JP3496082B2 - トラック用簡易型クレーン - Google Patents

トラック用簡易型クレーン

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JP3496082B2
JP3496082B2 JP08402195A JP8402195A JP3496082B2 JP 3496082 B2 JP3496082 B2 JP 3496082B2 JP 08402195 A JP08402195 A JP 08402195A JP 8402195 A JP8402195 A JP 8402195A JP 3496082 B2 JP3496082 B2 JP 3496082B2
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通泰 大和
勝彦 田中
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和光機械工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、トラック用簡易型ク
レーンの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、軽トラック等において、運搬する
荷物の積み降し作業を省力化すると共に能率向上を図る
ために、簡易型クレーンを据付けることが行われてい
る。
【0003】従来のこの種の簡易型クレーンとしては、
例えば実公昭63−41427号公報に記載されたよう
なものがある。
【0004】すなわち、図10に示すように簡便クレー
ン101は車両の荷台上に据付けるベース102と、こ
のベース102に立設された支柱体103と、支柱体1
03に旋回可能に設けられその適所にウインチ104を
配したブーム機構105と、積み降し作業時に車両から
延出接地されるアウトリガー106とから構成されてい
る。
【0005】前記ベース102は、横フレーム102a
と縦フレーム102bにより平面L字状に構成され、ベ
ース102の中間と両端に座板107を設け、この座板
107から荷台にボルトを通すことで固定するようにな
っている。
【0006】前記支柱体103は、ベース102の隅角
部分に定着板108を介してボルトにより固定されたメ
インポール109と、このメインポール109に昇降可
能に挿合された可動ポール110とからなっている。メ
インポール109の上部付近にはストッパピン111の
挿通孔112が形成され、可動ポール110の長手方向
中間部と下部には、前記挿通孔112と整合する図示し
ない第1、第2挿通孔が形成されている。
【0007】前記ブーム機構105は、可動ポール11
0に対し回転可能に外嵌する筒状ブラケット113、1
14と、筒状ブラケット113に基端をもって起伏可能
に枢着され、前端にコロ115を取付けたブーム本体1
16と、筒状ブラケット114とブーム本体116にそ
れぞれ端部を枢着され、入子式に伸縮可能なサポート1
17、118とを備え、ウインチ104に巻回されたワ
イヤケーブル119はブーム本体116のコロ115を
介して下り、先端に吊り金具120を連結している。
【0008】前記アウトリガー106は、前記定着板1
08に固定した横パイプ121に対し摺動可能に挿合さ
れた可動ロッド122と、この可動ロッド122に起伏
可能に枢着された脚柱123と、この脚柱123に対し
伸縮可能に取付けられた接地プレート124とからなっ
ている。
【0009】さらに、この従来例では、可動ポール11
0の揚程調整を前記ウインチ104を利用して自動的に
行えるようにしている。このために、下部の筒状ブラケ
ット114に枢着金物125を設け、この枢着金物12
5の側部にガイドローラ126を設けている。一方、メ
インポール109の側面にサブポール127を設け、こ
のサブポール127の上部には前記吊り金具120の後
部に配した緩衝片128を係止する係止片129が設け
られている。サブポール127はメインポール109の
