JP3494058B2 - 加工性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法 - Google Patents
加工性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法Info
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Description
型時に厳しい耐パウダリング性、摺動性が要求される自
動車の車体等に使用される、加工性に優れた合金化溶融
亜鉛めっき鋼板とその製造方法に関し、特に、鋼板表面
の汚れを除去することを目的とした洗浄油等で鋼板を一
旦洗浄した後に、特殊な後処理を施すことなく、安定し
たプレス成形性を確保することが可能となる、加工性に
優れた自動車車体外装用合金化溶融亜鉛めっき鋼板とそ
の製造方法に関する。
装後耐食性を有するために、自動車車体用防錆鋼板とし
て、広く使用されてきている。しかし、合金化溶融亜鉛
めっき鋼板は、自動車車体外装用鋼板に適用することは
困難であった。電気亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛合金めっ
き鋼板等に比較し、めっき目付量が多いため、耐パウダ
リング性に劣り、プレス加工時に、めっきの剥離量が多
くなり、剥離しためっき粉がプレス時に押し込まれ、外
観を損なうという問題があるためである。
に溶融亜鉛めっきを施した後に直ちに加熱して母材中の
鉄拡散を促進させ、めっき皮膜に亜鉛−鉄合金層の形成
を図るものであるため、めっき皮膜の深さ方向に鉄濃度
勾配ができ、母材から、めっき皮膜表面方向にかけて、
鉄濃度の高いΓ相、Γ1 相、δ1 相、ζ相 (あるいは、
未処理になると、純亜鉛のη相) が形成される。しかし
ながら、溶融亜鉛めっき皮膜形成後の加熱による合金化
処理 (以下GA化処理) は安定性に欠けるため、めっき皮
膜の最表面に形成される合金相が大きく変化し、ζ相
量、Γ1 相、Γ相のバランスが大きく変動するという問
題がある。
に金型との焼き付を起こしやすく、プレス成形時の摺動
抵抗 (摩擦係数) が上昇し、プレス割れを発生しやす
く、摺動性に劣るという問題がある。一方、Γ1 相、Γ
相は、硬質相であるため、プレス成形時の曲げ戻し変形
に伴い、Γ相、Γ1 相を起点として、めっき皮膜が剥離
し、めっき粉が生じやすく、耐パウダリング性に劣ると
いう問題がある。
き鋼板は、防錆性ばかりでなく摺動性の確保のために、
潤滑機能も有する防錆油を塗布し、プレス成型時の摺動
性低下を補っている。しかしながら、主として、自動車
車体外装用鋼板では、鋼板表面上の異物を洗い落とすた
めに、潤滑機能に乏しい洗浄油を使用することから、防
錆油による摺動性改善効果が期待できず、合金化溶融亜
鉛めっき鋼板そのものに優れた摺動性が要求されてきて
いる。
ダリング性の確保と、摺動性の安定化とを両立させる必
要があることから、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を、自動
車車体外装用鋼板としてそのまま使用するには困難があ
った。
化溶融亜鉛めっき鋼板を使用する際には、摺動性の確保
のために、例えば、特開平3−191045号公報に記載され
ているような、合金化溶融亜鉛めっき鋼板上に、鉄系の
フラッシュメッキを施した2層めっきが使用されてき
た。かかる硬質の鉄系めっきを施すことにより、合金化
めっき皮膜表層にζ相が多く存在しても、良好な摺動性
が確保できるため、耐パウダリング性のみを重視して、
Γ相の生成のみを抑制する方法がとられてきた。
の問題があるため、後処理を施さずに、合金化溶融亜鉛
めっき鋼板そのもので、耐パウダリング性、摺動性を確
保することが強く要望されている。
めっきがない状態でも、ζ相量の適正化、表面粗度 (R
max)の低下により、耐パウダリング性とフレーキング性
(摺動性) が確保できると推奨しているが、そのζ相量
は比較的多く、極端にζ相量を減らした状態では、耐パ
ウダリング性の確保が困難になり、耐パウダリング性
(合金化度の低下) 、摺動性確保 (ζ相の低減) のため
の適正な範囲の合金化度を確保することが困難であるこ
とが判る。すなわち、耐パウダリング性を確保した上
で、極力ζ相を低減させることは、従来より検討されて
きたように単純に加熱・保持しただけのGA化処理ヒート
パターンでは、困難が生じる。
量の低い軟質のζ相、もしくは、純亜鉛のη相を低減す
ることが効果的であり、また、耐パウダリング性の抑制
のためには、めっき/母材界面に形成される鉄含有率の
高い硬質なΓ相を低減することが効果的であり、またδ
1 相単相に近いGA皮膜を形成させることが効果的であ
る。特開昭64−68456 号公報、特公平3−55544 号公
報、特許2709173 号参照。
るためには、溶融亜鉛めっき浴中での浸漬時間を短く
し、急速にGA化処理する製造方法が、例えば、特公平5
−81662 号公報に記載されている。
