JP3494543B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JP3494543B2
JP3494543B2 JP35130496A JP35130496A JP3494543B2 JP 3494543 B2 JP3494543 B2 JP 3494543B2 JP 35130496 A JP35130496 A JP 35130496A JP 35130496 A JP35130496 A JP 35130496A JP 3494543 B2 JP3494543 B2 JP 3494543B2
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秀樹 関口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機の変速
制御装置に関し、特に登坂・降坂路など路面勾配、転が
り抵抗、空気抵抗、車両総重量などを含む車両の走行抵
抗(以下、走行抵抗を路面勾配で代表して説明する場合
もある)に応じた変速制御技術の向上に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、内燃機関を搭載する車両の自動
変速機は、車両の走行状態に応じて予め設定された変速
パターンに従って自動的に変速されるようになってい
る。つまり、車速や機関負荷(例えば、スロットル開
度)等に応じた変速段(或いは変速比)設定用の変速パ
ターン(変速マップ、変速線)を制御部の記憶手段に記
憶しておき、この変速パターンに従って変速段(或いは
変速比)が制御されるものである。
【0003】ところで、車両が平坦路、登坂路、降坂路
を走行中においては、その路面勾配(走行抵抗)によっ
て変速要求が異なるため、路面勾配に応じて設定された
変速パターンを複数記憶しておいて、路面勾配に応じて
変速パターンを選択切り換えするようにしたものも提案
されている。このものの一例としては、例えば特開平7
−71623号公報に開示されるようなものがある。
【0004】この特開平7−71623号公報に開示さ
れるものは、スロットル開度と車速とに応じて平坦路を
走行するとき車両に期待される予想加速度を予め設定し
ておき、この予想加速度と、車速から実際に求まる実加
速度と、の差分を算出して平均値を求め、該平均値から
平坦路用、登坂用、降坂用などの変速マップの何れかを
選択して変速段を決定するようにした登降坂制御を行う
と共に、スロットル開度が急変したときには誤検出に基
づく誤制御を防止するために前記登降坂制御を中止する
ようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開平7
−71623号公報に開示されるものには、以下のよう
な惧れがある。即ち、上記特開平7−71623号公報
に開示されるものでは、車両が登坂路(車両前方が上方
に傾く路面)を走行中は、予想加速度と実加速度との比
較の結果により登坂路走行中(予想加速度>実加速度)
と判断するのであるが、同じ登坂路を走行中でも車両が
後進走行していた場合には、車速変化から求まる実加速
度の方向(正負)が逆転するため、誤って降坂路(車両
前方が下方に傾く路面)を走行中と判断してしまう惧れ
がある。
【0006】このため、例えば、車両の進行方向が前進
から後進に切り換わると、実際には登坂路に車両があっ
ても、変速マップが登坂路用マップから降坂路用マップ
に切り換わってしまう惧れがある。従って、その後にお
いて、車両が前進しようとするときには、降坂路用マッ
プにより変速段が決定されることになるので、再び登坂
路用マップが選択されるようになるまでは、車両運転性
が悪化すると共に、変速マップの無用な切り換えが増え
ることとなって変速ハンチング等を招く惧れもあり、運
転者に違和感を与える惧れがあった。なお、かかる問題
は、車両が降坂路を走行中に、前進から後進へ切り換え
られた場合にも、同様に生じるものである。
【0007】本発明は、かかる従来の実情に鑑みなされ
たものであり、車両の進行方向が切り換わっても、走行
抵抗を誤検出することなく、良好に登降坂変速制御を行
えるようにした自動変速機の変速制御装置を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に記
載の発明にかかる自動変速機の変速制御装置は、図1に
