセイ、増殖アッセイ、遊走アッセイ、コラーゲンアッセイ、ウシ毛細血管内皮細胞アッセイなど)、インビボアッセイシステム(例えば、インビボMatrigel型アッセイ、ニワトリ漿尿膜アッセイ、単離された器官、組織または細胞など)、動物モデル(例えば、インビボ血管新生アッセイ、腫瘍血管形成モデルなど)、または処置を必要としている宿主(例えば、以前に記載されたような血管形成関連障害に罹患している宿主)が含まれ得るが、これらに限定されない。
(薬物スクリーニング)
本発明のさらに別の局面によれば、本発明の核酸分子、同様に本発明のペプチド(特に、任意の関連した精製された血管形成ポリペプチドまたはそのフラグメント)、および、これらを発現する細胞は、血管形成関連障害を処置するための様々な技術における候補の薬学的化合物のスクリーニングのために有用である。
なおさらに、本発明は、ハイスループットスクリーニング技術が用いられる使用を提供する。
本発明に従ってスクリーニングすることができる化合物には、ペプチド(例えば、可溶性ペプチドなど)、リン酸化ペプチド、および小さい有機化合物または無機化合物(例えば、天然産物または合成された化学ライブラリーおよびペプチド模倣体など)が含まれるが、これに限定されない。
1つの実施形態において、スクリーニングアッセイは、競合的結合アッセイにおいて、関連した血管形成ポリペプチドまたはフラグメントを発現する組換え核酸分子で安定的に形質転換される真核生物宿主細胞または原核生物宿主細胞を利用する細胞型アッセイを含むことができる。結合アッセイでは、関連したポリペプチドまたはそのフラグメントと、試験されている化合物との間での複合体の形成について測定されるか、あるいは、試験されている化合物がどの程度、関連したポリペプチドまたはそのフラグメントと、その相互作用体またはリガンドとの間での複合体の形成を妨害するかが測定される。
非細胞型アッセイもまた、本発明のポリペプチドとその相互作用体との間での結合を妨げる化合物を同定するために使用することができる。そのようなアッセイがこの分野では知られており、これらには、例えば、AlphaScreen技術(PerkinElmer Life Sciences、MA、米国)が含まれる。この適用は、各相互作用パートナーが抗体を介して別個のビーズに結合するようなビーズの使用に依拠する。各パートナーの相互作用はビーズを近寄らせ、その結果、レーザー励起により、数多くの化学反応が開始され、最終的には、光シグナルを放出する蛍光団を生じさせるようにする。関連した血管形成ポリペプチドとその相互作用体との結合を妨げる候補化合物は、その関与化合物の同定および単離を可能にする光放出の喪失をもたらす。
ハイスループット薬物スクリーニング技術ではまた、国際特許出願公開WO84/03564に記載されるような方法を用いることができる。固体基質上で合成された小さいペプチド試験化合物を、関連した血管形成ポリペプチドの結合および洗浄によってアッセイすることができる。その後、関連した結合した血管形成ポリペプチドが、この分野で広く知られている方法によって検出される。この技術の変法において、精製された血管形成ポリペプチドを、相互作用する試験化合物を同定するために、プレートに直接コーティングすることができる。
薬物スクリーニングのためのさらなる方法では、本発明の任意の関連した血管形成遺伝子に変異を有する宿主真核生物細胞株の使用を伴う。宿主細胞株はまた、ポリペプチドレベルにおいて欠陥を有する。他の細胞株を、関連した血管形成遺伝子の発現を調節(すなわち、過剰発現、過小発現またはスイッチオフ)することができる場合には使用することができる。宿主細胞株または宿主細胞は様々な薬物化合物の存在下で成長させられ、宿主細胞の成長速度が測定されて、その化合物が欠陥細胞の成長を調節することができるかどうかが明らかにされる。
本発明の血管形成ポリペプチドはまた、コンビナトリアルライブラリー技術の結果として開発された化合物をスクリーニングするために使用することができる。これにより、非常に多数の異なる物質を、ポリペプチドの活性を調節するそれらの能力について試験するための方法が提供される。ポリペプチド機能の調節因子として同定された物質は、現実にはペプチドまたは非ペプチドであり得る。非ペプチドの「小分子」は、多くの場合、多くのインビボ薬学的適用のために好ましい。また、そのような物質の模擬体または模倣体は薬学的使用のために設計することができる。既知の薬学的に活性な化合物(「リード」化合物)に基づく模倣体の設計は、新規な医薬品を開発するための一般的な方法である。これは、元の活性な化合物が合成困難であるか、または合成することに費用がかかる場合、あるいは、元の活性な化合物が不適当な投与方法をもたらす場合、望ましいことが多い。模倣体の設計では、標的の特性を決定することにおいて重要である元の活性な化合物の特定の部分が同定される。化合物の活性な領域に構成するこれらの部分または残基はそのファーマコフォアとして知られている。ファーマコフォア構造が見出されると、ファーマコフォア構造は、X線回折データおよびNMRを含む様々な供給源からのデータを使用してその物理的性質に従ってモデル化される。その場合、ファーマコフォアを模擬する化学基が付加され得るテンプレート分子が選択される。その選択は、模倣体が容易に合成され、薬理学的に許容され得ることが考えられ、インビボで分解せず、かつ、リード化合物の生物学的活性を保持するように行うことができる。さらなる最適化または修飾を、インビボまたは臨床での検査のために有用である1つまたは複数の最終的な模倣体を選択するために行うことができる。
標的特異的な抗体を単離し、その後、その結晶構造を解明することもまた可能である。原理的には、この方法は、その後の薬物設計が上記のように基づき得るファーマコフォアをもたらす。機能的かつ薬理学的に活性な抗体に対する抗イディオタイプ抗体(抗id)を作製することによってタンパク質の結晶学を完全に回避することが可能となる場合がある。鏡像の鏡像として、抗idの結合部位は元の結合部位のアナログであることが予想される。その後、抗idは、化学的または生物学的に作製されたペプチドバンクからペプチドを単離するために使用することができる。
薬物スクリーニングのための別の代わりの方法は、構造に基づく合理的薬物設計に依拠する。本発明のポリペプチドの三次元構造の決定、または、これらのポリペプチドを取り込むことができるタンパク質複合体の三次元構造の決定は、生物学的に活性なリード化合物を同定するための、構造に基づく薬物設計を可能にする。
三次元構造モデルは、数多くの適用(それらのいくつかは実験的モデル(例えば、X線結晶学およびNMRなど)を含む)によって作製することができ、かつ/または、構造データベース(例えば、Protein Databank(PDB)など)からの情報を使用するインシリコ研究から作製することができる。また、三次元構造モデルは、ポリペプチドの一次配列に基づく数多くの知られているタンパク質構造予測技術(例えば、SYBYL−Tripos Associated、St.Louis、MO)、デノボタンパク質構造設計プログラム(例えば、MODELER−MSI Inc.(San Diego、CA)またはMOE−Chemical Computing Group(Montreal、カナダ))、またはアブイニシオ法(例えば、米国特許第5331573号および同第5579250号を参照のこと)を使用して決定することができる。
ポリペプチドまたはポリペプチド複合体の三次元構造が決定されると、構造に基づく薬物発見技術を、これらの三次元構造に基づく生物学的に活性な化合物を設計するために用いることができる。様々なそのような技術がこの分野では知られており、これらには、DOCK(カリフォルニア大学、San Francisco)またはAUTODOCK(Scripps Research Institute、La Jolla、California)などの例が含まれる。コンピュータ計算によるドッキングプロトコルにより、予測されたタンパク質モデルに基づいてタンパク質活性のために重要であると考えられる1つまたは複数の活性な部位が特定される。その後、分子データベース(例えば、Available Chemicals Directory(ACD)など)が、タンパク質モデルを補足する分子についてスクリーニングされる。
これらの方法などの方法を使用して、潜在的な臨床的薬物候補を同定することができ、かつ、典型的な「ウェットラボ」薬物スクリーニング方法論に関連する時間および費用を減少するために、コンピュータ計算によりランク付けすることができる。
上記のスクリーニング方法から同定された化合物は、これらおよび薬学的に許容され得るキャリアを含有する薬学的組成物がそうであるように本発明の一部を形成する。
(薬学的調製物)
上記に示されるようなスクリーニングアッセイから同定された化合物は、血管形成に伴う障害を処置または改善するために、治療効果的な用量で患者に投与することができる。治療効果的な用量は、障害の症状の改善を生じさせるために十分な化合物のそのような量を示す。
そのような化合物の毒性および治療効力を細胞培養または実験動物における標準的な薬学的手法によって明らかにすることができる。これらの研究から得られたデータは、その後、ヒトにおける使用のための投薬量範囲の制定において使用することができる。
本発明に従って使用される薬学的組成物は、広く知られている1つまたは複数の生理学的に許容可能なキャリア、賦形剤または安定化剤を使用して従来の様式で配合することができる。許容可能なキャリア、賦形剤または安定化剤は、用いられる投薬量および濃度において非毒性であり、これらには、緩衝剤、例えば、リン酸塩、クエン酸塩および他の有機酸など;アスコルビン酸を含む抗酸化剤;低分子量(約10残基未満)のポリペプチド;タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリンなど;結合性薬剤、これには、親水性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドンなど)が含まれる;アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニンまたはリシンなど;単糖、二糖および他の炭水化物、これらには、グルコース、マンノースまたはデキストリンが含まれる;キレート化剤、例えば、EDTAなど;糖アルコール、例えば、マンニトールまたはソルビトールなど;塩形成対イオン、例えば、ナトリウムなど;および/または非イオン性界面活性剤、例えば、Tween、Pluronicsまたはポリエチレングリコール(PEG)などが含まれる。
本発明に従って使用される薬学的組成物の配合は、提案された投与経路に基づく。投与経路には、吸入投与、吹き込み投与(口または鼻のいずれかを介して)、経口投与、口内投与、直腸投与または非経口投与が含まれ得るが、これらに限定されない。
(診断および予後の適用)