めっき浴中のAl量、および、めっき浴中への鋼板の侵入
温度を規定することにより、めっき皮膜中での母材結晶
粒界からの局部的な異常合金相成長であるアウトバース
ト反応を抑制し、その後、高周波誘導加熱にて、急速に
合金化し、その状態に保持することにより、ζ相の成長
を抑制する製造方法が記載されている。
ものの表面粗度も重要と考えられており、合金化溶融亜
鉛めっき鋼板においても、鋼板の表面粗度をRa=0.5 〜
1.0μmに確保できるように、調質圧延時のワークロー
ルの表面粗度を下げることが効果的であることが、特開
平6−153302号公報に記載されている。
あるが、例えば、特開昭61−223174号公報に、溶融亜鉛
めっき皮膜形成後、急速に、かつ高温に加熱し、その
後、所定温度域に冷却保持するGA化処理ヒートパターン
も推奨されている。
膜の合金相をδ1 単相に近い形態に制御するだけでも、
防錆油を塗油した状態では、良好なプレス成形性を確保
することが可能であるが、油による潤滑性効果が期待で
きない状態では、安定的なプレス成形性を確保すること
が困難であり、特に、自動車車体外装用鋼板として一般
的に使用される洗浄油を塗油した状態では、合金化溶融
亜鉛めっき皮膜のままでは、安定的な摺動性が確保でき
ないという問題があることが判明した。
亜鉛めっき鋼板では、後述のように、GA化処理時におけ
る鉄拡散の不均一に起因する表面粗度の増大が生じるた
めに、調質圧延時のワークロールの表面粗度を調整する
だけでは、安定した鋼板表面粗度を確保することが困難
であり、GA化処理時の鉄拡散の不均一を抑制することが
必要であるということが判明した。
ルを使用すると、剥離しためっき粉等がロールに付着
し、鋼板上に押し込み疵を生じやすくなり、外観の美麗
化が要求される自動車車体外装用鋼板として使用するに
は問題がある。
潤滑性効果が期待できない状態でも安定したプレス成形
性を確保することができ、GA化処理時における鉄拡散の
不均一に起因する表面粗度の増大を防止でき、さらに、
調質圧延時に経験される押し込み疵による外観の劣化を
防止した、自動車車体外装用鋼板として適用可能な合金
化溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法を提供することで
ある。
摺動性を確保するために最適な合金化溶融亜鉛めっき皮
膜の状態を種々調査し、鋭意検討した結果、合金化溶融
亜鉛めっき鋼板の摺動性に関しては、めっき皮膜表層に
おけるある範囲のζ相量と、めっき最表面の形状 (表面
粗度) が、大きく影響を及ぼしているという知見を得
た。
粗度のそれぞれの個別的制御のみでは、潤滑性に乏しい
洗浄油を塗布した状態での自動車車体外装用の合金化溶
融亜鉛めっき鋼板では、プレス成型時に安定した摺動性
を確保することが困難であり、ζ相量および表面粗度を
ある相関関係の下で制御する必要がある。
、表面粗度のバラツキに起因する要因を検討した結
果、めっき浸漬時に、まず、鋼板表面のFeと溶融亜鉛め
っき浴中に添加されているAlによるFe−Al合金化反応に
より形成されるAl富化層が変動し、その後の合金化過程
によって、表面に存在するζ相量、表面粗度が大きく変
動するという新知見をも得た。
鉛めっき皮膜を形成するにあたって、溶融亜鉛めっき浴
中に鋼板などの被処理金属材を浸漬する際のAl濃度を制
御することによって、めっき皮膜中のAl量を管理し、さ
らに、その後の合金化処理をするにあたって、めっき皮
膜中のAlレベルによって変動する合金化反応挙動に鑑
み、めっき皮膜中のAl量レベルでGA化処理ヒートパター
ンを制御することにより、その後に形成されるGA合金
相、および、GA化処理後の表面形状を適正化するのであ
って、その結果、合金化皮膜そのものでの摺動性および
パウダリング性を改善する加工性に優れた合金化溶融亜
鉛めっき鋼板が得られるのである。
て、低温域から高温域まで加熱するので、急速加熱によ
り、ζ相の低減は期待できるが、ある程度のζ相成長は
不可避である。また、ζ相の抑制のためには、ζ相共晶
温度である520 ℃近傍以上に加熱することが効果的であ
るが、従来技術においては、過処理による耐パウダリン
グ性の劣化から、520 ℃以下でGA化することが多く提案
されている。ζ相を消失させる温度としては、不充分で
あると予想される。
化層の成長過程において、母材のフェライト結晶方位に
よって、鉄拡散速度が異なり、母材結晶粒単位で、合金
化めっき皮膜に凹凸が発生するというミクロ陥没現象が
生じる。このミクロ陥没の存在により、調質圧延のワー
クロールを規定しても、かかる期待効果のある表面粗度
を確保することが困難であるという問題がある。
ば、調質圧延ロールの表面粗度を下げても、安定的な表
面粗度を確保することが困難であるが、かかるミクロ陥
没に対して、従来の製造方法では、必ずしも充分に低減
させることは困難である。
成される富化Al量と、その後のGA化処理過程における温
度に大きく依存しており、めっき皮膜中の富化Al量の低
