JP3495295B2 - Dc−dcコンバータ - Google Patents

Dc−dcコンバータ

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JP3495295B2
JP3495295B2 JP19264499A JP19264499A JP3495295B2 JP 3495295 B2 JP3495295 B2 JP 3495295B2 JP 19264499 A JP19264499 A JP 19264499A JP 19264499 A JP19264499 A JP 19264499A JP 3495295 B2 JP3495295 B2 JP 3495295B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,DC−DCコンバ
ータに関し,特にスイッチング時の損失を低減するもの
に関する。
【0002】
【従来の技術】DC−DCコンバータは,例えば電子回
路駆動用,通信用電源,バッテリ充電装置,アーク溶接
機,プラズマ切断機,プロジェクタ用直流電源,めっき
用直流電源などに使用される。従来,この種のDC−D
Cコンバータには図9に示すものがあった。
【0003】Eは直流電源で通常,商用電源を整流し平
滑して形成される。直流電源Eの出力には直列回路1
1,13が並列に接続されている。直列回路11は,ス
イッチング素子,例えばIGBTS11と,高周波変圧
器T11の一次巻線T11pと,スイッチング素子,例
えばIGBTS12とが直列に接続されている。さら
に,1次巻線T11pとIGBTS12のコレクタの接
続点にアノードが,また,直流電源Eの+端子Aにカソ
ードが接続されたダイオードD11が設けられ,IGB
TS11のエミッタと1次巻線T11pとの接続点にカ
ソードが,直流電源Eの−端子Bにアノードが接続され
たダイオードD12が設けられている。
【0004】直列回路13はスイッチング素子,例えば
IGBTS13と,高周波変圧器T13の1次巻線T1
3pと,スイッチング素子,例えばIGBTS14が直
列に接続されている。さらに1次巻線T13pとIGB
T14のコレクタの接続点にアノードが、また,直流電
源Eの+端子Aにカソードが接続されたダイオードD1
3が設けられ,IGBTS13のエミッタと1次巻線T
13pの接続点にカソードが,直流電源Eの−端子Bに
アノードが接続されたダイオードD14が設けられてい
る。
【0005】高周波変圧器T11の2次巻線T11sの
一方の端子には,高周波電圧を整流するダイオードD1
5のアノードが接続され,高周波変圧器T13の2次巻
線T13sの一方の端子には高周波電圧を整流するダイ
オードD16のアノードが接続されている。両ダイオー
ドD15,D16のカソードは相互に接続され,さらに
平滑用リアクトルL11の一方の端子に接続されてい
る。リアクトルL11の他方の端子は平滑用コンデンサ
C11の一方の端子に接続されるとともに,負荷Loに
接続されている。また,両高周波変圧器T11,T13
の2次巻線T11s,T13sの他方の端子は相互に接
続されるとともに,コンデンサC11の他方の端子と負
荷Loに接続されている。さらに、ダイオードD15の
カソードと2次巻線T11sの他方の端子との間には環
流ダイオードD17が接続されている。
【0006】これによりIGBTS11,S12,高周
波変圧器T11,ダイオードD11,D12により2石
フォワードコンバータが形成され,IGBTS13,S
14,高周波変圧器T13,ダイオードD13,D14
により2石フォワードコンバータが形成される。
【0007】そして,IGBTS11とS12とを同時
に,また,IGBTS13とS14とを同時にオンさせ
る。この時IGBTS11とS12がオン・オフするタ
イミングと,IGBTS13とS14がオン・オフする
タイミングは電気角で180度ずらせている。IGBT
S11とIGBTS12がオンする期間に,また,IG
BTS13とS14がオンする期間に,それぞれ高周波
変圧器T11,T13の1次巻線T11p,T13pに
電圧を印加し,2次巻線T11s,T13sに発生した
電圧をダイオードD15,D16によりそれぞれ整流
し,リアクトルL11,コンデンサC11によりリップ
ル成分を除去して,所望の直流電圧又は電流を得て,負