示すように、車両に搭載され内燃機関に連結される自動
変速機の変速制御装置であって、車両の加速度を検出す
る車両加速度検出手段と、車両の進行方向を検出する車
両進行方向検出手段と、前記検出された車両加速度と、
前記検出された車両進行方向と、に基づいて走行抵抗を
検出する走行抵抗検出手段と、前記検出された走行抵抗
に基づいて、前記自動変速機の変速比を選択する変速比
選択手段と、前記選択された変速比を達成するように前
記自動変速機を変速制御する変速制御手段と、を含んで
構成し、前記走行抵抗検出手段は、車両前進中のとき
は、所定の基準加速度から前記検出された車両加速度を
減算して前記走行抵抗を検出する一方、車両後進中のと
きは、前記検出された車両加速度から前記基準加速度を
減算して前記走行抵抗を検出するようにした。
【0009】かかる構成によれば、車両の進行方向(前
進中か後進中か)を検出し、その検出結果を考慮したう
えで(車両が前進中か後進中かによって異なる車両加速
度の方向を考慮に入れて)、車両加速度に基づき走行抵
抗を検出できるようにしたので、走行抵抗に見合った変
速比(変速段を含む概念である)を選択する際に、その
選択精度を一層向上させることができる。従って、平坦
路・登坂路・降坂路などにおける変速制御を一層高精度
化できるので、従来に対して、車両運転性を向上させる
ことができると共に、変速マップの無用な切り換えに起
因する変速ハンチング等の発生を極力抑制できるので、
運転者に違和感を与える惧れを確実に回避することがで
きる。
【0010】請求項2に記載の発明では、車両に搭載さ
れ内燃機関に連結される自動変速機の変速制御装置であ
って、車両の加速度を検出する車両加速度検出手段と、
車両の進行方向を検出する車両進行方向検出手段と、前
記検出された車両加速度と、前記検出された車両進行方
向と、に基づいて走行抵抗を検出する走行抵抗検出手段
と、前記検出された走行抵抗に基づいて、前記自動変速
機の変速比を選択する変速比選択手段と、前記選択され
た変速比を達成するように前記自動変速機を変速制御す
る変速制御手段と、を含んで構成し、前記走行抵抗検出
手段が、車両後進中の車両加速度を、該走行抵抗検出手
段における走行抵抗の検出結果に反映させないように構
成した。かかる構成によれば、車両の進行方向(前進中
か後進中か)を検出し、その検出結果を考慮して(車両
が前進中か後進中かによって異なる車両加速度の方向を
考慮に入れて)車両加速度に基づき走行抵抗を検出する
際に、その考慮のさせ方として、車両後進中の加速度
を、該走行抵抗検出手段による走行抵抗の検出結果に反
映させないようにしたので、後進走行中の加速度誤検出
に起因する走行抵抗の誤検出を確実に排除できるので、
簡単な構成で、高精度に、走行抵抗に見合った変速比を
選択することができることとなる。従って、平坦路・登
坂路・降坂路などにおける変速制御を一層高精度化でき
るので、従来に対して、車両運転性を向上させることが
できると共に、変速マップの無用な切り換えに起因する
変速ハンチング等の発生を極力抑制できるので、運転者
に違和感を与える惧れを確実に回避することができる。
【0011】請求項3に記載の発明では、前記車両加速
度検出手段を、車速変化に基づいて車両加速度を検出す
る構成とした。かかる構成とすれば、特別に加速度セン
サ等を設けず、車速センサを備えるだけの簡単な構成
で、高精度に車両加速度を検出することができる。請求
項4に記載の発明では、前記変速比選択手段を、機関負
荷に基づいて運転者の意図を検出し、その結果を考慮し
て変速比を選択する構成とした。
【0012】かかる構成とすれば、簡単な構成で運転者
の加速意図や減速意図などを考慮して変速比を選択させ
ることができるので、運転者の意図を、変速比の選択の
際に反映させることができることになる。機関負荷とし
ては、例えば、スロットル弁開度やアクセル開度、吸入
空気流量、燃料供給量などを採用することができる。請
求項5に記載の発明では、前記変速比選択手段を、少な
くとも車速を含む走行状態を考慮して変速比を選択する
構成とした。
【0013】かかる構成とすれば、簡単な構成で、高精
度に、変速比選択手段の選択精度を高めることができる
ことになる。 請求項6に記載の発明では、前記走行抵抗
検出手段を、車両前進方向を基準として走行抵抗を検出
する構成とした。かかる構成によれば、車両の進行方向
(前進中か後進中か)を検出し、その検出結果を考慮し
て(車両が前進中か後進中かによって異なる車両加速度
