JP3495220B2 - 最小コスト経路探索方法およびシステム - Google Patents

最小コスト経路探索方法およびシステム

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JP3495220B2
JP3495220B2 JP07910797A JP7910797A JP3495220B2 JP 3495220 B2 JP3495220 B2 JP 3495220B2 JP 07910797 A JP07910797 A JP 07910797A JP 7910797 A JP7910797 A JP 7910797A JP 3495220 B2 JP3495220 B2 JP 3495220B2
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啓介 大西
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、最短路探索や最大
流探索問題などで用いられる、ノードとリンクで構成さ
れたネットワークにおける出発点から目的点までの最小
コスト経路を探索する最小コスト経路検索方法およびシ
ステムに関する。
【0002】
【従来の技術】ネットワークに関する代表的な最適化問
題としては最短路問題、最大流問題、最小費用流問題な
どがある。そのうち最短路問題として広く使われている
数理計画上の手法にダイクストラ法がある。以下、簡単
にこの手法を説明する。
【0003】いま図1のようなネットワークがあったと
する。図の丸印が節点、節点と節点を結ぶ線が枝であ
る。ここでは、節点をノード、枝をリンクとよぶことに
する。ノードとリンクの集合をグラフといい、リンクに
向きが有るものを有向グラフといい、無いものを無向グ
ラフという。有向グラフは向きと長さをもっている。図
1の例は有向グラフの例である。出発点のノードsから
目的点のノードtへの経路で、もっとも短くなるものを
見い出す問題が最短路問題である。
【0004】いま、ノードsからノードtへの最短路P
を P={s,i,j,……、k,t} とする。このとき、PをあるノードでP1とP2に分割
した場合、部分集合P1とP2も、それぞれの集合内で
最短路になっている。これを最適性の原理といい、この
原理を利用して数理的に最短路を求めるアルゴリズムが
ダイクストラ法である。すなわち、ダイクストラ法は空
集合から始めて、最短路となるノードを一つずつ求めて
最短路部分集合を膨らませていき、最終的に全部のノー
ドに対して最短路を求める方法である。以下は、プログ
ラミングするときのアルゴリズムである。
【0005】ノードsからノードtに至るあらゆるノー
ドの集合をV、sからjに至る最短路の長さd(j)、
その最短路のノードの集合S1、その補集合S2(=V−
1)とすると、以下の方法で最短路が求まる。 (1)初期値化として、 S1←0(空集合)、S2←V d(s)←0、d(i)←∞ とする。ここで、iはS2に含まれるノード、X←Yは
XをYで置き換えることを表す。
【0006】(2)S1=Vなら計算終了。 (3)S1≠Vなら、 最短路のd(i)を選び出し、 v←i とする。d(v)はsからvに至る最短路となっている
から、vをS1に含め、vをS2から外す。
【0007】(4)ノードvから出るリンク(出リンク)
が次に到達する、S2に含まれるすべてのノードiに対
して d´(i)←d(v)+avi を計算し、d(i)>d´(i) ならd(i)←d´
(i) かつ p(i)←vとする。ここで、aviはノ
ードvからノードiに至る長さ(リンクの長さ)であ
り、d(i)、d´(i)は出発点sからiに至る経路
の長さである。この時点のd(i)は、S1内のノード
からの最短路長になっている。S2にはもっと短い経路
が存在する可能性はあるが、それは繰り返し計算のなか
で求められることになる。 (5)ステップ(2)のステップに戻る。
【0008】以上の方法で求めたp(i)に対して、最
終ノードtからp(t)をもとに逆にたどっていけば、
出発ノードsまでの最短路が求まる。たとえば、図1の
例を上記のアルゴリズムで求めると、 d(1)=0 d(2)=50 d(3)=70 d(4)=65 d(5)=85 p(2)= 1 p(3)= 2 p(4)= 2 p(5)= 3 となる。
