JP3495984B2 - 発光ダイオードの看板 - Google Patents

発光ダイオードの看板

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JP3495984B2
JP3495984B2 JP2000402623A JP2000402623A JP3495984B2 JP 3495984 B2 JP3495984 B2 JP 3495984B2 JP 2000402623 A JP2000402623 A JP 2000402623A JP 2000402623 A JP2000402623 A JP 2000402623A JP 3495984 B2 JP3495984 B2 JP 3495984B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の発光ダイオ
ードを光源に使用する看板に関する。
【0002】
【従来の技術】発光ダイオードを光源に使用する看板
は、発光ダイオードの寿命が極めて長いので、メンテナ
ンスを著しく簡単にできる特長がある。発光ダイオード
が、電球のようにフィラメントが切れて交換する必要が
ないからである。ただ、発光ダイオードは、電球に比較
して1個の電力消費が小さいので、明るい看板とするた
めには、多数の発光ダイオードを使用する必要がある。
【0003】発光ダイオードは、電球のように交換の必
要がないので、ソケットを使用することなく、直接に半
田付などの構造で固定される。図1の断面図は、従来の
看板における発光ダイオードの固定構造を示している。
この図の看板は、基板13に貫通孔13Aを設け、この
貫通孔13Aに発光ダイオード4を挿入して、発光ダイ
オード4と基板13を瞬間接着剤27で接着して固定し
ている。基板13に固定している発光ダイオード4は、
基板13の裏面でリード線4Aを半田付して連結してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図1に示す構造は、発
光ダイオード4と基板13との間に、瞬間接着剤27を
供給するので、発光ダイオード4の固定に手間がかか
る。瞬間接着剤27には、シアノアクリレート系の接着
剤のように液状のものを使用しているが、この接着剤を
発光ダイオードと基板との間に、正確な位置に正確な量
を供給する必要がある。接着剤の供給位置や供給量が正
確でないと、発光ダイオードを確実に基板に固定でき
ず、また、塗布した接着剤が基板の表面に染み出して外
観を悪くする欠点がある。
【0005】さらに、看板は、屋外に設置されるので、
夏期の暑い日には相当な高温に加熱され、冬期の寒い日
の夜間には極めて低温に冷却される。さらに、日中と夜
の温度差により、昼間と夜間とで温度が極めて変化する
環境で使用される。この環境で使用される看板は、温度
が高くなると熱膨張して、低温になると収縮する。この
ため、発光ダイオードを、基板の裏面に配線しているリ
ード線に半田付等の方法で連結している看板にあって
は、基板とリード線の熱収縮の差によって、無理な歪力
が作用する。この歪力は、リード線の接続部分を外して
断線の原因となり、また、発光ダイオードのケースやリ
ード線の付け根部分に無理な力をかけてケースを損傷す
る原因となる。
【0006】さらにまた、看板は、紫外線や風雨に晒さ
れる極めて厳しい環境におかれるので、接着剤が劣化し
て発光ダイオードと基板との接着強度を次第に低下させ
る。このことは、基板と発光ダイオードとの間に熱収縮
による歪力が作用することと相乗して、発光ダイオード
と基板の接着力を低下させて、発光ダイオードを基板の
定位置にしっかりと固定できなくする。
【0007】本発明は、このような要望を実現すること
を目的に開発されたもので、本発明の重要な目的は、簡
単かつ容易に、しかも速やかに多数の発光ダイオードを
基板に確実に装着でき、さらに、熱収縮による歪力によ
る弊害を有効に防止して耐久性を著しく向上できる発光
ダイオードの看板を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の看板は、複数の
発光ダイオード4を基板13の貫通孔13Aに挿入して
定位置に固定している。基板13の貫通孔13Aには