減、すなわち、溶融亜鉛めっき浴中の有効Al量 (=浴中
の全Al量−浴中の溶解Fe量)の低減、侵入材温度の低下
により、ミクロ陥没は減少する。一方、GA化温度も、ミ
クロ陥没の低下には効果的であり、510 ℃以上の高温で
GA化すると、加熱により、母材結晶粒間の鉄拡散速度差
が縮まり、ミクロ陥没が減少するということを見いだし
た。
GA化温度を変化させることにより、ζ相の低減、表面粗
度の低減を同時に図ることが可能となり、安定した摺動
性の確保が可能となる。
およびΓ1 相量の低減が重要であるが、これは、ほぼ合
金化度に依存する。従来技術におけるζ相低減のための
GA化温度では、適正な合金化度を確保しやすいが、前述
のように、この温度では、ζ相の低減効果、表面粗度の
低減効果が不充分である。ζ相量、表面粗度の低減のた
めには、さらに高い温度で加熱することが効果的である
が、このまま保持すると、適正な合金化度の確保が困難
になり、好ましくない。溶融亜鉛状態からの合金化相成
長は、比較的短時間で起こると考えられ、一旦、GA化温
度にまで高めた後に、直ちに、冷却し、保持することに
より、適正な合金化相が確保でき、耐パウダリング性の
低下を防止することが可能となる。但し、GA化温度を高
めた後でも、わずかに溶融亜鉛が残っていると予想さ
れ、冷却温度が低すぎると、溶融亜鉛が固化するので、
残った亜鉛が溶融状態で存在しえる415 ℃以上で保持す
る必要がある。
に保持する考え方は、特開昭61−223174号公報に記載さ
れているが、かかる発明では、GA化温度、保持温度が高
く、完全な耐パウダリング性の確保という観点からは不
充分である。本発明者らが、鋭意検討した結果では、GA
化温度が560 ℃超になれば、Γ相よりもさらに硬質なΓ
1 相が成長してきだし、著しくパウダリング性を低下さ
せるという問題があり、極端にGA化温度を上げること
は、耐パウダリング性の観点から、好ましくないという
知見を見いだした。
ない状況下において、合金化溶融亜鉛めっきままでも、
良好かつ安定的なプレス成形性を確保するために、ζ相
量、表面粗度を制御し、GA化速度、表面粗度に影響を及
ぼす富化Al量を制御するために、浴中Al濃度、侵入材温
の適正化を図った上で、浴中Alレベルに応じて、高温GA
後、直ちに冷却するGA化ヒートパターンをとることによ
り、適正合金化度を確保した上で、ζ相、表面粗度の低
減、安定化も同時に確保するものである。
通りである。 (1) Fe含有量:8〜13重量%、調質圧延後の表面粗度が
中心線粗さ (カットオフ値=0.8mm):[Ra]で、0.5 μm
以上、1.4 μm以下、ζ相量:[ζ] が10g/m2以下、か
つ、 1≦[Ra]( μm)× [ζ値](g/m2) ≦3 の範囲にある合金化溶融亜鉛めっき皮膜を備えたことを
特徴とする加工性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板。
〜0.13wt%である溶融亜鉛めっき浴中に、板温度450 〜
500 ℃で鋼板を浸漬し、浸漬めっき後、直ちに合金化加
熱するにあたって、板温度で510 〜560 ℃の最高到達温
度:[T1]まで一旦加熱し、次いで、直ちに板温度で415
〜480 ℃の合金化保持温度:[T2]まで冷却し、この温度
域で保持してから再度冷却することからなり、前記
[T1]、[T2]および、[Al]を下記式を満足するように設定
するものであり、その後、調質圧延を施すことを特徴と
する、調質圧延後の表面粗度が中心線粗さ (カットオフ
値=0.8mm):[Ra]で、0.5 μm以上、1.4 μm以下、ζ
相量:[ζ] が10g/m 2 以下、かつ、 [Ra](μm)×[ζ値](g
/m 2 ) ≦ 5.0の範囲にある合金化溶融亜鉛めっき皮膜を
備えた加工性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造
方法。 840+1000×[Al]≦[T1]+[T2]≦890+1000×[Al]
る。 Fe含有量:合金化めっき皮膜中のFe含有量 (合金化度)
は、耐パウダリング性、摺動性を確保する上で重要であ
り、8%未満であれば、ζ相を完全に消失させることが
不可能となる。また、13%超では、Γ相が増加しすぎ、
耐パウダリング性が劣化する。従って、Fe含有量として
は、8〜13%が適正であり、好ましくは、9〜11%であ
る。
動性の確保のために重要であり、10g/m2超では、表面粗
度を低減させても、摺動性の確保が困難となることから
10g/m2以下とする。好ましくは6.0 g/m2以下である。ま
た、適正な合金化度、Γ相量が確保できれば、ζ相に関
する下限値は存在しないが、ζ相を低減させると合金化
度、Γ相が増大するため、実質上ζ相は0.5 g/m2以上は
存在する。従って、好適なζ相量は、0.5 〜6.0 g/m2で
ある。
るが、この「表層」は、合金化めっき皮膜のうちζ相の
存在する領域であって、具体的には溶解電位の変化から
ζ相が消失する深さまでの領域をいい、通常、0.1 〜1.