【0009】s=1、t=5であるから、ノード5の前
はノード3(p(5)=3)、ノード3の前はノード2(p(3)
=2)、ノード2の前はノード1(p(2)=1)、すなわち出
発点sにたどりつく。すなわち、最短路は1→2→3→
5、その長さは85(=d(5))である。また、ノード1
からノード4に至る経路(1→2→4)の長さd(4)は、
やはり最短路長になっている。
【0010】実際に上記のアルゴリズムで用いた図1の
経路をシミュレーションしてみるとわかるが、ノード3
からノード4に至る長さd´(4)は計算しなくてもすむ。
すなわち、ダイクストラ法を用いれば、総組み合わせに
よる最短路計算に比べて、計算量が少なくてすむ。この
ため、最短路問題ではダイクストラ法は広く利用されて
いる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】最短経路(最短路)を
求める方法の一例として、ダイクストラ法を従来技術で
説明した。これまで、最短経路の探索をコンピュータで
行う場合、必要に応じてそのつど最短経路を計算する方
法が採られていた。その理由は、対象が単純なネットワ
ークであったこと、リアルタイムな応答を必要としなか
ったこと、あらゆる出発点と到達点の経路をすべて記録
することは記憶装置の記憶容量に限界があること、など
が挙げられる。ダイクストラ法は効率のよい最短経路探
索法ではあるが、その経路(ネットワーク)が複雑にな
れば、探索時にワーキングエリアとして多くのメモリ量
が必要となり、探索時間も長くなる。したがって、複雑
なネットワークに対してリアルタイムに最短経路を求め
る必要がある場合には、そのつど計算する方法は困難に
なる。
【0012】たとえば、日本全国ネットの主要幹線道路
をネットワークで表すと、ノード数14,853個、リンク数
は27,798である。ダイクストラ法は出発地からほぼ同心
円方向に探索領域を広げるので、出発地からみて目的地
方向とは反対側の領域、つまり最終的には最小コスト経
路とはならない領域の探索に探索時間やワーキングエリ
アとしてのメモリを使ってしまう難点があり、ネットワ
ークが大きくなると探索時間とメモリ容量の点で問題が
あった。
【0013】このような問題を避けるために、あらかじ
め最短経路を計算してノード番号でその経路をすべて記
録しておくとなると、大容量のメモリが必要となる。一
つのノードを番号で記録するには2バイトが必要であ
り、あらゆる出発地とあらゆる目的地の最短経路を2バ
イトで登録するとなると、膨大な記録容量が必要とな
る。
【0014】しかも将来的にみて、主要幹線道路以外も
含めるとなると、ノード番号を2バイト(2バイトの正
整数で表せるノード数は約3.2万)では足りなく、4バ
イト(4バイトの正整数で表せるノード数は約21億)が
必要となり、さらに多くの容量が要求される。しかも、
これらの経路があらかじめ計算され、テーブル化された
としても、そのテーブルを効率よく検索する手法も確立
されていない。本発明が解決しようとする課題は、ネッ
トワークにおける最短経路をコンピュータを用いて少な
いメモリ容量で高速に探索する手法を求めることであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するために、ノードとリンクで構成されたネットワー
クにおける出発点から目的点に到達する組み合わせのな
かで最小コストなる経路を探索するコンピュータシステ
ムにおいて、あらゆる出発点に対して、あらゆる目的点
が最小コストとなる出リンク(または入リンク)をフラ
グで記録するフラグテーブルを導入する。
【0016】このためにあらかじめ、出発点とあらゆる
目的点までの最小コスト経路を求め、各ノードにおいて
最小コスト経路となる出リンクにフラグを立てたフラグ
テーブルを作成する。
【0017】ある出発点からある目的点までの最小コス
ト経路を、目的ノードに対応した最小コスト経路の出リ
ンクをフラグテーブル上でたどることによって最小コス
ト経路を探索することができる。なお以下では有向グラ
フを扱い、ノードから外に向うリンクを「出リンク」と
よび、内に向うリンクを「入リンク」とよぶことにす
る。
【0018】ここで、最小コストの「コスト」はリンク
の長さ(大きさ)の総称を表すもので、必ずしも費用・