ム状弾性体の緩衝筒25が挿入され、この緩衝筒25に
発光ダイオード4を入れて固定している。緩衝筒25
は、プラスチックまたはゴムを筒状に成形している。筒
状の緩衝筒25は、外形を貫通孔13Aの内形とし、内
形を発光ダイオード4の外形としている。この緩衝筒2
5を成形するゴムは、天然または合成ゴムである。ゴム
状弾性体の緩衝筒25は、弾性変形して基板13の貫通
孔13Aに密着され、また、発光ダイオード4の外側表
面に密着するように、外径を貫通孔13Aの内径よりも
大きくして、内径を発光ダイオード4の外径よりも小さ
くして、緩衝筒25を、貫通孔13Aの内面と発光ダイ
オード4の外面に弾性的に密着させて、発光ダイオード
4を基板13に固定しており、発光ダイオード4は、基
板13の貫通孔13Aに入れてなる緩衝筒25に挿入さ
れて定位置に固定されている。
【0009】緩衝筒25は、基板13の裏面に配設され
る鍔26を一体成形して設けている。発光ダイオード
は、凸部4Bを緩衝筒25の鍔26に当接させるまで挿
入して基板13の定位置に固定されて、発光ダイオード
4に設けている凸部4Bを直接に基板13に接触させな
いようにして、発光ダイオード4のケースを直接には基
板13に接触させない状態で、基板13に固定してい
る。さらに、好ましくは、基板13の裏表に鍔26を有
する筒状に成形される。さらに、緩衝筒25は、透明の
プラスチックまたは着色しているプラスチックで成形さ
れる。また、緩衝筒25は、軟質プラスチックで成形し
て、貫通孔13Aに簡単に装着できる。さらに、緩衝筒
25を絶縁性のプラスチックやゴムで製作して、発光ダ
イオード4と基板13との絶縁を良くすることもでき
る。発光ダイオードの看板は、極めて多数の発光ダイオ
ードを基板に固定しているので、発光ダイオードと基板
の間の絶縁抵抗が低下することがある。ひとつの発光ダ
イオードと基板との絶縁抵抗が比較的大きくても、多数
が並列に接続されて絶縁抵抗が小さくなることがある。
発光ダイオードと基板との間に、絶縁性の緩衝筒を配設
することにより発光ダイオードと基板の間の絶縁抵抗を
大きくできる。緩衝筒を成形しているプラスチックやゴ
ムは、本来は絶縁抵抗が大きい。したがって、特別な処
理をすることなく絶縁性のものとすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するための発光ダイオードの看板を
例示するものであって、本発明は看板を下記のものに特
定しない。
【0011】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決す
るための手段の欄」に示される部材に付記している。た
だ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に
特定するものでは決してない。
【0012】図2と図3に示す発光ダイオードを有する
看板は、図4または図5の垂直断面図に示すように、内
部を閉鎖空間とする看板本体1に、内部照明として複数
の発光ダイオード4を内蔵しており、これらの発光ダイ
オード4の光を看板本体1の外部に照射している。
【0013】本発明の看板は、図2に示すように、看板
本体1を文字や図形に沿う形状に延長して、その外形で
特定の文字や図形を形成して表示することも、図3に示
すように、看板本体1を所定の形状として、前面に配設
される前面板3に文字または図形を表示することもでき
る。
【0014】図2に示す看板は、看板本体1の外形でア
ルファベットの「T」を形成している。このタイプの看
板は、図示しないが、複数の文字を組み合わせて、会社
名や店名等の文字を広告として表示する。ただ、看板
は、アルファベット、漢字、仮名文字等の文字だけでな
く、記号や種々の模様を形成して、サービスマーク等の
図形を表示して広告とすることもできる。
【0015】図2に示す看板本体1は、所定の形状に一
体的に成形して製作している。ただ、看板本体は、必ず
しも一体的に成形する必要はなく、複数の文字パーツを
組み合わせて一つの文字を構成することもできる。たと
えば、アルファベットの「T」を形成する場合は、横方
向の直線である文字パーツと縦方向の直線である文字パ
ーツとを連結して「T」の形状に形成することができ
