JP3495633B2 - 水中構造物の水棲生物付着防止方法 - Google Patents

水中構造物の水棲生物付着防止方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、水中構造物、た
とえば船舶の水棲生物付着防止方法に関し、さらに詳し
くは、水中構造物たとえば船舶を陸揚げする必要がな
く、操作が簡便であり、低コストで行うことができる効
果的な水中構造物の水棲生物付着防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】海水中にはフジツボ、貝類、海草、及び
藻類等の水棲生物の幼生、卵、又は種等が浮遊してお
り、係留中の漁船、艦船及びレジャーボート等の船舶に
おける喫水部に前記水棲生物の幼生等が付着し、この付
着状態で水棲生物は成長を始める。係留期間が長期間に
及ぶと、貝類等は大きな固まりとなり、このまま放置す
ると、船舶はこれらの水棲生物により損傷を受け、船舶
の寿命を著しく縮める可能性がある。また、水棲生物が
喫水部に付着した状態で航行すると、航行抵抗の増大に
よる燃費の悪化、横揺れの発生による航行の安全性等が
問題となる。
【0003】船舶の喫水部に付着した水棲生物を機械的
に掻き落とす等により除去する場合には、この作業を水
中で行うことは事実上不可能であるので、船舶を陸揚げ
してから作業することになる。このときクレーン等の吊
り上げ装置、スペースの確保等が必要になり、大掛かり
で、コスト高になる。また、掻き落とし作業に多大な労
力を要する。
【0004】そこで、船舶への水棲生物の付着防止が必
要になり、このための方法が考えられている。
【0005】水棲生物の付着を防止するための専用塗料
を船舶に塗付する方法があるが、専用塗料の塗付作業
は、前記の場合と同様に船舶の陸揚げが必要であり、ま
た効果の持続時間が短いという欠点を有する。さらに専
用塗料の中には魚介類や人体に対する毒性が指摘される
物質もあるので、環境的見地からも専用塗料の塗付は実
施し難い。
【0006】船舶を陸揚げする必要のない、船舶への水
棲生物付着防止方法としては、船舶の喫水部分を防水性
シートで包囲して、浮力材で引き上げて外海水と遮断す
ることにより包囲内部の海水濃度を薄めて貝の卵を死滅
させる方法(特開平7−96891号公報)、船舶の外
周を不透光性シート材料で覆って遮光することにより、
水棲生物の成長を抑制する方法(特開昭60−9489
2号公報),船底に流し込んだ浮き袋に空気を注入し
て、浮き袋を船舶に密着させることで水棲生物の付着を
防止する方法(特開平4−50598号公報)等が開示
されている。しかし、いずれの方法も、縫合・融着等に
よって部材を特殊形状に形成する必要があったり、設置
のための取扱い手順が煩雑で、人的コストが大きいとい
った欠点を有し、満足できる方法ではない。
【0007】又、特開昭63−22908号公報には水
中生物の付着防止方法が開示されている。この水中生物
の付着防止方法は、「水中構造物表面を、厚さ1mm以
上で、かつ水の置換が容易に起こる空隙部を有する布、
網若しくは多孔質シートで被覆することを特徴とする」
(上記公報における特許請求の範囲を参照)。
【0008】そしてこの公報によると、「前記多孔質シ
ートは厚みが1mmより薄くなると水中生物の付着を防
止することが困難である」とされている(同公報の第3
頁右下欄下から3行目より第4頁左上欄第2行までを参
照)。事実、この公報における比較例によると厚みが
0.5mmの布を採用すると水中生物が多く付着する。
【0009】さらに、この公報には、「多孔質シートと
しては、・・・例えばウレタンフォーム、発泡ポリスチ
レン、発泡ポリエチレンなどがあげられ、これらは標準
セル数5〜20ケ/25mmが好ましい」との記載があ
る(同公報の第3頁右下欄第12行〜第17行参照)。
同公報における実施例を参照すると、実施例1において
多孔質シートとして厚さ10mmのポリウレタンフォー
ムのシートが採用され、実施例7においてはポリプロピ