荷Loに印加している。
【0008】IGBTS11ないしS14を高周波でス
イッチングすることにより,高周波変圧器T11,T1
3やリアクトルL11,コンデンサC11が小型になる
とともに,出力制御の応答性が高くなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし,IGBTS1
1,S12,及びIGBTS13,S14のスイッチン
グ時,IGBTに固有するスイッチング時間に起因した
スイッチング時の電圧,電流の重なりによる損失や,I
GBTの容量の充放電に伴う電力損失,変圧器の漏れイ
ンダクタンスに蓄積されたエネルギーの放出に伴う損失
がスイッチング損失となる。そして,IGBTがS11
ないしS14を高周波でスイッチングすればするほどス
イッチング損失は増加し,装置の効率が著しく低下す
る。また,スイッチング素子の放熱に用いる放熱ファン
は大型になる。さらにスイッチング時,ノイズの発生が
大きくなりノイズフィルタを大きくする必要があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに,請求項1記載の発明は,直流電源の出力に直列接
続され高周波スイッチングする第1スイッチング素子及
び第2スイッチング素子と,上記第1スイッチング素子
と並列に接続され高周波スイッチングする第3スイッチ
ング素子と第1高周波変圧器との第1直列回路と,上記
第2スイッチング素子と並列に接続され第2高周波変圧
器と高周波スイッチングする第4スイッチング素子との
第2直列回路と,上記第1スイッチング素子の導電路と
逆並列に接続された第1環流素子と第1コンデンサと,
上記第2スイッチング素子の導電路と逆並列に接続され
た第2環流素子と第2コンデンサと,上記第3スイッチ
ング素子と第1高周波変圧器の1次巻線との接続点と,
上記直流電源の−端子間に接続された第3環流素子と,
第2高周波変圧器の1次巻線と上記第4スイッチング素
子との接続点と,上記直流電源の+端子間に接続された
第4環流素子と,上記両高周波変圧器の2次巻線に発生
した電圧の整流出力が接続されるタップを有し,一方の
端子が負荷に接続される平滑リアクトルと,上記平滑リ
アクトルの他方の端子と負荷との間に接続される第7環
流素子とを備えたものである。
【0011】すなわち,請求項1の発明では,第1スイ
ッチング素子,第4スイッチング素子,第2高周波変圧
器,第2環流素子,第4環流素子とにより第1のフォワ
ードコンバータを動作させる。また,第2スイッチング
素子,第3スイッチング素子,第1高周波変圧器,第1
環流素子,第3環流素子とにより上記第1のフォワード
コンバータとほぼ180゜の位相差を持つ第2のフォワ
ードコンバータを動作させる。第1及び第2環流素子
は,それぞれ第1スイッチング素子と第2スイッチング
素子を0電圧でスイッチングさせる際の環流素子として
動作する。これにより第1及び第2スイッチング素子の
スイッチング時の損失は極めて小さい。
【0012】また,タップを有する平滑リアクトルが,
高周波交流を整流した直流を平滑するとともに,第7環
流素子を介して負荷電流のエネルギーを環流させ,高周
波変圧器の1次電流を励磁電流のみの小さい値とし,第
3及び第4スイッチング素子を0電流でスイッチングさ
せ,これにより第3及び第4スイッチング時の損失は極
めて小さくなる。
【0013】請求項2記載の発明は,上記第1及び第2
の高周波変圧器が漏洩インダクタンスを有するものであ
る。
【0014】また,請求項3記載の発明は,第1,第2
の高周波変圧器の1次側又は2次側に小容量のリアクト
ルを有するものである。
【0015】すなわち,請求項2及び請求項3では,第
3,第4スイッチング素子のターンオンは漏洩インダク
タンス,又は高周波変圧器の1次側又は2次側に設けら
れる小容量のリアクトルによって立ち上がりが長くな
り,0電流でターンオンする。これによって第3,第4
スイッチング素子のターンオン時のスイッチング損失は
低減される。
【0016】請求項4記載の発明は,上記両高周波変圧
器の2次巻線に発生した電圧をそれぞれ整流し,その出
力が加算されるように接続されたものである。
【0017】すなわち2つのフォワードコンバータの出
力電流を加算することにより,負荷に所望の電流を供給
することができる。
【0018】請求項5記載の発明は,上記第4,第3ス