0 μmの深さの領域である。
は重要である。表面粗度が大きいと、摺動時に抵抗 (摩
擦係数) が大きくなり、摺動性が低下する。また、表面
粗度が小さいと、プレス金型とめっき鋼板表面とに適度
な油膜の確保 (油膜保持) が困難になり、プレス金型と
の金属接触を起こし、焼き付き現象を起こすため、好ま
しくない。また、表面粗度が低下すると、プレス加工時
にパウダリング現象で剥離しためっき粉が、押し込まれ
やすくなり、外観不良を起こす。本発明においては、表
面粗度の指標としてRa (カットオフ値=0.8mm)を採用
し、Raは 0.5〜1.4 μmが最適である。好ましくは 0.6
〜1.0 μmである。
くても、表面粗度が大きければ、摺動性に対して改善効
果は期待できない。また、表面粗度が少なくとも、ζ相
量が多ければ、摺動性の改善効果は同様に期待できなく
なる。すなわち、鋼板表面に凹凸が存在する際に、プレ
ス成形を実施すると、局部的に面圧の高い部分 (表面粗
度の凸部) が存在することにより、その部分では、実質
面圧が非常に高くなる。そのような面圧の高い部分にζ
相が存在する場合、軟質なζ相が存在すると、著しく摺
動性を阻害するものと考えられる。
ζ相が存在しても、プレス金型との接触面積は大きくな
るので、実際の面圧は低下し、良好なプレス成形性が確
保できる。一方、ζ相量が少なく (実質存在しなくと
も) とも、表面粗度(Ra)が大きい場合には、プレス金型
との接触面積が小さくなり、実際の面圧が大きくなり、
プレス成形性が劣化すると考えられる。
ても、加工性が低下する傾向が認められる。この理由は
定かではないが、極端なζ相の低減は、合金化度の上
昇、ひいては、耐パウダリング性の低下につながり、加
工時のめっき剥離粉が発生しやすい状況になりやすい。
その際に、表面粗度が極端に小さいと、加工時にめっき
剥離粉が溜まりやすくなり、金型にめっき粉がビルドア
ップ (焼き付き)され、金型があれてくることが原因と
考えられる。表面粗度は大きいと、加工時に発生しため
っき粉がぬけやすくなり、金型にビルドアップされにく
くなるので、極端なζ相量の低減、表面粗度の低下が、
必ずしも加工性の向上に対して効果的ではないと推測さ
れる。
ためには、表面粗度とζ相量の関係が、[Ra] (μm)×
[ζ相量](g/m2) で、5.0 以下でなければ、安定して良
好な摺動性は確保できない。好ましくは1〜3以下であ
る。
量、表面粗度を確保できれば、特に目付量に関しては、
問うものではないが、通常、防錆性の観点から、25〜70
g/m2であれば充分である。次に、上記のような適正なζ
相量、表面粗度を確保できる製造条件について説明す
る。
において重要である。溶融亜鉛めっきでは、めっき皮膜
の密着性の確保のために、通常、めっき浴中にアルミニ
ウムを添加している。これは、焼鈍後、めっき浴中に浸
漬した鋼板表面上に、Fe−Al合金相を形成し、Zn−Fe合
金相の異常成長を抑制し、めっき皮膜の密着力を確保す
るためである。
き浴浸漬中に、合金相の成長が大きくなり、めっき密着
力が低下するという問題がある。一方、浴中のAl量が多
いと、めっき浸漬時に鋼板表面に形成されるFe−Al合金
相が強固に形成され、その後の合金化反応において、Fe
拡散が起こりにくくなり、適正な合金化が困難になると
いう問題がある。また、めっき皮膜中にAlが多いと、こ
の合金化が不均一になるので、表面粗度が大きくなると
いう問題もある。
濃度 (=全Al量−溶出Fe量) で、0.08〜0.13wt%が好適
である。0.08%未満であれば、めっき皮膜の密着性が低
下し、耐パウダリング性が低下する。また、0.08%未満
であれば、合金化の際の鉄拡散速度が速くなるため、ζ
相生成を抑制すべく、高温での合金化を実施すると、Γ
相量の確保が困難になり、耐パウダリング性が劣化す
る。
拡散速度が遅く、ζ相を抑制することが困難になり摺動