遺伝子の活性および/または発現を変化させて、血管形成関連障害を生じさせる、本発明の血管形成遺伝子のいずれか1つにおける変異が存在するならば、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、これらの障害の診断もしくは予後のために、またはそのような障害に対する素因のために使用することができる。そのような障害の例には、がん、関節リウマチ、糖尿病網膜症、乾癬、および心臓血管疾患(例えば、アテローム性動脈硬化など)、虚血性四肢疾患および冠状動脈疾患が含まれるが、これらに限定されない。適切な治療的介入を開始するために、診断または予後は、疾患状態の重篤度、タイプまたは段階を明らかにするために使用することができる。
本発明の別の実施形態において、診断目的または予後目的のために使用することができるポリヌクレオチドには、オリゴヌクレオチド配列、ゲノムDNA、ならびに相補的なRNA分子およびDNA分子が含まれる。ポリヌクレオチドは、血管形成遺伝子のいずれか1つにおける異常な発現または変異が疾患と相関し得る生検組織における遺伝子発現を検出および定量するために使用することができる。診断または予後のために使用されるゲノムDNAは、身体の細胞(例えば、血液、組織生検、手術標本または剖検材料に存在する細胞など)から得ることができる。DNAは、特定の配列を検出するために単離され、そのまま使用することができ、または、分析の前にポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって増幅することができる。同様に、RNAまたはcDNAもまた、PCR増幅とともに、またはPCR増幅を伴うことなく使用することができる。特定の核酸配列を検出するために、直接的なヌクレオチド配列決定、逆転写酵素PCR(RT−PCR)、特異的なオリゴヌクレオチドを使用するハイブリダイゼーション、制限酵素消化およびマッピング、PCRマッピング、RNAse保護、ならびに様々な他の方法を用いることができる。特定の配列に対して特異的なオリゴヌクレオチドを化学合成し、放射能または非放射能により標識して、膜もしくは他の固体支持体に固定化された個々のサンプルに対して、または溶液中においてハイブリダイゼーションすることができる。その後、血管形成遺伝子のいずれか1つの存在、非存在または過剰な発現を、オートラジオグラフィー、蛍光測定法または比色測定などの方法を使用して可視化することができる。
特定の局面において、本発明のヌクレオチド配列は、関連する障害(特に、前述の障害)の存在を検出するアッセイにおいて有用であり得る。ヌクレオチド配列は標準的な方法によって標識して、患者から得られた体液サンプルまたは組織サンプルに、ハイブリダイゼーション複合体の形成に好適な条件のもとで加えることができる。好適なインキュベーション期間の後、サンプルは洗浄され、シグナルが定量され、標準値と比較される。患者サンプルにおけるシグナル量がコントロールサンプルとの比較において著しく変化している場合、サンプルにおけるヌクレオチド配列の変化したレベルの存在は、関連する障害の存在を示している。そのようなアッセイはまた、動物研究において、臨床試験において特定の治療的処置療法の効力を評価するために、または、個々の患者の処置をモニターするために使用することができる。
本発明の血管形成遺伝子のいずれか1つにおける変異に関連する血管形成関連障害の診断または予後のための基礎を提供するために、関連した遺伝子のヌクレオチド配列を、患者が変異型遺伝子を発現しているかどうかを明らかにするために、正常な組織と病的組織との間で比較することができる。
本発明の血管形成遺伝子のいずれか1つの異常な発現に関連する障害の診断または予後のための基礎を提供するために、発現についての正常または標準的なプロフィルが明らかにされる。これは、正常な対象(動物またはヒトのいずれか)から採取された体液または細胞抽出物を、関連した血管形成遺伝子をコードする配列またはそのフラグメントと、ハイブリダイゼーションまたは増幅のために好適な条件のもとで一緒にすることによって達成することができる。標準的なハイブリダイゼーションを、正常な対象から得られた値を、既知量の実質的に精製されたポリヌクレオチドが使用される実験からの値と比較することによって定量することができる。血管形成遺伝子のいずれか1つの発現についての正常または標準的なプロフィルを同定するための別の方法は定量的RT−PCR研究による。正常な個体の身体の細胞から単離されたRNA(特に、内皮細胞から単離されたRNA)が逆転写され、関連した遺伝子について特異的なオリゴヌクレオチドを使用するリアルタイムPCRが、遺伝子の正常な発現レベルを明らかにするために行われる。これらの例の両方において得られた標準値を、障害について症状を示す患者に由来するサンプルから得られた値と比較することができる。標準値からのずれが、障害の存在を明らかにするために使用される。
障害の存在が明らかにされ、処置プロトコルが開始されると、ハイブリダイゼーションアッセイまたは定量的RT−PCR研究を、患者における発現レベルが、正常な対象において観測されるレベルに近づき始めているかどうかを明らかにするために定期的に繰り返すことができる。連続したアッセイから得られる結果は、数日から数ヶ月に及ぶ期間にわたって処置の効力を示すために使用することができる。
本発明のさらなる局面によれば、本発明の血管形成遺伝子のいずれか1つに関連する血管形成関連障害の診断または予後における、あるいは、そのような障害に対する素因における、上記に記載されるような血管形成ポリペプチドの使用が提供される。
診断アッセイまたは予後アッセイが任意の関連した血管形成ポリペプチドに基づくことになるとき、様々な方法が可能である。例えば、診断または予後を、正常なタンパク質および変異型タンパク質の電気泳動移動度の違いをモニターすることによって達成することができる。そのような方法は、電荷置換が存在する変異体、または、挿入、欠失もしくは置換が、生じたタンパク質の電気泳動移動における著しい変化をもたらしている変異体を同定する際には特に有用である。あるいは、診断または予後は、正常なタンパク質および変異型タンパク質のタンパク質分解的切断パターンの違い、様々なアミノ酸残基のモル比の違いに基づくことができ、または、遺伝子産物の変化した機能を明らかにする機能的アッセイによることができる。
別の局面において、関連した血管形成遺伝子産物と特異的に結合する抗体を、遺伝子の異常な発現によって特徴づけられる障害の診断または予後のために使用することができ、あるいは、関連した血管形成遺伝子もしくは血管形成タンパク質、またはアゴニスト、アンタゴニスト、またはその阻害剤で処置されている患者をモニターするためのアッセイにおいて使用することができる。診断目的または予後目的のために有用な抗体は、治療剤について上記に記載されたのと同じ様式で調製することができる。診断アッセイまたは予後アッセイには、ヒト体液におけるか、または、細胞もしくは組織の抽出物における関連したタンパク質を検出するために抗体および標識を利用する方法が含まれ得る。抗体は、修飾を伴って、または修飾を伴うことなく使用することができ、また、レポーター分子の共有結合的結合または非共有結合的結合によって標識することができる。
ポリペプチドについて特異的な抗体の使用に基づいて関連した血管形成ポリペプチドを測定するための様々なアッセイがこの分野では知られており、これらのアッセイは、変化した発現レベルまたは異常な発現レベルを診断するための基礎を提供する。発現についての正常値または標準値が、正常な哺乳動物対象(好ましくはヒト)から採取された体液または細胞抽出物を、関連したタンパク質に対する抗体と、複合体形成のために好適な条件のもとで一緒にすることによって明らかにされる。標準の複合体形成の量は、この分野で知られている様々な方法によって定量することができる。例には、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、放射免疫アッセイ(RIA)、免疫蛍光、フローサイトメトリー、組織学、電子顕微鏡観察、インシチュアッセイ、免疫沈殿、ウエスタンブロットなどが含まれるが、これらに限定されない、例えば、ELISA技術を使用する場合、抗体に結合している酵素は、例えば、分光光度法的手段、蛍光測定法的手段または可視的手段によって検出することができる化学成分をもたらすような様式で、適切な基質(好ましくは、発色性基質)と反応する。検出はまた、抗体または抗体フラグメントが放射能標識されるRIAなどの他のアッセイを使用することによって達成することができる。抗体を蛍光化合物で標識することもまた可能である。蛍光標識された抗体が特定の波長の光にさらされる場合、その存在を蛍光により検出することができる。抗体はまた、抗体を化学発光化合物にカップリングすることによって検出可能に標識することができる。その場合、化学発光標識された抗体の存在は、化学反応の経過時に生じる発光の存在を検出することによって明らかにされる。
生検組織に由来する対象サンプル、コントロールサンプルおよび疾患サンプルにおいて発現しているタンパク質の量が標準値と比較される。標準値と対象値との間におけるずれにより、疾患の診断または予後を行うためのパラメーターが明らかにされる。
個体が疾患に関して診断または予後予測されると、効果的な処置を、上記に記載されるように開始することができる。制御されない血管形成または増強された血管形成によって特徴づけられる血管形成関連疾患の処置では、拡大しつつある脈管構造を阻害する必要がある。これは、血管形成を促進する本発明の関連した血管形成遺伝子または血管形成タンパク質を阻害することを伴う。加えて、処置はまた、その正常な役割が、血管形成を阻害することであるが、その活性が罹患者において低下しているか、または存在しない本発明の関連した血管形成遺伝子または血管形成タンパク質の発現または機能を刺激する必要がある場合がある。
阻害された血管形成または低下した血管形成によって特徴づけられる血管形成関連疾患の処置では、血管の拡大を強化または促進する方法が望ましい。これは、本質的には上記に記載されるような方法を使用して達成することができ、しかし、その正常な役割が、血管形成を促進することであるが、その活性が罹患者において低下しているか、または存在しない関連した血管形成遺伝子または血管形成タンパク質の発現または機能を刺激することを伴う。あるいは、血管形成を制限する遺伝子またはタンパク質を阻害することもまた、処置に対する方法であり得る。
(マイクロアレイ)
さらなる実施形態において、本明細書中に記載されるポリヌクレオチド配列のいずれかに由来する完全なcDNA、オリゴヌクレオチドまたはより長いフラグメントはマイクロアレイにおけるプローブとして使用することができる。マイクロアレイは、非常に多数の遺伝子の発現レベルを同時にモニターするために、また、遺伝的な変化体、変異および多型を同定するために使用することができる。この情報は、遺伝子機能を明らかにするために、血管形成関連障害の遺伝的基礎を理解するために、血管形成関連障害の診断または予後を行うために、また、治療剤を開発し、その活性をモニターするために使用することができる。マイクロアレイは、この分野で知られている方法を使用して調製し、使用し、かつ分析することができる(例えば、Schena他(1996);Heller他(1997)を参照のこと)。