の方向を考慮に入れて)車両加速度に基づき走行抵抗を
検出する際に、その考慮のさせ方として、車両の前進方
向を基準として走行抵抗を検出するようにしたので、後
進走行中の加速度の方向を正確に把握して走行抵抗の検
出に反映させることができるので、簡単な構成でありな
がら、高精度に、走行抵抗に見合った変速比を選択する
ことができることとなる。従って、平坦路・登坂路・降
坂路などにおける変速制御を一層高精度化できるので、
従来に対して、車両運転性を向上させることができると
共に、変速マップの無用な切り換えに起因する変速ハン
チング等の発生を極力抑制できるので、運転者に違和感
を与える惧れを確実に回避することができる。
【0014】請求項7に記載の発明では、前記変速比選
択手段を、走行抵抗に応じて予め設定されている変速パ
ターンの中から、前記走行抵抗検出手段により検出され
た走行抵抗に基づき1の変速パターンを選択し、該選択
された変速パターンを参照して、運転者の意図と、走行
状態と、に基づき変速比を選択する手段として構成し
た。
【0015】かかる構成によると、簡単かつ低コストな
構成で、良好に走行抵抗に応じた変速制御を行わせるこ
とが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明にかかる実施の形
態を、添付の図面に基づいて説明する。本発明の第1の
実施形態では、図2に示すように、機関1は、その発生
トルクが図示しない車両駆動輪に伝達されるように自動
変速機2に連結されている。該自動変速機2は、機関1
の発生トルクを流体を介して入力するトルクコンバータ
3と、該トルクコンバータ3の出力を入力し変速して出
力する多段式の変速歯車機構4と、これらを駆動する図
示しない油圧機構と、から構成される。
【0017】なお、前記変速歯車機構4の油圧機構に
は、例えばソレノイドバルブ6A,6Bが組み込まれて
おり、該ソレノイドバルブ6A,6Bの開閉の組合せを
切り換えることにより、変速歯車機構4が内装する各ク
ラッチ類の締結・開放の組合せが切り換えられ、所望の
変速段(変速比)への変速が行なわれるようになってい
る。
【0018】前記ソレノイドバルブ6A,6BのON・
OFF制御は、CPU,ROM,RAM,A/D変換器
及び入出力インターフェース等を含んで構成されるコン
トロールユニット50からの制御信号に基づいて行なわ
れる。該コントロールユニット50には、各種センサか
らの信号が入力される。各種センサとしては、スロット
ル開度TVO(機関負荷、換言すれば運転者の加減速意
図)に応じた出力信号を発するスロットルセンサ7、前
記自動変速機2の出力軸(アウトプットシャフト5)の
回転速度を検出して車速VSP(車両の走行状態)を検
出する車速センサ8が設けられている。なお、前記スロ
ットルセンサ7は運転者の加速・減速意図等を検出する
ための手段の一部を構成する。ところで、アクセル開度
センサ、吸入空気流量を検出するエアフローメータなど
も機関負荷延いては運転者の加減速意図を検出するの
で、運転者の意図を検出するための手段として利用する
ことができる。
【0019】また、O/D、D4、D3、2、Rなどの
変速段(レンジ)位置を検出するレンジスイッチ10が
設けられている。前記車速センサ8や前記レンジスイッ
チ10が走行状態を検出するための手段の一部を構成す
る。なお、例えば高水温時における低速段への変速を抑
制させるような制御を行う場合には、機関水温や外気温
などを検出するための各センサが走行状態を検出するた
めの手段の一部を構成することになる。
【0020】また、レンジスイッチ10が、運転者の意
図を検出するための手段の一部を構成する場合もある
(運転者の変速意図延いては加減速意図を検出すること
もできるからである)。以下に、本発明にかかる車両進
行方向検出手段、走行抵抗検出手段、変速比選択手段、
変速制御手段としての機能をソフトウェア的に発揮する
コントロールユニット50が行なう変速制御について、
図3に示すフローチャートに従って説明する。なお、本
発明にかかる車両進行方向検出手段、走行抵抗検出手
段、変速比選択手段、変速制御手段としての機能は、以
下に説明するように、図3のフローチャートにより達成
される。
【0021】まず、図3のフローチャートにおけるステ
ップ1(図では、S1と記してある。以下、同様)で
は、実加速度αrを算出(検出)する。該実加速度αr