イッチング素子がオン,又はオフするタイミングを,そ
れぞれ第1,第2スイッチング素子がオン,又はオフす
るタイミングより遅らせるとともに,第1スイッチング
素子と第2スイッチング素子を相補的にオンオフ,スイ
ッチングさせ,第1スイッチング素子と第2スイッチン
グ素子のオンオフ切換時に第1,第2スイッチング素子
をともに短時間オフさせたものである。
【0019】第1スイッチング素子と第2スイッチング
素子が同時にオンすることがなく,直流電源の出力短絡
によるスイッチング素子の損傷を防止できる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の1実施の形態のDC−D
Cコンバータは図1に示すように構成されている。図1
においてEは直流電源で通常商用電源を整流し,平滑し
て形成される。直流電源Eの出力端子A,Bには第1及
び第2スイッチング素子,例えばIGBTS1とIGB
TS2とが直列に接続されている。また,IGBTS1
及びIGBTS2にはそれぞれ第1,第2の直列回路
1,2が並列に接続されている。第1の直列回路1は第
3のスイッチング素子,例えばIGBTS3と第1の高
周波変圧器T1の1次巻線T1pとが直列に接続されて
いる。また,第2の直列回路2は第2の高周波変圧器T
2の1次巻線T2pと,第4のスイッチング素子,例え
ばIGBTS4とが直列に接続されている。
【0021】上記IGBTS1及びS2のコレクタ・エ
ミッタ導電路に逆並列に第1及び第2環流素子,例えば
ダイオードD1及びダイオードD2が接続され,さらに
第1及び第2コンデンサC1及びC2が並列に接続され
ている。また,IGBTS3のエミッタと高周波変圧器
T1の1次巻線T1pとの接続点に,第3の環流素子,
例えばダイオードD3のカソードが接続され,直流電源
Eの−端子BにダイオードD3のアノードが接続されて
いる。高周波変圧器T2の1次巻線T2pとIGBTS
4のコレクタとの接続点に第4の環流素子,例えばダイ
オードD4のアノードが接続され,直流電源Eの+端子
AにダイオードD4のカソードが接続されている。
【0022】高周波変圧器T1及びT2の2次巻線T1
s及びT2sの一方の端子には,高周波電圧を整流する
第5及び第6のダイオードD5及びD6のアノードが接
続され,そのカソードは相互に接続されている。両ダイ
オードD5,D6のカソードは,タップを有する平滑用
第1リアクトルLdのタップCに接続されている。リア
クトルLdの一方の端子は平滑用コンデンサCdの一方
の端子に接続されるとともに,負荷Loに接続されてい
る。また,上記リアクトルLdの他方の端子は第7の環
流素子,例えばダイオードD7のカソードに接続されて
いる。高周波変圧器T1及びT2の2次巻線T1sとT
2sの他方の端子は相互に接続され,上記ダイオードD
7のアノードに接続され,さらに平滑用コンデンサCd
の他方の端子,負荷Loに接続されている。
【0023】なお,図中2次巻線T1s,T2sと直列
に接続されたLs1,Ls2は,高周波変圧器T1,T
2の漏れインダクタンスである。高周波変圧器T1,T
2の漏れインダクタンスに代えて外付けに高周波変圧器
T1,T2の1次側又は2次側に挿入してもよい。
【0024】次に,このDC−DCコンバータの動作に
ついて図2に基づいて説明する。図2に示す時刻t0の
直前では,IGBTS1,S4及びダイオードD6がオ
ンしており,IGBTS4には図2(i)に示す電流が
流れている。IGBTS2,IGBTS3及びダイオー
ドD3,D4,D5,D7はオフの状態にある。
【0025】時刻t0でIGBTS1に入力した駆動信
号が図2(a)で示すようにオフし,IGBTS1がオ
フすると,高周波変圧器T2の1次巻線T2pに流れて
いた電流は直流電源E,コンデンサC1,1次巻線T2
pのルートと,1次巻線T2p,IGBTS4,コンデ
ンサC2,1次巻線T2pのルートに流れ,コンデンサ
C1は充電され,コンデンサC2は放電していく。コン
デンサC1の電圧Vs1は図2(e)に示すように緩や
かに上昇し,コンデンサC2の電圧Vs2は図2(f)
に示すように緩やかに減少する。コンデンサC1の電圧
Vs1が0から直流電源Eの電圧Eiに達するまでの時
間を十分長くなるようにコンデンサC1とC2の値を選
定すると,IGBTS1は0電圧でターンオフし,IG