側面に設けた支え金具130に着脱できるようにしてい
る。
【0010】上記構成において、積み上げ作業に当たっ
ては、アウトリガー106を引き出して接地プレート1
24を接地させ、サポート117、118を伸ばしてブ
ーム本体116を上向きの作業角度にセットする。そし
て、筒状ブラケット113、114によりブーム機構1
05を可動ポール110のまわりで回転させ、荷物の上
に吊り金具120が到ったところでウインチ104を駆
動してワイヤケーブル119を繰出し、吊り金具120
を荷物に連結してウインチ104を駆動すると共にブー
ム機構105を可動ポール110のまわりで旋回すれば
よい。
【0011】そして、荷物の背が高く通常の状態では揚
程が足りない場合には、挿通孔112と第1の挿通孔
(図示せず)からストッパピン111を外すと共に、サ
ブポール127をメインポール109に沿ってセットす
る。次に、ウインチ104を駆動してワイヤケーブル1
19を繰出し、サポート117の付根に設けられたガイ
ドローラ126を経由して立上らせ、サブポール127
の上部の係止片129に掛ける。次いで、ウインチ10
4を駆動してワイヤケーブル119を巻き戻せば、吊り
金具120の緩衝片128が係止片129により係止さ
れ吊り金具120が固定された状態となるため、ウイン
チ104の駆動の継続によりガイドローラ126に上方
への引張力が働く。ガイドローラ126は枢着金物12
5及び筒状ブラケット114により可動ポール110と
一体化していることから、可動ポール110は荷台に固
定されているメインポール109に対し上昇する。そし
て、一定量(例えば50cm)上昇すると可動ポール1
10の合マーク200が見えてくるので、この合マーク
200がメインポール109の合マーク201と合致す
るところでウインチ104を停止する。
【0012】この状態でストッパーピン111を挿通孔
112と可動ポール110の第2の挿通孔(図示省略)
に挿込めば可動ポール110は上昇状態でメインポール
109に固定され、支柱体103は伸長状態となる。
【0013】このようにして揚程調整を行うようになっ
ている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の簡易型クレーンでは、支柱体103を収納
状態から伸長状態にする場合、可動ポール110をメイ
ンポール109に対して上昇させ可動ポール110の合
マーク200とメインポール109の合マーク201と
合致するところで可動ポール110の第2の挿通孔(図
示省略)がメインポール109の挿通孔112と合致す
るようにしているが、上記可動ポール110の上昇操作
はウインチ104のスイッチ操作でワイヤケーブル11
9を介して行われるため、丁度合マーク200、201
が合致する位置で可動ポール110を停止させることが
難しく、作業性が悪くなるという問題があった。
【0015】この発明は、上記に鑑みなされたもので、
揚程の調整を人力を要さず簡単、容易に行うことができ
るトラック用簡易型クレーンを提供することを目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、トラックの荷台上に据付けられ
るベースと、前記ベース上に立設された固定ポールと、
前記固定ポールに昇降可能に挿嵌され少なくとも高低2
部位で固定ポールに連結固定可能な可動ポールと、前記
可動ポールに回動可能に外嵌された上下一対からなる筒
状ブラケットと、上部の筒状ブラケットに基端を枢着し
たブーム本体と、一端を下部の筒状ブラケットに、他端
を前記ブーム本体にそれぞれ枢着され伸縮可能なサポー
トと、ブーム本体に搭載された電動式ウインチと、前記
固定ポールの上端部に固設された支え部材と、前記可動
ポールに取り付けられ上下一対の回転自在な滑車を有す
るケースと、一端を前記支え部材に係止され、下部の滑
車から上部の滑車を経てケース上端の開口から外部に引
出されるワイヤケーブルと、前記ワイヤケーブルの他端
に設けられ、前記ウインチのワイヤケーブルの吊り金具
を係脱自在に係合するフック部と前記固定ポールの上端