は、車速センサ8の検出値である車速VSPを微分する
ことにより求める。ステップ2では、実加速度αrの平
均化処理を行い、平均値αraを求める。かかる平均化
処理は、例えば重み付け平均、移動平均などの各種平均
化処理を採用することが可能である。
【0022】ステップ3では、予想加速度αbを算出
(検出)する。この予想加速度αb(例えば平坦路走行
中に得られるであろう加速度)は、各変速段位置毎に、
スロットル開度TVOと車速VSPとに応じて設定され
ている。なお、特開平7−71623号公報に開示され
るものと同様に、所定の変速段に対応した予想加速度を
設定しておき、これに各変速段に応じた補正係数を乗算
などすることで、各変速段位置に応じた予想加速度を算
出するように構成することも可能である。
【0023】ステップ4では、レンジスイッチ10の信
号に基づいて、現在のレンジがR(後進)レンジである
か否か(後進中か否か)を判断(検出)する。なお、変
速機構の係合状態(ソレノイドバルブの駆動状態)を検
出して、或いはアウトプットシャフト5や駆動輪等の回
転方向を検出し、その検出結果に基づき車両が前進中か
後進中かを判断することも可能である。
【0024】NO(前進中)であればステップ5へ進
み、YES(後進中)であればステップ6へ進む。ステ
ップ5では、車両が前進中であるので、下式に従って、
予想加速度αbと実加速度αrの平均値αraとの差分
αを算出(検出)した後、ステップ7へ進む。
【0025】α=αb−αra 一方、ステップ6では、車両は後進中であるので、下式
に従って、実加速度αrの平均値αraと予想加速度α
bとの差分αを算出(検出)した後、ステップ7へ進
む。 α=αra−αb ステップ7では、差分αと予め定めた第1走行抵抗resi
1とを比較し、α≧resi1であれば、ステップ8へ進
み、重登坂(比較的急な登り坂)判定して、重登坂用マ
ップを選択し、ステップ16へ進む。
【0026】一方、α<resi1であれば、ステップ9へ
進む。ステップ9では、差分αが、予め定めた第2走行
抵抗resi2以上で、予め定めた走行抵抗resi1より小さ
いか否か(resi2≦α<resi1であるか否か)を判断す
る。YESであればステップ10へ進み、NOであれば
ステップ11へ進む。
【0027】ステップ10では、軽登坂(比較的緩やか
な登り坂)判定して、軽登坂用マップを選択し、ステッ
プ16へ進む。一方、ステップ11では、差分αが、予
め定めた第3走行抵抗resi3以上で、予め定めた走行抵
抗resi2より小さいか否か(resi3≦α<resi2である
か否か)を判断する。
【0028】YESであればステップ12へ進み、NO
であればステップ13へ進む。ステップ12では、平坦
路判定して、平坦路用マップを選択し、ステップ16へ
進む。一方、ステップ13では、差分αが、予め定めた
第4走行抵抗resi4以上で、予め定めた走行抵抗resi3
より小さいか否か(resi4≦α<resi3であるか否か)
を判断する。
【0029】YESであればステップ14へ進み、NO
であればステップ15へ進む。ステップ14では、軽降
坂路(比較的緩やかな下り坂)判定して、軽降坂路用マ
ップを選択し、ステップ16へ進む。一方、ステップ1
5では、差分αが、予め定めた第4走行抵抗resi4より
小さい(resi4>αである)と判断できるので、重降坂
路(比較的急な下り坂)判定して、重降坂路用マップを
選択し、ステップ16へ進む。
【0030】ステップ16では、各判定結果に基づき選
択された変速マップ(変速パターン、変速線)を参照
し、車速VSPやスロットル弁開度TVO等に基づき変
速段を決定し、当該決定された変速段が達成されるよう
に、例えば前記ソレノイドバルブ6A,6Bの開閉の組
合せを切り換え、変速歯車機構4の内装する各クラッチ
類の締結・開放の組合せを切り換えて、本フローを終了
する。
【0031】このように、本実施形態によれば、車両が
前進中か後進中かを判断し、その結果に応じて(言い換
えると、車両が前進中か後進中かによって異なる加速度
の方向を考慮に入れて)実加速度と予想加速度との差分
の算出方法を異ならせるようにしたので、即ち車両の前
進方向を基準として路面勾配を検出するようにしたの
で、路面勾配に見合った変速マップ(変速パターン、変
速線)を選択する際に、その選択精度を一層向上させる
ことができる。従って、平坦路・登坂路・降坂路などに