る。さらに、漢字や仮名文字等であって、一体的に成形
できない文字は、複数の文字パーツを組み合わせて所定
の文字を形成する。たとえば、漢字の「川」の字は、3
本の文字パーツで形成される。
【0016】さらに、図3に示す看板は、看板本体1を
方形状として、前面板3にアルファベットの「P」の文
字を表示している。この看板は、前面板3の透光性を変
化させて、所定の文字を表示している。前面板3は、表
示したい文字や図形の部分の透光性を高くあるいは低く
することによって、その部分を目だつ状態で表示でき
る。内蔵された発光ダイオードの光が、透光性の高い部
分から外部により強く照射されるからである。前面板3
の透光性は、たとえば、その表面状態や着色等を変える
ことによって変化させることができる。
【0017】看板本体1は、溝形ケース2と、この溝形
ケース2の開口部を閉塞する前面板3と、看板本体1の
内部に配設される複数の発光ダイオード4と、溝形ケー
ス2の背面6と発光ダイオード4との間に位置して配設
される遮弊プレート5とを備える。
【0018】溝形ケース2は、前面を開口している樋の
ような溝形形状に成形して、背面6を建物等の躯体24
に連結している。図に示す溝形ケース2は、断面形状を
コ字状としている。ただ、溝形ケースは、コーナー部の
内面を傾斜面として多角形状とすることも、コーナー部
の内面を湾曲面としてU字状とすることもできる。
【0019】溝形ケース2は、ステンレス板や表面をメ
ッキした金属板を加工して成形している。ただ、溝形ケ
ースは、プラスチック等で所定の形状に一体的に成形す
ることもできる。プラスチックで成形される溝形ケース
は、軽量にして、しかも安価に多量生産できる。
【0020】さらに、図に示す溝形ケース2は、周壁7
の内面を反射層8としている。ステンレス製の溝形ケー
ス2は、表面をメッキすることなく耐腐食に優れた反射
層8にできる。メッキした金属板は、鉄板、銅板、黄銅
板等をクロームメッキして表面を反射層とする。クロー
ムメッキは、耐腐食性に優れると共に、表面で光を効率
よく反射する特長がある。溝形ケース2の反射層8は、
表面を鏡面とし、あるいは微細な凹凸を設けて光を乱反
射させる乱反射層とすることもできる。乱反射層は、内
蔵される発光ダイオードの光を種々の方向に散乱させる
ので、前面板をより均一に明るく照射できる特長があ
る。
【0021】さらに、反射層は、溝形ケースの周壁の内
面に塗料を塗布して設けることもできる。この反射層
は、周壁の内面に反射率の高い塗料を塗布する。反射層
として塗布される塗料には、反射率を高くするために、
好ましくは、白色系の塗料を使用する。さらに、この反
射層は、梨地面として光を乱反射させることもできる。
梨地面は、周壁の内面に無数の微細な凹凸を設けて、あ
るいは、塗料に微細な粒子を混入して設けることができ
る。表面を梨地面とする反射層は、発光ダイオードから
照射される光を表面で乱反射させて、前面板をより均一
に明るく照射できる特長がある。
【0022】前面板3は、内蔵される発光ダイオード4
の光を、看板本体1の外部に透過させる透光性を有す
る。前面板3には、たとえば、透光性のあるプラスチッ
ク板やガラス板等が使用できる。前面板3は、これ等の
透光板を、溝形ケース2の開口部を閉塞できる大きさ、
形状に成形している。前面板3は、これ等の透光板を単
独で、あるいは、複数枚を積層して使用することができ
る。
【0023】さらに、前面板は、透過する光を乱反射さ
せる乱反射透光板とすることもできる。乱反射透光板
は、透過する光を乱反射させるために、片面または両面
を微細な凹凸面とし、あるいは内部に微細な粉体を充填
する。粉体は、表面で光を反射して透過光を乱反射させ
る。
【0024】さらに、前面板は、発光ダイオードの発光
色と同じ色の着色板とすることができる。この前面板
は、発光ダイオードを点灯しない昼間に、点灯する色と
同じ色にできる特長がある。さらに、前面板は、発光ダ
イオードの発光色に着色した着色板と、白色乱反射透光
板を積層した構造とすることもできる。この構造は、着
色板を表面側に、白色乱反射透光板を内面側に積層す
る。この構造によると、白色乱反射透光板で均一に拡散
した光が着色層を透過するので、着色板の前面を均一な
明るさに照射できる特長がある。
