JP3494606B2 - 土壌の加熱消毒方法 - Google Patents
土壌の加熱消毒方法Info
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Description
により加熱して園芸作物の病原菌を死滅させる土壌の加
熱消毒方法に関するものである。
に多数の小孔を有するホース(キャンバスホース)を延
長配置し、このホースを含む周囲の土壌表面をシートに
より密閉状に被覆して消毒室を形成し、この消毒室内に
上記ホースを介してボイラーから蒸気(水蒸気)を供給
し、上記土壌の所定深さ、例えば20cm付近の温度が
作物病原菌の死滅温度に達した時点で上記蒸気の供給を
停止した後、自然放熱させる。という蒸気による土壌の
消毒方法があった。
気の供給を停止した後に土壌の熱を自然放熱させるよう
にしていたので、消毒済みの土壌内に蓄熱された多量の
エネルギーを有効に活用することができなかった。例え
ば、一般に行われる蒸気による土壌の消毒では、1m3
の消毒に必要な蒸気注入量は、土壌の性質や含水率等に
よって多少異なるが、約75Kg〜80Kgであり、これは
熱量にすると、約168,000KJ(40,000K
cal )〜約18,0600KJ(43,000Kcal )
となる。消毒中の表層からの放熱ロスを20%と仮定し
ても、消毒終了直後の土壌1m3 中には約134,40
0KJ(32,000Kcal )のエネルギーが蓄熱され
ていることになる。従来ではこのように多量に蓄熱され
ているエネルギーを単に大気へ放熱させていたことにな
る。
層より深くなるに従って蒸気が土中に浸透し難くなると
ともに、蒸気の温度が低下するため、深さが30cm以
上となる下層部の土壌の消毒は加熱効率が低下してエネ
ルギー損失が大きくなるものであった。本発明は、消毒
が終了した上層部の土壌の蓄熱を水に吸収させ、この加
熱された水で未消毒となっている下層部の土壌を加熱消
毒することにより、エネルギー損失の少ない新規な土壌
の加熱消毒方法を得ることを目的とする。
するために、以下の如く構成したものである。即ち、請
求項1に係る発明は、土壌の表面をシートにより密閉状
に被覆して消毒室を形成し、該消毒室内にボイラから蒸
気を所定時間供給して前記土壌の所定上層部を作物病原
菌の死滅温度以上に上昇させた後、前記消毒室内への蒸
気の供給停止時期から所定量の水を前記土壌の表面に向
けて散水する構成にしたものである。また、請求項2に
係る発明は、前記消毒室内に蒸気を供給して深さ約10
cm〜30cmに至る土壌を作物病原菌の死滅温度以上
に上昇させた後、前記消毒室内への蒸気の供給停止時期
から所定量の水を前記土壌の表面に向けて散水する構成
にしたものである。
る。図において、図1は本発明の実験例による一次消毒
工程を示す説明用断面図、図2は本発明の実験例による
二次消毒工程を示す説明用断面図、図3は説明用平面
図、図4は本発明と従来とを比較した土壌の昇温特性図
である。
土壌であり、図3に示すように、幅が約1.5m、左右
の長さが約45mとなる長方形の面積となっている。該
土壌1の幅方向中心部の表面1aに多数の噴出孔を有す
る蒸気噴出ホース(キャンバスホース)2を略全長に亘
って延長載置する。また、上記表面1aの右部(図3に
おいて右部)に、長さ約15mの2本の散水ホース3
a,3bを上記蒸気噴出ホース2の両側に所定の間隔を
おいて延長載置する。この散水ホース3a,3bは表面
に多数の散水用の小孔を有する。上記蒸気噴出ホース2
はその一端(図3において右端)をボイラー(図示省
略)に接続するとともにその他端を閉塞する。また、散
水ホース3a,3bはその一端(図3において右端)を
水道管又は送水ポンプ(図示省略)に接続するとともに
その他端を閉塞する。
a,3bが配置された土壌1の表面1aを耐熱性かつ非
通気性のシート4、例えばポリエチレンシートにより被
覆するとともに、その周囲を鎖等の錘5で押えて略密閉
された消毒室6を形成する。また、上記消毒室6内の土
壌1の内部に複数の温度計7を差し込む。各温度計7
は、本例では、深さ約10cm、約20cm、約30c
m、約40cm部の温度が計測できるように差し込む。
毒する。まず、図1に示すように、ボイラーから約10
0℃の蒸気(水蒸気)を蒸気噴出ホース2を介して消毒
室6内に供給し、該蒸気を土壌1内に浸透させて上層部
の土壌1の温度が作物病原菌の死滅温度に達するまで加
熱する。本例では約30cmの深さの土壌温度が約60
℃になるまで、上記蒸気を継続して供給する。
内への蒸気の供給を停止した後、水道管の蛇口を開いて
(又は送水ポンプを起動させて)水道水(常温の水)を
散水ホース3a,3bに供給し、該散水ホース3a,3
bから所定量の水を上記土壌1の表面1aに向けて散水
する。この散水量は、本例では毎分約5.0リットルで
約100分間継続して供給する。なおこの散水量は土壌
の性質や含水率等によって適宜調節する。また、上記散
水の開始は蒸気の供給を停止する直前から行うようにし
てもよい。