おける変速制御を一層高精度化できるので、従来に対し
て、車両運転性を向上させることができると共に、変速
マップの無用な切り換えに起因する変速ハンチング等の
発生を極力抑制できるので、運転者に違和感を与える惧
れを確実に回避することができる。
【0032】次に、本発明の第2の実施形態について説
明する。第2の実施形態は、基本的なシステム構成は、
第1の実施形態における図2と同様であるので説明を省
略し、コントロールユニット50が行う変速制御につい
てのみ、添付の図4のフローチャートに従って説明する
ことにする。なお、第2の実施形態のコントロールユニ
ット50が行う変速制御は、車両が後進中の場合におけ
る路面勾配の誤検出延いては変速制御の精度低下を防止
すべく、実加速度と予想加速度との比較において後進中
の実加速度を考慮に入れないように、即ち後進中は実加
速度αrの算出を行わないようにするものである。
【0033】即ち、ステップ21では、レンジスイッチ
10の信号に基づいて、現在のレンジがR(後進)レン
ジであるか否か(後進中か否か)を判断する。なお、駆
動輪の回転方向を検出できるようにして、その回転方向
に基づき車両が後進であるか否かを判断することも可能
である。
【0034】NO(前進中)であればステップ22へ進
み、YES(後進中)であればステップ26へ進む。ス
テップ22では、実加速度αrを算出する。該実加速度
αrは、車速センサ8の検出値である車速VSPを微分
することにより求める。ステップ23では、実加速度α
rの平均化処理を行い、平均値αraを求める。かかる
平均化処理は、例えば重み付け平均、移動平均などの各
種平均化処理を採用することが可能である。
【0035】ステップ24では、予想加速度αbを算出
する。この予想加速度αb(例えば平坦路走行中に得ら
れるであろう加速度)は、各変速段位置毎に、スロット
ル開度TVOと車速VSPとに応じて設定されている。
なお、特開平7−71623号公報に開示されるものと
同様にして、予想加速度を算出するように構成すること
も可能である。
【0036】ステップ25では、車両は前進中であるの
で、下式に従って、予想加速度αbと実加速度αrの平
均値αraとの差分αを算出した後、ステップ26へ進
む。 α=αb−αra ステップ26では、差分αと予め定めた第1走行抵抗re
si1とを比較し、α≧resi1であれば、ステップ27へ
進み、重登坂(比較的急な登り坂)判定して、重登坂用
マップを選択し、ステップ35へ進む。
【0037】一方、α<resi1であれば、ステップ28
へ進む。ステップ28では、差分αが、予め定めた第2
走行抵抗resi2以上で、予め定めた走行抵抗resi1より
小さいか否か(resi2≦α<resi1であるか否か)を判
断する。YESであればステップ29へ進み、NOであ
ればステップ30へ進む。
【0038】ステップ29では、軽登坂(比較的緩やか
な登り坂)判定して、軽登坂用マップを選択し、ステッ
プ35へ進む。一方、ステップ30では、差分αが、予
め定めた第3走行抵抗resi3以上で、予め定めた走行抵
抗resi2より小さいか否か(resi3≦α<resi2である
か否か)を判断する。
【0039】YESであればステップ31へ進み、NO
であればステップ32へ進む。ステップ31では、平坦
路判定して、平坦路用マップを選択し、ステップ35へ
進む。一方、ステップ32では、差分αが、予め定めた
第4走行抵抗resi4以上で、予め定めた走行抵抗resi3
より小さいか否か(resi4≦α<resi3であるか否か)
を判断する。
【0040】YESであればステップ33へ進み、NO
であればステップ34へ進む。ステップ33では、軽降
坂路(比較的緩やかな下り坂)判定して、軽降坂路用マ
ップを選択し、ステップ35へ進む。一方、ステップ3
4では、差分αが、予め定めた第4走行抵抗resi4より
小さい(resi4>αである)と判断できるので、重降坂
路(比較的急な下り坂)判定して、重降坂路用マップを
選択し、ステップ35へ進む。
【0041】ステップ35では、各判定結果に基づき選
択された変速マップ(変速パターン、変速線)を参照
し、車速VSPやスロットル弁開度TVO等に基づき変
速段を決定し、当該決定された変速段が達成されるよう
に、例えば前記ソレノイドバルブ6A,6Bの開閉の組
合せを切り換え、変速歯車機構4の内装する各クラッチ
類の締結・開放の組合せを切り換えて、本フローを終了
する。