(形質転換された宿主)
本発明はまた、本発明の核酸分子を含む遺伝子改変(ノックアウト、ノックインおよび遺伝子組換え)された非ヒト動物モデルの作製を規定する。これらの動物は、関連した血管形成遺伝子の機能の研究のために、血管形成遺伝子のプロセスを研究するために、これらの遺伝子に関連づけられるような血管形成疾患の機構を研究するために、血管形成関連障害を処置するための候補の薬学的化合物をスクリーニングするために、タンパク質または変異型タンパク質を発現する外植された哺乳動物細胞培養物を作製するために、また、潜在的な治療的介入を評価するために使用される。
本発明の動物モデルにおける使用のために好適である動物種には、ラット、マウス、ハムスター、モルモット、ウサギ、イヌ、ネコ、ヤギ、ヒツジ、ブタおよび非ヒト霊長類(例えば、サルおよびチンパンジーなど)が含まれるが、これらに限定されない。最初の研究のためには、遺伝子改変されたマウスおよびラットが、これらの動物のノックイン、ノックアウトまたは遺伝子組換え体を作製することが比較的容易であること、それらの管理の容易さ、およびそれらのより短い寿命のために、非常に望ましい。特定の研究のためには、遺伝子組換えされた酵母または無脊椎動物が、それらは迅速なスクリーニングを可能にし、かつ、はるかにより容易な取り扱いを提供するため、好適かつ好ましい場合がある。より長い期間の研究のためには、非ヒト霊長類が、ヒトとのそれらの類似性のために所望されることがある。
本発明の血管形成遺伝子のいずれか1つに基づく動物モデルを作製するために、いくつかの方法を用いることができる。これらには、相同的な動物遺伝子における特定の変異の作製、相同組換えによる野生型ヒト遺伝子および/またはヒト化動物遺伝子の挿入、野生型または変異型または人工的なプロモーターエレメントを使用するゲノムまたはミニ遺伝子のcDNA構築物としての変異型ヒト遺伝子(1個または複数個)の挿入、あるいは、相同組換えによる内因性遺伝子の人為的に改変されたフラグメントの挿入が含まれるが、これらに限定されない。これらの改変では、変異型停止コドンの挿入、DNA配列の欠失、または、Creリコンビナーゼなどの酵素によって認識される組換えエレメント(lox p部位)を含むことが含まれる。
遺伝子機能の獲得をインビボで研究するための遺伝子組換えマウスを作製するために、任意の関連した血管形成遺伝子を、卵母細胞顕微注入などの標準的な技術を使用してマウスの生殖系列に挿入することができる。遺伝子機能の獲得は、遺伝子およびそのタンパク質産物の過剰発現、または、調べられている遺伝子の変異の遺伝的相補を意味することができる。卵母細胞注入のために、1コピーまたは数コピーの野生型遺伝子または変異型遺伝子を受精直後のマウス卵母細胞の前核に挿入することができる。その後、この卵母細胞は偽妊娠里親に再移植される。生きて生まれたマウスは、その後、関連したヒト血管形成遺伝子配列の存在についての尾DNAの分析を使用して、組み込み体についてスクリーニングすることができる。導入遺伝子は、YAC、BAC、PACまたは他の染色体DNAフラグメントとして注入された完全なゲノム配列、天然のプロモーターまたは異種のプロモーターのいずれかを有するcDNA、あるいは、コード領域、および最適な発現のために必要であることが見出されている他のエレメントのすべてを含有するミニ遺伝子のいずれかであり得る。
ノックアウトマウスまたはノックインマウスを作製するために、マウスの胚性幹細胞(ES細胞)における相同組換えによる遺伝子標的化を適用することができる。ノックアウトマウスは、遺伝子機能の喪失をインビボで研究するために作製され、一方、ノックインマウスは機能の獲得の研究を可能にするか、または、特定の遺伝子変異の影響を研究することを可能にする。ノックインマウスは遺伝子組換えマウスに類似しており、しかしながら、組み込み部位およびコピー数が前者では規定される。
ノックアウトマウスの作製のために、遺伝子標的化ベクターを、マウスゲノムにおける関連した血管形成遺伝子のタンパク質コード領域が破壊(ノックアウト)されるように設計することができる。本発明のノックアウト動物は本発明の関連した血管形成遺伝子の機能的破壊を含み、その結果、その遺伝子が生物学的に活性な産物を発現しないようにされる。それは、遺伝子によってコードされる少なくとも1つの機能的活性における実質的な欠損であり得る。遺伝子によってコードされるポリペプチドの発現が実質的に存在しない(すなわち、本質的には検出できないほどの量が作製される)か、または、遺伝子産物の一部分のみが産生された場合などでは活性において不十分であり得る。対照的に、ノックインマウスを、関連した血管形成遺伝子を含有する遺伝子標的化ベクターがマウスゲノムにおける規定された遺伝的遺伝子座に組み込まれ得ることによって作製することができる。両方の適用のために、相同組換えが、相同的なDNA配列を認識し、それらを二重交差により交換する特異的なDNA修復酵素によって触媒される。
遺伝子標的化ベクターは通常、エレクトロポレーションを使用してES細胞に導入される。その後、ES細胞の組み込み体が、標的化ベクター上に存在する抗生物質耐性遺伝子によって単離され、続いて、検討中の遺伝子が目的の遺伝子座に組み込まれているそのようなES細胞クローンを同定するために遺伝子型決定される。その後、適切なES細胞が、新規なマウス系統を作製するために生殖系列を介して伝達される。
遺伝子除去が早期の胚致死性をもたらす場合、条件的遺伝子標的化を用いることができる。これは、遺伝子を時間的および空間的に制御された様式で欠失することを可能にする。上記のように、適切なES細胞が、新規なマウス系統を作製するために生殖系列を介して伝達され、しかしながら、遺伝子の実際の欠失は、組織特異的な様式または時間制御された様式で成体マウスにおいて行われる。条件的遺伝子標的化は、最も一般的には、cre/lox系の使用によって達成される。酵素creは34塩基対のloxP配列を認識することができ、その結果、loxP隣接(またはフロクス(floxed))DNAがcreによって認識および切り出されるようになる。遺伝子組換えマウスにおける組織特異的なcre発現は、遺伝子標的化されたフロクスマウスをcre遺伝子組換えマウスと交配することによって組織特異的なノックアウトマウスの作製を可能にする。ノックアウトを、「欠失体」マウスを使用して、または、誘導可能なcre遺伝子を有する遺伝子組換えマウス(例えば、テトラサイクリン誘導可能なcre遺伝子を有する遺伝子組換えマウスなど)を使用してどの組織でも行うことができ(Schwenk他、1995)、あるいは、ノックアウトを、例えば、CD19−creマウスの使用によって組織特異的にすることができる(Rickert他、1997)。
本発明のさらに別の局面において、候補の薬学的化合物をスクリーニングするための遺伝子改変された非ヒト動物の使用が提供される。
図面の簡単な記述
数多くの先行技術刊行物が本明細書中に示されているが、この参照は、これらの文書のいずれかがこの分野またはオーストラリアまたは任意の他の国における共通する一般的な知識の一部を形成するということを認めるものでないことが明らかに理解される。本明細書および請求項の全体を通して、単語「含む」(「comprise」、「comprises」および「comprising」)は、文脈が別途要求する場合を除いて、非排他的意味で使用される。
図1は血管形成のインビトロモデルにおける規定された時点の期間中における選択された示差的に発現しているクローンの発現プロフィルの例を示す。インビトロ管形成アッセイの0.5時間、3時間、6時間および24時間の規定された段階での時点が、マイクロアレイハイブリダイゼーションのために使用されたcy5色素(赤)およびcy3色素(緑)の対数比率に対してプロットされた。A:最大の発現を0.5時間の時点で有するクローンの例;B:最大の発現を3時間の時点で有するクローンの例;C:最大の発現を6時間の時点で有するクローンの例;およびD:最大の発現を24時間の時点で有するクローンの例。
図2は示差的に発現している遺伝子(BNO782およびBNO481)の発現プロフィルを示す。両遺伝子は最大の発現をインビトロ管形成アッセイの6時間の時点で示している。A:BNO782;B:BNO481。
図3はリアルタイムRT−PCRによって測定されたときの、BNO782 siRNA2により媒介されるBNO782の発現ノックダウン、およびBNO481 siRNA1により媒介されるBNO481の発現ノックダウンのレベルの分析を示す。それぞれの遺伝子に対して標的化された3つのsiRNAオリゴヌクレオチドは様々な程度に遺伝子の発現を低下させることができ、BNO781 siRNA2はBNO781の発現を24%阻害し(A)、BNO481 siRNA1はBNO481の発現を36%阻害した(B)。
図4はBNO782またはBNO481のmRNA発現を低下させることにより、HUVEC管形成が阻害されることを示す。BNO782 siRNA2、BNO481 siRNA1、またはベクターコントロールを感染させたHUVECをMatrigelに24時間置床した。ベクター感染細胞は管構造の広範囲の網状組織を形成した(AおよびC)。対照的に、BNO782 siRNA2またはBNO481 siRNA1を感染させた細胞は、非常に多数の不完全な管伸長を伴う、複雑性が著しく低下した管構造の網状組織を示した(BおよびD)。
実施例1:インビトロ毛細管形成
血管形成のインビトロモデルは、本質的にはGamble他(1993)に記載される通りである。アッセイをホルボールミリスタートアセタート(PMA)および抗インテグリン(αβ)抗体RMACIIの刺激下でのコラーゲン中で行った。ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を2代〜4代の継代の間ですべての実験において使用した。
細胞を大量培養から集め(t=0)、刺激を伴うコラーゲンゲルに再置床し、その後、アッセイ開始後の0.5時間、3.0時間、6.0時間および24時間でコラーゲンゲルから集めた。これらの時点は、大きな形態学的変化がこれらの段階で生じるため選ばれた。簡単に記載すると、0.5時間までに、細胞がコラーゲンマトリックスに付着し、ゲル内への遊走を開始している。3.0時間までに、小さい細胞内小胞が視認される。6.0時間までに、これらの小胞は合体して、膜に結合した空胞を形成し、短い芽の形態で細胞がゲルに侵入する。この時間の後、これらの空胞は形質膜と融合し、従って、細胞間空間を拡大して、内腔を生じさせる(Meyer他、1997)。これらのより大きい空胞の形成は内腔形成の不可欠な要件である(Gamble他、1999)。24時間までに、毛細管の全体的な吻合している網状組織が形成されており、退化を開始している。