より説明する。図4において、A1,A2は深さ10c
mの土壌昇温特性線であり、A1は蒸気のみによる土壌
昇温特性線、A2は蒸気と散水による土壌昇温特性線で
ある。B1,B2は深さ20cmの土壌昇温特性線であ
り、B1は蒸気のみによる土壌昇温特性線、B2は蒸気
と散水による土壌昇温特性線である。C1,C2は深さ
30cmの土壌昇温特性線であり、C1は蒸気のみによ
る土壌昇温特性線、C2は蒸気と散水による土壌昇温特
性線、D1,D2は深さ40cmの土壌昇温特性線であ
り、D1は蒸気のみによる土壌昇温特性線、D2は蒸気
と散水による土壌昇温特性線である。
約60℃になり、この時点で蒸気の供給を停止するとと
もに、散水を開始した時点(約110分)の線、縦線H
2は散水を停止した時点(約210分)の線である。ま
た、横線S1は土壌1の常温を示す常温線(約20
℃)、横線S2は作物病原菌が死滅する温度線である。
壌(上層部の土壌)は、蒸気のみの場合は、A1及びB
1で示すように、蒸気の供給を停止した時点H1以後に
長時間に亘って高温状態となっているが、蒸気供給後に
散水した場合は、A2,B2で示すように、約130分
時点から次第に温度低下している。これは、上記上層部
の土壌の蓄熱が水に吸収されていることを示す。また、
深さ30cm付近の下層部は、蒸気のみの場合は、C1
で示すように、蒸気の供給を停止した時点H1以後にこ
れよりも遅れて上昇した以後、この状態を長時間に亘っ
て持続しているが、蒸気供給後に散水した場合は、C2
で示すように、約150分時点から次第に温度上昇して
いる。これは、上記上層部の土壌の蓄熱によって昇温さ
れた水が次第に土壌内に流下し、上記下層部の土壌を昇
温していることを示す。
部は、C2,D2に示すように、約200分以後の温度
上昇が大きく、かつ作物病原菌が死滅する温度線S2を
大きく超えていることが判る。これは、散水した水が上
層部の土壌の蓄熱を吸収して下層部の土壌を効率良く昇
温させていることになる。一般に作物病原菌は、50℃
〜60℃の温度を約10分間継続させると死滅すること
が知られており、上記下層部はこれを十分達成している
ことになる。なお、消毒する土壌の深さが浅くても良い
場合、例えば深さ20cmまでの土壌を消毒する場合に
は、蒸気により深さ10〜15cmまでの上層部の土壌
を作物病原菌の死滅温度以上に上昇させた後、前述と同
様にして水を土壌の表面に散水する。このようにすれ
ば、蒸気の供給量を少なくして所定の土壌を円滑に消毒
することができる。
請求項1に係る発明は、蒸気により土壌の所定上層部を
作物病原菌の死滅温度以上に上昇させた後、水を上記土
壌の表面に散水するようにしたので、この水が蒸気によ
って加熱消毒の終了した上層部の土壌の蓄熱を吸収し、
これによって昇温した水が下層部の土壌を加熱消毒する
ことになり、エネルギー損失が少なくなるとともに、少
ないエネルギーで土壌を加熱消毒することができる。ま
た、請求項2に係る発明は、深さ約10cm〜30cm
に至る上層部の土壌を作物病原菌の死滅温度以上に上昇
させた後、水を上記土壌の表面に散水するようにしたの
で、蒸気のみによる土壌の加熱が困難となる30cm以
上の深さの土壌を少ないエネルギーで効率良く加熱消毒
することができる。
用断面図である。
用断面図である。
ある。
線 B1 深さ20cm部の蒸気のみによる土壌昇温特性線 B2 深さ20cm部の蒸気と散水による土壌昇温特性
線 C1 深さ30cm部の蒸気のみによる土壌昇温特性線 C2 深さ30cm部の蒸気と散水による土壌昇温特性
線 D1 深さ40cm部の蒸気のみによる土壌昇温特性線 D2 深さ40cm部の蒸気と散水による土壌昇温特性
線
Claims (2)
- 【請求項1】土壌(1)の表面(1a)をシート(4)
により密閉状に被覆して消毒室(6)を形成し、該消毒
室(6)内にボイラから蒸気を所定時間供給して前記土
壌(1)の所定上層部を作物病原菌の死滅温度以上に上
昇させた後、前記消毒室(6)内への蒸気の供給停止時
期から所定量の水を前記土壌(1)の表面(1a)に向
けて散水することを特徴とする土壌の加熱消毒方法。 - 【請求項2】前記消毒室(6)内に蒸気を供給して深さ
約10cm〜30cmに至る土壌(1)を作物病原菌の
死滅温度以上に上昇させた後、前記消毒室(6)内への
蒸気の供給停止時期から所定量の水を前記土壌(1)の
表面(1a)に向けて散水することを特徴とする請求項
1記載の土壌の加熱消毒方法。
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Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1999
- 1999-11-24 JP JP33334699A patent/JP3494606B2/ja not_active Expired - Fee Related
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