部に設けられたストッパー部材と、前記ケースの下端部
に設けられ前記可動ポールが上昇時に前記ストッパー部
材に係合する係合部材とからなり、前記係合部材がスト
ッパー部材に係合した状態で可動ポールの第2の挿通孔
が固定ポールの挿通孔と貫通状態になることを特徴とし
ている。
【0017】請求項2の発明は、請求項1記載のトラッ
ク用簡易型クレーンにおいて、前記ストッパー部材と係
合部材との少なくともいづれか一方を上下位置調節可能
に設けたことを特徴としている。
【0018】
【作用】請求項1の発明によれば、積み降しのための旋
回時に筒状ブラケットを介してブーム機構だけが可動ポ
ールの外周で回転し、可動ポールと固定ポールは共に回
転しないため、軽微の操作力で容易に回転操作が可能
で、かつ、安定性をよくすることができる。
【0019】さらに、揚程調整を行う場合にも、人力に
よる面倒な可動ポールの引出し作業を必要とせず、単に
ワイヤケーブルを揚程調整機構のワイヤケーブルに掛
け、ウインチのスイッチ操作を行うだけで固定ポールか
ら自動的に可動ポールを上昇させることができ、しか
も、可動ポールの上昇位置が固定ポールに設けたストッ
パー部材と昇降部材に設けた係合部材とによって位置決
めされるので、自動的に可動ポールの第2の挿通孔を固
定ポールの挿通孔に合致させることができる。
【0020】さらに、上記操作を全て地上で行うことが
できるため、作業者は、荷台に乗り降りする必要がな
く、揚程調整の作業性をより向上させることができる。
【0021】請求項2の発明によれば、ストッパー部材
と係合部材との少なくともいづれか一方を上下位置調節
可能に設けているため、いづれか一方の上下位置を調節
することにより両者 の係合位置を可動ポールの第2の
挿通孔と固定ポールの挿通孔との合致位置に合わせるこ
とができる。従って、ストッパー部材の固定ポールへの
取付け加工及び係合部材の昇降部材への取付け加工が容
易になり、加工工数を低減させることができる。
【0022】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。
【0023】図1はこの発明の一実施例に係るトラック
用簡易型クレーンの使用状態を示す斜視図、図2は図1
のトラック用簡易型クレーンの格納状態を示す斜視図、
図3は格納状態における支柱体部分の断面図、図4は格
納状態における揚程調整機構部分及び位置決め機構部分
の断面図、図5は図1のトラック用簡易型クレーンの伸
長状態を示す斜視図、図6は伸長状態における支柱体部
分の断面図、図7は伸長状態における揚程調整機構部分
及び位置決め機構部分の断面図である。
【0024】図1に示すように、この簡易型クレーン1
は、軽トラック等の車両2の荷台3上に据付けられて荷
物4の積み降し作業に使用されるもので、荷台3上に据
付けられるベース5と、このベース5に立設される支柱
体6と、支柱体6に旋回可能に設けられその適所にウイ
ンチ7を配置したブーム機構9と、積み降し作業時に車
両2から延出接地されるアウトリガー10とを備えてい
る。
【0025】前記ベース5は、平面視L字状の横フレー
ム5aと縦フレーム5bとからなり、隅角部分と両端に
座板11を設け、この座板11から荷台3にボルトを通
し、荷台3の裏面に配した受板(図示せず)にナット締
めすることにより、荷台3へ据付け固定するようにして
いる。
【0026】前記支柱体6は、ベース5の隅角部分に定
着板12を介してボルト13により固定された固定ポー
ル14と、この固定ポール14に対し昇降可能に挿合し
た可動ポール15とからなっている。
【0027】固定ポール14は筒状をなし、上部付近に
はストッパピン16の挿通孔17が形成されている。可
動ポール15は固定ポール14と同様に筒状をなし、下
端が前記定着板12に到るように固定ポール14に深く
挿合されており、挿合状態において固定ポール14の挿
通孔17と合致する長手方向中間位置に、ストッパピン
16を挿通する第1の挿通孔18が形成され、さらに、
長手方向下部位置にも挿通孔17と整合可能な第2の挿