実施例2:RNA単離、cDNA合成および増幅
指定された時点で集められた細胞を、Trizol試薬(Gibco BRL)を製造者の条件に従って使用する総RNAの単離のために使用した。SMART(RNA転写物の5’末端での切り換え機構)技術を使用して、少量の総RNAを、cDNAサブトラクションを行うことを可能にするための十分なcDNAに変換した(下記参照)。これは、SMART PCR cDNA合成キット(Clontech使用者マニュアルPT3041−1)を製造者の推奨法に従って使用して達成された。SMART−PCR cDNA合成プロトコルは、cDNAサブトラクションのために続いてPCR増幅された大多数の全長cDNAをもたらした。
実施例3:サプレッション・サブトラクティブ・ハイブリダイゼーション(SSH)
SSHを、選択された時点によって規定されるcDNA集団の間でアップレギュレーションまたはダウンレギュレーションのいずれかを受けているcDNAについて濃縮するために、SMART増幅のcDNAに対して行った。この技術はまた、調節されたcDNAの「正規化」を可能にし、それにより、存在量が低いcDNA(すなわち、良好に発現されないが、重要な遺伝子)をより容易に検出可能にする。これを行うために、PCR−Select cDNA合成キット(Clontech使用者マニュアルPT3041−1)およびPCR−Select cDNAサブトラクションキット(Clontech使用者マニュアルPT1117−1)を製造者の条件に基づいて使用した。これらの手法はサブトラクティブハイブリダイゼーションおよびサプレッションPCR増幅に依拠した。SSHを下記の集団の間で行った:0−0.5時間;0.5−3.0時間;3.0−6.0時間;6.0−24時間。
実施例4:cDNAクローンの示差的スクリーニング
SSHの後、標準的な技術(Sambrook他、1989)を使用して、cDNAフラグメントをEagIで消化し、pBluescriptKSにおける適合し得る唯一のNotI部位にクローン化した。これにより、フォワードおよびリバースのサブトラクションライブラリーがそれぞれの時間について得られた。最初に、フォワードサブトラクションライブラリーを、血管形成のインビトロモデルの期間中のそれらの発現においてアップレギュレーションされている遺伝子を表すそのようなクローンを同定するためにその後の研究において使用した。これを行うために、マイクロアレイ分析手法を採用した。
マイクロアレイスライドの調製
4つのフォワードサブトラクションライブラリーに由来する合計で10000個のクローン(0−0.5時間に由来する3200クローン;0.5−3時間に由来する3000クローン;3−6時間に由来する2800クローン;6−24時間に由来する1000クローン)を選び、マイクロアレイスライドを構築した。これらのクローンに由来する挿入物を、隣接するT3およびT7のpBluescriptKSベクタープライマーを用いた標準的なPCR技術を使用して増幅した。各クローンに由来するDNAを1枚のマイクロアレイスライドに二連でスポットした。適切な陽性コントロールおよび陰性コントロールもまたプレート上に含まれた。
プローブの標識化
指定された時間(0時間、0.5時間、3時間、6時間および24時間)で集められたヒト臍帯静脈内皮細胞を、Trizol試薬(Gibco BRL)を製造者の条件に従って使用する総RNAの単離のために使用した。それぞれの時点から、0.5μgの総RNAを、Ambion MessageAmpTM aRNAキットを使用してアンチセンスRNA(aRNA)を増幅するためのテンプレートとして使用した。簡単に記載すると、逆転写によって得られたメッセージのポリ(A)テールから伸びるT7プロモーター配列を含有するcDNAを合成するために、総RNAをT7オリゴ(dT)プライマーを用いて逆転写した。cDNAを二本鎖DNAテンプレートに変換し、そして、蛍光性CyDyeのカップリングを可能にするように5−(3−アミノアリル)−UTPを取り込むaRNAのインビトロ転写のために使用した。最初の総RNAが5%未満のmRNAを含有したことを仮定すると、典型的な増幅反応は約10μgのmRNA(400Xを越える増幅)をもたらしたと考えられる。
マイクロアレイハイブリダイゼーション
CyDyeカップリング後、合成されたaRNAをマイクロアレイスライドに対するハイブリダイゼーションのためのプローブとして使用した(3.0μg〜3.5μg)。行われたハイブリダイゼーションは下記の通りであった:
1.0対0.5h(6枚のスライド、3回のDye交換)
2.0対3h(4枚のスライド、2回のDye交換)
3.0対6h(4のスライド、2回のDye交換)
4.0対24h(4枚のスライド、2回のDye交換)
多数のスライドを、いずれか1つのハイブリダイゼーションからの結果を確認するためにそれぞれの時点についてハイブリダイゼーションした。スライドを16時間チャンバー内でハイブリダイゼーションし、洗浄し、その後、GenePix2000スキャナーを使用して走査した。非常にアップレギュレーションされていることが示されたそのようなクローンをさらなる分析のために選んだ。
まとめると、SSHを、アップレギュレーションされ、かつ、内皮細胞の活性化および血管形成の基礎となっている生物学的プロセスに関与し得る遺伝子を同定するために、マイクロアレイ分析との組合せで使用した。この方法は、遺伝子検出の冗長性を減少させ、かつ、内皮細胞トランスクリプトームにおける全体的な提示が低い遺伝子を検出する可能性を高めることを目指すヌクレオチドハイブリダイゼーション工程を伴うという点で新規である。ヌクレオチドに基づく連続した時点は、検出の冗長性を低下させる方法で、特定の遺伝子のアップレギュレーションが生じている時点を検出することを目指す。例えば、3時間においてアップレギュレーションされている遺伝子は、その発現がその後の時点においてもアップレギュレーションされたままであると、0.5−3時間のサブトラクション工程で検出されるだけである。対照的に、サブトラクションがすべてのその後の時点について0時間の時点とともに行われた場合、この例の遺伝子は、3時間の時点のサブトラクションの後のすべてのサブトラクション工程で検出される。これは、内皮細胞mRNA発現プールにおける提示がより低い他の遺伝子の可能な検出を遮蔽することをもたらし得る冗長性を持ち込む。マイクロアレイ分析のその後の使用は、それぞれの時点を0時間の時点とともに伴うSSH工程における比較サブトラクションハイブリダイゼーションに基づいている。これは、各遺伝子がアップレギュレーションされている時点にかかわらず、0時間に関してすべての時点にわたる各遺伝子の発現プロフィルの決定を可能にする。
実施例5:クローン選択
マイクロアレイハイブリダイゼーションの分析から、合計で1963個のクローンが、血管形成のインビトロモデルの期間中の指定された時点でそれらの発現においてアップレギュレーションされていると同定された。図1は、クローンの選択のための、インビトロモデルにおける規定された時点の期間中に観測された発現プロフィルの一例を示す。1963個のクローンのそれぞれを配列決定し、続くインシリコデータベース分析を使用して、ベクター配列のみを含有するクローン、および、不良な配列が得られたクローンを除いた。この後、冗長性スクリーニングを使用して、クローンを、それらが表す個々の遺伝子に従ってグループ分けした。これにより、血管形成のプロセス期間中のそれらの発現においてアップレギュレーションされていることが見出された合計で523個の遺伝子が残った。
表1、表2および表3は、配列されたアップレギュレーションされているクローンに関する情報を提供している。表1は、以前には特徴づけられていない遺伝子または新規な遺伝子を表すそのようなクローンを含み、一方、表2は、以前には血管形成と関連していなかった以前に同定されていた遺伝子に対応するクローンを含む。血管形成のプロセスに関与することが以前に示されている多数の遺伝子もまた同定されていた(表3)。これらのクローンの同定は、用いられた血管形成遺伝子同定戦略が有効であるということの原理の妥当性確認および証拠を示しており、また、表1および表2に示されるクローンがさらなる血管形成遺伝子候補であることを示唆している。
実施例6:血管形成遺伝子の分析
血管形成における表1および表2の遺伝子の関与についてのさらなる証拠を、各遺伝子の機能的分析によって、例えば、それらの発現のノックダウンが内皮細胞(EC)の機能および毛細管形成に対して有する影響を調べることによって得ることができる。
数多くのノックダウン技術およびアッセイを使用することができる。例えば、遺伝子の全長のコード配列を好適な発現ベクター(例えば、レトロウイルスまたはアデノウイルスなど)にセンス配向およびアンチセンス配向の両方でクローン化し、ECへの感染のために使用することができる。レトロウイルス感染は、目的とする遺伝子を発現する長期間のEC株をもたらし、これに対して、アデノウイルス感染は一過性の遺伝子発現をもたらす。その後、感染細胞は、血管形成における各遺伝子の役割を確認するために、増殖および毛細管形成を含む数多くのECアッセイに供することができる。
本研究では、RNA干渉(RNAi)遺伝子ノックダウン技術が遺伝子機能の分析のために使用された(詳細な記載については下記を参照のこと)。この技術では、短い遺伝子特異的なRNAオリゴヌクレオチドが、レトロウイルス感染により媒介されて培養中のECに送達される。これらのオリゴヌクレオチドは研究中の遺伝子転写物に結合し、その分解を誘導し、これにより遺伝子発現のサイレンシングまたは減少をもたらす。続いて、遺伝子発現に対するこの変化の結果を、インビトロで増殖し、遊走し、かつ毛細管を形成するECの能力を調べるアッセイを使用して研究することができる。本研究において採用されたRNAi手法が下記に詳しく記載されており、これは、同定されたアップレギュレーションされている血管形成遺伝子のうちの2つの分析を記録している。これらの遺伝子の1つが、表1に示されるBNO782(その発現がインビトロ血管形成モデルにおいて6時間の時点で最大になる新規な遺伝子)であり(図2A)、一方、もう一方の遺伝子は、表2に示されるようなBNO481(KPNA4)であり、これは、血管形成において役割を果たしていることが以前には示されていない以前に同定されていた遺伝子である。BNO481の発現もまた、インビトロ血管形成モデルにおいて6時間の時点で最大になる(図2B)。
RNAiオリゴヌクレオチドの設計