性が低下する。ζ相を抑制するために、合金化温度を上
げると、適正な合金化温度を越えてしまい、耐パウダリ
ング性が劣化するという問題もあり、好ましくない。ま
た、Fe拡散反応が不均一になるので、表面粗度が増大
し、適正な表面粗度を確保することが困難になるという
問題もある。従って、浴中有効Al濃度は、0.08〜0.13wt
%にする必要があり、できれば0.10〜0.11wt%が好適で
ある。
度または侵入材温ともいう) は、めっき浴浸漬時の富化
Al量に影響を及ぼす。同一浴Al量でも、侵入材温度が上
昇すると、富化Al量が増加する。従って、侵入板温度が
500 ℃超では、浴Al量が高いときと同様、Fe拡散速度の
遅延に伴い、高温度でもGA化が困難になり、ζ相量の増
大、さらには、表面粗度の増大による摺動性の劣化が問
題になる。また、450 ℃未満であれば、浴Al量の低いと
きと同様、Fe拡散速度が促進されるから、ζ相消失のた
めに高温でGA化を行うと、合金化度の増加に伴い、耐パ
ウダリング性が劣化する。
0 ℃が好適である。前述のように、560 ℃超では、Γ相
よりも硬質なΓ1 相が生成するため、耐パウダリング性
が劣化し好ましくなく、一方、510 ℃未満では、ζ相の
共晶温度との乖離が大きく、ζ相が残るために摺動性に
問題がある。また、510 ℃未満であれば、前述のよう
に、合金化皮膜のミクロ陥没抑制効果が発揮できず、表
面粗度の観点からも問題がある。本発明の目的とする表
面状態をより効果的に得るには、合金化温度は520 〜54
0 ℃が好ましい。
後、保持する理由は、前述のように、高温での合金化に
伴い、合金化度が上昇し、耐パウダリング性を劣化する
のを防止するためである。その際の保持温度として、48
0 ℃以下に規定している理由は、過処理によるパウダリ
ング性劣化防止のためであり、415 ℃以上に規定してい
る理由は、未処理によるη相の発生、および、ζ相の生
成を抑制し、摺動性を確保するためである。
化ヒートパターンにおいて、最高到達温度[T1]と、保持
温度[T2]とを独立して規定するだけでは、適正な合金化
度の確保のためには、不充分である。すなわち、[T1]と
[T2]が高ければ、期待している合金化度を得ることが困
難であり、合金化度が高すぎ、耐パウダリング性が低下
するという問題があり、一方、[T1]と[T2]が低ければ、
合金化度が低く、ζ相が残りやすく、摺動性が低下する
という問題がある。
には、GA化が完了するまでの総入熱量の管理が必要であ
り、GA化最高温度[T1]と保持温度[T2]が適正な温度域内
にあることが重要となる。
めっき皮膜中の富化Al量の影響も大きく受ける。浴中Al
量、鋼板侵入材温度が高ければ、めっき浸漬初期に強固
なFe−Al相が形成され、富化Al量が増加するため、合金
化が遅延するため、本発明のζ相量、表面粗度を確保す
るためには、合金化温度を一層上げる必要が生じる。ま
た、浴中Al量、鋼板侵入材温度が低ければ、めっき浸漬
初期のFe−Al層が薄く、富化Al量が減少するため、合金
化が促進されるため、本発明が目的とするζ相量および
表面粗度を確保するためには、合金化温度を下げる必要
が生じる。
ターンは、最高到達板温[T1]と保持温度[T2]との関係に
おいて、浴中Al量の変化に応じて変化させることが、本
発明において規定する適当な合金化度、ζ相量、表面粗
度を得るために重要である。
Al量に応じて、GA化ヒートパターンを変化させる際の好
適なヒートパターンとして、下式のような関係が重要で
ある。
の低減効果が不充分であり、摺動性が劣化するため好適
ではない。また、上限値超では、適正合金化度を確保す
ることが困難になり、耐パウダリング性が低下するた
め、好適ではない。[T1]+[T2]の関係において、下式を
満足することが好ましい。
での加熱速度、あるいは、合金化処理直後、一旦冷却す
る冷却速度に関しては、温度が確保できれば、特に限定