通孔19が形成されている。
【0028】なお、第1の挿通孔18と第2の挿通孔1
9との間に中間挿通孔を設けてもよい。
【0029】また、可動ポール15には、前記第1の挿
通孔18より上方位置に固定ポール14の上端と接する
ようにリング状のフランジ20が固着されると共に、上
端にもリング状のフランジ21が固着されている。
【0030】前記ブーム機構9は、可動ポール15に回
動可能に外嵌された上下一対の筒状ブラケット22、2
3と、上側の筒状ブラケット22に起伏可能に支持さ
れ、先端にコロ24を回転自在に設けたブーム本体25
と、下側の筒状ブラケット23とブーム本体25とにそ
れぞれ端部が枢着され、入子式に伸縮可能なサポート2
6、27とからなっている。サポート26の自由端付近
にはピン28の挿通孔29が形成されている。サポート
27はサポート26に摺動自在に挿合されており、深く
挿合された状態においてサポート26の挿通孔29と合
致するピン28の第1の挿通孔30が形成され、さら
に、自由端付近にも挿通孔29と整合可能な第2の挿通
孔31が形成されている。
【0031】前記ウインチ7はブーム本体25に固定さ
れた正逆転可能な可逆モータ32と、この可逆モータ3
2の出力軸に連結するドラム33を備え、ドラム33に
巻回されたワイヤケーブル34は、ブーム本体25のコ
ロ24を介して下り、適宜な重さの重鍾35を通した
後、端に吊り金具36が連結されている。
【0032】前記アウトリガー10は、固定ポール14
に固定した横パイプ37に対し摺動可能に挿合される可
動ロッド38と、この可動ロッド38に起伏可能に枢着
された脚柱39と、この脚柱39に対し伸縮可能に螺合
された調整杆40と、この調整杆40の下部に固設され
た接地プレート41からなっている。
【0033】本発明は、上記の如き構成の簡易型クレー
ンにおいて、可動ポール15の揚程を調整するための揚
程調整機構42と、可動ポール15の固定ポール14に
対する上昇位置を位置決めするための位置決め機構54
とを設け、前記ウインチ7を利用して自動的に揚程調整
と位置決めを行えるようにしたことを特徴としている。
【0034】前記揚程調整機構42は、固定ポール14
側に設けた支え部材43と、可動ポール15側に設けた
昇降部材44とからなる。
【0035】前記支え部材43は、固定ポール14の上
端部付近の側面に固設されている。前記昇降部材44
は、縦長に形成されたケース45と、該ケース45内に
設けた上下一対の滑車46、47とからなり、ケース4
5は、その上端部を支持金具48を介して可動ポール1
5のフランジ20に取付けられている。前記滑車46、
47はそれぞれにピン49を介してケース45に回転自
在に支持されている。前記支持部材43には、ワイヤケ
ーブル50の一端部が係止され、このワイヤケーブル5
0は下部の滑車47から上部の滑車46に掛け回され、
他端部はケース45の上端開口部から外部に引き出され
ている。ワイヤケーブル50の他端部には、前記ウイン
チ7のワイヤケーブル34の吊り金具36を係脱自在な
フック部51が形成されている。
【0036】前記ケース45の上下両端部には、上下そ
れぞれの滑車46、47に対応してワイヤケーブル50
の外れを防止するピン52、53が設けられている。
【0037】前記位置決め機構54は固定ポール14に
設けられたストッパー部材55と、昇降部材44のケー
ス45に設けられた係合部材56とからなる。
【0038】ストッパー部材55は固定ポール14の上
端部外壁に前記昇降部材44に向けて突設されており、
その突出端下面に係合部材56と係脱自在に係合する係
合面55aが形成されている。
【0039】係合部材56は昇降部材44のケース45
の下端部付近に前記固定ポール14に向けて突設されて
おり、その突出端上面にストッパー部材55の係合面5
5aと係脱自在に係合する係合面56aが形成されてい
る。
【0040】そして、可動ポール15の上昇に伴って昇
降部材44が上昇し、係合部材56の係合面56aがス
トッパー部材55係合面55aに係合した状態で可動ポ