【0042】このように、第2の実施形態によれば、実
加速度と予想加速度との差分を算出する際に、後進中の
実加速度を考慮に入れないようにしたので(即ち後進中
は実加速度の算出を行わないようにしたので)、前進か
後進かで車速変化から求まる実加速度の方向(正負)が
逆転することに伴う路面勾配の誤検出を防止できるの
で、路面勾配に見合った変速マップ(変速パターン、変
速線)を選択する際に、その選択精度を一層向上させる
ことができる。従って、平坦路・登坂路・降坂路などに
おける変速制御を一層高精度化できるので、従来に対し
て、車両運転性を向上させることができると共に、変速
マップの無用な切り換えに起因する変速ハンチング等の
発生を極力抑制できるので、運転者に違和感を与える惧
れを確実に回避することができる。
【0043】なお、上記各実施形態では、多段式変速歯
車機構を備えた自動変速機を採用した場合について説明
したが、これに限られるものではなく、例えば任意に変
速比を制御できる無段変速機を採用した場合などにも本
発明は適用できるものである。また、上記各実施形態で
は、複数の変速パターン(変速マップ)を備え、この中
から、検出された走行抵抗に応じた変速パターンを選択
して変速制御するようにして説明したが、例えば基準と
なる変速パターンを1つ備え、検出された走行抵抗に応
じて該変速パターン中の各変速線を補正し、補正後の変
速パターンに従って走行抵抗に応じた変速制御を行わせ
るようにすることも可能である。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、車両の進行方向を検出し、その検出結果
を考慮したうえで、車両加速度に基づき走行抵抗を検出
できるようにしたので、走行抵抗に見合った変速比を選
択する際に、その選択精度を一層向上させることができ
る。従って、平坦路・登坂路・降坂路などにおける変速
制御を一層高精度化できるので、従来に対して、車両運
転性を向上させることができると共に、変速マップの無
用な切り換えに起因する変速ハンチング等の発生を極力
抑制できるので、運転者に違和感を与える惧れを確実に
回避することができる。
【0045】請求項2に記載の発明によれば、車両の進
行方向を検出し、その検出結果を考慮して車両加速度に
基づき走行抵抗を検出する際に、その考慮のさせ方とし
て、車両後進中の加速度を、該走行抵抗検出手段による
走行抵抗の検出結果に反映させないようにしたので、後
進走行中の加速度誤検出に起因する走行抵抗の誤検出を
確実に排除できるので、簡単な構成で、高精度に、走行
抵抗に見合った変速比を選択することができることとな
る。従って、平坦路・登坂路・降坂路などにおける変速
制御を一層高精度化できるので、従来に対して、車両運
転性を向上させることができると共に、変速マップの無
用な切り換えに起因する変速ハンチング等の発生を極力
抑制できるので、運転者に違和感を与える惧れを確実に
回避することができる。
【0046】請求項に記載の発明によれば、特別に加
速度センサ等を設けず、車速センサを備えるだけの簡単
な構成で、高精度に車両加速度を検出することができ
る。請求項4に記載の発明によれば、簡単な構成で運転
者の加速意図や減速意図などを考慮して変速比を選択さ
せることができるので、運転者の意図を変速比の選択の
際に反映させることができる。
【0047】請求項に記載の発明によれば、簡単な構
成で、高精度に、変速比選択手段の選択精度を高めるこ
とができる。請求項6に記載の発明によれば、車両の進
行方向を検出し、その検出結果を考慮して車両加速度に
基づき走行抵抗を検出する際に、その考慮のさせ方とし
て、車両の前進方向を基準として走行抵抗を検出するよ
うにしたので、後進走行中の加速度の方向を正確に把握
して走行抵抗の検出に反映させることができるので、簡
単な構成でありながら、高精度に、走行抵抗に見合った
変速比を選択することができることとなる。従って、平
坦路・登坂路・降坂路などにおける変速制御を一層高精
度化できるので、従来に対して、車両運転性を向上させ
ることができると共に、変速マップの無用な切り換えに
起因する変速ハンチング等の発生を極力抑制できるの
で、運転者に違和感を与える惧れを確実に回避すること
ができる。
【0048】請求項7に記載の発明によれば、簡単かつ
低コストな構成で、良好に走行抵抗に応じた変速制御を
行わせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のブロック図