BNO782およびBNO481のRNAi媒介によるノックダウンのための短い干渉RNA(siRNA)オリゴヌクレオチドを自作のコンピュータソフトウエアの適用によって同定した。このソフトウエアは、適切なsiRNAオリゴヌクレオチドを選択するための一連のパラメーターを取り込む。これらのパラメーターは、siRNA配列がAAジヌクレオチドの後で開始し、siRNAが遺伝子のオープンリーディングフレーム内およびATG開始コドンの100bp下流に存在し、siRNAのGC含有量が35%〜60%の間にあり、かつ、siRNAが、4つ以上のTヌクレオチド、Aヌクレオチド、CヌクレオチドまたはGヌクレオチドからなる領域を有しないことを保証する。複雑性が低い領域を有するsiRNA配列は使用しなかった。また、BLAST分析を使用して、多数の遺伝子と交差ハイブリダイゼーションするプローブを除くように選択した(“expect 500”および“word size 7”でのBlastn_refseq、ならびに、19>スコア>15で許容されたアラインメントスコア[この場合、アライメントスコア=一致する長さ−(ギャップ+ミスマッチ)])。siRNAをレトロウイルスベクターへのクローニングのためにヘアピン様式で合成した。各遺伝子について、3つのsiRNAオリゴヌクレオチドを選択し、各1つを遺伝子ノックダウンおよびEC機能に対するそれらの影響について個々に調べた。
HUVE細胞のレトロウイルス感染
それぞれのsiRNAオリゴヌクレオチドを、オリゴヌクレオチドをヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)に送達するためのレトロウイルスベクターにクローン化した。siRNAベクターをpMSCVpuro(BD Biosciences)の改変によって構築した。簡単に記載すると、pMSCVpuroの3’LTRをXbaI/NheIフラグメントの除去によって不活性化した。その後、H1−RNAポリメラーゼIIIプロモーターカセットをベクターのMCSに挿入した。アニーリングしたsiRNAプライマーを、BglIIおよびHindIIIの制限酵素で消化された改変ベクター(pMSCVpuro(H1))に連結した。
HUVECの感染に先立つウイルスの作製のために、293T細胞を、10%FCS(Invitrogen)および1.0M Hepes(Invitrogen)が補充され、抗生物質を含まないRPMI培地(Invitrogen)において、トランスフェクションの18時間前〜24時間前に6ウエルプレートのウエルあたり1x10細胞の密度で置床した。細胞を、Lipofectamine2000試薬(Invitrogen)を使用して、2μgのレトロウイルスDNAおよび1.5μgのpVPack−VSV−G(Stratagene)および1.5μgのpVPack−GP(Stratagene)を用いて同時トランスフェクションした。トランスフェクションされた細胞を5%COにおいて37℃で一晩インキュベーションした。翌日、DNA/LF2000複合体を含有する培地を除き、10%FCS、1.0M Hepesおよび1%PSG(Invitrogen)が補充されたRPMIと置き換えた。ウイルス含有上清をトランスフェクション後の48時間〜72時間で集めて、0.45μMのフィルターを使用してろ過した。ウイルスを小分けにして、−80℃で保存した。
HUVEC(Clonetics)のレトロウイルス感染のために、細胞をEGM−2培地(Clonetics)において6ウエルプレートのウエルあたり1.3x10細胞の密度で感染24時間前に置床した。翌日、500μLのウイルス上清を500μLのEGM−2完全培地と一緒にした。ポリブレン(Sigma)を8.0μg/mLの最終濃度に加えた。培地を細胞から吸引し、ウイルス混合物と置き換えた。細胞を5%COにおいて37℃でウイルス混合物とインキュベーションした。3時間のインキュベーションの後、さらに1.0mLのEGM−2培地を加え、細胞をさらに24時間インキュベーションした。この時間の後、HUVE細胞を1:2で分割して、6ウエルプレートに再置床した。細胞を分割後24時間インキュベーションして、細胞を回復および接着させた。感染した細胞について選択するために、培地を、ピューロマイシン(Sigma)を0.4μg/mLの最終濃度で含有するEGM−2完全培地と置き換えた。細胞を、ピューロマイシンで処理された非感染の細胞が死滅し、感染した耐性細胞がコンフルエンスに成長するまでインキュベーションした。ピューロマイシンを含有する培地を、ピューロマイシンを補給し、細胞破片を除くために48時間毎に取り替えた。耐性の細胞がコンフルエンスに成長すると(選抜を開始した約4〜5日後)、細胞をPBSで洗浄し、トリプシン処理して、それらの性質を、Matrigel毛細管形成アッセイを使用して分析した。
毛細管形成アッセイ
96ウエル組織培養プレートを2層プロセスで4℃において50μLの冷Matrigel(BD Biosciences)でコーティングした。Matrigelを、使用前に、少なくとも30分間、37℃で重合させた。トリプシン処理した細胞を500μLのEGM−2培地に集め、400rcfで3分間遠心分離して、細胞をペレットにした。これは、アッセイを妨害し得るトリプシンの除去を可能にした。細胞ペレットを500μLのEGM−2培地に再懸濁し、血球計を使用して計数した。細胞をEGM−2培地において2.5x10細胞/mLに希釈した。100μLの希釈された細胞懸濁物を二連のMatrigelコーティングウエルに加えた。最終的な細胞密度は25000細胞/ウエルであった。プレートを加湿インキュベーターにおいて37℃で5%COとともに22時間インキュベーションした。画像を、4X対物レンズおよびOptonics MagnaFireソフトウエアを用いるOlympus BX−51顕微鏡を使用して得た。リアルタイムRT−PCR分析(下記参照)のためのRNAを抽出するために、残る細胞を400rcfで3分間ペレット化して、培地を除き、ペレットを−80℃で保存した。行われたすべてのアッセイについて、ベクターコントロールが含められた。これは、siRNA挿入物を含有しないベクターについて行われたウイルスによる感染および選抜プロセスを受けているHUVECからなった。これは、コントロール(ベクター)と分析中の個々のsiRNAとの間における毛細管形成能力の比較を可能にした。
リアルタイムRT−PCR分析
HUVECにおいて生じる(siRNAにより媒介される)遺伝子ノックダウンのレベルを測定するために、リアルタイムRT−PCRを用いた。これは、RNeasy MiniキットまたはRNeasy Midiキット(Qiagen)を製造者の説明書(オンカラムDNase処理を含む)に従って使用する感染細胞からのRNAの単離を伴った。総RNAを、品質および純度について調べるために、臭化エチジウムを含有する1.2%TBEアガロースゲルにおいて可視化した。総RNA濃度を分光光度計でのA260によって決定した。
cDNAを合成するために、総RNA(少なくとも1μg、好ましくは1.0μg/μLを越える濃度で)を、M−MLV(Promega)を製造者の指示に従って使用して逆転写した。簡単に記載すると、分析されるRNAサンプルを水で13μLにし、1.0μLのオリゴ−dTプライマー(500ng/μL)を加えた。70℃で5分間インキュベーションした後、チューブを氷上に5分間置き、その後、5.0μLのM−MLV RT 5x反応緩衝液、1.25μLの10mM dNTPミックス、1.0μLのM−MLV RT(H点変異体)酵素および3.75μLの水を含有する11μLの事前に作製されたマスターミックスを加えた。この混合物を40℃で1時間インキュベーションし、その後、反応を、70℃で15分間インキュベーションすることによって停止させた。
リアルタイムPCRをRotorGeneTM2000システム(Corbett Research)において行った。反応では、AmpliTaq Gold酵素(Applied Biosystems)を使用し、反応は製造者の説明書に従った。リアルタイムPCR反応は、典型的には25μLの体積で行われ、1X AmpliTaq Gold緩衝液、200nM dNTPミックス、2.0mM MgCl(これは、使用されたプライマー組合せについて変化し得る)、0.3μMの各プライマー、1X SYBR Greenミックス(Cambrex BioScience Rockland Inc)、1.2μLのAmpliTaq Gold酵素、および10μLの1:5希釈されたcDNAテンプレートからなった。
サイクル処理条件は、典型的には、94℃で12分間、その後、94℃で15秒間、60℃で15秒間および72℃で20秒間の35サイクルで行った。プライマーのアニーリング温度は、使用されたプライマーの性質に依存して変化させることができる。
PCRサイクル処理の後、融解曲線の作製を、RotorGeneTM2000ソフトウエアを使用して行った。この場合、アニーリングした生成物の量を、50℃および99℃の間でそれぞれの程度で保ち、吸光度を測定することによって求めた。すべての生成物を、融解曲線を観測することに加えて、特異性を調べるために、臭化エチジウムを含有する1.2%アガロースゲルで泳動した。
特定の遺伝子のノックダウンのレベルを、その後、レトロウイルスベクターのみを感染させたHUVECと対比されるように、検討中の関連したsiRNAを感染させたHUVECにおけるその発現レベルを比較することによって測定した。
HUVEC機能のインビトロ調節−BNO782およびBNO481
BNO782およびBNO481の発現をノックダウンするために設計されたsiRNAオリゴヌクレオチドは配列番号45〜47および配列番号48〜50によってそれぞれ表される。これらのsiRNAをレトロウイルスにより感染させたHUVECのリアルタイムRT−PCR分析は、それぞれのsiRNAが様々な程度でBNO782またはBNO481の発現をノックダウンすることができたことを明らかにした。BNO782 siRNA(配列番号46)によって媒介されるBNO782の発現ノックダウンのレベルは24%(図3A)であり、一方、BNO481の発現は、BNO481 siRNA1(配列番号48)を使用したとき、36%減少した(図3B)。続いて、これらのsiRNAはともに、それぞれの遺伝子についてのこのレベルのノックダウンが、毛細管形成に関係するHUVECの能力に対して有した影響を調べるために、Matrigelアッセイにおいて別々に使用された。図4において認めることができるように、BNO782またはBNO481のmRNAレベルを低下させることにより、HUVEC管形成が阻害される。ベクター感染細胞は管構造の広範囲の網状組織を形成し(図4Aおよび図4C)、一方、BNO782 siRNA2またはBNO481 siRNA1を感染させた細胞は、非常に多数の不完全な管伸長を伴った、複雑性が著しく低下した管構造の網状組織を示した(図4Bおよび図4D)。この結果から、血管形成のプロセスにおけるBNO782およびBNO481の両方についての役割が確認される。
タンパク質相互作用研究