【0025】図に示す前面板3は、固定カバー9を介し
て溝形ケース2の開口部に固定している。固定カバー9
は、側板を、溝形ケース2の外側に沿う形状に変形して
いる。側板は、溝形ケース2と同じ材質の金属板であっ
て、開口縁を内側に折曲して、折曲リブ10を設けてい
る。折曲リブ10は、溝形ケース2の開口部に設けてい
る載リブ11とで前面板3を挟着して固定する。固定カ
バー9は、これを貫通する止ネジ12で溝形ケース2に
固定される。この構造の固定カバー9で溝形ケース2に
固定される前面板3は、固定カバー9を外して簡単に溝
形ケース2に脱着できる。このため、たとえば、溝形ケ
ース2の内部をメンテナンスするときに、前面板3を簡
単に外して、内部を点検できる特長がある。また、組み
立てするときには、溝形ケース2の内部に遮弊プレート
5と発光ダイオード4を固定し、最後に固定カバー9で
前面板3を固定して能率よく組み立てできる。
【0026】看板本体1は、溝形ケース2の開口部を前
面板3で閉塞して、内部を閉鎖空間としている。看板本
体1は、この閉鎖空間に複数の発光ダイオード4を所定
の間隔で配設している。図4と図5に示す看板本体1
は、複数の発光ダイオード4を基板13に固定してい
る。複数の発光ダイオード4は、基板13の裏面で2本
のリード線4Aをリード線20に接続し、リード線20
で電源に接続している。
【0027】基板13は、プラスチック板、金属板、ガ
ラス板等の耐候性のある板材である。プラスチック板ま
たは金属板の基板13は、発光ダイオード4を固定する
ための貫通孔を簡単に開けることができる。発光ダイオ
ード4は、図の拡大断面図に示すように、基板13の貫
通孔13Aに挿通して固定される。基板13は、しっか
りと発光ダイオード4を固定するために、貫通孔13A
に緩衝筒25を入れ、この緩衝筒25に発光ダイオード
4を入れて固定している。
【0028】緩衝筒25は、プラスチックまたは合成ゴ
ムを一体成形して製作される。緩衝筒25を成形するプ
ラスチックは、好ましくは弾性変形できる軟質のプラス
チック、たとえば、ウレタンゴム、軟質の塩化ビニル、
シリコンゴム、EVA等のプラスチックである。緩衝筒
25を成形するゴムは、天然ゴム、あるいは合成ゴムを
使用する。合成ゴムにはスチレンブタジエンゴム、ポリ
ブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ステレオSB
R、ポリプロロプレンゴム、ニトリルブタジエンゴム等
を使用する。
【0029】緩衝筒25を成形するプラスチックやゴム
には、透明のものを使用し、あるいは着色したものを使
用する。透明の緩衝筒は、発光ダイオードと基板との間
で光を透過させる。この緩衝筒は、図4に示すように、
背面側に光を照射するように発光ダイオード4を固定し
て、内部で反射させて外部に放射するタイプに好都合で
ある。発光ダイオード4と基板13との間に光を透過さ
せて、外部に放射できるからである。着色した緩衝筒
は、光を透過させる状態で着色し、あるいは光を透過さ
せない状態で着色する。図5や図6に示すように、発光
ダイオード4の光を直接に放射する看板は、緩衝筒を黒
等の暗色に着色して、発光ダイオード4を点灯する状態
と消灯する状態でのコントラストを高くできる。このた
め、発光ダイオードを点滅させる看板等にあっては、緩
衝筒を暗色に着色する。
【0030】図7の緩衝筒25は、基板13の裏面に配
設される鍔26を一体成形して設けている。さらに、図
8の緩衝筒25は、基板13の表裏に配設される鍔26
を一体成形して設けている。図7の緩衝筒25は、鍔2
6が基板13の裏面に当接するまで貫通孔13Aに挿入
される。図8の緩衝筒25は、両端の鍔26で基板13
を挟む位置まで基板13の貫通孔13Aに入れる。この
ように、鍔26を有する緩衝筒25は、鍔26によって
位置決めしながら、緩衝筒25を基板13の貫通孔13
Aの所定の位置に確実に配設できる特長がある。
【0031】緩衝筒25は、発光ダイオード4を基板1
3の貫通孔13Aに固定するものであるから、外径を基
板13の貫通孔13Aの内径に等しくして、内径を発光
ダイオード4の外径に等しくしている。ただ、ゴム状弾
性体の緩衝筒25は、弾性変形して基板13の貫通孔1
3Aに密着し、また、発光ダイオード4の外側表面に密