原価を意味しない。本発明の適用の対象となるネットワ
ークにより異なる。たとえば交通網の場合には、時間、
距離、費用など、その単位はざまざまである。
【0019】出発地sから目的地tまでの最小コストを
距離で求めた場合と所要時間で求めた場合とでは、当
然、その経路は異なる。このように同じ対象(ネットワ
ーク)でも、求めるコスト(この場合は単位の意味)が
異なれば、結果も違う。このように異なるコスト(単
位)に対しては、異なるテーブルが必要となる。
【0020】本発明は、最小コスト経路を求めるアルゴ
リズムに関するものではない。本発明では、あらかじめ
最小コスト経路を求める方法としてどのようなアルゴリ
ズムを使用するかは問わない。ここでは、一般に広く使
用されているダイクストラ法を用いて説明する。
【0021】従来技術で挙げた例では、出発点sから目
的点tに達する最小コスト経路は途中ノードiのノード
連結p(i)のチェーニングでわかる。p(i)を2バ
イトのノード番号でテーブル化しておけば、最小コスト
経路が検索できることになるが、それでは、テーブル容
量が大きくなり、実用的でない。
【0022】本発明では、フラグテーブル(指標テーブ
ル)という概念を導入する。ノードsからノードtに至
る最小コスト経路は一つであるから、ノードtに至る最
小コスト経路のうち、ノードsから出るリンクは1本で
ある。このようにあらゆるノードに対して出発ノードs
の出リンクが最小コスト経路か否かをフラグ(指標)と
して記録したテーブルがフラグテーブルである。フラグ
はオン・オフのいずれかでよいから、ビットで表され
る。
【0023】これをテーブル化したものが図2である。
(a)フラグテーブルは、横軸が出リンク、縦軸がノード
を表す。出リンクはノードに対応している。このフラグ
テーブルに付随するテーブルとして、どこからどこまで
が注目するノードの出リンクに対応しているかを(b)出
リンクポインタテーブルで、リンクの始点と終点のノー
ドはリンク構成ノードテーブルでわかるようになってい
る。
【0024】図の例では、ノードsに対応する出リンク
はs1〜s4である。表の丸印は、ノードsからs1〜s4
に対応する縦軸のノードへ行くときの最小コストとなる
出リンクを示している。たとえば、出発点s(出発ノー
ドs)から目的点t(目的ノードt)に行く場合の最小
コスト経路を探索するには、まずs1〜s4(列)とノー
ドt(行)がクロスする領域において丸印が付いている
のはs1となっているから、tへ行く最小コスト経路の
リンクは出リンクs1であることがわかる。
【0025】つぎに、(c)リンク構成ノードテーブルを
見ると、リンクs1はノードkに接続しているから、再
び出リンクポインタテーブルからノードkのフラグテー
ブル上の位置k1〜k2を知ることができる。さらに、出
リンクk1〜k2とノードtの領域から丸印を探すと、リ
ンクk2であることがわかる。以上の操作を繰り返して
いけば、最終的に目的ノードtに至るまでのリンクとノ
ードがすべてわかることになる(図2の参考の太線が求
める経路を示す)。以上の処理をHIPOにまとめたも
のが図3である。
【0026】コンピュータ処理においては、フラグテー
ブル、出リンクポインタテーブル、リンク構成ノードテ
ーブルをデータベース化しておく。中心となるフラグテ
ーブルは○と×で表せるから、データベース上はビット
表現にし、○はビットがオン(1)、×はビットがオフ
(0)として表す。
【0027】つぎにフラグテーブルを作成する手順を説
明する。各ノードにはノードに入るリンクすなわち入リ
ンクと、ノードから出て行くリンクすなわち出リンクが
ある。あらかじめ入、出リンクとノードに対してすべて
連番でナンバーリングしておく。ただし、通常は入リン
クは他のノードの出リンクとなっているから、ここでは
出リンクを中心に考える。ノード番号は連番であり、ノ
ードから出ている出リンクもまた連番である。
【0028】上記の探索手順からもわかるように、フラ
グテーブルに登録された○×(データベースまたはメモ
リ上はビットのオン/オフ)は出発ノードuから目的ノ
ードvに至る経路のうち、最小コスト経路となるuの出
リンクのみ(1本のみ)を記録(フラグ付与)しておけ
ばよいことになる。
【0029】ダイクストラ法を用いた場合には、ノード