レン製の網が採用され、実施例8では合成繊維糸を使用
する多孔網構造物が採用されている。
【0010】このように、上記公報に記載された多孔質
シートというのは極めて厚みの大きなものであり、シー
トというよりも板というのが適切なものである。厚みの
大きなシートでは規模の大きな水中構造物を被覆するこ
とは事実上困難である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、前記従来
技術が有する欠点を解消し、船舶等の水中構造物を陸揚
げする必要がなく、操作が簡便であり、低コストで行う
ことができる、水中構造物等の船舶における喫水部に水
棲生物が付着するのを防止する方法を提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記の目的
を達成するためになされたもので、厚みが1mm未満で
あり、開口部それぞれの面積が1〜60mm2であり、
かつ、全開口部の総平面積が全平面積に対して20〜8
0%であるポリオレフィンシートにより、水中構造物の
喫水部全体を被覆することを特徴とする水中構造物の水
棲生物付着防止方法であり、また、好適な態様において
は、前記ポリオレフィンシートは、JIS L1096
Aに準拠して測定された引張伸度が15〜37%であ
り、JIS L1096A−1に準拠して測定された引
裂強度が3〜9kgであり、長尺条体を格子状に配列し
て、その交叉部を融着してなる。
【0013】
【発明の実施の形態】この発明は、以下のような構造を
有するシートで、水中構造物の喫水部全体を被覆するこ
とを特徴とする水中構造物の水棲生物付着防止方法であ
る。なお、以下の説明は、水中構造物である船舶を例に
して行われる。
【0014】この発明で使用するシートは、全面に多数
の開口部(貫通孔)を有している。
【0015】前記開口部は、それぞれ1〜60mm2
面積を有する。前記開口部それぞれの面積が前記範囲内
であるときは、水棲生物の幼生等は、専ら前記シートに
付着し、シート上で生育するので、前記シートを通過せ
ず、船舶へ付着することがない。また、シートの透水性
が良いので、シートの船舶への被覆作業時においてシー
トが受ける水の抵抗が小さく、作業性が良好となる。開
口部面積が前記範囲の上限値を超えると、水棲生物の幼
生等はシートを通過し、船舶表面に付着するようにな
り、付着防止効果が得られなくなる。一方、開口部面積
が前記範囲の下限値より小さいと、シートの透水性が低
下することにより、シートの被覆作業時においてシート
が受ける水の抵抗が増大し、作業性が悪化するので好ま
しくない。前記開口部それぞれの面積としては、さらに
好ましくは5〜30mm2である。
【0016】前記開口部は、その総平面積が、全平面積
に対して20〜80%である。前記全開口部の総平面積
が前記範囲の上限値を超えると、シートの強度が低下
し、海水中で破損するおそれがあり、また、シートに付
着した水棲生物が生育するのに十分なシート表面積を確
保できないので好ましくない。一方、前記全開口部の総
平面積が前記範囲の下限値より小さいと、水の透過性が
不十分になり、水の抵抗の増大により作業性が悪化する
ので好ましくない。前記シートの全開口部の総平面積と
しては、全平面積に対して35〜65%であることがさ
らに好ましい。
【0017】前記シートは、1mm未満の厚さを有し、
好ましくは0.05以上1mm未満の厚さを有する。シ
ートの厚さが前記範囲の上限値より大きいと、船舶への
被覆作業時に取扱いにくくなり、シートの厚さが前記範
囲の下限値より小さいと、この発明の実施において要求
する十分なシート強度が得られない。前記シートの厚さ
としては、さらに好ましくは0.2〜0.5mmであ
る。
【0018】前記シートは、JIS L1096Aに準
拠して測定された引張伸度が15〜37%であり、JI
S L1096A−1に準拠して測定された引裂強度が
3〜9kgである。引張伸度、引裂強度がそれぞれ前記
範囲の下限値より小さいと、シートの船舶への被覆時、
または水棲生物がシート上で生育し、その重量が大きく