するものではないが、本発明の効果をより効率的に発揮
するためには、できるだけ上げることが好ましいと考え
られ、合金化加熱速度としては20℃/秒以上、冷却速度
としては10℃/秒以上であることが好ましい。
加熱方式も特に限定するものではなく、本発明の温度が
確保できれば、通常のガス炉による輻射加熱でも、高周
波誘導加熱でも、問うものではないが、より急速加熱が
可能という点では、高周波誘導加熱方式の方が好まし
い。また、合金化加熱後の最高到達板温度から、直ちに
冷却する方法も、問うものではなく、合金化後、エアー
シール等により、熱を遮断すれば、開放放置でも十分で
あり、より急速に冷却するガスクーリング等でも問題な
い。
例に関連させてさらに具体的に説明する。
にすることを目的として、板厚=0.65〜0.85mmの極低炭
素IF鋼を素材に、連続溶融亜鉛めっきラインで製造した
各種合金化溶融亜鉛めっき鋼板材 (目付量=38〜62g/
m2) について、耐パウダリング性、摺動性の調査を実施
した。
て、本発明にしたがって表面粗度(Ra)、ζ相量とを選
び、それらのバランスと加工性との関連について調べ
た。表面粗度は、表面粗度計を用い、表面粗さパラメー
タである中心線粗さ[Ra](カットオフ値=0.8 mm) によ
って測定した。
て、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を電解液中に浸漬し、所
定電流値を流したときの電位を測定する定電流電解法に
て測定した。図1はその結果を定性的に示すもので、同
図に示すような、その際の各合金層溶解電位での溶解時
間から、ζ相量を求めた。
リング性と摺動性を調査した。本例における耐パウダリ
ング性の評価方法としては、図2に記載した条件・仕様
にて円筒絞り試験を実施し、加工時後の側面をテープに
て剥離し、加工前後の重量差により、加工によるめっき
粉剥離量を測定した。その際の判定方法として、車体外
装用鋼板での耐パウダリング性の実績を鑑み、剥離量を
表2に記載したレベルでランク分けを行い、○以上を目
標レベル達成と判断した。
板引き抜き試験による摩擦係数を測定することにより、
摺動性の比較調査を実施した。その際の判定方法とし
て、車体外装用鋼板でのプレス割れとその際の摩擦係数
の実績を鑑み、表3に記載したレベル分けを行い、○以
上を目標レベル達成と判断した。
び摺動性試験による加工性の評価の結果をまとめてグラ
フで示すもので、各種合金化溶融亜鉛めっき鋼板のζ相
量と中心線粗さ[Ra]が変動したときの加工性の評価結果
を図示するものである。
4に示すように、耐パウダリング性、摺動性がともに、
目標値を満足するレベルを△とし、耐パウダリング性、
摺動性がともに、最良域を◎、摺動性が最良で、耐パウ
ダリング性は目標レベルに達したものを○、耐パウダリ
ング性が最良で、摺動性が目標レベルに達したものを
●、耐パウダリング性、摺動性のどちらか一つでも、目
標レベルに達していないものを×とした。
な耐パウダリング性、摺動性を両立するには、従来から
検討されてきた、ζ相量および、表面粗度を低下させる
だけでは不充分であり、ζ相量が10g/m2以下、Raが0.5
〜1.4 μmの範囲で、かつ、ζ相量とRaの積が5.0 以下
の領域であることが判る。特に、ζ相量が0.5 〜0.6g/m
2、Raが0.6 〜1.0 μmの領域で、かつ、ζ相量とRaの
積が1.0 〜3.0 の領域が、耐パウダリング性、摺動性と
もに優れており、最高適量域であることが判明した。
き鋼板での調査結果から、このような優れた加工性を有
することが可能となる表面性状を得るための製造方法の
実施例を説明する。
素材に、連続溶融亜鉛めっきラインで溶融亜鉛めっきを
目付量=45g/m2施した材料を用意 (めっき浴の有効Al濃
度=0.10%、侵入材温度=480 ℃) し、試験装置にて、
合金化処理を行った後、ダルロール (表面粗度:Ra=1.