vに入ってくるリンクのうち、どのリンクが最小コスト
経路かがわかるから、この入リンクに印を付けておく。
これを、ラベリングとよぶ。ラベリングされたリンクを
逆にたどっていけば、出発ノードuのどの出リンクが目
的ノードvの最小コスト経路に寄与したかがわかる。こ
れは従来技術で挙げたP(v)のチェーニングに相当す
る。したがって、逆経路探索処理によって求まるノード
uの出リンクに、目的ノードvの最小コスト経路寄与出
リンクとして、フラグ(丸印)を付与すればよいことに
なる。
【0030】以上の手順を、フラグテーブルにフラグを
付与する手順としてまとめたものが、図4のフローチャ
ートである。なお、図4のステップS3によってセット
されるフラグの領域は図5の斜線部分である。図5の例
では、ノードiからノードjに至る最小コスト経路は、
ノードiの出リンクi2を使えばよいことを表してい
る。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図6に示す
ような簡単なネットワークで説明する。ノード番号は○
で囲まれた数字で示し、リンク番号は○無しの数字で示
してある。図4のフローチャートで示す処理によって、
フラグテーブルは図7の形で求まる。図7には同時に、
フラグテーブルに対応した出リンクポインタテーブルと
ノード構成ノードテーブルも示してある。
【0032】このネットワークにおいて、出発ノード
(2)から目的ノード(4)に行く最小コスト経路を求める。
図3に示したHIPOに従って以下の手順で行う。ただ
し経路テーブルを1次元の配列P(n)とし、通るノー
ドのみを記録することにする。
【0033】(ステップ1):iをノード(2)とすると同
時に、P(1)にノード(2)を保管する(初期化)。 (ステップ2):iがノード(4)なら、探索は終了(終了
条件判定)。 (ステップ3):出リンクポインタテーブルより、ノード
i(この時点ではノード(2))のフラグテーブル上の出
リンク5〜6が求まる。 (ステップ4):目的ノード(4)に至る最小コスト経路を
たどるにはノードi(この時点ではノード(2))の出リ
ンクのどれかを、フラグテーブルより求める。出リンク
5、6のうち丸印の付いているのはリンク5であること
から、リンク5が選出される。
【0034】(ステップ5):ノードi(この時点ではノ
ード(2))からのリンク5の行き先は、リンク構成ノー
ドテーブルからノード(1)がわかる。この(1)をP(2)
に保存し、なおかつiに代入。プログラム上はノード
(2)のステップに戻ることになるが、ここでは、箇条書
き的に処理を羅列する。
【0035】(ステップ6):iがノード(4)でないか
ら、処理は続行(ノード(2)の終了条件チェック)。 (ステップ7):出リンクポインタテーブルより、ノード
i(この時点ではノード(1))のフラグテーブル上の出
リンク1〜4が求まる((3)の処理)。 (ステップ8):目的ノード(4)に至る最小コスト経路を
たどるにはノードi(この時点では(1))の出リンクの
どれかを、フラグテーブルより求める。出リンク1〜4
のうち丸印の付いているのはリンク1であることから、
リンク1が選出される(ノード(4)の処理)。
【0036】(ステップ9):ノードi(この時点ではノ
ード(1))からのリンク1の行き先として、リンク構成
ノードテーブルからノード(4)が選出される。このノー
ド(4)をP(3)に保存し、なおかつiに代入。プログ
ラム上はノード(2)のステップに戻ることになるが、こ
こでは、箇条書き的に処理を羅列する(ノード(5)の処
理)。
【0037】(ステップ10):ノードi(この時点では
ノード(4))が目的ノード(4)であるから、探索は終了
(ノード(2)の終了条件チェック)。
【0038】以上の処理が終了したあと、経路テーブル
Pの内容は P(1)=(2)、P(2)=(1)、P(3)=(4) となっているから、(2)から(4)に至る最小コスト経路 (2)→(1)→(4) が求まる。
【0039】
【実施例】本発明の実施例として、図8の函館観光シス
テムを挙げる。このシステムの使い方は、まず出発地と
出発時刻、目的地、さらに観光して回りたい観光地を指
定する。途中の条件として、昼食地と夕食地などが指定
できる。この条件のもとに、最適な観光経路を探索す