なったときに破損する可能性がある。一方、引張伸度、
引裂強度がそれぞれ前記範囲の上限値より大きいシート
を使用すると、コスト面で不利になる。
【0019】前記シートの材質としては、耐水性・耐候
性に優れ、安価であり、加工しやすく、所定の強度が得
られ、また柔軟性があって取扱いが容易であることか
ら、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール
等のポリオレフィンが好適に用いられる。
【0020】上記特性を有するポリオレフィンシートと
しては、通常の方法により製造されたシートに適宜の手
段により穴を開けることにより得ることができる。
【0021】また、ポリオレフィンの長尺条体を格子状
に配列し、その交差部を融着してなるポリオレフィンシ
ートも更に好ましい。この長尺条体としては、この発明
に係るポリオレフィンシートを製造するのに必要且つ十
分な長さを有するところの、糸、ひも、シートを挙げる
ことができる。
【0022】前記ポリオレフィンシートとして、ポリオ
レフィンの長尺条体が格子状に配列され、各交差点が融
着されてなる一方のシートと、同様の構造を有する他方
のシートとを、各シートの長尺条体が斜行するように重
ね合わせて一方のシートと他方のシートとを融着して一
体化してなるシートも、好適に採用される。
【0023】前記長尺条体の組合せ方は、長尺条体が格
子状に配列されていれば特に制限はなく、たとえば、図
1に示すような組合せ方を挙げることができる。図1
(a)は平織状に、図1(b)は綾織状に、図1(c)
は朱子織状に、長尺条体の一例である細幅長尺シート1
を組合せたものである。
【0024】長尺条体の幅および各長尺条体間の間隔
は、前記の開口部面積、全平面積に対する全開口部の総
平面積の比、引張伸度および引裂強度の条件を満たして
いれば、特に制限はなく、たとえば、長尺条体の幅とし
ては2〜4mm、各長尺条体間の間隔としては縦・横そ
れぞれ1〜5mmとしたシートを挙げることができる。
また、前記条件を満たしていれば、1枚のシートにおい
て長尺条体の幅および各長尺条体間の間隔が統一されて
いなくても構わない。なお、格子状の配列は、縦の長尺
条体と横の長尺条体とが直交して配列されている態様の
みならず、縦の長尺条体と横の長尺条体とが斜行して配
列されている態様を含む。
【0025】この発明は、前記の要件を満たすシートで
係留船舶の喫水部全体を被覆することによる、船舶への
水棲生物付着防止方法である。この発明では、最終的に
船舶の喫水部全体が前記シートで被覆されていれば、そ
の被覆工程に特に制限はない。
【0026】船舶の被覆方法としては、1枚の前記シー
トで船舶の喫水部全体を被覆する場合には、たとえば、
以下のようにして行うことができる。前記シートの端部
を、船舶の側面または船首先端部から水中に潜らせ、前
記シートを船底表面に滑らせるように、また前記シート
で船体を包むように、前記シートの端部を船舶の反対側
の側面または船尾方向に引張る。そして、船舶の反対側
の側面または船尾後方から前記シートの端部を水面上に
引き上げることにより、船舶の喫水部全体を被覆する。
【0027】また、1枚の前記シートで船舶の喫水部全
体を被覆することができない場合には、数枚のシートを
組合せることにより船舶を被覆する。この場合の被覆方
法としては、たとえば以下のような方法が挙げられる。
一定の幅を有する帯状の前記シートを用意し、船舶の側
面から船底の下方に潜らせ、船舶の反対側から水面上に
引き上げる。別の前記帯状シートに対して同様の操作を
繰り返す。そして、2枚の前記帯状シートが一辺で接す
るように、または周辺部が一部重なるように2枚の前記
帯状シートを配置し、接着テープ、接着剤、ひも等を用
いて隙間が生じないように結合する。この操作を繰り返
すことにより、前記帯状シートを1枚の大きなシートに
成形しながら、船舶の喫水部全体を被覆する。また、陸
上で、数枚の前記帯状シートを前記と同様の操作により
組合せて、1枚の大きなシートに成形しておき、その成
形したシートで、前記の、1枚の前記シートで船舶の喫