7 μm) にて、0.8 %調質圧延した後、耐パウダリング
性、摺動性、および表面粗度の変化を調査した。
明確にするために、加熱速度=20℃/秒にて、T1 (合金
化最高到達温度) を変化させ、T1温度到達後、直ちに、
冷却速度=10℃/秒にて冷却し、保持温度=450 ℃ま
で、冷却し、一連の合金化処理時間を20秒で完了するよ
うにして、合金化度を変化させた。
らびに耐パウダリング性 (図2) および摺動性 (図3)
調査は、実施例1と同等な方法で実施した。耐パウダリ
ング性、摺動性の評価判定は、表2、3に記載した基準
で行った。表5にこれらの調査結果を示す。
は、耐パウダリングの調査結果から、13%以下であるこ
とが判る。また、最適値としては、No.12 とNo.11 か
ら、11%以下である。No.4とNo.5から、合金化度の下限
値は、摺動性の調査結果から、8%以上、No.6とNo.7か
ら、好ましくは、9%以上であることが判る。
達温度T2が560 ℃超、[T1]+[T2]が990 ℃超になると、
耐パウダリング性に対して適正な合金化度である13%以
下に抑制することができなくなることから、T1は、560
℃以下、No.11 とNo.12 から、好ましくは、540 ℃以下
が好適であることが判る。
の関係をみると、T1が510 ℃以上、好ましくは、520 ℃
以上であれば、表面粗度が大きく低下している。また、
ζ相量も、510 ℃以上から急激に低下しており、T1温度
としては、510 ℃以上、好ましくは、520 ℃以上にする
ことが好適であることがわかる。
IF鋼を素材に、連続溶融亜鉛めっきラインで亜鉛めっき
を目付量45g/m2施した材料を用意 (めっき浴の有効Al濃
度=0.10%、侵入材温度=470 ℃) し、試験装置にて、
合金化処理した後、ダルロール (表面粗度:Ra=1.7 μ
m) にて、0.8 %調質圧延した後、耐パウダリング性、
摺動性、および表面粗度の変化を調査した。
めに、加熱速度=20℃/秒にて、T1=510 、515 、520
、525 ℃で固定し、直ちに、冷却速度=10℃/秒にて
冷却し、保持温度T2を変化させたときの性能を調査し
た。一連の合金化処理時間は、実施例2と同様に、20秒
で完了するようにして、合金化度を変化させた。
らびに耐パウダリング性 (図2) および摺動性 (図3)
調査は、実施例1と同等な方法で実施した。耐パウダリ
ング性、摺動性の評価判定は、表2、3に記載した方
法と同一である。表6にその調査結果を示す。
は、ζ相量が多く、摺動性が低下するため、目標性能を
保持できないことが判る。また、No.19 〜No.20 より、
T1温度を低下させても、T2温度が480 ℃超では、合金化
度が上昇し、耐パウダリング性が低下し、目標レベルの
性能が確保できないことが判る。
例2の場合と異なり、T2温度を上昇させても、Raは大き
く低下せず、Raの低下に対し、T1温度を上げることが効
果的であることが判り、好適な摺動性を確保するため
に、必要なζ相の低減、表面粗度の低下に対して、T1温
度を上げることが効果的であり、その後、好適な耐パウ
ダリング性を確保するためには、T2温度を下げて、適正
な合金化度を確保することが必要であることが判る。
侵入材温度の影響を明確にするために、板厚=0.70mmの
極低炭素IF鋼を素材に、浴中有効Al濃度と侵入材温度を
変動させたときの耐パウダリング性、摺動性について、
試験用のめっき浴にて、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を作
成し調査した。その際の目付量は、50g/m2とし、合金化
処理のヒートパターンは、T1温度=540 ℃ (加熱速度=
40℃/秒) 、T2温度=430 ℃ (冷却速度=15℃/秒) と
し、一連の合金化処理時間は、20秒に固定した。
粗度:Ra=0.8 μm) にて、0.8 %調質圧延を行った
後、実施例1と同様の条件にて、耐パウダリング性 (図
2) 、摺動性 (図3) 、ζ相量 (図1) 、および表面粗
度を調査した。その際の調査結果を表7に記載した。
は、0.08〜0.13%にて、耐パウダリング性、摺動性が両
立できる良好な加工性が得られることが判る。また、そ
の際の侵入材温度としては、450 〜500 ℃が必要である
ことも判る。特に、No.16 〜19およびNo.22 〜25から、
有効Al濃度が0.10〜0.11%の範囲のとき、耐パウダリン
グ性、摺動性がともに好適である最適な加工性が得られ
ることが判る。
は、侵入材温度を上げても、合金化度が適正範囲を確保
することができなくなり、耐パウダリング性が劣ること
が判る。No.39 、No.40 から、有効Al濃度が高い場合に
は、侵入材温度を下げても合金化処理が遅延するし、適
正な合金化度の確保が困難になり、ζ相残りが多くて
も、表面粗度が大きくなり、摺動性が確保できないこと
が判る。
、No. 24から、ほぼ同一の合金化度であっても、有効A
l濃度が低下するに従い、表面粗度は低下してくるが、
それ以上に、ζ相量が大きくなり、摺動性が低下してく
るため、適正な摺動性の確保が困難になることも判る。
これは、めっき浴ヘの浸漬時に、合金化を遅延させる富
化Al量が少なくなるために、Fe拡散が速くなり、合金化
処理時に、ζ相の共晶点である520 ℃近傍の板温に達す
るまでに、ζ相の生成量が多くなることを表していると
推測される。
の影響を明確にするために、板厚=0.70mmの極低炭素IF
鋼を素材に、浴中有効Al量と侵入材温度を変動させたと
きの耐パウダリング性、摺動性について、試験用めっき