既知のタンパク質および未知のタンパク質と結合する本発明の血管形成タンパク質(BNO782およびBNO481を含む)のいずれか1つの能力を調べることができる。酵母ツーハイブリッドシステムなどの手法が、何らかの機能的パートナーを発見および同定するために使用される。酵母ツーハイブリッド手法の基礎となっている原理は、酵母における転写活性化因子を含めて、真核生物の多くの転写活性化因子は、2つの異なったモジュール状ドメインからなるということである。第1のドメインは、特異的なプロモーター配列に結合するDNA結合ドメインであり、第2のドメインは、RNAポリメラーゼII複合体に、DNA結合部位の下流側の遺伝子を転写することを行わせる活性化ドメインである。いずれのドメインも単独では転写を活性化することができないため、両方のドメインが転写活性化のために要求される。酵母ツーハイブリッド手法では、目的とする遺伝子またはその一部分(おとり)が、DNA結合ドメインを有するペプチドに対する融合体として発現されるような方法でクローン化される。第2の遺伝子または数多くの遺伝子(例えば、cDNAライブラリーに由来する遺伝子など)(標的)が、活性化ドメインに対する融合体として発現されるようにクローン化される。目的とするタンパク質とその結合パートナーとの相互作用はDNA結合ペプチドを活性化ドメインと一緒にし、レポーター遺伝子の転写を開始させる。第1のレポーター遺伝子は、相互作用するタンパク質を含有する酵母細胞のために選択される(このレポーターは通常、選択培地における成長のために要求される栄養遺伝子である)。第2のレポーターは確認のために使用され、一方、相互作用するタンパク質に応答して発現している間は通常、成長のために要求されない。
相互作用する遺伝子およびタンパク質の性質もまた研究することができ、その結果、これらのパートナーもまた、薬物発見のための標的であり得るようになる。
構造研究
本発明の組換え血管形成タンパク質を、細菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞および/または哺乳動物細胞において産生させることができ、結晶学研究およびNMR研究において使用することができる。タンパク質の分子モデル化と一緒になって、構造に由来する薬物設計を容易にすることができる。
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血管形成のインビトロモデルにおける規定された時点の期間中における選択された示差的に発現しているクローンの発現プロフィルの例を示す。A:最大の発現を0.5時間の時点で有するクローンの例;B:最大の発現を3時間の時点で有するクローンの例。 血管形成のインビトロモデルにおける規定された時点の期間中における選択された示差的に発現しているクローンの発現プロフィルの例を示す。C:最大の発現を6時間の時点で有するクローンの例;D:最大の発現を24時間の時点で有するクローンの例。 示差的に発現している遺伝子(BNO782およびBNO481)の発現プロフィルを示す。 リアルタイムRT−PCRによって測定されたときの、BNO782 siRNA2により媒介されるBNO782の発現ノックダウン、およびBNO481 siRNA1により媒介されるBNO481の発現ノックダウンのレベルの分析を示す。 BNO782またはBNO481のmRNA発現を低下させることにより、HUVEC管形成が阻害されることを示す。
【配列表】
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Claims (136)

  1. 生物学的システムのインビトロモデルにおいて示差的に発現している核酸分子を同定するための方法であって、下記の工程を含む方法:
    (1)モデルシステムから所定の時点で細胞を集める工程;
    (2)それぞれの時点で集められた細胞から総RNAを得る工程;
    (3)それぞれの時点に由来する総RNAからcDNAを調製して、多数のcDNAプールを提供する工程;
    (4)サプレッション・サブトラクティブ・ハイブリダイゼーション(SSH)をそれぞれの時点に由来するcDNAプールに対して順次行い、その結果、ある期間から次の期間まで示差的に発現している核酸分子に由来するcDNAを段階的に増幅するようにする工程。
  2. モデルシステムは血管形成に対するインビトロモデルである請求項1に記載の方法。
  3. 請求項1または2の方法によって同定される、血管形成時に示差的に発現している核酸分子。
  4. 表1および表2に掲げられるものからなる群から選択される請求項3に記載の核酸分子。
  5. 生物学的システムのインビトロモデルにおいてアップレギュレーションされている核酸分子を同定するための方法であって、下記の工程を含む方法:
    (1)モデルシステムから所定の時点で細胞を集める工程;
    (2)それぞれの時点で集められた細胞から総RNAを得る工程;
    (3)それぞれの時点に由来する総RNAからcDNAを調製して、多数のcDNAプールを提供する工程;
    (4)サプレッション・サブトラクティブ・ハイブリダイゼーション(SSH)をそれぞれの時点に由来するcDNAプールに対して順次行い、その結果、ある期間から次の期間まで示差的に発現している核酸分子に由来するcDNAを段階的に増幅するようにする工程;
    (5)増幅されたcDNAをクローン化する工程;
    (6)各クローンに由来するDNAをマイクロアレイ上において突き止める工程;
    (7)前記所定の時間間隔でインビトロモデルから集められた細胞に由来する総RNAの逆転写によってアンチセンスRNAを作製し、そのアンチセンスRNAを標識する工程;および
    (8)マイクロアレイを、0時間およびそれ以外の他の時点のそれぞれに由来する標識されたアンチセンスRNAでプローブして、インビトロモデルにおいて前記時点でアップレギュレーションされている核酸分子に由来するcDNAを含有するクローンを別々に同定する工程。
  6. インビトロモデルは血管形成に対するインビトロモデルである請求項5に記載の方法。
  7. 請求項5または6の方法によって同定される核酸分子。
  8. 表1および表2に掲げられるものからなる群から選択される請求項7に記載の核酸分子。
  9. 請求項3,4,7または8のいずれか一項に記載の核酸分子によってコードされるポリペプチド。
  10. 配列番号1〜配列番号44の一つに規定される配列を含む単離された核酸分子。
  11. 配列番号1〜配列番号44の一つに規定される配列を含むかまたは表1および表2に掲げられる単離された核酸分子またはそれらのフラグメントであって、血管形成プロセスにおいて役割を果たしているポリペプチドをコードする単離された核酸分子またはそれらのフラグメント。
  12. 配列番号1〜配列番号44の一つに規定される配列を含む核酸分子に対してまたは表1および表2に掲げられる核酸分子に対して少なくとも70%の同一性を有する単離された核酸分子であって、血管形成プロセスにおいて役割を果たしているポリペプチドをコードする単離された核酸分子。
  13. 少なくとも85%の同一性を有する請求項12に記載の単離された核酸分子。
  14. 少なくとも95%の同一性を有する請求項12に記載の単離された核酸分子。
  15. 血管形成プロセスにおいて役割を果たしているポリペプチドをコードする単離された核酸分子であって、配列番号1〜配列番号44の一つに規定されるヌクレオチド配列を含む核酸分子とまたは表1および表2に掲げられる核酸分子とストリンジェントな条件のもとでハイブリダイゼーションする単離された核酸分子。
  16. 血管形成に関連する疾患において役割を果たすポリペプチドをコードする請求項10〜15のいずれか一項に記載の単離された核酸分子であって、前記疾患はがん、関節リウマチ、糖尿病網膜症、乾癬、アテローム性動脈硬化の如き心臓血管疾患、虚血性四肢疾患および冠状動脈疾患を含むが、これらに限定されない単離された核酸分子。
  17. 配列番号1〜配列番号44に規定されるヌクレオチド配列のいずれか一つからなる単離された核酸分子。
  18. 血管形成プロセスに関与している全長のヒト遺伝子を同定および/または取得するための、配列番号1〜配列番号15、配列番号17〜配列番号37および配列番号39〜配列番号44に規定される配列を有するDNA分子からなる群から選択される核酸分子の使用。
  19. 追加の配列が、前記核酸分子のうち一つ以上とのハイブリダイゼイション、インバースPCR、制限部位PCR、歩行PCR技術、またはRACEを使用して得られる請求項18に記載の使用。
  20. 配列番号1〜配列番号15、配列番号17〜配列番号37および配列番号39〜配列番号44から選択される核酸分子の使用によって同定される遺伝子。
  21. 配列番号51〜配列番号58の一つに規定される配列を含む単離されたポリペプチド。
  22. 配列番号51〜配列番号58の一つに規定される配列を含むかまたは表1および表2に掲げられる単離されたポリペプチドまたはそれらのフラグメントであって、血管形成プロセスにおいて役割を果たしている単離されたポリペプチドまたはそれらのフラグメント。
  23. 血管形成プロセスにおいて役割を果たし、配列番号51〜配列番号58の一つに規定されるアミノ酸配列に対してまたは表1および表2に掲げられる遺伝子に対して少なくとも70%の同一性を有する単離されたポリペプチド。
  24. 少なくとも85%の配列同一性を有する請求項23に記載の単離されたポリペプチド。
  25. 少なくとも95%の配列同一性を有する請求項23に記載の単離されたポリペプチド。
  26. 血管形成プロセスに関連する疾患において役割を果たす請求項21〜25のいずれか一項に記載の単離されたポリペプチドであって、前記疾患はがん、関節リウマチ、糖尿病網膜症、乾癬、アテローム性動脈硬化の如き心臓血管疾患、虚血性四肢疾患および冠状動脈疾患を含むが、これらに限定されない単離されたポリペプチド。
  27. 配列番号51〜配列番号58に規定されるアミノ酸配列のいずれか一つからなる単離されたポリペプチド。
  28. 請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子を含む発現ベクター。
  29. 請求項28に記載の発現ベクターを含む細胞。
  30. 真核生物の細胞である請求項29に記載の細胞。
  31. 下記の工程を含むポリペプチドを調製する方法:
    (1)請求項29または30に記載の細胞を、ポリペプチドの産生のために効果的な条件のもとで培養する工程;および
    (2)ポリペプチドを集める工程。
  32. 請求項31に記載の方法により調製されたポリペプチド。
  33. 血管形成を調節する方法であって、請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子によってコードされるポリペプチドの発現または活性を細胞内で調節する工程を含む方法。
  34. 核酸分子は配列番号1〜配列番号44からなる群から選択される請求項33に記載の方法。
  35. ポリペプチドが請求項9,21〜27または32のいずれか一項に記載のポリペプチドまたはその活性なフラグメントである請求項33に記載の方法。