水部全体を被覆する場合と同様にして船舶を被覆しても
よい。
【0028】この発明で使用するシートは前記のような
構造を有する高透水性のシートであるので、前記の船舶
の被覆作業においてシートが受ける水の抵抗は、低透水
性のシートを用いる場合に比べかなり小さく、被覆作業
の労力が大幅に軽減される。また、このことはシートの
除去作業時においても同様の利点となる。
【0029】前記シートで船舶を被覆したとき、シート
の周辺部は、当該船舶の非喫水部、または当該船舶以外
の構築物の水面より高い位置で、ロープ・ベルト等を用
いて固定する。このとき、前記シートの全周辺部が水面
より高い位置に維持されるようにする。
【0030】この発明では、前記シートで船舶を被覆し
たとき、シートを船舶表面に密着させておく必要はな
く、シートと船舶表面とは、作業時・船舶の係留時等に
おいて不便をきたすことがない程度の距離をとることが
できる。シートは海水中で波力により揺動するが、船舶
表面から概ね1〜10cmの距離にシートが存在してい
ることが望ましい。
【0031】前記シートで船舶を被覆した状態で船舶を
長期間係留すると、シートに水棲生物が付着して水棲生
物の付着料が増加するに伴い、シートは水棲生物の重量
により下方に垂れ下がる傾向を示す。そして、シートの
周辺部位のみでシートを固定し、またシートを支えるの
は、当該シートの強度からみて困難になる可能性があ
る。このためのシートの補強措置としては、シートを適
当な間隔で高強度のロープ・ベルト等で補強する方法、
適当な間隔で合成樹脂・ゴム等のチューブをシートに取
り付け、これに送気して透水性シートの浮力を調節する
方法等を挙げることができる。また、船舶を被覆する前
に前記シートに、適当な間隔ごとに両面テープを貼付し
ておき、前記両面テープを船舶表面に付着させながら前
記シートの被覆作業を行うことによりシートを補強する
こともできる。
【0032】船舶が出航するときには、シートの固定を
開放することにより船舶を自由にすることができる。ま
た、海水から引き上げられたシートは、付着している水
棲生物の量が少ない場合には、再使用することができ
る。
【0033】この発明の水棲生物付着防止方法は、船舶
以外の水中構造物に対しても適用することができる。こ
の発明において、水中構造物として、船舶の外に、浮き
桟橋、養魚場の水中設備及び浮遊設備、海底油田掘削井
設備、浮遊型船舶案内灯、浮き灯台、ブイ、海上ヘリポ
ート設備、並びに、海上又は海中に種々の目的のために
敷設された各種のロープ等を挙げることができる。これ
ら水中構造物は、船舶と同様にして喫水部の表面全体を
前記シートで被覆し、前記シートを固定することによ
り、船舶の場合と同様に水棲生物の付着を防止すること
ができる。
【0034】
【実施例】全長11m、全幅2mのFRP製船外機付レ
ジャーボートが試験に供された。前記ボートを大阪府岸
和田市の海岸に係留し、ポリオレフィン製の長尺条体を
格子状に配列し、各交差部を熱融着してなり、開口部そ
れぞれの面積が6mm2であり、全開口部の総平面積が
全平面積に対して45%であり、厚みが0.3mmであ
り、JIS L1096Aに準拠して測定された引張伸
度が22%であり、JIS L1096A−1に準拠し
て測定された引裂強度が7.5kgであるシートで被覆
した。なお、このとき、シートで被覆した部分と被覆し
ていない部分との水棲生物付着状況を比較する目的で、
前記レジャーボートを被覆している前記シートの一部を
長方形の形(20cm×60cm)に切り取った。この
状態で前記ボートを平成10年(1998年)3月から
約6ヶ月間係留した。試験終了後、前記シートを取り外
し、レジャーボートを陸揚げして、水棲生物の付着状況
を確認した。
【0035】(試験結果)試験終了後に取り外したシー
トについては、ボート側のシート面には付着物は認めら
れなかったが、ボートとは反対側のシート面には泥状物
およびフジツボが多数付着していた。
【0036】ボート船体については、船底の一部に長方
形の形にフジツボが密集して付着していた。それ以外に