る。予め各地点間の最短経路情報はテーブル化されてお
り、観光順路が求まれば、観光地と観光地をつなぐ最小
コスト経路はフラグテーブルより求めることができる。
【0040】図8の例では、出発地が函館駅(JR)、
出発時刻9:00、目的地(通常、宿泊地)はホテルショ
コ、昼食は真マメさん、昼食時間は通常の時間帯、夕食
地はかねきゅう山、夕食時刻は通常の時間帯の条件下
で、函館ハリストス正教会、山頂駅(函館山)、五稜
郭、函館公園を観光先として指定している。この指定の
もとに経路探索を行うと、図9の結果を得る。
【0041】たとえば図9のように、 山頂駅→真マメさん→五稜郭 の順番が求まると、“山頂駅(出発地)→真マメさん
(目的地)”、“真マメさん(出発地)→五稜郭(目的
地)”の経路はフラグテーブルの探索により、最小コス
ト経路が選び出せる。その結果、 山頂駅→山麓駅→十字街→函館駅(市電)→真マメさん
→函館駅(市電)→五稜郭公園前→五稜郭 のように途中の通過経路が求まる。なお、ここでのコス
トは所要時間(リンクの長さの単位)である。
【0042】経路の探索はフラグテーブルのテーブルサ
ーチで行えるために、処理速度が速く、リアルタイムな
リスポンスに十分対応できる。これまでのように最小コ
スト経路をダイクストラ法を用いてそのたびに計算する
となると、ダイクストラ法が効率のよい最短路解法手法
といっても、かなり時間のかかる処理となる。このよう
に、本発明の最小コスト探索手法は他のプログラムのな
かの一手段としての利用も可能である。
【0043】
【発明の効果】道路網における経路探索では、従来ダイ
クストラ法等の最短経路探索手法が用いられてきた。ダ
イクストラ法の場合、出発地と目的地を与えて最小コス
ト経路を探索するために、経路が求まるまでに探索の手
間と探索のメモリ領域が必要となる。この方法をそのつ
ど実行するとなると、経路探索に時間がかかるという問
題点ある。とくに全国ネットの道路交通網のように複雑
なネットワークに対して最小コスト経路を、インターネ
ットなどのコンピュータネットワーク下でリアルタイム
に情報提供サービスをしようとすると、応答時間が遅い
ために、実用化が難しかった。
【0044】一方、システム的には、経路探索プログラ
ムの構築や探索中のテンポラリなメモリ領域を確保しな
ければならないために、その分、余分なメモリを実装し
なければならなかった。このようなネットワークに対し
て有効な手段を提唱したものが、本発明のフラグテーブ
ルである。フラグテーブルはノードとリンクの2次元配
列をビットマップで表現しただけのものであるから、複
雑なネットワークに対しても少ない容量でテーブル化で
きる。たとえば、フラグテーブル全体のデータ容量は データ量(バイト)=ノード数×リンク数/8 であるから、日本全国の主要幹線道路ノード数14,583
個、リンク数27,798本に対して、フラグテーブルは51.6
Mバイトとなり、CD-ROMなどの記憶媒体1枚に収まる。
【0045】また経路を求めるとき、データベースから
メモリに必要なデータを読み込む方法を採れば、必要デ
ータは目的地のノードに対するフラグデータだけなの
で、“リンク数/8”バイトのデータ(図2のt行参
照)を読めばよいことになる。上記の日本全国の主要幹
線データの場合には、わずかに3,474バイトをメインメ
モリに読み込めば、最小コスト経路が求められる。しか
も探索は出発ノードから順に丸印の付いた出リンクをた
どっていくだけでよいから、探索が速い。
【0046】このようなことから、本発明を用いること
によって得られる効果は以下のとおりである。 (1)データ容量が少なくてすむから、コンピュータのメ
インメモリおよび外部記憶媒体への、メモリ上の負担が
少ない。 (2)最小コスト経路の探索が速いために、リアルタイム
の処理に対応できる。たとえばインターネットにおけ
る、交通道路の最小コスト経路の情報サービス提供など
に応用できる。
【0047】(3)データ量が少なくてすむために、CD-RO
Mなどの外部記憶媒体に容易に収まり、このような媒体
で最小コスト経路を必要とする分野の商品をCD-ROM等の
媒体での提供がしやすくなる。たとえば、全国主要道路
網の最小コスト経路探索ソフトとデータをCD-ROMで提供
し、ユーザーが1枚のCD-ROMをもとに自宅のパソコンで