  36. ポリペプチドが配列番号51〜配列番号58からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む請求項35に記載の方法。
  37. ポリペプチドの発現または活性が、請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子のアンタゴニストまたはアゴニスト、または請求項9,21〜27または32のいずれか一項に記載のポリペプチドのアンタゴニストまたはアゴニストの細胞への導入によって調節される請求項33に記載の方法。
  38. ポリペプチドの発現または活性が、請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子に対するアンチセンスの細胞への導入によって調節される請求項33に記載の方法。
  39. ポリペプチドの発現または活性が、請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子の少なくとも一部の相補体でありかつ前記核酸分子の発現またはレベルを調節することができる核酸分子の細胞への導入によって調節される請求項33に記載の方法。
  40. 核酸分子が請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子によってコードされるmRNAとハイブリダイゼーションするRNA分子である請求項39に記載の方法。
  41. 核酸分子が請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子によってコードされるmRNAとハイブリダイゼーションする短い干渉オリゴヌクレオチドである請求項39に記載の方法。
  42. 核酸分子が請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子に対して標的化された触媒作用核酸分子である請求項39に記載の方法。
  43. 触媒作用核酸分子がDNAザイムである請求項42に記載の方法。
  44. 触媒作用核酸分子がリボザイムである請求項42に記載の方法。
  45. ポリペプチドの発現または活性がポリペプチドに結合することができる抗体によって調節される請求項33に記載の方法。
  46. 抗体が完全なヒト抗体である請求項45に記載の方法。
  47. 抗体が、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、またはFabフラグメント、(Fab’)フラグメント、Fvフラグメント、単鎖抗体および単一ドメイン抗体を含む抗体フラグメントからなる群から選択される請求項45に記載の方法。
  48. ポリペプチドの発現または活性が、請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子またはその活性なフラグメントまたはその変化体を細胞に導入することによって調節される請求項33に記載の方法。
  49. 核酸分子が請求項28に記載の発現ベクターによって導入される請求項48に記載の方法。
  50. ポリペプチドの発現または活性が、請求項9,21〜27または32のいずれか一項に記載のポリペプチドを細胞に導入することによって調節される請求項33に記載の方法。
  51. 血管形成が、制御されない血管形成または増強された血管形成である請求項33〜50のいずれか一項に記載の方法。
  52. 血管形成が不適当に停止されているかまたは低下されている請求項33〜50のいずれか一項に記載の方法。
  53. 血管形成関連障害の処置方法であって、請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子によってコードされるポリペプチドの発現または活性を調節する工程を含む方法。
  54. 核酸分子が配列番号1〜配列番号44からなる群から選択される請求項53に記載の方法。
  55. ポリペプチドが請求項9,21〜27または32のいずれか一項に記載のポリペプチドまたはその活性なフラグメントである請求項53に記載の方法。
  56. ポリペプチドが配列番号51〜配列番号58からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む請求項55に記載の方法。
  57. ポリペプチドの発現または活性が、請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子のアンタゴニストまたはアゴニスト、または請求項9,21〜27または32のいずれか一項に記載のポリペプチドのアンタゴニストまたはアゴニストの細胞への導入によって調節される請求項53に記載の方法。
  58. ポリペプチドの発現または活性が、請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子に対するアンチセンスの細胞への導入によって調節される請求項53に記載の方法。
  59. ポリペプチドの発現または活性が、請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子の少なくとも一部の相補体でありかつ前記核酸分子の発現またはレベルを調節することができる核酸分子の細胞への導入によって調節される請求項53に記載の方法。
  60. 核酸分子が請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子によってコードされるmRNAとハイブリダイゼーションするRNA分子である請求項59に記載の方法。
  61. 核酸分子が請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子によってコードされるmRNAとハイブリダイゼーションする短い干渉オリゴヌクレオチドである請求項59に記載の方法。
  62. 核酸分子が請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子に対して標的化された触媒作用核酸分子である請求項59に記載の方法。
  63. 触媒作用核酸分子がDNAザイムである請求項62に記載の方法。
  64. 触媒作用核酸分子がリボザイムである請求項62に記載の方法。
  65. ポリペプチドの発現または活性がポリペプチドに結合することができる抗体によって調節される請求項53に記載の方法。
  66. 抗体が完全なヒト抗体である請求項65に記載の方法。
  67. 抗体が、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、またはFabフラグメント、(Fab’)フラグメント、Fvフラグメント、単鎖抗体および単一ドメイン抗体を含む抗体フラグメントからなる群から選択される請求項65に記載の方法。
  68. ポリペプチドの発現または活性が、請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子またはその活性なフラグメントまたはその変化体を細胞に導入することによって調節される請求項53に記載の方法。
  69. 核酸分子が請求項28に記載の発現ベクターによって導入される請求項68に記載の方法。
  70. ポリペプチドの発現または活性が、請求項9,21〜27または32のいずれか一項に記載のポリペプチドを細胞に導入することによって調節される請求項53に記載の方法。
  71. 血管形成関連障害が、制御されない血管形成または増強された血管形成に関係するか、または低下された脈管構造が有利である障害である請求項53〜70のいずれか一項に記載の方法。
  72. 障害が、がん、関節リウマチ、糖尿病網膜症、乾癬、およびアテローム性動脈硬化の如き心臓血管疾患からなる群から選択される請求項71に記載の方法。
  73. 血管形成関連障害が、不適当に停止されているかもしくは低下されている血管形成に関係するか、または拡大された脈管構造が有利である障害である請求項53〜70のいずれか一項に記載の方法。
  74. 障害が、虚血性四肢疾患および冠状動脈疾患からなる群から選択される請求項73に記載の方法。
  75. 血管形成関連障害を処置するための医薬品の製造における、請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子によってコードされるポリペプチドの発現または活性の調節因子の使用。
  76. 核酸分子の配列は配列番号1〜配列番号44からなる群から選択される請求項75に記載の使用。
  77. ポリペプチドが請求項9,21〜27または32のいずれか一項に記載のポリペプチドまたはその活性なフラグメントである請求項75に記載の使用。
  78. ポリペプチドが配列番号51〜配列番号58からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む請求項77に記載の使用。
  79. ポリペプチドの発現または活性が、請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子のアンタゴニストまたはアゴニスト、または請求項9,21〜27または32のいずれか一項に記載のポリペプチドのアンタゴニストまたはアゴニストの細胞への導入によって調節される請求項75に記載の使用。
  80. ポリペプチドの発現または活性が、請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子に対するアンチセンスの細胞への導入によって調節される請求項75に記載の使用。
  81. ポリペプチドの発現または活性が、請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子の少なくとも一部の相補体でありかつ前記核酸分子の発現またはレベルを調節することができる核酸分子の細胞への導入によって調節される請求項75に記載の使用。
  82. 核酸分子が請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子によってコードされるmRNAとハイブリダイゼーションするRNA分子である請求項81に記載の使用。
  83. 核酸分子が請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子によってコードされるmRNAとハイブリダイゼーションする短い干渉オリゴヌクレオチドである請求項81に記載の使用。
  84. 核酸分子が請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子に対して標的化された触媒作用核酸分子である請求項81に記載の使用。
  85. 触媒作用核酸分子がDNAザイムである請求項84に記載の使用。
  86. 触媒作用核酸分子がリボザイムである請求項84に記載の使用。
  87. ポリペプチドの発現または活性がポリペプチドに結合することができる抗体によって調節される請求項75に記載の使用。