は水棲生物の付着は認められなかった。このフジツボが
付着している部分は、比較をするためにシートを切り取
っておいた部分と位置およびサイズが一致していた。こ
のことから、シートによって被覆されていた船体部分に
はフジツボ等は付着せず、シートによって被覆されてい
なかった船体部分にのみフジツボが付着したと判断され
る。
【0037】
【発明の効果】この発明によると、一定構造を有するシ
ートで船舶等の水中構造物を被覆するだけで、船舶等の
水中構造物における喫水部への水棲生物の付着を効果的
に防止することができる。
【0038】この発明は、船舶等の水中構造物を陸揚げ
することなく実施することができるので、陸揚げに必要
なスペースの確保、クレーン等の機械の使用を必要とし
ない。したがって、水中構造物たとえば船舶がどのよう
な場所に係留していても、この発明の方法を実施するこ
とが可能である。また、この発明で必要な作業は、船舶
等の水中構造物にシートを被覆することだけであるか
ら、作業に多くの人員を必要とせず、人件コストを低く
抑えることができる。
【0039】この発明で使用するシートは、開口部を多
数有する構造であるので、透水性が大きい。このため、
シートの水中構造物への被覆作業時および除去作業時に
おいて、シートが水中で受ける水の抵抗が小さい。した
がって、透水性の小さいシートを使用する方法に比べ
て、この発明による方法では、作業の労力が大幅に軽減
できる。また、この発明では、被覆したシートを船舶等
の水中構造物に密着させておく必要がないので、作業が
さらに容易になる。
【0040】この発明で使用するシートは、長尺条体を
格子状に配列してなるので、引張伸度及び引裂強度が大
きい。このため、シート厚を小さくしても、この発明の
実施時に要求される十分な強度を保持することができ
る。したがって、この発明で使用するシートは、シート
厚が小さく、軽量で、取扱いが容易であり、また、折り
畳み時の体積が大きくならないので、広い保管場所を必
要としない。また、この発明で使用するシートは、構造
が簡単であり、格子状に配列した長尺条体の各交叉部を
熱融着するだけで成形することができるので、安価に製
造することができる。
【0041】この発明で使用するシートの材質であるポ
リオレフィンは、構成元素として炭素および水素のみを
含有するので、燃焼しても有毒ガスを発生しない。した
がって、使用済みの前記シートは焼却処理することがで
き、廃棄物処理の問題が起こらない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、ポリオレフィンの長尺条体を平
織状に配列した、この発明で使用するシートの構造を示
す説明図である。図1(b)は、ポリオレフィンの長尺
条体を綾織状に配列した、この発明で使用するシートの
構造を示す説明図である。図1(c)は、ポリオレフィ
ンの長尺条体を朱子織状に配列した、この発明で使用す
るシートの構造を示す説明図である。
【符号の説明】
1…細幅長尺シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01M 29/00 B63B 59/04 A01M 21/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚みが1mm未満であり、開口部それぞ
    れの面積が1〜60mm2であり、かつ、全開口部の総
    平面積が全平面積に対して20〜80%であるポリオレ
    フィンシートにより、水中構造物の喫水部全体を被覆す
    ることを特徴とする水中構造物の水棲生物付着防止方
    法。
  2. 【請求項2】 前記ポリオレフィンシートは、JIS
    L1096Aに準拠して測定された引張伸度が15〜3
    7%であり、JIS L1096A−1に準拠して測定
    された引裂強度が3〜9kgである前記請求項1に記載
    の水中構造物の水棲生物付着防止方法。
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