BTS1のターンオフ損失は極めて小さくなる。そして
高周波変圧器T2の2次巻線T2sに発生した電圧はダ
イオードD6により図2(l)に示すように整流され,
リアクトルLd,コンデンサCdを介して負荷Loに直
流電圧を印加する。
【0026】コンデンサC1の電圧Vs1が図2(e)
に示すように直流電源Eの電圧Eiに達する時刻t1に
なると,ダイオードD2がオンし,高周波変圧器T2の
1次巻線T2p,IGBTS4,ダイオードD2,1次
巻線T2pのルートに電流が流れる。このダイオードD
2がオンしている期間に図2(b)に示すようにIGB
TS2に駆動信号を印加させる。
【0027】今,高周波変圧器T2の2次巻線T2sに
発生する電圧をダイオードD6で整流した出力電圧Vd
は,Vd=Nl・Eo,ここでEoは負荷Loに印加す
る電圧で,Nlは平滑リアクトルLdのタップ比であ
り,Nl=n2/(n1+n2)(n1:一方の巻線L
d1の巻数,n2:他方の巻線Ld2の巻数)となるの
で,高周波変圧器T2の2次電流i2はNl・Eo/L
s2と,時間との関数となる。漏れインダクタンスLs
2は小さい値であり,その分2次電流i2が0になるま
での時間は短い。2次電流が0になると,ダイオードD
6はオフになる。
【0028】そして,IGBTS4に流れる電流は,高
周波変圧器T2の励磁電流のみの小さな値となる。一方
平滑リアクトルLdにはタップCが設けられており,負
荷Loに流れている電流は環流素子D7,平滑リアクト
ルLdの他方の巻数Ld2,一方の巻数Ld1を介して
環流する。
【0029】次に時刻t3においてIGBTS4の駆動
信号を図2(d)に示すようにオフすると,IGBTS
4は励磁電流のみの値のほぼ0電流でターンオフし,タ
ーンオフによるスイッチング損失は極めて小さくなる。
図2(h)に示すようにIGBTS4がターンオフする
と,高周波変圧器T2の励磁電流はダイオードD4,直
流電源E,ダイオードD2を介して流れ,直流電源側に
帰還しながら減少する。
【0030】時刻t4でIGBTS3の駆動信号を図2
(c)に示すようにオンすると,すでにIGBTS2に
は図2(b)に示す駆動信号が入力されており,IGB
TS3,IGBTS2はオンし,直流電源E,IGBT
S3,高周波変圧器T1,IGBTS2,直流電源Eに
電流が図2(j)及び(k)に示すように流れる。な
お,図2(j)はIGBTS3に流れる電流で,図2
(k)はIGBTS1とIGBTS2との接続点Fと,
第1の高周波変圧器T1の1次巻線T1pと第2の高周
波変圧器T2の1次巻線T2pとの接続点Gとを橋絡す
る電路に流れる電流である。
【0031】時刻t4でIGBTS3がターンオンする
と,第1の高周波変圧器T1の1次巻線T1pに直流電
源Eの電圧Eiが印加される。高周波変圧器T1の一次
巻線T1pに流れる1次電流i1(図2(j)に示すI
GBTS3に流れる電流に対応する)は,(Ei−Nt
・Nl・Eo/Nt2・Ls1)と,時間との関数で示
される。ここでNtは高周波変圧器T1の1次巻線T1
pと2次巻線T1sの巻数比である。そして,1次電流
i1の立ち上がり時間が長くなるように漏れインダクタ
ンスLs1を選択すると,IGBTS3は0電流でター
ンオンし,ターンオン時の損失を極めて小さくすること
ができる。なお,IGBTS2の電圧は図2(f)に示
すように0電圧であり,このとき電流が流れるためIG
BTS2のターンオン時の損失は極めて小さい。
【0032】1次電流i1の増加とともに,環流ダイオ
ードD7の電流は減少し0になった時点でオフし,その
出力には図2(l)に示す電圧が出力する。そして,高
周波変圧器T1の2次巻線T1sに発生した電圧がダイ
オードD5,平滑リアクトルLdの一方の巻線Ld1,
コンデンサCdを介して負荷Loに印加する。
【0033】IGBTS1とIGBTS2,また,IG
BTS3とIGBTS4の動作は,それぞれ位相が18
0゜異なって動作させると,IGBTS1とIGBTS
2はターンオン時,ターンオフ時とも0電圧スイッチン
グで動作する。IGBTS3とIGBTS4はターンオ
ン時,ターンオフ時とも0電流スイッチングで動作する
のでスイッチング時の損失を極めて小さくすることがで
きる。その結果,効率が向上するとともに,DC−DC
コンバータの小型化が実現でき,コストも安価にでき
る。
【0034】なお,IGBTS1とIGBTS2は,図