着するので、外径を貫通孔13Aの内径よりもわずかに
大きくし、あるいは、内径を発光ダイオード4の外径よ
りもわずかに小さくすることができる。この緩衝筒25
は、貫通孔13Aの内面と発光ダイオード4の外面に弾
性的に密着して、発光ダイオード4を基板13にしっか
りと固定する。
【0032】緩衝筒25の外径を貫通孔13Aの内径よ
りもわずかに大きくするとは、緩衝筒25を貫通孔13
Aに入れることができる程度に大きくする状態を意味す
る。また、緩衝筒25の内径を発光ダイオード4の外径
よりもわずかに小さくするとは、緩衝筒25に発光ダイ
オード4を挿入できる程度に緩衝筒25の内径を小さく
する状態を意味するものとする。
【0033】発光ダイオード4は、ほとんど例外なく、
図7と図8に示すように、ケースの後端に凸部4Bを有
する。したがって、凸部4Bが緩衝筒25の鍔26に当
接するまで挿入して、基板13の定位置に固定される。
基板13の裏面に鍔26がある緩衝筒25は、発光ダイ
オード4のケースに設けている凸部4Bを直接に基板1
3に接触させない。したがって、発光ダイオード4のケ
ースは、いかなる部分をも直接には基板13に接触する
ことなく、緩衝筒25を介して基板13に固定される。
【0034】この構造の看板は、基板13の貫通孔13
Aに緩衝筒25を入れた後、緩衝筒25に発光ダイオー
ド4を挿入して、定位置に固定される。この状態で、発
光ダイオード4のリード線4Aを基板13の裏面で半田
付けして連結し、あるいはリード線を巻き付けて連結
し、あるいは圧着端子やソケットを使用して連結する。
この構造は、発光ダイオード4を緩衝筒25に接着する
ことなく、また、緩衝筒25を基板13に接着すること
なく連結できる。ただ、発光ダイオード4を緩衝筒25
に接着し、緩衝筒25を基板13の貫通孔13Aに接着
して、発光ダイオード4を基板13に固定することもで
きるのは言うまでもない。
【0035】基板13は、溝形ケース2の周壁7の内面
との間に対流隙間15を設ける状態で配設している。基
板13は、溝形ケース2よりも小さくして、周壁7の内
面との間に対流隙間15を設けることができる。周囲に
対流隙間15を設ける状態で配設される基板13は、基
板13の両側に空気を対流させて、効率よく発光ダイオ
ード4を冷却できる。ただ、基板は、複数の貫通孔を開
口して基板の両側に空気を対流させることもできる。
【0036】発光ダイオード4は、図4に示すように、
照射する光が前面板3を直接に照射しないように、溝形
ケース2の背面6に向かって、図4において右向きに光
を照射する姿勢で配設することも、図5に示すように、
照射する光が前面板3を直接照射するように、溝形ケー
ス2の開口部に向かって、図5において左向きに光を照
射する姿勢で配設することもできる。
【0037】図4に示す看板は、発光ダイオード4から
照射された光を、溝形ケース2の周壁6の内面や遮弊プ
レート5で反射させており、この反射光を前面板3から
外部に照射している。したがって、図の基板13には、
透光性を有するものを使用している。反射光を透過させ
て、前面板3から看板本体1の外部に照射するためであ
る。基板13は、光の透過率を高くするために、両面を
鏡面とすることができる。この基板13は、前面板3を
明るく照射できる特長がある。ただ、基板は、片面また
は両面を微細な凹凸面として、透過する光を乱反射させ
ることもできる。微細な凹凸面の基板は、透過する光を
均一に散乱させて、前面板の明るさをより均一にでき
る。基板は、無着色、あるいは発光ダイオードと同じ色
に着色することもできる。
【0038】図5に示す看板は、発光ダイオード4から
照射された光を、前面板3から外部に直接照射できるよ
うにしている。発光ダイオード4をこの向きに固定する
基板13は、たとえば、前面側に反射層を設けて、発光
ダイオード4から照射される光や反射光を効率よく反射
して、前面板3をより均一に明るく照射できる。この基
板には、必ずしも透光性を有するものを使用する必要は
ない。ただ、基板に透光性を有するものを使用して、こ
こを透過した光を遮弊プレートや溝形ケースの周壁内面
で反射させることもできる。
【0039】発光ダイオード4には、図4に示すよう
に、前面に光の集光レンズを備える透明樹脂に発光素子