ール15の第2の挿通孔19が固定ポール14の挿通孔
17に合致し、両挿通孔19、17が貫通するように設
定されている。
【0041】なお、図において、57はウインチの正逆
操作用のスイッチボックスである。
【0042】つぎに、上記一実施例に係る簡易型クレー
ン1の使用状態と作用について説明する。
【0043】この簡易型クレーン1は、図1に示すよう
に、ベース5により車両2の荷台3上に固定して使用さ
れるもので、荷物4の積み上げ、積み降し作業を行わな
い状態にあっては、可動ポール15は図2及び図3に示
すように、固定ポール14に深く挿合され、整合した第
の挿通孔18と挿通孔17にストッパピン16を挿入す
ることにより可動ポール15は固定ポール14に一体化
されている。そして、サポート26にサポート27を深
く挿合させて第1の挿通孔30と挿通孔29にピン28
を挿込むことによりブーム本体25は下向き角度に保持
され、吊り金具36をベース5のフック掛け60に係止
せしめることにより低く、かつ安定した姿勢におかれ
る。
【0044】従って、車両2が走行時には、背丈を低く
保つことができると共に、固定しておくことができる。
【0045】ついで、積み上げ、積み降し作業に当たっ
ては、車両2を目的場所に停車させた後、アウトリガー
10の可動ロッド38を固定ポール14の横パイプに差
込み、脚柱39を起して調整杆40を回して接地プレー
ト41を地面に接地させる。続いて、サポート26、2
7のピン28を抜き取り、サポート27をサポート26
に対して伸ばし、整合した第2の挿通孔31と挿通孔2
9にピン28を挿込むことによりブーム本体15を斜め
上向きの作業角度にセットする。そして、ブーム機構9
を筒状ブラケット22、23を介して可動ポール15の
まわりで回転させ、荷物4の上方に吊り金具36が到っ
た所でウインチ7を駆動してワイヤケーブル34を繰出
し、吊り金具36を荷物4に連結してウインチ7を駆動
してワイヤケーブル34を巻き上げて荷物4を吊り揚げ
ると共に、ブーム機構9を可動ポール15のまわりで旋
回すればよい。この積み上げ作業は、固定ポール14及
び可動ポール15は回転することなく、ブーム機構9は
筒状ブラケット22、23を介して可動ポール15のま
わりで回転するため、軽微の操作力で容易に回転操作が
可能でかつ、荷役作業上重要な安定性を良くすることが
できる。その上、ブーム機構9を構成するブーム本体2
5とサポート26が昇降自在な可動ポール15に筒状ブ
ラケット22、23を介して枢着されているため、可動
ポール15を伸長させない状態での揚程を大きく採るこ
とができる。
【0046】そして、荷物4の背が高く、通常の状態で
は揚程が足らない場合には、まず挿通孔17と第1の挿
通孔18に挿込んでいるストッパピン16を外した後、
ウインチ7を駆動してワイヤケーブル34を繰出し、吊
り金具36を揚程調整機構42のワイヤケーブル50の
フック部51に掛ける。
【0047】つぎに、ウインチ7を駆動してワイヤケー
ブル34を巻き戻せば、ワイヤケーブル50に引張力が
働き、支え部材43を支点にして下部の滑車47を押し
上げる。滑車47はケース45に支持されていることか
ら、滑車47と共にケース45が押し上げられ、さら
に、ケース45は可動ポール15のフランジ20に支持
金具48を介して取り付けられていることから、可動ポ
ール15は荷台3上にべース5を介して固定されている
固定ポール14に対して上昇を始める。そして、一定量
(例えば50cm)上昇すると昇降部材44の係合部材
56の係合面56aが固定ポール14のストッパー部材
55の係合面55aに係合するので、両係合面55a、
56aが係合した時にウインチ7を停止する。
【0048】この状態で可動ポール15の第2の挿通孔
19が固定ポール14の挿通孔17に合致し、両挿通孔
19、17が貫通状態となっているので、ストッパピン
16を挿通孔17と第2の挿通孔19に挿込めば可動ポ
ール15は上昇状態で固定ポール14に固定され、支柱
体6は伸長状態となる。あとはワイヤケーブル34の吊