2に示すようにスイッチング周期Tsより十分短いデッ
ドタイムtdをもたせて交互にオンさせており,このデ
ッドタイムtdによりIGBTS1,IGBTS2が同
時にオンすることがなく,直流電源の出力を短絡するこ
とがなく,IGBTS1,2の損傷を防止できる。ま
た,出力電圧Eoは,PWM制御により制御される。
【0035】次に,他の実施の形態を図3ないし図8に
示す。図3は第1,第2の高周波変圧器の2次巻線に発
生した高周波交流をそれぞれダイオードD5,D6によ
り整流し,それぞれ整流した直流はタップを有する平滑
リアクトルLda,Ldbにより平滑し,それぞれの出
力に個別の負荷Loa,Lobに直流を供給するもの
で,他の構成は図1のものと同じである。
【0036】図4のものは平滑リアクトルLda,Ld
bの出力を加算するように接続し,共通の負荷Loに直
流を供給するもので,他の構成作用は図3のものと同じ
である。
【0037】図5のものは高周波変圧器の2次巻線に発
生する高周波交流をダイオードD5,D6により整流し
た後,タップを有しない平滑リアクトルLdにより平滑
するものである。この場合,Nl=n2/(n1+n
2)=0で,リアクトルLd,負荷Lo,整流素子D6
を介して環流電流が流れることとなり,漏洩インダクタ
ンスLsにより高周波変圧器T2の2次電流は流れて,
励磁電流になるまでの時間が掛かり,このため,IGB
TS4のターンオフ時には,IGBTS4の電流Is4
の減少時に,IGBTS4の電圧Vs4が上昇すること
があり,スイッチング損失が図1のものより増加するこ
とがある。しかし,従来の図9に示すDC−DCコンバ
ータに比較し,IGBTS1,S2のターンオンとター
ンオフ時,スイッチング損失の減少及びIGBTS3,
S4のターンオン時のスイッチング損失の減少によって
総合的に減少する。
【0038】図6のものは,第1,第2高周波変圧器の
2次巻線に発生した高周波交流をそれぞれダイオードD
5,D6により整流し,それぞれ整流した直流をタップ
を有しない平滑リアクトルLda,Ldbにより平滑し
その出力を加算するように接続し,共通の負荷Loに直
流を供給するもので,他の構成は図5のものと同じであ
る。そして図5のものと同じようにIGBTS3,IG
BTS4のターンオフ時のスイッチング損失は増加する
が,総合的にスイッチング損失は低減する。
【0039】図7のものは,図5のDC−DCコンバー
タがIGBTS3,S4のターンオフ時のスイッチング
損失が増加するという課題を解決するために提案するも
のであり,環流素子7と並列に,コンデンサC3と環流
素子D7cの直列回路を設け,コンデンサC3と環流素
子D7cとの接続点と,平滑リアクトルLdaの出力端
子間に限流用の小さなリアクトルLdcとダイオードD
7eとの直列回路を設けたものである。
【0040】すなわち,IGBTS1,IGBTS4が
オンしているときには,高周波変圧器T2の2次巻線T
2s,ダイオードD6,コンデンサC3,リアクトルL
dc,ダイオードD7e,負荷Loを介して電流が流
れ,コンデンサC3には図7に示す極性に充電する。そ
して,IGBTS1がオフすると,コンデンサC3の充
電電荷によって,高周波変圧器T2の2次巻線T2sに
環流電流が流れることなく平滑リアクトルLda,負荷
Lo,環流素子D7c,コンデンサC3を介して環流電
流が流れる。このため,高周波変圧器T2は直ちに励磁
電流になり,IGBTS4に流れていた電流は0とな
り,IGBTS4のターンオフ時のスイッチング損失は
小さいものとなる。
【0041】図8のものは第1,第2高周波変圧器T
1,T2の2次側にそれぞれコンデンサC4,ダイオー
ドD7eの直列回路と,コンデンサC5,ダイオードD
7dの直列回路を設け,さらにリアクトルLdd,ダイ
オードD7fと,アリクトルLdeとダイオードD7g
の直列回路を設け,それぞれの出力を加算して負荷Lo
に直流を供給するものであり,他の構成,作用は図7と
同じである。
【0042】
【発明の効果】請求項1記載の発明では,IGBTS1
とIGBTS2を0電圧でスイッチングさせており,こ
のときのスイッチング損失は極めて小さい。また,IG
BTS3とIGBTS4は0電流でスイッチングさせて
いるため,このときのスイッチング損失は極めて小さ
い。
【0043】請求項2及び請求項3記載の発明では,I