を埋設したものを使用することも、図5に示すように、
前面が平面状の透明樹脂に発光素子を埋設した、集光レ
ンズを備えていないものを使用することもできる。前面
に集光レンズを備える発光ダイオード4は、集束した光
ビームを照射する1カンデラ以上の高輝度タイプが使用
できる。この発光ダイオード4は、たとえば、図4に示
すように、反射光で前面板3を照射する看板に使用し
て、前面板3をより明るく照射できる。さらに、前面に
集光レンズを備えていない発光ダイオード4は、発光素
子から出力される光を集光することなく、広い範囲に光
ビームを照射できる。この発光ダイオード4は、たとえ
ば、図5に示すように、直接に前面板3を照射する看板
に使用して、前面板3を均一に明るく照射できる。た
だ、発光ダイオードは、透明樹脂に無機蛍光体または白
色粉末を充填した発光ダイオードを使用することもでき
る。この発光ダイオードは、発光素子から出力される光
を透明樹脂で拡散させて、広い範囲に光ビームを照射し
て、前面板をより均一に明るく照射できる。
【0040】さらに、看板は、内蔵される複数の発光ダ
イオード4に、発光色の異なるものを使用することもで
きる。この看板は、異なる発光色の発光ダイオード4の
発光輝度を調整して、出力される光の色調を種々に変化
できる特長がある。この看板は、たとえば、時間帯や季
節に応じて、発光色を多彩に変化させることができる。
とくに、複数の発光色として、赤、青、緑の発光ダイオ
ードを備える光源は、フルカラーで出力できる特長があ
る。
【0041】遮弊プレート5は、溝形ケース2の背面6
と発光ダイオード4との間に位置して配設している。遮
弊プレート5は、金属製あるいはプラスチック製のプレ
ートが使用できる。遮弊プレート5は、溝形ケース2の
背面6に開口して設けた対流穴14から内部に侵入する
雨水等を遮断して、発光ダイオード4やリード線20を
これらの水から保護している。さらに、遮弊プレート5
は、溝形ケース2の周壁7の内面との間に対流隙間15
を設ける状態で配設している。対流穴14から内部に流
入した外気を対流隙間15から発光ダイオード4を配設
している室内に対流させるためである。したがって、遮
弊プレート5は、周壁7の内面との間に対流隙間15を
設けることができるように、溝形ケース2の内形とほぼ
等しく、溝形ケース2よりもやや小さい大きさに成形さ
れる。
【0042】さらに、図に示す遮弊プレート5は、発光
ダイオード4の光を反射する反射板に併用している。こ
の遮弊プレート5は、前面に反射層8を設けて反射板と
することができる。遮弊プレート5の反射層8は、前述
の溝形ケース2の周壁7の内面に設けた反射層8と同様
にして設けることができる。この遮弊プレート5は、対
流穴14から内部に侵入する雨水等を背面で遮断し、発
光ダイオード4の光を前面の反射層8で反射して前面板
3から外部に照射する。
【0043】図4と図5に示す看板は、基板13と遮弊
プレート5とを、固定支柱16を介して溝形ケース2に
連結している。図に示す固定支柱16は、一端を溝形ケ
ース2の背面6に垂直に固定して、他端に基板13を連
結し、中間に遮弊プレート5を連結している。基板13
と遮弊プレート5は、位置決部材17を介して溝形ケー
ス2の背面6に対して平行に、所定の間隔で固定されて
いる。固定支柱16には、たとえばネジ棒が使用でき
る。ネジ棒である固定支柱16は、位置決部材17にナ
ットを使用して、簡単に基板13や遮弊プレート5の間
隔を変更できる。基板13と遮弊プレート5の間隔、お
よび遮弊プレート5と溝形ケース2の背面6との間隔
は、溝形ケース2の深さ、発光ダイオード4を配設する
向き、発光ダイオード4の輝度や個数、発光ダイオード
4の集光特性、周壁7や遮弊プレート5の反射層8の反
射特性等によって最適値に設計される。
【0044】さらに、看板本体1は、溝形ケース2の背
面6を貫通して複数の対流穴14を開口している。図に
示す看板本体1は、背面6の上部と下部に、それぞれ複
数の対流穴14を設けている。看板本体1は、対流穴1
4から内部に外気を流入し、流入した外気を、発光ダイ
オード4を配設している室内に対流させて発光ダイオー
ド4を冷却している。図に示すように、背面6に対流穴
14を設ける看板本体1は、外観を良くできる特長があ