観光地に行く場合の、道路経路情報を探索することもで
きる。
【0048】(4)本発明の最小コスト経路探索システム
は、コストの単位を選ぶことによって、さまざまな角度
からの最小コスト探索が行える。たとえば、道路網に対
して実測距離、所要時間、費用の、3角度から探索した
いという場合には、それぞれを単位としたフラグテーブ
ルを作成しておけば、目的に応じた情報サービスが行え
る。この場合でも、フラグテーブル自体が小容量で抑え
ることができるから、複数のフラグテーブルをもったと
しても、システム的に十分に対応できる。とくにフラグ
テーブルを外部記憶媒体に記録しておき、必要に応じて
読み出す場合でも、目的ノードの行データだけを読み込
めばよいから、メインメモリへの負荷も最小限に抑えら
れる。
【0049】(5)リアルタイムレスポンスが必要でない
分野(バッチ処理のプログラムなどの場合)でも、あら
かじめ最小コスト経路が求まり、しかもそのつど計算す
ると処理時間がかかるプログラムなどに対しては、この
処理部分を本発明の手法を用いてテーブル化し、テーブ
ル検索の方法をとれば、メモリ的にも、また処理時間的
にも、効果的なプログラムが作成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術におけるダイクストラ法の説明図であ
る。
【図2】本発明における、フラグテーブル、出リンクポ
インタテーブル、リンク構成ノードテーブルの説明図で
ある。
【図3】本発明における、フラグテーブルから最小コス
ト経路を探索する手順を示したHIPOである。
【図4】本発明における、フラグテーブルの作成手順を
示したフローチャートである。
【図5】本発明における、図4の処理の説明図である。
【図6】本発明の実施の形態における簡単なネットワー
クの例の説明図である。
【図7】本発明の実施の形態における、図6のネットワ
ークに対するフラグテーブル、出リンクポイントテーブ
ル、リンク構成ノードテーブルの説明図である。
【図8】本発明の実施例におけるシステムより表示され
る入力画面の一例である。
【図9】本発明の実施例における、図8の条件に対して
探索システムが求めた最適観光経路の出力図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 21/00 G06F 17/30 G06F 19/00 G09B 29/00 - 29/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ノードとリンクで構成されたネットワーク
    に対して出発点のノードから目的点のノードに到達する
    組み合わせのなかで最小コストとなる経路を探索するコ
    ンピュータシステムにおいて、 あらかじめ、前記ネットワーク内の各ノードについて、
    前記ネットワーク内の各ノードまでの最小コスト経路を
    求め、各ノードから出るリンクである出リンクについて
    該ノードから目的点のノードに対して該ノードの出リン
    クが最小コスト経路か否かを指標とするフラグを立てた
    フラグテーブルを備え、 指示された出発点から指示された目的点までの最小コス
    ト経路を、前記指示された出発点のノードについて、前
    記指示された目的点のノードに対応した最小コスト経路
    の出リンクを前記フラグテーブルにより検出し、該出リ
    ンクの行き先のノードで再び前記フラグテーブルを用い
    て最小コスト経路の出リンクを検出する手順を前記指示
    された目的点のノードに達するまで繰り返すことで、前
    記指示された出発点から前記指示された目的点までの最
    小コスト経路をコンピュータを用いて探索する手段を備
    えたことを特徴とする最小コスト経路探索システム。
  2. 【請求項2】ノードとリンクで構成されたネットワーク
    に対して出発点のノードから目的点のノードに到達する
    組み合わせのなかで最小コストとなる経路を探索するコ
    ンピュータシステムにおいて、 あらかじめ、前記ネットワーク内の各ノードについて、
    前記ネットワーク内の各ノードまでの最小コスト経路を
    求め、各ノードから出るリンクである出リンクについて
    該ノードから目的点のノードに対して該ノードの出リン