り金具36をワイヤケーブル50のフック部51から外
してやればよく、これで図5及び図6に示すような高揚
程化が簡単に達成される。
【0049】積み上げ作業終了時には、まず、ワイヤケ
ーブル34の吊り金具36をワイヤケーブル50のフッ
ク部51に掛け、つぎに、ウインチ7を駆動してワイヤ
ケーブル34を少し引張れば、ケース45を介して可動
ポール15が固定ポール14に対して少し上昇しストッ
パピン16が弛くなるため挿通孔17と第2の挿通孔1
9から簡単に抜き出せる。これで可動ポール15はフリ
ーとなり、支え部材43に係止したワイヤケーブル50
と、このワイヤケーブル50のフック部51に吊り金具
36により連結したワイヤケーブル34とにより吊られ
た状態におかれる。したがって、ウインチ7を駆動して
ワイヤケーブル34を繰出せば、可動ポール15は自動
的に下降し、固定ポール14との挿合度を増す。そし
て、一定量の下降が行われるとワイヤケーブル34が弛
み、可動ポール15は最下降位置となる。この位置で第
1の挿通孔17と固定ポール14の挿通孔17が一致す
るので、再びストッパピン16を挿込むことにより、支
柱体6は再び短縮される。この揚程調整作業は、ワイヤ
ケーブル34の吊り金具36を揚程調整機構42のワイ
ヤケーブル50のフック部51に掛け、ウインチ7のス
イッチ操作を行うだけで、固定ポール14から必要な高
さだけ可動ポール15を上昇させることができ、さら
に、この作業は作業者が荷台3に上ることなく地上で行
うことができるため、作業性をより向上することができ
る。
【0050】図は、この発明の他の実施例を示すもので
ある。この実施例のトラック用簡易型クレーンは、上記
従来例と略同様の構成であり、ストッパー部材58が異
なる。従って、同機能部材には同符号を付して重複説明
を省略し、相違点を主に説明する。
【0051】この実施例のストッパー部材58は、図8
に示すように、固定ポール14に突設された固定部材5
9に螺合されており、時計方向及び反時計方向へ回動さ
せることにより、ねじを介して下端面に形成した係合面
58aが上下移動可能になっている。
【0052】この実施例によれば、ストッパー部材58
の係合面58aの上下位置を調節することにより係合部
材56の係合面56aとの係合位置を可動ポール15の
第2の挿通孔19と固定ポール14の挿通孔17との合
致位置に合わせることができる。
【0053】従って、ストッパー部材58の固定ポール
14への取付け加工及び係合部材56の昇降部材44へ
の取付け加工が容易になり、加工工数を低減させること
ができる。
【0054】なお、この実施例では、ストッパー部材を
上下方向位置調節可能に構成したが、例えば係合部材を
上下方向位置調節可能に構成してもよく、また、ストッ
パー部材と係合部材との両者 を上下位置調節可能に構
成することもできる。
【0055】
【発明の効果】以上の説明により明らかなように、請求
項1の発明によれば、走行時に背丈を低く保つことがで
きると共に、積み降し時には揚程を大きく採ることがで
き、積み降しのための旋回時に軽微の操作力で容易に回
転操作が可能で、かつ、荷役作業上重要な安定性をよく
することができる。
【0056】さらに、揚程調整を行う場合にも、人力に
よる面倒な可動ポールの引出し作業を必要とせず、単に
ワイヤケーブルを揚程調整機構のワイヤケーブルに掛
け、ウインチのスイッチ操作を行うだけで固定ポールか
ら自動的に可動ポールを上昇させることができ、しか
も、可動ポールの上昇位置が固定ポールに設けたストッ
パー部材と昇降部材に設けた係合部材とによって位置決
めされるので、自動的に可動ポールの第2の挿通孔を固
定ポールの挿通孔に合致させることができる。
【0057】さらに、上記操作を全て地上で行うことが
できるため、作業者は荷台に乗り降りする必要がなく、
揚程調整の作業性を向上することができる。
【0058】また請求項2の発明によれば、ストッパー
部材と係合部材との少なくともいづれか一方を上下位置
調節可能に設けているため、いづれか一方の上下位置を