GBTS3,IGBTS4のターンオン時0電流でター
ンオンし,ターンオン時でのスイッチング損失を極めて
小さくすることがてきる。
【0044】請求項4記載の発明では,複雑な構成を加
えることなく負荷に所望の直流を供給することができ
る。
【0045】請求項5記載の発明では,IGBTS1と
IGBTS2とが同時にオンすることがなく,直流電源
の出力短絡を防止でき,スイッチング素子の損傷を防止
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のDC−DCコンバータの一実施形態を
示す接続図である。
【図2】図1の各部の波形図である。
【図3】本発明の他の実施形態を示す接続図である。
【図4】本発明の他の実施形態を示す接続図である。
【図5】本発明の他の実施形態を示す接続図である。
【図6】本発明の他の実施形態を示す接続図である。
【図7】本発明の他の実施形態を示す接続図である。
【図8】本発明の他の実施形態を示す接続図である。
【図9】従来のDC−DCコンバータを示す接続図であ
る。
【符号の説明】
E 直流電源 S1 第1スイッチング素子(IGBT) S2 第2スイッチング素子(IGBT) S3 第3スイッチング素子(IGBT) S4 第4スイッチング素子(IGBT) D1 第1環流素子(ダイオード) D2 第2環流素子(ダイオード) D3 第3環流素子(ダイオード) D4 第4環流素子(ダイオード) D5,D6 ダイオード D7 第7環流素子(ダイオード) C1 第1コンデンサ C2 第2コンデンサ T1 第1高周波変圧器 T2 第2高周波変圧器 Ld 平滑用リアクトル Ls 漏洩インダクタンス

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源の出力に直列接続され高周波ス
    イッチングする第1スイッチング素子及び第2スイッチ
    ング素子と,上記第1スイッチング素子と並列に接続さ
    れた高周波スイッチングする第3スイッチング素子と第
    1高周波変圧器との第1直列回路と,上記第2スイッチ
    ング素子と並列に接続された第2高周波変圧器と高周波
    スイッチングする第4スイッチング素子との第2直列回
    路と,上記第1スイッチング素子の導電路と逆並列に接
    続された第1環流素子と第1コンデンサと,上記第2の
    スイッチング素子の導電路と逆並列に接続された第2環
    流素子と第2コンデンサと,上記第3スイッチング素子
    と第1高周波変圧器の1次巻線との接続点と,上記直流
    電源の−端子間に接続された第3環流素子と,第2高周
    波変圧器の1次巻線と上記第4スイッチング素子との接
    続点と,上記直流電源の+端子間に接続された第4環流
    素子と,上記両高周波変圧器の2次巻線に発生した電圧
    の整流出力が接続されるタップを有し,一方の端子が負
    荷に接続される平滑リアクトルと,上記平滑リアクトル
    の他方の端子と負荷との間に接続される第7環流素子と
    を備えたDC−DCコンバータ。
  2. 【請求項2】 上記第1及び第2高周波変圧器が漏洩イ
    ンダクタンスを有する請求項1記載のDC−DCコンバ
    ータ。
  3. 【請求項3】 上記第1及び第2高周波変圧器の1次側
    又は2次側に小容量のリアクトルを有する請求項1記載
    のDC−DCコンバータ。
  4. 【請求項4】 上記第1及び第2高周波変圧器の2次巻
    線に発生した電圧をそれぞれ整流し,その出力が加算さ
    れるように接続された請求項2又は請求項3記載のDC
    −DCコンバータ。
  5. 【請求項5】 上記第4,第3スイッチング素子がオン
    又はオフするタイミングを,それぞれ上記第1,第2ス
    イッチング素子がオン又はオフするタイミングより遅ら
    せるとともに,上記第1スイッチング素子と上記第2ス
    イッチング素子を相補的にオンオフスイッチングさせ,
    上記第1スイッチング素子と上記第2スイッチング素子
    のオンオフ切換時に上記第1,第2スイッチング素子を
    ともに短時間オフさせた請求項4記載のDC−DCコン
    バータ。
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