    クが最小コスト経路か否かを指標とするフラグを立てた
    フラグテーブル、該ノードの出リンクの対応を示す出リ
    ンクポインタテーブル、およびリンクの始点と終点のノ
    ードを示すリンク構成ノードテーブルを備え、 指示された出発点から指示された目的点までの最小コス
    ト経路を、前記指示された出発点のノードについて、前
    記出リンクポインタテーブルに基づいて参照する出リン
    クを読み出し、前記指示された目的点のノードに対応し
    た最小コスト経路の出リンクを前記フラグテーブルによ
    り検出し、該出リンクの行き先を前記リンク構成ノード
    テーブルより読み出し、前記出リンクポインタテーブル
    に基づいて参照する出リンクを読み出し、該出リンクの
    行き先のノードで再び前記フラグテーブルを用いて最小
    コスト経路の出リンクを検出する手順を前記指示された
    目的点のノードに達するまで繰り返すことで、前記指示
    された出発点から前記指示された目的点までの最小コス
    ト経路をコンピュータを用いて探索する手段を備えたこ
    とを特徴とする最小コスト経路探索システム。
  3. 【請求項3】ノードとリンクで構成されたネットワーク
    に対して出発点のノードから目的点のノードに到達する
    組み合わせのなかで最小コストとなる経路をコンピュー
    タを用いて探索する方法において、 あらかじめ、前記ネットワーク内の各ノードについて、
    前記ネットワーク内の各ノードまでの最小コスト経路を
    求め、各ノードから出るリンクである出リンクについて
    該ノードから目的点のノードに対して該ノードの出リン
    クが最小コスト経路か否かを指標とするフラグを立てた
    フラグテーブルを用いて、 指示された出発点から指示された目的点までの最小コス
    ト経路を、前記指示された出発点のノードについて、前
    記指示された目的点のノードに対応した最小コスト経路
    の出リンクを前記フラグテーブルにより検出し、該出リ
    ンクの行き先のノードで再び前記フラグテーブルを用い
    て最小コスト経路の出リンクを検出する手順を前記指示
    された目的点のノードに達するまで繰り返すことで、前
    記指示された出発点から前記指示された目的点までの最
    小コスト経路をコンピュータを用いて探索することを特
    徴とする最小コスト経路探索方法。
  4. 【請求項4】ノードとリンクで構成されたネットワーク
    に対して出発点のノードから目的点のノードに到達する
    組み合わせのなかで最小コストとなる経路をコンピュー
    タを用いて探索する方法において、 あらかじめ、前記ネットワーク内の各ノードについて、
    前記ネットワーク内の各ノードまでの最小コスト経路を
    求め、各ノードから出るリンクである出リンクについて
    該ノードから目的点のノードに対して該ノードの出リン
    クが最小コスト経路か否かを指標とするフラグを立てた
    フラグテーブル、該ノードの出リンクの対応を示す出リ
    ンクポインタテーブル、およびリンクの始点と終点のノ
    ードを示すリンク構成ノードテーブルを用いて、 指示された出発点から指示された目的点までの最小コス
    ト経路を、前記指示された出発点のノードについて、前
    記出リンクポインタテーブルに基づいて参照する出リン
    クを読み出し、前記指示された目的点のノードに対応し
    た最小コスト経路の出リンクを前記フラグテーブルによ
    り検出し、該出リンクの行き先を前記リンク構成ノード
    テーブルより読み出し、前記出リンクポインタテーブル
    に基づいて参照する出リンクを読み出し、該出リンクの
    行き先のノードで再び前記フラグテーブルを用いて最小
    コスト経路の出リンクを検出する手順を前記指示された
    目的点のノードに達するまで繰り返すことで、前記指示
    された出発点から前記指示された目的点までの最小コス
    ト経路をコンピュータを用いて探索することを特徴とす
    る最小コスト経路探索方法。
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