る。さらにまた、上部と下部に分割して対流穴14を開
口している看板本体1は、下部から冷たい外気を流入
し、上部から内部の暖かい空気を流出させて、効率よく
空気を循環させながら発光ダイオード4を冷却できる特
長がある。
【0045】さらに、看板本体1は、背面6の外側にひ
さしカバー18を配設している。ひさしカバー18は、
対流穴14から看板本体1の内部に雨水等が侵入するの
を阻止するためのカバーである。ひさしカバー18は、
複数の対流穴14をカバーする状態で溝形ケース2の背
面6に固定している。ひさしカバー18は、雨水等の侵
入を阻止しながら空気を通過できるように、対流穴14
の上方と左右を閉塞するが下方を開口する形状として、
溝形ケース2の背面6に固定している。このひさしカバ
ー18は、金属板あるいはプラスチックを所定の形状に
加工して成形される。
【0046】さらに、図に示す看板本体1は、下面を貫
通して、水抜き穴19を開口している。この水抜き穴1
9は、内部に侵入した水を、ここを通過させて外部に排
水する。水抜き穴19は、看板本体1の形状や大きさに
応じて、最適な位置に、最適な個数を設けることができ
る。
【0047】以上の構造の看板は、看板本体1の前面を
閉塞する前面板3の内側に、複数の発光ダイオード4を
配設している。ただ、本発明の看板は、図6に示すよう
に、看板本体1の前面板3を水密に貫通して、複数の発
光ダイオード4を固定することもできる。この看板は、
発光ダイオード4の凸部4Bとリード線4Aを看板本体
1の内部に位置させて、光照射部を外側に向ける状態で
配設している。この看板は、前面板3から表出する発光
ダイオード4の光照射部から直接に外部に光を照射す
る。したがって、個々の発光ダイオード4の光ビーム
を、外部から認識できる特長がある。この看板は、たと
えば、複数の発光ダイオードの点灯状態を制御すること
によって、多彩な表示が実現できる。この構造の看板
も、内部を遮弊プレート5で区画して、発光ダイオード
4のリード線4Aやリード線20が配設された室内に雨
水等が侵入するのを阻止している。さらに、対流穴14
から内部に流入した外気を、対流隙間15から発光ダイ
オード4を配設している室内に対流させて、発光ダイオ
ード4の発熱を効率よく放熱させている。
【0048】図4ないし図6に示す看板本体1は、溝形
ケース2の背面6を、連結部材21を介して建物等の躯
体24に固定している。看板本体1は、対流穴14に空
気を流動できるように、好ましくは躯体24から所定の
間隔を離して配設される。看板本体1を躯体24から離
して固定する看板は、遠近感のある外観にできる特長も
ある。図に示す連結部材21は、上下に離して平行に配
設された2本の角パイプで構成している。図に示す2本
の角パイプは、上側の角パイプが固定プレート22を介
して、下側の角パイプがアングル23を介して、それぞ
れ躯体24に固定されている。これ等の角パイプの正面
に溝形ケース2の背面6を固定して、看板本体1を躯体
24に固定している。
【0049】
【発明の効果】本発明の発光ダイオードの看板は、簡単
かつ容易に、しかも速やかに多数の発光ダイオードを基
板に確実に装着できる特長がある。それは、本発明の看
板が、基板の貫通孔に、プラスチックまたはゴムを筒状
に成形した緩衝筒を挿入して、この緩衝筒に発光ダイオ
ードを入れて定位置に固定しているからである。本発明
の看板は、従来のように、発光ダイオードを直接に接着
剤で基板の貫通孔に固定しない。基板の貫通孔に緩衝筒
を挿入し、この緩衝筒に発光ダイオードを挿入して発光
ダイオードを基板に固定している。したがって、簡単か
つ容易に、多数の発光ダイオードを確実に基板に装着で
き、製造にかかる手間を省略して生産効率を向上でき
る。さらに、従来の接着剤で装着する構造のように、塗
布した接着剤が基板の表面に染み出すことがないので、
外観を綺麗にできる特長もある。
【0050】さらに、本発明の発光ダイオードの看板
は、緩衝筒を介して基板に発光ダイオードを固定するの
で、熱収縮による歪力による弊害を有効に防止して耐久
性を著しく向上できる特長がある。とくに、本発明の看
板は、緩衝筒を、プラスチックまたはゴムで筒状に成形
しているので、基板と発光ダイオードの間に作用する無