【図2】 本発明の第1の実施形態におけるシステム構
成図
【図3】 同上実施形態における変速制御を説明するフ
ローチャート
【図4】 本発明の第2の実施形態における変速制御を
説明するフローチャート
【符号の説明】
1 機関 2 自動変速機 3 トルクコンバータ 4 変速歯車機構 6A ソレノイドバルブ 6B ソレノイドバルブ 7 スロットルセンサ 8 車速センサ 9 スロットル弁 10 レンジスイッチ 50 コントロールユニット
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−152060(JP,A) 特開 平7−71589(JP,A) 特開 昭62−39335(JP,A) 特開 平5−71623(JP,A) 特開 平8−145154(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両に搭載され内燃機関に連結される自動
    変速機の変速制御装置であって、 車両の加速度を検出する車両加速度検出手段と、 車両の進行方向を検出する車両進行方向検出手段と、 前記検出された車両加速度と、前記検出された車両進行
    方向と、に基づいて走行抵抗を検出する走行抵抗検出手
    段と、 前記検出された走行抵抗に基づいて前記自動変速機の変
    速比を選択する変速比選択手段と、 前記選択された変速比を達成するように前記自動変速機
    を変速制御する変速制御手段と、を含んで構成し、前記走行抵抗検出手段は、車両前進中のときは、所定の
    基準加速度から前記検出された車両加速度を減算して前
    記走行抵抗を検出する一方、車両後進中のときは、前記
    検出された車両加速度から前記基準加速度を減算して前
    記走行抵抗を検出する ことを特徴とする自動変速機の変
    速制御装置。
  2. 【請求項2】 車両に搭載され内燃機関に連結される自動
    変速機の変速制御装置であって、 車両の加速度を検出する車両加速度検出手段と、 車両の進行方向を検出する車両進行方向検出手段と、 前記検出された車両加速度と、前記検出された車両進行
    方向と、基づいて走行抵抗を検出する走行抵抗検出手段
    と、 前記検出された走行抵抗に基づいて、前記自動変速機の
    変速比を選択する変速比選択手段と、 前記選択された変速比を達成するように前記自動変速機
    を変速制御する変速制御手段と、を含んで構成し、 前記走行抵抗検出手段は、車両後進中の車両加速度を、
    該走行抵抗検出手段における走行抵抗の検出結果に反映
    させないようにしたことを特徴とする自動変速機の変速
    制御装置。
  3. 【請求項3】 前記車両加速度検出手段が、車速変化に基
    づいて車両加速度を検出することを特徴とする請求項1
    又は請求項2に記載の自動変速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 前記変速比選択手段が、機関負荷に基づい
    て運転者の意図を検出し、その結果を考慮して変速比を
    選択することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか
    1つに記載の自動変速機の変速制御装置。
  5. 【請求項5】 前記変速比選択手段が、少なくとも車速を
    含む走行状態を考慮して変速比を選択することを特徴と
    する請求項1〜請求項の何れか1つに記載の自動変速
    機の変速制御装置。
  6. 【請求項6】 前記走行抵抗検出手段が、車両前進方向を
    基準として走行抵抗を検出することを特徴とする請求項
    1、請求項3〜請求項5の何れか1つに記載の自動変速
    機の変速制御装置。
  7. 【請求項7】前記変速比選択手段が、走行抵抗に応じて
    予め設定されている変速パターンの中から、前記走行抵
    抗検出手段により検出された走行抵抗に基づき1つの変
    速パターンを選択し、該選択された変速パターンを参照
    して、運転者の意図と、走行状態と、に基づき変速比を
    選択する手段であることを特徴とする請求項1〜請求項
    6の何れか1つに記載の自動変速機の変速制御装置。
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