  88. 抗体が完全なヒト抗体である請求項87に記載の使用。
  89. 抗体が、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、またはFabフラグメント、(Fab’)フラグメント、Fvフラグメント、単鎖抗体および単一ドメイン抗体を含む抗体フラグメントからなる群から選択される請求項87に記載の使用。
  90. ポリペプチドの発現または活性が、請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子またはその活性なフラグメントまたはその変化体を細胞に導入することによって調節される請求項75に記載の使用。
  91. 核酸分子が請求項28に記載の発現ベクターによって導入される請求項90に記載の使用。
  92. ポリペプチドの発現または活性が、請求項9,21〜27または32のいずれか一項に記載のポリペプチドを細胞に導入することによって調節される請求項75に記載の使用。
  93. 血管形成関連障害が、制御されない血管形成または増強された血管形成に関係するか、または低下された脈管構造が有利である障害である請求項75〜92のいずれか一項に記載の使用。
  94. 障害が、がん、関節リウマチ、糖尿病網膜症、乾癬、およびアテローム性動脈硬化の如き心臓血管疾患からなる群から選択される請求項93に記載の使用。
  95. 血管形成関連障害が、不適当に停止されているかまたは低下されている血管形成に関係するか、または拡大された脈管構造が有利である障害である請求項75〜92のいずれか一項に記載の使用。
  96. 障害が、虚血性四肢疾患および冠状動脈疾患からなる群から選択される請求項95に記載の使用。
  97. 血管形成関連障害の処置に有用な候補薬学的化合物のスクリーニングのための、請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子の使用。
  98. 請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子の使用により同定される血管形成関連障害の処置に有用な化合物。
  99. 血管形成関連障害の処置に有用な候補薬学的化合物のスクリーニングのための、請求項9,21〜27または32のいずれか一項に記載のポリペプチドの使用。
  100. 請求項9,21〜27または32のいずれか一項に記載のポリペプチドの使用により同定される血管形成関連障害の処置に有用な化合物。
  101. 血管形成関連障害の処置に有用な候補薬学的化合物のスクリーニングのための、請求項29または30に記載の細胞の使用。
  102. 請求項29または30に記載の細胞の使用により同定される血管形成関連障害の処置に有用な化合物。
  103. 血管形成関連障害の処置に有用な候補薬学的化合物のスクリーニング方法であって、以下の工程:
    (1)請求項9,21〜27または32のいずれか一項に記載のポリペプチドを提供する工程;
    (2)候補薬学的化合物を前記ポリペプチドに添加する工程;および
    (3)前記ポリペプチドへの前記候補薬学的化合物の結合を決定する工程;
    を含み、ポリペプチドに結合する化合物が候補薬学的化合物である方法。
  104. 血管形成関連障害の処置に有用な候補薬学的化合物のスクリーニング方法であって、以下の工程:
    (1)請求項29または30に記載の細胞を提供する工程;
    (2)候補薬学的化合物を前記細胞に添加する工程;および
    (3)前記細胞の機能的特性に対する前記候補薬学的化合物の効果を決定する工程;
    を含み、前記細胞の機能的特性を変化させる化合物が候補薬学的化合物である方法。
  105. 血管形成関連障害の処置に有用な候補薬学的化合物のスクリーニング方法であって、以下の工程:
    (1)請求項29または30に記載の細胞を提供する工程;
    (2)候補薬学的化合物を前記細胞に添加する工程;および
    (3)前記細胞の発現ベクターの一部である核酸分子の発現に対する前記候補薬学的化合物の効果を決定する工程;
    を含み、前記細胞の発現ベクターの一部である核酸分子の発現を変化させる化合物が候補薬学的化合物である方法。
  106. 血管形成関連障害の処置に有用な候補薬学的化合物のスクリーニング方法であって、以下の工程:
    (1)請求項29または30に記載の細胞を提供する工程;
    (2)候補薬学的化合物を前記細胞に添加する工程;および
    (3)前記細胞の発現ベクターの一部である核酸分子によってコードされるポリペプチドの発現または活性に対する前記候補薬学的化合物の効果を決定する工程;
    を含み、前記細胞の発現ベクターの一部である核酸分子によってコードされるポリペプチドの発現または活性を変化させる化合物が候補薬学的化合物である方法。
  107. 請求項103〜106のいずれか一項に記載の方法によって同定される化合物。
  108. 請求項98,100,102または107のいずれか一項に記載の化合物および薬学的に許容可能なキャリアを含む薬学的組成物。
  109. 請求項21に記載の単離されたポリペプチドと免疫学的に反応する抗体。
  110. 完全なヒト抗体である請求項109に記載の抗体。
  111. モノクローナル抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、またはFabフラグメント、(Fab’)フラグメント、Fvフラグメント、単鎖抗体および単一ドメイン抗体を含む抗体フラグメントからなる群から選択される請求項109に記載の抗体。
  112. 請求項10に記載の核酸分子によってコードされるmRNAに対して標的化される短い干渉オリゴヌクレオチド。
  113. 請求項10に記載の核酸分子に対して標的化される触媒作用核酸分子。
  114. DNAザイムである請求項113に記載の触媒作用核酸分子。
  115. リボザイムである請求項113に記載の触媒作用核酸分子。
  116. 血管形成関連障害の診断または予後における請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子の使用。
  117. 血管形成関連障害の診断または予後における請求項9,21〜27または32のいずれか一項に記載のポリペプチドの使用。
  118. 血管形成関連障害の診断または予後における請求項109〜111のいずれか一項に記載の抗体または請求項9,21〜27または32のいずれか一項に記載のポリペプチドに対する抗体の使用。
  119. 血管形成関連障害の診断または予後のための方法であって、以下の工程:
    (1)正常なヒトにおいて、請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子の正常な発現および/または活性についてプロフィルを確立する工程;
    (2)遺伝子の異常な発現および/または活性が疑われる対象において前記核酸分子の発現および/または活性のレベルを測定する工程;および
    (3)測定した前記核酸分子の発現および/または活性のレベルを正常な発現および/または活性についてのプロフィルと比較する工程;
    を含み、前記対象における前記核酸分子の発現および/または活性の変化したレベルが、血管形成関連障害の徴候であるか、またはその素因である方法。
  120. 逆転写酵素PCRが発現のレベルを測定するために利用される請求項119に記載の方法。
  121. 遺伝子またはそのフラグメントに由来するプローブを使用するハイブリダイゼーションアッセイが発現のレベルを測定するために利用される請求項119に記載の方法。
  122. 血管形成関連障害の診断または予後のための方法であって、以下の工程:
    (1)対象から請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子に対応するDNAを得る工程;および
    (2)前記対象からのDNAを野生型核酸分子に対応するDNAと比較する工程;
    を含み、前記対象における変化したDNA特性が血管形成関連障害の徴候であるか、またはその素因である方法。
  123. 核酸分子のDNAが配列決定され、配列が比較される請求項122に記載の方法。
  124. 核酸分子のDNAがSSCP分析に供される請求項122に記載の方法。
  125. 血管形成関連障害の診断または予後のための方法であって、以下の工程:
    (1)請求項9,21〜27または32のいずれか一項に記載の野生型ポリペプチドの物理的特性を確立する工程;
    (2)前記ポリペプチドが異常になっていると疑われる対象から前記ポリペプチドを得る工程;および
    (3)前記対象によって発現されるポリペプチドの特性を測定し、それを野生型ポリペプチドの確立された特性と比較するする工程;
    を含み、前記対象における変化したポリペプチド特性が、血管形成関連障害の徴候であるか、またはその素因である方法。
  126. 特性が電気泳動移動度である請求項125に記載の方法。
  127. 特性がタンパク質分解的切断パターンである請求項125に記載の方法。
  128. 請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の単離された核酸分子を含む遺伝子改変された非ヒト動物。
  129. 請求項3,4,7,8または10〜17のいずれか一項に記載の核酸分子の破壊を含む遺伝子改変された非ヒト動物。
  130. 動物が、ラット、マウス、ハムスター、モルモット、ウサギ、イヌ、ネコ、ヤギ、ヒツジ、ブタならびにサルおよびチンパンジーの如き非ヒト霊長類からなる群から選択される請求項128または129に記載の遺伝子改変された非ヒト動物。
  131. 動物がマウスである請求項128〜130のいずれか一項に記載の遺伝子改変された非ヒト動物。
  132. 血管形成関連障害の処置に有用な候補薬学的化合物のスクリーニングにおける請求項128〜131のいずれか一項に記載の遺伝子改変された非ヒト動物の使用。
  133. 血管形成関連障害が、制御されない血管形成または増強された血管形成に関係するか、または低下された脈管構造が有利である障害である請求項97〜102または132のいずれか一項に記載の使用。
  134. 障害が、がん、関節リウマチ、糖尿病網膜症、乾癬、およびアテローム性動脈硬化の如き心臓血管疾患からなる群から選択される請求項133に記載の使用。
  135. 血管形成関連障害が、不適当に停止されているかまたは低下されている血管形成に関係するか、または拡大された脈管構造が有利である障害である請求項97〜102または132のいずれか一項に記載の使用。
  136. 障害が、虚血性四肢疾患および冠状動脈疾患からなる群から選択される請求項135に記載の使用。
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