浴にて、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を作成し調査した。
度は、480 ℃に固定した。GA化ヒートパターンは、T2温
度 (加熱速度=40℃/秒) を変更し、T2温度=430 ℃
(冷却速度=15℃/秒) に固定し、一連の合金化処理時
間は、20秒に固定した。
粗度:Ra=0.8 μm) にて、0.8 %調質圧延を行った
後、加工性試験に供した。その際の加工性評価は、表4
の加工性総合評価判定に従った。その結果を表7および
図5に示す。
温度が、510 〜560 ℃の領域で、耐パウダリング性、摺
動性が目標レベルを確保できることが判る。但し、その
範囲の有効Al濃度でも、840 +1000×[Al]≦[T1]+[T2]
≦890 +1000×[Al]の範囲に、GA化時材温である[T1]+
[T2]が入っていないと、耐パウダリング性、摺動性が確
保できないことが判る。
0 〜540 ℃かつ、850 +1000×[Al]≦[T1]+[T2]≦870
+1000×[Al]の範囲では、耐パウダリング性、摺動性と
もに最良の最適領域が存在していることが判る。
ているかを、連続焼鈍ラインにて再確認することを目的
として、板厚=0.65〜0.85mmの極低炭IF鋼を素材に、各
種合金化処理条件を変化させた際の、合金化度、ζ相
量、表面粗度、および耐パウダリング性、摺動性につい
て調査を実施した。
御し、めっき浴有効Al濃度、侵入材温度、合金化温度
([T1]および[T2]) を変化させた。合金化処理後の調質
圧延は、ダルロール (表面粗度:Ra=1.2 μm) にて実
施した。その結果を表8に示す。
理条件を変更しても、本発明の期待効果である厳しい潤
滑条件下においても、良好な加工性を確保するために
は、めっき浴有効Al濃度として、0.08〜0.13wt%が必要
であることが判る。また、侵入材温度としては、No.2、
No.23 から、侵入材温度も、450 〜500 ℃が必要である
ことが判る。また、合金化条件も、No.10 、No.15 よ
り、[T1]は510 〜560 ℃が、[T2]はNo.4、No.21 から、
415 〜480 ℃が必要であることが判る。
よび[T2]が、適正範囲であっても、[T1]+[T2]が、840
+1000×[Al]以上、890 +1000×[Al]以下の範囲でなけ
れば、期待した加工性レベルが確保できないことも判
る。
ろの効果を得る操業条件範囲内では、ζ相([ζ値])、お
よび表面粗度([Ra])、さらには[Ra]× [ζ値] が最適範
囲で内が確保可能となり、期待成果が得られることが判
る。
に合金化溶融亜鉛めっき鋼板を適用する際に、鋼板表面
洗浄のため、一般的に使用される潤滑性の乏しい洗浄油
で洗浄後のプレス成形においても、特殊な後処理を施す
ことなく、合金化溶融めっき鋼板ままでも、良好で安定
したプレス成形性を確保することが可能となる。本発明
により製造された合金化溶融亜鉛めっき鋼板の加工性向
上効果は、極めて顕著であり、生産性の向上、製品性能
の安定化を求められる産業界において、その工業的価値
は極めて大きいものである。
然ながら、潤滑性を有する防錆油を塗布した状態およ
び、合金化処理後の後処理により、潤滑性を付与した状
態においても、従来の合金化溶融亜鉛めっき鋼板で、同
様な処理を施した場合に比較しても、良好、かつ安定し
た加工性を有する。
たグラフある。
量で評価する際の、円筒絞り加工条件の説明図である。
価する際の、平板引き抜き試験条件の説明図である。
に関して、ζ相量と表面粗度:Raの最適領域を図示した
グラフである。
に関して、有効Al濃度とGA化ヒートパターンにおける最
高到達板温の最適領域を図示したグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 Fe含有量:8〜13重量%、調質圧延後の
表面粗度が中心線粗さ (カットオフ値=0.8mm):[Ra]
で、0.5 μm以上、1.4 μm以下、ζ相量:[ζ] が10g/
m2以下、かつ、1≦ [Ra](μm)× [ζ値](g/m2) ≦3 の範囲にある合金化溶融亜鉛めっき皮膜を備えたことを
特徴とする加工性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板。 - 【請求項2】 めっき浴中の有効Al濃度:[Al]が0.08〜
0.13wt%である溶融亜鉛めっき浴中に、板温度450 〜50
0 ℃で鋼板を浸漬し、浸漬めっき後、直ちに合金化加熱
するにあたって、板温度で510 〜560 ℃の最高到達温
度:[T1]まで一旦加熱し、次いで、直ちに板温度で415
〜480 ℃の合金化保持温度:[T2]まで冷却し、この温度
域で保持してから再度冷却することからなり、前記
[T1]、[T2]および、[Al]を下記式を満足するように設定
するものであり、その後、調質圧延を施すことを特徴と
する、調質圧延後の表面粗度が中心線粗さ (カットオフ
値=0.8mm):[Ra]で、0.5 μm以上、1.4 μm以下、ζ
相量:[ζ] が10g/m 2 以下、かつ、[Ra]( μm)× [ζ値]
(g/m 2 ) ≦ 5.0の範囲にある合金化溶融亜鉛めっき皮膜
を備えた加工性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製
造方法。 840+1000×[Al]≦[T1]+[T2]≦890+1000×[Al]
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