理な力を緩衝筒で吸収して、基板の熱収縮の差によって
発光ダイオードに無理な歪力が作用するのを阻止し、こ
の歪力に起因するリード線の接続不良やケースの損傷を
有効に防止できる。したがって、本発明の看板は、紫外
線や風雨に晒される極めて厳しい環境に設置されても、
発光ダイオードと基板との接着強度を低下させることな
く、長期間にわたって発光ダイオードを定位置に保持で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の看板における発光ダイオードの固定構造
を示す拡大断面図
【図2】本発明の実施例の発光ダイオードの看板を示す
斜視図
【図3】本発明の他の実施例の発光ダイオードの看板を
示す斜視図
【図4】本発明の実施例の看板の内部構造の一例を示す
一部拡大垂直断面図
【図5】本発明の実施例の看板の内部構造の他の一例を
示す一部拡大垂直断面図
【図6】本発明の実施例の看板の内部構造の他の一例を
示す一部拡大垂直断面図
【図7】本発明の実施例の看板における発光ダイオード
の固定構造を示す拡大断面図
【図8】発光ダイオードの固定構造の他の一例を示す拡
大断面図
【符号の説明】
1…看板本体 2…溝形ケース 3…前面板 4…発光ダイオード 4A…リード線 4
B…凸部 5…遮弊プレート 6…背面 7…周壁 8…反射層 9…固定カバー 10…折曲リブ 11…載リブ 12…止ネジ 13…基板 13A…貫通孔 14…対流穴 15…対流隙間 16…固定支柱 17…位置決部材 18…ひさしカバー 19…水抜き穴 20…リード線 21…連結部材 22…固定プレート 23…アングル 24…躯体 25…緩衝筒 26…鍔 27…接着剤

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個の発光ダイオード(4)を、基板(1
    3)の貫通孔(13A)に挿入して定位置に固定している看板
    において、 基板(13)の貫通孔(13A)に、プラスチックまたはゴムを
    筒状に成形しているゴム状弾性体の緩衝筒(25)を挿入し
    ており、 この緩衝筒 (25) は基板 (13) の裏面に配設される鍔 (26)
    一体成形して設けており、この鍔 (26) が基板 (13) の裏面
    に当接するまで貫通孔 (13A) に挿入されており、発光ダ
    イオード (4) は、凸部 (4B) を緩衝筒 (25) の鍔 (26) に当接
    させるまで挿入して基板 (13) の定位置に固定されて、発
    光ダイオード (4) に設けている凸部 (4B) を直接に基板 (1
    3) に接触させないようにして、発光ダイオード (4) のケ
    ースを基板 (13) に固定しており、 さらにゴム状弾性体の緩衝筒 (25) は、弾性変形して基板
    (13) の貫通孔 (13A) に密着され、また、発光ダイオード
    (4) の外側表面に密着するように、外径を貫通孔 (13A)
    内径よりもわずかに大きくして、内径を発光ダイオード
    (4) の外径よりもわずかに小さくして、緩衝筒 (25) を、
    貫通孔 (13A) の内面と発光ダイオード (4) の外面に弾性的
    に密着させて、発光ダイオード (4) を基板 (13) に固定し
    ており、発光ダイオード (4) を基板 (13) の貫通孔 (13A)
    入れている緩衝筒 (25) に挿入して 基板(13)に固定して
    ことを特徴とする発光ダイオードの看板。
  2. 【請求項2】 緩衝筒(25)が基板(13)の裏表に鍔(26)を
    有する請求項1に記載される発光ダイオードの看板。
  3. 【請求項3】 緩衝筒(25)が透明または着色されたプラ
    スチックで成形している請求項1に記載される発光ダイ
    オードの看板。
  4. 【請求項4】 緩衝筒(25)が軟質プラスチックである請
    求項1に記載される発光ダイオードの看板。
  5. 【請求項5】 緩衝筒(25)が絶縁性のプラスチックまた
    はゴムである請求項1に記載される発光ダイオードの看
    板。
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