調節することにより、両者 の係合位置を可動ポールの
第2の挿通孔と固定ポールの挿通孔との合致位置に合わ
せることができる。従って、ストッパー部材の固定ポー
ルへの取付け加工及び係合部材の昇降部材への取付け加
工が容易になり、加工工数を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係るトラック用簡易型ク
レーンの使用状態を示す斜視図である。
【図2】図1のトラック用簡易型クレーンの格納状態を
示す斜視図である。
【図3】格納状態における支柱体部分の断面図である。
【図4】格納状態における揚程調整機構部分及び位置決
め機構部分を示す断面図である。
【図5】図1のトラック用簡易型クレーンの伸長状態を
示す斜視図である。
【図6】伸長状態における支柱体部分の断面図である。
【図7】伸長状態における揚程調整機構部分及び位置決
め機構部分を示す断面図である。
【図8】この発明の他の実施例に係る位置決め機構部分
を示す断面図である。
【図9】従来例に係るトラック用簡易型クレーンを示す
斜視図である。
【符合の説明】
1 簡易型クレーン 3 荷台 5 ベース 6 支柱体 7 ウインチ 9 ブーム機構 10 アウトリガー 14 固定ポール 15 可動ポール 17 挿通孔 19 第2の挿通孔 22 筒状ブラケット 23 筒状ブラケット 25 ブーム本体 26 サポート 27 サポート 34 ワイヤケーブル 36 吊り金具 43 支え部材 44 昇降部材 45 ケース 46 滑車 47 滑車 50 ワイヤケーブル 51 フック部 55 ストッパー部材 56 係合部材 58 ストッパー部材
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−111396(JP,A) 特開 平5−229788(JP,A) 実開 平6−918(JP,U) 実開 平6−20389(JP,U) 実公 昭63−41427(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66C 23/44 B60P 1/54 B66C 23/36

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トラックの荷台上に据付けられるベース
    と、前記ベース上に立設された固定ポールと、前記固定
    ポールに昇降可能に挿嵌され少なくとも高低2部位で固
    定ポールに連結固定可能な可動ポールと、前記可動ポー
    ルに回動可能に外嵌された上下一対からなる筒状ブラケ
    ットと、上部の筒状ブラケットに基端を枢着したブーム
    本体と、一端を下部の筒状ブラケットに、他端を前記ブ
    ーム本体にそれぞれ枢着され伸縮可能なサポートと、ブ
    ーム本体に搭載された電動式ウインチと、前記固定ポー
    ルの上端部に固設された支え部材と、前記可動ポールに
    取り付けられ上下一対の回転自在な滑車を有するケース
    と、一端を前記支え部材に係止され、下部の滑車から上
    部の滑車を経てケース上端の開口から外部に引出される
    ワイヤケーブルと、前記ワイヤケーブルの他端に設けら
    れ、前記ウインチのワイヤケーブルの吊り金具を係脱自
    在に係合するフック部と前記固定ポールの上端部に設け
    られたストッパー部材と、前記ケースの下端部に設けら
    れ前記可動ポールが上昇時に前記ストッパー部材に係合
    する係合部材とからなり、前記係合部材がストッパー部
    材に係合した状態で可動ポールの第2の挿通孔が固定ポ
    ールの挿通孔と貫通状態になることを特徴とするトラッ
    ク用簡易型クレーン。
  2. 【請求項2】請求項1記載のトラック用簡易型クレーン
    において、前記ストッパー部材と係合部材との少なくと
    もいづれか一方を上下位置調節可能に設けたことを特徴
    とするトラック用簡易型クレーン。
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